JP2005115857A - ファイル記憶装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】HDD108に記憶されるメタデータを更新するにあたって、まず、この更新前のメタデータから更新後のメタデータを再構築するためのログデータがNVRAM106に書き込まれる。そして、この書き込みが完了した後で、当該更新が実行される。したがって、キャッシュメモリ1081に一時記憶された更新用のメタデータが電源異常などの障害により部分的に消失する場合や、ハードディスク1082のメタデータの更新が不完全な場合でも、更新用のメタデータに対応するログデータがNVRAM106に保持されるため、このログデータを用いてハードディスク1082上におけるメタデータの整合性を回復することが可能となる。
【選択図】 図1
Description
まずディスク上の第一の領域にバッファ上のメタデータが保存される。
(ステップST12)
ディスクリプタに上記メタデータ保存の完了を示す第一の値が記載される。
(ステップST13)
次にディスク上の第二の領域に複製メタデータが保存される。
(ステップST14)
ディスクリプタに複製メタデータ保存の完了を示す第二の値が記載される。
一方、メタデータの保存頻度を下げた場合、前述のような電源瞬断があると、たとえ保存前の状態に戻ってメタデータの整合が取れたとしても、メタデータ保存後になされた多くの更新の情報が失われることになる。
ジャーナリングにおいては、メタデータの変更の際に、その変化部分(差分)に関する情報が本体データとは別の領域(以下、ログ保存領域と呼ぶ)に保存される。この差分の情報(以降、ログデータと呼ぶ)は、更新前のメタデータから更新後のメタデータを再構築するために用いられる。
以下、ジャーナリングにおけるメタデータの更新手順を説明する。
メタデータの更新を伴うファイル操作を行う時、そのファイル操作で更新されるメタデータの情報をログデータとしてHDD上のログ保存領域に保存する。
(ステップST22)
上記の保存が終了した後、HDD上の実際のメタデータを更新する。
(ステップST23)
上記のメタデータ変更が終了してから、HDD上のログ保存領域を開放し、次のログデータの書き込みを可能にする。
HDD上のログ保存領域には、正しい情報が無い可能性がある。しかし、HDD上のメタデータ領域にはこの時点で変更を行っていないので、メタデータとしての整合性は保たれている。この場合、メタデータは、ファイル操作前の状態になる。
HDD上のメタデータ領域の情報は正しくない可能性がある。しかし、HDD上のログ保存領域には、メタデータの全ての変更履歴がログデータとして残っているので、このログデータに基づいて再構築されたメタデータをHDD上のメタデータ領域に書き込むことにより、メタデータ全体の整合性を保つことができる。この場合、メタデータは、ファイル操作後の状態になる。
HDD上のログ保存領域の情報は開放されていないので、ログ保存領域内にあるメタデータの更新情報は、HDD上のメタデータ領域に書き戻される。すなわち、ログ保存領域に残存するログデータに基づいて再構築されたメタデータがメタデータ領域に書き戻される。この場合、メタデータ領域には、既に正しい情報が書き込まれているが、同じ情報を再度書くだけであり整合性を損なうことはない。
したがって、揮発性メモリに一時記憶された更新用の管理情報が電源異常などの障害により部分的に消失する場合や、主記憶部の管理情報の更新が不完全な場合でも、更新用の管理情報に対応する再構築用情報が不揮発性の第2の記憶手段に保持されるため、当該再構築用情報を用いて管理情報の整合性を回復することが可能となる。
これにより、書き込み速度の低下を抑えながら、第2の記憶手段への再構築用情報の書き込み頻度を高めることが可能になり、障害発生時において管理情報をより最新に近い状態に回復することができる。
また、第2の記憶手段は、この不揮発性の半導体メモリとして、少なくともFeRAM(ferroelectric random access memory)、MRAM(magnetic random access memory)、OUM(ovonic unified memory)、またはRRAM(resistance random access memory)の何れか一を含んでも良い。
