JP2004508694A - 使用済リチウム金属ポリマー二次電池及び関連材料のリサイクル方法 - Google Patents

使用済リチウム金属ポリマー二次電池及び関連材料のリサイクル方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004508694A
JP2004508694A JP2002527592A JP2002527592A JP2004508694A JP 2004508694 A JP2004508694 A JP 2004508694A JP 2002527592 A JP2002527592 A JP 2002527592A JP 2002527592 A JP2002527592 A JP 2002527592A JP 2004508694 A JP2004508694 A JP 2004508694A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
mother liquor
lithium
temperature
vanadium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002527592A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004508694A5 (ja
Inventor
カーダレリ,フランソワ
デュベ,ジョナサン
Original Assignee
アベスター
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アベスター filed Critical アベスター
Publication of JP2004508694A publication Critical patent/JP2004508694A/ja
Publication of JP2004508694A5 publication Critical patent/JP2004508694A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M6/00Primary cells; Manufacture thereof
    • H01M6/52Reclaiming serviceable parts of waste cells or batteries, e.g. recycling
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/54Reclaiming serviceable parts of waste accumulators
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/84Recycling of batteries or fuel cells

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Abstract

本発明は、使用済みリチウム二次電池、特にリチウム金属ゲル及び固体ポリマー電解質二次電池を含む物質からリチウム及びバナジウム化合物を回収及び再利用(リサイクル)するための熱精錬(pyrometallurgical)及び水精錬(hydrometallurgical)プロセスに関する。本方法は、材料の準備と、室温以下の温度での冷却による硬化と、冷却され硬化された材料の粉砕と、母液をもたらす、焼却により得られた灰又は溶融塩酸化により得られた固化塩又は粉砕物質自体の酸による溶解と、母液からのバナジウム化合物の抽出と、それからの重金属及びアルミニウムの分離と、残存溶液からの炭酸リチウムの沈殿とを含む。
【選択図】図1A

