JP2004054668A - シミュレーション計算サービス提供方法、システム、プログラム、およびプログラムを記憶した記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】シミュレーション計算の利用機会を増加させることができ、ユーザーの要求に基づいて容易に利用できるようにする。
【解決手段】サーバーシステムは、シミュレーション計算の条件をユーザー提示条件として、ユーザー用端末装置から受信する第1ステップと、このユーザー提示条件の登録を行う第2ステップと、この登録されたユーザー提示条件に対するコンサルタントからの入札条件を、コンサルタント用端末装置から受信する第3ステップと、ユーザー提示条件と入札条件とを比較し、合致する入札条件を選択する第4ステップと、この選択された入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを、ユーザー端末装置に問い合わせる第5ステップと、この問い合わせの回答に応じて、シミュレーション計算を行う第6ステップとを実行することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】サーバーシステムは、シミュレーション計算の条件をユーザー提示条件として、ユーザー用端末装置から受信する第1ステップと、このユーザー提示条件の登録を行う第2ステップと、この登録されたユーザー提示条件に対するコンサルタントからの入札条件を、コンサルタント用端末装置から受信する第3ステップと、ユーザー提示条件と入札条件とを比較し、合致する入札条件を選択する第4ステップと、この選択された入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを、ユーザー端末装置に問い合わせる第5ステップと、この問い合わせの回答に応じて、シミュレーション計算を行う第6ステップとを実行することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各分野におけるシミュレーション技術を、IT(Information Technology)技術により効率的に運用するためのシミュレーション計算サービス提供システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のシミュレーション技術は、一部の専門家が独自にシミュレーション計算プログラムと計算機とを用意することにより行うか、または、計算機センターにtelnet経由などの方法でアクセスすることにより行うか、または、計算機センターへ出向いて、常駐されているシミュレーション計算プログラムをコンピュータ上で起動させることにより行うことにより利用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の技術には、次のような問題があった。
シミュレーション計算プログラムと計算機とを独自に用意することにより、シミュレーション技術を利用する場合には、ハードウエア、ソフトウエアを自分で用意する必要があり、初期投資が巨額となるため、利用者は資金力のあるシミュレーションの専門家や、シミュレーション技術に詳しい実験研究者に限られる。また、アプリケーションソフトの変更やバージョンアップ、メンテナンス、事故への対応なども利用者自身で行う必要があるため、利用者自身へ一定以上の能力が要求される。
【0004】
また、計算機センターにtelnet経由などの方法でアクセスすることにより利用する場合には、インターネット接続用のサーバーを用意する必要があり、初期投資が必要である。
また、計算機センターに常駐されているシミュレーション計算プログラムをコンピュータ上で起動させることにより利用する場合には、計算機センターへ直接出向かなければならないため、時間的な制約がある。
上述したように、シミュレーション技術を利用するためのハードルは高いものであり、シミュレーション技術の潜在的ユーザーである多くの他の実験研究者、例えば、一時的に利用する利用者、非専門家は、実際に利用することは実質的に不可能であった。
【0005】
そこで、本発明は、前述した従来技術の問題点や課題を解決するためになされたものであり、その目的は、シミュレーション計算の利用機会を増加させることができ、ユーザーの要求に基づいて容易に利用できるシミュレーション計算サービス提供方法、システム、プログラム、およびプログラムを記憶した記憶媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明にかかるシミュレーション計算サービス提供方法は、ユーザー用端末装置と、コンサルタント用端末装置と、これらのユーザー用端末装置およびコンサルタント用端末装置にネットワークを介して接続されるサーバーシステムとを用いてシミュレーション計算の提供を行うシミュレーション計算サービス提供方法であって、サーバーシステムは、シミュレーション計算の条件をユーザー提示条件として、ユーザー用端末装置から受信する第1ステップと、この第1ステップで受信したユーザー提示条件の登録を行う第2ステップと、第2ステップにおいて登録されたユーザー提示条件に対するコンサルタントからの入札条件を、コンサルタント用端末装置から受信する第3ステップと、ユーザー提示条件と入札条件とを比較し、合致する入札条件を選択する第4ステップと、第4ステップにおいて選択された入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを、ユーザー端末装置に問い合わせる第5ステップと、第5ステップの問い合わせの回答に応じて、シミュレーション計算を行う第6ステップとを実行することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、ユーザーの有する課題を解決できるコンサルタントの選択ができる。
ここで、ユーザーは、シミュレーション計算の対象となる問題をユーザー用端末装置を用いて入力する。また、事業者は、サーバーシステムの管理を行う。また、コンサルタントは、コンサルタント用端末装置を用いてユーザー提示条件を参照して一定期間内に入札条件の入力を行い、事業者の管理するサーバーシステムを用いてシミュレーション計算を行い、その解析結果を検討する。
【0008】
さらに、サーバーシステムは、第1ステップで受信したユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりを行う第7ステップと、第7ステップで見積もられた価格の見積もりの結果をユーザー用端末装置に送信し、シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせる第7ステップと、第7ステップでの問い合わせに対する回答に応じて、シミュレーション計算を行う第8ステップとを実行することを特徴とする。
本発明によれば、ユーザーは、シミュレーション計算にかかる価格を予め知ることができ、この価格を参照し、シミュレーションを行うか否かを判断することができる。
【0009】
さらに、サーバーシステムは、第1ステップで受信したユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりおよび計算の可否の判定を行う第9ステップと、第9ステップで見積もられた価格の見積もりの結果および判定の結果をユーザー用端末装置に送信し、シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせる第10ステップとを実行することを特徴とする。