これにより、書き込み途中のブロックの一部の書き込みに成功し、他の部分の書き込みに失敗するといった、書き込みの不定状態が回避される。
仮に、上記所定のコードを含むブロックがこのような不定状態になると、ブロック中において上記所定のコードの書き込みに成功しながら他の部分の書き込みに失敗する可能性がある。この場合、書き込みに失敗している再構築情報が書き込みを完了したものとして扱われるため、管理情報の再構築を実行できなくなったり、誤った管理情報を書き込んでしまう可能性がある。上記の構成によれば、書き込みの不定状態が回避されるため、こうした事態が防止される。
これにより、第2の記憶手段へ再構築用情報を書き込んでいる途中に電源電圧の異常が発生し、当該再構築用情報の一部のブロックが書き込み不定状態になっても、上記所定のコードは第2の記憶手段に全く書き込まれないか部分的にしか書き込まれないため、当該再構築用情報の書き込みは未完状態となる。したがって、書き込みに失敗している再構築情報を書き込みが完了したものとして扱う恐れがなくなる。
これにより、正常にシャットダウン処理が実行された場合、第2の記憶手段における再構築用情報の記憶領域が開放されるため、第2の記憶手段に再構築用情報が残存するか否かを調べることにより、シャットダウン処理が正常に実行されたか否かを判別することが可能になる。また、揮発性のメモリに残存する管理情報が確実に不揮発性の主記憶部へ書き込まれた上で、第2の記憶手段における再構築用情報の記憶領域が開放されるため、主記憶部に記憶される管理情報に不整合を生じさせることはない。
これにより、正常にシャットダウン処理が実行されなかった場合、第2の記憶手段に残存する再構築用情報に基づいて第1の記憶手段に記憶される管理情報が更新されるため、管理情報の整合性が回復される。
本発明において、上記記憶手段は不揮発性のメモリおよび主記憶部を有するため、電源異常などの障害により書き込みが途中で停止しても、不揮発性メモリや主記憶部に残存する再構築用情報や更新用の管理情報に基づいて主記憶部の管理情報を更新することにより、主記憶部の管理情報の整合性を回復することが可能となる。
不揮発性メモリとしては、少なくともFeRAM(ferroelectric random access memory)、MRAM(magnetic random access memory)、OUM(ovonic unified memory)、またはRRAM(resistance random access memory)の何れか一を含んでも良い。
このように不揮発性メモリの書き込み速度を高速化することによって、記憶手段の全体の書き込み速度が高速化される。
これにより、記憶手段の全体の書き込み速度が更に高速化される。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るファイル記憶装置の構成の一例を示すブロック図である。
制御部101は、本発明の制御手段の一実施形態である。
HDD108は、本発明の第1の記憶手段の一実施形態である。
NVRAM106は、本発明の第2の記憶手段の一実施形態である。
RAM103は、本発明の第3の記憶手段の一実施形態である。
図2に例示するHDD108は、揮発性メモリの実施形態であるキャッシュメモリ1081と、書き込み制御手段の実施形態である書き込み制御部1083と、主記憶部の実施形態であるハードディスク1082とを有する。
キャッシュメモリ1081は、書き込み対象のデータを一時的に記憶する。
ハードディスク1082は、このキャッシュメモリ1081から読み出される書き込み対象データを記憶する。
なお、キャッシュメモリ1081は揮発性、ハードディスク1082は不揮発性を有する。
例えば、ヘッドの移動の待ち時間やディスク回転の待ち時間等による書き込みの遅延を短くし、ハードディスク1082への書き込み速度を高速化するように、データの書き込み順序を適宜変更する。
また、フラッシュメモリ107の書き換えは、一般に非常に大きなブロック単位で消去を行う必要があり、その速度も遅いため、頻繁な書き換えが行なわれるワークエリア等はRAM103に置く事が好ましい。
また、図4は、図1に示すファイル記憶装置においてファイルとそのメタデータが更新される一連の様子を図解した図である。図1と図4の同一符号は同一の構成要素を示す。
