JP2004358126A - 浴室システム - Google Patents
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Abstract
【課題】計測された心拍数を表示などする際に、面白みのある表示などをすることによってよりゲーム性をもたせた浴室システムを提供する。
【解決手段】浴槽B内に給湯を行うための給湯装置本体1と、浴室内および浴室外の適所にそれぞれ設けられ給湯装置本体1を遠隔操作するための互いに通話可能な複数のリモコン2,3と、浴槽B内の入浴者の心拍動作を検出するための心拍電極6と、この心拍電極6によって検出された心拍動作に基づいて入浴者の心拍数を計測する計測装置4とを備える浴室システムであって、ユーザの操作入力によりゲームモードに移行させるための操作部24と、操作部24によってゲームモードに移行され、複数のリモコン2,3において通話可能となったとき、計測装置4によって計測される入浴者の心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であるか否かを判別し、入浴者の心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であると判別された場合、その旨を各リモコン2,3において報知させる計測側マイコン43とを備える。
【選択図】 図6
【解決手段】浴槽B内に給湯を行うための給湯装置本体1と、浴室内および浴室外の適所にそれぞれ設けられ給湯装置本体1を遠隔操作するための互いに通話可能な複数のリモコン2,3と、浴槽B内の入浴者の心拍動作を検出するための心拍電極6と、この心拍電極6によって検出された心拍動作に基づいて入浴者の心拍数を計測する計測装置4とを備える浴室システムであって、ユーザの操作入力によりゲームモードに移行させるための操作部24と、操作部24によってゲームモードに移行され、複数のリモコン2,3において通話可能となったとき、計測装置4によって計測される入浴者の心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であるか否かを判別し、入浴者の心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であると判別された場合、その旨を各リモコン2,3において報知させる計測側マイコン43とを備える。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、入浴しながら心拍数を計測することのできる心拍数計測機能が付加された浴室システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、浴槽などに給湯を行うものとしては、給湯装置本体と、それに2芯線などによって接続された浴室リモコンや台所リモコンとを備えて構成された浴室システムがある。
【0003】
給湯装置本体は、給湯用、風呂追い焚き用および温水暖房用などの熱交換器を備える燃焼ユニットと、この燃焼ユニットを制御するマイクロコンピュータ(以下、単に「マイコン」という。)を備える制御部とが設けられている。一方、浴室リモコンや台所リモコンは、給湯装置本体の給湯運転を遠隔操作するためのものであり、操作スイッチや液晶表示器などを有する操作表示部が備えられている。浴室リモコンや台所リモコンには、給湯装置本体から2芯線などの接続線を介して電源が供給される。
【0004】
一方、入浴しているユーザの心拍数を計測するための心拍センサおよび計測装置を備えた浴室システムが提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。このような浴室システムの中には、上記計測装置に対して給湯装置本体から電源電圧が供給され、計測装置で計測した心拍数を浴室リモコンなどの操作表示部に表示するものもある。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−127591号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記浴室システムによれば、ユーザが入浴すれば、心拍センサによってユーザの心拍数を検出し、計測装置によって心拍数が計測されると、たとえば浴室リモコンの操作表示部に、計測された心拍数を表示する。あるいは、計測された心拍数に基づいて入浴者に異常を判別し、その判別結果を表示する。しかしながら、このような表示は、面白みに欠けるものであった。
【0007】
そこで、本願発明者は、入浴者の心理状態の変化が心拍数の変化に現れるということを利用して、心拍数の計測値に基づいて入浴者の心理状態の変化を算出し、その算出結果を表示または音声出力するようにすれば、より面白みのある表示などがなされ、よりゲーム性を備えた浴室システムを提供することができるのではないかと考えた。
【0008】
【発明の開示】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、計測された心拍数を表示などする際に、面白みのある表示などをすることによってよりゲーム性をもたせた浴室システムを提供することを、その課題とする。
【0009】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
本願発明の第1の側面によって提供される浴室システムは、浴槽内に給湯を行うための給湯装置と、浴室内および浴室外の適所にそれぞれ設けられ前記給湯装置を遠隔操作するための互いに通話可能な複数の遠隔操作装置とを備える浴室システムであって、槽内の入浴者の心拍動作を検出するための心拍動作検出手段と、この心拍動作検出手段によって検出された心拍動作に基づいて入浴者の心拍数を計測する心拍数計測手段と、ユーザの操作入力により第1のモードと第2のモードとを切り換えるモード切換手段と、前記モード切換手段によって前記第1のモードに切り換えられたとき、前記心拍数計測手段によって計測された心拍数を前記遠隔操作装置において報知させる第1報知制御手段と、前記モード切換手段によって前記第2のモードに切り換えられたとき、前記複数の遠隔操作装置において通話可能とされ、前記心拍計測手段によって計測される入浴者の心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であるか否かを判別する判別手段と、前記判別手段によって入浴者の心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であると判別された場合、その旨を前記複数の遠隔操作装置において報知させる第2報知制御手段とを備えることを特徴としている。ここで、「基準心拍数」とは、第2モードに移行される前に計測された入浴者の心拍数であってもよいし、予めメモリなどに登録された入浴者の平静時の心拍数であってもよい。
【0011】
上記構成によれば、モード切換手段によって第1モードに切り換えられたとき、心拍数計測手段によって計測された心拍数が遠隔操作装置において報知される。一方、モード切換手段によって第2モードに切り換えられたとき、複数の遠隔操作装置(たとえば台所リモコンと浴室リモコン)において通話が可能とされ、計測された入浴者の心拍数が基準心拍数と比べて所定量以上であるか否かが判別され、入浴者の心拍数が所定量以上である場合、その旨が報知制御手段によって報知される。そのため、本願発明では、心拍数を計測して表示する機能に加えて第2モードにおいてたとえば以下に示すうそ発見ゲームが採用可能となる。
【0012】
具体的には、第2モードに移行されたとき、浴室外(たとえば台所)にいるユーザが台所リモコンを通じて入浴者に対して質問を行い、入浴者は、その質問に対して浴室リモコンを通じて「いいえ」と返答する。このとき、入浴者は、通常、上記質問の内容に対して「いいえ」という返答が事実であれば平静さを保つことができるので、心拍数はさほど上昇しない。一方、上記質問の内容に対して「いいえ」という返答が誤り(うそ)であれば動揺して心拍数が上昇する場合が多い。そして、心拍数が基準心拍数と比べて所定量以上であるとその旨が報知されるので、台所にいるユーザおよび入浴者は、このようなうそ発見ゲームを楽しむことができる。このように、計測された心拍数を利用してゲームを実行することができ、計測された心拍数を有効活用することができる。
【0013】
また、本願発明の第2の側面によって提供される浴室システムは、浴槽内に給湯を行うための給湯装置と、浴室内および浴室外の適所にそれぞれ設けられ前記給湯装置を遠隔操作するための互いに通話可能な複数の遠隔操作装置と、浴槽内の入浴者の心拍動作を検出するための心拍動作検出手段と、この心拍動作検出手段によって検出された心拍動作に基づいて入浴者の心拍数を計測する心拍数計測手段とを備える浴室システムであって、ユーザの操作入力により特殊モードに移行させるためのモード設定手段と、前記モード設定手段によって特殊モードに移行され、前記複数の遠隔操作装置において通話可能となったとき、前記心拍計測手段によって計測される入浴者の心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であるか否かを判別する判別手段と、前記判別手段によって入浴者の心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であると判別された場合、その旨を前記複数の遠隔操作装置において報知させる報知制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0014】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
