JP2005155729A - ベルト式無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents

ベルト式無段変速機の油圧制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】所定油路の油圧制御性が低下することを抑制することの可能なベルト式無段変速機の油圧制御装置を提供する。
【解決手段】プライマリプーリ24およびセカンダリプーリ25に巻き掛けられるベルト28と、プライマリプーリ24用の油圧室26Aと、セカンダリプーリ25用の油圧室27Aとを有するベルト式無段変速機の油圧制御装置において、制御弁130ないし制御弁212と、所定油路152からオイルが供給され、かつ、油圧室26Aの油圧を、制御弁202の制御油圧に基づいて制御する変速制御弁166と、所定油路152からオイルが供給され、かつ、油圧室27Aの油圧を、制御弁212の制御油圧に基づいて制御する変速制御弁168と、制御弁202または制御弁212のうち一方の制御油圧と、制御弁130の制御油圧とに基づいて、所定油路152の油圧を制御する圧力制御弁153とを有する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、複数のプーリにベルトを巻き掛けたベルト式無段変速機の油圧制御装置に関するものである。
従来、エンジンの出力側に無段変速機を設けるとともに、無段変速機の変速比を無段階に制御することにより、エンジンの運転状態を最適な状態に近づける制御が知られている。このような無段変速機としては、ベルト式無段変速機およびトロイダル式無段変速機が知られており、ベルト式無段変速機の一例が、下記の特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されているベルト式無段変速機は、ドライブプーリおよびドリブンプーリを有している。ドライブプーリおよびドリブンプーリは溝幅が可変に構成されており、ドライブプーリおよびドリブンプーリの溝にベルトが巻き掛けられている。
また、ドライブプーリおよびドリブンプーリの油室がそれぞれ設けられており、各油室に作用する油圧を制御する油圧制御ユニットが設けられている。そして、各油室の油圧を制御することにより、ベルト式無段変速機の変速比が無段階に調整される。油圧制御ユニットは、オイルポンプが吐出するオイルを、レギュレータバルブによりライン圧に減圧する構成となっている。また、レギュレータバルブを制御する信号圧を出力する第1のソレノイドバルブが設けられている。さらに、ライン圧に調圧されたオイルが、ドライブプーリコントロールバルブのポート、およびドリブンプーリコントロールバルブのポートに入力される構成となっている。
さらに、ドライブプーリコントロールバルブを制御する第2のソレノイドバルブと、ドリブンプーリコントロールバルブを制御する第3のソレノイドバルブとが設けられている。そして、第2のソレノイドバルブにより、ドライブプーリコントロールバルブのスプールの動作が制御されて、ドライブプーリの油圧室に供給されるドライブプーリ圧が制御される。また、第3のソレノイドバルブにより、ドリブンプーリコントロールバルブのスプールの動作が制御されて、ドリブンプーリの油圧室に供給されるドリブンプーリ圧が制御される。なお、ベルト式無段変速機の油圧制御装置は、特許文献2、特許文献3にも記載されている。
特開平10−115354号公報 特開平11−247981号公報 特開2002−340155号公報
ところで、上記の特許文献1においては、ライン圧が単一のソレノイドバルブ、すなわち、第1のソレノイドバルブにより制御される構成であるため、ライン圧の制御性が低下する可能性があった。
この発明は、上記の事情を背景にしてなされたものであり、所定油路の油圧制御性が低下することを抑制することの可能なベルト式無段変速機の油圧制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、ベルトが巻き掛けられるプライマリプーリおよびセカンダリプーリと、前記プライマリプーリおよびセカンダリプーリにおける前記ベルトの巻き掛け状態を制御する第1の油圧室および第2の油圧室とを有するベルト式無段変速機の油圧制御装置において、各々制御油圧を出力する第1の制御弁ないし第3の制御弁と、所定油路から前記第1の油圧室に供給される圧油の状態を、第1の制御弁の制御油圧および前記第3の制御弁の制御油圧に基づいて制御する第1の油圧室制御弁と、所定油路から前記第2の油圧室に供給される圧油の状態を、前記第2の制御弁の制御油圧および前記第3の制御弁の制御油圧に基づいて制御する第2の油圧室制御弁と、前記第1の制御弁の制御油圧または前記第2の制御弁の制御油圧のうちの高圧な方の制御油圧と、前記第3の制御弁の制御油圧とに基づいて、前記所定油路の油圧を制御する圧力制御弁と、を有することを特徴とするものである。
請求項2の発明は、ベルトが巻き掛けられるプライマリプーリおよびセカンダリプーリと、前記プライマリプーリおよびセカンダリプーリにおける前記ベルトの巻き掛け状態を制御する第1の油圧室および第2の油圧室とを有するベルト式無段変速機の油圧制御装置において、各々制御油圧を出力する第1の制御弁ないし第3の制御弁と、所定油路から前記第1の油圧室に供給される圧油の状態を、前記第1の制御弁の制御油圧に基づいて制御する第1の油圧室制御弁と、所定油路から前記第2の油圧室に供給される圧油の状態を、前記第2の制御弁の制御油圧に基づいて制御する第2の油圧室制御弁と、前記第2の制御弁の制御油圧および前記第3の制御弁の制御油圧に基づいて、前記所定油路の油圧を制御する圧力制御弁と、を有することを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項2の構成に加えて、車両の駆動力源から車輪に至る動力伝達経路に、ベルト式無段変速機と前後進切換装置とが配置されており、前記前後進切換装置は、車両を前進させる駆動力を生じさせる前進用摩擦係合装置と、車両を後進させる駆動力を生じさせる後進用摩擦係合装置とを有しており、前記前進用摩擦係合装置のトルク容量を制御する第3の油圧室と、前記後進用摩擦係合装置のトルク容量を制御する第4の油圧室と、前記第3の制御弁の制御油圧を、前記第3の油圧室または第4の油圧室に選択的に供給する切換弁と、が設けられていることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項3の構成に加えて、前記第3の油圧室および前記第4の油圧室に供給する制御油圧を出力する第4の制御弁が設けられており、前記切換弁は、前記第3の制御弁の制御油圧と、前記第4の制御弁の制御油圧とを選択的に切り換えて、前記第3の油圧室または前記第4の油圧室に供給する構成を備えていることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、ベルトが巻き掛けられるプライマリプーリおよびセカンダリプーリと、前記プライマリプーリおよびセカンダリプーリにおける前記ベルトの巻き掛け状態を制御する第1の油圧室および第2の油圧室と、前記第1の油圧室および前記第2の油圧室に供給される圧油を出力する圧力制御弁と、この圧力制御弁の油圧調整機能を制御するための制御油圧を出力する第5の制御弁および第6の制御弁とを有するベルト式無段変速機の油圧制御装置において、前記第5の制御弁および第6の制御弁の制御油圧に基づいて、前記圧力制御弁の油圧調整機能を制御する信号油圧を出力する第7の制御弁が設けられており、この第7の制御弁は、弾性部材により所定の向きに付勢され、かつ、前記信号油圧を制御する弁体と、前記第5の制御弁および第6の制御弁の制御油圧が入力され、かつ、この制御油圧に応じて前記弾性部材とは逆向きに前記弁体を付勢する力を生成する制御圧入力ポートとを有しているとともに、この第7の制御弁は、前記第5の制御弁および第6の制御弁の制御油圧のうち、高圧な方の制御油圧を前記圧力制御弁の出力油圧に反映させるような信号油圧を出力する構成であることを特徴とするものである。
各請求項の発明において、「プライマリプーリおよびセカンダリプーリにおけるベルトの巻き掛け状態」には、各プーリからベルトに加えられる挟圧力、各プーリにおける溝幅、各プーリにおけるベルトの巻き掛け半径、プライマリプーリとセカンダリプーリとの間におけるトルク容量およびベルトの張力、プライマリプーリとセカンダリプーリとの間における変速比などが含まれる。
請求項1の発明によれば、第1の制御弁から出力される制御油圧に基づいて、第1の油圧室に供給される圧油の状態が制御される。また、第2の制御弁から出力される制御油圧に基づいて、第2の油圧室に供給される圧油の状態が制御される。さらに、第1の制御弁または第2の制御弁のいずれか高圧な制御油圧と、第3の制御弁の制御油圧とに基づいて、所定油路の油圧が制御される。したがって、所定油路の油圧を、複数の制御弁の制御油圧に基づいて制御することが可能であり、油圧制御性が向上する。
請求項2の発明によれば、第1の制御弁から出力される制御油圧に基づいて、第1の油圧室に供給される圧油の状態が制御される。また、第2の制御弁から出力される制御油圧に基づいて、第2の油圧室に供給される圧油の状態が制御される。さらに、第2の制御弁および第3の制御弁の制御油圧に基づいて、所定油路の油圧が制御される。したがって、所定油路の油圧を、複数の制御弁の制御油圧に基づいて制御することが可能であり、油圧制御性が向上する。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明と同様の効果を得られる他に、第3の制御弁の制御油圧を、所定油路の油圧制御と、前後進切換装置の第3の油圧室および第4の油圧室の油圧制御とに兼用することが可能である。
請求項4の発明によれば、請求項3の発明と同様の効果を得られる他に、第3の油圧室および第4の油圧室に供給する油圧として、第3の制御弁の制御油圧と、第4の制御弁の制御油圧とを選択的に切り換えることが可能である。
請求項5の発明によれば、第1の制御弁から出力される制御油圧に基づいて、第1の油圧室に供給される圧油の状態が制御される。また、第2の制御弁から出力される制御油圧に基づいて、第2の油圧室に供給される圧油の状態が制御される。さらに、所定油路の油圧を、複数の制御弁の制御油圧に基づいて制御することが可能であり、油圧制御性が向上する。
