JP2005072772A - データバックアップシステム、端末装置およびデータバックアッププログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】インターネット等、常時接続のネットワーク上サーバにデータを置くのではなく、信頼できる端末装置のグループの間でメモリの共有を行うことで、安全なバックアップ領域の確保を行う。
【解決手段】各携帯端末100は、相互にデータをバックアップしあう複数の携帯端末のグループを登録しておき、自携帯端末に記憶されているバックアップ対象データを、必要時に、複数の分割データに分割して、これら複数の分割データをグループの他の携帯端末に送信し、他の携帯端末の記録領域に保存させておく。各携帯端末は定期的に他の携帯端末の状態を検出し、いずれかの他の携帯端末の復元要求を検出したとき、自己が保存している当該他の携帯端末の分割データを当該他の携帯端末へ送信する。復元要求を出力した携帯端末は他の携帯端末からすべての自己の分割データを受信して前記バックアップ対象データを復元する。
【選択図】図1
【解決手段】各携帯端末100は、相互にデータをバックアップしあう複数の携帯端末のグループを登録しておき、自携帯端末に記憶されているバックアップ対象データを、必要時に、複数の分割データに分割して、これら複数の分割データをグループの他の携帯端末に送信し、他の携帯端末の記録領域に保存させておく。各携帯端末は定期的に他の携帯端末の状態を検出し、いずれかの他の携帯端末の復元要求を検出したとき、自己が保存している当該他の携帯端末の分割データを当該他の携帯端末へ送信する。復元要求を出力した携帯端末は他の携帯端末からすべての自己の分割データを受信して前記バックアップ対象データを復元する。
【選択図】図1
Description
本発明は、データ通信機能を有する端末装置(本明細書では端末装置を単に端末という)に関し、特に(但し限定する意味でなく)、携帯電話機のような携帯端末のデータ・バックアップに関する。
携帯端末は、ユーザにより持ち歩かれるのが常であり、他の電気機器に比べて落下・水没等による故障が発生する可能性が高い。また、携帯端末に保存されたデータ、例えば電話帳データ(氏名、電話番号、メールアドレス等を含む)等は、消失すると相手の連絡先が分からなくなってしまう為、非常に重要なデータの1つである。よって、このようなデータは個人のパーソナルコンピュータ(PC)や第三者のサーバ等でバックアップを行うことが望ましい。
特許文献1には、PC上で編集されたアドレス帳データをインターネット経由でホストに送信し、携帯端末は必要時にネットワークブラウザを利用してホストからアドレス帳データをロードする技術が記載されている。
特許文献2には、データを音声データに変換して、音声通信を通じて外部記憶装置にバックアップを行う技術が記載されている。
特許文献3には、ネットワーク上のデータセンターまたは自分のPCに対して、電話帳データを添付した電子メールを送信することによりバックアップを行う技術が記載されている。
特許文献4には、電子メールを利用して外部端末にバックアップを行う技術が記載されている。
特開2003−69692号公報
特開2001−127871号公報
特開2001−177624号公報
特開2002−218091号公報
上記特許文献1に記載のように、インターネット等、常時接続のネットワーク上サーバにデータを置くとそのデータは外部からの攻撃を受けやすく、個人情報保護の観点から好ましくない。
また、上記特許文献3,4に記載のようにPCなどの外部端末にデータをバックアップする場合、そのバックアップ先の装置に故障等の問題が生じた場合にバックアップデータが失われてしまうというおそれがある。
本発明はこのような背景においてなされたものであり、その目的は、インターネット等、常時接続のネットワーク上サーバにデータを置くのではなく、信頼できる端末装置のグループの間でメモリの共有を行うことで、安全なバックアップ領域の確保を行うことができるデータバックアップシステム、端末装置およびデータバックアッププログラムを提供することにある。
本発明による他の目的は、グループを構成している他の端末装置が故障等から復帰した端末装置を検知し、データ復元のサポートを行うことで自動的なデータ復元処理を可能とするデータバックアップシステム、端末装置およびデータバックアッププログラムを提供することである。
