JP2005506725A - 遅延アクセスによるクライアントジェネリックなデータ・オン・デマンドサービスの伝送方法およびシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クライアントジェネリックなデータブロックシーケンスを送信するDOD放送の方法であって、クライアントジェネリックなデータブロックのデータ伝送シーケンスを準備し(104n)、クライアントジェネリックなデータ伝送シーケンスは準最適な時間配信特徴を有し、受信側クライアントが所定の時間内にデータファイルにアクセス開始し得るように、準最適伝送シーケンスに従ったシーケンスのデータブロックから構成されているデータファイルを伝送する(108、110)動作を備える方法である。そのシーケンスを準備する動作には、データファイルを受信し、時間間隔を特定し、各データブロックが時間間隔中に表示可能であるように、データファイルを時間間隔に基づいて複数のデータブロックに分割し、データファイルを送信するために必要な数のタイムスロットを決定し、前記タイムスロットはそれぞれ時間間隔と実質的に等しい継続時間を有し、各時間スロットに複数のデータブロックのなかの少なくとも一つを割り当てることが含まれる。
【選択図】図1A
【選択図】図1A
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、データ・オン・デマンドシステムに関する。特に本発明は、データ通信のスケジューリングに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオ・オン・デマンド(VOD)システムは、データ・オン・デマンド(DOD)システムの一種である。VODシステムにおいてビデオデータファイルは、一つのサーバ、あるいは複数サーバのネットワークによって、1つ以上のクライアントに要求(デマンド)に基づいて提供される。
【0003】
従来のVOD構成では、一つのサーバ、あるいは複数サーバのネットワークは、標準的な階層クライアント・サーバモデルにてクライアントと通信する。例えばクライアントは、サーバにデータファイル(例えば、映像データファイル)の要求を送信する。クライアントの要求に応じて、サーバは要求されたファイルをクライアントに送信する。標準クライアント・サーバモデルにおいて、クライアントからのデータファイル要求は、1つあるいは複数のサーバによって実現され得る。クライアントは、後から利用するために、受信された任意のデータファイルを不揮発性メモリにローカルで保存する機能を有し得る。標準クライアント・サーバモデルは、双方向通信のインフラを必要とする。既存のケーブルは片方向通信のみ提供可能であるため、現時点では、双方向通信は新しいインフラの構築を必要とする。双方向通信インフラには、例えば、光ファイバ・同軸ケーブル(HFC)、あるいはすべてのファイバインフラがある。既存のケーブルを置き換えると非常にコストがかかるため、その結果もたらされるサービスは、大部分のユーザにとって手頃な価格とはいえない可能性がある。
【0004】
また、標準クライアント・サーバモデルは、サービスプロバイダ(例えばケーブル会社)が多数のクライアントにVODサービスの提供を試みる場合には、多くの制限を受ける。標準クライアント・サーバモデルに対する一制限としては、サービスプロバイダは、ネットワーク内の各クライアントからのすべての要求を断続的に受けるとともに実現する機構を実装しなければならいため、サービスを享受し得るクライアント数はかかる機構の処理能力によって決まるという制限がある。ある機構は、大型で高速なディスクアレイを備える大規模並列コンピュータをローカルサーバとして用いる。しかしながら、既存の最高速ローカルサーバでさえ、一度にビデオデータストリームの配信が可能なクライアント数は、わずかにおよそ1,000から2,000である。したがって、より多くのクライアントにサービスするためには、ローカルサーバの数を増やす必要がある。ローカルサーバを増加すると、ローカルサーバの維持管理のために、より上位のサーバが必要となる。
【0005】
標準クライアント・サーバモデルの別の制限は、各クライアントはそれぞれの帯域幅を要することである。したがって、必要とされる帯域幅の合計は、加入クライアントの数に正比例する。帯域幅の制限を改善するために、これまでローカルサーバ内のキャッシュメモリが使用されてきたが、キャッシュメモリ自体にも同様に制限があるため、キャッシュメモリの使用は問題の解決とはならない。
【0006】
現在、ビデオ・オン・デマンドサービスがクライアントにとってより手ごろな価格となるように、既存のサービスプロバイダは、ローカルサーバあたりのクライアントの割合をローカルサーバの能力を超えて増大させている。一般的に、ローカルサーバ1台につき1,000のクライアントに対してサービスの提供が可能であるが、実際には10,000のクライアントに対するサービスを請け負っている。この手法は、ほとんどの加入クライアントが同時にビデオを注文しなければ機能し得る。しかしながら、多くのクライアントは同時に(例えば夜間や週末など)ビデオの視聴を所望する傾向にあるため、この手法は、かかるピーク時の間、ローカルサーバをオーバーロード状態にして障害を起こす構成である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、既存のインフラを取り替えることなく、ほぼすべての伝送媒体を介して、多数のクライアントにオン・デマンドサービスを与えることができるシステムの提供が望まれている。さらに、加入消費者の数とは無関係な送信帯域幅を有するクライアントジェネリックな放送システムを提供することが望まれている。さらに、低減された伝送帯域幅を必要とするクライアントジェネリックな準最適データ・オン・デマンドサービスを与えることができるシステムの提供も望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、低減帯域幅のクライアントジェネリックなデータブロックシーケンスとして一つ以上のデータファイルを、双方向通信を必要とすることなく、狭い帯域幅を通じて多数のクライアントに同時に伝送することができるDOD放送システムを提供する。本発明はさらに、クライアントからデータファイルが注文されてから短時間のうちに、クライアントジェネリックなフォーマットを介してデータファイル放送を再生開始することができるSTBを提供する。さらに、データファイルの再生を開始するより前に、インテリジェントSTBがデータファイル部分をロードすることができるように、クライアントアクセス時間を遅延することによってデータファイルをダウンロードする、さらに帯域幅を効率化する方法が提供されている。
【0009】
簡単にいうと、本発明の一態様は、複数のデータファイルを送信するデータ・オン・デマンド(DOD)放送システムにおいて具体化され、各データファイルは、低減されたクライアントジェネリックなデータブロックシーケンスとして送信されている。データ・オン・デマンド(DOD)放送システムは、複数のデータファイルを放送するためのDOD放送サーバと、DOD放送サーバに通信接続されている伝送媒体と、伝送媒体を介してDOD放送サーバに通信接続されている複数の受信部とを備え、DOD放送サーバは、伝送媒体を介して、複数のデータファイルを低減されたクライアントジェネリックなフォーマットにて複数の受信部に繰り返し伝送し、受信部は、選択されたデータファイルに対応する許可情報を要求する、許可情報を受信する、および、所定時間の経過後に選択されたデータファイルをユーザに表示するよう動作し、所定の期間により受信部は、データファイルの表示開始より前に、データファイルの一部を格納することができる。
【0010】
本発明の別の態様は、準最適なデータブロックシーケンスを伝送するデータ・オン・デマンド(DOD)放送方法を教示し、その方法は、シーケンス中の順に隣り合う2つのデータブロックが同一ではない準最適なデータブロックのデータ伝送シーケンスを準備する動作と、準最適な伝送シーケンスに従ったデータブロックシーケンスから成るデータファイルを、受信側クライアントが所定の期間内にデータファイルにアクセス開始し得るよう、非クライアント固有方式で複数のクライアントに送信する動作とを含む。さらに、所定の期間には継続時間があり、その継続時間はデータブロックシーケンスのうちの少なくとも一つに含まれている情報に対応している。準最適なデータ伝送シーケンスを準備する動作は、データファイルを受信する動作と、時間間隔を特定する動作と、各データブロックが時間間隔中に表示され得るように、時間間隔に基づいてデータファイルを複数のデータブロックに分割する動作と、データファイルを送信するために必要なタイムスロット数を決定する動作と、タイムスロットはそれぞれ、時間間隔と実質的に等しい継続時間を有し、各タイムスロットに複数のデータブロックのうちの少なくとも一つを割り当てる動作とを含む。
【0011】
データ・オン・デマンドシステムは、第1組のチャンネルサーバと、第1組のチャンネルサーバを制御する中央制御サーバと、第1組のチャンネルサーバに接続されている第1組のアップコンバータと、伝送媒体を介して送信データに適合している合成器/増幅器とを備える。代表的な一実施形態において、データ・オン・デマンドシステムはさらに、システムを監視するためのチャンネル監視モジュールと、スイッチ行列と、第2組のチャンネルサーバと、第2組のアップコンバータとを備える。チャンネル監視モジュールは、システム障害が発生した場合に中央制御サーバに報告するよう構成されている。中央制御サーバは、チャンネル監視モジュールからの報告に応じて、第1組のチャンネルサーバ内の欠陥のあるチャンネルサーバを第2組のチャンネルサーバ内のチャンネルサーバで置き換えるとともに、第1組のアップコンバータ内の欠陥のあるアップコンバータを第2組のアップコンバータ内のコンバータで置き換えるように、スイッチ行列に命令する。
【0012】
準最適なデータブロックシーケンスとして伝送されるデータファイルを受信する方法は、少なくとも一つの選択データファイルを示すユーザ入力を受信する動作と、所定の期間中、準最適なデータブロックシーケンスの複数データブロックのうちの少なくとも一つを、記憶場所に格納する動作と、所定の期間の経過後に、データファイルの少なくとも第1の部分をユーザに表示する動作と、格納されたデータブロックのうちの少なくとも一つを少なくとも一つの追加データブロックと結合することにより、データファイルの少なくとも第2の部分をユーザに表示する動作を含む。
【0013】
セット・トップ・ボックスという用語は、テレビに装着する装置に限定されず、拡張されたテレビシステムおよびコンピュータを含む本発明の方法に従った放送の伝送を受信することができる任意の装置を含み得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、準最適なデータブロックシーケンスとして、一つ以上のデータファイルを、双方向通信を必要とすることなく狭い帯域幅を通じて、多数のクライアントに同時に伝送することができるDOD放送システムを提供する。本発明はさらに、データファイルがクライアントから注文されてから短時間のうちに、データファイルの再生を開始することができるSTBを提供する。さらに、データファイルを再生開始するより前に、インテリジェントSTBがデータファイル部分をロードすることができるように、クライアントアクセス時間を遅延することによって、データファイルをダウンロードするより帯域幅を効率化する方法が提供されている。
【0015】
伝送帯域幅を最小化しながら、伝送されたDODデータを最大化するいくつかの可能な方法には、一定帯域幅の配信行列と、減少されたアイドルタイムマトリクスとを利用することを含む。これらおよびその他の方法は、Khoi Hoangの上記引用されている発明により教示されている。これらの方法が、時間最適方法にてクライアントジェネリックなDODサービスを提供する一方、アクセスタイムの遅延と引き換えに要求伝送帯域幅をさらに低減するクライアントジェネリックなDOD放送サービスを提供するその他の可能性が存在する。
【0016】
図1Aは、本発明の一実施形態における代表的なDODシステム100を示す。この実施形態では、DODシステム100は、ビデオファイルなどのデータファイルをオンデマンドで提供する。但し、DODシステム100は、ビデオファイルをオンデマンドで提供することに限定されず、例えばゲームファイルなどのその他のデータファイルをオンデマンドで提供することもできる。DODシステム100は、中央制御サーバ102と、中央記憶装置103と、複数のチャンネルサーバ104aから104nと、複数のアップコンバータ106aから106nと、合成器/増幅器108とを含む。中央制御サーバ102は、チャンネルサーバ104を制御する。中央記憶装置103は、データファイルをデジタルフォーマットで格納する。代表的な一実施形態において、中央記憶装置103に格納されているデータファイルは、ネットワークに接続された中央制御サーバ102などの任意の許可コンピュータにより、標準のネットワークインタフェース(例えば、イーサネット接続)を介してアクセス可能である。各チャンネルサーバ104にはチャンネルが割り当てられ、アップコンバータ106と接続されている。チャンネルサーバ104は、中央制御サーバ102からの命令に従って、中央記憶装置103から取り出されるデータファイルを提供する。各チャンネルサーバ104の出力は、対応するアップコンバータ106に適した周波数を有する直交振幅変調(QAM)によって変調された中間周波数(IF)信号である。QAM変調されたIF信号は、採用される規格に依存している。米国で現在採用されている規格は、データ・オーバー・ケーブル・システム・インタフェース・規格(DOCSIS)であり、およそ43.75MHzのIF周波数を必要とする。アップコンバータ106は、チャンネルサーバ104から受信されるIF信号を高周波信号(RF信号)に変換する。RF信号は、周波数および帯域幅を含んでおり、所望のチャンネルおよび採用された規格によって決まる。例えば、ケーブルテレビチャンネル80について、米国における現行の規格では、RF信号は、約559.25MHzの周波数と約6MHzの帯域幅とを有する。アップコンバータ106の出力は、合成器/増幅器108に適用される。合成器/増幅器108は、受信されたRF信号を増幅、調節および合成した後、その信号を伝送媒体110へと出力する。