図1は、本願発明にかかる浴室システムを示す概略構成図である。図2は、この浴室システムの電気的構成を示す図である。この浴室システムは、給湯装置本体1と、これを遠隔操作するための台所リモコン2および浴室リモコン3と、入浴者の心拍数を計測するための計測装置4と、浴槽B内の湯水の水位を検出するための水位検出センサ5と、複数の心拍電極6a,6b,6c(以下、総称するときは「心拍電極6」という。)とによって概略構成されている。給湯装置本体1は、2芯線7を介して台所リモコン2、浴室リモコン3、および計測装置4を接続している。
【0017】
この浴室システムは、浴槽B内にいる入浴者の心拍数を計測するといった心拍計測機能を備えており、さらに、この心拍計測機能を利用したゲーム実行機能を備えている。ゲーム実行機能におけるゲームとしては、たとえばうそ発見ゲームが採用されており、これは、たとえば台所にいるユーザと浴槽B内にいる入浴者とが会話することにより入浴者の心拍数が変化する態様を表示または音声出力して楽しむものである。
【0018】
給湯装置本体1は、図2に示すように、たとえば住宅の屋外に設置され、給湯用、風呂追い焚き用、または温水暖房用の熱交換器、各種燃焼器、および各種バルブなど(いずれも図示せず)を含む燃焼ユニット10と、給湯装置本体1の全体動作を制御する制御部11とを備えている。
【0019】
制御部11は、たとえば電子部品が搭載されたプリント基板によって構成され、マイクロコンピュータ12(以下、「本体側マイコン12」という)、EEPROM13、および通信部14などを有している。本体側マイコン12は、給湯装置本体1の制御中枢となるものであり、図示しないROMに記憶されている運転実行プログラム、あるいは台所リモコン2、浴室リモコン3や図示しない暖房用機器などから送られる操作信号などに基づいて、各種燃焼器の燃焼状態や各種バルブの開閉を制御する。
【0020】
EEPROM13は、各種のデータを必要に応じて記憶するものである。
【0021】
通信部14は、台所リモコン2や浴室リモコン3との通信を行うためのものであり、所定の変復調方式に基づいた変復調回路によって構成されている。給湯装置本体1から台所リモコン2および浴室リモコン3に対しては、2芯線7を介して電源供給(たとえばDC15V)がされており、上記通信部14において変調されたデータ信号は、電源電圧に重畳され、この2芯線7を介して台所リモコン2または浴室リモコン3に伝達される。また、台所リモコン2および浴室リモコン3から上記2芯線7を介して伝達された操作信号としてのデータ信号は、上記通信部14において復調され、本体側マイコン12に送られる。
【0022】
台所リモコン2は、図3に示すように、たとえばキッチンの流し台近傍に設置された略直方体形状のケースを備えており、ユーザによる操作に基づいて、給湯装置本体1を遠隔操作する。台所リモコン2は、制御部21、通信部22、表示部23、および操作部24を備えている。制御部21は、マイクロコンピュータ25(以下、単に「台所側マイコン25」という)、およびEEPROM26を備えている。
【0023】
台所側マイコン25は、この台所リモコン2の制御を司るものであり、図示しないROMによって記憶されている運転実行プログラムや、ユーザによる操作部24の操作内容に基づいて、各部の動作制御やデータ処理を実行し、たとえば給湯温度、風呂湯温の設定温度、およびバーナの点火状況などを必要に応じて表示部23に表示させたり、スピーカ24e(後述)から音声にして出力させたりする。
【0024】
また、台所側マイコン25は、計測装置4によって計測された入浴者の心拍数の情報を受け取ると、それを表示部23に表示させたり、スピーカ24e(後述)から音声にして出力させたりする機能を有する。
【0025】
さらに、台所側マイコン25は、ユーザによる操作部24の操作に基づいてゲームモードに移行されると、その旨やゲームの進行に関する情報を表示部23に表示させたり、スピーカ24e(後述)から音声にして出力させたりする機能を有する。たとえば、台所側マイコン25は、計測装置4によって入浴者がうそをついたと判別されたとき、計測装置4から送られるコマンド信号に基づいて、図7に示すような「うそ」の文字が含まれる表示データを表示部23に表示させる。
【0026】
EEPROM26は、各種のデータを必要に応じて記憶するものである。たとえば、図7に示した表示画面中の「うそ」の文字およびその表示色などをデータとして記憶する。
【0027】
通信部22は、給湯装置本体1や浴室リモコン3との通信を行うためのものであり、所定の変復調方式に基づいた変復調回路によって構成されている。給湯装置本体1または浴室リモコン3から2芯線7を介して伝達されたデータ信号は、この通信部22において復調され、台所側マイコン25に送られる。また、通信部22において変調されたデータ信号は、2芯線7を介して給湯装置本体1または浴室リモコン3に伝達される。
【0028】
表示部23は、図3に示したように、たとえば多数の蛍光体をドットマトリクス状に配置した蛍光管や液晶ディスプレイ装置などからなり、台所側マイコン25からの指令により風呂湯の設定温度やバーナの点火状況などを表示する。さらに、計測装置4によって計測された入浴者の心拍数の情報を表示する。そのため、たとえば高齢者や要介護者などが入浴しているときに、その入浴者の状態を入浴者の心拍数などを通じて台所において監視することができる。
【0029】
操作部24は、ユーザによって給湯運転や暖房運転などを行うために操作されるものであって、複数のキースイッチからなる。具体的には、運転の発停を行うためのスイッチ24a、湯水の温度の設定などといった各種の設定を行うための設定スイッチ24b、ユーザの操作により自動で湯張りや保温などを行うための風呂自動スイッチ24c、台所にいる者が必要に応じて入浴者と通話するための通話スイッチ24d、並びにゲームの開始および終了を設定するためのゲームスイッチ24fなどが設けられている。なお、図3中、符号24eはスピーカを示す。ユーザによって、これらのキースイッチが操作されると、その操作信号が台所側マイコン25に送られる。
【0030】
ここで、上記ゲームスイッチ24fは、請求項1に記載の「モード切換手段」に相当し、あるいは請求項2に記載の「モード設定手段」に相当するものである。ゲームスイッチ24fは、押圧されるごとにゲームの開始および終了を設定するものであるが、ゲームが行われていない状態が請求項1に記載の「第1モード」に相当し、ゲームが行われている状態が請求項1に記載の「第2モード」および請求項2の「特殊モード」に相当する。
【0031】
また、図示しないが、台所リモコン2には、マイクロフォンが内蔵されており、たとえば通話スイッチ24dが押圧されて浴室リモコン3との通話状態が確立した状態では、このマイクロフォンを通じて台所にいるユーザの話し声が入力され、浴室リモコン3から出力されるようになっている。
【0032】
一方、浴室リモコン3は、図4に示すように、浴室内の浴槽Bの近傍などに設置された、防水機能が施されたケースを備えており、台所リモコン2と同様に、給湯装置本体1を遠隔操作する。浴室リモコン3は、図2に示すように、制御部31、通信部32、表示部33、および操作部34を備えている。制御部31は、マイクロコンピュータ35(以下、単に「浴室側マイコン35」という)、およびEEPROM36を備えている。
【0033】
浴室側マイコン35は、この浴室リモコン3の制御を司るものであり、図示しないROMによって記憶されている実行プログラムや、ユーザによる操作部34の操作内容に基づいて、各部の動作制御やデータ処理を実行し、たとえば給湯温度、風呂湯温の設定温度、およびバーナの点火状況などを必要に応じて表示部33に表示させたり、スピーカ34g(後述)から給湯運転に関する音声を出力させたりする。
【0034】
また、浴室側マイコン35は、計測装置4によって計測された入浴者の心拍数の情報を受け取ると、それを表示部33に表示させたり、スピーカ34g(後述)から心拍数に関する音声を出力させたりする機能を有する。
【0035】
さらに、浴室側マイコン35は、ゲームモードに移行されると、その旨やゲームの進行に関する情報を表示部33に表示させたり、スピーカ34g(後述)から音声にして出力させたりする機能を有する。たとえば、浴室側マイコン35は、計測装置4によって入浴者がうそをついたと判別されたとき、計測装置4から送られるコマンド信号に基づいて、図7に示すような「うそ」の文字が含まれる表示データを表示部23に表示させる。
【0036】
EEPROM36は、各種のデータを必要に応じて記憶するものである。たとえば、図7に示した表示画面中の「うそ」の文字およびその表示色などをデータとして記憶する。
【0037】
通信部32は、給湯装置本体1や台所リモコン2との通信を行うためのものであり、所定の変復調方式に基づいた変復調回路によって構成されている。給湯装置本体1または台所リモコン2から2芯線7を介して伝達されたデータ信号は、この通信部32において復調され、浴室側マイコン35に送られる。また、通信部32において変調された信号は、2芯線7を介して給湯装置本体1または台所リモコン2に伝達される。
【0038】
表示部33は、図4に示すように、たとえば多数の蛍光体をドットマトリクス状に配置した蛍光管や液晶ディスプレイ装置などからなり、台所リモコン2の表示部23と同様に、浴室側マイコン35からの指令により風呂湯の設定温度やバーナの点火状況などを表示する。さらに、計測装置4によって計測された入浴者の心拍数を表示する。
【0039】