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。図2には、この発明の対象例である車両Veのパワートレーンおよび制御系統の一例が、模式的に示されている。ここに示すパワートレーンにおいては、駆動力源1のトルクが、流体伝動装置9および前後進切換装置8を介してベルト式無段変速機4に伝達されるように構成されている。駆動力源1としては、エンジンまたは電動機のうちの少なくとも一方を用いることができる。このエンジンとしては、例えば、内燃機関、具体的には、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなどを用いることができる。以下、駆動力源1としてガソリンエンジンを用いる場合について説明し、便宜上、駆動力源1を“エンジン1”と記す。このエンジン1の吸気管(図示せず)には、電子スロットルバルブ(図示せず)が設けられているとともに、エンジン1はクランクシャフト70を有している。
このクランクシャフト70に連結される流体伝動装置9として、図2の実施例ではトルクコンバータが用いられている。以下、流体伝動装置9を“トルクコンバータ9”と記す。このトルクコンバータ9は、ポンプインペラ11とタービンランナ12とを有している。フロントカバー10には円筒部71が連続されており、円筒部71であって、フロントカバー10とは反対側の端部に、ポンプインペラ11が形成されている。タービンランナ12は円筒部71の内部に配置されており、ポンプインペラ11とタービンランナ12とが対向して設けられている。タービンランナ12はシャフト50と一体回転するように連結されている。これらのポンプインペラ11とタービンランナ12とには、多数のブレード(図示せず)が設けられており、ポンプインペラ11とタービンランナ12との間で、流体の運動エネルギにより動力伝達がおこなわれる。
また、ポンプインペラ11とタービンランナ12との内周側の部分には、タービンランナ12から送り出されたフルードの流動方向を選択的に変化させてポンプインペラ11に流入させるステータ13が配置されている。このステータ13は、一方向クラッチ14を介して、所定の固定部(ケーシング)15に連結されている。
このトルクコンバータ9は、ロックアップクラッチ16を備えている。ロックアップクラッチ16は、円筒部71の内部に設けられており、フロントカバー10からシャフト50に至る動力伝達経路に対して並列に配置されたものである。また、円筒部71の内部には第1の油圧室72と第2の油圧室73とが形成されている。ロックアップクラッチ16は、シャフト50と一体回転するように取り付けられているとともに、シャフト50の軸線方向に移動可能に構成されている。そして、第1の油圧室72の油圧と、第2の油圧室73の油圧との対応関係に基づいて、シャフト50の軸線方向におけるロックアップクラッチ16の動作が制御される。さらにまた、第1の油圧室72および第2の油圧室73に供給される作動流体(オイル)の圧力を制御する機能を有する油圧制御装置59が設けられている。
前後進切換装置8は、エンジン1の回転方向が一方向に限られていることに伴って採用されている機構であって、前後進切換装置8は、シャフト50の回転方向に対するプライマリシャフト51の回転方向を切り換える機能を備えている。また、前後進切換装置8は、シャフト50とプライマリシャフト51とを、動力伝達可能な状態に連結する機能と、シャフト50とプライマリシャフト51との間における動力伝達を遮断する機能とを有している。
図2に示す例では、前後進切換装置8としてダブルピニオン型の遊星歯車機構が採用されている。すなわち、シャフト50と一体回転するサンギヤ17と、サンギヤ17と同心状に配置されたリングギヤ18とが設けられ、これらのサンギヤ17とリングギヤ18との間に、サンギヤ17に噛合したピニオンギヤ19と、ピニオンギヤ19およびリングギヤ18に噛合した他のピニオンギヤ20とが配置され、ピニオンギヤ19,20がキャリヤ21によって、自転かつ公転自在に保持されている。
さらに、サンギヤ17およびシャフト50と、キャリヤ21とを一体回転可能に連結する前進用クラッチ22が設けられている。またリングギヤ18を選択的に固定することにより、シャフト50の回転方向に対するプライマリシャフト51の回転方向を反転する後進用ブレーキ23が設けられている。上記前進用クラッチ22および後進用ブレーキ23の係合・解放は、油圧制御装置59により制御される。なお、プライマリシャフト51とキャリヤ21とが一体回転するように連結されている。
前記ベルト式無段変速機4は、互いに平行に配置されたプライマリプーリ24とセカンダリプーリ25とを有する。まず、プライマリプーリ24は、プライマリシャフト51と一体回転するように構成されており、プライマリプーリ24は、固定シーブ52と可動シーブ53とを有している。そして、可動シーブ53を、プライマリシャフト51の軸線方向に動作させる油圧式のアクチュエータ26が設けられている。
これに対して、セカンダリプーリ25は、セカンダリシャフト55と一体回転するように構成されており、セカンダリプーリ25は、固定シーブ54と可動シーブ56とを有している。さらに、可動シーブ56をセカンダリシャフト55の軸線方向に動作させる油圧式のアクチュエータ27が設けられている。さらに、プライマリプーリ24およびセカンダリプーリ25には環状のベルト28が巻き掛けられている。さらに、上記アクチュエータ26の油圧室およびアクチュエータ27の油圧室に供給・排出されるオイルの状態は、油圧制御装置59により制御される。なお、セカンダリシャフト55には歯車伝動装置29を経由してデファレンシャル6が連結されており、デファレンシャル6には車輪(前輪)2が連結されている。
つぎに、図2に示された車両Veの制御系統を説明する。まず、電子制御装置(ECU)34が設けられており、この電子制御装置34は、演算処理装置(CPUまたはMPU)と、記憶装置(RAMおよびROM)と、入出力インターフェースとを有するマイクロコンピュータにより構成されている。この電子制御装置34には、エンジン回転速度センサ30の信号、タービンランナ12の回転速度を検出するタービン回転速度センサ31の信号、プライマリシャフト51の回転速度を検出する入力回転速度センサ32の信号、セカンダリシャフト55の回転速度を検出する出力回転速度センサ33の信号、アクセル開度センサ57の信号、シフトポジションセンサ60の信号、ブレーキスイッチ74の信号、油圧検知センサ58の信号などが入力される。この油圧検知センサ58は、前進用クラッチ22および後進用クラッチ23のトルク容量を制御する油圧室(後述)の油圧を検知するものである。そして、入力回転速度センサ32の信号および出力回転速度センサ33の信号に基づいて、ベルト式無段変速機4の変速比が算出されるとともに、出力回転速度センサ33の信号に基づいて車速が算出される。
前記シフトポジションセンサ60は、車両Veの乗員が操作するシフトポジション選択装置(図示せず)の操作状態を検知するものである。このシフトポジションセンサ60により、例えば、パーキングポジション、リバースポジション、ニュートラルポジション、ドライブポジション、ローポジションなどが検知される。車両Veの乗員が、車両Veで駆動力を生じさせないことを意図する場合は、パーキングポジションまたはニュートラルポジションが選択される。車両Veを前進させる駆動力を生じさせる意図がある場合は、ドライブポジションまたはローポジションが選択される。また、車両Veを後退させる駆動力を生じさせる意図がある場合は、リバースポジションが選択される。この電子制御装置34からは、エンジン1を制御する信号、油圧制御装置59を制御する信号、ベルト式無段変速機4を制御する信号、ロックアップクラッチ16を制御する信号、前後進切換装置8を制御する信号などが出力される。
上記のように構成された車両Veにおいて、エンジン1が運転されると、エンジン1から出力されたトルクが、トルクコンバータ9、前後進切換装置8、ベルト式無段変速機4を経由して車輪2に伝達される。また、電子制御装置34にはロックアップクラッチ制御マップが記憶されており、ロックアップクラッチ制御マップに基づいて、ロックアップクラッチ16の伝達トルク容量(言い換えれば、係合油圧、係合圧、係合状態)が制御され、ロックアップクラッチ16が解放(具体的には完全解放)またはスリップまたは係合(具体的には完全係合)される。
つぎに、前後進切換装置8の制御について説明する。前記シフトポジションセンサ60により、ローポジションまたはドライブポジションが検知された場合は、前後進切換装置8の前進用クラッチ22が係合され、かつ、後進用ブレーキ23が解放される。すると、シャフト50とキャリヤ21とが一体回転し、シャフト50のトルクがプライマリシャフト51に伝達されるとともに、プライマリシャフト51のトルクが車輪2に伝達されて、車両Veを前進させる向きの駆動力が発生する。このとき、シャフト50およびプライマリシャフト51が同方向に回転する。
これに対して、シフトポジションセンサ60により、リバースポジションが検知された場合は、前進用クラッチ22が解放され、かつ、後進用ブレーキ23が係合される。すると、エンジントルクがサンギヤ17に伝達された場合は、リングギヤ18が反力要素となって、サンギヤ17のトルクがキャリヤ21を経由してプライマリシャフト51に伝達される。プライマリシャフト51のトルクが車輪2に伝達されると、車両Veを後進させる向きの駆動力が発生する。この場合、シャフト50とプライマリシャフト51とは逆方向に回転する。なお、ニュートラルポジションまたはパーキングポジションが選択された場合は、前進用クラッチ22および後進用ブレーキ23が解放されて、シャフト50とプライマリシャフト51との間における動力伝達が遮断される。
つぎに、ベルト式無段変速機4の制御を説明する。前記のように、エンジントルクがプライマリシャフト51に伝達されるとともに、電子制御装置34に入力される各種の信号、および電子制御装置34に予め記憶されているデータに基づいて、ベルト式無段変速機4が制御される。すなわち、可動シーブ53に加えられる軸線方向の推力、および可動シーブ56に加えられる軸線方向の推力が制御され、プライマリプーリ24およびセカンダリプーリ25におけるベルト28の巻掛け半径およびトルク容量が変化する。具体的には、アクチュエータ26の油圧室26Aの油圧が上昇した場合は、可動シーブ53に加えられる推力が増加し、アクチュエータ26の油圧室26Aの油圧が低下した場合は、可動シーブ53に加えられる推力が低下する。また、アクチュエータ27の油圧室27Aの油圧が上昇した場合は、可動シーブ56に加えられる推力が増加し、アクチュエータ27の油圧室27Aの油圧が低下した場合は、可動シーブ56に加えられる推力が低下する。
