JP2004085303A - 多孔性食品の食感評価方法、データ処理装置、及び食感評価方法をコンピュータに実行させるプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の多孔性食品食感評価方法は、多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより多孔性食品の食感を評価する多孔性食品食感評価方法であって、上記音響解析を、周波数域を2以上の周波数帯域に区分して行なうことを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多孔性食品の食感評価方法、食感評価システム及び品質管理方法に関するものであり、更に詳細には多孔性食品の食感、特にクリスプネス及び膨化度を実験的に評価する評価方法、評価システム及び品質管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フライ食品、クッキー等のスナック菓子、米菓等の多孔性食品は、口に入れて咀嚼した際のパリパリ(サクサク)とした食感が品質上非常に重要であり、そのような食感の低下が商品価値を著しく低下させる原因となっている。それ故、多孔性食品のパリパリとした食感を正しく評価することは重要であり、従来から多孔性食品の食感は官能検査により評価されている。このような官能検査は、機器によって測定し難い風味や食感等の評価に主に用いられている手法であり、精度が高く正確なデータを得ることができることが知られている。
【0003】
しかし、一方で官能検査はパネラーの選定や育成が困難であり、また官能検査を行うに際しては複数のパネラーを使用することから、複数のパネラーのスケジュール調整に手間がかかる等の問題があり、非効率的な側面を有している。
【0004】
近年、ハードネス(硬さ)、スプリンジネス(弾力性)、ブリットルネス(脆さ)、チューイネス(咀嚼性)、スティッキネス(粘り)、クリスプネス(パリパリ感)等の食品の食感を、レオメータ等の機器分析により評価する試みが行われており、ある程度の成果は得られている。
【0005】
多孔性食品については、多孔性食品に存在する気孔の大きさの定量化、気孔構造と物性との関連性が検討されているが、気孔の方向性については未だ評価されていない(A.H.Barrett,M.Peleg:J.Food Sci,57,1253−1257,1992)。
【0006】
咀嚼音に関しては、マイクロフォンから入力された音声をFFTにより周波数解析する技術を開示した文献があり(C.Dacremont:J.Texture Studies,26,27−43,1995)、アーモンドや人参等の食品を、パリパリ、バリバリ及びカリカリの3種類の食感に分類している。しかし、多孔性食品の保存における食感、特にクリスプネスの変化についての記載はない。
【0007】
また、スナック菓子の咀嚼音、ポテトチップスの破砕音をFFT解析し、多量解析等を行っている文献がある(L.M.Duizer,O.H.Campanella:Journal of Texture Studies,29,397−411,1998 及びP.Wide,Conf Proc IEEE Instrum Meas Technol Conf,1,570−575,1997)。しかし、上記文献に記載された方法は官能評価に代わる評価方法として確立されているわけではい。
【0008】
食品のパリパリ感を評価するための測定器を設計する試みもなされている(S.K.Seymour,Pap Am Soc Agric Eng,24,1984)が、該文献には0.5〜3.3kHzの低中周波領域における音圧レベルを示しているのみであり、食感との相関を判断し、官能評価に代わる評価方法として確立されたものではない。
【0009】
上述したように、多孔性食品の食感は官能検査により行われるのが通常であり、最も重要な食感を機器分析により正確に測定することは困難であった。
従って、従来は多孔性食品の食感を実験的に評価する方法がなく、官能試験に頼っていたのであるが、官能試験は上述したような問題があるため、多孔性食品の食感、特にクリスプネス及び膨化度を実験的に評価する評価方法及び評価システムが望まれていた。
【0010】
本発明者らは、音響解析により得られた数値により多孔性食品の食感を評価することに関して特許出願をしている(特願2001−235170号)。この方法によれば、音響解析により多孔性食品の食感を評価することができる。しかし、この方法では、多孔性食品の物性と官能評価との関係は示されておらず、また更なる精度の向上がのぞまれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、多孔性食品の食感を実験的に評価するための評価方法及び評価システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析する際に、周波数域を2以上の周波数帯域に区分し、該区分された周波数帯域から任意に選択された2以上の周波数帯域の音響解析により得られた数値を用いることにより、上記目的を達成し得るという知見を得た。
【0013】
