JP2004341961A - ストレージシステムおよびストレージプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】利用者の利用対象となるデータが要求する可用性を満足する記憶装置組合せを複数の記憶装置から抽出する。
【解決手段】通信ネットワーク105を介して通信可能な複数の記憶装置102a1、102a2、・・・を複数の利用者に対応する複数の情報処理装置110a1、110a2、・・・により利用するためのストレージシステム。複数の記憶装置102a1、102a2、・・・それぞれの可用性をそれぞれの記憶装置の識別情報に対応付けて記憶する記憶装置管理データベース112と、記憶装置管理データベース112を参照し、複数の利用者の内の少なくとも一人の利用者の利用対象となるデータが要求する可用性を満足する記憶装置の組合せを複数の記憶装置102a1、102a2、・・・の中から決定する組合せ決定手段(利用者管理機能プログラムP1に基づく情報処理装置110a1の図5に示すステップS8の処理参照)と、を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】通信ネットワーク105を介して通信可能な複数の記憶装置102a1、102a2、・・・を複数の利用者に対応する複数の情報処理装置110a1、110a2、・・・により利用するためのストレージシステム。複数の記憶装置102a1、102a2、・・・それぞれの可用性をそれぞれの記憶装置の識別情報に対応付けて記憶する記憶装置管理データベース112と、記憶装置管理データベース112を参照し、複数の利用者の内の少なくとも一人の利用者の利用対象となるデータが要求する可用性を満足する記憶装置の組合せを複数の記憶装置102a1、102a2、・・・の中から決定する組合せ決定手段(利用者管理機能プログラムP1に基づく情報処理装置110a1の図5に示すステップS8の処理参照)と、を備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークを介して通信可能な複数の記憶装置を複数の利用者に対応する複数の情報処理装置により利用するためのストレージシステムおよびストレージプログラムに関する。なお、ストレージシステムとは、本明細書では、複数の記憶装置、すなわち、複数のストレージリソースを有する情報処理システムのことを意味する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットの普及およびその高速化に伴い、ネットワークを経由して記憶装置を利用する形態が普及しつつある。
【0003】
例えば、NFS(Network File System;非特許文献1参照)およびCIFS(Common Internet File System;非特許文献2参照)等のネットワークファイルシステムのプロトコルにより、利用者は、ローカルのファイルシステムと同様にネットワークを直接意識することなく利用することが可能になる。
【0004】
しかしながら、ネットワーク上の複数の記憶装置がそれぞれ異なる存在として利用者に見えるのであれば、簡便な利用は望めない。
【0005】
そこで、上記ネットワーク上の複数の記憶装置を仮想的に1つの記憶装置として利用者や利用者側情報処理装置に搭載されたアプリケーション(アプリケーションソフトウェア)に見せる分散ファイルシステムが考えられている(非特許文献3参照)。
【0006】
一方、インターネットの高速化およびコンピュータの高性能化等に伴い、これまで以上に大容量のデータを保存できるストレージシステムが求められている。そこで、専用のストレージサーバ(データ記憶専用サーバ)だけではなく、一般の利用者等が保有する遊休設備分(遊休状態の記憶装置)を利用するストレージシステムが考えられている。
【0007】
【非特許文献1】
”The internet Engineering Task Force RFC1813”、[online]、IETF、[平成15年5月13日検索]、インターネット<URL:http://www.ietf.org/rfc/rfc/1813.txt?number=1813>
【0008】
【非特許文献2】
”CIFS/SMB protocol overview”、[online]、Microsoft、[平成15年5月13日検索]、インターネット<http://www.msdn.microsoft.com/library/default.asp?url=/library/en−us/fileio/base/cifs_smb_protocol_overview.asp>
【0009】
【非特許文献3】
”Satyanarayaman, M. A, Survey of Distributed File Systems, CMU−CS−89−116, Carnegie Mellon University School of Computer Science, February, 1989
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ネットワーク上のストレージリソースである記憶装置は、一般的にはその記憶装置のアクセス速度、可用性(その装置の信頼性の指標であり、本来稼動すべき時間において実際に使用可能になっている割合を表す)、あるいはその記憶装置へ至るネットワークの性能等が一様ではない。
【0011】
したがって、単純にネットワーク上の複数の記憶装置を仮想化し、任意の記憶装置を利用すると、利用者にとって性能の低い記憶装置を利用する可能性が生じていた。
【0012】
また、一般の利用者等が保有する遊休設備分を利用するストレージシステムにおいては、利用者にとって第三者に見られたくないデータを安心して保存および利用できる方式の実現が求められていた。
【0013】
さらに、遊休設備を所有する利用者自身の遊休設備の利用により他の利用者への遊休設備の提供ができない場合や、その遊休設備が停止している場合等においても、利用者へのサービスに重大な影響が生じる恐れが生じていた。
【0014】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、利用者の利用対象となるデータが要求する可用性を満足する記憶装置組合せを、複数の記憶装置から抽出することを可能にして、利用対象データが要求する可用性を満足しない記憶装置の利用を排除することをその目的とする。
【0015】
また、本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、利用者に対して、その利用者の望む稼動状態の記憶装置の利用を可能にすることを他の目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、請求項1に記載したように、ネットワークを介して通信可能な複数の記憶装置を複数の利用者に対応する複数の情報処理装置により利用するためのストレージシステムであって、前記複数の記憶装置それぞれの可用性をそれぞれの記憶装置の識別情報に対応付けて記憶する記憶装置管理データベースと、前記記憶装置管理データベースを参照し、前記複数の利用者の内の少なくとも一人の利用者の利用対象となるデータが要求する可用性を満足する記憶装置の組合せを前記複数の記憶装置の中から決定する組合せ決定手段と、を備えている。
【0017】
請求項2記載の本発明では、前記利用対象データを、前記決定された組合せに対応する記憶装置に保存する保存手段をさらに備えている。
【0018】
請求項3記載の本発明では、前記利用対象データが前記複数の記憶装置の内の少なくとも1つに記憶されている場合、前記利用対象データが要求する可用性を、その利用対象データの識別情報および該利用対象データが記憶された少なくとも1つの記憶装置の識別情報にそれぞれ記憶する保存データ管理データベースを備え、前記組み合わせ決定手段は、前記利用対象データの可用性を前記保存データ管理データベースを参照して取得し、取得した可用性に基づいて、該可用性を満足する記憶装置の組合せを前記複数の記憶装置の中から決定する決定手段と、決定された組合せに対応する記憶装置に対して前記利用対象データを冗長的に記憶する記憶手段と、前記利用対象データの記憶先を前記組合せに対応する記憶装置とする内容に前記保存データ管理データベースを更新する更新手段と、を備えている。
【0019】
請求項4記載の本発明において、前記記憶装置管理データベースは、前記複数の記憶装置それぞれを利用する際の条件を表す複数の利用条件情報を該複数の記憶装置に対応付けて記憶しており、前記決定手段は、前記記憶装置管理データベースを参照して前記複数の記憶装置に対応する複数の利用条件を読み出し、その複数の利用条件に従って前記複数の記憶装置の優先順位を決定する手段と、決定された優先順位に従って、前記複数の記憶装置から前記利用対象データが要求する可用性を満足する記憶装置の組合せを決定する手段とを備えたことを要旨とする。
【0020】
請求項5記載の本発明においては、前記利用対象データを含む複数のデータが前記複数の記憶装置の内の少なくとも1つに記憶され、前記保存データ管理データベースは、前記利用対象データを含む複数のデータを、該利用対象データの識別情報を含む複数のデータ識別情報、および前記複数のデータの最終利用時点を表す最終利用情報に対応付けて記憶している一方、前記複数のデータそれぞれの最終利用情報に応じて該複数のデータそれぞれの最終利用時からの経過時間を求め、求めた複数のデータに対応する複数の経過時間の内、一定時間を超えた経過時間に対応するデータの検査を行うための処理を実行する手段をさらに備えている。
【0021】
請求項6記載の本発明において、前記保存データ管理データベースは、前記複数のデータそれぞれを所定の関数により演算して生成した互いにユニークな複数の第1のデータ値を前記複数のデータ識別情報に対応付けて記憶している一方、前記検査処理実行手段は、前記一定時間を超えた経過時間に対応するデータを記憶している記憶装置に対して該データの取得要求を行う手段と、前記データの取得要求の結果、該データを取得できない場合には、そのデータが失われたものと判断し、該データを取得できた場合には、そのデータから前記所定の関数により第2のデータ値を演算し、前記保存データ管理データベースを参照して、該データに対応する第1のデータ値を読み出し、読み出した第1のデータ値が前記演算した第2のデータ値と一致するか否か判断する手段とを備えている。
【0022】
請求項7記載の本発明において、前記検査処理実行手段は、前記複数の情報処理装置における少なくとも1つの情報処理装置に対して、前記一定時間を超えた経過時間に対応するデータの検査を促す手段を備えている。
【0023】
請求項8記載の本発明において、前記記憶装置管理データベースは、前記複数の記憶装置それぞれの稼動状態を表す複数の状態レベルと、前記複数のレベルそれぞれの該記憶装置毎の存在確率とを、その複数の記憶装置の複数の識別情報に対応付けて記憶しており、前記組合せ決定手段は、前記利用対象データの要求可用性を満足する記憶装置の組合せを、前記複数の記憶装置それぞれの状態レベル毎の存在確率に応じて決定する手段を備えている。
【0024】
請求項9記載の本発明において、前記記憶装置管理データベースは、前記複数の記憶装置それぞれの稼動状態を表す複数の状態レベルそれぞれの該記憶装置毎の存在確率に基づいて算出された、前記複数の記憶装置それぞれの定常状態時の存在確率を表す定常状態確率および遷移状態時の存在確率を表す遷移状態確率を、前記複数の記憶装置の複数の識別情報に対応付けて記憶しており、前記複数の情報処理装置の内の少なくとも1つからの前記利用対象データへのアクセスを、前記複数の記憶装置それぞれの定常状態確率および遷移状態確率に応じて制御する手段をさらに備えている。
【0025】
請求項10記載の本発明においては、前記ネットワークを介して通信可能な複数の個別データ管理手段を備え、前記複数の情報処理装置における少なくとも1つの情報処理装置が対応する前記個別データ管理手段に対する通信状態を確立した際に、該個別データ管理手段は、前記少なくとも1つの情報処理装置と前記複数の記憶装置との間で通信されるデータの管理を行う手段を備えている。
【0026】
請求項11記載の本発明においては、前記複数の記憶装置を管理する管理装置と、前記ネットワークを介して前記管理装置および前記複数の情報処理装置の内の少なくとも1つの情報処理装置間の通信を中継するデータ中継手段を備え、前記データ中継手段は、前記管理装置および前記少なくとも1つの情報処理装置間の通信を、該少なくとも1つの情報処理装置のネットワーク経由の位置情報を秘匿しながら行う手段を備えている。
【0027】
請求項12記載の本発明において、前記利用対象データを含む複数のデータの内の少なくとも1つのデータは、複数のデータ要素に分割された状態で前記複数の記憶装置にそれぞれ記憶されている。
【0028】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、請求項13に記載したように、ネットワークを介して通信可能な複数の記憶装置を複数の利用者に対応する複数の情報処理装置により利用でき、前記複数の記憶装置それぞれの可用性をそれぞれの記憶装置の識別情報に対応付けて記憶する記憶装置管理データベースを備えたストレージシステムにおける前記複数の情報処理装置の内の少なくとも1つの情報処理装置が実行可能なストレージプログラムであって、前記少なくとも1つの情報処理装置に、前記記憶装置管理データベースを参照し、前記複数の利用者の内の少なくとも一人の利用者の利用対象となるデータが要求する可用性を満足する記憶装置の組合せを前記複数の記憶装置の中から決定する手順を実行させる。
【0029】
【発明の実施形態】
本発明に係るストレージシステムおよびストレージプログラムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0030】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図である。
【0031】
図1に示すように、ストレージシステムは、このストレージシステム全体を管理する全体管理装置101と、上記ストレージシステムのストレージリソースとしての複数の記憶装置102a1、102a2、・・・と、この複数の記憶装置102a1、102a2、・・・それぞれに対応して配置されており、複数の記憶装置102a1、102a2、・・・それぞれを管理する複数の記憶装置管理装置103a1、103a2、・・・とを備えており、全体管理装置101および複数の記憶装置管理装置103a1、103a2、・・・は、それぞれ通信ネットワーク105を介して互いに通信可能になっている。
【0032】
また、ストレージシステムは、複数の利用者それぞれに対応する複数の情報処理装置110a1、110a2、・・・を備えており、この複数の情報処理装置110a1、110a2、・・・は、通信ネットワーク105に対する接続を確立した状態においてその通信ネットワーク105経由で全体管理装置101および複数の記憶装置管理装置103a1、103a2、・・・それぞれと通信可能になっている。
【0033】
また、全体管理装置101には、記憶装置管理データベース112、保存データ管理データベース113および利用者データベース114がそれぞれ接続されている。
【0034】
記憶装置管理データベース112には、全体管理装置101の管理の下、図2に示すように、各記憶装置102a1、102a2、・・・の識別情報としての番号および名称と、各記憶装置102a1、102a2、・・・の通信ネットワーク105経由の位置情報(位置アドレス;例えば、本実施形態では、論理的なIPアドレス)と、各記憶装置102a1、102a2、・・・を利用する際の利用条件を表す例えば読み出しおよび記憶速度と、各記憶装置102a1、102a2、・・・の可用性(システムダウン無しを「1」とする)とが記憶装置番号毎に互いに対応付けられて記憶されている。
【0035】
保存データ管理データベース113には、全体管理装置101の管理の下、図3に示すように、複数の記憶装置102a1、102a2、・・・の内の少なくとも1つに記憶(保存)されている各データの識別情報としての番号および名称と、各データの所有者の識別情報と、各データを利用可能な利用者の識別情報と、各データが利用中(YES)か未利用中(NO)かを表す情報と、各データ毎に、その各データの利用時において利用先の装置に要求される可用性を表す要求可用性と、データが分割して複数の記憶装置102a1、102a2、・・・内に保存されている場合、その分割されたデータ毎の名称および保存先である所在とがデータ番号毎に互いに対応付けられて記憶されている。
