JP2004361602A - データ生成方法およびデータ生成装置、データ復元方法およびデータ復元装置、並びにプログラム - Google Patents

データ生成方法およびデータ生成装置、データ復元方法およびデータ復元装置、並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】試聴データの安全強度を向上させることができるようにする。
【解決手段】オリジナルのコンテンツデータのうち、試聴帯域に含まれない正規化係数情報は、ダミーデータに置き換えられ、スペクトル係数情報は、符号化フレームから抜き出される。抜き出されたスペクトル係数が記録されていた位置には、それより高域側のスペクトル係数が詰めて記録されることで、利用者に配布される試聴用データが生成される。置き換えられた正規化係数情報とスペクトル係数情報の真の値は、追加データに記述される。試聴データからオリジナルデータを復元する際には、試聴データと、それとは別に取得された追加データが用いられて、オリジナルデータが復元される。本発明は、符号化装置、再生装置、記録装置に適用することができる。
【選択図】 図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ生成方法およびデータ生成装置、データ復元方法およびデータ復元装置、並びにプログラムに関し、特に、コンテンツの試聴データを利用者に配布する場合に用いて好適なデータ生成方法およびデータ生成装置、データ復元方法およびデータ復元装置、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットなどの通信ネットワーク技術の普及、情報圧縮技術の向上、更に、情報記録媒体の高集積化、あるいは高密度化が進んだことなどにより、オーディオ、静止画像、動画像、あるいは、オーディオと動画像からなる例えば映画など、様々なマルチメディアデータから構成されるデジタルコンテンツが、通信ネットワークを介して、視聴者に有料で配信されるという販売形態が実施されるようになった。
【0003】
例えば、CD(Compact Disk)やMD(Mini−Disk)(商標)などのパッケージメディア、すなわち、デジタルコンテンツが予め記録された記録媒体を販売する店舗などは、音楽データをはじめとする多数のデジタルコンテンツが蓄積された、いわゆるMMK(Multi Media KIOSK)などの情報端末を設置することにより、パッケージメディアを販売するのみならず、デジタルコンテンツを販売することが可能である。
【0004】
利用者は、MMKに、持参したMDなどの記録媒体を挿入し、メニュー画面を参照して、購入したいデジタルコンテンツのタイトルを選択して、要求されるコンテンツの代金を支払う。代金の支払方法は、現金の投入であっても、電子マネーのやり取りであっても、あるいは、クレジットカードやプリペイドカードを用いた電子決済であっても良い。MMKは、所定の処理により、利用者が挿入した記録媒体に、選択されたデジタルコンテンツデータを記録する。
【0005】
デジタルコンテンツの販売者は、上述したように、MMKを用いてデジタルコンテンツを利用者に販売する以外にも、例えば、インターネットを介して、デジタルコンテンツを利用者に配信することも可能である。
【0006】
このように、コンテンツが予め記録されたパッケージメディアを販売するのみならず、デジタルコンテンツそのものを販売する手法を取り入れることにより、更に効果的にコンテンツが流通されるようになった。
【0007】
ところで、このようなコンテンツの販売形態においては、著作権を保護しながら、デジタルコンテンツを流通させるために、例えば、特許文献1や特許文献2に記載されている技術を用いることにより、デジタルコンテンツの試聴可能な部分以外を暗号化して配信し、暗号化に対する復号鍵を購入した利用者にのみ、コンテンツ全ての試聴を許可することも行われている。
【0008】
このときの暗号化の方法としては、例えば、PCM(Pulse Code Modulation)のデジタル音声データのビット列に対する鍵信号となる乱数系列の初期値を与え、発生した0/1の乱数系列と、配信するPCMデータとの排他的論理和を、暗号化されたビット列とする方法が知られている。このように暗号化されたデジタルコンテンツが、例えば、MMKなどで記録媒体に記録されたり、ネットワークを介して配信されることで利用者に配布される。暗号化されたデジタルコンテンツデータを取得した利用者は、鍵を手に入れなければ、暗号化されていない試聴可能な部分しか試聴することができず、暗号化されている部分を復号せずに再生しても、雑音しか試聴することができない。
【0009】
また、音声データなどを圧縮して放送したり、ネットワークを介して配信したり、圧縮されたデータを、例えば光磁気ディスクなどの、様々な形態の記録媒体に記録する技術も向上している。
【0010】
音声データの高能率符号化には、様々な方法があるが、例えば、時間軸上のオーディオ信号をブロック化せず、複数の周波数帯域に分割して符号化する帯域分割符号化(SBC(Sub Band Coding))や、時間軸上の信号を周波数軸上の信号にスペクトル変換して、複数の周波数帯域に分割し、帯域毎に符号化するブロック化周波数帯域分割方式(いわゆる、変換符号化)などがある。また、帯域分割符号化で帯域分割を行った後、各帯域において、信号を周波数軸上の信号にスペクトル変換し、スペクトル変換された帯域毎に符号化を施す手法も考えられている。
【0011】
ここで利用されるフィルタには、例えば、QMF(Quadrature Mirror Filter)があり、このQMFについては、R.E.Crochiereによる非特許文献1に、その詳細が記載されている。また、Joseph H.Rothweilerによる非特許文献2には、等しいバンド幅のフィルタ分割手法について記載されている。
【0012】
また、上述したスペクトル変換としては、例えば、入力オーディオ信号を所定の単位時間(フレーム)でブロック化し、そのブロック毎に、離散フーリエ変換(DFT(Discrete Fourier Transform))、離散コサイン変換(DCT(Discrete Cosine Transform))、モデファイドDCT変換(MDCT(Modified Discrete Cosine Transform))などがある。これらのうちのMDCTについての詳細は、J.P.Princen,A.B.Bradley(Univ. of Surrey Royal Melbourne Inst. of Tech.)らによる非特許文献3に述べられている。
【0013】
また、波形信号をスペクトル変換する方法としてDFTやDCTが用いられた場合、M個のサンプルからなる時間ブロックで変換を行うと、M個の独立した実数データが得られる。時間ブロック間の接続ひずみを軽減するために、通常、両隣のブロックと、それぞれN/2個ずつ、すなわち、両側合わせてN個のサンプルをオーバーラップさせるので、DFTやDCTにおいては、平均して、(M+N)個のサンプルに対して、独立したM個の実数データを量子化して符号化することになる。
【0014】
これに対して、スペクトル変換する方法としてMDCTが用いられた場合には、M個のサンプルからなる時間ブロックで変換を行うと、両隣のブロックとそれぞれM/2個ずつ、すなわち、両側合わせてM個オーバーラップさせた2M個のサンプルから、M個の独立した実数データが得られるので、MDCTでは、平均して、M個のサンプルに対して、M個の実数データを、量子化して符号化することになる。
【0015】
復号装置においては、MDCTを用いて得られた符号から、各ブロックを逆変換して得られた波形要素を、お互いに干渉させながら加え合わせることにより、波形信号を再構成することができる。
【0016】
一般に、変換のための時間ブロックを長くすることによって、スペクトルの周波数分解能が高まり、特定のスペクトル成分にエネルギが集中する。従って、両隣のブロックと半分ずつオーバーラップさせることにより、長いブロック長で変換を行い、しかも、得られたスペクトル信号の個数が、基となった時間サンプルの個数に対して増加しないMDCTを用いて変換を施すことにより、変換にDFTやDCTを用いた場合より、効率よく符号化を行うことができる。また、隣接するブロック同士に十分長いオーバーラップを持たせることにより、波形信号のブロック間歪みを軽減することができる。
【0017】
上述したように、フィルタリングやスペクトル変換によって、帯域毎に分割された信号を量子化することにより、量子化雑音が発生する帯域を制御することができ、マスキング効果などの性質を利用して、聴覚的に、より高能率な符号化を行うことができる。また、量子化を行う前に、帯域毎に、例えば、その帯域における信号成分の絶対値の最大値で正規化を行うようにすることにより、更に、高能率な符号化を行うことができる。
【0018】
周波数帯域分割された各周波数成分を量子化する場合、例えば、人間の聴覚特性を考慮して、周波数分割幅が決定されるようにしても良い。すなわち、一般に臨界帯域(クリティカルバンド)と称される高域ほど帯域幅が広くなるように、オーディオ信号が複数の帯域(例えば、25バンド)に分割されるようにしても良い。
【0019】
また、クリティカルバンドが広くなるように帯域が分割されている場合に、帯域毎のデータが符号化されるとき、帯域毎に所定のビット配分が行われるようにしても良いし、帯域毎に適応的にビットが割り当てられる(ビットアロケーションが行われる)ようにしても良い。
【0020】
例えば、MDCTされて得られた係数データが、ビットアロケーションによって符号化される場合、ブロック毎のMDCTにより得られる帯域毎のMDCT係数データに対して、それぞれ、適応的にビット数が割り当てられて、符号化が行われる。ビット割り当ての手法としては、例えば、非特許文献4および5に記載されているような2つの手法が知られている。
【0021】
R.Zelinski,P.Nollらによる非特許文献4では、帯域毎の信号の大きさを基に、ビット割り当てが行われることについて記載されている。この方式によると、量子化雑音スペクトルが平坦となり、雑音エネルギは最小となるが、聴覚的に考慮した場合、マスキング効果が利用されていないため、人間の耳に実際聞こえる雑音を減少させる点では好ましくない。
【0022】
また、M.A.Kransner(Massachusetts Institute of Technology)による、非特許文献5には、聴覚マスキングを利用することで、各帯域毎に必要な信号対雑音比を得て、固定的なビット割り当てを行う手法が記載されている。しかしながら、この手法では、サイン波入力で特性を測定する場合にもビット割り当てが固定的であるために、その特性値は、それほど良い値とはならない。
【0023】
これらの問題を解決するために、ビット割り当てに使用できる全ビットが、小ブロック毎に予め定められた固定ビット割り当てパターン分と、各ブロックの信号の大きさに依存したビット割り当てを行う分とに分割使用され、その分割比が、入力信号に関係する信号に依存され、その信号のスペクトルが滑らかなほど、固定ビット割り当てパターン分への分割比率が大きくされるような高能率符号化が提案されている。
【0024】
この方法を用いることにより、サイン波入力のように、特定のスペクトルにエネルギが集中する場合には、そのスペクトルを含むブロックに多くのビット数を割り当てることができるので、全体的な信号対雑音特性を著しく改善することができる。一般的に、急峻なスペクトル成分を持つ信号に対する人間の聴覚は、極めて敏感であるため、このような方法を用いて信号対雑音特性を改善することは、測定上の特性値のみならず、人間が実際に聞く音の質を改善するのに有効である。
【0025】
ビット割り当ての方法には、上述した以外にも、多くの方法が提案されている。更に、聴覚に関するモデルが精緻化され、符号化装置の能力が向上したことにより、測定上の特性値のみならず、人間の聴覚に対してより高能率な符号化を行うことが可能となっている。これらの方法においては、計算によって求められた信号対雑音特性を、なるべく忠実に実現するような実数のビット割り当て基準値が求められ、それを近似する整数値が求められて、割り当てビット数に設定されるのが一般的である。
【0026】
また、本出願人により先に出願された特許文献3および4には、生成されたスペクトル信号から、聴覚上、特に重要なトーン性の成分、すなわち、特定の周波数周辺にエネルギが集中しているような成分を分離して、他のスペクトル成分とは別に符号化する方法について記載されている。この方法により、オーディオ信号などを、聴覚上の劣化を殆ど感じさせずに、高い圧縮率で効果的に符号化することが可能となっている。
【0027】
実際の符号列を生成する場合、まず、正規化および量子化が行われる帯域毎に、量子化精度情報および正規化係数情報が、所定のビット数で符号化され、次に、正規化、および量子化されたスペクトル信号が符号化される。また、ISO/IEC 11172−3;(1993(E),a933)では、帯域によって量子化精度情報を表すビット数が異なるように設定された高能率符号化方式が記述されており、帯域が高域になるにともなって、量子化精度情報を表すビット数が少なくなるように規格化されている。
【0028】
量子化精度情報を直接符号化する代わりに、復号装置において、例えば、正規化係数情報から量子化精度情報を決定する方法も知られているが、この方法では、規格を設定した時点で、正規化係数情報と、量子化精度情報との関係が決まってしまうので、将来的に、更に高度な聴覚モデルに基づいた量子化精度を用いる制御を導入することができなくなってしまう。また、実現する圧縮率に幅がある場合には、圧縮率毎に正規化係数情報と量子化精度情報との関係を定める必要が生じてしまう。
