JP2004135013A - 伝送装置及び伝送方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】伝送路状態が変動した時に予め割り当てられていた上り/下りそれぞれの帯域を許容伝送遅延の範囲内で変更することなく高品質な伝送を行うこと。
【解決手段】送信側装置でアプリケーションデータフロー毎の許容遅延値に応じて各データフローの最大インターリーブ深度を設定し、その範囲内で受信側装置からの深度変更要求に応じてインターリーブ深度を変更し、変更後のインターリーブ深度等に関する情報を受信側装置に通知する一方、受信装置でアプリケーションデータフロー毎の許容遅延値に応じて各データフローの許容エラー率を設定し、データフロー毎に受信したデータエラー率を測定し、そのエラー率と設定された許容エラー率との比較結果に応じて送信側装置にインターリーブ深度変更を要求し、送信側装置から通知されたインターリーブ深度等に関する情報に応じてデインターリーブ深度を変更する。
【選択図】 図1
【解決手段】送信側装置でアプリケーションデータフロー毎の許容遅延値に応じて各データフローの最大インターリーブ深度を設定し、その範囲内で受信側装置からの深度変更要求に応じてインターリーブ深度を変更し、変更後のインターリーブ深度等に関する情報を受信側装置に通知する一方、受信装置でアプリケーションデータフロー毎の許容遅延値に応じて各データフローの許容エラー率を設定し、データフロー毎に受信したデータエラー率を測定し、そのエラー率と設定された許容エラー率との比較結果に応じて送信側装置にインターリーブ深度変更を要求し、送信側装置から通知されたインターリーブ深度等に関する情報に応じてデインターリーブ深度を変更する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタリック伝送路を使用して信号を伝送する伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、網を介して伝送される情報量の増加に伴い、伝送路をメタリック回線から光ファイバ回線に置き換える作業が進められている。しかしながら、光ファイバ網が完成するまでにはかなりの時間とコストを要するので、既存のメタリック伝送路は、しばらくの間は使用されるものと推測される。
【0003】
このような状況において、既存のメタリック伝送路を利用して高速の通信サービスを提供する技術が普及してきている。これらの通信サービスのうち、xDSL(x−Digital Subscriber Line)が広く知られ、メタリック伝送路を用いてコンピュータネットワークに高速で遠隔アクセスする需要が増大している。これに伴い既存の電話網を利用して様々な高速ディジタルデータ伝送サービスが提供されている。
【0004】
また、インターネット上におけるマルチメディアコンテンツ提供の拡大に伴い、広帯域及び低遅延にてデータを送受信する必要性が高まり、雑音や干渉の影響を受けやすいメタリック伝送路においても高品質なデータ伝送が要求されている。
【0005】
このような状況の中で、メタリック伝送路における伝送路状態の変動による伝送帯域への影響を低減させる方法が提案されている。例えば、特許文献1に開示された帯域設定方法が提案されている。
【0006】
この帯域設定方法においては、伝送路状態変更時にDMT(Discrete Multi−Tone)変調方式における上り若しくは下り伝送帯域の割り当てを適切な値に再調整することで必要な伝送帯域を確保し、これにより高品質なデータ伝送を可能とするものである。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−36499号公報(第3頁〜第4頁 図5)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1で開示された技術においては、干渉や雑音による伝送路状態が変動した時の上り/下り両者を合わせた総合的な帯域の減少を避けることは出来ない。したがって、帯域の確保を必要とするアプリケーションが多数同時に通信を行い、片方向の帯域にて予め割り当てられた帯域の限界まで使用していた場合には、反対方向の帯域を増加させることが出来ないため、この方向にて必要とされる帯域を確保出来ないという問題が生ずる。
【0009】
本発明は、かかる問題点に鑑みて為されたものであり、伝送路状態が変動した時に予め割り当てられていた上り/下りそれぞれの帯域を許容伝送遅延の範囲内で変更することなく高品質な伝送を可能とすることができる伝送装置及び伝送方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、メタリック伝送路を介して接続された相手側の伝送装置との間でメタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する伝送装置において、送信側の伝送装置でアプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの最大インターリーブ深度を設定し、最大インターリーブ深度の範囲内で受信側の伝送装置からのインターリーブ深度変更要求に応じてインターリーブ深度を変更し、変更後のインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報を受信側の伝送装置に通知する一方、受信側の伝送装置でアプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの許容エラー率を設定し、データフロー毎に受信したデータのエラー率を測定し、当該測定したエラー率と設定された許容エラー率とを比較し、この比較結果に応じて送信側の伝送装置にインターリーブ深度変更を要求し、送信側の伝送装置から通知されたインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報に応じてデインターリーブ深度を変更するものである。
【0011】
これにより、受信側の伝送装置における許容エラー率と実際のエラー率との比較結果に応じてインターリーブ深度変更が要求され、これに応じて送信側の伝送装置でインターリーブ深度の変更を行うので、メタリック伝送路の状態に応じてデータ通信中にインターリーブ深度を適切な値に設定することができる。この結果、メタリック伝送路の状態が干渉や雑音により変動した場合においても、各データフローが必要とする帯域を減少させることなく許容遅延値を確保したデータ伝送を行うことができる。
【0012】
本発明の第1の態様に係る送信側の伝送装置は、メタリック伝送路を介して接続された受信側の伝送装置との間で前記メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する送信側の伝送装置であって、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの最大インターリーブ深度を設定するインターリーブ深度設定部と、前記最大インターリーブ深度の範囲内で前記受信側の伝送装置からのインターリーブ深度変更要求に応じてインターリーブ深度を変更するインターリーブ処理部と、変更後のインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報を前記受信側の伝送装置に通知する変更情報通知部と、を具備する構成を採る。
【0013】
この構成によれば、受信側の伝送装置からのインターリーブ深度変更の要求に応じてインターリーブ深度の変更を行うので、受信側の伝送装置で許容エラー率と実際のエラー率との比較結果に応じてインターリーブ深度の変更要求を行うことにより、メタリック伝送路の状態に応じて、データ通信中にインターリーブ深度を適切な値に設定することができる。この結果、メタリック伝送路の状態が干渉や雑音により変動した場合においても、各データフローが必要とする帯域を減少させることなく許容遅延値を確保したデータ伝送を行うことができる。
【0014】
本発明の第2の態様は、第1の態様に係る送信側の伝送装置において、前記インターリーブ深度設定部は、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じたユーザの指示に対応して最大インターリーブ深度を設定する構成を採る。
【0015】
この構成によれば、ユーザの指示に対応して最大インターリーブ深度が設定されるので、データフロー毎のインターリーブ深度を、メタリック伝送路の状態に応じて、ユーザが予め設定した範囲内においてデータ通信中に適切な値に設定することができる。
【0016】
本発明の第3の態様は、第1の態様に係る送信側の伝送装置において、前記インターリーブ深度設定部は、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じた前記受信側の伝送装置のアプリケーションとの間のネゴシエーション結果に対応して最大インターリーブ深度を設定する構成を採る。
【0017】
この構成によれば、送信側の伝送装置のアプリケーションとの間のネゴシエーション結果に対応して最大インターリーブ深度が設定されるので、ユーザの設定を必要とすることなく、データフロー毎のインターリーブ深度を、メタリック伝送路の状態に応じて、アプリケーション間で設定した範囲内において、データ通信中に適切な値に設定することができる。
【0018】
本発明の第4の態様に係る受信側の伝送装置は、メタリック伝送路を介して接続された送信側の伝送装置との間で前記メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する受信側の伝送装置であって、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの許容エラー率を設定する許容エラー率設定部と、データフロー毎に受信したデータのエラー率を測定し、当該エラー率と前記許容エラー率設定部により設定された許容エラー率とを比較するエラー率測定・許容値比較部と、前記エラー率測定・許容値比較部の比較結果に応じて前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度変更を要求するインターリーブ深度変更要求部と、前記送信側の伝送装置から通知されたインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報に応じてデインターリーブ深度を変更するデインターリーブ処理部と、を具備する構成を採る。
【0019】
この構成によれば、受信側の伝送装置における許容エラー率と実際のエラー率との比較結果に応じてインターリーブ深度変更を要求するので、送信側の伝送装置でこのインターリーブ深度変更要求に応じてインターリーブ深度の変更を行うことにより、データフロー毎のインターリーブ深度を、メタリック伝送路の状態に応じて、データ通信中に適切な値に設定することができる。この結果、メタリック伝送路の状態が干渉や雑音により変動した場合においても、各データフローが必要とする帯域を減少させることなく許容遅延値を確保したデータ伝送を行うことができる。
【0020】
本発明の第5の態様は、第4の態様に係る受信側の伝送装置において、前記許容エラー率設定部は、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じたユーザの指示に対応して許容エラー率を設定する構成を採る。
【0021】
この構成によれば、ユーザの指示に対応して許容エラー率が設定されるので、データフロー毎のインターリーブ深度を、メタリック伝送路の状態に応じて、ユーザが予め設定した範囲内において、データ通信中に適切な値に設定することができる。
【0022】
本発明の第6の態様は、第4の態様に係る受信側の伝送装置において、前記許容エラー率設定部は、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じた前記送信側の伝送装置のアプリケーションとの間のネゴシエーション結果に対応して許容エラー率を設定する構成を採る。
【0023】
この構成によれば、送信側の伝送装置のアプリケーションとの間のネゴシエーション結果に対応して許容エラー率が設定されるので、ユーザの設定を必要とすることなく、データフロー毎のインターリーブ深度を、メタリック伝送路の状態に応じて、アプリケーション間で設定した範囲内において、データ通信中に適切な値に設定することができる。
【0024】
本発明の第7の態様は、第4から第6のいずれかの態様に係る受信側の伝送装置において、前記インターリーブ深度変更要求部は、前記エラー率測定・許容値比較部が測定したエラー率が前記許容エラー率を上回った場合に前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度増加を要求する一方、前記エラー率が前記許容エラー率を下回った場合に前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度減少を要求する構成を採る。
【0025】
この構成によれば、エラー率測定・許容値比較部が測定したエラー率が許容エラー率を上回った場合にインターリーブ深度増加が要求される一方、エラー率が許容エラー率を下回った場合にインターリーブ深度減少が要求されるので、許容エラー率を基準として適切にインターリーブ深度の変更を要求することができる。
【0026】
本発明の第8の態様は、第4から第6のいずれかの態様に係る受信側の伝送装置において、前記許容エラー率設定部は、前記許容エラー率として上限許容許容エラー率及び下限許容エラー率の2種類の許容エラー率を設定し、前記インターリーブ深度変更要求部は、前記エラー率測定・許容値比較部が測定したエラー率が前記上限許容エラー率を上回った場合に前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度増加を要求する一方、前記エラー率が前記下限許容エラー率を下回った場合に前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度減少を要求する構成を採る。
【0027】
この構成によれば、2種類の許容エラー率と実際のエラー率との比較結果に応じてインターリーブ深度の変更を要求するので、メタリック伝送路の状態が細かく変動したとしても、データフロー毎のインターリーブ深度をいたずらに変更させることなく、メタリック伝送路の状態に応じて、ユーザ等が設定した範囲内において、データ通信中に適切な値に設定することができる。この結果、メタリック伝送路の状態が干渉や雑音に細かく変動した場合においても、各データフローが必要とする帯域を減少させることなく許容遅延値を確保したデータ伝送を行うことができる。
【0028】
本発明の第9の態様は、第8の態様に係る受信側の伝送装置において、前記エラー率測定・許容値比較部は、測定したエラー率を統計情報として収集し、この収集結果に応じて前記メタリック伝送路状態の変動の傾向を推定し、前記エラー率測定・許容値比較部により前記メタリック伝送路の一時的な変動と推定された場合には前記インターリーブ深度変更要求部は、前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度変更を要求しない構成を採る。
