JP2005117428A - 電圧制御発振器、pll回路、通信機器、および電圧制御発振方法。 - Google Patents

電圧制御発振器、pll回路、通信機器、および電圧制御発振方法。 Download PDF

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浩二 滝波
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寿史 足立
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Abstract

【課題】 電源電位が低くても広い帯域にわたる周波数範囲を制御することができる電圧制御発振器、電圧制御発振方法、それを利用したPLL回路、そのPLL回路を利用した通信機器を提供すること。
【解決手段】
少なくとも1つのインダクタ1、2を有するインダクタ回路7と、印加される電圧によりその容量が変化するバラクタ8、9を有し、直流成分を遮断するための阻止コンデンサ15、16をその両端に有する可変容量回路10と、負性抵抗回路13と、バラクタ8、9の一方側に基準電位を変更して供給することができるスイッチ19と、を備え、インダクタ回路7、可変容量回路10、および負性抵抗回路13は並列に接続されており、バラクタ8、9の他方側には、発振周波数をフィードバック制御するための、接地電位から電源電位までの範囲の制御電位が入力される、電圧制御発振器。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電圧制御発振器、電圧制御発振方法、それを利用したPLL回路、PLL回路を利用した通信機器に関する。
電圧制御発振器は、無線通信機の局部発振信号を発生させる手段として広く使用されている。(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)この電圧制御発振器は、半導体製造プロセスにおける構成要素の微細化、電池等の電源の低電圧化に伴い、高周波用ICでは低電圧動作が求められている。しかし、電源電位が低下すると、携帯電話等の通信機器に使用される電圧制御発振器(VCO)の周波数可変範囲が小さくなってしまう。図11(a)は、電源が高電圧であるときの電圧制御発振器の周波数可変範囲を示し、図11(b)は、電源が低電圧になったときの電圧制御発振器の周波数可変範囲を示す。
図12(a)にこのような従来の電圧制御発振器の構成回路を示す。図12(a)に示す回路は、インダクタ1001と、インダクタ1001に直列に接続されたインダクタ1002、インダクタ1001とインダクタ1002の間に接続され、電源電位Vddを供給するための電源端子1003とからなるインダクタ回路1007と、バラクタ1008およびバラクタ1009からなり、両者の接続点に制御電位端子1006が接続された可変容量回路1010と、2つのトランジスタ1011、1012が互いにクロスカップリングされている負性抵抗回路1013と、が互いに並列接続されている発振回路である。トランジスタ1011のソース側およびトランジスタ1012のソース側は、互いに接続され、電流源1014の一方側に接続されている。そして、電流源1014の他方側は、接地されている。
図13(a)は、このような従来の電圧制御発振器1015を用いたPLL回路を示す。1018は、分周器であり、1017は、電圧制御発振器1015の出力f0と基準信号frの位相を比較し、両者のずれに応じて電圧または電流パルスを出力する位相比較器である。位相比較器の出力信号は、ループフィルタ(LPF)1016によって低周波成分のみが抽出され、制御電位Vtとして電圧制御発振器1015の制御電位端子1006に入力される。したがって、図13(b)に示すように制御電位Vtは0からVddまでの値をとる。
次に上記のように構成された電圧制御発振器1015の動作を説明する。電源端子1003から電源電位Vddが供給されると、インダクタ1001、1002を介してトランジスタ1011、1012に電源電位Vddがそれぞれ供給される。トランジスタ1011、1012の出力側が互いに他のトランジスタのゲート側に戻されることにより、この発振回路は、上述のインダクタ回路1007および可変容量回路1010から構成される並列共振回路により決定される周波数の発振信号を生じる。すなわち、制御電位端子1006から入力される制御電位Vtと電源電位Vddの差電圧がバラクタ1008、1009の両端に印加され、この差電圧によってバラクタ1008、1009の容量が決定され、これにより発振周波数が決定される。トランジスタ1011、1012は、負性抵抗を発生して共振回路の寄生抵抗成分による損失をキャンセルする作用をする。このようにして図12(a)に示す電圧制御発振器1015において、制御電位Vtにより発振周波数を変化させることができる。
特開2002−118462号公報 J.J.Rael and A.A.Abidi著、Physical Processes of Phase Noise in Differential LC Oscillators「IEEE 2000 Custom Integrated Circuits Conference Proceeding」pp.569−572
しかしながら、上述のように近年の電池の低電圧化の傾向の中では、図12(b)に示すように電圧制御発振器1015において発振周波数の範囲を十分に広くとることができない。すなちわ、制御電位Vtは、本来電源電位Vdd以下であり、電圧制御発振器の出力周波数は電源電位Vddに対応する周波数以下となる。その電源電位Vddが低電圧化されることにより、さらに出力周波数は狭い範囲のものとなってしまう。
また、バラクタ1008、1009等の可変容量素子は、温度変化に対して敏感であり、周囲温度の変化があった場合、電圧制御発振器1015の発振周波数がずれてしまうこともあった。図14は、そのような場合を模式的に示す。実線は、バラクタ1008、1009の制御電圧に対する発振周波数の特性を示す。所望の周波数(PLL回路におけるロック周波数)における制御電位が例えば電源電位Vddに近い場合、バラクタ1008、1009の特性が周囲温度の変化により図14に示す破線のように移行したとすると、上記所望の周波数に対応する制御電位は、Vddを越えてしまう場合がある。上述のようにPLL回路において、制御電位Vtは電源電位Vddを越えることはないので、このことは、電圧制御発振器1015における制御が不能であることを示す。従って、周囲の温度変化を考慮すると、制御対象の発振周波数の範囲は、さらに狭くなってしまう。
