JP2004178117A - パソコンの液冷システム - Google Patents
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Abstract
【課題】パソコンの冷却に液冷システムを適用する際に、パソコン内には複数の発熱部材が存在し、更に稼動条件によってその発熱部材の温度が変化することを考慮した冷却手法の検討が必要となる。
【解決手段】パソコンにおいて、その中に存在するCPU及び表示チップ、HDD、CD−ROM等の複数の発熱部材に授熱ヘッドを固定し、各樹熱ヘッドを冷却液を満たしたチューブで接続する。
各発熱部材毎においてチューブを分岐し、発熱部材からの熱を回収するルートと発熱部材からの熱に影響されないルートを有する構成とする。
冷却液は発熱部材が設定温度に達しない限り発熱部材の熱に影響されないルートを通り、一定温度より高くなったときのみ発熱部材からの熱を回収するルートを通る制御を有する。
冷却液のルート変更を実施する温度は発熱部材毎に温度設定を可能とする。
【選択図】 図1
【解決手段】パソコンにおいて、その中に存在するCPU及び表示チップ、HDD、CD−ROM等の複数の発熱部材に授熱ヘッドを固定し、各樹熱ヘッドを冷却液を満たしたチューブで接続する。
各発熱部材毎においてチューブを分岐し、発熱部材からの熱を回収するルートと発熱部材からの熱に影響されないルートを有する構成とする。
冷却液は発熱部材が設定温度に達しない限り発熱部材の熱に影響されないルートを通り、一定温度より高くなったときのみ発熱部材からの熱を回収するルートを通る制御を有する。
冷却液のルート変更を実施する温度は発熱部材毎に温度設定を可能とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータ等の情報処理装置の冷却方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年はCPUをはじめとする情報処理装置内部の発熱量が増加により、その発熱を情報処理装置外部に放熱する手法の一つとして大型コンピュータ等に使用されていた液冷システムが小型化されPC等の小型情報処理装置にも使用されるようになった。
【0003】
液冷システムは冷却FANを使用した空冷システムに比べ騒音軽減等のメリットを有している。
【0004】
現在PCに使用されている水冷システムは、パソコン内部にある一つ以上の発熱箇所に冷却液で満たされたチューブを接続し、発熱部の熱量を冷却液を媒体として放熱部に移動し放熱する方法を採用している。
【0005】
また、特開2002−182797号公報(下記の特許文献1)にはPC内部に存在する複数の発熱部材を冷却する液冷システムの技術が開示されており、これによると複数の発熱部材を冷却液で満たされたチューブで接続し、その発熱部材の熱量を冷却液を媒体として放熱部に移動し放熱する方法を採用している。
【0006】
更に、前記公報ではポンプから送り出される冷却液の循環する順番を冷却対象である発熱部材の許容上限温度の違いや発熱量の違いによって決める方式を提案している。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−182797号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
パソコン内部にはCPUをはじめとし、表示チップ、HDD、CD−ROM等複数の異なる許容上限温度と発熱量をもつ発熱部材がある。
【0009】
液冷システムは小型化が進んでいるが、一台のPC内部にポンプやチューブ、放熱部等、液冷システムに必要な部材を複数搭載する事はコスト的に不利である。
【0010】
また、PCをはじめとする小型情報処理装置は小型化が重要なファクターであり、スペース的にも複数の液冷システムの搭載は現実的でない為、1つの液冷システムでこれら全ての発熱部材を冷却する必要が有る。
【0011】
