JP2006184485A - 枠固定構造を有する光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、心ズレをほとんど引き起こすことなく光学要素を保持した複数の枠を固定し得る枠固定構造を有する光学装置を提供する。
【解決手段】対物レンズ1は、レンズ1a,1b,1c,1d,1e,1fと、レンズ1a,1b,1c,1d,1e,1fを保持する中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fと、中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fを積層して収容する外筒6と、中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fを仮固定する押えリング52を備えている。また押えリング52は、中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fを光軸方向に押圧固定するための複数の先端R止めネジ9を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学要素を保持した複数の枠を固定する枠固定構造を有する光学装置に関する。
標本を観察する際に用いる顕微鏡に備わっている光学装置本体である例えば対物レンズは、幾枚にも重なり配置されている光学要素であるレンズを固定部である中枠によって固定されている。枠により固定されている従来の内部構造は、図11に示すような構成である。図11は、従来の顕微鏡の対物レンズ1内部の構成を示した断面構成図である。図12は、図11における中枠2c周辺を拡大した拡大断面図である。
対物レンズ1は、レンズ1a,1b,1c,1d,1e,1fと、レンズ1a,1b,1c,1d,1e,1fを保持固定し積層配置している中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fと、レンズ1a,1b,1c,1d,1e,1fの球面精度の低下や中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fの肉厚公差といった設計値からのズレにより発生する収差を補正するために中枠2bと中枠2cの間に挿入される間隔調整シム3と、レンズ1a,1b,1c,1d,1e,1fを保持固定し積層配置している中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fを覆う外筒6と、外筒6に設けられ外部から中枠2cに圧力を加え偏心コマ収差を補正するために外筒に設けられた心だし調整穴4と、中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fを組み込んだ後に一定のトルクを与えて中枠2f方向から中枠2a周辺である位置決め部に光軸方向に押える押えリング5と、対物レンズ1を外筒6を介して取り付ける対物レンズ取り付けネジ部6aによって構成される。
レンズ1a,1b,1c,1d,1e,1fは、中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fに対して光学的に正確に偏心がおさえられている。図11に示すように、レンズ1a,1b,1c,1d,1e,1fをそれぞれ保持する中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fは、ほぼ同一径であり、外筒6内において光軸方向に積み重ねられている。これら中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fは、押えリング5によって一定のトルクで光軸方向に締め付けられ固定される。この締め付けにより観察者がレボクリック移動といった衝撃に対しても観察時の見えが劣化すること無く性能が保たれている。
一般にレンズ倍率が10倍以上の対物レンズ1は、レンズ1a,1b,1c,1d,1e,1fの球面上の精度や中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fの肉厚公差といった設計値から生じるズレを間隔調整シム3を挿入し補正されている。挿入される間隔調整シム3は、プレートであり、球面収差や色収差といった収差を補正するために必要な枚数分だけ挿入する態様である。