【0017】
代表的な実施形態では、中央制御サーバ102は、サービスプロバイダがドラッグ・アンド・ドロップ操作によってデータ配信をスケジューリングできるように、グラフィックユーザーインタフェース(図示せず)を備えている。さらに、中央制御サーバ102は、チャンネルサーバ104を認証および制御して、配信行列に従って開始、あるいは停止させる。代表的な一実施形態では、中央制御サーバ102は、チャンネルを自動選択し、選択されたチャンネルでデータファイルを伝送するための配信行列を算出する。中央制御サーバ102は、データファイル情報(例えば、継続時間、カテゴリ、レーティング、および/あるいは要旨)のオフラインでの追加、削除、および更新を提供する。さらに、中央制御サーバ102は、中央記憶装置103に格納されているデータファイルおよびデータベースを更新することにより、中央記憶装置103を制御する。
【0018】
代表的な一実施形態では、既存のケーブルテレビシステム120は、クライアントに非DODサービスを提供するために、合成器/増幅器108に継続して信号を供給し続けることができる。したがって、本発明によるDODシステム100は、現在のケーブルテレビサービスを妨げることはない。
【0019】
図1Bは、本発明によるDODシステム100の別の代表的な実施形態を示す図である。図1Aに示した要素に加えて、DODシステム100は、スイッチ行列112と、チャンネル監視モジュール114と、1組のバックアップ・チャンネルサーバ116aから116bと、1組のバックアップ・アップコンバータ118aから118bとを含む。一実施形態において、スイッチ行列112は、物理的にはアップコンバータ106と合成器/増幅器108との間に配置されている。スイッチ行列112は、中央制御サーバ102により制御されている。チャンネル監視モジュール114は、DODシステム100の正常性を監視するために、潜在的なクライアントをシミュレートするよう構成された複数のセット・トップ・ボックスを備える。監視結果は、チャンネル監視モジュール114により中央制御サーバ102へと伝えられる。チャンネル障害(すなわち、チャンネルサーバ障害、アップコンバータ障害、あるいは通信リンク障害)の場合には、中央制御サーバ102は、スイッチ行列112を介して、故障状態のコンポーネントを外し、サービスを再開するために正常なバックアップコンポーネント116および/または118を組み込む。
【0020】
代表的な実施形態では、DODシステム100より放送されているデータファイルは、motion pictures expert group(MPEG)ファイル形式で格納されている。各MPEGファイルは、時間軸に沿って、データファイルの特定部分に対してマッピングするデータブロックおよびサブブロックに動的に分割される。これらのデータブロックおよびサブブロックは、中央制御サーバ102によって提供されている三次元の配信行列に従って、所定の期間中に送信される。フィードバックチャンネルは、DODシステム100がDODサービスを提供する際には必要ではない。但し、フィードバックチャンネルが利用可能である場合には、フィードバックチャンネルは、支払い請求、あるいはインターネットサービスの提供などの他の目的のために用いられ得る。
【0021】
図2は、本発明の一実施形態における代表的なチャンネルサーバ104を示す。チャンネルサーバ104は、サーバ制御装置202、CPU204、QAMモジュレータ206、ローカルメモリ208およびネットワークインタフェース210を備える。サーバ制御装置202は、データファイルをブロックに(さらに、サブブロックおよびデータパケットに)分割し、中央制御サーバ102によって提供されている配信行列に従って送信するためのデータブロックを選択し、選択されたデータを符号化し、符号化されたデータを圧縮し、次いで、圧縮されたデータをQAMモジュレータ206に配信するようCPU204に命令することにより、チャンネルサーバ104の全般的な動作を制御する。QAMモジュレータ206は、バス(すなわち、PCI、CPUローカルバス)、あるいはイーサネット接続を介して送信するデータを受信する。
代表的な一実施形態において、QAMモジュレータ206は、下流側QAMモジュレータ、前方型誤り訂正デコーダを備える上流側直交振幅変調/直交位相変位変調方式(QAM/QPSK)バーストデモジュレータ、および/または、上流側チューナを備え得る。QAMモジュレータ206の出力は、アップコンバータ106に直接適用され得るIF信号である。
【0022】
ネットワークインタフェース210は、中央制御サーバ102からの命令のスケジューリングおよび制御、中央制御サーバ102へのステータス報告、および、中央記憶装置103からのデータファイルの受信を行うために、チャンネルサーバ104を他のチャンネルサーバ104と中央制御サーバ102とに接続する。中央記憶装置103から取り込まれるデータファイルはどれも、サーバ制御装置202からの命令に従って処理を受ける前に、チャンネルサーバ104のローカルメモリ208に格納され得る。代表的な一実施形態において、チャンネルサーバ104は、ケーブルチャンネルの帯域幅(例えば、6、6.5または8MHz)、QAM変調(例えば、QAM64またはQAM256)、およびDODデータストリームの圧縮規格/ビットレート(すなわち、MPEG−1またはMPEG−2)に応じて、一つあるいはそれ以上のDODデータストリームを送信し得る。
【0023】
図3は、本発明の一実施形態における代表的なセット・トップ・ボックス(STB)300を示す。STB300は、QAMモジュレータ302、CPU304、条件付きアクセスモジュール306(例えばスマートカードシステム)、ローカルメモリ308、バッファメモリ309、STB制御装置310、デコーダ312、およびグラフィックスオーバレイモジュール314を備える。STB制御装置310は、クライアント要求に応じたデータの選択、選択されたデータの復号、復号されたデータの解凍、再編集、およびローカルメモリ308またはバッファメモリ309への格納、および、格納されたデータのデコーダ312への送信を行うために、CPU302およびQAMデモジュレータ302を制御することにより、STB300の全般的な動作を制御する。代表的な一実施形態において、STB制御装置310は、伝送媒体110から受信されるデータパケット内のデータパケットヘッダに基づいて、STB300の全般的な動作を制御する。代表的な一実施形態において、ローカルメモリ308は不揮発性メモリ(例えばハードドライブ)を含み、バッファメモリ309は揮発性メモリを含む。
【0024】
一実施形態において、QAMデモジュレータ302は、送信および受信モジュールと、以下の内の一つ、あるいは複数を備える:プライバシ暗号化/復号モジュール、前方型誤り訂正デコーダ/エンコーダ、チューナ制御、下流側および上流側処理装置、CPU、および、メモリインタフェース回路。QAMデモジュレータ302は、変調されたIF信号を受信し、その信号をサンプリングおよび復調してデータを復元する。
【0025】
アクセス制限モジュール306は、認証後にアクセス権が付与された場合、および/または適切な料金が支払われた場合には、デコード処理を許可する。アクセス条件は、サービスプロバイダによって決定される。
【0026】
認証方法は、加入レベルと警告レベルとを送信されたDODデータのヘッダーに直接挿入することを含む。かかる方法において、STB300は3つの加入レベルを読みとるとともに、読み取られた加入レベルとSTB300内に格納されている加入レベルとを比較する。格納されている加入レベルがDODサービスと共に送信される加入レベルと一致する場合には、そのクライアントはサービスの受信を認証される。警告レベルの場合には、STB300は、DODサービス内部において伝送される警告レベルを読み取り、その警告レベルに対応するメッセージを表示する。これらの認証方法は、2001年7月9日に出願されたKhoi Hoangの特許出願「CONTROLLING DATA−ON−DEMAND CLIENT ACCESS」、出願番号09/902,503に教示されており、引用によって本願に組み入れられている。
【0027】
代表的な一実施形態では、アクセス権が付与されると、デコーダ312は、少なくとも1つのデータブロックを復号して、そのデータブロックを出力画面上で表示可能な画像に変換する。デコーダ312は、再生、停止、一時停止、コマ送り、巻き戻し、早送りなど、加入クライアントからの命令を支援する。
【0028】
グラフィックスオーバーレイモジュール314は、例えば、アルファブレンディング、あるいはピクチャ・イン・ピクチャ機能を提供することにより、表示される画像の画質を高める。代表的な一実施形態において、サービスプロバイダが本発明に従ったシステムを用いてゲーム・オン・デマンドサービスを提供した場合には、グラフィックスオーバーレイモジュール314は、ゲームプレイモード中、グラフィックスの加速に用いられ得る。
【0029】
代表的な一実施形態において、データファイルは、全てのケーブルテレビ加入者に対して放送されるが、互換性のあるSTB300を持つDOD加入者のみが、データ・オン・デマンドサービスを復号して楽しむことができる。代表的な一実施形態において、データファイルをオンデマンドで取得するための許可は、アクセス制限制御モジュール306内のスマートカードシステムを介して取得され得る。スマートカードは、サービスプロバイダにより設定される小売店、あるいは自動販売機において再充電可能であってよい。別の代表的な実施形態において、定額料金体系は、加入者に対し、利用可能なデータファイルすべてに対する無制限のアクセスを提供する。
【0030】
代表的な一実施形態において、データ・オン・デマンドの対話性により、クライアントは利用可能なデータファイルをいつでも選択することができる。クライアントが選択ボタンを押してから選択されたデータファイルを再生開始するまでの時間は、応答時間と呼ばれる。DODサービスを提供するために割り当てられるリソース(例えば、帯域幅、サーバの能力)が大きいほど、応答時間はより短くなる。代表的な一実施形態において、応答時間は、リソース割り当てのレーティングおよび所望のサービスの質に基づいて決定され得る。
【0031】
代表的な一実施形態では、選択された応答時間により、1タイムスロットの継続時間が決定される。1タイムスロット(TS)の継続時間は、クライアントが常用速度でデータブロックを再生する時間間隔である。代表的な一実施形態において、ビデオファイルなどのデータファイルは、各データブロックが、1タイムスロットの継続時間の間、データファイルの再生を支援し得るよう、複数のデータブロックに分割されている。
【0032】
一実施形態では、各データファイルのデータブロック数(NUM_OF_BLKS)は、以下のとおり演算され得る:
【0033】
【数1】
【0034】
式(1)〜(4)では、Estimated_BLK_Sizeは(バイト数表示の)推定ブロックサイズ、DataFile_Sizeは(バイト数表示の)データファイルサイズ、TSは(秒数表示の)タイムスロットの継続時間、DataFile_Lengthは(秒数表示の)データファイルの継続時間、BLK SIZEは各データブロックに必要とされるクラスタの数、CLUSTER_SIZEは各チャンネルサーバ104のためのローカルメモリ208内のクラスタのサイズ(例えば、64キロバイト)、BLK_SIZE_BYTESはバイト数で表されるブロックサイズである。
この実施形態では、ブロック数(NUM_OF_BLKS)は、データファイルのサイズ(バイト数表示)にデータブロックのサイズ(バイト数表示)を加え、そこから1バイトを引き、さらに、バイト数で表されるデータブロックのサイズで割ったものに等しい。式(1)〜(4)は、1つの具体的な実施形態を示している。データファイルのデータブロック数の演算に他の方法を利用してよいことは、当業者にとって明らかである。例えば、データファイルをデータブロックに分割するのは、主に、チャンネルサーバ104のローカルメモリ208の推定ブロックサイズおよびクラスタサイズの関数である。したがって本発明は、上述した特定の実施形態に限定されるべきではない。
【0035】
図4は、本発明の一実施形態において、データファイルを送信するためのスケジューリング行列を生成する代表的な処理を示す。代表的な一実施形態において、本発明は、時分割多重化(TDM)および周波数分割多重化(FDM)技術を用いて、サーバ側にてデータ配信を圧縮およびスケジューリングしている。代表的な一実施形態では、スケジューリング行列は、各データファイルに対して生成される。一実施形態において、各データファイルは複数のデータブロックに分割され、スケジューリング行列はデータブロック数に基づいて生成される。一般的に、スケジューリング行列は、データファイルのデータブロックをサーバからクライアントへと送信するための送信順序を提供し、その結果、データブロックは、任意の時間にデータファイルへのアクセスを希望する任意のクライアントによって、シーケンシャルな順序にてアクセス可能になる。
【0036】