その実現には特開2002−182797号にもあるように1つの液冷システムで発熱部材全てに冷却液を循環させなければならないが、単純に全てのデバイスに冷却液を循環させるだけでは常に全てのデバイスからの発熱量を受取る事となる為、1つの液冷システムが持つ冷却能力を効率的に使用出来ていない。
【0012】
さらに、この方式ではPCの動作条件による発熱部材の温度変化の考慮が無く、いかに発熱部材の温度が変化したとしても常に一定の順番で全ての発熱部材の熱量を回収する方式になっている。
【0013】
本発明は許容温度スペックと発熱量の異なるデバイスに対して個別に冷却の要否を判断し冷却が必要なデバイスを優先して冷却する方法を提案する。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決する為に本発明は、一つの冷却回路に分岐経路を持たせる。
【0015】
分岐経路は冷却対象となる発熱部材ごとに準備され、一方は発熱部材の熱を回収するルートで、他方は発熱部材の熱を回収しないルートとする。
【0016】
分岐経路は発熱部材の温度によって制御され、普段発熱部材の温度が設定温度よりも低い状態のとき冷却液は発熱部材の熱を回収しないルートを通る。
【0017】
逆に発熱部材の温度が設定温度より高くなった状態のとき冷却液は発熱部材の熱を回収するルートを通る。
【0018】
この方式によって、発熱量の可変する発熱部材を必要なときだけ冷却する事が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る液冷システム技術について、図面を用いて以下説明する。
【0020】
ノートPCで使用した場合を例に図1で本発明の実施形態に係る全体構成を示し、図1の特徴を図2に示す従来の液冷システムを採用した場合と比較して説明する。
【0021】
図2の構成では液冷システムがCPU1をはじめHDD2、表示チップ3、CD−ROM4と言った冷却対象となる全ての発熱部材に対してチューブの接続を行い冷却液による発熱量の回収を常に実施している。
【0022】
それに対し図1が示す本発明では冷却対象となる発熱部材毎にチューブに分岐経路5を加え、その分岐経路5を使用すると発熱部材の発熱量を回収しないことを特徴としている。
【0023】
次に分岐経路5の制御について形状記憶合金等の一定温度で変形する材質をチューブの一部に使用した場合を例に図4、図5で説明する。
【0024】
特開2002−182797号では、液冷システムのチューブ部にシリコン系、ゴム系、もしくはAl、Mg、Cu、Ti、SUS等の金属もしくはその合金を使用し、金属部とシリコン系、もしくはゴム系部が組み合わされてその経路を構成するとある。
【0025】
本発明では図4、図5中に示した制御部に形状記憶合金等の一定温度で変形する材質を適用し冷却液の流動経路を制御可能とする。
【0026】
制御部とそれ以外の材質を用いた箇所の接続は図6に示した様に、シリコン系、ゴム系のチューブを制御部に被せる構造での接続、又は接着剤による接続等が考えられる。
【0027】
また金属系同士の結合であれば溶接と言う方法も可能である。
【0028】
従来の液冷システムでは図3に示すように発熱部材がどの様な状態にあっても常に冷却液がAのルート(発熱部材上)を通ることになり必ず発熱部材の熱量を回収することになる。
【0029】
それに対して本発明では図4に示すように発熱部材が一定の温度に達するまでは冷却液がAのルート(発熱部材上)を通らずBのルートを通るようにしているが、発熱部材が一定の温度を超過した場合にのみチューブの一部が変形し図5の様に冷却液がAのルート(発熱部材上)を通る。
【0030】
また、ここではチューブ自身の熱変形を例に冷却液の制御を説明したが、冷却液の制御は図7と図8に示した様にチューブ内に制御弁を持たせることによって行っても良い。以降、図7〜10の説明はチューブ内に制御弁を持たせた場合のものである。
【0031】
更に、冷却液の制御は熱による変形に限らず電気的に制御を行ってもよい。
【0032】
冷却液の制御を電気的に弁を制御して行う場合の例を図9、図10を用いて説明する。
【0033】