本発明によるさらに他の目的は、自己のデータをバックアップしている他の端末装置が故障等した場合にもデータの復元が可能なデータバックアップシステム、端末装置およびデータバックアッププログラムを提供することである。
本発明によるデータバックアップシステムは、データ通信機能を有する複数の端末装置がネットワークを介して相互に接続されたデータバックアップシステムである。このシステム内の各端末装置は、相互にデータをバックアップしあう複数の端末装置のグループを登録しておく。自端末装置に記憶されているバックアップ対象データは、複数の分割データに分割して、これら複数の分割データをグループの他の端末装置に送信する。各端末装置は他の端末装置から受信したとき、その分割データを自己内に保存する。また、各端末装置は定期的に他の端末装置の状態を検出し、いずれかの他の端末装置においてデータの復元が必要であることを検出したとき、自己が保存している当該他の端末装置の分割データを当該他の端末装置へ送信する。当該他の端末装置は他の端末装置からすべての自己の分割データを受信して前記バックアップ対象データを復元する。
このように、本発明ではネットワーク上のサーバを用いることなく、グループ内の端末装置間で相互にデータをバックアップしあう。また、その際、自己のデータは分割されて複数の他の端末装置に分散して保存される。ある端末装置のバックアップデータの復元が必要であることを他の端末装置が検出したとき、他の各端末装置は当該データの復元が必要な端末装置について自己内に保存していたデータを当該端末装置に送信する。これによって、当該端末装置は、分散してバックアップアップされていたすべての分割データを組み立てて元のデータを復元することができる。バックアップデータが分割されることにより、個人情報の保護が図れる。
好ましくは、各端末装置は、複数の分割データが互いに重複する部分を有するように前記バックアップ対象データの分割を行う。これによって、バックアップデータに冗長性を持たせることができ、バックアップデータの復元が必要となったときに、すべての他の端末装置と通信ができない場合でも復元が可能となる。
各端末装置が他の端末装置の状態を監視するために、各端末装置は、他の端末装置が自己の状態を書き込む領域を有するトークンを発行し、他の端末装置に巡回させることができる。これにより各端末装置は、戻ってきたトークン内の各端末装置の状態に基づいて前記データの復元が必要であることを検出することができる。
各端末装置は分割データの送信時にそのデータバージョン情報を付加して送信してもよい。この場合、前記トークンは、トークンを発行する端末装置が、自己の保持する他の端末装置の分割データのデータバージョン情報を書き込む領域をさらに有することが好ましい。トークンを受信した端末装置は、受信したトークン内の自己のデータバージョン情報と自己の保持する現在のデータバージョン情報とを比較し、自己データバージョン情報が新しい場合には当該他の端末装置へ新たな分割データを再送することができる。このようにして、他の端末装置に保存される自己の分割データを最新のものに維持することができる。
上記システムで利用される、データ通信機能を有する端末装置は、バックアップ対象データおよび他の各種データを記憶する記憶手段と、少なくともデータの送受信を行う通信手段と、データの表示を行う表示手段と、ユーザ操作を入力する操作手段と、前記バックアップ対象データを複数の分割データに分割するデータ分割手段と、他の端末装置の状態を定期的に検出する状態検出手段と、前記複数の分割データから元のバックアップ対象データを組み立てるデータ組立手段と、各種制御を行う制御手段とを備える。この制御手段は、相互にデータをバックアップしあう複数の端末装置のグループを登録し、前記分割手段により前記バックアップ対象データを複数の分割データに分割し、これら複数の分割データをグループの他の端末装置に保存させるために送信し、他の端末装置から分割データを受信したとき前記記憶手段に記憶し、前記状態検出手段により他の端末装置のデータの復元要求を検出したとき、当該他の端末装置の分割データを当該他の端末装置へ送信し、自端末装置のバックアップ対象データの復元が必要と判断されたとき復元要求を出力し、自端末装置が復元要求を出力した後、他の端末装置からすべての自己の分割データを受信したとき、前記データ組立手段により前記バックアップ対象データを復元する。