そして、プライマリプーリ24からベルト28に加えられる挟圧力と、セカンダリプーリ25からベルト28に加えられる挟圧力との相対関係に応じて、プライマリプーリ24およびセカンダリプーリ25におけるベルト28の巻き掛け半径が制御され、かつ、ベルト28のトルク容量が制御される。ベルト式無段変速機4の変速比とは、プライマリプーリ24の回転速度と、セカンダリプーリ25の回転速度との比である。すなわち、プライマリプーリ24におけるベルト28の巻き掛け半径が大きくなるとともに、セカンダリプーリ25におけるベルト28の巻き掛け半径が小さくなる変速が、増速変速である。これに対して、プライマリプーリ24におけるベルト28の巻き掛け半径が小さくなるとともに、セカンダリプーリ25におけるベルト28の巻き掛け半径が大きくなる変速が、減速変速である。さらに、プライマリプーリ24におけるベルト28の巻き掛け半径、およびセカンダリプーリ25におけるベルト28の巻き掛け半径が共に変化しない場合は、変速比が略一定に制御されていることになる。
前記のような減速変速を実行する場合は、可動シーブ53に加えられる推力を上昇させ、かつ、可動シーブ56に加えられる推力を上昇させる第1の制御、または、可動シーブ53に加えられる推力を低下させ、かつ、可動シーブ56に加えられる推力を低下させる第2の制御、または、可動シーブ53に加えられる推力を低下させ、かつ、可動シーブ56に加えられる推力を上昇させる第3の制御のいずれかを選択可能である。また、増速変速を実行する場合は、可動シーブ53に加えられる推力を上昇させ、かつ、可動シーブ56に加えられる推力を上昇させる第1の制御、または、可動シーブ53に加えられる推力を低下させ、かつ、可動シーブ56に加えられる推力を低下させる第2の制御、または、可動シーブ53に加えられる推力を上昇させ、かつ、可動シーブ56に加えられる推力を低下させる第3の制御のいずれかを選択可能である。変速比を略一定に制御する場合は、可動シーブ53,56に加えられる推力を略一定にする制御が実行される。
つぎに、前述した油圧制御装置59の具体的な構成例を、図1に基づいて説明する。この実施例1は、請求項1の発明に対応する実施例である。図1に示された油圧回路は、主としてベルト式無段変速機4を制御する部分を示している。まず、エンジン1または電動機などにより駆動されるオイルポンプ150が設けられており、オイルパン151のオイルがストレーナ151Aを経由してオイルポンプ150に吸引される構成となっている。また、オイルポンプ150から吐出されたオイルが供給される油路152が設けられている。さらに、油路152のオイルが供給されるプライマリレギュレータバルブ153が設けられている。プライマリレギュレータバルブ153は、所定方向に往復移動可能なスプール154と、スプール154を所定の向きに付勢する弾性部材155とを有している。
前記スプール154は、ランド部156,157,158,159,160を有している。また、プライマリレギュレータバルブ153は、入力ポート161と、ドレーンポート162と、制御ポート163,164と、フィードバックポート165とを有している。入力ポート161およびフィードバックポート165は油路152に接続され、フィードバックポート165の油圧により、スプール154を、弾性部材155の付勢力とは逆向きに付勢する力が生じる。また、制御ポート163,164の油圧に応じて、弾性部材155の付勢力と同じ向きでスプール154を付勢する力が生じる。
一方、油路152は2方向に分岐されており、油路152から、油圧アクチュエータ26の油圧室26Aに至る経路に、第1の油圧室制御弁166が設けられている。また、油路152から、油圧アクチュエータ27の油圧室27Aに至る経路に、第2の油圧室制御弁168が設けられている。
まず、第1の油圧室制御弁166について説明すると、第1の油圧室制御弁166は、所定方向に往復移動可能なスプール169と、スプール169を所定の向きに付勢する弾性部材170とを有している。スプール169は、ランド部171,172,173,174,175を有している。また、第1の油圧室制御弁166は、入力ポート176と、出力ポート177と、ドレーンポート178と、制御ポート179,180と、フィードバックポート181とを有している。入力ポート176は油路152に接続され、出力ポート177およびフィードバックポート181は、油路182を経由して油圧室26Aに接続されている。さらに、制御ポート179には油路183が接続され、制御ポート180には油路184が接続されている。
つぎに、第2の油圧室制御弁168について説明すると、第2の油圧室制御弁168は、所定方向に往復移動可能なスプール185と、スプール185を所定の向きに付勢する弾性部材186とを有している。スプール185は、ランド部187,188,189,190,191を有している。また、第2の油圧室制御弁168は、入力ポート192と、出力ポート193と、ドレーンポート194と、制御ポート195,196と、フィードバックポート197とを有している。入力ポート192は油路152に接続され、出力ポート193およびフィードバックポート197は、油路198を経由して油圧室27Aに接続されている。さらに、制御ポート195には油路183が接続され、制御ポート196には油路199が接続されている。
さらに、油路184の油圧を制御するリニアソレノイドバルブ202が設けられている。リニアソレノイドバルブ202は、所定方向に往復移動可能なスプール203と、スプール203を所定の向きに付勢する弾性部材204と、スプール203に形成されたランド部205,206,207とを有している。また、リニアソレノイドバルブ202は、入力ポート208および出力ポート209およびドレーンポート210およびフィードバックポート211を有している。そして、出力ポート209およびフィードバックポート211が油路184に接続されている。なお、油路152のオイルが油路(図示せず)を経由して入力ポート208に供給される構成となっている。
上記構成のリニアソレノイドバルブ202は、通電電流により形成される磁気吸引力に応じた付勢力と、弾性部材204の付勢力と、フィードバックポート211の油圧に応じた付勢力とが、スプール203に加えられ、これらの付勢力にに基づいてスプール203の位置が制御される。この実施例では、磁気吸引力に応じた付勢力と、弾性部材204の付勢力およびフィードバックポート211の油圧に応じた付勢力とが、逆向きにスプール203に作用する構成となっている。そして、リニアソレノイドバルブ202に供給される電力の電流値が高まるほど、入力ポート208と出力ポート209との連通面積が狭められて出力ポート209の信号油圧が低下し、電流値が低下するほど、入力ポート208と出力ポート209との連通面積が拡大されて出力ポート209の信号油圧が高まる特性のリニアソレノイドバルブ202が用いられている場合を例として説明する。
さらに、油路199の油圧を制御するリニアソレノイドバルブ212が設けられている。リニアソレノイドバルブ212は、所定方向に往復移動可能なスプール213と、スプール213を所定の向きに付勢する弾性部材214と、スプール213に形成されたランド部215,216,217とを有している。また、リニアソレノイドバルブ212は、入力ポート218および出力ポート219およびドレーンポート220およびフィードバックポート221を有している。そして、出力ポート219およびフィードバックポート221が油路199に接続されている。なお、油路152のオイルが油路(図示せず)を経由して入力ポート218に供給される構成となっている。
上記構成のリニアソレノイドバルブ212は、通電電流により形成される磁気吸引力に応じた付勢力と、弾性部材214の付勢力と、フィードバックポート221の油圧に応じた付勢力とが、スプール213に加えられ、これらの付勢力にに基づいてスプール213の位置が制御される。この実施例では、磁気吸引力に応じた付勢力と、弾性部材214の付勢力およびフィードバックポート221の油圧に応じた付勢力とが、逆向きにスプール213に作用する構成となっている。そして、リニアソレノイドバルブ212に供給される電力の電流値が高まるほど、入力ポート218と出力ポート219との連通面積が狭められて出力ポート219の信号油圧が低下し、電流値が低下するほど、入力ポート218と出力ポート219との連通面積が拡大されて出力ポート219の信号油圧が高まる特性のリニアソレノイドバルブ212が用いられている場合を例として説明する。
一方、前記プライマリレギュレータバルブ153の制御ポート164には油路200が接続されているとともに、油路200と油路184,199とが方向制御弁201により接続されている。この方向制御弁201は、油路184または油路199のうち、油圧が高い方の油路のオイルが油路200に供給されることを許容する機能と、油路184と油路199との間でオイルが行き来することを防止する機能とを有している。
前記油路183の油圧を制御するリニアソレノイドバルブ130が設けられている。このリニアソレノイドバルブ130は、所定方向に往復移動可能なスプール131と、スプール131を所定の向きに付勢する弾性部材132と、スプール131に形成されたランド部133,134,135とを有している。また、リニアソレノイドバルブ130は、入力ポート136および出力ポート137およびドレーンポート138およびフィードバックポート139を有している。フィードバックポート139の油圧により、弾性部材132の付勢力と逆向きの付勢力が、スプール131に加えられる。そして、出力ポート137およびフィードバックポート139は、油路183に接続されている。なお、油路152のオイルが油路(図示せず)を経由して入力ポート136に供給される構成となっている。
上記構成のリニアソレノイドバルブ130は、通電電流により形成される磁気吸引力に基づいて、スプール131の位置が制御される。磁気吸引力によりスプール131に加えられる付勢力の向きは、弾性部材132の付勢力の向きとは逆である。この実施例では、電流値が高まるほど、入力ポート136と出力ポート137との連通面積が狭められて出力ポート137の油圧が低下し、電流値が低下するほど、入力ポート136と出力ポート137との連通面積が拡大されて出力ポート137の油圧が高まる特性のリニアソレノイドバルブ130が用いられている場合を例として説明する。
上記のように構成された油圧制御装置59の機能を説明する。まず、オイルポンプ150が駆動されて、オイルパン151のオイルが油路152に供給される。この油路152から油圧室26A,27Aに供給されるオイルの状態は、以下のようにして制御される。まず、ベルト式無段変速機4で増速変速を実行する条件が成立した場合は、リニアソレノイドバルブ202から出力される信号油圧(制御油圧)を上昇させる制御が実行されるとともに、リニアソレノイドバルブ212から出力される信号油圧(制御油圧)を低圧、例えば零メガパスカルにする制御が実行され、かつ、リニアソレノイドバルブ130から出力される信号油圧(制御油圧)を低下させる制御が実行される。
