(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、位置登録機能を持つマイクロセル型無線通信システムのうち、パーソナル・ハンディフォンシステム(PHS)を無線通信媒体としたテレビ電話システムを例として示す。
図1は、PHSを媒体としたテレビ電話システムの概念図である。
11は、設置されている無線基地局(15〜17)の識別情報と同無線基地局がカバーするエリアの情報を関連づけて記憶する位置情報データベース、12は無線通信端末(18〜20)の識別情報と同端末の加入者に関する情報を関連つけて記憶する加入者情報データベース、13は前記データベース(11,12)及び無線基地局(15〜17)や有線通信端末(14)等が接続される有線通信網である。
図2は本実施の形態におけるPHS無線テレビ電話端末のブロック図である。
図2において、20は無線による電波の送受信を行なう無線部(RF部)、21はオーディオ部や制御部からのベースバンド信号を無線用の信号に変換、あるいはRF部からの信号をベースバンドに変換するベースバンド部、22は音声信号の入出力の制御を行なうオーディオ部、23は映像信号の入出力の制御を行なう映像部、24はPHS無線テレビ電話端末全体の制御を行なう制御部、25はPHS無線テレビ電話端末を制御する為の情報やID、RF部で送受信する情報を格納する為の内部メモリ、26はオンフックやオフフックの操作を行なうためのフックキー、ダイヤル番号を入力するためのテンキーや発信場所や発信者の加入者情報を通知するかどうかを選択する機能キー等から構成され、PHS無線テレビ電話端末の操作を行なうための操作部、27はRF部から受信した情報など各種情報を表示する為の表示部、200は音声信号を入力するためのマイク、201は音声信号を出力するためのスピーカ、202は映像信号を入力するための映像入力部であり、レンズなどから構成される。
図3は、PHS無線テレビ電話端末での、位置情報、加入者情報表示の例である。
図3では、位置情報としてPHS無線テレビ電話端末が現在通信している無線基地局のIDと、この無線基地局の所在地、加入者情報として通信相手の電話番号と氏名が表示されている。
図4は本実施の形態の無線通信システムにおいて、PHS無線テレビ電話端末が発呼操作を行なった時の前記位置情報データベース及び加入者情報データベースのアクセスシーケンス例である。
通信相手(発呼操作により指定された相手)に対する回線接続シーケンス(409)を起動する前に、前記データベースのアクセス(401〜408)を行なう。
発呼操作を受け付けたPHS無線テレビ電話端末(PS−TV)は、位置情報データベース11との間で回線接続を行ない(401)、PHS無線テレビ電話端末が有線通信網13との接続に使用する無線基地局(CS)の位置情報を得るために、前記無線基地局(CS)の識別情報を検索条件として、位置情報の問い合わせ(402)を行なう。
尚、この場合の識別情報は無線基地局のIDとする。
当該問い合わせを受け付けた前記位置情報データベース11は、前記検索条件の無線基地局の識別情報と合致した前記無線基地局(CS)のカバーするエリアに関する情報を返送(403)する。
この情報としては、図3に示した様に無線基地局のIDや所在地などである。
当該情報を受け取ったPHS無線テレビ電話端末(PS−TV)は無線基地局の設置位置情報を内部メモリ25に一時記憶すると共に、前記位置情報データベース11との間の回線を切断(405)する。
次に、PHS無線テレビ電話端末(PS−TV)は、加入者情報データベース12との間で回線接続を行ない(405)、当該PHS無線テレビ電話端末(PS−TV)のサービス加入者の詳細情報を得るために、PHS無線テレビ電話端末の識別情報を検索条件として、加入者情報の問い合わせ(406)を行なう。
尚、この場合の識別情報はPHS無線テレビ電話端末のIDもしくは電話番号とする。
当該問い合わせを受け付けた前記加入者情報データベース12は、前記検索条件のPHS無線テレビ電話端末の識別情報と合致したPHSサービス加入者に関する情報を返送(407)する。
この情報としては、図3に示した様にサービス加入者がもつPHS無線テレビ電話端末の電話番号や氏名などである。