【0029】
量子化されたスペクトル信号を、より効率的に符号化する方法として、例えば、D.A.Huffmanによる非特許文献6に記載されているように、可変長符号を用いて効率的に符号化を行う方法も知られている。
【0030】
以上説明したような方法で符号化されたコンテンツデータを、PCM信号の場合と同様にして暗号化して配布することも可能であり、このコンテンツ保護方法が用いられた場合には、鍵信号を入手していないものは、元の信号を再生することが出来ない。また、符号化ビット列を暗号化するのではなく、PCM信号をランダム信号に変換した後、圧縮のために符号化を行う方法もあるが、このコンテンツ保護方法が用いられた場合には、鍵信号を入手していないものは、雑音しか再生することが出来ない。
【0031】
また、コンテンツデータの試聴データを配布することにより、コンテンツデータの販売を促進することができる。試聴データには、例えば、オリジナルデータよりも低音質で再生されるデータや、オリジナルデータのうちの一部(例えば、さびの部分のみ)などを再生することが出来るデータなどがある。利用者は、試聴データを試聴して、それを気に入った場合には、暗号を解く鍵を購入して、オリジナルのコンテンツデータを再生することができるようにしたり、オリジナルのコンテンツデータが記録された記録媒体を新たに購入する。
【0032】
しかしながら、上述したコンテンツ保護方法では、データ全体が再生できないか、もしくは、全てが雑音として再生されるので、この方法によりスクランブルされたデータを試聴データとして利用者に配布しても、利用者は、そのデータ(オリジナルのコンテンツデータ)の全体を把握することができない。また、例えば、比較的低音質で音声を録音した記録媒体を、試聴データとして配布することが出来ない。
【0033】
さらに、従来の方法では、高能率符号化を施した信号を暗号化する場合に、通常、広く用いられている再生装置にとって、意味のある符号列を与えながら、その圧縮効率を下げないようにすることは非常に困難であった。すなわち、高能率符号化を施すことによって生成された符号列にスクランブルをかけた場合、その符号列をデスクランブルしないまま再生しても、雑音が発生するばかりではなく、スクランブルによって生成された符号列が、元となる高能率符号の規格に適合していない場合には、再生処理が全く実行できない可能性がある。
【0034】
また、逆に、PCM信号にスクランブルをかけた後に高能率符号化が施された場合、例えば、聴覚の性質を利用して情報量を削ると、不可逆符号化となってしまう。従って、このような高能率符号を復号しても、PCM信号にスクランブルをかけた信号が正しく再現できない。すなわち、このような信号は、デスクランブルを正しく行うことが非常に困難なものとなってしまう。
【0035】
従って、試聴データの配布においては、たとえ、圧縮の効率が下がってしまっても、スクランブルが正しく解除できる方法が選択されてきた。
【0036】
このような課題に対して、本出願人は、先に出願した特許文献5において、例えば、音楽データをスペクトル信号に変換して符号化したもののうち、高帯域に対応する符号のみが暗号化されたデータを、試聴データとして配布することにより、鍵を保有していない利用者であっても、暗号化されていない狭帯域の信号を復号して再生することができるオーディオ符号化方式について開示した。この方式においては、高域側の符号が暗号化されるとともに、高域側のビット割り当て情報がダミーデータに置き換えられ、高域側の真のビット割り当て情報が、再生処理を行うデコーダが再生処理時に情報を読み取らない(無視する)位置に記録される。
【0037】
この方式を採用することにより、利用者は、試聴データの配布を受けて、試聴データを再生し、試聴の結果、気に入った試聴データをオリジナルデータに復号するための鍵を有償で購入して、所望の音楽などを全ての帯域で正しく再生して、高音質で楽しむことが可能となる。
【0038】
【特許文献1】
特開平2001−103047号公報
【特許文献2】
特開平2001−325460号公報
【特許文献3】
特願平5−152865号公報
【特許文献4】
国際公開94/28633号パンフレット
【特許文献5】
特開平10−135944号公報
【非特許文献1】
”Digital coding of speech in subbands”
(BellSyst.Tech.J.Vol.55, No.8 1974)
【非特許文献2】
”Polyphase Quadrature Fitters−A new subband coding technique”
(ICASSP 83, BOSTON)
【非特許文献3】
”Subband / Transform Cording Using Filter Bank Designs Based on Time Domain Aliasing Cancellation”
(ICASSP 1987)
【非特許文献4】
”Adaptive Transform Coding of Speech Signals”
(IEEE Transactions of Acoustics, Speech, and Signal Processing, Vol. ASSP−25, No. 4, August 1977)
【非特許文献5】
”The critical band coder digital encoding of the perceptual requirements of the auditory system”
(ICASSP 1980)
【非特許文献6】
”A Method for Construction of Minimum Redundancy Codes”
(Proc.I.R.E,40,p.1098,1952)
【0039】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、試聴データを配布し、オリジナルデータの購入を希望する利用者に、試聴データからオリジナルデータを生成するための鍵を販売するような配信サービスにおいては、試聴データからオリジナルデータを不正に推測されることを可能な限り困難にしておく必要があるものの、上述したようなコンテンツの保護方法によっては、それが十分に図られていないという課題があった。
【0040】
仮に、試聴データの内容が不正に解読され、鍵を購入することなく、試聴データからオリジナルデータを復元された場合、コンテンツの販売主は、コンテンツの代金を徴収することができないことから、それを防止する必要がある。
【0041】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、試聴データから高品質なオリジナルデータを推測することをより困難なものとし、試聴データの安全強度を向上させることができるようにするものである。
【0042】
【課題を解決するための手段】
本発明のデータ生成方法は、第1のデータ列に含まれる第1のデータを抜き出し、その抜き出した位置に、第1のデータ列に含まれる第2のデータを記述することで、第2のデータ列を生成する第1の生成ステップと、抜き出した第1のデータを含み、第1の生成ステップの処理により生成された第2のデータ列から第1のデータ列を復元するための第3のデータ列を生成する第2の生成ステップとを含むことを特徴とする。
【0043】
この構成では、オリジナルデータ列(第1のデータ列)から一部のデータ(第1のデータ。単数、複数可。)を抜き出すことにより、オリジナルデータ列からの再生を困難なものとすることができる。さらに、抜き出した部分に、オリジナルデータ列中の他のデータ(第2のデータ)を記述することにより、例えば、抜き出した部分の特定を難しくすることができる。ここで、他のデータの記述は、例えば、抜き出した部分に、その後に続くデータをムーブ/シフト/コピーさせたり、同一ユニット内の、別の部分のデータをムーブ/シフト/コピーさせたり、或いは、全く異なる部分のデータをムーブ/シフト/コピーさせたり、することにより、実現することができる。
【0044】
なお、この構成では、オリジナルデータ列の再生方式と同じ方式で、一部が抜き出された残りのデータ列をも再生できるように、オリジナルデータ列のデータフォーマットや抜き出すデータの種類等を設定することが好ましい。例えば、抜き出すデータには、データフォーマット上の識別子(一般に、prefix/suffix等の形で規定される情報)や該識別子によってマークされたデータの全部または一部、或いは、データ列上の位置によってその意味が解釈されるデータ等を適用することが考えられる。
【0045】
抜き出した第1のデータの、第1のデータ列における記録位置、および、データ長の少なくともいずれかは、ランダムに変化するようにすることができる。
【0046】
また、第3のデータ列は、抜き出した第1のデータの、第1のデータ列における記録位置を表す情報、および、データ長を表す情報の少なくともいずれかを含むようにすることができる。
【0047】
第1の生成ステップの処理では、第1のデータ列を再生して得られる出力の質より、第2のデータ列を再生して得られる出力の質の方が劣るように、第1のデータが抜き出されるようにすることができる。ここで、質は、例えば、再生ないしは解釈の品質とすることができる。また、質が劣る構成は、例えば、全く再生ないしは解釈できないようにしたり、一応、再生ないしは解釈できるが、第1のデータ列を再生ないし解釈する場合と比較して、再生ないしは解釈できる情報量が少ないものになるようにしたり、することで実現可能である。
【0048】
本発明のデータ生成方法は、入力されたデータを符号化する符号化ステップをさらに含むようにすることができる。この場合、第1の生成ステップの処理では、符号化ステップの処理により符号化された符号化データを第1のデータ列として、第1のデータ列から第1のデータが抜き出され、その抜き出された位置に、第1のデータ列に含まれる第2のデータが記述されることで、第2のデータ列が生成される。
【0049】
第1および第2のデータは、符号化ステップの処理による符号化の正規化係数情報、量子化精度情報の少なくともいずれかを含むようにすることができる。
【0050】
本発明のデータ生成方法は、入力されたデータを周波数成分に変換する周波数成分変換ステップと、周波数成分変換ステップの処理により周波数成分に変換されたデータを符号化する符号化ステップとをさらに含むようにすることができる。この場合、第1の生成ステップの処理では、符号化ステップの処理により符号化された符号化データを第1のデータ列として、第1のデータが抜き出され、その抜き出された位置に、第1のデータ列に含まれる第2のデータが記述されることで、第2のデータ列が生成され、第1の生成ステップの処理により抜き出される第1のデータ、および、第1のデータが抜き出される位置に記述される第2のデータは、周波数成分変換ステップの処理により変換された周波数成分のスペクトル係数情報を含む。
【0051】
第1および第2のデータは、可変長符号化されたデータを含むようにすることができる。
【0052】
第2の生成ステップの処理では、さらに、第3のデータ列が暗号化されるようにすることができる。
【0053】
本発明のデータ生成装置は、第1のデータ列に含まれる第1のデータを抜き出し、その抜き出した位置に、第1のデータ列に含まれる第2のデータを記述することで、第2のデータ列を生成する第1の生成手段と、抜き出した第1のデータを含み、第1の生成手段により生成された第2のデータ列から第1のデータ列を復元するための第3のデータ列を生成する第2の生成手段とを備えることを特徴とする。
【0054】
本発明の第1のプログラムは、第1のデータ列に含まれる第1のデータを抜き出し、その抜き出した位置に、第1のデータ列に含まれる第2のデータを記述することで、第2のデータ列を生成する第1の生成ステップと、抜き出した第1のデータを含み、第1の生成ステップの処理により生成された第2のデータ列から第1のデータ列を復元するための第3のデータ列を生成する第2の生成ステップとを含むことを特徴とする。
【0055】
本発明のデータ復元方法は、第2のデータ列から第1のデータ列を復元するために必要な情報を含む、第3のデータ列を取得する取得ステップと、取得ステップの処理により取得された第3のデータ列に含まれる、第2のデータの生成の際に第1のデータから抜き出された第1のデータを、その抜き出された位置に対応する第2のデータ列の位置に挿入し、第2のデータ列に含まれる第2のデータの位置を変更することで、第1のデータ列を復元する復元ステップとを含むことを特徴とする。
【0056】
本発明のデータ復元方法は、復元ステップの処理により復元された第1のデータを再生する再生ステップをさらに含むようにすることができる。
【0057】
本発明のデータ復元方法は、復元ステップの処理により復元された第1のデータを所定の記録媒体に記録させる記録制御ステップをさらに含むようにすることができる。
【0058】
本発明のデータ復元装置は、第2のデータ列から第1のデータ列を復元するために必要な情報を含む、第3のデータ列を取得する取得手段と、取得手段の処理により取得された第3のデータ列に含まれる、第2のデータの生成の際に第1のデータから抜き出された第1のデータを、その抜き出された位置に対応する第2のデータ列の位置に挿入し、第2のデータ列に含まれる第2のデータの位置を変更することで、第1のデータ列を復元する復元手段とを備えることを特徴とする。
【0059】