一方、偏心において、レンズ1a,1b,1c,1d,1e,1fで発生する偏心誤差を一箇所のレンズ1cで打ち消し補正する。補正する外筒6と中枠2cとの間に設けられたクリアランスは、外筒6と中枠2a,2b及び2d,2e,2fに比べて大きくとられている。この外筒6に対して中枠2cと中枠2cが保持するレンズ1cがラジアル方向(光軸に対して垂直方向)に移動するため、心だし調整穴4を通じて外部から細い棒などで圧力を加える。これにより、偏心コマ収差を補正する。
次に対物レンズの組み立て手順について詳細に記述する。
図11に示すように、中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fに固定され組み込まれたレンズ1a,1b,1c,1d,1e,1fを外筒6に組み込み、押えリング5によって光軸方向に軽く押える。この状態で観察者は、対物レンズ1を用いて標本観察する。観察者は、偏心誤差を抑えるために中枠2cを心だし調整穴4を通して外部より例えば細い棒を用いてラジアル方向に押圧する。これによりラジアル方向のズレである偏心コマ収差が補正される。
偏心コマ収差が補正されたため、観察者は、残ったスラスト方向(光軸方向)に発生する例えば球面収差や色収差といった収差を容易に観察できる。
次にこれらの収差を最適化するため、間隔調整シム3の量を変化させる(挿入するプレートの枚数を変える)。この場合、押えリング5を一旦はずし、外筒からレンズ1a,1fを固定した中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fを取り出し、中枠2bと中枠2c間の間隔調整シム3の量を変化させるために、間隔調整シム3の出し入れを行う。
偏心コマ収差と球面(色)収差の調整を、上述の順番で交互に行い、挿入する間隔調整シム3の枚数が最適な状態になったところで、押えリング5を対物レンズ取り付けネジ部6aによりネジ止めしトルクをかけ本締めを行う。これによりレンズ1a,1b,1c,1d,1e,1fは、外部からの振動や衝撃に耐えることができる。
ところが、押えリング5によって本締めを行う際に、押えリング5の回転に伴わない。回転の摩擦による伝達や押圧力の影響により、中枠2fやさらに2eが回転や横ズレを起こし、偏心に関してはわずかであるがりそう理想状態から悪化してしまう。これを解消するためレンズ1a,1b,1c,1d,1e,1fを外筒6に組み込む際に軽く押えた圧力よりも大きな圧力で中枠2cを微小移動させつつ押圧し、最終の心調整を行う。これにより、振動や衝撃に耐えられるトルクで締められ、且つ、適切な心が得られた対物レンズ1が製作される。
対物レンズ1は本締めを行う際に、中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fに対して押えリング5に生じる作用、反作用の力である固定力Aに対して、前記最終の心調整の際に外部から加える圧力Bが打ち勝つように大きな力が与えられて終了している。しかし中枠2cは、中枠2b,2dや間隔調整シム3の端面上では、大きな摩擦力や圧力Bに反発して元に戻ろうとする力Cが、中枠2cを変形させ、しかも変形が解消されない状態で残っている。さらに、中枠2b,2dと外筒6の間は、わずかながらではあるがクリアランスが存在し、押えリング5の固定力だけで全群ともラジアル方向の位置は止まっている状態である。よって中枠2cの変形により元の変形前の状態に戻ろうとする力が、中枠2b,2c,2dなどをラジアル方向に対して微小に移動させてしまう。これにより本締め、最終の心調整後にさらに最終の心調整ズレが発生してしまう。
なおこの心ズレにより発生する移動量は、一般に0.1〜0.5μm以下程度の微小なものであり、通常の明視野対物レンズでは、観察に支障をきたさないレベルである。しかし高開口数、且つアポクロマート系(APO系)の対物レンズや短波長領域及び深紫外(DEEP UV)領域の測定光を透過する対物レンズは、偏心に対して非常に敏感性が高い。そのためにレンズを組み立て、押えリング5で本締めした後に発生する一連の心ズレを押える必要がある。
そこで従来から、レンズを組み立ての際に発生する心ズレが発生する問題点を解消する構成を図13、図14及び図15に示す。これらの構成は、押えリングによる本締め(トルク締め)を行っても、この本締め(トルク締め)行為によって影響されることがなく、心ズレが抑えられる。
図13(a)は、押えリング5の中枠接触面(端面)に、円周方向3等分の突起を設けた3点突出押えリング51を配置した構成図である。図13(b)は、3点突出押えリング51の正面図及び側面図である。図14(a)は、押えリングと中枠の間に、樹脂製のワッシャー7を配置した構成図である。図14(b)は、ワッシャー7の正面図及び側面図である。図15(a)は、押えリング5の代わりに、とんがり先止めネジ8を配置した構成図である。図15(b)は、図15(a)における側面図である。