操作部34は、ユーザによって給湯運転を入力するために操作されるものであって、複数のキースイッチからなる。具体的には、運転の発停を行うためのスイッチ34a、湯水の温度の設定などといった各種の設定を行うための設定スイッチ34b、優先スイッチ34c、ユーザが操作をすると自動で湯張りや保温などを行うための風呂自動スイッチ34d、追い焚き運転を行うための追い焚きスイッチ34e、入浴者が必要に応じて台所にいる者と通話するための通話スイッチ34f、並びにゲームの開始および終了を設定するためのゲームスイッチ34hなどが設けられている。ユーザによって、これらのキースイッチが操作されると、その操作信号が浴室側マイコン35に送られる。なお、図4中、符号34gはスピーカを示す。
【0040】
ここで、上記ゲームスイッチ34hは、台所リモコン2のゲームスイッチ24fと同様に、請求項1に記載の「モード切換手段」に相当し、あるいは請求項2に記載の「モード設定手段」に相当するものである。
【0041】
また、図示しないが、浴室リモコン3には、マイクロフォンが内蔵されており、たとえば台所リモコン2との通話状態が確立した状態では、このマイクロフォンを通じて台所にいるユーザの話し声が入力され、台所リモコン2から出力されるようになっている。
【0042】
図1および図2に戻り、計測装置4は、入浴者の心拍数を計測するためのものであり、浴室内の浴槽Bに設けられている。計測装置4は、制御部41および通信部42を備えている。制御部41は、マイクロコンピュータ43(以下、単に「計測側マイコン43」という)、EEPROM44、I/O部45、および信号処理部46を備えている。I/O部45には、水位検出センサ5が接続され、信号処理部46には、複数の心拍電極6が接続されている。
【0043】
計測側マイコン43は、この計測装置4の制御を司るものであり、図示しないROMによって記憶されている実行プログラムや水位検出センサ5および心拍電極6からの出力に基づいてデータ処理を実行する。たとえば、計測側マイコン43は、心拍電極6によって検出された心拍電圧に基づいて、入浴者の心拍数を演算によって求める。
【0044】
また、計測側マイコン43は、この浴室システムがゲームモードに移行され、台所リモコン2および浴室リモコン3において通話が可能になったとき、計測された入浴者の心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であるか否かを判別する機能を有する。そして、この心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であると判別した場合、その旨をコマンド信号にして台所リモコン2および浴室リモコン3に送る。
【0045】
この浴室システムにおいて採用されるゲームの一例としては、いわゆるうそ発見ゲームが挙げられる。これは、たとえば台所にいるユーザが入浴者に対して質問を行い、入浴者がその質問に対して必ず「いいえ」と返答するといった手順で進められる。このとき、入浴者は、通常、その質問の内容に対して「いいえ」という返答が事実であれば平静を保つことができ、心拍数はさほど上昇しないが、その質問の内容に対して「いいえ」という返答が誤り(うそ)であれば動揺して心拍数が上昇する場合が多い。計測側マイコン43は、この心拍数の上昇を、上記したアルゴリズムによって検出するようにしている。
【0046】
EEPROM44は、各種のデータを必要に応じて記憶するものである。
【0047】
通信部42は、給湯装置本体1との通信を行うためのものであり、所定の変復調方式に基づいた変復調回路によって構成されている。給湯装置本体1、台所リモコン2、または浴室リモコン3から2芯線7を介して伝達されたデータ信号は、この通信部42において復調され、計測側マイコン43に送られる。また、通信部42において変調された信号は、2芯線7を介して給湯装置本体1、台所リモコン2、または浴室リモコン3に伝達される。
【0048】
また、計測装置4は、給湯装置本体1からこの2芯線7を介して電源供給(たとえばDC15V)がされており、上記したデータ信号は、電源電圧に重畳されて送られる。
【0049】
信号処理部46は、心拍電極6によって検出された心拍信号としてのアナログ信号を所定のディジタル信号に変換して計測側マイコン43に与えるものである。より具体的には、信号処理部46は、図5に示すように、心拍電極6によって検出された心拍信号に含まれる高周波のインパルスノイズを除去するための第1フィルタ回路46aと、この第1フィルタ回路46aによって得られた心拍信号を増幅するための差動増幅回路46bと、差動増幅回路46bによって増幅された心拍信号に含まれる電源周波数より高い周波数のノイズを除去するための第2フィルタ回路46cと、この第2フィルタ回路46cによって得られた心拍信号をさらに増幅するための増幅回路46dとを有している。
【0050】
心拍電極6は、図1に示したように、浴槽B内に設けられている。詳細には、心拍電極6a,6bは、浴槽B内に溜められた湯水に浸っている入浴者の両側、すなわち浴槽Bの左右両側壁に設けられている。また、心拍電極6cは、浴槽Bの一端側側壁に設けられている。心拍電極6a,6b,6cは、浴槽Bにおいてほぼ同様の高さ位置に配置されている。この心拍電極6によって検出された心拍信号は、計測装置4の信号処理部46に送られる。
【0051】
水位検出センサ5は、たとえば浴槽Bの水頭圧と大気圧との差圧によって水位を検出するものである。そのため、受圧部の大気側は、ブリーザパイプ5a(図1参照)によって浴室外(大気)に開放されている。この水位検出センサ5によって検出された検出信号は、計測装置4に送られ処理される。
【0052】
また、このような浴槽Bの水頭圧と大気圧との差圧に基づいて水位を検出する水位検出センサ5に代えて、たとえば給湯装置本体1に設けられた圧力センサによって湯水の水位上昇を検出するようにしてもよい。すなわち、この圧力センサは、浴槽Bと給湯装置本体1とを接続する給湯配管(図示略)の一端である、給湯装置本体1側に設けられ、給湯配管内の圧力を検出することにより、浴槽B内に溜められた湯水の水位上昇を検出するものである。この圧力センサによって検出された検出信号は、計測装置4に送られ処理される。
【0053】
次に、上記の構成における作用について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0054】
まず、計測側マイコン43は、浴室内に入室したユーザが浴槽B内に入ったか否かを判別する(S1)。具体的には、計測側マイコン43は、水位検出センサ5からの検出信号を監視し、浴槽B内の湯水の水位が急激に上昇したか否かに基づいて、ユーザが浴槽B内に入ったか否かを判別する。水位検出センサ5は、水位の上昇を検出すると、その検出信号を計測側マイコン43に伝達する。計測側マイコン43は、水位検出センサ5からの検出信号を受信すると、浴槽B内の湯水の水位が急激に上昇したことにより、ユーザが浴槽B内に入ったと判別する(S1:YES)。
【0055】
次いで、計測側マイコン43は、心拍計測処理を行う(S2)。具体的には、計測装置4の信号処理部46は、心拍電極6によって検出される検出信号を取り入れて、それをアナログ−ディジタル変換した後、サンプリングし、所定のディジタル信号に変換した上で、それを計測側マイコン43に伝達する。計測側マイコン43は、信号処理部46から送られた信号に基づいて、心拍数を計測する。
【0056】
計測側マイコン43は、計測した心拍数をデータにして通信部42および2芯線7を介して台所リモコン2および浴室リモコン3に伝達する。
【0057】
浴室リモコン3は、伝達された心拍数のデータを受信すると、その値を表示部33に表示させる(S3)。また、浴室リモコン3は、心拍数のデータを音声にして操作部34のスピーカ34gから出力するようにしてもよい。入浴者は、浴室リモコン3における表示またはスピーカ34gからの音声により、自己の心拍数を把握することができる。
【0058】
一方、台所リモコン2は、伝達された心拍数のデータを受信すると、それを表示部23に表示させる。また、台所リモコン2は、心拍数のデータを音声にして操作部24のスピーカ24eから出力するようにしてもよい。台所にいる他のユーザは、台所リモコン2における表示またはスピーカ24eからの音声により、浴槽B内にいる入浴者の心拍数を把握することができる。
【0059】
次いで、台所リモコン2の台所側マイコン25は、操作部24のゲームスイッチ24fが押圧されたか否かを判別する(S4)。すなわち、台所にいるユーザは、表示部23によって入浴者の心拍数が表示されることにより、ゲームの実行が可能なことが認識でき、ゲームを行いたい場合には操作部24のゲームスイッチ24fを押圧する。これにより、台所側マイコン25は、ゲームスイッチ24fが押圧されたことを認識し、浴室リモコン3にゲームを開始する旨のコマンド信号を送る。
【0060】
浴室リモコン3は、台所リモコン2からの上記コマンド信号を受信すると、浴室側マイコン35は、表示部33にゲームを開始する旨を表示する(S5)。これにより、入浴者は、台所にいるユーザの操作入力によって、ゲームが開始されることを認識する。
【0061】
なお、この場合、入浴者が操作部34のゲームスイッチ34hを押圧することによってもゲームを開始することが可能であるが、たまたま台所にユーザがいないときもあるので、このような場合を想定して、入浴者によるゲームスイッチ34hの押圧後、台所リモコン2からの操作部24における何らかのスイッチ操作があることにより、ゲームが開始されるようにしてもよい。
【0062】