またこの時、制御部101は、NVRAM106上にもログデータの記憶領域12を割り当てる。
HDD108へのアクセスを開始すると、制御部101は、必要に応じて上述したバッファにHDD108のデータを読み出す。これにより、バッファ11にはメタデータが、バッファ25にはファイル本体がHDD108から読み出される。メタデータおよびファイル本体は、何れもファイルセクターの集合よりなっている。
この状態で、HDD108のあるファイルに書き換えが施されたとする。この場合、制御部101は、ファイル本体用バッファ25のセクター群16を更新するとともに、それを管理するメタデータ14および15も更新する。また、制御部101は、更新されたメタデータ14および15のコピー17および18を含むログデータ13を生成し、これをログ用バッファ10に書き込む(ステップST105)。ログデータ13に含まれるメタデータ17、18以外のデータとしては、例えば、ファイルアクセスごとのログデータの区切りを示し、各々のログデータのデータ量等が記載されたヘッダー、ログの更新が成功したことを示す識別コード等が記載されたフッター、各セクターのHDD108上のアドレス等が含まれている。
更に、HDD108のあるファイルが消去されたとする。ファイルの消去は通常メタデータの変更のみで行われる。この場合、制御部101は、メタデータ用バッファ領域11のメタデータ20、21、22を更新し、そのコピーを含むログデータ19をログバッファ10に追加する(ステップST105)。
ここで重要なのは、ログデータがファイルアクセスごとに常に塊として生成されること、および、それらが対応するメタデータより先にNVRAM106に保存されることである。これにより、ファイルアクセス中に電源異常などの障害が発生しても、NVRAM106のログデータに基づいて、ハードディスク1082に記憶されるメタデータの整合性を回復することが可能になる。
一旦NVRAM106にログデータをコピーしたならば、これに対応するログ用バッファ10のログデータは削除しても良い。
図4Dは、上述の状態から更にファイルアクセスが継続して行われた後の状態を示している。
ログ用バッファ10に格納されたログデータは適時にNVRAM106へコピーされ、コピー元のログデータはログ用バッファ10から削除されている。
一方、メタデータ用バッファ11には、既にHDD108に保存されたセクターと未保存のセクターとが混在している。これらは対応するログデータの保存を追いかけるように適時HDD108に保存されるが、ログデータほど頻繁に細かい単位で保存する必要はない。例えば図4Bおよび図4Cの状態で更新されたセクター14、15、21、22、23は保存済みであるが、それ以降更新されたセクターは未保存である。
制御部101は、NVRAM106のログ保存領域12に記憶されるログデータが所定量を超えるか否かを監視し(ステップST115)、これを超えた場合、NVRAM106のログ保存領域12の開放を開始する(ステップST120〜130)。例えば蓄積されたログデータがログ保存領域12の全体容量の一定割合に達した場合に、ログ保存領域12の開放を開始する。
HDD108よりキャッシュメモリ1081の開放完了通知を受けると、制御部101は、NVRAM106のログ保存領域12を開放する(ステップST130)。具体的には、ログ保存領域12の既存データを無効化し、新規にデータを蓄積できるよう、領域のヘッダー情報を書き換える。これによって、新たなファイル操作とログデータの蓄積が可能になる。
例えば、制御部101は、更新用のメタデータ14、15、20、21、22をHDD108へ転送した後(図4D)、HDD108にキャッシュメモリ1081の開放を要求し、この転送済みのメタデータ14、15、20、21、22を確実にハードディスク1082に保存させる。そして、HDD108よりその開放完了通知を受けたならば、ログ保存領域12のうち、この保存済メタデータを再構築するためのログデータ23、24の記憶領域を開放する。
したがって、キャッシュメモリ1081に一時記憶された更新用のメタデータが電源異常などの障害により部分的に消失する場合や、ハードディスク1082のメタデータの更新が不完全な場合でも、更新用のメタデータに対応するログデータがNVRAM106に保持されるため、このログデータを用いてハードディスク1082上におけるメタデータの整合性を回復することが可能となる。
