JP2005161383A - 強度および耐ろう侵食性に優れた熱交換器用ブレージングシートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Mn:0.1〜2.5%、Zr:0.05〜0.3%を含有し、さらにSi:0.1〜1.2%、Mg:0.1〜2.0%、Ni:0.05〜1.2%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成の芯材の片面にAl−Zn系またはAl−Zn−Mg系犠牲材を重ね合わせ、前記芯材の他方の面にFe:0.3〜2.0%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成の中間材およびAl−Si系ろう材をアルミニウム合金中間材が、犠牲材−芯材−中間材−ろう材の順に重ねた合せ材を作製し、この合せ材を430〜530℃の温度で均熱処理を行った後、これを熱間圧延し、その後少なくとも1回の中間焼鈍を行い、最後の中間焼鈍から最終板厚までの圧下率を5越え〜15%未満の低圧延率で冷間圧延する。
【選択図】 なし
Description
前記チューブ、ヘッダータンク、サイドサポートなどはブレージングシートで作製され、ブレージングシートの一例として、Al−Mn−Cu系合金からなる芯材の片面または両面に、犠牲陽極効果を有するAl−Mn系合金からなる中間材を被覆し、さらに両面をAl−Siろう材(JIS4343,4045で規定される、例えば、Al−7〜11質量%Si合金)またはAl−Si−Mg系ろう材(JIS4004,4N04、4104で規定される、例えば、Al−9〜13質量%Si−0.2〜2質量%Mg合金)からなるろう材層をクラッドしたブレージングシートが知られている。このブレージングシートは芯材のマトリックスが再結晶組織を有し、犠牲陽極効果を有する中間材のマトリックスが加工組織を有するとされている(特許文献1参照)。フィンは、ブレージングシートからなるチューブ材のろう材層をフィン材に接触させて組み立て、これを真空または不活性ガス雰囲気の加熱炉に装入し600℃前後の温度に加熱することによりろう付けし、フィンをチューブに接合して熱交換器が作製される。
(イ)質量%で(以下、%は質量%を示す)、Mn:0.1〜2.5%、Zr:0.05〜0.3%を含有し、さらに、Si:0.1〜1.2%、Mg:0.1〜2.0%、Ni:0.05〜1.2%の内の1種または2種を含有し、さらに必要に応じてCu:0.05〜1.0%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金芯材と、Fe:0.3〜2.0%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金中間材と、ろう材と、犠牲材とを用意し、これらを犠牲材−アルミニウム合金芯材−アルミニウム合金中間材−ろう材の順に重ねた合せ材を作製し、この合せ材を430〜530℃の温度で均熱処理を行った後、これを熱間圧延し、その後少なくとも1回の中間焼鈍を行い、最後の中間焼鈍から最終板厚までの圧下率を5越え〜15%未満(好ましくは、5越え〜10%)の低圧延率で冷間圧延すると、犠牲材層−アルミニウム合金芯材層−アルミニウム合金中間材層−ろう材層の順に積層したブレージングシートが形成され、このブレージングシートでチューブ、ヘッダータンク、サイドサポートに加工し、フィン材と共にろう付けして熱交換器を作製すると、
犠牲材層およびMn:0.1〜2.5%、Zr:0.05〜0.3%を含む圧延組織を有するアルミニウム合金芯材層は再結晶し難い特性を有するのでろう付け中に圧延組織から再結晶組織に至らず、再結晶組織に至る途中の隣接する結晶粒に関して各々の結晶方位の差が20°未満でありかつ各々の結晶粒径が20μm未満の結晶粒が50%以上存在する未再結晶組織に変化し、
一方、Fe:0.3〜2.0%を含む圧延組織を有するアルミニウム合金中間材層は再結晶しやすい特性を有するのでろう付け中に圧延組織から隣接する結晶粒に関して各々の結晶方位の差が20°以上でありかつ各々の結晶粒径が20μm以上の結晶粒が50%以上存在する再結晶組織に変化し、
