JP2006049462A - ドライエッチング装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】クランプ部材によって電極に固定された半導体装置に用いる基板表面を、プラズマを用いてドライエッチングする際、クランプ部材のプラズマガ照射面から発生したエッチング副生成物が基板表面に付着することを容易に防止するドライエッチング装置を提供する。
【解決手段】装置内30aに気体を導入してプラズマを発生させ、装置内30aに配設された一対の電極6,7の内、一方の電極7にクランプ部材5によって固定された基板2の表面2aに前記プラズマを照射させて該基板表面2aをドライエッチングするドライエッチング装置1において、クランプ部材5の基板2に対向する面5baがテーパ状に形成されており、該テーパ状に形成された面5baが基板2の周縁2aeに線接触することで基板2が一方の電極7に固定されることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】装置内30aに気体を導入してプラズマを発生させ、装置内30aに配設された一対の電極6,7の内、一方の電極7にクランプ部材5によって固定された基板2の表面2aに前記プラズマを照射させて該基板表面2aをドライエッチングするドライエッチング装置1において、クランプ部材5の基板2に対向する面5baがテーパ状に形成されており、該テーパ状に形成された面5baが基板2の周縁2aeに線接触することで基板2が一方の電極7に固定されることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、ドライエッチング装置に関し、特にクランプ部材によって電極に固定された基板表面を、プラズマガスを用いてドライエッチングするドライエッチング装置に関する。
半導体装置の製造工程における石英(SiO2)等の基板または基板上に成膜された酸化膜等の各種薄膜のドライエッチング工程に、プラズマガスを用いて行う手法が周知である。詳しくは、ドライエッチング装置のチャンバ内の上側と下側に配設された一対の電極(以下、上側を上部電極、下側を下部電極と称す)の内、下部電極上に石英等の基板を戴置し、上部電極と下部電極との間に、フッ素(F)系のプラズマガスを導入して、前記電極間に真空破壊を起こさせることによりフッ素系のプラズマを発生させ、その結果生成されたイオンやラジカル等の活性種の放電により、基板または基板上に形成された薄膜をドライエッチングする手法が一般に知られている。
このフッ素系のプラズマを用いたドライエッチングにより、石英基板からエッチングされた混合物(F+SiO2=SiF4、以下、混合物をエッチング副生成物と称す)の一部は、Vapor(気体)状態となり、チャンバに設けられた排気口から、チャンバ外にポンプ等により排出される。
また、石英基板上に形成された薄膜と、フッ素系のプラズマとの反応により生成されたエッチング副生成物は、固体状態となりチャンバ内に堆積してしまう場合があるため、表面がドライエッチングされた基板をチャンバ外に搬出し、次いで別の基板をチャンバ内に搬入し、前記ドライエッチングに用いたフッ素系ガスとは、異なるハロゲン系のガスを用いて再度ドライエッチングを行うことにより、チャンバ内に付着したエッチング副生成物をチャンバ外に排出する技術が周知である。
しかしながら、活性種が石英と反応することなく再結合されると、フルオロカーボン系のエッチング副生成物が発生してしまい、該フルオロカーボン系のエッチング副生成物は、フッ素系のプラズマには反応しないため、チャンバ内に堆積してしまう場合がある。チャンバ内に、エッチング副生成物が堆積されると、該エッチング副生成物は、飛散して、基板上に付着してしまい、基板のパターン不良、歩留まり低下を招く場合がある。
この不具合に対処するために、例えば特許文献1には、基板または基板上に成膜された薄膜のプラズマに哂される表面の少なくとも一部に、アルミニウムを主成分とする弗化物の層を覆い、プラズマガスを用いてドライエッチングを行う技術の提案がなされている。
アルミニウムの主成分とする弗化物層は、エッチング副生成物であるフルオロカーボンの堆積を抑制するため、基板または基板上に成膜された薄膜のプラズマに少なくとも一部に哂される表面の少なくとも一部に、アルミニウムの主成分とする弗化物の層を覆い、プラズマを用いてドライエッチングを行うと、チャンバ内のフルオロカーボンの堆積を防ぐことができる。
特開平9−326384号公報