工程402において、データファイルについての多数のデータブロック(x)が受信される。第1の変数jが、0に設定される(工程404)。参照配列がクリアされる(工程406)。参照配列は、内部管理のためにデータブロックのトラックを維持する。次に、jは、xと比較される(工程408)。jがx未満である場合には、第2の変数iが0に設定される(工程412)。次に、iは、xと比較される(工程414)。iがx未満である場合には、スケジューリング行列の列[(i+j) modulo (x)]に格納されているデータブロックが参照配列に書き込まれる(工程418)。参照配列が当該データブロックをすでに有している場合には、重複して書き込まない。開始時には、スケジューリング行列はまだエントリも有していないため、この工程は飛ばしてもよい。次に参照配列は、データブロックiを含むか否か調べられる(工程420)。開始時には、参照配列内のエントリはすべて工程406でクリアされているため、参照行列内には何も存在しない。参照配列がデータブロックiを含まない場合には、スケジューリング行列の行列位置[(i+j) modulo (x),j]および参照配列に、データブロックiが加えられる(工程422)。データブロックiがスケジューリング行列および参照配列に加えられた後、i=i+1になるようにiは1つ増分され(工程424)、本処理は、i=xになるまで工程414にて繰り返される。参照配列がデータブロックiを含む場合には、i=i+1になるようにiは1つ増分され(工程424)、その処理は、i=xになるまで工程414にて繰り返される。i=xの場合には、j=j+1になるようにjは1つ増分され(工程416)、その処理はj=xになるまで工程406にて繰り返される。全体の処理は、j=x(工程410)のとき終了する。
【0037】
代表的な一実施形態において、データファイルが6つのデータブロックに分割される(x=6)場合には、スケジューリング行列および参照配列は、以下のように表される。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
この代表的な実施形態では、上述のスケジューリング行列に基づいて、データファイルの6つのデータブロックが、以下の順番で送信される:
【0041】
【表3】
【0042】
別の代表的な実施形態において、先読み処理は、予測されたアクセス時間より前にデータファイルの所定数のデータブロックを送信するために、先読みスケジューリング行列の演算に用いられ得る。例えば、タイムスロット番号が4以上の任意のタイムスロットに対して、所定の先読み時間が1タイムスロットの継続時間である場合には、データファイルのデータブロック4(blk4)は、TS3、あるいはそれよりも前に加入クライアントのSTB300によって受信されなければならないが、TS4までは再生されることはない。先読みスケジューリング行列を生成する処理工程は、本実施形態における先読みスケジューリング行列が先読み時間に基づいて早めの送信シーケンスをスケジューリングするという点を除いては、図4に関連して上述した処理工程と実質的に同じである。データファイルが6つのデータブロックに分割されると仮定すると、先読みスケジューリング行列に基づく代表的な送信シーケンスは、2タイムスロットの継続時間の先読み時間を有し、以下のように表され得る:
【0043】
【表4】
【0044】
1組のデータファイルを送信するための三次元の配信行列は、その1組のデータファイルの中の各データファイルに対するスケジューリング行列に基づいて生成される。三次元の配信行列では、1組のデータファイル内における各データファイル用のIDを含む第3の次元が生成される。三次元の配信行列は、各チャンネルにおいて利用可能な帯域幅を効率的に用いて、複数のデータストリームを配信するために算出される。代表的な一実施形態において、当該分野において周知である畳み込みメソッドは、1組のデータファイルの効率的な配信をスケジューリングするために、三次元の配信行列の生成に用いられている。例えば、畳み込みメソッドは、以下の方針を含み得る:(1)任意のタイムスロット(TS)の継続時間に送信されるデータブロックの総数は、可能な限り最小に維持される必要がある。(2)複数の部分的な解決法が方針(1)に対して利用可能である場合、好ましい解決手法は、任意の参照タイムスロットの継続時間中に送信されるデータブロックと、(参照タイムスロットの)前のタイムスロットの継続時間中に送信されるデータブロックと、(参照タイムスロットの)次のタイムスロットの継続時間中に送信されるデータブロックとを加算することによって得られるデータブロックの和が最小である解決手法である。例えば、2つの短いデータファイル、すなわちMおよびNを送信する代表的なシステムを想定すると、各データファイルが6つのデータブロックにそれぞれ分割されている場合、スケジューリング行列に基づく伝送シーケンスは、以下のようになる。
【0045】
【表5】
【0046】
上述したような代表的な畳み込みメソッドを適用すると、配信行列として可能な組み合わせは、以下のとおりである:
【0047】
【表6】
【0048】
方針(1)を適用すると、オプション2、4、6は、任意のタイムスロット中に送信されるデータブロックの最大数が最も小さい(すなわち、6データブロック)。方針(2)を適用すると、任意の参照タイムスロットのデータブロックと、隣接するタイムスロットのデータブロックとの和が最小(すなわち、16データブロック)なのはオプション4であるため、この代表的な実施形態における最適な配信行列はオプション4となる。したがって、この実施形態では、データファイルNの送信シーケンスは、3タイムスロット分、シフトされなければならない。代表的な一実施形態では、三次元の配信行列は、各チャンネルサーバ104に対して生成されている。
【0049】
各データファイルのデータブロックが配信行列に従って送信されると、多数の加入クライアントがいつでもデータファイルにアクセス可能になり、各加入クライアントは、適時、データファイルの適切なデータブロックを利用することができる。上述した実施例において、1タイムスロットの継続時間が5秒間に等しいと仮定すると、DODシステム100は、データファイルMおよびNのデータブロックを、最適な配信行列に従って(すなわちデータファイルNの配信シーケンスを3タイムスロット分シフトする)、以下の方法で送信する:
【0050】
【表7】
【0051】
クライアントAが、時刻00:00:00において映画Mを選択すると、クライアントAのSTB300は、データブロックの受信(receive)、格納(store)、再生(play)、および拒否(reject)を以下のように行う:
【0052】
【表8】
【0053】
クライアントBが、時刻00:00:10において映画Mを選択すると、クライアントBのSTB300は、データブロックの受信、格納、再生、および拒否を以下のように行う:
【0054】
【表9】
【0055】
クライアントCが、時刻00:00:15において映画Mを選択すると、クライアントCのSTB300は、データブロックの受信、格納、再生、および拒否を以下のように行う:
【0056】
【表10】
【0057】
クライアントDが、時刻00:00:30において映画Mを選択すると、クライアントDのSTB300は、データブロックの受信、格納、再生、および拒否を以下のように行う:
【0058】
【表11】
【0059】
上述の例で示したように、任意の組み合わせのクライアントは、任意の時間に独立して、サービスプロバイダにより提供される任意のデータファイルを選択および再生開始し得る。上述の実施形態で所定の数のデータファイルを送信するために利用可能な帯域幅が不十分な場合には、以下に説明するような準最適な送信スケジュールを利用してわずかに時間を遅延させることにより、大量のデータを送信することが可能である。上記の方法が時間最適方式におけるクライアントジェネリックなDODサービスを提供する一方、続く処理は、アクセスタイムを遅延させる代わりに、要求伝送帯域幅をさらに縮小させるクライアントジェネリックなDOD放送サービスを提供する方法を教示している。
【0060】
図5は、準最適なスケジューリング行列を生成する代表的な方法500を示す図である。代表的な一実施形態において、本発明は、時分割多重化(TDM)および周波数分割多重化(FDM)技術を用いて、サーバ側にてデータ配信を圧縮およびスケジューリングしている。代表的な実施形態では、準最適なスケジューリング行列は、各データファイルに対して生成される。一実施形態において、各データファイルは複数のデータブロックに分割され、準最適なスケジューリング行列は、データブロック数に基づいて生成される。準最適なスケジューリング行列は、データファイルのデータブロックをサーバからクライアントへと送信するための送信順序を提供し、その結果データブロックは、1タイムスロットの任意の開始時間内において、データファイルへのアクセスを希望する任意のクライアントによりシーケンシャルにアクセスすることができる。
【0061】
工程502において、データファイルについての多数のデータブロック数(x)が受信される。第1の変数jが、0に設定される(工程504)。参照配列がクリアされる(工程506)。参照配列は、内部管理のためにデータブロックのトラックを維持する。次に、jは、xと比較される(工程508)。jがx未満である場合には、第2の変数iが0に設定される(工程512)。次に、iは、xと比較される(工程514)。iがx未満である場合には、準最適なスケジューリング行列の列[(i+j) modulo (x)]に格納されたデータブロックが、参照配列に書き込まれる(ステップ518)。参照配列がかかるデータブロックをすでに有している場合には、重複して書き込まない。開始時には、準最適なスケジューリング行列はまだエントリを有していないため、この工程は飛ばしてもよい。次に参照配列は、データブロックiを含むかについて否か調べられる(工程520)。開始時には、参照配列内のエントリはすべて工程506でクリアされているため、参照行列内には何も存在しない。参照配列がデータブロックiを含まない場合には、準最適なスケジューリング行列の一つ前の列(i−1)は、その行列の列(i−1)がデータブロックiを含むか否かについて調べられる。(工程521)。準最適な行列の列(i−1)がデータブロックiをも含まない場合には、データブロックiは、準最適なスケジューリング行列の行列位置[(i+j) modulo (x),j]および参照配列に加えられる(工程522)。データブロックiが準最適なスケジューリング行列および参照配列に加えられると、i=i+1になるようにiは1つ増分される(工程524)、続いて処理は、i=xになるまで工程514にて繰り返される。参照配列がデータブロックi、あるいは準最適なスケジューリング行列の列(i−1)を含む場合には、i=i+1になるようにiは1つ増分され(工程524)、続いてその処理は、i=xになるまで工程514にて繰り返される。i=xの場合には、j=j+1になるようにjは1つ増分され(工程516)、その処理はj=xになるまで工程506にて繰り返される。全体の処理は、j=x(工程510)のとき終了する。
【0062】
代表的な一実施形態において、データファイルが6つのデータブロックに分割される(x=6)場合には、準最適なスケジューリング行列および参照配列は、以下のように表される。
【0063】
【表12】
【0064】
【表13】
【0065】
この代表的な実施形態では、上述の準最適なスケジューリング行列に基づいて、データファイルの6つのデータブロックが以下の順に送信される:
【0066】
【表14】
【0067】
図4の代表的な「最適」なスケジューリングシーケンスと比較すると、この代表的な「準最適」なスケジューリングシーケンスが送信するデータブロック数は、3つ少ない。この結果、代表的な準最適なスケジューリングを用いる送信に必要な帯域幅が18.75%減少する。この準最適なスケジューリングは、受信側のSTBに、1タイムスロットの継続時間中、選択されたデータファイルをユーザに遅延して表示することを要求する。
【0068】
当業者には明らかなように、上記の実施形態の準最適なスケジューリングは、無数に存在する可能な具体的スケジューリングスキームのなかのほんの一つにすぎない。STBアクセス時間の大幅な遅延を用いると、データファイルの伝送に必要とされる帯域幅は大幅な縮小が実現され得る。例えば、受信側STBが選択されたデータファイルを表示し得る前に、2以上のタイムスロット分の遅延を必要とする伝送もある。
【0069】
図6は、本発明の一実施形態において、「準最適」なDODデータ送信を受信する代表的なSTBの方法を示す図である。処理600は、工程602で開始され、そこでSTB300(図3)は、DOD放送システム100(図1A)から電子案内番組(EPG)を受信する。EPG番組は、DODシステム100により利用可能な全ファイルをリストに載せている。工程603において、ユーザは、所望のデータファイルと関連付けられている購入ボタンを押すことにより、EPGのリストに掲載されているデータファイルを選択する。工程604において、STB300(図3)は、選択されたデータファイルのデータブロックを格納開始する。STBは所定の期間待機し、STBが中断することなくデータファイルを再生するために、選択されたデータファイルのデータブロックの十分な量が格納され得るようにする。一実施形態において、CPU304(図3)は、選択されたデータファイルの円滑な再生を保証するために必要な遅延量を決定することができる。このことは、種々のアルゴリズムを用いる、あるいは単に要求遅延情報をDODシステム100から送信されるデータ内のパケットヘッダ場所に含むことにより実現することができる。かかる実施形態において、DODシステムは、必要な遅延のタイムスロット数を利用可能な伝送帯域幅と対応付けるために、準最適な配信行列を変更する。
【0070】
選択されたデータファイルの連続表示に必要なデータブロックを十分格納するほど待機したあと、STBは、その選択されたデータファイルを自動再生し始める。
別の実施形態において、遅延期間が完了すると、STBはユーザに、選択されたデータファイルの表示開始を指示する。
【0071】
処理概要