未再結晶組織を有する犠牲材層およびアルミニウム合金芯材層は強度が格段に優れており、一方、アルミニウム合金中間材層は再結晶組織を有するところから溶融ろう材の侵食経路が少なくなるためにろう材による侵食を阻止する作用効果を奏し、したがって、強度および耐ろう侵食性に優れたブレージングシートで構成された熱交換器が得られる、
(ロ)この場合、犠牲材層の表面にさらにろう材層を形成すると、未再結晶組織を有する犠牲材層がろう侵食されて犠牲材の作用を弱めるので好ましくない、などの研究結果が得られたのである。
(1)Mn:0.1〜2.5%、Zr:0.05〜0.3%を含有し、さらに、Si:0.1〜1.2%、Mg:0.1〜2.0%、Ni:0.05〜1.2%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金芯材の片面にAl−Zn系またはAl−Zn−Mg系犠牲材を重ね合わせ、前記アルミニウム合金芯材の他方の面にFe:0.3〜2.0%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金中間材およびAl−Si系ろう材をアルミニウム合金中間材がアルミニウム合金芯材とろう材に挟まれるように犠牲材−アルミニウム合金芯材−アルミニウム合金中間材−ろう材の順に重ねた合せ材を作製し、この合せ材を430〜530℃の温度で均熱処理を行った後、これを熱間圧延し、その後少なくとも1回の中間焼鈍を行い、最後の中間焼鈍から最終板厚までの圧下率を5越え〜15%未満の低圧延率で冷間圧延する強度および耐ろう侵食性に優れた熱交換器用ブレージングシートの製造方法、
(2)Mn:0.1〜2.5%、Zr:0.05〜0.3%を含有し、さらに、Si:0.1〜1.2%、Mg:0.1〜2.0%、Ni:0.05〜1.2%の内の1種または2種を含有し、さらにCu:0.05〜1.0%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金芯材の片面にAl−Zn系またはAl−Zn−Mg系犠牲材を重ね合わせ、前記アルミニウム合金芯材の他方の面にFe:0.3〜2.0%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金中間材およびAl−Si系ろう材をアルミニウム合金中間材がアルミニウム合金芯材とろう材に挟まれるように犠牲材−アルミニウム合金芯材−アルミニウム合金中間材−ろう材の順に重ねた合せ材を作製し、この合せ材を430〜530℃の温度で均熱処理を行った後、これを熱間圧延し、その後少なくとも1回の中間焼鈍を行い、最後の中間焼鈍から最終板厚までの圧下率を5越え〜15%未満の低圧延率で冷間圧延する強度および耐ろう侵食性に優れた熱交換器用ブレージングシートの製造方法、に特徴を有するものである。
(3)Mn:0.1〜2.5%、Zr:0.05〜0.3%、を含有し、さらに、Si:0.1〜1.2%、Mg:0.1〜2.0%、Ni:0.05〜1.2%の内の1種または2種を含有し、さらに必要に応じてCu:0.05〜1.0%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金芯材の片面にAl−Zn系またはAl−Zn−Mg系犠牲材を重ね合わせ、前記アルミニウム合金芯材の他方の面にFe:0.3〜2.0%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金中間材およびAl−Si系ろう材をアルミニウム合金中間材がアルミニウム合金芯材とろう材に挟まれるように犠牲材−アルミニウム合金芯材−アルミニウム合金中間材−ろう材の順に重ねた合せ材を作製し、この合せ材を430〜530℃の温度で均熱処理を行った後、これを熱間圧延し、その後少なくとも1回の中間焼鈍を行い、最後の中間焼鈍から最終板厚までの圧下率を5越え〜15%未満の低圧延率で冷間圧延する強度および耐ろう侵食性に優れた熱交換器用ブレージングシートの製造方法であって、前記アルミニウム合金中間材の不可避不純物として含まれるZrの含有量を0.03%未満に規制した組成のアルミニウム合金からなる強度および耐ろう侵食性に優れた熱交換器用ブレージングシートの製造方法、に特徴を有するものである。
したがって、この発明は、