ゲームの進行例としては、たとえば次の手順が挙げられる。すなわち、台所にいるユーザは、入浴者に対して質問を行い、入浴者は、その質問に対して必ず「いいえ」と返答する。ここで、入浴者は、通常、その質問の内容に対して「いいえ」という返答が事実であれば平静を保つことができ、心拍数はさほど上昇しないが、その質問の内容に対して「いいえ」という返答が誤り(うそ)であれば動揺して心拍数が上昇する場合が多い。なお、この場合、台所にいるユーザの質問の内容としては、入浴者を特に驚かすようなものにすれば、ゲームの趣向をより高めることができる。
【0063】
浴室側マイコン35は、ゲームが開始された後、計測される入浴者の心拍数がゲーム開始前の心拍数に比べて所定量以上あるか否かの判別を行う(S6)。入浴者の心拍数が所定量以上ある場合(S6:YES)、入浴者が動揺したとして、浴室側マイコン35は、図7に示すように、表示部33に「うそ」といった文字を表示あるいは点滅表示させる(S7)。あるいは、スピーカ34gを通じてその旨を音声出力させる。
【0064】
また、浴室側マイコン35は、台所リモコン2にその旨のコマンド信号を伝達する。台所側マイコン25は、そのコマンド信号を受け取ると、浴室リモコン3と同様に、表示部23に「うそ」といった文字を表示あるいは点滅表示させる。あるいは、スピーカ24eを通じてその旨を音声出力させる。これにより、入浴者および台所にいるユーザがともに、入浴者が「うそ」をついているだろうことが把握でき、このようにしてゲームを楽しむことができる。なお、表示部33および表示部23に表示させる文字としては、「うそ」といった文字に限るものではない。
【0065】
浴室側マイコン35は、ステップS6において計測される入浴者の心拍数がゲーム開始前の心拍数に比べて所定量以上ない場合(S6:NO)、台所リモコン2に対してその旨のコマンド信号を送る。
【0066】
台所側マイコン25は、その旨のコマンド信号を受け取った場合、あるいはステップS7において「うそ」を報知した場合、所定時間経過後(S8:YES)、再度ゲームスイッチ24fが押圧されたか否かの判別を行う(S9)。台所側マイコン25は、再度ゲームスイッチ24fが押圧されたと判別した場合(S9:YES)、処理を終了する。なお、ゲームの終了は、浴室リモコン3の表示部34のゲームスイッチ34hが入浴者によって押圧されることによりなされてもよい。
【0067】
ステップS4において、ゲームスイッチ24fが所定時間経過しても(S10:YES)、押圧されない場合(S4:NO)、ゲームの実行処理は行われない。
【0068】
このように、この実施形態によれば、計測された心拍数を利用して上記したようなうそ発見ゲームを実行することができるので、計測された心拍数を有効活用することができる。
【0069】
なお、この実施形態では、ゲーム開始後に計測された心拍数とゲーム開始前の心拍数とを比較してその比較結果を表示部23などに表示などするようにしたが、これに代えて、予め入浴者の平静時の心拍数を求めEEPROM36などに記憶させておき、このEEPROM36などに記憶された心拍数と、ゲーム開始後に計測された心拍数とを比較し、その比較結果を表示部23などに表示などするようにしてもよい。
【0070】
また、この実施形態では、台所にいる者と入浴者との会話によってゲームを進行させていたが、これに代えて、入浴者と浴室側マイコン35との対話によってゲームを進行させるゲーム(たとえば一種の占いゲーム)が採用されてもよい。すなわち、浴室側マイコン35は、ゲームモードに移行すると、EEPROM36などに予め記憶された音声データとしての質問事項をスピーカ34gを通じて出力させ、その出力時に計測装置4において心拍数の変化を検出するようにして、その変化の度合いに基づく占い結果(たとえば、「体調がいいので明日は大吉)といった表示)を表示部34に表示させるようにしてもよい。
【0071】
なお、この発明の範囲は上述した実施の形態に限定されるものではない。たとえば、給湯装置本体1に接続されるリモコンの数は、上記の実施形態に限定されるものではない。また、計測装置4は、給湯装置本体1内に設けられていてもよく、あるいは浴室リモコン3などと一体的に構成されていてもよい。これにより、通信経路が省略でき、伝送エラーの発生する可能性を極力少なくすることができる。
【0072】
また、上記実施形態では、台所にいるユーザの入浴者に対する質問によって入浴者の心拍数の変化を検出するようにしたが、これに代えて、浴室側マイコン35は、ゲームモードに移行した際、たとえば浴室リモコン3のEEPROM36などに予め記憶された画像データ(入浴者がどっきりするような画像データ)を読み出して、浴室リモコン3の表示部34などに表示させ、計測装置4において、心拍数の変化を検出するようにしてもよい。
【0073】
また、台所リモコン2の表示部24および浴室リモコン3の表示部34において表示される心拍数は、図7に示した数値表示に代えて、たとえば図8に示すように、グラフ41によって表示されてもよい。すなわち、縦軸に心拍数、横軸に時間を設定し、所定時間ごとに心拍数をサンプリングして、心拍数の移り変わりがわかるように表示させる。そして、心拍数が閾値42を越えたとき、「ウソ」の表示を行うようにしてもよい。
【0074】
あるいは、図9に示すように、心拍数の変化を、左右に伸縮表示するインジケータ44によって表してもよく、インジケータ44が閾値45を越えたとき、「ウソ」の表示を行うようにしてもよい。また、これらの表示は、台所リモコン2の表示部24および浴室リモコン3の表示部34以外の表示装置によってなされてもよい。
【0075】
また、台所リモコン2の表示部24および浴室リモコン3の表示部34において表示される心拍数は、その計測値に基づいて段階的な表示がされてもよい。たとえば、浴室側マイコン35は、計測された心拍数が基準心拍数に比べ、さほど変化しない場合には、「まだまだ大丈夫」などの文字を表示させ、計測された心拍数が基準心拍数に比べ、かなり変化した場合には、「もうだめだ」などの文字を表示させるようにしてもよい。また、これらの表示は、段階的に異なる色で表示されるようにしてもよい。
【0076】
【発明の効果】
本願発明によれば、モード切換手段によって第1モードに切り換えられたとき、心拍数計測手段によって計測された心拍数が遠隔操作装置において報知される。一方、モード切換手段によって第2モードに切り換えられたとき、複数の遠隔操作装置(たとえば台所リモコンと浴室リモコン)において通話が可能とされ、計測された入浴者の心拍数が基準心拍数と比べて所定量以上であるか否かが判別され、入浴者の心拍数が所定量以上である場合、その旨が報知制御手段によって報知される。そのため、本願発明では、心拍数を計測して表示する機能に加えて第2モードにおいてたとえば以下に示すうそ発見ゲームが採用可能となる。具体的には、第2モードに移行されたとき、浴室外(たとえば台所)にいるユーザが台所リモコンを通じて入浴者に対して質問を行い、入浴者は、その質問に対して浴室リモコンを通じて「いいえ」と返答する。このとき、入浴者は、通常、上記質問の内容に対して「いいえ」という返答が事実であれば平静さを保つことができるので、心拍数はさほど上昇しない。一方、上記質問の内容に対して「いいえ」という返答が誤り(うそ)であれば動揺して心拍数が上昇する場合が多い。そして、心拍数が基準心拍数と比べて所定量以上であるとその旨が報知されるので、台所にいるユーザおよび入浴者は、このようなうそ発見ゲームを楽しむことができる。このように、計測された心拍数を利用してゲームを実行することができ、計測された心拍数を有効活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる浴室システムを示す概略構成図である。
【図2】図1の浴室システムの電気的構成を示す図である。
【図3】台所リモコンの正面図である。
【図4】浴室リモコンの正面図である。
【図5】信号処理部の内部構成を示す図である。
【図6】本浴室システムの動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図7】表示部における表示例を示す図である。
【図8】表示部における表示例を示す図である。
【図9】表示部における表示例を示す図である。
【符号の説明】
1 給湯装置本体
2 台所リモコン
3 浴室リモコン
4 計測装置
5 水位検出センサ
6 心拍電極
12 本体側マイコン
25 台所側マイコン
35 浴室側マイコン
43 計測側マイコン
【発明の属する技術分野】
本願発明は、入浴しながら心拍数を計測することのできる心拍数計測機能が付加された浴室システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、浴槽などに給湯を行うものとしては、給湯装置本体と、それに2芯線などによって接続された浴室リモコンや台所リモコンとを備えて構成された浴室システムがある。
【0003】
給湯装置本体は、給湯用、風呂追い焚き用および温水暖房用などの熱交換器を備える燃焼ユニットと、この燃焼ユニットを制御するマイクロコンピュータ(以下、単に「マイコン」という。)を備える制御部とが設けられている。一方、浴室リモコンや台所リモコンは、給湯装置本体の給湯運転を遠隔操作するためのものであり、操作スイッチや液晶表示器などを有する操作表示部が備えられている。浴室リモコンや台所リモコンには、給湯装置本体から2芯線などの接続線を介して電源が供給される。
【0004】
