JP2005223713A - 音響再生装置、音響再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 標準的な頭部伝達特性を用いて聴取者に対して目的とする音像定位感を与えることができる音響再生装置を提供すること。
【解決手段】 マイクロフォンアンプ部40において、ダミーヘッドマイクロフォン13から入力される左収音信号SL1と右収音信号SR1の高域周波数成分だけを遅延回路42により遅延させるようにしている。このように構成すると、スピーカ46,47からは、個人差の影響が小さい低域周波数成分の再生音を先行して出力することができるので、再生音場空間45の聴取者Uは、先に到来する低域周波数成分の再生音により音像定位感を知覚させることができる。この結果、標準的な頭部伝達特性を用いた場合でも、再生音場空間45の聴取者Uに目的とする音像定位感を知覚させることが可能になる。
【選択図】図6

Description

本発明は、3次元の立体的な音響再生が可能な音響再生装置と、音響再生方法に関するものである。
従来から、3次元の立体音場を再現するための音場再生システムとしては、例えば、聴取者の前方と後方にそれぞれ2個ずつ、合計4個のスピーカで3次元の立体音響を再生する音響システムがある。
また、上記したような音響再生システムの他に、2つにスピーカで3次元の立体音場を再現する3次元再生システムなども提案されている。
2つのスピーカを用いて3次元の立体音場を再現する音響再生システムを利用して、コンサートホールの聞こえをリスニングルームで再現する場合には、コンサートホールにおいて、楽器などの音源から発せられ、ホールの響きなどを伴って聴衆の耳に到達する音響信号が必要になる。このような音響信号は、人間の頭部の形状をもとにしたダミーヘッドの両耳位置にマイクロフォンを取り付けたダミーヘッドマイクロフォンを用いて収音する、いわゆるバイノーラル収音により得られることが知られている。
バイノーラル収音は、例えばコンサートホールの客席にダミーヘッドマイクロフォンを設置して聴衆の耳に到達する音響信号を直接的に収音する方法と、測定またはシミュレーションで求めた音源位置から聴取者の耳までの伝達特性を楽器などの音源信号に電気的に畳み込むことにより収音する方法がある(特許文献1)。前者の直接的に収音する収音方法の場合は、音源からの音に対して音源位置から聴取者の耳までの伝達特性が音響的に畳み込まれることになる。
但し、これらの音響再生システムでは、リスニングルームに設置されたスピーカ位置から聴取者の位置までの伝達特性が不要になるので、このような伝達特性をキャンセルするフィルタを設ける必要がある。
また、ダミーヘッドマイクロフォンで収録した鼓膜上の音をスピーカで聴取者の鼓膜へ伝えるために、再生スピーカから聴取者までの伝達特性をキャンセルする技術としては、TRADIS(True Reproduction of All Directional Information by Stereophony)や、OSS(Ortho-Stereophonic System)のような技術が開発されており、これにコンサートホールのような演奏された室内の伝達特性を挿入する技術を組み合わせたような技術も提案されている(特許文献2)。
また、特許文献3には、音像制御に有効とされる周波数帯域をフィルタで分離し、その帯域の信号に対して音像制御処理を行い、演算量を低減させる方法が、また特許文献4には帯域分割の数を増やして信号処理を行い、自然な拡がりをもつ音像を再生させる方法が開示されている。
特開平5−115098号公報 特開平10−70798号公報 特開平5−30600号公報 特開平7−107598号公報
ところで、上記したようなバイノーラル収音における音源位置から聴取者の耳までの伝達特性である頭部伝達特性は、頭部回折伝達関数とも呼ばれ、音源方向(角度)をパラメータとして測定される。
しかしながら、このような頭部伝達特性は、頭部形状と耳介形状に依存するので聴取者ごとに異なるものとされる。特に、高域周波数帯域の特性は、個人差が大きいため、多くの人に当てはまるような頭部伝達特性を広帯域にわたって実現することができなかった。
また、バイノーラル収音により収音した音響信号を再生したときの再生音像の品質を向上させるには、理論的には聴取者ごとに収音装置を最適化する必要がある。つまり、聴取者ごとに頭部伝達特性を測定して最適化する必要があるため、一般向けに実用化した収音装置を構築することができなかった。
そこで、多くの聴取者に当てはまるように、或る程度の誤差を許容して畳み込みを行い、頭部伝達特性を一般化することが考えられるが、広帯域にわたり頭部伝達特性を一般化すると、立体音響の音像定位が不安定になり、本来は前方の音像として知覚されるべき音像が後方の音像として誤知覚される、いわゆる前後反転誤知覚が発生するおそれがあった。
また、上記したような頭部伝達特性のバラツキは、聴取者の頭部形状や耳介形状のバラツキと、音源から到来する音波の波長との関係によって生じる。
このため、聴取者ごとの頭部伝達特性のバラツキは、低域周波数成分では小さく、高域周波数成分では大きくなる。
そこで、収音時に収音する音響帯域に上限を設けて低域周波数のみを対象に収音を行うようにすれば、頭部伝達特性を一般化することは可能とされるが、その場合は高域周波数成分の無い不自然な音響になってしまうという欠点があった。
このように、従来のバイノーラル収音では、頭部伝達特性を一般化(標準化)するのが難しいため、自然な音響でしかも大多数の聴取者に目的とする音像定位感を与えることはできないものであった。
これまで説明した音源から聴取者の耳までの伝達特性の個人差に由来する問題は、上述したような原音場の音源位置から聴取者の耳までの伝達特性の再現だけでなく、リスニングルームでの再生スピーカから聴取者の耳までの伝達特性をキャンセルするキャンセリングフィルタにも影響を与える。
すなわち、キャンセリングフィルタの特性も、聴取者の伝達特性に依存するので、厳密には聴取者ごとにキャンセリングフィルタを設計する必要がある。
このようなキャンセリングフィルタの特性も、一般化することが可能であるが、特に高域周波数帯域では誤差が大きくなるので、キャンセリング効果が小さくなり、音像方向の知覚が不安定になるという欠点があった。