(4)前記(1)、(2)または(3)記載の製造方法で作製した強度および耐ろう侵食性に優れた熱交換器用ブレージングシート、
(5)前記(4)記載のブレージングシートがろう付けされてなる熱交換器であって、前記熱交換器を構成するブレージングシートは、隣接する結晶粒に関して各々の結晶方位の差が20°未満でありかつ各々の結晶粒径が20μm未満の結晶粒が50%以上存在する未再結晶組織からなるAl−Zn系またはAl−Zn−Mg系犠牲材層と、隣接する結晶粒に関して各々の結晶方位の差が20°未満でありかつ各々の結晶粒径が20μm未満の結晶粒が50%以上存在する未再結晶組織からなるアルミニウム合金芯材層と、隣接する結晶粒に関して各々の結晶方位の差が20°以上でありかつ各々の結晶粒径が20μm以上の結晶粒が50%以上存在する再結晶組織からなるアルミニウム合金中間材層と、Al−Si系ろう材層とからなり、かつ犠牲材層−アルミニウム合金芯材層−アルミニウム合金中間材層−ろう材層からなる順番に積層してなる熱交換器、に特徴を有するものである。
さらに、この発明の熱交換器に設けられたブレージングシート1は、犠牲材層6がクラッドされているので熱交換器全体の耐食性を向上させることも出来る。
A.アルミニウム合金芯材層の成分組成
Mn:
Mnは合金の強度を向上させる効果があるとともに、Al合金への固溶度が比較的高いため、ろう付熱処理時の再結晶を促進させにくい作用があるが、その含有量が0.1%未満では所望の効果が得られないので好ましくなく、一方、Mnを2.5%より多く含有させると、鋳造時の晶出物が粗大化し、加工性が低下するために好ましくない。したがって、芯材層に含まれるMnは0.1〜2.5%に定めた。Mn含有量の一層好ましい範囲は1.0〜1.7%である。
Zrはろう付熱処理時の再結晶を遅延させる効果がある。Zrの添加量を0.05〜0.3%と限定したのは、0.05%未満ではその効果が小さく、0.3%を超えると、鋳造時の晶出物が粗大化し、加工性が低下するためである。Zr含有量の一層好ましい範囲は0.10〜0.15%である。
これら成分は、いずれも微細な析出物を形成し、合金の強度を向上させる効果があるが、Si:0.1〜1.2%、Mg:0.1〜2.0%、Ni:0.05〜1.2%と限定したのは、Si:0.1%未満、Mg:0.1%未満、Ni:0.05%未満では所望の効果が得られないからであり、一方、Siが1.2%を越えて含有すると融点の低下によりろう付時に芯材層が溶融してしまう可能性があるので好ましくなく、Mgが2.0%を越えるとブレージングシートの自己耐食性が低下するので好ましくなく、さらにNiが1.2%を越えて含有すると自己耐食性が低下するので好ましくないためである。芯材層におけるSi含有量の一層好ましい範囲は0.5〜1.0%であり、Mg含有量の一層好ましい範囲は0.10〜0.50%であり、Ni含有量の一層好ましい範囲は0.3〜1.0%である。
Cuは合金の強度を向上させる効果があり、必要に応じて添加するが、その添加量を0.05〜1.0%に限定したのは、0.05%未満では所望の効果が得られず、一方、1.0%を越えて添加するとブレージングシートの耐食性が低下することや鋳造時に割れ等が生じやすくなるために好ましくないからである。Cu含有量の一層好ましい範囲は0.30〜0.70%である。
Fe:
Feは粗大な金属間化合物を作りやすく、それらの粗大晶出物が再結晶の核となるため、ろう付熱処理時の再結晶を促進させる効果があので添加するが、その添加量が0.3未満では所望の効果が得られず、一方、2.0%を超えて含まれるとチューブ材の自己耐食性が低下するので好ましくない。したがって、Feの含有量を0.3〜2.0%に定めた。Fe含有量の一層好ましい範囲は0.5〜1.5%である。
ろう材層は通常のアルミニウム合金ろう材、例えば、Al−Siろう材(JIS4343,4045で規定される、例えば、Al−7〜11質量%Si合金)またはAl−Si−Mg系ろう材(JIS4004,4N04、4104で規定される、例えば、Al−9〜13質量%Si−0.2〜2質量%Mg合金)を使用することができ、特に制限されるものではない。