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより多孔性食品の食感を評価する多孔性食品食感評価方法であって、上記音響解析を、周波数域を2以上の周波数帯域に区分して行なうことを特徴とする、多孔性食品食感評価方法を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動の音響解析を行い、該音響解析により得られた数値を用いて多孔性食品の食感を評価する評価手段を有する多孔性食品データ処理装置であって、上記評価手段が、周波数域を2以上の周波数帯域に区分し、該区分された周波数帯域から選択された2以上の周波数帯域の音圧暴露レベルの比を用いて多孔性食品の食感を評価する手段である、多孔性食品データ処理装置を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動の音響解析を行い、該音響解析により得られた数値を用いて多孔性食品の食感を評価する、多孔性食品食感評価方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、上記評価方法が、周波数域を2以上の周波数帯域に区分し、該区分された周波数帯域から選択された2以上の周波数帯域の音圧暴露レベルの比を用いて多孔性食品の食感を評価する方法である、多孔性食品評価方法をコンピュータに実行させるプログラムを提供するものである。
【0016】
また、本発明は、上記多孔性食品食感評価方法を用いた多孔性食品の品質管理方法を提供するものである。
また、本発明は、多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより多孔性食品の物性を評価する多孔性食品物性評価方法であって、上記音響解析を、周波数を2以上の周波数帯域に区分して行うことを特徴とする、多孔性食品物性評価方法を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明において食感又は物性を評価する対象となる食品は多孔性食品である。多孔性食品とは、材料中の蒸発成分の拡散、又は材料に注入したガスの微細気泡の膨化により生じた多孔性組織を有するビスケット、クラッカー、プレッシェル、クッキー、コーンパフ、コーンフレーク、ポップコーン及びポテトチップス等のスナック菓子、せんべい、あられ等の米菓、天ぷらの衣、かき揚げ等のフライ食品が挙げられる。特に、パフマシーン、加圧押出機等により膨化成形されたものが挙げられる。
【0018】
食品の食感は、通常ハードネス(硬さ)、スプリンジネス(弾力性)、ブリットルネス(脆さ)、チューイネス(咀嚼性)、スティッキネス(粘り)、クリスプネス(パリパリ感、サクミ感)等で評価される。多孔性食品の場合は、上記のうち、特にパリパリとした食感を代表するクリスプネスが重要である。その食感は多孔性食品の物性である膨化の程度(膨化度)にも大きく影響され、官能的に膨化感として評価される。
【0019】
本発明の多孔性食品食感評価方法は、多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析し、該音響解析により得られた数値を用いて多孔性食品の食感を評価することを特徴とする。
なお、音響解析により得られた数値を用いるとは、該音響解析により得られた数値と、官能試験により得られた官能評価及び物性評価結果とを相関分析することを含む。
【0020】
本発明の多孔性食品食感評価方法において多孔性食品を破砕するには食品破砕装置を用いる。食品破砕装置とは、食品を圧縮及び切断する装置の総称であり、その装置は食品を圧縮、切断する際に破砕音を発生し、装置に振動を伝えるものである。本発明において用いられる食品破砕装置の一例としては、図1に示す食品破砕装置が挙げられる。食品を切断する切断部分はアダプター式になっているものが好ましい。食品の種類によって形状を変えることができるので好ましい。一例を挙げると、アダプターは格子型又はフォーク型のものが挙げられる。格子型のアダプターは、コロッケ及び天ぷら等を破砕する際に用いられ、フォーク型のアダプターは春巻き及びクッキー等を破砕する際に用いられる。また、食品破砕装置としては、破砕音を測定する際にできるだけ稼働音が小さいものが好ましい。
切断部分の押し込み速度は20〜300mm/秒で測定することが好ましい。
【0021】
また、本発明において「人による咀嚼時の音」とは、多孔性食品を人によって咀嚼した際の咀嚼1回目を含む嚥下するまでに繰り返し食品を噛む際に発生する音、振動のことをいう。
【0022】
本発明において用いられる食品破砕装置の一例を図1に示す。図1は、本発明において用いられる食品破砕装置の一例を示す斜視図であり、図1に示す食品破砕装置1は、アーム部11の先端部に重り12が搭載されており、また該重り12の下部には油圧シリンダー13が備えられており、該油圧シリンダー13によりアーム部11が一定速度で落下するようになされている。前記アーム部11のほぼ中間部には食品破砕部14が備えられている。重り12の重みにより、食品破砕部14を有するアーム部11が落下し、サンプル台16の上に搭載された食品(図示せず)を破砕するようになっている。また、食品破砕部14はアダプター式になっており、食品の種類によって食品破砕部14の形状を変えることができる。
また、食品破砕装置1には、図示していないコンタクトマイクが備えられているか、又はマイク(図示せず)を食品破砕部14の近くに設置できるようになされている。
【0023】
食品破砕部の一例を図2(a)及び(b)に示す。図2(a)はフォーク型のアダプターであり、春巻き等を破砕する際に用いられる。食品破砕部に用いられるアダプターとしては、図2に示すものに限られず、どのような形状のものでも用いることが可能であり、例えば格子型のアダプター等も使用可能である。また、アダプターとしては、図2(b)に示すような形状のものを用いることも可能である。