一方、入浴しているユーザの心拍数を計測するための心拍センサおよび計測装置を備えた浴室システムが提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。このような浴室システムの中には、上記計測装置に対して給湯装置本体から電源電圧が供給され、計測装置で計測した心拍数を浴室リモコンなどの操作表示部に表示するものもある。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−127591号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記浴室システムによれば、ユーザが入浴すれば、心拍センサによってユーザの心拍数を検出し、計測装置によって心拍数が計測されると、たとえば浴室リモコンの操作表示部に、計測された心拍数を表示する。あるいは、計測された心拍数に基づいて入浴者に異常を判別し、その判別結果を表示する。しかしながら、このような表示は、面白みに欠けるものであった。
【0007】
そこで、本願発明者は、入浴者の心理状態の変化が心拍数の変化に現れるということを利用して、心拍数の計測値に基づいて入浴者の心理状態の変化を算出し、その算出結果を表示または音声出力するようにすれば、より面白みのある表示などがなされ、よりゲーム性を備えた浴室システムを提供することができるのではないかと考えた。
【0008】
【発明の開示】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、計測された心拍数を表示などする際に、面白みのある表示などをすることによってよりゲーム性をもたせた浴室システムを提供することを、その課題とする。
【0009】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
本願発明の第1の側面によって提供される浴室システムは、浴槽内に給湯を行うための給湯装置と、浴室内および浴室外の適所にそれぞれ設けられ前記給湯装置を遠隔操作するための互いに通話可能な複数の遠隔操作装置とを備える浴室システムであって、槽内の入浴者の心拍動作を検出するための心拍動作検出手段と、この心拍動作検出手段によって検出された心拍動作に基づいて入浴者の心拍数を計測する心拍数計測手段と、ユーザの操作入力により第1のモードと第2のモードとを切り換えるモード切換手段と、前記モード切換手段によって前記第1のモードに切り換えられたとき、前記心拍数計測手段によって計測された心拍数を前記遠隔操作装置において報知させる第1報知制御手段と、前記モード切換手段によって前記第2のモードに切り換えられたとき、前記複数の遠隔操作装置において通話可能とされ、前記心拍計測手段によって計測される入浴者の心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であるか否かを判別する判別手段と、前記判別手段によって入浴者の心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であると判別された場合、その旨を前記複数の遠隔操作装置において報知させる第2報知制御手段とを備えることを特徴としている。ここで、「基準心拍数」とは、第2モードに移行される前に計測された入浴者の心拍数であってもよいし、予めメモリなどに登録された入浴者の平静時の心拍数であってもよい。
【0011】
上記構成によれば、モード切換手段によって第1モードに切り換えられたとき、心拍数計測手段によって計測された心拍数が遠隔操作装置において報知される。一方、モード切換手段によって第2モードに切り換えられたとき、複数の遠隔操作装置(たとえば台所リモコンと浴室リモコン)において通話が可能とされ、計測された入浴者の心拍数が基準心拍数と比べて所定量以上であるか否かが判別され、入浴者の心拍数が所定量以上である場合、その旨が報知制御手段によって報知される。そのため、本願発明では、心拍数を計測して表示する機能に加えて第2モードにおいてたとえば以下に示すうそ発見ゲームが採用可能となる。
【0012】
具体的には、第2モードに移行されたとき、浴室外(たとえば台所)にいるユーザが台所リモコンを通じて入浴者に対して質問を行い、入浴者は、その質問に対して浴室リモコンを通じて「いいえ」と返答する。このとき、入浴者は、通常、上記質問の内容に対して「いいえ」という返答が事実であれば平静さを保つことができるので、心拍数はさほど上昇しない。一方、上記質問の内容に対して「いいえ」という返答が誤り(うそ)であれば動揺して心拍数が上昇する場合が多い。そして、心拍数が基準心拍数と比べて所定量以上であるとその旨が報知されるので、台所にいるユーザおよび入浴者は、このようなうそ発見ゲームを楽しむことができる。このように、計測された心拍数を利用してゲームを実行することができ、計測された心拍数を有効活用することができる。
【0013】
また、本願発明の第2の側面によって提供される浴室システムは、浴槽内に給湯を行うための給湯装置と、浴室内および浴室外の適所にそれぞれ設けられ前記給湯装置を遠隔操作するための互いに通話可能な複数の遠隔操作装置と、浴槽内の入浴者の心拍動作を検出するための心拍動作検出手段と、この心拍動作検出手段によって検出された心拍動作に基づいて入浴者の心拍数を計測する心拍数計測手段とを備える浴室システムであって、ユーザの操作入力により特殊モードに移行させるためのモード設定手段と、前記モード設定手段によって特殊モードに移行され、前記複数の遠隔操作装置において通話可能となったとき、前記心拍計測手段によって計測される入浴者の心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であるか否かを判別する判別手段と、前記判別手段によって入浴者の心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であると判別された場合、その旨を前記複数の遠隔操作装置において報知させる報知制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0014】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
図1は、本願発明にかかる浴室システムを示す概略構成図である。図2は、この浴室システムの電気的構成を示す図である。この浴室システムは、給湯装置本体1と、これを遠隔操作するための台所リモコン2および浴室リモコン3と、入浴者の心拍数を計測するための計測装置4と、浴槽B内の湯水の水位を検出するための水位検出センサ5と、複数の心拍電極6a,6b,6c(以下、総称するときは「心拍電極6」という。)とによって概略構成されている。給湯装置本体1は、2芯線7を介して台所リモコン2、浴室リモコン3、および計測装置4を接続している。
【0017】
この浴室システムは、浴槽B内にいる入浴者の心拍数を計測するといった心拍計測機能を備えており、さらに、この心拍計測機能を利用したゲーム実行機能を備えている。ゲーム実行機能におけるゲームとしては、たとえばうそ発見ゲームが採用されており、これは、たとえば台所にいるユーザと浴槽B内にいる入浴者とが会話することにより入浴者の心拍数が変化する態様を表示または音声出力して楽しむものである。
【0018】
給湯装置本体1は、図2に示すように、たとえば住宅の屋外に設置され、給湯用、風呂追い焚き用、または温水暖房用の熱交換器、各種燃焼器、および各種バルブなど(いずれも図示せず)を含む燃焼ユニット10と、給湯装置本体1の全体動作を制御する制御部11とを備えている。
【0019】
制御部11は、たとえば電子部品が搭載されたプリント基板によって構成され、マイクロコンピュータ12(以下、「本体側マイコン12」という)、EEPROM13、および通信部14などを有している。本体側マイコン12は、給湯装置本体1の制御中枢となるものであり、図示しないROMに記憶されている運転実行プログラム、あるいは台所リモコン2、浴室リモコン3や図示しない暖房用機器などから送られる操作信号などに基づいて、各種燃焼器の燃焼状態や各種バルブの開閉を制御する。
【0020】
EEPROM13は、各種のデータを必要に応じて記憶するものである。
【0021】
通信部14は、台所リモコン2や浴室リモコン3との通信を行うためのものであり、所定の変復調方式に基づいた変復調回路によって構成されている。給湯装置本体1から台所リモコン2および浴室リモコン3に対しては、2芯線7を介して電源供給(たとえばDC15V)がされており、上記通信部14において変調されたデータ信号は、電源電圧に重畳され、この2芯線7を介して台所リモコン2または浴室リモコン3に伝達される。また、台所リモコン2および浴室リモコン3から上記2芯線7を介して伝達された操作信号としてのデータ信号は、上記通信部14において復調され、本体側マイコン12に送られる。
【0022】
台所リモコン2は、図3に示すように、たとえばキッチンの流し台近傍に設置された略直方体形状のケースを備えており、ユーザによる操作に基づいて、給湯装置本体1を遠隔操作する。台所リモコン2は、制御部21、通信部22、表示部23、および操作部24を備えている。制御部21は、マイクロコンピュータ25(以下、単に「台所側マイコン25」という)、およびEEPROM26を備えている。
【0023】
台所側マイコン25は、この台所リモコン2の制御を司るものであり、図示しないROMによって記憶されている運転実行プログラムや、ユーザによる操作部24の操作内容に基づいて、各部の動作制御やデータ処理を実行し、たとえば給湯温度、風呂湯温の設定温度、およびバーナの点火状況などを必要に応じて表示部23に表示させたり、スピーカ24e(後述)から音声にして出力させたりする。
【0024】