本発明は、また、データ通信機能を有する端末装置のデータバックアッププログラムとして把握することも可能である。
本発明によれば、以下のような顕著な効果が得られる。
1)ネットワークに常時接続されていない端末装置における記憶手段のように比較的安全な場所にデータのバックアップができる。
2)各端末装置にはバックアップ対象データの全体ではなく、その分割された一部のデータが保存されるので、データの内容が相手に判らないようにバックアップできる。
3)自端末装置の状態を他の端末装置が定期的にチェックして、他の端末装置から自己の分割データを受信することにより、故障等によりデータや設定情報を全て消失しても、データを復元できる。このような処理を各端末装置に自動的に行わせることにより、ユーザが直接的な操作を行う必要なく、データの復元を行うことができる。
4)複数の分割データの一部を重複させることにより、グループを形成した全ての携帯端末と通信できなくても、データを全て復元できる。
1)ネットワークに常時接続されていない端末装置における記憶手段のように比較的安全な場所にデータのバックアップができる。
2)各端末装置にはバックアップ対象データの全体ではなく、その分割された一部のデータが保存されるので、データの内容が相手に判らないようにバックアップできる。
3)自端末装置の状態を他の端末装置が定期的にチェックして、他の端末装置から自己の分割データを受信することにより、故障等によりデータや設定情報を全て消失しても、データを復元できる。このような処理を各端末装置に自動的に行わせることにより、ユーザが直接的な操作を行う必要なく、データの復元を行うことができる。
4)複数の分割データの一部を重複させることにより、グループを形成した全ての携帯端末と通信できなくても、データを全て復元できる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1に本発明が適用されるシステムの概略構成を示す。このシステムは、携帯電話機(PHS電話機を含む)のようなデータ通信機能を有する複数の携帯端末100が交換局200およびネットワーク250(電話網、パケット網、インターネット等)を介して接続されたものである。複数の携帯端末100がグループを構成し、グループの各メンバーの携帯端末のデータを分散して他のメンバーの携帯端末にバックアップ保存する。近年においては、携帯端末のメモリ容量は従来に比べて大きくなってきている。そこで、本発明では、個人で使用するのに十分な容量となっており、本メリットを活かして、自己のローカルなメモリを他者との間で共用する。
図2に、携帯端末100の構成例を示す。制御部120は、制御ライン150およびデータライン160を介して、携帯端末100の各部の制御を行う。通信回路102は、制御ライン150に接続され、アンテナ101を介して交換局200との間で音声およびデータの通信を行う。表示部107は、例えば液晶ディスプレイのような表示デバイスを有し、制御ライン150およびデータライン160に接続され、各種の情報を表示する。操作部106は、各種操作キーやジョグダイヤル等を有し、制御ライン150に接続され、ユーザからの入力操作を受け付ける。メモリ105は、ROM,RAM,フラッシュメモリ等の記憶装置を有し、制御ライン150およびデータライン160に接続され、各種プログラムやデータを記憶する。メモリ105は後述するデータ保持部を構成している。報知部108は、バイブレータ、LED等からなり、制御ライン150に接続されて、選択的な着信通知等のためにユーザへの報知を行う。マイク103およびスピーカ104はデータライン160に接続され、音声の入出力を行う。
図3は、本実施の形態に関係する携帯端末100の機能ブロックを表した図である。
制御部310は本実施の形態の各種処理の全体の制御を行う部位である。故障端末検出部320は故障端末(およびその故障等からの復帰)を検出する部位である。データ分解部330は、バックアップ対象のデータを所定の個数(グループの他のユーザの数)に分解する部位である。データ組立部340は、故障等からの復帰時に他のユーザから収集したデータを組み立てて基のデータを復元(修復)する部位である。これらの各部は図2の制御部120による各種プログラムの実行により実現される。共有メモリ部350は、図2のメモリ105に対応し、グループの他のユーザのデータ保存のために確保されたメモリ領域を確保する。(図では4人のユーザ用のメモリ領域を示しているが、4人に限るものではない。)