図13(a)及び図13(b)に示す対物レンズ構成は、円周上に3等分された3点から均一な力で中枠2fを光軸方向に押えるために3点突出押えリング51を配置している。3点突出押えリング51は、円周上に3等分された3点の接触点から均一な力で中枠を押えている。これにより中枠2fに対して均一な力がかかり、締め付けても心が移動しにくい。
また図14(a)及び図14(b)に示す対物レンズは、押えリング5と中枠2fの間に、例えば樹脂製のワッシャー7を嵌め込む構成である。押えリング5の回転に伴う中枠2fの移動を抑えるワッシャー7は、本締めの際に心ズレを押さえ込む構成になる。
さらに図15(a)及び図15(b)に示す対物レンズは、押えリング5の代わりに、とんがり先止めネジ8を中枠2fにねじ込む構成である。本構成は、円周方向等間隔に設けられた3点からネジの先のテーパー部を利用しスラスト方向に圧力をかけ固定する。
また、この他の従来の光学要素支持構成が、特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特許文献1に開示されている顕微鏡の対物レンズ内の光学要素支持構成に関する構成図を図16、図17に示す。
図16は、装置内のレンズ、保持部材及び押えリングを分離した状態の斜視図である。図17は、図16に示すA−Aにおける断面図である。
図16及び図17に示すようレンズ部101は、レンズ101Aと、レンズ101Aを保持する円周上の保持部102Aと、円周上の保持部102Aの円周内に等間隔に3点で支持する保持部材102Aa、102Ab、102Acと、押えリング103Aにより構成されている。押えリング103Aは、図17に示すように各保持部材102Aa、102Ab、102Ac上のレンズ101Aを覆い押える103Aa、103Ab、103Acを有している。
本構成は、レンズ101Aを固定する際にレンズ部101を保持部102Aの円周上の等間隔に配置された3点上に載置し、さらにレンズ101A上から押えリング103Aによって固定する構成である。
また特許文献2に開示されている光学要素の支持構造の構成図を図18に示す。
本構成として光学要素である第1のレンズ201と、レンズ201とほぼ等しい熱膨張係数を有し、レンズ201を支持するためにレンズ201と接着している第1の支持部材202と、第1の支持部材202周辺部分に複数箇所切り欠かれ板状のバネを構成し第1の支持部材202と結合する複数の弾性部材204と、第1の支持部材202の外側に配置され弾性部材204を中央部にて支持する例えば鉄材である第2の支持部材203と、レンズ201の下方に設けられる第2のレンズ205と、レンズ205を支持し、レンズ205とほぼ等しい熱膨張係数を有する支持部材206によって構成される支持構造である。
弾性部材204は、ほぼ等しいピッチ角度によって第1の支持部材202の周囲に複数個設けられており内側部分にて第1の支持部材202とネジ結合している。第1の支持部材202は、第2の支持部材203とは非接触で、第1の支持部材202の自重は、弾性部材204が受けることになる。
このような鏡筒構成において環境温度が変化すると第2の支持部材203と第1の支持部材202とでは熱膨張係数が異なるために異なる膨張、又は収縮を引き起こす。しかし、弾性部材204の板状のバネ部分が曲げ変形を起こすことによって膨張収差を吸収し、第1の支持部材202が自由に単純膨張、又は単純収縮となる変形を起こすことができる。
特開2000−066075公報 特開2001−343576公報
図11に示すように前述した調整法により組み立てられた構成の対物レンズ1は、中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fに対して本締めを行う際、押えリング5の回転に引き連れ、摩擦により中枠2fさらに2eが回転や横ズレ移動を引き起こしてしまう。これにより偏心に関して最適な状態からずれてしまう。
また、図13に示した3点突出押えリング51を配置した対物レンズ1は、比較的均一な力で中枠を押えることができるがそれでも3点突出押えリング51のすぐ隣接した中枠2fが、回転や横ズレ移動を免れず、結局は心ズレが発生してしまう。