当該情報を受け取ったPHS無線テレビ電話端末(PS−TV)はPHSサービス加入者に関する情報を内部メモリ25に一時記憶すると共に、前記加入者情報データベースとの間の回線を切断(408)する。
この後、通信相手(発呼操作により指定された相手)との間で回線が接続(409、410)された後、通信相手に対して、内部メモリ25に記憶していた前記無線基地局のカバーするエリア情報及び、端末加入者の情報を通知(411、412)する。このときには、マイク200や映像入力部202から取り入れた音声信号や映像信号もRF部20を介して送信される。
これらの情報を受信した通信相手は、図3に示した様に、受信した情報や映像を表示すると共に受信した音声を出力する。
図5に本実施の形態における、PHS無線テレビ電話端末(PS−TV)の発呼操作時の処理フローチャートを示す。
図5において、発呼操作がなされた時、制御部24は、操作部26の操作から通信相手に対して発呼場所の通知を行なうか否かを判定(501)し、通知を行なう場合は位置情報データベース11に発信接続(502)し、接続ができると(503)接続に使用する無線基地局(CS)の識別情報を前記位置情報データベース11に通知し、現在位置のエリア情報を受け取(504)った後、回線を切断(505)する。このとき位置情報データベースは受信した識別情報を基に無線基地局の所在地等の情報を検索し、PHS無線テレビ電話端末へ送信する。また、通知を行なわない場合は、前記位置情報データベース11に対する接続は行なわない。
次に、制御部24は操作部26の操作から通話相手に対して端末加入者の詳細情報の通知を行なうか否かを判定(506)し、通知を行なう場合は加入者情報データベース12に発信接続(507)し、接続できたならば(508)発呼元の前記PHS無線テレビ電話端末(PS−TV)の識別情報を前記加入者情報データベース12に通知し、端末加入者の詳細情報を受け取(509)った後、回路を切断(510)する。このとき加入者情報データベースは受信した識別情報を基に端末所持者の氏名や端末の電話番号を検索し、PHS無線テレビ電話端末へ送信する。また、通知を行なわない場合は、前記加入者情報データベース12に対する接続は行なわない。
各データベースの照会を終えた後、指定された発呼先に発信(511)し、接続できると(512)情報を問い合わせ済みか否かの判定(513)を行ない、問い合わせ済みであれば、前記問い合わせによって得られた各詳細情報を通信相手に通知(514)し、問い合わせを端末側で行なわなかった場合は、通信相手側でデータベースの検索が行なえるように接続無線基地局の識別情報、当該端末のIDもしくは端末番号(電話番号)等、前記データベース検索するための条件を通知(515)する。
また、通信相手側では、受信した各詳細情報を図3に示した様に表示する。
このように、無線通信端末からの発呼操作の直後に、無線基地局、通信回線網を介して、無線通信端末から前記位置情報データベースをアクセスし、接続した無線基地局の識別情報から、前記無線基地局の所在地等の無線基地局がカバーするエリアの情報を取りだし、通信相手に通信回線接続後に、通知すると共に、前記サービス加入者情報データベースをアクセスし、発信側の無線通信端末の識別情報から、前記無線通信端末のサービス加入者の情報を取りだし、通信相手に通信回線接続後に、通知する。
これにより、通信相手に対して、正確な発呼位置情報と、使用端末の加入者情報を伝えることが可能になる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、1台のPHS無線テレビ電話端末が獲得できる通信チャネルが1つである場合の例である。
第2の実施の形態においては、1台のPHS無線テレビ電話端末が獲得できる通信チャネルが複数である場合の例を示す。
図6は第2の実施の形態の無線通信システムにおいて、PHS無線テレビ電話端末が発呼操作を行なったときの前記位置情報データベース及び加入者情報データベースのアクセスシーケンス例である。
図6において、先ず、通信相手(発呼操作により指定された相手)に対する回線接続シーケンス(601)を起動し、通信相手との接続回線(602)を行なう。
この後に、前記回線接続に用いたものとは異なった通信チャネルを用いて前記各データベースのアクセス(603〜610)を行なう。