ところで、基板または基板上に成膜された各種薄膜のドライエッチング工程に、プラズマを用いて行う場合、プラズマにより、基板または基板上に成膜された各種薄膜のプラズマの照射面が焼き付いてしまうため、基板を戴置する下部電極に形成された複数の穴から、該基板に向かって冷却用のガス、例えばヘリウムガスを出射することにより基板の冷却を行う技術が知られている。
この際、ヘリウムガスにより、基板が下部電極上から飛ばされてしまうのを防ぐため、基板表面の少なくとも一部、例えば外周よりの周部に、クランプ部材を戴置し、該クランプ部材をエアシリンダの圧力を用いて、基板に対し押圧することにより、基板を下部電極に対して固定する技術も知られている。
図5に示すように、クランプ部材500を用いて基板600を下部電極700に対して固定した場合、クランプ部材500の表面は外部に晒されているため、フッ素系のプラズマ800を用いてドライエッチングを行うと、クランプ部材500の表面の一部にも、フッ素系のプラズマ800が照射される。
クランプ部材500は、フッ素系のプラズマ800に対してエッチングされ難い部材、例えばアルミナセラミック等から形成されているが、多少はドライエッチングされてしまうため、クランプ部材500のプラズマが照射される面(以下、プラズマ照射面と称す)500hが、ドライエッチングされてしまう場合がある。
クランプ部材500がエッチングされると、エッチング副生成物900が発生する。このエッチング副生成物900は、フッ素系のプラズマ800によってエッチングされるよりも、エッチング副生成物900が堆積する方が早い面である該クランプ部材500のプラズマ照射面500h以外の面、例えばクランプ部材500の基板600の外周面に近接する面(以下、内周面と称す)500nやチャンバ内に堆積してしまう場合がある。
クランプ部材500の内周面500nに堆積したエッチング副生成物900nは、堆積量が増えると、基板600をクランプ部材500の固定から解放した際、エッチング副生成物900nが基板600に接触することにより該基板600上に付着してしまい、基板600のパターン不良、歩留まり低下を招くといった問題がある。
また、チャンバ内に堆積した及びクランプ部材500のその他の照射面500h以外の面に堆積したエッチング副生成物900tが、ドライエッチング中に飛散して、クランプ部材500の内周面500nに堆積してしまう場合もある。さらには、図6に示すように、下部電極700に形成されたヘリウムガス送気用の複数の穴700aを塞いでしまい、基板600の冷却が行えなくなってしまうといった問題もある。
このような問題に鑑み、図7に示すように、クランプ部材500の内周面500nであって、基板600に近接する面に、段部500dを、例えば研削により設け、内周面500nに堆積したエッチング副生成物900nが、基板600に接触するのを防ぐ技術も知られている。
しかしながら、段部500dの基板600に近接する面に、エッチング副生成物900dが付着してしまう可能性があるため、堆積量が増えると、エッチング副生成物900nと同様、エッチング副生成物900dは、基板600上に付着してしまい、基板600のパターン不良、歩留まり低下を招くといった問題がある。
本発明は上記問題点に着目してなされたものであり、その目的は、クランプ部材によって電極に固定された半導体装置に用いる基板表面を、プラズマを用いてドライエッチングする際、クランプ部材のプラズマが照射される面から発生したエッチング副生成物が基板表面に付着することを容易に防止するドライエッチング装置を提供するにある。
上記目的を達成するために本発明に係るドライエッチング装置は、装置内に気体を導入してプラズマを発生させ、前記装置内に配設された一対の電極の内、一方の電極にクランプ部材によって固定された基板の表面に前記プラズマを照射させて該基板表面をドライエッチングするドライエッチング装置において、前記クランプ部材の前記基板に対向する面がテーパ状に形成されており、該テーパ状に形成された面が前記基板の周縁に線接触することで前記基板が前記一方の電極に固定されることを特徴とし、前記テーパの角度は、0.5°〜2.0°の範囲内の角度であることを特徴とする。
本発明のドライエッチング装置によれば、クランプ部材は、該クランプ部材の前記基板に対向する面が、前記基板に対して0.5°〜2.0°の範囲内の角度を有するテーパ状に形成されており、該テーパ状に形成された面が前記基板の周縁に線接触されていることから、プラズマを用いてドライエッチングする際、クランプ部材のプラズマ照射面から発生したエッチング副生成物が前記クランプ部材の基板に近接する位置に付着し、該付着したエッチング副生成物が、前記クランプ部材による基板の固定を解除した際、基板表面に付着することを防止することができるという効果を有する。