【0029】
この構成によれば、実際のエラーの統計情報に基づいてインターリーブ深度の変更が要求されるので、メタリック伝送路の状態がバースト転送やノイズ混入等により一時的に変動した場合においても、データフロー毎のインターリーブ深度を急激に変更することなく、メタリック伝送路の状態に応じて、ユーザ等が設定した範囲内において、データ通信中に適切な値に保持することができる。この結果、メタリック伝送路の状態がバースト転送やノイズ混入により一時的に変動した場合においても、安定して各データフローが必要とする帯域を減少させることなく許容遅延値をも確保した伝送を行うことができる。
【0030】
本発明の第10の態様に係る伝送方法は、メタリック伝送路を介して接続された受信側の伝送装置との間で前記メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する送信側の伝送装置の伝送方法であって、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの最大インターリーブ深度を設定し、前記最大インターリーブ深度の範囲内で前記受信側の伝送装置からのインターリーブ深度変更要求に応じてインターリーブ深度を変更し、変更後のインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報を前記受信側の伝送装置に通知するものである。
【0031】
本発明の第11の態様に係る伝送方法は、メタリック伝送路を介して接続された送信側の伝送装置との間で前記メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する受信側の伝送装置の伝送方法であって、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの許容エラー率を設定し、データフロー毎に受信したデータのエラー率を測定し、当該測定したエラー率と前記設定された許容エラー率とを比較し、この比較結果に応じて前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度変更を要求し、前記送信側の伝送装置から通知されたインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報に応じてデインターリーブ深度を変更するものである。
【0032】
本発明の第12の態様に係るプログラムは、メタリック伝送路を介して接続された受信側の伝送装置との間で前記メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する送信側の伝送装置のプログラムであって、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの最大インターリーブ深度を設定する手順と、前記最大インターリーブ深度の範囲内で前記受信側の伝送装置からのインターリーブ深度変更要求に応じてインターリーブ深度を変更する手順と、変更後のインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報を前記受信側の伝送装置に通知する手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0033】
本発明の第13の態様に係るプログラムは、メタリック伝送路を介して接続された送信側の伝送装置との間で前記メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する受信側の伝送装置のプログラムであって、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの許容エラー率を設定する手順と、データフロー毎に受信したデータのエラー率を測定し、当該測定したエラー率と前記設定された許容エラー率とを比較する手順と、この比較結果に応じて前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度変更を要求する手順と、前記送信側の伝送装置から通知されたインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報に応じてデインターリーブ深度を変更する手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0034】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照して具体的に説明する。
【0035】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る伝送装置の構成を示すブロック図である。図1に示す伝送装置100及び200は、同一の機能を有するため、伝送装置100についてのみ説明し、伝送装置200については省略する。伝送装置100及び200は、メタリック伝送路を介して接続されている。
【0036】
図1において、アプリケーションAは、伝送装置100において同時に動作する複数のアプリケーションの一つである。各アプリケーションは、メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローを、相手側の伝送装置内の対応するアプリケーションとやり取りする。すなわち、アプリケーションAは、相手側の伝送装置200のアプリケーションA’とデータフローAをやり取りする。
【0037】
送信バッファ101は、アプリケーションAからの送信データを格納する。FEC符号化部102は、送信バッファ101に格納された送信データの符号化を行う。
【0038】
インターリーブ処理部103は、FEC符号化部102で符号化された符号化データに対してインターリーブを行う。インターリーブ処理部103は、初期値としてインターリーブ深度1(インターリーブ無し)を有する。インターリーブ深度の変更が指示された場合、これに応じてインターリーブ深度を変更するが、インターリーブ深度の変更が指示されるまではインターリーブを行わない。
【0039】
デインターリーブ処理部104は、相手側の伝送装置から送信されたデータフロー群から、アプリケーションAに対応したデータフローAを構成するデータを復元する。デインターリーブ処理部104は、初期値としてデインターリーブ深度1(デインターリーブ無し)を有する。デインターリーブ深度の変更が指示された場合、これに応じてデインターリーブ深度を変更するが、デインターリーブ深度の変更が指示されるまではデインターリーブを行わない。
【0040】
本実施の形態の伝送装置においては、インターリーブ処理部103によるデータフロー毎の最大インターリーブ深度、並びに、デインターリーブ処理部104によるデータフロー毎の最大デインターリーブ深度が、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じてユーザにより決定される。最大インターリーブ深度・許容エラー率設定部105は、このユーザ設定に応じて最大インターリーブ深度及び最大デインターリーブ深度をそれぞれインターリーブ処理部103及びデインターリーブ処理部104に設定する。
【0041】
FEC復号化部106は、データフローAを構成するデータの復号化を行うとともに、受信データのエラーを検出する。FEC復号化部106が復号化したデータは、受信バッファ107に格納される。
【0042】
エラー率測定・許容値比較部108は、予め設定された各アプリケーションが許容するエラー率と、実際に発生したエラー率とを比較する。その比較結果に応じて、インターリーブ深度の変更を判断する。
【0043】
本実施の形態の伝送装置においては、エラー率測定・許容値比較部108による許容エラー率が、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容エラー率に応じてユーザにより決定される。最大インターリーブ深度・許容エラー率設定部105は、このユーザ設定に応じて許容エラー率をエラー率測定・許容値比較部108に設定する。
【0044】
制御データ作成・挿入部109は、制御パケットを生成し、この制御パケットに相手側の伝送装置に通知する制御情報を設定して送信バッファ101に挿入する。具体的には、制御データ作成・挿入部109は、インターリーブ深度の変更を要求する情報(以下、「深度変更要求情報」という)、インターリーブ深度の変更を通知する情報(変更後のインターリーブ深度を示す情報を含む)(以下、「深度変更通知情報」という)、並びに、その変更するタイミングを通知する情報(以下、「タイミング情報」という)を制御情報として設定する。
【0045】
制御データ抽出・解析部110は、受信バッファ107に格納された制御パケットを解析し、相手側の伝送装置から通知された制御情報を抽出する。具体的には、制御データ抽出・解析部110は、深度変更要求情報、深度変更通知情報及びタイミング情報を抽出する。
【0046】
インターリーブ深度・タイミング制御部111は、インターリーブ処理部103に対してインターリーブ深度の変更及びそのタイミングを指示するとともに、制御データ作成・挿入部109に対して深度変更通知情報及びタイミング情報の制御パケットへの設定を指示する。
【0047】
デインターリーブ深度・タイミング制御部112は、デインターリーブ処理部104に対してデインターリーブ深度の変更及びそのタイミングを指示する。
【0048】
データフロー多重/分離部113は、伝送装置100が送信側の伝送装置として機能する場合にアプリケーションAの他のアプリケーションが使用するデータフロー(例えば、データフローX)を、アプリケーションAのデータフローAに多重する。一方、伝送装置100が受信側の伝送装置として機能する場合に変復調部114により抽出されたデータフロー群を分離する。
【0049】
変復調部114は、伝送装置100が送信側の伝送装置として機能する場合にDMTやCAP等の変調を行う。一方、伝送装置100が受信側の伝送装置として機能する場合にドライバ/レシーバ、D/A、A/D変換部115により受信されたデータからデータフロー群を抽出する。
【0050】
ドライバ/レシーバ、D/A、A/D変換部115は、伝送装置100が送信側の伝送装置として機能する場合に変調データにD/A変換処理を行い、メタリック伝送路に送出する。一方、伝送装置100が受信側の伝送装置として機能する場合にメタリック伝送路からの受信データにA/D変換処理を行い、変復調部114に渡す。
【0051】
次に、上記構成を有する伝送装置において、伝送装置100のアプリケーションAと伝送装置200のアプリケーションA’がデータフローAを用いてデータ通信を行う場合の動作について説明する。
【0052】
本実施の形態の伝送装置では、通信を行う前にユーザがアプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値及び許容エラー率に応じて、データフロー毎の最大インターリーブ深度及び許容エラー率を決定する。これにより、アプリケーションAのデータフローAの最大インターリーブ深度及び許容エラー率が決定される。
【0053】
これらの値がユーザから決定されると、最大インターリーブ深度・許容エラー率設定部105は、これらの値をインターリーブ処理部103、エラー率測定・許容値比較部108に設定する。伝送装置200においても、同様にインターリーブ処理部203及びエラー率測定・許容値比較部208に最大インターリーブ深度及び許容エラー率が設定される。そして、これらの最大インターリーブ深度及び許容エラー率が設定された後、データ通信が行われる。
【0054】
まず、伝送装置100においては、アプリケーションAからの送信データを送信バッファ101で受信し、FEC符号化部102で符号化を行い、インターリーブ処理部103に渡す。
【0055】
インターリーブ処理部103は、上述のように、インターリーブ深度の変更が指示されるまではインターリーブを行わない。ここでは、まだインターリーブの深度の変更が指示されていないので、インターリーブを行わないまま、データをデータフロー多重/分離部113に送出する。
【0056】
データフロー多重/分離部113は、伝送装置100におけるアプリケーションAの他のアプリケーションXが使用するデータフローX等を多重し、変復調部114へ送出する。変復調部114は、多重化されたデータにDMTやCAP等の変調を行い、ドライバ/レシーバ、D/A、A/D変換部115を通じてメタリック伝送路に送信する。
【0057】
伝送装置200においては、ドライバ/レシーバ、D/A、A/D変換部215で伝送装置100からのデータを受信し、変復調部214でデータフロー群を抽出する。データフロー多重/分離部213は、このデータフロー群からデータフローA’を分離する。データフローA’を構成するデータは、デインターリーブ処理部204に渡される。
【0058】
デインターリーブ処理部204は、上述のように、デインターリーブ深度の変更が指示されるまではデインターリーブを行わない。ここでは、まだデインターリーブの深度の変更が指示されていないので、デインターリーブを行わないまま、データをFEC復号化部206に送出する。
【0059】
FEC復号化部206は、このデータを復号化する。FEC復号化部206により復号化されたデータは、受信バッファ207を経由してアプリケーションA’に渡される。
【0060】
このようにして、アプリケーションAからアプリケーションA’へのデータ通信が行われる。ここでは、アプリケーションAからアプリケーションA’へのデータ通信のみについて説明しているが、アプリケーションA’からアプリケーションAへのデータ通信も同様の要領で行われる。
【0061】
次に、このようにデータ通信を行っている最中にメタリック伝送路上で干渉や雑音が発生した場合について説明する。
【0062】
メタリック伝送路上で干渉や雑音が発生すると、送信データに波形歪み等の信号劣化が生じる。このように波形歪み等の信号劣化が生じたデータは、ドライバ/レシーバ、D/A、A/D変換部215で受信され、変復調部214、データフロー多重/分離部213及びデインターリーブ処理部204を通じてFEC復号化部206に渡される。
【0063】
このデータを受け取ると、FEC復号化部206は、このデータに生じているエラーを検出し、その検出結果をエラー率測定・許容値比較部208に通知する。この通知を受けると、エラー率測定・許容値比較部208は、ユーザから予め設定された許容エラー率と実際に発生したエラー率とを比較する。
【0064】
エラー率測定・許容値比較部208は、実際に発生したエラー率が予め設定された許容エラー率を下回る場合には何も行わない。しかし、許容エラー率を上回った場合には、送信元の伝送装置100のインターリーブ深度を増加させてエラー耐性を上げるべく、制御データ作成・挿入部209に許容エラー率超過によるインターリーブ深度の変更要求を通知する。