本発明は、上記の課題を鑑み、電源電位が低くても広い帯域にわたる周波数範囲を制御することができる電圧制御発振器、電圧制御発振方法、それを利用したPLL回路、そのPLL回路を利用した通信機器を提供することを目的とする。
また、本発明は、温度変化による影響を受けることが少ない電圧制御発振器、電圧制御発振方法、それを利用したPLL回路、そのPLL回路を利用した通信機器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の本発明は、少なくとも1つのインダクタを有するインダクタ回路と、
印加される電圧によりその容量が変化する第1の可変容量素子を有し、直流成分を遮断するための阻止コンデンサをその両端に有する可変容量回路と、
負性抵抗回路と、
前記第1の可変容量素子の一方側に基準電位を変更して供給することができる基準電位供給手段と、を備え、
前記インダクタ回路、前記可変容量回路、および前記負性抵抗回路は並列に接続されており、
前記第1の可変容量素子の他方側には、発振周波数をフィードバック制御するための、接地電位から電源電位までの範囲の制御電位が入力される、電圧制御発振器である。
第2の本発明は、所定の発振周波数を境界として、前記基準電位供給手段は、前記第1の可変容量素子の一方側に、前記接地電位より大きく前記電源電位以下の基準電位および前記接地電位のいずれかを供給する、第1の本発明の電圧制御発振器である。
第3の本発明は、前記並列接続点の少なくとも一方と接地点との間に、スイッチング素子を介して接続されている容量性素子をさらに備え、
所望の発振周波数に応じて、前記スイッチング素子がオンオフされる、第1の本発明の電圧制御発振器である。
第4の本発明は、前記容量性素子はMIM容量素子であり、前記スイッチング素子はFETスイッチである、第3の本発明の電圧制御発振器である。
第5の本発明は、所望の発振周波数において、前記制御電位が前記電源電位の1/2に近づくような基準電位が前記基準電位供給手段から供給される、第1の本発明の電圧制御発振器である。
第6の本発明は、前記基準電位供給手段は、前記制御電位が所望の発振周波数を保持しながら前記電源電位の1/2に近づくように、前記基準電位を変更する、第1の本発明の電圧制御発振器である。
第7の本発明は、前記基準電位の変更は電位選択回路によりなされる、第6の本発明の電圧制御発振器である。
第8の本発明は、前記電位選択回路は、所望の発振周波数に応じた電位の選択を記憶したROMを有している、第7の本発明の電圧制御発振器である。
第9の本発明は、少なくとも1つのインダクタを有するインダクタ回路と、
印加される電圧によりその容量が変化する第1の可変容量素子と、
負性抵抗回路と、
第2の可変容量素子と、を備え、
前記インダクタ回路、前記第1の可変容量素子、前記負性抵抗回路、および前記第2の可変容量素子は並列に接続されており、
前記第1の可変容量素子のいずれか一方側には、発振周波数をフィードバック制御するための、接地電位から電源電位までの範囲の制御電位が入力され、
所望の発振周波数において、前記制御電位が前記電源電位の1/2に近づくように、前記第2の可変容量素子の容量が変化される、電圧制御発振器である。
第10の本発明は、前記第2の可変容量素子は、前記制御電位が所望の発振周波数を保持しながら前記電源電位の1/2に近づくようにその容量が変化される、第1の本発明の電圧制御発振器である。
第11の本発明は、前記第2の可変容量素子は、印加される容量制御電位の制御によりその容量が変化される、第10の本発明の電圧制御発振器である。
第12の本発明は、前記第2の可変容量素子の容量の変更は、前記容量制御電位を選択するための容量制御電位選択回路によりなされる、第11の本発明の電圧制御発振器である。
第13の本発明は、前記容量制御電位選択回路は、所望の発振周波数に応じた電位の選択を記憶したROMを有している、第12の本発明の電圧制御発振器である。
第14の本発明は、第1または9の本発明の電圧制御発振器と、
前記電圧制御発振器から出力される発振信号の位相と基準信号の位相とを比較し、前記位相のずれに応じて、前記接地電位から前記電源電位までの範囲の出力電位を出力する位相比較器と、
前記位相比較器から出力される出力電位を低域濾過するループフィルタと、を備え、
前記ループフィルタから出力される電位が前記制御電位である、PLL回路である。
第15の本発明は、第1の本発明の電圧制御発振器と、
前記電圧制御発振器から出力される発振信号の位相と基準信号の位相とを比較し、前記位相のずれに応じて、前記接地電位から前記電源電位までの範囲の出力電位を出力する位相比較器と、
前記位相比較器から出力される出力電位を低域濾過するループフィルタと
前記ループフィルタから出力される電位を保持するための電位保持手段と、
前記第1の可変容量素子の一方側に印加される基準電位を、前記電位保持手段の出力電位と前記ループフィルタの出力電位とに切り替える第1の切替回路と、
前記可変容量素子の他方側に印加される制御電位を、前記ループフィルタから出力される電位と前記電源電位の1/2の電位とに切り替える第2の切替回路と、を備え、
その動作の開始時には、前記第1の切替回路は、前記ループフィルタの出力側を選択し、前記第2の切替回路は、前記電源電位の1/2の電位を選択し、
発振周波数が安定した後は、前記第1の切替回路は前記電位保持手段の出力を選択し、前記第2の切替回路は前記ループフィルタの出力を選択する、PLL回路である。
第16の本発明は、第9の本発明の電圧制御発振器と、
前記電圧制御発振器から出力される発振信号の位相と基準信号の位相とを比較し、前記位相のずれに応じて、前記接地電位から前記電源電位までの範囲の出力電位を出力する位相比較器と、
前記位相比較器から出力される出力電位を低域濾過するループフィルタと
前記ループフィルタから出力される電位を保持するための電位保持手段と、
前記第2の可変容量素子の他方側に印加される容量制御電位を、前記電位保持手段の出力電位と前記ループフィルタの出力電位とに切り替える第1の切替回路と、
前記第1の可変容量素子の他方側に印加される制御電位を、前記ループフィルタから出力される電位と前記電源電位の1/2の電位とに切り替える第2の切替回路と、を備え、
その動作の開始時には、前記第1の切替回路は、前記ループフィルタの出力側を選択し、前記第2の切替回路は、前記電源電位の1/2の電位を選択し、
