【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空クラブヘッドを有するゴルフクラブに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
この種のゴルフクラブは、クラブヘッドの質量がその外殻部分に集中するため、総質量が同じであれば中実タイプのクラブヘッドより質量中心回りの慣性モーメントは大きくなり、その結果としてスイートエリアは拡大する。
【０００３】
また、クラブヘッドを大型化しても質量の増加が抑えられるので、軽くて振り抜き易いクラブとすることができる、大型化することでボールに当たらないと云う不安感から開放される、などの点も好感されて、近年急速に普及してきた（一般にはメタルウッドクラブと称されている。）。
【０００４】
そして、中空のクラブヘッドを備えたゴルフクラブにおいては、例えばチタン製のクラブヘッド１の表面１Ａの側を硬化させて、▲１▼ボールを打ったときの反発特性を改善する、▲２▼表面１Ａが傷付き難くする、技術が提案されている（特許文献１）。なお、図中２はフェース、３はクラウン、４はソール、５はホーゼル、６はシャフトである。
【０００５】
飛距離、方向性などを向上させるために、クラブヘッド１はさらに大型化する傾向にある。そして、クラブヘッド１を大型化してもヘッド質量が増加しないように、また、高反発化を図るためにも、ヘッド外殻体は薄肉化する傾向にある。
【０００６】
しかし、打球面、すなわちクラブヘッド１のフェース２には打球応力が直接作用するため、金属疲労によるフェース割れが発生し易く、フェース２の薄肉化には限界があり、軽量化と高反発化を図る上で障害となっていた。
【０００７】
【特許文献１】
特開２０００−９６２０８（段落番号０００５、０００６他）
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、クラブヘッドのフェースを薄肉化しても金属疲労が起こり難くして、広いスイートエリアと高反発性能を有する大型のクラブヘッドの軽量化が実現できるようにする必要があり、それが解決すべき課題となっていた。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来技術の課題を解決するため、中空クラブヘッドがシャフト先端部に装着されたゴルフクラブにおいて、クラブヘッドのフェース裏面を内部より硬化するようにした第１の構成のゴルフクラブと、
【００１０】
前記第１の構成のゴルフクラブにおいて、フェース裏面の硬化部分が裏面から１００μｍの範囲であるようにした第２の構成のゴルフクラブと、
【００１１】
前記第１または第２の構成のゴルフクラブにおいて、フェース裏面の硬化部分を内部よりビッカース硬度で３０以上硬くするようにした第３の構成のゴルフクラブと、
を提供するものである。
【００１２】
【発明の実施の形態】
クラブヘッド１を４分割鋳造法（フェース２、クラウン３、ソール４、ホーゼル５に分けて鋳造）により作製した。フェース２は肉厚２．６ｍｍのβチタン合金（Ｔｉ−１５Ｖ−３Ｃｒ−３Ｓｎ−３Ａｌ）を４５０℃で所定の形状に成型し、その裏面２Ｂ全体に０．３ｍｍ径の鉄球を、０．５ＭＰａの空気圧により打ち付けるブラスト処理を１分間行い、裏面２Ｂ側１μｍの深さまでを硬化させた。
【００１３】
なお、フェース２は同一条件で２体作製し、１体はクラブヘッド１の作製に供し、１体は硬度計測に供した。マイクロビッカース硬度計による計測の結果、フェース２の裏面２Ｂは板厚中央部よりＨｖ：５１だけ高くなっていた。
【００１４】
クラウン３とソール４は純チタンにより成型した。ホーゼル５は純チタンの丸棒から削り出した。上記４部品をＴＩＧ溶接により接合した後、研磨と塗装を行ってクラブヘッド１とした。このクラブヘッド１をＦＲＰ製の長さ４４インチ（約１１２ｃｍ）のシャフト６の先端部に装着したゴルフクラブ１００を、以下発明クラブＡと云う。なお、クラブヘッド１の体積は３６０ｃｍ３とした。
【００１５】
比較クラブとして、クラブヘッド１のフェース２にブラスト処理を施していないクラブ１体（比較クラブＡと云う）と、フェース２の表面２Ａに前記ブラスト処理を施して表面２Ａ側の硬度を板厚中央部分よりＨｖ：５１だけ高めたクラブ１体（比較クラブＢと云う）も、発明クラブＡと同様の前記手法により作製した。
【００１６】