【0065】
この通知を受けると、制御データ作成・挿入部209は、制御パケットを生成し、このパケットに深度変更要求情報を設定して送信バッファ201に挿入する。なお、ここでは深度変更要求情報として、インターリーブ深度の増加が要求される。深度変更要求情報を含む制御パケットは、FEC符号化部202に引き渡され、通常のデータと同様にデータフローA’として伝送装置100に送出される。
【0066】
伝送装置100において、伝送装置200から送信された制御パケットを含むデータは、ドライバ/レシーバ、D/A、A/D変換部115、変復調部114、データフロー多重/分離部113、デインターリーブ処理部104及びFEC復号化部106を通じて受信バッファ107に格納される。受信バッファ107は、このデータから制御パケットを抽出して、制御データ抽出・解析部110に引き渡す。
【0067】
制御データ抽出・解析部110は、受信バッファ107から受け取った制御パケットを解析し、深度変更要求情報を抽出する。そして、この深度変更要求情報に基づいて、インターリーブ深度・タイミング制御部111に対してインターリーブ深度の変更要求を通知する。ここでは、インターリーブ深度・タイミング制御部111にインターリーブ深度の増加要求が通知される。
【0068】
この通知を受けると、インターリーブ深度・タイミング制御部111は、インターリーブ処理部103に対してインターリーブ深度の変更を指示する一方、制御データ作成・挿入部109に対して深度変更情報及びタイミング情報を含む制御パケット(以下、「深度変更通知パケット」という)の生成を指示する。
【0069】
この指示に応じて、制御データ作成・挿入部109は、深度変更通知パケットを生成し、送信バッファ101に挿入する。深度変更通知パケットは、伝送装置200のデインターリーブ処理部204におけるデインターリーブに矛盾が生じるのを回避するために送出される。
【0070】
一方、インターリーブ深度変更の指示を受けると、インターリーブ処理部103は、インターリーブ深度を予めユーザにより設定された規定ステップに基づき変更する。しかし、このインターリーブ深度の変更は、ユーザにより予め設定された最大インターリーブ深度の範囲内でのみ行われ、この範囲を超えるようなインターリーブ深度の変更は行わない。
【0071】
なお、深度変更通知パケットに含まれているタイミング情報と、インターリーブ深度の変更タイミングとの調整は、インターリーブ深度・タイミング制御部111により適切に行われる。
【0072】
送信バッファ101に挿入された深度変更通知パケットは、FEC符号化部102に引き渡され、通常のデータと同様にデータフローAとして伝送装置200に対して送出される。
【0073】
伝送装置200において、伝送装置100から送信された制御パケットを含むデータは、ドライバ/レシーバ、D/A、A/D変換部215、変復調部214、データフロー多重/分離部213、デインターリーブ処理部204及びFEC復号化部206を通じて受信バッファ207に格納される。受信バッファ207は、このデータから制御パケットを抽出して、制御データ抽出・解析部210に引き渡す。
【0074】
制御データ抽出・解析部210は、受信バッファ207から受け取った制御パケットを解析し、深度変更通知情報及びタイミング情報を抽出する。そして、これらの情報に基づいて、デインターリーブ深度・タイミング制御部212に対してデインターリーブ深度の変更要求及びタイミング情報を通知する。
【0075】
この通知を受けると、デインターリーブ深度・タイミング制御部212は、デインターリーブ処理部204に対してデインターリーブ深度の変更を指示する。このとき、デインターリーブ深度・タイミング制御部212は、制御パケットに含まれていたタイミング情報に基づいてデインターリーブ深度の変更を指示する。なお、ここでは、デインターリーブ深度の増加が指示される。
【0076】
デインターリーブ深度変更の指示を受けると、デインターリーブ処理部204は、指示されたタイミングで予めユーザによって設定された規定ステップに基づいてデインターリーブ深度の変更を行う。これ以降、デインターリーブ処理部204は、指示されたデインターリーブ深度で受信データのデインターリーブを行う。
【0077】
実施の形態1に係る伝送装置100及び200は、以上のような動作を1サイクルとして、エラー率測定・許容値比較部208で検出されたエラーが許容エラー率を下回るまで上記動作を繰り返す。そして、検出されたエラーが許容エラー率を下回った場合においても、受信データエラーを監視し、必要に応じてインターリーブ深度を調整しながらデータ通信を行う。
【0078】
なお、以上の説明では、メタリック伝送路上に干渉・雑音が発生していない状態から発生した場合において、インターリーブ深度を増加する場合について説明している。しかし、これに限定されず、メタリック伝送路上に干渉・雑音が発生している状態からそれらが消滅した場合においてインターリーブ深度を減少する場合、あるいは、メタリック伝送路上の干渉・雑音が発生、消滅を繰り返した場合においてインターリーブ深度の増加・減少を繰り返す場合においても当然に適用することができる。
【0079】
このように実施の形態1の伝送装置によれば、受信側の伝送装置において、予め設定された許容エラー率と実際に発生したエラー率とを比較し、その比較結果に応じてインターリーブ深度の変更を送信側の伝送装置に対して要求する。具体的には、予め設定された許容エラー率を上回るエラーを検出した場合にはインターリーブ深度の増加を要求する一方、許容エラー率を下回るエラーを検出した場合にはインターリーブ深度の減少を要求する。
【0080】
一方、送信側の伝送装置においては、受信側の伝送装置の要求に応じてインターリーブ深度を変更した上でデータ伝送を行う。その際、送信側の伝送装置は、予めユーザにより設定されたデータフロー毎の最大インターリーブ深度の範囲内においてインターリーブ深度を調整する。
【0081】
これにより、データフロー毎のインターリーブ深度を、メタリック伝送路の状態に応じて、ユーザが予め設定した範囲内において、データ通信中に適切な値に設定することができる。この結果、メタリック伝送路の状態が干渉や雑音により変動した場合においても、各データフローが必要とする帯域を減少させることなく許容遅延値を確保したデータ伝送を行うことができる。
【0082】
(実施の形態2)
実施の形態1に係る伝送装置においては、データフロー毎の最大インターリーブ深度及び許容エラー率が、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じてユーザにより決定されるのに対し、実施の形態2に係る伝送装置は、アプリケーションデータフロー毎にそれぞれのアプリケーション間でネゴシエーションされて決定される点で相違する。
【0083】
図2は、本発明の実施の形態2に係る伝送装置の構成を示すブロック図である。図2に示す伝送装置においては、アプリケーションA(A’)が相手側のアプリケーションA’(A)とネゴシエーションして、データフロー毎の最大インターリーブ深度及び許容エラー率を決定する機能を具備する点で実施の形態1に係る伝送装置と相違する。図2に示す伝送装置においては、実施の形態1に係る伝送装置におけるユーザ設定を省略し、その代わりにアプリケーション間のネゴシエーションを表す点線矢印を追加している。その他の構成については、実施の形態1に係る伝送装置と同一であるものとし、その説明は省略する。
【0084】
実施の形態2に係る伝送装置において、伝送装置100のアプリケーションAと伝送装置200のアプリケーションA’がデータフローAを用いてデータ通信を行う場合の動作は、データ通信を開始する前において、データフロー毎の最大インターリーブ深度及び許容エラー率を決定する動作のみ相違する。
【0085】
すなわち、実施の形態2に係る伝送装置においては、データフロー毎の最大インターリーブ深度及び許容エラー率は、各アプリケーションデータフロー毎にネゴシエーションされて決定される。これにより、アプリケーションAのデータフローAの最大インターリーブ深度及び許容エラー率が決定される。最大インターリーブ深度・許容エラー率設定部105(205)は、これらの値をインターリーブ処理部103(203)及びエラー率測定・許容値比較部108(208)に設定する。その後のデータ通信における動作は、実施の形態1に係る伝送装置の動作と同一である。
【0086】
このように実施の形態2の伝送装置によれば、受信側の伝送装置において、予め設定された許容エラー率と実際に発生したエラー率とを比較し、その比較結果に応じてインターリーブ深度の変更を送信側の伝送装置に対して要求する。具体的には、予め設定された許容エラー率を上回るエラーを検出した場合にはインターリーブ深度の増加を要求する一方、許容エラー率を下回るエラーを検出した場合にはインターリーブ深度の減少を要求する。
【0087】
一方、送信側の伝送装置においては、受信側の伝送装置の要求に応じてインターリーブ深度を変更した上でデータ伝送を行う。その際、送信側の伝送装置は、予めアプリケーション間のネゴシエーションで設定されたデータフロー毎の最大インターリーブ深度の範囲内においてインターリーブ深度を調整する。
【0088】
これにより、ユーザの設定を必要とすることなく、データフロー毎のインターリーブ深度を、メタリック伝送路の状態に応じて、アプリケーション間で設定した範囲内において、データ通信中に適切な値に設定することができる。この結果、メタリック伝送路の状態が干渉や雑音により変化した場合においても、各データフローが必要とする帯域を減少させることなく許容遅延値を確保したデータ伝送を行うことができる。
【0089】
(実施の形態3)
実施の形態1及び実施の形態2に係る伝送装置が、アプリケーションデータフロー毎に規定された単一の許容エラー率と実際に発生したエラー率とを比較してインターリーブ深度を変更するのに対し、実施の形態3に係る伝送装置は、ヒステリシス特性を利用して上限許容エラー率及び下限許容エラー率と、実際に発生したエラー率とを比較してインターリーブ深度を変更する点で相違する。
【0090】
図3は、本発明の実施の形態3に係る伝送装置の構成を示すブロック図である。図3に示す伝送装置においては、最大インターリーブ深度・許容エラー率設定部105及びエラー率測定・許容値比較部108の代わりに、ヒステリシス特性を利用するための構成である最大インターリーブ深度・許容エラー率・ヒステリシス設定部116(216)及びエラー率測定・許容値比較部117(217)を有する点で実施の形態1及び実施の形態2に係る伝送装置と相違する。その他の構成については、実施の形態1及び実施の形態2に係る伝送装置と同一であるものとし、その説明は省略する。
【0091】
実施の形態3に係る伝送装置においては、実施の形態1又は実施の形態2に係る伝送装置のように、データフロー毎の最大インターリーブ深度、許容エラー率(上限許容エラー率及び下限許容エラー率)は、ユーザ設定により決定されるか、アプリケーション間のネゴシエーションで決定される。
【0092】
最大インターリーブ深度・許容エラー率・ヒステリシス設定部116は、ユーザ設定又はアプリケーション間のネゴシエーションで決定された値に応じて、最大インターリーブ深度をインターリーブ処理部103に設定する。また、ユーザ設定又はアプリケーション間のネゴシエーションで決定された値に応じて上限許容エラー率及び下限許容エラー率をエラー率測定・許容値比較部117に設定する。
【0093】
エラー率測定・許容値比較部117は、予め設定された各アプリケーションが許容する上限許容エラー率及び下限許容エラー率と、実際に発生したエラー率とを比較する。その比較結果に応じて、インターリーブ深度の変更を判断する。このとき、エラー率測定・許容値比較部117は、上限許容エラー率及び下限許容エラー率によるヒステリシス特性を用いて実際に発生したエラー率との比較を行う。
【0094】
実施の形態3に係る伝送装置において、伝送装置100のアプリケーションAと伝送装置200のアプリケーションA’がデータフローAを用いて通信を行う場合の動作は、その基本的な動作において実施の形態1及び実施の形態2に係る伝送装置と同一である。しかし、実施の形態3に係る伝送装置においては、特に、データ通信を行っている最中にメタリック伝送路上で発生した干渉や雑音が細かく変動した場合に顕著な効果を奏する。
【0095】
以下、このような状況において、伝送装置100のアプリケーションAと伝送装置200のアプリケーションA’がデータフローAを用いて通信を行う場合の動作について説明する。
【0096】
メタリック伝送路上で発生した干渉や雑音が細かく変動すると、これに応じて送信データに細かな波形歪み等の信号劣化が生じる。このように細かな波形歪み等の信号劣化が生じたデータは、ドライバ/レシーバ、D/A、A/D変換部215で受信され、変復調部214、データフロー多重/分離部213及びデインターリーブ処理部204を通じてFEC復号化部206に渡される。
【0097】
このデータを受け取ると、FEC復号化部206は、このデータに生じているエラーを検出し、その検出結果をエラー率測定・許容値比較部217に通知する。この通知を受けると、エラー率測定・許容値比較部217は、予め設定された上限許容エラー率及び下限許容エラー率と、実際に発生したエラー率とを比較する。
【0098】
エラー率測定・許容値比較部217は、まず、予め設定された上限許容エラー率と実際に発生したエラー率とを比較し、実際に発生したエラー率が下限許容エラー率を上回ったとしても上限許容エラー率を下回っている場合には何も行わない。しかし、上限許容エラー率を上回っている場合には、送信元の伝送装置100のインターリーブ深度を増加させてエラー耐性を上げるべく、制御データ作成・挿入部209に許容エラー率超過によるインターリーブ深度の変更要求を通知する。
【0099】
この通知を受けて、制御データ作成・挿入部209が深度変更要求情報を含む制御パケットを送信し、これに応じて伝送装置100において、インターリーブ深度の変更を行う場合の動作、並びに、伝送装置100からの深度変更通知パケットを受信し、伝送装置200においてデインターリーブ深度の変更を行う場合の動作については、実施の形態1及び実施の形態2に係る伝送装置と同一である。
【0100】
実施の形態3に係る伝送装置は、このようなインターリーブ深度の変更をエラー率測定・許容値比較部217で検出されたエラーが許容エラー率を下回るまで繰り返す。その際、実施の形態3に係る伝送装置は、検出されたエラーが上限許容エラー率を下回った場合でも、インターリーブ深度の変更を継続し、下限許容エラー率を下回るまで繰り返す。そして、検出されたエラーが下限許容エラー率を下回った場合おいても、受信データエラーを監視し、必要に応じてインターリーブ深度を調整しながらデータ通信を行う。
【0101】
