JP2005201748A - 走査型形状測定装置、原子間力顕微鏡及びそれを用いた表面形状測定方法 - Google Patents

走査型形状測定装置、原子間力顕微鏡及びそれを用いた表面形状測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被測定物を精度よく測定できる原子間力顕微鏡(AFM)を提供する。
【解決手段】粗測定用の第1探針1aと、精細測定用の第2探針2aと、被測定物の表面形状によって第1探針1a及び第2探針2aを使い分ける制御部と、を備え、各探針を被測定物の表面に沿って走査させてその上下変位により表面形状を測定するAFMであって、その制御部は、第1探針1aに被測定物全体の表面形状を測定させた後に、精細測定が必要な箇所を推定し、第2探針2aにその推定した精細測定必要箇所の表面形状を測定させるように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、走査型形状測定装置、原子間力顕微鏡及びそれを用いた表面形状測定方法に関し、特に、液晶表示装置の基板上に形成された成膜パターンの表面形状を測定するための原子間力顕微鏡に係るものである。
近年、画素ごとに薄膜トランジスタ(TFT)を備える液晶表示装置は、TFTを構成するポリシリコン形成する際のLPS(Low-temperature Poly-Silicon)、CGS(Continuous Grain Silicon)等のポリシリコン技術の実用化に伴って、画素部分や周辺回路部分の成膜パターンの高精細化が進んでいる。
この成膜パターンの精細化レベルを決定するデザインルールは、現在、3.0μmが主流であるが、今後、周辺回路部分及び画素部分のさらなる高精細化や高機能化が求められ、2.0μm以下やサブミクロンのデザインルールを採用することが予想される。ここで、デザインルールとは、最小加工寸法をもって示す製造プロセス技術のレベルの総称である。
ところで、このようなデザインルールで形成される成膜パターンを測定する際には、成膜パターンの最小寸法の1/10以下の分解能を有する測定装置で測定する必要があるため、従来の光学式顕微鏡を用いた測定では、測定値の信頼性が低くなってしまう。
例えば、1.5μm程度の厚さのレジストパターンを光学式顕微鏡で測定する際には、測定像にレジストパターンの側面が影として映し出される場合がある。これは、レジストパターンの側面の傾斜形状によって変化するものであるが、0.4μm程度の測定誤差を引き起こす恐れがある。この測定誤差は、現在の3.0μmというデザインルールにおいては、ほとんど問題にならないが、今後予想される2.0μm以下というデザインルールにおいては、無視できない問題となる恐れがある。
この問題は、光学式顕微鏡の光源を短波長化や単色化することにより、ある程度解決できる。これに関しては、例えば、波長420nmのバイオレットレーザや、波長365nmのi線を光源として用いた光学式顕微鏡が実用化されている。しかしながら、このような光学式顕微鏡では、光源の波長を短くして分解能を向上させても、光学式での測定であるがゆえに、成膜パターンの側面の傾斜形状に対応した影が観測されてしまう。
一方、半導体ICの分野では、デザインルールの世代ごとに測定装置を見直しており、0.5μm程度のサブミクロンルール以降は、走査型電子顕微鏡(SEM:Scaning Electron Microscope)での測定が主流となっている。この走査型のSEMを用いた測定は、光学式の測定とは異なって、成膜パターンの側面の傾斜形状の影響を受けないので、精度よく成膜パターンの側面の傾斜形状を測定できる。
ところで、液晶表示装置は、通常、母基板から液晶パネルを多面取りして製造されるが、その母基板の大型化が進んでいる。現在、母基板は、1m四方程度まで大型化している。このような大型の母基板を上述のSEMで測定する場合、母基板全体を測定装置内に収容する必要があるため、その母基板をSEMで測定することは困難である。
また、別の測定方法として、測定対象である成膜パターンの表面に沿って、探針を走査して、物理的に成膜パターンの形状を測定する方法がある。その測定装置の一例として、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)が挙げられる。このAFMは、物質間に働く原子間力によって物質表面の形状を2次元的に観察するものであり、電気伝導性のない材料表面や有機分子をナノメートルスケールで観察できるので、広範な応用が期待されている。
図9は、AFM60の概略構成図である。
このAFM60は、カンチレバー3とxyzステージ20と変位測定部(不図示)とから構成されている。
カンチレバー3は、その先端に探針3aを有しており、ホルダー8を介して装置本体に固定されている。