上記の制御を実行すると、第1の油圧室制御弁166においては、制御ポート180の油圧が上昇するとともに、前記リニアソレノイドバルブ130の出力油圧も、油路183を経由して、第1の油圧室制御弁166の制御ポート179に伝達される。そして、制御ポート179,180の油圧に応じて、スプール169を図1において下向きに押圧する付勢力が高められると、入力ポート176と出力ポート177との連通面積が拡大され、かつ、ドレーンポート178が遮断される。このため、油路152から油路182を経由して油圧室26Aに供給されるオイルの流量が増加する。その結果、油圧室26Aの油圧の上昇によってプライマリプーリ24の溝幅が狭められて、プライマリプーリ24におけるベルトの巻き掛け半径が大きくなり、ベルト式無段変速機4の変速比が小さくなる。
一方、リニアソレノイドバルブ212から、油路199を経由して第2の油圧室制御弁168の制御ポート196に伝達される油圧が零メガパスカルになるとともに、リニアソレノイドバルブ130から、油路183を経由して第2の油圧室制御弁168の制御ポート195に伝達される油圧が低下する。このため、第2の油圧室制御弁168においては、スプール185を図1において上向きに押圧する付勢力が低下する。すると、フィードバックポート197の油圧に応じた付勢力により、スプール185が、弾性部材186の付勢力に抗して、図1において下向きに動作し、ドレーンポート194と出力ポート193との連通面積が拡大され、かつ、入力ポート192が遮断される。このため、油圧室27Aのオイルが、油路198を経由してドレーンポート194に排出されて、油圧室27Aの油圧が低下する。なお、油圧室27Aの油圧は、ベルト28の滑りが生じないトルク容量を得られるような油圧に制御される。すなわち、増速制御時において、ベルト式無段変速機4のトルク容量の変化程度(減少程度)は、主としてリニアソレノイドバルブ130の出力油圧により制御される。
前記リニアソレノイドバルブ130の出力油圧は、油路183を経由して、プライマリレギュレータバルブ153の制御ポート163にも伝達される。また、、リニアソレノイドバルブ202の出力油圧が上昇され、かつ、リニアソレノイドバルブ212の出力油圧が零メガパスカルに制御されるため、油路184の油圧の方が、油路199の油圧よりも高圧となる。このため、方向制御弁201の機能により、油路184と油路200とが連通され、油路199と油路200とが遮断される。すると、油路184の油圧が油路200を経由して、プライマリレギュレータバルブ153の制御ポート164に伝達される。
このため、プライマリレギュレータバルブ153においては、制御ポート163,164およびフィードバックポート165の油圧に基づいて、スプール154の位置が制御され、油路152の油圧、つまりライン圧が制御される。例えば、制御ポート163,164の油圧が上昇した場合は、入力ポート161とドレーンポート162との連通面積の拡大が規制され、油路152からドレーンポート162に排出されるオイル量の増加が抑制される。したがって、油路152の油圧の低下が抑制されるか、または油路152の油圧が上昇する。これとは逆に、制御ポート163,164の油圧が低下した場合は、入力ポート161とドレーンポート162との連通面積が拡大し易くなり、油路152からドレーンポート162に排出されるオイル量が増加する。したがって、油路152の油圧の上昇が抑制されるか、または油路152の油圧が低下する。
以上のように、増速条件が成立した場合は、リニアソレノイドバルブ130の出力油圧と、リニアソレノイドバルブ202の出力油圧とに基づいて、プライマリレギュレータバルブ153の調圧機能が制御され、かつ、油路152の油圧が調圧される。なお、油路152のオイルが油路182に供給される場合、第1の油圧室制御弁166において減圧されるため、油路152の油圧は油圧室26Aの油圧よりも高圧である。
つぎに、ベルト式無段変速機4で減速変速を実行する条件が成立した場合について説明する。この場合は、リニアソレノイドバルブ212の出力油圧が上昇さされるとともに、リニアソレノイドバルブ202の出力油圧が低下、例えば零メガパスカルに制御される。また、リニアソレノイドバルブ130の出力油圧は、油路183を経由して、第2の油圧室制御弁168の制御ポート195にも伝達されており、制御ポート195の油圧に応じて、弾性部材186の付勢力と同じ向きの付勢力が生じる。このような制御を実行することにより、第2の油圧室制御弁168の制御ポート195,196の油圧が上昇すると、スプール185が図1において上向きに動作し、入力ポート192と出力ポート193との連通面積が拡大され、かつ、ドレーンポート194が遮断される。このため、油路152から油路198を経由して油圧室27Aに供給されるオイルの流量が増加する。その結果、油圧室27Aの油圧の上昇によってセカンダリプーリ25の溝幅が狭められて、セカンダリプーリ25におけるベルト28の巻き掛け半径が大きくなり、ベルト式無段変速機4の変速比が大きくなる。
一方、リニアソレノイドバルブ202から、油路184を経由して、第1の油圧室制御弁166の制御ポート180に伝達される油圧が零メガパスカルに制御され、かつ、リニアソレノイドバルブ130の出力油圧が上昇する。このような制御を実行すると、第1の油圧室制御弁166においては、制御ポート179,180の油圧低下して、スプール169を図1において下向きに押圧する付勢力が低下するため、フィードバックポート181の油圧に応じた付勢力により、スプール169が図1において上向きに動作し、ドレーンポート178と出力ポート177との連通面積が拡大され、かつ、入力ポート176が遮断される。このため、油圧室26Aのオイルは、油路182を経由してドレーンポート178に排出されて、油圧室26Aの油圧が低下する。なお、油圧室26Aの油圧は、ベルト28の滑りが生じないトルク容量を得られるような油圧に制御される。このように、減速変速を実行する場合は、主としてリニアソレノイドバルブ130の出力油圧により、ベルト式無段変速機4のトルク容量の変化程度(増加程度)が制御される。
ところで、リニアソレノイドバルブ130の出力油圧は、油路183を経由して、プライマリレギュレータバルブ153の制御ポート163にも伝達される。さらに、リニアソレノイドバルブ212の出力油圧が上昇され、かつ、リニアソレノイドバルブ202の出力油圧が零メガパスカルに制御されるため、油路199の油圧の方が、油路184の油圧よりも高圧となる。このため、方向制御弁201の機能により、油路199と油路200とが連通され、油路184と油路200とが遮断される。すると、油路199の油圧が油路200を経由して、プライマリレギュレータバルブ153の制御ポート164に伝達される。このようにして、プライマリレギュレータバルブ153の制御ポート163,164の油圧が制御され、フィードバックポート165の油圧および制御ポート163,164の油圧に応じて、スプール154が動作し、油路152の油圧が制御される。油路152の具体的な油圧制御内容は、前述と同じである。
以上のように、減速条件が成立した場合は、リニアソレノイドバルブ130の出力油圧と、リニアソレノイドバルブ212の出力油圧とに基づいて、プライマリレギュレータバルブ153の調圧機能が制御され、かつ、油路152の油圧が調圧される。なお、油路152のオイルが油路198に供給される場合、第2の油圧室制御弁168において減圧されるため、油路152の油圧は油圧室27Aの油圧よりも高圧である。
つぎに、ベルト式無段変速機4の変速比を略一定に維持する条件が成立した場合は、リニアソレノイドバルブ202,212,130の出力油圧を制御することにより、第1の油圧室制御弁166および第2の油圧室制御弁168が、以下のように機能する。まず、第1の油圧室制御弁166においては、入力ポート176およびドレーンポート178が共に遮断され、油圧室26Aへのオイルの供給および油圧室26Aからのオイルの排出が停止されるように、スプール169の位置が制御される。このようにして、プライマリプーリ24の溝幅は略一定に維持される。一方、第2の油圧室制御弁168においては、入力ポート192およびドレーンポート194が共に遮断され、油圧室27Aへのオイルの供給および油圧室27Aからのオイルの排出が停止される。このため、セカンダリプーリ25の溝幅は略一定に維持される。このようにして、ベルト式無段変速機4の変速比およびトルク容量が略一定に維持される。
また、油路184または油路199の油圧のうち、いずれか高圧な方の油圧が、前述と同様の原理により、プライマリレギュレータバルブ153の制御ポート164に伝達される。さらに、リニアソレノイドバルブ130の出力油圧も、プライマリレギュレータバルブ153の制御ポート163に伝達される。このため、ベルト式無段変速機4の変速比を略一定に維持する条件が成立した場合も、リニアソレノイドバルブ130の出力油圧、およびリニアソレノイドバルブ202またはリニアソレノイドバルブ212のうち、いずれか出力油圧が高い方のリニアソレノイドバルブの出力油圧に基づいて、前述と同様の原理により油路152の油圧が制御される。
このように、実施例1においては、プライマリレギュレータバルブ153による油路152の油圧調整機能を、複数のリニアソレノイドバルブ202,212,130により制御することが可能である。特に、リニアソレノイドバルブ202,212から出力される信号油圧のうち、高圧な方の信号油圧が選択される。したがって、油路152の油圧制御性が向上する。また、主としてトルク容量を制御するプーリに対応する低圧側の油圧室の油圧は、単一のリニアソレノイドバルブ130の出力油圧により制御される。
さらに減速制御時または増速制御時には、油圧室26Aまたは油圧室27Aのうち、高圧側の油圧室の油圧を制御する変速制御弁に対応して、リニアソレノイドバルブ202,212のいずれか一方のリニアソレノイドバルブから出力される信号油圧を高め、他方のリニアソレノイドバルブは、信号油圧が零メガパスカルに制御される。したがって、油路152から、リニアソレノイドバルブ202,212,130の各入力ポートに供給されるオイル量を可及的に少なくすることが可能であり、油路152の油圧は常に、必要最低限の油圧で済む。したがって、オイルポンプ150をエンジン1で駆動する構成である場合は、エンジン1の動力損失の増加が抑制され、燃費が向上する。