なお、以上の説明では、メタリック伝送路上に干渉・雑音が発生していない状態から発生した場合において、インターリーブ深度を増加する場合について説明している。しかし、これに限定されず、メタリック伝送路上に干渉・雑音が発生している状態からそれらが消滅した場合においてインターリーブ深度を減少する場合、あるいは、メタリック伝送路上の干渉・雑音が発生、消滅を繰り返した場合においてインターリーブ深度の増加・減少を繰り返す場合においても当然に適用することができる。
【0102】
このように実施の形態3の伝送装置によれば、受信側の伝送装置において、下限許容エラー率を上回るエラーを検出しても、上限許容エラー率を上回るエラーを検出しない場合は何もせず、上限許容エラー率を上回るエラーを検出した場合にのみ送信側の伝送装置に対してインターリーブ深度の増加を要求する。一方、上限許容エラー率を下回るエラーを検出しても、下限許容エラー率を下回るエラーを検出しない場合には何もせず、下限許容エラー率を下回るエラーを検出した場合にのみインターリーブ深度の減少を要求する。
【0103】
一方、送信側の伝送装置においては、受信側の伝送装置の要求に応じてインターリーブ深度を変更した上でデータ伝送を行う。その際、送信側の伝送装置は、予めユーザにより、あるいは、各アプリケーション間のネゴシエーションで設定されたデータフロー毎の最大インターリーブ深度の範囲内においてインターリーブ深度を調整する。
【0104】
これにより、メタリック伝送路の状態が細かく変動したとしても、データフロー毎のインターリーブ深度をいたずらに変更させることなく、メタリック伝送路の状態に応じて、ユーザ等が設定した範囲内において、データ通信中に適切な値に設定することができる。この結果、メタリック伝送路の状態が干渉や雑音に細かく変動した場合においても、各データフローが必要とする帯域を減少させることなく許容遅延値を確保したデータ伝送を行うことができる。
【0105】
(実施の形態4)
実施の形態3に係る伝送装置が、上限許容エラー率及び下限許容エラー率と実際に発生したエラー率とを比較してインターリーブ深度を変更するのに対し、実施の形態4に係る伝送装置は、このインターリーブ深度の変更の際に伝送路状態の変動の傾向を判断してインターリーブ深度を変更する点で相違する。
【0106】
図4は、本発明の実施の形態4に係る伝送装置の構成を示すブロック図である。図4に示す伝送装置においては、実施の形態3に係る伝送装置のエラー率測定・許容値比較部117(217)の代わりに、伝送路状態の変動の傾向を判断するための構成であるエラー率/統計情報測定・許容値比較部118(218)を有する点で実施の形態3に係る伝送装置と相違する。その他の構成については、実施の形態3に係る伝送装置と同一であるものとし、その説明は省略する。
【0107】
エラー率/統計情報測定・許容値比較部118は、実施の形態3に係る伝送装置のエラー率測定・許容値比較部117の機能に加えて、現時点までに発生した伝送路状態に関する統計情報を収集し、その収集結果に応じて伝送路状態の変動の傾向を推定する。そして、検出されたエラーが一時的に発生したものか、あるいは、継続的に発生したものかを判断する。
【0108】
実施の形態4に係る伝送装置において、伝送装置100のアプリケーションAと伝送装置200のアプリケーションA’がデータフローAを用いて通信を行う場合の動作は、その基本的な動作において実施の形態1及び実施の形態2に係る伝送装置と同一である。しかし、実施の形態4に係る伝送装置においては、特に、データ通信を行っている最中にメタリック伝送路上で発生した干渉や雑音がバースト転送やノイズ混入等により一時的に変動した場合に顕著な効果を奏する。
【0109】
以下、このような状況において、伝送装置100のアプリケーションAと伝送装置200のアプリケーションA’がデータフローAを用いて通信を行う場合の動作について説明する。
【0110】
メタリック伝送路上で発生した干渉や雑音が一時的に変動すると、これに応じて送信データに一時的な波形歪み等の信号劣化が生じる。このように一時的な波形歪み等の信号劣化が生じたデータは、ドライバ/レシーバ、D/A、A/D変換部215で受信され、変復調部214、データフロー多重/分離部213及びデインターリーブ処理部204を通じてFEC復号化部206に渡される。
【0111】
このデータを受け取ると、FEC復号化部206は、このデータに生じているエラーを検出し、その検出結果をエラー率/統計情報測定・許容値比較部218に通知する。
【0112】
この通知を受けると、エラー率/統計情報測定・許容値比較部218は、現時点まで発生した伝送路状態に関する統計情報を収集し、その統計情報に基づいて、伝送路状態の変動の傾向を推定する。そして、FEC復号化部206から通知されたデータエラーが一時的に発生したものか、継続的に発生しているものかを判断する。
【0113】
データエラーが一時的に発生したものである場合には、TCP等の上位レイヤでの再送を前提としてエラー率/統計情報測定・許容値比較部218は何も行わない。一方、データエラーが継続的に発生しているものである場合には、エラー率/統計情報測定・許容値比較部218は予め設定された上限許容エラー率及び下限許容エラー率と、実際に発生したエラー率とを比較する。
【0114】
エラー率/統計情報測定・許容値比較部218は、まず、予め設定された上限許容エラー率と実際に発生したエラー率とを比較し、実際に発生したエラー率が下限許容エラー率を上回ったとしても上限許容エラー率を下回っている場合には何も行わない。しかし、上限許容エラー率を上回っている場合には、送信元の伝送装置100のインターリーブ深度を増加させてエラー耐性を上げるべく、制御データ作成・挿入部209に許容エラー率超過によるインターリーブ深度の変更要求を通知する。
【0115】
この通知を受けて、制御データ作成・挿入部209が深度増加要求情報を含む制御パケットを送信し、これに応じて伝送装置100において、インターリーブ深度の増加を行う場合の動作、並びに、伝送装置100からの深度変更通知パケットを受信し、伝送装置200においてデインターリーブ深度の変更を行う場合の動作については、実施の形態3に係る伝送装置と同一である。
【0116】
実施の形態4に係る伝送装置は、このようなインターリーブ深度の変更をエラー率/統計情報測定・許容値比較部218で検出されたエラーが許容エラー率を下回るまで繰り返す。その際、実施の形態4に係る伝送装置は、検出されたエラーが上限許容エラー率を下回った場合でも、インターリーブ深度の変更を継続し、下限許容エラー率を下回るまで繰り返す。そして、検出されたエラーが下限許容エラー率を下回った場合においても、受信データエラーを監視し、必要に応じてインターリーブ深度を調整しながらデータ通信を行う。
【0117】
なお、以上の説明では、メタリック伝送路上に干渉・雑音が発生していない状態から発生した場合において、インターリーブ深度を増加する場合について説明している。しかし、これに限定されず、メタリック伝送路上に干渉・雑音が発生している状態からそれらが消滅した場合においてインターリーブ深度を減少する場合、あるいは、メタリック伝送路上の干渉・雑音が発生、消滅を繰り返した場合においてインターリーブ深度の増加・減少を繰り返す場合においても当然に適用することができる。
【0118】
このように実施の形態4に係る伝送装置によれば、受信側の伝送装置において、データフロー毎に受信データのエラー発生率を測定し、現時点まで発生した伝送路状態に関する統計情報に基づいて伝送路状態の変動の傾向を推定し、検出されたデータエラーが一時的に発生したものか、継続的に発生したものかを判断する。継続的に発生したものである場合には、実施の形態3に係る伝送装置と同様に、下限許容エラー率を上回るエラーを検出しても、上限許容エラー率を上回るエラーを検出しない場合は何もせず、上限許容エラー率を上回るエラーを検出した場合にのみ送信側の伝送装置に対してインターリーブ深度の増加を要求する。一方、上限許容エラー率を下回るエラーを検出しても、下限許容エラー率を下回るエラーを検出しない場合には何もせず、下限許容エラー率を下回るエラーを検出した場合にのみインターリーブ深度の減少を要求する。
【0119】
一方、送信側の伝送装置においては、受信側の伝送装置の要求に応じてインターリーブ深度を変更した上でデータを送信する。その際、送信側の伝送装置は、予めユーザにより、あるいは、各アプリケーション間のネゴシエーションで設定されたデータフロー毎の最大インターリーブ深度の範囲内においてインターリーブ深度を調整する。
【0120】
これにより、メタリック伝送路の状態がバースト転送やノイズ混入等により一時的に変動した場合においても、データフロー毎のインターリーブ深度を急激に変更することなく、メタリック伝送路の状態に応じて、ユーザ等が設定した範囲内において、データ通信中に適切な値に保持することができる。この結果、メタリック伝送路の状態がバースト転送やノイズ混入により一時的に変動した場合においても、安定して各データフローが必要とする帯域を減少させることなく許容遅延値をも確保した伝送を行うことができる。
【0121】
なお、本発明は、当業者に明らかなように、上記実施の形態に記載した技術に従ってプログラムされた一般的な市販のデジタルコンピュータおよびマイクロプロセッサを使って実施することができる。また、当業者に明らかなように、本発明は、上記実施の形態に記載した技術に基づいて当業者により作成されるコンピュータプログラムを包含する。
【0122】
また、本発明を実施するコンピュータをプログラムするために使用できる命令を含む記憶媒体であるコンピュータプログラム製品が本発明の範囲に含まれる。この記憶媒体は、フロッピー(R)ディスク、光ディスク、CDROM及び磁気ディスク等のディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気光カード、メモリカードまたはDVD等であるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、受信側の伝送装置における許容エラー率と実際のエラー率との比較結果に応じてインターリーブ深度変更が要求され、これに応じて送信側の伝送装置でインターリーブ深度の変更を行うので、メタリック伝送路の状態に応じて、データ通信中に適切な値に設定することができる。この結果、伝送路状態が変動した時に予め割り当てられていた上り/下りそれぞれの帯域を許容伝送遅延の範囲内で変更することなく高品質な伝送を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る伝送装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態2に係る伝送装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態3に係る伝送装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態4に係る伝送装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
103 インターリーブ処理部
104 デインターリーブ処理部
105 最大インターリーブ深度・許容エラー率設定部
108、117 エラー率測定・許容値比較部
111 インターリーブ深度・タイミング制御部
112 デインターリーブ深度・タイミング制御部
116 最大インターリーブ深度・許容エラー率・ヒステリシス設定部
118 エラー率/統計情報測定・許容値比較部
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタリック伝送路を使用して信号を伝送する伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、網を介して伝送される情報量の増加に伴い、伝送路をメタリック回線から光ファイバ回線に置き換える作業が進められている。しかしながら、光ファイバ網が完成するまでにはかなりの時間とコストを要するので、既存のメタリック伝送路は、しばらくの間は使用されるものと推測される。
【0003】
このような状況において、既存のメタリック伝送路を利用して高速の通信サービスを提供する技術が普及してきている。これらの通信サービスのうち、xDSL(x−Digital Subscriber Line)が広く知られ、メタリック伝送路を用いてコンピュータネットワークに高速で遠隔アクセスする需要が増大している。これに伴い既存の電話網を利用して様々な高速ディジタルデータ伝送サービスが提供されている。
【0004】
また、インターネット上におけるマルチメディアコンテンツ提供の拡大に伴い、広帯域及び低遅延にてデータを送受信する必要性が高まり、雑音や干渉の影響を受けやすいメタリック伝送路においても高品質なデータ伝送が要求されている。
【0005】
このような状況の中で、メタリック伝送路における伝送路状態の変動による伝送帯域への影響を低減させる方法が提案されている。例えば、特許文献1に開示された帯域設定方法が提案されている。
【0006】
この帯域設定方法においては、伝送路状態変更時にDMT(Discrete Multi−Tone)変調方式における上り若しくは下り伝送帯域の割り当てを適切な値に再調整することで必要な伝送帯域を確保し、これにより高品質なデータ伝送を可能とするものである。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−36499号公報(第3頁〜第4頁 図5)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1で開示された技術においては、干渉や雑音による伝送路状態が変動した時の上り/下り両者を合わせた総合的な帯域の減少を避けることは出来ない。したがって、帯域の確保を必要とするアプリケーションが多数同時に通信を行い、片方向の帯域にて予め割り当てられた帯域の限界まで使用していた場合には、反対方向の帯域を増加させることが出来ないため、この方向にて必要とされる帯域を確保出来ないという問題が生ずる。
【0009】
本発明は、かかる問題点に鑑みて為されたものであり、伝送路状態が変動した時に予め割り当てられていた上り/下りそれぞれの帯域を許容伝送遅延の範囲内で変更することなく高品質な伝送を可能とすることができる伝送装置及び伝送方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、メタリック伝送路を介して接続された相手側の伝送装置との間でメタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する伝送装置において、送信側の伝送装置でアプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの最大インターリーブ深度を設定し、最大インターリーブ深度の範囲内で受信側の伝送装置からのインターリーブ深度変更要求に応じてインターリーブ深度を変更し、変更後のインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報を受信側の伝送装置に通知する一方、受信側の伝送装置でアプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの許容エラー率を設定し、データフロー毎に受信したデータのエラー率を測定し、当該測定したエラー率と設定された許容エラー率とを比較し、この比較結果に応じて送信側の伝送装置にインターリーブ深度変更を要求し、送信側の伝送装置から通知されたインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報に応じてデインターリーブ深度を変更するものである。