このように、ログデータの保存頻度は、障害が発生した場合にファイルをより最新に近い状態へ回復させるための重要な要素である。したがって、本実施形態のようにログデータの保存用に高速なNVRAMを使用すれば、高頻度にログを保存してもファイルのアクセス速度を低下させずに済む。すなわち、システムの堅牢さとパフォーマンスを両立させることができる。
これにより、正常にシャットダウン処理が実行された場合、NVRAM106のログ保存領域12が開放されるため、起動時においてNVRAM106にログデータが残存するか否かを調べることにより、シャットダウン処理が正常に実行されたか否かを判別することが可能になる。また、揮発性のキャッシュメモリ1081に残存するメタデータが確実に不揮発性のハードディスク1082へ書き込まれた上で、NVRAM106のログ保存領域12が開放されるため、ハードディスク1082に記憶されるメタデータに不整合を生じさせることはない。
NVRAM106に格納されるこれらの情報は、起動処理が終了した後はRAM103に取り込まれるので、削除可能である。したがって、これらの情報の格納に使用した記憶領域は、ログデータの保存に利用することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について述べる。
図7は、本発明の第2の実施形態に係るファイル記憶装置の構成の一例を示すブロック図である。
なお、図1と図7の同一符号は同一の構成要素を示す。
また、図9は、図7に示すファイル記憶装置においてファイルとそのメタデータが更新される一連の様子を図解した図である。図7と図9の同一符号は同一の構成要素を示す。
HDD108へのアクセスを開始すると、制御部101Aは、必要に応じて上述したバッファにHDD108のデータを読み出す。メタデータおよびファイル本体は、何れもファイルセクターの集合よりなっている。
この状態で、HDD108のあるファイルに書き換えが施されたとする。この場合、制御部101Aは、ファイル本体用バッファ25のセクター群16を更新するとともに、それを管理するメタデータ14および15も更新する。また、制御部101Aは、更新されたメタデータ14および15のコピー17Aおよび18Aを含むログデータ13Aを生成し、これをNVRAM106Aのログ用バッファ10Aに書き込む(ステップST405)。NVRAM106Aは不揮発性なので、ここに保存されたデータは電源が切れても維持される。なお高価なNVRAMの容量を節約するため、ログデータはNVRAM106A上に圧縮して保存しても良い。
更に、HDD108のあるファイルが消去されたとする。ファイルの消去は通常メタデータの変更のみで行われる。この場合、制御部101Aは、メタデータ用バッファ領域11のメタデータ20、21、22を更新し、そのコピーを含むログデータ19Aをログ用バッファ10Aに追加する(ステップST405)。
図4Dは、上述の状態から更にファイルアクセスが継続して行われた後の状態を示している。
NVRAM106Aのログ用バッファ10Aには、ファイルアクセスごとに生成されたログデータが順次蓄積されている。
一方、メタデータ用バッファ11には、既にHDD108に保存されたセクターと未保存のセクターとが混在している。
制御部101Aは、NVRAM106のログ用バッファ10Aに記憶されるログデータが所定量を超えるか否かを監視し(ステップST410)、これを超えた場合、NVRAM106Aのログ用バッファ10Aの開放を開始する(ステップST415〜425)。例えば蓄積されたログデータがログ用バッファ10Aの全体容量の一定割合に達した場合に、ログ用バッファ10Aの開放を開始する。
HDD108よりキャッシュメモリ1081の開放完了通知を受けると、制御部101Aは、NVRAM106Aのログ用バッファ10Aを開放する(ステップST425)。具体的には、ログ用バッファ10Aの既存データを無効化し、新規にデータを蓄積できるよう、領域のヘッダー情報を書き換える。これによって、新たなファイル操作とログデータの蓄積が可能になる。