そして、試打ロボットによる耐久性試験を行った。クラブヘッド１の設定スピードは４０ｍ／秒とした。試験結果を示す表１から明らかなように、発明クラブＡはゴルフボールを９０００回打ってもフェース２に割れなどの異常は確認されなかったが、フェース２にブラスト処理がなされず、したがって裏面２Ｂ側が硬化処理されていない比較クラブＡと、フェース２の表面２Ａにブラスト処理を施して表面２Ａ側が硬化処理された比較クラブＢは、共に５０００回打球した時点で行った検査においてフェース２に割れが確認され、何れも耐久性に問題があることが判明した。
【００１７】
【表１】
【００１８】
飛距離試験を行うために、前記と同様の手法によりクラブヘッド１を２体追加作製した。フェース２は肉厚２．２ｍｍのβチタンにより作製した。１体のフェース２の裏面２Ｂにはブラストによる硬化処理を施し（このフェース２を有するクラブヘッド１が装着されたクラブを発明クラブＢと云い、裏面２Ｂ側の表面硬度は板厚中央部よりＨｖ：５２だけ高くなっていた。）、１体のフェース２にはブラストによる硬化処理を施さなかった（このフェース２を有するクラブヘッド１が装着されたクラブを比較クラブＣと云う）。また、前記の耐久性試験で破損した比較クラブＡ、Ｂは作製し直し、発明クラブＡと合せて飛距離試験を行った。
【００１９】
試打ロボットにより各クラブとも１０回の試打を行い、ランを含む総飛距離を測定した。クラブヘッド１の設定スピードはこの場合も４０ｍ／秒とした。試験結果を示す表１から明らかなように、発明クラブＡはクラブヘッド１のフェース２にブラストによる硬化処理が施されていない比較クラブＡより飛距離が出ることが確認された。なお、肉厚の薄いフェース２にブラストによる硬化処理が施されていない比較クラブＣでは、ゴルフボールを３回打った時点でフェース２に割れが発生し、その後の飛距離試験はできなかった。
【００２０】
発明クラブＢについては、前記と同様に試打ロボットによる耐久性試験を行ったが、９０００回ボールを打ってもフェース２に割れなどの異常は発生しなかった。したがって、高反発化させるためにクラブヘッド１のフェース２を２．２ｍｍと薄肉化しても、その裏面２Ｂが硬化されていれば、フェース２の耐久性は十分あることが確認された。
【００２１】
前記と同様の手法によりクラブヘッド１を７体作製した。フェース２は肉厚２．４ｍｍのβチタンにより作製した。１体のフェース２にはブラストによる硬化処理を施さず（このヘッドが装着されたクラブを比較クラブＤと云う）、１体のフェース裏面２Ｂにはブラストによる硬化処理を施して裏面２Ｂ側０．５μｍの範囲を硬化し（このヘッドが装着されたクラブを発明クラブＣと云い、裏面２Ｂ側の表面硬度は板厚中央部よりＨｖ：３０だけ高くなっていた。）、１体のフェース裏面２Ｂにはブラストによる硬化処理を施して裏面２Ｂ側１μｍの範囲を硬化し（このヘッドが装着されたクラブを発明クラブＤと云い、裏面２Ｂ側の表面硬度は板厚中央部よりＨｖ：５５だけ高くなっていた。）、１体のフェース裏面２Ｂにはブラストによる硬化処理を施して裏面２Ｂ側１０μｍの範囲を硬化し（このヘッドが装着されたクラブを発明クラブＥと云い、裏面２Ｂ側の表面硬度は板厚中央部よりＨｖ：７３だけ高くなっていた。）、１体のフェース裏面２Ｂにはブラストによる硬化処理を施して裏面２Ｂ側５０μｍの範囲を硬化し（このヘッドが装着されたクラブを発明クラブＦと云い、裏面２Ｂ側の表面硬度は板厚中央部よりＨｖ：８０だけ高くなっていた。）、１体のフェース裏面２Ｂにはブラストによる硬化処理を施して裏面２Ｂ側１００μｍの範囲を硬化し（このヘッドが装着されたクラブを発明クラブＧと云い、裏面２Ｂ側の表面硬度は板厚中央部よりＨｖ：１０８だけ高くなっていた。）、１体のフェース裏面２Ｂにはブラストによる硬化処理を施して裏面２Ｂ側１５０μｍの範囲を硬化した（このヘッドが装着されたクラブを発明クラブＨと云い、裏面２Ｂ側の表面硬度は板厚中央部よりＨｖ：１３０だけ高くなっていた。）。
【００２２】
ゴルファーによる発明クラブＣ〜Ｈと比較クラブＤの実打飛距離試験を行った。この場合も、各クラブで１０回の試打を行い、ランを含む総飛距離を測定した。試験結果を示す表２から分かるように、硬化した部分が１５０μｍと厚い場合は、フェース２の剛性が大きくなり過ぎて飛距離落ちる。これは、フェース２の剛性が大きくなり過ぎると、打球時のフェース２の撓みが小さくなるので、その撓みが復元する際の反発力も減少し、飛距離が落ちたものと思われる。
【００２３】
【表２】
【００２４】