【0011】
これにより、受信側の伝送装置における許容エラー率と実際のエラー率との比較結果に応じてインターリーブ深度変更が要求され、これに応じて送信側の伝送装置でインターリーブ深度の変更を行うので、メタリック伝送路の状態に応じてデータ通信中にインターリーブ深度を適切な値に設定することができる。この結果、メタリック伝送路の状態が干渉や雑音により変動した場合においても、各データフローが必要とする帯域を減少させることなく許容遅延値を確保したデータ伝送を行うことができる。
【0012】
本発明の第1の態様に係る送信側の伝送装置は、メタリック伝送路を介して接続された受信側の伝送装置との間で前記メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する送信側の伝送装置であって、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの最大インターリーブ深度を設定するインターリーブ深度設定部と、前記最大インターリーブ深度の範囲内で前記受信側の伝送装置からのインターリーブ深度変更要求に応じてインターリーブ深度を変更するインターリーブ処理部と、変更後のインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報を前記受信側の伝送装置に通知する変更情報通知部と、を具備する構成を採る。
【0013】
この構成によれば、受信側の伝送装置からのインターリーブ深度変更の要求に応じてインターリーブ深度の変更を行うので、受信側の伝送装置で許容エラー率と実際のエラー率との比較結果に応じてインターリーブ深度の変更要求を行うことにより、メタリック伝送路の状態に応じて、データ通信中にインターリーブ深度を適切な値に設定することができる。この結果、メタリック伝送路の状態が干渉や雑音により変動した場合においても、各データフローが必要とする帯域を減少させることなく許容遅延値を確保したデータ伝送を行うことができる。
【0014】
本発明の第2の態様は、第1の態様に係る送信側の伝送装置において、前記インターリーブ深度設定部は、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じたユーザの指示に対応して最大インターリーブ深度を設定する構成を採る。
【0015】
この構成によれば、ユーザの指示に対応して最大インターリーブ深度が設定されるので、データフロー毎のインターリーブ深度を、メタリック伝送路の状態に応じて、ユーザが予め設定した範囲内においてデータ通信中に適切な値に設定することができる。
【0016】
本発明の第3の態様は、第1の態様に係る送信側の伝送装置において、前記インターリーブ深度設定部は、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じた前記受信側の伝送装置のアプリケーションとの間のネゴシエーション結果に対応して最大インターリーブ深度を設定する構成を採る。
【0017】
この構成によれば、送信側の伝送装置のアプリケーションとの間のネゴシエーション結果に対応して最大インターリーブ深度が設定されるので、ユーザの設定を必要とすることなく、データフロー毎のインターリーブ深度を、メタリック伝送路の状態に応じて、アプリケーション間で設定した範囲内において、データ通信中に適切な値に設定することができる。
【0018】
本発明の第4の態様に係る受信側の伝送装置は、メタリック伝送路を介して接続された送信側の伝送装置との間で前記メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する受信側の伝送装置であって、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの許容エラー率を設定する許容エラー率設定部と、データフロー毎に受信したデータのエラー率を測定し、当該エラー率と前記許容エラー率設定部により設定された許容エラー率とを比較するエラー率測定・許容値比較部と、前記エラー率測定・許容値比較部の比較結果に応じて前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度変更を要求するインターリーブ深度変更要求部と、前記送信側の伝送装置から通知されたインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報に応じてデインターリーブ深度を変更するデインターリーブ処理部と、を具備する構成を採る。
【0019】
この構成によれば、受信側の伝送装置における許容エラー率と実際のエラー率との比較結果に応じてインターリーブ深度変更を要求するので、送信側の伝送装置でこのインターリーブ深度変更要求に応じてインターリーブ深度の変更を行うことにより、データフロー毎のインターリーブ深度を、メタリック伝送路の状態に応じて、データ通信中に適切な値に設定することができる。この結果、メタリック伝送路の状態が干渉や雑音により変動した場合においても、各データフローが必要とする帯域を減少させることなく許容遅延値を確保したデータ伝送を行うことができる。
【0020】
本発明の第5の態様は、第4の態様に係る受信側の伝送装置において、前記許容エラー率設定部は、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じたユーザの指示に対応して許容エラー率を設定する構成を採る。
【0021】
この構成によれば、ユーザの指示に対応して許容エラー率が設定されるので、データフロー毎のインターリーブ深度を、メタリック伝送路の状態に応じて、ユーザが予め設定した範囲内において、データ通信中に適切な値に設定することができる。
【0022】
本発明の第6の態様は、第4の態様に係る受信側の伝送装置において、前記許容エラー率設定部は、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じた前記送信側の伝送装置のアプリケーションとの間のネゴシエーション結果に対応して許容エラー率を設定する構成を採る。
【0023】
この構成によれば、送信側の伝送装置のアプリケーションとの間のネゴシエーション結果に対応して許容エラー率が設定されるので、ユーザの設定を必要とすることなく、データフロー毎のインターリーブ深度を、メタリック伝送路の状態に応じて、アプリケーション間で設定した範囲内において、データ通信中に適切な値に設定することができる。
【0024】
本発明の第7の態様は、第4から第6のいずれかの態様に係る受信側の伝送装置において、前記インターリーブ深度変更要求部は、前記エラー率測定・許容値比較部が測定したエラー率が前記許容エラー率を上回った場合に前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度増加を要求する一方、前記エラー率が前記許容エラー率を下回った場合に前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度減少を要求する構成を採る。
【0025】
この構成によれば、エラー率測定・許容値比較部が測定したエラー率が許容エラー率を上回った場合にインターリーブ深度増加が要求される一方、エラー率が許容エラー率を下回った場合にインターリーブ深度減少が要求されるので、許容エラー率を基準として適切にインターリーブ深度の変更を要求することができる。
【0026】
本発明の第8の態様は、第4から第6のいずれかの態様に係る受信側の伝送装置において、前記許容エラー率設定部は、前記許容エラー率として上限許容許容エラー率及び下限許容エラー率の2種類の許容エラー率を設定し、前記インターリーブ深度変更要求部は、前記エラー率測定・許容値比較部が測定したエラー率が前記上限許容エラー率を上回った場合に前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度増加を要求する一方、前記エラー率が前記下限許容エラー率を下回った場合に前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度減少を要求する構成を採る。
【0027】
この構成によれば、2種類の許容エラー率と実際のエラー率との比較結果に応じてインターリーブ深度の変更を要求するので、メタリック伝送路の状態が細かく変動したとしても、データフロー毎のインターリーブ深度をいたずらに変更させることなく、メタリック伝送路の状態に応じて、ユーザ等が設定した範囲内において、データ通信中に適切な値に設定することができる。この結果、メタリック伝送路の状態が干渉や雑音に細かく変動した場合においても、各データフローが必要とする帯域を減少させることなく許容遅延値を確保したデータ伝送を行うことができる。
【0028】
本発明の第9の態様は、第8の態様に係る受信側の伝送装置において、前記エラー率測定・許容値比較部は、測定したエラー率を統計情報として収集し、この収集結果に応じて前記メタリック伝送路状態の変動の傾向を推定し、前記エラー率測定・許容値比較部により前記メタリック伝送路の一時的な変動と推定された場合には前記インターリーブ深度変更要求部は、前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度変更を要求しない構成を採る。
【0029】
この構成によれば、実際のエラーの統計情報に基づいてインターリーブ深度の変更が要求されるので、メタリック伝送路の状態がバースト転送やノイズ混入等により一時的に変動した場合においても、データフロー毎のインターリーブ深度を急激に変更することなく、メタリック伝送路の状態に応じて、ユーザ等が設定した範囲内において、データ通信中に適切な値に保持することができる。この結果、メタリック伝送路の状態がバースト転送やノイズ混入により一時的に変動した場合においても、安定して各データフローが必要とする帯域を減少させることなく許容遅延値をも確保した伝送を行うことができる。
【0030】
本発明の第10の態様に係る伝送方法は、メタリック伝送路を介して接続された受信側の伝送装置との間で前記メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する送信側の伝送装置の伝送方法であって、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの最大インターリーブ深度を設定し、前記最大インターリーブ深度の範囲内で前記受信側の伝送装置からのインターリーブ深度変更要求に応じてインターリーブ深度を変更し、変更後のインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報を前記受信側の伝送装置に通知するものである。
【0031】
本発明の第11の態様に係る伝送方法は、メタリック伝送路を介して接続された送信側の伝送装置との間で前記メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する受信側の伝送装置の伝送方法であって、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの許容エラー率を設定し、データフロー毎に受信したデータのエラー率を測定し、当該測定したエラー率と前記設定された許容エラー率とを比較し、この比較結果に応じて前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度変更を要求し、前記送信側の伝送装置から通知されたインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報に応じてデインターリーブ深度を変更するものである。
【0032】
本発明の第12の態様に係るプログラムは、メタリック伝送路を介して接続された受信側の伝送装置との間で前記メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する送信側の伝送装置のプログラムであって、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの最大インターリーブ深度を設定する手順と、前記最大インターリーブ深度の範囲内で前記受信側の伝送装置からのインターリーブ深度変更要求に応じてインターリーブ深度を変更する手順と、変更後のインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報を前記受信側の伝送装置に通知する手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0033】
本発明の第13の態様に係るプログラムは、メタリック伝送路を介して接続された送信側の伝送装置との間で前記メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する受信側の伝送装置のプログラムであって、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの許容エラー率を設定する手順と、データフロー毎に受信したデータのエラー率を測定し、当該測定したエラー率と前記設定された許容エラー率とを比較する手順と、この比較結果に応じて前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度変更を要求する手順と、前記送信側の伝送装置から通知されたインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報に応じてデインターリーブ深度を変更する手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0034】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照して具体的に説明する。
【0035】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る伝送装置の構成を示すブロック図である。図1に示す伝送装置100及び200は、同一の機能を有するため、伝送装置100についてのみ説明し、伝送装置200については省略する。伝送装置100及び200は、メタリック伝送路を介して接続されている。