Description

【0001】
技術分野
本発明は、熱精錬(pyrometallurgical)及び水精錬(hydrometallurgical)プロセスによる,使用済リチウム金属固体及びゲルポリマー二次電池からのリチウム及びバナジウム化合物の回収と再利用(リサイクル)の方法に関する。より詳しくは、本発明は、リチウム金属固体及びゲルポリマー電解質電池、それからのスクラップ、及びそれらの製造に用いられた製品から、バナジウムとリチウムを五酸化バナジウム(V)と炭酸リチウム(LiCO)の形で回収することに関する。
【0002】
背景となる技術
リチウム二次電池の製造に用いられる戦略物質の有用性にも関わらず、わずかな工業プロセスしか、とりわけ使用済リチウム電池−一次電池及び二次電池の両方とも−のリサイクルのための商業的な開発がなされていない。実際のところ、現在わずかに3つの主要な会社しか、使用済リチウム電池からの有用な副生成物の中和(neutralization)及び/または回収のための商業的なリサイクルプロセスを開発しておらず、その一つは常にパイロット規模での開発中である。今日、アメリカにおける先導的なリチウム電池リサイクル業者はカリフォルニア州アナハイムに拠点を置くトキシコ インク.(Toxco, Inc.)である。トキシコはカナダのブリッテッュコロンビア州トレイル(Trail)にある回収プラントにリチウム電池を所有している。トキシコは米国特許5,345,033号及び米国特許5,888,463号に記載された低温プロセスを操業しており、そのプロセスは使用済リチウム電池を1年で約500トンリサイクルする能力がある。これらの主要部分はアメリカ軍(例えば魚雷、ミサイル)でバックアップ用電源として用いられた高性能電池である。このように、選択的な分類(例えば、Li/SO,Li/SOCl,Liイオン、リチウム熱電池、リチウム保存電池)がなされることなく、多くの化学物質が一緒にリサイクルされている。本質的には、トキシコのプロセスは、窒素やアルゴンといった極低温の液体を用いて温度を下げることによる反応性の低減を含んでいる。凍結された電池は、水酸化ナトリウム及び炭酸ナトリウムで作られた大量の苛性液(aqueous caustic solution)下に浸される。この浴で、まだ凍結している電池ケースが破砕される。リチウムなどの活性な電池材料は、反応して水素と熱を放出する。これらの過酷な条件下で、水素は発火してすべての可燃性有機溶媒を燃焼させる。このプロセスの最後では、コバルトとリチウムの炭酸塩、そしてより少ない程度ではあるが、紙とプラスチック、カーボンブラック、金属スクラップも二次的な副生成物として回収される。炭酸リチウムは電気透析によって精製され、トキシコの子会社であるリチケム インターナショナル(LithChem International)によって販売される。しかし、トキシコのプロセスは、リチウム金属固体及びゲルポリマー電解質電池のリサイクルに特に適しているというわけではない。その理由は、このプロセスは溶解のためにアルカリ溶液に集中しており、バナジウムの化学に集中しているわけではないからである。
【0003】
2番目の会社は、ニューヨーク州クラーレンス(Clarence)にある、以前のバッテリー ディストラクション テクノロジー(Battery Destruction Technology)であったBDT インク(BDT Inc.)である。BDTは危険廃棄物、特に使用済リチウム電池の破壊を専門としている。現在の処理能力は、使用済リチウム電池及びリチウム金属スクラップの両者について年間約350トンである。米国特許4,647,928号に記載されているこのプロセスは、水酸化ナトリウム水溶液中での振動タイプハンマーミル(swing type hammer mill)を用いた使用済電池の破壊を含む。その結果生じるスラッジ(泥さい、sludge)は粗い篩により篩い掛けすることにより浄化され、固体廃棄物は濾過により取り除かれて廃棄と埋め立てのために除去され、その一方、アルカリ炉液はpH調製され、ミルに戻される。不運にも、危険物質の中和のみを意図したこのプロセスでは、リチウム及びバナジウム化合物といった有用な副生成物を容易に分離し回収することができない。
【0004】
3つ目の会社はソニー エレクトロニクス インク(Sony Electronics Inc.)であり、住友金属鉱山との密接な共同研究のもと、ラップトップコンピュータ、ビデオレコーダ、デジタルカメラ、携帯電話といった電子機器に使われる、ソニー自身の使用済リチウムイオン電池からコバルト酸化物を回収するために特に充てられるプロセスを開発してきた。このプロセスは使用済電池の焼成を含み、電解質の燃焼から生ずる廃熱発電を用いている。このプロセスは、新たなリチウムイオン電池の製造に直接再使用する、十分に高品質のコバルト酸化物を回収することができ、金属スクラップは銅やステンレス鋼といった二次的な副生成物を含む。この技術は十分に確立されており、今日、日本では使用済リチウムイオン二次電池のリサイクルが行われており、現在の処理能力は年間120−150トンである。このプロセスの改良は、現在、アメリカのアラバマ州ドーサン(Dothan)に設置されたパイロットプラントで行われており、研究開発(R&D)の現行能力は年間150kgである。しかし、ソニー−住友プロセスは特にリチウムイオン電池からのコバルト酸化物のみの回収を意図しており、リチウム金属固体およびゲルポリマー技術に適用することは不可能である。最後に、リチウムイオン二次電池からの正極物質およびリチウム両者の回収のためのいくつかの最近のプロセスも開発されたが、工業的には実施されなかった。最後に、以下の4つの新規プロセス(キャノン(米国特許5,882,811号)、株式会社東芝(米国特許6,120,927号)、東京芝浦電気(米国特許6,261,712号)、メルク パテント GmbH(Merck Patent GmbH)(欧州特許1056146号)によって設計)はすべてリチウムイオン電池の再生とリサイクルに関する。結論としては、上記プロセスは何れも、リチウムとバナジウム両方の回収のためのリチウム金属ゲル及び固体ポリマー電解質電池の処理に、特に充てられているわけではない。
【0005】
リチウム金属ポリマー電池(Lithium metal polymer battery)は、以下共通の頭字語としてLMPBとするが、ハイブリッド車(hybrid electric vehicles;HEV)、完全な電気自動車(electric vehicle;EV)といった自動車用途、及び電力ユーティリティ、遠距離通信などといった静置型市場に対して、出願人が特に開発した有望な充放電可能な電源である。この二次電池の基本的な電気化学システムは、極薄のリチウム金属箔からなる負極、リチウム塩を含有する固体共重合体、リチウムが挿入されるリチウムバナジウム酸化物化合物を含む正極、炭素で被覆されたアルミニウムの集電体で作られている。この薄い設計により、電気化学セル(EC)は高い重量密度(270Wh/kg)と体積密度(415Wh/kg)の両方を示す。代表的な電気化学セルの質量分率で表した最終的な化学分析を以下の表1に示す。
【0006】
【表1】
Figure 2004508694
【0007】
しかし、戦略的な電池物質の含有量の観点からすると、高いエネルギー密度、高められた化学的反応性を有する使用済リチウム金属ポリマー電池は、大型リチウムポリマー電池の商業化において経済面、安全面、そして環境面での大きな問題に繋がる危険廃棄物にあたる。従って、化学的反応性、毒性、耐食性のため、これらの危険物質、特にリチウム金属とリチウムバナジウム酸化物を無毒化してて失活させ、そしてプラントの衛生と安全性を最大限保証するため、大規模な商業プラントがこれら使用済電池のリサイクルのために準備していなければならない。このプラントはまた、生産コストを下げ天然資源を深刻な枯渇から保護するために、有用な副生成物を効果的にそして経済的に精製することを目的として、すべての戦略的電池物質をリサイクルしなければならない。最後に、このようなプラントは、世界中で州、政府機関により進められている排出物ゼロ(ゼロエミッション;zero emission)プログラムに調和するため、危険物質の環境へのいかなる放出も避けるべきである。
【0008】
発明の開示
本発明により、使用済リチウム金属固体ポリマー二次電池と、及び/またはそれらのスクラップと、及び/または該電池の製造で使われる製品を含む物質から、リチウムとバナジウム化合物を回収しリサイクルする方法を提供する。その方法は、硬化され冷却された該材料の不活性雰囲気下での粉砕、溶解したバナジウム塩と重金属を含有する母液をもたらす粉砕された硬化冷却材料の処理、母液からの五酸化バナジウム(V)の抽出、重金属、アルミニウム、その他の金属不純物の分離、残存液からの炭酸リチウムの沈殿を含む。
【0009】
好ましくは、この材料は、液体アルゴン、液体ヘリウム、液体窒素といった液化極低温ガスの流通下において粉砕される。
好ましい実施態様により、約77Kから約273Kの間といった約273K以下の温度、例えば85Kで冷却することによる該材料の硬化によって、硬化され冷却された材料が得られる。
【0010】
別の好ましい実施態様によると、本方法は粉砕された硬化冷却材料のバッチ焼成、母液をもたらす粉砕された硬化冷却物質の処理を含む。好ましくは、粉砕された硬化冷却材料は冷却され、それにより生成したガスは、母液をもたらす冷却材料の処理前に洗浄される。
【0011】
好ましくは、粉砕された硬化冷却材料のバッチでの焼成により得られた灰と固体残留物を、HF,HCl,HBr、HI,HNO,HPO,HSO,HClO,HCOOH,CFSOHおよびこれらの混合物といった酸に溶解させることにより、液体がえられる。好ましい酸はHSOである。
【0012】
他の好ましい実施態様によると、粉砕された硬化冷却材料を前処理なしで、HF,HCl,HBr、HI,HNO,HPO,HSO,HClO,HCOOH,CFSOHおよびこれらの混合物といった酸に、好ましくはHSOに、直接溶解させ、不活性ガスと水素の混合物を分離することにより、母液が得られる。
【0013】
別の実施態様によると、本方法は、母液をもたらす冷却材料の処理の前に、粉砕材料の酸化を引き起こすのに有効な温度での粉砕された硬化冷却材料の加熱と、酸化の間に生成したガスの除去とを含む。酸化は、溶融アルカリ及びアルカリ土類金属の無機塩M(M=Li,Na,K,Rb,Cs,Be,Mg,Ca,Sr,Baであり,X=F,Cl,Br,I,SO ,NO ,CO 2−,BO 2−,PO 3−)の混合物を含む溶融塩浴で、該材料の破壊を引き起こすのに有効な温度で、例えば500Kと2000Kの間の温度において酸化及び/または燃焼し、化学反応中に生成したガスを除去することによって行ってもよく、その後母液をもたらすため冷却材料の処理がなされる。
【0014】
さらに別の実施態様によると、母液は、酸化反応中に生成したガスが除去された粉砕固化塩を、HF、HCl、HBr、HI、HNO、HPO、HSO、HClO、HCOOH、CFSOHおよびこれらの混合物といった酸、好ましくはHSOに溶解させることによって得られ、母液は不溶性の固体を含む。
【0015】
本発明を実施する態様
本発明は、好ましい実施態様を説明する添付図面により説明されるが、添付図面に限定されるものではない。
【0016】
以下の説明は、様々な好ましい実施態様のステップを概略的にまとめた添付図面と関連づけて読まれるべきである。
一般的にいうと、本発明は使用済リチウム二次電池、特にリチウム金属ゲル及び固体ポリマー電解質電池からのリチウムとバナジウム化合物の回収とリサイクルの方法に関し、リチウム金属ゲル及び固体ポリマー電解質電池は、少なくとも一つの負極活物質と、セパレータと、電解質と、一つの正極活物質と、集電体と、電池ケーシング(casing)を含む。ケーシングの機械的な分解と、冷却され硬化された材料を準備した後、本方法は、焼却により得られた灰、または溶融塩抽出により得られた固化塩、または粉砕材料自身を母液を得るために酸に溶解させることを含む。このプロセスは、金属ケーシングと電気機器をスクラップとして取り除くために電池を機械的に分解することと、取り外された電気化学セル(EC)を周囲温度以下に下げることにより柔らかい電池物質を硬化させることと、その後の処理の前に冷却状態に置く間にECを小さな破片に粉砕することを含む。このプロセスはまた、粉砕された電池材料をそのまま、または焼却によって得られたその灰、または溶融塩酸化(molten satls oxidation、MSO)の後に得られる固体塩の処理というさらなるステップを含む。粉砕された電池材料、焼成後得られた灰、又は溶融塩酸化により生じた固化塩は酸に溶解され、その間に反応性が高く危険な使用済リチウム電池は、まず第一に、より低い化学的な反応性を示す不活性物質へ変えられる。その後、本プロセスは反応槽からの固体、液体、気体状排出物の回収と、固体及び液体排出物の適切な溶媒による溶解と、気体排出物のアルカリ溶液による吸収と、結果として生じた洗浄流の混合と、混合流からの生成した沈殿物の分離と、残った溶液の中和を含む。最後に、最終ステップは、効果的かつ安全に、比較的経済的な方法で、バナジウムおよびリチウム化合物といった有用な副生成物を電気化学セルの製造に再使用するため回収することにある。
【0017】
最初のステップは、使用済EC中に含まれる、リチウム金属やポリマーといった柔らかい材料を好ましくは273K以下に冷却することによって硬化させることにある。凍結ステップは、金属リチウムやゲルまたは固体ポリマーといった電気化学セルに含まれる柔らかい材料をより脆くするため、及び粉砕を容易にするため、そしてまた、速度定数のアレニウス則に基づき取扱中の危険電池部材の化学的な反応性を低下させるため、必ず要求される。
【0018】
活性な電池材料がポリマーフィルムに包まれているという事実により、活物質を放出し活性な表面積を増加させるため、硬化され凍結されたECには、粉砕プロセスが必要である。それに加え、電池材料の大半が持つ塑性により、サイズを小さくする多くのプロセスの中で極低温での裁断(shredding)が好ましい手法である。例えば、回転切削ミル(ロタリーカッティングミル;rotary cutting mill)と極低温液体の組み合わせは、柔らかい電池材料を硬化させ、脆性を示し粉砕が容易となり、回転切削ミル周囲の不活性雰囲気を維持することにより安全な操作条件を確実にする。極低温裁断は、通常、工具鋼または固い固化されたカーバイドで作られた鋭利なナイフを有する切削ミルを用いて行われ、好ましくは液体アルゴンの連続流通下で操作される。生成した裁断片は通常1ミリメートル以下である。大きすぎる裁断片はアルゴン下篩にかけられ、切削ミルへリサイクルされる。篩を透過した裁断片と液体アルゴンを含む生成スラリーは、連続的に焼却容器へ注入される。完全に満たされると、反応槽は閉じられ、裁断物のバッチ焼却のための圧縮空気の供給と結合される。そして、アルゴンは、当業者によく知られた様に蒸発により回収され、その一方反応槽の底部に、冷たい裁断された使用済ECを残す。
【0019】