【0036】
さらに、利用者データベース114には、全体管理装置101の管理の下、図4に示すように、各情報処理装置110a1、110a2、・・・に対応する各利用者の識別情報としての番号および名称が互いに対応付けられて記憶されている。
【0037】
上述した全体管理装置101、各記憶装置管理装置103a1、103a2、・・・および各情報処理装置110a1、110a2、・・・は、それぞれ少なくとも1台のコンピュータ(メモリを含む)を含む装置として構成されており、それぞれの装置のメモリおよび/または外部記憶部には、通信ネットワーク105上のネットワークリソースを可視化して共通して利用可能にするための共通の通信プロトコル(例えば、TCP/IP等)およびプラットフォームがそれぞれ実装されている。
【0038】
さらに、各情報処理装置110a1、110a2、・・・には、各記憶装置管理装置103a1、103a2、・・・を利用する各種のアプリケーションが搭載されている。
【0039】
特に、本実施形態では、各情報処理装置110a1、110a2、・・・には、データ利用開始時において起動される利用者側管理機能プログラムP1、および利用者側管理機能プログラムP1により起動され、実際のデータ処理を扱う利用者側データ管理機能プログラムP2がそれぞれ格納されている。
【0040】
この利用者側管理機能プログラムP1、利用者側データ管理機能プログラムP2、上記通信プロトコルおよびプラットフォームにより、各情報処理装置110a1、110a2、・・・に対して複数の記憶装置102a1、102a2、・・・の位置や構成に係わらず、常に同一のインタフェース環境を提供するように構成されている。
【0041】
利用者側管理機能プログラムP1、および/または利用者側データ管理機能プログラムP2は、予め磁気記録媒体や半導体記録媒体等の記録媒体に格納された状態で、各情報処理装置110a1、110a2、・・・の図示しないドライブ装置を介して、その各装置110a1、110a2、・・・のメモリにロードして実行するように構成されている。なお、各情報処理装置110a1、110a2、・・・は、複数の記憶装置102a1、102a2、・・・の内の少なくとも1つにアップロードされた利用者側管理機能プログラムP1、および/または利用者側データ管理機能プログラムP2を通信ネットワーク105を介してダウンロードして、その各装置110a1、110a2、・・・のメモリにロードして実行する構成でもよい。
【0042】
次に、本実施形態のストレージシステムの全体動作について説明する。
【0043】
例えば、情報処理装置110a1は、データ利用時において起動された利用者側管理機能プログラムP1に基づく処理を実行する。
【0044】
すなわち、情報処理装置110a1は、利用対象となるデータを新規に作成するか否か判断する(図5;ステップS1)。
【0045】
通常、データの利用に際しては、(1)新規に作成する場合、(2)既存のデータ、すなわち、既に記憶装置に保存されているデータを利用する場合であって、そのデータが情報処理装置によっても管理されていない場合および(3)既存データ利用であり、既に何れかの情報処理装置によって管理されている場合、の3通りが考えられる。
【0046】
例えば、利用対象データを新規に作成する場合、ステップS1の判断はYESとなり、情報処理装置110a1は、後述するステップS7の処理に移行する。
【0047】
一方、既存のデータを利用対象データとして利用する場合、ステップS1の判断はNOとなり、情報処理装置110a1は、全体管理装置101を介して保存データ管理データベース113を参照し(ステップS2)、そのデータが既に他の情報処理装置に利用・管理されているか否か判断する(ステップS3)。
【0048】
例えば、図3に示すように、名称”dat1”のデータ(番号1)利用対象であれば、そのデータは”ステップS3の判断の結果は、YES(利用中)”となり、名称”dat2”のデータ(番号2)利用対象であれば、そのデータは”NO(未利用)”と判断される。
【0049】
ステップS3の判断がYES(利用中)の場合、情報処理装置110a1は、利用対象データに対する管理の競合を回避するため、利用中の情報処理装置名を取得し(ステップS4)、利用中の情報処理装置の管理に従って、その情報処理装置経由で上記既存の利用対象データにアクセスし(ステップS5)、既に利用中の情報処理装置が既に実行しているステップS6〜S10の処理に従う。
【0050】
一方、ステップS3の判断がNO(未利用)の場合、情報処理装置110a1は、保存データ管理データベース113を参照して、利用対象データが保存されている記憶装置名称を取得し(ステップS6)、保存データ管理データベース113および利用者の上記利用対象データの利用条件に従って、複数の記憶装置102a1、102a2、・・・の冗長的に記憶(配置)する記憶先(配置先)の組合せを決定する(ステップS7)。
【0051】
すなわち、図6に示すように、情報処理装置110a1は、保存データ管理データベース113および利用者の上記利用対象データの利用条件に従って、図2に示す記憶装置管理データベース112を参照し、複数の記憶装置102a1、102a2、・・・の優先順位付けを行う。
【0052】
本実施形態では、例えば利用条件として、記憶装置の読み出しおよび記憶速度が設定されている場合、情報処理装置110a1は、記憶装置管理データベース112を参照し、各記憶装置102a1、102a2、・・・の読み出しおよび記憶速度の速い順に複数の記憶装置102a1、102a2、・・・それぞれに優先順位を設定し、設定した優先順位に応じて前記記憶装置管理データベース112の内容を例えば降順にソートして図7に示す記憶装置利用候補表(テーブル)115を生成する(ステップS7a1)。
【0053】
なお、新規作成の場合は、作成データの保存先として上記記憶装置利用候補表115を生成する。
【0054】
次に、情報処理装置110a1は、利用対象データの要求可用性を図3に示す保存データ管理データベース113を参照して取得する。
【0055】
例えば、利用対象データが、名称「dat1」のデータの場合、情報処理装置110a1は、その要求可用性は0.99を取得する。
【0056】
そして、情報処理装置110a1は、利用対象データの要求可用性を満足する記憶装置の組合せを優先順位付けに従って決定する。
【0057】
例えば、図7に示す記憶装置利用候補表115の場合、利用対象データの要求可用性「0.99」を優先順位が最上位(1)の記憶装置(名称stor1)単体で満足することはできない(記憶装置(名称stor2)の可用性が0.9)ため、情報処理装置110a1は、優先順位が第二位(2)以降の少なくとも1つの他の記憶装置を、その可用性に応じて上記利用対象データの記憶先(配置先)として選択し、上記優先順位が最上位(1)の記憶装置を含む複数の記憶装置の組合せを決定する(ステップS7a2)。
【0058】
一般に、ストレージシステムの複数(n個)の記憶装置の構成全体で提供可能な可用性をptot、そのn個の記憶装置単体での可用性をp1、p2、・・・、pnとすると、上記ptotは、下式(1)
【数1】
と表記できる。
【0059】
本実施形態においては、優先順位が最上位(1)の記憶装置(名称stor2)と二位の候補(記憶装置(名称stor1)との組合せを冗長配置構成として採ることにより利用対象データの要求可用性(0.99)を満足するため、利用対象データの記憶先(配置先)を記憶装置(名称stor2)および記憶装置(名称stor1)に決定する。
【0060】
このようにして利用対象データの冗長配置構成を決定した情報処理装置110a1は、利用者側管理機能プログラムP1により起動された利用者側データ管理機能プログラムP2に基づく処理として、決定した記憶装置(名称stor2)および記憶装置(名称stor1)に対応する記憶装置管理装置を通して、決定記憶装置(名称stor2)および記憶装置(名称stor1)に対する利用対象データの移動および/または利用対象データの複製(コピー)を行うことにより、利用対象データの冗長配置構成を実際に行う(ステップS8)。
【0061】
このとき、冗長配置構成として設定された複数の記憶装置の内の少なくとも一方への利用対象データの移動および/または複製が実行できなかった場合には(ステップS9→NO)、情報処理装置110a1は、ステップS7の処理に戻って、その実行不可の記憶装置の代わりの記憶装置を用いて、再度冗長構成処理および利用対象データの移動/複製処理を行い、ステップS9の結果がYES(冗長処理構成の複数の記憶装置に対する利用対象データの移動/複製完了)となるまで、ステップS7〜S9の処理を繰り返し行う。
【0062】
このようにして、決定した冗長処理構成の複数の記憶装置に対する利用対象データの移動/複製が完了、すなわち、利用対象データの移動/複製により、その複数の記憶装置に対して利用対象データの保存が完了すると(ステップS9→YES)、情報処理装置110a1は、全体管理装置101を通して、上記利用対象データの保存内容を保存データ管理データベース113に登録し(ステップS10)、利用対象データの利用準備を完了する。
【0063】
この結果、情報処理装置110a1は、例えば、そのアプリケーションおよび利用者側データ管理機能プログラムP2に基づく処理として、冗長構成された利用対象データへのアクセスを行い、該利用対象データを利用する。
【0064】
そして、上記そのアプリケーションおよび利用者側データ管理機能プログラムP2に基づく処理として、情報処理装置110a1の利用対象データの利用が終了すると、情報処理装置110a1は、利用者側管理機能プログラムP1に基づく処理として、その利用対象データの利用終了を全体管理装置101に通知し、保存データ管理データベース113を更新する。
【0065】
以上述べたように、本実施形態によれば、利用対象データの要求可用性が高い場合でも、その利用対象データの要求可能性を満足する組合せとして冗長構成された複数の記憶装置に対して、その利用対象データを配置(記憶)することができる。
【0066】
このため、利用者が利用対象データを、その要求可用性よりも可用性が低い記憶装置を介して利用する恐れを解消することができ、ストレージシステムに対する利用者の満足度を向上させることができる。
【0067】
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図である。
【0068】
なお、本実施の形態におけるストレージシステムは、図1に示す構成に加えて、通信ネットワーク205により接続されており、利用者側の情報処理装置210a1、210a2、・・・により複数の記憶装置202a1、202a2、・・・記憶されたデータの管理が行われていない状態(例えば、利用者データ管理機能プログラムP2の停止、各情報処理装置210a1、210a2、・・・の通信ネットワーク205からの切断および各情報処理装置210a1、210a2、・・・の電源遮断等)において、複数の記憶装置202a1、202a2、・・・に記憶されたデータの管理を行うための非利用時データ管理装置220を備えている。
【0069】
また、本実施形態において、保存データ管理データベース213には、図9に示すように、各データが情報処理装置210a1、210a2、・・・に利用された最終の利用時刻をその利用毎に表す最終利用時刻と、各データを所定のハッシュ関数により固定のデータ長に圧縮して求められたハッシュ値とが対応する各データの識別情報に対応付けられて記憶されている。
【0070】
なお、その他の構成については、第1の実施の形態の構成と略同様であるため、各構成要素については、図1に示す構成要素と類似した符号(例えば、全体管理装置101→201)を付してその説明を省略する。
【0071】
次に、本実施形態のストレージシステムの全体動作について説明する。
【0072】
上述したように、利用者側の情報処理装置210a1、210a2、・・・により複数の記憶装置202a1、202a2、・・・に記憶されたデータの管理が行われていない状態において、第1の実施の形態では、そのデータは、情報処理装置210a1、210a2、・・・によるデータの利用終了時の状態を維持しているものとして保存データ管理データベース113に記憶されている。
【0073】
この構成では、短期的には各記憶装置202a1、202a2、・・・の特性値から算出された可用性によるデータ保持が期待できるものの、長期間利用の無いデータは、そのデータの記憶先の記憶装置側の故障や電源遮断等により失われる可能性がある。
【0074】
本実施の形態のストレージシステムは、上述した情報処理装置210a1、210a2、・・・によるデータ非利用時におけるデータ管理を可能にしたものである。
【0075】
このとき、非利用時データ管理装置220は、定期的に保存データ管理データベース213を検索し(ステップS21)、その最終利用時刻から一定期間が経過するデータが存在するか否か判断する(ステップS22)。
【0076】
このステップS22の判断の結果NO(最終利用時刻から一定期間が経過するデータが存在しない)の場合には、非利用時データ管理装置220は、ステップS21の処理に戻って定期的に処理を繰り返す。
【0077】
一方、ステップS22の判断の結果YES(最終利用時刻から一定期間が経過するデータが存在する)の場合、すなわち、保存データ管理データベース213上において利用状態となっているにも拘わらず、何らかの理由で正しい管理が行われなくなっているデータが存在する場合には、非利用時データ管理装置220は、該当するデータの管理状況問い合わせとして、そのデータの取得要求を、データを蓄積している記憶装置へ送信する(ステップS23)。
【0078】
このとき、非利用時データ管理装置220は、データ取得要求送信後、該当データをデータ蓄積記憶装置から取得できたか否かを判断しており(ステップS24)、この判断の結果NO(取得不可)の場合には、一定時間が経過するまで待機してさらに該当データをデータ蓄積記憶装置から取得できたか否かを判断し(ステップS25)、この一定時間待機後も該当データの取得ができなかった場合(ステップS25→NO)には、該当データは失われたものと判断し、複数の記憶装置202a1、202a2、・・・に残存するデータを用いて失われたデータを再構成することが可能であれば、非利用時データ管理装置220は、既存データの利用開始時と同様に図5に示すステップS7の処理に移行し、既存のデータを利用して該当データを再構成して再配置し、必要な可用性を回復する。
【0079】
一方、ステップS24の判断の結果、およびステップS25の判断の結果YES、すなわち、該当データが取得できた場合には、非利用時データ管理装置220は、取得したデータを上記所定のハッシュ関数により固定のデータ長に圧縮してハッシュ値求め、求めたハッシュ値と、保存データ管理データベース213に登録された対応するデータのハッシュ値とを比較し(ステップS27)、この比較の結果一致するか否か判断する(ステップS28)。
【0080】
このステップS28の結果、一致しない場合には(ステップS28→NO)、非利用時データ管理装置220は、そのデータは失われたものと判断し、複数の記憶装置202a1、202a2、・・・に残存するデータを用いて失われたデータから再構成が可能であれば、非利用時データ管理装置220は、既存データの利用開始時と同様に図5に示すステップS7の処理に移行し、既存のデータを利用して該当データを再構成して再配置し、必要な可用性を回復する。
【0081】
一方、このステップS28の結果、一致する場合には(ステップS28→YES)、非利用時データ管理装置220は、そのデータは保持されているものと判断し、保存データ管理データベース213における上記データの最終利用時刻を更新する(ステップS30)。
【0082】
以上述べたように、本実施形態によれば、複数の記憶装置202a1、202a2、・・・に記憶されたデータが情報処理装置210a1、210a2、・・・から一定期間を超えて利用が無い場合においても、非利用データ管理装置220により定期的に複数の記憶装置202a1、202a2、・・・に記憶されたデータの状態を検査・確認することができ、必要な可用性等の要求性能の維持、および稼動実績記録等を保存データ管理データベース213に残すことになるため、課金等へ応用することが可能になる。