例えば、制御部101Aは、古い順に一回、または複数回のファイルアクセスにて更新されたメタデータをHDD108へ転送した後、HDD108にキャッシュメモリ1081の開放を要求し、この転送済みのメタデータを確実にハードディスク1082に保存させる。そして、HDD108よりその開放完了通知を受けたならば、ログ用バッファ10Aのうち、この保存済メタデータに対応するログデータの記憶領域を開放する。
また、各ファイルアクセスに伴って、ログデータが直接NVRAM上に保存されるので、ファイルの更新情報は常に最新のものが確保される。その上、図1に示すファイル記憶装置のようにログバッファからNVRAMに別途データを保存する処理の必要がないので、処理の効率化ならびに高速化を図ることができる。
次に、本発明の第3の実施形態について述べる。
NVRAMの場合、これらのデバイスに比べて書き込み速度が非常に速いためこうした不定状態を生じる確率は低いが、全く皆無とはいえない。
図10に例示するファイル記憶装置は、図1に示すファイル記憶装置におけるNVRAM106をNVRAM106Bに置き換え、これに電源電圧の異常の有無を監視する電源電圧監視部109を設けたものである。
NVRAM106Bは、こうしたブロックを順次に入力して記憶領域に書き込むが、ブロックの書き込み動作中に電源電圧監視部109が異常を検出した場合、書き込み途中のブロックの書き込みを完了させた後で、これに続くブロックの書き込みを禁止する。
この場合、NVRAM106Bへログデータを書き込んでいる途中に電源電圧の異常が発生し、このログデータの一部のブロックが書き込み不定状態になる可能性がある。しかしながら、識別コードはブロックよりデータ長が長いため、この場合NVRAM106Bに全く書き込まれないか部分的にしか書き込まれない。そのため、識別コードに基づいてログデータの書き込み完了の有無を判断すると、高い確率でログデータの書き込みは未完状態と判定されることになり、書き込みに失敗しているログデータを書き込みが完了したものとして扱う恐れが減少する。
次に、本発明の第4の実施形態について述べる。
また、HDD108Cは、不揮発性のキャッシュメモリ1081Cとハードディスク1082とを有する。
なお、図1および図2と図11の同一符号は同一の構成要素を示す。
図12は、図11に示すファイル記憶装置においてHDD108C上のファイルを更新する処理の流れの一例を図解したフローチャートである。
また、図13は、図11に示すファイル記憶装置においてファイルとそのメタデータが更新される一連の様子を図解した図である。図11と図13の同一符号は同一の構成要素を示す。
また制御部101Cは、HDD108C上に、通常のファイル格納領域とは別のログデータ保存領域を割り当てる。
HDD108Cへのアクセスを開始すると、制御部101Cは、必要に応じて上述したバッファにHDD108Cのデータを読み出す。これにより、バッファ11にはメタデータが、バッファ25にはファイル本体がHDD108から読み出される。これらは何れもファイルセクターの集合よりなっている。
この状態で、HDD108Cのあるファイルに書き換えが施されたとする。この場合、制御部101Cは、ファイル本体用バッファ25のセクター群16を更新するとともに、それを管理するメタデータ14および15も更新する。また、制御部101Cは、更新されたメタデータ14および15のコピー17および18を含むログデータ13を生成し、これをログ用バッファ10に書き込む(ステップST505)。
更に、HDD108のあるファイルが消去されたとする。ファイルの消去は通常メタデータの変更のみで行われる。この場合、制御部101Cは、メタデータ用バッファ領域11のメタデータ20、21、22を更新し、そのコピーを含むログデータ19をログバッファ10に追加する(ステップST505)。
ここで重要なのは、ログデータがファイルアクセスごとに常に塊として生成されること、および、それらが対応するメタデータより先に不揮発性ストレージメディアとしてのHDD108Cに保存されることである。これにより、ファイルアクセス中に電源異常などの障害が発生しても、キャッシュメモリ1081Cまたはハードディスク1082に残るログデータに基づいて、ハードディスク1082に記憶されるメタデータの整合性を回復することが可能になる。
図13Dは、上述の状態から更にファイルアクセスが継続して行われた後の状態を示している。
ログ用バッファ10に格納されたログデータは適時にHDD108Cへコピーされ、コピー元のログデータはログ用バッファ10から削除されている。