さらに図14に示したワッシャー7を配置した対物レンズ1は、樹脂のため比較的に摩擦が少ないが、それでも回転が伝わらないことはなく、又、弾力性があるため比較的に均一な力で中枠を押えることができるが、それでも、中枠移動により心ズレが発生してしまう。また、図13と図14を組み合わせた構成でも同様である。
図15に示したとんがり先止めネジ8をねじ込んだ対物レンズは、同時に均等にとんがり先止めネジ8をねじ込むことは困難であり、ねじ込む際に心ズレが起こり、従って心ズレを起こさずに固定することは難しい。
よって本発明は、心ズレをほとんど引き起こすことなく光学要素を保持した複数の枠を固定し得る枠固定構造を有する光学装置を提供することを目的とする。
本発明は目的を達成するために、光軸を有する複数の光学要素と、光学要素の少なくとも1つを保持する複数の光学要素枠と、光学要素枠を光軸方向に押圧固定する第1の固定部と、光学要素枠の一側端に光学要素枠を位置決めする位置決め部と他方端に固定部を光軸方向に移動可能に保持する第1の保持部を有するとともに、位置決め部に対して光学要素枠を順次積層配置する光学装置本体と、第1の固定部に設けられ、光学要素枠を光軸方向に押圧する複数の第1の押圧部と、を具備することを特徴とする枠固定構造を有する光学装置を提供する。
本発明によれば、中枠レンズ群の押えリングによる本締めの固定後も心ズレをほとんど引き起こすことなく光学要素を保持した複数の枠を固定し得る枠固定構造を有する光学装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について詳細に説明する。
図1、図2、図3及び図4を参照して第1の実施形態について詳細に説明する。図1は、本実施形態にかかわる枠固定構造を有する光学装置である顕微鏡対物レンズ内の構成を示す断面図および押えリング方向から見た略側面図である。図2、図3及び図4は、ネジを挿入した際の組み立て手順を示した際の中枠2f周辺の拡大図である。
本実施形態は、前述した図11に示した顕微鏡対物レンズと比べ押えリング5及び先端R止めネジ9を除き同一構成である。そのために図11に示した顕微鏡対物レンズと同等の部位には同じ参照符号を付してその詳細な説明は省略する。
本構成において、押えリング52は、円周3箇所に等間隔でタップを切っており、先端R止めネジ9によって光軸方向に沿って押圧される構成である。この先端止めネジ9は、先端押圧部分が平面形状ではなく点接触でありR(球)形状になっている止めネジである。
次に本実施形態における調整方法は、前述した対物レンズの調整法と同様にレンズ1a,1b,1c,1d,1e,1fを固定する中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fを外筒6に組み込み、押えリング52にて軽く押える。次に、心だし調整穴4を通じて細い棒などで外部より押圧して偏心コマ収差を取り除き、間隔調整シム3を最適枚数に変化させ球面収差、色収差などを補正するために光学調整を行う。ここまでは前述した調整方法と同様である。
本実施形態においては、本締め(トルク締め)は行わず、図2及び図3に示すように先端R止めネジ9を押えリング52に設けられた3箇所のネジ穴から中枠2fの端面に、トルクをかけないように軽く押し当ててねじ込む。ねじ込む際、3点以外から不均質な力は、加わらないために心はズレない。次にねじ込まれた3つの先端R止めネジ9は、順序良くかつ均等に少しずつ力を加えてねじ込むことでトルクを与えつつねじ込む。その結果、図4に示すように微量αだけ押えリング52より先端R止めネジ9は、突出する。これにより中枠2fは、前述した押えリング5と同様、完全に先端R止めネジ9によって固定される。この時に中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fは、ラジアル方向に対して不均一でなく、ほぼ同力でスラスト方向に押圧されている。そのためレンズ1a,1b,1c,1d,1e,1fに対しての光軸における心はズレず偏心コマ収差が発生せず、標本観察の際における見えの劣化が生じない。
本実施形態は、先端R止めネジ9の先端部分が、平面形状ではなくR(球)形状である。平面形状では、中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fに先端部分全体が密着してしまいネジの回転に伴い生じる摩擦力によって中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fが移動してしまう。しかし、本実施形態に用いたネジ部先端をR形状にすることによって平面形状における面接触からR形状における点接触となる。これにより点接触におけるネジの回転摩擦力は、中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fに伝達することは面接触に比べて減少し標本観察の際における見えの劣化が生じない構成を達成可能にしている。
