JP2005010756A - 光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐擦傷性、耐候性等が良好な非球面からなる光学面を有する光学素子を有する光学系を提供する。
【解決手段】 光学系において、光学装置の表面入射第一面に非球面光学面を有する有機無機複合体からなる光学素子を有する光学系。
【選択図】 図4

Description

本発明は、平面、球面以外の非球面の光学的面形状を有する光学素子を用いた光学系に関し、とくに複数の光学素子を配置した光学系の光が入射もしくは出射する面に非球面の光学的面形状を有する光学素子を配置した光学系に関する。
近年の光学系においては、高精度化や小型化のために、平面や球面以外の形状を有する光学素子が多用されてきている。従来、光学ガラスを用いて光学素子の光学面の作製は研磨により行われてきたが、研磨は一般には回転式の研磨手段を用いているために、球面や平面以外の光学面形状を研磨によって形成することは非常に困難であり、光学素子の大量製造には不適なものであった。そこで、非球面形状を有する成形型、あるいはプレス型を用いて光学用樹脂や光学ガラスを成形し、光学面として非球面形状を有するレンズやプリズムを作製することが行われている。
こうした目的で用いられている光学用樹脂としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、アモルファスポリオレフィン(APO)、ポリスチレン(PS)等の熱可塑性樹脂やジエチレングリコールビスアリルカーボネート重合体などの熱硬化性樹脂が使用されている。これらの樹脂は表面硬度が低く、例えば鉛筆硬度では、PMMAで4H、ポリカーボネートでB程度であり、布等で拭くなど日常的な保守操作により、容易に傷がついてしまうという欠点を有している。
また、これらの光学樹脂は、線膨張係数が10-5以上であり、光学ガラスに比較すると1〜2桁線膨張係数が大きく、比較的低いガラス転移点(Tg点)を持っており、この温度を境に弾性率や熱膨張率などの機械的特性が大きく変化するので、光学樹脂製の光学素子が、Tg点を超えるような環境に曝される場合には、変形を起こし正常な機能をしなくなるばかりではなく、回復しがたい損傷を受けることもあった。
したがって、これらの樹脂により作製された光学素子を、光学系の最初の入射側、もしくは最後の出射面側に配置して用いると、表面硬度が低いため、傷がついて光学性能を損ねるという欠点を有している。
そこで、こうした問題を解決するために、光学樹脂で形成された自由曲面形状を有する光学素子の入射面の前にカバーガラスを配置して、樹脂製光学素子の傷の発生を防ぐことが行われている(例えば、特許文献1)。
一方、光学ガラスを成形した光学素子においては、光学ガラスが軟化する700℃付近でプレス成形し、非球面レンズなどを成形することも行われているが、高温度であるためにプレス成形型をはじめとしたプレス成形用の機器類の劣化が激しく、頻繁にプレス成形型の交換を要する等の問題点があり、合成樹脂製と同様の成形が容易な非球面を有する光学素子が求められていた。
特開平2003−84200号公報
本発明は、光学系の入射側もしくは出射側には、光学性能には寄与せず光学設計上は不要なカバーガラスを設けて擦過傷等を防止する等の光学系の表面を保護手段を設ける必要がなく、部品点数が少なく組み立て工程も簡単となる合成樹脂系の光学素子を有する光学系を提供することを課題とするものであり、また温度や湿度の変化によって光学面の寸法精度が変化しにくい光学系を提供すること、また従来の合成樹脂製の光学素子と同様に作製することが可能な光学素子を提供することを課題とするものである。
本発明の課題は、光学装置の表面入射第一面もしくは出射第一面に非球面光学面を有する有機無機複合体からなる光学素子を有する光学系によって解決することができる。