【0024】
本発明の多孔性食品食感評価方法においては、多孔性食品の咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析し、該音響解析により得られた数値を用いることにより多孔性食品の食感を評価することもできる。
咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析するには、コンタクトマイクにより収音する。この場合、人の頭部(喉及び首を含む)であれば、どこに設置してもよいが、好ましくは額、頭頂及び耳内部に設置することが好ましい。また、通常のマイクを用いて収音を行ってもよく、この場合、マイクを顔に近づけ、咀嚼時に発生する音を収音する。咀嚼時に発生する音及び/又は振動を収音する場合のマイク、コンタクトマイクを設置する場所の一例を図3に示す。図3において、人の顔の前部にマイクが設置されているが、顔に印をつけてある部位がコンタクトマイクの設置部である。例えば、コンタクトマイクは頭頂、額、こめかみ、喉、耳内部及び耳の後ろに設置することができる。
【0025】
本発明の多孔性食品食感評価方法においては、多孔性食品を破砕又は多孔性食品を咀嚼する際に発生する音及び/又は振動を収音して音響解析を行う。音及び/又は振動を収音する装置としては録音装置が用いられる。用いられる録音装置としては、音を評価するための試験において通常に用いられるものが使用可能である。例えば、マイクロフォン、パーソナルコンピュータ及び記録媒体からなる。マイクロフォンとはマイク及びコンタクトマイクを含み、前記マイクとは騒音計をも含む概念である。
【0026】
上記マイクとは、空気中の振動、いわゆる“音”を電気振動に変換することにより収音するものであり、騒音計を含む、コンタクトマイクとは骨や食品破砕装置等の固体を伝わる振動を測定するものである。コンタクトマイクとしては、例えば骨伝導マイクHG17A((株)テムコジャパン製)等が挙げられる。
【0027】
音及び/又は振動を収音する際に用いられるマイクロフォン等の録音装置の設置位置として、一例を挙げると、破砕又は咀嚼される多孔性食品から3〜50cm程度の距離に設置し、コンタクトマイクにより収音する際には、食品破砕装置の食品切断部分から1〜30cmの距離に装着する。マイクロフォン等の録音装置の設置位置としては、上記距離に限定されることはなく、多孔性食品破砕又は咀嚼する音を安定に収音することができる位置であればよい。
【0028】
本発明の多孔性食品食感評価方法においては、1/1、1/3、1/6、1/12オクターブ解析も使用することができる。本発明の多孔性食品食感評価方法において、音響解析を、周波数域を2以上の周波数帯域に区分して行うとは、例えば、音及び/又は振動データを1/1、1/3、1/6、1/12オクターブ解析し、低・中・高周波数帯域のように3つの周波数帯域に区分して各周波数帯域の音圧暴露レベルを求めることをいう。なお、区分は、低・中・高周波数帯域の3つに区分することに限られず、更に多くの周波数帯域に区分してもよい。また、音圧暴露レベルの比とは、例えば低・中・高周波数帯域の音圧暴露レベルを求めた場合、任意に選択した2周波数帯域の音圧暴露レベルの比を求めることをいう。
なお、音圧暴露レベルとは、ある帯域の音圧の積算を表し、オーバーオール音圧暴露レベルとは全体の音圧の積算を表す。
【0029】
本発明の多孔性食品食感評価方法においては、上記音響解析により算出した値と、多孔性食品の官能試験により求めた官能評価値とを相関分析することにより、多孔性食品の食感を評価する。
ここで得られたデータをデータベース化することで、音響評価をするだけで官能評価、物性評価の結果を迅速に得ることが可能となると共に、この評価方法を用いることから新商品設計・開発や品質管理にも応用が可能となる。
多孔性食品の品質管理方法について一例を挙げると、多孔性食品を製造する際には、製造時の原料ロットの相違等の僅かな製造条件の変化により、得られる多孔性食品の品質に影響が出る可能性がある。そのため、従来は主に官能評価によって品質の確認を行っているが、音響評価の使用によって、少人数で簡便かつ迅速な評価が可能となる。
以下、官能試験について説明する。
官能試験は、パネラー10名により行なう。官能評価用紙を用いて、サクサク感及び膨化感を5段階で採点する。次いで、パネラー10名の平均点を算出し、表1(サクサク感)及び表2(膨化感)に示す判断基準に従ってサクサク感及び膨化感を評価する。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
相関分析法1
例えば、図1に示す食品破砕装置等を用いて多孔性食品を破砕した際に発生する音又は振動、人が多孔性食品を咀嚼した際に発生する音又は振動を、マイク又はコンタクトマイクを通じてパーソナルコンピュータに取り込み、データを1/1、1/3、1/6、1/12オクターブ解析し、例えば低・中・高周波帯域の3つの周波数帯域に区分して音圧暴露レベルを求めることから得られた数値から、官能試験による食感評価との間に関係を導き出す。
【0033】
相関分析2
かかる分析は比較例として行うものであるが、例えば、食品破砕装置を用いて多孔性食品を破砕した際に発生する音又は振動、人が多孔性食品を咀嚼した際に発生する音又は振動を、マイク又はコンタクトマイクを通じてパーソナルコンピュータに取り込み、データの音圧暴露レベル(100〜20000Hz:オーバーオール音圧暴露レベル)から、官能試験による食感評価との間に関係を導き出す。