また、台所側マイコン25は、計測装置4によって計測された入浴者の心拍数の情報を受け取ると、それを表示部23に表示させたり、スピーカ24e(後述)から音声にして出力させたりする機能を有する。
【0025】
さらに、台所側マイコン25は、ユーザによる操作部24の操作に基づいてゲームモードに移行されると、その旨やゲームの進行に関する情報を表示部23に表示させたり、スピーカ24e(後述)から音声にして出力させたりする機能を有する。たとえば、台所側マイコン25は、計測装置4によって入浴者がうそをついたと判別されたとき、計測装置4から送られるコマンド信号に基づいて、図7に示すような「うそ」の文字が含まれる表示データを表示部23に表示させる。
【0026】
EEPROM26は、各種のデータを必要に応じて記憶するものである。たとえば、図7に示した表示画面中の「うそ」の文字およびその表示色などをデータとして記憶する。
【0027】
通信部22は、給湯装置本体1や浴室リモコン3との通信を行うためのものであり、所定の変復調方式に基づいた変復調回路によって構成されている。給湯装置本体1または浴室リモコン3から2芯線7を介して伝達されたデータ信号は、この通信部22において復調され、台所側マイコン25に送られる。また、通信部22において変調されたデータ信号は、2芯線7を介して給湯装置本体1または浴室リモコン3に伝達される。
【0028】
表示部23は、図3に示したように、たとえば多数の蛍光体をドットマトリクス状に配置した蛍光管や液晶ディスプレイ装置などからなり、台所側マイコン25からの指令により風呂湯の設定温度やバーナの点火状況などを表示する。さらに、計測装置4によって計測された入浴者の心拍数の情報を表示する。そのため、たとえば高齢者や要介護者などが入浴しているときに、その入浴者の状態を入浴者の心拍数などを通じて台所において監視することができる。
【0029】
操作部24は、ユーザによって給湯運転や暖房運転などを行うために操作されるものであって、複数のキースイッチからなる。具体的には、運転の発停を行うためのスイッチ24a、湯水の温度の設定などといった各種の設定を行うための設定スイッチ24b、ユーザの操作により自動で湯張りや保温などを行うための風呂自動スイッチ24c、台所にいる者が必要に応じて入浴者と通話するための通話スイッチ24d、並びにゲームの開始および終了を設定するためのゲームスイッチ24fなどが設けられている。なお、図3中、符号24eはスピーカを示す。ユーザによって、これらのキースイッチが操作されると、その操作信号が台所側マイコン25に送られる。
【0030】
ここで、上記ゲームスイッチ24fは、請求項1に記載の「モード切換手段」に相当し、あるいは請求項2に記載の「モード設定手段」に相当するものである。ゲームスイッチ24fは、押圧されるごとにゲームの開始および終了を設定するものであるが、ゲームが行われていない状態が請求項1に記載の「第1モード」に相当し、ゲームが行われている状態が請求項1に記載の「第2モード」および請求項2の「特殊モード」に相当する。
【0031】
また、図示しないが、台所リモコン2には、マイクロフォンが内蔵されており、たとえば通話スイッチ24dが押圧されて浴室リモコン3との通話状態が確立した状態では、このマイクロフォンを通じて台所にいるユーザの話し声が入力され、浴室リモコン3から出力されるようになっている。
【0032】
一方、浴室リモコン3は、図4に示すように、浴室内の浴槽Bの近傍などに設置された、防水機能が施されたケースを備えており、台所リモコン2と同様に、給湯装置本体1を遠隔操作する。浴室リモコン3は、図2に示すように、制御部31、通信部32、表示部33、および操作部34を備えている。制御部31は、マイクロコンピュータ35(以下、単に「浴室側マイコン35」という)、およびEEPROM36を備えている。
【0033】
浴室側マイコン35は、この浴室リモコン3の制御を司るものであり、図示しないROMによって記憶されている実行プログラムや、ユーザによる操作部34の操作内容に基づいて、各部の動作制御やデータ処理を実行し、たとえば給湯温度、風呂湯温の設定温度、およびバーナの点火状況などを必要に応じて表示部33に表示させたり、スピーカ34g(後述)から給湯運転に関する音声を出力させたりする。
【0034】
また、浴室側マイコン35は、計測装置4によって計測された入浴者の心拍数の情報を受け取ると、それを表示部33に表示させたり、スピーカ34g(後述)から心拍数に関する音声を出力させたりする機能を有する。
【0035】
さらに、浴室側マイコン35は、ゲームモードに移行されると、その旨やゲームの進行に関する情報を表示部33に表示させたり、スピーカ34g(後述)から音声にして出力させたりする機能を有する。たとえば、浴室側マイコン35は、計測装置4によって入浴者がうそをついたと判別されたとき、計測装置4から送られるコマンド信号に基づいて、図7に示すような「うそ」の文字が含まれる表示データを表示部23に表示させる。
【0036】
EEPROM36は、各種のデータを必要に応じて記憶するものである。たとえば、図7に示した表示画面中の「うそ」の文字およびその表示色などをデータとして記憶する。
【0037】
通信部32は、給湯装置本体1や台所リモコン2との通信を行うためのものであり、所定の変復調方式に基づいた変復調回路によって構成されている。給湯装置本体1または台所リモコン2から2芯線7を介して伝達されたデータ信号は、この通信部32において復調され、浴室側マイコン35に送られる。また、通信部32において変調された信号は、2芯線7を介して給湯装置本体1または台所リモコン2に伝達される。
【0038】
表示部33は、図4に示すように、たとえば多数の蛍光体をドットマトリクス状に配置した蛍光管や液晶ディスプレイ装置などからなり、台所リモコン2の表示部23と同様に、浴室側マイコン35からの指令により風呂湯の設定温度やバーナの点火状況などを表示する。さらに、計測装置4によって計測された入浴者の心拍数を表示する。
【0039】
操作部34は、ユーザによって給湯運転を入力するために操作されるものであって、複数のキースイッチからなる。具体的には、運転の発停を行うためのスイッチ34a、湯水の温度の設定などといった各種の設定を行うための設定スイッチ34b、優先スイッチ34c、ユーザが操作をすると自動で湯張りや保温などを行うための風呂自動スイッチ34d、追い焚き運転を行うための追い焚きスイッチ34e、入浴者が必要に応じて台所にいる者と通話するための通話スイッチ34f、並びにゲームの開始および終了を設定するためのゲームスイッチ34hなどが設けられている。ユーザによって、これらのキースイッチが操作されると、その操作信号が浴室側マイコン35に送られる。なお、図4中、符号34gはスピーカを示す。
【0040】
ここで、上記ゲームスイッチ34hは、台所リモコン2のゲームスイッチ24fと同様に、請求項1に記載の「モード切換手段」に相当し、あるいは請求項2に記載の「モード設定手段」に相当するものである。
【0041】
また、図示しないが、浴室リモコン3には、マイクロフォンが内蔵されており、たとえば台所リモコン2との通話状態が確立した状態では、このマイクロフォンを通じて台所にいるユーザの話し声が入力され、台所リモコン2から出力されるようになっている。
【0042】
図1および図2に戻り、計測装置4は、入浴者の心拍数を計測するためのものであり、浴室内の浴槽Bに設けられている。計測装置4は、制御部41および通信部42を備えている。制御部41は、マイクロコンピュータ43(以下、単に「計測側マイコン43」という)、EEPROM44、I/O部45、および信号処理部46を備えている。I/O部45には、水位検出センサ5が接続され、信号処理部46には、複数の心拍電極6が接続されている。
【0043】
計測側マイコン43は、この計測装置4の制御を司るものであり、図示しないROMによって記憶されている実行プログラムや水位検出センサ5および心拍電極6からの出力に基づいてデータ処理を実行する。たとえば、計測側マイコン43は、心拍電極6によって検出された心拍電圧に基づいて、入浴者の心拍数を演算によって求める。
【0044】
また、計測側マイコン43は、この浴室システムがゲームモードに移行され、台所リモコン2および浴室リモコン3において通話が可能になったとき、計測された入浴者の心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であるか否かを判別する機能を有する。そして、この心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であると判別した場合、その旨をコマンド信号にして台所リモコン2および浴室リモコン3に送る。
【0045】
この浴室システムにおいて採用されるゲームの一例としては、いわゆるうそ発見ゲームが挙げられる。これは、たとえば台所にいるユーザが入浴者に対して質問を行い、入浴者がその質問に対して必ず「いいえ」と返答するといった手順で進められる。このとき、入浴者は、通常、その質問の内容に対して「いいえ」という返答が事実であれば平静を保つことができ、心拍数はさほど上昇しないが、その質問の内容に対して「いいえ」という返答が誤り(うそ)であれば動揺して心拍数が上昇する場合が多い。計測側マイコン43は、この心拍数の上昇を、上記したアルゴリズムによって検出するようにしている。
【0046】
EEPROM44は、各種のデータを必要に応じて記憶するものである。
【0047】