そこで、本発明は上記したような点を鑑みてなされたものであり、その目的は、標準的な頭部伝達特性を用いて、聴取者に対して目的とする音像定位感を与えることができる音響再生装置と音響再生方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の音響再生装置は、2つのスピーカを用いて3次元音響を再生する音響再生装置であって、バイノーラル収音信号から低域周波数成分を分離する分離手段と、少なくともバイノーラル収音信号の高域周波数成分を遅延させる遅延手段と、分離手段で分離した低域周波数成分と、遅延手段で遅延させた高域周波数成分とを合成する合成手段と、2つのスピーカから聴取位置までの伝達関数に基づいて、合成手段から出力される信号に対して、所要の信号処理を施して3次元音響再生信号を生成する3次元音響信号生成手段とを備えている。
また本発明の音響再生装置は、2つのスピーカを用いて3次元音響を再生する音響再生装置であって、入力信号から低域周波数成分を分離する分離手段と、少なくとも入力信号の高域周波数成分を遅延させる遅延手段と、2つのスピーカから聴取位置までの伝達関数に基づいて、少なくとも、入力信号に含まれる低域周波数成分の信号に対して、所要の信号処理を施して3次元音響再生信号を生成する3次元音響信号生成手段とを備えている。
また、本発明の音響再生方法は、2つのスピーカを用いて3次元音響を再生する音響再生方法であって、バイノーラル収音信号から低域周波数成分を分離して、少なくともバイノーラル収音信号の高域周波数成分を遅延させたうえで、分離した低域周波数成分と、遅延させた高域周波数成分とを合成し、2つのスピーカから聴取位置までの伝達関数に基づいて、合成した信号に対して所要の信号処理を施して、聴取位置において3次元音響を再生するようにした。
また、本発明の音響再生方法は、2つのスピーカを用いて3次元音響を再生する音響再生方法であって、入力信号から低域周波数成分を分離して、少なくとも入力信号の高域周波数成分を遅延させたうえで、分離した低域周波数成分と、遅延させた高域周波数成分とを合成し、2つのスピーカから聴取位置までの伝達関数に基づいて、少なくとも入力信号に含まれる低域周波数成分の信号に対して所要の信号処理を施して、聴取位置において3次元音響を再生するようにした。
上記したような本発明によれば、入力される入力信号或いはバイノーラル収音信号の高域周波数成分を遅延させるようにしているので、入力信号或いはバイノーラル収音信号の低域周波数成分が先行した音響信号を再生することが可能になる。
以上のように、本発明によれば、入力信号或いはバイノーラル収音信号の低域周波数成分が先行した音響信号を再生することが可能になるので、標準的な頭部伝達特性を利用して3次元音響特性を生成した場合でも、再生音場の聴取者に対して、目的とする音像を知覚させることが可能になり、より自然で豊かな3次元音響を再生することができるようになる。
以下、本発明の実施の形態としての音響装置について説明する。
本実施の形態としての音響装置を説明する前に、物理的な音響情報と、聴取者により主観的に知覚される音響現象の関係、及び人間の音像知覚に関する聴覚の性質について説明しておく。
先ず、図1及び図2を用いて物理的な音響情報(音場情報)と、聴取者により主観的に知覚される音響現象(音像位置の知覚など)の関係について説明していく。
図1は、音場空間における音源位置と、聴取者により知覚される音像位置との関係を説明する説明図であり、図1(a)には実音場における音源位置と聴取者により知覚される知覚音像位置との関係が、図1(b)には再生音場における再生位置と聴取者により知覚される知覚音像位置との関係がそれぞれ示されている。
一般的には、実音場、再生音場に関わらず音場空間に音源がある場合は、聴取者により知覚される知覚音像位置と物理的な音像位置とは異なる場合が多い。
例えば、図1(a)に示すような実音場の実音場空間1に実音源2が配置されている場合、聴取者U1により知覚される知覚音像3の位置と、実音源2の位置とが異なることがある。
また、図1(b)に示すような再生音場空間4に再生音源として2つの再生スピーカ5,5が配置されている場合、聴取者U2により知覚される知覚音像6は破線で示すような位置に感じられることがある。
これは音場空間において聴取者が音像位置を知覚するための物理的な手がかりが、聴取者の両耳に得られる音響(両耳聴取音)であり、音響的な物理空間と主観的な心理空間とを結び付ける境界は両耳での音響信号であることによるものと考えることができる。
したがって、もし何らかの手段を用いて、図1(a)に示すような実音場の聴取者U1と同じ音響を、図1(b)に示すような再生音場で再現できるならば、再生音場の聴取者U2は実音場と同じ音像を知覚できると考えられる。
このような考えのもとに、聴取者の両耳位置での音響を収音することを目的としてマイクロフォンとしてダミーヘッドマイクロフォンが知られている。
ダミーヘッドマイクロフォンは、例えば人間の頭部の形状大きさと耳介の形状大きさを模して作成したダミーヘッドの両耳位置にマイクロフォンを取り付けることによって構成される。
図2は、ダミーヘッドマイクロフォンによる収音例の説明図である。
この図2に示すように、ダミーヘッドマイクロフォン13により収音を行う場合は、本来、実音場空間11内において聴取者が聴取すべき聴取位置にダミーヘッドマイクロフォン13を配置して、実音源12から直接到来する直接音と壁や床天井などで反射してくる反射音をダミーヘッドの両耳位置にそれぞれ取り付けたマイクロフォンで収音する。そして、それぞれのマイクロフォンで収音した音を左収音信号SLと右収音信号SRとして出力するように構成されている。
次に、図3及び図4を用いて人間の音像知覚に関する聴覚の性質について説明する。
人間の聴覚は、同じ音源に由来する音の間では、聴取者の耳に速く到来した音の方向に音像が定位するという性質がある。
このような人間の聴覚の性質を図3により説明する。
先ず、図3(a)に示すような音響装置を考える。この場合、スピーカ23からは音源21からの音源信号をそのまま再生音として出力される。またスピーカ24からは音源21からの音源信号を遅延回路22により遅延させた信号が再生音として出力される。
このとき、図3(a)に示すような位置で聴取する聴取者Uには、図3(b)に示すようなタイミングで再生音が到来することになる。
すなわち、聴取者Uには、先ず、スピーカ23の再生音が到来する。そして、遅延回路22による遅延時間だけ遅れたタイミングでスピーカ24の再生音が到来することになる。この場合、図3(a)に示す聴取者Uの音像知覚位置は、先に再生音が到来することになるスピーカ23の位置になる。
なお、聴取者Uの左耳ELに到達するスピーカ23,24からの再生音より、聴取者Uの右耳ERに到達するスピーカ23,24の再生音のほうが僅かに遅れて到達している。これは、スピーカ23,24から聴取者Uの左耳ELまでの距離より、スピーカ23,24から聴取者Uの右耳ERまでの距離のほうが長いためである。