【0036】
図1において、アプリケーションAは、伝送装置100において同時に動作する複数のアプリケーションの一つである。各アプリケーションは、メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローを、相手側の伝送装置内の対応するアプリケーションとやり取りする。すなわち、アプリケーションAは、相手側の伝送装置200のアプリケーションA’とデータフローAをやり取りする。
【0037】
送信バッファ101は、アプリケーションAからの送信データを格納する。FEC符号化部102は、送信バッファ101に格納された送信データの符号化を行う。
【0038】
インターリーブ処理部103は、FEC符号化部102で符号化された符号化データに対してインターリーブを行う。インターリーブ処理部103は、初期値としてインターリーブ深度1(インターリーブ無し)を有する。インターリーブ深度の変更が指示された場合、これに応じてインターリーブ深度を変更するが、インターリーブ深度の変更が指示されるまではインターリーブを行わない。
【0039】
デインターリーブ処理部104は、相手側の伝送装置から送信されたデータフロー群から、アプリケーションAに対応したデータフローAを構成するデータを復元する。デインターリーブ処理部104は、初期値としてデインターリーブ深度1(デインターリーブ無し)を有する。デインターリーブ深度の変更が指示された場合、これに応じてデインターリーブ深度を変更するが、デインターリーブ深度の変更が指示されるまではデインターリーブを行わない。
【0040】
本実施の形態の伝送装置においては、インターリーブ処理部103によるデータフロー毎の最大インターリーブ深度、並びに、デインターリーブ処理部104によるデータフロー毎の最大デインターリーブ深度が、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じてユーザにより決定される。最大インターリーブ深度・許容エラー率設定部105は、このユーザ設定に応じて最大インターリーブ深度及び最大デインターリーブ深度をそれぞれインターリーブ処理部103及びデインターリーブ処理部104に設定する。
【0041】
FEC復号化部106は、データフローAを構成するデータの復号化を行うとともに、受信データのエラーを検出する。FEC復号化部106が復号化したデータは、受信バッファ107に格納される。
【0042】
エラー率測定・許容値比較部108は、予め設定された各アプリケーションが許容するエラー率と、実際に発生したエラー率とを比較する。その比較結果に応じて、インターリーブ深度の変更を判断する。
【0043】
本実施の形態の伝送装置においては、エラー率測定・許容値比較部108による許容エラー率が、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容エラー率に応じてユーザにより決定される。最大インターリーブ深度・許容エラー率設定部105は、このユーザ設定に応じて許容エラー率をエラー率測定・許容値比較部108に設定する。
【0044】
制御データ作成・挿入部109は、制御パケットを生成し、この制御パケットに相手側の伝送装置に通知する制御情報を設定して送信バッファ101に挿入する。具体的には、制御データ作成・挿入部109は、インターリーブ深度の変更を要求する情報(以下、「深度変更要求情報」という)、インターリーブ深度の変更を通知する情報(変更後のインターリーブ深度を示す情報を含む)(以下、「深度変更通知情報」という)、並びに、その変更するタイミングを通知する情報(以下、「タイミング情報」という)を制御情報として設定する。
【0045】
制御データ抽出・解析部110は、受信バッファ107に格納された制御パケットを解析し、相手側の伝送装置から通知された制御情報を抽出する。具体的には、制御データ抽出・解析部110は、深度変更要求情報、深度変更通知情報及びタイミング情報を抽出する。
【0046】
インターリーブ深度・タイミング制御部111は、インターリーブ処理部103に対してインターリーブ深度の変更及びそのタイミングを指示するとともに、制御データ作成・挿入部109に対して深度変更通知情報及びタイミング情報の制御パケットへの設定を指示する。
【0047】
デインターリーブ深度・タイミング制御部112は、デインターリーブ処理部104に対してデインターリーブ深度の変更及びそのタイミングを指示する。
【0048】
データフロー多重/分離部113は、伝送装置100が送信側の伝送装置として機能する場合にアプリケーションAの他のアプリケーションが使用するデータフロー(例えば、データフローX)を、アプリケーションAのデータフローAに多重する。一方、伝送装置100が受信側の伝送装置として機能する場合に変復調部114により抽出されたデータフロー群を分離する。
【0049】
変復調部114は、伝送装置100が送信側の伝送装置として機能する場合にDMTやCAP等の変調を行う。一方、伝送装置100が受信側の伝送装置として機能する場合にドライバ/レシーバ、D/A、A/D変換部115により受信されたデータからデータフロー群を抽出する。
【0050】
ドライバ/レシーバ、D/A、A/D変換部115は、伝送装置100が送信側の伝送装置として機能する場合に変調データにD/A変換処理を行い、メタリック伝送路に送出する。一方、伝送装置100が受信側の伝送装置として機能する場合にメタリック伝送路からの受信データにA/D変換処理を行い、変復調部114に渡す。
【0051】
次に、上記構成を有する伝送装置において、伝送装置100のアプリケーションAと伝送装置200のアプリケーションA’がデータフローAを用いてデータ通信を行う場合の動作について説明する。
【0052】
本実施の形態の伝送装置では、通信を行う前にユーザがアプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値及び許容エラー率に応じて、データフロー毎の最大インターリーブ深度及び許容エラー率を決定する。これにより、アプリケーションAのデータフローAの最大インターリーブ深度及び許容エラー率が決定される。
【0053】
これらの値がユーザから決定されると、最大インターリーブ深度・許容エラー率設定部105は、これらの値をインターリーブ処理部103、エラー率測定・許容値比較部108に設定する。伝送装置200においても、同様にインターリーブ処理部203及びエラー率測定・許容値比較部208に最大インターリーブ深度及び許容エラー率が設定される。そして、これらの最大インターリーブ深度及び許容エラー率が設定された後、データ通信が行われる。
【0054】
まず、伝送装置100においては、アプリケーションAからの送信データを送信バッファ101で受信し、FEC符号化部102で符号化を行い、インターリーブ処理部103に渡す。
【0055】
インターリーブ処理部103は、上述のように、インターリーブ深度の変更が指示されるまではインターリーブを行わない。ここでは、まだインターリーブの深度の変更が指示されていないので、インターリーブを行わないまま、データをデータフロー多重/分離部113に送出する。
【0056】
データフロー多重/分離部113は、伝送装置100におけるアプリケーションAの他のアプリケーションXが使用するデータフローX等を多重し、変復調部114へ送出する。変復調部114は、多重化されたデータにDMTやCAP等の変調を行い、ドライバ/レシーバ、D/A、A/D変換部115を通じてメタリック伝送路に送信する。
【0057】
伝送装置200においては、ドライバ/レシーバ、D/A、A/D変換部215で伝送装置100からのデータを受信し、変復調部214でデータフロー群を抽出する。データフロー多重/分離部213は、このデータフロー群からデータフローA’を分離する。データフローA’を構成するデータは、デインターリーブ処理部204に渡される。
【0058】
デインターリーブ処理部204は、上述のように、デインターリーブ深度の変更が指示されるまではデインターリーブを行わない。ここでは、まだデインターリーブの深度の変更が指示されていないので、デインターリーブを行わないまま、データをFEC復号化部206に送出する。
【0059】
FEC復号化部206は、このデータを復号化する。FEC復号化部206により復号化されたデータは、受信バッファ207を経由してアプリケーションA’に渡される。
【0060】
このようにして、アプリケーションAからアプリケーションA’へのデータ通信が行われる。ここでは、アプリケーションAからアプリケーションA’へのデータ通信のみについて説明しているが、アプリケーションA’からアプリケーションAへのデータ通信も同様の要領で行われる。
【0061】
次に、このようにデータ通信を行っている最中にメタリック伝送路上で干渉や雑音が発生した場合について説明する。
【0062】
メタリック伝送路上で干渉や雑音が発生すると、送信データに波形歪み等の信号劣化が生じる。このように波形歪み等の信号劣化が生じたデータは、ドライバ/レシーバ、D/A、A/D変換部215で受信され、変復調部214、データフロー多重/分離部213及びデインターリーブ処理部204を通じてFEC復号化部206に渡される。
【0063】
このデータを受け取ると、FEC復号化部206は、このデータに生じているエラーを検出し、その検出結果をエラー率測定・許容値比較部208に通知する。この通知を受けると、エラー率測定・許容値比較部208は、ユーザから予め設定された許容エラー率と実際に発生したエラー率とを比較する。
【0064】
エラー率測定・許容値比較部208は、実際に発生したエラー率が予め設定された許容エラー率を下回る場合には何も行わない。しかし、許容エラー率を上回った場合には、送信元の伝送装置100のインターリーブ深度を増加させてエラー耐性を上げるべく、制御データ作成・挿入部209に許容エラー率超過によるインターリーブ深度の変更要求を通知する。
【0065】
この通知を受けると、制御データ作成・挿入部209は、制御パケットを生成し、このパケットに深度変更要求情報を設定して送信バッファ201に挿入する。なお、ここでは深度変更要求情報として、インターリーブ深度の増加が要求される。深度変更要求情報を含む制御パケットは、FEC符号化部202に引き渡され、通常のデータと同様にデータフローA’として伝送装置100に送出される。
【0066】
伝送装置100において、伝送装置200から送信された制御パケットを含むデータは、ドライバ/レシーバ、D/A、A/D変換部115、変復調部114、データフロー多重/分離部113、デインターリーブ処理部104及びFEC復号化部106を通じて受信バッファ107に格納される。受信バッファ107は、このデータから制御パケットを抽出して、制御データ抽出・解析部110に引き渡す。
【0067】
制御データ抽出・解析部110は、受信バッファ107から受け取った制御パケットを解析し、深度変更要求情報を抽出する。そして、この深度変更要求情報に基づいて、インターリーブ深度・タイミング制御部111に対してインターリーブ深度の変更要求を通知する。ここでは、インターリーブ深度・タイミング制御部111にインターリーブ深度の増加要求が通知される。
【0068】
この通知を受けると、インターリーブ深度・タイミング制御部111は、インターリーブ処理部103に対してインターリーブ深度の変更を指示する一方、制御データ作成・挿入部109に対して深度変更情報及びタイミング情報を含む制御パケット(以下、「深度変更通知パケット」という)の生成を指示する。
【0069】
この指示に応じて、制御データ作成・挿入部109は、深度変更通知パケットを生成し、送信バッファ101に挿入する。深度変更通知パケットは、伝送装置200のデインターリーブ処理部204におけるデインターリーブに矛盾が生じるのを回避するために送出される。
【0070】
一方、インターリーブ深度変更の指示を受けると、インターリーブ処理部103は、インターリーブ深度を予めユーザにより設定された規定ステップに基づき変更する。しかし、このインターリーブ深度の変更は、ユーザにより予め設定された最大インターリーブ深度の範囲内でのみ行われ、この範囲を超えるようなインターリーブ深度の変更は行わない。
【0071】
なお、深度変更通知パケットに含まれているタイミング情報と、インターリーブ深度の変更タイミングとの調整は、インターリーブ深度・タイミング制御部111により適切に行われる。
【0072】
送信バッファ101に挿入された深度変更通知パケットは、FEC符号化部102に引き渡され、通常のデータと同様にデータフローAとして伝送装置200に対して送出される。
【0073】
伝送装置200において、伝送装置100から送信された制御パケットを含むデータは、ドライバ/レシーバ、D/A、A/D変換部215、変復調部214、データフロー多重/分離部213、デインターリーブ処理部204及びFEC復号化部206を通じて受信バッファ207に格納される。受信バッファ207は、このデータから制御パケットを抽出して、制御データ抽出・解析部210に引き渡す。
【0074】
制御データ抽出・解析部210は、受信バッファ207から受け取った制御パケットを解析し、深度変更通知情報及びタイミング情報を抽出する。そして、これらの情報に基づいて、デインターリーブ深度・タイミング制御部212に対してデインターリーブ深度の変更要求及びタイミング情報を通知する。
【0075】
この通知を受けると、デインターリーブ深度・タイミング制御部212は、デインターリーブ処理部204に対してデインターリーブ深度の変更を指示する。このとき、デインターリーブ深度・タイミング制御部212は、制御パケットに含まれていたタイミング情報に基づいてデインターリーブ深度の変更を指示する。なお、ここでは、デインターリーブ深度の増加が指示される。
【0076】
デインターリーブ深度変更の指示を受けると、デインターリーブ処理部204は、指示されたタイミングで予めユーザによって設定された規定ステップに基づいてデインターリーブ深度の変更を行う。これ以降、デインターリーブ処理部204は、指示されたデインターリーブ深度で受信データのデインターリーブを行う。
【0077】
実施の形態1に係る伝送装置100及び200は、以上のような動作を1サイクルとして、エラー率測定・許容値比較部208で検出されたエラーが許容エラー率を下回るまで上記動作を繰り返す。そして、検出されたエラーが許容エラー率を下回った場合においても、受信データエラーを監視し、必要に応じてインターリーブ深度を調整しながらデータ通信を行う。
【0078】
なお、以上の説明では、メタリック伝送路上に干渉・雑音が発生していない状態から発生した場合において、インターリーブ深度を増加する場合について説明している。しかし、これに限定されず、メタリック伝送路上に干渉・雑音が発生している状態からそれらが消滅した場合においてインターリーブ深度を減少する場合、あるいは、メタリック伝送路上の干渉・雑音が発生、消滅を繰り返した場合においてインターリーブ深度の増加・減少を繰り返す場合においても当然に適用することができる。