図9は冷却液制御部をブロック図に表した物である。本制御部は発熱部材上に設置した温度センサー、その温度センサーからの温度情報信号を受けてモーターを動作させるモーター制御部、実際に弁を開閉動作させるモーター、モーターに連動して動作する冷却液制御弁から構成される。
【0034】
モーター制御部は、温度センサーからの制御信号(抵抗値、電圧等)をもとに、予め決められたしきい値に従ってモータの動作(回転角)及び冷却液制御弁の開閉を制御する。
【0035】
図10は主に複数ある冷却液制御弁の内の1つについて制御手順をフロー化したもので、まず101にて冷却液をチューブ内に送り出される。次に102にて発熱部材に設置された温度センサーが温度を検知し信号を送信する。
【0036】
もし、ここで設定温度を超過した場合は103にて温度センサーから設定温度以上時の信号を発信する。次に104にて、その制御信号を受けたモーター制御部がBのルート(発熱部材外)に弁で蓋をする様にモーターを動作させる。すると105にてモーターに直結した弁が可動し冷却液の流れをAのルート(発熱部材上)にすることが出来る。
【0037】
逆に102にて設定温度を超過していない場合は106にて温度センサーから設定温度以下時の信号を発信する。次に107にて、その制御信号を受けたモーター制御部がAのルート(発熱部材上)に弁で蓋をする様にモーターを動作させる。すると105にてモーターに直結した弁が可動し冷却液の流れをBのルート(発熱部材外)にすることが出来る。
【0038】
発熱部材が設定温度を超過している場合もしていない場合も最終的には109に冷却液を流し込み次の発熱部材または放熱部に冷却液が流れて行くことになる。
【0039】
更に、弁やチューブの変形による冷却液の制御部は図11に示す連結部1と連結部2の両方で行う方式の方が発熱部の熱量を回収するときとしないときの制御をより確実に行えるが、冷却液の流れの上流にあたる連結部1だけで行う方式でも十分に冷却液の流れを制御できるため同様の効果を得ることが出来る。よって本発明は、どちらの方式を採用しても良い。
【0040】
当然、このことは発熱部材の発熱量を回収するルートへ流れる冷却液の量を流路における抵抗を増加させることによって制限出来れば良いことを意味し、前述したチューブの変形や弁による制御で完全に他方への冷却液の流れを完全に遮断する必要は無い。
【0041】
つぎに本発明を採用したことによる利点についての説明する。
【0042】
液冷システムが接続される順番は先に述べた様に従来の技術である特開2002−182797号と同様に、まず放熱部によって冷却された冷却液をポンプで加圧して送り出すことが望ましい、そして許容上限温度の低い発熱部材を優先して先に接続するか、前の発熱部材の発熱量を回収した冷却液が次の発熱部材の許容上限温度を超過しない場合に限りその逆の順番での接続を可能とする。
【0043】
この場合の例として発熱部材AをHDD、発熱部材BをCD−ROM、発熱部材CをCPUとすると図12に示すルートで冷却液が循環するため放熱部は必ず全ての発熱部材の熱量を外部に放熱しなければならない。
【0044】
それに対して本発明では、サスペンド時等の低電力モードでPCが稼動している状態において全ての発熱部材が冷却不要な温度であれば図13に示すルートで冷却液が循環し放熱部の負担を軽減し冷却液をより温度の低い最大冷却性能の状態に保つことが出来る。
【0045】
このことは液冷システムの放熱部をユーザーが接触する部分にも共用させる場合を例に考えると有利な点と言える。
【0046】
また、発熱部材Bが主に稼動する条件でPCを動作させた場合を図14に示す。
【0047】
発熱部材BはCD−ROMデバイスであるのでCD−ROMを挿入していない状態、もしくはCD−ROMを読み込みしていない状態ではこのCD−ROMデバイスの可動率はほとんど無いに等しい。つまり、このときの発熱部材Bの発熱量は非常に低い状態にある。
【0048】
しかし、CD−ROMを実装し読み込みを実施した場合は発熱部材Bの発熱量が増加し冷却が必要な状態になることが予想される。
