JP2005051688A - 超音波アレイセンサおよびその製造方法 - Google Patents

超音波アレイセンサおよびその製造方法 Download PDF

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Yasushi Masaki
康史 正木
Xiong Si-Bei
四輩 熊
Hiroshi Yamanaka
山中  浩
Kosaku Kitada
耕作 北田
Koushi Aketo
甲志 明渡
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Abstract

【課題】超音波アレイセンサの耐環境性を向上する。
【解決手段】超音波アレイセンサ1は板状のベース部10を備え、ベース部10には主面11bに向かって開口する複数の凹部12が形成される。ベース部10の他方の主面11a上には絶縁層21が設けられ、絶縁層21上において複数の凹部12にそれぞれ対応する領域には、絶縁層21側から順に下部電極31、圧電膜41、および、上部電極51が設けられ、下部電極31、圧電膜41および上部電極51により振動検出層40が構成される。圧電膜41および上部電極51上には、これらを覆うようにして酸化シリコンにより形成される保護膜61が設けられる。これにより、超音波アレイセンサ1では圧電膜41が腐食等することが防止され、超音波アレイセンサ1の耐環境性を向上することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、超音波を検出する複数のセンサ素子が配列された超音波アレイセンサに関する。
対象物までの距離や対象物が位置する方向を特定するために、発信された超音波の対象物からの反射波を共振現象を利用して検出する複数のセンサ素子が配列された超音波アレイセンサの実用化が、近年、進められている。
図1は、従来の超音波アレイセンサ9を示す縦断面図であり、図1では1つのセンサ素子90のみを図示している。図1に示すように、超音波アレイセンサ9は、複数の凹部911(但し、図1では1つの凹部911のみを図示している。)が形成されたベース部91と、ベース部91上において複数の凹部911にそれぞれ対応する領域に形成された下部電極931、圧電膜932および上部電極933からなる振動検出層93とを有する。超音波アレイセンサ9では、各凹部911の底面の部分がダイアフラム部を構成し、ダイアフラム部が自己の共振周波数の超音波を受けて共振することにより、電極931,933間に電位差が生じ、電気信号が出力される。
なお、非特許文献1では、ゾルゲル法により形成されるPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)薄膜を圧電膜として用いた超音波アレイセンサの構造や製造プロセスについて開示されている。
堅田、外6名,「PZT薄膜を用いたアレイ型超音波マイクロセンサ」,研究会資料,フィジカルセンサ研究会,平成12年12月20日,PHS−00−21,p.219−222
ところで、従来の超音波アレイセンサ9は、屋内での使用が前提とされるため圧電膜932が露出していた。しかしながら、超音波アレイセンサの様々な場面での実用化に際して、使用環境によっては圧電膜932が腐食等してセンサ素子90の特性が劣化してしまうこととなる。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、耐環境性を有する超音波アレイセンサを提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、超音波を検出する複数のセンサ素子が配列された超音波アレイセンサであって、主としてシリコンにより板状に形成され、一の主面に向かって開口する複数の凹部を有するベース部と、前記ベース部の他の主面上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上の少なくとも前記複数の凹部に対応する領域において、前記絶縁層側から順に、下部電極、圧電膜および上部電極を有する振動検出層と、少なくとも前記圧電膜を覆う保護膜とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波アレイセンサであって、前記保護膜が、酸化シリコンまたは窒化シリコンにより形成される。
請求項3に記載の発明は、超音波を検出する複数のセンサ素子が配列された超音波アレイセンサであって、主としてシリコンにより板状に形成され、一の主面に向かって開口する複数の凹部を有するベース部と、前記ベース部の他の主面上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上の少なくとも前記複数の凹部に対応する領域において、前記絶縁層側から順に、下部電極、圧電膜、および、前記圧電膜を覆う上部電極を有する振動検出層とを備える。