ここで、実施例1の構成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、油圧室26Aが、この発明の第1の油圧室に相当し、油圧室27Aが、この発明の第2の油圧室に相当し、リニアソレノイドバルブ202が、この発明の第1の制御弁に相当し、リニアソレノイドバルブ212が、この発明の第2の制御弁に相当し、リニアソレノイドバルブ130が、この発明の第3の制御弁に相当し、油路152が、この発明の所定油路に相当し、プライマリレギュレータバルブ153が、この発明の圧力制御弁に相当する。また、出力ポート209の油圧(信号油圧)が、この発明の第1の制御弁の制御油圧に相当し、出力ポート219の油圧(信号油圧)が、この発明の第2の制御弁の制御油圧に相当し、出力ポート137の油圧(信号油圧)が、この発明の第3の制御弁の制御油圧に相当する。
また、この発明における「油圧室に供給される圧油の状態」には、油圧室26A,27Aに供給されるオイルの流量およびオイルの油圧が含まれる。このことから、第1の油圧室制御弁166および第2の油圧室制御弁168は、共に流量制御弁および圧力制御弁としての機能を兼備していると言える。
つぎに、図2に示す油圧制御装置59の実施例2を、図3および図4に基づいて説明する。この実施例2は、請求項2ないし4の発明に対応する実施例である。図3は、主としてベルト式無段変速機4の制御に用いられる油圧回路を示し、図4は、主として前後進切換装置8の制御に用いられる油圧回路を示す。まず、図1に示す油圧回路と、図3に示す油圧回路とを対比しながら、図3に示す油圧回路の構成を説明する。
まず、第1の油圧室制御弁166のスプール169には、ランド部171,172,173が形成されており、図1のランド部174に相当する構成は設けられていない。また、第1の油圧室制御弁166は、制御ポート180を有しており、図1の制御ポート179に相当する構成は設けられていない。また、第2の油圧室制御弁168のスプール185には、ランド部187,188,189が形成されており、図1のランド部191に相当する構成は設けられていない。また、第2の油圧室制御弁168は、制御ポート196を有しており、図1の制御ポート195に相当する構成は設けられていない。さらに、プライマリレギュレータバルブ153の制御ポート164には、油路199が接続されており、図1に示された油路200および方向制御弁201に相当する構成は設けられていない。図3に示すその他の構成は、図1に示す構成と同じであるため、図1に示す構成と同じ符号を付してある。
つぎに、図2に示された前後進切換装置8に対応する油圧回路を図4に基づいて説明する。まず、車両Veの乗員により選択されるシフトポジションに応じて動作するマニュアルバルブ80が設けられている。マニュアルバルブ80は、所定方向、具体的には軸線方向に動作可能なスプール81と、スプール81に形成されたランド部82,83,84と、入力ポート85と、出力ポート86,87,88と、ドレーンポート89,90とを有している。このスプール81を動作させる動作機構としては、シフトポジション選択装置(図示せず)に加えられる操作力が、伝動装置(図示せず)を経由してスプール81に伝達される構成の動作機構、または、シフトポジション選択装置の操作を光電的に検知し、その検知結果に基づいて動作するアクチュエータにより、スプール81を動作させる構成の動作機構などを用いることが可能である。
前記出力ポート86は、油路91,92に接続されており、油路91は前進クラッチ用油圧室93に接続されている。また、スプール81の位置に関わりなく、油路91と油路92とが連通している。前進クラッチ用油圧室93は、前進用クラッチ22のトルク容量を制御するものであり、後進ブレーキ用油圧室95は、後進用ブレーキ23のトルク容量を制御するものである。
一方、前記オイルポンプ150から吐出されたオイルが供給される油路96が設けられているとともに、この油路96は、モジュレータバルブ97に接続されている。このモジュレータバルブ97は、所定方向に往復移動可能なスプール98と、スプール98を所定の向きで付勢する弾性部材99と、スプール98に形成されたランド部100,101,102と、入力ポート103および出力ポート104およびドレーンポート105およびフィードバックポート106および制御ポート107とを有している。入力ポート103は油路96に接続され、出力ポート104およびフィードバックポート106に接続された油路108が設けられている。
また、前記油路108からマニュアルバルブ80の入力ポート85に至る経路に、クラッチ圧切換バルブ112が設けられている。このクラッチ圧切換バルブ112は、所定方向、具体的には軸線方向に動作可能なスプール113と、スプール113を所定の向きに付勢する弾性部材114とを有している。このスプール113と前記スプール81とを連動させる機械的な連結機構は設けられておらず、スプール81とスプール113とが別々に動作可能である。スプール81とスプール113とが同時に作動することも可能であるが、スプール81とスプール113とでは、その動作位置および動作量などが異なる。
このスプール113には、ランド部115,116,117が形成されている。また、クラッチ圧切換バルブ112は、入力ポート118,119と、出力ポート120と、ドレーンポート121と、制御ポート122と、中継ポート123,124とを有している。そして、入力ポート118と油路108とが油路125により接続され、出力ポート120と、マニュアルバルブ80の入力ポート85とが油路126により接続され、中継ポート123と、マニュアルバルブ80の出力ポート88とが油路127により接続され、中継ポート124と、モジュレータバルブ97の制御ポート107とが油路128により接続されている。さらに、制御ポート122に信号圧を入力する油路129が設けられている。制御ポート122に入力される信号圧は、電子制御装置34により制御される。
前記油路108と、クラッチ圧切換バルブ112の入力ポート119との間の経路には、油路125と並列に前記リニアソレノイドバルブ130が設けられている。具体的には、リニアソレノイドバルブ130の入力ポート136と油路108とが接続され、出力ポート137に接続された油路183は、クラッチ圧切換バルブ112の入力ポート119と、プライマリレギュレータバルブ153の制御ポート163とに接続されている。
つぎに、図3および図4に示された油圧制御装置59の機能を説明する。先ず、モジュレータバルブ97においては、弾性部材99の付勢力によりスプール98が、図4において上向きに付勢されて、入力ポート103と出力ポート104とが連通している場合は、油路96のオイルが油路108に供給される。この油路108のオイルを、前進クラッチ用油圧室93または後進ブレーキ用油圧室95に供給する場合、オイルの供給経路として、油路125と油路183とが選択的に切り換えられる。この油路125と油路183との切り換えは、シフトポジションまたは後進ブレーキ用油圧室95の油圧などをパラメータとして実行される。
まず、リバースポジション以外のポジションから、リバースポジションに切り換えられた場合の機能を説明する。リバースポジションが選択されて、マニュアルバルブ80のスプール142が、リバースポジションに対応する位置に停止すると、入力ポート85と出力ポート86とが遮断され、かつ、ドレーンポート89が開放され、かつ、入力ポート85と出力ポート87,88とが連通され、かつ、ドレーンポート90と出力ポート87とが遮断される。このため、前進クラッチ用油圧室93のオイルが、油路91,92を経由してドレーンポート89から排出されて、前進クラッチ用油圧室93の油圧が低下し、前進用クラッチ22が解放される。
一方、リバースポジション以外のポジションから、リバースポジションに切り換えられた時点では、後進ブレーキ用油圧室95の油圧は所定値以下である。後進ブレーキ用油圧室95の油圧が所定値以下である場合は、油路129から、クラッチ圧切換バルブ112の制御ポート122に入力される信号圧が低圧に制御される。すると、スプール113は弾性部材114の付勢力により、図4において上向きに動作し、図4に左半分で示す第1の動作ポジションで、スプール113が停止する。スプール113がこの第1の動作ポジションで停止すると、入力ポート119と出力ポート120とが連通され、かつ、入力ポート118と出力ポート120とが遮断される。
ところで、リニアソレノイドバルブ130においては、弾性部材132の付勢力によりスプール131が図3において上向きに付勢され、リニアソレノイドバルブ130供給される電流値に応じた磁気吸引力により、スプール131が図3において下向きに付勢される。このため、リニアソレノイドバルブ130の電流値により、入力ポート136と出力ポート137との連通面積が制御され、油路108から油路183に供給されるオイルの油圧が制御される。油路108の油圧は、リニアソレノイドバルブ130により減圧されるため、油路183の油圧は油路108の油圧以下となる。
上記のように、スプール131が第1の動作ポジションで停止していると、油路183のオイルが、油路126および油路94を経由して後進ブレーキ用油圧室95に供給されて、後進ブレーキ用油圧室95の油圧が上昇し、後進用ブレーキ23のトルク容量が高まる。そして、油路183の油圧の上昇にともない、フィードバックポート139の油圧も上昇して、スプール131を図3において下向きに付勢する力が増加し、入力ポート136と出力ポート137との連通面積が狭められる。なお、クラッチ圧切換バルブ112のスプール113が第1の動作ポジションで停止している場合は、中継ポート123と中継ポート124とが遮断される。このため、油路126から出力ポート88を経由して油路127に供給されているオイルが、制御ポート107に供給されることはない。
このようにして、後進用ブレーキ23の係合が開始されるとともに、後進ブレーキ用油圧室95の油圧が所定油圧以上に上昇すると、フィードバックポート139の油圧が上昇して、スプール131が図3において下向きに動作して入力ポート136が遮断され、かつ、制御ポート122に入力される信号圧が高圧に制御される。所定油圧は、後進用ブレーキ23のトルク容量が、後進用ブレーキ23で滑りが生じないトルク容量となる油圧に相当する。すると、スプール113が図4において下向きに動作して、図4の右側に示す第2の動作ポジションでスプール113が停止する。スプール113が第2の動作ポジションで停止した場合は、入力ポート119と出力ポート120とが遮断され、かつ、入力ポート118と出力ポート120とが連通される。すると、油路108のオイルが、油路125,126を経由して後進ブレーキ用油圧室95に供給される。