次に図5を参照して本発明にかかわる第2の実施形態について詳細に説明する。
図5は、剣先止めネジ91を押えリング52にねじ込んだ際の図である。
本実施形態の構成部位について、先端R止めネジ9の代わりに剣先止めネジ91をねじ込む構成である。これ以外の構成は、前述した第1の実施形態と同等の構成なために同じ参照符号を付してその詳細な説明は省略する。
本実施形態は、前述した第1の実施形態と同様にネジ部先端を中枠2fに対して点接触とすることで、中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fに対しての点接触におけるネジの回転摩擦力は、面接触に比べて伝達することが少ない。さらに、本構成にすることでレンズ1a,1b,1c,1d,1e,1fに対しての中心ズレ(偏心コマ収差)が発生せず、標本観察の際における見えの劣化が生じない構成を達成可能にしている。
次に図6、図7及び図8を参照して本発明にかかわる第3の実施形態について詳細に説明する。
図6は、本実施形態にかかわる枠固定構造を有する光学装置である顕微鏡対物レンズ内の構成を示す断面図及び押えリング方向から見た略側面図である。図7及び図8は、本実施形態におけるネジをねじ込んだ際の組み立て手順を示した図である。
本実施形態の構成部位について、先端R止めネジ9の代わりに平先止めネジ10及びボール11を用いる構成である。これ以外の構成は、前述した第1の実施形態と同等の構成のために同じ参照符号を付してその詳細な説明は省略する。
本実施形態は、前述した第1の実施形態と同様にレンズ1a,1b,1c,1d,1e,1fを固定する中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fを押えリング52にて軽く押えた後、図11に示すように押えリング5に等間隔に設けられた3ヶ所の平先止めネジ10の挿入部にボール11を挿入し、さらにその後方から平先止めネジ10でトルクをかけて固定する。この際も、先端R止めネジ9と同様に3箇所に対して順序良くかつ均等にわずかな力量で少しずつねじ込むことにより、図8に示すように微小量変位α分だけ中枠2fを押し込む。
本実施形態は、ボール11が中枠2fに対して第1の実施形態と同様に点接触であるためにスラスト方向に力がかかりレンズ1a,1b,1c,1d,1e,1fに対しての中心ズレ(偏心コマ収差)が発生せず、標本観察の際における見えの劣化が生じない。
次に図9及び図10を参照して第3の実施形態にかかわる第1の変形例及び第2の変形例を詳細に説明する。
図9は、本実施形態にかかわる第1の変形例における枠固定構造を有する光学装置である顕微鏡対物レンズ内の構成を示す断面図及び両側面図である。図10は、本実施形態にかかわる第2の変形例における外筒6の内側端面に円周方向3等分で3点突出した部分を設けた外筒の構成図である。
第1及び第2の変形例の構成部位について、前述した第1の実施形態と同等の構成部位には同じ参照符号を付してその詳細な説明は省略する。
図9に示す第1の変形例は、対物レンズの中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fと外筒6を構成する上で、レンズ1a及びレンズ1fの両側に対して押えリング52を設け、両側から先端R止めネジ9によって中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fを挟み込む構成である。
挟み込む際、円周方向に対してレンズ1a側及びレンズ1f側の先端R止めネジ9の位置が、互いに同じ位置に対峙するように回転合わせをして、図4に示す突出量αを調節し、6箇所を順序良く、かつ均等にわずかな力量で締めを行う。この時、この先端R止めネジ9のレンズ1a側及びレンズ1f側における互いに対峙する位置に配置される3点受け方式は、外筒6である端面の平面部に無理やりならわせるものと異なる。先端R止めネジ9の互いに対応する3点の作用に対応する相手側の反作用点は、一直線上になりラジアル方向に均一に3等分される。そのため中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fの変形も少ないため、中心ズレ(偏心コマ収差)などの誤差が生じ難い。