バッチ焼却は、好ましくは、大量の耐熱性合金(例えばハステロイTM−X、インコネルTM−617)で作られる。反応槽の反応は使用済物質の加熱により開始される。130℃に達した後、通常発熱で早い反応が数秒間おこり、ピーク温度は約1500Kに達する。その後、燃焼または焼却が導かれ、通常約1000K以上の温度で8時間以上起こる。圧力は基本単位系で約900から1500kPaである。焼却のため、高熱空気、純酸素又は酸素富化ガスが反応槽を通過し、残さ中の実質的にすべての炭素含有物質が焼却されて主として純粋な金属または金属酸化物を残すまで、流通ガス中の最低限の酸素量とともに、燃焼は十分に高い温度(1000K)で保たれる。使用済電気化学セルの高められた総熱量(elevated gross)または高品位発熱量(high heating value、HHV))は、その種類に依存して16から23MJ/kg(標準ASTM D240によって決定)の範囲にあるが、廃熱利用により熱の回収に有効に用いることができる。燃焼の間、過剰の空気又は酸素とともに反応容器を出る生成オフガス(off−gas)は熱交換器により冷却され、LiO、Al及びVといった浮遊微粒子をいずれも完全に除去するために、バグハウス(baghouse)、高効率微粒子フィルター、または静電分離器といった粉塵収集器を通過させられる。そして、粉塵のないガスは、CO、HF、SOといったすべての危険気体状排出物を吸収するため、使用済消石灰溶液(つまり、Ca(OH))を含有する湿式洗浄装置(スクラバー;scrubber)に導かれる。これらのガスは反応し、3つの天然に産出される鉱物(つまり、カルサイト、蛍石、石膏)(F.カルダレッリ、−マテリアルハンドブック コンサイスデスクトップリファレンス− シュプリンガー フェアラグ、ロンドン、ニューヨーク(2001)参照;Cardarelli,F. −Material Handbook. A Concise Desktop Reference.− Springer Verlag, London, New York (2001))と化学的に同等な炭酸カルシウム(CaCO)、フッ化カルシウム(CaF)、硫酸カルシウム二水和物(CaSO・2HO)でできた無害な沈殿物のスラッジを形成する。これらの固体無機化合物は、静置と乾燥により容易に除去されることが可能であり、工業的な鉱物の用途での副生成物として使用されるか、または、安全な廃棄物であり埋め立てゴミとしての用意ができている。最後に、放出ガスは可能性のある残存NOxを除去するため、高効率の触媒変換機(触媒コンバータ;catalytic converter)を通過する。触媒変換機を出た放出ガスは非常に清浄である。
【0020】
焼却段階が終了した後、灰と残っている固体残留物の両者は焼却炉の底部から排出され、収集された粉塵と微粒子とともに撹拌溶解タンクに持ち込まれる。溶解は、ガラスで内表面を覆ったスチール容器または何れかの他の耐腐食性物質(例えばアロイ−20(Alloy−20)、アロイ 20 Cb(Alloy 20 Cb)、ハステロイTMC−276、ジルコニウムと合金、ニオブまたはタンタルで被覆したスチール)で作られた容器で行われる。溶解反応は、熱い無機または有機酸(例えば、HF,HCl,HBr、HI,HNO,HPO,HSO,HClO,HCOOH,CFSOHおよびこれらの混合物といった酸)を加えることによって開始されるが、30wt%の硫酸(HSO)が好ましい。無次元の操作酸比(オペレーティングアシッドレシオ;operating acid ratio)(いわゆる、‘酸比(acid ratio)‘)、つまり、灰及び固体残留物量に対する硫酸量の比は、(i)電池活物質すべてを中和するために必要とされる化学量論の量と少なくとも同じ、好ましくはそれ以上の量を加えるため、(ii)発生した熱すべてを吸収するために必要な酸の量を使用して、どんな熱暴走をも防ぎ、浴をプロセスで許容される最大温度以下に保つため、選択される。硫酸リチウムが生成する発熱反応は、一時的に110−120℃に上昇する。それにも関わらず、2時間の間、適切な操作内部温度を保持するため、サーモウエル(thermowell)、加熱コイル(heating coil)、ジャケット壁(jacketed wall)、または外部循環液体加熱(external circulating fluid heating)といった内部加熱装置が、管式または平板熱交換器とともに備えられている。含まれている可溶性の副生成物、例えばAl、Al、LiO及びVの完全な溶解、及び副反応(つまり、ガス発生と熱生成)の完了の後、不溶性物質のスラッジも含有する溶液が、容積移送式ポンプによりくみ出され、室温に冷却される。そして、残存する不溶性固体は、液体サイクロンまたは遠心分離、最終的にフィルタープレス装置を用いた濾過により除去される。洗浄、乾燥後の濾過ケーキは埋め立てられる。
【0021】
有用なバナジウム及びリチウムをすべて含有する母液及び洗浄溶液は、必要であれば濃硫酸によりpH1以下になるよう調整される。その後、すべてのバナジウム(IV)及び(III)カチオンを五価のバナジウムに完全に酸化し、硫酸バナジル(V)(VOSOでできた低pHでは黄色の溶液を生じさせるため、塩素、酸素、オゾン、二酸化硫黄、カロ酸(Caro‘s acid、HSOとH)、アルカリ金属の塩素酸塩MClO、または過マンガン酸塩MMnO(M=Li、Na、K)、または過酸化水素といった酸化剤少量が加熱された溶液(約80℃)に注意深く加えられ、または、電気化学的な酸化も行われる。リチウムカチオンを含む酸化性塩または過酸化水素が、付加的な他の元素や不純物を溶液に持ち込まないという理由より、好ましい試薬である。実際のところ、これらの他のカチオンやアニオンは、十分に純粋な化合物の最終的な回収を経済的に実行不可能にする可能性がある。そして200mol/m−3以上のバナジウム(V)モル濃度を得るため、液は濃縮される。完了後、母液は293Kに冷却され、水酸化リチウム(LiOH)の冷たい溶液、またはNHOH 28wt%のアンモニア水が、五酸化バナジウムの水和した赤茶色の沈殿(V・250HO)の凝集が起きるpH=2に達するまで加えられる。このゲル状沈殿は静置と濾過により分離され、慎重に洗浄、脱水、200℃での乾燥がなされる。Vを回収するため、焼成物はVの融点以上で加熱されなければならない。次に、純粋なVである冷却された黒い溶融物は、ボールミルで破砕及び粉砕され、200タイラー(Tyler)メッシュの篩いを通過する微粉を生成する。大きすぎる粒子はミルへリサイクルされる。
【0022】
前の濾液は洗浄溶液と混合され、濃HSOを加えることによりpH=2に調整される。はんだ、ワイアー由来の微量重金属(例えば、Cu2+、Pb2+、Sn2+)は、200Am−2の定陽極電流電解条件で、酸性媒体(つまり、DSATM−O)中の酸素発生において有効でサイズが安定な陰極(例えば、Ti/IrO、しかし好ましくはNb/IrO又はTa/IrO(F.カルダレッリ、−マテリアルハンドブック コンサイスデスクトップリファレンス− シュプリンガー フェアラグ、ロンドン、ニューヨーク(2001)328−331頁参照;Cardarelli,F. −Material Handbook. A Concise Desktop Reference.− Springer Verlag, London, New York (2001))を用い、スチール、ニッケル、銅、またはジルコニウム陽極上へなされる通常の陽極電析によって除去される。他の方法は、溶媒抽出又はイオン交換法を用いた分離も含むことができる。
【0023】
重金属の除去後に得られた精製溶液は、洗浄溶液と混合され、蒸発により濃縮される。そして、母液を20℃に冷却した後、水酸化リチウム(LiOH)の冷たい溶液、またはNHOH 28wt%のアンモニア水が、ゲル状の水酸化アルミニウム(Al(OH))の凝集が起きるpH約5に達するまで加えられる。その後沈殿物は静置と濾過により分離される。注意深く洗浄、脱水、乾燥された沈殿物は焼成され、使用または廃棄の用意ができる。
【0024】
アルミニウムを抽出した後に得られた精製硫酸リチウム溶液は、洗浄溶液と混合され、蒸発によってLiSO650kg・m−3まで濃縮され、水酸化リチウム(Li(OH))を加えることによりpHが約8に調整され、100℃に温められる。そして二酸化炭素(CO)を通気させ、または炭酸アンモニウム(NHCO を加え、濾過によって分離する炭酸リチウム(LiCO)を沈殿させる。沈殿物は、洗浄、乾燥される。硫酸アンモニウムを含有する残った液は、廃棄のため保存される。
【0025】
別の実施態様として、回転切削ミルにより得られたスラリーを焼却容器に注入する代わりに、ガラスで内表面を覆ったスチールまたは何れかの他の耐腐食性物質(例えばアロイ−20(Alloy−20)、アロイ 20 Cb(Alloy 20 Cb)、ハステロイTMC−276、ジルコニウムと合金、ニオブまたはタンタルで被覆したスチール)で作られた溶解反応容器に、連続的に注入される。そして、反応槽は密閉され、アルゴンは蒸発によって回収され、その一方、反応槽の底に冷却された裁断ECを分離する。
【0026】
溶解反応は、熱い有機又は無機酸(例えばHF,HCl,HBr、HI,HNO,HPO,HSO,HClO,HCOOH,CFSOHおよびこれらの混合物)を加えることによって開始されるが、80℃の30wt%HSOが好ましい。無次元の操作酸比(いわゆる‘酸比’)、つまり、使用済EC量に対する硫酸量の比は、(i)電池活物質すべてを中和するために必要とされる化学量論の量と少なくとも同じ、好ましくはそれ以上の量を加えるため、(ii)発生した熱すべてを吸収するために必要な酸の量を使用して、どんな熱暴走をも防ぎ、浴をプロセスで許容される最大温度以下に保つため、選択される。硫酸リチウムが生成される発熱反応は一時的に温度を110−120℃に上昇させる。それにも関わらず、1時間の間、適切な操作内部温度を保持するため、サーモウエル、加熱コイル、ジャケット壁、または外部循環液体加熱といった内部加熱装置が備えられ、管式または平板熱交換器が必要とされる。含まれている可溶性の副生成物、例えばAl、Al、LiO及びVの完全な溶解、及び副反応(つまり、ガス発生と熱生成)の完了の後、不溶性物質のスラッジも含有する溶液は、ダイアフラム、モイノTM(MoynoTM)またはデラスコ(Delasco)ポンプといった容積移送式ポンプによりくみ出され、室温に冷却される。そして、残存する不溶性固体は液体サイクロンまたは遠心分離、最終的にフィルタープレス装置を用いた濾過により除去される。洗浄、乾燥後の濾過ケーキは埋め立てられる。
【0027】
バナジウムの抽出、重金属の除去、アルミニウムとリチウムの抽出は、最初の実施態様と同様に行われる。
3番目の実施態様では、裁断材料のバッチ焼却の代わりに、裁断材料は溶融塩浴中で行われるバッチでの酸化をうける。
【0028】
バッチの溶融塩酸化(MSO)は、耐腐食性、耐熱性の合金(例えば、ハステロイTM−X、インコネルTM−617、ニッケル又は銅被覆鋼、チタン及び合金、ジルコニウム及び合金)で作られた反応容器中で行われる。反応は、溶融アルカリ及びアルカリ土類金属無機塩M(M=Li,Na,K,Rb,Cs,Be,Mg,Ca,Sr,Baであり,X=F,Cl,Br,I,SO ,NO ,CO 2−,BO 2−,PO 3−)の混合物を含む溶融塩浴に、500から2000Kの温度で、好ましくは1000Kで、使用済裁断物を加えることにより開始される。通常、発熱で早い反応が数秒起こり、ピーク温度は約1500Kに達する。その後、温度は8時間の間、1000Kで一定に保たれる。使用済ECの高められた総熱量(elevated gross)または高品位発熱量(high heating value、HHV))は、その種類に依存して16から23MJ/kgの範囲にあるが、廃熱利用により熱の回収に有効に用いることができる。酸化反応の間、HF、CO、SOといった発生した酸性ガスは、廃棄物から捕集され、フッ化物、炭酸塩、硫酸塩として溶融物内に捕捉される。反応容器から出る他のオフガス、例えばCO、NOxは、熱交換器により冷却され、浮遊微粒子をいずれも完全に除去するために、バグハウス(baghouse)、高効率微粒子フィルター、または静電分離器といった粉塵収集器を通過させられる。そして、粉塵の除かれたオフガスは湿式洗浄装置に導かれる。最終的に、オフガスは触媒交換機を通過する。触媒交換機を出たオフガスは非常に清浄である。
【0029】
それぞれの溶融塩酸化ステップが完了した後、浴は冷却され固化される。固体塩はジャックハンマー(jack hammer)により反応槽内部で破砕され、生じた塊は、ジャイレトリークラッシャー(gyratory crusher)によりさらに粉砕され、続いてボールミルにより粉砕される。粉体状になった塩物質は、回収された粉塵、微粒子とともに、撹拌溶解タンクに導入される。溶解は、ガラスで内表面を覆ったスチール容器または何れかの他の耐腐食性物質(例えばアロイ−20(Alloy−20)、アロイ 20 Cb(Alloy 20 Cb)、ハステロイTMC−276、ジルコニウムと合金、ニオブまたはタンタルで被覆したスチール)で作られた容器で行われる。溶解反応は、熱い無機または有機酸(例えば、HF,HCl,HBr、HI,HNO,HPO,HSO,HClO,HCOOH,CFSOHおよびこれらの混合物といった酸)を加えることによって開始されるが、80℃の30wt%硫酸(HSO)が好ましい。1時間の間、適切な操作内部温度を保持するため、サーモウエル、加熱コイル、ジャケット壁、または外部循環液体加熱といった内部加熱装置が、管式または平板熱交換器とともに備えられている。含まれている可溶性の副生成物、例えばAl、Al、LiO及びVの完全な溶解、及び副反応(つまり、ガス発生と熱生成)の完了の後、不溶性物質のスラッジも含有する溶液は、ダイアフラム、モイノTM(MoynoTM)またはデラスコ(Delasco)ポンプといった容積移送式ポンプによりくみ出され、室温に冷却される。そして、残存する不溶性固体は液体サイクロンまたは遠心分離、最終的にフィルタープレス装置を用いた濾過により除去される。洗浄、乾燥後の濾過ケーキは埋め立てられる。
【0030】
バナジウムの抽出、重金属の除去とアルミニウム、リチウムの抽出は、最初の実施態様と同様に行われる。
実施例
本発明は、以下の非限定的な例によって説明される。
【0031】
実施例1(ECの焼却と灰の溶解)
最初のステップは、表1に示した化学組成を有する使用済電気化学セル(ECs)1kgをより脆くし、粉砕を容易にすることにあった。電気化学セルは様々な充電状態(state of charge)を示した。使用済ECを85Kに保たれた液体アルゴンに直接浸すことにより、硬化が起きた。rAEで表される無次元の比率は、ECの単位量に対して必要な液体アルゴンの量であり、以下の式により計算された:
【0032】
【式1】
Figure 2004508694
【0033】