本発明の第2のプログラムは、第2のデータ列から第1のデータ列を復元するために必要な情報を含む、第3のデータ列を取得する取得ステップと、取得ステップの処理により取得された第3のデータ列に含まれる、第2のデータの生成の際に第1のデータから抜き出された第1のデータを、その抜き出された位置に対応する第2のデータ列の位置に挿入し、第2のデータ列に含まれる第2のデータの位置を変更することで、第1のデータ列を復元する復元ステップとを含むことを特徴とする。
【0060】
本発明のデータ生成方法およびデータ生成装置、並びに第1のプログラムにおいては、第1のデータ列に含まれる第1のデータが抜き出され、その抜き出された位置に、第1のデータ列に含まれる第2のデータが記述されることで、第2のデータ列が生成される。また、抜き出された第1のデータを含み、生成された第2のデータ列から第1のデータ列を復元するための第3のデータ列が生成される。
【0061】
本発明のデータ復元方法およびデータ復元装置、並びに第2のプログラムにおいては、第2のデータ列から第1のデータ列を復元するために必要な情報を含む、第3のデータ列が取得され、取得された第3のデータ列に含まれる、第2のデータの生成の際に第1のデータから抜き出された第1のデータが、その抜き出された位置に対応する第2のデータの位置に挿入され、第2のデータ列に含まれる第2のデータの位置が変更されることで、第1のデータ列が復元される。
【0062】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0063】
請求項1に記載のデータ生成方法は、第1のデータ列(例えば、オリジナルデータ)から所定のデータ列(例えば、試聴データと追加データ)を生成するデータ生成方法であって、前記第1のデータ列に含まれる第1のデータ(例えば、一部のスペクトル係数)を抜き出し、その抜き出した位置に、前記第1のデータ列に含まれる第2のデータ(例えば、抜き出したスペクトル係数に続く、高域側のスペクトル係数)を記述することで、第2のデータ列(例えば、試聴データ)を生成する第1の生成ステップ(例えば、図14のステップS2乃至S6)と、抜き出した前記第1のデータを含み、前記第1の生成ステップの処理により生成された前記第2のデータ列から前記第1のデータ列を復元するための第3のデータ列(例えば、追加データ)を生成する第2の生成ステップ(例えば、図14のステップS7)とを含むことを特徴とする。
【0064】
請求項2に記載のデータ生成方法は、抜き出した前記第1のデータの、前記第1のデータ列における記録位置(例えば、図9の位置Ad)、および、データ長(例えば、図9の長さR)の少なくともいずれかは、ランダムに変化することを特徴とする。
【0065】
請求項3に記載のデータ生成方法が処理する前記第3のデータ列は、抜き出した前記第1のデータの、前記第1のデータ列における記録位置を表す情報(例えば、図13の位置Ad)、および、データ長を表す情報(例えば、図13の長さR)の少なくともいずれかを含むことを特徴とする。
【0066】
請求項4に記載のデータ生成方法の前記第1の生成ステップの処理では、前記第1のデータ列を再生して得られる出力の質より、前記第2のデータ列を再生して得られる出力の質の方が劣るように(例えば、量子化ユニット[13]乃至[16]のスペクトル係数情報が最小化されるように)、前記第1のデータが抜き出されることを特徴とする。
【0067】
請求項5に記載のデータ生成方法は、入力されたデータを符号化する符号化ステップ(例えば、図2の符号列生成部13により実行される処理)をさらに含み、前記第1の生成ステップの処理では、前記符号化ステップの処理により符号化された符号化データを前記第1のデータ列として、前記第1のデータ列から前記第1のデータが抜き出され、その抜き出された位置に、前記第1のデータ列に含まれる前記第2のデータが記述されることで、前記第2のデータ列が生成されることを特徴とする。
【0068】
請求項6に記載のデータ生成方法が処理する前記第1および第2のデータは、前記符号化ステップの処理による符号化の正規化係数情報、量子化精度情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする。
【0069】
請求項7に記載のデータ生成方法は、入力されたデータを周波数成分に変換する周波数成分変換ステップ(例えば、図2の変換部11により実行される処理)と、前記周波数成分変換ステップの処理により周波数成分に変換された前記データを符号化する符号化ステップ(例えば、図2の符号列生成部13により実行される処理)とをさらに含み、前記第1の生成ステップの処理では、前記符号化ステップの処理により符号化された符号化データを前記第1のデータ列として、前記第1のデータが抜き出され、その抜き出された位置に、前記第1のデータ列に含まれる第2のデータが記述されることで、前記第2のデータ列が生成され、前記第1の生成ステップの処理により抜き出される前記第1のデータ、および、前記第1のデータが抜き出される位置に記述される前記第2のデータは、前記周波数成分変換ステップの処理により変換された周波数成分のスペクトル係数情報を含むことを特徴とする。
【0070】
請求項8に記載のデータ生成方法が処理する前記第1および第2のデータは、可変長符号化されたデータ(正規化係数情報、量子化精度情報、スペクトル係数情報)を含むことを特徴とする。
【0071】
請求項9に記載のデータ生成方法の前記第2の生成ステップの処理では、さらに、前記第3のデータ列が暗号化されることを特徴とする。
【0072】
請求項10に記載のデータ生成装置は、第1のデータ列(例えば、オリジナルデータ)から所定のデータ列(例えば、試聴データと追加データ)を生成するデータ生成装置であって、前記第1のデータ列に含まれる第1のデータ(例えば、一部のスペクトル係数)を抜き出し、その抜き出した位置に、前記第1のデータ列に含まれる第2のデータ(例えば、抜き出したスペクトル係数に続く、高域側のスペクトル係数)を記述することで、第2のデータ列(例えば、試聴データ)を生成する第1の生成手段(例えば、図10の試聴データ生成部65)と、抜き出した前記第1のデータを含み、前記第1の生成手段により生成された前記第2のデータ列から前記第1のデータ列を復元するための第3のデータ列(例えば、追加データ)を生成する第2の生成手段(例えば、図10の追加データ生成部66)とを備えることを特徴とする。
【0073】
請求項11に記載のプログラムは、第1のデータ列(例えば、オリジナルデータ)から所定のデータ列(例えば、試聴データと追加データ)を生成する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記第1のデータ列に含まれる第1のデータ(例えば、一部のスペクトル係数)を抜き出し、その抜き出した位置に、前記第1のデータ列に含まれる第2のデータ(例えば、抜き出したスペクトル係数に続く、高域側のスペクトル係数)を記述することで、第2のデータ列(例えば、試聴データ)を生成する第1の生成ステップ(例えば、図14のステップS2乃至S6)と、抜き出した前記第1のデータを含み、前記第1の生成ステップの処理により生成された前記第2のデータ列から前記第1のデータ列を復元するための第3のデータ列(例えば、追加データ)を生成する第2の生成ステップ(例えば、図14のステップS7)とを含むことを特徴とする。
【0074】
請求項12に記載のデータ復元方法は、所定のデータ列(例えば、試聴データと追加データ)から第1のデータ列(例えば、オリジナルデータ)を復元するデータ復元方法であって、第2のデータ列(例えば、試聴データ)から前記第1のデータ列を復元するために必要な情報を含む第3のデータ列(例えば、追加データ)を取得する取得ステップ(例えば、図20のステップS42)と、前記取得ステップの処理により取得された前記第3のデータ列に含まれる、前記第2のデータの生成の際に前記第1のデータから抜き出された第1のデータ(例えば、一部のスペクトル係数)を、その抜き出された位置に対応する前記第2のデータ列の位置に挿入し、前記第2のデータ列に含まれる第2のデータ(例えば、抜き出されたスペクトル係数に続く、高域側のスペクトル係数)の位置を変更することで、前記第1のデータ列を復元する復元ステップ(例えば、図20のステップS46)とを含むことを特徴とする。
【0075】
請求項13に記載のデータ復元方法は、前記復元ステップの処理により復元された前記第1のデータ列を再生する再生ステップ(例えば、図20のステップS48)をさらに含むことを特徴とする。
【0076】
請求項14に記載のデータ復元方法は、前記復元ステップの処理により復元された前記第1のデータ列を所定の記録媒体に記録させる記録制御ステップ(例えば、図23のステップS86)をさらに含むことを特徴とする。
【0077】
請求項15に記載のデータ復元装置は、所定のデータ列(例えば、試聴データと追加データ)から第1のデータ列(例えば、オリジナルデータ)を復元するデータ復元装置であって、第2のデータ列(例えば、試聴データ)から前記第1のデータ列を復元するために必要な情報を含む第3のデータ列(例えば、追加データ)を取得する取得手段(例えば、図15の追加データ入力部96)と、前記取得手段の処理により取得された前記第3のデータ列に含まれる、前記第2のデータの生成の際に前記第1のデータから抜き出された第1のデータ(例えば、一部のスペクトル係数)を、その抜き出された位置に対応する前記第2のデータ列の位置に挿入し、前記第2のデータ列に含まれる第2のデータ(例えば、抜き出されたスペクトル係数に続く、高域側のスペクトル係数)の位置を変更することで、前記第1のデータ列を復元する復元手段(例えば、図15の符号列復元部93)とを備えることを特徴とする。
【0078】
請求項16に記載のプログラムは、所定のデータ列(例えば、試聴データと追加データ)から第1のデータ列(例えば、オリジナルデータ)を復元する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、第2のデータ列(例えば、試聴データ)から前記第1のデータ列を復元するために必要な情報を含む第3のデータ列(例えば、追加データ)を取得する取得ステップ(例えば、図20のステップS42)と、前記取得ステップの処理により取得された前記第3のデータ列に含まれる、前記第2のデータの生成の際に前記第1のデータから抜き出された第1のデータ(例えば、一部のスペクトル係数)を、その抜き出された位置に対応する前記第2のデータ列の位置に挿入し、前記第2のデータ列に含まれる第2のデータ(例えば、抜き出されたスペクトル係数に続く、高域側のスペクトル係数)の位置を変更することで、前記第1のデータ列を復元する復元ステップ(例えば、図20のステップS46)とを含むことを特徴とする。
【0079】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0080】
図1は、本発明を適用したデータ配信システムの構成例を示すブロック図である。
【0081】
符号化装置1は、例えば、音楽コンテンツのオリジナルデータから、低品質の試聴データを作成するとともに、試聴データからオリジナルデータに復元する際に必要なデータを含む追加データを作成し、それを必要に応じて暗号化した後、配信サーバ2に供給する。
【0082】
配信サーバ2は、符号化装置1から供給された試聴データを、有線あるいは無線のコンピュータネットワーク4を介して、データ再生装置5(5−1乃至5−N)のうちの所定の装置に無料または有料で配信する。図1の例においては、N台のデータ再生装置5がコンピュータネットワーク4に接続されている。
【0083】
データ再生装置5の利用者は、データ再生装置5を操作して試聴データを再生して試聴し、コンテンツを気に入ったため、そのオリジナルデータを購入したい場合、試聴データからオリジナルデータを復元するための追加データを、配信サーバ2から試聴データとは別に取得し(ダウンロードし)、必要に応じて施されている暗号化を復号した後、追加データを用いてオリジナルデータを復元する。
【0084】
なお、この追加データは、例えば有料のデータであり、利用者は、追加データを入手して、試聴データからオリジナルデータを復元する場合には、その追加データの取得に先立ち、課金サーバ3にアクセスして料金の支払い手続きを行う。従って、配信サーバ2は、利用者の支払い手続きが完了したことの通知を課金サーバ3から受けた後、データ再生装置5の利用者が要求する追加データを配信する。
【0085】
これにより、データ再生装置5の利用者は、低品質のものではあるものの、試聴データから、オリジナルデータの全容を確認することができる。また、音楽コンテンツの販売主の側としても、試聴データからオリジナルデータを復元するためには、別途、追加データの購入が必要となるため、試聴データからオリジナルデータを不正に復元することを確実に防止することができる。
【0086】
図2は、音響波形信号の入力を受けて、試聴データおよび追加データを作成する、図1の符号化装置1の構成例を示すブロック図である。
【0087】
ここでは、オーディオPCM信号などのデジタル信号の入力を受け、帯域分割符号化(SBC)、適応変換符号化(ATC(Adaptive Transform cording))、および、適応ビット割り当てを行うことにより、高能率符号化を行う場合について説明する。適応変換符号化とは、離散コサイン変換(DCT)などをベースに、ビット配分を適応化した符号化方法であり、入力信号を時間ブロック毎にスペクトル信号に変換し、所定の帯域毎に、各スペクトル信号をまとめて正規化、すなわち、最大信号成分を近似する正規化係数で各信号成分を除算してから、信号の性質によって適時定められた量子化精度で量子化して符号化するものである。
【0088】