【0049】
またCD−ROMデバイスの読み込みだけの処理を実施した場合を想定すると、他の発熱部材となるHDDやCPU処理能力はそれほど必要ではない、よって発熱部材Aと発熱部材Cは冷却が必要な温度に達していないと考えられる。
【0050】
更に、この条件下ではいかに発熱部材Bを冷却するかが重要となり、図13のルート冷却液を循環させる制御を提供する本発明の方が図11の従来の方式と比較して、より有効に発熱部材Bを冷却することを可能とする。
【0051】
この様なPCの可動条件による発熱部材の発熱量変化は、他の発熱部材でも同様なことが起こり得る。例えばCPUは計算処理能数によってその負荷が変化し消費電力もそれに比例して大きくなる。とうぜんCD−ROMの読み込み等の処理では負荷が軽く消費電力も少なくてすむ、逆に計算処理能力の多い動作条件では負荷が高くなりCPU自身の温度が高くなる。次に表示チップの例として、モニターの長寿命化を考慮した。
【0052】
非表示時と言う表示機能だけを殺すモードが従来から存在する。このときは当然表示チップへの負荷が極端に下がり殆ど消費電力を必要としない状態となる。逆に3D描画等の高表示負荷条件ではCPU同様に負荷に比例し温度が上昇し高温状態となる。
【0053】
HDDに関して言えば非アクセス時はもちろんHDDへの電力をカットする省電力モードが存在している為、その時と大量データーのコピー等の高アクセス条件との温度変化は大きく異なることが明確である。
【0054】
このようにPC内部で冷却を必要とする発熱部材はその動作条件によって大きく発熱量が変化し、どの発熱部材が温度変化するかも動作条件によって異なるため発熱部材単位に冷却回路を変化させることが出来る本発明による効果は大きい。
【0055】
【発明の効果】
本発明を適用すれば、一つの液冷システムが持っている冷却能力をPCの稼動状況に応じて、冷却を必要としている発熱部材に優先して割り当てる事が可能となり、発熱部材の安定動作、及び寿命を伸ばす効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液冷システム全体図。
【図2】従来の液冷システム全体図。
【図3】従来の冷却ルート図。
【図4】低温時冷却ルート図。
【図5】高温時冷却ルート図。
【図6】制御部結合方法図。
【図7】弁による制御図。
【図8】弁の構造図。
【図9】弁制御ブロック図。
【図10】弁制御フロー図。
【図11】制御部設置個所説明図。
【図12】従来の冷却液循環経路図。
【図13】低温時冷却液循環経路図。
【図14】発熱部材B高温時冷却液循環経路図。
【符号の説明】
1…CPU、2…HDD、3…表示チップ、4…CD−ROM、5…分岐経路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータ等の情報処理装置の冷却方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年はCPUをはじめとする情報処理装置内部の発熱量が増加により、その発熱を情報処理装置外部に放熱する手法の一つとして大型コンピュータ等に使用されていた液冷システムが小型化されPC等の小型情報処理装置にも使用されるようになった。
【0003】
液冷システムは冷却FANを使用した空冷システムに比べ騒音軽減等のメリットを有している。
【0004】
現在PCに使用されている水冷システムは、パソコン内部にある一つ以上の発熱箇所に冷却液で満たされたチューブを接続し、発熱部の熱量を冷却液を媒体として放熱部に移動し放熱する方法を採用している。
【0005】
また、特開2002−182797号公報(下記の特許文献1)にはPC内部に存在する複数の発熱部材を冷却する液冷システムの技術が開示されており、これによると複数の発熱部材を冷却液で満たされたチューブで接続し、その発熱部材の熱量を冷却液を媒体として放熱部に移動し放熱する方法を採用している。
【0006】
