〔通信システム〕
図1、図2に示すように、通信システム1は、複数の移動機10a,10b,10cと、多数ユーザ接続サーバ20と、ネットワーク30と、交換機40とを備える。図1、図2では、データ通信を実線で、音声通信を点線で示している。図1、図2は、移動機10aと移動機10bが音声通話を行い、通信中の場合に、後から、移動機10cが、移動機10aと移動機10bとの音声通話に参加する場合を示している。
移動機10a〜10cは端末装置である。移動機10bを通信中端末とし、移動機10aを相手端末とする。移動機10cは、移動機10aと移動機10bが行っている通信に参加を希望する参加端末となる。移動機10bのユーザ1bが通信中ユーザ、移動機10aのユーザ1aが相手ユーザ、移動機10cのユーザ1cが参加希望者となる。多数ユーザ接続サーバ20は、通信中の通信に関する通信情報を提供し、通信中端末と参加端末との接続を制御する通信制御装置である。交換機40は、ネットワーク30内に設けられる。
移動機10b,10cは、通信部11b,11bと、入力部12b,12cと、音声出力部13b,13cと、表示部14b,14cと、記憶部15b,15cと、制御部16b,16cとを備える。移動機10aも移動機10b,10cと同様の構成を備える。以下、移動機10b,10cを例にとって説明する。
通信部11b,11cは、ネットワーク30を介して多数ユーザ接続サーバ20、他の移動機と通信する。通信部11b,11cは、移動機が参加端末となったときに、通信情報を受信する受信手段として機能する。通信部11b,11cは、制御部16b,16cから通信情報提供要求を取得し、多数ユーザ接続サーバ20に送信する。通信情報提供要求は、通信制御装置に通信情報の提供を要求するものであり、参加希望者のユーザIDと、通信情報を知りたいユーザ(以下「対象ユーザ」という)のユーザIDを含む。通信情報提供要求は、複数の対象ユーザのユーザIDを含んでもよい。ユーザIDは、ユーザを識別するデータであり、電話番号や移動機番号などを用いることができる。本実施形態では、ユーザIDとして電話番号を用いる。
そして、通信部11b,11cは、通信情報提供要求に対する応答として多数ユーザ接続サーバ20から提供される通信情報を受信する。通信情報は、通信中の通信に関する情報であり、例えば、使用している通信手段の種類、通信中ユーザや相手ユーザ、通信中ユーザや相手ユーザが属するグループ、ローミング状態などがある。ユーザは、特定のグループに属することができる。グループには、例えば、家族、友達、仕事などの種類がある。グループは、グループ名や、グループに付与された電話番号などのグループを識別するグループIDを用いて示すことができる。通信手段の種類には、音声通信が可能な通信手段、動画像通信が可能な通信手段、データ通信が可能な通信手段などがある。尚、対象ユーザが通信中でない場合には、通信部11b,11cは、通信情報提供要求に対する応答として、多数ユーザ接続サーバ20から、対象ユーザの通信状態を受信する。受信する通信状態には、通信可能であるが通信をしていない待ち受け中、通信できない圏外又は電源オフなどがある。通信部11b,11cは、受信した通信情報や通信状態を制御部16b,16cに入力する。
更に、通信部11b,11cは、移動機が参加端末となったときに、通信中端末の通信中に、図1に示すように通信中端末に発信したり、図2に示すように多数ユーザ接続サーバ20に接続要求を送信したりする。通信部11b,11cは、制御部16b,16cの指示に従って、通信中端末に対して発信する。接続要求は、通信制御装置に通信中端末との接続を要求するものであり、参加希望者のユーザIDと接続を希望する通信中ユーザのユーザIDを含む。通信部11b,11cは、制御部16b,16cから接続要求を取得し、制御部16b,16cの指示に従って、多数ユーザ接続サーバ20に接続要求を送信する。更に、通信部11b,11cは、通信中端末に接続の要求が拒否されたことを通知する拒否結果通知を、多数ユーザ接続サーバ20から受信する。
又、通信部11b,11cは、移動機が通信中端末となったときに、多数ユーザ接続サーバ20から、参加端末との接続の可否の問い合わせを通信中に受信し、制御部16b,16cに入力する。接続の可否の問い合わせには、参加希望者に関するユーザ情報が含まれる。問い合わせは、通信中ユーザが接続の可否を判断するために必要な最低限のユーザ情報を含むことが好ましい。例えば、問い合わせには、参加希望者の名前、参加希望者が属するグループ、参加端末が備える通信手段の種類が含まれる。又、問い合わせは、テキストデータや画像データ、音声データによって構成され、文字や画像、音により問い合わせを行うものが好ましい。
そして、通信中ユーザが参加希望者に関する詳細な情報を知りたい場合には、通信部11b,11cは、制御部16b,16cから詳細情報提供要求を取得し、多数ユーザ接続サーバ20に通信中に送信する。詳細情報提供要求は、参加希望者に関する詳細なユーザ情報(以下「詳細情報」という)の提供を要求するものであり、通信中ユーザのユーザIDと、提供を希望する参加希望者のユーザIDを含む。そして、通信部11b,11cは、詳細情報提供要求に対する応答として多数ユーザ接続サーバ20から提供される詳細情報を通信中に受信する。通信部11b,11cは、受信した詳細情報を制御部16b,16cに入力する。
詳細情報には、例えば、参加希望者の本名やニックネームなどの名前、メールアドレス、参加希望者が属するグループ、参加端末が備える通信手段の種類、参加希望者の状態などがある。状態には、通信状態、位置、食事中、睡眠中、移動中、通勤中、通学中、帰宅中、仕事中、会議中、退席中、勉強中、家事中、スポーツ中、買い物中、映画鑑賞中、暇、ユーザの感情、移動機の動作モードなどがある。通信状態には、通信中、待ち受け中、圏外又は電源オフがある。更に、通信中の場合、通信状態にはその通信情報も含まれる。本実施形態では、状態を、「通信状態」、「位置」、「その他の状態」に分類する。通信状態と位置以外の全ての状態が、その他の状態に分類される。
更に、通信部11b,11cは、制御部16b,16cから承諾通知又は拒否通知を取得し、制御部16b,16cの指示に従って、多数ユーザ接続サーバ20に承諾通知又は拒否通知を通信中に送信する。承諾通知は、参加端末との接続を承諾する通知である。拒否通知は、参加端末との接続を拒否する通知である。
又、通信部11b,11cは、移動機が相手端末となったときに、多数ユーザ接続サーバ20から参加者通知を受信し、制御部16b,16cに入力する。参加者通知は、相手端末に、通信中端末と行っている通信に参加端末が参加することを通知するものである。
更に、通信部11b,11cは、多数ユーザ接続サーバ20に、移動機10b,10cのユーザ1b,1cに関するユーザ情報を送信する。多数ユーザ接続サーバ20に送信したユーザ情報は、通信情報や詳細情報を提供する際に使用される。通信部11b,11cは、制御部16b,16cから、ユーザ情報登録要求を取得し、多数ユーザ接続サーバ20に送信する。ユーザ情報登録要求は、多数ユーザ接続サーバ20にユーザ情報の登録を要求するものであり、ユーザIDに対応付けられたユーザ情報を含む。ユーザ情報には、例えば、ユーザの名前、メールアドレス、ユーザが属するグループ、移動機が備える通信手段の種類、ユーザの状態などがある。尚、通信部11b,11cは、ユーザ情報登録要求を一度送信した後は、ユーザ情報のうち、更新が必要なユーザ情報だけを含むユーザ情報登録要求を送信するようにしてもよい。又、通信部11b,11cは、ユーザの状態のように頻繁に更新が必要なユーザ情報を含まないユーザ情報登録要求を送信してもよい。