変換部11は、音響波形信号の入力を受けて、信号周波数成分に変換し、それを信号成分符号化部12に出力する。信号成分符号化部12は、入力された信号周波数成分を符号化し、符号列生成部13に出力する。符号列生成部13は、信号成分符号化部12により符号化された信号周波数成分から符号列を生成し、生成した符号列をデータ分離部14に出力する。データ分離部14は、符号列生成部13から入力された符号列に対して、正規化係数情報の書き換えなどの所定の処理を行うことで、高音質で再生可能なオリジナルデータを、それより低音質で再生可能な試聴データに変換するとともに、オリジナルデータの再生、または、所定の記録媒体への記録を希望する利用者に対して販売される、試聴データに対応する追加データ(復元用データ)を生成する。生成された試聴データおよび追加データは、配信サーバ2に出力される。
【0089】
図3は、変換部11の更に詳細な構成例を示すブロック図である。
【0090】
変換部11に入力された音響波形信号は、帯域分割フィルタ21によって2つの帯域に分割され、それぞれの信号が、順スペクトル変換部22−1および22−2に出力される。順スペクトル変換部22−1および22−2は、例えばMDCTなどを用いて、入力された信号を、スペクトル信号成分に変換して信号成分符号化部12に出力する。順スペクトル変換部22−1および22−2に入力される信号は、帯域分割フィルタ21に入力される信号の帯域幅の1/2であり、信号の入力も、それぞれ1/2に間引かれている。
【0091】
なお、図3の変換部11においては、帯域分割フィルタ21によって2つの帯域に分割された信号が、MDCTを用いてスペクトル信号成分に変換されるものとしたが、入力された信号をスペクトル信号成分に変換する方法は、いずれの方法を用いるようにしても良い。例えば、入力された信号を帯域分割せずに、MDCTによりスペクトル信号成分に変換するようにしても良いし、あるいは、入力された信号をDCTやDFTによりスペクトル信号に変換するようにしても良い。
【0092】
いわゆる帯域分割フィルタを用いることにより、入力された信号を帯域成分に分割することも可能であるが、多数の周波数成分を比較的少ない演算量で演算することが可能な、MDCT,DCT、あるいは、DFTを用いてスペクトル変換を行うと好適である。
【0093】
また、図3においては、入力された音響波形信号が帯域分割フィルタ21において、2つの帯域に分割されるものとしたが、帯域分割数は、2つでなくても構わない。帯域分割フィルタ21における帯域分割数を示す情報は、信号成分符号化部12を介して、符号列生成部13に出力される。
【0094】
図4は、変換部11によって得られる、MDCTによるスペクトル信号の絶対値をパワーレベルに変換して示した図である。
【0095】
変換部11に入力された音響波形信号は、所定の時間ブロック毎に、例えば、64個のスペクトル信号に変換される。これらのスペクトル信号は、信号成分符号化部12によって、後述する処理により、例えば、図中の実線でかこまれた16個の枠組みで示されるように、[1]乃至[16]の、16個の帯域に分けられ、それぞれの帯域毎に量子化および正規化が行われる。この16個の帯域に分けられたスペクトル信号の集合、すなわち、量子化および正規化を行うスペクトル信号の集合が、量子化ユニットである。
【0096】
周波数成分の分布の仕方に基づいて、量子化精度を量子化ユニット毎に変化させることにより、人間に聞こえる音の質の劣化を最小限にとどめることが出来る効率の良い符号化が可能となる。
【0097】
図5は、図2の信号成分符号化部12の更に詳細な構成例を示すブロック図である。
【0098】
ここでは、信号数成分符号化部12は、例えば、入力されたスペクトル信号から、聴感上、特に重要なトーン部分、すなわち、特定の周波数周辺にエネルギが集中している信号成分を分離して、他のスペクトル成分とは別に符号化を行う場合について説明する。
【0099】
変換部11から入力されたスペクトル信号は、トーン成分分離部31により、トーン成分と、非トーン成分に分離され、そのうちのトーン成分はトーン成分符号化部32に、非トーン成分は非トーン成分符号化部33にそれぞれ出力される。
【0100】
ここで、図6を用いて、トーン成分と非トーン成分について説明する。
【0101】
例えば、トーン成分分離部31に入力されたスペクトル信号が、図4(図6)のような信号である場合、そのパワーレベルが特に高い部分が、トーン成分41乃至43として、非トーン成分から分離される。なお、このとき、分離されたトーン成分41乃至43の位置を示す位置データP1乃至P3、および、トーン成分として抜き出された周波数の幅がそれぞれ検出されて、それらを表す情報がトーン成分とともに、トーン成分符号化部32に出力される。
【0102】
トーン成分の分離方法は、例えば、先に示した特許文献3および4に記載の方法を用いればよい。この方法により分離されたトーン成分および非トーン成分は、トーン成分符号化部32および非トーン成分符号化部33の処理により、それぞれ、異なるビット数で量子化される。
【0103】
トーン成分符号化部32および非トーン成分符号化部33は、入力された信号をそれぞれ符号化するが、トーン成分符号化部32は、トーン成分に対して、量子化ビット数を大きく、すなわち、量子化精度を高くして量子化を行い、非トーン成分符号化部33は、非トーン成分に対して、トーン成分に対するものと比較して量子化ビット数を小さく、すなわち、量子化精度を低くして量子化を行う。
【0104】
各トーン成分に関しては、トーン成分の位置情報や、トーン成分として抜き出された周波数の幅などの情報を新たに付け加える必要があるが、非トーン成分のスペクトル信号を少ないビット数で量子化することが可能となる。特に、符号化装置1に入力された音響波形信号が、特定のスペクトルにエネルギが集中するような信号である場合には、このような方法を取ることにより、聴覚上の劣化を殆ど感じさせずに、高い圧縮率で効果的に符号化することが可能である。
【0105】
図7は、図5のトーン成分符号化部32の更に詳細な構成を示すブロック図である。
【0106】
正規化部51は、量子化ユニット毎にトーン成分のスペクトル信号の入力を受けて、正規化を行い、量子化部52に出力する。量子化精度決定部53は、入力された量子化ユニットを参照して、量子化精度を計算し、計算結果を量子化部52に出力する。入力される量子化ユニットは、トーン成分であるから、量子化精度決定部53は、量子化精度が高くなるように量子化精度を決定する。量子化部52は、正規化部51から入力された正規化結果を、量子化精度決定部53により決定された量子化精度で量子化して、符号を生成するとともに、生成された符号に加えて、正規化係数情報や量子化精度情報などの符号化情報を出力する。
【0107】
また、トーン成分符号化部32は、トーン成分とともに入力されたトーン成分の位置情報なども、トーン成分とともに符号化して出力する。
【0108】
図8は、図5の非トーン成分符号化部33の更に詳細な構成例を示すブロック図である。
【0109】
正規化部54は、量子化ユニット毎に非トーン成分のスペクトル信号の入力を受けて、正規化を行い、量子化部55に出力する。量子化精度決定部56は、入力された量子化ユニットを参照して、量子化精度を計算し、計算結果を量子化部55に出力する。入力される量子化ユニットは、非トーン成分であるから、量子化精度決定部56は、トーン成分の場合と較べて、量子化精度が低くなるように量子化精度を決定する。量子化部55は、正規化部54から入力された正規化結果を、量子化精度決定部56により決定された量子化精度で量子化して、符号を生成するとともに、生成された符号に加えて、正規化係数情報や量子化精度情報などの符号化情報を出力する。
【0110】
このような符号化方法に対して、例えば、可変長符号化を行い、量子化されたスペクトル信号のうち、頻度の高いものに対しては、比較的短い符号長を割り当て、頻度の低いものに対しては、比較的長い符号長を割り当てることで、符号化効率を更に高めることが可能である。
【0111】
図2の説明に戻り、符号列生成部13は、信号成分符号化部12により出力された信号周波数成分の符号から、例えば、記録媒体に記録したり、データ伝送路を介して、他の情報処理装置などに送出可能な符号列、すなわち、複数のフレームにより構成される符号列を生成し、データ分離部14に出力する。符号列生成部13により生成される符号列は、通常のデコーダによって高音質で再生可能な音声データである。
【0112】
図9は、符号列生成部13において生成される、高音質で再生可能な音声データのフレームのフォーマットの例を示す図である。
【0113】
各フレームの先頭には、同期信号を含む固定長のヘッダが配置されている。ヘッダには、図3を用いて説明した、変換部11の帯域分割フィルタ21の帯域分割数等も記録される。
【0114】
各フレームには、ヘッダに続いて、分離されたトーン成分に関するトーン成分情報が記録される。トーン成分情報には、トーン成分数(ここでは、例えば、3)、トーン幅、および、図7のトーン成分符号化部32によりトーン成分に対して施された量子化の量子化精度情報が記録される。続いて、トーン成分41乃至43のデータとして、それぞれの正規化係数、トーン位置、およびスペクトル係数が記録される。
【0115】
この例では、トーン成分41の正規化係数が30、トーン位置がP1、スペクトル係数がSP1とされ、トーン成分42の正規化係数が27、トーン位置がP2、スペクトル係数がSP2とされ、トーン成分43の正規化係数が24、トーン位置がP3、スペクトル係数がSP3とされている。
【0116】
各フレームにおいては、トーン成分情報に続いて非トーン成分情報が記述される。非トーン成分情報には、量子化ユニット数(ここでは、例えば、16)、図8のトーン成分符号化部33が、非トーン成分に対して符号化を施した際の、16個の量子化ユニットそれぞれの量子化精度情報、正規化係数情報、およびスペクトル係数情報が記録されている。
【0117】
図9の例においては、量子化精度情報には、最低域の量子化ユニット[1]の4という値から、最高域の量子化ユニット[16]の4という値までが、量子化ユニット毎に記録されている。また、正規化係数情報には、最低域の量子化ユニット[1]の46という値から、最高域の量子化ユニット[16]の8という値までが、量子化ユニット毎に記録されている。ここでは、正規化係数情報として、スペクトル信号のパワーレベルのdB値に比例する値が用いられているものとする。
【0118】
なお、図中の非トーン成分のスペクトル係数情報は、領域A,HCおよびBの3つの領域に分けられているが、この領域の個数、領域HCの先頭位置Ad、終了位置Af、および、長さ(大きさ)R等は任意である。また、フレームの長さが固定長である場合、図9に示されるように、スペクトル係数情報の後に空き領域が設けられるようにしても良い。
【0119】
図10は、図2のデータ分離部14の更に詳細な構成例を示すブロック図である。
【0120】
制御部61は、外部の操作入力部(不図示)などから入力される試聴区間の設定情報を取得し、その設定情報に基づいて、帯域制限処理部62を制御する。
【0121】
帯域制限処理部62は、制御部61から入力される試聴区間の情報(例えば、試聴開始位置、試聴区間長、試聴帯域を指定する情報)に従って、例えば、入力されたオリジナルデータの符号化フレームのうち、指定された位置(試聴開始位置)から、それに続く、指定された数(試聴区間長)の符号化フレームを元に、そのフレームのデータを、指定された帯域(試聴帯域)に制限することで試聴データを生成する。例えば、図6のスペクトルデータのうち、高域側の一部の量子化ユニットの正規化係数を最小化し、低域側の周波数帯域のみをデコード可能とすることで、再生されるコンテンツの質が下げられる。
【0122】
例えば、試聴帯域を量子化ユニット[1]乃至[12]として試聴データを生成することが入力された場合、制御部61は、試聴帯域に含まれる量子化ユニットが[1]乃至[12]であることを帯域制限処理部62に通知する。
【0123】
帯域制限処理部62は、この通知に応じて、図11に示されるように、試聴帯域に含まれない量子化ユニット[13]乃至[16]の正規化係数情報の値を最小化し、ダミーの正規化係数に置き換えるとともに、量子化ユニット[13]乃至[16]の本来の値を追加フレーム生成部64に出力する。
【0124】
従って、図9のフレームに対して、試聴帯域を量子化ユニット[1]乃至[12]として試聴データを生成することが指示されている場合には、図11に示されるように、量子化ユニット[13]乃至[16]の正規化係数情報のそれぞれの値18,12,10,8が、ダミー正規化係数情報である0に置き換えられるとともに、その本来の値18,12,10,8が、追加フレーム生成部64に出力される。
【0125】
帯域制限処理部62は、非トーン成分の場合と同様に、トーン成分のうち、試聴帯域から外れている部分の正規化係数を最小化するとともに、その本来の値を、追加フレーム生成部64に出力する。図11の例においては、量子化ユニット[13]乃至[16]に含まれるトーン成分42および43の正規化係数27,24(図9)が最小化され、その値27,24が、本来の正規化係数の値として追加フレーム生成部64に出力される。
【0126】
図12は、図11に示される試聴データ、すなわち、試聴帯域から外れている部分のトーン成分および非トーン成分の正規化係数が、ダミーの正規化係数に置き換えられたデータを再生した場合のスペクトル信号の例を示す図である。
【0127】
量子化ユニット[13]乃至[16]の正規化係数情報は、帯域制限された符号化フレーム(試聴フレーム)外では最小化されているため、その各量子化ユニットに対応する非トーン成分のスペクトル信号も最小化されている。また、量子化ユニット[13]乃至[16]に含まれる2つのトーン成分42および43に対しても、その正規化係数が最小化されていることから、同様に、それらのスペクトル信号は最小化される。すなわち、試聴データを復号して再生した場合、量子化ユニット[1]乃至[12]の狭帯域のスペクトル信号のみが再生される。