更に、前記公報ではポンプから送り出される冷却液の循環する順番を冷却対象である発熱部材の許容上限温度の違いや発熱量の違いによって決める方式を提案している。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−182797号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
パソコン内部にはCPUをはじめとし、表示チップ、HDD、CD−ROM等複数の異なる許容上限温度と発熱量をもつ発熱部材がある。
【0009】
液冷システムは小型化が進んでいるが、一台のPC内部にポンプやチューブ、放熱部等、液冷システムに必要な部材を複数搭載する事はコスト的に不利である。
【0010】
また、PCをはじめとする小型情報処理装置は小型化が重要なファクターであり、スペース的にも複数の液冷システムの搭載は現実的でない為、1つの液冷システムでこれら全ての発熱部材を冷却する必要が有る。
【0011】
その実現には特開2002−182797号にもあるように1つの液冷システムで発熱部材全てに冷却液を循環させなければならないが、単純に全てのデバイスに冷却液を循環させるだけでは常に全てのデバイスからの発熱量を受取る事となる為、1つの液冷システムが持つ冷却能力を効率的に使用出来ていない。
【0012】
さらに、この方式ではPCの動作条件による発熱部材の温度変化の考慮が無く、いかに発熱部材の温度が変化したとしても常に一定の順番で全ての発熱部材の熱量を回収する方式になっている。
【0013】
本発明は許容温度スペックと発熱量の異なるデバイスに対して個別に冷却の要否を判断し冷却が必要なデバイスを優先して冷却する方法を提案する。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決する為に本発明は、一つの冷却回路に分岐経路を持たせる。
【0015】
分岐経路は冷却対象となる発熱部材ごとに準備され、一方は発熱部材の熱を回収するルートで、他方は発熱部材の熱を回収しないルートとする。
【0016】
分岐経路は発熱部材の温度によって制御され、普段発熱部材の温度が設定温度よりも低い状態のとき冷却液は発熱部材の熱を回収しないルートを通る。
【0017】
逆に発熱部材の温度が設定温度より高くなった状態のとき冷却液は発熱部材の熱を回収するルートを通る。
【0018】
この方式によって、発熱量の可変する発熱部材を必要なときだけ冷却する事が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る液冷システム技術について、図面を用いて以下説明する。
【0020】
ノートPCで使用した場合を例に図1で本発明の実施形態に係る全体構成を示し、図1の特徴を図2に示す従来の液冷システムを採用した場合と比較して説明する。
【0021】
図2の構成では液冷システムがCPU1をはじめHDD2、表示チップ3、CD−ROM4と言った冷却対象となる全ての発熱部材に対してチューブの接続を行い冷却液による発熱量の回収を常に実施している。
【0022】
それに対し図1が示す本発明では冷却対象となる発熱部材毎にチューブに分岐経路5を加え、その分岐経路5を使用すると発熱部材の発熱量を回収しないことを特徴としている。
【0023】
次に分岐経路5の制御について形状記憶合金等の一定温度で変形する材質をチューブの一部に使用した場合を例に図4、図5で説明する。
【0024】
特開2002−182797号では、液冷システムのチューブ部にシリコン系、ゴム系、もしくはAl、Mg、Cu、Ti、SUS等の金属もしくはその合金を使用し、金属部とシリコン系、もしくはゴム系部が組み合わされてその経路を構成するとある。
【0025】
本発明では図4、図5中に示した制御部に形状記憶合金等の一定温度で変形する材質を適用し冷却液の流動経路を制御可能とする。
【0026】
制御部とそれ以外の材質を用いた箇所の接続は図6に示した様に、シリコン系、ゴム系のチューブを制御部に被せる構造での接続、又は接着剤による接続等が考えられる。
【0027】
また金属系同士の結合であれば溶接と言う方法も可能である。
【0028】