本変形例では先端R止めネジ9を用いて説明したがこれに限定することはなく、前述したように剣先止めネジ91やボール11を介して押圧するなど面接触であれば同様の効果を得ることができる。
また、図10に示すように第2の変形例は、前述した両側からの先端R止めネジ9によって締める構成の代わりとして外筒6の片側、且つ内側端面に円周方向3等分で3点突出した部分を設けた3点突出外筒12を設けている。
この3点突出外筒12は、前述した先端R止めネジ9の円周3箇所と回転方向の位置合わせを行う。同時にこの場合、押えリング52の回転により図4に示すように先端R止めネジ9の突出量αを調節する。これにより、3点突出外筒12の円周方向の位置と先端R止めネジ9の円周方向の位置を容易にあわすことができる。
3点受け方式は、同じく通常の外筒6である端面の平面部に無理やりならわせるものと異なり、止めネジ3点の作用に対する相手側の反作用点が一直線上にのりラジアル方向で3等分均一になり、そのため中枠2a,2b,2c,2d,2e,2fの変形も少ないため、中心ズレ(偏心コマ収差)などの誤差が生じ難い。
本出願の他に以下に示す特徴的な技術事項を含んでいる。
(付記1)
複数枚の積層構造からからなるレンズと、
前記レンズを保持する複数の枠を固定するネジリング機構において、
円周方向に3等分した位置から前記レンズを止めネジにより光軸方向に沿って押圧することを特徴とする顕微鏡対物レンズ。
(付記2)
前記止めネジは、押圧する先端形状が球(R)形状を具備していることを特徴とする付記1に記載の顕微鏡対物レンズ。
(付記3)
前記止めネジは、前記球状ボールを介して、前記枠を押圧することを特徴とする付記1に記載の顕微鏡対物レンズ。
(付記4)
前記レンズにおいて、
前記止めネジと前記レンズを介して反対側の端面から円周方向同位置に3等分の突起、または前記レンズを押圧する止めネジを具備することを特徴とする付記1に記載の顕微鏡対物レンズ。
本発明に係る第1の実施形態における光学要素系である顕微鏡対物レンズ内の構成を示す断面図および押えリング方向から見た略側面図である。 ネジをねじ込んだ際の組み立て手順を示した図である。 ネジをねじ込んだ際の組み立て手順を示した図である。 ネジをねじ込んだ際の組み立て手順を示した図である。 本発明に係る第2の実施形態における剣先止めネジをねじ込んだ際の図である。 本発明に係る第3の実施形態における光学要素系である顕微鏡対物レンズ内の構成を示す断面図および押えリング方向から見た略側面図である。 本実施形態におけるネジをねじ込んだ際の組み立て手順を示した様子である。 本実施形態におけるネジをねじ込んだ際の組み立て手順を示した様子である。 第3の実施形態にかかわる第1の変形例における光学要素系である顕微鏡対物レンズ内の構成を示す断面図である。 第3の実施形態にかかわる第2の変形例における外筒の内側端面に円周方向3等分で3点突出した部分を設けた外筒の構成図である。 従来の光学要素系である顕微鏡対物レンズ内の構成の断面を示す図である。 図11における心だし調整穴周辺を部分拡大した図である。 図13(a)は、押えリングの中枠接触面(端面)に、円周方向3等分の突起を設けた3点突出押えリングを配置した断面構成図である。図13(b)は、3点突出押えリング51の正面図及び側面図である。 図14(a)は、押えリングと中枠の間に、ワッシャーを配置した断面構成図である。図14(b)は、ワッシャーの正面図及び側面図である。 図15(a)は、押えリングの代わりに、とんがり先止めネジを配置した断面構成図である。図15(b)は、図15(a)における側面図である。 従来の装置内のレンズ、保持部材及び押えリングを分離した状態の斜視図である。 図16に示すA−Aにおける断面図である。 従来の光学要素系の支持構成を示した図である。
符号の説明
1:対物レンズ、1a,1b,1c,1d,1e,1f:レンズ、2a,2b,2c,2d,2e,2f:中枠、3:間隔調整シム、4:心出し調整穴、5,52:押えリング、6:外筒、6a:対物レンズ取り付けネジ部、9:先端R止めネジ、91:剣先止めネジ、10:平先止めネジ、11:ボール、12:3点突出外筒。

Claims (19)

  1. 光軸を有する複数の光学要素と、
    前記光学要素の少なくとも1つを保持する複数の光学要素枠と、
    前記光学要素枠を光軸方向に押圧固定する第1の固定部と、