そして、本願発明者らは聴覚の性質についてさらなる検討を行った結果、人間の聴覚は同じ音源に由来する音を低域周波数成分と高域周波数成分とに分け、低域周波数成分に音源方向に関する情報を含ませるように構成する。そして、低域周波数成分を時間的に先となるように出力すると、高域周波数成分に含まれる音源方向の情報が正確でなくても、聴取者に対して音像定位を明確に知覚させることができることがわかった。
このような人間の聴覚の性質を図4により説明すると、図4(a)に示す音響装置では、音源21とスピーカ23との間に低域周波数成分通過フィルタ25が設けられ、音源21とスピーカ24との間には高域周波数成分通過フィルタ26と遅延回路22が設けられている。
したがって、スピーカ23からは低域周波数成分通過フィルタ25を通過した音源21の音源信号だけを再生音として出力するようにしている。また、スピーカ24からは高域周波数成分通過フィルタ26を通過した音源21の高域周波数成分の音源信号を遅延回路22により遅延させた信号だけを再生音として出力するようにしている。
このとき、図4(a)に示すような位置で聴取する聴取者Uには、図4(b)に示すようなタイミングで再生音が到来することになる。
すなわち、この場合も、聴取者Uには、先ず、スピーカ23の再生音(低域周波数成分)が到来する。そして、遅延回路22による遅延時間だけ遅れたタイミングでスピーカ24の再生音(高域周波数成分)が到来することになる。したがって、図4(a)に示す聴取者Uは、先に到来するスピーカ23の再生音、すなわち、スピーカ23から再生される低域音により音像の知覚が得られることになる。そして、この場合は、スピーカ23から再生される低域音と同じ音源の音については、聴取者Uに対して音像を明確に知覚させることができるようになる。
ところで、通常のインテンシティ方式のステレオ再生システムでは、例えば、左スピーカから再生される再生音は聴取者の左耳だけでなく右耳にも到達することになる。
このため、図2に示したダミーヘッドマイクロフォン13で収音した収音信号をインテンシティ方式のステレオ再生システムで再生する場合には、ダミーヘッドマイクロフォン13で収音した左収音信号SLに対応した左耳音と、右収音信号SRに対応した右耳音を、聴取者の左右それぞれの耳だけに到達させることはできない。
そこで、ダミーヘッドマイクロフォンで収音した左収音信号と右収音信号を2チャネルのステレオ再生システムで再生する場合には、リスニングルームにおける再生スピーカから聴取者の耳までの伝達特性をキャンセルできる3次元音響再生信号生成フィルタを用いることが知られている。そして、このような3次元音響再生信号生成フィルタを用いると、フィルタの左チャネルに入力された信号は聴取者の左耳にのみ再生され、フィルタの右チャネルに入力された信号は聴取者の右耳にのみ再生される。
図5は、3次元音響再生信号生成フィルタの構成を示した図である。
なお、図5においては、聴取者Uの前方左右にそれぞれスピーカが配置されている場合を例に挙げて説明する。
また、図5では、再生音場空間39における左スピーカ37から聴取者Uの左耳ELに至る経路の頭部回折伝達関数をHLS、右スピーカ38から聴取者Uの右耳ERに至る経路の頭部回折伝達関数をHRSとする。また左スピーカ37から聴取者Uの右耳ERに至る経路の頭部回折伝達関数をHLO、右スピーカ38から聴取者Uの左耳ELに至る経路の頭部回折伝達関数をHROとする。
この図5に示す3次元音響再生信号生成フィルタ30は、この図には示していないダミーヘッドマイクロフォンからの左収音信号SLinが左チャネル信号、右収音信号SRinが右チャネル信号として入力される。
左チャネル信号とされる左収音信号SLinは、加算器31とクロストークキャンセル部32とに入力される。また、右チャネル信号とされる右収音信号SRinは、加算器34とクロストークキャンセル部33とに入力される。
クロストークキャンセル部32,33は、それぞれ左スピーカ37から聴取者Uの右耳ERへのクロストークトーク成分と、右スピーカ38から聴取者Uの左耳ELへのクロストークトーク成分をキャンセルするためのフィルタとされる。
この場合、クロストークキャンセル部32の伝達特性CRは−HRO/HRSと示される。またクロストークキャンセル部33の伝達特性CLは−HLO/HLSと示される。
そして、このようなクロストークキャンセル部32を通過した左収音信号SLinがキャンセル信号として加算器34に入力される。またクロストークキャンセル部33を通過した右収音信号SRinがキャンセル信号が加算器31に入力される。
加算器31は、入力される左収音信号SLinと、クロストークキャンセル部33からのキャンセル信号を加算して出力する。このような加算器31の出力は補正ブロック部35に供給される。
加算器34は、入力される右収音信号SRinとクロストークキャンセル部32からのキャンセル信号を加算して補正ブロック部36に供給するようにされる。
補正ブロック部35は、左チャネルについて左スピーカ37を含む再生系の補正を行うためのブロック部であり、クロストークキャンセル部33により生じる特性の変化を補正するための補正部35aと、スピーカ特性を補正するスピーカ補正部35bによって構成される。このような補正部35aの伝達特性は1/(1−CL・CR)と示される。また補正部35bの伝達特性は1/HLSと示されることになる。このような補正ブロック部35の出力は、3次元音響再生信号生成フィルタ30から左収音信号SLoutとして出力される。
また補正ブロック部36は、右チャネルについて右スピーカ38を含む再生系の補正を行うためのブロック部であり、クロストークキャンセル部32により生じる特性の変化を補正するための補正部36aと、スピーカ特性を補正するスピーカ補正部36bによって構成される。このような補正部36aの伝達特性は1/(1−CL・CR)と示される。また補正部36bの伝達特性は1/HRSと示されることになる。このような補正ブロック部36の出力は、3次元音響再生信号生成フィルタ30から右収音信号SRoutとして出力される。
そして、このような3次元音響再生信号生成フィルタ30から出力される左収音信号SLoutを再生音場空間39の左スピーカ37に、右収音信号SRoutを再生音場空間39の右スピーカ38に入力する。すると、再生音場空間の聴取者Uの左耳ELには、3次元音響再生信号生成フィルタ30に入力した左収音信号SLinに対応した左耳音だけを再生することができる。また、聴取者Uの右耳ERには、同じく3次元音響再生信号生成フィルタ30に入力した右収音信号SRinに対応した右耳音だけを再生することができる。