一方、メタデータ用バッファ11には、既にHDD108Cに保存されたセクターと未保存のセクターとが混在している。
制御部101Cは、HDD108Cのログ保存領域に記憶されるログデータが所定量を超えるか否かを監視し(ステップST515)、これを超えた場合、このログ保存領域の開放を開始する(ステップST520〜ST525)。例えば蓄積されたログデータがログ保存領域の全体容量の一定割合に達した場合に、ログ保存領域の開放を開始する。
RAM103のバッファからHDD108へのデータの書き込みが完了すると、制御部101Cは、HDD108Cのログ保存領域12を開放する(ステップST525)。これによって、新たなファイル操作とログデータの蓄積が可能になる。
例えば、HDD108Cの書き込み制御部1083は、起動処理においてキャッシュメモリ1081Cに書き込み可能なデータが残存しているか否かを調べ、残存している場合、このデータをハードディスク1082に書き込む処理を行う。これにより、キャッシュメモリ1081Cで不定が発生しない限り、ハードディスク1082上の不定は修復される。
更に、ログデータの追記を、上述した識別コードよりデータ長の短いバイト単位やワード単位のブロックで行うことにより、不定のブロックを含んだログデータによるメタデータの再構築を防止することができる。
すなわち、ログデータの保存にフラッシュメモリを使用しても、メタデータの不整合を防止できるという効果は得られるが、書き込み速度や寿命を考慮すると、ログデータの保存にはフラッシュメモリよりNVRAMの方が望ましい。
ただし、コスト上の制約からNVRAMの採用が困難である場合は、上述の施策を施したフラッシュメモリでも一定の改善は可能である。
しかしながら、1ビットの記憶に6つのトランジスタを必要とするSRAMはNVRAMよりさらに高価であり、かつバックアップ用バッテリーの保守も必要である。SRAMはどのメモリより高速にアクセスできるものの、特に第1の実施形態の用途において、ログデータの保存に用いる記憶手段はメタデータを格納するディスクメディア等より十分高速であれば良いのであって、NVRAMは必要十分な性能を持っている。また第2の実施形態においても、コンピュータのシステムメモリに用いられる記憶手段の殆どはDRAMであり、特にFeRAMやMRAMであればその必要性能はカバーできる。したがって、コストと保守の両面からNVRAMを使用する方が望ましい。
ただし、NVRAMのような比較的新しい技術の導入にはある程度のリスクが伴うため、将来のNVRAMへ移行を念頭においた暫定措置として、バッテリーバックアップされたSRAMを導入するケースも有り得るであろう。
しかし上述したように、1ビットの記憶に6トランジスタを必要とするSRAMはNVRAMよりさらに高価であり、かつバックアップ用バッテリーの保守も必要である。SRAMはどのメモリより高速にアクセスできるものの、HDD等に使用されるキャッシュメモリはそのディスク媒体等より十分高速であれば良いのであって、NVRAMは必要十分な性能を持っている。従ってコストと保守の両面からNVRAMを使用する方が望ましい。
ただし、NVRAMへ移行を念頭においた暫定措置として、バッテリーバックアップされたSRAMを導入するケースも有り得るであろう。
Claims (23)
- ファイルとその管理情報を記憶するファイル記憶装置であって、
書き込み対象のデータを一時的に記憶する揮発性メモリと、当該揮発性メモリから読み出される上記書き込み対象データを記憶する不揮発性の主記憶部とを備えた第1の記憶手段と、
不揮発性の第2の記憶手段と、
上記第1の記憶手段に記憶される上記管理情報を更新する場合、当該更新前の管理情報から当該更新後の管理情報を再構築するための再構築用情報を上記第2の記憶手段に書き込み、当該書き込みが完了した後で当該更新を実行する制御手段と、
を有するファイル記憶装置。 - 上記第2の記憶手段は、上記第1の記憶手段より高速にデータの書き換えを行なう、
請求項1に記載のファイル記憶装置。 - 上記主記憶部は、少なくともディスクメディアまたはフラッシュメモリを含み、
上記第2の記憶手段は、不揮発性の半導体メモリを含む、