請求項4に記載の発明は、超音波を検出する複数のセンサ素子が配列された超音波アレイセンサの製造方法であって、主としてシリコンにより形成された基板の一の主面上に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層上の少なくとも複数の素子形成領域において、前記絶縁層側から順に、下部電極、圧電膜および上部電極を形成する工程と、前記複数の素子形成領域に対応する前記基板の他の主面上の複数の領域において、エッチングにより複数の凹部を形成する工程と、少なくとも前記圧電膜を覆う保護膜を形成する工程とを備える。
請求項5に記載の発明は、超音波を検出する複数のセンサ素子が配列された超音波アレイセンサの製造方法であって、主としてシリコンにより形成された基板の一の主面上に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層上の少なくとも複数の素子形成領域において、前記絶縁層側から順に、下部電極、圧電膜、および、前記圧電膜を覆う上部電極を形成する工程と、前記複数の素子形成領域に対応する前記基板の他の主面上の複数の領域において、エッチングにより複数の凹部を形成する工程とを備える。
本発明によれば、超音波アレイセンサの耐環境性を向上することができる。
また、請求項3および5の発明では、超音波アレイセンサの製造コストを削減することができる。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る超音波アレイセンサ1を示す縦断面図である。超音波アレイセンサ1は、超音波を検出する複数のセンサ素子が配列されたものであり、図2では、1つのセンサ素子100のみを図示している。実際には、センサ素子100は紙面の左右方向および紙面に垂直な方向に複数配列される。また、図2では図示の便宜上、薄膜部分を厚く強調して示している。
図2に示す超音波アレイセンサ1は、シリコン(Si)により形成される層111、酸化シリコン(SiO)により形成される薄い層112、および、シリコンにより形成される薄い層113が積層された板状のベース部10を備え、ベース部10は後述するようにアレイセンサ製造に用いられるSOI(Silicon On Insulator)基板に対応する部位である。ただし、以下の説明では層111の下面に形成された酸化膜も含めてベース部10と呼ぶ。ベース部10には下側の主面11bに向かって開口する複数の凹部12(例えば、上底が350μm、下底が700μmの台形の断面形状を有する凹部)が形成される。1つの凹部12は1つのセンサ素子100に対応し、図2では1つの凹部12のみが図示されている。
ベース部10の上側の主面11a上には、例えば、酸化シリコンにより形成される絶縁層21が設けられる。絶縁層21上において複数の凹部12にそれぞれ対応する領域(すなわち、複数の凹部12の真上の領域)には、絶縁層21側から順に、主として白金(Pt)により形成される(正確には、絶縁層21側からチタン(Ti)により形成される層と白金により形成される層とが積層されている。)下部電極31、PZTにより形成される圧電膜41、および、白金により形成される上部電極51が設けられ、下部電極31、圧電膜41および上部電極51により振動を電圧として検出する振動検出層40が構成される。下部電極31は配向性をもってPZTを成膜する観点から白金であることが好ましく、圧電膜41がZnO(酸化亜鉛)により形成される場合も下部電極31が白金であることが好ましいと確認されている。なお、圧電膜41がPVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の樹脂である場合には下部電極31は白金である必要はない。上部電極51も必ずしも白金により形成される必要はなく、金やアルミニウム等の他の導体により形成されてよい。
また、圧電膜41および上部電極51上には、これらを覆うようにして酸化シリコンにより形成される保護膜61が設けられる。超音波アレイセンサ1では、各凹部12の底面(すなわち、層112により形成される面)から上側の層112,113、絶縁層21、下部電極31、圧電膜41、上部電極51および保護膜61の部位が超音波を受けて振動する薄いダイアフラム部とされる。
超音波アレイセンサ1は、所定の周波数の超音波を発信する音源装置とともに利用される。例えば、各ダイアフラム部の共振周波数が100kHzの超音波アレイセンサ1に対して、音源装置から100kHzの超音波が発信され、対象物からの反射波を受けて各ダイアフラム部が共振することにより各センサ素子100から電気信号が出力される。そして、出力された複数の信号を解析することにより、対象物までの距離や対象物が位置する方向が特定される。
次に、上述の超音波アレイセンサ1を製造する方法について説明する。図3は、超音波アレイセンサ1の製造工程の流れを示す図である。
超音波アレイセンサ1が製造される際には、まず、図4に示す基板11が準備される。図4に示す基板11は、シリコンにより形成される層111、酸化シリコンにより形成される薄い層112、および、シリコンにより形成される薄い層113が積層されたSOI基板であり、厚みが数百μmとされる。なお、超音波アレイセンサ1の製造に利用される基板は、SOI基板に限定されず、主としてシリコンにより板状に形成されるものであれば、他の種類の基板であってもよい。