犠牲材層は通常のAl−Zn系合金(例えば、Zn:0.8〜1.3%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなるアルミニウム合金などのJIS7072で規定されるアルミニウム合金)またはAl−Zn−Mg系合金(例えば、Zn:0.5〜3.0%、Mg:0.20〜3.0%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなるアルミニウム合金などのJIS7N82で規定される合金)などを使用することができる。
最後の中間焼鈍から最終板厚までの圧下率を5超〜15%未満の低圧下率とした理由は、この圧下率が5%以下ではブレージングシートにおける犠牲材およびアルミニウム合金芯材および中間材のいずれもろう付けにより再結晶せずに未再結晶組織となるため、中間材のろう侵食防止層としての役割が期待できないので好ましくなく、一方、この圧下率が15%以上になると、犠牲材およびアルミニウム合金芯材および中間材のいずれもろう付けにより再結晶組織となるため、芯材の強度向上の役割が期待できないので好ましくない理由によるものである。
まず、Mn:0.1〜2.5%、Zr:0.05〜0.3%を含有し、さらに、Si:0.1〜1.2%、Mg:0.1〜2.0%、Ni:0.05〜1.2%の内の1種または2種を含有し、さらに必要に応じてCu:0.05〜1.0%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金芯材板と、Fe:0.3〜2.0%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金中間材板と、犠牲材板と、ろう材板とを用意する。
犠牲材板−アルミニウム合金芯材板−アルミニウム合金中間材板−ろう材の順に重ね合わせて合せ材を作製し、この合せ材を430〜530℃の温度で均熱処理を行った後、これを熱間圧延し、その後少なくとも1回の中間焼鈍を行い、最後の中間焼鈍から最終板厚までの圧下率を5超〜15%未満の低圧延率で冷間圧延することにより犠牲材層−アルミニウム合金芯材層−アルミニウム合金中間材層−ろう材層の順にクラッドされた何れの層も圧延組織を有するブレージングシートが製造される。
このようにして製造したブレージングシートをチューブ、ヘッダータンク、サイドサポートなどに成形し、例えば、フィン材をチューブとチューブの間に設けてろう付け加熱炉に装入し、通常のろう付加熱処理を行うと、ブレージングシートの犠牲材層およびアルミニウム合金芯材層は完全に再結晶されずに強度に優れる未再結晶組織となって高強度を保持し、一方、アルミニウム合金中間材層は完全に再結晶し、耐ろう侵食性(芯材層へのろう侵食抑制)に優れる特性を有するようになる。
得られた表1〜2に示される構成の圧延ブレージングシート材A〜fのろう材層がフィン材に接するように固定し、窒素雰囲気の加熱炉に装入し、温度:600℃、3分間保持することによりろう付けを行い、ブレージングシートを有する熱交換器を作製した(圧延ブレージングシート材をフィンにろう付けした後のブレージングシート材をブレージングシートという。以下、同じ)。このブレージングシートについて、犠牲材層、アルミニウム合金芯材層およびアルミニウム合金中間材層の断面の任意の個所の1.6mm×1.6mmの1視野における結晶粒の方位および粒径をSEM−EBSP(EBSP: Electron Back-Scatter diffraction Pattern)により測定し、その測定結果に基づいて、隣接する結晶粒に関して各々の結晶方位の差が20°未満でありかつ各々の結晶粒径が20μm未満の結晶粒が50%以上存在する組織を未再結晶組織とし、隣接する結晶粒に関して各々の結晶方位の差が20°以上でありかつ各々の結晶粒径が20μm以上の結晶粒が50%以上存在する組織を再結晶組織として認定し、その結果を実施例1〜22、比較例1〜9および従来例から得られた結果として表3〜4に示した。さらに、下記の試験を行った。
フィンをろう付けしたブレージングシートから引張試験片を作製し、この引張試験片を用いて引張試験を行い、その結果を実施例1〜22、比較例1〜9および従来例の結果として表3〜4に示した。