以下、本実施の形態におけるシステムの動作を説明する。
図9に、携帯端末での主として送信関連の処理のフローチャートを示す。この処理の中で、自己のバックアップデータの分割・送信、トークンの送信による故障端末の復帰の検出、故障端末へのバックアップデータの送信を行う。また、図10に、主として受信関連の処理のフローチャートを示す。故障状態等でデータが消滅した後に復帰した際の動作のフローチャートを示す。この処理の中で、他の携帯端末からのトークンの受信および送信、故障から復帰後のバックアップデータの受信、組立を行う。なお、データの復元の際、分割データは重複部分を含むので、すべての自己の分割データを受信せずとも復元するのに十分なデータを受信した時点で復元を行うことができる。図9、図10の個々のステップについては以下に説明する。
<設定>
本実施の形態では各自のデータを相互にバックアップする複数のメンバーの携帯端末からなる1つのグループを形成する。
本実施の形態では各自のデータを相互にバックアップする複数のメンバーの携帯端末からなる1つのグループを形成する。
各メンバーの携帯端末は、本実施の形態の動作を実現するためのバックアップ・ソフト(プログラム)を初期的にまたは出荷後にインストールし、起動しておく(図9、S11)。各携帯端末のユーザは、各自のバックアップ・ソフトに他のメンバーの携帯端末の通信アドレス(この例では電話番号)を登録する(図9、S12)。この代わりに一人のメンバーが代表してメンバー全員の通信アドレスを自己の携帯端末に登録し、グループのリスト情報として他のメンバーに送信するようにしてもよい。この送信は直接でもよいし、リストの登録順に巡回的に送信してもよい。
<データの分割・送信>
図4により本実施の形態においてバックアップの対象となるバックアップデータの分割について説明する。バックアップデータ400としては、電話帳データ(氏名、電話番号、メールアドレス等を含む)の他、受信メールデータおよび送信メールデータ、メモデータ、カメラ撮像データ等を含みうる。バックアップの対象となるデータは予め定められていてもよいし、ユーザが指定できるようにしてもよい。予め定められている場合でもユーザが追加指定できるようにしてもよい。図4はグループが5人の場合に対応し、自分以外の4人に分散してデータをバックアップするために、データを4分割する例を示している。この分割の際、分割するデータには冗長度をつけておく。すなわち、図4から分かるように、分割データ間でデータの一部が重複するように分割を行う。これにより、あるデータ部分は必ず複数の分割データに含まれることになる。したがって、自分以外のグループのメンバーの携帯端末が通信不能・故障等によりバックアップ機能を失った状態でも、残りのメンバーの携帯端末から完全なデータを復元可能となる。
図4により本実施の形態においてバックアップの対象となるバックアップデータの分割について説明する。バックアップデータ400としては、電話帳データ(氏名、電話番号、メールアドレス等を含む)の他、受信メールデータおよび送信メールデータ、メモデータ、カメラ撮像データ等を含みうる。バックアップの対象となるデータは予め定められていてもよいし、ユーザが指定できるようにしてもよい。予め定められている場合でもユーザが追加指定できるようにしてもよい。図4はグループが5人の場合に対応し、自分以外の4人に分散してデータをバックアップするために、データを4分割する例を示している。この分割の際、分割するデータには冗長度をつけておく。すなわち、図4から分かるように、分割データ間でデータの一部が重複するように分割を行う。これにより、あるデータ部分は必ず複数の分割データに含まれることになる。したがって、自分以外のグループのメンバーの携帯端末が通信不能・故障等によりバックアップ機能を失った状態でも、残りのメンバーの携帯端末から完全なデータを復元可能となる。