図4の基板11は、アニール等の熱処理が施されることにより両主面11a,11cが酸化され、図5に示すように酸化シリコンにより形成される酸化膜21,22がそれぞれ形成される(ステップS11)。なお、酸化膜21(以下、「絶縁層21」という。)は他の手法により形成されてもよく、窒化シリコン等の酸化シリコン以外の絶縁体であってもよい。また、主面11c側の酸化膜22は必要に応じて形成されるのみでもよい。
続いて、主面11a(以下、「上面11a」とも呼ぶ。)側の絶縁層21上には図6に示すように下部電極31(および、必要な配線パターン)が形成される(ステップS12)。下部電極31を形成する際には、まず、絶縁層21上にスパッタリングによりチタン(Ti)により形成される膜が付与され、チタン膜上には白金により形成される膜が付与される。なお、チタン膜は白金膜の密着性を向上させるための中間層としての役割を果たすものであるため、以下、チタン膜および白金膜を単に白金膜と呼ぶ。
図7は、白金膜が形成された基板11の一部を例示する平面図である。白金膜上にはフォトリソグラフィ技術を利用してフォトレジストのパターンが形成される。すなわち、白金膜上にフォトレジストが塗布され、ステッパ等においてフォトレジスト上に所定のパターンが描画された後に、現像が施されフォトレジストのパターンが形成される。そして、イオンミリング装置等により白金膜がエッチング(ミリング)され、フォトレジストを基板11から除去することにより、下部電極31が形成される。
図8は、下部電極31が形成された基板11の一部を例示する平面図である。図8では、基板11上には十字状に配列された複数の下部電極31が形成される。また、複数の下部電極31はそれぞれ配線32を介して離れた位置に配置される接続用の電極33に連絡する。図8中において複数の下部電極31をそれぞれ含む二点鎖線にて示す矩形領域71は、以降の工程を経て製造される1つのセンサ素子の形成領域(以下、「素子形成領域」という。)であり、裏面側においては後述する工程により図2に示す凹部12が形成される領域となる。なお、本実施の形態で参照する縦断面図は簡略化されているため図8の平面図とは厳密には対応していない。
図6に示す下部電極31が形成されると、図9に示すように圧電材料により形成される圧電膜41が下部電極31上に形成される(ステップS13)。具体的には、まず、ゾルゲル法により基板11上の全面にPZT膜が形成される。このとき、下部電極31を形成する白金膜は配向性が良好であるため、少なくとも下部電極31上においては配向性の高いPZT膜が得られる。続いて、PZT膜上にフォトリソグラフィ技術を利用してフォトレジストによるパターンが形成され、ウエットエッチングが施されてPZT膜のフォトレジストに覆われていない部分が除去される。そして、フォトレジストが基板11から除去され、圧電膜41の形成が完了する。
図10は、圧電膜41が形成された基板11の一部を例示する平面図であり、図8に対応する図である。また、図10では図8の下部電極31が占める矩形領域72を破線により示している。図10に示すように、圧電膜41は全ての素子形成領域71を覆うようにして形成されており、圧電膜41には複数の接続用電極33にそれぞれ連続する複数のスルーホール42が設けられる。
続いて、図9の圧電膜41上には、図11に示すように上部電極51が形成される(ステップS14)。上部電極51は、ステップS12における下部電極31と同様に、スパッタリングにより白金が全面成膜され、白金膜上に塗布されたフォトレジスト上に所定のパターンを描画して現像することにより、フォトレジストのパターンが形成される。そして、ミリングが施された後フォトレジストが基板11から除去されることにより上部電極51が形成され、下部電極31、圧電膜41および上部電極51による振動検出層40が形成される。
図12は、上部電極51が形成された基板11の一部を例示する平面図であり、図8および図10に対応している。図12に示すように、圧電膜41上には十字状に配列されるとともに複数の素子形成領域71内にそれぞれ位置する複数の上部電極51が形成されており、複数の上部電極51は十字状の配線52により、1つの接続用の電極53へと連絡する。なお、上部電極51(並びに、配線52および接続用電極53)も下部電極31と同様に、チタン膜が中間層として設けられてもよい。
図11に示す上部電極51が形成されると、基板11の下側の主面11b(酸化膜22の表面を指し、以下、「下面11b」とも呼ぶ。)上においてフォトレジストのパターンが形成された後、エッチング(例えば、フッ酸を利用したウエットエッチング)が施されることにより素子形成領域71に対応する複数の領域において酸化膜22の一部が除去される。
続いて、酸化膜22をエッチングマスクとしてTMAH(Tetramethylammonium Hydroxide)を用いて基板11に対して異方性エッチングが施されることにより、図13に示すように下面11bに向かって開口する複数の凹部12が形成され、ダイアフラム部の下面が形成される(ステップS15)。また、基板11は凹部12が形成されることにより図2のベース部10となる。