また、クラッチ圧切換バルブ112のスプール113が第2の動作ポジションで停止している場合は、中継ポート123と中継ポート124とが連通される。このため、油路126のオイルが、出力ポート88を経由して油路127に供給されるとともに、そのオイルが油路128を経由してモジュレータバルブ97の制御ポート107に供給される。すると、モジュレータバルブ97のスプール98を、図4において上向きに付勢する力が増加して、入力ポート103と出力ポート104との連通面積が拡大される。このため、スプール113が、第1の動作ポジションで停止している場合における油路108の油圧よりも、スプール113が、第2の動作ポジションで停止している場合における油路108の油圧の方が高圧となる。
このように、リバースポジション以外のポジションから、リバースポジションに切り換えられた場合において、後進用ブレーキ23の係合が開始された時点から、後進用ブレーキ23のトルク容量が所定値に到達するまでの間は、油路108のオイルが、リニアソレノイドバルブ130および油路183を経由して、後進ブレーキ用油圧室95に供給される。このため、リニアソレノイドバルブ130の電流値の制御により、後進ブレーキ用油圧室95の油圧を微調整すること、具体的には、油圧を緩やかに上昇させることができ、後進用ブレーキ23の係合にともなうショックを抑制することが可能である。
一方、後進ブレーキ用油圧室95の油圧が所定値以上となり、後進用ブレーキ23のトルク容量が所定値以上となった場合は、クラッチ圧切換バルブ112のスプール113の動作ポジションが、第2の動作ポジションに切り換えられる。すると、油路108のオイルが、リニアソレノイドバルブ130により減圧されることなく、油路125を経由して後進ブレーキ用油圧室95に供給されるため、後進用ブレーキ23のトルク容量を十分な値、具体的には、伝達トルクによりスリップすることのない値に制御することが可能である。
特に、スプール113が第2の動作ポジションで停止した場合は、油路126のオイルが油路127および油路128を経由して、モジュレータバルブ97の制御ポート107に供給されて、油路96から油路108に供給されるオイル量が増加する。したがって、油路108の油圧を一層高めることが可能であり、後進用ブレーキ23のトルク容量を確実に高めることが可能である。
なお、後進ブレーキ用油圧室95の油圧が充分に上昇して、油路108の油圧が上昇すると、フィードバックポート106の油圧により、スプール98を図4において下向きに付勢する力が増加して、入力ポート103と出力ポート104との連通面積が狭められる。したがって、油路108の油圧が過剰に上昇することを抑制できる。
つぎに、ドライブポジションが選択された場合を説明する。この場合は、マニュアルバルブ80のスプール81の動作により、入力ポート85と出力ポート87とが遮断されるとともに、出力ポート87とドレーンポート90とが連通される。このため、後進ブレーキ用油圧室95のオイルが油路94を経由してドレーンポート90に排出され、後進ブレーキ用油圧室95の油圧が低下する。したがって、後進用ブレーキ23が解放される。また、スプール81の動作により、入力ポート85と出力ポート86とが連通され、かつ、ドレーンポート89が遮断される。
このドライブポジションが選択された場合は、クラッチ圧切換バルブ112のスプール113の動作ポジションとしては、第1の動作ポジションまたは第2の動作ポジションのいずれを選択してもよい。クラッチ圧切換バルブ112の動作による各ポート同士の連通・遮断の関係は、リバースポジションが選択された場合と同じである。
まず、第1の動作ポジションが選択された場合は、油路108のオイルが、リニアソレノイドバルブ130、油路183,126,91を経由して前進クラッチ用油圧室93に供給される。その結果、前進クラッチ用油圧室93の油圧が上昇して前進用クラッチ22が係合される。これに対して、第2の動作ポジションが選択された場合は、油路108のオイルが、油路125,126,91を経由して前進クラッチ用油圧室93に供給される。その結果、前進クラッチ用油圧室93の油圧が上昇して前進用クラッチ22が係合される。なお、ドライブポジションが選択された場合は、入力ポート85と出力ポート88とが遮断されるため、第2の動作ポジションが選択された場合でも、油路126のオイルは油路128には供給されない。
また、図4の油圧制御装置59においては、マニュアルバルブ80のスプール81の動作と、クラッチ圧切換バルブ112のスプール113の動作とが独立して(別々に)おこなわれ、かつ、異なる動作がおこなわれる構成となっている。例えば、スプール113の動作ポジションは2段階であり、スプール81の動作ポジションは5段階であり、全く異なる。具体的には、スプール113とスプール81とを連動して動作させるような機械的な連結機構は設けられていない。したがって、マニュアルバルブ80の大型化を抑制できる。
さらに、この実施例2においては、前進用クラッチ22を係合させる場合における前進クラッチ用油圧室93の目標油圧よりも、後進用ブレーキ23を係合させる場合における後進ブレーキ用油圧室95の目標油圧の方が高く設定される。その理由は以下のとおりである。まず、前進用クラッチ22を係合させるピストン(図示せず)の推力は、「前進クラッチ用油圧室93の油圧×ピストンの受圧面積」で求められる。一方、後進用ブレーキ23を係合させるピストン(図示せず)の推力は、「後進ブレーキ用油圧室95の油圧×ピストンの受圧面積」で求められる。そして、ケーシング15内のスペース上の制約から、後進用ブレーキ23のピストンの受圧面積の方が、前進用クラッチ22のピストンの受圧面積よりも狭いため、同じ推力を生じさせるために、前進クラッチ用油圧室93の目標油圧よりも、後進ブレーキ用油圧室95の目標油圧の方を高く設定する必要があるからである。なお、前進クラッチ用油圧室93および後進ブレーキ用油圧室95の目標油圧は電子制御装置34により設定される。
つぎに、図2に示すベルト式無段変速機4の変速制御の具体例を、図3に基づいて説明する。まず、増速制御条件が成立した場合は、リニアソレノイドバルブ202から出力される信号油圧が高められるとともに、リニアソレノイドバルブ212から出力される信号油圧が低下される。すると、第1の油圧室制御弁166においては、スプール169が図3において下向きに動作し、入力ポート176と出力ポート177との連通面積が拡大され、かつ、ドレーンポート178が遮断される。その結果、油路152から油圧室26Aに供給されるオイル量が増加して、油圧室26Aの油圧が上昇する。したがって、プライマリプーリ24の溝幅が狭められ、プライマリプーリ24におけるベルト28の巻き掛け半径が大きくなり、ベルト式無段変速機4の変速比が小さくなる。
一方、第2の油圧室制御弁168においては、フィードバックポート197の油圧に応じた付勢力により、スプール185が図3において下向きに動作し、ドレーンポート194と出力ポート193との連通面積が拡大され、かつ、入力ポート192が遮断される。その結果、油圧室27Aから排出されるオイル量が増加して、油圧室27Aの油圧が低下する。このようにして、セカンダリプーリ25の溝幅が拡大され、セカンダリプーリ25におけるベルト28の巻き掛け半径が小さくなる。ここで、ベルト28の滑りを防止できるトルク容量を得られるように、油圧室27Aの油圧が制御される。
これに対して、減速制御条件が成立した場合は、リニアソレノイドバルブ212から出力される信号油圧が高められるとともに、リニアソレノイドバルブ202から出力される信号油圧が低下される。すると、第2の油圧室制御弁168においては、スプール185が図3において上向きに動作し、入力ポート192と出力ポート193との連通面積が拡大され、かつ、ドレーンポート194が遮断される。その結果、油路152から油圧室27Aに供給されるオイル量が増加して、油圧室27Aの油圧が上昇する。したがって、セカンダリプーリ25の溝幅が狭められ、セカンダリプーリ25におけるベルト28の巻き掛け半径が大きくなり、ベルト式無段変速機4の変速比が大きくなる。
一方、第1の油圧室制御弁166においては、フィードバックポート181の油圧に応じた付勢力により、スプール169が図3において上向きに動作し、ドレーンポート178と出力ポート177との連通面積が拡大され、かつ、入力ポート176が遮断される。その結果、油圧室26Aから排出されるオイル量が増加して、油圧室26Aの油圧が低下する。このようにして、プライマリプーリ24の溝幅が広げられ、プライマリプーリ24におけるベルト28の巻き掛け半径が小さくなる。ここで、ベルト28の滑りを防止できるトルク容量を得られるように、油圧室26Aの油圧が制御される。
さらに、ベルト式無段変速機4の変速比を略一定に維持する条件が成立した場合は、第1の油圧室制御弁166において、入力ポート176およびドレーンポート178が共に遮断され、油圧室26Aへのオイルの供給および油圧室26Aからのオイルの排出が共に停止するように、リニアソレノイドバルブ202の信号圧が制御される。また、第2の油圧室制御弁168において、入力ポート192およびドレーンポート194が共に遮断され、油圧室27Aへのオイルの供給および油圧室27Aからのオイルの排出が共に停止するように、リニアソレノイドバルブ212の信号圧が制御される。このような制御により、ベルト式無段変速機4の変速比およびトルク容量が略一定に制御される。
つぎに、図3に示す油圧回路において、プライマリレギュレータバルブ153よる油路152の油圧制御について説明する。プライマリレギュレータバルブ153においては、制御ポート163,164の油圧に応じた付勢力と、弾性部材155の付勢力とが、スプール154に対して同じ向きで加えられており、この2つの付勢力とは逆向きに、フィードバックポート165の油圧に応じた付勢力が生じる。これらの3つの付勢力に基づいて、油路152の油圧が制御される。
例えば、油圧室27Aの油圧の方が、油圧室26Aの油圧よりも高圧である場合は、リニアソレノイドバルブ212から出力される信号油圧に応じて、スプール154に図3で上向きに加えられる付勢力が変化し、実施例1で述べた原理と同じ原理により、油路152の油圧が調圧される。これに対して、油圧室26Aの油圧の方が、油圧室27Aの油圧よりも高圧である場合は、リニアソレノイドバルブ212から出力される信号油圧、およびリニアソレノイドバルブ130から出力される信号油圧に応じて、スプール154に図3で上向きに加えられる付勢力が変化し、実施例1で述べた原理と同じ原理により、油路152の油圧が調圧される。さらに、前進クラッチ用油圧室93、または後進ブレーキ用油圧室95の油圧の方が、油圧室95の油圧よりも高圧である場合は、リニアソレノイドバルブ212から出力される信号油圧、およびリニアソレノイドバルブ130から出力される信号油圧に応じて、スプール154に図3で上向きに加えられる付勢力が変化し、実施例1で述べた原理と同じ原理により、油路152の油圧が調圧される。このように、油路152の油圧を、油圧室26A,27Aの油圧、および前進クラッチ用油圧室93、または後進ブレーキ用油圧室95の油圧に応じて適切に設定することが可能である。