発振周波数が安定した後は、前記第1の切替回路は前記電位保持手段の出力を選択し、前記第2の切替回路は前記ループフィルタの出力を選択する、PLL回路である。
第17の本発明は、第7、8、12、および13のいずれかの本発明の電圧制御発振器と、
前記電圧制御発振器から出力される発振信号の位相と基準信号の位相とを比較し、前記位相のずれに応じて、前記接地電位から前記電源電位までの範囲の出力電位を出力する位相比較器と、
前記位相比較器から出力される出力電位を低域濾過するループフィルタと
前記電圧制御発振器から出力される発振信号の周波数と所望の周波数とを比較する周波数比較器と、を備え、
前記周波数比較結果が前記基準電位供給手段に供給され、前記電位選択回路は、所望の発振周波数において、前記制御電位が前記電源電位の1/2に近づくように、前記基準電位を選択する、PLL回路である。
第18の本発明は、送信回路、受信回路、およびアンテナを備え、前記送信回路または受信回路は、第14の本発明のPLL回路を有する通信機器である。
第19の本発明は、印加される電圧によりその容量が変化する第1の可変容量素子の他方側に、発振周波数をフィードバック制御するための、接地電位から電源電位までの範囲の制御電位を入力する工程と、
前記第1の可変容量素子の他方側に、基準電位供給手段により基準電位を変更して供給する工程と、を備える電圧制御発振方法であって、
前記第1の可変容量素子には、その両端に直流成分を遮断するための阻止コンデンサが接続されて可変容量回路が形成されており、
前記可変容量回路、負性抵抗回路、および少なくとも1つのインダクタを有するインダクタ回路が互いに並列に接続されている、電圧制御発振方法である。
第20の本発明は、前記制御電位を入力する工程は、最初に前記電源電位の1/2の電位を入力する工程と、
発振周波数が所望の周波数になるように前記第1の可変容量を変化させて前記所望の発振周波数を得る工程と、
前記所望の発振周波数が得られた後、前記発振周波数をフィードバック制御するための制御電位を入力する工程とを含む、第19の本発明の電圧制御発振方法である。
第21の本発明は、印加される電圧によりその容量が変化する第1の可変容量素子の他方側に、発振周波数をフィードバック制御するための、接地電位から電源電位までの範囲の制御電位を入力する工程と、
所望の発振周波数において、前記制御電位を前記電源電位の1/2に近づくように、前記第1の可変容量素子に並列に接続されている第2の可変容量素子の容量を変化する工程と、を備える電圧制御発振方法であって、
前記第1の可変容量素子、負性抵抗回路、および少なくとも1つのインダクタを有するインダクタ回路が互いに並列に接続されている、電圧制御発振方法である。
第22の本発明は、前記制御電位を入力する工程は、
最初に前記電源電位の1/2の電位を入力する工程と、
発振周波数が所望の周波数になるように前記第2の可変容量を変化させて前記所望の発振周波数を得る工程と、
前記所望の発振周波数が得られた後、前記発振周波数をフィードバック制御するための制御電位を入力する工程とを含む、第21の本発明の電圧制御発振方法である。
本発明によれば、電源電位が低くても広い帯域にわたる周波数範囲を制御することができる電圧制御発振器、電圧制御発振方法、それを利用したPLL回路、そのPLL回路を利用した通信機器を提供することができる。
また、本発明によれば、温度変化による影響を受けることが少ない電圧制御発振器、電圧制御発振方法、それを利用したPLL回路、そのPLL回路を利用した通信機器を提供することができる。
(実施の形態1)
図1(a)に本発明の実施の形態の電圧制御発振器の回路構成を示す。図1(a)に示す回路は、インダクタ1と、インダクタ1に直列に接続されたインダクタ2、インダクタ1とインダクタ2の間に接続され、電源電位Vddを供給するための電源端子3を有するインダクタ回路7と、バラクタ8およびバラクタ9を有し、両者の接続点(すなわち本発明の第1の可変可変容量素子の他方側)に制御電位端子6が接続され、バラクタ8およびバラクタ9の直列回路の両端に直流分を遮断するための阻止コンデンサ15、16を有する可変容量回路10と、2つのトランジスタ11、12が互いにクロスカップリングされている負性抵抗回路13と、が互いに並列接続されている発振回路である。ここで、バラクタ8,9は、本発明の第1の可変容量素子に一例として対応する。
可変容量回路10のバラクタ8と阻止コンデンサ15との間およびバラクタ9と阻止コンデンサ16との間(すなわち本発明の第1の可変容量素子の一方側)には、それぞれ抵抗17、18を介してスイッチ19の出力側が接続されている。スイッチ19の入力側の一方には、電源電位Vddが供給され、スイッチ19の他方側には接地電位が供給されている。本発明の基準電位供給手段は、このように電源電位、および接地電位に接続されているスイッチ19に一例として対応している。トランジスタ11のソース側、およびトランジスタ12のソース側は、互いに接続され、電流源14の一方の端子に接続されている。そして、電流源14の他方の端子は、接地されている。
次に上記のように構成された本実施の形態の電圧制御発振器の動作を説明する。電源端子3から電源電位Vddが供給されると、電源電位Vddはインダクタ1、2を介してトランジスタ11、12にそれぞれ供給される。トランジスタ11、12の出力側が互いに他のトランジスタ12、11のゲート側に戻されることにより、この発振回路は、上述のインダクタ回路7および可変容量回路10から構成される並列共振回路により決定される周波数の発振信号を生じる。
すなわち、バラクタ8およびバラクタ9の接続点には、制御電位端子6から入力される、接地電位から電源電位Vddまでの範囲の制御電位Vtが入力され、バラクタ8と阻止コンデンサ15との接続点、およびバラクタ9と阻止コンデンサ16との接続点には、スイッチ19からそれぞれ抵抗17、18を介して基準電位Vgが供給される。
スイッチ19において、基準電位Vgとして電源電位Vddが選択されている場合は、バラクタ8、9の両端には制御電位Vtと電源電位Vddの差電圧が印加され、スイッチ19において、基準電位Vgとして接地電位が選択されている場合は、バラクタ8,9の両端には制御電位Vtと接地電位の差電圧が印加される。
この差電圧によってバラクタ8、9の容量が決定され、これにより発振周波数が決定される。トランジスタ11、12は、負性抵抗を発生して共振回路の寄生抵抗成分による損失をキャンセルする作用をする。このようにして図1(a)に示す電圧制御発振器において、制御電位Vtにより発振周波数を変化させることができる。