ここで、mArとmECはそれぞれ液体アルゴンと使用済ECのkgで表した質量であり、CpArとCpECはそれぞれ液体アルゴンと使用済EC各々のJ・kg−1・K−1で表した比熱であり、TAr、TEC、Tは、それぞれ、液体アルゴン、使用済ECをケルビンで表した温度、及び浸積後の許容される最終温度である。85Kの液体アルゴンを用い、以下の実験パラメータ;(i)冷凍倉庫に保存された使用済ECの平均温度T約260K、(ii)液体アルゴンの比熱CpAr1058J・kg−1・K−1(R.H. ペリー、D.W.グリーン、−ペリーの化学工学ハンドブック第7版、マグローヒル、ニューヨーク(1997)2−217頁;−Perry‘s Chemical Engineers’ Handbook 7th ed.− McGraw−Hill, New York(1997) page 2−217)、使用済ECの比熱CpEC1619J・kg−1・K−1;(iii)アルゴンの沸点(87.65K)より僅かに下である87Kに保たれる固液混合物の最終的に許容される温度;に基づき、実際の選択される比は約134である。つまり、EC1kgに対し、液体アルゴン134kg(約95dm)が使用された。それに加え、使用済ECの密度(1369kg・m−3)が85Kの液体アルゴンの密度(1407kg・m−3)より低いことから、液体−気体界面での危険な浮揚を避けるため、軽い使用済ECは、金属網のバスケット、もしくは切れ目を入れて拡げた(expanded)又は穴をあけた金属箱のどちらかにいれて液体アルゴン中に加えられた。低温での延性から脆性への転移の問題から、アルミニウム合金6061−T6及びAISI316Lグレードのオーステナイト鋼といった面心立方(fcc)の金属及び合金が好ましく、部材や容器の設計に選択された。デュワーフラスコ(Dewar flask)中の滞在時間は約30分であった。そして、より脆性でより硬化された物質はタングステンカーバイドで作られたナイフブレードを有するシュレッダー(プルヴェリセッテ 25、フリッシェGmbH;Pulverisette 25, Fritsch GmbH)へ導かれた。粉砕操作の間、85Kの液体アルゴン連続的な流は裁断チャンバー内部を重力で循環し、電池材料の十分な硬度を維持し、薄片に裂けたシートの周囲の不活性媒体を蒸発により供給した。薄片を形成する裁断された電池材料の最終的な比表面積は、初期の値が0.3m・kg−1であったのと比較して1.5m・kg−1であると測定され、反応速度論的な利益が期待された。作成された切削片は約1ミリメータより小さかった。大きすぎる切削片は、液体アルゴン流通下操作される口径12タイラーメッシュのステンレス鋼316Lの湿式振動篩いによって除去され、切削ミル操作に向けられた。粉砕中の質量収率は約98wt%であった。残っている冷却スラリー(つまり、篩下の薄片状の切削片と液体アルゴン)は直接穴のあいた柄杓で回収され、管状焼却炉に注がれた。管状炉容器はともに2.54cmの厚みの壁と底を有し、全長0.9144mで、外径が30.48cmで、実際の容積が約45dmであった。焼却炉はアニールされた(焼きなまされた;annealed)インコネルTM−617で作られた。焼却炉は、適切な排気なしでの1kgECの突然の分解反応に関連した熱暴走という最悪の場合における最大圧力に耐える目的で、ASME ボイラー及び圧力容器コード(ASME Boiler and Pressure Vessels code)に従って安全に設計された。完全に充填した後、反応器とそのカバーフランジは、アニールされ金メッキされた純銅のOリングを用いてきつく一緒に締め付けられ、1.5barの絶対圧力(absolute pressure)で空気圧縮機(エアコンプレッサー)に接続された。そして、液体と気体アルゴンは置換により徐々に除去され、その一方、反応槽内部に冷却した裁断使用済ECを分離した。焼却炉内の反応は、焼却レトルトをカンサルTM(KanthalTM)A1加熱電熱線を用いたフィブローサルTM(FibrothalTM)モジュールを備えた電気炉に入れて加熱することにより開始された。すべての炭素含有物質(例えば、カーボンブラック、コポリマー)を完全に燃焼するのを容易にするため、圧縮乾燥空気の20(STP)dm/minの流通は、反応が完了するまで維持された。2つのBタイプの熱電対が、反応器の内表面、外表面の両方の温度を記録した。130℃に達した後、通常、発熱で早い反応が数秒間おき、ピーク温度は約1500Kに達した。その後、8時間、外部加熱は約1000Kの温度で一定になるよう保たれた。燃焼の間、反応容器を出た生成オフガスは、グレードAISI 316L(エクサジー インク;Exergy Inc.)のステンレス鋼で作られた、小型のシェル(shell)式および管式熱交換器により回収、冷却され、浮遊微粒子(つまり、LiO、Al、V)をいずれも完全に除去するために、高効率微粒子フィルターを通過させた。そして粉塵のないガスは、すべての危険気体排出物(つまり、CO、HF、SO)を吸収するために、使用済消石灰(Ca(OH))溶液を含む湿式洗浄装置に導かれた。これらのガスは反応して、炭酸カルシウム(CaCO)、フッ化カルシウム(CaF)、硫酸カルシウム(CaSO)からなる無害な沈殿のスラッジを生成した。固体化合物は、静置と乾燥により除去された。最後に、発生ガスは小さい触媒交換機を通過した。焼却ステップが完了した後、表2に示す最終的な化学組成である711gの灰と固体残留物両者が焼却炉より排出され、回収された粉塵と微粒子とともに撹拌溶解反応槽に加えられた。
【0034】
【表2】
Figure 2004508694
【0035】
溶解反応槽は、容積37.85dmで、小さなジャケット付きでガラスにより内表面を覆ったスチール製容器(タイコンTM(TyconTM)のLBOシリーズ)と大きな底部の排出部から成った。溶解反応は、周囲温度で希硫酸を加えることによって開始され、その後、80℃に加熱された。操作酸比(オペレーティングアシッドレシオ)と呼ばれる無次元の物理量は、Rと表されるが、つまり、熱暴走の問題なしに用いることができ、しかしすべての電池活物質を中和するのに充分な、灰と固体残留物の両者の量に対する酸の量であり、下記の通り、中和酸比と安全酸比の両方より大きい値をとるように決められる。
【0036】
=max(R、R
中和酸比(ニュートラライゼーション アシッド レシオ;neutralization acid ratio)とよばれる無次元の量は、Rと表されるが、つまり、灰と固体残留物両者の量に対する、すべての電池活物質を量論的に中和するために必要とされる酸の量であり、以下の理論式を用いて計算した。
【0037】
【式2】
Figure 2004508694
【0038】
ここで、χLi2O、χV2O5、χAl2O3は、灰と固体残留物中にある酸化リチウム、五酸化バナジウム、酸化アルミニウムの無次元の質量分率である;MMH2SO4、MMLi2O、MMV2O5、MMAl2O3はkg・mol−1で表される硫酸、酸化リチウム、五酸化バナジウム、酸化アルミニウムの分子量であり、χacidは重量分率であらわれる硫酸濃度である。この中和酸比は、以下の3つの化学反応スキームに基づいている:
LiO+HSO=LiSO+H
Δh=LiOに対し−10386kJ・kg−1
+HSO=(VOSO+H
Δh=Vに対し−1715kJ・kg−1
Al+3HSO=Al(SO+3H
Δh=Alに対し−719kJ・kg−1
しかし、特に熱暴走を防ぐという安全面での理由から、別の無次元物理量が導入され、計算されなければならず、それは安全酸比(セイフティー アシッド レシオ;safety acid ratio)であり、Rで表される。これは、硫酸バナジル、硫酸アルミニウム、硫酸リチウムが形成される発熱反応により生成する熱全てを、最大許容温度に達することなく吸収可能である酸の量の、灰及び固体残留物量に対する比である。安全酸比は以下の式を用いて計算することができる。
【0039】
【式3】
Figure 2004508694
【0040】
ここで、macidとmashesは酸と灰をkgで表した量であり、ΔhreactionはJ・kg−1で表した溶解反応のエンタルピーであり、CpH2SO4、Cpacid、Cpwater、CpashesはJ・kg−1・K−1で表される濃硫酸、硫酸、水、灰各々の比熱であり、Tacid、Tashes、Tmaxは、酸、灰のケルビンで表した温度と、プロセスで許容される最高温度である。例えば、中和および安全酸比の値をいくつかの硫酸濃度に対し、表2の化学組成に基づいて、表3に示す。
【0041】
【表3】
Figure 2004508694
【0042】
従って、安全と経済的な点より、30wt%の硫酸 HSOが約10という操作酸比とともに選択され、我々の場合には7.11kgの酸(約6dm)にあたる。発熱反応の溶解が完了した後、操作温度はジャケットを加熱することにより2時間の間80℃に保たれた。撹拌はPTFE被覆の回転翼(IKA)によって行われた。固体(つまり、Al、LiO及びV)の完全な溶解、及び副反応(つまりガス発生と熱生成)の完了の後、浴の酸性は98wt%の濃硫酸を加えることによりpH1以下に調整された。その後、すべてのバナジウム(IV)及び(III)カチオンを酸化して五価のバナジウム(V)種に酸化するため、約50gの塩素酸リチウム(LiClO)または濃過酸化水素水H30容積%が慎重に加熱溶液(80℃)に加えられた。実際には、濃青色の溶液が、すべてのバナジウムを硫酸バナジル(V)((VOSO(V))として含有する黄色の溶液に完全に変換するまで、酸化性化学種の添加が続けられる。液は、バナジウム(V)のモル濃度が200mol・m−3をこえるまで蒸発によって濃縮され、濃度はUV−可視分光法により決められた。いったん溶解と酸化が完了すると、溶液はPTFEダイアフラムポンプ(ジョージ フィッシャー;George Fisher)のような容積移送式ポンプにより底からタンクへ注入され、周囲温度への冷却が許される。そして、僅かの残存する不溶性固体は液体サイクロン又は遠心分離、そして最終的にはフィルタープレスを用いた濾過により除去された。その後、水酸化リチウム水溶液又は28wt%NHOHのアンモニア水が、五酸化バナジウムの水和した赤茶色の沈殿(V・250HO)の凝集が起きるpH=2に達するまで加えられた。ゲル状の沈殿物は静置と濾過により分離され、慎重に洗浄、脱水、200℃での乾燥がなされた。Vを回収するため、焼成物はインコネルTM−617のるつぼで2時間、700℃で加熱された。純Vの冷却された黒い溶融物は破砕され、ペブルミルでイットリア安定化ジルコニアの10mmのボールを用いて粉砕され、200タイラーメッシュの篩を通る赤い微粉が生じた。最終的な量は、純度98.5重量%のV293gであった。大きすぎる粒子はペブルミルにリサイクルされた。前の炉液は洗浄溶液と混合され、98重量%の濃硫酸HSOを加えることによりpH約2まで調整された。微量の重金属(つまり、Cu2+、Pb2+、Sn2+)は、定陽極電流密度200A・m−2の電解条件下、酸性媒体(つまり、DSATM−O)中での酸素発生に安定である、切れ目を入れて拡げられた、サイズが安定な陰極(例えば、Ta/IrO(30g/m IrO)(マグネトケミー B.V.;Magnetochemie B.V.))を用いた、ジルコニウムの陽極上になされる通常の陽極電析により除去された。電気分解された溶液は洗浄溶液と混合され、ケトル(kettle)内で蒸発により濃縮された。そして、母液を20℃に冷却した後、水酸化リチウム水溶液又はNHOH 28wt%のアンモニア水が、ゲル状の水酸化アルミニウム(Al(OH))の凝集が起きるpH=5に達するまで加えられた。沈殿物は静置と濾過により分離された。洗浄、脱水、乾燥された沈殿物は、マッフル炉(カルボライト;Carbolite)で焼成された。得られた205gは98重量%の純度を示した。精製された硫酸リチウムの液は、洗浄溶液と混合され、フレーム(炎光)分析により測定されるLiSO650kg/mの濃度まで蒸発により濃縮され、水酸化リチウム(Li(OH))を加えてpH約8に調整し、100℃まで加熱した。そして、二酸化炭素の通気(バブリング)又は炭酸アンモニウム((NHCO)の添加により、炭酸リチウムLiCOが沈殿し、濾過により分離された。沈殿物は洗浄され、乾燥された。得られた520gのLiCOは98重量%の純度を示した。硫酸アンモニウムを含有する残存液は、廃棄された。
【0043】
実施例2(ECの直接溶解)
最初のステップは、表1に示した化学組成の使用済電気化学セル(EC)の1kgをより脆くし粉砕を容易にすることにあった。電気化学セルは様々な充電状態を示した。使用済ECを直接85Kに保たれた液体アルゴンに浸すことにより、硬化が起きた。rAEで表される無次元の比率は、ECの単位量に対して必要な液体アルゴンの量であり、以下の式により計算された:
【0044】
【式4】
Figure 2004508694
【0045】
ここで、mArとmECは液体アルゴンと使用済EC各々のkgで表した質量であり、CpArとCpECは液体アルゴンと使用済EC各々のJ・kg−1・K−1で表した比熱であり、TAr、TEC、Tは、各々、液体アルゴン、使用済ECをケルビンで表した温度、及び浸積後の許容される最終温度である。85℃の液体アルゴンを用い、以下の実験パラメータ;(i)冷凍倉庫に保存された使用済ECの平均温度T約260K、(ii)液体アルゴンの比熱CpAr1058J・kg−1・K−1(R.H. ペリー、D.W.グリーン、−ペリーの化学工学ハンドブック第7版、マグローヒル、ニューヨーク(1997)2−217頁;−Perry‘s Chemical Engineers’ Handbook 7th ed. −McGraw−Hill, New York(1997) page 2−217)、使用済ECの比熱CpAr1619J・kg−1・K−1;(iii)アルゴンの沸点(87.65K)より僅かに下である87Kに保たれる固液混合物の最終的に許容される温度;に基づき、実際の選択される比は約134である。つまり、EC1kgに対し、液体アルゴン134kg(約95dm)が使用された。それに加え、使用済ECの密度(1369kg・m−3)が85Kの液体アルゴンの密度(1407kg・m−3)より低いことから、液体−気体界面での危険な浮揚を避けるため、軽い使用済ECは、金属網のバスケット、もしくは切れ目を入れて拡げた又は穴をあけた金属箱のどちらかにいれて液体アルゴン中に加えられた。低温での延性から脆性への転移の問題から、アルミニウム合金6061−T6及びAISI316Lグレードのオーステナイト鋼といった面心立方(fcc)の金属及び合金が好ましく、部材や容器の設計に選択された。デュワーフラスコ中の滞在時間は約30分であった。そして、より脆性でより硬化された物質はタングステンカーバイドで作られたナイフブレードを有する(プルヴェリセッテ 25、フリッシェGmbH;Pulverisette 25, Fritsch GmbH)へ導かれた。粉砕操作の間、85Kの液体アルゴンの連続的な流は裁断チャンバー内部を重力で循環し、電池材料の十分な硬度を維持し、薄片に裂けたシートの周囲の不活性媒体を蒸発により供給した。薄片を形成する裁断された電池材料の最終的な比表面積は、初期の値が0.3m・kg−1であったのと比較して1.5m・kg−1であると測定され、反応速度論的な利益が期待された。作成された切削片は約1ミリメータより小さかった。大きすぎる切削片は、液体アルゴン流通下操作される口径12タイラーメッシュのステンレス鋼316Lの湿式振動篩によって除去され、切削ミル操作に向けられた。粉砕中の質量収率は約98wt%であった。残っている冷却スラリー(つまり、篩下の薄片状の切削片と液体アルゴン)は直接穴のあいた柄杓で回収され、溶解反応器に注がれた。
【0046】
溶解反応器は、容積37.85dmで、小さなジャケット付きでガラスにより内表面を覆ったスチール製容器(タイコンTM(TyconTM)のLBOシリーズ)と大きな底部の排出部から成った。溶解反応は、周囲温度で希硫酸を加えることによって開始され、その後、80℃に加熱された。発生した水素の激しい爆発をもたらす可能性のある、浴表面でのリチウム金属の危険な浮揚を防ぐため、ハステロイTMC−276で作られた、浸積された細かいエクスパンドメタルの篩(切れ目を入れて拡げた金属の篩;expanded metallic screen)を用いることにより、使用済ECは、反応器の底部に保持された。操作酸比と呼ばれる無次元の量は、Rと表記されるが、つまり、熱暴走の問題なしに用いることができ、しかしすべての電池活物質を中和するのに充分な、灰と固体残留物の両者の量に対する酸の量であり、下記のように、中和酸比と安全酸比の両者より大きな値をとるように決められる。
【0047】
=max(R、R
中和酸比(ニュートラライゼーション アシッド レシオ;neutralization acid ratio)とよばれる無次元の量は、Rと表されるが、つまり、使用済ECの量に対する、すべての電池活物質を量論的に中和するために必要とされる酸の量であり、以下の理論式を用いて計算した。
【0048】
【式5】
Figure 2004508694
【0049】
ここで、χLi、χV2O5、χAlは、灰と固体残留物中にあるリチウム金属、五酸化バナジウム、アルミニウム金属の無次元の質量分率である;MMH2SO4、MMLi、MMV2O5、MMAlはkg・mol−1で表される硫酸、リチウム金属、五酸化バナジウム、アルミニウム金属の原子量及び分子量であり、χacidは重量分率であらわれる硫酸濃度である。この中和酸比は、以下の3つの化学反応スキームに基づいている:
2Li+HSO=LiSO+H
Δh=Liに対し−44835kJ・kg−1
+HSO=(VOSO+H
Δh=Vに対し−1715kJ・kg−1
Al+3HSO=Al(SO+3H
Δh=Alに対し−18402kJ・kg−1
しかし、特に熱暴走を防ぐという安全面での理由から、別の無次元物理量が導入され、計算されなければならず、それは安全酸比(セイフティー アシッド レシオ;safety acid ratio)であり、Rで表される。これは、硫酸バナジル、硫酸アルミニウム、硫酸リチウムが形成される発熱反応により生成する熱全てを、最大許容温度に達することなく吸収可能である酸の量の、灰及び固体残留物量に対する比である。安全酸比は以下の式を用いて計算することができる。
【0050】
【式6】
Figure 2004508694
【0051】
ここで、macidとmECはそれぞれ酸と使用済ECをkgで表した量であり、ΔhreactionはJ・kg−1で表した溶解反応のエンタルピーであり、CpH2SO4、Cpacid、Cpwater、CpECはそれぞれJ・kg−1・K−1で表される濃硫酸、硫酸、水、使用済EC各々の比熱であり、Tacid、TECs、Tmaxは、酸、使用済ECのケルビンで表した温度と、プロセスで許容される最高温度である。例えば、中和および安全酸比の値をいくつかの硫酸濃度に対し、灰の化学組成に基づき、表4に示す。
【0052】
【表4】
Figure 2004508694
【0053】
従って、安全と経済的な点より、そして反応容器のサイズから、30wt%の硫酸 HSOが約32という操作酸比とともに選択され、つまり32kgの酸(26dm)である。発熱反応の溶解が完了した後、操作温度はジャケットを加熱することにより4時間の間80℃に保たれた。水素発生に関連する爆発危険から、混合は、酸をダイアフラムポンプとハステロイTM−C−276で作られた平板熱交換器(アルファ ラバル;Alfa Laval)により循環及び加熱することにより、モーター駆動の回転翼を用いて行われた。固体(つまり、Al、LiO及びV)の完全な溶解、及び副反応(つまりガス発生と熱生成)の完了の後、浴の酸性は98wt%の濃硫酸を加えることによりpH1以下に調整された。その後、すべてのバナジウム(IV)及び(III)カチオンを酸化して五価のバナジウム(V)種に酸化するため、約50gの塩素酸リチウム(LiClO)または濃過酸化水素水H30容積%が慎重に加熱溶液(80℃)に加えられた。実際には、濃青色の溶液が、すべてのバナジウムを硫酸バナジル(V)((VOSO(V))として含有する黄色の溶液に完全に変換するまで、酸化性化学種の添加が続けられる。そして液は、バナジウム(V)のモル濃度が200mol・m−3をこえるまで蒸発によって濃縮され、濃度はUV−可視分光法により決められる。いったん溶解と酸化が完了すると、溶液はPTFEダイアフラムポンプ(ジョージ フィッシャー;George Fisher)のような容積移送式ポンプにより底からタンクへ注入され、周囲温度への冷却された。そして、僅かの残存する不溶性固体は液体サイクロン又は遠心分離、そして最終的にはフィルタープレスを用いた濾過により除去された。その後、水酸化リチウム水溶液又は28wt%NHOHのアンモニア水が、五酸化バナジウムの水和した赤茶色の沈殿(V・250HO)の凝集が起きるpH=2に達するまで加えられた。ゲル状の沈殿物は静置と濾過により分離され、慎重に洗浄、脱水、200℃での乾燥がなされた。Vを回収するため、焼成物はインコネルTM−617のるつぼで2時間、700℃で加熱された。純Vの冷却された黒い溶融物は破砕され、ペブルミルでイットリア安定化ジルコニアの10mmのボールを用いて粉砕され、200タイラーメッシュの篩を通る赤い微粉が生じた。最終的な量は、純度98.5重量%のV290gであった。大きすぎる粒子はペブルミルにリサイクルされた。前の炉液は洗浄溶液と混合され、98重量%の濃硫酸HSOを加えることによりpH約2まで調整された。微量の重金属(つまり、Cu2+、Pb2+、Sn2+)は、定陽極電流密度200A・m−2の電解条件下で、酸性媒体(つまり、DSATM−O)中での酸素発生に安定な、切れ目を入れて拡げられた、サイズが安定な陰極(例えば、Ta/IrO(30g/m IrO)(マグネトケミー B.V.;Magnetochemie B.V.))を用い、ジルコニウムの陽極上になされる通常の陽極電析により除去された。電気分解された溶液は洗浄溶液と混合され、ケトル(kettle)内で蒸発により濃縮された。そして、母液を20℃に冷却した後、水酸化リチウム水溶液又はNHOH 28wt%のアンモニア水が、ゲル状の水酸化アルミニウム(Al(OH))の凝集が起きるpH=5に達するまで加えられた。沈殿物は静置と濾過により分離された。洗浄、脱水、乾燥された沈殿物は、マッフル炉(カルボライト;Carbolite)で焼成された。得られた204gは98重量%の純度を示した。精製された硫酸リチウムの液は、洗浄溶液と混合され、フレーム(炎光)分析により測定されるLiSO650kg/mの濃度まで蒸発により濃縮され、水酸化リチウム(Li(OH))を加えてpH約8に調整し、100℃まで加熱した。そして、二酸化炭素の通気(バブリング)又は炭酸アンモニウム((NHCO)の添加により、炭酸リチウムLiCOが沈殿し、濾過により分離された。沈殿物は洗浄され、乾燥された。得られた518gのLiCOは97.5重量%の純度を示した。硫酸アンモニウムを含有する残存液は、廃棄された。
【0054】
実施例3(ECの溶融塩酸化と塩の溶解)
最初のステップは、表1に示した化学組成を有する使用済電気化学セル(ECs)1kgをより脆くし、粉砕を容易にすることにあった。電気化学セルは様々な充電状態を示した。使用済ECを直接85Kに保たれた液体アルゴンに浸すことにより、硬化が起きた。rAEで表される無次元の比率は、ECの単位量に対して必要な液体アルゴンの量であり、以下の式により計算された:
【0055】
【式7】
Figure 2004508694
【0056】
ここで、mArとmECはそれぞれ液体アルゴンと使用済ECのkgで表した質量であり、CpArとCpECはそれぞれ液体アルゴンと使用済ECのJ・kg−1・K−1で表した比熱であり、TAr、TEC、Tは、それぞれ、液体アルゴン、使用済ECをケルビンで表した温度、及び浸積後の許容される最終温度である。85℃の液体アルゴンを用い、以下の実験パラメータ;(i)冷凍倉庫に保存された使用済ECの平均温度T約260K、(ii)液体アルゴンの比熱CPAr1058J・kg−1・K−1(R.H. ペリー、D.W.グリーン、−ペリーの化学工学ハンドブック第7版、マグローヒル、ニューヨーク(1997)2−217頁;−Perry‘s Chemical Engineers’ Handbook 7th ed.− McGraw−Hill, New York(1997) page 2−217)、使用済ECの比熱CPAr1619J・kg−1・K−1;(iii)アルゴンの沸点(87.65K)より僅かに下である87Kに保たれる固液混合物の最終的に許容される温度;に基づき、実際の選択される比は約134である。つまり、EC1kgに対し、液体アルゴン134kg(約95dm)が使用された。それに加え、使用済ECの密度(1369kg・m−3)が85Kの液体アルゴンの密度(1407kg・m−3)より低いことから、液体−気体界面での危険な浮揚を避けるため、軽い使用済ECは、金属網のバスケット、もしくは切れ目を入れて拡げた又は穴をあけた金属箱のどちらかにいれて液体アルゴン中に加えられた。低温での延性から脆性への転移の問題から、アルミニウム合金6061−T6及びAISI316Lグレードのオーステナイト鋼といった面心立方(fcc)の金属及び合金が好ましく、部材や容器の設計に選択された。デュワーフラスコ中の滞在時間は約30分であった。そして、より脆性でより硬化された物質はタングステンカーバイドで作られたナイフブレードを有するシュレッダー(プルヴェリセッテ 25、フリッシェGmbH;Pulverisette 25, Fritsch GmbH)へ導かれた。粉砕操作の間、85Kの液体アルゴンの連続的な流通は、裁断チャンバー内部を重力で循環し、電池材料の十分な硬度を維持し、薄片に裂けたシートの周囲の不活性媒体を蒸発により供給した。薄片を形成する裁断された電池材料の最終的な比表面積は、初期の値が0.3m・kg−1であったのと比較して、1.5m・kg−1であると測定され、反応速度論的な利益が期待された。作成された切削片は約1ミリメータより小さかった。大きすぎる切削片は、液体アルゴン流通下操作される口径12タイラーメッシュのステンレス鋼316Lの湿式振動篩によって除去され、切削ミル操作に向けられた。粉砕中の質量収率は約98wt%であった。残っている冷却スラリー(つまり、篩下の薄片状の切削片と液体アルゴン)は直接穴のあいた柄杓で回収され、前溶融された塩の乾燥ペレットをすでに含んでいる、インコネルTM617で作られた高い反応容器に注がれた。反応器は、外形が304.8mmで壁と底の厚みが25.4mmであり、0.9144メートルの高さの槽である。通常の塩の量は、共融組成を有する硫酸カリウム(KSO)と硫酸リチウム(LiSO)の2種類の混合物10kgである。完全に充填した後、反応器とそのカバーフランジは、アニールされ金メッキされた純銅のOリングを用いてきつく一緒に締め付けられ、1.5barの絶対圧力(absolute pressure)で空気圧縮機(エアコンプレッサー)に接続された。そして、液体と気体アルゴンは置換により徐々に除去され、その一方、反応槽内部に冷却した裁断使用済ECを前溶融された塩ペレットとともに分離した。溶融塩酸化(MSO)は、るつぼをカンサルTM(KanthalTM)A1加熱電熱線を用いたフィブローサルTM(FibrothalTM)モジュールを備えた電気炉に入れて加熱することにより開始された。すべての炭素含有物質(例えば、カーボンブラック、コポリマー)を完全に燃焼するのを容易にするため、圧縮乾燥空気の20(STP)dm/minの流通は、反応が完了するまで維持された。2つのBタイプの熱電対が、反応器の内表面、外表面の両方の温度を記録した。130℃に達した後、通常、発熱で早い反応が数秒間おき、ピーク温度は約1500Kに達した。その後、6時間、外部加熱は約1000Kの温度で一定になるよう保たれた。燃焼の間、反応容器を出た生成オフガスは、グレードAISI 316L(エクサジー インク;Exergy Inc.)のステンレス鋼で作られた、小型のシェル(shell)式および管式熱交換器により回収、冷却され、浮遊微粒子(つまり、LiO、Al、V)をいずれも完全に除去するために、高効率微粒子フィルターを通過させた。そして、粉塵のないガスは、すべての危険気体排出物(つまり、CO、HF、SO)を吸収するために、使用済消石灰(Ca(OH))溶液を含む湿式洗浄装置に導かれた。これらのガスは反応して、炭酸カルシウム(CaCO)、フッ化カルシウム(CaF)、硫酸カルシウム(CaSO)からなる無害な沈殿のスラッジを生成した。固体化合物は、静置と乾燥により除去された。最後に、発生ガスは小さい触媒交換機を通過した。焼却ステップが完了したのち、固化した塩は溶かされ反応器から排出され、そして小さなジャックハンマーで小さい破片に破砕された。固体は、回収された粉塵、微粒子とともに、撹拌溶解反応器に加えられた。
【0057】
溶解反応槽は、容積37.85dmで大きな排出部を有する、小さなジャケット付きでガラスにより内表面を覆ったスチール製容器(タイコンTM(TyconTM)のLBOシリーズ)から成った。溶解反応は、周囲温度で希硫酸を加えることによって開始され、その後、80℃に加熱された。
【0058】
安全と経済的な点より、10wt%の硫酸 HSOが約2という操作酸比とともに選択され、つまり、20kgの酸に相当した。発熱反応の溶解が完了した後、操作温度はジャケットを加熱することにより1時間の間80℃に保たれた。撹拌はPTFE被覆の回転翼(IKA)によって行われた。固体の完全な溶解、及び副反応の完了の後、浴の酸性は98wt%の濃硫酸を加えることによりpH1以下に調整された。その後、すべてのバナジウム(IV)及び(III)カチオンを酸化して五価のバナジウム(V)種に酸化するため、約50gの塩素酸リチウム(LiClO)または濃過酸化水素水H30容積%が慎重に加熱溶液(80℃)に加えられた。実際には、濃青色の溶液が、すべてのバナジウムを硫酸バナジル(V)((VOSO(V))として含有する黄色の溶液に完全に変換するまで、酸化性化学種の添加が続けられる。そして液は、バナジウム(V)のモル濃度が200mol・m−3をこえるまで蒸発によって濃縮され、濃度はUV−可視分光法により決められた。いったん溶解と酸化が完了すると、溶液はPTFEダイアフラムポンプ(ジョージ フィッシャー;George Fisher)のような容積移送式ポンプにより底からタンクへ注入され、周囲温度へ放冷された。そして、僅かの残存する不溶性固体は液体サイクロン又は遠心分離、そして最終的にはフィルタープレスを用いた濾過により除去された。その後、水酸化リチウム水溶液又は28wt%NHOHのアンモニア水が、五酸化バナジウムの水和した赤茶色の沈殿(V・250HO)の凝集が起きるpH=2に達するまで加えられた。ゲル状の沈殿物は静置と濾過により分離され、慎重に洗浄、脱水、200℃での乾燥がなされた。Vを回収するため、焼成物はインコネルTM−617のるつぼで2時間、700℃で加熱された。純Vの冷却された黒い溶融物は破砕され、ペブルミルでイットリア安定化ジルコニアの10mmのボールを用いて粉砕され、200タイラーメッシュの篩を通る赤い微粉が生じた。最終的な量は、純度98.5重量%のV293gであった。大きすぎる粒子はペブルミルにリサイクルされた。前の炉液は洗浄溶液と混合され、98重量%の濃硫酸HSOを加えることによりpH約2まで調整された。微量の重金属(つまり、Cu2+、Pb2+、Sn2+)は、定陽極電流密度200A・m−2の電解条件下、酸性媒体(つまり、DSATM−O)中での酸素発生に安定な、切れ目を入れて拡げられた、サイズが安定な陰極(例えば、Ta/IrO(30g/m IrO)(マグネトケミー B.V.;Magnetochemie B.V.))を用いた、ジルコニウムの陽極上へなされる通常の陽極電析により除去された。電気分解された溶液は洗浄溶液と混合され、ケトル(kettle)内で蒸発により濃縮された。そして母液を20℃に冷却した後、水酸化リチウム水溶液又はNHOH 28wt%のアンモニア水が、ゲル状の水酸化アルミニウム(Al(OH))の凝集が起きるpH=5に達するまで加えられた。沈殿物は静置と濾過により分離された。洗浄、脱水、乾燥された沈殿物は、マッフル炉(カルボライト;Carbolite)で焼成された。得られた205gは98重量%の純度を示した。精製された硫酸リチウムの液は、洗浄溶液と混合され、フレーム(炎光)分析により測定されるLiSO650kg/mの濃度まで蒸発により濃縮され、水酸化リチウム(Li(OH))を加えてpH約8に調整し、100℃まで加熱した。そして、二酸化炭素の通気(バブリング)又は炭酸アンモニウム((NHCO)の添加により、炭酸リチウムLiCOが沈殿し、濾過により分離された。沈殿物は洗浄され、乾燥された。得られた520gのLiCOは98重量%の純度を示した。硫酸アンモニウムを含有する残存液は、廃棄された。
【0059】
本発明は上記実施態様に限定されるものでは決してなく、添付する請求項により規定される本発明の範囲から離れることなく多くの変更がなされてもよいということが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1A、1B及び1C)
図1A、1B、1Cは、本発明によるプロセスの様々なステップを示すフローシートである。