発明クラブＣ〜Ｈと比較クラブＤの耐久性試験を、前記と同様に試打ロボットを用いて行ったところ、発明クラブＤ〜Ｈは、９０００回ゴルフボールを打ってもクラブヘッド１のフェース２に割れなどの異常は発生しなかったが、比較クラブＤについては５０００回打球した時点で行った検査でフェース２の割れが確認された。また、発明クラブＣでは、６０００回打球した時点で行った検査ではフェース２に割れなどの異常は確認されなかったが、７０００回打球した後の検査ではフェース２に割れが確認された。
【００２５】
すなわち、クラブヘッド１のフェース裏面２Ｂに硬化部分を形成することで耐久性は改善される。しかし、硬化部分の厚さが、０．５μｍでは耐久性を改善する作用効果は甚大ではなく、硬化部分の厚さが１μｍ以上あれば十分な耐久性が得られることが判明した。
【００２６】
裏面２Ｂ全体に０．３ｍｍ径の鉄球を０．５ＭＰａの空気圧ではなく、０．２ＭＰａの空気圧によって打ち付けるブラスト処理を１分間行って、裏面２Ｂ側の表面硬度をＨｖ：４１５、板厚中央部分の硬度をＨｖ：３９０に、すなわち裏面２Ｂと板厚中央部分との硬度差をＨｖ：２５に調整したフェース２（素材は肉厚２．６ｍｍのβチタン）を有するクラブヘッド１を装着したクラブ１体（比較クラブＩと云う）を発明クラブＡのときと同様の手法で追加作製し、前記と同じ条件で耐久性試験を行ったところ、表３に示したように６０００回の打球後に行った検査では異常はなかったが、７０００回の打球後に行った検査でフェース２に割れが発生していた。したがって、フェース２の耐久性を改善するためには、裏面２Ｂ側の硬化部分と板厚中央部分の非硬化部との硬度差は、Ｈｖ：２５では十分でなく、好ましくはその硬度差はＨｖ：３０以上であることが確認できた。
【００２７】
【表３】
【００２８】
裏面２Ｂをブラスト処理するのではなく、バレル処理を施して、表層部のサンドブラスト処理で硬化部を除去し、裏面２Ｂ側の表面硬度をＨｖ：４５０、板厚中央部分の硬度をＨｖ：３６０に、すなわち裏面２Ｂと板厚中央部分との硬度差をＨｖ：９０に調整したフェース２を有するクラブヘッド１を装着したクラブ（発明クラブＪと云う）を発明クラブＡと同様の手法で追加作製し、前記と同じ条件で耐久性試験を行ったところ、表３に示したように９０００回の打球を行ってもフェース２に割れなどの異常は生じなかった。
【００２９】
さらに、クラブヘッド１のフェース２がβチタンではなく、ＳＵＳ６３０のステンレス鋼を用いて作製されたクラブ１体（発明クラブＫと云う）も、発明クラブＡと同様の前記手法により作製し、前記と同じ条件で耐久性試験を行ったところ、表３に示したように発明クラブＫでは９０００回の打球を行ってもフェース２に割れなどの異常は生じなかった。
【００３０】
同表に表示してある比較クラブＥは、発明クラブＫで行ったブラストによるフェース２の裏面２Ｂの硬化処理を行っていないクラブであり、前記と同じ条件で耐久性試験を行ったところ、５０００回打球した後の検査でフェース２に割れ確認された。したがって、フェース２がチタン合金ではない金属、例えばＳＵＳ６３０のステンレス鋼で作製されても、フェース２の裏面２Ｂの硬化処理が耐久性の改善に有効であることが確認された。
【００３１】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
【００３２】
例えば、クラブヘッド１のフェース２の裏面２Ｂは、ブラスト処理、バレル処理によって硬化する他、ガス酸化、イオン注入、イオン窒化、ガス窒化、ガス浸炭、ガス軟窒化などの化学的処理によって硬化されても良い。
【００３３】
また、クラブヘッド１のフェース２はチタン合金、ステンレス鋼以外の金属、例えばＮｉマルエージ鋼、高強度鋼などによって作製されても良い。
【００３４】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のゴルフクラブにおいてはクラブヘッドのフェース裏面が硬化され、それによりフェース部分の耐久性が改善されたので、クラブヘッドを大型化してスイートエリアを広げるときにも、薄肉化によるクラブヘッドの軽量化と高反発化の両方が同時に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】ゴルフクラブの説明図である。
【符号の説明】
１ クラブヘッド
２ フェース
２Ａ （フェース）表面
２Ｂ （フェース）裏面
３ クラウン
４ ソール
５ ホーゼル
６ シャフト
１００ ゴルフクラブ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a golf club having a hollow club head.