この様子を図1(b)に示す。図1(b)の横軸は制御電位Vtと基準電位Vgとの差であり、縦軸はこの差電圧により決定される周波数である。基準電位Vgとして電源電位Vddが選択されている場合は、Vt−Vgは0以下となる。すなわち、制御電位Vtの範囲は、0≦Vt≦Vddであるため、−Vdd≦Vt−Vg≦0となる。そして、基準電位として接地電位が選択されている場合(すなわちVg=0)は、制御電位Vtの範囲と等しくなり、0≦Vt−Vg≦Vddとなる。このように、−Vddから0までを従来の電圧制御発振器の各バラクタに印加される電圧の範囲とすると、本発明の電圧制御発振器の各バラクタに印加される電圧の範囲は、−VddからVddに渡り、従来のものの倍の範囲となる。このようにスイッチ19により、バラクタ8,9に印加する電圧の方向を変更することにより、バラクタ8,9が有する可変容量の特性を広範囲にわたって利用することができる。
図1(c)は、横軸をVtとして、図1(b)に示す特性を表した図である。この図に示すように、Vg=0の場合の特性は、図1(b)に示す右側の領域(0≦Vt−Vg≦Vddの領域)の部分を左側の領域(すなわち−Vdd≦Vt−Vg≦0の領域)に移した形を示している。従って、本実施の形態の電圧制御発振器34によれば、制御電位が同じ0≦Vt≦Vddの範囲でありながら、基準電位Vgを切り替えることにより、発振周波数の範囲を倍にすることができる。言い換えると、本実施の形態の電圧制御発振器34によれば、電源電位Vddが半分に低電圧化しても、同じ周波数範囲をカバーすることができる。
しかも、この場合、制御電位Vtの変化分に対する発振周波数の変化分(すなわち傾き)は変わらないので、位相雑音特性が劣化することもない。
図2は、本実施の形態の電圧制御発振器34を用いたPLL回路を示す。38は、分周器であり、37は、電圧制御発振器34の出力f0と基準信号frの位相を比較し、両者のずれに応じて電圧または電流パルスを出力する位相比較器である。位相比較器の出力信号は、ループフィルタ(LPF)1016によって低周波成分のみが抽出され、制御電位Vtとして電圧制御発振器34の制御電位端子6に入力される。したがって、制御電位Vtは0からVddまでの値をとる。
スイッチ19は、電圧制御発振器34の外付け要素として示しているが、動作は上述のものと同様である。また、スイッチ20は、動作開始時には、ループフィルタ46の出力信号ではなく、所定の電圧(Vdd)を供給する基準電源27側を選択する。この状態で周波数比較器21によって発振周波数と所望の周波数を比較し、所望の発振周波数が所定の発振周波数を下回るときは、スイッチ19の入力側を電源電位Vddとし、所定の発振周波数を上回るときは、スイッチ19の入力側を接地電位とするよう動作させる。
すなわち、発振周波数をfstart、所望の周波数をfoとした場合に、fstart≧foのときは、スイッチ19の入力側を電源電位Vddとして低周波側のバンドを選択し、fstart<foの場合には、スイッチ19の入力側を接地電位として高周波側のバンドを選択する。
以上の動作を完了後、スイッチ20をループフィルタ46側に接続し、PLL動作を開始する。
なお、スイッチ19を接地電位とVref(Vddより低い電位)に接続する構成にして、図1−2に示す様に2つの周波数バンドにオーバーラップを確保するようにしてもよい。
以上のように、スイッチ19からは、バラクタ8および阻止コンデンサ16の接続点に、所定の発振周波数を境界として、電源電位Vddおよび接地電位のいずれか一方が供給される。ここで、所定の発振周波数とは、例えば、バラクタ8,9の両端に印加される電圧が等しい場合の発振周波数である(すなわち、図1(c)におけるVt=Vddの場合の発振周波数)。しかし、所定の発振周波数は、この例に限らず、他の周波数であってもよい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の電圧制御発振器の構成を図3(a)に示す。実施の形態1の電圧制御発振器34と同一の構成要素については同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の電圧制御発振器36においては、インダクタ回路7および可変容量回路10のそれぞれの接続点に、容量性素子24およびスイッチング素子22の直列回路、ならびに容量性素子25およびスイッチング素子23の直列回路が接続されている。スイッチング素子22、23のそれぞれ一方側は容量性素子24、25に接続されており、他方側は、接地されている。容量性素子24,25としてはMIM容量素子であることが好ましいがこれに限定されることはない。またスイッチング素子22,23としては、FETが好ましいがこれに限定されることはない。
次に、本実施の形態の電圧制御発振器36の動作を説明する。実施の形態1の電圧制御発振器34と同様に、所定の発振周波数(本実施の形態においては、基準電位Vref(Vref<Vdd)に対応する周波数)を境界としてスイッチ19をオン、オフさせる点は同様であるが、本実施の形態の電圧制御発振器36によれば、実施の形態1の電圧制御発振器がカバーする周波数範囲を超えるとき、すなわち発振周波数がVg=0、Vt=Vrefに対応する周波数を超えることきは、スイッチング素子22およびスイッチング素子23の少なくともいずれかをオンさせると同時にスイッチ19をVref側に切り替える。これにより共振回路の共振周波数をより高くすることができる。そして、さらに高い周波数が必要な場合は、スイッチ19を接地電位側に切り替える。このような動作により、図3(b)に示すように、実施の形態1の電圧制御発振器34よりも、さらに広い発振周波数の範囲をカバーすることができる。このように、本実施の形態の電圧制御発振器36においては、通常のスイッチング素子と容量性素子によるバンド切替との組み合わせにより、さらに広い発振周波数範囲をカバーすることができる。または、電源電位がより低くなっても、発振周波数範囲を維持することができる。
なお、図3(b)に示す例では、4つのバンド切替の例を示したが、バンド切替用の容量性素子とスイッチング素子をさらに接続することにより、さらに多くのバンド切替を行うことができることは明白である。