【0034】
相関分析3
相関分析法1と同様な測定及び音響解析方法から得られた数値と多孔性食品のかさ比重(g/cm3)との間に関係を導き出す。
なお、かさ比重とは、体積に対する重さを測定するものであり、膨化菓子の膨化度の目安として一般に使用されている物性である。
なお、本明細書において、多孔性食品の物性とは、上述のかさ比重の他に、多孔性食品の水分含有量、油分含有量、色度、画像解析値等のことを意味する。
【0035】
本発明の多孔性食品食感評価方法においては、多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を解析する際に、周波数域を2以上の周波数帯域に区分し、区分された周波数帯域から選択された2以上の周波数帯域の音圧暴露レベルから得られた値を用いることが好ましく、また、上記音圧暴露レベルの比を用いることが好ましい。
【0036】
本発明の多孔性食品食感評価方法においては、多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動の音響解析値と、予め測定した多孔性食品の官能評価値とを相関分析して基準データを得、評価対象となる多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動の音響解析値と、上記基準データとを対比して上記多孔性食品食感評価方法を実施して官能評価値を得てもよい。
【0037】
また、本発明の多孔性食品食感評価方法においては、多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動の音響解析値と、予め測定した多孔性食品の官能評価値とを相関分析して相関式を得、評価対象となる多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動の音響解析値と、上記相関式とを用いて上記多孔性食品食感評価方法を実施して官能評価値を得てもよい。
【0038】
また、本発明の多孔性食品食感評価方法においては、多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動の周波数域を2以上の周波数帯域に区分し、該区分された周波数帯域から選択された2以上の周波数帯域の音圧暴露レベルの比を用いて音響解析して得られた音響解析値と、予め測定した上記多孔性食品の物性評価値とを相関分析して基準データを得、評価対象となる多孔性食品の物性評価値と上記基準データとを対比して音響解析値を算出し、算出された音響解析値を用いて、上記多孔性食品食感評価方法を実施してもよい。
【0039】
また、本発明の多孔性食品食感評価方法においては、多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動の周波数域を2以上の周波数帯域に区分し、該区分された周波数帯域から選択された2以上の周波数帯域の音圧暴露レベルの比を用いて音響解析して得られた音響解析値と、予め測定した上記多孔性食品の物性評価値とを相関分析して相関式を得、評価対象となる多孔性食品の物性評価値及び上記相関式を用いて対比して音響解析値を算出し、算出された音響解析値を用いて、上記多孔性食品食感評価方法を実施してもよい。
【0040】
また、本発明の多孔性食品食感評価方法においては、多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動の周波数域を2以上の周波数帯域に区分し、該区分された周波数帯域から選択された2以上の周波数帯域の音圧暴露レベルの比を用いて音響解析して得られた音響解析値と、予め測定した上記多孔性食品の物性評価値とを相関分析して第一の基準データを得、上記第一の基準データと、上述した基準データとを音響解析値により組み合わせて第二の基準データを得、評価対象となる多孔性食品の物性評価値と上記第二の基準データとを対比することにより上記多孔性食品の官能評価値を求めることができる。
【0041】
また、本発明の多孔性食品食感評価方法においては、多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動の周波数域を2以上の周波数帯域に区分し、該区分された周波数帯域から選択された2以上の周波数帯域の音圧暴露レベルの比を用いて音響解析して得られた音響解析値と、予め測定した上記多孔性食品の物性評価値とを相関分析して第一の相関式を得、上記第一の相関式と、上述した相関式とを音響解析値により組み合わせて第二の相関式を得、評価対象となる多孔性食品の物性評価値及び上記第二の相関式を用いることにより上記多孔性食品の官能評価値を求めることができる。
【0042】
また、本発明の多孔性食品食感評価方法においては、上述したようにして得られた多孔性食品の官能評価値と、予め測定した多孔性食品の物性評価値とを相関分析して基準データを得、評価対象となる多孔性食品の物性評価値と基準データとを対比して官能評価値を求めることができる。
また、本発明の多孔性食品食感評価方法においては、上述したようにして得られた多孔性食品の官能評価値と、予め測定した多孔性食品の物性評価値とを相関分析して相関式を得、評価対象となる多孔性食品の物性評価値及び相関式を用いて官能評価値を求めることができる。
【0043】
次に、本発明の多孔性食品データ処理装置について説明する。