本発明によれば、試験的に本システムを利用することができる。
【0010】
さらに、問い合わせに対する回答は、シミュレーション計算の条件を変更する旨の指示を含み、シミュレーション計算の条件を変更する旨の指示が行われた場合、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりを再度行う第11ステップを実行することを特徴とする。
本発明によれば、見積もりの結果を考慮してシミュレーション計算の条件を変更できる。
【0011】
さらに、サーバーシステムは、価格の見積もりの結果を、シミュレーション計算を依頼したユーザーに請求する第12ステップと、第12ステップで請求された金額から手数料を引いた金額をシミュレーション計算を落札したコンサルタントに支払う第13ステップとを実行することを特徴とする。
本発明によれば、コンサルタントは、コンサルタント料を得ることができる。
【0012】
さらに、ユーザー用端末装置およびコンサルタント用端末装置は、インターネットプロバイダを利用して、あるいはユーザーが使用するLANを利用して、サーバーシステムにアクセスすることを特徴とする。
本発明によれば、インターネット事業者は、インターネット利用者の開拓ができる。
【0013】
さらに、ユーザー用端末装置は、ブラウザおよびグラフィカル・ユーザー・インターフェース、あるいはこれ以外の入力手段を備え、ブラウザおよびグラフィカル・ユーザー・インターフェース、あるいはこれ以外の入力手段を利用して、ユーザー提示条件の入力を行い、シミュレーション計算の結果の閲覧を行うことを特徴とする。
本発明によれは、ユーザーは、シミュレーションの依頼の入力を容易にすることができる。
【0014】
また、本発明にかかるシミュレーション計算サービス提供システムは、シミュレーション計算の条件を入力する入力手段と、この入力手段により入力されたシミュレーション計算条件をユーザー提示条件として送信する送信手段とを備えるユーザー用端末装置と、ユーザー提示条件に対するコンサルタントの入札条件を入力する入力手段と、この入札条件を送信する送信手段とを備えるコンサルタント用端末装置と、ユーザー提示条件と入札条件とを比較し、合致する入札条件を選択し、選択された入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを問い合わせるマッチング手段と、問い合わせの結果に応じて、シミュレーション計算を行うシミュレーション手段と、問い合わせを送信し、ユーザー提示条件、入札条件、問い合わせの回答の受信を行う受信手段とを備えるサーバーシステムとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ユーザーの有する課題を解決できるコンサルタントの選択ができる。
【0015】
さらに、ユーザー用端末装置およびコンサルタント用端末装置は、インターネットプロバイダ、あるいはユーザーが使用するLANを経由してサーバーシステムにアクセスすることを特徴とする。
本発明によれば、インターネット事業者は、インターネット利用者の開拓ができる。
【0016】
さらに、ユーザー用端末装置は、ブラウザおよびグラフィカル・ユーザー・インターフェース、あるいはこれ以外の入力手段を備え、ブラウザおよびグラフィカル・ユーザー・インターフェース上、あるいはこれ以外の入力手段により、ユーザー提示条件の入力を行い、シミュレーション結果の閲覧を行うことを特徴とする。
本発明によれは、ユーザーは、シミュレーションの依頼の入力を容易にすることができる。
【0017】
また、本発明にかかるサーバーシステムは、シミュレーション条件からなるユーザー提示条件と、このユーザー提示条件に対するコンサルタントの入札条件とを比較し、合致する入札条件を選択し、選択された入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを問い合わせるマッチング手段と、問い合わせの結果に応じて、シミュレーション計算を行うシミュレーション手段と、問い合わせを送信し、ユーザー提示条件と、入札条件と、問い合わせに対する回答を受信する送受信手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ユーザーの有する課題を解決できるコンサルタントの選択ができる。
【0018】
さらに、ユーザー提示条件に基づいてシミュレーション計算にかかる価格の見積もりを行い、この価格の見積もりの結果をユーザー用端末装置に送信し、シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせる価格見積手段を備えることを特徴とする。
また、コンサルタントが、ユーザー提示条件に基づいて一定期間内に質問および個別提案、個別見積を出し、逆にユーザーがその質問に回答し、個別提案、個別見積の内容に対して質問することができ、その後ユーザーがユーザー提示条件を変更することができるようにしてもよい。
本発明によれば、ユーザーは、シミュレーション計算にかかる価格を予め知ることができ、この価格を参照し、シミュレーションを行うか否かを判断することができる。
【0019】
さらに、ユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積およびシミュレーション手段の演算能力に対する計算可否の判定を行い、この価格の見積もりの結果および判定の結果をユーザー用端末装置に送信し、シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせる見積手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、試験的に本システムを利用することができる。
【0020】
さらに、ユーザー提示条件には、シミュレーションの計算を行うコンサルタントの技術能力を識別するためのランクを含むことを特徴とする。
本発明によれば、ユーザーは、シミュレーションを依頼する場合に、必要な技術能力を有するコンサルタントを指定することができる。
【0021】
さらに、ユーザー提示条件には、シミュレーション計算の条件における優先度を指定する項目を有し、マッチング手段は、ユーザー提示条件において指定された優先度に基づいて、合致する条件を選択することを特徴とする。
本発明によれば、ユーザーが指定する優先項目に基づいて、コンサルタントを選択することができる。
【0022】
さらに、シミュレーション計算に対して課金する課金手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、コンサルタントは、コンサルタント料を得ることができる。
【0023】
さらに、問い合わせ、ユーザー提示条件、入札条件、問い合わせに対する回答を暗号化する暗号化手段を備えることを特徴とする。
【0024】
さらに、非会員のユーザーに対して、試験的にシミュレーション計算を行う試験計算手段を備え、この試験計算手段は、見積部に、ユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりおよび試験的にシミュレーション計算を行う場合の所定のシミュレーション手段の演算能力に対する計算可否の判定を行わせ、この価格の見積もりの結果および判定の結果をユーザー用端末装置に送信させ、シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせ、シミュレーション計算手段に、問い合わせの回答にしたがって、シミュレーション計算を行わせることを特徴とする。