このように、光学装置の表面入射第一面もしくは出射第一面に有機無機複合体からなる非球面光学面を有する光学素子を配置したことによって、合成樹脂のみで製造した光学素子を配置した場合では不可欠であったカバーグラスの配置が不要となるのみではなく、合成樹脂のみで製造した光学素子に比べて温度、湿度の影響を受けにくくなって寸法変化しにくいので光学特性が安定化するという効果も得られる。
しかも、有機無機複合体は、合成樹脂で製造する場合と同様に成形型によって成形することによって容易に製造することができる。
また、有機無機複合体からなる光学素子は、紫外線遮蔽特性、水分の遮蔽特性を有するので、光学系を構成する他の光学素子に対してこれらによる影響を小さくすることができる。
また、非球面光学面が、平面あるいは球面以外の非球面、自由曲面である前記の光学系である。
本発明の光学系の非球面光学面を有する光学素子は、有機無機複合体を用いて成形によって製造することができるので、平面あるいは球面以外の非球面、自由曲面等の任意の曲面形状を有する光学素子を容易に製造することができる。
また、光学素子の非球面光学面以外の部位に、光学素子の保持装置との係合部もしくは位置決め部を有する前記の光学系である。
本発明の光学素子には、非球面光学面以外の部位に、光学素子の保持装置と係合する係合部、位置決め部を容易に設けることができるので、光学素子を光学素子の保持装置に取り付けて、固定する場合には、光学素子に設けた凸部、凹部等によって位置決め、固定が容易となるばかりではなく、温度あるいは湿度による変化が小さいので光学素子の位置決め精度を維持することができる。
本発明の光学系は、光学装置の表面に露出される光学素子面は、十分な耐擦傷性を有しており、カバーガラス等の表面保護部材を使用しなくても、通常の取り扱いで光学面が傷つかず、光学性能を損ねないものである。さらに光学特性も良好で形状自由度が高い成形が可能であり、非球面や自由曲面などの形状を有した光学素子を作製できるばかりでなく、光学素子の位置固定用の部位を設けることで、光学系の組み立てを容易にする光学系を提供することができる。
本発明は、平面あるいは球面以外の非球面の光学面を入射側第一面もしくは出射側第一面に有する光学素子として有機無機複合体によって製造したものを用いることによって、入射側第一面もしくは出射側第一面のように外部に露出しているために、装置の操作時や日常的な保守操作で触れる可能性がある面を保護する目的でカバーグラス等の保護部材を設ける必要がなく、しかも光学特性が優れた光学系を提供できることが可能であることを見出したものである。
なお、本発明における平面あるいは球面以外の非球面の光学面は、非球面光学面、自由曲面等の様々な光学面を意味する。
なお、本発明の光学素子を光の入射側第一面として用いる光学系としては、カメラの撮像光学系等があり、光の出射側第一面として用いる光学系としては、光を投射する面が露出した液晶プロジェクタ用光学系がある。
本発明で用いる有機無機複合体は、有機成分と無機成分とが、いわゆる分子レベルもしくはナノスケールレベルで混合されて複合化されたものである。
図1に、有機無機複合体を説明する図を示す。
図1(A)に示すように、有機無機複合体1の形態には、有機骨格高分子マトリックス2と無機骨格高分子マトリックス3が相互に絡み合い、互いのマトリックスへ貫入された構造のもの、すなわちIPN構造のものが挙げられる。
また図1(B)に示すように、有機成分高分子4中にナノスケールの無機微粒子等の無機成分5が分散したもの、すなわちコンポジット構造のものが挙げられる。
また、図1(C)に示すように、有機成分のモノマーもしくはオリゴマー6と無機成分のモノマーもしくはオリゴマー7とが共重合した共重合構造のものが挙げられる。
更に、これらの構造の複合構造があり、有機成分と無機成分との間には水素結合や分散力、クーロンなどの分子間力や、共有結合、イオン結合、π電子雲の相互作用による引力などの相互作用が働いている。