本発明の多孔性食品データ処理装置は、多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動の音響解析を行い、該音響解析により得られた数値を用いて多孔性食品の食感を評価する評価手段を有する多孔性食品データ処理装置であって、上記評価手段が、周波数域を2以上の周波数帯域に区分し、該区分された周波数帯域から選択された2以上の周波数帯域の音圧暴露レベルの比を用いて多孔性食品の食感を評価する手段であることを特徴とする。
【0044】
多孔性食品の破砕、咀嚼等の用語については上述した本発明の多孔性食品食感評価方法において説明した通りである。
本発明の多孔性食品データ処理装置によれば、多孔性食品を破砕、又は咀嚼した際に発生する音及び/又は振動をオクターブ解析した後、各周波数帯域に区分し、各音圧暴露レベルから得られた比を音響評価量とし、官能試験による食感の評価との間に高い相関関係を導き出すことにより、食感、特にクリスプネスや膨化感及び、多孔性食品の食感に大きな影響を及ぼす膨化度についての客観的な評価が可能となる。
【0045】
次に、本発明の多孔性食品評価システムについて説明する。
本発明の多孔性食品評価システムは、上述した本発明の多孔性食品データ処理装置を備えることを特徴とする。
本発明の多孔性食品評価システムによれば、多孔性食品を破砕、又は咀嚼した際に発生する音及び/又は振動をオクターブ解析した後、各周波数帯域に区分し、各音圧暴露レベルから得られた比を音響評価量とし、官能試験による食感の評価との間に高い相関関係を導き出すことにより、食感、特にクリスプネスや膨化感及び、物性評価値である膨化度についての客観的な評価が可能となる。
【0046】
次に、本発明の多孔性食品食感評価方法をコンピュータに実行させるプログラムについて説明する。本発明の多孔性食品食感評価方法をコンピュータに実行させるプログラムとは、コンピュータの動作を制御し、以上に説明した本発明の多孔性食品食感評価方法を実施するためのプログラムであり、プログラム制御されたコンピュータがプログラムにより指令され、以上に説明した本発明の多孔性食品食感評価方法を実施するためのプログラムである。
【0047】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、かかる実施例に限定されないことはいうまでもない。
実施例1
じゃがいも、とうもろこし、米、小麦粉等を原材料とした市販のスティック状の膨化菓子(スナック)3種類(A、B、C)に関して、破砕試験及び官能試験を行った。
【0048】
膨化菓子の破砕試験は、図1に示す食品破砕装置を用いて行った。膨化菓子の破砕条件は、油圧シリンダーの抵抗により一定速度で運動する装置に、重量6kgの重りを搭載し、試料(膨化菓子)に約10kgの力が加わるようにして膨化菓子を破砕した。膨化菓子を破砕するアダプターとしては格子状の金属製パイプレンダー(図2(b)に示されるもの)を用いて測定を行った。
【0049】
測定に用いたマイクとしては騒音計(リオン(株)製NL−15)を用い、音響解析ソフト(Syntrillium社製Cool Edit2000)を使用してパーソナルコンピュータ内蔵ハードディスク内にデータを収集した。データの1/3オクターブバンド分析を行い、低周波数帯域(500〜1000Hz)、中周波数帯域(2000〜4000Hz)、高周波数帯域(5000〜10000Hz)に分けて各音圧暴露レベルを求め、各音圧暴露レベルの比率を求めた。
例として以下の比率を求めその結果を表3に示す。
▲1▼高周波数帯域の音圧暴露レベル/低周波数帯域の音圧暴露レベル
▲2▼中周波数帯域の音圧暴露レベル/低周波数帯域の音圧暴露レベル
また、同時にパネラー10名を用いた官能試験(サクサク感、膨化感)を行い、その結果を併せて表3に示す。なお、官能試験の方法については上述した通りである。
【0050】
【表3】
【0051】
比較例1
実施例1と同様な試料について同条件で破砕を行い、オーバーオール音圧暴露レベル(100〜20000Hz)を求めた。結果、及び官能試験による結果を表4に示す。
【0052】
【表4】
【0053】
実施例1及び比較例1の結果と官能評価点(サクサク感)との相関係数を求め、結果を表及び図に示した。それぞれの相関係数を表5に示し、それぞれの相関を図4、図5、図6、図7に示す。図4及び図6は、低・中・高周波数領域の音圧暴露レベルの比と官能評価(それぞれサクサク感、膨化感)との相関を示すグラフであり、図5及び図7は官能評価(それぞれ、サクサク感、膨化感)とオーバーオール音圧暴露レベルとの相関を示す図である。
【0054】
【表5】
【0055】
表5及び、図4、図5、図6、図7から明らかなように、実施例1の多孔性食品食感評価方法においては、比較例1よりも高い相関を示す。従って、本発明の多孔性食品食感評価方法によれば、実際に官能試験による評価を行わなくても、多孔性食品の食感の評価を実験により行なうことが可能である。
また、上記の多孔性食品食感評価方法及びシステムを用いることにより、多孔性食品を製造する際の品質管理及び新商品開発への利用が可能となる。
【0056】
実施例2
実施例1と同様な試料を用いて咀嚼試験及び官能試験を行った。
【0057】
咀嚼音はコンタクトマイクにより測定した。咀嚼音の測定部位としては人の額中央を選択し、人の額中央部にコンタクトマイクを密着させることにより咀嚼音を測定した。
【0058】
測定に用いたコンタクトマイクとしては骨伝導マイク(HG17A:(株)テムコジャパン製)を用い、音響解析ソフト(Syntrillium社製Cool Edit2000)を使用してパーソナルコンピュータ内蔵ハードディスク内に振動加速度信号を収集した。基準値を10−5m/s2として求めた振動加速度レベルを音圧レベルと見立て、解析を行い、その結果を表5に示す。また、同時にパネラー10名を用いた官能試験(サクサク感、膨化感)を行い、その結果を併せて表6に示す。なお、官能試験の方法については上述した通りである。