また、前記クランプ部材の前記基板に対向する面と、前記基板の表面とは、略平坦な面から構成されており、前記クランプ部材の前記基板に対向する面と前記基板の表面との間に、空間が形成されていることを特徴とし、さらに、前記基板が固定された前記一方の電極に、前記基板に対し冷却ガスを出射する複数の穴が形成されており、該複数の穴から出射された冷却ガスの少なくとも一部が、前記空間を通過することを特徴とする。
本発明のドライエッチング装置によれば、クランプ部材の基板に対向する面と、前記基板の表面とは、略平坦な面から構成されており、前記クランプ部材の前記基板に対向する面と前記基板の表面との間に形成された空間を、前記基板を冷却するに用いる冷却ガスの少なくとも一部が通過することから、プラズマを用いてドライエッチングする際、クランプ部材のプラズマ照射面から発生したエッチング副生成物が、前記クランプ部材の前記基板に対向する面に付着することを防止することができ、その結果、基板表面にエッチング副生成物が付着することを防止することができるという効果を有する。また、前記クランプ部材の基板に対向する平坦な面は、研削加工により、容易に形成することができることから、基板表面にエッチング副生成物が付着することを容易に防止することができるという効果を有する。
本発明の半導体装置の製造方法は、装置内に気体を導入してプラズマを発生させ、前記装置内に配設された一対の電極の内、一方の電極にクランプ部材によって固定した基板の表面に前記プラズマを照射して該基板表面をドライエッチングする工程を含む半導体装置の製造方法であって、前記ドライエッチングする工程において、前記基板に対向する面がテーパ状に形成された前記クランプ部材を用い、該テーパ状に形成された面を前記基板の周縁に線接触させることで、前記基板を前記一方の電極に固定することを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法によれば、プラズマを用いてドライエッチングする際、クランプ部材のプラズマ照射面から発生したエッチング副生成物が前記クランプ部材の基板に近接する位置に付着し、該付着したエッチング副生成物が、前記クランプ部材による基板の固定を解除した際、基板表面に付着することを防止することができるという効果を有する。
以下、図面を参照にして本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示すドライエッチング装置の構成の概略を示す断面図、図2は、図1のクランプ部材を下方から見た拡大斜視図、図3は、図1の基板とクランプ部材との当接を拡大して示す要部部分断面図である。尚、本実施の形態におけるドライエッチング装置1は、フッ素系のプラズマを用いて、装置内であるチャンバ30の内部30aに配設された半導体装置に用いる基板(以下、単に基板と称す)2の表面2a及び表面に成膜された図示しない酸化膜等の各種薄膜をドライエッチングする装置である。
図1は、本発明の一実施の形態を示すドライエッチング装置の構成の概略を示す断面図、図2は、図1のクランプ部材を下方から見た拡大斜視図、図3は、図1の基板とクランプ部材との当接を拡大して示す要部部分断面図である。尚、本実施の形態におけるドライエッチング装置1は、フッ素系のプラズマを用いて、装置内であるチャンバ30の内部30aに配設された半導体装置に用いる基板(以下、単に基板と称す)2の表面2a及び表面に成膜された図示しない酸化膜等の各種薄膜をドライエッチングする装置である。
図1に示すように、ドライエッチング装置1のチャンバ30に、該チャンバ30の内部30aにプラズマガス、例えば気体であるフッ素(F)系のプラズマガスを導入する吸気口30kと、ドライエッチング後の基板2から発生したエッチング副生成物とエッチャントとを、該チャンバ30の内部30aからチャンバ30外に排出する排気口30hが形成されている。
また、チャンバ30の内部30aであって、該内部30aの図中上側寄り及び下側寄りに、一対の電極(以下、上側に設けられたものを上部電極6、下側に設けられたものを下部電極7と称す)が配設されている。
一対の電極の内、一方の電極である下部電極7の上面7aに、半導体装置に用いる、例えば石英(SiO2)等の円板状の基板2が戴置される。尚、基板2は円板状でなくともよく、板状部材であればどのような形状であっても良い。また、基板2は、石英(SiO2)に限らずシリコン(Si)から形成されていても良い。
また、上面7aに、例えば0.5mmの径を有する複数の穴7bが形成されている。該複数の穴7bから、後述するフッ素系のプラズマ50により、戴置された基板2の表面2aのプラズマが照射される面(以下、プラズマ照射面と称す)が焼き付きいてしまうのを防ぐため、基板2に向かって冷却用のガスであるヘリウムガスが出射される。