しかし、バンド切替を、通常のスイッチング素子と容量性素子による構成のみに頼ると、電圧制御発振器の高周波における動作特性が劣化してしまう。すなわち、図4(a)に示すスイッチング素子22、23はオン動作のとき、図4(b)に示す等価回路において、スイッチング素子22、23は抵抗となる。この抵抗分の影響により、電圧制御発振器の高周波特性が影響を受けてしまう。しかし、本実施の形態の電圧制御発振器36においては、基準電位の切替によっても、バンド切替を実現するので、通常のバンド切替のみの構成よりも高周波特性の劣化の度合いが少ない電圧制御発振器を提供することができる。
また、本実施の形態では、制御電位Vtが電源電位Vddより小さい基準電位Vrefを境界として、スイッチ19から、基準電位Vrefが供給されるか、接地電位が供給されるか、のいずれかであるとして説明したが、実施の形態1と同様、電源電位Vddを境界として、スイッチ19から、基準電位としての電源電位Vddが供給されるか、接地電位が供給されるか、のいずれかである動作であってもよい。また、逆に実施の形態1において、制御電位Vtが基準電位Vrefを境界として、基準電位Vrefまたは接地電位が供給される動作であってもよい。
(実施の形態3)
図5(a)に本発明の実施の形態3の電圧制御発振器45の回路構成を示す。実施の形態1の電圧制御発振器34と同一の構成要素については同一の参照番号を付しその説明を省略する。本実施の形態の電圧制御発振器45においては、スイッチ19の代わりに可変電源29が抵抗17および抵抗18の接続点に接続されている。この可変電源29は、抵抗17を介してバラクタ8および阻止コンデンサ15の接続点に、抵抗18を介してバラクタ9および阻止コンデンサ16の接続点に、それぞれ0〜Vddの範囲の基準電位を連続的に変更して供給することができる。この場合、所望の発振周波数において、制御電位が電源電位Vddの1/2に近づくような基準電位が可変電源29から供給される動作が考えられる。また、可変電源29は、制御電位が所望の発振周波数を保持しながら電源電位の1/2に近づくように、基準電位を自動時に変更する動作も考えられる。
図18は、所望の発振周波数において、制御電位が電源電位Vddの1/2に近づくような基準電位が供給されるPLL回路の例である。図18において、図2と同様の構成要素については同一の参照符号を付し、その説明を省略する。図18に示すPLL回路においては、スイッチ19の入力側は、ループフィルタ46の出力側と、ループフィルタ46の出力側に接続された電位保持手段52の出力側とが接続されている。電位保持手段52は、ループフィルタ46から出力される電位を保持することができる。
図18示すPLL回路の動作開始時においては、スイッチ19においてはループフィルタ46の出力側が選択され、スイッチ20においてはVdd/2側が選択されている。
従って、動作の開始時においては、バラクタ8,9の他方側には、基準電子Vdd/2が入力され、バラクタ8,9の一方側には、制御電位が入力される。この状態で、発振周波数が安定すると、電位保持手段52は、ループフィルタ46から出力される制御電位を保持する。そして、スイッチ19は、電位保持手段52の出力を選択するように切り替えられ、スイッチ20は、ループフィルタ46の出力を選択するように切り替えられる。
従って、バラクタ8,9の一方側には、制御電位をVdd/2とした場合に所望の発振周波数を得るために適切な基準電位が入力され、バラクタ8,9の他方側には、本来の制御電位が入力される。このような構成のPLL回路を使用すれば、スタート後、すぐにVtがVdd/2付近になるように調整することができる。従って、電源がオフされている間に、周囲温度が変化していても、所望の発振周波数に対して、最も動作が安定する条件でPLL回路を動作させることができる。
さらに所望の発振周波数を必要周波数帯域の中心に設定することで、周波数感度を上げることなく広い周波数範囲で動作可能になり、位相雑音の劣化を抑えることができる。
図6は、制御電位が所望の発振周波数を保持しながら電源電位の1/2に近づくように、基準電位を自動時に変更する動作をするPLL回路を示す。図6に示すPLL回路において、基準電源27はVdd/2を供給する。図6において、図2に示すPLL回路と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。スイッチ19の入力の一方側には、可変電源29が接続され、スイッチ19の入力の他方側には、ループフィルタ46の出力側が接続されている。制御回路28は、スイッチ19およびスイッチ20を切り替えるためのものである。
次に、本実施の形態の電圧制御発振器45を利用した図6に示すPLL回路の動作を説明する。電圧制御発振器45の動作の開始時には、制御回路28はスイッチ19がループフィルタ46側を選択し、スイッチ20が基準電源27側を選択するように指令を出力する。そして、所望の発振周波数になる様に、ループフィルタ46からの出力電圧を制御する。
発振周波数が安定した後、制御回路28によって可変電源29がループフィルタ46の出力電位と一致するように制御を行い、さらにスイッチ20の入力側を基準電源27側からループフィルタ46の出力側に切り替えると同時にスイッチ19を可変電源29側に接続する。電圧制御発振器45の制御電位端子6からは、PLL回路のフィードバックであるVtが入力され、電圧制御発振器45は本来の動作をする。
この状態から、周囲温度の変化によりバラクタ8,9の特性が変化し、電圧制御発振器45の特性が例えば図5(b)に示すようになったとする。このような状態は、ロック周波数に対応する制御電位が、Vdd/2からVddに近くなったことを意味する。このとき、制御回路28は、ロック周波数に対応するVtがVdd/2に近くなるように、可変電源29を調整する。すなわち、制御回路28は、図5(c)に示す点線の特性曲線を、図5(b)に示す実線に持ち上げるように可変電源29を調整する。また、上記とは逆に制御電位がVdd/2から0に近くなったときには、制御回路28は、制御電位−発振周波数の特性曲線を下げるように可変電源29を調整する。このようにして、周囲温度が変化しても、制御回路28は、ロック周波数に対応する制御電位が2/Vddに近くなるように可変電源29を調整する。このように本実施の形態の電圧制御発振器45、およびそれを利用したPLL回路によれば、周囲温度が変化しても制御不能になることがない。
なお、本実施の形態の上記の説明では、動作の最初に制御電位としてVdd/2が入力されるとしたが、周囲温度にあまり変化がない場合は、最初からフィードバック入力としての制御電位が入力されてもよい。その場合も、上記と同様の効果を得ることができる。