【0059】
【表6】
【0060】
比較例2
実施例2と同様な膨化菓子について同条件で咀嚼音測定を行い、オーバーオール振動加速度レベル(100〜20000Hz)を求めた。音響解析及び官能試験による結果を表7に示す。
【0061】
【表7】
【0062】
次に、実施例2、比較例2の結果と官能評価点との相関係数を求め、結果を表及び図に示した。それぞれの相関係数を表8に示し、それぞれの相関を図8、図9、図10、図11に示す。図8及び図10は音圧暴露レベルの比と官能評価(それぞれサクサク感、膨化感)との相関を示すグラフであり、図9及び図11は、オーバーオール振動加速度レベル(100〜20000Hz)と官能評価(それぞれサクサク感、膨化感)との相関を示すグラフである。
【0063】
【表8】
【0064】
表8及び、図8、図9、図10、図11から明らかなように、実施例2の多孔性食品食感評価方法においては、比較例2よりも高い相関を示す。従って、本発明の多孔性食品食感評価方法によれば、実際に官能試験による評価を行わなくても、多孔性食品の食感の評価を実験により行なうことが可能である。
また、上記多孔性食品食感評価方法及びシステムを用いることにより、多孔性食品を製造する際の品質管理及び新商品開発への利用が可能となる。
【0065】
実施例3
市販の膨化菓子(スナック)を3種類(E、F、G)を試料として、実施例1と同様な破砕試験▲1▼▲2▼、実施例2と同様な咀嚼試験▲1▼▲2▼及びかさ比重測定を行った。結果を表9に示す。
【0066】
比較例3
実施例3と同様な市販の膨化菓子(スナック)3種類(E、F、G)を試料として、比較例1及び比較例2と同様な試験を行った。結果を表9に示す。
【0067】
【表9】
【0068】
次に、実施例3の結果から音響解析結果とかさ比重との相関係数を求めた。それぞれの相関係数を表10に示し、それぞれの相関を図12、図13、図14に示す。図12は音圧暴露レベルの比(破砕)、図13は音圧暴露レベルの比(咀嚼)、図14はオーバーオール音圧暴露レベルと、それぞれ、かさ比重との相関を示すグラフである。
【0069】
【表10】
【0070】
表10及び、図12、図13及び図14から明らかなように、実施例3は比較例3と比べてかさ比重との相関が高く、多孔性食品の膨化度の評価に使用可能であることが明らかである。また、この音響データを蓄積してデータベース化することにより、音響評価から膨化度を得ることが可能となる。
従って、本発明の多孔性食品食感評価方法によれば、実際に官能試験及びかさ比重による評価を行わなくても、多孔性食品の食感及び物性評価を実験により行なうことが可能である。
【0071】
実施例4
実施例1と同様な市販の膨化菓子(スナック)5種類(K、L、M、N、O)の膨化菓子を試料として、実施例1及び実施例2と同様な官能評価(サクサク感、膨化感)と音響評価(破砕音、咀嚼音)を測定した。官能評価は1日1回のペースで計30回行い、音響評価は、それぞれ1日10回行い、計300回行った。これらの結果を平均したものを表11に示す。また、同時にかさ比重を測定し、結果を併せて表11に示す。
【0072】
【表11】
【0073】
表11の結果をもとに音響評価と官能評価結果との相関を求め、相関図を図15及び図16に示した。また、相関式を表12に示した。
【0074】
【表12】
【0075】
表12において、xは比率(音響解析)であり、yは官能評価点を表わす。
表12から得られた式に基づいて官能評価と音響評価との間のデータベースを作成する。
【0076】
表11から得られた音響評価とかさ比重の測定結果との相関図を図17及び図18に示す。
音響評価結果とかさ比重の測定結果との相関から、かさ比重を測定することにより、音響解析の値が得られ、更に官能評価及び音響評価から作成したデータベースにより官能評価点を得ることが可能となる。このように官能評価及び音響評価の相関を示すデータベースを作成することにより、物性評価値と音響評価結果との相関を得ることで物性評価値から官能評価点を容易且つ安定的に少人数で得ることが可能である。一方、物性評価値と官能評価値との相関を直接得ようとすると各資料に対して同時に官能評価及び物性評価を行うか、物性評価毎に官能評価を行う等、煩雑で不正確になる要素が非常に大きくなるので、好ましくない。
【0077】
実施例4で試験に用いた膨化菓子(K)を高湿度下(密閉容器内にて、25℃、硫酸アンモニウム飽和水溶液使用)に0〜48時間保存したものを試料として、実施例1及び実施例2と同様の条件で音響評価(破砕音及び咀嚼音)を測定した。また、同時に水分含有量を乾燥重量(105℃、4時間)から測定した。結果を表13に示す。
【0078】
【表13】
【0079】
表13に示す結果をもとに音響評価と、物性評価値である水分含有量の相関を求め、相関図を図19に示した。また、表12から作成したデータベースを使用して各水分含有量から官能評価点を求めた。結果を表14に示す。
【0080】
【表14】
【0081】
表14に示すように、音響評価を官能評価結果によりデータベースを作成することにより、水分含有量等の物性評価値から官能評価点を得ることが可能となる。
また、この多孔性食品食感評価方法及びシステムを用いることにより、多孔性食品を製造する際の品質管理及び新商品開発への利用が可能となる。