続いて、図13の圧電膜41および上部電極51上には保護膜61が形成される(図2参照)(ステップS16)。保護膜61は、前述のように、酸化シリコンにより形成され、ゾルゲル法により圧電膜41および上部電極51上に比較的均一な厚み(例えば、0.1〜0.5μm)にて容易に成膜される。これにより、均一な厚み(例えば、数μm)の最終的なダイアフラム部が形成されることとなり、超音波アレイセンサ1における共振周波数のばらつきが抑制される。
そして、基板11は図12に示す大きさを単位とするダイに分割されて、図2に示すように保護膜61を有する超音波アレイセンサ1が完成する。超音波アレイセンサ1は、例えば、所定の回路基板上に貼り付けられる。そして、複数の接続用電極33,53(図12参照)がそれぞれワイヤーボンディングにより金線を介して回路基板上の電極と接続され、超音波検出に利用される。接続用電極33,53上には適宜ポッティングが施される。
以上のように、図2に示す超音波アレイセンサ1は、主としてシリコンにより形成されるとともに、上面11a上に絶縁層21、下部電極31、圧電膜41および上部電極51が順に形成された基板11に下面11b(酸化膜22が存在しない場合は図4の主面11c)に向かって開口する複数の凹部12を形成し、上部電極51および圧電膜41を覆う保護膜61を形成することにより製造される。これにより、上部電極51および圧電膜41が腐食等することが防止され、超音波アレイセンサ1の耐環境性を向上することができる。なお、下部電極31、圧電膜41および上部電極51は、絶縁層21上の少なくとも複数の凹部12に対応する領域に形成されるのみでもよい。
また、保護膜61は窒化シリコンにより形成されてもよく、この場合、例えばCVD法(Chemical Vapor Deposition)を利用して成膜される。このような、半導体製造技術等の分野で用いられている酸化シリコンまたは窒化シリコンは、十分な安定性を有することから、保護膜61としての機能に優れているといえる。また、酸化シリコンおよび窒化シリコン以外の無機材料も保護膜61として用いることができる。特に、CVD法やPVD法(Physical Vapor Deposition)等の乾式成膜法により形成される無機材料は、比較的ピンホールが少なく(より好ましくは、CVD法)、信頼性の高い保護膜として利用することができる。
図14は、第2の実施の形態に係る超音波アレイセンサ1aを示す縦断面図であり、1つのセンサ素子100aのみを示している。図14の超音波アレイセンサ1aでは、図2の超音波アレイセンサ1と比較して、保護膜61が省かれるとともに上部電極51aの構造が異なっている。すなわち、圧電膜41が上部電極51aにより覆われ、振動検出層40aが下部電極31、圧電膜41、および、圧電膜41を覆う上部電極51aにより構成される。
図14に示す超音波アレイセンサ1aを製造する際には、図2の超音波アレイセンサ1と同様に、主としてシリコンにより形成されるSOI基板11上に酸化膜21,22が形成され、酸化膜(絶縁層)21上の所定の領域72には下部電極31および圧電膜41が形成される(図3:ステップS11〜13)。
基板11上には白金膜(または、チタン膜および白金膜)が全面成膜され、フォトリソグラフィを利用してフォトレジストのパターンが形成された後にミリングが施され、圧電膜41を覆う上部電極51aが形成される(ステップS14)。
図15は、上部電極51aが形成された基板11の一部を例示する平面図である。図15に示すように、ステップS14では接続用電極33を露出するスルーホール54が形成される。また、素子形成領域71を含むおよそ全体が上部電極51aにより覆われることとなる。なお、図15は、第1の実施の形態と同様に、図14の縦断面図とは厳密には対応していない。
続いて、下面11b側の酸化膜22上において、素子形成領域71に対応して凹部を形成する領域のみが露出されたフォトレジストのパターンが形成されて酸化膜22の一部が除去される。そして、ウエットエッチングによる異方性エッチングが施されることにより基板11の酸化膜22側の主面11bに向かって開口する複数の凹部12が形成され(すなわち、ダイアフラム部が形成され)、図14に示す超音波アレイセンサ1aが完成する(ステップS15)。なお、図14の超音波アレイセンサ1aの製造ではステップS16は省略される。
以上のように、図14の超音波アレイセンサ1aは、主としてシリコンにより形成されるとともに複数の凹部12を有するベース部10の主面11a上に絶縁層21が設けられ、絶縁層21上の少なくとも複数の凹部12に対応する領域において、下部電極31、圧電膜41、および、圧電膜41を覆う上部電極51aが積層された振動検出層40aが設けられる。これにより、図2の超音波アレイセンサ1のように、保護膜61を形成する工程を設けることなく圧電膜41が上部電極51aにより保護され、超音波アレイセンサ1aの耐環境性を向上することができるとともに、超音波アレイセンサ1aの製造コストの削減を図ることができる。