また、本来のPLL動作に入った後は、可変電源を固定しても良い。このような例として図15の構成が挙げられる。図15に示す構成においては、図5に示す可変電源29の代わりに、可変電源群49と電位選択回路48が使用されている。可変電源群49には、異なる基準電位を供給するための可変電源が複数のスイッチを介して接続されている。そして、電位選択回路48は、可変電源群49のいずれかのスイッチをONして特定の可変電源から基準電位を供給させる。ここで、可変電源群49および電位選択回路48は、本発明の基準電位供給手段の一例として対応している。もし、所望の発振周波数に対して、選択された可変電源によって制御が不能であれば、電位選択回路48は、可変電源群49のうち異なる可変電源から基準電位を供給するようスイッチを切り替える。そして、本来のPLL動作に入り、発振周波数が安定してくれば、電位選択回路48は、選択した可変電源から基準電位を供給させ続ける。
また、図15に示す電位選択回路48に代えて、図16に示す電位選択ROM回路47が使用されてもよい。電位選択ROM回路47においては、所望の発振周波数に対応して可変電源群49のうちあらかじめどの可変電源から基準電位が供給されればよいかが記憶されている。従って、電位選択ROM回路47は、所望の発振周波数に対応して、最も適切な基準電位を供給する指令を出すことができるので、より迅速に発振周波数を安定化させることができる。
(実施の形態4)
図7に本発明の実施の形態4の電圧制御発振器55の回路構成を示す。実施の形態1の電圧制御発振器34と同一の構成要素については同一の参照番号を付しその説明を省略する。
本実施の形態の電圧制御発振器55においては、可変容量回路30は、阻止コンデンサ15、16を有していない。また、可変容量回路30には、制御電位Vctrlで容量を制御することができる、本発明の第2の可変容量素子の一例として対応する可変容量素子26が接続されている。バラクタ8、9のそれぞれの両端には、制御電位Vtおよび電源電位Vddの差電圧が印加される。
実施の形態3の電圧制御発振器45においては、基準電位を変更することにより、ロック周波数に対応する電圧が電源電位Vddの1/2になるように調整していたが、本実施の形態の電圧制御発振器55においては、可変容量素子26の容量を制御電位Vctrlにより制御することにより変更することができる構成である。この場合、制御回路28は、可変電源29を制御する代わりに、可変容量素子26を制御するために制御電位Vctrlを出力する。
なお、本実施の形態の電圧制御発振器55においては、可変容量素子26自体が周囲温度の変化の影響を受けることも考えられる。しかし、制御電位Vctrlは、ロック周波数に対応する電圧がVdd/2に近いかどうかにより変化され、上記電圧がVdd/2に近くなるように可変容量素子26の容量を変化させる。従って、可変容量素子26としては、その温度特性を考慮したときにロック周波数に対応する制御電位VtをVdd/2にすることができる容量範囲を有するものが選択される必要がある。
このような、可変容量素子26は、図17に示すように、例えばバラクタ58、59を用いて実現することができる。バラクタ58、59のそれぞれの両端には、電源電位と容量制御電源69から供給される電位との差が供給される。従って、容量制御電源69から供給される容量制御電位Vctrlを調整することにより、所望の発振周波数に対応する制御電位VtがVdd/2となるように制御することができる。容量制御電源69としては、可変電源がそのまま使用されてもよいが、図15、16に示した電圧選択回路48、または電圧選択ROM回路47が使用されてもよい。
このように本実施の形態の電圧制御発振器55においても、実施の形態3の場合と同様の効果を得ることができる。
図17に示す電圧制御発振器64を用いたPLL回路の構成例を図19に示す。図18に示すPLL回路と同様に、その動作の開始時には、スイッチ19は、前記ループフィルタの出力側を選択し、スイッチ20は、電源電位の1/2の電位を選択し、発振周波数が安定した後は、スイッチ19は電位保持手段52の出力を選択し、スイッチ20はループフィルタ46の出力を選択する。
本実施の形態においては、阻止コンデンサを省略しているが、温度変化の影響を少なくするという効果を得るためには、阻止コンデンサはあってもなくてもどちらでもよい。
なお、本実施の形態において、可変容量素子26は、制御電位Vctrlにより変化されると説明したが、可変容量素子26は、機械的に変化されるものであってもよい。その場合は、制御回路28が可変容量を変化させるための作用をすれば上記同様の効果を得ることができる。その場合、容量制御電源69が不要であるので、より簡単な構成の電圧制御発振器を提供することができる。また、本実施の形態における電圧制御発振方法には、人手により、ロック周波数に対応する電圧を見ながら可変容量素子26の容量を変更する場合も含まれる。
また、可変容量素子26は、連続的にその容量を変更することができるものに限らず、不連続的であっても複数の容量値に変更することができるものであることも考えられる。図8は、可変容量素子26においてその容量を変更して、ロック周波数に対応する制御電位をVdd/2に近づける動作を説明する図である。
このように、可変容量回路30に並列に接続されている可変容量素子26の容量を変化させることにより、実施の形態3の場合と同様に、周囲温度によるバラクタ8,9の変化による影響を補償することができる。
また、本実施の形態の電圧制御発振器55には阻止コンデンサ15、16が接続されないとして説明したが、阻止コンデンサ15、16が接続され、各バラクタと各阻止コンデンサの間に別の基準電位が供給される構成であってもよい。そのような場合も、上記と同様の効果を得ることができる。
なお、以上までにおいて、実施の形態2では、所望の発振周波数を得るためにスイッチング素子を介してバンド切替をする構成を、実施の形態3においては、基準電位を変更する構成を説明した。所望の発振周波数を変更する場合には、例えば次に示す手順が行われる。すなわち、所望の発振周波数を含む周波数帯への切替を、スイッチング素子を介して行い、選択されたバンドにおいて、所望の発振周波数を得るために基準電位を変更すればよい。しかし、バンド切替による発振周波数の選択の範囲よりも、周囲温度の変化による発振周波数の変動の影響の方が大きいときは、上記の逆であってもよい。すなわち、粗調整を基準電位の変更により行い、微調整をスイッチング素子により行ってもよい。