【0083】
特に、本実施形態では、上記データの検査・確認処理を、情報処理装置210a1、210a2、・・・ではなく、非利用データ管理装置220により実行しているため、利用者側の負担を少なくすることができる。
【0084】
なお、上記データの検査・確認処理を、情報処理装置210a1、210a2、・・・の中で比較的能力および利用可能時間が高い装置を主たる情報処理装置(210akとする)として予め決定して利用者データベース212に登録しておき、その主たる情報処理装置210akにより上記データの検査・確認処理を行うこともできる。
【0085】
図11は、上述した本実施形態の変形例に係わる利用者データベース212を示す図であり、主たる情報処理装置210akを識別する情報が各利用者番号に対応付けられて記憶されている。
【0086】
すなわち、非利用時データ管理装置220は、利用者データベースを検索して主たる情報処理装置210akを特定し(ステップS31)、特定した主たる情報処理装置210akに対してデータの検査を促す(ステップS32)。
【0087】
このとき、主たる情報処理装置210akは、非利用時データ管理装置220からの催促に応じて、上述したステップS21〜S30のデータ検査処理を実行する(ステップS35)。
【0088】
この変形例によれば、非利用時データ管理装置220の処理負荷およびネットワーク負荷を抑制しながらデータの検査・確認処理を行うことができ、また、必要に応じて利用者側の任意の追加検査を行うことも可能である。
【0089】
(第3の実施の形態)
図13は、本発明の第3の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図である。
【0090】
一般の利用者等が保有する遊休設備分を利用する場合、ストレージサービス提供者(ストレージシステムの構築・提供者)がシステムを停止している場合や、利用負荷が高い等の理由により一時的にサービスを提供できない、あるいは提供しない場合が想定される。
【0091】
本実施形態では、そのような状況にも対処するために、ストレージシステムのストレージリソースである各記憶装置の稼動状態についてより詳細な管理を可能にしている。
【0092】
すなわち、本実施形態においては、図14にテーブルTとして示すように、各記憶装置の稼動状態について、次の5つの状態(「動作」、「容量上限」、「休止」、「一時的遮断」、「停止」)を想定し、各記憶装置の稼動状態を、上記5つの状態の何れかに分類して管理している。
【0093】
ここで、「動作」とは、その記憶装置が要求に応じていつでも利用できる状態にあることを表し、「容量上限」とは、その記憶装置に対し保存されているデータが一定量(上限)に達し、新たなデータの蓄積が行えない状態を表し、「休止」とは、その記憶装置が複数の利用者のアクセス等により負荷が高まり、新たな利用者からの要求に応じられない状態を表す。
【0094】
そして、「一時的遮断」とは、通信ネットワーク、あるいはストレージシステムの遮断により、利用者側からその記憶装置に対して通信ができない状態を表す。ただ、その遮断状態は一時的なものであり、システム上はデータの保全を期待されている。「停止」は、一時的遮断状態から一定時間経過した状態を表し、この停止状態は、システム停止や通信ネットワークの遮断等により、その記憶装置を新たに利用できないだけではなく、完全にその記憶装置の状態の把握ができず、また蓄積されていたデータも利用不可になる状態を表す。
【0095】
したがって、テーブルTに示すように、「動作」状態にある記憶装置には、その記憶装置に対する「データの書き込み」および記憶装置からの「データの読み出し」をそれぞれ行うことができ(○)、また、その記憶装置は、蓄積データの「管理」および蓄積データの「保全」もそれぞれ行うことができる(○)。
【0096】
同様に、「容量上限」状態にある記憶装置には、「データの書き込み」のみ不可(×)であり、「休止」状態にある記憶装置には、「データの書き込み」および「データの読み出し」が不可(×)である。また、「一時的遮断」状態にある記憶装置には、「データの書き込み」、「データの読み出し」および「管理」については不可(×)であるが、「データ保全」については可能であり、「停止」状態にある記憶装置には、全ての動作が不可(×)である。
【0097】
上述した各記憶装置の状態についての詳細な管理の一構築例として、本実施形態のストレージシステムにおける記憶装置管理データベース312には、図15に示すように、各記憶装置302a1、302a2、・・・が上記各状態(「動作」、「容量上限」、「休止」、「一時的遮断」、「停止」)に存在する確率を表す存在確率が各状態毎に対応する各記憶装置の識別情報に対応付けられて記憶されている。
【0098】
例えば、図15に示すように、名称「stor1」の記憶装置は、「動作」状態にある確率(存在確率)が0.88、「容量上限」状態にある確率(存在確率)が0.01、「休止」状態にある確率(存在確率)が0.1、「一時的遮断」状態にある確率(存在確率)が0.01、「停止」状態にある確率が0となっている。
【0099】
なお、その他の構成については、第2の実施の形態の構成と略同様であるため、各構成要素については、図8に示す構成要素と類似した符号(例えば、全体管理装置201→301)を付してその説明を省略する。
【0100】
次に、本実施形態のストレージシステムの全体動作について説明する。
【0101】
図15に示したように、本実施形態においては、記憶装置管理データベース312には、各記憶装置毎に、その各記憶装置の複数の状態に対する存在確率が保持されているため、例えば、第1の実施の形態で説明した図6に示すステップS7a2の処理において、情報処理装置310a1は、候補となった記憶装置の可用性を、図7に示す可用性と図15に示す対応する記憶装置の存在確率により決定することができる。
【0102】
このため、例えば、候補となった記憶装置の「動作」に対する存在確率が低下している場合、その記憶装置の可用性を、図7に示す可用性よりも低い値とすることにより、利用対象データの要求可用性を満足する記憶装置の組合せを決定することができる。
【0103】
また、例えば全体管理装置301により各記憶装置302a1、302a2、・・・の実際の動作状態を記録し、その記録結果に応じて記憶装置管理データベース312における各記憶装置の複数の状態に対する存在確率を更新することも可能である。
【0104】
さらに、一般の利用者等が保有する遊休設備分を利用する場合においては、その利用者の遊休設備の利用状況によっては遊休状態ではなくなり、例えば、利用者が遊休設備であった記憶装置(例えば、記憶装置302a1)を利用した場合、その遊休設備であった記憶装置302a1による他の利用者へのストレージサービスの提供が停止する可能性がある。
【0105】
この場合、一時的な利用であれば、記憶装置302a1の稼動状態が「休止」に移行するだけとなるが、長期的な利用により「停止」に移行した場合、記憶装置302a1に対応する記憶装置管理装置303a1側から全体管理装置301へ対応する記憶装置302a1の運用停止を連絡を行い、非利用時データ管理装置305により、その記憶装置302a1に保存されたデータの他の記憶装置への移動(再配置)を行ってから、記憶装置302a1のストレージサービスを停止することも可能である。
【0106】
さらに、データに変更が加わった場合、その変更の時点で「容量上限」、「休止」および「一時的遮断」状態の記憶装置には、そのデータの変更が行えないため、その容量上限、休止および一時的遮断状態の記憶装置は、ストレージシステム内において対応するデータを蓄積している蓄積装置としては一時的に除外され、その結果、システム全体の可用性が低下する可能性がある。
【0107】
このとき、一時的に除外された記憶装置の状態が「動作」に復帰するのを待つ場合には、可用性は向上するが、全体として待機状態にある複数の記憶装置に保存されたデータに対して利用者側の情報処理装置からアクセスが生じた場合、そのアクセス速度が大幅に低下することが想定される。
【0108】
つまり、システムの可用性とアクセス速度の高速化とは一般的に背反する要求である。
【0109】
そこで、本実施形態の変形例として、利用者用データ管理について、各記憶装置302a1、302a2、・・・の状態を、定常状態と遷移状態との2つの稼動状態で異なる数値(存在確率)を設定して管理することも可能である。
【0110】
ここで、定常状態とは、長期保存時あるいは利用者の情報処理装置からの指定があった場合の要求管理レベルを表す状態であり、遷移状態とは、作業時等、データ利用時に高い頻度で現れる状態である。
【0111】
図16は、本実施形態の変形例に係わる記憶装置管理データベース312aの一例を示す図である。
【0112】
図16に示すように、本変形例に係わる記憶装置管理データベース312aには、記憶装置管理データベース312に加えて、各記憶装置302a1、302a2、・・・が上記定常状態および遷移状態に存在する確率を表す存在確率(定常状態:Pstat、遷移状態:Pdyn)が対応する各記憶装置の識別情報に対応付けられて記憶されている。
【0113】
例えば、定常状態の管理レベルにおいては、その記憶装置への新規のデータの追加が生じず、保存されているデータの存在が確認できればよいため、対応する記憶装置における「動作」、「容量上限」、「休止」および「一時的遮断」を、その記憶装置の可用性がある状態として管理することができる。
【0114】
したがって、ある記憶装置の「動作」、「容量上限」、「休止」、「一時的遮断」および「静止」のそれぞれの稼動状態に対する存在確率を、それぞれp1、p2、p3、p4およびp5として表すと、この記憶装置の定常状態の存在確率Pstatは、下式(2)として表すことができる。
【0115】
Pstat=p1+p2+p3+p4 ・・・(2)
一方、遷移状態の管理レベルにおいては、定常状態よりも高速なアクセス(データ変更等)が起こり得るため、「動作」対応する記憶装置における「動作」状態のみを、その記憶装置の可用性がある状態として管理することができる。
【0116】
したがって、この記憶装置の遷移状態の存在確率Pdynは、下式(3)として表すことができる。
【0117】
Pdyn=p1 ・・・(3)
但し、その記憶装置の利用がデータの読み込みに限定される場合では、
Pdyn=p1+p2 ・・・(4)
に設定する等、記憶装置管理データベース312aにおける対応する記憶装置の遷移状態の存在確率を書き換えることにより柔軟に対応することができる。
【0118】
以上述べたように、本実施形態およびその変形例によれば、ストレージシステムにおける各記憶装置の稼動状態を、異なるレベル(「動作」、「容量上限」、「休止」、「一時的遮断」および「停止」、あるいは「定常状態」および「遷移状態」に設定し、そのレベル毎に存在確率を設定しているため、各記憶装置の稼動状態を、その各レベルの存在確率により把握して、その可用性等を設定することができる。
【0119】
したがって、例えば、一般の利用者が保有する遊休設備としての記憶装置を利用する場合等、その記憶装置の稼動状態が変動する場合において、その変動するレベルに応じて可用性を設定し、また変動するレベルに応じた利用者側情報処理装置からのアクセス制御を行うことができ、変動レベルに応じた効率的な運用を図ることができる。
【0120】
(第4の実施の形態)
第1の実施の形態で説明したように、データの可用性を高めるためには、そのデータを複製して異なる複数の記憶装置に冗長して蓄積しておくことが有効である。例えば、図1に示すように、利用者データ管理機能プログラムP2は、そのプログラムP2が搭載された装置を介して、上記データの冗長化構成を管理することができる。
【0121】
この利用者データ管理機能プログラムP2を実行するためには、ある程度の処理能力を必要とすると共に、異なる記憶装置へのデータの転送のためにある程度のネットワーク帯域も必要とする。
【0122】
この点、利用者データ管理機能プログラムP2を実行する処理は、第1の実施の形態で述べたように、その利用者データ管理機能プログラムP2が実装された利用者側の情報処理装置で実行される。
【0123】
しかしながら、利用者側の情報処理装置の処理能力および/または記憶装置等の他の装置へ接続するためのネットワーク帯域が十分でない場合には、異なる装置で利用者データ管理機能プログラムP2を実行する形態も考えられる。
【0124】
図17は、このような背景から創出された本発明の第4の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図である。
【0125】
図17に示すように、ストレージシステムは、複数の利用者の複数の情報処理装置410a1、410a2、・・・それぞれが通信可能な複数の個別データ管理装置430a1、430a2、・・・を備えており、複数の個別データ管理装置430a1、430a2、・・・は、通信ネットワーク405を経由して通信可能になっている。
【0126】
例えば、利用者が移動先で自らの情報処理装置(例えば、情報処理装置410a1)を利用する場合には、予め自宅あるいは勤務先に設置されたサーバを個別データ管理装置430a1とし、このサーバ(個別データ管理装置)430a1に利用者データ管理機能プログラムP2をロードする(あるいは予めインストールしておく)ことにより、情報処理装置410a1を、自宅あるいは勤務先の対応する個別データ管理装置(サーバ)430a1を経由して複数の記憶装置402a1、402a2、・・・にアクセスできるようになっている。
【0127】
また、ネットワーク提供事業者、アプリケーション提供事業者またはストレージサービス提供事業者からインターネット上に提供されたリソースであるサーバを個別データ管理装置として利用することも可能である。
【0128】
自宅あるいは勤務先のサーバを個別データ管理装置として利用する場合には、そのサーバが利用者の現在位置から遠方に存在したり、あるいはアクセス速度が低い場合が想定される反面、利用者が信頼できる装置を利用できるというメリットがある。
【0129】
一方、上述した各種の提供事業者からインターネット上に提供されたサーバを利用する場合には、その提供事業者の信頼性が問題となる反面、利用者は、複数の記憶装置に対して高速にアクセスすることができるというメリットを有する。
【0130】
なお、その他の構成については、第2の実施の形態の構成と略同様であるため、各構成要素については、図8に示す構成要素と類似した符号(例えば、全体管理装置201→401)を付してその説明を省略する。
【0131】
次に、本実施形態のストレージシステムの全体動作について説明する。
【0132】
例えば、情報処理装置410a1は、データ利用時において起動された利用者側管理機能プログラムP1に基づいて、対応する個別データ管理装置430a1の利用が適切かどうかを、その情報処理装置410a1自体の処理能力やネットワーク帯域の状況等に基づき判断する。
【0133】
上記判断により、個別データ管理装置を利用する場合、情報処理装置410a1は、自装置410a1の位置やセキュリティ等の条件に基づいて、複数の個別データ管理装置430a1、430a2、・・・の中から適切な個別データ管理装置の候補を決定し、決定した候補となる個別データ管理装置とネゴシエーションを行って最終的な利用個別データ管理装置を決定し(例えば、データ管理装置430a1とする)、決定した個別データ管理装置に対して、対応する利用者の識別情報やデータを保存している記憶装置の識別情報等、情報処理装置410a1に記憶されている情報を送信する。
【0134】
今、情報処理装置410a1は、そのアプリケーションに基づく処理において、データの追加や変更が生じ(以下、変更として説明する)、その変更を、対応するデータが保存された記憶装置(例えば、記憶装置402a1、402a2、402a3)に反映させなければならない場合、その変更を表す変更データを利用者側管理機能プログラムP1に基づく処理に渡し(ステップS50)、この利用者側管理機能プログラムP1に基づく処理として、情報処理装置410a1は、そのデータを単体、あるいはそれまでのデータと混合した上で分割し、それぞれのデータ群に対して暗号化を行う(ステップS51)。
【0135】