請求項2に記載のファイル記憶装置。 - 上記第2の記憶手段は、少なくともFeRAM(ferroelectric random access memory)、MRAM(magnetic random access memory)、OUM(ovonic unified memory)、またはRRAM(resistance random access memory)の何れか一を含む、
請求項3に記載のファイル記憶装置。 - 電源電圧の異常の有無を監視する電源電圧監視手段を有し、
上記制御手段は、書き込みの完了を表す所定のコードが末尾に付された上記再構築用情報を複数のブロックに区分し、当該ブロックを先頭から順に上記第2の記憶手段に供給し、
上記第2の記憶手段は、上記ブロックの書き込み動作中に上記電源電圧監視手段が異常を検出した場合、書き込み途中のブロックの書き込みを完了させた後で、これに続くブロックの書き込みを禁止する、
請求項1に記載のファイル記憶装置。 - 上記第2の記憶手段は、FeRAM(ferroelectric random access memory)を含む、
請求項5に記載のファイル記憶装置。 - 電源電圧の異常の有無を監視する電源電圧監視手段を有し、
上記制御手段は、書き込みの完了を表す所定のコードが末尾に付された上記再構築用情報を、当該所定のコードよりデータ長が短い複数のブロックに区分し、当該ブロックを先頭から順に上記第2の記憶手段に供給し、
上記第2の記憶手段は、上記ブロックの書き込み動作中に上記電源電圧監視手段が異常を検出した場合、書き込み動作を停止する、
請求項1に記載のファイル記憶装置。 - 第3の記憶手段を有し、
上記制御手段は、上記第1の記憶手段に記憶される上記管理情報および上記再構築用情報を格納するための記憶領域を上記第3の記憶手段にそれぞれ割り当て、上記第1の記憶手段に記憶される上記管理情報を更新する場合、上記第3の記憶手段に割り当てた上記管理情報の記憶領域に当該更新の結果の管理情報を書き込み、当該更新に対応する再構築用情報を上記第3の記憶手段に割り当てた上記再構築用情報の記憶領域に書き込み、当該書き込んだ再構築用情報を上記第3の記憶手段から上記第2の記憶手段へコピーし、当該コピーが完了した後で、上記第3の記憶手段に書き込んだ当該更新結果の管理情報を上記第1の記憶手段に書き戻す、
請求項1に記載のファイル記憶装置。 - 第3の記憶手段を有し、
上記制御手段は、上記第1の記憶手段に記憶される上記管理情報を格納するための記憶領域を上記第3の記憶手段に割り当て、上記第1の記憶手段に記憶される上記管理情報を更新する場合、上記第3の記憶手段に割り当てた上記管理情報の記憶領域に当該更新の結果の管理情報を書き込み、当該更新に対応する再構築用情報を上記第2の記憶手段に書き込み、当該再構築用情報の書き込みが完了した後で、上記第3の記憶手段に書き込んだ当該更新結果の管理情報を上記第1の記憶手段に書き戻す、
請求項1に記載のファイル記憶装置。 - 上記制御手段は、上記第2の記憶手段に記憶される上記再構築用情報のデータ量が所定量を超えた場合、当該再構築用情報に対応する更新後の管理情報を上記第1の記憶手段に書き込み、当該書き込み後に上記揮発性メモリの開放を上記第1の記憶手段に要求し、当該要求に応答する開放完了通知を上記第1の記憶手段より受けたならば、上記第2の記憶手段における上記再構築用情報の記憶領域を開放し、
上記第1の記憶手段は、上記制御手段より上記揮発性メモリの開放を要求された場合、上記揮発性メモリに残存する書き込み対象のデータを上記主記憶部に書き込み、当該書き込みが完了したならば、上記制御手段へ開放完了を通知する、
請求項1に記載のファイル記憶装置。 - 上記制御手段は、上記第1の記憶手段に更新用の管理情報を書き込んだ後、上記揮発性メモリの開放を上記第1の記憶手段に要求し、当該要求に応答する開放完了通知を上記第1の記憶手段より受けたならば、上記第2の記憶手段の記憶領域のうち、当該更新用の管理情報を再構築するための再構築用情報の記憶領域を開放し、
上記第1の記憶手段は、上記制御手段より上記揮発性メモリの開放を要求された場合、上記揮発性メモリに残存する書き込み対象のデータを上記主記憶部に書き込み、当該書き込みが完了したならば、上記制御手段へ開放完了を通知する、
請求項1に記載のファイル記憶装置。 - 上記制御手段は、その動作を終了させるシャットダウン処理の過程において上記揮発性メモリの開放を上記第1の記憶手段に要求し、当該要求に応答する開放完了通知を上記第1の記憶手段より受けたならば、上記第2の記憶手段における上記再構築用情報の記憶領域を開放し、