発呼接続完了後に、PHS無線テレビ電話端末(PS−TV)は、位置情報データベース11との間で回線接続を行ない(603)、接続に使用した無線基地局(CS)の位置情報を得るために、前記無線基地局(CS)の識別情報を検索条件として、位置情報データベース11に位置情報の問い合わせ(604)を行なう。
当該問い合わせを受け付けた前記位置情報データベース11は、前記検索条件に合致した前記無線基地局(CS)の所在地等の無線基地局がカバーするエリアに関する情報を返送(605)する。
当該情報を受け取ったPHS無線テレビ電話端末(PS−TV)は無線基地局(CS)の設置位置情報を内部メモリ25に一時記憶すると共に、前記位置情報データベース11との間の回線を切断(606)する。
次に、PHS無線テレビ電話端末(PS−TV)は、加入者情報データベース12との間で回線接続を行ない(607)、当該PHS無線テレビ電話端末(PS−TV)のサービス加入者の詳細情報を得るために、前記PHS無線テレビ電話端末の識別情報を検索条件として、加入者情報の問い合わせ(608)を行なう。
当該問い合わせを受け付けた前記加入者情報データベース12は、前記検索条件に合致したPHSサービス加入者に関する情報を返送(609)する。
この情報としては、PHSサービス加入者の氏名やPHSテレビ電話端末の電話番号である。
当該情報を受け取ったPHS無線テレビ電話端末(PS−TV)はPHSサービス加入者に関する情報を内部メモリ25に一時記憶すると共に、前記加入者情報データベース12との間の回線を切断(610)する。
この後、通信相手に対して、内部メモリ25に記憶していた前記無線基地局のカバーするエリア情報及び、PHSサービス加入者の情報を通知(611、612)する。
図7に第2の実施の形態における、PHS無線テレビ電話端末(PS−TV)の発呼操作時の処理フローチャートを示す。
図7において、発呼操作がなされた時、制御部24は先ず操作部26の操作で指定された発呼先に発信し、(701)、接続を行なう(702)。
次に、通信相手に対して発呼場所の通知を行なうか否かを操作部26の操作から判定(703)し、通知を行なう場合は位置情報データベース11に、前記発呼による接続に用いていないチャネルを用いて発信(704)し、接続を行ない(705)接続に使用した無線基地局(CS)の識別情報を前記位置情報データベース11に通知し、現在位置のエリアを受け取(706)った後、回線を切断(707)する。このとき位置情報データベース11は受信した識別情報から無線基地局の所在地等の情報を検知し、発信元に送信する。また通知を行なわない場合は、前記位置情報データベース11に対する接続は行なわない。
次に、制御部24は通信相手に対して端末加入者の詳細情報の通知を行なうか否かを操作部26の操作から判定(708)し、前記発呼による接続に用いていないチャネルを用いて通知を行なう場合は加入者情報データベース12に発信(709)し、接続できたならば(710)発呼元の前記PHS無線テレビ電話端末(PS−TV)の識別情報を前記加入者情報データベース12に通知し、端末加入者の詳細情報を受け取(711)った後、回線を切断(712)する。このとき加入者情報データベースは受信した識別情報から発信者の氏名や電話番号を検索し、発信元に送信する。また通知を行なわない場合は、前記加入者位置情報データベース12に対する接続は行なわない。
データベースの照会を終えた後、情報の問い合わせが済みか否かの判定(713)を行ない、問い合わせ済みであれば、前記問い合わせにより得られた詳細情報を通信相手に通知(714)し、問い合わせを端末側で行なわなかった場合は、接続に用いた無線基地局の識別情報(CS−ID)、当該端末の端末番号(IDもしくは電話番号)等、前記各データベース検索のための条件を通知(715)する。
通信相手側では受信した情報を図3に示したように表示する。
このように、無線通信端末からの発呼操作の後、通信相手との回線接続後に、前記回線接続に用いていない通信チャネルを用いて、無線基地局、通信回線網を介して、無線通信端末から前記位置情報データベースにアクセスし、接続に使用した無線基地局の識別情報から前記無線基地局の所在地等の無線基地局がカバーするエリアの情報を取りだし、通信相手に通知すると共に、前記サービス加入者情報データベースをアクセスし、接続に使用した無線通信端末の識別情報から前記無線通信端末のサービス加入者の氏名や無線通信端末のダイヤル番号等の情報取りだし、通信相手に通知する。