又、通信部11b,11cは、多数ユーザ接続サーバ20に、通信情報の提供条件を送信する。多数ユーザ接続サーバ20に送信した提供条件は、通信情報の提供を制限するために使用される。本実施形態では、ユーザIDや、グループ名やグループIDを用いて、通信情報の提供を許可するユーザやグループを指定した提供条件を用いる。以下、通信情報の提供が許可されているユーザやグループを「公開メンバ」という。通信部11b,11cは、提供条件通知を制御部16b,16cから取得し、多数ユーザ接続サーバ20に送信する。提供条件通知は、ユーザIDに対応付けられた提供条件を含む。
図1に示すように、参加端末である移動機10cの通信部11cは、通信報提供要求をデータ通信により多数ユーザ接続サーバ20に送信し、多数ユーザ接続サーバ20から通信情報をデータ通信により受信する。通信部11cは、図1に示すように音声通信により通信中端末である移動機10bに発信する。あるいは、通信部11cは、図2に示すようにデータ通信により通信中端末である移動機10bとの接続を要求する接続要求を、多数ユーザ接続サーバ20に送信する。通信中端末である移動機10bの通信部11bは、多数ユーザ接続サーバ20からの問い合わせをデータ通信により受信する。又、図示を省略しているが、通信部11bは、詳細情報提供要求をデータ通信により多数ユーザ接続サーバ20に送信し、多数ユーザ接続サーバ20から詳細情報をデータ通信により受信する。そして、通信部11bは、承諾通知や拒否通知をデータ通信により多数ユーザ接続サーバ20に送信する。更に、移動機10aの通信部は、データ通信により参加者通知を受信する。又、図示を省略しているが、移動機10a〜10cの通信部は、ユーザ情報登録要求、提供条件通知を、データ通信により多数ユーザ接続サーバ20に送信する。
入力部12b,12cは、ユーザ1b,1cからの入力内容を取得し、制御部16b,16cに入力する。入力部12b,12cは、キーやマイクを用いることができる。ユーザ1b,1cは、参加希望者となった場合、入力部12b,12cに対して、対象ユーザを指定し、通信情報の提供の要求を入力する。例えば、ユーザ1b,1cは、ユーザIDを選択し、通信情報の提供の要求を入力するために定められたキーを押すことにより、通信情報の提供の要求を入力する。そして、ユーザ1b,1cは、通信中端末と相手端末との通信への参加を希望する場合、入力部12b,12cに対して、接続を希望する通信中ユーザを指定し、通信中端末との接続の要求を入力する。例えば、ユーザ1b,1cは、通信中ユーザのユーザIDを選択し、接続の要求を入力するために定められたキーを押すことにより、接続の要求を入力する。
ユーザ1b,1cは、多数ユーザ接続サーバ20から提供された通信情報を確認し、通信情報に基づいて通信中端末との接続を要求するか否かを決定できる。例えば、ユーザ1b,1cは、参加端末が備える通信手段と通信中の通信に使用している通信手段とが一致する場合、自身が属するグループのメンバ同士が通信を行っている場合、通信中ユーザや相手ユーザが通信したいユーザである場合などに、通信中端末との接続を要求すると決定し、接続の要求を入力部12b,12cに入力する。一方、ユーザ1b,1cは、参加端末が備える通信手段と通信中の通信に使用している通信手段とが一致しない場合、自身が属するグループのメンバ同士の通信ではない場合、通信中ユーザや相手ユーザが通信したいユーザではない場合などに、通信中端末との接続を要求しないと決定する。
又、ユーザ1b,1cは、通信中ユーザとなった場合に、参加端末との接続の可否の問い合わせに対して接続を承諾するときには、入力部12b,12cに対して接続の承諾を入力する。ユーザ1b,1cは、接続を拒否するときには、入力部12b,12cに対して接続の拒否を入力する。例えば、ユーザ1b,1cは、問い合わせの中にある選択肢の中から、接続の承諾や拒否を選択することにより、接続の承諾や拒否を入力する。ユーザ1b,1cは、多数ユーザ接続サーバ20からの問い合わせに含まれる参加希望者に関するユーザ情報を確認し、参加端末との接続を承諾するか拒否するかを判断できる。更に、ユーザ1b,1cは、詳細情報を確認したい場合には、参加希望者を指定して、詳細情報の提供の要求を入力部12b,12cに入力する。そして、ユーザ1b,1cは、多数ユーザ接続サーバ20から提供された詳細情報を確認し、参加端末との接続を承諾するか否かを判断できる。又、ユーザ1b,1cは、入力部12b,12cを用いて、ユーザID、ユーザ情報、提供条件などを入力する。
音声出力部13b,13cは、音声により情報を出力する。表示部14b,14cは、文字や画像により情報を表示する。音声出力部13b,13c、表示部14b,14cは、通信部11b,11cが受信した通信情報、問い合わせ、詳細情報、参加者通知、入力部12b,12cからの入力内容などを、制御部16b,16cから取得し、出力したり、表示したりする。記憶部15b,15cは、ユーザIDやユーザ情報などを記憶する。
制御部16b,16cは、移動機10b,10cを制御する。制御部16b,16cは、移動機が参加端末となったときに、通信制御装置に、通信情報の提供を要求する通信情報要求手段として機能する。制御部16b,16cは、通信情報提供要求を作成して通信部11b,11cに入力し、多数ユーザ接続サーバ20に送信するよう指示することにより、通信情報の提供を要求する。
制御部16b,16cは、ユーザ1b,1cの要求に従って通信情報の提供を要求する。制御部16b,16cは、入力部12b,12cから通信情報の提供の要求を取得すると、指定されたユーザIDを含む通信情報提供要求を作成して通信部11b,11cに入力する。又、制御部16b,16cは、参加希望者が属するグループのメンバや、予め定めた特定ユーザについて通信情報の提供を要求してもよい。この場合、制御部16b,16cは、記憶部15b,15cから、メンバや特定ユーザのユーザIDを取得し、取得したユーザIDを含む通信情報提供要求を作成して通信部11b,11cに入力する。制御部16b,16cは、複数の対象ユーザに関する通信情報の提供を要求してもよい。
更に、制御部16b,16cは、移動機が参加端末となったときに、通信制御装置に通信中端末との接続を要求する接続要求手段として機能する。制御部16b,16cは、通信中端末に対して発信するよう通信部11b,11cに指示することにより、通信中端末の通信中に、通信中端末との接続を要求する。この場合、制御部16b,16cは、交換機40を介して、多数ユーザ接続サーバ20に通信中端末との接続を要求することになる。あるいは、制御部16b,16cは、接続要求を作成して通信部11b,11cに入力し、多数ユーザ接続サーバ20に送信するよう指示することにより、通信中端末の通信中に、通信中端末との接続を要求する。このようにして、移動機10b,10cは、通信中の通信への参加を要求する。