次いで、情報処理装置410a1は、分割・暗号化されたデータ群それぞれに保存先である記憶装置402a1〜402a3の位置情報(例えば、IPアドレス)を付加し、変更指示と共に個別データ管理装置430a1に送信する(ステップS52)。
【0136】
個別データ管理装置430a1は、送信されてきた変更指示および変更データ群を受信し、保存先に対応する記憶装置402a1〜402a3それぞれに対して、例えば対応する記憶装置管理装置403a1〜403a3を介してデータの更新を行う(ステップS53)。
【0137】
このとき、保存先に対応する全ての記憶装置402a1〜402a3に対するデータの更新が完了すると、対応する記憶装置管理装置403a1〜403a3それぞれから更新終了通知が個別データ管理装置430a1に対して送信され(ステップS54)、個別データ管理装置430a1は、送信されてきた更新終了通知を受信し、情報処理装置410a1に対して更新完了通知を送信する(ステップS55)。
【0138】
この結果、情報処理装置410a1からの変更指示に対応するデータの更新が完了する。
【0139】
以上述べたように、本実施形態によれば、情報処理装置の処理能力および/または他の装置へ接続するためのネットワーク帯域が十分でない場合でも、個別データ管理装置により利用者データ管理機能プログラムP2を実行して通信ネットワーク505を介して他の装置(記憶装置等)にアクセスし、所望のデータ処理を実行することができる。
【0140】
なお、情報処理装置の処理能力がさらに低く、また、信頼性のある個別データ管理装置を利用できるような場合、さらに、図18におけるステップS51の分割・暗号化処理を個別データ管理装置に担わせることも可能である。
【0141】
(第5の実施の形態)
図19は、本発明の第5の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図である。
【0142】
ストレージシステムを利用する利用者が、そのストレージシステムのストレージリソースである複数の記憶装置を利用してデータを保存する際に、その内容を第三者に知られたくないデータが存在する場合がある。このような場合、特に、記憶装置502a1、502a2、・・・側および記憶装置管理装置503a1、503a2、・・・側に対してもデータの内容を秘匿したいときには、一般的に、データを暗号化することが有効である。
【0143】
しかしながら、利用者側の情報処理装置が直接記憶装置側および記憶装置管理装置側と通信を行う構成においては、対象データの保存および読み出し等により、そのデータに添付された利用者側の情報処理装置の位置情報(例えばIPアドレス;以下、IPアドレスとして説明する)を記憶装置または記憶装置管理装置に知られてしまうことは避けられない。
【0144】
そこで、本実施形態では、利用者側の情報処理装置のIPアドレスを記憶装置および/または記憶装置管理装置に対して秘匿しながら、その記憶装置および/または記憶装置管理装置に対してデータ通信を行うことができるストレージシステムを提供している。
【0145】
すなわち、図19によれば、ストレージシステムは、第4の実施の形態に係わる図17に示す構成に加えて、複数の個別データ管理装置530a1、530a2、・・・と通信ネットワーク505との間に介挿された複数のデータ中継装置540a1、540a2、・・・を備えている。
【0146】
複数の個別データ管理装置530a1、530a2、・・・は、直接通信ネットワーク505を経由して通信を行わず、対応するデータ中継装置540a1、540a2、・・・および通信ネットワーク505を経由して他の装置と通信可能になっている。
【0147】
また、本実施形態における利用者データベース514には、各利用者の利用資格を表す利用資格情報(例えば、IDとパスワードとの組合せ等)が各利用者の識別情報としての番号および名称と互いに対応付けられて記憶されている。
【0148】
なお、その他の構成については、第4の実施の形態の構成と略同様であるため、各構成要素については、図17に示す構成要素と類似した符号(例えば、全体管理装置201→501)を付してその説明を省略する。
【0149】
次に、本実施形態のストレージシステムの全体動作について説明する。
【0150】
例えば、情報処理装置510a1(あるいは、対応する個別データ管理装置530a1)は、データ利用時において起動された利用者側管理機能プログラムP1に基づいて、データ中継装置540a1に対して、利用資格情報を含む複数の記憶装置502a1、502a2、・・・の利用請求を行う(ステップS60)。
【0151】
このとき、データ中継装置540a1は、不正利用を避けるため、利用請求に含まれる利用資格情報を、そのデータ中継装置540a1の位置情報であるIPアドレスを添付して全体管理装置501に送信し、全体管理装置501は、送信されてきた利用資格情報を受信し、利用者データベース514を参照して、受信した利用資格情報と利用者データベース514に格納されている利用資格情報と照合し(ステップS62)、照合結果を取得する(ステップS63)。
【0152】
この照合結果により、利用資格情報が利用者データベース514に格納されている場合には、全体管理装置501は、その利用承認通知を、対応するデータ中継装置540a1のIPアドレスを参照して通知する(ステップS64)。
【0153】
データ中継装置540a1は、通知された利用承認通知に応じて、例えばデータを利用したい記憶装置(例えば、記憶装置503a1)に対応する記憶装置管理装置503a1に対して利用開始を通知する(ステップS65)。
【0154】
そして、データ中継装置540a1は、記憶装置管理装置503a1から返送されてきた利用開始承認通知を受信し(ステップS66)、対応する情報処理装置510a1(あるいは、対応する個別データ管理装置530a1)に対して利用許可通知を送信する(ステップS67)。
【0155】
このとき、本実施形態によれば、記憶装置管理装置503a1または記録装置502a1側へ送信されるデータに添付されるIPアドレスは、利用請求元の情報処理装置510a1のIPアドレスではなく、データ中継装置540a1のIPアドレスであるため、記憶装置管理装置503a1または記録装置502a1側からは、利用請求元である情報処理装置510a1を見ることができない。
【0156】
このため、記憶装置管理装置503a1または記録装置502a1側から利用請求元の情報処理装置を特定することを防止することができ、セキュリティおよびプライバシーをそれぞれ高く維持することができる。
【0157】
なお、本実施の形態では、利用者の本人性の認証を、利用者データベース514に格納された利用資格情報であるIDおよびパスワードを用いて行ったが、本発明はこの方式に限定されるものではなく、例えば、予め取得された電子証明書を利用し、利用請求を表すデータに署名データおよび公開鍵を含む電子証明書を添付して送信することにより認証を行うこともできる。
【0158】
また、全体管理装置501は、データ中継装置の認証を、例えば利用者データベース514に格納された全ての利用者は全てのデータ中継装置を利用可能であると判断することも可能である。
【0159】
さらに、全体管理装置501は、個々のデータ中継装置をアクセスできる利用者の識別情報を、データ中継装置毎に記憶するアクセス可能リストを予め保持しておき、このアクセス可能リストを参照して、対応するデータ中継装置に対して利用者がアクセス権限があるか否かを判断することもできる。
【0160】
なお、あるデータについて、そのデータ全部を特定の記憶装置にまとめて保存する場合、仮に暗号化を施していたとしても、十分な時間をかけて暗号を分析することにより、そのデータの全内容が判明する恐れも僅かながら存在する。また、利用者の情報処理装置側でのデータの変更を複数の記憶装置に記憶されたデータに反映させる場合、変更前のデータと変更後のデータとの差分から情報が解析され易くなる可能性もある。
【0161】
そこで、上述した各実施の形態の変形例として、利用者側の情報処理装置は、その利用者側管理機能(利用者側管理プログラムに基づく機能)として、例えば保存したいデータを細分化し、その細分化されたデータ要素をそれぞれ暗号化してそれぞれ異なる記憶装置に分散して保存することも可能である。
【0162】
このように構成すれば、例え1つのデータ要素の暗号が解析された場合でも、データ自体の全内容を解析することは非常に困難である。
【0163】
さらに、上述した各実施の形態の変形例として、複数の記憶装置に保存されたデータの書き換えや、非利用時データ管理装置によりデータの更新や移動、および複製等が実行される場合において、元のデータとは異なるキーにより別個の暗号化データとして作成し、また元の蓄積元の記憶装置以外の他の記憶装置に対して作成された暗号化データを配置させることにより、記憶装置側および記憶装置管理装置側でのデータの解析を困難にすることが可能である。
【0164】
なお、本発明は、その本発明の属する範囲内において、種々の変更および変形が可能である。
【0165】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係わるストレージシステムおよびストレージプログラムによれば、複数の記憶装置それぞれの可用性をそれぞれの記憶装置の識別情報に対応付けて記憶装置管理データベースに記憶しているため、利用者の利用対象となるデータが要求する可用性を満足する記憶装置組合せを、その記憶装置管理データベースに記憶された複数の記憶装置それぞれの可用性に基づいて求めることができる。
【0166】
この結果、利用者の利用対象となるデータが要求する可用性を満足しない記憶装置の利用を排除し、利用者のデータ利用効率を、上記複数の記憶装置の物理的な位置や性能に関係なく向上させることができる。
【0167】
また、本発明に係わるストレージシステムおよびストレージプログラムによれば、複数の記憶装置それぞれの稼動状態を表す複数の状態レベルと、その複数のレベルそれぞれの該記憶装置毎の存在確率とを、複数の記憶装置の複数の識別情報に対応付けて記憶しているため、利用者の利用対象データの要求可用性を満足する記憶装置の組合せを、複数の記憶装置それぞれの状態レベル毎の存在確率に応じて決定することができる。
【0168】
この結果、利用者に対して、その利用者の望む状態レベル、すなわち利用対象データの要求可用性を満足する記憶装置の利用を可能にして、利用者のストレージシステム利用効率および満足度をそれぞれ向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図。
【図2】図1に示す記憶装置管理データベースの概略構成を示す図。
【図3】図1に示す保存データ管理データベースの概略構成を示す図。
【図4】図1に示す利用者データベースの概略構成を示す図。
【図5】図1に示す利用者側管理機能プログラムに基づく情報処理装置の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図6】図5のステップS8のデータの配置構成に関する処理の一例を示す概略フローチャート。
【図7】図6のステップS7a1の処理により作成される記憶装置利用候補表の一例を示す図。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図。
【図9】図8に示す保存データ管理データベースの概略構成を示す図。
【図10】図8に示す非利用時データ管理装置の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図11】図8に示す利用者データベースの概略構成を示す図。
【図12】(a)は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係わる非利用時データ管理装置の処理の一例を示す概略フローチャート、(b)は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係わる主たる情報処理装置の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図。
【図14】本発明の第3の実施の形態における各記憶装置の稼動状態を説明するための図。
【図15】図13に示す記憶装置管理データベースの概略構成を示す図。
【図16】本発明の第3の実施の形態の変形例に係わる記憶装置管理データベースの概略構成を示す図。
【図17】本発明の第4の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図。
【図18】本発明の第4の実施の形態に係わるストレージシステムにおけるデータ遷移の一例を示す図。
【図19】本発明の第5の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図。
【図20】本発明の第5の実施の形態に係わるストレージシステムにおけるデータ遷移の一例を示す図。
【符号の説明】
101、201、301、401、501…全体管理装置
102a1、102a2、202a1、202a2、302a1、302a2、402a1、402a2、502a1、502a2…記憶装置
103a1、103a2、203a1、203a2、303a1、303a2、403a1、403a2、503a1、503a2…記憶装置管理装置
105、205、305、405、505…通信ネットワーク
112、212、312、312a、412、512…記憶装置管理データベース
113、213、313、413、513…保存データ管理データベース
220、320、420、520…非利用データ管理装置
312a…記憶装置管理データベース
430a1、430a2、530a1、530a2…個別データ管理装置
540a1、540a2…データ中継装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークを介して通信可能な複数の記憶装置を複数の利用者に対応する複数の情報処理装置により利用するためのストレージシステムおよびストレージプログラムに関する。なお、ストレージシステムとは、本明細書では、複数の記憶装置、すなわち、複数のストレージリソースを有する情報処理システムのことを意味する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットの普及およびその高速化に伴い、ネットワークを経由して記憶装置を利用する形態が普及しつつある。
【0003】
例えば、NFS(Network File System;非特許文献1参照)およびCIFS(Common Internet File System;非特許文献2参照)等のネットワークファイルシステムのプロトコルにより、利用者は、ローカルのファイルシステムと同様にネットワークを直接意識することなく利用することが可能になる。
【0004】
しかしながら、ネットワーク上の複数の記憶装置がそれぞれ異なる存在として利用者に見えるのであれば、簡便な利用は望めない。
【0005】
そこで、上記ネットワーク上の複数の記憶装置を仮想的に1つの記憶装置として利用者や利用者側情報処理装置に搭載されたアプリケーション(アプリケーションソフトウェア)に見せる分散ファイルシステムが考えられている(非特許文献3参照)。
【0006】
一方、インターネットの高速化およびコンピュータの高性能化等に伴い、これまで以上に大容量のデータを保存できるストレージシステムが求められている。そこで、専用のストレージサーバ(データ記憶専用サーバ)だけではなく、一般の利用者等が保有する遊休設備分(遊休状態の記憶装置)を利用するストレージシステムが考えられている。
【0007】
【非特許文献1】
”The internet Engineering Task Force RFC1813”、[online]、IETF、[平成15年5月13日検索]、インターネット<URL:http://www.ietf.org/rfc/rfc/1813.txt?number=1813>
【0008】
【非特許文献2】
”CIFS/SMB protocol overview”、[online]、Microsoft、[平成15年5月13日検索]、インターネット<http://www.msdn.microsoft.com/library/default.asp?url=/library/en−us/fileio/base/cifs_smb_protocol_overview.asp>
【0009】
【非特許文献3】