各携帯端末は、バックアップしたいデータを相手の数に応じて、上記のようにデータを分割し、図5に示すように自己のデータをそれぞれ他のメンバーの携帯端末に送る(図9、S13)。図6に示すように、分割データ600には、データの復元時にデータを組み立てる際に必要な情報をヘッダ情報601として付加する。データを組み立てる際に必要な情報は、その分割データが全データのどの部分に相当するかを示す情報である。また、ヘッダ情報601にはデータバージョン情報としての更新日時情報も含める。この更新日時情報は、例えば、バックアップ対象データとして複数のデータがある場合には複数の更新日時情報のうちの最新の更新日時情報である。他の携帯端末の一つが前回の分割データ送信時に通信不能状態にあって分割データの送信が行えなかったような場合に、その携帯端末の保持する分割データのバージョン情報がバックアップデータより古いという事態が生じうる。このような場合に、各携帯端末は受信したトークンの自己についてのデータバージョン情報に基づいて、他の携帯端末内の未更新の分割データを検出したとき、その携帯端末にのみ当該分割データを再送するような措置をとることができる。更新日時情報でなくても、データの新旧が分かれば任意のデータバージョン情報を利用することができる。
分割の際には、1分割データだけでは内容が判らない様に分割を行うことが好ましい。例えば、各個人情報は複数に分断されるようにしたり、分割の前または後にデータをスクランブル化したりしてもよい。これにより、他者の携帯端末に保存されたデータが個人情報としても保護される。各携帯端末にはそのユーザが自己の端末に保存された他者のデータを見るための機能は与えられない。
<故障端末の検知>
図7に示すように、グループ内の各携帯端末は、他の携帯端末の故障を検出する為に、トークンと呼ぶ特定の情報を定期的に送信してグループ内を一巡させる。(図では携帯端末100a,100bのみトークンを発行するように示しているが、実際にはすべての携帯端末が同様にトークンを発行する。)「定期的に」とは、例えば数時間に1回、1日に1回、数日に1回、1週間に1ないし数回、等予め定めた任意の時期に反復的に、という意味である。トークン発行時間はユーザの使用の可能性が比較的低い深夜の所定の時刻としてもよい。各携帯端末のトークンの発行周期は必ずしも同じである必要はない。むしろ、各携帯端末のトークン発行時期は通信の競合をさけるために所定の時間帯の中でランダムな発行時期を決定するようにしてもよい。あるいは、発行時期を順次ずらすようにしてもよい(例えばトークンの一巡に要する時間を超える所定の時間をおいて、グループ情報に基づく所定の順に決まる携帯端末がトークンの発行を行う)。
図7に示すように、グループ内の各携帯端末は、他の携帯端末の故障を検出する為に、トークンと呼ぶ特定の情報を定期的に送信してグループ内を一巡させる。(図では携帯端末100a,100bのみトークンを発行するように示しているが、実際にはすべての携帯端末が同様にトークンを発行する。)「定期的に」とは、例えば数時間に1回、1日に1回、数日に1回、1週間に1ないし数回、等予め定めた任意の時期に反復的に、という意味である。トークン発行時間はユーザの使用の可能性が比較的低い深夜の所定の時刻としてもよい。各携帯端末のトークンの発行周期は必ずしも同じである必要はない。むしろ、各携帯端末のトークン発行時期は通信の競合をさけるために所定の時間帯の中でランダムな発行時期を決定するようにしてもよい。あるいは、発行時期を順次ずらすようにしてもよい(例えばトークンの一巡に要する時間を超える所定の時間をおいて、グループ情報に基づく所定の順に決まる携帯端末がトークンの発行を行う)。
各携帯端末から発行されたトークンは、その通信アドレス情報に基づき決められた順序で他の携帯端末間を巡回し、1周して元の携帯端末まで戻ってくる。トークンを受信した各携帯端末は、自身の状態情報をトークンに付加して次の携帯端末に送信する。また、通信不能等の理由により次の端末にトークンを送れない場合は、順番を1つとばして、次の次の携帯端末にトークンを送信する等の処理を行う。
図8−Aにトークンの構成の第1の例を示す。図8−A(a)に示すように、トークン800は、これを発行した携帯端末の通信アドレス(ホスト通信アドレス)、グループ内の他のユーザの携帯端末の通信アドレス、トークン800を受け取った携帯端末の状態を含む。状態の欄はトークン発行時には空欄となっている。図8−A(b)は具体的なトークン800の例を示している。本実施の形態では、「通信アドレス」は電話番号である。「状態」の欄には、トークンの巡回先の各携帯端末において「正常」または「復元要求」が書き込まれるか、または何も埋め込まれずに空欄となる。図8−A(b)の例では、USER3が「復元要求」を出し、USER4が通信不能な状態にある。