[0002]
[Prior art]
This type of golf club concentrates the mass of the club head on its outer shell, so if the total mass is the same, the moment of inertia around the center of mass is greater than that of a solid type club head, resulting in a sweet area. Expands.
[0003]
In addition, since the increase in mass can be suppressed even if the club head is enlarged, it is possible to make the club light and easy to swing out, and from the anxiety that it does not hit the ball by increasing the size, etc. Has been popular and has been rapidly spreading in recent years (generally called a metal wood club).
[0004]
And, in a golf club having a hollow club head, for example, the surface 1A side of the club head 1 made of titanium is cured to improve the rebound characteristics when hitting a ball. A technique that makes 1A difficult to be damaged has been proposed (Patent Document 1). In the figure, 2 is a face, 3 is a crown, 4 is a sole, 5 is a hosel, and 6 is a shaft.
[0005]
In order to improve the flight distance, directionality, etc., the club head 1 tends to be further increased in size. The head outer shell body tends to be thin so that the head mass does not increase even when the club head 1 is enlarged, and also in order to increase the resilience.
[0006]
However, since the ball striking stress directly acts on the ball striking surface, that is, the face 2 of the club head 1, face cracks are likely to occur due to metal fatigue, and there is a limit to the thinning of the face 2, reducing the weight and increasing the resilience. It was an obstacle to plan.
[0007]
[Patent Document 1]
JP 2000-96208 (paragraph numbers 0005, 0006, etc.)
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, it is necessary to reduce the thickness of the club head face so that metal fatigue does not easily occur, so that a large club head having a large sweet area and high resilience performance can be reduced in weight. It was an issue.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problems of the prior art, the present invention provides a golf club having a first structure in which a back surface of a club head is hardened from the inside in a golf club having a hollow club head mounted on a shaft tip.
[0010]
In the golf club having the first configuration, the golf club having the second configuration in which the cured portion of the back surface of the face is in a range of 100 μm from the back surface;
[0011]
In the golf club having the first or second configuration, a golf club having a third configuration in which the hardened portion of the back surface of the face is hardened by 30 or more Vickers hardness from the inside;
Is to provide.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The club head 1 was produced by a four-part casting method (casting into a face 2, a crown 3, a sole 4, and a hosel 5). The face 2 is formed by molding a β-titanium alloy (Ti-15V-3Cr-3Sn-3Al) having a thickness of 2.6 mm into a predetermined shape at 450 ° C. A blasting treatment with an air pressure of 5 MPa was performed for 1 minute, and the back surface 2B side was cured to a depth of 1 μm.
[0013]
Two faces 2 were produced under the same conditions, one for the club head 1 and one for hardness measurement. As a result of measurement with a micro Vickers hardness tester, the back surface 2B of the face 2 was higher by Hv: 51 than the central portion of the plate thickness.
[0014]
The crown 3 and the sole 4 were molded from pure titanium. The hosel 5 was cut out from a pure titanium round bar. After joining the four parts by TIG welding, the club head 1 was obtained by polishing and painting. The golf club 100 in which the club head 1 is mounted on the tip of the 44 inch (about 112 cm) long shaft 6 made of FRP is hereinafter referred to as invention club A. The club head 1 had a volume of 360 cm 3 .
[0015]
As a comparative club, one club (referred to as a comparative club A) in which the face 2 of the club head 1 is not subjected to blasting, and the surface 2A of the face 2 is subjected to the blasting treatment so that the hardness on the surface 2A side is the thickness center. One club (referred to as comparative club B) which was raised by Hv: 51 from the part was also produced by the same method as invented club A.