これにより、通信相手との接続までの所用時間を第1の実施の形態より短縮した上で、前記通信相手に対して、正確な発呼位置情報と、使用端末の加入者情報を伝えることが可能になる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態ではマイクロセル方式の無線通信システムとしてPHS(パーソナル、ハンディホン、システム)を想定して説明を行なう。図8は本実施の形態のシステムの構成図である。801はPHSの通信事業者網を含む有線通信網、802、804、806はそれぞれのエリアをカバーする基地局であり、基地局固有の識別情報を定期的に送信している。803、805、807はそれぞれ近傍の基地局の位置登録された無線通信端末、808は有線網に接続された有線電話端末である。
図9は本実施の形態の無線通信端末の構成図である。
901は無線で基地局との送受信を行なう高周波部、902は信号の変復調を行なう信号処理部、903は基地局から送られるデータを分解するとともに、送信するデータを時分割送信のフォーマットに組み立てる時分割処理部、904はアナログ信号をデジタル信号に変換するとともに、デジタル信号をアナログ信号に変換するコーデック、905は無線端末全体の制御を行なう制御部、906は無線基地局から受信する識別情報から無線基地局の位置を特定するデータなどを記憶しておく記憶部、907は通信相手の位置情報などを表示する表示部、908は電源、909、910はヘッドセット等を接続する音声入出力部、911は相手先電話番号等を入力するキーパット、912は電波の送受を行なうアンテナである。
図10は本実施の形態の動作を示すフローチャートである。
図10において、無線通信端末が電源投入状態であり、使用状態にあるとき(1001)、基地局からの基地局固有の識別情報を受信すると(1002)、すでに記憶部906に記憶されている識別情報と一致するか比較を行ない、一致したならば1006へ進む。一致しなければ、受信した識別情報を記憶部906に記憶する(1005)。
尚、電源投入直後などで、識別情報が記憶されていなければ、識別情報は一致しないものとみなして1004で記憶を行なう。
また、識別情報の記憶が行なわれると、記憶した識別情報をもとに、記憶部906に記憶しているデータベースを検索し、その無線通信端末が存在する位置を特定する(1005)。
この操作はPHSの場合、具体的には基地局(CS)固有のCS−IDを受信しそのIDをもとに記憶部906に記憶しているデータベースを検索し基地局が存在する具体的な地名のキャラクターコードなどに変換する作業である。その後、使用者が通話しようとして通話開始操作を行なうと(1006)、通常の通話処理と同じように基地局との接続操作を行なった後に通信相手と接続する(1007)。通信相手と接続すると、発呼側端末は自己の持つデータベースで検索した位置情報を相手側に送信する(1008)。ここで通信相手が発呼者側の端末と同様に位置情報を送付可能な端末であり、通信相手から送られた位置情報を受信した場合(1009)には受信した位置情報に従い、通信相手の端末がどこにいるかを表示部907に表示する(1010)。その後、相手呼び出し状態となる(1011)。ここで、相手側が位置情報を送信しない端末である場合、そのまま相手呼び出し状態となる。呼び出し状態となったあと、相手が応答操作をすると(1012)通話状態になる(1013)。応答操作を行なう前に発呼者側が通話断の操作を行なうと(1014)、その呼は途中放棄となり終了する(1015)。なお、位置情報を送られた被呼側の処理は、上記の発呼側が位置情報を受信した際の処理と同様である。
本実施の形態によれば、基地局から得る識別情報から具体的な地名を得るデータベースを無線通信端末に持つようにしてあるので、外部のデータベースにアクセスする必要がなくなる。
また、通信相手側がデータベースを所有しない端末であっても位置情報を表示することが可能である。さらに応答操作をする前に位置情報を通知することが可能であるので、通信相手がどこからかけているかを応答するか否かの判断する要素にすることが可能である。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態での、システム構成図は第3の実施の形態と同様である。