図8−Bにトークンの他の構成例を示す。このトークン810には、例えば図8−A(a)に示した、トークン800を発行した携帯端末の通信アドレス(ホスト通信アドレス)、グループ内の他のユーザの携帯端末の通信アドレス、トークン800を受け取った携帯端末の状態に加えて、データバージョンとしての更新日時情報を含む。図8−B(b)は具体的なトークン810の例を示している。トークンを発行するホストは、自己が保持している他の携帯端末の分割データの「データバージョン」をトークンに埋め込んで送信する。このトークンを受け取った他の携帯端末は、自己のデータの「データバージョン」とホストが保持している分割データの「データバージョン」により、データの新旧を判断する。データバージョンが一致した場合には「正常」と記述してトークンを次の携帯端末に送信する。また、自己のデータの方が新しい場合には「正常」と記述してトークンを次の携帯端末に送信し、対応する分割データをホストに再送する。(他の携帯端末がバックアップしてくれているデータより自己のデータの方が古いという場合は仕様上ありえない。)さらに、後述する仕様によって自己のデータが消滅、破損等したと判断した場合は、「復元要求」と記述してトークンを次の携帯端末に送信する。
これらの処理により、グループを形成している各携帯端末は、自己の発行したトークンの状態情報から他の端末の状態を把握することができる。実際にデータの復元が必要となるのは、「復元要求」と記述されたときに限られる。状態情報が空欄の場合は、故障、電源断、圏外等の通信不能な状態であり、”データの復元が必要とされない情報”あるいは”データの復元処理が不可能な状態”の場合である。
<データの復元>
故障等から復帰した携帯端末には、グループを形成している他のユーザから次々とトークンが送信されてくる。本実施の形態のバックアップ・ソフトがインストールされていて、自己内に登録されていないグループのトークンを受信した場合、自己のメモリ内のデータが消滅、破損等したと判断する。そこで、バックアップされたデータを復元するために他の各携帯端末から回ってきたトークンの自己の状態の欄に「復元要求」を書き込む。自己内に登録されているグループのトークンを受信した場合には、単なる電源断や圏外等のデータに影響のない状態からの復帰と判断して、復元要求の発行は行わない。携帯端末は、定期的にトークンを発行し、戻ってきたトークンの内容に基づいて、復元要求を出した携帯端末を検知すると(図9、S14)、その携帯端末に対応して自己が保存していたバックアップ・データ(分割データ)をその携帯端末に直接送信する(図9、S15)。また、復元要求を出した携帯端末は、最初に受信したトークンに基づいてグループ情報を作成し、自己のメモリ内に登録して、自分自身もトークンの発行を開始する。
故障等から復帰した携帯端末には、グループを形成している他のユーザから次々とトークンが送信されてくる。本実施の形態のバックアップ・ソフトがインストールされていて、自己内に登録されていないグループのトークンを受信した場合、自己のメモリ内のデータが消滅、破損等したと判断する。そこで、バックアップされたデータを復元するために他の各携帯端末から回ってきたトークンの自己の状態の欄に「復元要求」を書き込む。自己内に登録されているグループのトークンを受信した場合には、単なる電源断や圏外等のデータに影響のない状態からの復帰と判断して、復元要求の発行は行わない。携帯端末は、定期的にトークンを発行し、戻ってきたトークンの内容に基づいて、復元要求を出した携帯端末を検知すると(図9、S14)、その携帯端末に対応して自己が保存していたバックアップ・データ(分割データ)をその携帯端末に直接送信する(図9、S15)。また、復元要求を出した携帯端末は、最初に受信したトークンに基づいてグループ情報を作成し、自己のメモリ内に登録して、自分自身もトークンの発行を開始する。
データの更新があった場合には(図9、S16,Yes)、再度、データの分割および送信を行う(図9、S13)。