Claims (26)

  1. 使用済リチウム金属ゲル及び固体ポリマーゲル電解質二次電池と、及び/又はそれからのスクラップと、及び/又は該電池の製造に使用された製品とを含む材料からの、リチウム及びバナジウム化合物の回収とリサイクルの方法であって、該方法は、該材料の供給と、室温以下の温度での冷却による該材料の硬化と、冷却され硬化された該材料の粉砕と、酸性母液をもたらす該粉砕された材料の酸による処理と、該母液からのバナジウム化合物の抽出と、そこからの重金属及びアルミニウムの分離と、残存溶液からの炭酸リチウムの沈殿とを含む方法。
  2. 極低温液化ガスの流通下における該硬化材料の粉砕を含む請求項1の方法。
  3. 該材料が0Kから298Kの間の温度に冷却されることにより硬化される請求項2の方法。
  4. 該材料が77Kから273Kの間に冷却される請求項3の方法。
  5. 該材料が85Kに冷却される請求項4の方法。
  6. 該粉砕された硬化冷却材料のバッチ焼却と、該母液をもたらす該粉砕された硬化冷却材料の処理を含む請求項1または2の方法。
  7. 該母液をもたらす該粉砕された硬化冷却材料の処理の前に、該材料の冷却と、それにより生じたガスの洗浄とを含む請求項4の方法。
  8. 該母液が、該粉砕された硬化冷却材料のバッチ焼却により得られた灰と固体残留物の酸への溶解により得られる請求項6の方法。
  9. 該酸が無機又は有機酸から成る群から選択される請求項8の方法。
  10. 該酸が、HF,HCl,HBr、HI,HNO,HPO,HSO,HClO,HCOOH,CFSOHおよびこれらの混合物から成る群から選択される請求項9の方法。
  11. 該酸が硫酸(HSO)である請求項10の方法。
  12. 該粉砕された材料が極低温粉砕によって得られる請求項1の方法。
  13. 粉砕された硬化冷却材料の酸への溶解と、該母液をもたらす不活性ガス及び水素混合物の分離とにより、該母液が得られる請求項1の方法。
  14. 該酸が、無機又は有機酸から成る群から選択される請求項13の方法。
  15. 該酸が、HF,HCl,HBr、HI,HNO,HPO,HSO,HClO,HCOOH,CFSOHおよびこれらの混合物から成る群から選択される請求項14の方法。
  16. 該酸が硫酸(HSO)である請求項15の方法。
  17. 該母液をもたらす該粉砕された硬化冷却材料の処理の前に、該材料の溶融塩浴でのバッチ酸化を引き起こすのに有効な条件及び温度における該材料の加熱と、該酸化中に生成するガスの除去とを含む、請求項1の方法。
  18. 溶融アルカリ及びアルカリ土類無機塩の混合物を含む溶融塩浴中で、該粉砕された硬化冷却材料を酸化及び/または燃焼することにより該酸化が行われ、該粉砕された硬化冷却材料が該材料の破壊を引き起こすのに有効な温度にある、請求項17の方法。
  19. 該無機塩が、M(ここで、M=Li,Na,K,Rb,Cs,Be,Mg,Ca,Sr,Baであり,X=F,Cl,Br,I,SO ,NO ,CO 2−,BO 2−,PO 3−)から成る群から選択される、請求項18の方法
  20. 該温度が500Kから2000Kの間である請求項17の方法。
  21. 該温度が700Kから1500Kの間である請求項18の方法。
  22. 該温度が1000Kである請求項20の方法。
  23. 該酸化の間に生成される該ガスが除去された、粉砕された硬化冷却材料の酸への溶解を含み、該母液が不溶性固体を含有している、請求項17の方法。
  24. 該酸がHF,HCl,HBr、HI,HNO,HPO,HSO,HClO,HCOOH,CFSOHおよびこれらの混合物から成る群から選択される請求項23の方法。
  25. 該酸が硫酸(HSO)である請求項24の方法。
  26. 該母液が、すべてのバナジウム(III)及び(IV)カチオンを五価のバナジウム(V)へ実質的に完全に酸化するため処理される請求項8の方法。
JP2002527592A 2000-09-13 2001-09-13 使用済リチウム金属ポリマー二次電池及び関連材料のリサイクル方法 Pending JP2004508694A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CA 2319285 CA2319285A1 (en) 2000-09-13 2000-09-13 A method for neutralizing and recycling spent lithium metal polymer rechargeable batteries
PCT/CA2001/001300 WO2002023651A1 (en) 2000-09-13 2001-09-13 A method for recycling spent lithium metal polymer rechargeable batteries and related materials