【0079】
このように実施の形態1の伝送装置によれば、受信側の伝送装置において、予め設定された許容エラー率と実際に発生したエラー率とを比較し、その比較結果に応じてインターリーブ深度の変更を送信側の伝送装置に対して要求する。具体的には、予め設定された許容エラー率を上回るエラーを検出した場合にはインターリーブ深度の増加を要求する一方、許容エラー率を下回るエラーを検出した場合にはインターリーブ深度の減少を要求する。
【0080】
一方、送信側の伝送装置においては、受信側の伝送装置の要求に応じてインターリーブ深度を変更した上でデータ伝送を行う。その際、送信側の伝送装置は、予めユーザにより設定されたデータフロー毎の最大インターリーブ深度の範囲内においてインターリーブ深度を調整する。
【0081】
これにより、データフロー毎のインターリーブ深度を、メタリック伝送路の状態に応じて、ユーザが予め設定した範囲内において、データ通信中に適切な値に設定することができる。この結果、メタリック伝送路の状態が干渉や雑音により変動した場合においても、各データフローが必要とする帯域を減少させることなく許容遅延値を確保したデータ伝送を行うことができる。
【0082】
(実施の形態2)
実施の形態1に係る伝送装置においては、データフロー毎の最大インターリーブ深度及び許容エラー率が、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じてユーザにより決定されるのに対し、実施の形態2に係る伝送装置は、アプリケーションデータフロー毎にそれぞれのアプリケーション間でネゴシエーションされて決定される点で相違する。
【0083】
図2は、本発明の実施の形態2に係る伝送装置の構成を示すブロック図である。図2に示す伝送装置においては、アプリケーションA(A’)が相手側のアプリケーションA’(A)とネゴシエーションして、データフロー毎の最大インターリーブ深度及び許容エラー率を決定する機能を具備する点で実施の形態1に係る伝送装置と相違する。図2に示す伝送装置においては、実施の形態1に係る伝送装置におけるユーザ設定を省略し、その代わりにアプリケーション間のネゴシエーションを表す点線矢印を追加している。その他の構成については、実施の形態1に係る伝送装置と同一であるものとし、その説明は省略する。
【0084】
実施の形態2に係る伝送装置において、伝送装置100のアプリケーションAと伝送装置200のアプリケーションA’がデータフローAを用いてデータ通信を行う場合の動作は、データ通信を開始する前において、データフロー毎の最大インターリーブ深度及び許容エラー率を決定する動作のみ相違する。
【0085】
すなわち、実施の形態2に係る伝送装置においては、データフロー毎の最大インターリーブ深度及び許容エラー率は、各アプリケーションデータフロー毎にネゴシエーションされて決定される。これにより、アプリケーションAのデータフローAの最大インターリーブ深度及び許容エラー率が決定される。最大インターリーブ深度・許容エラー率設定部105(205)は、これらの値をインターリーブ処理部103(203)及びエラー率測定・許容値比較部108(208)に設定する。その後のデータ通信における動作は、実施の形態1に係る伝送装置の動作と同一である。
【0086】
このように実施の形態2の伝送装置によれば、受信側の伝送装置において、予め設定された許容エラー率と実際に発生したエラー率とを比較し、その比較結果に応じてインターリーブ深度の変更を送信側の伝送装置に対して要求する。具体的には、予め設定された許容エラー率を上回るエラーを検出した場合にはインターリーブ深度の増加を要求する一方、許容エラー率を下回るエラーを検出した場合にはインターリーブ深度の減少を要求する。
【0087】
一方、送信側の伝送装置においては、受信側の伝送装置の要求に応じてインターリーブ深度を変更した上でデータ伝送を行う。その際、送信側の伝送装置は、予めアプリケーション間のネゴシエーションで設定されたデータフロー毎の最大インターリーブ深度の範囲内においてインターリーブ深度を調整する。
【0088】
これにより、ユーザの設定を必要とすることなく、データフロー毎のインターリーブ深度を、メタリック伝送路の状態に応じて、アプリケーション間で設定した範囲内において、データ通信中に適切な値に設定することができる。この結果、メタリック伝送路の状態が干渉や雑音により変化した場合においても、各データフローが必要とする帯域を減少させることなく許容遅延値を確保したデータ伝送を行うことができる。
【0089】
(実施の形態3)
実施の形態1及び実施の形態2に係る伝送装置が、アプリケーションデータフロー毎に規定された単一の許容エラー率と実際に発生したエラー率とを比較してインターリーブ深度を変更するのに対し、実施の形態3に係る伝送装置は、ヒステリシス特性を利用して上限許容エラー率及び下限許容エラー率と、実際に発生したエラー率とを比較してインターリーブ深度を変更する点で相違する。
【0090】
図3は、本発明の実施の形態3に係る伝送装置の構成を示すブロック図である。図3に示す伝送装置においては、最大インターリーブ深度・許容エラー率設定部105及びエラー率測定・許容値比較部108の代わりに、ヒステリシス特性を利用するための構成である最大インターリーブ深度・許容エラー率・ヒステリシス設定部116(216)及びエラー率測定・許容値比較部117(217)を有する点で実施の形態1及び実施の形態2に係る伝送装置と相違する。その他の構成については、実施の形態1及び実施の形態2に係る伝送装置と同一であるものとし、その説明は省略する。
【0091】
実施の形態3に係る伝送装置においては、実施の形態1又は実施の形態2に係る伝送装置のように、データフロー毎の最大インターリーブ深度、許容エラー率(上限許容エラー率及び下限許容エラー率)は、ユーザ設定により決定されるか、アプリケーション間のネゴシエーションで決定される。
【0092】
最大インターリーブ深度・許容エラー率・ヒステリシス設定部116は、ユーザ設定又はアプリケーション間のネゴシエーションで決定された値に応じて、最大インターリーブ深度をインターリーブ処理部103に設定する。また、ユーザ設定又はアプリケーション間のネゴシエーションで決定された値に応じて上限許容エラー率及び下限許容エラー率をエラー率測定・許容値比較部117に設定する。
【0093】
エラー率測定・許容値比較部117は、予め設定された各アプリケーションが許容する上限許容エラー率及び下限許容エラー率と、実際に発生したエラー率とを比較する。その比較結果に応じて、インターリーブ深度の変更を判断する。このとき、エラー率測定・許容値比較部117は、上限許容エラー率及び下限許容エラー率によるヒステリシス特性を用いて実際に発生したエラー率との比較を行う。
【0094】
実施の形態3に係る伝送装置において、伝送装置100のアプリケーションAと伝送装置200のアプリケーションA’がデータフローAを用いて通信を行う場合の動作は、その基本的な動作において実施の形態1及び実施の形態2に係る伝送装置と同一である。しかし、実施の形態3に係る伝送装置においては、特に、データ通信を行っている最中にメタリック伝送路上で発生した干渉や雑音が細かく変動した場合に顕著な効果を奏する。
【0095】
以下、このような状況において、伝送装置100のアプリケーションAと伝送装置200のアプリケーションA’がデータフローAを用いて通信を行う場合の動作について説明する。
【0096】
メタリック伝送路上で発生した干渉や雑音が細かく変動すると、これに応じて送信データに細かな波形歪み等の信号劣化が生じる。このように細かな波形歪み等の信号劣化が生じたデータは、ドライバ/レシーバ、D/A、A/D変換部215で受信され、変復調部214、データフロー多重/分離部213及びデインターリーブ処理部204を通じてFEC復号化部206に渡される。
【0097】
このデータを受け取ると、FEC復号化部206は、このデータに生じているエラーを検出し、その検出結果をエラー率測定・許容値比較部217に通知する。この通知を受けると、エラー率測定・許容値比較部217は、予め設定された上限許容エラー率及び下限許容エラー率と、実際に発生したエラー率とを比較する。
【0098】
エラー率測定・許容値比較部217は、まず、予め設定された上限許容エラー率と実際に発生したエラー率とを比較し、実際に発生したエラー率が下限許容エラー率を上回ったとしても上限許容エラー率を下回っている場合には何も行わない。しかし、上限許容エラー率を上回っている場合には、送信元の伝送装置100のインターリーブ深度を増加させてエラー耐性を上げるべく、制御データ作成・挿入部209に許容エラー率超過によるインターリーブ深度の変更要求を通知する。
【0099】
この通知を受けて、制御データ作成・挿入部209が深度変更要求情報を含む制御パケットを送信し、これに応じて伝送装置100において、インターリーブ深度の変更を行う場合の動作、並びに、伝送装置100からの深度変更通知パケットを受信し、伝送装置200においてデインターリーブ深度の変更を行う場合の動作については、実施の形態1及び実施の形態2に係る伝送装置と同一である。
【0100】
実施の形態3に係る伝送装置は、このようなインターリーブ深度の変更をエラー率測定・許容値比較部217で検出されたエラーが許容エラー率を下回るまで繰り返す。その際、実施の形態3に係る伝送装置は、検出されたエラーが上限許容エラー率を下回った場合でも、インターリーブ深度の変更を継続し、下限許容エラー率を下回るまで繰り返す。そして、検出されたエラーが下限許容エラー率を下回った場合おいても、受信データエラーを監視し、必要に応じてインターリーブ深度を調整しながらデータ通信を行う。
【0101】
なお、以上の説明では、メタリック伝送路上に干渉・雑音が発生していない状態から発生した場合において、インターリーブ深度を増加する場合について説明している。しかし、これに限定されず、メタリック伝送路上に干渉・雑音が発生している状態からそれらが消滅した場合においてインターリーブ深度を減少する場合、あるいは、メタリック伝送路上の干渉・雑音が発生、消滅を繰り返した場合においてインターリーブ深度の増加・減少を繰り返す場合においても当然に適用することができる。
【0102】
このように実施の形態3の伝送装置によれば、受信側の伝送装置において、下限許容エラー率を上回るエラーを検出しても、上限許容エラー率を上回るエラーを検出しない場合は何もせず、上限許容エラー率を上回るエラーを検出した場合にのみ送信側の伝送装置に対してインターリーブ深度の増加を要求する。一方、上限許容エラー率を下回るエラーを検出しても、下限許容エラー率を下回るエラーを検出しない場合には何もせず、下限許容エラー率を下回るエラーを検出した場合にのみインターリーブ深度の減少を要求する。
【0103】
一方、送信側の伝送装置においては、受信側の伝送装置の要求に応じてインターリーブ深度を変更した上でデータ伝送を行う。その際、送信側の伝送装置は、予めユーザにより、あるいは、各アプリケーション間のネゴシエーションで設定されたデータフロー毎の最大インターリーブ深度の範囲内においてインターリーブ深度を調整する。
【0104】
これにより、メタリック伝送路の状態が細かく変動したとしても、データフロー毎のインターリーブ深度をいたずらに変更させることなく、メタリック伝送路の状態に応じて、ユーザ等が設定した範囲内において、データ通信中に適切な値に設定することができる。この結果、メタリック伝送路の状態が干渉や雑音に細かく変動した場合においても、各データフローが必要とする帯域を減少させることなく許容遅延値を確保したデータ伝送を行うことができる。
【0105】
(実施の形態4)
実施の形態3に係る伝送装置が、上限許容エラー率及び下限許容エラー率と実際に発生したエラー率とを比較してインターリーブ深度を変更するのに対し、実施の形態4に係る伝送装置は、このインターリーブ深度の変更の際に伝送路状態の変動の傾向を判断してインターリーブ深度を変更する点で相違する。
【0106】
図4は、本発明の実施の形態4に係る伝送装置の構成を示すブロック図である。図4に示す伝送装置においては、実施の形態3に係る伝送装置のエラー率測定・許容値比較部117(217)の代わりに、伝送路状態の変動の傾向を判断するための構成であるエラー率/統計情報測定・許容値比較部118(218)を有する点で実施の形態3に係る伝送装置と相違する。その他の構成については、実施の形態3に係る伝送装置と同一であるものとし、その説明は省略する。
【0107】
エラー率/統計情報測定・許容値比較部118は、実施の形態3に係る伝送装置のエラー率測定・許容値比較部117の機能に加えて、現時点までに発生した伝送路状態に関する統計情報を収集し、その収集結果に応じて伝送路状態の変動の傾向を推定する。そして、検出されたエラーが一時的に発生したものか、あるいは、継続的に発生したものかを判断する。
【0108】
実施の形態4に係る伝送装置において、伝送装置100のアプリケーションAと伝送装置200のアプリケーションA’がデータフローAを用いて通信を行う場合の動作は、その基本的な動作において実施の形態1及び実施の形態2に係る伝送装置と同一である。しかし、実施の形態4に係る伝送装置においては、特に、データ通信を行っている最中にメタリック伝送路上で発生した干渉や雑音がバースト転送やノイズ混入等により一時的に変動した場合に顕著な効果を奏する。
【0109】
以下、このような状況において、伝送装置100のアプリケーションAと伝送装置200のアプリケーションA’がデータフローAを用いて通信を行う場合の動作について説明する。
【0110】
メタリック伝送路上で発生した干渉や雑音が一時的に変動すると、これに応じて送信データに一時的な波形歪み等の信号劣化が生じる。このように一時的な波形歪み等の信号劣化が生じたデータは、ドライバ/レシーバ、D/A、A/D変換部215で受信され、変復調部214、データフロー多重/分離部213及びデインターリーブ処理部204を通じてFEC復号化部206に渡される。
【0111】
このデータを受け取ると、FEC復号化部206は、このデータに生じているエラーを検出し、その検出結果をエラー率/統計情報測定・許容値比較部218に通知する。
【0112】
この通知を受けると、エラー率/統計情報測定・許容値比較部218は、現時点まで発生した伝送路状態に関する統計情報を収集し、その統計情報に基づいて、伝送路状態の変動の傾向を推定する。そして、FEC復号化部206から通知されたデータエラーが一時的に発生したものか、継続的に発生しているものかを判断する。
【0113】
データエラーが一時的に発生したものである場合には、TCP等の上位レイヤでの再送を前提としてエラー率/統計情報測定・許容値比較部218は何も行わない。一方、データエラーが継続的に発生しているものである場合には、エラー率/統計情報測定・許容値比較部218は予め設定された上限許容エラー率及び下限許容エラー率と、実際に発生したエラー率とを比較する。