通信部42は、給湯装置本体1との通信を行うためのものであり、所定の変復調方式に基づいた変復調回路によって構成されている。給湯装置本体1、台所リモコン2、または浴室リモコン3から2芯線7を介して伝達されたデータ信号は、この通信部42において復調され、計測側マイコン43に送られる。また、通信部42において変調された信号は、2芯線7を介して給湯装置本体1、台所リモコン2、または浴室リモコン3に伝達される。
【0048】
また、計測装置4は、給湯装置本体1からこの2芯線7を介して電源供給(たとえばDC15V)がされており、上記したデータ信号は、電源電圧に重畳されて送られる。
【0049】
信号処理部46は、心拍電極6によって検出された心拍信号としてのアナログ信号を所定のディジタル信号に変換して計測側マイコン43に与えるものである。より具体的には、信号処理部46は、図5に示すように、心拍電極6によって検出された心拍信号に含まれる高周波のインパルスノイズを除去するための第1フィルタ回路46aと、この第1フィルタ回路46aによって得られた心拍信号を増幅するための差動増幅回路46bと、差動増幅回路46bによって増幅された心拍信号に含まれる電源周波数より高い周波数のノイズを除去するための第2フィルタ回路46cと、この第2フィルタ回路46cによって得られた心拍信号をさらに増幅するための増幅回路46dとを有している。
【0050】
心拍電極6は、図1に示したように、浴槽B内に設けられている。詳細には、心拍電極6a,6bは、浴槽B内に溜められた湯水に浸っている入浴者の両側、すなわち浴槽Bの左右両側壁に設けられている。また、心拍電極6cは、浴槽Bの一端側側壁に設けられている。心拍電極6a,6b,6cは、浴槽Bにおいてほぼ同様の高さ位置に配置されている。この心拍電極6によって検出された心拍信号は、計測装置4の信号処理部46に送られる。
【0051】
水位検出センサ5は、たとえば浴槽Bの水頭圧と大気圧との差圧によって水位を検出するものである。そのため、受圧部の大気側は、ブリーザパイプ5a(図1参照)によって浴室外(大気)に開放されている。この水位検出センサ5によって検出された検出信号は、計測装置4に送られ処理される。
【0052】
また、このような浴槽Bの水頭圧と大気圧との差圧に基づいて水位を検出する水位検出センサ5に代えて、たとえば給湯装置本体1に設けられた圧力センサによって湯水の水位上昇を検出するようにしてもよい。すなわち、この圧力センサは、浴槽Bと給湯装置本体1とを接続する給湯配管(図示略)の一端である、給湯装置本体1側に設けられ、給湯配管内の圧力を検出することにより、浴槽B内に溜められた湯水の水位上昇を検出するものである。この圧力センサによって検出された検出信号は、計測装置4に送られ処理される。
【0053】
次に、上記の構成における作用について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0054】
まず、計測側マイコン43は、浴室内に入室したユーザが浴槽B内に入ったか否かを判別する(S1)。具体的には、計測側マイコン43は、水位検出センサ5からの検出信号を監視し、浴槽B内の湯水の水位が急激に上昇したか否かに基づいて、ユーザが浴槽B内に入ったか否かを判別する。水位検出センサ5は、水位の上昇を検出すると、その検出信号を計測側マイコン43に伝達する。計測側マイコン43は、水位検出センサ5からの検出信号を受信すると、浴槽B内の湯水の水位が急激に上昇したことにより、ユーザが浴槽B内に入ったと判別する(S1:YES)。
【0055】
次いで、計測側マイコン43は、心拍計測処理を行う(S2)。具体的には、計測装置4の信号処理部46は、心拍電極6によって検出される検出信号を取り入れて、それをアナログ−ディジタル変換した後、サンプリングし、所定のディジタル信号に変換した上で、それを計測側マイコン43に伝達する。計測側マイコン43は、信号処理部46から送られた信号に基づいて、心拍数を計測する。
【0056】
計測側マイコン43は、計測した心拍数をデータにして通信部42および2芯線7を介して台所リモコン2および浴室リモコン3に伝達する。
【0057】
浴室リモコン3は、伝達された心拍数のデータを受信すると、その値を表示部33に表示させる(S3)。また、浴室リモコン3は、心拍数のデータを音声にして操作部34のスピーカ34gから出力するようにしてもよい。入浴者は、浴室リモコン3における表示またはスピーカ34gからの音声により、自己の心拍数を把握することができる。
【0058】
一方、台所リモコン2は、伝達された心拍数のデータを受信すると、それを表示部23に表示させる。また、台所リモコン2は、心拍数のデータを音声にして操作部24のスピーカ24eから出力するようにしてもよい。台所にいる他のユーザは、台所リモコン2における表示またはスピーカ24eからの音声により、浴槽B内にいる入浴者の心拍数を把握することができる。
【0059】
次いで、台所リモコン2の台所側マイコン25は、操作部24のゲームスイッチ24fが押圧されたか否かを判別する(S4)。すなわち、台所にいるユーザは、表示部23によって入浴者の心拍数が表示されることにより、ゲームの実行が可能なことが認識でき、ゲームを行いたい場合には操作部24のゲームスイッチ24fを押圧する。これにより、台所側マイコン25は、ゲームスイッチ24fが押圧されたことを認識し、浴室リモコン3にゲームを開始する旨のコマンド信号を送る。
【0060】
浴室リモコン3は、台所リモコン2からの上記コマンド信号を受信すると、浴室側マイコン35は、表示部33にゲームを開始する旨を表示する(S5)。これにより、入浴者は、台所にいるユーザの操作入力によって、ゲームが開始されることを認識する。
【0061】
なお、この場合、入浴者が操作部34のゲームスイッチ34hを押圧することによってもゲームを開始することが可能であるが、たまたま台所にユーザがいないときもあるので、このような場合を想定して、入浴者によるゲームスイッチ34hの押圧後、台所リモコン2からの操作部24における何らかのスイッチ操作があることにより、ゲームが開始されるようにしてもよい。
【0062】
ゲームの進行例としては、たとえば次の手順が挙げられる。すなわち、台所にいるユーザは、入浴者に対して質問を行い、入浴者は、その質問に対して必ず「いいえ」と返答する。ここで、入浴者は、通常、その質問の内容に対して「いいえ」という返答が事実であれば平静を保つことができ、心拍数はさほど上昇しないが、その質問の内容に対して「いいえ」という返答が誤り(うそ)であれば動揺して心拍数が上昇する場合が多い。なお、この場合、台所にいるユーザの質問の内容としては、入浴者を特に驚かすようなものにすれば、ゲームの趣向をより高めることができる。
【0063】
浴室側マイコン35は、ゲームが開始された後、計測される入浴者の心拍数がゲーム開始前の心拍数に比べて所定量以上あるか否かの判別を行う(S6)。入浴者の心拍数が所定量以上ある場合(S6:YES)、入浴者が動揺したとして、浴室側マイコン35は、図7に示すように、表示部33に「うそ」といった文字を表示あるいは点滅表示させる(S7)。あるいは、スピーカ34gを通じてその旨を音声出力させる。
【0064】
また、浴室側マイコン35は、台所リモコン2にその旨のコマンド信号を伝達する。台所側マイコン25は、そのコマンド信号を受け取ると、浴室リモコン3と同様に、表示部23に「うそ」といった文字を表示あるいは点滅表示させる。あるいは、スピーカ24eを通じてその旨を音声出力させる。これにより、入浴者および台所にいるユーザがともに、入浴者が「うそ」をついているだろうことが把握でき、このようにしてゲームを楽しむことができる。なお、表示部33および表示部23に表示させる文字としては、「うそ」といった文字に限るものではない。
【0065】
浴室側マイコン35は、ステップS6において計測される入浴者の心拍数がゲーム開始前の心拍数に比べて所定量以上ない場合(S6:NO)、台所リモコン2に対してその旨のコマンド信号を送る。
【0066】
台所側マイコン25は、その旨のコマンド信号を受け取った場合、あるいはステップS7において「うそ」を報知した場合、所定時間経過後(S8:YES)、再度ゲームスイッチ24fが押圧されたか否かの判別を行う(S9)。台所側マイコン25は、再度ゲームスイッチ24fが押圧されたと判別した場合(S9:YES)、処理を終了する。なお、ゲームの終了は、浴室リモコン3の表示部34のゲームスイッチ34hが入浴者によって押圧されることによりなされてもよい。
【0067】
ステップS4において、ゲームスイッチ24fが所定時間経過しても(S10:YES)、押圧されない場合(S4:NO)、ゲームの実行処理は行われない。
【0068】
このように、この実施形態によれば、計測された心拍数を利用して上記したようなうそ発見ゲームを実行することができるので、計測された心拍数を有効活用することができる。
【0069】
なお、この実施形態では、ゲーム開始後に計測された心拍数とゲーム開始前の心拍数とを比較してその比較結果を表示部23などに表示などするようにしたが、これに代えて、予め入浴者の平静時の心拍数を求めEEPROM36などに記憶させておき、このEEPROM36などに記憶された心拍数と、ゲーム開始後に計測された心拍数とを比較し、その比較結果を表示部23などに表示などするようにしてもよい。
【0070】
また、この実施形態では、台所にいる者と入浴者との会話によってゲームを進行させていたが、これに代えて、入浴者と浴室側マイコン35との対話によってゲームを進行させるゲーム(たとえば一種の占いゲーム)が採用されてもよい。すなわち、浴室側マイコン35は、ゲームモードに移行すると、EEPROM36などに予め記憶された音声データとしての質問事項をスピーカ34gを通じて出力させ、その出力時に計測装置4において心拍数の変化を検出するようにして、その変化の度合いに基づく占い結果(たとえば、「体調がいいので明日は大吉)といった表示)を表示部34に表示させるようにしてもよい。