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004508694A true JP2004508694A (ja) 2004-03-18
JP2004508694A5 JP2004508694A5 (ja) 2005-01-06

Family

ID=4167122

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002527592A Pending JP2004508694A (ja) 2000-09-13 2001-09-13 使用済リチウム金属ポリマー二次電池及び関連材料のリサイクル方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US7192564B2 (ja)
EP (1) EP1269554B1 (ja)
JP (1) JP2004508694A (ja)
AU (1) AU2001291555A1 (ja)
CA (1) CA2319285A1 (ja)
WO (1) WO2002023651A1 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006057142A (ja) * 2004-08-20 2006-03-02 Sumitomo Metal Mining Co Ltd リチウムの回収方法
JP2012036024A (ja) * 2010-08-04 2012-02-23 Nippon Catalyst Cycle Kk 五酸化バナジウムの製造方法
JP2015203131A (ja) * 2014-04-11 2015-11-16 Jx日鉱日石金属株式会社 リチウムイオン電池廃棄物の処理方法
JP2017534151A (ja) * 2014-10-31 2017-11-16 ロックウッド リチウム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングRockwood Lithium GmbH リチウム−硫黄蓄電池からリチウムを回収する方法
JP2019069895A (ja) * 2014-02-24 2019-05-09 ネマスカ リチウム インコーポレーテッド リチウム含有材料を処理するための方法
KR20210129042A (ko) 2019-02-20 2021-10-27 가부시키가이샤 사사꾸라 리튬 회수 방법