【0128】
図11の例では、試聴帯域を量子化ユニット[1]乃至[12]とした場合について説明したが、試聴帯域は、フレーム毎に異なるように設定することも可能である。また、非トーン成分およびトーン成分の全ての正規化係数を最小化(試聴帯域はぜロ)して、試聴フレームを無音化することも可能である。
【0129】
以上のように、オリジナルの符号化フレームを低品質化して試聴フレームを生成する処理は、全ての符号化フレームに適用するようにしても良いし、コンテンツの一部の区間のフレーム列のみ、或いは、複数の区間のフレームに適用することも可能である。
【0130】
また、1以上の区間のフレーム列を低品質化する場合、指定された区間以外のフレームに対しては、例えば、上述したように、フレームを無音化する処理を施すことによって、試聴データにオリジナルの符号化フレームが含まれないようにすることも可能である。
【0131】
これにより、試聴データを再生した場合、狭帯域の音質のみで再生されたり、あるいは、再生音が無かったりするので、図9のオリジナルデータを再生した場合と比載して、質の劣る音が出力されることになる。
【0132】
また、非トーン成分の正規化係数を最小化することにより、それに対応する、図9において位置Adで示される位置より高域例のスペクトル係数情報は、試聴データの再生時に最小化されることから、その部分のスペクトル係数情報を抜き出して、更に、抜き出したスペクトル係数情報に続く、高域側のスペクトル係数情報の記録位置をずらして、詰めて記録することが可能である。
【0133】
つまり、図10のスペクトル情報変更部63は、図9の位置Adで示される位置を記録開始位置とする領域HCのスペクトル係数情報を抜き出すとともに、領域HCより高域側の、位置Afで示される位置を記録開始位置とする領域Bのスペクトル係数を、図11に示されるように、位置Adが記録開始位置となるように詰めて記録する。スペクトル情報変更部63は、このようにして記録位置を変更したフレームを、試聴フレームとして、試聴データ生成部65に出力する。
【0134】
また、スペクトル情報変更部63は、抜き出した本来のスペクトル係数の値、必要に応じて抜き出した、スペクトル係数の記録位置、および、その長さを示す情報等を追加フレーム生成部64に出力する。
【0135】
なお、スペクトル係数情報の抜き出し処理は、全てのフレームに対して行なうことも可能であるが、任意の一部のフレームにのみに行なうことも可能である。
【0136】
特に、可変長符号化されているスペクトル係数情報が低域側から高域側に順次記録されている場合、デコード時に最小化されるスペクトル係数情報の領域の一部が抜き出され、それより高域側にあるスペクトル係数情報が詰めて記録されていることにより、中域の可変長符号の一部が欠落するとともに、高域側のスペクトル係数情報の記録位置も本来の位置とは異なる位置になる。従って、抜き出した部分を含めて、それより高域側にあるデータは、全く復号できないことになる。換言すれば、試聴データに含まれる、試聴帯域より高域側のスペクトル係数情報は、追加データに記述される真の値を用いることなく復元することが非常に困難となるので、試聴データの安全性が強化される。
【0137】
このように、正規化係数情報の一部が欠落していたり、スペクトル係数情報の一部が欠落している場合、その欠落している真のデータを推測することは、一般的なコンテンツ配信システムで用いられる、比較的鍵長の短い暗号鍵を解読することと比較しても非常に困難である。
【0138】
また、仮に、抜き出された本来の値が試聴データに含まれ、提供される場合であっても、本来の値の記録位置が任意にずらされていることから、真のデータを推測することはやはり困難である。そればかりか、試聴データを不正に改変しようとすると、かえって音質を劣化させる原因となる。
【0139】
従って、オリジナルデータの再生が許可されていない利用者が、試聴データを基に、オリジナルデータを推測することが非常に困難となり、コンテンツデータの著作者や配布者の権利を、より強固に保護することが可能となる。
【0140】
また、万が一、ある試聴データにおいて、欠落したデータに対する真のデータが推測されてしまっても、暗号アルゴリズムを解読されてしまった場合と異なり、他のコンテンツにその被害が拡大することはないので、特定のアルゴリズムを用いて暗号化を施したコンテンツデータを試聴データとして配布するよりも安全性が高い。
【0141】
以上のように、帯域制限処理部62により変更された非トーン成分およびトーン成分の正規化係数情報の真の値と、スペクトル係数情報変更部63により抜き出された非トーン成分の一部のスペクトル係数情報の真の値は、追加フレーム生成部64に供給され、追加データに記述される。
【0142】
なお、試聴帯域外の量子化ユニットの正規化係数情報を変更する代わりに、あるいは、正規化係数情報の変更と同時に、試聴帯域外の量子化ユニットの量子化精度情報を最小化するなどして変更することも可能であり、この場合、帯域制限処理部62は、変更した量子化精度情報の真の値を、正規化係数情報の値と同様に追加フレーム生成部64に出力する。
【0143】
ただし、正規化係数情報を変更する場合と、量子化精度情報を変更する場合とでは、追加データを用いずに試聴データから不正にオリジナルデータを推測することの困難さ、すなわち、試聴データの安全強度が異なってしまう。例えば、オリジナルデータの生成時に、正規化係数情報に基づいて量子化精度情報を算出するようなビット割り当てアルゴリズムが採用されている場合、試聴帯域外の量子化精度情報のみを変更して正規化係数情報を試聴データに記述したままであると、この正規化係数情報を手掛かりにして、真の量子化精度情報を推測される危険性がある。
【0144】
これに対して、量子化精度情報から正規化係数情報を推測するのは困難であることから、正規化係数情報のみを変更した場合でも、試聴データの安全強度は高いといえる。
【0145】
また、試聴帯域外の正規化係数情報および量子化精度情報の両方の値を変更することで、不正にオリジナルデータを推測される危険性は更に排除できる。当然、試聴データのフレームによって、試聴帯域外の正規化係数情報と量子化精度情報を、選択的に変更するようにしてもよい。
【0146】
図10の説明に戻り、追加フレーム生成部64は、オリジナルデータのフレーム毎に、帯域制限処理部62から入力される、試聴帯域外の正規化係数情報や量子化係数情報、および、スペクトル情報変更部63から入力される、試聴帯域外のスペクトル係数情報に基づいて、試聴データを高音質化するための追加データを構成するフレーム(追加フレーム)を生成する。
【0147】
図11を用いて説明したように、試聴区間の試聴帯域を量子化ユニット[1]乃至[12]とした場合、試聴データの試聴区間内の各フレームにおいて、量子化ユニット[13]乃至[16]に含まれる2つのトーン成分(トーン成分42および43)の正規化係数情報(図11の斜線が付されている部分)、および、非トーン成分の4つの正規化係数情報(図11の斜線が付されている部分)は、最小化されたダミーデータに変更され、それらの真の値が、追加フレームに記述される。また、試聴帯域外である量子化ユニット[13]乃至[16]の非トーン成分のスペクトル係数情報の一部(図9の領域HC)もダミーデータに置き換えられ、その真の値が追加フレームに記述される。
【0148】
図13は、追加フレーム生成部64により生成される追加フレームのフォーマットの例を示す図である。図13においては、図11の試聴フレームに対応する追加フレームの例が示されている。
【0149】
トーン成分に関する情報としては、ダミーデータに変更されたトーン成分42の真の正規化係数情報である値27と、トーン成分43の真の正規化係数情報である値24がそれぞれ記述される。
【0150】
また、非トーン成分に関する情報としては、ダミーデータに変更された、試聴帯域外の量子化ユニット[13]乃至[16]のそれぞれの真の正規化係数情報である値18,12,10,8、および、抜き出されたスペクトル係数情報である、領域HCの真の値HC、その本来の位置Ad、および、その長さRが記述されている。
【0151】
図13の例では、試聴フレームから抜き出されたスペクトル係数情報の位置情報や長さ情報を追加フレームに記述するとしたが、その位置情報に関しては、追加フレームに記述しないようにすることも可能である。すなわち、スペクトル係数情報を抜き出した位置を、試聴帯域外のスペクトル係数情報の先頭とすることで、非トーン成分の正規化係数情報のうちのダミーデータに変更された正規化係数情報の位置(量子化ユニットの番号)から、抜き出されたスペクトル係数情報の本来の位置を求めることが可能となる。
【0152】
一方、スペクトル係数情報を抜き出す位置を、試聴帯域外のスペクトル係数情報の先頭より後方(下方)のいずれの位置とすることも可能であり、その場合には、図13に示されるように、追加フレームに、その抜き出されたスペクトル情報の位置情報を記述する必要がある。
【0153】
また、試聴フレームの空き領域に、追加データの一部を記述することで、追加データのデータ量を小さくすることができる。従って、利用者が、例えば、追加データをダウンロードして取得しようとした場合に、その通信時間を短縮することができる。
【0154】
図10の試聴データ生成部65は、試聴データのヘッダを生成し、それを、供給された試聴フレーム列に付加することで試聴データを生成する。試聴データのヘッダには、例えば、追加データのリンク情報(例えば、追加データをダウンロードすることができるサーバのURL(Uniform Resource Locator)などのアドレス情報)や、コンテンツを識別するためのコンテンツID、コンテンツのタイトル、或いは、符号化方式に関する情報などが含まれる。
【0155】
追加データ生成部66は、入力される追加フレーム列から、追加データを生成する。
【0156】
以上のようにして生成された試聴データと追加データが、配信サーバ2に出力され、例えば、そのうちの試聴データは配信サーバ2からデータ再生装置5に配信されるとともに、追加データは、その要求のあったデータ再生装置5に対して配信サーバ2から配信される。追加データを取得したデータ再生装置5においては、後述する処理により、オリジナルデータの復元が行われる。
【0157】
次に、図14のフローチャートを参照して、図10のデータ分離部14により行われる試聴データ生成処理について説明する。
【0158】
ステップS1において、制御部61は、操作入力部などから入力された、試聴開始位置、試聴区間長、試聴帯域等を表す、試聴区間に関する設定値(設定情報)を取得する。
【0159】
ここでは、図11および図13を用いて説明したように、試聴帯域として量子化ユニット[1]乃至[12]が設定されたものとして説明する。また、試聴開始位置としてはコンテンツの先頭が設定され、試聴区間長としてはコンテンツ全体の長さが設定されたものとして説明する。つまり、全ての符号化フレームを、量子化ユニット[1]乃至[12]で帯域制限するように設定されているものとする。制御部61は、試聴区間の設定値を帯域制限処理部62に供給する。
【0160】
ステップS2において、帯域制限処理部62は、オリジナルデータに相当するフレーム列に含まれるいずれかのフレーム、すなわち、図9を用いて説明した高音質再生が可能なフレームの入力を順次受ける。
【0161】
ステップS3において、帯域制限処理部62は、ステップS1で供給された試聴区間の設定値に基づいて、入力された符号化フレームが試聴区間に含まれている場合(入力された符号化フレームを、試聴データを構成するフレームとする場合)は、試聴帯域外にあるトーン成分の正規化係数の値を、例えば、ダミー値0(ダミーデータ)に置き換え、最小化する。これにより、試聴帯域外のトーン成分のスペクトル係数は、当該符号化フレームの再生処理時には最小化されることになる。
【0162】
一方、帯域制限処理部62は、入力された符号化フレームが試聴区間に含まれない場合は、トーン成分の正規化係数の全ての値を、例えばダミー値0として最小化する。これにより、トーン成分の全てのスペクトル係数は、当該符号化フレームの再生処理時には最小化されることになる。
【0163】
更に、このとき、帯域制限処理部62は、後述するステップS7の処理で追加データに記述するため、ダミー値に変更したトーン成分の正規化係数情報の本来の値を追加フレーム生成部64に供給する。
【0164】
ステップS4において、帯域制限処理部62は、入力された符号化フレームが試聴区間に含まれている場合は、試聴帯域外にある非トーン成分の正規化係数の値を、例えば、ダミー値0に置き換え、最小化する。これにより、試聴帯域外の非トーン成分のスペクトル係数は、当該符号化フレームの再生処理時には最小化されることになる。
【0165】
一方、帯域制限処理部62は、入力された符号化フレームが試聴区間に含まれない場合は、非トーン成分の全ての正規化係数の値を、例えば、ダミー値0により最小化する。これにより、非トーン成分の全てのスペクトル係数は、当該符号化フレームの再生処理時には最小化されることになる。
【0166】
更に、このとき、帯域制限処理部62は、後述するステップS7の処理で追加データに記述するため、ダミー値に変更した非トーン成分の正規化係数情報の本来の値を追加フレーム生成部64に供給する。
【0167】
ステップS5において、スペクトル係数情報変更部63は、入力された符号化フレームが試聴区間に含まれている場合は、試聴帯域より高域側の非トーン成分のスペクトル係数情報の一部を抜き出すために、その先頭位置Adおよびビット長Rを決定する。