サービスプロバイダは、放送の前に、複数のデータファイル(例えばビデオファイル)をチャンネルサーバ104に送信するようスケジューリングされ得る。中央制御サーバ102は、三次元の配信行列(ID、タイムスロット、およびデータブロック送信順序)を算出するとともにチャンネルサーバ104に送信する。放送中に、チャンネルサーバ104は、適切なデータブロックを適切な順序で送信するために三次元の配信行列を参照する。多数の加入クライアントが独立して、いつでも連続してかつシーケンシャルにデータファイルの視聴を始めることができるように、各データファイルはデータブロックに分割されている。データファイルのデータブロックの大きさは、選択されたタイムスロットの継続時間と、データファイルのデータストリームのビットレートとに依存する。例えば、一定のMPEGデータストリームでは、各データブロックは、以下の式で表される固定サイズを有する。ブロックサイズ(メガバイト)=ビットレート(メガバイト毎秒)×TS(秒)/8…(1)。
【0072】
代表的な実施形態において、データブロックのサイズは、チャンネルサーバ104のローカルメモリ208内におけるメモリクラスタサイズの次に高い倍数になるよう調整される。例えば、算出されたデータブロック長が上記の式(1)により720キロバイトの場合には、ローカルメモリ208のクラスタサイズが64キロバイトなら、求められるデータブロック長は768キロバイトでなければならない。本実施形態において、データブロックは、クラスタサイズと同じ大きさをそれぞれ有する複数のサブブロックにさらに分割される必要がある。この例では、データブロックは、64キロバイトである12のサブブロックを有する。
【0073】
サブブロックは、さらにデータパケットに分割することができる。各データパケットは、パケットヘッダとパケットデータとを含む。パケットデータの長さは、各チャネルサーバのCPUによるデータの送信先である物理層の最大伝送単位(MTU)に依存する。好ましい実施形態では、パケットヘッダおよびパケットデータの合計サイズは、MTU未満でなければならない。しかしながら、最大限の効率を得るためには、パケットデータの長さは可能な限り長くすべきである。
【0074】
代表的な実施形態では、パケットヘッダのデータは、加入クライアントのSTB300に対して、任意の受信データの復号と、データパケットが選択されたデータファイルに属するか否かの決定とを認める情報(例えば、プロトコル署名、バージョン、ID、またはパケットタイプ情報など)を含む。パケットヘッダはさらに、必要とされる「準最適」な遅延期間、ブロック/サブブロック/パケット番号、パケット長、サブブロック内での巡回冗長検査(CRC)およびオフセット、および/またはエンコード情報など、その他の情報をも含み得る。
【0075】
データパケットは、チャンネルサーバ104によって受信されるとQAMモジュレータ206に送信され、そこで、QAM変調されたIF出力信号を生成するために別のヘッダが追加される。QAMモジュレータ206に対する最大ビットレート出力は、利用可能な帯域幅に依存している。例えば、6MHzの帯域幅を有するQAMモジュレータ206では、最大ビットレートは5.05(ビット/シンボル)×6(メガヘルツ)=30.3メガビット/秒である。
【0076】
QAM変調されたIF信号はアップコンバータ106に送信され、特定のチャンネルに適したRF信号(例えば、CATVチャンネル80の場合は559.250MHzおよび6MHzの帯域幅)に変換される。例えば、ケーブルネットワークが高い帯域幅(すなわちビットレート)を有する場合には、各チャンネルは、それぞれが仮想サブチャンネルを占有する2以上のデータストリームを提供するために用いられ得る。例えば、QAM変調を用いて、3つのMPEG1データストリームは、6MHzチャンネルに適合され得る。アップコンバータ106の出力は、結合された信号を伝送媒体110に送信する合成器/増幅器108に加えられる。
【0077】
代表的な一実施形態では、「N」個のデータストリームを伝送するための総システム帯域幅(BW)は、BW=N×bwであり、bwは、データストリームごとに必要とされる帯域幅である。例えば、各MPEG−1データストリームは、9メガビット/秒のシステム帯域幅を占めるため、3つのMPEG−1データストリームは、30.3メガビット/秒のシステム帯域幅を有するDOCSISケーブルチャンネルにより、同時に伝送され得る。
【0078】
一般的に、帯域幅は、DODサービスに実際にアクセスしている加入クライアントの数とは関係なく消費される。したがって、DODサービスを利用している加入クライアントが存在しない場合でも、システムのオン・デマンド能力を確保するために、なお帯域幅は消費される。
【0079】
STB300は、作動されると、STB300のローカルメモリ308に格納されている番組ガイドの受信および更新を断続的に行う。一実施例において、STB300は、最新の番組案内を含むデータファイル情報をテレビの画面上に表示する。ビデオファイル情報などのデータファイル情報は、映画のID、映画のタイトル、解説(多言語表示)、カテゴリ(例えば、アクション、子供向けなど)、レーティング(例えばR指定やPG13指定など)、ケーブル会社の方針(例えば、値段や無料試聴の長さなど)、加入期間、映画のポスタ、および映画の予告などを含んでよい。代表的な一実施形態では、データファイル情報は、ファームウェアの更新、コマーシャル、および/または緊急情報のための予備チャンネルのような、予備物理チャンネルを介して送信される。別の代表的な実施形態では、情報は、他のデータストリームにより共有されている物理チャンネルで送信される。
【0080】
加入クライアントは、テレビの画面に表示されているカテゴリごとに並べられた利用可能データファイルのリストを見ることが可能である。クライアントが利用可能データファイルのうちの1つを選択すると、STB300は、そのデータファイルのデータパケットの受信を開始するために、ハードウェアを制御して、対応する物理チャンネルおよび/または仮想サブチャンネルに同調する。STB300は、すべてのデータパケットヘッダを検査し、データパケット内のデータを復号し、受信されたデータパケットを保存すべきか否かを決定する。STB300が、データパケットを保存すべきでないと決定した場合は、そのデータパケットは廃棄される。そうでない場合には、データパケットは、その後回復する場合に備えてローカルメモリ308内に保存される、あるいは、デコーダ312に送信されるまでのあいだバッファメモリ309内に一時的に格納される。
【0081】
ローカルメモリ308に対する頻繁な読み出し/書き込みを回避することによってパフォーマンスの効率を向上させるため、代表的な実施形態において、STB300は、メモリバッファ309内の予測されるデータブロックを、可能であればいつでもロックする「スライディングウィンドウ」予測技術を用いる。予測ウィンドウにおいてヒットが生じた場合、データブロックは、メモリバッファ309から直接、デコーダ312へと伝送される。予測ミスが生じた場合には、データブロックは、メモリバッファ309からデコーダ312へと伝送される前に、ローカルメモリ308からメモリバッファ309へと読み込まれる。
【0082】
代表的な一実施形態において、STB300は、一時停止、スローモーション再生、巻き戻し、ズーム、およびシングルステップのためのボタンを備える赤外線(IR)リモートコントロール装置ボタン、IRキーボード、あるいはフロントパネル押しボタンを介して、加入クライアントの命令に答える。代表的な実施形態において、加入クライアントが所定の期間中に何のアクションも入力しなかった場合(例えば、番組メニューのスクロール、あるいはカテゴリか映画の選択など)には、スケジューリングされたコマーシャルが自動的に再生される。スケジューリングされたコマーシャルは、加入クライアントがアクションを与えた(例えば、リモートコントロール装置のボタンを押すなど)場合には、自動的に停止する。別の代表的な一実施形態では、STB300は、ビデオの再生中にコマーシャルを自動的に挿入することができる。サービスプロバイダ(例えば、ケーブル会社)は、再生中のビデオにどのくらいの頻度でコマーシャルを割り込ませるかを指示する条件決定方針を設定することができる。
【0083】
緊急情報ビットがデータパケットヘッダ内で検出された場合には、STB300は、あらゆるデータ受信操作を一時停止し、データファイル情報の受信用に確保されているチャンネルに同調するようハードウェアを制御して、出力画面上に表示すべきあらゆる緊急情報を取得および復号する。代表的な一実施形態において、STB300が待機状態の際には、STB300は、データファイル情報の受信用に確保されているチャンネルに同調され、いかなる緊急情報も遅滞なく受信および表示する用意が常に整っている。
【0084】
上述の例は、本発明の代表的な実施形態のいくつかを例示したものであり、当業者は、これらから、他の実施形態、変更例、変形例を容易に導くことができる。したがって、本発明は、上述した特定の実施形態に限定されず、添付した特許請求の範囲によって規定される。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1A】本発明の一実施形態における代表的なDODシステムを示す図である。
【図1B】本発明の別の一実施形態における代表的なDODシステムを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態における代表的なチャンネルサーバを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態における代表的なセット・トップ・ボックスを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態において、スケジューリング行列を生成する代表的な処理を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態において、スケジューリング行列を生成する代表的な処理を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態において、準最適なスケジューリング行列を用いて伝送されるデータファイルを表示する代表的STBを示す図である。
【0001】
本発明は、概して、データ・オン・デマンドシステムに関する。特に本発明は、データ通信のスケジューリングに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオ・オン・デマンド(VOD)システムは、データ・オン・デマンド(DOD)システムの一種である。VODシステムにおいてビデオデータファイルは、一つのサーバ、あるいは複数サーバのネットワークによって、1つ以上のクライアントに要求(デマンド)に基づいて提供される。
【0003】
従来のVOD構成では、一つのサーバ、あるいは複数サーバのネットワークは、標準的な階層クライアント・サーバモデルにてクライアントと通信する。例えばクライアントは、サーバにデータファイル(例えば、映像データファイル)の要求を送信する。クライアントの要求に応じて、サーバは要求されたファイルをクライアントに送信する。標準クライアント・サーバモデルにおいて、クライアントからのデータファイル要求は、1つあるいは複数のサーバによって実現され得る。クライアントは、後から利用するために、受信された任意のデータファイルを不揮発性メモリにローカルで保存する機能を有し得る。標準クライアント・サーバモデルは、双方向通信のインフラを必要とする。既存のケーブルは片方向通信のみ提供可能であるため、現時点では、双方向通信は新しいインフラの構築を必要とする。双方向通信インフラには、例えば、光ファイバ・同軸ケーブル(HFC)、あるいはすべてのファイバインフラがある。既存のケーブルを置き換えると非常にコストがかかるため、その結果もたらされるサービスは、大部分のユーザにとって手頃な価格とはいえない可能性がある。
【0004】
また、標準クライアント・サーバモデルは、サービスプロバイダ(例えばケーブル会社)が多数のクライアントにVODサービスの提供を試みる場合には、多くの制限を受ける。標準クライアント・サーバモデルに対する一制限としては、サービスプロバイダは、ネットワーク内の各クライアントからのすべての要求を断続的に受けるとともに実現する機構を実装しなければならいため、サービスを享受し得るクライアント数はかかる機構の処理能力によって決まるという制限がある。ある機構は、大型で高速なディスクアレイを備える大規模並列コンピュータをローカルサーバとして用いる。しかしながら、既存の最高速ローカルサーバでさえ、一度にビデオデータストリームの配信が可能なクライアント数は、わずかにおよそ1,000から2,000である。したがって、より多くのクライアントにサービスするためには、ローカルサーバの数を増やす必要がある。ローカルサーバを増加すると、ローカルサーバの維持管理のために、より上位のサーバが必要となる。
【0005】
標準クライアント・サーバモデルの別の制限は、各クライアントはそれぞれの帯域幅を要することである。したがって、必要とされる帯域幅の合計は、加入クライアントの数に正比例する。帯域幅の制限を改善するために、これまでローカルサーバ内のキャッシュメモリが使用されてきたが、キャッシュメモリ自体にも同様に制限があるため、キャッシュメモリの使用は問題の解決とはならない。
【0006】