本発明によれば、非会員ユーザーは、試験的に本シミュレーション計算サービス提供システムを利用できる。
【0025】
また、本発明にかかるシミュレーション計算サービス提供プログラムおよびシミュレーション計算サービス提供プログラムを記憶した記憶媒体は、シミュレーション条件からなるユーザー提示条件に基づいてシミュレーション計算にかかる価格の見積もりを行い、この価格の見積もりの結果をユーザー用端末装置に送信し、シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせる価格見積手段と、ユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりおよび計算可否の判定を行い、この価格の見積もりの結果および判定の結果をユーザー用端末装置に送信し、シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせる見積手段と、ユーザー提示条件と、このユーザー提示条件に対するコンサルタントの入札条件とを比較し、合致する入札条件を選択し、選択された入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを問い合わせるマッチング手段と、マッチング手段における問い合わせの結果に応じて、シミュレーション計算を行うシミュレーション手段と、価格見積もり手段および見積もり手段における問い合わせを送信し、ユーザー提示条件と、入札条件と、価格見積もり手段および見積もり手段における問い合わせに対する回答を受信する送受信手段と、シミュレーション計算に対して課金する課金手段と、問い合わせ、ユーザー提示条件、入札条件、問い合わせに対する回答を暗号化する暗号化手段と、非会員のユーザーに対して、試験的にシミュレーション計算を行う試験計算手段として、コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0027】
本発明の実施の形態にかかるシミュレーション計算サービス提供システムは、図1に示すように、ユーザー用端末装置5と、コンサルタント用端末装置7と、ユーザー管理装置2とシミュレーション解析装置3とコンサルタント管理装置4とから構成されるサーバーシステム1とを備える。
【0028】
ユーザー用端末装置5は、送受信部と操作部と記憶部と表示部と制御部とを備える。
送受信部は、ネットワーク6、例えばインターネットを介して、サーバーシステム1と情報の送受信を行う。操作部は、入力されたユーザーの要求や指示を制御部に入力する。記憶部は、制御部用のプログラム、ブラウザ、ユーザー用端末装置5に搭載されている機能を実行させるプログラム等を記憶し、制御部との間で、データの入出力を行う。表示部は、例えばLCD等の表示装置により構成され、制御部に制御され、サーバーシステム1から受信したシミュレーション条件入力画面、シミュレーション計算結果など表示する。制御部は、例えば、プログラムによる制御により、ユーザー用端末装置5の各部を統括して制御する。
【0029】
ユーザー用端末装置5は、例えばパーソナルコンピューター(Personal Computer:PC)、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)であり、例えばパーソナルコンピュータである場合、このパーソナルコンピュータの記憶部に格納されたブラウザ等を起動し、後述するユーザー管理装置2のアドレスを入力することにより、アクセスする。
【0030】
また、コンサルタント用端末装置7は、ユーザー用端末装置5と同様の端末装置であり、送受信部と操作部と記憶部と表示部と制御部とを備える。
送受信部は、ネットワーク6、例えばインターネットを介して、サーバーシステム1と情報の送受信を行う。操作部は、入力されたコンサルタントの要求や指示を制御部に入力する。記憶部は、制御部用のプログラム、ブラウザ、コンサルタント用端末装置7に搭載されている機能を実行させるプログラム等を記憶し、制御部との間で、データの入出力を行う。表示部は、例えばLCD等の表示装置により構成され、制御部に制御され、サーバーシステム1から受信した入札条件入力画面、シミュレーション計算結果など表示する。制御部は、例えば、プログラムによる制御により、コンサルタント用端末装置7の各部を統括して制御する。
コンサルタント用端末装置7は、ユーザー用端末装置5と同様に、例えばパーソナルコンピューター(Personal Computer:PC)、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)であり、例えばパーソナルコンピュータである場合、このパーソナルコンピュータの記憶部に備えられたブラウザ等を起動し、後述するコンサルタント管理装置4のアドレスを入力することにより、アクセスする。
【0031】
次に、サーバーシステム1について説明する。サーバーシステム1は、ユーザー管理装置2と、シミュレーション解析装置3と、コンサルタント管理装置4とから構成される。
まず、ユーザー管理装置2について説明する。
ユーザー管理装置2は、通信IF部2−1と、送受信部2−2と、認証・登録部2−3と、ユーザーDB(データベース)2−4と、情報管理部2−5と、記憶部2−6と、計算部2−7と、見積部2−8と、課金部2−9と、図示しない暗号部とを備える。
【0032】
通信IF部2−1は、ネットワーク6、例えばインターネットを介してユーザー用端末装置5とデータの送受信を行うためのインターフェースである。この通信IF部2−1は、ネットワーク6上で、複数のユーザー用端末装置5と並列的に接続されている。
送受信部2−2は、ユーザー用端末装置5の接続要求に応じて、後述する認証
・登録部2−3、計算部2−7、試験計算部2−10とのデータの入出力を行う。例えば、ユーザー用端末装置5からの接続要求により、認証・登録部2−3に接続する。また、シミュレーション計算の条件と、このシミュレーション計算に関する要求項目などをユーザー提示条件として受信し、後述する計算部2−7または試験計算部2−10に入力する。また、見積部2−8から出力された価格の自動見積もりの結果を、後述する情報管理部2−5に入力する。また、計算部2−7から出力されたシミュレーション計算の結果を、情報管理部2−5に入力する。また、試験計算部2−10から出力されたシミュレーション試験計算の結果を、情報管理部2−5に入力する。
【0033】
認証・登録部2−3は、認証部と登録部とを備える。
認証部は、会員登録済のユーザーに対して、少なくともシステム登録ID(identification)、パスワードを入力させることにより会員認証を行い、会員認証により利用を許可するユーザーに対して、利用を許可する旨のメッセージを送信する。また、利用を許可されたユーザーの要求に応じて、応用ソフトウエア情報、この応用ソフトウエアを使用する場合に必要なデータの入力情報などをユーザー用端末装置5に送信する。
【0034】
登録部は、会員として登録を受けたいユーザーおよび非会員のユーザーで試験的に本システムを使用したい場合にユーザー登録を行う。
ユーザーDB(データベース)2−4は、会員登録済みのユーザーの情報を記憶するデータベースである。ユーザーが、認証・登録画面において、システム登録IDとパスワードを入力すると、認証・登録部2−3は、認証処理を行い、このシステム登録IDとパスワードを入力したユーザーがこのシステムを利用可能であるか否かを判断する。