また、上部電極51aは必ずしも白金(または、チタンおよび白金)により形成される必要はなく、例えば、金等の他の不活性金属が利用されてもよい。なお、金を上部電極として利用する際には、一般的に、クロムを中間層として利用することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
上記第1の実施の形態において、必ずしも上部電極51が保護膜61により覆われる必要はなく、少なくとも圧電膜41が保護膜61により覆われていれば超音波アレイセンサの信頼性を向上することができる。
超音波アレイセンサにおいて、センサ素子は十字状以外の配列とされてもよく、より高精度な超音波アレイセンサを形成するには、センサ素子がマトリックス状に配列されることが好ましい。
上記実施の形態において、凹部12は必ずしもウエットエッチングにより形成される必要はなく、ドライエッチング等他のエッチング手法により形成されてもよい。
上記実施の形態では複数の上部電極が電気的に接続され、下部電極31が独立して設けられるが、複数の下部電極を接続して上部電極が互いに独立していてもよい。また、上部電極および下部電極のそれぞれが、互いに独立して設けられてもよい。圧電膜も素子形成領域毎に独立して設けられてもよい。なお、素子形成領域71と凹部12とは正確に対応する必要はなく、各素子形成領域71は各センサ素子におよそ対応する領域を定めるにすぎない。
図3に示す製造工程の流れは、可能な範囲内で適宜変更されてもよい。例えば、図3に示す製造工程の流れにおいて、保護膜61が形成された後に基板11の凹部12が形成されてもよい。
従来の超音波アレイセンサを示す断面図である。 第1の実施の形態に係る超音波アレイセンサを示す断面図である。 超音波アレイセンサの製造工程の流れを示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。 第2の実施の形態に係る超音波アレイセンサを示す断面図である。 超音波アレイセンサの製造の様子を示す図である。
符号の説明
1,1a 超音波アレイセンサ
10 ベース部
11 基板
11a,11b 面
12 凹部
21 絶縁層
31 下部電極
40,40a 振動検出層
41 圧電膜
51,51a 上部電極
61 保護膜
71 素子形成領域
100,100a センサ素子
S11〜S16 ステップ

Claims (5)

  1. 超音波を検出する複数のセンサ素子が配列された超音波アレイセンサであって、
    主としてシリコンにより板状に形成され、一の主面に向かって開口する複数の凹部を有するベース部と、
    前記ベース部の他の主面上に形成された絶縁層と、
    前記絶縁層上の少なくとも前記複数の凹部に対応する領域において、前記絶縁層側から順に、下部電極、圧電膜および上部電極を有する振動検出層と、
    少なくとも前記圧電膜を覆う保護膜と、
    を備えることを特徴とする超音波アレイセンサ。
  2. 請求項1に記載の超音波アレイセンサであって、
    前記保護膜が、酸化シリコンまたは窒化シリコンにより形成されることを特徴とする超音波アレイセンサ。
  3. 超音波を検出する複数のセンサ素子が配列された超音波アレイセンサであって、
    主としてシリコンにより板状に形成され、一の主面に向かって開口する複数の凹部を有するベース部と、
    前記ベース部の他の主面上に形成された絶縁層と、
    前記絶縁層上の少なくとも前記複数の凹部に対応する領域において、前記絶縁層側から順に、下部電極、圧電膜、および、前記圧電膜を覆う上部電極を有する振動検出層と、
    を備えることを特徴とする超音波アレイセンサ。
  4. 超音波を検出する複数のセンサ素子が配列された超音波アレイセンサの製造方法であって、
    主としてシリコンにより形成された基板の一の主面上に絶縁層を形成する工程と、
    前記絶縁層上の少なくとも複数の素子形成領域において、前記絶縁層側から順に、下部電極、圧電膜および上部電極を形成する工程と、
    前記複数の素子形成領域に対応する前記基板の他の主面上の複数の領域において、エッチングにより複数の凹部を形成する工程と、
    少なくとも前記圧電膜を覆う保護膜を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする超音波アレイセンサの製造方法。
  5. 超音波を検出する複数のセンサ素子が配列された超音波アレイセンサの製造方法であって、
    主としてシリコンにより形成された基板の一の主面上に絶縁層を形成する工程と、
    前記絶縁層上の少なくとも複数の素子形成領域において、前記絶縁層側から順に、下部電極、圧電膜、および、前記圧電膜を覆う上部電極を形成する工程と、
    前記複数の素子形成領域に対応する前記基板の他の主面上の複数の領域において、エッチングにより複数の凹部を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする超音波アレイセンサの製造方法。
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