ここで、従来から問題になっていることであるが、人間の頭部伝達特性は聴取者ごとに異なるため、厳密にはダミーヘッドマイクロフォンを聴取者ごとに用意する必要がある。また頭部回折伝達関数HLS、HLO、HRS、HROは、聴取者に強く依存するので、聴取者に最適な音像品質を提供するには頭部伝達特性を個人ごとに測定する必要がある。
しかしながら、実際には標準的な特性を有するダミーヘッドマイクロフォンと頭部回折伝達関数とを用いて行われるので、十分な音像品質を提供することはできないものであった。
但し、聴取者ごとの音響特性と、標準的なダミーヘッドマイクロフォンの指向特性や頭部伝達特性により求められる標準的な音響特性とでは、約1kHzまでは、聴取者の音響特性と標準的な音響特性との間にほとんど違いは無いが、約3kHz以上になると違いが大きくなる傾向にある。
以下、これまでの説明を踏まえて本実施の形態の音響装置について説明する。
図6は、第1の実施の形態としての音響装置の構成を示した図である。
この図6に示す音響装置は、収音ブロックと、音響再生装置である再生ブロックとから構成される。
収音ブロックは、実音場空間11に配置したダミーヘッドマイクロフォン13により構成される。収音ブロックでは、ダミーヘッドマイクロフォン13で収音し、電気信号に変換した左収音信号SL1と右収音信号SR1を、再生ブロック側のマイクロフォンアンプ部40に出力するようにされる。
マイクロフォンアンプ部40は、周波数帯域分離フィルタ41、遅延回路42、加算器43,44によって構成される。
周波数帯域分離フィルタ41は、ダミーヘッドマイクロフォン13から入力される左収音信号SL1と右収音信号SR1を、例えば約3kHzを境にして、それぞれの低域周波数成分の信号(低域周波数信号)SLL,SRLと、高域周波数成分の信号(高域周波数信号)SLH,SRHに分離するようにされる。
これは、標準的なダミーヘッドマイクロフォン13と聴取者の頭部回折伝達特性の誤差が約1kHzから大きくなり始め、約3kHzを超えるとさらに大きくなること、及び、音声や楽器音などは基本周波数成分は、高くても3kHz以内に含まれていることから、本実施の形態では境界周波数を3kHzに設定している。
なお、周波数帯域分離フィルタ41の境界周波数は、必ずしも3kHzに設定する必要はなく、例えば1kHzから3kHzの間であれば任意の周波数に設定可能である。
周波数帯域分離フィルタ41で分離された左高域周波数信号SLHと右高域周波数信号SRHは、遅延回路42に入力される。遅延回路42では、入力される左高域周波数信号SLHと右高域周波数信号SRHを設定された遅延時間分だけ遅延させて出力するようにされる。
この場合の遅延回路42における左高域周波数信号SLHと右高域周波数信号SRHの出力タイミングは、左低域周波数信号SLLと右低域周波数信号SRLの出力タイミングより数ミリ秒から数十ミリ秒だけ遅延させて出力するようにしている。但し、このような遅延時間は、最終的に遅れて再生されることになる高域音が、低域音の反響音(エコー音)として聴取者Uに対して聞こえることない時間内に設定すればよい。
加算器43は、遅延回路42からの左高域周波数信号SLHと、周波数帯域分離フィルタ41からの左低域周波数信号SLLとを加算するようにされる。そして、このような加算器43の加算出力を左収音信号SL2として出力するようにしている。
加算器44は、遅延回路42からの右高域周波数信号SRHと周波数帯域分離フィルタ41からの右低域周波数信号SRLとを加算するようにされる。そして、このような加算器44の加算出力を右収音信号SR2として出力するようにしている。
ここで、再生ブロックが2チャネルのスピーカにより構成される場合は、マイクロフォンアンプ部40から出力される左収音信号SL2と右収音信号SR2を3次元音響再生信号生成フィルタ30に入力するようされる。
3次元音響再生信号生成フィルタ30は、先に図5を用いて説明したように、再生音場空間45において、スピーカ46,47から聴取者Uの耳までの伝達特性をキャンセルできるフィルタとされ、マイクロフォンアンプ部40から入力される左収音信号SL2と右収音信号SR2を、左収音信号SL3と右収音信号SR3として対応するスピーカ46,47に入力するようにしている。
したがって、このように構成すれば、実音場空間11に配置されるダミーヘッドマイクロフォン13の左耳位置において収音した左耳音を、再生音場空間45の聴取者Uの左耳ELだけに再生することができる。またダミーヘッドマイクロフォン13の右耳位置において収音した右耳音を聴取者Uの右耳ERだけに再生することができる。
一方、再生ブロックがヘッドフォンにより構成される場合は、マイクロフォンアンプ部40から出力される左収音信号SL2と右収音信号SR2を、ヘッドフォン用フィルタ48を介してヘッドフォン49に入力するようにしている。ヘッドフォン用フィルタ48は、ヘッドフォン49の特性に合わせて補正を行うためのフィルタとされる。
したがって、この場合も、ヘッドフォン49を装着した聴取者Uの左耳ELには、実音場空間11のダミーヘッドマイクロフォン13の左耳位置において収音した左耳音だけを再生することができる。また聴取者Uの右耳ERにはダミーヘッドマイクロフォン13の右耳位置において収音した右耳音だけに再生することができる。
そのうえで、本実施の形態の音響装置では、2チャネルスピーカ再生、或いはヘッドフォン再生のいずれの場合でも、マイクロフォンアンプ部40において、ダミーヘッドマイクロフォン13から入力される左収音信号SL1と右収音信号SR1の高域周波数成分だけを遅延回路42により遅延させるようにしている。すなわち、本実施の形態では、個人差が大きい頭部伝達関数の影響が音像知覚として現れやすい高域周波数成分だけを遅延させるようにしている。
したがって、図6に示したような音響装置によれば、スピーカからは、個人差の影響が小さい低域周波数成分の再生音が先行して出力されるので、聴取者Uは、先に到来する低域周波数成分の再生音により音像定位感を知覚させることができるようになる。
すなわち、本実施の形態の音響装置によれば、音像知覚に対する個人差の影響を小さく抑えることができるので、3次元音響再生信号生成フィルタ30を標準的な頭部伝達特性を用いて構成した場合でも、聴取者Uに目的とする音像定位感、例えば実音場空間11にいるような音像定位感を知覚させることができるようになる。
また、標準的な頭部伝達特性を有するダミーヘッドマイクロフォン13を用いて収音されたバイノーラル収音信号が入力された場合でも、聴取者Uに対して目的とする音像定位感を与えることができる。
また、この場合は全体のエネルギーの足りない分については高音域により補うことで、全体としての音楽性が損なわれるといったこともない。