制御部16b,16cは、通信情報に基づいたユーザ1b,1cの要求に従って、通信中端末との接続を要求する。制御部16b,16cは、入力部12b,12cから接続の要求を取得すると、指定された通信中ユーザのユーザIDに発信し、通信中端末に対して発信する。あるいは、制御部16b,16cは、指定された通信中ユーザのユーザIDを含む接続要求を作成して通信部11b,11cに入力する。
又、制御部16b,16cは、接続を要求するための要求基準と通信情報に従って、通信中端末との接続を要求してもよい。例えば、参加端末が備える通信手段と通信中の通信に使用している通信手段とが一致する場合、自身が属するグループのメンバ同士が通信を行っている場合、特定のユーザが通信中ユーザや相手ユーザである場合に、通信中端末との接続を要求するといった要求基準を定めることができる。要求基準は、記憶部15b,15cに格納しておく。制御部16b,16cは、記憶部15b,15cから要求基準を取得し、受信した通信情報と比較する。制御部16b,16cは、要求基準と通信情報が一致する場合、その通信中ユーザのユーザIDに発信し、通信中端末に対して発信する。あるいは、制御部16b,16cは、その通信中ユーザのユーザIDを含む接続要求を作成して通信部11b,11cに入力する。
又、制御部16b,16cは、移動機が通信中端末となったときに、参加端末との接続の可否の問い合わせに対して応答する。制御部16b,16cは、入力部12b,12cから接続の承諾や拒否を取得すると、承諾通知や拒否通知を作成して通信部11b,11cに入力し、多数ユーザ接続サーバ20に送信するよう指示することにより、問い合わせに対して応答する。制御部16b,16cは、問い合わせを受けた際に、入力部12b,12cから詳細情報の提供の要求を取得した場合には、参加希望者のユーザIDを含む詳細情報提供要求を作成して通信部11b,11cに入力し、多数ユーザ接続サーバ20に送信するよう指示する。
更に、制御部16b,16cは、入力部12b,12cや記憶部15b,15cから、ユーザ1b,1c自身のユーザID、ユーザ情報、提供条件を取得する。制御部16b,16cは、取得したユーザ1b,1cのユーザIDにユーザ1b,1cのユーザ情報を対応付けてユーザ情報登録要求を作成する。又、制御部16b,16cは、取得したユーザ1b,1cのユーザIDにユーザ1b,1cの提供条件を対応付けて提供条件通知を作成する。そして、制御部16b,16cは、作成したユーザ情報登録要求や提供条件通知を通信部16b,16cに入力し、多数ユーザ接続サーバ20に送信するよう指示する。
又、制御部16b,16cは、通信部11b,11cから、通信部11b,11cが受信した通信情報、参加端末との接続の可否の問い合わせ、詳細情報、参加者通知を取得し、音声出力部13b,13cや、表示部14b,14cに入力する。又、制御部16b,16cは、通信部11b,11cが受信した情報や、入力部12b,12cから取得した入力内容を記憶部15b,15cに格納する。
ネットワーク30は、無線アクセスネットワークやコアネットワークを含む。 交換機40は、インタフェース41と、記憶部42と、制御部43とを備える。インタフェース41は、移動機10a,10b,10cや多数ユーザ接続サーバ20と通信する。
インタフェース41は、参加端末から通信中端末に発信された呼を受信すると、制御部43に入力する。そして、インタフェース41は、制御部43から接続確認要求を取得し、多数ユーザ接続サーバ20に送信する。接続確認要求は、多数ユーザ接続サーバ20に、通信中端末との接続を要求する参加端末と、通信中端末とを接続してもよいか否かを確認するものであり、参加希望者と通信中ユーザのユーザIDを含む。
又、インタフェース41は、多数ユーザ接続サーバ20から着信や発呼、着信中止の指示を受信し、制御部43に入力する。インタフェース41は、制御部43の指示に従って、参加端末から発信された呼を通信中端末に着信させる。あるいは、インタフェース41は、制御部43の指示に従って、参加端末及び通信中端末に対する呼を発生させ、発生させた呼を参加端末及び通信中端末に着信させる。その後、インタフェース41は、参加端末と通信中端末と相手端末との通信を接続する。図1では、インタフェース41は、移動機10cからの呼を移動機10bに着信させる。図2では、インタフェース41は、移動機10cと移動機10bに対する呼を発生させ、発生させた呼を移動機10cと移動機10bに着信させる。その後、インタフェース41は、移動機10cと移動機10bと移動機10aとの間の音声通話を接続する。又、インタフェース41は、制御部43の着信中止の指示に従って、参加端末から発信された呼を通信中端末に着信させずに、破棄する。
更に、インタフェース41は、制御部43から状態通知を取得し、多数ユーザ接続サーバ20に送信する。状態通知は、ユーザの状態を多数ユーザ接続サーバ20に通知するものであり、ユーザのユーザIDに対応付けられたユーザの状態を含む。交換機40は、ユーザの状態としてユーザの位置、通信状態を通知する。記憶部42は、ユーザの状態をユーザIDに対応付けて記憶する。
制御部43は、交換機40を制御する。制御部43は、インタフェース41から、参加端末から通信中端末に発信された呼を取得する。制御部43は、取得した呼に含まれる参加希望者と通信中ユーザのユーザIDを含む接続確認要求を作成してインタフェース41に入力し、多数ユーザ接続サーバ20に送信するよう指示する。
又、制御部43は、インタフェース41から、多数ユーザ接続サーバ20からの着信や発呼、着信中止の指示を取得する。制御部43は、取得した指示に従って、インタフェース41に、参加端末からの呼を通信中端末に着信させるよう指示したり、参加端末からの呼を通信中端末に着信させずに破棄するよう指示したりする。あるいは、制御部43は、インタフェース41に、参加端末及び通信中端末に対する呼を発生させ、発生させた呼を参加端末及び通信中端末に着信させるよう指示する。着信を指示した後、制御部43は、インタフェース41が接続する参加端末と通信中端末と相手端末との通信を制御する。
更に、制御部43は、ユーザの状態を検出する。例えば、制御部43は、インタフェース41が移動機10a〜10cから受信する位置等録要求に基づいて、位置を検出する。制御部43は、インタフェース41が移動機10a〜10cから受信するローミングアウトの通知やローミングインの通知に基づいて、ローミング状態を検出する。制御部43は、インタフェース41が送信するページング要求(一斉呼び出し)に対する移動機10a〜10cからのページング応答の有無に基づいて、圏内か、圏外又は電源オフの状態かを検出する。制御部43は、インタフェース41が通信を接続しているか否か、接続している通信の内容などに基づいて、通話中、待ち受け中、圏外又は電源オフのいずれの状態か、通信中の場合には、その通信中ユーザや相手ユーザ、使用している通信手段などを検出する。
制御部43は、検出したユーザの状態をユーザIDに対応付けて状態通知を作成し、インタフェース41に入力する。制御部43は、状態の変化を検出した際に状態通知を作成してもよく、定期的に状態通知を作成してもよい。制御部43は、検出した状態と記憶部42に記憶された状態を比較することにより、状態の変化を検出できる。制御部43は、検出した状態を、ユーザIDに対応付けて記憶部42に格納する。