xyzステージ20は、コンピュータに接続され、コンピュータ制御により被測定物6を載置した状態でxyz方向に精度よく移動することが可能である。
変位測定部は、例えば、光テコ方式では、カンチレバー3にレーザ光を入射してその反射角の変化からカンチレバー3の曲がりを読み取るものである。
このAFM60では、被測定物6はxyzステージ20の駆動によってカンチレバー3の探針3aに接近すると共に、x及びy方向に走査される。そのとき、探針3aが被測定物6の表面形状に対応して変位するので、その変位量を変位測定部によって読み取ることにより、走査した部分の高さ(z方向)情報が得られる。このため、AFM60は、xyz方向に対してナノメートルスケールで測定することが可能である。
このようなAFMは、特許文献1、2、3及び4において開示されていると共に、実用化され、表面粗さや形状測定の分野では、広く利用されている。
特開平5−306925号公報 特開平7−5182号公報 特開平11−287815号公報 特開2001−124798号公報
ところで、AFMは、図10に示すように、ガラス基板21上の下地膜7の表面に設けられたレジストパターン5の線幅測定を行う際には、レジストパターン5の凸部の上部位置5c及び下部位置5bの形状だけでなく、その側面の傾斜部5aの形状も正確に測定できなければならない。ここで、レジストパターン5の形状を正確に測定するには、カンチレバー10の探針11の先端形状が重要である。
例えば、図11(a)に示すように、先端形状が太い探針3a’によって、厚さのあるレジストパターン5を測定する場合には、レジストパターン5の根元部分に探針3a’の到達しない領域が探針未到達部分Xとしてできてしまう。
また、先端形状が細い探針を用いることも考えられるが、先端を細くすることによって、探針の強度が不足して、レジストパターン5を乗り越えるときに探針が曲がったり折れたりする恐れがある。そうなると、カンチレバーに伝わる情報が不正確になってしまう問題がある。
そこで、探針を単純に横方向に移動させる方法ではなく、図11(b)に示すように、探針3a’’を、レジストパターン5から一度真上に引き上げて、そのまま横方向にずらした後、その引き上げた距離だけ下ろすことにより、高さ方向の変位量を測定する方法が考えられている。この方法は、ステップインモードと呼ばれ、このステップインモードを利用したAFMも製品化されている。
しかしながら、このステップインモードを利用した測定方法は、被測定物全体を走査するのに、膨大な時間が必要であるため、実験レベルで表面形状を測定する場合には問題がないが、液晶表示装置の製造工程中に基板上に形成された成膜パターンを測定する場合には不適当である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被測定物の表面形状を精度よく測定できる走査型形状測定装置、原子間力顕微鏡及びそれを用いた表面形状測定方法を提供することにある。
本発明の走査型形状測定装置は、探針を被測定物の表面に沿って走査させてその上下変位により表面形状を測定する走査型形状測定装置であって、粗測定用の第1探針と、精細測定用の第2探針と、を備えたことを特徴とする。
上記の構成によれば、粗測定用の第1探針と精細測定用の第2探針との2種類の探針を被測定物の表面に沿って走査させることができる。これにより、被測定物の表面において粗測定用の第1探針で正確な測定できない箇所を、精細測定用の第2探針で正確に測定できるので、被測定物の表面形状を精度よく測定することができる。
本発明の走査型形状測定装置は、被測定物の表面形状によって上記第1及び第2探針を使い分ける制御部をさらに備えてもよい。
上記の構成によれば、制御部によって被測定物の表面形状に応じて粗測定用の第1探針と精細測定用の第2探針とを使い分けることができる。これにより、制御部が、被測定物の表面において、粗測定でよい箇所を第1探針に、精細測定の必要な箇所を第2探針にそれぞれ測定させることになるので、被測定物の表面形状を第1及び第2探針を使い分けて、効率的に精度よく測定することができる。
本発明の走査型形状測定装置は、上記制御部が、上記第1探針に被測定物全体の表面形状を測定させた後に、精細測定が必要な箇所を推定し、上記第2探針にその推定した精細測定必要箇所の表面形状を測定させるように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、制御部が、被測定物の表面において、その全体の表面形状を粗測定用の第1探針に測定させた後に、精細測定の必要な箇所を推定して、第2探針にその推定した精細測定必要箇所の表面形状を測定させることになる。これにより、制御部が第1探針での粗測定の測定結果から第2探針での精細測定が必要な箇所を推定することになるので、被測定物の表面形状を第1及び第2探針を有効に使い分けて、効率的に精度よく測定することができる。