下部電極7の上面7aに基板2が戴置される。上面7aに戴置された基板2の略平坦な面である表面2aの外周縁2aeに、例えばリング状を有するクランプ部材であるクランプリング5の後述するテーパ状の平坦面(以下、テーパ面と称す)5baが、線接触され戴置される。
クランプリング5は、フッ素系のプラズマに対して耐性のある物質、言い換えればフッ素系のプラズマによりドライエッチングされ難い物質、例えばアルミナセラミック(Al2O3)から、例えばリング状を有する板に形成されている。
また、図2、図3に示すように、クランプリング5の下面5bであって、内周面5nの内周縁近傍は、基板表面2aに対して、例えばθ=0.5°〜2.0°の範囲内のテーパ角度を有して、外周に向かう程クランプリング5が肉厚となるよう断面が略直角三角形状に研削盤等で切り取られ、該略直角三角形の斜辺にテーパ面5baが形成されている。尚、以下の説明においては、θ=1.5°として説明する。
テーパ面5baは、クランプリング5を基板2の外周縁2aeに線接触させた際、基板2の表面2aに対し、θ=1.5°のテーパ角度を有して対向する。また、その結果、テーパ面5baと、基板2の表面2aとの間に、断面が略直角三角形状を有する空間70が形成される。
尚、クランプ部材は、上述した形状に限らず、基板2の表面2aの外周縁2aeに線接触でき、クランプ部材を基板2の外周縁2aeに線接触させた際、テーパ面5baと、基板2の表面2aとの間に、断面が略直角三角形状を有する空間70が形成されれば、どのような形状であっても良い。また、クランプリング5は、アルミナセラミックに限らず、アルミアルマイトから形成されていても良く、さらには、フッ素系のプラズマによりドライエッチングされ難い物質であれば、どのようなものであってもよい。
図1に戻って、クランプリング5は、上面5aがエアシリンダ3の圧力によって押圧されることにより、テーパ面5baにおいて基板2を下部電極7に対して押圧して固定するものであり、該押圧により、上述したヘリウムガスによる基板2が下部電極7の上面7aから飛ばされてしまうのを防ぐ。
次に、このように構成された本実施の形態におけるドライエッチング装置1の作用について、図1〜図4を用いて説明する。図4は、図2のクランプリングにより固定した基板にドライエッチングを行っている状態を示すエッチング装置の要部部分拡大断面図である。
ドライエッチング装置1を用いて、基板2または基板2上に成膜された図示しない各種薄膜のドライエッチングを行う際は、先ず、図1に示すように、基板2が、例えばロボットのアーム等により、チャンバ30の内部30aに配設された下部電極7の上面7aに戴置される。
次いで、戴置された基板2の表面2aの外周縁2aeに、クランプリング5のテーパ面5baが線接触するようクランプリング5が戴置される。その後、クランプリング5は、エアシリンダ3の圧力を受けて、基板2を下部電極7に対して押圧して固定する。
次いで、チャンバ30の内部30aに、具体的には、上部電極6と下部電極7との間に、吸気口30kからフッ素(F)系のプラズマガスが導入され、既知の手段により、両電極間に高周波の電力が供給されることにより、両電極間が真空破壊される。
その後、フッ素系のプラズマ50が発生し、その結果生成されたイオンやラジカル等の活性種の放電により、基板2または基板2上に形成された薄膜、例えば酸化膜等のプラズマ照射面が任意の形状にドライエッチングされる。
尚、ドライエッチング中は、フッ素系のプラズマ50により、戴置された基板2の表面2aのプラズマ照射面が焼き付きいてしまうのを防ぐため、基板2に向かって、下部電極7の複数の穴7bから冷却用のヘリウムガスが出射される。
また、フッ素系のプラズマ50は、基板2のプラズマ照射面に限らず、図3に示すように、クランプリング5の上面5aにも照射される。クランプリング5は、フッ素系のプラズマによりドライエッチングされ難い物質、例えばアルミナセラミック(Al2O3)から、形成されていると示したが、多少はドライエッチングされてしまう為、クランプリング5のプラズマが照射される面(以下、プラズマ照射面と称す)5ahは、ドライエッチングされる。
その結果、図4に示すように、クランプリング5のプラズマ照射面5ah以外の面、例えばクランプリング5の内周面5nにエッチング副生成物9が堆積されてしまう。尚、内周面5nは、エッチング副生成物9がフッ素系のプラズマ50にエッチングされる速度よりも、堆積する速度の方が早い面である。
よって、従来では、クランプリング5の内周面5nの一部に堆積したエッチング副生成物9が、堆積量が増え一定量以上になると、上述した図5に示すように、基板2をクランプリング5の固定から解放した際、エッチング副生成物9が基板2と接触することにより該基板2上に付着してしまい、基板2のパターン不良、歩留まり低下を招く原因となっていた。