Families Citing this family (78)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8067107B2 (en) 2002-01-09 2011-11-29 Eco-Bat Indiana, Llc System and method for processing an end-of-life or reduced performance energy storage and/or conversion device using a supercritical fluid
DE60336381D1 (de) 2002-01-09 2011-04-28 Eco Bat Indiana Llc Verfahren zum entfernen eines elektrolyts aus einer energiespeicherung und/oder einer umsetzungseinrichtung mit einem superkritischen fluid
FR2868603B1 (fr) 2004-04-06 2006-07-14 Recupyl Sa Sa Procede de recyclage en melange de piles et batteries a base d'anode en lithium
CZ302457B6 (cs) * 2005-09-16 2011-06-01 Eko-Vuk, Spol. S R. O. Zpusob separace uhlicitanu lithného z použitých baterií typu Li-MnO2
JP4892236B2 (ja) * 2005-12-27 2012-03-07 プライムアースEvエナジー株式会社 蓄電池用極板の活物質分離方法
CN100428561C (zh) * 2006-12-08 2008-10-22 北京工业大学 废旧二次锂离子电池的回收处理方法
JP4406845B2 (ja) * 2007-02-20 2010-02-03 トヨタ自動車株式会社 二次電池電極材の剥離剤及び該剥離剤を用いた二次電池の処理方法
US7635534B2 (en) * 2007-08-24 2009-12-22 Basf Catalysts Llc Simplified process for leaching precious metals from fuel cell membrane electrode assemblies
US8070850B2 (en) * 2008-01-11 2011-12-06 E H P Technology, LLC Process for liberating metals using direct production of leach grade acid solutions
US20100203366A1 (en) * 2008-02-22 2010-08-12 Sloop Steven E Recycling of battery electrode materials
CN102017277A (zh) * 2008-02-22 2011-04-13 S·E·斯鲁普 再循环电池材料中锂的再引入
JP4412412B2 (ja) * 2008-05-28 2010-02-10 トヨタ自動車株式会社 リチウム電池の処理方法
US7709135B2 (en) * 2008-06-06 2010-05-04 Basf Corporation Efficient process for previous metal recovery from cell membrane electrode assemblies
CN102160220B (zh) * 2008-07-28 2014-08-13 S·E·斯鲁普 循环利用具有碱性电解质的电池
US20100112191A1 (en) * 2008-10-30 2010-05-06 Micron Technology, Inc. Systems and associated methods for depositing materials
DE102009027179A1 (de) * 2009-06-25 2010-12-30 SB LiMotive Company Ltd., Suwon Verfahren zur sicheren Zerkleinerung von Lithium-Ionen-Batterien
EP2480697B1 (en) * 2009-09-25 2019-11-06 Umicore Smelting process for the valorization of metals from Li-ion batteries
BR112012012518B1 (pt) * 2009-11-25 2019-07-16 Lg Chem, Ltd. Catodo baseado em dois tipos de compostos e bateria secundária de lítio compreendendo o mesmo
CN101914695B (zh) * 2010-08-11 2012-05-30 云南佰盾环保技术有限公司 湿法从高硅高碳钒矿中回收钒的方法
KR101191154B1 (ko) * 2010-09-20 2012-10-15 한국과학기술연구원 리튬이차전지용 금속산화물계 양극활물질의 재처리 및 합성 방법
CN101974684B (zh) * 2010-11-26 2012-04-11 山东明瑞化工集团有限公司 锂云母浸取液除杂工艺
CN102417995A (zh) * 2011-11-14 2012-04-18 山东瑞福锂业有限公司 锂辉石精矿氟化学提锂工艺
CA2871092C (en) 2012-04-23 2017-05-09 Nemaska Lithium Inc. Processes for preparing lithium hydroxide
EP3363930B1 (en) 2012-05-30 2024-03-13 Nemaska Lithium Inc. Processes for preparing lithium carbonate
BE1021522B1 (fr) * 2012-09-12 2015-12-07 S.A. Lhoist Recherche Et Developpement Composition de lait de chaux de grande finesse
CA2944759A1 (en) 2013-03-15 2014-09-18 Nemaska Lithium Inc. Processes for preparing lithium hydroxide
DE102013011470B4 (de) 2013-07-10 2015-07-23 Technische Universität Bergakademie Freiberg Verfahren zur Sortierung von Batteriezellen mit Restladung in Wärmeemissions- oder Gefährdungsklassen entsprechend der Restladung
US9748616B2 (en) 2013-08-20 2017-08-29 University Of Calcutta Regeneration of cathode material of lithium-ion batteries
CN109250733B (zh) 2013-10-23 2021-07-16 内玛斯卡锂公司 制备碳酸锂的方法
US9533273B2 (en) 2014-06-20 2017-01-03 Johnson Controls Technology Company Systems and methods for isolating a particulate product when recycling lead from spent lead-acid batteries
US9670565B2 (en) 2014-06-20 2017-06-06 Johnson Controls Technology Company Systems and methods for the hydrometallurgical recovery of lead from spent lead-acid batteries and the preparation of lead oxide for use in new lead-acid batteries
US10103413B2 (en) * 2014-08-13 2018-10-16 Farasis Energy (Ganzhou) Co., Ltd. Method for removing copper and aluminum from an electrode material, and process for recycling electrode material from waste lithium-ion batteries
US11101507B2 (en) * 2014-10-31 2021-08-24 Albemarle Germany Gmbh Process for recovering lithium from lithium-sulfur accumulators
WO2016160703A1 (en) 2015-03-27 2016-10-06 Harrup Mason K All-inorganic solvents for electrolytes
DE102015206153A1 (de) 2015-04-07 2016-10-13 Robert Bosch Gmbh Verwertung von Lithium-Batterien
CN105087926B (zh) * 2015-08-11 2017-09-05 贵州大学 一种氢氟酸浸出富集铝质岩中锂元素的方法
US10062933B2 (en) 2015-12-14 2018-08-28 Johnson Controls Technology Company Hydrometallurgical electrowinning of lead from spent lead-acid batteries
CA2940509A1 (en) 2016-08-26 2018-02-26 Nemaska Lithium Inc. Processes for treating aqueous compositions comprising lithium sulfate and sulfuric acid
US20180080133A1 (en) * 2016-09-19 2018-03-22 Bes Technologies, LLC Recycling lithium from mixtures including radioactive metal ions and other contaminants
US10707531B1 (en) 2016-09-27 2020-07-07 New Dominion Enterprises Inc. All-inorganic solvents for electrolytes
HRP20220731T1 (hr) * 2017-05-30 2022-09-02 Li-Cycle Corp. Postupak, uređaj i sustav za povrat materijala iz baterija
EP3688834A4 (en) * 2017-09-28 2021-03-24 Recyclage Lithion Inc. RECYCLING PROCESS FOR LITHIUM-ION BATTERIES
CN107974565B (zh) * 2017-11-21 2022-03-29 东北大学 一种铝电解质中锂元素选择性硝酸浸出的方法
CA3155660A1 (en) 2017-11-22 2019-05-31 Nemaska Lithium Inc. Processes for preparing hydroxides and oxides of various metals and derivatives thereof
DE102018102026A1 (de) 2018-01-30 2019-08-01 Duesenfeld Gmbh Verfahren zum Verwerten von Lithium-Batterien
US11251430B2 (en) 2018-03-05 2022-02-15 The Research Foundation For The State University Of New York ϵ-VOPO4 cathode for lithium ion batteries
US20210242514A1 (en) * 2018-04-19 2021-08-05 Georgia Tech Research Corporation Systems and methods for recycling electrodes
CN108933307A (zh) * 2018-06-11 2018-12-04 中国矿业大学 一种低温综合回收利用废弃锂离子电池的方法
WO2020018377A1 (en) 2018-07-14 2020-01-23 Polyceed Inc. Recycling of smart windows
DE102018117237A1 (de) 2018-07-17 2020-01-23 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Hydrometallurgisches Recyclingverfahren von Lithium-Ionen-Traktionsbatterien
CN109612978B (zh) * 2018-10-30 2022-02-25 欣旺达电子股份有限公司 锂离子电池电极膜片补锂量检测方法
PL428517A1 (pl) * 2019-01-08 2020-07-13 Jan Hupka Sposób rozdrabniania ogniw galwanicznych o wysokich gęstościach energii
CN111439821B (zh) * 2019-01-17 2022-11-01 有研稀土新材料股份有限公司 一种含有机物水溶液中有机物的回收方法
CN110104665B (zh) * 2019-03-13 2021-10-01 新余赣锋锂业有限公司 一种利用氟化锂废液制备碳酸锂的方法
CN110144461A (zh) * 2019-05-08 2019-08-20 株洲冶炼集团股份有限公司 一种废旧锂电池正极片的综合回收方法
US11591670B2 (en) 2019-06-24 2023-02-28 William Marsh Rice University Recycling Li-ion batteries using green chemicals and processes
CN110265744A (zh) * 2019-07-05 2019-09-20 张进一 一种节能环保的家用废电池处理回收装置
MX2022000738A (es) * 2019-07-26 2022-03-25 Duesenfeld Gmbh Metodo para reciclar baterias de litio.
IT201900018185A1 (it) * 2019-10-08 2021-04-08 Laren Srl Dispositivo per l’inattivazione di batterie e metodo che utilizza tale dispositivo
CN110898515B (zh) * 2019-12-04 2021-06-25 青海东台吉乃尔锂资源股份有限公司 从碳酸锂浆料中去除磁性物的方法
CN110898516B (zh) * 2019-12-04 2021-05-14 青海东台吉乃尔锂资源股份有限公司 从碳酸锂浆料中去除磁性物的装置
CN111403840B (zh) * 2019-12-23 2023-04-25 余姚市鑫和电池材料有限公司 一种退役动力锂电池负极片的无损拆解法
EP3854893A1 (en) * 2020-01-23 2021-07-28 Universite de Rouen Normandie Process of extraction of lithium from a material comprising lithium and at least another metal
EP4103755A1 (en) * 2020-02-12 2022-12-21 Bromine Compounds Ltd. A process for recovering metals from recycled rechargeable batteries
US20230104457A1 (en) * 2020-03-13 2023-04-06 Dowa Eco-System Co., Ltd. Method for recovering lithium and method for processing lithium ion secondary battery
CN112086702B (zh) 2020-08-11 2021-12-17 广东邦普循环科技有限公司 一种动力电池自动化精深分选方法及其装置
CN112158894A (zh) * 2020-09-24 2021-01-01 广东邦普循环科技有限公司 一种废旧锂电池正极材料的回收方法
CN112251604B (zh) * 2020-10-10 2022-06-28 昆明理工大学 一种从废旧钴酸锂电池综合回收渣中回收有价金属的方法
CN112575203B (zh) * 2020-12-07 2022-11-04 金川集团股份有限公司 一种回收废旧动力锂电池中锂的方法
CN113061730A (zh) * 2021-03-23 2021-07-02 北京佰利格瑞资源科技有限公司 一种废旧三元锂电池回收过程中除铁的方法
CN113277489A (zh) * 2021-05-19 2021-08-20 广东邦普循环科技有限公司 利用磷铁废料制备高纯度磷酸铁的方法
CN113540605B (zh) * 2021-07-16 2022-07-12 南昌航空大学 一种退役旧锂电池热解尾气无害化处理方法
US11682801B1 (en) * 2022-06-08 2023-06-20 Aleon Renewable Metals, Llc. Processes for recycling spent catalysts, recycling rechargeable batteries, and integrated processes thereof
CN115216630B (zh) * 2022-07-19 2023-11-14 中南大学 废旧含锂铝电解质的资源化处理方法
FR3138739A1 (fr) 2022-08-08 2024-02-09 Kemiwatt Procédé de recyclage d’électrolyte aqueux à base de composés quinoniques de batterie rédox à flux
FR3138740A1 (fr) 2022-08-08 2024-02-09 Kemiwatt Procédé de recyclage de posolyte aqueux de batterie rédox à flux
CN115029564A (zh) * 2022-08-12 2022-09-09 矿冶科技集团有限公司 盐湖卤水提锂-含硫物料制酸的联产工艺和应用
CN115725858B (zh) * 2022-12-02 2023-12-15 湖北金泉新材料有限公司 一种从黏土型锂矿中提取锂的方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5352270A (en) * 1992-09-11 1994-10-04 Valence Technology, Inc. Method for recycling metal containing electrical components
US5888463A (en) * 1998-01-02 1999-03-30 Toxco Li reclamation process
JP4144820B2 (ja) * 1998-06-30 2008-09-03 株式会社東芝 リチウムイオン2次電池からの正極活物質の再生方法
US6686086B1 (en) * 2000-06-30 2004-02-03 Secor International Inc. Battery reclamation system
US8067107B2 (en) * 2002-01-09 2011-11-29 Eco-Bat Indiana, Llc System and method for processing an end-of-life or reduced performance energy storage and/or conversion device using a supercritical fluid

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006057142A (ja) * 2004-08-20 2006-03-02 Sumitomo Metal Mining Co Ltd リチウムの回収方法
JP4581553B2 (ja) * 2004-08-20 2010-11-17 住友金属鉱山株式会社 リチウムの回収方法
JP2012036024A (ja) * 2010-08-04 2012-02-23 Nippon Catalyst Cycle Kk 五酸化バナジウムの製造方法
JP2019069895A (ja) * 2014-02-24 2019-05-09 ネマスカ リチウム インコーポレーテッド リチウム含有材料を処理するための方法
JP2015203131A (ja) * 2014-04-11 2015-11-16 Jx日鉱日石金属株式会社 リチウムイオン電池廃棄物の処理方法
JP2017534151A (ja) * 2014-10-31 2017-11-16 ロックウッド リチウム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングRockwood Lithium GmbH リチウム−硫黄蓄電池からリチウムを回収する方法
KR20210129042A (ko) 2019-02-20 2021-10-27 가부시키가이샤 사사꾸라 리튬 회수 방법

Also Published As

Publication number Publication date
US20040028585A1 (en) 2004-02-12
EP1269554A1 (en) 2003-01-02
WO2002023651A1 (en) 2002-03-21
AU2001291555A1 (en) 2002-03-26
EP1269554B1 (en) 2012-05-30
CA2319285A1 (en) 2002-03-13
US7192564B2 (en) 2007-03-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004508694A (ja) 使用済リチウム金属ポリマー二次電池及び関連材料のリサイクル方法
Makuza et al. Pyrometallurgical options for recycling spent lithium-ion batteries: A comprehensive review
Yu et al. Pretreatment options for the recycling of spent lithium-ion batteries: A comprehensive review
CA3096116C (en) A process, apparatus, and system for recovering materials from batteries
US20220251681A1 (en) Process for the recovery of lithium and other metals from waste lithium ion batteries
US20220274841A1 (en) Process for the recovery of lithium from waste lithium ion batteries
JP2021512215A (ja) リチウム電池をリサイクルする方法
CN100527522C (zh) 锂-基阳极电池组和电池的混合回收方法
US20220352570A1 (en) Process for the recovery of lithium and other metals from waste lithium ion batteries
US20210324495A1 (en) Process for the recycling of spent lithium ion cells
KR102136961B1 (ko) 전이금속 수산화물 전구체를 제조하기 위한 질산염 공정
CN114174544A (zh) 一种用于回收锂电池的方法
Dobó et al. A review on recycling of spent lithium-ion batteries
US20220402773A1 (en) Process for the purification of lithium salts
He et al. Combined pyro-hydrometallurgical technology for recovering valuable metal elements from spent lithium-ion batteries: a review of recent developments
EP4230753A1 (en) Method for recovering lithium and method for producing lithium carbonate
CA2391865C (en) A method for recycling spent lithium metal polymer rechargeable batteries and related materials
Shin et al. A comprehensive review on the recovery of cathode active materials via direct recycling from spent Li-ion batteries
KR102603428B1 (ko) 폐 리튬배터리의 고순도 전해액 및 리튬 회수 방법
WO2024003541A1 (en) Battery recycling
CA3220638A1 (en) Process for recycling battery materials by way of reductive, pyrometallurgical treatment
KR20240026491A (ko) 습식 제련 처리 방법을 통한 배터리 물질 재활용 공정
Sohn et al. Technology Developments for Recycling of Lithium Battery Wastes

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20090318