なお、図6に示す音響装置では、遅延回路42が独立して設けられているものとして説明したが、遅延回路42は必ずしも独立して構成する必要はなく、例えば周波数帯域分離フィルタ41の位相遅延特性を利用して構成することも可能である。
図7は、本発明の第2の実施の形態としての音響装置の構成を示した図である。
なお、図6に示した音響装置と同一部位には同一番号を付して詳細な説明は省略する。 この図7に示す音響装置は収音ブロックに設けられているマイクロフォンアンプ部50の構成が上記図6に示した音響装置とは異なるものとされる。
この場合のマイクロフォンアンプ部50は、ダミーヘッドマイクロフォン13から入力される左収音信号SL1と右収音信号SR1が遅延回路42と低域周波数成分分離フィルタ51に入力されている。
低域周波数成分分離フィルタ(LPF)51では、例えば入力される左収音信号SL1と右収音信号SR1から3kHz以下の低域周波数成分だけを分離するようにされる。
なお、本実施の形態では、低域周波数成分分離フィルタ51で分離可能な周波数帯域を3kHz以下としているが、あくまでも一例であり、例えば1kHzから3kHzの間であれば、任意の周波数に設定可能であることは言うまでもない。
低域周波数成分分離フィルタ51から出力される左低域周波数信号SLLは、加算器43に入力される。また低域周波数成分分離フィルタ51から出力される右低域周波数信号SRLは加算器44に入力される。
加算器43では、遅延回路42により遅延された左収音信号SL1と、低域周波数成分分離フィルタ51からの左低域周波数信号SLLとを加算して、その加算出力を左収音信号SL2として出力するようにしている。
加算器44では、遅延回路42により遅延された右収音信号SR1と、低域周波数成分分離フィルタ51からの右低域周波数信号SRLとを加算して、その加算出力を右収音信号SR2として出力するようにしている。
つまり、この図7に示す音響装置のマイクロフォンアンプ部50は、上記図6に示したマイクロフォンアンプ部40に設けられていた周波数帯域分離フィルタ41の代わりに、低域周波数成分のみを分離する低域周波数成分分離フィルタ51を設けるようにしたものである。
この図7に示すように音響装置を構成した場合も、スピーカ46,47からは低域周波数成分の再生音が先行して出力されるので、2チャネルスピーカ再生、或いはヘッドフォン再生のいずれの場合でも、聴取者Uは先に到来する低域周波数成分の再生音により音像定位感を知覚させることができるようになる。
つまり、上記図6に示した音響装置と同様に、標準的な頭部伝達特性を利用して3次元音響再生信号生成フィルタ30の3次元音響特性を設定した場合でも、聴取者Uに対して目的とする音像定位感を知覚させることができる。
また、標準的な頭部伝達特性を有するダミーヘッドマイクロフォン13を用いて収音を行った場合でも、聴取者Uに目的とする音像定位感を知覚させることができる。
なお、上記図6、図7に示した音響装置では、ダミーヘッドマイクロフォン13を用いて実音場空間11からバイノーラル収音により収音信号を得るようにしているが、これはあくまでも一例であり、例えばダミーヘッドの代わりに人間の両耳にマイクロフォンを装着しても、同様にバイノーラル収音により収音信号を得ることも可能である。
また、これまで説明した音響装置では、収音ブロックに入力される左収音信号SL1と右収音信号SR1をダミーヘッドマイクロフォン、或いは人体の両耳にマイクロフォンを取り付けて収音することにより、バイノーラル収音を行うようにしているが、これはあくまでも一例であり、例えばバイノーラル収音により収音されていない音源信号を利用することも可能とされる。
次に、そのような音響装置について説明する。
図8は、本発明の第3の実施の形態としての音響装置の構成を示した図である。
なお、図6に示した音響装置と同一部位には同一番号を付して詳細な説明は省略する。
この図8に示す音響装置には、バイノーラル収音信号生成回路60が設けられている点が、上記図6に示した音響装置の構成とは異なるものとされる。
この場合、バイノーラル収音信号生成回路60では、例えば室内空間における音波の伝達経路ごとの伝達特性と、聴取位置への入射角度ごとの頭部伝達特性とを、音源信号に対して畳み込み演算することで、伝達経路の総和を聴取音とする信号を得るようにしている。
これにより、バイノーラル収音信号生成回路60において、音源信号からバイノーラル収音信号に相当する信号、すなわち、左収音信号SL1と右収音信号SR1に相当する信号を得るようにしている。
このとき、バイノーラル収音信号生成回路60に入力される音源信号は、例えば既存ソースの音声信号や、電子楽器などにより合成した音声信号などの何れでも良い。また、その音声方式もモノラル方式、ステレオ方式、サラウンド方式などの何れの音声方式でも構わないものとされる。
ここで、バイノーラル収音信号生成回路60における左収音信号と右収音信号の生成方法の一例を図9〜図14を参照しながら説明する。
バイノーラル収音信号生成回路60において左収音信号SL1と右収音信号SR1を生成するには、先ず、コンサートホールなどの音響特性と音源の放射指向特性をもとに音源から放射される音がどのように室内空間に伝搬するかを算出する。
具体的には、先ず、コンサートなどの音響空間の形状と壁面・床・天井の反射吸音特性などの壁面音響特性と、音源位置及び音源の放射指向特性、聴取点位置、聴取マイクの指向特性のに基づいて音源から聴取位置までの音波の伝搬特性を算出する。
図9(a)は、室内空間において音源位置から聴取位置における聴取者の両耳までの実際の伝達経路を模式的に示した図である。
この図9(a)に示すようなコンサートホールなどの実音場空間11では、その壁面・床・天井等を反射して、様々な方向から聴取位置(この場合は聴取位置には破線で示すようなダミーヘッドマイクロフォン13が配置されている)に向かって音波が到来することになる。
ここで、上記図9(a)に示したような音源から聴取位置までの音波の伝搬をシミュレーションによって精密に算出するには、図9(b)に実線で示したように、聴取位置から見た音源方向と音源距離を算出し、その音源方向と音源距離における頭部回折伝達関数データに対して音源信号を畳み込み演算する。
このとき、音源方向と音源距離における頭部回折伝達関数データは、予め、音源方向と音源距離ごとに測定してメモリに格納しておいた頭部回折伝達関数データから、最も近い角度の頭部回折伝達関数データを引き出して、それを元に所望の角度(音源方向)の頭部回折伝達関数データを補間処理により得ることが考えられる。
また、上記した頭部回折伝達関数データは、音源方向だけでなく、音源からの距離によっても異なるものとされる。これは、図10(a)(b)に示すように、聴取者の左右の耳から音源位置までの距離が違う場合は、音源方向θが同じであっても入射角度が異なるからである。