図11に第4の実施の形態の無線通信端末のブロック図を示す。
図11において、1113は画像入力部1114から得られる画像データを通信相手に送信するフォーマットに変換すると共に、相手先から送信される画像データを表示部に出力するためのフォーマットに変換する画像処理部である。1114は画像入力部である。1115は画像処理部1113からの画像データを表示する表示部である。
尚、図9と同じ番号のものは第3の実施の形態と同様なので説明は省略する。
本実施の形態では通信が開始されると画像入力部114から入力された画像を画像処理部113で送信用のフォーマットに変換し、通信相手に送信する。また、受信側では受信した画像を画像処理部113で表示用のフォーマットに変換し、表示部115で表示すること以外の動作は第3の実施の形態と同様である。
尚、第3、第4の実施の形態では、発呼者側の位置情報と通信相手に送信するようにしているが、自端末の電話番号や所有者の名前を記憶部に記憶しておき、位置情報と共に送信する様にしても良い。
また、上記第3、第4の実施の形態では、無線通信端末は基地局が替わる毎に基地局の位置を特定しているが、無線通信端末で発信操作が行なわれた際に、無線基地局の位置を特定するようにしても良い。
本実施の形態によれば、画像通信中に自己の位置に関する情報を付加して送付することを可能としたものである。
(第5の実施の形態)
以下に第5の実施の形態としてマイクロセル方式の無線通信システムとしてPHS(パーソナル、ハンディホン、システム)を想定して説明を行なう。図12は本実施の形態のシステムの構成図である。1201はPHSの通信事業者網、1202は無線基地局の識別情報と設置してあるエリア情報を関連づけて記憶するエリア情報データベース、1203は識別情報を記憶する手段を備えた無線通信端末、1204はA駅のエリアをカバーする基地局、1205はB駅のエリアをカバーする基地局、1206はC駅のエリアをカバーする基地局、1205はD駅のエリアをカバーする基地局、である。
図13は本実施の形態の無線通信端末の構成図である。
1301は無線で基地局との送受信を行なう高周波部、1302は変復調を行なう信号処理部、1303は基地局から送られるデータを分解するとともに、送信するデータを時分割送信のフォーマットに組み立てる分割処理部、1304はアナログ信号をデジタル信号に変換するとともに、デジタル信号をアナログ信号に変換するコーデック、1305は無線端末全体の制御を行なう制御部、1306は識別情報を順次記憶する位置情報記憶部(1314)をふくみ、識別情報に対応した基地局の所在地と基地局の移り変わりから交通機関の経路と料金などを検索するためのデータを記憶する記憶部、1307は交通機関の経路と料金などの情報を表示する表示部、1308は電源、1309、1310はヘッドセット等を接続する音声入出力部、1311は識別情報の記憶開始、終了等を入力するキーパット、1312は電波の送信を行なうアンテナ、1313は他の情報機器との接続を行なうための通信インターフェースである。
無線通信端末は、無線基地局から受信する識別情報から無線基地局の位置を特定するデータベースを記憶部1306に所有している。これは具体的には、図4に示す様に無線基地局に割り当てているCS−IDと無線基地局の位置を対応させたものである。
また、無線通信端末は、交通手段の経路から利用料金を算出するデータベースも記憶部1306に有している。このデータベースの例を図5に示す。
図16、図17は本実施の形態の動作フローチャートである。
以下、第5の実施の形態の動作を図16、図17のフローチャートを使用して説明する。