【0168】
また、スペクトル係数情報変更部63は、ステップS6において、ステップS5で決定した先頭位置Adからビット長R分のスペクトル係数情報HC(図11の領域HCのスペクトル係数情報)を抜き出し、抜き出したスペクトル係数情報に続く、すなわち、位置(Ad+R)以降にあるスペクトル係数情報の記録開始位置を位置Adにずらして記録する。これにより、抜き出したスペクトル係数情報の本来の記録位置を推測することができなくなる。
【0169】
一方、ステップS5において、スペクトル係数情報変更部63は、入力されたフレームが試聴区間に含まれない場合は、任意の非トーン成分のスペクトル係数情報の一部を抜き出すために、その先頭位置Adおよびビット長Rを決定し、ステップS6に進み、先頭位置Adからビット長R分のスペクトル係数情報HCを抜き出し、位置(Ad+R)以降にあるスペクトル係数情組の記録開始位置を、抜き出したスペクトル係数情報の本来の記録位置が推測できないように、位置Adにずらして記録する。
【0170】
ここで、スペクトル係数情報を抜き出す位置を決定する方法として、擬似乱数Xを発生させ、この擬似乱数Xを定数Cxで除算したその剰余に、試聴帯域外のスペクトル係数情報の先頭位置を加算した値を、抜き出すスペクトル係数情報の先頭位置Adとするようにしてもよい。この場合、例えば、定数Cxを64、試聴帯域外のスペクトル係数情報の先頭位置をPとすることで、スペクトル係数情報を抜き出す位置Adは、P乃至(P+63)の範囲でランダムな値をとることになる。
【0171】
また、スペクトル係数情報を抜き出す長さを決定する方法として、擬似乱数Yを発生させ、この擬似乱数Yを定数Cyで除算したその剰余を、抜き出すスペクトル係数情報のビット長Rとするようにしてもよい。この場合、例えば、定数Cyを32とすることで、スペクトル係数情報を抜き出すビット長Rは、0乃至31の範囲でランダムな値をとることになる。
【0172】
なお、擬似乱数を発生する方法としては、例えば、最初に100桁の任意の数値を選択し、その数値を二乗した結果の中央の100桁を選択する方法を繰り返すようにしてもよい。
【0173】
スペクトル係数情報変更部63は、このようにして抜き出したスペクトル係数情報HCや、その先頭位置Ad、およびビット長Rを、追加フレーム生成部64に出力する。
【0174】
なお、ステップS5およびS6において、非トーン成分のスペクトル係数情報の一部を抜き出す場合、試聴帯域より高域側にあるものであれば、任意の位置から、任意の長さのスペクトル係数情報を抜き出すようにしてもよい。例えば、スペクトル係数情報が可変長符号化されている場合には、より低域側のスペクトル係数情報を抜き出すことで、抜き出したものより高域側のスペクトル係数情報を不正に推測することをより困難にすることができる。
【0175】
また、スペクトル係数情報を抜き出す位置や、その長さを試聴フレーム毎に不規則に変えることによって、その位置や長さの推測をさらに困難なものとし、試聴データの安全性を、より向上させるようにしてもよい。
【0176】
さらに、フレームの長さは、固定であってもよいし、可変であってもよい。例えば、フレームの長さが固定である場合には、上述したようにスペクトル係数情報などをランダムに抜き出すことで、フレームの後方には、可変の空き領域が形成される。
【0177】
また、フレームの長さが可変である場合には、スペクトル情報などをランダムに抜き出し、抜き出したものに続くスペクトル係数を詰めて記述することで、フレーム長が固定である場合より、試聴データの全体のデータ量を減らすことができる。このようにフレームの長さが可変の場合、再生時に各フレームの最後の位置がわかるように、例えば、それを表すフラグなどが記述される。
【0178】
図14の説明に戻り、ステップS7において、追加フレーム生成部64は、帯域制限処理部62から入力される、トーン成分および非トーン成分の正規化係数情報、スペクトル係数情報変更部63から入力される、非トーン成分のスペクトル係数情報の一部、および、試聴フレームにおける、抜き出したスペクトル係数の位置やビット長の情報を追加フレーム用のデータとし、それらが記述される図13に示すような追加フレームを生成する。
【0179】
制御部61は、ステップS8において、それまでに処理したフレーム(ステップS2乃至S7で処理したフレーム)が、試聴データの最終フレームであるか否かを判定する。ステップS8において、処理されたフレームが最終フレームではない(No)と判定された場合、処理は、ステップS2に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0180】
一方、ステップS8において、処理されたフレームが最終フレームである(Yes)と判定された場合、ステップS9に進み、試聴データ生成部65は、試聴データのヘッダを生成し、生成したヘッダを試聴フレーム列に付加した後、得られたデータを試聴データとして配信サーバ2に出力する。
【0181】
ステップS10において、追加データ生成部66は、追加データのヘッダを生成し、生成したヘッダを追加フレーム列に付加した後、得られたデータを、試聴データに対応する追加データとして配信サーバ2に出力する。以上より、試聴データの生成処理が終了される。
【0182】
以上においては、図14を参照して、試聴データを生成する際、オリジナルデータからスペクトル係数情報を抜き出し、その抜き出した部分に、オリジナルデータに含まれる別のスペクトル係数を詰めて記述するとしたが、オリジナルデータから抜き出す情報としては、スペクトル係数情報の他に、例えば、正規化係数情報や量子化精度情報とすることも可能である。この場合、スペクトル係数を抜き出す場合と同様に、抜き出した正規化係数情報や量子化精度情報の部分に、オリジナルデータに含まれる他の正規化係数情報や量子化精度情報を記述するようにしてもよい。
【0183】
このようにして生成された試聴データは、例えば、図1のコンピュータネットワーク4介して利用者に配信されたり、店舗に備えられたMMKによって、利用者が有する各種の記録媒体に記録されるなどして配布される。試聴データを再生して、コンテンツ(オリジナルデータ)を気に入った利用者は、所定の料金をコンテンツデータの提供者に所定の方法で支払うなどして試聴データに対応する追加データを取得し、それを用いて試聴データからオリジナルデータを復元させる。これにより、利用者は、高音質なオリジナルデータを再生したり、所定の記録妹体に記録させることが可能となる。
【0184】
以上のように、オリジナルデータを試聴データと追加データに分離する処理は、コンテンツのオリジナルデータ全体に対して行い、オリジナルデータ全体を低音質化して試聴データとすることも可能であるが、例えば、利用者の購買意欲をより喚起するために、試聴データの所定時間内だけは、オリジナルデータと同様の音質で再生することができるようにしてもよい。
【0185】
この場合、試聴データ生成処理においては、その所定時間内の符号化フレーム(高音質で試聴可能にするフレーム)のオリジナルデータをダミーデータに置き換えたり、オリジナルデータの一部を抜き出したりする必要はなく、従って、追加データに真の値を記録する必要もない。
【0186】
また、試聴データの所定時間内でのみ、所定の音質で試聴可能とするようにしてもよい。
【0187】
この場合、試聴データ生成処理においては、その所定時間から外れる符号化フレームを無音とするために、そのフレームの全ての正規化係数情報をダミーデータに変更するとともに、それらの真の値を追加データに記録する必要がある。
【0188】
次に、以上のようにして生成された試聴データや追加データを処理する、図1のデータ再生装置5の構成とその動作について説明する。
【0189】
図15は、データ再生装置5の構成例を示すブロック図である。
【0190】
符号列分解部91は、試聴データに含まれる試聴フレームの入力を受け、符号列を分解して、各信号成分の符号を抽出し、得られた符号を符号列復元部93に出力する。
【0191】
制御部92は、操作入力部(不図示)に対する利用者の操作により、符号列分解部91に入力されるデータの再生等が指示されることに応じて、追加データ入力部96および符号列復元部93を制御する。
【0192】
例えば、制御部92は、試聴データからオリジナルデータを復元して高音質で再生することが指示された場合、追加データ入力部96を制御して追加データを取得し、取得した追加データを符号列復元部93に供給し、符号列復元部93において、試聴フレームを高品質化させる。
【0193】
ここで、追加データ入力部96は、追加データが暗号化されている場合、制御部92からの制御に基づいてそれを復号し、復号された追加データを追加フレーム列として制御部92に供給する。
【0194】
つまり、高音質で再生する場合、符号列復元部93は、制御部92より供給される追加フレームを使用して、符号列分解部91から供給される試聴フレームを高音質のデータである符号化フレームに復元し、復元した符号化フレームを信号成分復号部94に出力する。
【0195】
一方、試聴データからオリジナルデータを得ることなく、高音質再生を行わない場合(試聴データをそのまま再生する場合)、制御部92は、追加データ入力部96から追加データを得ることなく、符号列復元部93を制御して、試聴データの再生を行わせる。このとき、符号列復元部93は、符号列分解部91から供給される試聴データの符号化フレームをそのまま信号成分復号部94に供給する。
【0196】
信号成分復号部94は、入力された試聴データ、もしくは高音質データの符号化フレームを復号し、復号結果を逆変換部95に出力する。
【0197】
図16は、符号化フレームがトーン成分と非トーン成分に分割されて符号化されている場合に、その符号化フレームを復号する信号成分復号部94の詳細な構成例を示すブロック図である。
【0198】
フレーム分離部101は、例えば、図9および図11を用いて説明したような符号化フレームの入力を受け、それをトーン成分と非トーン成分とに分割し、トーン成分をトーン成分復号部102に、非トーン成分を非トーン成分復号部103に、それぞれ出力する。
【0199】
図17は、トーン成分復号部102の更に詳細な構成例を示すブロック図である。
【0200】
逆量子化部111は、入力された符号化データを逆量子化し、逆正規化部112に出力する。逆正規化部112は、入力されたデータを逆正規化する。すなわち、逆量子化部111および逆正規化部112により復号処理が行われて、トーン成分のスペクトル信号が出力される。
【0201】
図18は、非トーン成分復号部103の更に詳細な構成例を示すブロック図である。
【0202】
逆量子化部121は、入力された符号化データを逆量子化し、逆正規化部122に出力する。逆正規化部122は、入力されたデータを逆正規化する。すなわち、逆量子化部121および逆正規化部122により復号処理が行われて、非トーン成分のスペクトル信号が出力される。
【0203】
図16のスペクトル信号合成部104は、トーン成分復号部102および非トーン成分復号部103から出力されたスペクトル信号の入力を受け、それらの信号を合成し、入力されている信号が高音質データによるものであれば図6を用いて説明したようなスペクトル信号を生成し、試聴データによるものであれば図12を用いて説明したようなスペクトル信号を生成して、逆変換部95(図15)に出力する。
【0204】
なお、符号化データが、トーン成分と非トーン成分とに分割されて符号化されていない場合、フレーム分離部101を省略し、トーン成分復号部102、もしくは、非トーン成分復号部103のうちのいずれか一方のみを用いて、復号処理が行われるようにしても良い。
【0205】
図19は、図15の逆変換部95の更に詳細な構成例を示すブロック図である。
【0206】
信号分離部131は、入力された符号化フレームのヘッダに記述されている帯域分割数に基づいて信号を分離する。ここでは、帯域分割数が2であり、信号分離部131が、入力されたスペクトル信号を2つの帯域に分離して、逆スペクトル変換部132−1および132−2に出力するものとする。
【0207】
逆スペクトル変換部132−1および132−2は、入力されたスペクトル信号に逆スペクトル変換を施し、得られた各帯域の信号を帯域合成フィルタ133に出力する。帯域合成フィルタ133は、入力された各帯域の信号を合成して出力する。
【0208】
帯域合成フィルタ133から出力された信号(例えば、オーディオPCM信号)は、例えば、図示しないD/A(Digital/Analog)変換部でアナログ信号に変換され、スピーカから音声として再生出力される。また、帯域合成フィルタ133から出力された信号がネットワークなどを介して他の装置から出力されるようにしても良い。
【0209】
次に、図20のフローチャートを参照して、図15のデータ再生装置5が実行するデータ再生処理について説明する。
【0210】
ステップS41において、制御部92は、操作入力部からの出力に基づいて、データ再生装置5の利用者が、試聴データを高音質で再生することを指示しているか否か、すなわち、試聴データからオリジナルデータを復元し、それを再生することを指示しているか否かを判定する。
【0211】
制御部92は、ステップS41において、利用者が高音質での再生を指示している(Yes)と判定した場合、ステップS42に進み、追加データ入力部96を制御し、追加データを取得する。すなわち、追加データ入力部96は、制御部92からの制御に従って、追加データの入力を受け、追加フレーム列を制御部92に供給する。追加データは、例えば、追加データ入力部96により、コンピュータネットワーク4を介して配信サーバ2から取得される。