現在、ビデオ・オン・デマンドサービスがクライアントにとってより手ごろな価格となるように、既存のサービスプロバイダは、ローカルサーバあたりのクライアントの割合をローカルサーバの能力を超えて増大させている。一般的に、ローカルサーバ1台につき1,000のクライアントに対してサービスの提供が可能であるが、実際には10,000のクライアントに対するサービスを請け負っている。この手法は、ほとんどの加入クライアントが同時にビデオを注文しなければ機能し得る。しかしながら、多くのクライアントは同時に(例えば夜間や週末など)ビデオの視聴を所望する傾向にあるため、この手法は、かかるピーク時の間、ローカルサーバをオーバーロード状態にして障害を起こす構成である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、既存のインフラを取り替えることなく、ほぼすべての伝送媒体を介して、多数のクライアントにオン・デマンドサービスを与えることができるシステムの提供が望まれている。さらに、加入消費者の数とは無関係な送信帯域幅を有するクライアントジェネリックな放送システムを提供することが望まれている。さらに、低減された伝送帯域幅を必要とするクライアントジェネリックな準最適データ・オン・デマンドサービスを与えることができるシステムの提供も望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、低減帯域幅のクライアントジェネリックなデータブロックシーケンスとして一つ以上のデータファイルを、双方向通信を必要とすることなく、狭い帯域幅を通じて多数のクライアントに同時に伝送することができるDOD放送システムを提供する。本発明はさらに、クライアントからデータファイルが注文されてから短時間のうちに、クライアントジェネリックなフォーマットを介してデータファイル放送を再生開始することができるSTBを提供する。さらに、データファイルの再生を開始するより前に、インテリジェントSTBがデータファイル部分をロードすることができるように、クライアントアクセス時間を遅延することによってデータファイルをダウンロードする、さらに帯域幅を効率化する方法が提供されている。
【0009】
簡単にいうと、本発明の一態様は、複数のデータファイルを送信するデータ・オン・デマンド(DOD)放送システムにおいて具体化され、各データファイルは、低減されたクライアントジェネリックなデータブロックシーケンスとして送信されている。データ・オン・デマンド(DOD)放送システムは、複数のデータファイルを放送するためのDOD放送サーバと、DOD放送サーバに通信接続されている伝送媒体と、伝送媒体を介してDOD放送サーバに通信接続されている複数の受信部とを備え、DOD放送サーバは、伝送媒体を介して、複数のデータファイルを低減されたクライアントジェネリックなフォーマットにて複数の受信部に繰り返し伝送し、受信部は、選択されたデータファイルに対応する許可情報を要求する、許可情報を受信する、および、所定時間の経過後に選択されたデータファイルをユーザに表示するよう動作し、所定の期間により受信部は、データファイルの表示開始より前に、データファイルの一部を格納することができる。
【0010】
本発明の別の態様は、準最適なデータブロックシーケンスを伝送するデータ・オン・デマンド(DOD)放送方法を教示し、その方法は、シーケンス中の順に隣り合う2つのデータブロックが同一ではない準最適なデータブロックのデータ伝送シーケンスを準備する動作と、準最適な伝送シーケンスに従ったデータブロックシーケンスから成るデータファイルを、受信側クライアントが所定の期間内にデータファイルにアクセス開始し得るよう、非クライアント固有方式で複数のクライアントに送信する動作とを含む。さらに、所定の期間には継続時間があり、その継続時間はデータブロックシーケンスのうちの少なくとも一つに含まれている情報に対応している。準最適なデータ伝送シーケンスを準備する動作は、データファイルを受信する動作と、時間間隔を特定する動作と、各データブロックが時間間隔中に表示され得るように、時間間隔に基づいてデータファイルを複数のデータブロックに分割する動作と、データファイルを送信するために必要なタイムスロット数を決定する動作と、タイムスロットはそれぞれ、時間間隔と実質的に等しい継続時間を有し、各タイムスロットに複数のデータブロックのうちの少なくとも一つを割り当てる動作とを含む。
【0011】
データ・オン・デマンドシステムは、第1組のチャンネルサーバと、第1組のチャンネルサーバを制御する中央制御サーバと、第1組のチャンネルサーバに接続されている第1組のアップコンバータと、伝送媒体を介して送信データに適合している合成器/増幅器とを備える。代表的な一実施形態において、データ・オン・デマンドシステムはさらに、システムを監視するためのチャンネル監視モジュールと、スイッチ行列と、第2組のチャンネルサーバと、第2組のアップコンバータとを備える。チャンネル監視モジュールは、システム障害が発生した場合に中央制御サーバに報告するよう構成されている。中央制御サーバは、チャンネル監視モジュールからの報告に応じて、第1組のチャンネルサーバ内の欠陥のあるチャンネルサーバを第2組のチャンネルサーバ内のチャンネルサーバで置き換えるとともに、第1組のアップコンバータ内の欠陥のあるアップコンバータを第2組のアップコンバータ内のコンバータで置き換えるように、スイッチ行列に命令する。
【0012】
準最適なデータブロックシーケンスとして伝送されるデータファイルを受信する方法は、少なくとも一つの選択データファイルを示すユーザ入力を受信する動作と、所定の期間中、準最適なデータブロックシーケンスの複数データブロックのうちの少なくとも一つを、記憶場所に格納する動作と、所定の期間の経過後に、データファイルの少なくとも第1の部分をユーザに表示する動作と、格納されたデータブロックのうちの少なくとも一つを少なくとも一つの追加データブロックと結合することにより、データファイルの少なくとも第2の部分をユーザに表示する動作を含む。
【0013】
セット・トップ・ボックスという用語は、テレビに装着する装置に限定されず、拡張されたテレビシステムおよびコンピュータを含む本発明の方法に従った放送の伝送を受信することができる任意の装置を含み得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、準最適なデータブロックシーケンスとして、一つ以上のデータファイルを、双方向通信を必要とすることなく狭い帯域幅を通じて、多数のクライアントに同時に伝送することができるDOD放送システムを提供する。本発明はさらに、データファイルがクライアントから注文されてから短時間のうちに、データファイルの再生を開始することができるSTBを提供する。さらに、データファイルを再生開始するより前に、インテリジェントSTBがデータファイル部分をロードすることができるように、クライアントアクセス時間を遅延することによって、データファイルをダウンロードするより帯域幅を効率化する方法が提供されている。
【0015】
伝送帯域幅を最小化しながら、伝送されたDODデータを最大化するいくつかの可能な方法には、一定帯域幅の配信行列と、減少されたアイドルタイムマトリクスとを利用することを含む。これらおよびその他の方法は、Khoi Hoangの上記引用されている発明により教示されている。これらの方法が、時間最適方法にてクライアントジェネリックなDODサービスを提供する一方、アクセスタイムの遅延と引き換えに要求伝送帯域幅をさらに低減するクライアントジェネリックなDOD放送サービスを提供するその他の可能性が存在する。
【0016】
図1Aは、本発明の一実施形態における代表的なDODシステム100を示す。この実施形態では、DODシステム100は、ビデオファイルなどのデータファイルをオンデマンドで提供する。但し、DODシステム100は、ビデオファイルをオンデマンドで提供することに限定されず、例えばゲームファイルなどのその他のデータファイルをオンデマンドで提供することもできる。DODシステム100は、中央制御サーバ102と、中央記憶装置103と、複数のチャンネルサーバ104aから104nと、複数のアップコンバータ106aから106nと、合成器/増幅器108とを含む。中央制御サーバ102は、チャンネルサーバ104を制御する。中央記憶装置103は、データファイルをデジタルフォーマットで格納する。代表的な一実施形態において、中央記憶装置103に格納されているデータファイルは、ネットワークに接続された中央制御サーバ102などの任意の許可コンピュータにより、標準のネットワークインタフェース(例えば、イーサネット接続)を介してアクセス可能である。各チャンネルサーバ104にはチャンネルが割り当てられ、アップコンバータ106と接続されている。チャンネルサーバ104は、中央制御サーバ102からの命令に従って、中央記憶装置103から取り出されるデータファイルを提供する。各チャンネルサーバ104の出力は、対応するアップコンバータ106に適した周波数を有する直交振幅変調(QAM)によって変調された中間周波数(IF)信号である。QAM変調されたIF信号は、採用される規格に依存している。米国で現在採用されている規格は、データ・オーバー・ケーブル・システム・インタフェース・規格(DOCSIS)であり、およそ43.75MHzのIF周波数を必要とする。アップコンバータ106は、チャンネルサーバ104から受信されるIF信号を高周波信号(RF信号)に変換する。RF信号は、周波数および帯域幅を含んでおり、所望のチャンネルおよび採用された規格によって決まる。例えば、ケーブルテレビチャンネル80について、米国における現行の規格では、RF信号は、約559.25MHzの周波数と約6MHzの帯域幅とを有する。アップコンバータ106の出力は、合成器/増幅器108に適用される。合成器/増幅器108は、受信されたRF信号を増幅、調節および合成した後、その信号を伝送媒体110へと出力する。
【0017】
代表的な実施形態では、中央制御サーバ102は、サービスプロバイダがドラッグ・アンド・ドロップ操作によってデータ配信をスケジューリングできるように、グラフィックユーザーインタフェース(図示せず)を備えている。さらに、中央制御サーバ102は、チャンネルサーバ104を認証および制御して、配信行列に従って開始、あるいは停止させる。代表的な一実施形態では、中央制御サーバ102は、チャンネルを自動選択し、選択されたチャンネルでデータファイルを伝送するための配信行列を算出する。中央制御サーバ102は、データファイル情報(例えば、継続時間、カテゴリ、レーティング、および/あるいは要旨)のオフラインでの追加、削除、および更新を提供する。さらに、中央制御サーバ102は、中央記憶装置103に格納されているデータファイルおよびデータベースを更新することにより、中央記憶装置103を制御する。
【0018】
代表的な一実施形態では、既存のケーブルテレビシステム120は、クライアントに非DODサービスを提供するために、合成器/増幅器108に継続して信号を供給し続けることができる。したがって、本発明によるDODシステム100は、現在のケーブルテレビサービスを妨げることはない。
【0019】
図1Bは、本発明によるDODシステム100の別の代表的な実施形態を示す図である。図1Aに示した要素に加えて、DODシステム100は、スイッチ行列112と、チャンネル監視モジュール114と、1組のバックアップ・チャンネルサーバ116aから116bと、1組のバックアップ・アップコンバータ118aから118bとを含む。一実施形態において、スイッチ行列112は、物理的にはアップコンバータ106と合成器/増幅器108との間に配置されている。スイッチ行列112は、中央制御サーバ102により制御されている。チャンネル監視モジュール114は、DODシステム100の正常性を監視するために、潜在的なクライアントをシミュレートするよう構成された複数のセット・トップ・ボックスを備える。監視結果は、チャンネル監視モジュール114により中央制御サーバ102へと伝えられる。チャンネル障害(すなわち、チャンネルサーバ障害、アップコンバータ障害、あるいは通信リンク障害)の場合には、中央制御サーバ102は、スイッチ行列112を介して、故障状態のコンポーネントを外し、サービスを再開するために正常なバックアップコンポーネント116および/または118を組み込む。
【0020】
代表的な実施形態では、DODシステム100より放送されているデータファイルは、motion pictures expert group(MPEG)ファイル形式で格納されている。各MPEGファイルは、時間軸に沿って、データファイルの特定部分に対してマッピングするデータブロックおよびサブブロックに動的に分割される。これらのデータブロックおよびサブブロックは、中央制御サーバ102によって提供されている三次元の配信行列に従って、所定の期間中に送信される。フィードバックチャンネルは、DODシステム100がDODサービスを提供する際には必要ではない。但し、フィードバックチャンネルが利用可能である場合には、フィードバックチャンネルは、支払い請求、あるいはインターネットサービスの提供などの他の目的のために用いられ得る。
【0021】
図2は、本発明の一実施形態における代表的なチャンネルサーバ104を示す。チャンネルサーバ104は、サーバ制御装置202、CPU204、QAMモジュレータ206、ローカルメモリ208およびネットワークインタフェース210を備える。サーバ制御装置202は、データファイルをブロックに(さらに、サブブロックおよびデータパケットに)分割し、中央制御サーバ102によって提供されている配信行列に従って送信するためのデータブロックを選択し、選択されたデータを符号化し、符号化されたデータを圧縮し、次いで、圧縮されたデータをQAMモジュレータ206に配信するようCPU204に命令することにより、チャンネルサーバ104の全般的な動作を制御する。QAMモジュレータ206は、バス(すなわち、PCI、CPUローカルバス)、あるいはイーサネット接続を介して送信するデータを受信する。
代表的な一実施形態において、QAMモジュレータ206は、下流側QAMモジュレータ、前方型誤り訂正デコーダを備える上流側直交振幅変調/直交位相変位変調方式(QAM/QPSK)バーストデモジュレータ、および/または、上流側チューナを備え得る。QAMモジュレータ206の出力は、アップコンバータ106に直接適用され得るIF信号である。
【0022】