”Satyanarayaman, M. A, Survey of Distributed File Systems, CMU−CS−89−116, Carnegie Mellon University School of Computer Science, February, 1989
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ネットワーク上のストレージリソースである記憶装置は、一般的にはその記憶装置のアクセス速度、可用性(その装置の信頼性の指標であり、本来稼動すべき時間において実際に使用可能になっている割合を表す)、あるいはその記憶装置へ至るネットワークの性能等が一様ではない。
【0011】
したがって、単純にネットワーク上の複数の記憶装置を仮想化し、任意の記憶装置を利用すると、利用者にとって性能の低い記憶装置を利用する可能性が生じていた。
【0012】
また、一般の利用者等が保有する遊休設備分を利用するストレージシステムにおいては、利用者にとって第三者に見られたくないデータを安心して保存および利用できる方式の実現が求められていた。
【0013】
さらに、遊休設備を所有する利用者自身の遊休設備の利用により他の利用者への遊休設備の提供ができない場合や、その遊休設備が停止している場合等においても、利用者へのサービスに重大な影響が生じる恐れが生じていた。
【0014】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、利用者の利用対象となるデータが要求する可用性を満足する記憶装置組合せを、複数の記憶装置から抽出することを可能にして、利用対象データが要求する可用性を満足しない記憶装置の利用を排除することをその目的とする。
【0015】
また、本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、利用者に対して、その利用者の望む稼動状態の記憶装置の利用を可能にすることを他の目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、請求項1に記載したように、ネットワークを介して通信可能な複数の記憶装置を複数の利用者に対応する複数の情報処理装置により利用するためのストレージシステムであって、前記複数の記憶装置それぞれの可用性をそれぞれの記憶装置の識別情報に対応付けて記憶する記憶装置管理データベースと、前記記憶装置管理データベースを参照し、前記複数の利用者の内の少なくとも一人の利用者の利用対象となるデータが要求する可用性を満足する記憶装置の組合せを前記複数の記憶装置の中から決定する組合せ決定手段と、を備えている。
【0017】
請求項2記載の本発明では、前記利用対象データを、前記決定された組合せに対応する記憶装置に保存する保存手段をさらに備えている。
【0018】
請求項3記載の本発明では、前記利用対象データが前記複数の記憶装置の内の少なくとも1つに記憶されている場合、前記利用対象データが要求する可用性を、その利用対象データの識別情報および該利用対象データが記憶された少なくとも1つの記憶装置の識別情報にそれぞれ記憶する保存データ管理データベースを備え、前記組み合わせ決定手段は、前記利用対象データの可用性を前記保存データ管理データベースを参照して取得し、取得した可用性に基づいて、該可用性を満足する記憶装置の組合せを前記複数の記憶装置の中から決定する決定手段と、決定された組合せに対応する記憶装置に対して前記利用対象データを冗長的に記憶する記憶手段と、前記利用対象データの記憶先を前記組合せに対応する記憶装置とする内容に前記保存データ管理データベースを更新する更新手段と、を備えている。
【0019】
請求項4記載の本発明において、前記記憶装置管理データベースは、前記複数の記憶装置それぞれを利用する際の条件を表す複数の利用条件情報を該複数の記憶装置に対応付けて記憶しており、前記決定手段は、前記記憶装置管理データベースを参照して前記複数の記憶装置に対応する複数の利用条件を読み出し、その複数の利用条件に従って前記複数の記憶装置の優先順位を決定する手段と、決定された優先順位に従って、前記複数の記憶装置から前記利用対象データが要求する可用性を満足する記憶装置の組合せを決定する手段とを備えたことを要旨とする。
【0020】
請求項5記載の本発明においては、前記利用対象データを含む複数のデータが前記複数の記憶装置の内の少なくとも1つに記憶され、前記保存データ管理データベースは、前記利用対象データを含む複数のデータを、該利用対象データの識別情報を含む複数のデータ識別情報、および前記複数のデータの最終利用時点を表す最終利用情報に対応付けて記憶している一方、前記複数のデータそれぞれの最終利用情報に応じて該複数のデータそれぞれの最終利用時からの経過時間を求め、求めた複数のデータに対応する複数の経過時間の内、一定時間を超えた経過時間に対応するデータの検査を行うための処理を実行する手段をさらに備えている。
【0021】
請求項6記載の本発明において、前記保存データ管理データベースは、前記複数のデータそれぞれを所定の関数により演算して生成した互いにユニークな複数の第1のデータ値を前記複数のデータ識別情報に対応付けて記憶している一方、前記検査処理実行手段は、前記一定時間を超えた経過時間に対応するデータを記憶している記憶装置に対して該データの取得要求を行う手段と、前記データの取得要求の結果、該データを取得できない場合には、そのデータが失われたものと判断し、該データを取得できた場合には、そのデータから前記所定の関数により第2のデータ値を演算し、前記保存データ管理データベースを参照して、該データに対応する第1のデータ値を読み出し、読み出した第1のデータ値が前記演算した第2のデータ値と一致するか否か判断する手段とを備えている。
【0022】
請求項7記載の本発明において、前記検査処理実行手段は、前記複数の情報処理装置における少なくとも1つの情報処理装置に対して、前記一定時間を超えた経過時間に対応するデータの検査を促す手段を備えている。
【0023】
請求項8記載の本発明において、前記記憶装置管理データベースは、前記複数の記憶装置それぞれの稼動状態を表す複数の状態レベルと、前記複数のレベルそれぞれの該記憶装置毎の存在確率とを、その複数の記憶装置の複数の識別情報に対応付けて記憶しており、前記組合せ決定手段は、前記利用対象データの要求可用性を満足する記憶装置の組合せを、前記複数の記憶装置それぞれの状態レベル毎の存在確率に応じて決定する手段を備えている。
【0024】
請求項9記載の本発明において、前記記憶装置管理データベースは、前記複数の記憶装置それぞれの稼動状態を表す複数の状態レベルそれぞれの該記憶装置毎の存在確率に基づいて算出された、前記複数の記憶装置それぞれの定常状態時の存在確率を表す定常状態確率および遷移状態時の存在確率を表す遷移状態確率を、前記複数の記憶装置の複数の識別情報に対応付けて記憶しており、前記複数の情報処理装置の内の少なくとも1つからの前記利用対象データへのアクセスを、前記複数の記憶装置それぞれの定常状態確率および遷移状態確率に応じて制御する手段をさらに備えている。
【0025】
請求項10記載の本発明においては、前記ネットワークを介して通信可能な複数の個別データ管理手段を備え、前記複数の情報処理装置における少なくとも1つの情報処理装置が対応する前記個別データ管理手段に対する通信状態を確立した際に、該個別データ管理手段は、前記少なくとも1つの情報処理装置と前記複数の記憶装置との間で通信されるデータの管理を行う手段を備えている。
【0026】
請求項11記載の本発明においては、前記複数の記憶装置を管理する管理装置と、前記ネットワークを介して前記管理装置および前記複数の情報処理装置の内の少なくとも1つの情報処理装置間の通信を中継するデータ中継手段を備え、前記データ中継手段は、前記管理装置および前記少なくとも1つの情報処理装置間の通信を、該少なくとも1つの情報処理装置のネットワーク経由の位置情報を秘匿しながら行う手段を備えている。
【0027】
請求項12記載の本発明において、前記利用対象データを含む複数のデータの内の少なくとも1つのデータは、複数のデータ要素に分割された状態で前記複数の記憶装置にそれぞれ記憶されている。
【0028】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、請求項13に記載したように、ネットワークを介して通信可能な複数の記憶装置を複数の利用者に対応する複数の情報処理装置により利用でき、前記複数の記憶装置それぞれの可用性をそれぞれの記憶装置の識別情報に対応付けて記憶する記憶装置管理データベースを備えたストレージシステムにおける前記複数の情報処理装置の内の少なくとも1つの情報処理装置が実行可能なストレージプログラムであって、前記少なくとも1つの情報処理装置に、前記記憶装置管理データベースを参照し、前記複数の利用者の内の少なくとも一人の利用者の利用対象となるデータが要求する可用性を満足する記憶装置の組合せを前記複数の記憶装置の中から決定する手順を実行させる。
【0029】
【発明の実施形態】
本発明に係るストレージシステムおよびストレージプログラムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0030】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図である。
【0031】
図1に示すように、ストレージシステムは、このストレージシステム全体を管理する全体管理装置101と、上記ストレージシステムのストレージリソースとしての複数の記憶装置102a1、102a2、・・・と、この複数の記憶装置102a1、102a2、・・・それぞれに対応して配置されており、複数の記憶装置102a1、102a2、・・・それぞれを管理する複数の記憶装置管理装置103a1、103a2、・・・とを備えており、全体管理装置101および複数の記憶装置管理装置103a1、103a2、・・・は、それぞれ通信ネットワーク105を介して互いに通信可能になっている。
【0032】
また、ストレージシステムは、複数の利用者それぞれに対応する複数の情報処理装置110a1、110a2、・・・を備えており、この複数の情報処理装置110a1、110a2、・・・は、通信ネットワーク105に対する接続を確立した状態においてその通信ネットワーク105経由で全体管理装置101および複数の記憶装置管理装置103a1、103a2、・・・それぞれと通信可能になっている。
【0033】
また、全体管理装置101には、記憶装置管理データベース112、保存データ管理データベース113および利用者データベース114がそれぞれ接続されている。
【0034】
記憶装置管理データベース112には、全体管理装置101の管理の下、図2に示すように、各記憶装置102a1、102a2、・・・の識別情報としての番号および名称と、各記憶装置102a1、102a2、・・・の通信ネットワーク105経由の位置情報(位置アドレス;例えば、本実施形態では、論理的なIPアドレス)と、各記憶装置102a1、102a2、・・・を利用する際の利用条件を表す例えば読み出しおよび記憶速度と、各記憶装置102a1、102a2、・・・の可用性(システムダウン無しを「1」とする)とが記憶装置番号毎に互いに対応付けられて記憶されている。
【0035】
保存データ管理データベース113には、全体管理装置101の管理の下、図3に示すように、複数の記憶装置102a1、102a2、・・・の内の少なくとも1つに記憶(保存)されている各データの識別情報としての番号および名称と、各データの所有者の識別情報と、各データを利用可能な利用者の識別情報と、各データが利用中(YES)か未利用中(NO)かを表す情報と、各データ毎に、その各データの利用時において利用先の装置に要求される可用性を表す要求可用性と、データが分割して複数の記憶装置102a1、102a2、・・・内に保存されている場合、その分割されたデータ毎の名称および保存先である所在とがデータ番号毎に互いに対応付けられて記憶されている。
【0036】
さらに、利用者データベース114には、全体管理装置101の管理の下、図4に示すように、各情報処理装置110a1、110a2、・・・に対応する各利用者の識別情報としての番号および名称が互いに対応付けられて記憶されている。
【0037】
上述した全体管理装置101、各記憶装置管理装置103a1、103a2、・・・および各情報処理装置110a1、110a2、・・・は、それぞれ少なくとも1台のコンピュータ(メモリを含む)を含む装置として構成されており、それぞれの装置のメモリおよび/または外部記憶部には、通信ネットワーク105上のネットワークリソースを可視化して共通して利用可能にするための共通の通信プロトコル(例えば、TCP/IP等)およびプラットフォームがそれぞれ実装されている。
【0038】
さらに、各情報処理装置110a1、110a2、・・・には、各記憶装置管理装置103a1、103a2、・・・を利用する各種のアプリケーションが搭載されている。
【0039】
特に、本実施形態では、各情報処理装置110a1、110a2、・・・には、データ利用開始時において起動される利用者側管理機能プログラムP1、および利用者側管理機能プログラムP1により起動され、実際のデータ処理を扱う利用者側データ管理機能プログラムP2がそれぞれ格納されている。
【0040】
この利用者側管理機能プログラムP1、利用者側データ管理機能プログラムP2、上記通信プロトコルおよびプラットフォームにより、各情報処理装置110a1、110a2、・・・に対して複数の記憶装置102a1、102a2、・・・の位置や構成に係わらず、常に同一のインタフェース環境を提供するように構成されている。
【0041】
利用者側管理機能プログラムP1、および/または利用者側データ管理機能プログラムP2は、予め磁気記録媒体や半導体記録媒体等の記録媒体に格納された状態で、各情報処理装置110a1、110a2、・・・の図示しないドライブ装置を介して、その各装置110a1、110a2、・・・のメモリにロードして実行するように構成されている。なお、各情報処理装置110a1、110a2、・・・は、複数の記憶装置102a1、102a2、・・・の内の少なくとも1つにアップロードされた利用者側管理機能プログラムP1、および/または利用者側データ管理機能プログラムP2を通信ネットワーク105を介してダウンロードして、その各装置110a1、110a2、・・・のメモリにロードして実行する構成でもよい。
【0042】
次に、本実施形態のストレージシステムの全体動作について説明する。
【0043】
例えば、情報処理装置110a1は、データ利用時において起動された利用者側管理機能プログラムP1に基づく処理を実行する。
【0044】
すなわち、情報処理装置110a1は、利用対象となるデータを新規に作成するか否か判断する(図5;ステップS1)。
【0045】
通常、データの利用に際しては、(1)新規に作成する場合、(2)既存のデータ、すなわち、既に記憶装置に保存されているデータを利用する場合であって、そのデータが情報処理装置によっても管理されていない場合および(3)既存データ利用であり、既に何れかの情報処理装置によって管理されている場合、の3通りが考えられる。
【0046】
例えば、利用対象データを新規に作成する場合、ステップS1の判断はYESとなり、情報処理装置110a1は、後述するステップS7の処理に移行する。
【0047】
一方、既存のデータを利用対象データとして利用する場合、ステップS1の判断はNOとなり、情報処理装置110a1は、全体管理装置101を介して保存データ管理データベース113を参照し(ステップS2)、そのデータが既に他の情報処理装置に利用・管理されているか否か判断する(ステップS3)。
【0048】
例えば、図3に示すように、名称”dat1”のデータ(番号1)利用対象であれば、そのデータは”ステップS3の判断の結果は、YES(利用中)”となり、名称”dat2”のデータ(番号2)利用対象であれば、そのデータは”NO(未利用)”と判断される。
【0049】
ステップS3の判断がYES(利用中)の場合、情報処理装置110a1は、利用対象データに対する管理の競合を回避するため、利用中の情報処理装置名を取得し(ステップS4)、利用中の情報処理装置の管理に従って、その情報処理装置経由で上記既存の利用対象データにアクセスし(ステップS5)、既に利用中の情報処理装置が既に実行しているステップS6〜S10の処理に従う。
【0050】