一例を挙げると、フッ素系のプラズマ50を、アルミナセラミック(Al2O3)から形成されたクランプリング5の照射面5ahに20時間照射させると、クランプリング5には、例えば3ミクロン以上のエッチング副生成物を1個とみなすとすると、略150個のエッチング副生成物が付着、堆積されていた。よって、使用後、エッチング副生成物9を除去するために、クランプリング5をクリーニングする間隔は、約20時間おきに行う必要があった。
ところが、図4に示すように、クランプリング5のテーパ面5baは、基板2に対して該基板2の外周縁部2aeに、θ=1.5°のテーパ角度を有して線接触されているため、クランプリング5の内周面5nにエッチング副生成物が堆積したとしても、基板2をクランプリング5の固定から解放した際、エッチング副生成物9が基板2と接触することがない。
また、図4に示すように、クランプリング5のテーパ面5baと、基板2の表面2aとの間に形成された断面が略直角三角形状を有する空間70に、基板2の下面から漏れた基板冷却用のヘリウム(He)ガスの少なくとも一部が通過されるため、該空間を構成するクランプリング5のテーパ面5baにエッチング副生成物9が付着することが殆どない。
一例を挙げると、所定の角度、θ=1.5°のとき、フッ素系のプラズマ50を、アルミナセラミック(Al2O3)から形成されたクランプリング5の照射面5ahに50時間照射させたとしても、使用後、内周面50nのエッチング副生成物9を除去するために、クランプリング5をクリーニングする間隔は、約50時間となる。
尚、θ=1.13°のときは、フッ素系のプラズマ50を、アルミナセラミック(Al2O3)から形成されたクランプリング5の照射面5ahに50時間照射させたとしても、使用後、内周面50nのエッチング副生成物9を除去するために、クランプリング5をクリーニングする間隔は、約45時間となる。
ここで、θを2°以上にしない理由は、θ=2°以上にしてクランプリング5のテーパ面5baを基板2の外周縁2aeに線接触させると、クランプリング5のテーパ面5baに、エッチング副生成物9が付着してしまうためである。
図1に戻って、フッ素系のプラズマ50を用いたドライエッチングにより、石英の基板2からエッチングされたエッチング副生成物(F+SiO2=SiF4)は、Vapor(気体)状態となり、チャンバ30に設けられた排気口30h(図1参照)から、チャンバ30外にポンプ等により排出される。このようにして、基板2または基板2上に成膜された各種薄膜は、ドライエッチング装置1によりドライエッチングされる。
このように、本発明の第1実施の形態を示すドライエッチング装置1においては、クランプリング5を基板2に戴置するに際し、クランプリング5のテーパ面5baを、基板2の外周縁2aeに、線接触させると示した。具体的には、クランプリング5の下面5bであって、内周面5nの内周縁近傍が、θ=1.5°のテーパ角度を有して、外周に向かう程クランプリング5が肉厚となるよう断面が略直角三角形状に切り取られていると示した。
よって、クランプリング5の内周面5nと、基板2の表面2aとの間には、直角三角形の垂線に当たる間隔だけ空間が形成されていることから、内周面5nにエッチング副生成物が堆積したとしても、基板2をクランプリング5の固定から解放した際、エッチング副生成物9が基板2と接触することがない。
また、図4に示すように、クランプリング5のテーパ面5baと、基板2の表面2aとの間に形成された断面が略直角三角形状を有する空間70に、基板2の下面から漏れた基板冷却用のヘリウムガスの少なくとも一部が通過されるため、該空間70を構成するクランプリング5のテーパ面5baにエッチング副生成物9が付着することが殆どない。
よって、クランプリング5のプラズマ照射面5ahから発生したエッチング副生成物9が基板2の表面2aに付着することを防止することができることから、ドライエッチング後の基板2のパターン不良を改善することができ、基板2の製造における歩留まりを向上させることができる。
さらに、クランプリング5のテーパ面5baは、研削盤等によりθ=0.5°〜2.0°のテーパ角度となるようテーパ状に研削すればよいことから容易に加工することができるため、基板2の表面へのエッチング副生成物9の付着防止対策を容易に行うことができる。
以下、変形例を示す。本実施の形態においては、プラズマは、フッ素(F)系のプラズマガスを用いたフッ素系のプラズマを例に挙げて示したが。これに限らず、本実施の形態は、ハロゲン系のプラズマ、例えばBr(臭素)、I(ヨウ素)、Cl(塩素)、At(アスタチン)を適用しても本実施の形態と同様の効果を得るということは勿論である。