また、以上までの説明において、インダクタ回路7は、インダクタ1およびインダクタ2の接続点に電源端子3が接続される構成であるとしたが、別の構成も考えられる。図9は、そのような場合の実施の形態1の電圧制御発振器の回路構成の一例を示す。なお、図9に示す構成は、実施の形態2〜4の電圧制御発振器についても適用できる。
また、以上までの説明において、バラクタ8、9は、ゲート、ウェル間で容量を形成しているように図示しているが、これに限らず、ゲート、ドレイン・ソース間に容量が形成されるタイプであってよい。
また、さらに本発明の可変容量素子は、バラクタ8、9であるとしたが、他のタイプの可変容量素子であってもよい。
また、以上までの説明の各電圧制御発振器、または各電圧制御発振器を有するPLL回路を備えた送信回路50、および/または受信回路60、ならびにアンテナ70を備えた通信機器80も本発明に含まれる。図10にそのような構成の通信機器80を示す。
本発明にかかる、電圧制御発振器、電圧制御発振方法、それを利用したPLL回路によれば、電源電位が低くても広い帯域にわたる周波数範囲を制御することができる。また、温度変化による影響を受けることを少なくすることができ、通信機器等として有用である。
(a)本発明の実施の形態1の電圧制御発振器の回路構成図(b)本発明の実施の形態1の電圧制御発振器の動作説明図(c)本発明の実施の形態1の電圧制御発振器の動作説明図 本発明の実施の形態1の電圧制御発振器を利用したPLL回路の構成図 (a)本発明の実施の形態2の電圧制御発振器の回路構成図(b)本発明の実施の形態2の電圧制御発振器の動作説明図 (a)本発明の実施の形態2の電圧制御発振器の動作説明図(b)本発明の実施の形態2の電圧制御発振器の動作説明図 (a)本発明の実施の形態3の電圧制御発振器の回路構成図(b)本発明の実施の形態3の電圧制御発振器の動作説明図(c)本発明の実施の形態3の電圧制御発振器の動作説明図 本発明の実施の形態3の電圧制御発振器を利用したPLL回路の構成図 本発明の実施の形態4の電圧制御発振器の回路構成図 本発明の実施の形態4の電圧制御発振器の動作説明図 本発明の実施の形態1の電圧制御発振器の別の構成図 本発明の実施の形態1〜4の電圧制御発振器を利用した通信機器の構成図 (a)従来技術の電圧制御発振器の動作説明図(b)従来技術の電圧制御発振器の動作説明図 (a)従来技術の電圧制御発振器の構成図(b)従来技術の電圧制御発振器の動作説明図 (a)従来技術の電圧制御発振器を利用したPLL回路の構成図(b)従来技術の電圧制御発振器を利用したPLL回路の動作説明図 従来技術の電圧制御発振器を利用したPLL回路の動作説明図 本発明の実施の形態1の電圧制御発振器の構成図 本発明の実施の形態1の電圧制御発振器の構成図 本発明の実施の形態3の電圧制御発振器の構成図 本発明の電圧制御発振器を利用したPLL回路の構成図 本発明の電圧制御発振器を利用したPLL回路の構成図
符号の説明
1、2 インダクタ
3 電源端子
6 制御電位端子
7 インダクタ回路
8、9 バラクタ
10 可変容量回路
11、12 トランジスタ
13 負性抵抗回路
14 電流原
15、16 阻止コンデンサ
17、18 抵抗
19、20 スイッチ
22、23 スイッチング素子
24、25 容量性素子
26 可変容量素子
27 基準電源
28 制御回路
29 可変電源
34、36、45、55 電圧制御発振器
37 位相比較器
38 分周器
46 ループフィルタ
50 送信回路
60 受信回路
70 アンテナ
80 通信機器

Claims (22)

  1. 少なくとも1つのインダクタを有するインダクタ回路と、
    印加される電圧によりその容量が変化する第1の可変容量素子を有し、直流成分を遮断するための阻止コンデンサをその両端に有する可変容量回路と、
    負性抵抗回路と、
    前記第1の可変容量素子の一方側に基準電位を変更して供給することができる基準電位供給手段と、を備え、
    前記インダクタ回路、前記可変容量回路、および前記負性抵抗回路は並列に接続されており、
    前記第1の可変容量素子の他方側には、発振周波数をフィードバック制御するための、接地電位から電源電位までの範囲の制御電位が入力される、電圧制御発振器。
  2. 所定の発振周波数を境界として、前記基準電位供給手段は、前記第1の可変容量素子の一方側に、前記接地電位より大きく前記電源電位以下の基準電位および前記接地電位のいずれかを供給する、請求項1に記載の電圧制御発振器。
  3. 前記並列接続点の少なくとも一方と接地点との間に、スイッチング素子を介して接続されている容量性素子をさらに備え、
    所望の発振周波数に応じて、前記スイッチング素子がオンオフされる、請求項1に記載の電圧制御発振器。
  4. 前記容量性素子はMIM容量素子であり、前記スイッチング素子はFETスイッチである、請求項3に記載の電圧制御発振器。
  5. 所望の発振周波数において、前記制御電位が前記電源電位の1/2に近づくような基準電位が前記基準電位供給手段から供給される、請求項1に記載の電圧制御発振器。
  6. 前記基準電位供給手段は、前記制御電位が所望の発振周波数を保持しながら前記電源電位の1/2に近づくように、前記基準電位を変更する、請求項1に記載の電圧制御発振器。
  7. 前記基準電位の変更は電位選択回路によりなされる、請求項6に記載の電圧制御発振器。
  8. 前記電位選択回路は、所望の発振周波数に応じた電位の選択を記憶したROMを有している、請求項7に記載の電圧制御発振器。
  9. 少なくとも1つのインダクタを有するインダクタ回路と、
    印加される電圧によりその容量が変化する第1の可変容量素子と、
    負性抵抗回路と、
    第2の可変容量素子と、を備え、
    前記インダクタ回路、前記第1の可変容量素子、前記負性抵抗回路、および前記第2の可変容量素子は並列に接続されており、
    前記第1の可変容量素子のいずれか一方側には、発振周波数をフィードバック制御するための、接地電位から電源電位までの範囲の制御電位が入力され、
    所望の発振周波数において、前記制御電位が前記電源電位の1/2に近づくように、前記第2の可変容量素子の容量が変化される、電圧制御発振器。
  10. 前記第2の可変容量素子は、前記制御電位が所望の発振周波数を保持しながら前記電源電位の1/2に近づくようにその容量が変化される、請求項9に記載の電圧制御発振器。