上記第1の記憶手段は、上記制御手段より上記揮発性メモリの開放を要求された場合、上記揮発性メモリに残存する書き込み対象のデータを上記主記憶部へ書き込み、当該書き込みが完了したならば、上記制御手段へ開放完了を通知する、
請求項1に記載のファイル記憶装置。 - 上記制御手段は、その動作を開始させる起動処理において上記第2の記憶手段に上記再構築用情報が残存しているか否かを調べ、残存している場合には、上記第1の記憶手段に記憶される上記管理情報を当該残存する再構築用情報に基づいて更新する、
請求項12に記載のファイル記憶装置。 - 上記制御手段は、その動作を開始させる起動処理において利用する情報の少なくとも一部を、上記再構築用情報の記憶領域が開放された後における上記第2の記憶手段の空き領域の少なくとも一部に格納する、
請求項12に記載のファイル記憶装置。 - 上記第1の記憶手段の主記憶部は、ディスクメディア含み、
上記第2の記憶手段は、フラッシュメモリを含み、
上記制御手段は、上記揮発性メモリの開放要求に応答する開放完了通知を上記第1の記憶手段より受けたならば、上記フラッシュメモリにおいて上記再構築用情報が記憶される領域を含む所定の領域のデータを消去する、
請求項10に記載のファイル記憶装置。 - 上記主記憶部は、少なくともディスクメディアまたはフラッシュメモリを含み、
上記第2の記憶手段は、バッテリーによって電源電圧が供給されるランダムアクセス可能な揮発性の半導体メモリを含む、
請求項1に記載のファイル記憶装置。 - ファイルとその管理情報を記憶するファイル記憶装置であって、
書き込み対象のデータを一時的に記憶する不揮発性メモリと、当該不揮発性メモリから読み出される上記書き込み対象データを記憶する不揮発性の主記憶部とを備えた記憶手段と、
上記記憶手段に記憶される上記管理情報を更新する場合、当該更新前の管理情報から当該更新後の管理情報を再構築するための再構築用情報を上記記憶手段に書き込み、当該書き込みが完了した後で当該更新を実行する制御手段と、
を有するファイル記憶装置。 - 上記不揮発性メモリは、上記主記憶部より書き換え速度が高速な不揮発性の半導体メモリを含み、
上記主記憶部は、少なくともディスクメディアまたはフラッシュメモリを含む、
請求項17に記載のファイル記憶装置。 - 上記不揮発性メモリは、少なくともFeRAM(ferroelectric random access memory)、MRAM(magnetic random access memory)、OUM(ovonic unified memory)、またはRRAM(resistance random access memory)の何れか一を含む、
請求項18に記載のファイル記憶装置。 - 上記記憶手段は、上記不揮発性メモリから上記主記憶部へ上記書き込み対象データを書き込む際に、その書き込みの順序を、上記主記憶部への書き込み速度が高速化する順序に変更する書き込み制御手段を有する、
請求項17に記載のファイル記憶装置。 - 上記記憶手段は、その動作を開始させる起動処理において上記不揮発性メモリに書き込み可能なデータが残存しているか否かを調べ、残存している場合には、当該データを上記主記憶部に書き込む書き込み制御手段を有する、
請求項17に記載のファイル記憶装置。 - 電源電圧の異常の有無を監視する電源電圧監視手段を有し、
上記制御手段は、書き込みの完了を表す所定のコードが末尾に付された上記再構築用情報を複数のブロックに区分し、当該ブロックを先頭から順に上記記憶手段に供給し、
上記不揮発性メモリは、上記ブロックの書き込み動作中に上記電源電圧監視手段が異常を検出した場合、書き込み途中のブロックの書き込みを完了させた後で、これに続くブロックの書き込みを禁止する、
請求項17に記載のファイル記憶装置。 - 上記主記憶部は、少なくともディスクメディアまたはフラッシュメモリの何れか一を含み、
上記不揮発性メモリは、バッテリーによって電源電圧が供給されるランダムアクセス可能な揮発性の半導体メモリを含む、
請求項17に記載のファイル記憶装置。
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