【0035】
情報管理部2−5は、見積部2−8から出力された価格の見積もりの結果および計算部2−7から出力されたシミュレーション計算の結果を後述する記憶部2−6に登録し、ユーザー用端末装置5からのアクセス要求により、要求された情報の応答信号を送信する。
記憶部2−6は、情報管理部2−5から入力されたユーザー提示条件およびシミュレーション計算の結果等を記憶する。
【0036】
計算部2−7は、シミュレーション計算を行う場合の制御を行う。ユーザーが指定したユーザー提示条件等を後述する見積部2−8に入力する。また、後述するシミュレーション解析装置3から出力されたシミュレーション結果を受信する。
見積部2−8は、計算部2−7から出力されたユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりを行う。また、後述するが、ユーザーが試験的に本シミュレーション計算サービス提供システムを使用する場合について、このシミュレーション計算が本システムの処理能力(演算能力)の上限値を超えているか否かの判断を行う。
【0037】
課金部2−9は、本システムを使用する使用料を課金する。例えば、本システムを利用するユーザーに対する課金を行う。
試験計算部2−10は、シミュレーション試験計算を行う場合の制御を行う。ユーザーが指定したユーザー提示条件等を見積部2−8に入力する。また、後述するシミュレーション解析装置3から出力されたシミュレーション計算の結果を、送受信部2−2に入力する。
また、暗号化手段は、問い合わせ、ユーザー提示条件、入札条件、問い合わせに対する回答など、送受信される情報の暗号化を行う。
【0038】
次に、シミュレーション解析装置について説明する。
シミュレーション解析装置3は、マッチング部3−1と、シミュレーション部3−2と、シミュレーション結果解析部3−3とを備える。
マッチング部3−1は、見積部2−8から受信したユーザー提示条件と、このユーザー提示条件を参照したコンサルタントが指定した入札条件とを比較し、合致する(マッチングする)入札条件を選択し、この入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを、ユーザー用端末装置5に問い合わせる。この問い合わせの回答が可の場合には、この合致したシミュレーション計算の条件をシミュレーション部に入力する。
【0039】
シミュレーション部3−2は、1または複数の計算機を備える計算機群と、1または複数のソフトウエアを備える応用ソフトウエア群とから構成される。
シミュレーション部は、これらの計算機群のハードウエアと応用ソフトウエア群の応用ソフトウエアを使用し、マッチング部3−1から入力された条件により、シミュレーション計算を行い、シミュレーション計算の結果を、シミュレーション結果解析部3−3に入力する。
例えば、計算機群は、公共機関、例えば国などが用意するか、あるいはシミュレーションを利用したビジネスを行おうとする一または複数の企業から構成される共同体により用意されるようにしてもよい。また、その運営はコンサルタント、もしくはユーザーが支払う計算機使用料により行われるようにしてもよい。また、応用ソフトウエア群は、シミュレーションの専門家やIT事業者から提供されるか、あるいは開発されたシミュレーション技術あるいはソフトウエアを普及させ有効性を実証するために提供されるようにしてもよい。この場合、金銭的な対価を本システムを運営する事業者から支払われるようにしてもよい。
【0040】
シミュレーション結果解析部3−3は、シミュレーション部3−2から出力されたシミュレーション計算の結果を一旦蓄積し、このシミュレーション計算の結果のコピーを、後述するコンサルタント管理装置4に送信する。
また、そのシミュレーション計算の結果を参照したコンサルタントが付加する解析結果などの知的付加価値情報を受信し、シミュレーション計算の結果とともにユーザー用端末装置5に送信する。
【0041】
次に、コンサルタント管理装置4について説明する。
コンサルタント管理装置4は、通信IF部4−1と、送受信部4−2と、認証・登録部4−3と、コンサルタントDB4−4と、情報管理部4−5と、記憶部4−6と、入金部4−7とを備える。
通信IF部4−1は、ネットワーク6、例えばインターネットを介してコンサルタント用端末装置7とデータの送受信を行うためのインターフェースである。この通信IF部4−1は、ネットワーク6上で、複数のコンサルタント用端末装置7と並列的に接続されている。
【0042】
送受信部4−2は、コンサルタント用端末装置7の要求に応じて、後述する認証・登録部4−3、マッチング部3−1、シミュレーション結果解析部3−3とのデータの入出力を行う。例えば、コンサルタント用端末装置7からの接続要求により、認証・登録部4−3に接続する。また、マッチング部3−1からユーザー提示条件を受信し、後述する情報管理部4−5に入力する。また、シミュレーション結果解析部3−3からシミュレーション計算の結果を受信しコンサルタント用端末装置7へ送信する。また、コンサルタント用端末装置7から、知的付加価値情報を受信し、シミュレーション結果解析部3−3に送信する。
また、シミュレーション部3−2に対して、新規アプリケーションソフトの登録、アプリケーションソフトの変更、バージョンアップ等を行う。
【0043】
認証・登録部4−3は、認証部と登録部とを備える。
認証部は、会員登録済のコンサルタントに対して、少なくともシステム登録ID(identification)、パスワードを入力させることにより会員認証を行い、会員認証により利用を許可するコンサルタントに対して、利用を許可する旨のメッセージを送信する。
【0044】
登録部は、非会員のコンサルタントが、本システムを使用する場合の登録を行う。
コンサルタントDB(データベース)4−4は、会員登録済みのコンサルタント情報を記憶するデータベースである。コンサルタントが、認証・登録画面において、システム登録IDとパスワードを入力すると、認証・登録部2−3は、認証処理を行い、このシステム登録IDとパスワードを入力したコンサルタントが利用可能であるか否かを判断する。
情報管理部4−5は、マッチング部3−1から出力されたユーザー提示条件およびシミュレーション結果解析部3−3から出力されたシミュレーション計算の結果を後述する記憶部4−6に記憶し、コンサルタント用端末装置7からのアクセス要求により、要求された情報の応答信号を送信する。
【0045】
記憶部4−6は、情報管理部4−5から入力されたユーザー提示条件およびシミュレーション計算の結果等を記憶する。
入金部4−7は、コンサルタントに対する報酬の入金を行う。例えば、本システムを運営する運営事業体により、ユーザーにより支払われた金額から手数料を差し引いた金額が、報酬金額として入金される。
【0046】
次に、実施の形態にかかるサーバーシステム1の構成について説明する。
サーバーシステム1の構成は、図2に示すように、入出力装置8と、表示装置9と、ドライブ装置10と、記憶媒体11と、補助記憶装置12と、メモリ装置13と、演算処理装置14と、データベース(DB)15と、IF装置16とにより構成される。また、インターフェース(IF)装置16は、ネットワーク6を介して、ユーザー用端末装置5、コンサルタント用端末装置7等に接続される。
【0047】
入出力装置8は、サーバーシステム1の管理者が操作するキーボードおよびマウスなどで構成され、サーバーシステム1に各種操作信号を入力するために用いられる。