【0212】
一方、ステップS41において、高音質での再生が指示されていない(No)、つまり、試聴用の音質で再生することが指示されていると判定された場合、ステップS42はスキップされる。
【0213】
ステップS43において、符号列分解部91は、試聴データの試聴フレームの入力を受け、ステップS44に進み、入力された符号列を分解し、符号列復元部93に出力する。
【0214】
ステップS45において、制御部92は、ステップS41の処理と同様に、高音質での再生を行うか否かを判定し、高音質での再生を行わない(No)と判定した場合、符号列復元部93に入力された試聴フレームが、そのまま信号成分復号部94に対して出力されるように符号列復元部93を制御し、ステップS47に進む。
【0215】
一方、ステップS45において、高音質での再生を行う(Yes)と判定した場合、制御部92は、試聴フレームに対応する、ステップS42で取得した追加データを符号列復元部93に供給する。
【0216】
符号列復元部93においては、ステップS46において、制御部92から供給された追加フレームを使用して、試聴フレームからオリジナルデータの符号列フレームを復元する符号列復元処理が行われる。ここで行われる符号列復元処理の詳細については、図21のフローチャートを参照して後述する。
【0217】
ステップS47において、信号成分復号部94は、入力された符号列(試聴データ、或いは、復元されたデータ)を、トーン成分と非トーン成分とに分割し、そのそれぞれに、逆量子化および逆正規化を施すことにより復号し、復号によって生成されたスペクトル信号を合成して、逆変換部95に出力する。
【0218】
逆変換部95は、ステップS48において、入力されたスペクトル信号を、必要に応じて帯域分離し、それぞれ逆スペクトル変換した後、帯域合成して時系列信号に逆変換する。
【0219】
ステップS49において、制御部92は、再生すべき符号化フレームがあるか否か(まだ再生されていない符号化フレームがあるか否か)を判定し、再生すべき符号化フレームがある(Yes)と判定した場合、ステップS43に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。一方、ステップS49において、再生すべき符号化フレームがない(No)と判定した場合、或いは、利用者から、再生処理の停止が指示されていると判定した場合、制御部92は、再生処理を終了させる。
【0220】
逆変換部95によって逆変換されて生成された時系列信号は、D/A変換部によりアナログ信号に変換され、例えば、データ再生装置5のスピーカから再生出力されたり、或いは、ネットワークを介して他の装置から出力される。
【0221】
なお、ここでは、トーン成分と非トーン成分とが分割されて符号化されている試聴データ、もしくは、その試聴データから復元されたオリジナルデータを復号する場合について説明したが、トーン成分と非トーン成分とが分割されていない場合においても、同様にして、復元処理、および再生処理が行われる。
【0222】
次に、図21のフローチャートを参照して、図20のステップS46において実行される符号列復元処理について説明する。
【0223】
ステップS61において、符号列復元部93は、符号列分解部91から供給される試聴フレームの入力を受ける。
【0224】
このとき、制御部92は、符号列復元部93が試聴フレームを受けることに同期して、ステップS62において、その、符号列復元部93が受けた試聴フレームに対応する追加フレームを追加データ入力部96から取得し、取得した追加フレームを符号列復元部93に供給する。すなわち、符号列復元部93には、所定の試聴フレームと、それに対応する追加フレームが供給される。
【0225】
ステップS63において、符号列復元部93は、制御部92から供給された追加フレームに記述されている、トーン成分の正規化係数情報に基づいて、入力された試聴フレームのトーン成分のダミー化されている正規化係数情報を復元する。
【0226】
従って、例えば、図11の試聴フレームと、図13の追加データが符号列復元部93に供給されている場合、符号列復元部93により、トーン成分42のダミー化されている正規化係数0が、追加フレームに記述されている本来の正規化係数27に復元されるとともに、トーン成分43のダミー化された正規化係数0が、本来の正規化係数24に復元される。
【0227】
ステップS64において、符号列復元部93は、制御部92から供給された追加フレームに記述されている、非トーン成分の正規化係数情報に基づいて、入力された試聴フレームの非トーン成分の正規化係数情報を復元する。
【0228】
従って、図11の試聴フレームと、図13の追加データが符号列復元部93に供給されている場合には、量子化ユニット[13]乃至[16]のダミー化された正規化係数情報0が、追加フレームに記述されている本来の正規化係数18,12,10,8にそれぞれ復元される。
【0229】
ステップS65において、符号列復元部93は、供給された追加フレームから、非トーン成分の本来のスペクトル係数情報HC、スペクトル係数情報HCの試聴フレームにおける本来の記録位置Ad、およびビット長Rを取得する。
【0230】
なお、本来のスペクトル係数情報の記録位置が、ダミー化されている正規化係数の位置(量子化ユニットの番号)から、データ再生装置5自身が取得するようになされている場合、ここでは、本来のスペクトル係数情報の記録位置を追加フレームから取得することは行われない。
【0231】
また、符号列復元部93は、ステップS66において、ステップS65で取得した情報に基づいて、試聴フレームの位置Ad(本来のスペクトル係数情報の記録位置)からビット長Rの部分に、本来の非トーン成分のスペクトル係数情報HCを挿入する。
【0232】
この際、符号列復元部93は、試聴フレームにおいて位置Ad以降に記録されていたスペクトル係数情報を、ビット長R分だけ、その記述位置を高域側にずらすことで、全てのスペクトル係数情報を本来の位置に復元する。上述したように、スペクトル係数が抜き出された部分には、その本来の記録位置が推測できないように、抜き出されたスペクトル係数に続く、高域側のスペクトル係数が詰めて記述されている。
【0233】
以上の処理により符号列復元処理が終了され、図20のステップS47以降の処理が行われる。
【0234】
次に、試聴データおよび追加データからオリジナルデータを復元して、オリジナルデータを所定の記録媒体に記録するデータ記録装置の構成と、その動作について説明する。
【0235】
図22は、データ記録装置141の構成例を示すブロック図である。図15のデータ再生装置5の構成と対応する構成には、同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0236】
符号列分解部91は、試聴データを高音質記録すること、すなわち、試聴データからオリジナルデータを復元して記録することが利用者から要求された場合、試聴フレームの入力を受け、符号列を分解して、各信号成分の符号を抽出する。
【0237】
制御部92は、追加データ入力部96を制御して、追加データの供給を受けるとともに、適宜、その受け取った追加データを符号列復元部93に供給する。また、制御部92は、符号列復元部93を制御し、試聴フレームを高品質化させる。
【0238】
ここで、追加データ入力部96は、制御部92からの制御に基づいて、追加データが暗号化されてる場合は、それを復号したものを追加フレーム列として制御部92に供給する。
【0239】
符号列復元部93は、高音質記録する場合は、制御部92から供給される追加フレームを使用して、符号列分解部91より供給される試聴フレームを高音質データの符号化フレームに復元し、復元した符号化フレームを記録部151に出力する。
【0240】
記録部151は、符号列復元部93から供給される高音質データの符号化フレーム列に、コンテンツID等を含むコンテンツヘッダを付加して、記録媒体に記録する。記録部151は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ、あるいは、磁気テープなどの記録媒体に、所定の方法でデータを記録する。なお、記録部151は、例えば、基板などに備えられているメモリや、ハードディスクなどのように、その内部(データ記録装置141に対して着脱不可能な記録媒体)に情報を記録するものであっても構わない。
【0241】
例えば、記録部151が、光ディスクにデータを記録することが可能なものである場合、記録部151は、光ディスクに記録するために適したフォーマットにデータを変換するエンコーダ、レーザダイオードなどのレーザ光源、各種レンズ、および、偏光ビームスプリッタなどから構成される光学ユニット、光ディスクを回転駆動するスピンドルモータ、光学ユニットを光ディスクの所定のトラック位置に駆動する駆動部、並びにそれらを制御する制御部などから構成される。
【0242】
なお、記録部151に装着される記録媒体は、符号列分解部91に入力される試聴データ、あるいは、追加データ入力部96に入力される追加データが記録されていた記録媒体と同一のものであっても良い。すなわち、この場合、データ記録装置141は、ある記録媒体に記録されている試聴データを読み出し、読み出した試聴データを高音質化した後、得られたオリジナルデータを、その記録媒体に上書きするなどして記録させる。
【0243】
次に、図23のフローチャートを参照して、データ記録装置141が実行するデータ記録処理について説明する。
【0244】
ステップS81において、制御部92は、試聴データをオリジナルデータに復元して高音質記録を実行するか否かを判定し、利用者によりそのことが指示されていないため、高音質記録を実行しない(No)と判定した場合、処理を終了させる。当然、試聴データを、所定の記録媒体にそのまま記録させることができるようにしてもよい。
【0245】
一方、制御部92は、ステップS81において、高音質記録を実行する(Yes)と判定した場合、ステップS82以降の処理を実行する。
【0246】
ステップS82において、追加データ入力部96は、制御部92からの制御に従って、追加データの入力を受け、追加フレーム列を取得し、制御部92に供給する。
【0247】
ステップS83において、符号列分解部91は、試聴データの試聴フレーム(符号化フレーム)の入力を受け、ステップS84に進み、入力された符号列を分解し、それを符号列復元部93に出力する。このとき、制御部92は、追加フレーム入力部96から供給される追加フレームのうち、符号列分解部91に供給されている試聴フレームに対応する追加フレームを符号列復元部93に供給する。
【0248】
符号列復元部93は、ステップS85において、制御部92から供給された追加フレームを使用して、試聴フレームからオリジナルデータの符号化フレームを復元するための、図21のフローチャートを参照して説明した符号列復元処理を実行する。符号列復元処理により復元されたオリジナルの符号化フレームは、記録部151に出力される。
【0249】
ステップS86において、記録部151は、符号列復元部93から供給される符号列にヘッダ情報を適宜付加し、得られたデータを、装着された記録媒体に記録する。
【0250】
制御部92は、ステップS87において、高音質化して記録すべき試聴フレームのうち、まだ記録されていない符号化フレームがあるか否かを判定し、記録すべきフレームがまだある(Yes)と判定した場合、ステップS83に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。
【0251】
一方、制御部92は、ステップS87において、記録すべきフレームがない(No)、すなわち、試聴データのうち、低音質化されている部分については、それを全て高音質化してから記録したと判定した場合、処理を終了させる。
【0252】
以上の処理により、高音質なオリジナルデータが所定の記録媒体に記録される。利用者は、例えば、その記録媒体を、携帯型のオーディオプレーヤなどに装着することによっても、オリジナルデータを視聴することができる。
【0253】
以上のように、オリジナルデータに含まれる情報の一部を抜き出すとともに、残りのオリジナルデータを、本来の位置とは異なる位置に移動させて(シフトさせて)試聴データを生成することにより、試聴データから高品質なオリジナルデータを推測することを困難にし、試聴データの安全強度を向上させることができる。また、オリジナルデータから抜き出す情報を可変長符号列の一部とすることで、試聴データの安全強度をより高めることができる。
【0254】
コンテンツ提供者は、ディジタルコンテンツを配信する場合において、オリジナルデータの一部をダミー化した試聴データと、ダミーデータの真の値を含む小容量の追加データとを生成して配信することで、著作権を保護しながら、効果的なコンテンツの販売と販売促進を実施することができる。
【0255】
また、オリジナルデータを、フレーム毎に低音質化したり、無音にしたりすること、すなわち、フレーム単位での任意の部分を試聴させることができるため、利用者の購買意欲を喚起させるような、最適な試聴データを作成することが可能となる。
【0256】
さらに、試聴データの生成時に置き換えられたり、抜き出されたりしたデータの真の値(例えば、真の正規化係数情報、真のスペクトル係数情報など)が記述された追加フレームから構成される追加データを作成するようにしたので、追加データを用いて、試聴データからオリジナルデータを復元することが可能となる。
【0257】
従って、コンテンツの利用者は、試聴データを高音質で再生または記録するための追加データを購入することで、オリジナルデータを簡易に入手することができる。すなわち、利用者は、試聴データを試聴した後、オリジナルデータの全体をダウンロードする必要はない。