故障から復帰した携帯端末は、バックアップ・ソフトの起動後(図10、S21)、他の携帯端末からトークンを受信し(図10、S22)、自己の状態情報を付加する(図10、S23)。さらにこの情報情報を付加したトークンを次の携帯端末へ送信する(図10、S24)。故障から復帰した携帯端末は自己の状態情報として「復元要求」を発行する。復元要求を発行した携帯端末は、グループの他の携帯端末から逐次バックアップ・データ(分割データ)の送信を受ける(図10、S25)。すべての分割データが揃ったら(図10、S26,Yes)、各分割データ600のヘッダ情報601に基づき、データ602から冗長な部分を除去して組み立てる(図10、S27)。これにより、元のバックアップデータが復元される。
故障した携帯端末は、そのユーザがグループ情報を再入力しなくても、他の携帯端末からグループ情報を送信するようにすれば、自動的に登録することができる。
以上の様な処理を行うことにより、データを消失した携帯端末が全ての情報(グループを形成している他の携帯端末の情報も含む。)を消失しても、本バックアップツールさえ起動すれば、自動的にデータの復元を行うことが出来る。但し、「自動的」といっても、要所で確認メッセージ等を表示して、ユーザの意志を確認するようにしてもよい。
以上の説明では、携帯端末の主として故障等の場合について説明したが、携帯端末の機種変更時も有用である。
トークンはグループのすべての携帯端末が常に定期的に発行する必要はなく、トークンを発行する携帯端末を順次持ち回りで発行し、他の携帯端末が発行したトークンの受信、転送時に、その内容(特に復元要求)を読みとるようにしてもよい。例えば、ある時期にある端末がトークンを発行したとき、トークンの循環路の次順の端末のみが次の所定時間後にトークンを発行するようにする。(この場合、トークンの循環路中のトークン発行端末と自端末の位置関係によって他の端末の情報が有効か否かが変わってくるが、状態の空欄は無視すればよく、いずれ復元要求を読みとれる時期が来ると考えられる。)これにより、トークンの送受信の頻度を低減することができる。
データの通信方法としては、電話番号を利用したデータ通信(例えばパケット通信)を想定したが、電子メールシステムを利用した通信も可能である。但し、電子メールを利用する場合には、少なくとも本発明に係る電子メールについて、端末がその内容をユーザの関与なしに受信、解読し、また、トークンの生成や送受信をユーザの直接的な関与なしに自動的に行うことが望ましい。
また、携帯端末についてのみ説明したが、端末装置が固有の通信アドレスを有するものであれば非携帯型の端末装置であってもよい。
100…携帯端末、200…交換局、250…ネットワーク、310…制御部、320…故障端末検出部、330…データ分解部、340…データ組立部、350…共有メモリ部、600…分割データ、800,810…トークン
Claims (12)
- データ通信機能を有する複数の端末装置がネットワークを介して相互に接続されたデータバックアップシステムであって、
各端末装置は、相互にデータをバックアップしあう複数の端末装置のグループを登録し、自端末装置に記憶されているバックアップ対象データを複数の分割データに分割して、これら複数の分割データをグループの他の端末装置に送信し、
各端末装置は他の端末装置から受信した分割データを保存し、
各端末装置は定期的に他の端末装置の状態を検出し、いずれかの他の端末装置においてデータの復元が必要であることを検出したとき、自己が保存している当該他の端末装置の分割データを当該他の端末装置へ送信し、
当該他の端末装置は他の端末装置からすべての自己の分割データを受信して前記バックアップ対象データを復元する、
ことを特徴とするデータバックアップシステム。 - 各端末装置は、複数の分割データが互いに重複する部分を有するように前記バックアップ対象データの分割を行うことを特徴とする請求項1記載のデータバックアップシステム。
- 各端末装置は、他の端末装置が自己の状態を書き込む領域を有するトークンを発行して、他の端末装置に巡回させ、戻ってきたトークン内の各端末装置の状態に基づいて前記データの復元が必要であることを検出することを特徴とする請求項1記載のデータバックアップシステム。
- 各端末装置は分割データの送信時にそのデータバージョン情報を付加して送信し、前記トークンは、トークンを発行する端末装置が、自己の保持する他の端末装置の分割データのデータバージョン情報を書き込む領域をさらに有し、トークンを受信した端末装置は、受信したトークン内の自己のデータバージョン情報と自己の保持する現在のデータバージョン情報とを比較し、自己データバージョン情報が新しい場合には当該他の端末装置へ新たな分割データを再送することを特徴とする請求項3記載のデータバックアップシステム。