    前記光学要素枠の一側端に前記光学要素枠を位置決めする位置決め部と他方端に前記第1の固定部を前記光軸方向に移動可能に保持する第1の保持部を有するとともに、前記位置決め部に対して前記光学要素枠を順次積層配置する光学装置本体と、
    前記第1の固定部に設けられ、前記光学要素枠を光軸方向に押圧する複数の第1の押圧部と、
    を具備することを特徴とする枠固定構造を有する光学装置。
  2. 前記第1の押圧部は、前記光軸を中心として円周方向に3等分した位置に設置されていることを特徴とする請求項1記載の枠固定構造を有する光学装置。
  3. 前記第1の保持部は、前記第1の固定部との間に設けられたねじ機構を備え、前記第1の固定部を回転することにより光軸方向に移動可能となることを特徴とする請求項1記載の枠固定構造を有する光学装置。
  4. 前記位置決め部は、
    前記光学要素枠を光軸方向に押圧固定する第2の固定部と、
    前記第2の固定部を前記光軸方向に移動可能に保持する第2の保持部と、
    を有し、
    前記第2の保持部は、前記第2の固定部との間に設けられたねじ機構を備え、前記第2の固定部を回転することにより光軸方向に移動可能となることを特徴とする請求項1記載の枠固定構造を有する光学装置。
  5. 前記位置決め部は、前記光学要素枠の光軸方向位置を規定する複数の第2の押圧部を備えたことを特徴とする請求項1記載の枠固定構造を有する光学装置。
  6. 前記第2の押圧部は、前記光軸を中心として円周方向に3等分した位置に配置されることを特徴とする請求項5記載の枠固定構造を有する光学装置。
  7. 光学装置本体の光学要素枠を位置決めする位置決め部へ、光学要素を保持する複数の前記光学要素枠を順次落とし込む工程と、
    前記光学要素枠に対して、第1の固定部を光軸方向に押圧し、仮固定する工程と、
    前記光学要素枠の少なくとも1つを芯出し調整する工程と、
    前記第1の固定部に設けられた第1の押圧部材を光軸方向に押圧し、前記光学要素枠を前記光学装置本体に固定する工程と、
    を具備することを特徴とする光学装置の枠固定方法。
  8. 光学装置本体の光学要素枠を位置決めする位置決め部に配置された第2の押圧部が有する突出部へ光学要素を保持する複数の前記光学要素枠を順次落とし込む工程と、
    前記光学要素枠に対して、第1の固定部に配置される第1の押圧部を光軸方向に押圧するとともに、前記第2の押圧部における前記突出部と前記第1の押圧部が光軸方向に対峙する配置に仮固定する工程と、
    前記光学要素枠の少なくとも1つを芯出し調整する工程と、
    前記第1の押圧部を光軸方向に押圧し、前記光学要素枠を前記光学装置本体に固定する工程と、
    を具備することを特徴とする光学装置の枠固定方法。
  9. 前記第1の押圧部は、点接触により押圧することを特徴とする請求項1に記載の枠固定構造を有する光学装置。
  10. 前記第1の押圧部は、押圧先端部が球形状を有することを特徴とする請求項9に記載の枠固定構造を有する光学装置。
  11. 前記第1の押圧部は、押圧先端部が剣先形状を有することを特徴とする請求項9に記載の枠固定構造を有する光学装置。
  12. 前記第1の押圧部は、球を介して押圧することを特徴とする請求項9に記載の枠固定構造を有する光学装置。
  13. 前記第2の固定部は、前記光学要素枠を前記第1の固定部とは逆方向から光軸方向に押圧する複数の第2の押圧部を具備することを特徴とする請求項4に記載の枠固定構造を有する光学装置。
  14. 前記第2の押圧部は、前記光軸を中心としての円周方向に対して等間隔に配置された3点から押圧することを特徴とする請求項13記載の枠固定構造を有する光学装置。
  15. 前記第2の押圧部は、点接触により押圧することを特徴とする請求項13に記載の枠固定構造を有する光学装置。
  16. 前記第2の押圧部は、押圧先端部が球形状を有することを特徴とする請求項15に記載の枠固定構造を有する光学装置。
  17. 前記固定する工程は、前記第1の押圧部から点接触により押圧固定することを特徴とする請求項7に記載の光学装置の枠固定方法。
  18. 前記固定する工程は、前記光軸を中心としての円周方向に対して等間隔に配置された3点から押圧すること請求項8に記載の光学装置の枠固定方法。
  19. 前記固定する工程は、対峙した前記第1及び前記第2の押圧部から交互に点接触により押圧固定することを特徴とする請求項8に記載の光学装置の枠固定方法。
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