表示装置9は、サーバーシステム1を操作するのに必要な各種ウインドウやデータ等を表示する。
インターフェース装置16は、サーバーシステム1をネットワーク6に接続するためのインターフェースであり、例えばモデムなどで構成される。
データベース15は、例えばユーザーDB2−4、コンサルタントDB4−4等を含むように構成される。
【0048】
シミュレーション計算サービス提供システムに関するシミュレーション計算サービス提供プログラムは、ソフトウエアパッケージ、例えばCD−ROM、ROM、RAM、フレキシブルディスク、メモリカードなどの情報記憶媒体11によって提供される。シミュレーション計算サービス提供プログラムを記憶した記憶媒体11は、ドライブ装置10にセットされ、プログラムが記憶媒体11からドライブ装置10を介して補助記憶装置12にインストールされる。
補助記憶装置12は、インストールされたシミュレーション計算サービス提供プログラムを格納するとともに、必要なファイル、データ等を格納する。
メモリ装置13は、サーバーシステムの起動時に補助記憶装置12からシミュレーション計算サービス提供プログラムを読み出し、格納する。
また、シミュレーション計算サービス提供プログラムは、電気通信によって、例えばサーバによって、提供されるものであってもよい。
演算処理装置14は、メモリ装置13に読み出され格納されたシミュレーション計算サービス提供プログラムにしたがって、シミュレーション計算サービス提供システムにかかる処理を実行する。
【0049】
次に、図3を参照して、実施の形態にかかるシミュレーション計算サービス提供システムの処理について説明する。
ユーザーは、ユーザー用端末装置5を操作し、記憶部に格納されたブラウザ等を起動することにより、ユーザー管理装置2に、ネットワーク6を経由してアクセスする。
ユーザー管理装置2の認証・登録部2−3では、アクセスしてきたユーザーがユーザー登録を行っているか否かを確認する(S301)。
ユーザー登録が済んでいない場合には、ユーザー登録する旨が通知され(S302)、ユーザー登録が行われる(S303)。
【0050】
ユーザー登録済の場合には、ユーザー認証のための画面が表示され、ユーザーは、ユーザーIDとパスワードを入力し、認証処理を経て、ログインする(S304)。
認証処理の結果、利用が許可されれば、アクセスしているユーザー用端末装置5の表示部には、シミュレーション条件およびシミュレーション計算に関する要求項目を入力する画面が表示され、ユーザーは希望のシミュレーション計算の条件および要求項目を入力する。
例えば、シミュレーション計算の条件およびシミュレーション計算に関する要求項目を入力するためのエディットボックスと、「送信」と記載されたコマンドボタンが表示され、このエディットボックスの空欄に、シミュレーション計算の条件および要求項目を入力し、入力が終わったら「送信」ボタンを、例えばマウスを用いてクリックすることにより、ユーザー管理装置2に送信されるようにしてもよい。
【0051】
送信されたシミュレーション条件および要求項目は、ユーザー提示条件として、送受信部2−2で受信され(S305)、送受信部2−2により受信されたユーザー提示条件は、計算部2−7に入力され、計算部2−7から見積部2−8に入力される。 見積部2−8では、入力されたユーザー提示条件に基づいて、シミュレーションにかかる価格の見積もりが自動的に行われる(S306)。その結果は、送受信部2−2に入力され、送受信部は入力された価格の見積もりの結果を、情報管理部2−5に入力し、情報管理部2−5は、入力された価格の見積もりの結果を記憶部2−6に登録し、提示する(S307)。ユーザー用端末装置5は、情報管理部2−5にアクセスすることにより、価格の見積もりの結果を参照できる。
【0052】
ユーザーは、価格の見積もりの結果を参照し、シミュレーション計算を継続するか、あるいはシミュレーション計算を行わずにシステムを終了するかの検討を行い、さらに、シミュレーション計算を継続する場合には、現状の条件により行うか、あるいはシミュレーション計算の条件の再検討を行い、検討結果を送信する。例えば、シミュレーション条件入力画面が再度表示され、シミュレーション条件を再入力することにより行うようにしてもよい。
【0053】
ユーザー用端末装置5により送信された検討結果は、ユーザー管理装置2の送受信部2−2で受信される(S308)。
この検討結果が、シミュレーション計算の継続である場合(S309)、シミュレーション計算の条件は、送受信部2−2から見積部2−8へ計算部2−7を経由して入力される。
送信された検討結果が、シミュレーション計算を行わない場合には、システムを終了する(S309)。
見積部2−8では、再入力されたユーザー提示条件に基づいて、価格の見積もりが再度行われる。その結果は、ユーザー提示条件とともに、シミュレーション解析装置3のマッチング部3−1に送信される(S310)。
【0054】
マッチング部3−1に送信されたユーザー提示条件と価格の見積もりの結果は、コンサルタント管理装置4の送受信部4−2に送信される。ユーザー提示条件と価格の見積もりの結果を受信した送受信部4−2は、これらのユーザー提示条件と価格の見積もりの結果を情報管理部4−5に入力する。情報管理部4−5は、入力されたユーザー提示条件と価格の自動見積もりの結果を記憶部4−6に登録する。
【0055】
一方、単独もしくは複数のコンサルタントは、コンサルタント管理装置4に、ネットワーク6を介して接続されたコンサルタント用端末装置7を操作し、記憶部に格納されたブラウザを起動することにより、コンサルタント管理装置4にアクセスする。認証・登録部4−3では、アクセスしてきたコンサルタントがコンサルタント登録を行っているか否かを確認する。
コンサルタント登録が済んでいない場合には、登録部により、コンサルタント登録する旨が通知され、コンサルタント登録が行われる。
また、ユーザーによる案件提示の有無は、電子メール等により自動的に登録の済んでいるコンサルタントに通知されるか、ホームページ上等で一般に公開されるかしてもよい。
【0056】
コンサルタント登録済の場合には、ユーザー認証のための画面が表示され、コンサルタントは、コンサルタントIDとパスワードを入力しログインする。
認証処理の結果、利用が許可されれば、送受信部4−2は情報管理部4−5にアクセスする。その結果、コンサルタント用端末装置7の表示画面には、ユーザー提示条件と価格の自動見積もりの結果の一覧が表示される。コンサルタントは、ユーザー提示条件と価格の自動見積もりの結果の一覧からコンサルティングを行うユーザー提示条件および価格の自動見積もりの結果を選択し、この選択したユーザー提示条件および価格の自動見積もりの結果を基に入札条件を入力し送信する。
【0057】
コンサルタント用端末装置7から送信された入札条件は、コンサルタント管理装置4の送受信部4−2で受信され(S311)、シミュレーション解析装置3のマッチング部3−1に送信される。
【0058】
マッチング部3−1では、ユーザー提示条件と入札条件とを比較し、合致する(マッチングする)入札条件を選択し、この選択された入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを、ユーザー用端末装置5に問い合わせる。
この問い合わせの回答が可の場合には(S312)、この合致したユーザー提示条件のうちシミュレーション計算の条件をシミュレーション部に入力する(S313)。
【0059】