ここで、実施例2の構成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、エンジン1およびモータ・ジェネレータが、この発明の駆動力源に相当し、前進クラッチ用油圧室93が、この発明の第3の油圧室に相当し、後進ブレーキ用油圧室95が、この発明の所定の油圧室および第4の油圧室に相当し、前進用クラッチ22が、この発明の前進用摩擦係合装置に相当し、後進用ブレーキ23が、この発明の後進用摩擦係合装置に相当する。また、マニュアルバルブ80およびクラッチ圧切換バルブ112が、この発明の切換弁に相当し、モジュレータバルブ97が、この発明の第4の制御弁に相当し、出力ポート104から出力される油圧が、この発明の第4の制御弁の制御油圧に相当する。なお、実施例2の構成と、この発明のその他の構成との対応関係は、実施例1の構成と、この発明の構成との対応関係と同じである。
つぎに、図2に示された油圧制御装置59の実施例3を、図5に基づいて説明する。この実施例5は、請求項5の発明に対応する実施例である。この実施例3において、第1の油圧室制御弁166および第2の油圧室制御弁168の構成は、実施例2で説明した第1の油圧室制御弁166および第2の油圧室制御弁168の構成と同じである。また、実施例3において、リニアソレノイドバルブ202,212の構成は、実施例1で説明したリニアソレノイドバルブ202,212の構成と同じである。
この実施例3において、プライマリレギュレータバルブ153は、所定方向に往復移動可能なスプール154と、スプール154に形成されたランド部156,157,158と、入力ポート161と、ドレーンポート162と、フィードバックポート165と、スプール154を所定の向きで付勢する弾性部材155とを有している。これらの構成は、実施例1の構成と同じである。さらに、プライマリレギュレータバルブ153は、制御ポート300を有している。制御ポート300には油路301が接続されており、制御ポート300の油圧に応じた付勢力がスプール154に加えられる。この付勢力の向きは、弾性部材155からスプール154に加えられる付勢力の向きと同じである。
さらに、油路184,199,301に接続された制御バルブ302が設けられている。この制御バルブ302は、所定方向、具体的には図5において上下方向に、かつ、軸線A1に沿って往復移動可能な弁体303,304を有している。弁体303は、ランド部305,306を有している。弁体304はランド部307を有している。軸線方向において、ランド部305とランド部307との間に、ランド部306が配置されている。このように構成された弁体303,304は、軸線方向に一体的にまたは別々に動作可能に構成されている。
また、制御バルブ302は、弁体303を弁体304に近づける向きで軸線方向に付勢する弾性部材308を有している。そして、弾性部材308から弁体303に付勢力が加えられて、弁体303の端部と弁体304の端部とが接触する構成となっている。さらに、ランド部306には受圧面309が形成され、ランド部307には受圧面310,311が形成されている。ここで、受圧面309,310,311の面積は同一に設定されている。さらに、制御バルブ302は、入力ポート312および出力ポート313および信号圧入力ポート314,315およびフィードバックポート316およびドレーンポート317を有している。さらにまた、入力ポート312には油路318が接続され、出力ポート313およびフィードバックポート316は油路301に接続されている。
つぎに、図3に示す油圧回路の作用を説明すると、図1および図3の構成と同じ構成部分については、図1および図3の作用と同じ作用が生じる。この実施例3における油路152の油圧制御を説明する。まず、リニアソレノイドバルブ202の出力油圧が、油路184を経由して信号圧入力ポート314に入力され、リニアソレノイドバルブ212の出力油圧が、油路199を経由して信号圧入力ポート315に入力される。そして、信号圧入力ポート314の油圧は受圧面309,310に作用し、信号圧入力ポート315の油圧は受圧面311に作用する。受圧面309に作用する油圧により、弁体303を弾性部材308の付勢力とが逆向きに付勢する力が生じる。また、受圧面310に作用する油圧により、弁体304を弾性部材308の付勢力と同じ向きに付勢する力が生じる。さらに、受圧面311に作用する油圧により、弁体304を弾性部材308の付勢力とが逆向きに付勢する力が生じる。
したがって、信号圧入力ポート314,315の油圧に応じて、軸線方向における弁体303,304の位置が決定されて、入力ポート312と出力ポート313およびドレーンポート317との連通面積が制御される。まず、信号圧入力ポート315の油圧の方が、信号圧入力ポート314の油圧よりも高圧である場合について説明する。この場合は、信号圧入力ポート314の油圧に応じた付勢力が、図5において上向きに弁体303に加えられる。また、信号圧入力ポート315の油圧と、信号圧入力ポート314の油圧との差に応じた付勢力が、図5において上向きに弁体304に加えられる。このようにして、弁体304に加えられる図5で上向きの付勢力と、弁体303に加えられる図5で上向きの付勢力との合力で弁体303が図5において上向きに動作しようとする。
一方、弁体303に対して図5で下向きの付勢力が弾性部材308から加えられているため、この付勢力以下の付勢力が弁体303に対して上向きに加えられている間は、弁体303は図5で上向きには動作しない。つまり、入力ポート312と出力ポート313とが遮断され、かつ、ドレーンポート317と入力ポート312とが連通した状態にある。したがって、制御バルブ302の出力ポート313の出力油圧は最低圧、つまり、零メガパスカルとなる。
そして、信号圧入力ポート314,315の油圧変化に伴い、弁体303を図5で上向きに付勢する力が、弾性部材308により形成される下向きの力を越えた時点で、弁体303が図5で上向きに動作を開始する。その結果、入力ポート312と出力ポート313との連通面積が拡大され、かつ、ドレーンポート317が閉じられる。したがって、入力ポート312から出力ポート313に排出されるオイル量が増加して、制御バルブ302から出力される信号油圧が上昇する。また、油路301の油圧がフィードバックポート316に入力され、フィードバックポート316の油圧に応じて、弾性部材308から加えられる付勢力と同じ向きの付勢力が、弁体303に加えられる。そして、油路301の油圧が所定値以上に高まった場合は、弁体303が図5において下向きに動作して、入力ポート312と出力ポート313との連通面積の拡大が抑制される。したがって、油路301の油圧の上昇が抑制される。
つぎに、信号圧入力ポート314の油圧の方が、信号圧入力ポート315の油圧よりも高圧である場合について説明する。この場合は、信号圧入力ポート314の油圧に応じた付勢力が、図5で上向きに弁体303に加えられる。また、信号圧入力ポート314の油圧に応じた付勢力と、信号圧入力ポート315の油圧に応じた付勢力とが、弁体304に逆向きに加えられて、2つの付勢力の差に相当する付勢力で、弁体304が図5で下向きに付勢される。したがって、弁体303には、信号圧入力ポート314の油圧に応じて、図5で上向きの付勢力が加えられる。そして、前述と同様の原理で弁体303の位置が決定され、出力ポート313から出力される信号圧が制御される。
さらに、信号圧入力ポート314の油圧と、信号圧入力ポート315の油圧とが同じである場合について説明する。この場合は、信号圧入力ポート314の油圧に応じた付勢力が、図5で上向きに弁体303に加えられる。また、信号圧入力ポート314の油圧に応じた付勢力と、信号圧入力ポート315の油圧に応じた付勢力とが、弁体304に逆向きに加えられるが、2つの付勢力が同一であるために相殺される。このようにして、弁体303には、信号圧入力ポート314の油圧に応じて、図5で上向きの付勢力が加えられる。そして、前述と同様の原理で弁体303の位置が決定され、出力ポート313から出力される信号圧が制御される。
ここで、制御バルブ302の出力ポート313から出力される信号油圧と、信号圧入力ポート314,315に入力される制御油圧との関係を図6に示す。この図6に示すように、制御油圧が所定油圧未満である場合は、信号油圧が零メガパスカルとなる。これは、弁体303に加えられる下向きの付勢力の方が、弁体303に加えられる上向きの付勢力よりも大きく、入力ポート312と出力ポート313とが遮断されていることを意味する。そして、制御油圧が所定油圧以上になると、制御油圧の上昇に比例して信号油圧も上昇する。これは、弁体303に加えられる上向きの付勢力の方が、弁体303に加えられる下向きの付勢力よりも大きくなり、入力ポート312と出力ポート313との連通面積が拡大されることを意味する。
このようにして制御される信号油圧が、プライマリレギュレータバルブ153の制御ポート300に入力される。そして、制御ポート300の油圧に応じた付勢力がスプール154に加えられる。この付勢力の向きは、図5において上向きであり、弾性部材155からスプール154に加えられる付勢力の向きと同じである。これに対して、フィードバックポート165の油圧に応じた付勢力が図5で下向きにスプール154に加えられる。したがって、スプール154に加えられるこれらの付勢力により、入力ポート161とドレーンポート162との連通面積が制御され、油路152の油圧が制御される。
図7は、リニアソレノイドバルブ202,212から出力される制御油圧と、油路152の油圧であるライン圧と、油圧室26A,27Aの油圧であるシーブ圧との関係を示す図である。まず、制御油圧が所定値以下である場合は、前述のように、プライマリレギュレータバルブ153の制御ポート300に入力される信号油圧は最低油圧、例えば零メガパスカルである。このため、スプール154を図5で上向きに付勢する力は、弾性部材155の付勢力に応じたものだけになり、油路152の油圧が第1の所定値以上になるとスプール154が、フィードバックポート165の油圧に応じた付勢力で図5で下向きに動作して、入力ポート161とドレーンポート162との連通面積が拡大される。したがって、ライン圧は低圧で略一定に維持される。