従来の液冷システムでは図3に示すように発熱部材がどの様な状態にあっても常に冷却液がAのルート(発熱部材上)を通ることになり必ず発熱部材の熱量を回収することになる。
【0029】
それに対して本発明では図4に示すように発熱部材が一定の温度に達するまでは冷却液がAのルート(発熱部材上)を通らずBのルートを通るようにしているが、発熱部材が一定の温度を超過した場合にのみチューブの一部が変形し図5の様に冷却液がAのルート(発熱部材上)を通る。
【0030】
また、ここではチューブ自身の熱変形を例に冷却液の制御を説明したが、冷却液の制御は図7と図8に示した様にチューブ内に制御弁を持たせることによって行っても良い。以降、図7〜10の説明はチューブ内に制御弁を持たせた場合のものである。
【0031】
更に、冷却液の制御は熱による変形に限らず電気的に制御を行ってもよい。
【0032】
冷却液の制御を電気的に弁を制御して行う場合の例を図9、図10を用いて説明する。
【0033】
図9は冷却液制御部をブロック図に表した物である。本制御部は発熱部材上に設置した温度センサー、その温度センサーからの温度情報信号を受けてモーターを動作させるモーター制御部、実際に弁を開閉動作させるモーター、モーターに連動して動作する冷却液制御弁から構成される。
【0034】
モーター制御部は、温度センサーからの制御信号(抵抗値、電圧等)をもとに、予め決められたしきい値に従ってモータの動作(回転角)及び冷却液制御弁の開閉を制御する。
【0035】
図10は主に複数ある冷却液制御弁の内の1つについて制御手順をフロー化したもので、まず101にて冷却液をチューブ内に送り出される。次に102にて発熱部材に設置された温度センサーが温度を検知し信号を送信する。
【0036】
もし、ここで設定温度を超過した場合は103にて温度センサーから設定温度以上時の信号を発信する。次に104にて、その制御信号を受けたモーター制御部がBのルート(発熱部材外)に弁で蓋をする様にモーターを動作させる。すると105にてモーターに直結した弁が可動し冷却液の流れをAのルート(発熱部材上)にすることが出来る。
【0037】
逆に102にて設定温度を超過していない場合は106にて温度センサーから設定温度以下時の信号を発信する。次に107にて、その制御信号を受けたモーター制御部がAのルート(発熱部材上)に弁で蓋をする様にモーターを動作させる。すると105にてモーターに直結した弁が可動し冷却液の流れをBのルート(発熱部材外)にすることが出来る。
【0038】
発熱部材が設定温度を超過している場合もしていない場合も最終的には109に冷却液を流し込み次の発熱部材または放熱部に冷却液が流れて行くことになる。
【0039】
更に、弁やチューブの変形による冷却液の制御部は図11に示す連結部1と連結部2の両方で行う方式の方が発熱部の熱量を回収するときとしないときの制御をより確実に行えるが、冷却液の流れの上流にあたる連結部1だけで行う方式でも十分に冷却液の流れを制御できるため同様の効果を得ることが出来る。よって本発明は、どちらの方式を採用しても良い。
【0040】
当然、このことは発熱部材の発熱量を回収するルートへ流れる冷却液の量を流路における抵抗を増加させることによって制限出来れば良いことを意味し、前述したチューブの変形や弁による制御で完全に他方への冷却液の流れを完全に遮断する必要は無い。
【0041】
つぎに本発明を採用したことによる利点についての説明する。
【0042】
液冷システムが接続される順番は先に述べた様に従来の技術である特開2002−182797号と同様に、まず放熱部によって冷却された冷却液をポンプで加圧して送り出すことが望ましい、そして許容上限温度の低い発熱部材を優先して先に接続するか、前の発熱部材の発熱量を回収した冷却液が次の発熱部材の許容上限温度を超過しない場合に限りその逆の順番での接続を可能とする。
【0043】
この場合の例として発熱部材AをHDD、発熱部材BをCD−ROM、発熱部材CをCPUとすると図12に示すルートで冷却液が循環するため放熱部は必ず全ての発熱部材の熱量を外部に放熱しなければならない。