多数ユーザ接続サーバ20は、ユーザ情報データベース21と、公開メンバデータベース22と、ネットワークインタフェース23と、登録部24と、制御部25とを備える。ユーザ情報データベース21は、通信情報を含むユーザ情報を記憶し、通信情報を記憶する通信情報記憶手段として機能する。ユーザ情報データベース21は、ユーザIDに対応付けてユーザ情報を記憶する。
本実施形態では、ユーザ情報データベース21は、ユーザ情報として、ユーザの名前、メールアドレス、ユーザが属するグループ、移動機が備える通信手段の種類、ユーザの状態を記憶する。ユーザ情報データベース21は、音声通信が可能な通信手段を「音声通話」、動画像通信が可能な通信手段を「テレビ電話」と記憶し、移動機がその通信手段を備える場合には「OK」、移動機が備えない場合には「NG」と記憶する。尚、本実施形態では、全ての移動機10a〜10cが、データ通信が可能であるため、ユーザ情報データベース21は、データ通信が可能な通信手段を備えるか否かについては記憶していない。データ通信が可能な移動機と可能でない移動機が混在する通信システムでは、データ通信が可能な通信手段を備えるか否かについても記憶する。
更に、ユーザ情報データベース21は、ユーザの状態を、「通信状態」、「位置」、その他の状態を示す「その他」に分けて記憶する。ユーザ情報データベース21は、通信状態として、通信中、待ち受け中、圏外又は電源オフのいずれかを記憶する。ユーザ情報データベース21は、通信中の場合には使用している通信手段を含めて、「音声通話中」、「テレビ電話中」のように記憶する。更に、相手ユーザのユーザIDも記憶する。このようにして、ユーザ情報データベース21は通信情報を記憶する。又、圏外又は電源オフはまとめて「圏外」と記憶する。
例えば、ユーザ情報データベース21は、ユーザ1cのユーザID「090−1111−1111」に対応付けて、ユーザ1cのユーザ情報として、名前「ボブ」、メールアドレス「bob@docomo.ne.jp」、グループ「家族」、通信手段「音声通話OK、TV電話NG」、通信状態「待ち受け中」、位置「東京」、その他「暇」を記憶する。又、ユーザ情報データベース21は、ユーザ1bのユーザID「090−2222−2222」に対応付けて、ユーザ1bのユーザ情報として、ユーザ名「ナンシー」、メールアドレス「Nancy@docomo.ne.jp」、グループ「家族」、通信手段「音声通話OK、TV電話OK」、通信状態「音声通話中:090−3333−3333」、位置「横浜」、その他「帰宅中」を記憶する。更に、ユーザ情報データベース21は、ユーザ1aのユーザID「090−3333−3333」に対応付けて、ユーザ1aのユーザ情報として、ユーザ名「トム」、メールアドレス「Tom@docomo.ne.jp」、グループ「家族」、通信手段「音声通話OK、TV電話OK」、通信状態「音声通話中:090−2222−2222」、位置「横浜」、その他「食事中」を記憶する。
公開メンバデータベース22は、通信情報の提供条件を記憶する提供条件記憶手段である。公開メンバデータベース22は、通信情報の提供を許可するユーザやグループを指定した提供条件を記憶する。公開メンバデータベース22は、提供を許可する側のユーザのユーザIDに対応付けて、公開メンバであるユーザのユーザIDや、グループのグループ名やグループIDを記憶する。例えば、公開メンバデータベースは、ユーザ1bのユーザID「090−2222−2222」に対応付けて、ユーザ1bに関する通信情報の提供が許可されている公開メンバのユーザ1cのユーザID「090−1111−1111」と、ユーザ1aのユーザID「090−3333−3333」を記憶する。
ネットワークインタフェース23は、交換機40や、ネットワーク30を介して移動機10a〜10cと通信する。ネットワークインタフェース23は、参加端末から、通信情報提供要求、接続要求を受信し、制御部25に入力する。ネットワークインタフェース23は、通信中端末から、承諾通知や拒否通知、詳細情報提供要求を受信し、制御部25に入力する。ネットワークインタフェース23は、交換機40から接続確認要求を受信し、制御部25に入力する。
ネットワークインタフェース23は、通信情報、拒否結果通知を制御部25から取得し、参加端末に送信する。ネットワークインタフェース23は、参加端末との接続の可否の問い合わせ、詳細情報を制御部25から取得し、通信中端末に送信する。ネットワークインタフェース23は、参加者通知を制御部25から取得し、相手端末に送信する。ネットワークインタフェース23は、制御部25から、交換機40に対する着信や発呼、着信中止の指示を取得し、交換機40に送信する。
ネットワークインタフェース23は、移動機10a〜10cから、ユーザ情報登録要求、提供条件通知を受信し、登録部24に入力する。ネットワークインタフェース23は、交換機40から状態通知を受信し、登録部24に入力する。
図1、図2に示すように、ネットワークインタフェース23は、通信情報提供要求や接続要求を参加端末である移動機10cからデータ通信により受信し、通信情報を移動機10cにデータ通信により送信する。ネットワークインタフェース23は、参加端末との接続の可否の問い合わせや詳細情報を、通信中端末である移動機10bにデータ通信により送信し、承諾通知や拒否通知、詳細情報提供要求を移動機10bからデータ通信により受信する。ネットワークインタフェース23は、参加者通知を相手端末である移動機10aにデータ通信により送信する。又、図示を省略しているが、ネットワークインタフェース23は、移動機10a〜10cから、ユーザ情報登録要求、提供条件通知をデータ通信により受信する。
ネットワークインタフェース23は、通信情報、問い合わせ、詳細情報、参加者通知を、例えば、USSD(Unstructured Supplementary Services Data)として、移動機10a〜10cに送信する。これによれば、多数ユーザ接続サーバ20が移動機10a〜10cのメールアドレスを把握していない場合であっても移動機10a〜10cに情報を送信できる。ネットワークインタフェース23は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)により、通信情報、問い合わせ、詳細情報、参加者通知を移動機10a〜10cに送信してもよい。
登録部24は、ユーザ情報をユーザ情報データベース21に登録する。登録部24は、ネットワークインタフェース23からユーザ情報登録要求を取得する。登録部24は、ユーザ情報登録要求に含まれるユーザ情報を、ユーザ情報登録要求に含まれるユーザIDに対応付けてユーザ情報データベース21に格納する。又、登録部24は、提供条件を公開メンバデータベース22に登録する。登録部24は、ネットワークインタフェース23から提供条件通知を取得する。登録部24は、提供条件通知に含まれる公開メンバを、提供条件通知に含まれる提供を許可する側のユーザのユーザIDに対応付けて公開メンバデータベース22に格納する。
登録部24は、取得したユーザ情報登録要求や提供条件通知に含まれるユーザIDが既にユーザ情報データベース21や公開メンバデータベース22に登録されている場合には、新たなユーザ情報や公開メンバを、ユーザ情報データベース21や公開メンバデータベース22に格納して、更新する。登録部24は、更新が必要なユーザ情報だけを含むユーザ情報登録要求を取得した場合には、更新が必要なユーザ情報だけを新たにユーザ情報データベース21に格納して、更新すればよい。