本発明の走査型形状測定装置は 上記制御部が、上記第2探針に被測定物表面に近づく動作と遠ざかる動作とを繰り返させながら被測定物の表面を走査させるように構成されていてもよい。
一般に、精細測定用の第2探針は、被測定物の精細な表面形状に対応するために、細く強度が低いものが多い。上記の構成によれば、制御部がその第2探針に被測定物表面に近づく動作と遠ざかる動作とを繰り返させながら被測定物の表面を走査させることになるので、第2探針の先端には、横方向の負荷が掛かりにくくなる。これにより、第2探針を変形及び破損させることなく被測定物の表面に沿って走査させることができ、被測定物を精度よく測定することができる。
本発明の走査型形状測定装置は 上記制御部が、上記第2探針に精細測定必要箇所のみの表面形状を測定させるように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、第2探針での測定が、被測定物全体の表面形状のうち精細測定必要箇所のみに限定されるので、被測定物の表面形状を第1及び第2探針を使い分けて、効率的に精度よく測定することができる。
本発明の走査型形状測定装置は 上記制御部が、被測定物の凸部の表面形状を測定するときに、上記第2探針に凸部の上部位置から下部位置に向かって表面を走査させるように構成されていてもよい。
上記の構成によれば、精細測定用の第2探針が、被測定物の凸部の上部位置から下部位置に向かって表面を走査されるので、第2探針の先端には、横方向の負荷がほとんど掛からないことになる。これにより、第2探針を変形及び破損させることなく被測定物の表面に沿って走査させることができ、被測定物を精度よく測定することができる。
本発明の走査型原子間力顕微鏡は、探針を被測定物の表面に沿って走査させてその上下変位により表面形状を測定する走査型原子間力顕微鏡であって、粗測定用の第1探針と、精細測定用の第2探針と、を備えたことを特徴とする。
上記の構成によれば、粗測定用の第1探針と精細測定用の第2探針との2種類の探針を被測定物の表面に沿って走査させ、各探針と被測定物との間に働く原子間力によって被測定物の表面形状を測定することになる。これにより、被測定物の表面において粗測定用の第1探針で正確な測定できない箇所を、精細測定用の第2探針で正確に測定できるので、被測定物の表面形状を精度よく測定することができる。
本発明の成膜パターンの表面形状測定方法は、粗測定用の第1探針と精細測定用の第2探針とを備えた走査型原子間力顕微鏡を用いて液晶表示装置の基板上に形成された成膜パターンの表面形状測定方法であって、上記第1探針により成膜パターン全体の表面形状を測定した後に、精細測定が必要な箇所を推定し、上記第2探針によりその推定した精細測定必要箇所の表面形状のみを測定することを特徴とする。
上記の方法によれば、粗測定用の第1探針によって成膜パターン全体の表面形状を測定した後に、精細測定が必要な箇所を推定し、精細測定用の第2探針によってその推定した精細測定必要箇所の表面形状のみを測定するので、液晶表示装置の基板上に形成された成膜パターンを効率的に精度よく測定することができる。また、従来の走査型電子顕微鏡では不可能であった液晶表示装置の母基板の測定も可能であり、走査型原子間力顕微鏡を液晶表示装置の製造工程中に成膜パターンの線幅測定器として導入することができる。
本発明の走査型形状測定装置は、粗測定用の第1探針と精細測定用の第2探針とを備え、その第1及び第2探針を被測定物の表面に沿って走査させることができる。これにより、被測定物の表面において粗測定用の第1探針で正確な測定できない箇所を、精細測定用の第2探針で正確に測定できるので、被測定物の表面形状を精度よく測定することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態では、走査型形状測定装置としてAFMを例に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、他の構成であってもよい。
図1は、本発明のAFM100の概略構成図であり、図2(a)は、AFM100の測定部10の上面図であり、図2(b)は、その斜視図である。
このAFM100は、測定部10と、xyzステージ20と、制御部として機能する制御ユニット30及びデータ解析ユニット40とから構成されている。
測定部10は、探針を走査させる方向に対して、相互に並行に第1カンチレバー1及び第2カンチレバー2が配設されたホルダー8と、変位測定ユニット(不図示)と、を備えている。なお、第1カンチレバー1及び第2カンチレバー2は、走査する際に相互に干渉しないように独立して上下する構造になっている。