- データ通信機能を有する端末装置であって、
バックアップ対象データおよび他の各種データを記憶する記憶手段と、
少なくともデータの送受信を行う通信手段と、
データの表示を行う表示手段と、
ユーザ操作を入力する操作手段と、
前記バックアップ対象データを複数の分割データに分割するデータ分割手段と、
他の端末装置の状態を定期的に検出する状態検出手段と、
前記複数の分割データから元のバックアップ対象データを組み立てるデータ組立手段と、
各種制御を行う制御手段とを備え、
この制御手段は、
相互にデータをバックアップしあう複数の端末装置のグループを登録し、
前記分割手段により前記バックアップ対象データを複数の分割データに分割し、これら複数の分割データをグループの他の端末装置に保存させるために送信し、
他の端末装置から分割データを受信したとき前記記憶手段に記憶し、
前記状態検出手段により他の端末装置のデータの復元要求を検出したとき、当該他の端末装置の分割データを当該他の端末装置へ送信し、
自端末装置のバックアップ対象データの復元が必要と判断されたとき復元要求を出力し、
自端末装置が復元要求を出力した後、他の端末装置からすべての自己の分割データを受信したとき、前記データ組立手段により前記バックアップ対象データを復元する、
ことを特徴とする端末装置。 - 前記データ分割手段は、複数の分割データが互いに重複する部分を有するように前記バックアップ対象データの分割を行うことを特徴とする請求項5記載の端末装置。
- 前記状態検出手段は、他の端末装置が自己の状態を書き込む領域を有するトークンを発行して、他の端末装置に巡回させ、戻ってきたトークン内の各端末装置の状態に基づいて前記復元要求の検出を行うことを特徴とする請求項5記載の端末装置。
- 前記トークンは、トークンを発行する端末装置が、自己の保持する他の端末装置の分割データのデータバージョン情報を書き込む領域をさらに有し、トークンを受信した端末装置は、受信したトークン内の自己のデータバージョン情報と自己の保持する現在のデータバージョン情報とを比較し、自己データバージョン情報が新しい場合には当該他の端末装置へ新たな分割データを再送することを特徴とする請求項7記載の端末装置。
- データ通信機能を有する端末装置において実行されるデータバックアッププログラムであって、
相互にデータをバックアップしあう複数の端末装置のグループを登録するステップと、
自端末装置に記憶されているバックアップ対象データを複数の分割データに分割するステップと、
これら複数の分割データをグループの他の端末装置に保存させるために他の端末装置へ送信するステップと、
他の端末装置から分割データを受信して保存するステップと、
他の端末装置においてデータの復元が必要であることを検出するステップと、
前記データの復元が必要であることを検出したときに当該他の端末装置の分割データを当該他の端末装置へ送信するステップと、
前記バックアップ対象データの復元が必要と判断されたときデータの復元が必要であることを出力するステップと、
他の端末装置からすべての自己の分割データを受信したとき、前記バックアップ対象データを復元するステップと、
を備えたことを特徴とするデータバックアッププログラム。 - 前記データの分割は、複数の分割データが互いに重複する部分を有するように行うことを特徴とする請求項9記載のデータバックアッププログラム。
- 各端末装置が自己の状態を書き込む領域を有するトークンを発行して、他の端末装置に巡回させ、戻ってきたトークン内の各端末装置の状態に基づいて前記データの復元が必要であることを検出することを特徴とする請求項9記載のデータバックアッププログラム。
- 前記トークンは、トークンを発行する端末装置が、自己の保持する他の端末装置の分割データのデータバージョン情報を書き込む領域をさらに有し、トークンを受信した端末装置は、受信したトークン内の自己のデータバージョン情報と自己の保持する現在のデータバージョン情報とを比較し、自己データバージョン情報が新しい場合には当該他の端末装置へ新たな分割データを再送することを特徴とする請求項11記載のデータバックアッププログラム。
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