【0082】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の多孔性食品食感評価方法によれば、実際に官能試験による評価を行わなくても、多孔性食品の食感の評価を実験により行うことが可能であり、この評価方法から品質管理を簡便に行うことが可能となる。
【0083】
また、本発明の多孔性食品食感評価システムによれば、実際に官能試験による評価を行わなくても、多孔性食品の食感及び物性を実験によって評価することが可能となり、この評価システムを使用することにより品質管理を簡便に行うことが可能となる。
【0084】
また、本発明の多孔性食品食感評価システムは本発明の多孔性食品データ処理装置を備えているので、実際に多孔性試験の官能試験を行わなくても、多孔性食品の食感の評価を実験によって行なうことが可能であり、この評価システムにより品質管理を簡便に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いられる食品破砕装置の一例を示す斜視図である。
【図2】食品破砕部の一例を示す図である。
【図3】コンタクトマイクを設置する場所の一例を示す図である。
【図4】音圧暴露レベルの比(破砕音)と官能評価(サクサク感)との相関を示すグラフである。
【図5】オーバーオール音圧暴露レベル(破砕音)と官能評価(サクサク感)との相関を示すグラフである。
【図6】音圧暴露レベルの比(破砕音)と官能評価(膨化感)との相関を示すグラフである。
【図7】オーバーオール音圧暴露レベル(破砕音)と官能評価(膨化感)との相関を示すグラフである。
【図8】音圧暴露レベルの比(咀嚼音)と官能評価(サクサク感)との相関を示すグラフである。
【図9】オーバーオール音圧暴露レベル(咀嚼音)と官能評価(サクサク感)との相関を示すグラフである。
【図10】音圧暴露レベルの比(咀嚼音)と官能評価(膨化感)との相関を示すグラフである。
【図11】オーバーオール音圧暴露レベル(咀嚼音)と官能評価(膨化感)との相関を示すグラフである。
【図12】音圧暴露レベルの比(破砕音)とかさ比重との相関を示すグラフである。
【図13】音圧暴露レベルの比(咀嚼音)とかさ比重との相関を示すグラフである。
【図14】オーバーオール音圧暴露レベルとかさ比重との相関を示すグラフである。
【図15】音圧暴露レベルの比(破砕音)と官能評価(サクサク感、膨化感)との相関を示すグラフである。
【図16】音圧暴露レベルの比(咀嚼音)と官能評価(サクサク感、膨化感)との相関を示すグラフである。
【図17】かさ比重と音圧レベルの比(破砕音)との相関を示すグラフである。
【図18】かさ比重と音圧レベルの比(咀嚼音)との相関を示すグラフである。
【図19】水分含有量と音圧レベルの比(破砕音、咀嚼音)との相関を示すグラフである。
【符号の説明】
10 食品破砕装置
11 アーム部
12 重り
13 油圧シリンダー
14 食品破砕部
16 サンプル台
Claims (22)
- 多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより多孔性食品の食感を評価する多孔性食品食感評価方法であって、
上記音響解析を、周波数域を2以上の周波数帯域に区分して行なうことを特徴とする、多孔性食品食感評価方法。 - 前記音響解析を、周波数域を2以上の周波数帯域に区分し、該区分された周波数帯域から選択された2以上の周波数帯域の音圧暴露レベルから得られた値を用いて行う、請求項1に記載の多孔性食品食感評価方法。
- 前記音響解析を、周波数域を2以上の周波数帯域に区分し、該区分された周波数帯域から選択された2以上の周波数帯域に音圧暴露レベルの比を用いて行なうこと特徴とする請求項1又は2に記載の多孔性食品食感評価方法。
- 前記食感がクリスプネス及び/又は膨化感である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔性食品食感評価方法。
- 多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析して得られた音響解析値と、予め測定した上記多孔性食品の官能評価値とを相関分析して基準データを得、
評価対象となる多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動の音響解析値と、上記基準データとを対比して官能評価値を得ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔性食品食感評価方法。 - 多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析して得られた音響解析値と、予め測定した上記多孔性食品の官能評価値とを相関分析して相関式を得、
評価対象となる多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動の音響解析値と、上記相関式とから官能評価値を得ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔性食品食感評価方法。 - 多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動の音響解析を行い、該音響解析により得られた数値を用いて多孔性食品の食感を評価する評価手段を有する多孔性食品データ処理装置であって、