又、登録部24は、ネットワークインタフェース23から、状態通知を取得する。登録部24は、状態通知に含まれる状態を、状態通知に含まれるユーザIDに対応付けてユーザ情報データベース21に格納する。このとき、登録部24は、例えば、移動機10a〜10cからのユーザ情報登録要求に基づく状態が格納されていない場合にだけ、交換機40からの状態通知に含まれる状態を格納するようにし、ユーザ1a〜1cからの状態の通知を優先するようにしてもよい。又、登録部24は、ユーザ情報登録要求に含まれる状態と、状態通知に含まれる状態の両方を並列して、ユーザ情報データベース21に格納してもよい。更に、登録部24は、状態通知に含まれるユーザIDがユーザ情報データベース21にない場合には、状態を格納しないようにし、交換機40からの状態通知は、既にユーザ情報を登録しているユーザのユーザ情報の更新にのみ利用するようにしてもよい。
制御部25は、多数ユーザ接続サーバ20を制御する。制御部25は、参加端末からの通信情報の提供の要求に基づいて、通信情報を参加端末に提供する通信情報提供手段として機能する。制御部25は、参加希望者に基づいて通信情報の提供を制限する。制御部25は、ネットワークインタフェース23から通信情報提供要求を取得する。制御部25は、取得した通信情報提供要求に含まれる対象ユーザのユーザIDに基づいて公開メンバデータベース22を検索し、対象ユーザの提供条件を確認する。
具体的には、制御部25は、まず、通信情報提供要求として、参加希望者であるユーザ1cのユーザID「090−1111−1111」と、対象ユーザであるユーザ1bのユーザID「090−2222−2222」と、他の対象ユーザであるユーザA及びユーザCのユーザIDを含む通信情報提供要求を、ネットワークインタフェース23から取得する。制御部25は、図1、図2に示すように、公開メンバデータベース22において、ユーザ1bのユーザID「090−2222−2222」に対応付けて登録されている公開メンバを確認する。制御部25は、ユーザ1cのユーザID「090−1111−1111」が公開メンバに含まれているため、ユーザ1cは、ユーザ1bに関する通信情報の提供が許可されていることを確認する。制御部25は、同様に、ユーザA及びユーザCのユーザIDに対応付けられている公開メンバを確認する。その結果、制御部25は、ユーザ1cは、ユーザAに関する通信情報の提供は許可されているが、ユーザCに関する通信情報の提供は許可されていないことを確認したとする。
制御部25は、参加希望者に対して通信情報の提供を許可している対象ユーザのユーザIDに基づいてユーザ情報データベース21を検索し、ユーザ情報データベース21から対象ユーザに関する通信情報を取得する。そして、制御部25は、取得した通信情報をネットワークインタフェース23に入力し、通信情報提供要求に含まれる参加希望者のユーザIDである電話番号を用いて参加端末に送信するよう指示することにより、通信情報を参加端末に提供する。尚、制御部25は、参加希望者のユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベース21から参加端末のメールアドレスを取得し、ネットワークインタフェース23にメールアドレスを用いて参加端末に通信情報を送信するよう指示してもよい。制御部25は、このようにして、参加希望者に基づいて通信情報の提供を制限する。そのため、多数ユーザ接続サーバ20は、対象ユーザが自身に関する通信情報の提供を希望しない参加希望者のような、通信情報の提供が許可されていない参加希望者への通信情報の提供を防止できる。
具体的には、制御部25は、ユーザ1cに対して通信情報の提供を許可しているユーザ1bのユーザID「090−2222−2222」に対応付けて登録されている通信情報を、ユーザ情報データベース21から取得する。制御部25は、まず、ユーザ1bの名前「ナンシー」、グループ「家族」、通信状態「音声通話中:090−3333−3333」を取得する。制御部25は、通信状態に含まれる相手ユーザのユーザID「090−3333−3333」に基づいて、相手ユーザの名前「トム」、グループ「家族」をユーザ情報データベース21から取得する。制御部25は、ユーザAに関する通信情報も同様にして取得する。
制御部25は、取得した通信情報に基づいて、複数の通信に関する通信情報を含む会話リストを作成し、ネットワークインタフェース23に入力する。その結果、制御部25は、図3に示すようなユーザ1bに関する通信情報として、通信中ユーザであるユーザ1bの名前「ナンシー」、使用している通信手段を示す「音声通話中」、相手ユーザの名前「トム」、通信中ユーザ及び相手ユーザが属するグループ「家族」を、ユーザAに関する通信情報として、通信中ユーザであるユーザAの名前「Aさん」、使用している通信手段を示す「TV電話中」、相手ユーザの名前「Bさん」、通信中ユーザ及び相手ユーザが属するグループ「友達」を含む会話リストを移動機10cに提供できる。そして、会話リストが表示部14cに表示される。このように、制御部25は、ユーザ1cに通信情報の提供を許可していないユーザCに関する通信情報は、移動機10cに提供しない。又、制御部25は、複数の通信に関する通信情報を提供でき、移動機10cは、複数の通信に関する通信情報を取得することができる。
尚、対象ユーザが通信中でない場合には、制御部25は、通信情報提供要求に対する応答として、対象ユーザの通信状態を参加端末に提供する。制御部25が、ユーザ情報データベース21から対象ユーザの通信状態を取得してネットワークインタフェース23に入力し、ネットワークインタフェース23が通信状態を参加端末に送信する。
更に、制御部25は、参加端末による通信中端末との接続の要求に基づいて、通信中端末と参加端末との接続を制御する接続制御手段として機能する。制御部25は、接続の要求に基づいて参加端末との接続の可否を通信中端末に問い合わせ、その問い合わせに対する通信中端末からの応答に基づいて接続を制御する。更に、制御部25は、問い合わせを行う際に参加希望者に関するユーザ情報を通信中端末に提供する。
参加端末が通信中端末に対して発信することにより、通信中端末との接続を要求する場合には、制御部25は、交換機40から送信される参加希望者と通信中ユーザのユーザIDを含む接続確認要求を、ネットワークインタフェース23から取得する。制御部25は、参加端末が接続要求を送信することにより、通信中端末との接続を要求する場合には、参加端末から送信される参加希望者と通信中ユーザのユーザIDを含む接続要求を、ネットワークインタフェース23から取得する。
制御部25は、まず、取得した接続確認要求、接続要求に基づいて、通信中端末に対する参加端末との接続の可否の問い合わせを作成する。制御部25は、接続確認要求や接続要求に含まれる参加希望者のユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベース21から、問い合わせる際に提供する参加希望者に関するユーザ情報を取得する。制御部25は、例えば、参加希望者の名前、参加希望者が属するグループ、参加端末が備える通信手段の種類などを取得する。制御部25は、取得した参加希望者に関するユーザ情報を含み、参加端末との接続の可否を問い合わせる問い合わせを作成する。制御部25は、テキストデータや画像データ、音声データによって構成され、文字や画像、音により問い合わせを行うものを作成することが好ましい。制御部25は、作成した問い合わせをネットワークインタフェース23に入力し、接続確認要求や接続要求に含まれる通信中ユーザのユーザIDである電話番号を用いて通信中端末に送信するよう指示する。尚、制御部25は、通信中ユーザのユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベース21から通信中ユーザのメールアドレスを取得し、ネットワークインタフェース23にメールアドレスを用いて通信中端末に問い合わせを送信するよう指示してもよい。