【0044】
それに対して本発明では、サスペンド時等の低電力モードでPCが稼動している状態において全ての発熱部材が冷却不要な温度であれば図13に示すルートで冷却液が循環し放熱部の負担を軽減し冷却液をより温度の低い最大冷却性能の状態に保つことが出来る。
【0045】
このことは液冷システムの放熱部をユーザーが接触する部分にも共用させる場合を例に考えると有利な点と言える。
【0046】
また、発熱部材Bが主に稼動する条件でPCを動作させた場合を図14に示す。
【0047】
発熱部材BはCD−ROMデバイスであるのでCD−ROMを挿入していない状態、もしくはCD−ROMを読み込みしていない状態ではこのCD−ROMデバイスの可動率はほとんど無いに等しい。つまり、このときの発熱部材Bの発熱量は非常に低い状態にある。
【0048】
しかし、CD−ROMを実装し読み込みを実施した場合は発熱部材Bの発熱量が増加し冷却が必要な状態になることが予想される。
【0049】
またCD−ROMデバイスの読み込みだけの処理を実施した場合を想定すると、他の発熱部材となるHDDやCPU処理能力はそれほど必要ではない、よって発熱部材Aと発熱部材Cは冷却が必要な温度に達していないと考えられる。
【0050】
更に、この条件下ではいかに発熱部材Bを冷却するかが重要となり、図13のルート冷却液を循環させる制御を提供する本発明の方が図11の従来の方式と比較して、より有効に発熱部材Bを冷却することを可能とする。
【0051】
この様なPCの可動条件による発熱部材の発熱量変化は、他の発熱部材でも同様なことが起こり得る。例えばCPUは計算処理能数によってその負荷が変化し消費電力もそれに比例して大きくなる。とうぜんCD−ROMの読み込み等の処理では負荷が軽く消費電力も少なくてすむ、逆に計算処理能力の多い動作条件では負荷が高くなりCPU自身の温度が高くなる。次に表示チップの例として、モニターの長寿命化を考慮した。
【0052】
非表示時と言う表示機能だけを殺すモードが従来から存在する。このときは当然表示チップへの負荷が極端に下がり殆ど消費電力を必要としない状態となる。逆に3D描画等の高表示負荷条件ではCPU同様に負荷に比例し温度が上昇し高温状態となる。
【0053】
HDDに関して言えば非アクセス時はもちろんHDDへの電力をカットする省電力モードが存在している為、その時と大量データーのコピー等の高アクセス条件との温度変化は大きく異なることが明確である。
【0054】
このようにPC内部で冷却を必要とする発熱部材はその動作条件によって大きく発熱量が変化し、どの発熱部材が温度変化するかも動作条件によって異なるため発熱部材単位に冷却回路を変化させることが出来る本発明による効果は大きい。
【0055】
【発明の効果】
本発明を適用すれば、一つの液冷システムが持っている冷却能力をPCの稼動状況に応じて、冷却を必要としている発熱部材に優先して割り当てる事が可能となり、発熱部材の安定動作、及び寿命を伸ばす効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液冷システム全体図。
【図2】従来の液冷システム全体図。
【図3】従来の冷却ルート図。
【図4】低温時冷却ルート図。
【図5】高温時冷却ルート図。
【図6】制御部結合方法図。
【図7】弁による制御図。
【図8】弁の構造図。
【図9】弁制御ブロック図。
【図10】弁制御フロー図。
【図11】制御部設置個所説明図。
【図12】従来の冷却液循環経路図。
【図13】低温時冷却液循環経路図。
【図14】発熱部材B高温時冷却液循環経路図。
【符号の説明】
1…CPU、2…HDD、3…表示チップ、4…CD−ROM、5…分岐経路。
Claims (2)
- 一つの冷却回路で複数の発熱部材に対して冷却を行う際に、発熱部材毎に冷却するかどうかを判断可能な液冷システム。
- 請求項1の判断基準温度を発熱部材毎に設定できる液冷システム。
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