ろう付け後のブレージングシートのろう材層と接するアルミニウム合金中間材層の断面を観察することにより、表面からの最大ろう侵食深さを測定し、その結果を実施例1〜22、比較例1〜9および従来例の結果として表3〜4に示すことにより熱交換器にろう付けされているブレージングシートの耐ろう侵食性を評価した。
2 ろう付け部分
3 フィン
4 アルミニウム合金芯材層
5 アルミニウム合金中間材層
6 犠牲材層
7 ろう材層
Claims (5)
- 質量%で(以下、%は質量%を示す)、Mn:0.1〜2.5%、Zr:0.05〜0.3%を含有し、さらに、Si:0.1〜1.2%、Mg:0.1〜2.0%、Ni:0.05〜1.2%の内の1種または2種を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金芯材の片面にAl−Zn系またはAl−Zn−Mg系犠牲材を重ね合わせ、前記アルミニウム合金芯材の他方の面にFe:0.3〜2.0%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金中間材およびAl−Si系ろう材をアルミニウム合金中間材がアルミニウム合金芯材とろう材に挟まれるように犠牲材−アルミニウム合金芯材−アルミニウム合金中間材−ろう材の順に重ねた合せ材を作製し、この合せ材を430〜530℃の温度で均熱処理を行った後、これを熱間圧延し、その後少なくとも1回の中間焼鈍を行い、最後の中間焼鈍から最終板厚までの圧下率を5越え〜15%未満の低圧延率で冷間圧延することを特徴とする強度および耐ろう侵食性に優れた熱交換器用ブレージングシートの製造方法。
- 質量%で(以下、%は質量%を示す)、Mn:0.1〜2.5%、Zr:0.05〜0.3%を含有し、さらに、Si:0.1〜1.2%、Mg:0.1〜2.0%、Ni:0.05〜1.2%の内の1種または2種を含有し、さらにCu:0.05〜1.0%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金芯材の片面にAl−Zn系またはAl−Zn−Mg系犠牲材を重ね合わせ、前記アルミニウム合金芯材の他方の面にFe:0.3〜2.0%を含有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる組成のアルミニウム合金中間材およびAl−Si系ろう材をアルミニウム合金中間材がアルミニウム合金芯材とろう材に挟まれるように犠牲材−アルミニウム合金芯材−アルミニウム合金中間材−ろう材の順に重ねた合せ材を作製し、この合せ材を430〜530℃の温度で均熱処理を行った後、これを熱間圧延し、その後少なくとも1回の中間焼鈍を行い、最後の中間焼鈍から最終板厚までの圧下率を5越え〜15%未満の低圧延率で冷間圧延することを特徴とする強度および耐ろう侵食性に優れた熱交換器用ブレージングシートの製造方法。
- 前記アルミニウム合金中間材は、不可避不純物として含まれるZrの含有量を0.03%未満に規制した組成のアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1または2記載の強度および耐ろう侵食性に優れた熱交換器用ブレージングシートの製造方法。
- 請求項1、2または3記載の製造方法で作製したことを特徴とする強度および耐ろう侵食性に優れた熱交換器用ブレージングシート。
- 請求項4記載のブレージングシートがろう付けされてなる熱交換器であって、前記熱交換器を構成するブレージングシートは、隣接する結晶粒に関して各々の結晶方位の差が20°未満でありかつ各々の結晶粒径が20μm未満の結晶粒が50%以上存在する未再結晶組織からなるAl−Zn系またはAl−Zn−Mg系犠牲材層と、隣接する結晶粒に関して各々の結晶方位の差が20°未満でありかつ各々の結晶粒径が20μm未満の結晶粒が50%以上存在する未再結晶組織からなるアルミニウム合金芯材層と、隣接する結晶粒に関して各々の結晶方位の差が20°以上でありかつ各々の結晶粒径が20μm以上の結晶粒が50%以上存在する再結晶組織からなるアルミニウム合金中間材層と、Al−Si系ろう材層とからなり、かつ犠牲材層−アルミニウム合金芯材層−アルミニウム合金中間材層−ろう材層からなる順番に積層してなることを特徴とする熱交換器。
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