ネットワークインタフェース210は、中央制御サーバ102からの命令のスケジューリングおよび制御、中央制御サーバ102へのステータス報告、および、中央記憶装置103からのデータファイルの受信を行うために、チャンネルサーバ104を他のチャンネルサーバ104と中央制御サーバ102とに接続する。中央記憶装置103から取り込まれるデータファイルはどれも、サーバ制御装置202からの命令に従って処理を受ける前に、チャンネルサーバ104のローカルメモリ208に格納され得る。代表的な一実施形態において、チャンネルサーバ104は、ケーブルチャンネルの帯域幅(例えば、6、6.5または8MHz)、QAM変調(例えば、QAM64またはQAM256)、およびDODデータストリームの圧縮規格/ビットレート(すなわち、MPEG−1またはMPEG−2)に応じて、一つあるいはそれ以上のDODデータストリームを送信し得る。
【0023】
図3は、本発明の一実施形態における代表的なセット・トップ・ボックス(STB)300を示す。STB300は、QAMモジュレータ302、CPU304、条件付きアクセスモジュール306(例えばスマートカードシステム)、ローカルメモリ308、バッファメモリ309、STB制御装置310、デコーダ312、およびグラフィックスオーバレイモジュール314を備える。STB制御装置310は、クライアント要求に応じたデータの選択、選択されたデータの復号、復号されたデータの解凍、再編集、およびローカルメモリ308またはバッファメモリ309への格納、および、格納されたデータのデコーダ312への送信を行うために、CPU302およびQAMデモジュレータ302を制御することにより、STB300の全般的な動作を制御する。代表的な一実施形態において、STB制御装置310は、伝送媒体110から受信されるデータパケット内のデータパケットヘッダに基づいて、STB300の全般的な動作を制御する。代表的な一実施形態において、ローカルメモリ308は不揮発性メモリ(例えばハードドライブ)を含み、バッファメモリ309は揮発性メモリを含む。
【0024】
一実施形態において、QAMデモジュレータ302は、送信および受信モジュールと、以下の内の一つ、あるいは複数を備える:プライバシ暗号化/復号モジュール、前方型誤り訂正デコーダ/エンコーダ、チューナ制御、下流側および上流側処理装置、CPU、および、メモリインタフェース回路。QAMデモジュレータ302は、変調されたIF信号を受信し、その信号をサンプリングおよび復調してデータを復元する。
【0025】
アクセス制限モジュール306は、認証後にアクセス権が付与された場合、および/または適切な料金が支払われた場合には、デコード処理を許可する。アクセス条件は、サービスプロバイダによって決定される。
【0026】
認証方法は、加入レベルと警告レベルとを送信されたDODデータのヘッダーに直接挿入することを含む。かかる方法において、STB300は3つの加入レベルを読みとるとともに、読み取られた加入レベルとSTB300内に格納されている加入レベルとを比較する。格納されている加入レベルがDODサービスと共に送信される加入レベルと一致する場合には、そのクライアントはサービスの受信を認証される。警告レベルの場合には、STB300は、DODサービス内部において伝送される警告レベルを読み取り、その警告レベルに対応するメッセージを表示する。これらの認証方法は、2001年7月9日に出願されたKhoi Hoangの特許出願「CONTROLLING DATA−ON−DEMAND CLIENT ACCESS」、出願番号09/902,503に教示されており、引用によって本願に組み入れられている。
【0027】
代表的な一実施形態では、アクセス権が付与されると、デコーダ312は、少なくとも1つのデータブロックを復号して、そのデータブロックを出力画面上で表示可能な画像に変換する。デコーダ312は、再生、停止、一時停止、コマ送り、巻き戻し、早送りなど、加入クライアントからの命令を支援する。
【0028】
グラフィックスオーバーレイモジュール314は、例えば、アルファブレンディング、あるいはピクチャ・イン・ピクチャ機能を提供することにより、表示される画像の画質を高める。代表的な一実施形態において、サービスプロバイダが本発明に従ったシステムを用いてゲーム・オン・デマンドサービスを提供した場合には、グラフィックスオーバーレイモジュール314は、ゲームプレイモード中、グラフィックスの加速に用いられ得る。
【0029】
代表的な一実施形態において、データファイルは、全てのケーブルテレビ加入者に対して放送されるが、互換性のあるSTB300を持つDOD加入者のみが、データ・オン・デマンドサービスを復号して楽しむことができる。代表的な一実施形態において、データファイルをオンデマンドで取得するための許可は、アクセス制限制御モジュール306内のスマートカードシステムを介して取得され得る。スマートカードは、サービスプロバイダにより設定される小売店、あるいは自動販売機において再充電可能であってよい。別の代表的な実施形態において、定額料金体系は、加入者に対し、利用可能なデータファイルすべてに対する無制限のアクセスを提供する。
【0030】
代表的な一実施形態において、データ・オン・デマンドの対話性により、クライアントは利用可能なデータファイルをいつでも選択することができる。クライアントが選択ボタンを押してから選択されたデータファイルを再生開始するまでの時間は、応答時間と呼ばれる。DODサービスを提供するために割り当てられるリソース(例えば、帯域幅、サーバの能力)が大きいほど、応答時間はより短くなる。代表的な一実施形態において、応答時間は、リソース割り当てのレーティングおよび所望のサービスの質に基づいて決定され得る。
【0031】
代表的な一実施形態では、選択された応答時間により、1タイムスロットの継続時間が決定される。1タイムスロット(TS)の継続時間は、クライアントが常用速度でデータブロックを再生する時間間隔である。代表的な一実施形態において、ビデオファイルなどのデータファイルは、各データブロックが、1タイムスロットの継続時間の間、データファイルの再生を支援し得るよう、複数のデータブロックに分割されている。
【0032】
一実施形態では、各データファイルのデータブロック数(NUM_OF_BLKS)は、以下のとおり演算され得る:
【0033】
【数1】
【0034】
式(1)〜(4)では、Estimated_BLK_Sizeは(バイト数表示の)推定ブロックサイズ、DataFile_Sizeは(バイト数表示の)データファイルサイズ、TSは(秒数表示の)タイムスロットの継続時間、DataFile_Lengthは(秒数表示の)データファイルの継続時間、BLK SIZEは各データブロックに必要とされるクラスタの数、CLUSTER_SIZEは各チャンネルサーバ104のためのローカルメモリ208内のクラスタのサイズ(例えば、64キロバイト)、BLK_SIZE_BYTESはバイト数で表されるブロックサイズである。
この実施形態では、ブロック数(NUM_OF_BLKS)は、データファイルのサイズ(バイト数表示)にデータブロックのサイズ(バイト数表示)を加え、そこから1バイトを引き、さらに、バイト数で表されるデータブロックのサイズで割ったものに等しい。式(1)〜(4)は、1つの具体的な実施形態を示している。データファイルのデータブロック数の演算に他の方法を利用してよいことは、当業者にとって明らかである。例えば、データファイルをデータブロックに分割するのは、主に、チャンネルサーバ104のローカルメモリ208の推定ブロックサイズおよびクラスタサイズの関数である。したがって本発明は、上述した特定の実施形態に限定されるべきではない。
【0035】
図4は、本発明の一実施形態において、データファイルを送信するためのスケジューリング行列を生成する代表的な処理を示す。代表的な一実施形態において、本発明は、時分割多重化(TDM)および周波数分割多重化(FDM)技術を用いて、サーバ側にてデータ配信を圧縮およびスケジューリングしている。代表的な一実施形態では、スケジューリング行列は、各データファイルに対して生成される。一実施形態において、各データファイルは複数のデータブロックに分割され、スケジューリング行列はデータブロック数に基づいて生成される。一般的に、スケジューリング行列は、データファイルのデータブロックをサーバからクライアントへと送信するための送信順序を提供し、その結果、データブロックは、任意の時間にデータファイルへのアクセスを希望する任意のクライアントによって、シーケンシャルな順序にてアクセス可能になる。
【0036】
工程402において、データファイルについての多数のデータブロック(x)が受信される。第1の変数jが、0に設定される(工程404)。参照配列がクリアされる(工程406)。参照配列は、内部管理のためにデータブロックのトラックを維持する。次に、jは、xと比較される(工程408)。jがx未満である場合には、第2の変数iが0に設定される(工程412)。次に、iは、xと比較される(工程414)。iがx未満である場合には、スケジューリング行列の列[(i+j) modulo (x)]に格納されているデータブロックが参照配列に書き込まれる(工程418)。参照配列が当該データブロックをすでに有している場合には、重複して書き込まない。開始時には、スケジューリング行列はまだエントリも有していないため、この工程は飛ばしてもよい。次に参照配列は、データブロックiを含むか否か調べられる(工程420)。開始時には、参照配列内のエントリはすべて工程406でクリアされているため、参照行列内には何も存在しない。参照配列がデータブロックiを含まない場合には、スケジューリング行列の行列位置[(i+j) modulo (x),j]および参照配列に、データブロックiが加えられる(工程422)。データブロックiがスケジューリング行列および参照配列に加えられた後、i=i+1になるようにiは1つ増分され(工程424)、本処理は、i=xになるまで工程414にて繰り返される。参照配列がデータブロックiを含む場合には、i=i+1になるようにiは1つ増分され(工程424)、その処理は、i=xになるまで工程414にて繰り返される。i=xの場合には、j=j+1になるようにjは1つ増分され(工程416)、その処理はj=xになるまで工程406にて繰り返される。全体の処理は、j=x(工程410)のとき終了する。
【0037】
代表的な一実施形態において、データファイルが6つのデータブロックに分割される(x=6)場合には、スケジューリング行列および参照配列は、以下のように表される。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
この代表的な実施形態では、上述のスケジューリング行列に基づいて、データファイルの6つのデータブロックが、以下の順番で送信される:
【0041】
【表3】
【0042】
別の代表的な実施形態において、先読み処理は、予測されたアクセス時間より前にデータファイルの所定数のデータブロックを送信するために、先読みスケジューリング行列の演算に用いられ得る。例えば、タイムスロット番号が4以上の任意のタイムスロットに対して、所定の先読み時間が1タイムスロットの継続時間である場合には、データファイルのデータブロック4(blk4)は、TS3、あるいはそれよりも前に加入クライアントのSTB300によって受信されなければならないが、TS4までは再生されることはない。先読みスケジューリング行列を生成する処理工程は、本実施形態における先読みスケジューリング行列が先読み時間に基づいて早めの送信シーケンスをスケジューリングするという点を除いては、図4に関連して上述した処理工程と実質的に同じである。データファイルが6つのデータブロックに分割されると仮定すると、先読みスケジューリング行列に基づく代表的な送信シーケンスは、2タイムスロットの継続時間の先読み時間を有し、以下のように表され得る:
【0043】
【表4】
【0044】
1組のデータファイルを送信するための三次元の配信行列は、その1組のデータファイルの中の各データファイルに対するスケジューリング行列に基づいて生成される。三次元の配信行列では、1組のデータファイル内における各データファイル用のIDを含む第3の次元が生成される。三次元の配信行列は、各チャンネルにおいて利用可能な帯域幅を効率的に用いて、複数のデータストリームを配信するために算出される。代表的な一実施形態において、当該分野において周知である畳み込みメソッドは、1組のデータファイルの効率的な配信をスケジューリングするために、三次元の配信行列の生成に用いられている。例えば、畳み込みメソッドは、以下の方針を含み得る:(1)任意のタイムスロット(TS)の継続時間に送信されるデータブロックの総数は、可能な限り最小に維持される必要がある。(2)複数の部分的な解決法が方針(1)に対して利用可能である場合、好ましい解決手法は、任意の参照タイムスロットの継続時間中に送信されるデータブロックと、(参照タイムスロットの)前のタイムスロットの継続時間中に送信されるデータブロックと、(参照タイムスロットの)次のタイムスロットの継続時間中に送信されるデータブロックとを加算することによって得られるデータブロックの和が最小である解決手法である。例えば、2つの短いデータファイル、すなわちMおよびNを送信する代表的なシステムを想定すると、各データファイルが6つのデータブロックにそれぞれ分割されている場合、スケジューリング行列に基づく伝送シーケンスは、以下のようになる。
【0045】
【表5】
【0046】
上述したような代表的な畳み込みメソッドを適用すると、配信行列として可能な組み合わせは、以下のとおりである:
【0047】
【表6】
【0048】
方針(1)を適用すると、オプション2、4、6は、任意のタイムスロット中に送信されるデータブロックの最大数が最も小さい(すなわち、6データブロック)。方針(2)を適用すると、任意の参照タイムスロットのデータブロックと、隣接するタイムスロットのデータブロックとの和が最小(すなわち、16データブロック)なのはオプション4であるため、この代表的な実施形態における最適な配信行列はオプション4となる。したがって、この実施形態では、データファイルNの送信シーケンスは、3タイムスロット分、シフトされなければならない。代表的な一実施形態では、三次元の配信行列は、各チャンネルサーバ104に対して生成されている。
【0049】