[0016]
Then, a durability test was performed using a test hitting robot. The set speed of the club head 1 was 40 m / sec. As is apparent from Table 1 showing the test results, the invention club A did not show any abnormalities such as cracks in the face 2 even when the golf ball was hit 9000 times, but the face 2 was not blasted, so the back surface 2B The comparison club A that is not hardened on the side and the comparison club B that is blasted on the surface 2A of the face 2 and hardened on the surface 2A are both cracked on the face 2 in the inspection performed when the ball was hit 5000 times. It was confirmed that both had problems with durability.
[0017]
[Table 1]
[0018]
In order to conduct a flight distance test, two additional club heads 1 were produced by the same method as described above. The face 2 was made of β titanium having a thickness of 2.2 mm. The back surface 2B of one face 2 is subjected to hardening treatment by blasting (the club on which the club head 1 having the face 2 is mounted is called an invention club B, and the surface hardness on the back surface 2B side is Hv from the center of the plate thickness. : The height was increased by 52.) One face 2 was not subjected to blast hardening (the club on which the club head 1 having the face 2 is mounted is referred to as a comparative club C). In addition, comparative clubs A and B that were damaged in the durability test were produced again, and a flight distance test was performed together with the inventive club A.
[0019]
Each club made 10 trial hits with the trial hitting robot, and the total flight distance including the run was measured. The set speed of the club head 1 was 40 m / sec in this case as well. As is apparent from Table 1 showing the test results, it was confirmed that the inventive club A has a flight distance greater than that of the comparative club A in which the face 2 of the club head 1 is not subjected to the blast hardening treatment. In the comparative club C in which the thin-faced face 2 was not subjected to blast hardening, the face 2 was cracked when the golf ball was hit three times, and a subsequent flight distance test could not be performed.
[0020]
The invention club B was subjected to a durability test using a test hitting robot in the same manner as described above, and no abnormality such as a crack occurred in the face 2 even when the ball was hit 9000 times. Therefore, even if the face 2 of the club head 1 was thinned to 2.2 mm in order to increase the resilience, it was confirmed that the durability of the face 2 was sufficient if the back surface 2B was cured.
[0021]
Seven club heads 1 were produced by the same method as described above. The face 2 was made of β titanium having a wall thickness of 2.4 mm. One face 2 is not subjected to blasting curing (a club equipped with this head is referred to as a comparative club D), and one face rear surface 2B is subjected to blasting curing processing on the back surface 2B side. The range of 5 μm was cured (the club equipped with this head is called the invention club C, and the surface hardness on the back surface 2B side was higher by Hv: 30 than the central portion of the plate thickness). Is cured by blasting to cure the range of 1 μm on the back surface 2B side (the club equipped with this head is called invention club D, and the surface hardness on the back surface 2B side is higher by Hv: 55 than the central portion of the plate thickness. The surface of the back face 2B of one body is subjected to hardening treatment by blasting to harden the range of 10 μm on the back face 2B side (the club with this head attached is called the invention club E, and the back face The surface hardness on the B side was higher by Hv: 73 than the central part of the plate thickness.) One face back surface 2B was cured by blasting to cure the 50 μm range on the back surface 2B side (this head was The mounted club is referred to as invention club F, and the surface hardness on the back surface 2B side was higher by Hv: 80 than the central portion of the plate thickness.) One face back surface 2B was subjected to hardening treatment by blasting and back surface The range of 100 μm on the 2B side was cured (the club equipped with this head was called the invention club G, and the surface hardness on the back 2B side was higher by Hv: 108 than the central part of the plate thickness). The back surface 2B was hardened by blasting to cure the 150 μm range on the back surface 2B side (the club on which this head is mounted is called the invention club H, and the surface hardness on the back surface 2B side is the center of the plate thickness. Hv: had been 130 only high)..
[0022]
The actual hit distance test of the inventive clubs C to H and the comparative club D by a golfer was conducted. Also in this case, 10 trial hits were made in each club, and the total flight distance including the run was measured. As can be seen from Table 2 showing the test results, when the hardened portion is as thick as 150 μm, the rigidity of the face 2 becomes too large and the flight distance falls. This is because if the rigidity of the face 2 becomes too large, the deflection of the face 2 at the time of hitting the ball is reduced, so that the repulsive force when the deflection is restored is reduced, and the flight distance is reduced.