第1カンチレバー1は、その先端に粗測定用の第1探針1aを有している。そして、第1探針1aは、例えば、図3(a)に示すような形状であり、走査する際に歪みや破損が生じないように、先端の角度を20°以上とするのが望ましい。
第2カンチレバー2は、その先端に精細測定用の第2探針2aを有している。そして、第2探針2aは、例えば、図3(b)に示すような形状であり、その先端の径が10nm程度の細く鋭利な先端形状になっている。
変位測定ユニットは、例えば、カンチレバーの上面にレーザ光を照射して、その反射角の変化からカンチレバー(探針)の上下変位を読み取るという光てこ方式による測定手段等を用いて、探針の上下変位を測定するものである。
xyzステージ20は、その上面に被測定物のガラス基板21を載置した状態で、xyz方向に精度よく移動することが可能である。
制御ユニット30は、測定部10及びxyzステージ20に接続され、測定に使用するカンチレバー(探針)を選択したり、ステージ20をxyz方向に移動させて、探針を被測定物の表面に沿って走査させるものである。
データ解析ユニット40は、制御ユニット30に接続され、読み取った探針の上下変位のデータを解析するものである。
次に、上述のAFM100について、図4及び図5を用いて、その動作を説明する。
ここで、被測定物のガラス基板21上には、例えば、膜厚が1.3μmで、線幅及び間隔が1.5μmで形成され、凸部のLineが5本、その間のSpaceが4本のLine&Space(以下、L&Sと略する)のレジストパターン5が設けられている。
まず、制御ユニット30によってxyzステージ20を移動させることにより、第1カンチレバー1の第1探針1aを図4(b)中のstartの位置に待機させる。
次いで、制御ユニット30によってxyzステージ20を移動させることにより、第1探針1aを図4(b)に示すようにL&Sのレジストパターン5の表面に沿って往復走査させる。
次いで、データ解析ユニット40によって第1探針1aの上下変位のデータを解析して、図11(c)の2点破線に示されるような測定データが得られる。このとき、レジストパターン5の凸部の上部位置及び下部位置を認識させると共に、その上部位置の端から下部位置の端まで部分(レジストパターン5の傾斜部)を精細測定が必要な精細測定必要箇所と推定する。
次いで、制御ユニット30によってxyzステージ20を移動させることにより、第2カンチレバー2の第2探針2aを、レジストパターン5の精細測定必要箇所の上部位置(図5(d)中のstart)に待機させる。
次いで、制御ユニット30によってxyzステージ20を移動させることにより、第2探針2aを、図5(d)に示すように、レジストパターン5の(図中右側の)精細測定必要箇所の上部位置から下部位置に向かって走査させる。このとき、第2探針2aはレジストパターン5の傾斜部の表面に近づく動作と遠ざかる動作とを繰り返すことにより、表面に沿ってステップインモードで走査されることになる。
そして、このステップインモードの走査では、ステップピッチを被測定物のデザインルールに対して1/50以下に設定すれば、十分な測定分解能が得られる。上述の条件の場合、0.03μmのステップピッチにすればよい。
このステップインモードにより、第2探針2aは、レジストパターン5の凸部の上部位置から下部位置に向かって表面を走査されるので、第2探針2aの先端には、横方向の負荷がほとんど掛からないことになり、第2探針2aを変形及び破損させることなく、レジストパターン5の表面に沿って走査させることができ、レジストパターン5を精度よく測定することができる。
なお、第2探針2aは、図5(d)に示すように、精細測定必要箇所と推定されたレジストパターン5の凸部の上部位置の端から下部位置の端までの第1探針未到達部分Xを走査されるものであるが、第2探針2aを走査している際に、その第2探針2aの位置が第1探針で前もって認識させておいた下部位置と一致する場合には、その第1探針未到達部分Xのうちの残りの未走査部分の走査を省略することもできる。
次いで、制御ユニット30によってxyzステージ20を移動させることにより、第2探針2aを、図5(b)に示すように、レジストパターン5の反対側の(図中左側の)精細測定必要箇所の上部位置に移動させた後、上述のステップインモードと同様にその上部位置から下部位置に向かって走査させる。
ここで、図5(c)に示すようにL&Sのレジストパターン5の全長をステップインモードで走査させた場合には、そのステップインの回数が450回(=1.5μm×9/0.03μm)必要である。それに対してステップインモードを精細測定必要箇所のみに用いた場合には、仮に精細測定必要箇所の長さを0.2μmと仮定すると、そのステップインの回数が70回程度(=0.2μm×10/0.03μm)になる。