上記評価手段が、周波数域を2以上の周波数帯域に区分し、該区分された周波数帯域から選択された2以上の周波数帯域の音圧暴露レベルの比を用いて多孔性食品の食感を評価する手段である、多孔性食品データ処理装置。 - 前記食感がクリスプネス及び/又は膨化感である、請求項7に記載の多孔性食品データ処理装置。
- 請求項7又は8に記載の多孔性食品データ処理装置を備えることを特徴とする、多孔性食品食感評価システム。
- 多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動の音響解析を行い、該音響解析により得られた数値を用いて多孔性食品の食感を評価する、多孔性食品食感評価方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
上記評価方法が、周波数域を2以上の周波数帯域に区分し、該区分された周波数帯域から選択された2以上の周波数帯域の音圧暴露レベルの比を用いて多孔性食品の食感を評価する方法である、多孔性食品評価方法をコンピュータに実行させるプログラム。 - 前記食感がクリスプネス及び又は膨化感である、請求項10に記載の多孔性食品食感評価方法をコンピュータに実行させるプログラム。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の多孔性食品食感評価方法を用いた多孔性食品の品質管理方法。
- 多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動を音響解析することにより多孔性食品の物性を評価する多孔性食品物性評価方法であって、
上記音響解析を、周波数を2以上の周波数帯域に区分して行うことを特徴とする、多孔性食品物性評価方法。 - 前記音響解析を、周波数域を2以上の周波数帯域に区分し、該区分された周波数帯域から選択された2以上の周波数帯域の音圧暴露レベルから得られた値を用いて行う、請求項13に記載の多孔性食品物性評価方法。
- 前記音響解析を、周波数域を2以上の周波数帯域に区分し、該区分された周波数帯域から選択された2以上の周波数帯域に音圧暴露レベルの比を用いて行なうこと特徴とする請求項13又は14に記載の多孔性食品物性評価方法。
- 前記物性が膨化度である、請求項13〜15のいずれか1項に記載の多孔性食品物性評価方法。
- 多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動の周波数域を2以上の周波数帯域に区分し、該区分された周波数帯域から選択された2以上の周波数帯域の音圧暴露レベルの比を用いて音響解析して得られた音響解析値と、予め測定した上記多孔性食品の物性評価値とを相関分析して基準データを得、
評価対象となる多孔性食品の物性評価値と上記基準データとを対比して音響解析値を算出し、算出された音響解析値を用いて請求項5又は請求項6に記載の多孔性食品食感評価を行うことを特徴とする、多孔性食品食感評価方法。 - 多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動の周波数域を2以上の周波数帯域に区分し、該区分された周波数帯域から選択された2以上の周波数帯域の音圧暴露レベルの比を用いて音響解析して得られた音響解析値と、予め測定した上記多孔性食品の物性評価値とを相関分析して相関式を得、
評価対象となる多孔性食品の物性評価値及び上記相関式を用いて音響解析値を算出し、算出された音響解析値を用いて請求項5又は請求項6に記載の多孔性食品食感評価を行うことを特徴とする、多孔性食品食感評価方法。 - 多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動の周波数域を2以上の周波数帯域に区分し、該区分された周波数帯域から選択された2以上の周波数帯域の音圧暴露レベルの比を用いて音響解析して得られた音響解析値と、予め測定した上記多孔性食品の物性評価値とを相関分析して第一の基準データを得、
上記第一の基準データと、請求項5に記載の基準データとを音響解析値により組み合わせて第二の基準データを得、
評価対象となる多孔性食品の物性評価値と上記第二の基準データとを対比することにより上記多孔性食品の官能評価値を求めることを特徴とする多孔性食品食感評価方法。 - 多孔性食品の破砕及び/又は咀嚼時に発生する音及び/又は振動の周波数域を2以上の周波数帯域に区分し、該区分された周波数帯域から選択された2以上の周波数帯域の音圧暴露レベルの比を用いて音響解析して得られた音響解析値と、予め測定した上記多孔性食品の物性評価値とを相関分析して第一の相関式を得、
上記第一の相関式と、請求項6に記載の相関式とを音響解析値により組み合わせて第二の相関式を得、
評価対象となる多孔性食品の物性評価値及び上記第二の相関式を用いることにより上記多孔性食品の官能評価値を求めることを特徴とする多孔性食品食感評価方法。 - 請求項5又は6に記載の多孔性食品食感評価方法により得られた多孔性食品の官能評価値と、予め測定した多孔性食品の物性評価値とを相関分析して基準データを得、
評価対象となる多孔性食品の物性評価値と上記基準データとを対比して官能評価値を得ることを特徴とする多孔性食品食感評価方法。 - 請求項5又は6に記載の多孔性食品食感評価方法により得られた多孔性食品の官能評価値と、予め測定した多孔性食品の物性評価値とを相関分析して相関式を得、
評価対象となる多孔性食品の物性評価値と上記相関式を用いて官能評価値を得ることを特徴とする多孔性食品食感評価方法。
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