シミュレーション部3−2では、入力されたシミュレーション計算の条件により、シミュレーション計算が自動的に行われる(S314)。
シミュレーション計算の結果は、シミュレーション結果解析部3−3に入力され、一時的に蓄積される(S315)。また、シミュレーション計算の結果のコピーは、シミュレーション計算を請け負った(落札した)コンサルタントへコンサルタント用端末装置7を介して通知される(S316)。
【0060】
コンサルタントは、通知されたシミュレーション計算の結果を参照して、解析結果や結果の解釈などの知的付加価値情報を付与し、シミュレーション結果解析部3−3に返信する。
シミュレーション結果解析部3−3は、知的付加価値情報を受信すると(S317)、一時的にシミュレーション結果解析部3−3に蓄積し(S318)、この受信した知的付加価値情報とシミュレーション計算の結果とを、ユーザー用端末装置5に送信する(S319)。
【0061】
次に、ユーザーが試験的に本シミュレーション計算サービス提供システムを使用する場合について、図4を参照して説明する。
ユーザーは、ユーザー用端末装置5を操作し、記憶部に格納されたブラウザ等を起動することにより、ユーザー管理装置2に、ネットワーク6を経由してアクセスする。
ユーザー管理装置2の認証・登録部2−3では、アクセスしてきたユーザーのユーザー登録を行う(S401)。
また、ユーザー登録を行った後に、ユーザー認証を行うようにしてもよい(S402)。
認証処理の結果、利用が許可されれば、アクセスしているユーザー用端末装置5の表示部には、シミュレーション条件およびシミュレーション計算に関する要求項目を入力する画面が表示され、ユーザーは希望のシミュレーション計算の条件および要求項目を入力する。
【0062】
例えば、シミュレーション計算の条件およびシミュレーション計算に関する要求項目を入力するためのエディットボックスと、「送信」と記載されたコマンドボタンが表示され、このエディットボックスの空欄に、シミュレーション計算の条件および要求項目を入力し、入力が終わったら「送信」ボタンを、例えばマウスを用いてクリックすることにより、ユーザー管理装置に送信されるようにしてもよい。
【0063】
送信されたシミュレーション条件および要求項目は、ユーザー提示条件として、送受信部2−2で受信され(S403)、送受信部2−2により受信されたユーザー提示条件は、試験計算部2−10に入力され、試験計算部2−10から見積部2−8に入力される。見積部2−8では、入力されたユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりを行うとともに、このシミュレーション計算が本システムの処理能力(演算能力)の上限値を超えているか否かの判断が行われる(S404)。その結果は、送受信部2−2に入力され、送受信部は入力された見積もり結果を、情報管理部2−5に入力する。情報管理部2−5は、入力された見積もり結果を記憶部2−6に蓄積する(S405)。ユーザーは、ユーザー用端末装置5を操作し、情報管理部2−5にアクセスすることにより、見積もり結果を参照できる。
【0064】
ユーザーは、見積もり結果を参照し、シミュレーション試験計算を継続するか、あるいはシミュレーション試験計算を行わずにシステムを終了するかの検討を行い、さらに、シミュレーション試験計算を継続する場合には、現状の条件により行うか、あるいはシミュレーション試験計算の条件の再検討を行い、検討結果を送信する。例えば、シミュレーション条件入力画面が再度表示され、シミュレーション条件を再入力することにより行うようにしてもよい。
【0065】
ユーザー用端末装置5により送信された検討結果は、ユーザー管理装置2の送受信部2−2で受信される(S406)。
この検討結果が、シミュレーション試験計算の継続である場合(S407)、シミュレーション試験計算の条件は、送受信部2−2から見積部2−8へ試験計算部2−10を経由して入力される。
送信された検討結果が、シミュレーション試験計算を行わない場合には、システムを終了する(S407)。
【0066】
見積部2−8では、再入力されたユーザー提示条件に基づいて、価格の自動見積もりおよびこのシミュレーション試験計算が本システムの処理能力の上限値を超えているか否かの判断が行われる(S408)。シミュレーション試験計算が、本システムの処理能力の上限値を超えており、試験計算ができない場合には、システムを終了する(S408)。
シミュレーション試験計算が、本システムの処理能力の限度内であり、試験計算ができる場合には、シミュレーション計算の条件が、シミュレーション部3−2に入力される(S409)。
【0067】
シミュレーション部3−2では、入力されたシミュレーション計算の条件により、シミュレーション計算が自動的に行われる(S410)。
シミュレーション計算の結果は、シミュレーション結果解析部3−3に入力され、一時的に蓄積される(S411)。また、シミュレーション計算の結果のコピーは、シミュレーション計算を請け負ったコンサルタントへコンサルタント用端末装置7を介して通知される(S412)。
【0068】
コンサルタントは、通知されたシミュレーション計算の結果を参照して、解析結果や結果の解釈などの知的付加価値情報を付与し、シミュレーション結果解析部3−3に返信する。
シミュレーション結果解析部3−3は、知的付加価値情報を受信すると(S413)、一時的にシミュレーション結果解析部3−3に蓄積し(S414)、この受信した知的付加価値情報とシミュレーション計算の結果とを、ユーザー用端末装置5に送信する(S415)。
【0069】
次に、上述したシミュレーション計算サービス提供システムを利用して、創薬分野で有効な、標的蛋白質の機能制御を行う場合に、薬剤候補となる分子の結合する標的蛋白の部位、また各々の部位との結合性の相違についての情報収集を行う場合の例を、図5から図8を参照して説明する。
ユーザーは、ユーザー用端末装置5を操作し、記憶部に格納されたブラウザ等を起動し、例えばブラウザ上で、ユーザー管理装置2のアドレスを指定することにより、ユーザー管理装置2に、ネットワーク6、例えばインターネットを介してアクセスする。
ユーザー管理装置2の認証・登録部2−3では、アクセスしてきたユーザーがユーザー登録を行っているか否かを確認する(S501)。
ユーザー登録が済んでいない場合には、ユーザー登録する旨が通知され、ユーザー登録が行われる(S502)。ユーザー登録に課金を行うようにしてもよい。
【0070】
ユーザー登録済の場合には、ユーザー認証のための画面が表示され、ユーザーは、ユーザーIDとパスワードを入力しログインする(S503)。
認証処理の結果、利用が許可されれば、アクセスしているユーザー用端末装置5の表示部には、シミュレーション計算の条件およびシミュレーション計算に関する要求項目を入力する画面が表示され、ユーザーは希望のシミュレーション計算の条件およびシミュレーション計算に関する要求項目を入力する。
【0071】
【表1】
【0072】
例えば、分子結合シミュレーション(Docking Simulation)におけるシミュレーション計算の条件およびシミュレーション計算に関する要求項目は、表1に示すように、シミュレーション計算の内容、計算対象となる分子に関する情報、納期、価格、優先項目、ランクからなる。この要求項目は、必要に応じて本システムの管理者あるいはユーザーが追加・変更を行うことができる。