また、第2探針2aによる1回のステップが0.2秒、第1探針1aによるL&Sレジストパターン5の全長の走査時間が5秒、第1探針1aと第2探針2aとの切り替えに要する時間が1秒と仮定すると、前者の場合には、90秒(=450回×0.2秒)必要であるのに対して、後者の場合には20秒程度(=5秒+1秒+70回×0.2秒)で済むことになる。
このように第2探針2aでの測定が精細測定必要箇所のみの表面形状に限定されるので、L&Sのレジストパターン5を短時間で効率的に精度よく測定することができる。
以上説明したように、本発明のAFM100は、被測定物の表面において粗測定用の第1探針1aで正確な測定できない箇所を、精細測定用の第2探針2aで正確に測定できる。そして、制御ユニット30及びデータ解析ユニット40からなる制御部が、被測定物の表面において、その全体の表面形状を粗測定用の第1探針1aに測定させた後に、精細測定の必要な箇所を推定して、第2探針2aにその推定した精細測定必要箇所のみの表面形状を測定させるように、第1探針1aと第2探針2aとを使い分けているので、被測定物の表面形状を効率的に精度よく測定することができる。
以下に、本発明のAFMを液晶表示装置の製造装置に組み込んで、液晶表示装置の基板上に形成された成膜パターンの表面形状を測定する形状測定システムについて説明する。
図6は、形状測定システム200の概略構成図である。
この形状測定システム200は、測定部10と、xyzステージ20と、制御部として機能する制御ユニット30及びデータ解析ユニット40と、光学顕微鏡50とから構成されている。
測定部10、xyzステージ20及びデータ解析ユニット40については、上述のAFM100のものと実質的に同じであり、同一符号で示しその詳細な説明は省略する。
光学顕微鏡50は、後述する被測定物上のアライメントマークを読み取ったり、測定部10のカンチレバーの探針を被測定物の表面に沿って走査させる際にその様子を撮像するためのものであり、CCD(Charge Coupled Device)カメラ等であってもよい。
制御ユニット30は、上述のAFM100での構成の他に、光学顕微鏡50に接続され、光学顕微鏡50で読み取られた画像を認識する画像認識機能を有している。
図7は、xyzステージ20の上に載置される被測定物のガラス基板21の上面図である。
ガラス基板21は、液晶表示装置を製造する際の母基板であり、複数の液晶パネル23がマトリクス状に配設している。そして、複数の液晶パネル23が配設する領域の外側には、アライメントマーク22が設けられている。
次に、上述の形状測定システム200を用いて液晶表示装置の基板上に形成された成膜パターンの表面形状を測定する方法について説明する。
図8は、その表面形状測定方法を示すフローチャートであり、(a)が全体の処理フローであり、(b)が、AFMの測定フローである。
まず、ステップST1では、ガラス基板21を搬入してxyzステージ22上に載置する。
ステップST2では、xyzステージ22を駆動させ、光学顕微鏡50でガラス基板21上のアライメントマーク22を読み取る。
ステップST3では、xyzステージ22を駆動させ、光学顕微鏡50が測定箇所の直上付近に来るようにガラス基板21を移動する。
ステップST4では、光学顕微鏡50で測定箇所の成膜パターンを認識する。
ステップST5では、AFM測定が行われる。
ステップST51では、xyzステージ22を駆動させ、走査開始位置(図4(b)中のstart)に第1カンチレバー1を移動する。
ステップST52では、xyzステージ22を駆動させ、第1カンチレバー1(第1探針1a)を走査して、測定データをデータ解析ユニット40に取り込む。(図4(b))
ステップST53では、データ解析ユニット40で成膜パターンの上部位置及び下部位置を認識して、精細測定必要箇所を推定する。
ステップST54では、xyzステージ22を駆動させ、成膜パターンの上部位置(図5(d)中のstart)に第2カンチレバー2(第2探針2a)を移動する。
ステップST55では、xyzステージ22を駆動させ、第2カンチレバー2(第2探針2a)をステップインモードで走査する。
ステップST56では、第2カンチレバー2(第2探針2a)が成膜パターンの下部位置であるか否かを判定する。YESの場合には、ステップST57に進み、NOの場合には、ステップ55に進む。
ステップST57では、精細測定必要箇所の全ての測定が終了したか否かを判定する。YESの場合には、ステップST58に進み、NOの場合には、ステップ54に進む。
ステップST58では、AFM測定を終了する。
ステップST6では、全ての測定が終了したか否かを判定する。YESの場合には、ステップST7に進み、NOの場合には、ステップ3に進む。
ステップST7では、全測定が終了したガラス基板21を搬出する。