  11. 前記第2の可変容量素子は、印加される容量制御電位の制御によりその容量が変化される、請求項10に記載の電圧制御発振器。
  12. 前記第2の可変容量素子の容量の変更は、前記容量制御電位を選択するための容量制御電位選択回路によりなされる、請求項11に記載の電圧制御発振器。
  13. 前記容量制御電位選択回路は、所望の発振周波数に応じた電位の選択を記憶したROMを有している、請求項12に記載の電圧制御発振器。
  14. 請求項1または9に記載の電圧制御発振器と、
    前記電圧制御発振器から出力される発振信号の位相と基準信号の位相とを比較し、前記位相のずれに応じて、前記接地電位から前記電源電位までの範囲の出力電位を出力する位相比較器と、
    前記位相比較器から出力される出力電位を低域濾過するループフィルタと、を備え、
    前記ループフィルタから出力される電位が前記制御電位である、PLL回路。
  15. 請求項1に記載の電圧制御発振器と、
    前記電圧制御発振器から出力される発振信号の位相と基準信号の位相とを比較し、前記位相のずれに応じて、前記接地電位から前記電源電位までの範囲の出力電位を出力する位相比較器と、
    前記位相比較器から出力される出力電位を低域濾過するループフィルタと
    前記ループフィルタから出力される電位を保持するための電位保持手段と、
    前記第1の可変容量素子の一方側に印加される基準電位を、前記電位保持手段の出力電位と前記ループフィルタの出力電位とに切り替える第1の切替回路と、
    前記可変容量素子の他方側に印加される制御電位を、前記ループフィルタから出力される電位と前記電源電位の1/2の電位とに切り替える第2の切替回路と、を備え、
    その動作の開始時には、前記第1の切替回路は、前記ループフィルタの出力側を選択し、前記第2の切替回路は、前記電源電位の1/2の電位を選択し、
    発振周波数が安定した後は、前記第1の切替回路は前記電位保持手段の出力を選択し、前記第2の切替回路は前記ループフィルタの出力を選択する、PLL回路。
  16. 請求項9に記載の電圧制御発振器と、
    前記電圧制御発振器から出力される発振信号の位相と基準信号の位相とを比較し、前記位相のずれに応じて、前記接地電位から前記電源電位までの範囲の出力電位を出力する位相比較器と、
    前記位相比較器から出力される出力電位を低域濾過するループフィルタと
    前記ループフィルタから出力される電位を保持するための電位保持手段と、
    前記第2の可変容量素子の他方側に印加される容量制御電位を、前記電位保持手段の出力電位と前記ループフィルタの出力電位とに切り替える第1の切替回路と、
    前記第1の可変容量素子の他方側に印加される制御電位を、前記ループフィルタから出力される電位と前記電源電位の1/2の電位とに切り替える第2の切替回路と、を備え、
    その動作の開始時には、前記第1の切替回路は、前記ループフィルタの出力側を選択し、前記第2の切替回路は、前記電源電位の1/2の電位を選択し、
    発振周波数が安定した後は、前記第1の切替回路は前記電位保持手段の出力を選択し、前記第2の切替回路は前記ループフィルタの出力を選択する、PLL回路。
  17. 請求項7、8、12、および13のいずれかに記載の電圧制御発振器と、
    前記電圧制御発振器から出力される発振信号の位相と基準信号の位相とを比較し、前記位相のずれに応じて、前記接地電位から前記電源電位までの範囲の出力電位を出力する位相比較器と、
    前記位相比較器から出力される出力電位を低域濾過するループフィルタと
    前記電圧制御発振器から出力される発振信号の周波数と所望の周波数とを比較する周波数比較器と、を備え、
    前記周波数比較結果が前記基準電位供給手段に供給され、前記電位選択回路は、所望の発振周波数において、前記制御電位が前記電源電位の1/2に近づくように、前記基準電位を選択する、PLL回路。
  18. 送信回路、受信回路、およびアンテナを備え、前記送信回路または受信回路は、請求項14に記載のPLL回路を有する通信機器。
  19. 印加される電圧によりその容量が変化する第1の可変容量素子の他方側に、発振周波数をフィードバック制御するための、接地電位から電源電位までの範囲の制御電位を入力する工程と、
    前記第1の可変容量素子の他方側に、基準電位供給手段により基準電位を変更して供給する工程と、を備える電圧制御発振方法であって、
    前記第1の可変容量素子には、その両端に直流成分を遮断するための阻止コンデンサが接続されて可変容量回路が形成されており、
    前記可変容量回路、負性抵抗回路、および少なくとも1つのインダクタを有するインダクタ回路が互いに並列に接続されている、電圧制御発振方法。
  20. 前記制御電位を入力する工程は、最初に前記電源電位の1/2の電位を入力する工程と、
    発振周波数が所望の周波数になるように前記第1の可変容量を変化させて前記所望の発振周波数を得る工程と、
    前記所望の発振周波数が得られた後、前記発振周波数をフィードバック制御するための制御電位を入力する工程とを含む、請求項19に記載の電圧制御発振方法。
  21. 印加される電圧によりその容量が変化する第1の可変容量素子の他方側に、発振周波数をフィードバック制御するための、接地電位から電源電位までの範囲の制御電位を入力する工程と、
    所望の発振周波数において、前記制御電位を前記電源電位の1/2に近づくように、前記第1の可変容量素子に並列に接続されている第2の可変容量素子の容量を変化する工程と、を備える電圧制御発振方法であって、
    前記第1の可変容量素子、負性抵抗回路、および少なくとも1つのインダクタを有するインダクタ回路が互いに並列に接続されている、電圧制御発振方法。
  22. 前記制御電位を入力する工程は、
    最初に前記電源電位の1/2の電位を入力する工程と、
    発振周波数が所望の周波数になるように前記第2の可変容量を変化させて前記所望の発振周波数を得る工程と、
    前記所望の発振周波数が得られた後、前記発振周波数をフィードバック制御するための制御電位を入力する工程とを含む、請求項21に記載の電圧制御発振方法。
JP2003350046A 2003-10-08 2003-10-08 電圧制御発振器、pll回路、通信機器、および電圧制御発振方法。 Pending JP2005117428A (ja)

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