これに対して、制御油圧が所定値を越えた場合は、プライマリレギュレータバルブ153の制御ポート300に入力される信号油圧が図6に示すように上昇する。すると、スプール154を図5で上向きに付勢する力が増加する。このため、油路152の油圧が上昇しても、スプール154は下向きには動作せず、入力ポート161とドレーンポート162との連通面積の拡大が抑制される。したがって、制御油圧の上昇に伴いライン圧も上昇する特性を示す。なお、図7には示されていないが、フィードバックポート165の油圧が更に上昇して、フィードバックポート165の油圧に対応する付勢力の方が、弾性部材155の付勢力と制御ポート300の油圧に応じた付勢力との和よりも大きくなった場合は、スプール154が図5で下向きに付勢されて、入力ポート161とドレーンポート162との連通面積が拡大され、ライン圧の上昇が抑制される。
上記のようにして油路152のライン圧が制御され、油路152の圧油が第1の油圧室制御弁166を経由して油圧室26Aに供給されるか、または、第2の油圧室制御弁168を経由して油圧室27Aに供給される。まず、第1の油圧室制御弁166においては、前述のように、リニアソレノイドバルブ202の制御油圧が高められて、制御ポート180の油圧が上昇すると、スプール169が図5において下向きに動作して、油路152から油圧室26Aに供給されるオイル量が増加する。ここで、第1の油圧室制御弁166においては、制御ポート180の油圧が高まる前の段階で、弾性部材170からスプール169に加えられる付勢力と、フィードバックポート181の油圧に応じてスプール169に加えられる付勢力との釣り合いにより、スプール169が停止しているため、制御ポート180の油圧が上昇を開始した時点から、スプール169が図5で下向きに動作を開始し、かつ、油圧室26Aの油圧が上昇する特性となる。
一方、第2の油圧室制御弁168においては、前述のように、リニアソレノイドバルブ212の制御油圧が高められて、制御ポート196の油圧が上昇すると、スプール185が図5において上向きに動作して、油路152から油圧室27Aに供給されるオイル量が増加する。ここで、第2の油圧室制御弁168においては、制御ポート196の油圧が高まる前の段階で、弾性部材186からスプール185に加えられる付勢力と、フィードバックポート197の油圧に応じてスプール185に加えられる付勢力との釣り合いにより、スプール185が停止しているため、制御ポート196の油圧が上昇を開始した時点から、スプール185が図5で上向きに動作を開始し、かつ、油圧室27Aの油圧が上昇する特性となる。すなわち、図7に示すように、制御油圧の上昇に伴いシーブ圧が上昇する特性となる。なお、油路152の圧油が、油圧室26Aまたは油圧室27Aに供給される場合、第1の油圧室制御弁166または第2の油圧室制御弁168で減圧されるため、図7に示すように油圧室26A,27Aの油圧は、ライン圧よりも低圧となる。
以上のように、実施例3においては油路152のライン圧をプライマリレギュレータバルブ153で制御するにあたり、2つのリニアソレノイドバルブ202,212の制御油圧を用いている。ここで、2つのリニアソレノイドバルブ202,212の制御油圧が略同じとなる場合は希であり、事実上は、高圧な方の制御油圧を選択している。したがって、油路152の油圧の制御性が向上する。また、制御バルブ302は、2つの制御油圧が常時入力される構成であり、2つの制御油圧が共に遮断される状態、すなわち、中間位置に相当する状態がないため、油路152でサージ圧が発生すること、すなわち過渡的な圧力変動が発生することを抑制できる。したがって、サージ圧の発生を防止するために、アキュムレータなどを設けずに済む。
また、図7の線図に示すように、ライン圧の必要最低圧と、シーブ圧の必要最低圧とに所定値以上の差がある第1の油圧特性領域と、この領域以外では、ライン圧の必要最低圧と、シーブ圧の必要最低圧との差が極めて少なくなるような第2の油圧特性領域とが共存するような油圧特性を得ることが可能である。したがって、ライン圧を必要以上に高くせずに済む。その結果、オイルポンプ150をエンジン1で駆動する構成であれば、エンジン1の燃費の低下を抑制できるとともに、オイルポンプ150の負荷上昇に伴う油温の上昇を抑制できる。
ここで、実施例3で説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、リニアソレノイドバルブ202が、この発明の第5の制御弁に相当し、リニアソレノイドバルブ212が、この発明の第6の制御弁に相当し、制御バルブ302が、この発明の第7の制御弁に相当し、弁体303,304が、この発明の弁体に相当し、信号圧入力ポート314,315が、この発明の制御圧入力ポートに相当する。実施例3におけるその他の構成と、この発明との対応関係は、実施例1の構成とこの発明の構成との対応関係と同じである。
この発明におけるベルト式無段変速機の油圧制御装置の実施例1を示す概念図である。 この発明のベルト式無段変速機の油圧制御装置を有する車両のパワートレーンおよび制御系統を示す概念図である。 この発明におけるベルト式無段変速機の油圧制御装置の実施例2を示す部分的な概念図である。 この発明におけるベルト式無段変速機の油圧制御装置の実施例2を示す部分的な概念図である。 この発明におけるベルト式無段変速機の油圧制御装置の実施例3を示す概念図である。 実施例3において、リニアソレノイドバルブの信号油圧と、制御バルブの制御油圧との関係の一例を示す線図である。 実施例3において、リニアソレノイドバルブの信号油圧と、ライン圧と、シーブ圧との関係の一例を示す線図である。
符号の説明
1…エンジン、 2…車輪、 4…ベルト式無段変速機、 8…前後進切換装置、 24…プライマリプーリ、 25…セカンダリプーリ、 26A,27A…油圧室、 28…ベルト、 59…油圧制御装置、 80…マニュアルバルブ、 93…前進クラッチ用油圧室、 95…後進ブレーキ用油圧室、 97…モジュレータバルブ、 112…クラッチ圧切換バルブ、 123,124…中継ポート、 127,128…油路、 130,202,212…リニアソレノイドバルブ、 152…油路、 153…プライマリレギュレータバルブ、 166…第1の油圧室制御弁、 168…第2の油圧室制御弁、 302…制御バルブ、 303,304…弁体、 314,315…信号圧入力ポート、 Ve…車両。

Claims (5)

  1. ベルトが巻き掛けられるプライマリプーリおよびセカンダリプーリと、前記プライマリプーリおよびセカンダリプーリにおける前記ベルトの巻き掛け状態を制御する第1の油圧室および第2の油圧室とを有するベルト式無段変速機の油圧制御装置において、
    各々制御油圧を出力する第1の制御弁ないし第3の制御弁と、
    所定油路から前記第1の油圧室に供給される圧油の状態を、第1の制御弁の制御油圧および前記第3の制御弁の制御油圧に基づいて制御する第1の油圧室制御弁と、
    所定油路から前記第2の油圧室に供給される圧油の状態を、前記第2の制御弁の制御油圧および前記第3の制御弁の制御油圧に基づいて制御する第2の油圧室制御弁と、
    前記第1の制御弁の制御油圧または前記第2の制御弁の制御油圧のうちの高圧な方の制御油圧と、前記第3の制御弁の制御油圧とに基づいて、前記所定油路の油圧を制御する圧力制御弁と、
    を有することを特徴とするベルト式無段変速機の油圧制御装置。
  2. ベルトが巻き掛けられるプライマリプーリおよびセカンダリプーリと、前記プライマリプーリおよびセカンダリプーリにおける前記ベルトの巻き掛け状態を制御する第1の油圧室および第2の油圧室とを有するベルト式無段変速機の油圧制御装置において、
    各々制御油圧を出力する第1の制御弁ないし第3の制御弁と、
    所定油路から前記第1の油圧室に供給される圧油の状態を、前記第1の制御弁の制御油圧に基づいて制御する第1の油圧室制御弁と、
    所定油路から前記第2の油圧室に供給される圧油の状態を、前記第2の制御弁の制御油圧に基づいて制御する第2の油圧室制御弁と、
    前記第2の制御弁の制御油圧および前記第3の制御弁の制御油圧に基づいて、前記所定油路の油圧を制御する圧力制御弁と、
    を有することを特徴とするベルト式無段変速機の油圧制御装置。
  3. 車両の駆動力源から車輪に至る動力伝達経路に、ベルト式無段変速機と前後進切換装置とが配置されており、前記前後進切換装置は、車両を前進させる駆動力を生じさせる前進用摩擦係合装置と、車両を後進させる駆動力を生じさせる後進用摩擦係合装置とを有しており、
    前記前進用摩擦係合装置のトルク容量を制御する第3の油圧室と、前記後輪用摩擦係合装置のトルク容量を制御する第4の油圧室と、前記第3の制御弁の制御油圧を、前記第3の油圧室または第4の油圧室に選択的に供給する切換弁と、
    が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のベルト式無段変速機の油圧制御装置。
  4. 前記第3の油圧室および前記第4の油圧室に供給する制御油圧を出力する第4の制御弁が設けられており、
    前記切換弁は、前記第3の制御弁の制御油圧と、前記第4の制御弁の制御油圧とを選択的に切り換えて、前記第3の油圧室または前記第4の油圧室に供給する構成を備えていることを特徴とする請求項3に記載のベルト式無段変速機の油圧制御装置。
  5. ベルトが巻き掛けられるプライマリプーリおよびセカンダリプーリと、前記プライマリプーリおよびセカンダリプーリにおける前記ベルトの巻き掛け状態を制御する第1の油圧室および第2の油圧室と、前記第1の油圧室および前記第2の油圧室に供給される圧油を出力する圧力制御弁と、この圧力制御弁の油圧調整機能を制御するための制御油圧を出力する第5の制御弁および第6の制御弁とを有するベルト式無段変速機の油圧制御装置において、
    前記第5の制御弁および第6の制御弁の制御油圧に基づいて、前記圧力制御弁の油圧調整機能を制御する信号油圧を出力する第7の制御弁が設けられており、この第7の制御弁は、弾性部材により所定の向きに付勢され、かつ、前記信号油圧を制御する弁体と、前記第5の制御弁および第6の制御弁の制御油圧が入力され、かつ、この制御油圧に応じて前記弾性部材とは逆向きに前記弁体を付勢する力を生成する制御圧入力ポートとを有しているとともに、
    この第7の制御弁は、前記第5の制御弁および第6の制御弁の制御油圧のうち、高圧な方の制御油圧を前記圧力制御弁の出力油圧に反映させるような信号油圧を出力する構成であることを特徴とするベルト式無段変速機の油圧制御装置。
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