【0114】
エラー率/統計情報測定・許容値比較部218は、まず、予め設定された上限許容エラー率と実際に発生したエラー率とを比較し、実際に発生したエラー率が下限許容エラー率を上回ったとしても上限許容エラー率を下回っている場合には何も行わない。しかし、上限許容エラー率を上回っている場合には、送信元の伝送装置100のインターリーブ深度を増加させてエラー耐性を上げるべく、制御データ作成・挿入部209に許容エラー率超過によるインターリーブ深度の変更要求を通知する。
【0115】
この通知を受けて、制御データ作成・挿入部209が深度増加要求情報を含む制御パケットを送信し、これに応じて伝送装置100において、インターリーブ深度の増加を行う場合の動作、並びに、伝送装置100からの深度変更通知パケットを受信し、伝送装置200においてデインターリーブ深度の変更を行う場合の動作については、実施の形態3に係る伝送装置と同一である。
【0116】
実施の形態4に係る伝送装置は、このようなインターリーブ深度の変更をエラー率/統計情報測定・許容値比較部218で検出されたエラーが許容エラー率を下回るまで繰り返す。その際、実施の形態4に係る伝送装置は、検出されたエラーが上限許容エラー率を下回った場合でも、インターリーブ深度の変更を継続し、下限許容エラー率を下回るまで繰り返す。そして、検出されたエラーが下限許容エラー率を下回った場合においても、受信データエラーを監視し、必要に応じてインターリーブ深度を調整しながらデータ通信を行う。
【0117】
なお、以上の説明では、メタリック伝送路上に干渉・雑音が発生していない状態から発生した場合において、インターリーブ深度を増加する場合について説明している。しかし、これに限定されず、メタリック伝送路上に干渉・雑音が発生している状態からそれらが消滅した場合においてインターリーブ深度を減少する場合、あるいは、メタリック伝送路上の干渉・雑音が発生、消滅を繰り返した場合においてインターリーブ深度の増加・減少を繰り返す場合においても当然に適用することができる。
【0118】
このように実施の形態4に係る伝送装置によれば、受信側の伝送装置において、データフロー毎に受信データのエラー発生率を測定し、現時点まで発生した伝送路状態に関する統計情報に基づいて伝送路状態の変動の傾向を推定し、検出されたデータエラーが一時的に発生したものか、継続的に発生したものかを判断する。継続的に発生したものである場合には、実施の形態3に係る伝送装置と同様に、下限許容エラー率を上回るエラーを検出しても、上限許容エラー率を上回るエラーを検出しない場合は何もせず、上限許容エラー率を上回るエラーを検出した場合にのみ送信側の伝送装置に対してインターリーブ深度の増加を要求する。一方、上限許容エラー率を下回るエラーを検出しても、下限許容エラー率を下回るエラーを検出しない場合には何もせず、下限許容エラー率を下回るエラーを検出した場合にのみインターリーブ深度の減少を要求する。
【0119】
一方、送信側の伝送装置においては、受信側の伝送装置の要求に応じてインターリーブ深度を変更した上でデータを送信する。その際、送信側の伝送装置は、予めユーザにより、あるいは、各アプリケーション間のネゴシエーションで設定されたデータフロー毎の最大インターリーブ深度の範囲内においてインターリーブ深度を調整する。
【0120】
これにより、メタリック伝送路の状態がバースト転送やノイズ混入等により一時的に変動した場合においても、データフロー毎のインターリーブ深度を急激に変更することなく、メタリック伝送路の状態に応じて、ユーザ等が設定した範囲内において、データ通信中に適切な値に保持することができる。この結果、メタリック伝送路の状態がバースト転送やノイズ混入により一時的に変動した場合においても、安定して各データフローが必要とする帯域を減少させることなく許容遅延値をも確保した伝送を行うことができる。
【0121】
なお、本発明は、当業者に明らかなように、上記実施の形態に記載した技術に従ってプログラムされた一般的な市販のデジタルコンピュータおよびマイクロプロセッサを使って実施することができる。また、当業者に明らかなように、本発明は、上記実施の形態に記載した技術に基づいて当業者により作成されるコンピュータプログラムを包含する。
【0122】
また、本発明を実施するコンピュータをプログラムするために使用できる命令を含む記憶媒体であるコンピュータプログラム製品が本発明の範囲に含まれる。この記憶媒体は、フロッピー(R)ディスク、光ディスク、CDROM及び磁気ディスク等のディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気光カード、メモリカードまたはDVD等であるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、受信側の伝送装置における許容エラー率と実際のエラー率との比較結果に応じてインターリーブ深度変更が要求され、これに応じて送信側の伝送装置でインターリーブ深度の変更を行うので、メタリック伝送路の状態に応じて、データ通信中に適切な値に設定することができる。この結果、伝送路状態が変動した時に予め割り当てられていた上り/下りそれぞれの帯域を許容伝送遅延の範囲内で変更することなく高品質な伝送を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る伝送装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態2に係る伝送装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態3に係る伝送装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態4に係る伝送装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
103 インターリーブ処理部
104 デインターリーブ処理部
105 最大インターリーブ深度・許容エラー率設定部
108、117 エラー率測定・許容値比較部
111 インターリーブ深度・タイミング制御部
112 デインターリーブ深度・タイミング制御部
116 最大インターリーブ深度・許容エラー率・ヒステリシス設定部
118 エラー率/統計情報測定・許容値比較部
Claims (13)
- メタリック伝送路を介して接続された受信側の伝送装置との間で前記メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する送信側の伝送装置であって、
アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの最大インターリーブ深度を設定するインターリーブ深度設定部と、前記最大インターリーブ深度の範囲内で前記受信側の伝送装置からのインターリーブ深度変更要求に応じてインターリーブ深度を変更するインターリーブ処理部と、変更後のインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報を前記受信側の伝送装置に通知する変更情報通知部と、を具備することを特徴とする送信側の伝送装置。 - 前記インターリーブ深度設定部は、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じたユーザの指示に対応して最大インターリーブ深度を設定することを特徴とする請求項1記載の送信側の伝送装置。
- 前記インターリーブ深度設定部は、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じた前記受信側の伝送装置のアプリケーションとの間のネゴシエーション結果に対応して最大インターリーブ深度を設定することを特徴とする請求項1記載の送信側の伝送装置。
- メタリック伝送路を介して接続された送信側の伝送装置との間で前記メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する受信側の伝送装置であって、
アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの許容エラー率を設定する許容エラー率設定部と、データフロー毎に受信したデータのエラー率を測定し、当該エラー率と前記許容エラー率設定部により設定された許容エラー率とを比較するエラー率測定・許容値比較部と、前記エラー率測定・許容値比較部の比較結果に応じて前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度変更を要求するインターリーブ深度変更要求部と、前記送信側の伝送装置から通知されたインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報に応じてデインターリーブ深度を変更するデインターリーブ処理部と、を具備することを特徴とする受信側の伝送装置。 - 前記許容エラー率設定部は、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じたユーザの指示に対応して許容エラー率を設定することを特徴とする請求項4記載の受信側の伝送装置。
- 前記許容エラー率設定部は、アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じた前記送信側の伝送装置のアプリケーションとの間のネゴシエーション結果に対応して許容エラー率を設定することを特徴とする請求項4記載の受信側の伝送装置。
- 前記インターリーブ深度変更要求部は、前記エラー率測定・許容値比較部が測定したエラー率が前記許容エラー率を上回った場合に前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度増加を要求する一方、前記エラー率が前記許容エラー率を下回った場合に前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度減少を要求することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載の受信側の伝送装置。
- 前記許容エラー率設定部は、前記許容エラー率として上限許容許容エラー率及び下限許容エラー率の2種類の許容エラー率を設定し、前記インターリーブ深度変更要求部は、前記エラー率測定・許容値比較部が測定したエラー率が前記上限許容エラー率を上回った場合に前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度増加を要求する一方、前記エラー率が前記下限許容エラー率を下回った場合に前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度減少を要求することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載の受信側の伝送装置。
- 前記エラー率測定・許容値比較部は、測定したエラー率を統計情報として収集し、この収集結果に応じて前記メタリック伝送路状態の変動の傾向を推定し、前記エラー率測定・許容値比較部により前記メタリック伝送路の一時的な変動と推定された場合には前記インターリーブ深度変更要求部は、前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度変更を要求しないことを特徴とする請求項8記載の受信側の伝送装置。
- メタリック伝送路を介して接続された受信側の伝送装置との間で前記メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する送信側の伝送装置の伝送方法であって、
アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの最大インターリーブ深度を設定し、前記最大インターリーブ深度の範囲内で前記受信側の伝送装置からのインターリーブ深度変更要求に応じてインターリーブ深度を変更し、変更後のインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報を前記受信側の伝送装置に通知することを特徴とする伝送方法。 - メタリック伝送路を介して接続された送信側の伝送装置との間で前記メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する受信側の伝送装置の伝送方法であって、
アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの許容エラー率を設定し、データフロー毎に受信したデータのエラー率を測定し、当該測定したエラー率と前記設定された許容エラー率とを比較し、この比較結果に応じて前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度変更を要求し、前記送信側の伝送装置から通知されたインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報に応じてデインターリーブ深度を変更することを特徴とする受信側の伝送装置の伝送方法。 - メタリック伝送路を介して接続された受信側の伝送装置との間で前記メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する送信側の伝送装置のプログラムであって、
アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの最大インターリーブ深度を設定する手順と、前記最大インターリーブ深度の範囲内で前記受信側の伝送装置からのインターリーブ深度変更要求に応じてインターリーブ深度を変更する手順と、変更後のインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報を前記受信側の伝送装置に通知する手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラム。 - メタリック伝送路を介して接続された送信側の伝送装置との間で前記メタリック伝送路に要求する品質が異なるデータフローをやり取りする複数のアプリケーションが同時に動作する受信側の伝送装置のプログラムであって、
アプリケーションデータフロー毎に規定された許容遅延値に応じて各データフローの許容エラー率を設定する手順と、データフロー毎に受信したデータのエラー率を測定し、当該測定したエラー率と前記設定された許容エラー率とを比較する手順と、この比較結果に応じて前記送信側の伝送装置にインターリーブ深度変更を要求する手順と、前記送信側の伝送装置から通知されたインターリーブ深度及び変更タイミングに関する情報に応じてデインターリーブ深度を変更する手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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