各データファイルのデータブロックが配信行列に従って送信されると、多数の加入クライアントがいつでもデータファイルにアクセス可能になり、各加入クライアントは、適時、データファイルの適切なデータブロックを利用することができる。上述した実施例において、1タイムスロットの継続時間が5秒間に等しいと仮定すると、DODシステム100は、データファイルMおよびNのデータブロックを、最適な配信行列に従って(すなわちデータファイルNの配信シーケンスを3タイムスロット分シフトする)、以下の方法で送信する:
【0050】
【表7】
【0051】
クライアントAが、時刻00:00:00において映画Mを選択すると、クライアントAのSTB300は、データブロックの受信(receive)、格納(store)、再生(play)、および拒否(reject)を以下のように行う:
【0052】
【表8】
【0053】
クライアントBが、時刻00:00:10において映画Mを選択すると、クライアントBのSTB300は、データブロックの受信、格納、再生、および拒否を以下のように行う:
【0054】
【表9】
【0055】
クライアントCが、時刻00:00:15において映画Mを選択すると、クライアントCのSTB300は、データブロックの受信、格納、再生、および拒否を以下のように行う:
【0056】
【表10】
【0057】
クライアントDが、時刻00:00:30において映画Mを選択すると、クライアントDのSTB300は、データブロックの受信、格納、再生、および拒否を以下のように行う:
【0058】
【表11】
【0059】
上述の例で示したように、任意の組み合わせのクライアントは、任意の時間に独立して、サービスプロバイダにより提供される任意のデータファイルを選択および再生開始し得る。上述の実施形態で所定の数のデータファイルを送信するために利用可能な帯域幅が不十分な場合には、以下に説明するような準最適な送信スケジュールを利用してわずかに時間を遅延させることにより、大量のデータを送信することが可能である。上記の方法が時間最適方式におけるクライアントジェネリックなDODサービスを提供する一方、続く処理は、アクセスタイムを遅延させる代わりに、要求伝送帯域幅をさらに縮小させるクライアントジェネリックなDOD放送サービスを提供する方法を教示している。
【0060】
図5は、準最適なスケジューリング行列を生成する代表的な方法500を示す図である。代表的な一実施形態において、本発明は、時分割多重化(TDM)および周波数分割多重化(FDM)技術を用いて、サーバ側にてデータ配信を圧縮およびスケジューリングしている。代表的な実施形態では、準最適なスケジューリング行列は、各データファイルに対して生成される。一実施形態において、各データファイルは複数のデータブロックに分割され、準最適なスケジューリング行列は、データブロック数に基づいて生成される。準最適なスケジューリング行列は、データファイルのデータブロックをサーバからクライアントへと送信するための送信順序を提供し、その結果データブロックは、1タイムスロットの任意の開始時間内において、データファイルへのアクセスを希望する任意のクライアントによりシーケンシャルにアクセスすることができる。
【0061】
工程502において、データファイルについての多数のデータブロック数(x)が受信される。第1の変数jが、0に設定される(工程504)。参照配列がクリアされる(工程506)。参照配列は、内部管理のためにデータブロックのトラックを維持する。次に、jは、xと比較される(工程508)。jがx未満である場合には、第2の変数iが0に設定される(工程512)。次に、iは、xと比較される(工程514)。iがx未満である場合には、準最適なスケジューリング行列の列[(i+j) modulo (x)]に格納されたデータブロックが、参照配列に書き込まれる(ステップ518)。参照配列がかかるデータブロックをすでに有している場合には、重複して書き込まない。開始時には、準最適なスケジューリング行列はまだエントリを有していないため、この工程は飛ばしてもよい。次に参照配列は、データブロックiを含むかについて否か調べられる(工程520)。開始時には、参照配列内のエントリはすべて工程506でクリアされているため、参照行列内には何も存在しない。参照配列がデータブロックiを含まない場合には、準最適なスケジューリング行列の一つ前の列(i−1)は、その行列の列(i−1)がデータブロックiを含むか否かについて調べられる。(工程521)。準最適な行列の列(i−1)がデータブロックiをも含まない場合には、データブロックiは、準最適なスケジューリング行列の行列位置[(i+j) modulo (x),j]および参照配列に加えられる(工程522)。データブロックiが準最適なスケジューリング行列および参照配列に加えられると、i=i+1になるようにiは1つ増分される(工程524)、続いて処理は、i=xになるまで工程514にて繰り返される。参照配列がデータブロックi、あるいは準最適なスケジューリング行列の列(i−1)を含む場合には、i=i+1になるようにiは1つ増分され(工程524)、続いてその処理は、i=xになるまで工程514にて繰り返される。i=xの場合には、j=j+1になるようにjは1つ増分され(工程516)、その処理はj=xになるまで工程506にて繰り返される。全体の処理は、j=x(工程510)のとき終了する。
【0062】
代表的な一実施形態において、データファイルが6つのデータブロックに分割される(x=6)場合には、準最適なスケジューリング行列および参照配列は、以下のように表される。
【0063】
【表12】
【0064】
【表13】
【0065】
この代表的な実施形態では、上述の準最適なスケジューリング行列に基づいて、データファイルの6つのデータブロックが以下の順に送信される:
【0066】
【表14】
【0067】
図4の代表的な「最適」なスケジューリングシーケンスと比較すると、この代表的な「準最適」なスケジューリングシーケンスが送信するデータブロック数は、3つ少ない。この結果、代表的な準最適なスケジューリングを用いる送信に必要な帯域幅が18.75%減少する。この準最適なスケジューリングは、受信側のSTBに、1タイムスロットの継続時間中、選択されたデータファイルをユーザに遅延して表示することを要求する。
【0068】
当業者には明らかなように、上記の実施形態の準最適なスケジューリングは、無数に存在する可能な具体的スケジューリングスキームのなかのほんの一つにすぎない。STBアクセス時間の大幅な遅延を用いると、データファイルの伝送に必要とされる帯域幅は大幅な縮小が実現され得る。例えば、受信側STBが選択されたデータファイルを表示し得る前に、2以上のタイムスロット分の遅延を必要とする伝送もある。
【0069】
図6は、本発明の一実施形態において、「準最適」なDODデータ送信を受信する代表的なSTBの方法を示す図である。処理600は、工程602で開始され、そこでSTB300(図3)は、DOD放送システム100(図1A)から電子案内番組(EPG)を受信する。EPG番組は、DODシステム100により利用可能な全ファイルをリストに載せている。工程603において、ユーザは、所望のデータファイルと関連付けられている購入ボタンを押すことにより、EPGのリストに掲載されているデータファイルを選択する。工程604において、STB300(図3)は、選択されたデータファイルのデータブロックを格納開始する。STBは所定の期間待機し、STBが中断することなくデータファイルを再生するために、選択されたデータファイルのデータブロックの十分な量が格納され得るようにする。一実施形態において、CPU304(図3)は、選択されたデータファイルの円滑な再生を保証するために必要な遅延量を決定することができる。このことは、種々のアルゴリズムを用いる、あるいは単に要求遅延情報をDODシステム100から送信されるデータ内のパケットヘッダ場所に含むことにより実現することができる。かかる実施形態において、DODシステムは、必要な遅延のタイムスロット数を利用可能な伝送帯域幅と対応付けるために、準最適な配信行列を変更する。
【0070】
選択されたデータファイルの連続表示に必要なデータブロックを十分格納するほど待機したあと、STBは、その選択されたデータファイルを自動再生し始める。
別の実施形態において、遅延期間が完了すると、STBはユーザに、選択されたデータファイルの表示開始を指示する。
【0071】
処理概要
サービスプロバイダは、放送の前に、複数のデータファイル(例えばビデオファイル)をチャンネルサーバ104に送信するようスケジューリングされ得る。中央制御サーバ102は、三次元の配信行列(ID、タイムスロット、およびデータブロック送信順序)を算出するとともにチャンネルサーバ104に送信する。放送中に、チャンネルサーバ104は、適切なデータブロックを適切な順序で送信するために三次元の配信行列を参照する。多数の加入クライアントが独立して、いつでも連続してかつシーケンシャルにデータファイルの視聴を始めることができるように、各データファイルはデータブロックに分割されている。データファイルのデータブロックの大きさは、選択されたタイムスロットの継続時間と、データファイルのデータストリームのビットレートとに依存する。例えば、一定のMPEGデータストリームでは、各データブロックは、以下の式で表される固定サイズを有する。ブロックサイズ(メガバイト)=ビットレート(メガバイト毎秒)×TS(秒)/8…(1)。
【0072】
代表的な実施形態において、データブロックのサイズは、チャンネルサーバ104のローカルメモリ208内におけるメモリクラスタサイズの次に高い倍数になるよう調整される。例えば、算出されたデータブロック長が上記の式(1)により720キロバイトの場合には、ローカルメモリ208のクラスタサイズが64キロバイトなら、求められるデータブロック長は768キロバイトでなければならない。本実施形態において、データブロックは、クラスタサイズと同じ大きさをそれぞれ有する複数のサブブロックにさらに分割される必要がある。この例では、データブロックは、64キロバイトである12のサブブロックを有する。
【0073】
サブブロックは、さらにデータパケットに分割することができる。各データパケットは、パケットヘッダとパケットデータとを含む。パケットデータの長さは、各チャネルサーバのCPUによるデータの送信先である物理層の最大伝送単位(MTU)に依存する。好ましい実施形態では、パケットヘッダおよびパケットデータの合計サイズは、MTU未満でなければならない。しかしながら、最大限の効率を得るためには、パケットデータの長さは可能な限り長くすべきである。
【0074】
代表的な実施形態では、パケットヘッダのデータは、加入クライアントのSTB300に対して、任意の受信データの復号と、データパケットが選択されたデータファイルに属するか否かの決定とを認める情報(例えば、プロトコル署名、バージョン、ID、またはパケットタイプ情報など)を含む。パケットヘッダはさらに、必要とされる「準最適」な遅延期間、ブロック/サブブロック/パケット番号、パケット長、サブブロック内での巡回冗長検査(CRC)およびオフセット、および/またはエンコード情報など、その他の情報をも含み得る。
【0075】
データパケットは、チャンネルサーバ104によって受信されるとQAMモジュレータ206に送信され、そこで、QAM変調されたIF出力信号を生成するために別のヘッダが追加される。QAMモジュレータ206に対する最大ビットレート出力は、利用可能な帯域幅に依存している。例えば、6MHzの帯域幅を有するQAMモジュレータ206では、最大ビットレートは5.05(ビット/シンボル)×6(メガヘルツ)=30.3メガビット/秒である。
【0076】
QAM変調されたIF信号はアップコンバータ106に送信され、特定のチャンネルに適したRF信号(例えば、CATVチャンネル80の場合は559.250MHzおよび6MHzの帯域幅)に変換される。例えば、ケーブルネットワークが高い帯域幅(すなわちビットレート)を有する場合には、各チャンネルは、それぞれが仮想サブチャンネルを占有する2以上のデータストリームを提供するために用いられ得る。例えば、QAM変調を用いて、3つのMPEG1データストリームは、6MHzチャンネルに適合され得る。アップコンバータ106の出力は、結合された信号を伝送媒体110に送信する合成器/増幅器108に加えられる。
【0077】
代表的な一実施形態では、「N」個のデータストリームを伝送するための総システム帯域幅(BW)は、BW=N×bwであり、bwは、データストリームごとに必要とされる帯域幅である。例えば、各MPEG−1データストリームは、9メガビット/秒のシステム帯域幅を占めるため、3つのMPEG−1データストリームは、30.3メガビット/秒のシステム帯域幅を有するDOCSISケーブルチャンネルにより、同時に伝送され得る。
【0078】
一般的に、帯域幅は、DODサービスに実際にアクセスしている加入クライアントの数とは関係なく消費される。したがって、DODサービスを利用している加入クライアントが存在しない場合でも、システムのオン・デマンド能力を確保するために、なお帯域幅は消費される。
【0079】
STB300は、作動されると、STB300のローカルメモリ308に格納されている番組ガイドの受信および更新を断続的に行う。一実施例において、STB300は、最新の番組案内を含むデータファイル情報をテレビの画面上に表示する。ビデオファイル情報などのデータファイル情報は、映画のID、映画のタイトル、解説(多言語表示)、カテゴリ(例えば、アクション、子供向けなど)、レーティング(例えばR指定やPG13指定など)、ケーブル会社の方針(例えば、値段や無料試聴の長さなど)、加入期間、映画のポスタ、および映画の予告などを含んでよい。代表的な一実施形態では、データファイル情報は、ファームウェアの更新、コマーシャル、および/または緊急情報のための予備チャンネルのような、予備物理チャンネルを介して送信される。別の代表的な実施形態では、情報は、他のデータストリームにより共有されている物理チャンネルで送信される。
【0080】