次に、制御部25は、通信中端末から詳細情報提供要求があった場合には、詳細情報提供要求に基づいて詳細情報を通信中端末に提供する。制御部25は、ネットワークインタフェース23から詳細情報提供要求を取得する。制御部25は、取得した詳細情報提供要求に含まれる参加希望者のユーザIDに基づいてユーザ情報データベース21を検索し、ユーザ情報データベース21から詳細情報を取得する。制御部25は、例えば、参加希望者の名前、参加端末が備える通信手段の種類、参加希望者の状態などを取得する。制御部25は、取得した詳細情報をネットワークインタフェース23に入力し、通信中端末に送信するよう指示することにより、詳細情報を通信中端末に提供する。このように、制御部25は、参加希望者に関するユーザ情報を提供して問い合わせを行ったり、詳細情報を提供したりすることにより、参加希望者に関する情報を通信中端末に提供する。
そして、制御部25は、通信中端末から送信される承諾通知や拒否通知を、ネットワークインタフェース23から取得する。制御部25は、承諾通知を取得した場合、参加端末が通信中端末に対して発信することにより通信中端末との接続を要求しているときには、参加端末から発信された呼を通信中端末に着信させるように交換機40に指示する。又、参加端末が接続要求を送信することにより通信中端末との接続を要求しているときには、参加端末及び通信中端末に対する呼を発生させ、発生させた呼を参加端末及び通信中端末に着信させるように交換機40に指示する。
一方、制御部25は、拒否通知を取得した場合、参加端末が通信中端末に対して発信することにより通信中端末との接続を要求しているときには、参加端末から発信された呼の着信の中止を交換機40に指示する。制御部25は、着信や発呼の指示、着信中止の指示を作成してネットワークインタフェース23に入力し、交換機40に送信するよう指示することにより、交換機40に対して着信や発呼、着信中止を指示する。このようにして、制御部25は、参加端末と通信中端末との接続を制御する。
更に、制御部25は、承諾通知を取得した場合には、相手端末に対する参加者通知を作成してネットワークインタフェース23に入力し、相手端末に送信するよう指示する。又、制御部25は、拒否通知を取得した場合には、参加端末に対する拒否結果通知を作成してネットワークインタフェース23に入力し、参加端末に送信するよう指示する。
具体的には、図1、図2に示すように、移動機10cが、移動機10aと音声通話中の移動機10bとの接続を要求し、音声通話への参加を要求する。図1の場合、制御部25は、交換機40からの接続確認要求を、ネットワークインタフェース23から取得する。図2の場合、制御部25は、移動機10cからの接続要求を、ネットワークインタフェース23から取得する。接続確認要求、接続要求には、参加希望者であるユーザ1cのユーザID「090−1111−1111」と、通信中ユーザであるユーザ1bのユーザID「090−2222−2222」が含まれる。制御部25は、ユーザ1cのユーザID「090−1111−1111」に基づいて、ユーザ情報データベース21から、参加希望者であるユーザ1cの名前「ボブ」、グループ「家族」、参加端末である移動機10cが備える通信手段「音声通話」を取得する。
そして、制御部25は、参加端末と接続して、多数ユーザによる通信を行うことを要求する「多数ユーザ通信要求」を問い合わせとして作成し、ネットワークインタフェース23に入力する。多数ユーザ通信要求は、参加希望者に関するユーザ情報として、ユーザ1cの名前「ボブ」、グループ「家族」、移動機10cが備える通信手段「音声通話」を含む。更に、多数ユーザ通信要求は、詳細情報を要求する「情報を見る」、参加端末との接続を承諾して承諾通知を送信する「接続する」、参加端末との接続を拒否して拒否通知を送信する「お断りする」という3つの選択肢を含む。その結果、制御部25は、図4(a)に示すような通信手段「音声通話」、参加希望者「ボブ」、グループ「家族」、3つの選択肢「情報を見る」、「接続する」、「お断りする」を含む多数ユーザ通信要求を移動機10bに提供できる。そして、多数ユーザ通信要求が表示部14bに表示される。
ユーザ1bが「情報を見る」を選択すると、制御部25は、通信中ユーザであるユーザ1bのユーザIDと、参加希望者であるユーザ1cのユーザIDを含む詳細情報提供要求を、ネットワークインタフェース23から取得する。制御部25は、ユーザ1cのユーザID「090−1111−1111」に対応付けて登録されているユーザ1cの名前「ボブ」、通信状態「待ち受け中」、位置「東京」、その他の状態「暇」、通信手段の種類「音声電話OK、TV電話NG」をユーザ情報データベース21から取得する。制御部25は、取得したユーザ情報に基づいて詳細情報を作成し、ネットワークインタフェース23に入力する。その結果、制御部25は、図4(b)に示すようなユーザ1cの名前「ボブ」、通信状態「待ち受け中」、位置「東京」、その他の状態「暇」、通信手段の種類「音声電話OK、TV電話NG」を含む詳細情報を移動機10bに提供できる。そして、詳細情報が表示部14bに表示される。
ユーザ1cのユーザ情報を確認したユーザ1bが、参加を承諾することを決定し、「接続する」を選択すると、制御部25は承諾通知をネットワークインタフェース23から取得する。制御部25は、図1に示すように、移動機10cが移動機10bに対して発信することにより移動機10bとの接続を要求している場合には、移動機10cから発信された呼を移動機10bに着信させるように交換機40に指示する。その結果、移動機10cからの呼が移動機10bに着信し、移動機10cと移動機10bとが接続する。そして、移動機10cは、移動機10aと移動機10bとの音声通話に参加する。
制御部25は、図2に示すように、移動機10cが多数ユーザ接続サーバ20に対して接続要求を送信することにより移動機10bとの接続を要求している場合には、移動機10c及び移動機10bに対する呼を発生させ、発生させた呼を移動機10c及び移動機10bに着信させるように交換機40に指示する。その結果、移動機10c及び移動機10bに呼が着信し、移動機10cと移動機10bとが接続する。そして、移動機10cは、移動機10aと移動機10bとの音声通話に参加する。又、制御部25は、交換機40に対する指示の前に、移動機10aに参加者を通知する。制御部25は、ユーザ1cの名前など、参加希望者のユーザ情報を含む参加者通知を作成し、ネットワークインタフェース23に入力する。
〔通信方法〕