[0023]
[Table 2]
[0024]
When the durability tests of the inventive clubs C to H and the comparative club D were performed using a test hitting robot in the same manner as described above, the inventive clubs D to H were applied to the face 2 of the club head 1 even after hitting a golf ball 9000 times. Although no abnormalities such as cracks occurred, the comparative club D was confirmed to have cracks in the face 2 by an inspection conducted at the time of hitting 5000 times. In the invention club C, no abnormalities such as cracks were found in the face 2 in the inspection performed when the ball was hit 6000 times, but cracks were confirmed in the face 2 in the inspection after the ball was hit 7000 times.
[0025]
That is, the durability is improved by forming a hardened portion on the face back surface 2B of the club head 1. However, it has been found that when the thickness of the cured portion is 0.5 μm, the effect of improving the durability is not significant, and sufficient durability can be obtained if the thickness of the cured portion is 1 μm or more.
[0026]
A blasting process in which a 0.3 mm diameter iron ball is struck by 0.2 MPa air pressure instead of 0.5 MPa air pressure on the entire back surface 2B is performed for 1 minute, and the surface hardness on the back surface 2B side is Hv: 415, center portion of the plate thickness The club mounted with the club head 1 having the face 2 (the material is β titanium having a thickness of 2.6 mm) in which the hardness of the head is adjusted to Hv: 390, that is, the hardness difference between the back surface 2B and the central portion of the plate thickness is Hv: 25. One body (referred to as comparative club I) was additionally produced by the same method as in the invention club A, and the durability test was conducted under the same conditions as described above. As shown in Table 3, the test was conducted after 6000 hits. Although there was no abnormality in the inspection, the face 2 was cracked in the inspection performed after 7000 hits. Therefore, in order to improve the durability of the face 2, the hardness difference between the hardened portion on the back surface 2B side and the non-hardened portion in the central portion of the plate thickness is not sufficient at Hv: 25, and preferably the hardness difference is Hv. : It was confirmed that it was 30 or more.
[0027]
[Table 3]
[0028]
Instead of blasting the back surface 2B, barrel processing is performed, and the hardened portion is removed by sandblasting of the surface layer portion. The surface hardness on the back surface 2B side is set to Hv: 450, and the hardness at the center portion of the plate thickness is set to Hv: 360. That is, a club (referred to as “invention club J”) equipped with the club head 1 having the face 2 in which the hardness difference between the back surface 2B and the central portion of the plate thickness is adjusted to Hv: 90 is additionally manufactured by the same method as the invention club A. When a durability test was performed under the same conditions as described above, no abnormalities such as cracks occurred in the face 2 even after 9000 hits as shown in Table 3.
[0029]
Further, a club body (referred to as invention club K) in which the face 2 of the club head 1 is made of SUS630 stainless steel instead of β titanium is also produced by the same method as that of the invention club A. When the durability test was performed under the same conditions, as shown in Table 3, the invention club K showed no abnormalities such as cracks in the face 2 even after 9000 hits.
[0030]
The comparative club E displayed in the table is a club in which the back surface 2B of the face 2 is not cured by blasting performed in the inventive club K, and a durability test is performed under the same conditions as described above. It was confirmed that the face 2 was cracked by the inspection after the ball was hit. Therefore, even when the face 2 is made of a metal that is not a titanium alloy, for example, stainless steel of SUS630, it was confirmed that the hardening treatment of the back surface 2B of the face 2 is effective in improving the durability.
[0031]
In addition, since this invention is not limited to the said embodiment, various deformation | transformation implementation is possible in the range which does not deviate from the meaning as described in a claim.
[0032]
For example, the back surface 2B of the face 2 of the club head 1 is hardened by a chemical treatment such as gas oxidation, ion implantation, ion nitriding, gas nitriding, gas carburizing, or gas soft nitriding in addition to hardening by blasting or barreling. Also good.
[0033]
The face 2 of the club head 1 may be made of a metal other than titanium alloy or stainless steel, such as Ni maraging steel or high strength steel.
[0034]
【The invention's effect】
As described above, in the golf club of the present invention, the back face of the club head is cured, thereby improving the durability of the face portion. Therefore, even when the club head is enlarged and the sweet area is expanded, the thin wall Both weight reduction and high rebound can be achieved at the same time.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram of a golf club.
[Explanation of symbols]
1 club head 2 face 2A (face) surface 2B (face) back surface 3 crown 4 sole 5 hosel 6 shaft 100 golf club