【0258】
以上においては、オーディオ信号によるコンテンツデータの試聴データおよび、それに対応する追加データを生成したり、試聴データと追加データから、オリジナルデータを復元して、再生、記録する処理について説明したが、本発明は、画像信号のみ、あるいは、画像信号とオーディオ信号からなるコンテンツデータの配信にも適用することが可能である。
【0259】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるが、ソフトウエアにより実行させることもできる。この場合、例えば、符号化装置1、データ再生装置5、もしくは、データ記録装置141は、図24に示されるようなパーソナルコンピュータ161により構成される。
【0260】
図24において、CPU(Central Processing Unit)171は、ROM(Read Only Memory)172に記憶されているプログラム、またはHDD(Hard Disk Drive)178からRAM(Random Access Memory)173にロードされたプログラムに従って、各種の処理を実行する。RAM173にはまた、CPU171が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0261】
CPU171、ROM172、およびRAM173は、バス174を介して相互に接続されている。このバス174にはまた、入出力インタフェース175も接続されている。
【0262】
入出力インタフェース175には、キーボード、マウスなどよりなる入力部176、ディスプレイなどよりなる出力部177、ハードディスクなどより構成される記憶部178、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部179が接続されている。通信部179は、図1のコンピュータネットワーク4を含むネットワークを介しての通信処理を行う。
【0263】
入出力インタフェース175にはまた、必要に応じてドライブ180が接続され、磁気ディスク191、光ディスク192、光磁気ディスク193、或いは半導体メモリ194などが適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じてHDD178にインストールされる。
【0264】
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0265】
この記録媒体は、図24に示されるように、装置本体とは別に、利用者にプログラムを供給するために配布される、プログラムが記憶されている磁気ディスク191(フロッピディスクを含む)、光ディスク192(CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク193(MD(Mini−Disk)を含む)、もしくは半導体メモリ194などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に供給される、プログラムが記憶されているROM172や、HDD178などで構成される。
【0266】
なお、本明細書において、記録媒体に記憶されるプログラムを記述するステップは、含む順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0267】
【発明の効果】
第1の本発明によれば、データ列を変換することができる。
【0268】
また、第1の本発明によれば、元のデータを推測することがより困難なデータを利用者に提供することができる。
【0269】
第2の本発明によれば、データ列を復元することができる。
【0270】
また、第2の本発明によれば、データ列を復元するためのデータ列を別途取得することで、提供されたデータから、オリジナルデータのデータ列を復元することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したデータ配信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の符号化装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】図2の変換部の構成例を示すブロック図である。
【図4】スペクトル信号と量子化ユニットについて説明する図である。
【図5】図2の信号成分符号化部の構成例を示すブロック図である。
【図6】トーン成分および非トーン成分について説明する図である。
【図7】図5のトーン成分符号化部の構成例を示すブロック図である。
【図8】図5の非トーン成分符号化部の構成例を示すブロック図である。
【図9】オリジナルデータのフレームのフォーマットの例を示す図である。
【図10】図2のデータ分離部の構成例を示すブロック図である。
【図11】試聴フレームのフォーマットの例を示す図である。
【図12】図11の試聴フレームに対応するスペクトル信号の例を示す図である。
【図13】追加フレームのフォーマットの例を示す図である。
【図14】試聴データ生成処理について説明するフローチャートである。
【図15】図1のデータ再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図16】図15の信号成分復号部の構成例を示すブロック図である。
【図17】図16のトーン成分復号部の構成例を示すブロック図である。
【図18】図16の非トーン成分復号部の構成例を示すブロック図である。
【図19】図15の逆変換部の構成例を示すブロック図である。
【図20】データ再生処理について説明するフローチャートである。
【図21】符号列復元処理について説明するフローチャートである。
【図22】データ記録装置の構成例を示すブロック図である。
【図23】データ記録処理について説明するフローチャートである。
【図24】パーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 符号化装置, 2 配信サーバ, 5−1乃至5−N データ再生装置,11 変換部, 12 信号成分符号化部, 13 符号列生成部, 14 データ分離部, 61 制御部, 62 帯域制限処理部62 スペクトル情報変更部, 64 追加フレーム生成部, 65 試聴データ生成部, 66 追加データ生成部

Claims (16)

  1. 第1のデータ列から所定のデータ列を生成するデータ生成方法において、
    前記第1のデータ列に含まれる第1のデータを抜き出し、その抜き出した位置に、前記第1のデータ列に含まれる第2のデータを記述することで、第2のデータ列を生成する第1の生成ステップと、
    抜き出した前記第1のデータを含み、前記第1の生成ステップの処理により生成された前記第2のデータ列から前記第1のデータ列を復元するための第3のデータ列を生成する第2の生成ステップと
    を含むことを特徴とするデータ生成方法。
  2. 抜き出した前記第1のデータの、前記第1のデータ列における記録位置、および、データ長の少なくともいずれかは、ランダムに変化する
    ことを特徴とする請求項1に記載のデータ生成方法。
  3. 前記第3のデータ列は、抜き出した前記第1のデータの、前記第1のデータ列における記録位置を表す情報、および、データ長を表す情報の少なくともいずれかを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載のデータ生成方法。
  4. 前記第1の生成ステップの処理では、前記第1のデータ列を再生して得られる出力の質より、前記第2のデータ列を再生して得られる出力の質の方が劣るように、前記第1のデータが抜き出される
    ことを特徴とする請求項1に記載のデータ生成方法。
  5. 入力されたデータを符号化する符号化ステップをさらに含み、
    前記第1の生成ステップの処理では、前記符号化ステップの処理により符号化された符号化データを前記第1のデータ列として、前記第1のデータ列から前記第1のデータが抜き出され、その抜き出された位置に、前記第1のデータ列に含まれる前記第2のデータが記述されることで、前記第2のデータ列が生成される
    ことを特徴とする請求項1に記載のデータ生成方法。
  6. 前記第1および第2のデータは、前記符号化ステップの処理による符号化の正規化係数情報、量子化精度情報の少なくともいずれかを含む
    ことを特徴とする請求項5に記載のデータ生成方法。
  7. 入力されたデータを周波数成分に変換する周波数成分変換ステップと、
    前記周波数成分変換ステップの処理により周波数成分に変換された前記データを符号化する符号化ステップと
    をさらに含み、
    前記第1の生成ステップの処理では、前記符号化ステップの処理により符号化された符号化データを前記第1のデータ列として、前記第1のデータが抜き出され、その抜き出された位置に、前記第1のデータ列に含まれる第2のデータが記述されることで、前記第2のデータ列が生成され、
    前記第1の生成ステップの処理により抜き出される前記第1のデータ、および、前記第1のデータが抜き出される位置に記述される前記第2のデータは、前記周波数成分変換ステップの処理により変換された周波数成分のスペクトル係数情報を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載のデータ生成方法。
  8. 前記第1および第2のデータは、可変長符号化されたデータを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載のデータ生成方法。
  9. 前記第2の生成ステップの処理では、さらに、前記第3のデータ列が暗号化される
    ことを特徴とする請求項1に記載のデータ生成方法。
  10. 第1のデータ列から所定のデータ列を生成するデータ生成装置において、
    前記第1のデータ列に含まれる第1のデータを抜き出し、その抜き出した位置に、前記第1のデータ列に含まれる第2のデータを記述することで、第2のデータ列を生成する第1の生成手段と、
    抜き出した前記第1のデータを含み、前記第1の生成手段により生成された前記第2のデータ列から前記第1のデータ列を復元するための第3のデータ列を生成する第2の生成手段と
    を備えることを特徴とするデータ生成装置。
  11. 第1のデータ列から所定のデータ列を生成する処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
    前記第1のデータ列に含まれる第1のデータを抜き出し、その抜き出した位置に、前記第1のデータ列に含まれる第2のデータを記述することで、第2のデータ列を生成する第1の生成ステップと、
    抜き出した前記第1のデータを含み、前記第1の生成ステップの処理により生成された前記第2のデータ列から前記第1のデータ列を復元するための第3のデータ列を生成する第2の生成ステップと
    を含むことを特徴とするプログラム。
  12. 所定のデータ列から第1のデータ列を復元するデータ復元方法において、
    第2のデータ列から前記第1のデータ列を復元するために必要な情報を含む、第3のデータ列を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップの処理により取得された前記第3のデータ列に含まれる、前記第2のデータの生成の際に前記第1のデータから抜き出された第1のデータを、その抜き出された位置に対応する前記第2のデータ列の位置に挿入し、前記第2のデータ列に含まれる第2のデータの位置を変更することで、前記第1のデータ列を復元する復元ステップと
    を含むことを特徴とするデータ復元方法。
  13. 前記復元ステップの処理により復元された前記第1のデータ列を再生する再生ステップをさらに含む
    ことを特徴とする請求項12に記載のデータ復元方法。
  14. 前記復元ステップの処理により復元された前記第1のデータ列を所定の記録媒体に記録させる記録制御ステップをさらに含む
    ことを特徴とする請求項12に記載のデータ復元方法。
  15. 所定のデータ列から第1のデータ列を復元するデータ復元装置において、
    第2のデータ列から前記第1のデータ列を復元するために必要な情報を含む、第3のデータ列を取得する取得手段と、
    前記取得手段の処理により取得された前記第3のデータ列に含まれる、前記第2のデータの生成の際に前記第1のデータから抜き出された第1のデータを、その抜き出された位置に対応する前記第2のデータ列の位置に挿入し、前記第2のデータ列に含まれる第2のデータの位置を変更することで、前記第1のデータ列を復元する復元手段と
    を備えることを特徴とするデータ復元装置。
  16. 所定のデータ列から第1のデータ列を復元する処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
    第2のデータ列から前記第1のデータ列を復元するために必要な情報を含む、第3のデータ列を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップの処理により取得された前記第3のデータ列に含まれる、前記第2のデータの生成の際に前記第1のデータから抜き出された第1のデータを、その抜き出された位置に対応する前記第2のデータ列の位置に挿入し、前記第2のデータ列に含まれる第2のデータの位置を変更することで、前記第1のデータ列を復元する復元ステップと
    を含むことを特徴とするプログラム。
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