無線通信端末が電源投入状態で使用状態にあるとき(S1601)、基地局から識別情報を受信すると、(S1602)、受信した識別情報を一次記憶部1306に記憶する(S1603)。識別情報を受信した場合も、していない場合も、その後、識別情報の登録開始を指示するキーパット1311の登録開始キーがONされるのを監視する(S1604)。登録開始キーがONされると記憶部1306に識別情報が記憶されているかどうかを判定し(S1605)、記憶されている場合は記憶部1306の識別情報を位置情報記憶部1314に記憶する(S1607)。記憶されてない場合は基地局からの識別情報を受信するのを監視する(S1606)。ここで識別情報を受信した場合には受信した識別情報を位置情報記憶部1314に記憶する(S1608)。識別情報を受信しない場合には識別情報の登録停止を指示するキーパット1311の登録停止キーを監視する状態となる(S1609)。ここで、登録停止キーがONされると登録動作が停止され(S1614)、ONされないと再び識別情報の受信監視状態となる。ここまでの動作で例えば、無線通信端末1203の所有者が図12のA駅において、登録開始キーをONするとA駅に設置している基地局1204からの識別情報が位置情報記憶部1314に記憶されたことになる。次に無線通信端末1203は再び基地局からの識別情報を受信するモードになり(S1610)、ここで識別情報を受信した場合には受信した識別情報が位置情報記憶部1314に記憶された最新の識別情報と同じものか否かを比較する。同じものである場合には受信信号には特別な処理は行なわず登録停止キーを監視する状態となる(S1611)。ここで、登録停止キーがONされると登録動作が停止され(S1614)ONされないと再び識別情報の受信監視状態となる。受信した情報が位置情報記憶部1314に記憶された最新の識別情報と異なる場合には、すでに記憶してある識別情報の記憶エリアを一つづつ、インクリメントし、最新の記憶エリアに受信した識別情報を記憶する(S1613)。その後、登録停止キーを監視する状態となる(S1611)。ここで、登録停止キーがONされると登録動作が停止され(S1614)、ONされないと再び識別情報の受信監視状態となる。このような処理を行なうことで図12において無線通信端末の所有者がA駅からB駅、C駅を経由して、D駅に到着して登録停止キーをONするまでの間、位置情報記憶部1314にはそれぞれの駅のエリアをカバーする基地局から送信される識別情報が順番に記憶されることになる。
尚、このようにして記憶した識別情報は、基地局から受信したコード化された識別情報コードの形態でも、無線基地局の識別情報と設置してあるエリア情報を関連づけて記憶するエリア情報データベースより得られる駅名のデータの形態でも構わない。
無線通信端末の使用者が移動を終了し、登録を終了した後、料金を知りたいとき、料金検索キーをONすると(S1701)、まず識別情報から無線基地局の位置を特定する記憶部1306内のデータベースを検索し、記憶した識別情報に対応する無線基地局の位置を(具体的には地名など)に変換し(S1702)、この位置情報から無線通信端末の移動経路を地名の履歴として得る(S1703)。
次にこの地名の履歴から交通手段の乗車地点、乗り換え地点、降車地点を判定し、交通手段の経路から利用料金を算出するデータベースを検索することによって利用者が使用した交通手段の料金を取得し(S1704)、無線通信端末の表示部1311に料金を表示する(S1705)。
本実施の形態によれば地下鉄での移動などでも無線端末所有者が移動した経路を特定することができ、その経路から交通手段の利用料金を簡単に算出することができる。
(第6の実施の形態)
第5の実施の形態では、無線基地局の識別情報から無線基地局の位置を特定するデータベースと交通手段の経路から利用料金を算出するデータベースは無線通信装置の記憶部に持つようにしていたが、第6の実施の形態では、無線基地局から受信する識別情報から無線基地局の位置を特定するデータベースおよび交通手段の経路から利用料金を算出するデータベースは、有線電話網に接続される他の情報処理端末にあるものとする。
図18に本実施の形態のシステム構成図を示す。
図18において、1801はデータベースを有する情報処理端末が接続する有線電話網、1802は情報処理端末、1803は、無線基地局から受信する位置情報から無線基地局の位置を特定するデータベースおよび交通手段の経路から利用料金を算出するデータベースである。
尚、各データベース1803は情報処理端末が持つ記憶部に記憶されているものとする。
また、データベース1803は第5の実施の形態と同様に図14、図15に示した様な形式で記憶されている。