例えば、音源11が聴取者Uから離れた位置にある場合、聴取者Uの左耳ELに到達する音波の入射角度θLfと、聴取者Uの右耳ERの入射角度θRfは図10(a)のように示される。これに対して、音源11が聴取者Uの近くにある場合、聴取者Uの左耳ELに到達する音波の入射角度θLnと、聴取者Uの右耳ERに到達する音波の入射角度θRnは図10(b)のように示されることになる。
したがって、図10(a)(b)から分かるように、聴取者Uから音源までの距離が違う場合は、音源方向θが同じであっても、聴取者Uの左右の耳に入射される入射角度が異なるものとなり、結果的には頭部回折伝達関数データが異なることになる。
このため、図11に示すように、聴取者の両耳に対する音源方向と頭部回折関数データとを対応させた対応テーブルを、音源から聴取までの距離に応じて用意しておくようにする。例えば、図11(a)には、音源位置から聴取位置までの距離が遠距離のときの対応テーブルの一例が、図11(b)には、音源位置から聴取位置までの距離が近距離のときの対応テーブルの一例がそれぞれ示されている。
なお、このような対応テーブルは、格納するメモリの記憶容量に制限がなければ、音源までの距離を細分化して、細分化した音源距離と音源方向をパラメータにした頭部回折伝達関数データの対応テーブルをメモリに格納するといったことも可能である。
また図12(a)は、室内空間において音源位置から聴取位置における聴取者の中心位置までの実際の伝達経路を模式的に示した図である。
この場合も、聴取位置のダミーヘッドマイクロフォン13には様々な方向から音波が到来することになる。
この場合も、音源12から聴取位置までの音波の伝搬をシミュレーションによって精密に算出するには、図12(b)に実線で示したように、聴取位置から見た音源方向と音源距離を算出し、その音源方向と音源距離における頭部回折伝達関数データに対して音源信号に畳み込み演算する。
このとき、音源方向と音源距離における頭部回折伝達関数データも、上記同様、予め、音源方向と音源距離ごとに測定してメモリに格納しておいた頭部回折伝達関数データから、最も近い角度の頭部回折伝達関数データを引き出して、それを元に所望の角度(音源方向)の頭部回折伝達関数データを補間処理により得ることが考えられる。
この場合の頭部回折伝達関数データも、音源方向だけでなく、音源からの距離によっても異なるものとされる。これは、図13に示すように、聴取者の中心位置から音源までの距離が違う場合は、音源方向θが同じであっても入射角度が異なるからである。
このため、図14(a)(b)に示すように、聴取者の中心位置に対する音源方向と頭部回折関数データとを対応させた対応テーブルを、音源から聴取までの距離に応じて用意しておくようにする。
なお、このような対応テーブルも、格納するメモリの記憶容量に制限がなければ、音源までの距離を細分化して、音源距離と音源方向をパラメータにした頭部回折伝達関数データの対応テーブルをメモリに格納可能であることは言うまでもない。
また、本実施の形態の音響装置の収音ブロックの構成は他にも考えられるものである。
図15〜図18は本実施の形態の音響装置の再生ブロックの他の構成例を示した図である。なお、図15〜図18には、2チャネルスピーカ再生ブロックのうち、1チャネル分のスピーカ再生系の構成だけが示されている。
この図15に示す再生ブロックは、低域周波数成分通過フィルタ(LPF)61、高域周波数成分通過フィルタ(HPF)62、遅延回路63、3次元音響再生信号生成フィルタ64,65、加算器66、スピーカ67によって構成される。
この図15に示すような再生ブロックでは、この図には示していない前段の収音ブロックからの入力信号のうち、低域周波数成分通過フィルタ(LPF)61を通過した低域周波数成分については、3次元音響再生信号生成フィルタ64で3次元音響再生信号を生成するためのフィルタ処理を行うようにされる。
一方、収音ブロックからの入力信号のうち、高域周波数成分通過フィルタ(HPF)62を通過した高域周波数成分については、遅延回路63で所定時間だけ遅延させた後、3次元音響再生信号生成フィルタ65で3次元音響再生信号を生成するためのフィルタ処理を行うようにされる。そして、3次元音響再生信号生成フィルタ64の出力と、3次元音響再生信号生成フィルタ65の出力を加算器66で加算してスピーカ67から出力するように構成されている。
また、図16に示す再生ブロックは、3次元音響再生信号生成フィルタ64の出力と、3次元音響再生信号生成フィルタ65の出力とを加算することなく、3次元音響再生信号生成フィルタ64から出力される低域周波数成分の再生信号についてはスピーカシステム68の低域周波数を再生するウーファ68aにより再生する。そして、3次元音響再生信号生成フィルタ65から出力される高域周波数成分の再生信号についてはスピーカシステム68の中高域周波数を再生するツィータ68bにより再生するように構成している。
したがって、図15、図16に示すように構成した場合でも、入力信号に含まれる高域周波数成分だけを遅延回路63により所定時間だけ遅延させるようにしているので、入力信号の低域周波数成分だけを先行して再生することができる。これにより、再生音場の聴取者は、先に到来する低域周波数成分の再生音により音像定位感を知覚させることができるようになる。
また図17に示す再生ブロックは、入力信号のうち、低域周波数成分通過フィルタ(LPF)61を通過した低域周波数成分信号と、入力信号を遅延回路63により所定時間だけ遅延させた信号を加算器66で加算する。そして、この加算器66の加算出力を3次元音響再生信号生成フィルタ64を通してスピーカ67に供給するように構成されている。
また、図18に示す再生ブロックは、LPF61から出力される低域周波数成分信号については、3次元音響再生信号生成フィルタ64を通してスピーカシステム68のウーファ68aにより再生し、遅延回路63の出力については、スピーカシステム68のツィータ68bにより再生するようにされている。
この図17、図18に示すように構成した場合は、入力信号の低域周波数成分だけを先行して再生することができる。これにより、再生音場の聴取者は、先に到来する低域周波数成分の再生音により音像定位感を知覚させることができるようになる。
以下、これまで説明した本実施の形態の音響装置をAVシステムに適用した場合の構成例について説明する。
先ず、AVシステムにおいて音源として用いられる記録メディアのデータ構造例について説明する。
図21は、その場合の記録メディアのデータ構造の一例を模式的に示した図である。