一方、ステップS3の判断がNO(未利用)の場合、情報処理装置110a1は、保存データ管理データベース113を参照して、利用対象データが保存されている記憶装置名称を取得し(ステップS6)、保存データ管理データベース113および利用者の上記利用対象データの利用条件に従って、複数の記憶装置102a1、102a2、・・・の冗長的に記憶(配置)する記憶先(配置先)の組合せを決定する(ステップS7)。
【0051】
すなわち、図6に示すように、情報処理装置110a1は、保存データ管理データベース113および利用者の上記利用対象データの利用条件に従って、図2に示す記憶装置管理データベース112を参照し、複数の記憶装置102a1、102a2、・・・の優先順位付けを行う。
【0052】
本実施形態では、例えば利用条件として、記憶装置の読み出しおよび記憶速度が設定されている場合、情報処理装置110a1は、記憶装置管理データベース112を参照し、各記憶装置102a1、102a2、・・・の読み出しおよび記憶速度の速い順に複数の記憶装置102a1、102a2、・・・それぞれに優先順位を設定し、設定した優先順位に応じて前記記憶装置管理データベース112の内容を例えば降順にソートして図7に示す記憶装置利用候補表(テーブル)115を生成する(ステップS7a1)。
【0053】
なお、新規作成の場合は、作成データの保存先として上記記憶装置利用候補表115を生成する。
【0054】
次に、情報処理装置110a1は、利用対象データの要求可用性を図3に示す保存データ管理データベース113を参照して取得する。
【0055】
例えば、利用対象データが、名称「dat1」のデータの場合、情報処理装置110a1は、その要求可用性は0.99を取得する。
【0056】
そして、情報処理装置110a1は、利用対象データの要求可用性を満足する記憶装置の組合せを優先順位付けに従って決定する。
【0057】
例えば、図7に示す記憶装置利用候補表115の場合、利用対象データの要求可用性「0.99」を優先順位が最上位(1)の記憶装置(名称stor1)単体で満足することはできない(記憶装置(名称stor2)の可用性が0.9)ため、情報処理装置110a1は、優先順位が第二位(2)以降の少なくとも1つの他の記憶装置を、その可用性に応じて上記利用対象データの記憶先(配置先)として選択し、上記優先順位が最上位(1)の記憶装置を含む複数の記憶装置の組合せを決定する(ステップS7a2)。
【0058】
一般に、ストレージシステムの複数(n個)の記憶装置の構成全体で提供可能な可用性をptot、そのn個の記憶装置単体での可用性をp1、p2、・・・、pnとすると、上記ptotは、下式(1)
【数1】
と表記できる。
【0059】
本実施形態においては、優先順位が最上位(1)の記憶装置(名称stor2)と二位の候補(記憶装置(名称stor1)との組合せを冗長配置構成として採ることにより利用対象データの要求可用性(0.99)を満足するため、利用対象データの記憶先(配置先)を記憶装置(名称stor2)および記憶装置(名称stor1)に決定する。
【0060】
このようにして利用対象データの冗長配置構成を決定した情報処理装置110a1は、利用者側管理機能プログラムP1により起動された利用者側データ管理機能プログラムP2に基づく処理として、決定した記憶装置(名称stor2)および記憶装置(名称stor1)に対応する記憶装置管理装置を通して、決定記憶装置(名称stor2)および記憶装置(名称stor1)に対する利用対象データの移動および/または利用対象データの複製(コピー)を行うことにより、利用対象データの冗長配置構成を実際に行う(ステップS8)。
【0061】
このとき、冗長配置構成として設定された複数の記憶装置の内の少なくとも一方への利用対象データの移動および/または複製が実行できなかった場合には(ステップS9→NO)、情報処理装置110a1は、ステップS7の処理に戻って、その実行不可の記憶装置の代わりの記憶装置を用いて、再度冗長構成処理および利用対象データの移動/複製処理を行い、ステップS9の結果がYES(冗長処理構成の複数の記憶装置に対する利用対象データの移動/複製完了)となるまで、ステップS7〜S9の処理を繰り返し行う。
【0062】
このようにして、決定した冗長処理構成の複数の記憶装置に対する利用対象データの移動/複製が完了、すなわち、利用対象データの移動/複製により、その複数の記憶装置に対して利用対象データの保存が完了すると(ステップS9→YES)、情報処理装置110a1は、全体管理装置101を通して、上記利用対象データの保存内容を保存データ管理データベース113に登録し(ステップS10)、利用対象データの利用準備を完了する。
【0063】
この結果、情報処理装置110a1は、例えば、そのアプリケーションおよび利用者側データ管理機能プログラムP2に基づく処理として、冗長構成された利用対象データへのアクセスを行い、該利用対象データを利用する。
【0064】
そして、上記そのアプリケーションおよび利用者側データ管理機能プログラムP2に基づく処理として、情報処理装置110a1の利用対象データの利用が終了すると、情報処理装置110a1は、利用者側管理機能プログラムP1に基づく処理として、その利用対象データの利用終了を全体管理装置101に通知し、保存データ管理データベース113を更新する。
【0065】
以上述べたように、本実施形態によれば、利用対象データの要求可用性が高い場合でも、その利用対象データの要求可能性を満足する組合せとして冗長構成された複数の記憶装置に対して、その利用対象データを配置(記憶)することができる。
【0066】
このため、利用者が利用対象データを、その要求可用性よりも可用性が低い記憶装置を介して利用する恐れを解消することができ、ストレージシステムに対する利用者の満足度を向上させることができる。
【0067】
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図である。
【0068】
なお、本実施の形態におけるストレージシステムは、図1に示す構成に加えて、通信ネットワーク205により接続されており、利用者側の情報処理装置210a1、210a2、・・・により複数の記憶装置202a1、202a2、・・・記憶されたデータの管理が行われていない状態(例えば、利用者データ管理機能プログラムP2の停止、各情報処理装置210a1、210a2、・・・の通信ネットワーク205からの切断および各情報処理装置210a1、210a2、・・・の電源遮断等)において、複数の記憶装置202a1、202a2、・・・に記憶されたデータの管理を行うための非利用時データ管理装置220を備えている。
【0069】
また、本実施形態において、保存データ管理データベース213には、図9に示すように、各データが情報処理装置210a1、210a2、・・・に利用された最終の利用時刻をその利用毎に表す最終利用時刻と、各データを所定のハッシュ関数により固定のデータ長に圧縮して求められたハッシュ値とが対応する各データの識別情報に対応付けられて記憶されている。
【0070】
なお、その他の構成については、第1の実施の形態の構成と略同様であるため、各構成要素については、図1に示す構成要素と類似した符号(例えば、全体管理装置101→201)を付してその説明を省略する。
【0071】
次に、本実施形態のストレージシステムの全体動作について説明する。
【0072】
上述したように、利用者側の情報処理装置210a1、210a2、・・・により複数の記憶装置202a1、202a2、・・・に記憶されたデータの管理が行われていない状態において、第1の実施の形態では、そのデータは、情報処理装置210a1、210a2、・・・によるデータの利用終了時の状態を維持しているものとして保存データ管理データベース113に記憶されている。
【0073】
この構成では、短期的には各記憶装置202a1、202a2、・・・の特性値から算出された可用性によるデータ保持が期待できるものの、長期間利用の無いデータは、そのデータの記憶先の記憶装置側の故障や電源遮断等により失われる可能性がある。
【0074】
本実施の形態のストレージシステムは、上述した情報処理装置210a1、210a2、・・・によるデータ非利用時におけるデータ管理を可能にしたものである。
【0075】
このとき、非利用時データ管理装置220は、定期的に保存データ管理データベース213を検索し(ステップS21)、その最終利用時刻から一定期間が経過するデータが存在するか否か判断する(ステップS22)。
【0076】
このステップS22の判断の結果NO(最終利用時刻から一定期間が経過するデータが存在しない)の場合には、非利用時データ管理装置220は、ステップS21の処理に戻って定期的に処理を繰り返す。
【0077】
一方、ステップS22の判断の結果YES(最終利用時刻から一定期間が経過するデータが存在する)の場合、すなわち、保存データ管理データベース213上において利用状態となっているにも拘わらず、何らかの理由で正しい管理が行われなくなっているデータが存在する場合には、非利用時データ管理装置220は、該当するデータの管理状況問い合わせとして、そのデータの取得要求を、データを蓄積している記憶装置へ送信する(ステップS23)。
【0078】
このとき、非利用時データ管理装置220は、データ取得要求送信後、該当データをデータ蓄積記憶装置から取得できたか否かを判断しており(ステップS24)、この判断の結果NO(取得不可)の場合には、一定時間が経過するまで待機してさらに該当データをデータ蓄積記憶装置から取得できたか否かを判断し(ステップS25)、この一定時間待機後も該当データの取得ができなかった場合(ステップS25→NO)には、該当データは失われたものと判断し、複数の記憶装置202a1、202a2、・・・に残存するデータを用いて失われたデータを再構成することが可能であれば、非利用時データ管理装置220は、既存データの利用開始時と同様に図5に示すステップS7の処理に移行し、既存のデータを利用して該当データを再構成して再配置し、必要な可用性を回復する。
【0079】
一方、ステップS24の判断の結果、およびステップS25の判断の結果YES、すなわち、該当データが取得できた場合には、非利用時データ管理装置220は、取得したデータを上記所定のハッシュ関数により固定のデータ長に圧縮してハッシュ値求め、求めたハッシュ値と、保存データ管理データベース213に登録された対応するデータのハッシュ値とを比較し(ステップS27)、この比較の結果一致するか否か判断する(ステップS28)。
【0080】
このステップS28の結果、一致しない場合には(ステップS28→NO)、非利用時データ管理装置220は、そのデータは失われたものと判断し、複数の記憶装置202a1、202a2、・・・に残存するデータを用いて失われたデータから再構成が可能であれば、非利用時データ管理装置220は、既存データの利用開始時と同様に図5に示すステップS7の処理に移行し、既存のデータを利用して該当データを再構成して再配置し、必要な可用性を回復する。
【0081】
一方、このステップS28の結果、一致する場合には(ステップS28→YES)、非利用時データ管理装置220は、そのデータは保持されているものと判断し、保存データ管理データベース213における上記データの最終利用時刻を更新する(ステップS30)。
【0082】
以上述べたように、本実施形態によれば、複数の記憶装置202a1、202a2、・・・に記憶されたデータが情報処理装置210a1、210a2、・・・から一定期間を超えて利用が無い場合においても、非利用データ管理装置220により定期的に複数の記憶装置202a1、202a2、・・・に記憶されたデータの状態を検査・確認することができ、必要な可用性等の要求性能の維持、および稼動実績記録等を保存データ管理データベース213に残すことになるため、課金等へ応用することが可能になる。
【0083】
特に、本実施形態では、上記データの検査・確認処理を、情報処理装置210a1、210a2、・・・ではなく、非利用データ管理装置220により実行しているため、利用者側の負担を少なくすることができる。
【0084】
なお、上記データの検査・確認処理を、情報処理装置210a1、210a2、・・・の中で比較的能力および利用可能時間が高い装置を主たる情報処理装置(210akとする)として予め決定して利用者データベース212に登録しておき、その主たる情報処理装置210akにより上記データの検査・確認処理を行うこともできる。
【0085】
図11は、上述した本実施形態の変形例に係わる利用者データベース212を示す図であり、主たる情報処理装置210akを識別する情報が各利用者番号に対応付けられて記憶されている。
【0086】
すなわち、非利用時データ管理装置220は、利用者データベースを検索して主たる情報処理装置210akを特定し(ステップS31)、特定した主たる情報処理装置210akに対してデータの検査を促す(ステップS32)。
【0087】
このとき、主たる情報処理装置210akは、非利用時データ管理装置220からの催促に応じて、上述したステップS21〜S30のデータ検査処理を実行する(ステップS35)。
【0088】
この変形例によれば、非利用時データ管理装置220の処理負荷およびネットワーク負荷を抑制しながらデータの検査・確認処理を行うことができ、また、必要に応じて利用者側の任意の追加検査を行うことも可能である。
【0089】
(第3の実施の形態)
図13は、本発明の第3の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図である。
【0090】
一般の利用者等が保有する遊休設備分を利用する場合、ストレージサービス提供者(ストレージシステムの構築・提供者)がシステムを停止している場合や、利用負荷が高い等の理由により一時的にサービスを提供できない、あるいは提供しない場合が想定される。
【0091】
本実施形態では、そのような状況にも対処するために、ストレージシステムのストレージリソースである各記憶装置の稼動状態についてより詳細な管理を可能にしている。
【0092】
すなわち、本実施形態においては、図14にテーブルTとして示すように、各記憶装置の稼動状態について、次の5つの状態(「動作」、「容量上限」、「休止」、「一時的遮断」、「停止」)を想定し、各記憶装置の稼動状態を、上記5つの状態の何れかに分類して管理している。
【0093】
ここで、「動作」とは、その記憶装置が要求に応じていつでも利用できる状態にあることを表し、「容量上限」とは、その記憶装置に対し保存されているデータが一定量(上限)に達し、新たなデータの蓄積が行えない状態を表し、「休止」とは、その記憶装置が複数の利用者のアクセス等により負荷が高まり、新たな利用者からの要求に応じられない状態を表す。
【0094】
そして、「一時的遮断」とは、通信ネットワーク、あるいはストレージシステムの遮断により、利用者側からその記憶装置に対して通信ができない状態を表す。ただ、その遮断状態は一時的なものであり、システム上はデータの保全を期待されている。「停止」は、一時的遮断状態から一定時間経過した状態を表し、この停止状態は、システム停止や通信ネットワークの遮断等により、その記憶装置を新たに利用できないだけではなく、完全にその記憶装置の状態の把握ができず、また蓄積されていたデータも利用不可になる状態を表す。
【0095】
したがって、テーブルTに示すように、「動作」状態にある記憶装置には、その記憶装置に対する「データの書き込み」および記憶装置からの「データの読み出し」をそれぞれ行うことができ(○)、また、その記憶装置は、蓄積データの「管理」および蓄積データの「保全」もそれぞれ行うことができる(○)。
【0096】
同様に、「容量上限」状態にある記憶装置には、「データの書き込み」のみ不可(×)であり、「休止」状態にある記憶装置には、「データの書き込み」および「データの読み出し」が不可(×)である。また、「一時的遮断」状態にある記憶装置には、「データの書き込み」、「データの読み出し」および「管理」については不可(×)であるが、「データ保全」については可能であり、「停止」状態にある記憶装置には、全ての動作が不可(×)である。
【0097】
上述した各記憶装置の状態についての詳細な管理の一構築例として、本実施形態のストレージシステムにおける記憶装置管理データベース312には、図15に示すように、各記憶装置302a1、302a2、・・・が上記各状態(「動作」、「容量上限」、「休止」、「一時的遮断」、「停止」)に存在する確率を表す存在確率が各状態毎に対応する各記憶装置の識別情報に対応付けられて記憶されている。