シミュレーション計算の内容は、3次元立体構造予測計算(立体構造)、3次元立体構造予測計算とエネルギー計算(Energy)、例えば静電ポテンシャル計算等の物理量(Property)計算、分子結合シミュレーション(Docking Simulation)である。さらに、分子結合シミュレーションを行う場合には、蛋白質分子の結合サイト候補の何箇所に対してDocking Simulationを行うのかを指定する。
【0073】
また、計算対象となる分子に関する情報は、アミノ酸残基数、原子数、組成、立体構造情報、配列情報、ホモロジー、Binding siteである。
例えば、組成ではアミノ酸で構成されているのか否かを指定し、立体構造情報では3次元立体構造は既知か否かを指定し、配列情報では配列情報は既知か否かを指定し、ホモロジーでは相同性(ホモロジ−)の有無は既知か否かを指定し、Binding siteでは結合サイトは既知か否かあるいは計算を行う結合サイトの候補は何箇所なのかを指定する。これらの指定は、標的分子と基質分子のそれぞれに対して行う。
【0074】
優先項目は、このユーザー提示条件と、このユーザー提示条件を参照したコンサルタントが指定した入札条件とを比較し、合致する(マッチングする)入札条件を選択する場合に、優先する項目であり、この優先項目としては、ユーザー提示条件において、指定を行った項目、ここでは納期、価格、シミュレーション計算の内容である。
ランクは、コンサルタントの技術能力を識別するための指標であり、コンサルタントの登録を行う場合に付与される。例えば、このランクは、コンサルタントの技術能力の高い順にA、B、Cと指定され、本システムでの実績に応じて変化する。
【0075】
実施の形態においては、納期の単位を日で、価格の単位を千円で指定し、また立体構造、Property、Energy、DockingをYESまたはNoで指定し、立体構造情報、配列情報、ホモロジー、Binding siteをKNOWNまたはUNKNOWNで指定する。
また、Binding siteについては、Docking計算を行う結合サイト数を指定する。指定する場合には、UNKNOWNの場合には計算したいサイト数を、KNOWNの場合には既知のサイト数を指定する。
【0076】
表1に示したユーザー提示条件においては、納期は30日、価格は200千円、シミュレーション計算の内容は3次元立体構造予測計算、エネルギー計算(Energy)、物理量(Property)、分子結合シミュレーション(Docking Simulation)は標的分子および基質分子の両方ともにYES、優先項目は納期である。
また、計算対象となる分子に対する情報として、標的分子について、アミノ酸残基数は100、原子数は1500、組成はamino acid、立体構造情報はUNKNOWN、配列情報はUNKNOWN、ホモロジーはUNKNOWN、Binding siteはUNKNOWNであり、基質分子について、原子数は60、組成はorganic、立体構造情報はUNKNOWN、計算したいサイト数は10である。
【0077】
送信されたシミュレーション計算の条件および要求項目は、ユーザー提示条件として、送受信部2−2で受信され(S504)、送受信部2−2により受信されたユーザー提示条件は、計算部2−7に入力され、計算部2−7から見積部2−8に入力される。
見積部2−8では、入力されたユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりが自動的に行われる(S505)。価格見積部2−8では、入力されたユーザー提示条件に基づいて、相同性検索(ホモロジーサーチ)や分子軌道法・分子動力学法などの分子シミュレーションの方法により計算時間の概算が行われる。また、計算内容に応じた価格を自動的に概算する。例えば、価格は、見積もられるCPU処理時間、例えば見積もられた計算時間と計算内容の高度さに応じて予め規定された点数により自動的に算出される。
【0078】
価格の見積もりの結果は、ユーザー提示条件により指定された優先項目に基づいて、複数提示される。この場合、ユーザー提示条件により指定された優先項目以外の項目についてはユーザーの希望とは必ずしも一致しない条件を含めて、複数の見積もり条件をユーザーに提示する。
【0079】
【表2】
【0080】
例えば、価格の見積もりの結果は、表2に示すように、納期、価格、シミュレーション計算の内容、Binding siteからなる。
納期については、表1のユーザー提示条件において、指定された優先項目は30日の納期であるので、30日の納期を満たす価格の見積もりが表示される。
価格、シミュレーション計算の内容、Binding siteについては、優先項目に指定されていないので、ユーザー提示条件を満たさない条件も表示される。
ここで、価格の見積もりは、表1に示したユーザー提示条件に示した各項目を予め点数化し、それらを合計することにより計算される。
【0081】
この価格の見積もりの結果は、送受信部2−2に入力される。送受信部2−2は入力された価格の見積もりの結果を、情報管理部2−5に入力し、情報管理部2−5は、入力された価格の見積もりの結果を記憶部2−6に蓄積する(S506)。ユーザーは、ユーザー用端末装置5を操作し、情報管理部2−5にアクセスすることにより、価格の見積もりの結果を参照できる。
【0082】
ユーザーは、価格の見積もりの結果を参照し、シミュレーション計算を継続するか、あるいはシミュレーション計算を行わずにシステムを終了するかの検討を行い、さらに、シミュレーション計算を継続する場合には、現状の条件により行うか、あるいはシミュレーション計算の条件の再検討を行い、検討結果を送信する。
ユーザー用端末装置5により送信された検討結果は、ユーザー管理装置2の送受信部2−2で受信される(S507)。
【0083】
この検討結果が、シミュレーション計算の継続である場合(S508)、ユーザー提示条件は、送受信部2−2から見積部2−8へ計算部2−7を経由して入力される。見積部2−8では、再入力されたユーザー提示条件に基づいて、価格の見積もりが再度行われる。その結果は、ユーザー提示条件とともに、シミュレーション解析装置3のマッチング部3−1に送信される(S509)。
送信された検討結果が、シミュレーション計算を行わない場合には、システムを終了する(S508)。
【0084】
【表3】
【0085】
例えば、ユーザーが見積もりの結果を参照して、ユーザー提示条件を、図3に示すように、変更した場合、変更された条件がマッチング部に送信される。ここでは、価格を200千円から400千円に、Binding siteをUNKNOWNからKNOWNに変更し既知のサイト数を10とし、コンサルタントのランクをA以上と指定した。
【0086】
マッチング部3−1に送信されたユーザー提示条件と価格の見積もりの結果は、コンサルタント管理装置4の送受信部4−2に送信される。ユーザー提示条件と価格の見積もりの結果を受信した送受信部4−2は、これらのユーザー提示条件と価格の自動見積もりの結果を情報管理部4−5に入力する。情報管理部4−5は、入力されたユーザー提示条件と価格の見積もりの結果を記憶部4−6に記憶する。
【0087】
コンサルタントは、コンサルタント管理装置4にアクセスすることにより、ユーザー提示条件と価格の自動見積もりの結果の一覧を参照する。
コンサルタントは、ユーザー提示条件と価格の自動見積もりの結果の一覧から、コンサルティングを行うユーザー提示条件および価格の見積もりの結果を選択し、この選択したユーザー提示条件および価格の自動見積もりの結果を基にして、入札条件を入力し送信する。
コンサルタント用端末装置7から送信された入札条件はコンサルタント管理装置4の送受信部4−2で受信され、シミュレーション解析装置3のマッチング部3−1に送信される。