IPN構造型の有機無機複合体での有機成分としては、主に炭素−炭素結合を主鎖骨格に有する、いわゆる有機骨格からなる高分子であり、鎖状もしくは架橋されたものである。例えば、メチルメタクリレート樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂などおよびこれらの共重合体の熱可塑性樹脂、およびエポキシ樹脂、不飽和エステル樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、アリレート樹脂、エーテル樹脂、シリコーン樹脂およびこれらの官能基の一部が変性された樹脂などの熱硬化性樹脂など種々のものが挙げられるが、温度、湿度に対する安定性の面ではポリオレフィン系のものが好ましい。
無機成分としてはSi、Ti、Zr、Al、Ba、Ta、Ge、Ga、Cu、Sc、Bi、ランタノイドなどの各種金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、あるいは金属カルボキシレートから選ばれる有機金属化合物の少なくとも一種でゾル−ゲル反応したメタロキサン骨格をもつ無機高分子化合物やZn、Sn、In、Ge、Pbなどの金属元素を骨格に有する無機高分子化合物などが挙げられる。これ以外にも分子鎖中に硫黄、ホウ素、セレン、テルルなどを含むものなども挙げられる。
IPN構造を有する有機無機複合体の合成方法としては、有機成分の熱硬化性樹脂のモノマーあるいはオリゴマーと無機成分の金属アルコキシド、および必要に応じて溶剤、触媒、硬化剤を混合し、樹脂モノマーの重合反応と金属アルキシドのゾル−ゲル反応を同時に進行させることによって有機成分と無機成分が相互にネットワーク構造を絡ませた有機無機複合体の硬化体を製造する方法が挙げられる。
この方法では溶剤や触媒の種類と添加量によって反応速度の調整や、溶剤の種類と添加量によって合成後に行う成形や塗布などの加工方法に応じた調整が可能となる。また硬化剤の種類と添加量によって硬化方法や硬化条件の調整が可能である。
コンポジット構造タイプの有機無機複合体での有機成分としては、IPN構造で挙げた熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が挙げられる。無機成分としては、大きさが光の波長より十分小さな200nm以下、より好ましくは1〜50nm程度、さらに好ましくは1ないし10nm程度の平均粒径の金属酸化物や金属硫化物、金属窒化物、金属炭化物、金属ハロゲン化物、あるいは金属単体などである。
これらに含有される金属元素としてはSi,Ti,Zr,Al,Ba、Ta,Ge、ランタノイド、Zn,Sn,In、Y、Ni,Co,Cr、Au,Ag,Cu、Ca,Mg、Wなど各種金属元素が用いられる。具体的には、Si02 、TiO2、ZrO2、Al23、ZnS、BaTiO3、MgF2、In23、Sn02 、SiC、c−BNがある。また、ラダー状構造やカゴ状構造を有するシルセスキオキサンなど分子の大きさに近い大きさの化合物も挙げられる。
コンポジット構造の有機無機複合体の合成方法としては、これら金属成分の微粒子を光の波長より十分小さな大きさを保ちながら有機成分へ均一に分散させることによって製造することができる。
例えば、混練による方法、有機成分中でゾル−ゲル反応を起こして微粒子を生成させる方法、有機樹脂モノマーと金属錯体を混合した後、金属成分を還元して金属微粒子の生成と有機成分の重合とを同時に行う方法、あるいは前もって微粒子表面を表面処理して有機成分との親和性を高めて分散し易くしておく方法等を挙げることができる。
共重合構造型の有機無機複合体では有機成分としては、アクリレートモノマー、エポキシオリゴマーなどIPN構造の説明で挙げた熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の各種有機成分が挙げられる。無機成分としては、SiやTi、Al、Ge、Se、Teなどの元素を含有する無機成分含有有機モノマーあるいはオリゴマーが挙げられる。共重合構造型の合成方法としては、前記有機成分と前記無機成分含有有機モノマーあるいはオリゴマー、および必要に応じて溶剤、触媒、硬化剤を混合して両者を共重合させることで得られる。