図1に示したように、通信中端末への発信により通信中端末との接続を要求する場合の通信方法の手順を、図5を用いて説明する。まず、移動機10bが、移動機10aに対して発信する(S101)。交換機40は、移動機10bからの呼を移動機10aに着信させる(S102)。移動機10aが、着信に対して応答する(S103)。交換機40は、移動機10aからの応答を受けて、移動機10bと移動機10aとの二者間の通話の制御を開始し(S104)、移動機10bと移動機10aが音声通話を開始する(S105)。ステップ(S104)以降、点線で囲まれるように、ステップ(S104)〜(S118)は、移動機10bと移動機10aとの音声通話中に行われる。
移動機10cは、ユーザ1bを含む対象ユーザに関する通信情報の提供を要求する通信情報提供要求を、多数ユーザ接続サーバ20に送信する(S106)。多数ユーザ接続サーバ20は、対象ユーザに関する通信情報の提供が許可されている公開メンバを確認する(S107)。多数ユーザ接続サーバ20は、ユーザ1cを公開メンバに含む対象ユーザに関する通信情報を移動機10cに提供する(S108)。移動機10cは、提供された通信情報を確認し、移動機10bが移動機10aと行っている音声通話への参加を要求することを決定する(S109)。
移動機10cは、移動機10bに対して発信することにより、移動機10bとの接続を要求する(S110)。交換機40は、移動機10cと移動機10bとを接続してもよいか否かを確認する接続確認要求を、多数ユーザ接続サーバ20に送信する(S111)。多数ユーザ接続サーバ20は、ユーザ1cに関するユーザ情報を含み、移動機10cとの接続の可否を問い合わせる問い合わせを、例えばHTTPにより移動機10bに送信する(S112)。移動機10bは、問い合わせに含まれるユーザ情報を確認し、移動機10bと移動機10aとの音声通話への移動機10cの参加を承諾することを決定する(S113)。尚、ステップ(S112)の後、移動機10bは、多数ユーザ接続サーバ20に対して詳細情報を要求してもよい。この場合、多数ユーザ接続サーバ20は、詳細情報を移動機10bに提供する。そして、移動機10bは、提供された詳細情報を確認し、移動機10cの参加を承諾することを決定してもよい。
移動機10bは、承諾通知を多数ユーザ接続サーバ20に送信する(S114)。多数ユーザ接続サーバ20は、移動機10aにユーザ1cが音声通話に参加することを通知する参加者通知を送信する(S115)。更に、多数ユーザ接続サーバ20は、交換機40に移動機10cからの呼を移動機10bに着信させるよう指示する(S116)。交換機40は、移動機10cからの呼を移動機10bに着信させる(S117)。そして、移動機10bが、着信に対して応答する(S118)。交換機40は、移動機10bからの応答を受けて、移動機10cと移動機10bと移動機10aとの三者間の通話の制御を開始し(S119)、移動機10cが移動機10bと移動機10aとの音声通話に参加する(S120)。以降、一点鎖線で囲まれるように、移動機10cと移動機10bと移動機10aとの音声通話が行われる。
次に、図2に示したように、多数ユーザ接続サーバ20に接続要求を送信することにより、通信中端末との接続を要求する場合の通信方法の手順を、図6を用いて説明する。ステップ(S101)〜(S109)と同様のステップ(S201)〜(S209)が行われる。尚、ステップ(S204)以降、点線で囲まれるように、ステップ(S204)〜(S220)は、移動機10bと移動機10aとの音声通話中に行われる。
ステップ(S209)に続き、移動機10cは、移動機10bとの接続を要求する接続要求を、例えばHTTPにより多数ユーザ接続サーバ20に送信する(S210)。次に、ステップ(S112)〜(S115)と同様のステップ(S211)〜(S214)が行われる。更に、多数ユーザ接続サーバ20は、交換機40に、移動機10c及び移動機10bに対する呼を発生させ、発生させた呼を移動機10c及び移動機10bに着信させるよう指示する(S215)。
交換機40は、移動機10c及び移動機10bに対する呼を発生させる(S216)。交換機40は、発生させた呼を移動機10c,10bに着信させる(S217)、(S218)。そして、移動機10c,10bが、着信に対して応答する(S219)、(S220)。交換機40は、移動機10c,10bからの応答を受けて、移動機10cと移動機10bと移動機10aとの三者間の通話の制御を開始し(S221)、移動機10cは移動機10bと移動機10aとの音声通話に参加する(S222)。以降、一点鎖線で囲まれるように、移動機10cと移動機10bと移動機10aとの音声通話が行われる。
〔効果〕
このような通信システム1、多数ユーザ接続サーバ20及び通信方法によれば、多数ユーザ接続サーバ20が、通信情報を記憶しておき、参加端末である移動機10cに通信情報を提供できる。更に、多数ユーザ接続サーバ20は、移動機10cによる通信中端末である移動機10bとの接続の要求に基づいて、移動機10cと移動機10bとの接続を制御できる。そのため、ユーザ1cは、現在行われている通信に参加したい場合に、移動機10bと移動機10aとの音声通話のような通信中の通信に関する通信情報を取得して確認できる。そして、ユーザ1cは、取得した通信情報に基づいて、通信中の移動機10b,10a間の通信への参加を要求し、参加することができる。例えば、ユーザ自身の家族同士が音声通話中であることが分かれば、その音声通話に参加したい場合に、ユーザは家族同士が音声通話をしているという通信情報を取得して、その音声通話への参加を要求することができる。
更に、制御部25は、接続の要求に基づいて移動機10cとの接続の可否を移動機10bに問い合わせ、その問い合わせに対する移動機10bからの応答に基づいて接続を制御する。そのため、多数ユーザ接続サーバ20は、ユーザ1bの意向も考慮して、移動機10cと移動機10bとの接続を制御できる。しかも、制御部25は、問い合わせを行うときに参加希望者に関するユーザ情報を移動機10bに提供する。そのため、参加を要求されたユーザ1bは、ユーザ情報を確認した上で移動機10cとの接続の可否について判断でき、参加を承諾したり、拒否したりすることができる。
又、移動機10cによれば、多数ユーザ接続サーバ20に通信情報の提供を要求して、ユーザ1bに関する通信情報を受信できる。そして、移動機10cは、通信中の移動機10bとの接続を多数ユーザ接続サーバ20に要求できる。そのため、ユーザ1cは、現在行われている通信に参加したい場合に、移動機10bと移動機10aとの音声通話のような通信中の通信に関する通信情報を取得して確認できる。そして、ユーザ1cは、取得した通信情報に基づいて、通信中の移動機10b,10a間の通信への参加を要求し、参加することができる。
〔変更例〕
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、多数ユーザ接続サーバ20は、公開メンバデータベース22に替えて、図7に示す通信データベース26を備えるようにしてもよい。通信データベース26は、通信情報記憶手段及び提供条件記憶手段として機能する。通信データベース26は、通信中の通信毎に通信情報やその提供条件を記憶する。通信データベース26は、通信中ユーザ及び相手ユーザが属するグループIDに対応付けて、通信情報と提供条件を記憶する。通信データベース26は、通信毎に通信情報や提供条件を記憶するため、1つのグループが複数の通信を行っている場合には、1つのグループIDに対応する通信情報と提供条件を複数記憶する。