この図21(a)に示す記録メディアにおいては、例えば映像パケット、字幕パケット、及び複数の音声パケット1、音声パケット2・・・音声パケットnからなるパックが構成され、その先頭にはパックヘッダが付加されている。パックヘッダには、例えば同期再生時に基準となる付加情報が与えられている。
音声パケットは、図21(b)に示すように、複数の音声チャネル1、音声チャネル2・・・音声チャネルnから構成され、その先頭にはパケットヘッダが付加される。
パケットヘッダには、例えば音声制御に用いる各種制御データが記録される。
例えばサンプリング周波数、多重化チャネル数、クロスオーバー周波数、データ符号化方式を表すデータ符号化方式コードが、及び、音声信号再生方式の仕様(フォーマット)を表す音声信号仕様コードなどが記録される。
また、各音声チャネルは、図21(c)に示すように、データの先頭にチャネルヘッダが付加されている。チャネルヘッダには、例えばチャネル番号、周波数帯域、ゲイン、位相量を示した各データが付加情報として記録される。
ここで、上記したような光ディスクを再生可能なAVシステムの構成例について説明する。
図19は、上記したAVシステムの構成を示したブロック図である。
なお、この場合、記録メディアには、音声データと共に映像データと字幕データが多重化されて記録されているものとする。
またこの場合、記録メディアに記録される音声データとしては、上記したようなダミーヘッドマイクロフォンで収音した信号を低域周波数成分と高域周波数成分とに分離して高域周波数成分を遅延させて、それを多重化した音声データが記録されているものとする。
この図19において、光ディスク再生部71は、光ディスクに記録されている多重化データを読み出すようにされる。
逆多重化回路72は、読み出された多重化データから、ヘッダと、映像データ、字幕データ及び複数チャネルの音声データの検出及び分離を行うようにされる。
音声データデコード回路73は、逆多重化回路72から伝送されてくる音声データのデコードを行うようにされる。
このとき、音声データデコード回路73は、デコードした音声データのうち、超低域周波数データは超低域周波数バッファ回路81に出力し、低域周波数データは低域周波数バッファ回路84に出力するようにされる。また、高域周波数データは高域周波数バッファ回路88に出力するようにされる。
超低域周波数バッファ回路81は、入力される超低域周波数データをアナログの超低域周波数信号に変換して出力するようにする。
また低域周波数バッファ回路84は、入力される低域周波数データをアナログの低域周波数信号に変換し、高域周波数バッファ回路88は、入力される高域周波数データをアナログの高域周波数信号に変換して出力するようにされる。
電力増幅回路82は、超低域周波数バッファ回路81からの超低域周波数信号を所定レベルまで増幅した後、サブウーファスピーカシステム83に出力し、サブウーファスピーカシステム83から出力するようされる。
遅延回路89は、高域周波数バッファ回路88からの高域周波数信号を所定時間だけ遅延して出力するようにされる。
3次元音響再生信号生成フィルタ85は、低域周波数バッファ回路84から入力されるの低域周波数信号と、遅延回路89により所定時間だけ遅延された高域周波数信号とを合成した後、3次元音響再生信号生成処理を施して、電力増幅回路86に出力するようにされる。電力増幅回路86では、3次元音響再生信号生成フィルタ85からの音声信号を所定レベルまで増幅した後、スピーカシステム87に出力し、スピーカシステム87から出力するようにされる。
字幕データデコード回路74は、逆多重化回路72から伝送されてくるヘッダ情報に含まれるタイミング情報にしたがって字幕パケットから字幕データをデコードして出力するようにされる。また、映像データデコード回路75は、上記同様、逆多重化回路72から伝送されてくるヘッダ情報に含まれるフレームレートにしたがって映像データをデコードして出力するようにされる。
字幕再生回路76は、字幕データデコード回路74でデコードされた字幕データに所要の再生処理を施して字幕信号として出力するようにされる。
映像再生回路77は、映像データデコード回路75でデコードされた映像データに所要の再生処理を施して映像信号として出力するようにされる。
字幕・スーパーインポーズ回路78は、字幕パケットに付加されているパケットヘッダにヘッダ情報として記録されている字幕制御情報などのタイミング情報に基づいて、字幕信号を映像信号に重畳するといった、いわゆるスーパーインポーズ処理を施して、映像表示装置部79に応じた映像信号形式に変換して出力するようにされる。
映像表示装置部79は、字幕・スーパーインポーズ回路78から供給される映像信号に基づいて映像を表示するようにされる。
制御部80は、当該AVシステム70全体の制御を行うと共に、逆多重化回路72で多重化データから分離したヘッダ情報などを用いて各種制御を行うようにされる。
例えば、図20に示したパケットヘッダに付加されているサンプリング周波数や、データ符号化方式コードに基づいて、音声データデコード回路73の動作を切り替える切替制御を行うようにされる。
また、同じくパケットヘッダに付加されている音声信号仕様(フォーマット)コードから、音声再生系の仕様と一致する音声パケットだけを選択するようにされる。
例えば、音声パケット1が本実施の形態の音響装置により収音したバイノーラル方式の音声パケット、音声パケット2がサラウンド再生方式の音声パケットであれば、音声パケット1を選択するようにされる。
ところで、上記図19に示したAVシステム70においては、光ディスクなどの記録メディアに、超低域周波数成分、低域周波数成分、高域周波数成分に分離された音声データが記録されているものとして説明したが、これはあくまでも一例である。例えば、記録メディアには、帯域分割していない音声データを多重化して記録しておくことも可能である。
その場合のAVシステムのブロック構成としては図20に示すことができる。
なお、図19と同一ブロックには同一番号を付してその詳細な説明は省略する。
図20に示したAVシステム90においては、図示するように、音声データデコード回路73と、各バッファ回路81,84,88との間に、周波数帯域分離回路91が設けられている点が、上記図19に示したAVシステム70と異なるものとされる。
このような周波数帯域分離回路91では、光ディスクから読み出され、音声データデコード回路73でデコードされた音声データを高域周波数データと低域周波数データに分離するようにされる。このようにして周波数帯域分離回路91で分離された超低域周波数データが超低域周波数バッファ回路81に、低域周波数データが低域周波数バッファ回路84に、高域周波数データが高域周波数バッファ回路88に、それぞれ供給するようにしている。