【0098】
例えば、図15に示すように、名称「stor1」の記憶装置は、「動作」状態にある確率(存在確率)が0.88、「容量上限」状態にある確率(存在確率)が0.01、「休止」状態にある確率(存在確率)が0.1、「一時的遮断」状態にある確率(存在確率)が0.01、「停止」状態にある確率が0となっている。
【0099】
なお、その他の構成については、第2の実施の形態の構成と略同様であるため、各構成要素については、図8に示す構成要素と類似した符号(例えば、全体管理装置201→301)を付してその説明を省略する。
【0100】
次に、本実施形態のストレージシステムの全体動作について説明する。
【0101】
図15に示したように、本実施形態においては、記憶装置管理データベース312には、各記憶装置毎に、その各記憶装置の複数の状態に対する存在確率が保持されているため、例えば、第1の実施の形態で説明した図6に示すステップS7a2の処理において、情報処理装置310a1は、候補となった記憶装置の可用性を、図7に示す可用性と図15に示す対応する記憶装置の存在確率により決定することができる。
【0102】
このため、例えば、候補となった記憶装置の「動作」に対する存在確率が低下している場合、その記憶装置の可用性を、図7に示す可用性よりも低い値とすることにより、利用対象データの要求可用性を満足する記憶装置の組合せを決定することができる。
【0103】
また、例えば全体管理装置301により各記憶装置302a1、302a2、・・・の実際の動作状態を記録し、その記録結果に応じて記憶装置管理データベース312における各記憶装置の複数の状態に対する存在確率を更新することも可能である。
【0104】
さらに、一般の利用者等が保有する遊休設備分を利用する場合においては、その利用者の遊休設備の利用状況によっては遊休状態ではなくなり、例えば、利用者が遊休設備であった記憶装置(例えば、記憶装置302a1)を利用した場合、その遊休設備であった記憶装置302a1による他の利用者へのストレージサービスの提供が停止する可能性がある。
【0105】
この場合、一時的な利用であれば、記憶装置302a1の稼動状態が「休止」に移行するだけとなるが、長期的な利用により「停止」に移行した場合、記憶装置302a1に対応する記憶装置管理装置303a1側から全体管理装置301へ対応する記憶装置302a1の運用停止を連絡を行い、非利用時データ管理装置305により、その記憶装置302a1に保存されたデータの他の記憶装置への移動(再配置)を行ってから、記憶装置302a1のストレージサービスを停止することも可能である。
【0106】
さらに、データに変更が加わった場合、その変更の時点で「容量上限」、「休止」および「一時的遮断」状態の記憶装置には、そのデータの変更が行えないため、その容量上限、休止および一時的遮断状態の記憶装置は、ストレージシステム内において対応するデータを蓄積している蓄積装置としては一時的に除外され、その結果、システム全体の可用性が低下する可能性がある。
【0107】
このとき、一時的に除外された記憶装置の状態が「動作」に復帰するのを待つ場合には、可用性は向上するが、全体として待機状態にある複数の記憶装置に保存されたデータに対して利用者側の情報処理装置からアクセスが生じた場合、そのアクセス速度が大幅に低下することが想定される。
【0108】
つまり、システムの可用性とアクセス速度の高速化とは一般的に背反する要求である。
【0109】
そこで、本実施形態の変形例として、利用者用データ管理について、各記憶装置302a1、302a2、・・・の状態を、定常状態と遷移状態との2つの稼動状態で異なる数値(存在確率)を設定して管理することも可能である。
【0110】
ここで、定常状態とは、長期保存時あるいは利用者の情報処理装置からの指定があった場合の要求管理レベルを表す状態であり、遷移状態とは、作業時等、データ利用時に高い頻度で現れる状態である。
【0111】
図16は、本実施形態の変形例に係わる記憶装置管理データベース312aの一例を示す図である。
【0112】
図16に示すように、本変形例に係わる記憶装置管理データベース312aには、記憶装置管理データベース312に加えて、各記憶装置302a1、302a2、・・・が上記定常状態および遷移状態に存在する確率を表す存在確率(定常状態:Pstat、遷移状態:Pdyn)が対応する各記憶装置の識別情報に対応付けられて記憶されている。
【0113】
例えば、定常状態の管理レベルにおいては、その記憶装置への新規のデータの追加が生じず、保存されているデータの存在が確認できればよいため、対応する記憶装置における「動作」、「容量上限」、「休止」および「一時的遮断」を、その記憶装置の可用性がある状態として管理することができる。
【0114】
したがって、ある記憶装置の「動作」、「容量上限」、「休止」、「一時的遮断」および「静止」のそれぞれの稼動状態に対する存在確率を、それぞれp1、p2、p3、p4およびp5として表すと、この記憶装置の定常状態の存在確率Pstatは、下式(2)として表すことができる。
【0115】
Pstat=p1+p2+p3+p4 ・・・(2)
一方、遷移状態の管理レベルにおいては、定常状態よりも高速なアクセス(データ変更等)が起こり得るため、「動作」対応する記憶装置における「動作」状態のみを、その記憶装置の可用性がある状態として管理することができる。
【0116】
したがって、この記憶装置の遷移状態の存在確率Pdynは、下式(3)として表すことができる。
【0117】
Pdyn=p1 ・・・(3)
但し、その記憶装置の利用がデータの読み込みに限定される場合では、
Pdyn=p1+p2 ・・・(4)
に設定する等、記憶装置管理データベース312aにおける対応する記憶装置の遷移状態の存在確率を書き換えることにより柔軟に対応することができる。
【0118】
以上述べたように、本実施形態およびその変形例によれば、ストレージシステムにおける各記憶装置の稼動状態を、異なるレベル(「動作」、「容量上限」、「休止」、「一時的遮断」および「停止」、あるいは「定常状態」および「遷移状態」に設定し、そのレベル毎に存在確率を設定しているため、各記憶装置の稼動状態を、その各レベルの存在確率により把握して、その可用性等を設定することができる。
【0119】
したがって、例えば、一般の利用者が保有する遊休設備としての記憶装置を利用する場合等、その記憶装置の稼動状態が変動する場合において、その変動するレベルに応じて可用性を設定し、また変動するレベルに応じた利用者側情報処理装置からのアクセス制御を行うことができ、変動レベルに応じた効率的な運用を図ることができる。
【0120】
(第4の実施の形態)
第1の実施の形態で説明したように、データの可用性を高めるためには、そのデータを複製して異なる複数の記憶装置に冗長して蓄積しておくことが有効である。例えば、図1に示すように、利用者データ管理機能プログラムP2は、そのプログラムP2が搭載された装置を介して、上記データの冗長化構成を管理することができる。
【0121】
この利用者データ管理機能プログラムP2を実行するためには、ある程度の処理能力を必要とすると共に、異なる記憶装置へのデータの転送のためにある程度のネットワーク帯域も必要とする。
【0122】
この点、利用者データ管理機能プログラムP2を実行する処理は、第1の実施の形態で述べたように、その利用者データ管理機能プログラムP2が実装された利用者側の情報処理装置で実行される。
【0123】
しかしながら、利用者側の情報処理装置の処理能力および/または記憶装置等の他の装置へ接続するためのネットワーク帯域が十分でない場合には、異なる装置で利用者データ管理機能プログラムP2を実行する形態も考えられる。
【0124】
図17は、このような背景から創出された本発明の第4の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図である。
【0125】
図17に示すように、ストレージシステムは、複数の利用者の複数の情報処理装置410a1、410a2、・・・それぞれが通信可能な複数の個別データ管理装置430a1、430a2、・・・を備えており、複数の個別データ管理装置430a1、430a2、・・・は、通信ネットワーク405を経由して通信可能になっている。
【0126】
例えば、利用者が移動先で自らの情報処理装置(例えば、情報処理装置410a1)を利用する場合には、予め自宅あるいは勤務先に設置されたサーバを個別データ管理装置430a1とし、このサーバ(個別データ管理装置)430a1に利用者データ管理機能プログラムP2をロードする(あるいは予めインストールしておく)ことにより、情報処理装置410a1を、自宅あるいは勤務先の対応する個別データ管理装置(サーバ)430a1を経由して複数の記憶装置402a1、402a2、・・・にアクセスできるようになっている。
【0127】
また、ネットワーク提供事業者、アプリケーション提供事業者またはストレージサービス提供事業者からインターネット上に提供されたリソースであるサーバを個別データ管理装置として利用することも可能である。
【0128】
自宅あるいは勤務先のサーバを個別データ管理装置として利用する場合には、そのサーバが利用者の現在位置から遠方に存在したり、あるいはアクセス速度が低い場合が想定される反面、利用者が信頼できる装置を利用できるというメリットがある。
【0129】
一方、上述した各種の提供事業者からインターネット上に提供されたサーバを利用する場合には、その提供事業者の信頼性が問題となる反面、利用者は、複数の記憶装置に対して高速にアクセスすることができるというメリットを有する。
【0130】
なお、その他の構成については、第2の実施の形態の構成と略同様であるため、各構成要素については、図8に示す構成要素と類似した符号(例えば、全体管理装置201→401)を付してその説明を省略する。
【0131】
次に、本実施形態のストレージシステムの全体動作について説明する。
【0132】
例えば、情報処理装置410a1は、データ利用時において起動された利用者側管理機能プログラムP1に基づいて、対応する個別データ管理装置430a1の利用が適切かどうかを、その情報処理装置410a1自体の処理能力やネットワーク帯域の状況等に基づき判断する。
【0133】
上記判断により、個別データ管理装置を利用する場合、情報処理装置410a1は、自装置410a1の位置やセキュリティ等の条件に基づいて、複数の個別データ管理装置430a1、430a2、・・・の中から適切な個別データ管理装置の候補を決定し、決定した候補となる個別データ管理装置とネゴシエーションを行って最終的な利用個別データ管理装置を決定し(例えば、データ管理装置430a1とする)、決定した個別データ管理装置に対して、対応する利用者の識別情報やデータを保存している記憶装置の識別情報等、情報処理装置410a1に記憶されている情報を送信する。
【0134】
今、情報処理装置410a1は、そのアプリケーションに基づく処理において、データの追加や変更が生じ(以下、変更として説明する)、その変更を、対応するデータが保存された記憶装置(例えば、記憶装置402a1、402a2、402a3)に反映させなければならない場合、その変更を表す変更データを利用者側管理機能プログラムP1に基づく処理に渡し(ステップS50)、この利用者側管理機能プログラムP1に基づく処理として、情報処理装置410a1は、そのデータを単体、あるいはそれまでのデータと混合した上で分割し、それぞれのデータ群に対して暗号化を行う(ステップS51)。
【0135】
次いで、情報処理装置410a1は、分割・暗号化されたデータ群それぞれに保存先である記憶装置402a1〜402a3の位置情報(例えば、IPアドレス)を付加し、変更指示と共に個別データ管理装置430a1に送信する(ステップS52)。
【0136】
個別データ管理装置430a1は、送信されてきた変更指示および変更データ群を受信し、保存先に対応する記憶装置402a1〜402a3それぞれに対して、例えば対応する記憶装置管理装置403a1〜403a3を介してデータの更新を行う(ステップS53)。
【0137】
このとき、保存先に対応する全ての記憶装置402a1〜402a3に対するデータの更新が完了すると、対応する記憶装置管理装置403a1〜403a3それぞれから更新終了通知が個別データ管理装置430a1に対して送信され(ステップS54)、個別データ管理装置430a1は、送信されてきた更新終了通知を受信し、情報処理装置410a1に対して更新完了通知を送信する(ステップS55)。
【0138】
この結果、情報処理装置410a1からの変更指示に対応するデータの更新が完了する。
【0139】
以上述べたように、本実施形態によれば、情報処理装置の処理能力および/または他の装置へ接続するためのネットワーク帯域が十分でない場合でも、個別データ管理装置により利用者データ管理機能プログラムP2を実行して通信ネットワーク505を介して他の装置(記憶装置等)にアクセスし、所望のデータ処理を実行することができる。
【0140】
なお、情報処理装置の処理能力がさらに低く、また、信頼性のある個別データ管理装置を利用できるような場合、さらに、図18におけるステップS51の分割・暗号化処理を個別データ管理装置に担わせることも可能である。
【0141】
(第5の実施の形態)
図19は、本発明の第5の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図である。
【0142】
ストレージシステムを利用する利用者が、そのストレージシステムのストレージリソースである複数の記憶装置を利用してデータを保存する際に、その内容を第三者に知られたくないデータが存在する場合がある。このような場合、特に、記憶装置502a1、502a2、・・・側および記憶装置管理装置503a1、503a2、・・・側に対してもデータの内容を秘匿したいときには、一般的に、データを暗号化することが有効である。
【0143】
しかしながら、利用者側の情報処理装置が直接記憶装置側および記憶装置管理装置側と通信を行う構成においては、対象データの保存および読み出し等により、そのデータに添付された利用者側の情報処理装置の位置情報(例えばIPアドレス;以下、IPアドレスとして説明する)を記憶装置または記憶装置管理装置に知られてしまうことは避けられない。
【0144】
そこで、本実施形態では、利用者側の情報処理装置のIPアドレスを記憶装置および/または記憶装置管理装置に対して秘匿しながら、その記憶装置および/または記憶装置管理装置に対してデータ通信を行うことができるストレージシステムを提供している。
【0145】
すなわち、図19によれば、ストレージシステムは、第4の実施の形態に係わる図17に示す構成に加えて、複数の個別データ管理装置530a1、530a2、・・・と通信ネットワーク505との間に介挿された複数のデータ中継装置540a1、540a2、・・・を備えている。
【0146】
複数の個別データ管理装置530a1、530a2、・・・は、直接通信ネットワーク505を経由して通信を行わず、対応するデータ中継装置540a1、540a2、・・・および通信ネットワーク505を経由して他の装置と通信可能になっている。
【0147】
また、本実施形態における利用者データベース514には、各利用者の利用資格を表す利用資格情報(例えば、IDとパスワードとの組合せ等)が各利用者の識別情報としての番号および名称と互いに対応付けられて記憶されている。
【0148】
なお、その他の構成については、第4の実施の形態の構成と略同様であるため、各構成要素については、図17に示す構成要素と類似した符号(例えば、全体管理装置201→501)を付してその説明を省略する。
【0149】
次に、本実施形態のストレージシステムの全体動作について説明する。
【0150】
例えば、情報処理装置510a1(あるいは、対応する個別データ管理装置530a1)は、データ利用時において起動された利用者側管理機能プログラムP1に基づいて、データ中継装置540a1に対して、利用資格情報を含む複数の記憶装置502a1、502a2、・・・の利用請求を行う(ステップS60)。
【0151】
このとき、データ中継装置540a1は、不正利用を避けるため、利用請求に含まれる利用資格情報を、そのデータ中継装置540a1の位置情報であるIPアドレスを添付して全体管理装置501に送信し、全体管理装置501は、送信されてきた利用資格情報を受信し、利用者データベース514を参照して、受信した利用資格情報と利用者データベース514に格納されている利用資格情報と照合し(ステップS62)、照合結果を取得する(ステップS63)。