【0071】
なお、この発明の範囲は上述した実施の形態に限定されるものではない。たとえば、給湯装置本体1に接続されるリモコンの数は、上記の実施形態に限定されるものではない。また、計測装置4は、給湯装置本体1内に設けられていてもよく、あるいは浴室リモコン3などと一体的に構成されていてもよい。これにより、通信経路が省略でき、伝送エラーの発生する可能性を極力少なくすることができる。
【0072】
また、上記実施形態では、台所にいるユーザの入浴者に対する質問によって入浴者の心拍数の変化を検出するようにしたが、これに代えて、浴室側マイコン35は、ゲームモードに移行した際、たとえば浴室リモコン3のEEPROM36などに予め記憶された画像データ(入浴者がどっきりするような画像データ)を読み出して、浴室リモコン3の表示部34などに表示させ、計測装置4において、心拍数の変化を検出するようにしてもよい。
【0073】
また、台所リモコン2の表示部24および浴室リモコン3の表示部34において表示される心拍数は、図7に示した数値表示に代えて、たとえば図8に示すように、グラフ41によって表示されてもよい。すなわち、縦軸に心拍数、横軸に時間を設定し、所定時間ごとに心拍数をサンプリングして、心拍数の移り変わりがわかるように表示させる。そして、心拍数が閾値42を越えたとき、「ウソ」の表示を行うようにしてもよい。
【0074】
あるいは、図9に示すように、心拍数の変化を、左右に伸縮表示するインジケータ44によって表してもよく、インジケータ44が閾値45を越えたとき、「ウソ」の表示を行うようにしてもよい。また、これらの表示は、台所リモコン2の表示部24および浴室リモコン3の表示部34以外の表示装置によってなされてもよい。
【0075】
また、台所リモコン2の表示部24および浴室リモコン3の表示部34において表示される心拍数は、その計測値に基づいて段階的な表示がされてもよい。たとえば、浴室側マイコン35は、計測された心拍数が基準心拍数に比べ、さほど変化しない場合には、「まだまだ大丈夫」などの文字を表示させ、計測された心拍数が基準心拍数に比べ、かなり変化した場合には、「もうだめだ」などの文字を表示させるようにしてもよい。また、これらの表示は、段階的に異なる色で表示されるようにしてもよい。
【0076】
【発明の効果】
本願発明によれば、モード切換手段によって第1モードに切り換えられたとき、心拍数計測手段によって計測された心拍数が遠隔操作装置において報知される。一方、モード切換手段によって第2モードに切り換えられたとき、複数の遠隔操作装置(たとえば台所リモコンと浴室リモコン)において通話が可能とされ、計測された入浴者の心拍数が基準心拍数と比べて所定量以上であるか否かが判別され、入浴者の心拍数が所定量以上である場合、その旨が報知制御手段によって報知される。そのため、本願発明では、心拍数を計測して表示する機能に加えて第2モードにおいてたとえば以下に示すうそ発見ゲームが採用可能となる。具体的には、第2モードに移行されたとき、浴室外(たとえば台所)にいるユーザが台所リモコンを通じて入浴者に対して質問を行い、入浴者は、その質問に対して浴室リモコンを通じて「いいえ」と返答する。このとき、入浴者は、通常、上記質問の内容に対して「いいえ」という返答が事実であれば平静さを保つことができるので、心拍数はさほど上昇しない。一方、上記質問の内容に対して「いいえ」という返答が誤り(うそ)であれば動揺して心拍数が上昇する場合が多い。そして、心拍数が基準心拍数と比べて所定量以上であるとその旨が報知されるので、台所にいるユーザおよび入浴者は、このようなうそ発見ゲームを楽しむことができる。このように、計測された心拍数を利用してゲームを実行することができ、計測された心拍数を有効活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる浴室システムを示す概略構成図である。
【図2】図1の浴室システムの電気的構成を示す図である。
【図3】台所リモコンの正面図である。
【図4】浴室リモコンの正面図である。
【図5】信号処理部の内部構成を示す図である。
【図6】本浴室システムの動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図7】表示部における表示例を示す図である。
【図8】表示部における表示例を示す図である。
【図9】表示部における表示例を示す図である。
【符号の説明】
1 給湯装置本体
2 台所リモコン
3 浴室リモコン
4 計測装置
5 水位検出センサ
6 心拍電極
12 本体側マイコン
25 台所側マイコン
35 浴室側マイコン
43 計測側マイコン
Claims (2)
- 浴槽内に給湯を行うための給湯装置と、浴室内および浴室外の適所にそれぞれ設けられ前記給湯装置を遠隔操作するための互いに通話可能な複数の遠隔操作装置とを備える浴室システムであって、
浴槽内の入浴者の心拍動作を検出するための心拍動作検出手段と、
この心拍動作検出手段によって検出された心拍動作に基づいて入浴者の心拍数を計測する心拍数計測手段と、
ユーザの操作入力により第1のモードと第2のモードとを切り換えるモード切換手段と、
前記モード切換手段によって前記第1のモードに切り換えられたとき、前記心拍数計測手段によって計測された心拍数を前記遠隔操作装置において報知させる第1報知制御手段と、
前記モード切換手段によって前記第2のモードに切り換えられたとき、前記複数の遠隔操作装置において通話可能とされ、前記心拍計測手段によって計測される入浴者の心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段によって入浴者の心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であると判別された場合、その旨を前記複数の遠隔操作装置において報知させる第2報知制御手段と、
を備えることを特徴とする、浴室システム。 - 浴槽内に給湯を行うための給湯装置と、浴室内および浴室外の適所にそれぞれ設けられ前記給湯装置を遠隔操作するための互いに通話可能な複数の遠隔操作装置と、浴槽内の入浴者の心拍動作を検出するための心拍動作検出手段と、この心拍動作検出手段によって検出された心拍動作に基づいて入浴者の心拍数を計測する心拍数計測手段とを備える浴室システムであって、
ユーザの操作入力により特殊モードに移行させるためのモード設定手段と、
前記モード設定手段によって特殊モードに移行され、前記複数の遠隔操作装置において通話可能となったとき、前記心拍計測手段によって計測される入浴者の心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段によって入浴者の心拍数が基準心拍数と比較して所定量以上であると判別された場合、その旨を前記複数の遠隔操作装置において報知させる報知制御手段と、
を備えることを特徴とする、浴室システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003163284A JP2004358126A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 浴室システム |
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Family Applications (1)
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JP2003163284A Pending JP2004358126A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 浴室システム |
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JP (1) | JP2004358126A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015510411A (ja) * | 2012-01-19 | 2015-04-09 | ヴォルカノ コーポレイションVolcano Corporation | 脈管内圧力監視装置とともに用いるためのインターフェース装置、システム及び方法 |
US10893808B2 (en) | 2013-03-15 | 2021-01-19 | Philips Image Guided Therapy Corporation | Interface devices, systems, and methods for use with intravascular pressure monitoring devices |
-
2003
- 2003-06-09 JP JP2003163284A patent/JP2004358126A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10736519B2 (en) | 2012-01-19 | 2020-08-11 | Philips Image Guided Therapy Corporation | Interface devices, systems, and methods for use with intravascular pressure monitoring devices |
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