通信データベース26は、通信情報として、通信中ユーザや相手ユーザが属するグループ名と、通信中メンバである通信中ユーザや相手ユーザと、使用している通信手段を記憶する。通信データベース26は、通信メンバを示す情報として、通信中ユーザ及び相手ユーザのユーザIDと、その名前を記憶する。通信データベース26は、通信を開始したユーザを通信中ユーザとして最初のレコードに記憶する。通信データベース26は、通信中の通信毎に定められた通信情報の提供条件を記憶する。通信データベース26は、提供条件として、その通信の通信情報の提供を許可するか否かを示す公開の可否を記憶する。通信データベース26は、提供を許可する場合を「公開」、提供を許可しない場合を「非公開」として記憶する。
例えば、通信データベース26は、グループID「090―1234−5678」に対応付けて、通信中のグループのグループ名「家族」、通信中ユーザであるユーザ1bのユーザID「090−2222−2222」と名前「ナンシー」、相手ユーザであるユーザ1aのユーザID「090−3333−3333」と名前「トム」、使用している通信手段「音声通話中」、提供条件として「公開」を記憶する。又、通信データベース26は、グループID「090―2234−5678」に対応付けて、通信中のグループのグループ名「友達」、通信中ユーザであるユーザAのユーザID「090−4444−4444」と名前「Aさん」、相手ユーザであるユーザBのユーザID「090−5555−5555」と名前「Bさん」、使用している通信手段「TV電話中」、提供条件として「公開」を記憶する。更に、通信データベース26は、グループID「090―3234−5678」に対応付けて、通信中のグループのグループ名「仕事」、通信中ユーザであるユーザCのユーザID「090−6666−6666」と名前「Cさん」、相手ユーザであるユーザDのユーザID「090−7777−7777」と名前「Dさん」、使用している通信手段「データ通信中」、提供条件として「非公開」を記憶する。
通信中端末である移動機10bは、通信を開始する際に、その通信情報と提供条件の登録要求を多数ユーザ接続サーバ20に送信する。具体的には、制御部16bが、通信中ユーザ及び相手ユーザが属するグループのグループIDに対応付けて、グループ名、通信中ユーザ及び相手ユーザのユーザIDとその名前、使用している通信手段、公開の可否を含む登録要求を作成し、通信部11bが多数ユーザ接続サーバ20に送信する。そして、多数ユーザ接続サーバ20の登録部24が、通信中端末から通信が開始される際に送信される登録要求に含まれる通信情報と提供条件を、通信データベース26に登録する。
参加端末である移動機10cは、グループIDを指定して通信情報の提供を、多数ユーザ接続サーバ20に要求する。具体的には、制御部16cが、参加希望者のユーザIDと、通信情報を知りたいグループのグループIDを含む通信情報提供要求を作成し、通信部11cが多数ユーザ接続サーバ20に送信する。多数ユーザ接続サーバ20の制御部25は、まず、参加端末からの通信情報提供要求に含まれるグループIDに基づいて、通信データベース26を検索し、そのグループIDに対応付けられている通信情報の提供条件を確認する。
例えば、通信情報提供要求が、グループID「090−1234−5678」、「090−2234−5678」、「090−3234−5678」を含む場合、制御部25は、通信データベース26において、グループID「090−1234−5678」、「090−2234−5678」、「090−3234−5678」に対応付けて登録されている通信情報の公開の可否を確認する。制御部25は、グループID「090−1234−5678」、「090−2234−5678」の通信情報は「公開」、グループID「090−3234−5678」の通信情報は「非公開」に設定されていることを確認する。
制御部25は、通信データベース26から、公開の可否が「公開」であり、通信情報の提供が許可されているグループIDに対応付けられている通信情報を取得する。そして、制御部25は、取得した通信情報をネットワークインタフェース23に入力し、参加端末に送信するよう指示することにより、通信情報を参加端末に提供する。制御部25は、このようにして、通信中の通信毎に定められた通信情報の提供条件に基づいて通信情報の提供を制限する。そのため、多数ユーザ接続サーバ20は、ユーザが、通信毎にその通信情報の提供の可否を設定したい場合に対応できる。
具体的には、制御部25は、通信データベース26から、公開の可否が「公開」に設定されているグループID「090−1234−5678」に基づいて、グループ名「家族」、通信メンバ「ナンシー、トム」、通信中ユーザのユーザID「090−2222−2222」、通信状態「音声通話中」を、グループID「090−2234−5678」に基づいて、グループ名「友達」、通信メンバ「Aさん、Bさん」、通信中ユーザのユーザID「090−4444−4444」、通信状態「TV電話中」を取得する。制御部25は、取得した通信情報に基づいて会話リストを作成し、ネットワークインタフェース23に入力する。
その結果、制御部25は、グループID「090−1234−5678」に関する通信情報として、図8に示すような通信中のグループ名「家族」、使用している通信手段「音声通話中」、通信メンバ「ナンシー、トム」、通信中ユーザのユーザID「090−2222−2222」を、グループID「090−2234−5678」に関する通信情報として、通信中のグループ名「友達」、使用している通信手段「TV電話中」、通信メンバ「Aさん、Bさん」、通信中ユーザのユーザID「090−4444−4444」を含む会話リストを移動機10cに提供できる。そして、会話リストが表示部14cに表示される。その後、移動機10cは、会話リストに含まれる通信中ユーザのユーザIDを用いて、上記実施形態と同様にして通信中端末との接続を要求する。このように、通信を開始したユーザを通信中ユーザとすることにより、通信を開始したユーザに対して接続を要求できる。
又、ユーザ情報データベース21、公開メンバデータベース22、登録部24、制御部25、通信データベース26は、別々のサーバに設けてもよい。更に、上記実施の形態では、移動機10a,10b間で音声通話を行っているときに、移動機10cが音声通話に参加する場合を例にとって説明したが、本発明は、移動機10cが、動画像通信を用いたテレビ電話による通話や、データ通信を用いたチャットなどの通信に、参加する場合にも適用できる。又、移動機は、参加の要求を一切受け付けないように設定することもできる。多数ユーザ接続サーバ20は、参加の要求を一切受け付けないと設定した移動機に対する接続確認要求や接続要求を受信した場合には、接続できないことを参加端末に通知する。
更に、多数ユーザ接続サーバ20は、通信中端末に問い合わせをすることなく、強制的に参加端末と通信中端末とを接続してもよい。又、参加端末は、複数の通信中端末との接続を要求し、複数の通信に参加してもよい。尚、多数ユーザ接続サーバ20は、複数の通信中端末との接続の要求を受けた場合に、交換機40や多数ユーザ接続サーバ20の処理能力や許容トラフィック量などにより制限される通信システム1が接続可能なユーザ数などに基づいて、一部の通信中端末との接続を拒否してもよい。