このようにして得られた有機無機複合体は、無機成分の作用により有機成分を補強した結果、弾性率や表面硬度など機械的特性の向上、熱軟化点の上昇、ガラス転移点の上昇、熱膨張率の低下などの熱的特性の向上が得られるようになる。有機無機複合体では、有機成分と無機成分が分子レベルもしくはナノスケールで相互作用を及ぼしながら構成されているため、有機成分の主鎖骨格の分子振動を押さえることで、特性の向上が得られるものと考えられる。また、構造が繊密になるため、吸水率が低下する、耐溶剤性あるいは耐候性が向上するなどの効果も得られる。
また、本発明の有機無機複合体では、有機成分と無機成分が分子レベルもしくは光の波長より小さなスケール領域で混合されている。このため、光の散乱に対する影響がほとんどなくなっており、透明体が得られる。
これらの有機無機複合体は、熱可塑性樹脂を有機成分としたものでは、射出成形などにより自由な形状に成形可能であり、熱硬化性樹脂を有機成分としたものは、硬化前では液状のものを利用することができるので、成形型へ注型して自由な形状へ成形可能である。このように成形特性を有しているため、合成樹脂の成形技術を適用することによって、平面あるいは球面以外の、非球面や自由曲面形状を有する光学素子を成形して作製することができる。
また、このようにして得られた有機無機複合体で作製された光学素子は非常に高い表面硬度を有しており、光学装置の表面に露出するように配置された場合でも、手扱いなどにより光学素子表面に傷がつくことはほとんどなくなる。ここで、用いられる有機無機複合体は、表面硬度が鉛筆硬度で6H以上を有していることが望ましい。
また、従来の樹脂に比較して、熱膨張率、温度変化による屈折率の変化率も低減されるようになるため、環境の温度変化に対して光学特性が安定化し、高精度な光学系を形成できるという効果も得られる。
更には、有機無機複合体からなる光学素子表面に反射防止膜を真空成膜によって形成する場合には、反射防止膜の形成面の温度を光学樹脂の場合に比べて高くすることができるので、反射防止膜の密着性を高めることができるとともに、有機無機複合体からなる光学素子(基材)が変形しにくいので、反射防止膜を剥がれにくいものとすることができるという効果も得られる。
以下に本発明の実施例と比較例を示して、本発明を説明する。
メタノール分散シリカゾル(個数平均粒径10nm、粒度分布範囲1〜100nm、シリカ微粒子含有量25質量% 日産化学製 オルガノシリカゾルMA−ST−S)37重量部にイソプロパノール30重量部を加えて攪拌し、さらにγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン3.82重量部とフェニルトリメトキシシラン3.05重量部を加えて攪拌した。
これに攪拌しながらオクチル酸第1すず(城北化学製 KCS−405T)0.14重量部を滴下して加えて、25℃で72時間攪拌後、ネオペンチルグリコールジアクリレート(共栄社化学製NP−A)7.11重量部とトリメチロールプロパントリアクリレート(共栄社化学製TMP−A)2.14重量部および重合開始剤(イルガキュア500チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.20重量部を加えて攪拌し、細孔径3μmのろ紙によりろ過をして浮遊しているゴミ等を除去した。この溶液から減圧エバポレーターにより、40℃でメタノールおよびイソプロパノールなどの揮発性溶剤を留去し、流動性のある有機無機複合体組成物を得た。
(光学特性測定用試料の作製)
得られた組成物を直径20mm、深さ20mmの円筒形容器に深さ10mmとなるように注ぎ、窒素雰囲気下で光波長365nmにおける光強度17W/m2 の紫外線を24時間照射し、直径20mm、厚さ10mmの有機無機複合体を得た。この有機無機複合体から試料を切り出し、線膨張係数βを測定したところ、4.9×10-5/Kであった。
また、この有機無機複合体から切り出した試料により、屈折率の温度変化率を測定したところ、90×10-6/Kであった。なお、一般的な光学用のアクリル樹脂の屈折率の温度変化率である130×10-6/Kに対して屈折率の温度変化率は30%低減されていた。