したがって、このようなAVシステム70,90により、記録メディアに記録した音響信号を再生する場合においても、標準的な頭部伝達特性を利用して3次元音響再生信号生成フィルタ85の3次元音響特性が設定されている場合でも、聴取者Uに対して目的とする音像定位感を知覚させることができる。
なお、このようなAVシステムでは、再生すべき各種データが、映像データや字幕データ及び複数の音声チャネルの音声データが多重化されて光ディスクなどの記録メディアに記録されているものとして説明したが、例えば、ネットワーク回線を介して映像データ、字幕データ、複数の音声チャネルの音声データなどの再生すべきデータを受信できるように構成することも可能である。
また、このようなAVシステムでは、超低域周波数を再生するサブウーファの再生系が設けられているが、このようなサブウーファの再生系は無くてもよい。
音場空間における音源位置と聴取者により知覚される音像位置との関係を説明する説明図である。 ダミーヘッドマイクロフォンによる収音例を説明する説明図である。 先行音定位の説明図である。 先行音定位の説明図である。 3次元音響再生信号生成フィルタの構成を示した図である。 第1の実施の形態としての音響装置の構成を示した図である。 第2の実施の形態としての音響装置の構成を示した図である。 第3の実施の形態としての音響装置の構成を示した図である。 室内空間において音源位置から聴取者の左右の耳までの伝達経路を示した図である。 音源距離による耳への入射角の変化を説明する説明図である。 頭部回折伝達関数の対応データテーブルを示した図である。 室内空間において音源位置から聴取者の中心位置までの伝達経路を示した図である。 音源距離による耳への入射角の変化を説明する説明図である。 頭部回折伝達関数の対応データテーブルを示した図である。 本実施の形態の音響装置の他の構成を示した図である。 本実施の形態の音響装置の他の構成を示した図である。 本実施の形態の音響装置の他の構成を示した図である。 本実施の形態の音響装置の他の構成を示した図である。 AVシステムの構成を示したブロック図である。 AVシステムの他の構成を示したブロック図である。 音源から多重化されたデータ構造の一例を示した図である。
符号の説明
1 11 実音場空間、2 12 実音源、3 6 知覚音像、4 39 45 再生音場空間、5 再生スピーカ、13 ダミーヘッドマイクロフォン、21 音源、22 42 66 89 遅延回路、23 37 46 左スピーカ、24 38 47 右スピーカ、25 低域周波数成分通過フィルタ、26 高域周波数成分通過フィルタ、30 85 3次元音響再生信号生成フィルタ、31 34 43 44 加算器、32 33 キャンセル部、35 36 補正ブロック部、40 50 マイクロフォンアンプ部、41 周波数帯域分離フィルタ、48 ヘッドフォン用フィルタ、49 ヘッドフォン、51 低域周波数成分分離フィルタ、60 バイノーラル収音信号生成回路、61 左耳用頭部回折伝達特性フィルタ、62 右耳用頭部回折伝達特性フィルタ、67 68 頭部回折伝達特性フィルタ、70 90 AVシステム、71 光ディスク再生部、72 逆多重化回路、73 音声データデコード回路、74 字幕データデコード回路、75 映像データデコード回路、76 字幕再生回路、77 映像再生回路、78 字幕・スーパーインポーズ回路、79 映像表示装置部、80 制御部、81 超低域周波数バッファ回路、82 電力増幅回路、83 サブウーファスピーカシステム、84 低域周波数バッファ回路、86 電力増幅回路、87 スピーカシステム、91 周波数帯域分離回路

Claims (9)

  1. 2つのスピーカを用いて3次元音響を再生する音響再生装置において、
    バイノーラル収音信号から低域周波数成分を分離する分離手段と、
    少なくとも上記バイノーラル収音信号の高域周波数成分を遅延させる遅延手段と、
    上記分離手段で分離した低域周波数成分と、上記遅延手段で遅延させた高域周波数成分とを合成する合成手段と、
    上記2つのスピーカから聴取位置までの伝達関数に基づいて、上記合成手段から出力される信号に対して所要の信号処理を施して、3次元音響再生信号を生成する3次元音響信号生成手段と、
    を備えていることを特徴とする音響再生装置。
  2. 上記バイノーラル収音信号は、ダミーヘッドマイクロフォンを用いて収音されることを特徴とする請求項1に記載の音響再生装置。
  3. 上記バイノーラル収音信号は、人体に装着したマイクを用いて収音されることを特徴とする請求項1に記載の音響再生装置。
  4. 上記バイノーラル収音信号は、音源信号に頭部伝達特性を合成して得られることを特徴とする請求項1に記載の音響再生装置。
  5. 上記分離手段は、上記バイノーラル収音信号の高域周波数成分を分離可能とされることを特徴とする請求項1に記載の音響再生装置。
  6. 2つのスピーカを用いて3次元音響を再生する音響再生装置において、
    入力信号から低域周波数成分を分離する分離手段と、
    少なくとも上記入力信号の高域周波数成分を遅延させる遅延手段と、
    上記2つのスピーカから聴取位置までの伝達関数に基づいて、少なくとも、上記入力信号に含まれる低域周波数成分の信号に対して所要の信号処理を施して、3次元音響再生信号を生成する3次元音響信号生成手段と、
    を備えることを特徴とする音響再生装置。
  7. 上記分離手段は、上記入力信号の高域周波数成分を分離可能とされることを特徴とする請求項5に記載の音響再生装置。
  8. 2つのスピーカを用いて3次元音響を再生する音響再生方法として、
    バイノーラル収音信号から低域周波数成分を分離して、少なくとも上記バイノーラル収音信号の高域周波数成分を遅延させたうえで、分離した低域周波数成分と、遅延させた高域周波数成分とを合成し、上記2つのスピーカから聴取位置までの伝達関数に基づいて、合成した信号に対して、所要の信号処理を施して、上記聴取位置において3次元音響を再生するようにしたことを特徴とする音響再生方法。
  9. 2つのスピーカを用いて3次元音響を再生する音響再生方法として、
    入力信号から低域周波数成分を分離して、少なくとも上記入力信号の高域周波数成分を遅延させたうえで、分離した低域周波数成分と、遅延させた高域周波数成分とを合成し、上記2つのスピーカから聴取位置までの伝達関数に基づいて、少なくとも上記入力信号に含まれる低域周波数成分の信号に対して、所要の信号処理を施して、上記聴取位置において3次元音響を再生するようにしたことを特徴とする音響再生方法。
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