本発明のドライエッチング装置を用いてドライエッチングされる基板は、半導体装置に適用できる。例を挙げると、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス装置、特に、有機エレクトロルミネッセンス装置、無機エレクトロルミネッセンス装置等や、プラズマディスプレイ装置、FED(Field Emission Display)装置、SED(Surface-Conduction Electron-Emitter Display)装置、LED(発光ダイオード)表示装置、電気泳動表示装置、薄型のブラウン管または液晶シャッター等を用いた小型テレビを用いた装置などの各種半導体装置に適用できる。
また、上述した半導体装置を用いた電子機器としては、例えば、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器や携帯型パーソナルコンピュータ、パーソナルコンピュータ、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、デジタルビデオカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、POS端末機等、電気光学装置である液晶表示モジュールを用いる機器が挙げられる。したがって、これらの電子機器に用いる半導体基板をドライエッチングするに際しても、本発明が適用可能であることはいうまでもない。
1…ドライエッチング装置、2…基板、2a…基板表面、2ae…外周縁、5…クランプリング、5ba…テーパ面、6…上部電極、7…下部電極、7b…複数の穴、30…チャンバ、30a…チャンバ内、70…空間。
Claims (5)
- 装置内に気体を導入してプラズマを発生させ、前記装置内に配設された一対の電極の内、一方の電極にクランプ部材によって固定された基板の表面に前記プラズマを照射させて該基板表面をドライエッチングするドライエッチング装置において、
前記クランプ部材の前記基板に対向する面がテーパ状に形成されており、該テーパ状に形成された面が前記基板の周縁に線接触することで前記基板が前記一方の電極に固定されることを特徴とするドライエッチング装置。 - 前記テーパの角度は、0.5°〜2.0°の範囲内の角度であることを特徴とする請求項1に記載のドライエッチング装置。
- 前記クランプ部材の前記基板に対向する面と、前記基板の表面とは、略平坦な面から構成されており、前記クランプ部材の前記基板に対向する面と前記基板の表面との間に、空間が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のドライエッチング装置。
- 前記基板が固定された前記一方の電極に、前記基板に対し冷却ガスを出射する複数の穴が形成されており、該複数の穴から出射された冷却ガスの少なくとも一部が、前記空間を通過することを特徴とする請求項3に記載のドライエッチング装置。
- 装置内に気体を導入してプラズマを発生させ、前記装置内に配設された一対の電極の内、一方の電極にクランプ部材によって固定した基板の表面に前記プラズマを照射して該基板表面をドライエッチングする工程を含む半導体装置の製造方法であって、
前記ドライエッチングする工程において、
前記基板に対向する面がテーパ状に形成された前記クランプ部材を用い、該テーパ状に形成された面を前記基板の周縁に線接触させることで、前記基板を前記一方の電極に固定することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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JP2004226370A JP2006049462A (ja) | 2004-08-03 | 2004-08-03 | ドライエッチング装置及び半導体装置の製造方法 |
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KR20160055910A (ko) * | 2013-09-16 | 2016-05-18 | 어플라이드 머티어리얼스, 인코포레이티드 | Epi 예열 링 |
JP2016530730A (ja) * | 2013-09-16 | 2016-09-29 | アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated | エピ予熱リング |
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