また、動的粘弾性を動的粘弾性測定装置(TAI製 Q−800)によって、試料形状が幅5mm×長さ25mm×厚さ1mmの試料について、3点曲げ、昇温速度2℃/分、周波数10Hzの条件で測定したところ、200℃までで大きな貯蔵弾性率の低下はなく、高温でも軟化しないことが確認された。また、得られた有機無機複合体の鉛筆硬度を測定したところ、9H以上であった。
また、有機無機複合体は、目視では透明であり、直径20mm、厚さ3mmの試料を調製して厚さ方向の光線透過率を測定したところ、図2に示すように、波長400nm〜800nmでは光学素子として充分な光線透過率を有していた。さらに、波長633nmのHe−Neレーザーを有機無機複合体へ照射したときの有機無機複合体内部に観察されるレーザー光の軌跡を実体顕微鏡(オリンパス光学工業製 SZX12)により20倍の拡大率で観察したところ、レーザー光の軌跡は図3に示すように、わずかにしか観察されず、光散乱がほとんどなかった。
(自由曲面プリズムの作製)
有機無機複合組成物を注型して、図4に光路を示す自由曲面プリズムを調製した。入射面11が10mm×10mmの大きさのものであった。
光学的作用をもたらさない側面が上下に配置されるように成形型を設置し、この型の上面に配置された注入口より先に調製した有機無機複合組成物を注入した。この成形型の上面は紫外線透過性の強化ガラスにより作製されている。次に型の上部より、波長365nmで150W/m2 の光強度の紫外線を300秒間照射した後、硬化した有機無機複合体よりなるプリズムを型から取り出した。
このプリズムはモールド型の面、形状を正確に転写しており、成形性は良好であった。
得られたプリズムからなる光学系では、物体からの光線は、第1プリズム10の入射面11を透過し、反射面12で内面反射され、射出面13を透過し、絞り14を経て、第2プリズム20の入射面21を透過し、第1反射面22で内面反射され、第2反射面23で内面反射され、射出面24を透過して像面15上に結像する。ここで、第1プリズムの第1面11〜第3面13は自由曲面形状を有している。また、第1プリズムの入射面11は光学装置の表面に露出される面となる。
成形された第1プリズムの入射面11の表面硬度は鉛筆硬度9Hであった。また、実際に近い表面の耐傷性の評価を以下のようにして行った。すなわち、スチールウール(日本スチールウール製 #0000)を用いて、強く10往復擦った後、目視で観察したところ、擦過による傷は観察されず、十分な耐擦傷性を有していた。
比較例1
ネオペンチルグリコールジアクリレート(共栄社化学製NP−A)7.11重量部とトリメチロールプロパントリアクリレート(共栄社化学製TMP−A)2.14重量部および重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア500)0.20重量部を加えて攪拌して得られた組成物を直径20mm、深さ20mmの円筒形容器に深さ10mmとなるように注ぎ、窒素雰囲気下で光波長365nmにおける光強度1.7W/m2 の紫外線を24時間照射し、直径20mm、厚さ10mmの光学樹脂を得た。この光学樹脂から試料を切り出し、線膨張係数βを測定したところ、7.5×10-5/Kであり、実施例1の有機無機複合材料の1.53倍であった。
無機成分である有機ケイ素化合物としてメチルトリメトキシシラン6.6g、フェニル基含有有機ケイ素化合物として、フェニルトリメトキシシラン1.6g、重合基含有有機ケイ素化合物として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン6.Og、および水4.4gからなる溶液を25℃にて48時間攪拌し無機成分をゾル−ゲル反応させた。次いで副生成物である水、メタノールを除去して無機成分反応溶液を得た。
得られた無機成分反応溶液に有機成分であるメチル(メタ)アクリルレート10.0gと、紫外線硬化剤(長瀬産業製 イルガキュアー500)0.1gを添加し有機無機複合材料溶液を得た。