【0152】
この照合結果により、利用資格情報が利用者データベース514に格納されている場合には、全体管理装置501は、その利用承認通知を、対応するデータ中継装置540a1のIPアドレスを参照して通知する(ステップS64)。
【0153】
データ中継装置540a1は、通知された利用承認通知に応じて、例えばデータを利用したい記憶装置(例えば、記憶装置503a1)に対応する記憶装置管理装置503a1に対して利用開始を通知する(ステップS65)。
【0154】
そして、データ中継装置540a1は、記憶装置管理装置503a1から返送されてきた利用開始承認通知を受信し(ステップS66)、対応する情報処理装置510a1(あるいは、対応する個別データ管理装置530a1)に対して利用許可通知を送信する(ステップS67)。
【0155】
このとき、本実施形態によれば、記憶装置管理装置503a1または記録装置502a1側へ送信されるデータに添付されるIPアドレスは、利用請求元の情報処理装置510a1のIPアドレスではなく、データ中継装置540a1のIPアドレスであるため、記憶装置管理装置503a1または記録装置502a1側からは、利用請求元である情報処理装置510a1を見ることができない。
【0156】
このため、記憶装置管理装置503a1または記録装置502a1側から利用請求元の情報処理装置を特定することを防止することができ、セキュリティおよびプライバシーをそれぞれ高く維持することができる。
【0157】
なお、本実施の形態では、利用者の本人性の認証を、利用者データベース514に格納された利用資格情報であるIDおよびパスワードを用いて行ったが、本発明はこの方式に限定されるものではなく、例えば、予め取得された電子証明書を利用し、利用請求を表すデータに署名データおよび公開鍵を含む電子証明書を添付して送信することにより認証を行うこともできる。
【0158】
また、全体管理装置501は、データ中継装置の認証を、例えば利用者データベース514に格納された全ての利用者は全てのデータ中継装置を利用可能であると判断することも可能である。
【0159】
さらに、全体管理装置501は、個々のデータ中継装置をアクセスできる利用者の識別情報を、データ中継装置毎に記憶するアクセス可能リストを予め保持しておき、このアクセス可能リストを参照して、対応するデータ中継装置に対して利用者がアクセス権限があるか否かを判断することもできる。
【0160】
なお、あるデータについて、そのデータ全部を特定の記憶装置にまとめて保存する場合、仮に暗号化を施していたとしても、十分な時間をかけて暗号を分析することにより、そのデータの全内容が判明する恐れも僅かながら存在する。また、利用者の情報処理装置側でのデータの変更を複数の記憶装置に記憶されたデータに反映させる場合、変更前のデータと変更後のデータとの差分から情報が解析され易くなる可能性もある。
【0161】
そこで、上述した各実施の形態の変形例として、利用者側の情報処理装置は、その利用者側管理機能(利用者側管理プログラムに基づく機能)として、例えば保存したいデータを細分化し、その細分化されたデータ要素をそれぞれ暗号化してそれぞれ異なる記憶装置に分散して保存することも可能である。
【0162】
このように構成すれば、例え1つのデータ要素の暗号が解析された場合でも、データ自体の全内容を解析することは非常に困難である。
【0163】
さらに、上述した各実施の形態の変形例として、複数の記憶装置に保存されたデータの書き換えや、非利用時データ管理装置によりデータの更新や移動、および複製等が実行される場合において、元のデータとは異なるキーにより別個の暗号化データとして作成し、また元の蓄積元の記憶装置以外の他の記憶装置に対して作成された暗号化データを配置させることにより、記憶装置側および記憶装置管理装置側でのデータの解析を困難にすることが可能である。
【0164】
なお、本発明は、その本発明の属する範囲内において、種々の変更および変形が可能である。
【0165】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係わるストレージシステムおよびストレージプログラムによれば、複数の記憶装置それぞれの可用性をそれぞれの記憶装置の識別情報に対応付けて記憶装置管理データベースに記憶しているため、利用者の利用対象となるデータが要求する可用性を満足する記憶装置組合せを、その記憶装置管理データベースに記憶された複数の記憶装置それぞれの可用性に基づいて求めることができる。
【0166】
この結果、利用者の利用対象となるデータが要求する可用性を満足しない記憶装置の利用を排除し、利用者のデータ利用効率を、上記複数の記憶装置の物理的な位置や性能に関係なく向上させることができる。
【0167】
また、本発明に係わるストレージシステムおよびストレージプログラムによれば、複数の記憶装置それぞれの稼動状態を表す複数の状態レベルと、その複数のレベルそれぞれの該記憶装置毎の存在確率とを、複数の記憶装置の複数の識別情報に対応付けて記憶しているため、利用者の利用対象データの要求可用性を満足する記憶装置の組合せを、複数の記憶装置それぞれの状態レベル毎の存在確率に応じて決定することができる。
【0168】
この結果、利用者に対して、その利用者の望む状態レベル、すなわち利用対象データの要求可用性を満足する記憶装置の利用を可能にして、利用者のストレージシステム利用効率および満足度をそれぞれ向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図。
【図2】図1に示す記憶装置管理データベースの概略構成を示す図。
【図3】図1に示す保存データ管理データベースの概略構成を示す図。
【図4】図1に示す利用者データベースの概略構成を示す図。
【図5】図1に示す利用者側管理機能プログラムに基づく情報処理装置の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図6】図5のステップS8のデータの配置構成に関する処理の一例を示す概略フローチャート。
【図7】図6のステップS7a1の処理により作成される記憶装置利用候補表の一例を示す図。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図。
【図9】図8に示す保存データ管理データベースの概略構成を示す図。
【図10】図8に示す非利用時データ管理装置の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図11】図8に示す利用者データベースの概略構成を示す図。
【図12】(a)は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係わる非利用時データ管理装置の処理の一例を示す概略フローチャート、(b)は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係わる主たる情報処理装置の処理の一例を示す概略フローチャート。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図。
【図14】本発明の第3の実施の形態における各記憶装置の稼動状態を説明するための図。
【図15】図13に示す記憶装置管理データベースの概略構成を示す図。
【図16】本発明の第3の実施の形態の変形例に係わる記憶装置管理データベースの概略構成を示す図。
【図17】本発明の第4の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図。
【図18】本発明の第4の実施の形態に係わるストレージシステムにおけるデータ遷移の一例を示す図。
【図19】本発明の第5の実施の形態に係るストレージシステムの全体構成を示す図。
【図20】本発明の第5の実施の形態に係わるストレージシステムにおけるデータ遷移の一例を示す図。
【符号の説明】
101、201、301、401、501…全体管理装置
102a1、102a2、202a1、202a2、302a1、302a2、402a1、402a2、502a1、502a2…記憶装置
103a1、103a2、203a1、203a2、303a1、303a2、403a1、403a2、503a1、503a2…記憶装置管理装置
105、205、305、405、505…通信ネットワーク
112、212、312、312a、412、512…記憶装置管理データベース
113、213、313、413、513…保存データ管理データベース
220、320、420、520…非利用データ管理装置
312a…記憶装置管理データベース
430a1、430a2、530a1、530a2…個別データ管理装置
540a1、540a2…データ中継装置
Claims (13)
- ネットワークを介して通信可能な複数の記憶装置を複数の利用者に対応する複数の情報処理装置により利用するためのストレージシステムであって、
前記複数の記憶装置それぞれの可用性をそれぞれの記憶装置の識別情報に対応付けて記憶する記憶装置管理データベースと、
前記記憶装置管理データベースを参照し、前記複数の利用者の内の少なくとも一人の利用者の利用対象となるデータが要求する可用性を満足する記憶装置の組合せを前記複数の記憶装置の中から決定する組合せ決定手段と、
を備えたことを特徴とするストレージシステム。 - 前記利用対象データを、前記決定された組合せに対応する記憶装置に保存する保存手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載のストレージシステム。
- 前記利用対象データが前記複数の記憶装置の内の少なくとも1つに記憶されている場合、前記利用対象データが要求する可用性を、その利用対象データの識別情報および該利用対象データが記憶された少なくとも1つの記憶装置の識別情報にそれぞれ記憶する保存データ管理データベースを備え、
前記組み合わせ決定手段は、前記利用対象データの可用性を前記保存データ管理データベースを参照して取得し、取得した可用性に基づいて、該可用性を満足する記憶装置の組合せを前記複数の記憶装置の中から決定する決定手段と、決定された組合せに対応する記憶装置に対して前記利用対象データを冗長的に記憶する記憶手段と、前記利用対象データの記憶先を前記組合せに対応する記憶装置とする内容に前記保存データ管理データベースを更新する更新手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2記載のストレージシステム。 - 前記記憶装置管理データベースは、前記複数の記憶装置それぞれを利用する際の条件を表す複数の利用条件情報を該複数の記憶装置に対応付けて記憶しており、
前記決定手段は、前記記憶装置管理データベースを参照して前記複数の記憶装置に対応する複数の利用条件を読み出し、その複数の利用条件に従って前記複数の記憶装置の優先順位を決定する手段と、決定された優先順位に従って、前記複数の記憶装置から前記利用対象データが要求する可用性を満足する記憶装置の組合せを決定する手段とを備えたことを特徴とする請求項3記載のストレージシステム。 - 前記利用対象データを含む複数のデータが前記複数の記憶装置の内の少なくとも1つに記憶され、
前記保存データ管理データベースは、前記利用対象データを含む複数のデータを、該利用対象データの識別情報を含む複数のデータ識別情報、および前記複数のデータの最終利用時点を表す最終利用情報に対応付けて記憶している一方、
前記複数のデータそれぞれの最終利用情報に応じて該複数のデータそれぞれの最終利用時からの経過時間を求め、求めた複数のデータに対応する複数の経過時間の内、一定時間を超えた経過時間に対応するデータの検査を行うための処理を実行する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3記載のストレージシステム。 - 前記保存データ管理データベースは、前記複数のデータそれぞれを所定の関数により演算して生成した互いにユニークな複数の第1のデータ値を前記複数のデータ識別情報に対応付けて記憶している一方、
前記検査処理実行手段は、前記一定時間を超えた経過時間に対応するデータを記憶している記憶装置に対して該データの取得要求を行う手段と、前記データの取得要求の結果、該データを取得できない場合には、そのデータが失われたものと判断し、該データを取得できた場合には、そのデータから前記所定の関数により第2のデータ値を演算し、前記保存データ管理データベースを参照して、該データに対応する第1のデータ値を読み出し、読み出した第1のデータ値が前記演算した第2のデータ値と一致するか否か判断する手段とを備えたことを特徴とする請求項5記載のストレージシステム。 - 前記検査処理実行手段は、前記複数の情報処理装置における少なくとも1つの情報処理装置に対して、前記一定時間を超えた経過時間に対応するデータの検査を促す手段を備えたことを特徴とする請求項5記載のストレージシステム。
- 前記記憶装置管理データベースは、前記複数の記憶装置それぞれの稼動状態を表す複数の状態レベルと、前記複数のレベルそれぞれの該記憶装置毎の存在確率とを、その複数の記憶装置の複数の識別情報に対応付けて記憶しており、
前記組合せ決定手段は、前記利用対象データの要求可用性を満足する記憶装置の組合せを、前記複数の記憶装置それぞれの状態レベル毎の存在確率に応じて決定する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のストレージシステム。 - 前記記憶装置管理データベースは、前記複数の記憶装置それぞれの稼動状態を表す複数の状態レベルそれぞれの該記憶装置毎の存在確率に基づいて算出された、前記複数の記憶装置それぞれの定常状態時の存在確率を表す定常状態確率および遷移状態時の存在確率を表す遷移状態確率を、前記複数の記憶装置の複数の識別情報に対応付けて記憶しており、
前記複数の情報処理装置の内の少なくとも1つからの前記利用対象データへのアクセスを、前記複数の記憶装置それぞれの定常状態確率および遷移状態確率に応じて制御する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項8記載のストレージシステム。 - 前記ネットワークを介して通信可能な複数の個別データ管理手段を備え、
前記複数の情報処理装置における少なくとも1つの情報処理装置が対応する前記個別データ管理手段に対する通信状態を確立した際に、該個別データ管理手段は、前記少なくとも1つの情報処理装置と前記複数の記憶装置との間で通信されるデータの管理を行う手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のストレージシステム。 - 前記複数の記憶装置を管理する管理装置と、
前記ネットワークを介して前記管理装置および前記複数の情報処理装置の内の少なくとも1つの情報処理装置間の通信を中継するデータ中継手段を備え、
前記データ中継手段は、前記管理装置および前記少なくとも1つの情報処理装置間の通信を、該少なくとも1つの情報処理装置のネットワーク経由の位置情報を秘匿しながら行う手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のストレージシステム。 - 前記利用対象データを含む複数のデータの内の少なくとも1つのデータは、複数のデータ要素に分割された状態で前記複数の記憶装置にそれぞれ記憶されたことを特徴とする請求項5記載のストレージシステム。
- ネットワークを介して通信可能な複数の記憶装置を複数の利用者に対応する複数の情報処理装置により利用でき、前記複数の記憶装置それぞれの可用性をそれぞれの記憶装置の識別情報に対応付けて記憶する記憶装置管理データベースを備えたストレージシステムにおける前記複数の情報処理装置の内の少なくとも1つの情報処理装置が実行可能なストレージプログラムであって、
前記少なくとも1つの情報処理装置に、前記記憶装置管理データベースを参照し、前記複数の利用者の内の少なくとも一人の利用者の利用対象となるデータが要求する可用性を満足する記憶装置の組合せを前記複数の記憶装置の中から決定する手順を実行させることを特徴とするストレージプログラム。
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