以上のような測定方法によれば、粗測定用の第1探針1aによって成膜パターン全体の表面形状を測定した後に、精細測定が必要な箇所を推定し、精細測定用の第2探針2aによってその推定した精細測定必要箇所の表面形状のみを測定するので、液晶表示装置の基板上に形成された成膜パターンを短時間で効率的に精度よく測定することができる。
また、従来の走査型電子顕微鏡では不可能であった液晶表示装置の母基板の測定も可能であり、AFMを液晶表示装置の製造工程中に成膜パターンの線幅測定器として導入することができる。これにより、液晶表示装置の製造工程において、十分な工程管理が行われ、工程能力指数Cpkを向上させることもできる。
以上説明したように、本発明は、液晶表示装置の製造工程において、エッチング後の成膜パターンや、フォトリソグラフィーのレジストパターンの線幅測定器として有用である。
本発明の実施形態に係るAFMの構成概略図である。 本発明の実施形態に係るAFMの測定部10を示し、(a)はその上面図であり、(b)はその斜視図である。 本発明の実施形態に係るAFMのカンチレバーの先端を示し、(a)は粗測定用の第1カンチレバー1の先端の側面図であり、(b)は精細測定用の第2カンチレバー2の先端の側面図である。 本発明の実施形態に係るAFMの第1カンチレバー1(第1探針1a)での測定方法を示す模式図である。 本発明の実施形態に係るAFMの第2カンチレバー2(第2探針2a)での測定方法を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る形状測定システムの構成概略図である。 本発明の実施形態に係るガラス基板21の上面図である。 本発明の実施形態に係る形状測定システムを用いた測定方法を示すフローチャートである。 従来のAFMの構成概略図である。 一般的なレジストパターン5の断面模式図である。 従来のAFM測定における問題点を示す断面模式図である。
符号の説明
1 第1カンチレバー
1a 第1探針
2 第2カンチレバー
2a 第2探針
3 カンチレバー
3a,3a’,3a’’ 探針
5 レジストパターン
5a 傾斜部
5b 下部位置
5c 上部位置
6 被測定物
7 下地膜
8 ホルダー
10 測定部
20 XYZステージ
21 ガラス基板
22 アライメントマーク
23 液晶パネル
30 制御ユニット
40 データ解析ユニット
50 光学顕微鏡
60,100 原子間力顕微鏡(AFM)
200 形状測定システム

Claims (8)

  1. 探針を被測定物の表面に沿って走査させてその上下変位により表面形状を測定する走査型形状測定装置であって、
    粗測定用の第1探針と、精細測定用の第2探針と、を備えたことを特徴とする走査型形状測定装置。
  2. 請求項1に記載された走査型形状測定装置において、
    被測定物の表面形状によって上記第1及び第2探針を使い分ける制御部をさらに備えたことを特徴とする走査型形状測定装置。
  3. 請求項2に記載された走査型形状測定装置において、
    上記制御部は、上記第1探針に被測定物全体の表面形状を測定させた後に、精細測定が必要な箇所を推定し、上記第2探針にその推定した精細測定必要箇所の表面形状を測定させるように構成されていることを特徴とする走査型形状測定装置。
  4. 請求項3に記載された走査型形状測定装置において、
    上記制御部は、上記第2探針に被測定物表面に近づく動作と遠ざかる動作とを繰り返させながら被測定物の表面を走査させるように構成されていることを特徴とする走査型形状測定装置。
  5. 請求項3に記載された走査型形状測定装置において、
    上記制御部は、上記第2探針に精細測定必要箇所のみの表面形状を測定させるように構成されていることを特徴とする走査型形状測定装置。
  6. 請求項3に記載された走査型形状測定装置において、
    上記制御部は、被測定物の凸部の表面形状を測定するときに、上記第2探針に凸部の上部位置から下部位置に向かって表面を走査させるように構成されていることを特徴とする走査型形状測定装置。
  7. 探針を被測定物の表面に沿って走査させてその上下変位により表面形状を測定する走査型原子間力顕微鏡であって、
    粗測定用の第1探針と、精細測定用の第2探針と、を備えたことを特徴とする走査型原子間力顕微鏡。
  8. 粗測定用の第1探針と精細測定用の第2探針とを備えた走査型原子間力顕微鏡を用いて液晶表示装置の基板上に形成された成膜パターンの表面形状測定方法であって、
    上記第1探針により成膜パターン全体の表面形状を測定した後に、精細測定が必要な箇所を推定し、上記第2探針によりその推定した精細測定必要箇所の表面形状を測定することを特徴とする成膜パターンの表面形状測定方法。
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