次にこの有機無機複合組成物を用い、実施例1と同様にして、自由曲面をもつプリズムを作製した。得られたプリズムは成形型の面、形状を正確に転写しており、成形性は良好であった。成形されたプリズムの入射面に対して、スチールウール(日本スチールウール製 #0000)を用いて、強く10往復擦った後、目視で観察したところ、擦過による傷は観察されず、十分な耐擦傷性を有していた。また、この有機無機複合体は鉛筆硬度で8Hであった。
式1で示されるビスフェノールA型エポキシ樹脂9重量部と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン13.67重量部を混合した後、テトラエチレンペンタミン2.84重量部を加えて、0℃にて攪拌し、純水1.56重量部を添加して、さらに1時間攪拌し、透明で均質な有機無機複合組成物を得た。
これを真空脱泡した後、側面に凹部を有する成形型を用いて、有機無機複合組成物を注ぎ、25℃±5℃にて24時間放置した後、成形型から取り出し得られた側面に突起を有する第1プリズムを80℃で2時間加熱した。
このようにして、図5(A)に示すように、側面に突起30を有する有機無機複合体からなる第1プリズム10を得た。
このプリズムはモールド型の面、形状を正確に転写しており、成形性は良好であった。また、図5(B)に部分断面図を示すように、プリズム10の側面10aと光学装置の係合部40との間に隙間を設け、突起30の側面を光学装置の係合部40との突きあて面とすることによって、プリズムの側面と突起とが会合する面には側面10aの側が拡大する曲面や傾斜面等を有する連接部10bを形成することができるので、成形時にひずみが発生しにくいものとすることができる。
したがって、保持装置に対して固定する際には固定に伴う歪みもプリズムに対して及ばないので、高精度の位置決めをした光学系を得ることができる。また、位置決め用の突起30には、凹部31を設けることによって、接着剤の充填部32を形成することが可能となり、高精度の位置決めを行ったうえに確実な接合が可能となる。このプリズムも他の実施例同様、十分な表面硬度を有していた。また、この有機無機複合体は、鉛筆硬度で6Hであった。
Figure 2005010756
本発明の光学系は、光学装置の表面に露出される光学素子面は、十分な耐擦傷性を有しており、カバーガラス等の表面保護部材を使用しなくても、通常の取り扱いで光学面が傷つかず、光学性能を損ねないものである。さらに光学特性も良好で形状自由度が高い成形が可能であり、非球面や自由曲面などの形状を有した光学素子を作製できるばかりでなく、光学素子の位置固定用の部位を設けることで、光学系の組み立てを容易にする光学系を提供することができる。
図1に、有機無機複合体を説明する図である。 図2は、実施例の有機無機複合光学材料の透過率曲線である。 図3は、実施例の有機無機複合光学材料のレーザー光照射による光散乱の実体顕微鏡による観察結果を説明する図である。 図4は、実施例の自由曲面プリズムおよびその光路を説明する図である。 図5は、実施例の自由曲面プリズムを説明する斜視図である。
符号の説明
1…有機無機複合体、2…有機骨格高分子マトリックス、3…無機骨格高分子マトリックス、4…有機成分高分子、5…無機成分、6…有機成分のモノマーもしくはオリゴマー、7…無機成分のモノマーもしくはオリゴマー、10…第1プリズム、11…入射面、12…反射面、13…射出面、14…絞り、15…像面、20…第2プリズム、21…入射面、22…第1反射面、23…第2反射面、24…射出面、30…突起、31…凹部、32…充填部、40…係合部

Claims (3)

  1. 光学系において、光学装置の表面入射第一面もしくは表面出射第一面に非球面光学面を有する有機無機複合体からなる光学素子を有することを特徴とする光学系。
  2. 非球面光学面が、平面あるいは球面以外の非球面、自由曲面であることを特徴とする請求項1記載の光学系。
  3. 光学素子の非球面光学面以外の部位に、光学素子の保持装置との係合部もしくは位置決め部を有することをことを特徴とする請求項1または2記載の光学系。
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