加入クライアントは、テレビの画面に表示されているカテゴリごとに並べられた利用可能データファイルのリストを見ることが可能である。クライアントが利用可能データファイルのうちの1つを選択すると、STB300は、そのデータファイルのデータパケットの受信を開始するために、ハードウェアを制御して、対応する物理チャンネルおよび/または仮想サブチャンネルに同調する。STB300は、すべてのデータパケットヘッダを検査し、データパケット内のデータを復号し、受信されたデータパケットを保存すべきか否かを決定する。STB300が、データパケットを保存すべきでないと決定した場合は、そのデータパケットは廃棄される。そうでない場合には、データパケットは、その後回復する場合に備えてローカルメモリ308内に保存される、あるいは、デコーダ312に送信されるまでのあいだバッファメモリ309内に一時的に格納される。
【0081】
ローカルメモリ308に対する頻繁な読み出し/書き込みを回避することによってパフォーマンスの効率を向上させるため、代表的な実施形態において、STB300は、メモリバッファ309内の予測されるデータブロックを、可能であればいつでもロックする「スライディングウィンドウ」予測技術を用いる。予測ウィンドウにおいてヒットが生じた場合、データブロックは、メモリバッファ309から直接、デコーダ312へと伝送される。予測ミスが生じた場合には、データブロックは、メモリバッファ309からデコーダ312へと伝送される前に、ローカルメモリ308からメモリバッファ309へと読み込まれる。
【0082】
代表的な一実施形態において、STB300は、一時停止、スローモーション再生、巻き戻し、ズーム、およびシングルステップのためのボタンを備える赤外線(IR)リモートコントロール装置ボタン、IRキーボード、あるいはフロントパネル押しボタンを介して、加入クライアントの命令に答える。代表的な実施形態において、加入クライアントが所定の期間中に何のアクションも入力しなかった場合(例えば、番組メニューのスクロール、あるいはカテゴリか映画の選択など)には、スケジューリングされたコマーシャルが自動的に再生される。スケジューリングされたコマーシャルは、加入クライアントがアクションを与えた(例えば、リモートコントロール装置のボタンを押すなど)場合には、自動的に停止する。別の代表的な一実施形態では、STB300は、ビデオの再生中にコマーシャルを自動的に挿入することができる。サービスプロバイダ(例えば、ケーブル会社)は、再生中のビデオにどのくらいの頻度でコマーシャルを割り込ませるかを指示する条件決定方針を設定することができる。
【0083】
緊急情報ビットがデータパケットヘッダ内で検出された場合には、STB300は、あらゆるデータ受信操作を一時停止し、データファイル情報の受信用に確保されているチャンネルに同調するようハードウェアを制御して、出力画面上に表示すべきあらゆる緊急情報を取得および復号する。代表的な一実施形態において、STB300が待機状態の際には、STB300は、データファイル情報の受信用に確保されているチャンネルに同調され、いかなる緊急情報も遅滞なく受信および表示する用意が常に整っている。
【0084】
上述の例は、本発明の代表的な実施形態のいくつかを例示したものであり、当業者は、これらから、他の実施形態、変更例、変形例を容易に導くことができる。したがって、本発明は、上述した特定の実施形態に限定されず、添付した特許請求の範囲によって規定される。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1A】本発明の一実施形態における代表的なDODシステムを示す図である。
【図1B】本発明の別の一実施形態における代表的なDODシステムを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態における代表的なチャンネルサーバを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態における代表的なセット・トップ・ボックスを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態において、スケジューリング行列を生成する代表的な処理を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態において、スケジューリング行列を生成する代表的な処理を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態において、準最適なスケジューリング行列を用いて伝送されるデータファイルを表示する代表的STBを示す図である。
Claims (29)
- クライアントジェネリックなデータブロックシーケンスを伝送するデータ・オン・デマンド(DOD)放送方法であって、
準最適な時間配信特性を有するクライアントジェネリックなデータブロックのデータ伝送シーケンスを準備する動作と、
受信側クライアントが所定の期間内に前記データブロックシーケンスからなるデータファイルへのアクセスを開始することができるよう、非クライアント固有方式にて、前記データファイルを前記準最適な伝送シーケンスに従って複数のクライアントに伝送する動作と
を備える方法。 - 請求項1に記載の方法において、前記所定の期間は継続時間を有し、前記継続時間は前記データブロックシーケンスのうちの少なくとも一つに含まれている情報に対応している方法。
- 請求項1に記載の方法において、前記データファイルの伝送は、前記複数のクライアントの数とは無関係な量の伝送帯域幅を必要とする方法。
- 請求項3に記載の方法において、前記準最適なデータ伝送シーケンスを準備する動作は、
データファイルを受信する動作と、
時間間隔を特定する動作と、
各データブロックが前記時間間隔中にわたって表示され得るように、前記時間間隔に基づいて前記データファイルを複数のデータブロックに分割する動作と、
前記データファイルを送信するために必要なタイムスロットの数を決定する動作と、前記タイムスロットはそれぞれ前記時間間隔と実質的に等しい継続時間を有し、
各時間スロットに前記複数のデータブロックのうちの少なくとも一つを割り当てる動作と
を備える方法。 - 請求項4に記載の方法において、クライアントは、前記タイムスロットの所定の数の範囲内で、前記伝送されたデータファイルにアクセスすることができる方法。
- 請求項5に記載の方法において、タイムスロットの前記所定の数は一つである方法。
- 請求項5に記載の方法において、タイムスロットの前記所定の数は少なくとも二つである方法。
- 請求項5に記載の方法において、前記タイムスロットの数は、選択された帯域幅を示している方法。
- 請求項1に記載の方法は、電子番組案内(EPG)を伝送することを含み、前記EPGにより、受信側クライアントは視聴のために必要なデータファイルを選択することができる方法。
- 請求項9に記載の方法において、前記EPGは、選択されたデータファイルを受信するための遅延時間を示す方法。
- 準最適なデータブロックシーケンスとして伝送されるデータファイルを受信する方法であって、
少なくとも一つの選択されたデータファイルを示すユーザ入力を受信する動作と、
所定の期間中、前記準最適なデータブロックシーケンスの複数のデータブロックのうちの少なくとも一つを記憶場所に格納する動作と、
前記所定の期間が経過した後、前記データファイルの少なくとも第1の部分をユーザに表示する動作と、
前記準最適なデータブロックシーケンスの前記複数のデータブロックの少なくとも一つの追加データブロックを受信する動作と、
前記格納されたデータブロックのうちの少なくとも一つを前記少なくとも一つの追加データブロックと結合することにより、前記データファイルの少なくとも第2の部分を前記ユーザに表示する動作と
を備える方法。 - 請求項11に記載の方法において、前記少なくとも一つの追加データブロックもまた記憶場所に格納される方法。
- 請求項11に記載の方法はさらに、前記データファイルに対応するデータブロックが再生予定前に確実に受信されるように、前記データファイルを再生する前に必要な待機時間を決定することを備える方法。
- 請求項19に記載の方法において、前記待機時間は、前記準最適なデータブロックシーケンスの前記データブロックのうちの少なくとも一つのパックヘッダに含まれている情報に応じて決定される方法。
- 準最適なデータブロックシーケンスとして、複数のタイムスロットにわたり繰り返して放送されるデータファイルを取り込む装置であって、
ユーザから前記放送データファイルのうちの少なくとも一つを選択するファイル要求を受信する手段と、
第1の時間間隔中に前記データブロックシーケンスの少なくとも一つのデータブロックを取り込むために、許可ファイル取り込み処理を開始する手段と、
前記第1の時間間隔後に前記データファイルの第1の部分を表示する手段と、
前記準最適なデータブロックシーケンスの残りのデータブロックを取り込む手段と、
前記第1の時間間隔の間、前記残りのデータブロックのうちの少なくとも一つと関連して取りこまれる前記少なくとも一つのデータブロックを用いて、前記データファイルの第2の部分を表示する手段とを備える装置。 - 請求項14に記載の装置はさらに、要求されているファイルを取り込むための許可を要求する手段を備える装置。
- 請求項14に記載の装置において、電子番組案内(EPG)はユーザのセット・トップ・ボックス(STB)により受信されるとともに前記ユーザに提示される装置。
- 請求項16に記載の装置において、前記ユーザSTBは、ユーザによる前記ファイル選択に対応する前記EPGと共に伝送されるデータから、ダウンロード時間および再生時間を自動的に決定するとともに、待機期間後、前記ファイルの少なくとも一部を自動的に表示し、
前記待機期間の継続時間は前記ダウンロード時間および前記再生時間に対応している装置。 - 請求項17に記載の装置であって、前記ユーザSTBは前記再生時間および前記ダウンロード時間に対応する待機期間の継続時間を自動的に演算する装置。
- 請求項18に記載の装置において、前記待機期間はさらに、前記ファイルを構成するデータブロック数に対応している装置。
- 準最適なシーケンスのデータブロックとして、複数のタイムスロットにわたり繰り返し放送されるデータファイルを取り込む装置であって、
ユーザから、前記放送データファイルのうちの少なくとも一つを選択するファイル要求を受信する入力装置と、
第1の時間間隔中に前記データブロックシーケンスの少なくとも一つのデータブロックを取り込むために、許可ファイル取り込み処理を開始する処理装置と、
前記第1の時間間隔後に前記データファイルの第1の部分を表示する表示装置と、
前記準最適なデータブロックシーケンスの残りのデータブロックを取り込む通信回線と
を備え、前記表示装置はさらに、前記第1の時間間隔の間に、少なくとも1つの前記残りのデータブロックと関連して取り込まれる前記少なくとも一つのデータブロックを用いて、前記データファイルの第2の部分を表示するよう動作する装置。 - 請求項19に記載の装置はさらに、要求されているファイルを取り込むための許可を要求する通信ポートを備える装置。
- 請求項20に記載の装置において、EPGは、ユーザSTBにより受信されるとともに前記ユーザに提示される装置。
- 請求項21に記載の装置において、前記ユーザSTBは前記ユーザによる前記ファイル選択に対応する前記EPGと共に伝送されるデータから、ダウンロード時間および再生時間を自動的に決定するとともに、待機期間後、前記ファイルの少なくとも一部を自動表示し、
前記待機期間の継続時間は前記ダウンロード時間および前記再生時間に対応している装置。 - 請求項22に記載の装置であって、前記ユーザSTBは、前記再生時間および前記ダウンロード時間に対応する待機期間の継続時間を自動的に演算する装置。
- 請求項23に記載の装置において、前記待機期間はさらに、前記ファイルを構成するデータブロック数に対応している装置。
- 複数のデータファイルを伝送するデータ・オン・デマンド(DOD)放送システムにおいて、各データファイルは準最適なデータブロックシーケンスとして伝送され、前記システムは、
複数のデータファイルを放送するDOD放送サーバと、
前記DOD放送サーバと通信可能に接続されている伝送媒体と、
前記伝送媒体を介して前記DOD放送サーバと通信可能に接続されている複数の受信部と
を備え、
前記DOD放送サーバは、前記伝送媒体を介して、複数のデータファイルを前記複数の受信部に繰り返し伝送し、
前記受信部は、選択されたデータファイルに対応する許可情報を要求するように、さらには前記許可情報を受信するように、またさらには所定の期間後に前記選択されたデータファイルの一部をユーザに表示するように動作し、
前記所定の期間は、前記データファイルの表示開始よりも前に、前記受信部による前記データファイルの一部の格納を可能にするシステム。 - 広域ネットワークを通じて準最適なデータブロックシーケンスとして放送を行うDODデータファイルにアクセスするセット・トップ・ボックス装置であって、
ユーザから前記放送データファイルのうちの少なくとも一つを選択するファイル要求を受信する入力装置と、
第1の時間間隔中に前記データブロックシーケンスの少なくとも一つのデータブロックを取り込むために、許可ファイル取り込み処理を開始する処理装置と、
前記第1の時間間隔後に前記データファイルの第1の部分を表示する表示装置と、
前記準最適なデータブロックシーケンスの残りのデータブロックを取り込む通信回線と
を備え、前記表示装置はさらに、前記第1の時間間隔中に前記残りのデータブロックのうちの少なくとも一つと共に取り込まれる前記少なくとも一つのデータブロックを用いて、前記データファイルの第2の部分を表示するよう動作する装置。 - 請求項26に記載の装置において、前記処理装置はさらに、前記選択されたデータファイルの最小部分が受信されると、前記選択されたデータファイルを自動的に表示開始するよう動作する装置。
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