また、図12と同じ符号は図12と同様なので説明は省略する。
図19に本実施の形態で使用する無線通信端末の構成図を示す。
1901は無線で基地局との送受信を行なう高周波部、1902は変復調を行なう信号処理部、1903は基地局から送られるデータを分解するとともに、送信するデータを時分割送信のフォーマットに組み立てる時分割処理部、1904はアナログ信号をデジタル信号に変換するとともに、デジタル信号をアナログ信号に変換するコーデック、1905は無線端末全体の制御を行なう制御部、1906は識別情報を順次記憶する位置情報記憶部(1914)をふくみ、無線基地局の識別情報から無線基地局の位置を特定するデータベースと交通手段の経路から利用料金を算出するデータベースを有する情報処理端末のダイヤル番号を記憶する記憶部、1907は交通機関の経路と料金などの情報を表示する表示部、1908は電源、1909、1910はヘッドセット等を接続する音声入力部、1911は識別情報の記憶開始、終了等を入力するキーパット、1912は電波の送受を行なうアンテナ、1913は他の情報機器との接続を行なうための通信インターフェースである。
また、本実施の形態で無線基地局からの識別情報の記憶動作は第5の実施の形態で示した図16の動作と同様であるので説明は省略する。
図20に本実施の形態の料金表示時の動作を示す。無線通信端末の使用者が移動を終了し、識別情報の登録を終了した後、交通手段の利用料金を知りたいとき、検索キーをONすると(図20のS2001)、無線通信端末は記憶部1906に記憶されている情報処理端末1802のダイヤル番号を用いて情報処理端末1802と接続する(S2002)。情報処理端末との接続が完了すると位置情報記憶部1914に記憶した識別情報を送信する。(S2003)。
情報処理端末1802は受信した識別情報とデータベース1803から無線通信端末の移動経路を特定し、この移動経路から交通手段の乗車地点、乗り換え地点、降車地点を判定し、交通手段の利用料金を算出する。そして、この利用料金と移動経路を、接続している無線通信端末に送信する。
無線通信端末は移動経路と利用料金を情報処理端末1802から受信すると(S2004)、記憶部1906に一時記憶すると共に情報処理端末を切断し(S2005)、表示部1907に移動経路と利用料金を表示する(S2006)。
本実施の形態によれば、地下鉄での移動などでも無線端末所有者が移動した経路を特定することができ、その経路から交通手段の使用料金を簡単に算出することができる。
また、データベースを外部に設けることで、データ容量をより多くすることが可能である。
また、データベースを外部に設けることで、無線通信端末を小型化することができる。
また、上記第1〜第6の実施の形態では、位置登録機能を持ったマイクロセル方式の無線通信システムの媒体の例として、パーソナル・ハンディフォンシステム(PHS)を無線通信媒体としたシステム例として示したが、DECT(デジタル・ヨーロピアン・コードレス・テレコミュニケーションシステム)やPCS(パーソナル・コミュニケーション・サービスシステム)等、位置登録機能を持ったマイクロセル方式の無線通信システムを媒体としても、本発明は、同様の効果が得られる。
以上説明した様に、本発明によれば、従来からマイクロセル方式の無線通信端末が持つ自動位置登録機能を用いることで、無線通信端末を簡単な構成で多機能化することができる。
また、本発明によれば、無線通信システムの自動位置登録機能を利用することにより、無線通信端末の位置や端末自身の情報を通信相手に通知することができると共に、通信相手も応答操作する前に発信側の位置や発信端末の情報を受信するので、受信した情報を応答するか否かの判断に用いることができるので使いがっての良い無線通信端末を提供することができる。
本発明によれば、基地局の位置テーブルを持たない交換機に接続する場合でも、着呼側通信装置に発呼側無線通信装置の位置を通知できる。
また、ネットワークを介して位置情報、加入者情報を発呼側装置が検索するように構成することにより、無線通信装置が基地局毎の位置テーブルを持つ必要がなく、無線通信装置の構成を簡単にすることができる。
また、ネットワークを介して発呼側装置が検索した検索結果を、発呼側装置から着呼側装置に通知するので、交換機の負荷を軽減することができる。