【0088】
【表4】
【0089】
例えば、コンサルタントからの入札条件は、表4に示すように、コンサルタント、納期、価格、ランク、Simulation methodから構成される。
コンサルタントの欄には、ユーザー提示条件を参照したコンサルタントのうち入札条件を送信したコンサルタントが表示される。
納期、価格、Simulation methodの欄には、コンサルタントが指定した納期と価格が表示される。
ランクは、コンサルタント自身が入力するようにしてもいいし、本システムにより自動的に表示するようにしてもよい。
この入札条件においては、ユーザー提示項目で指定された優先項目が納期であるため、この納期を満たす入札条件が、マッチング部に送信される。
例えば、ユーザー提示項目で指定された優先項目が価格である場合には、指定された価格を満たす入札条件が、マッチング部に送信される。
【0090】
マッチング部3−1は、入札条件を受信すると(S510)、ユーザー提示条件と受信した入札条件とを比較し、合致する(マッチングする)入札条件を選択し(S511)、この選択された入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを、ユーザー用端末装置5に問い合わせる(S512)。
【0091】
選択方法は、ユーザー提示条件で指定された優先項目(例えば、納期、価格、計算方法、ランク)の順に比較を行い、最適な条件を示したコンサルタントが落札する。優先項目が指定されていない場合には、納期、価格、計算方法、ランクの順で比較を行う。仮に条件が完全一致しない場合であっても、ユーザー提示の条件に最適な条件を選択する。合致する入札条件が無い場合には、システムを終了する(S511)。
【0092】
図3に示したユーザー提示条件および図4に示した入札条件を参照すると、ユーザー提示条件で指定された優先項目が納期であるので、納期、価格、計算方法、ランクの順に比較が行われる。
ユーザー提示条件で指定された納期が30日であるので、すべてのコンサルタントは条件を満たすが、価格の条件を満たすコンサルタントはA以外であり、さらに計算方法についての条件はないので、次いでランクの比較を行うと、条件を満たすコンサルタントはBとCとなる。
【0093】
マッチング部3−1は、ユーザー用端末装置5からの問い合わせの回答を受信すると(S513)、選択されたコンサルタントにシミュレーションの計算の委託を行う旨の回答であるか否かについての判断を行う(S514)。選択されたコンサルタントにシミュレーションの計算の委託を行う場合には、シミュレーション条件をシミュレーション部3−2に入力する(S515)。また、選択されたコンサルタントにシミュレーションの計算の委託を行わない旨の回答である場合にはシステムを終了する(S515)。
【0094】
シミュレーション部3−2では、シミュレーション計算の条件が入力されると、まず標的蛋白質の3次元立体構造をサーチする(S601)。
例えば、シミュレーション部3−2には、蛋白質立体構造情報DB(図示なし)、蛋白質配列構造DB(図示なし)、ホモロジー情報DB(図示無し)を備えており、蛋白質立体構造情報DBには蛋白質の立体構造の情報が蓄積され、蛋白質配列構造DBには蛋白質の配列構造の情報が蓄積され、ホモロジー情報DBには蛋白質のホモロジーの情報が蓄積されている。
【0095】
標的蛋白質の3次元立体構造のサーチは、まず、蛋白質立体構造情報DBを検索することにより行われる(S601)。検索の結果、標的蛋白質が蛋白質立体構造情報DBに存在する場合には、蛋白質3次元立体構造情報の取得を行う(S602)。
【0096】
標的蛋白質が蛋白質立体構造情報DBに存在しない場合には、標的蛋白質の配列情報をサーチする(S603)。標的蛋白質の配列情報をサーチは、蛋白質配列構造情報DBを検索することにより行われる。検索の結果、標的蛋白質の配列情報が蛋白質配列構造情報DBに存在する場合には、ホモロジー情報のサーチを行う。標的蛋白質の配列情報が蛋白質配列構造情報DBに存在しない場合には、システムを終了する(S603)。
【0097】
ホモロジー情報のサーチは、ホモロジー情報DBを検索することにより行われる(S604)。検索の結果、標的蛋白質の配列情報がホモロジーDBに存在する場合には、ホモロジーモデリング等の方法により3次元立体構造の推定が可能か否かの判断が行われる(S605)。標的蛋白質のホモロジー情報DBに存在しない場合には、システムを終了する(S604)。
3次元立体構造の推定ができる場合には、推定された蛋白質3次元立体構造情報を取得する(S602)。3次元立体構造の推定ができない場合には、システムを終了する。この場合、シミュレーション部3−2に備えられた計算機の性能が原因で計算できない場合には、その旨を通知するようにしてもよい。
【0098】
次に、薬剤候補となる分子の3次元立体構造のサーチについて説明する。
例えば、3次元立体構造情報が存在しない場合は、配列情報から推定するか、若しくは分子力学法、分子動力学法、分子軌道法を用いて推定を行う。
例えば、シミュレーション部3−2には、リガンド分子立体構造情報DB(図示なし)、リガンド分子の分子式DB(図示なし)を備えており、リガンド分子立体構造情報DBにはリガンド分子の立体構造の情報が蓄積され、リガンド分子の分子式DBにはリガンド分子の分子式の情報が蓄積されている。
【0099】
薬剤候補となる分子の3次元立体構造のサーチは、リガンド分子立体構造情報DBを検索することにより行われる(S701)。検索の結果、薬剤候補となる分子がリガンド分子立体構造情報DBに存在する場合には、リガンド分子3次元立体構造情報の取得を行う(S702)。
【0100】
薬剤候補となる分子がリガンド分子立体構造情報DBに存在しない場合には、薬剤候補となる分子の分子式をサーチする(S703)。薬剤候補となる分子の分子式のサーチは、リガンド分子の分子式DBを検索することにより行われる。検索の結果、薬剤候補となる分子の分子式がリガンド分子の分子式DBに存在する場合には、立体構造初期座標の生成を行う(S704)。薬剤候補となる分子の分子式がリガンド分子の分子式DBに存在しない場合には、システムを終了する。
立体構造初期座標が生成されると、コンフォメーション探索が行われ(S705)、必要となるコンフォメーションが抽出される(S706)。抽出されたコンフォメーションは精緻化され(S707)、3次元立体構造の推定ができる場合には、推定された薬剤候補となる分子の3次元立体構造情報を取得する(S702)。この場合、シミュレーション部3−2に備えられた計算機の性能が原因で計算できない場合には、その旨を通知するようにしてもよい。
【0101】
次に、上述した標的蛋白質と立体構造薬剤候補となる分子の3次元立体構造を初期値として、ユーザー提示条件のシミュレーション計算の内容に指定された項目についてシミュレーション計算を行う。
まず、マッチング部に送信されたユーザー提示条件のシミュレーション計算の内容の取得が行われる(S801)。
例えば、表3に示したマッチング部に送信されたユーザー提示条件では、各々の分子のエネルギー計算、Propertyの計算、Docking Simulationが行われる。
結合する部位に関する情報は、既知である場合あるいはユーザーが指定した場合にはユーザーが入力することにより得られ、未知である場合にはユーザーが指定する数だけ蛋白質上の結合部位をランダムに自動的に決めることにより得られる。
計算手法は、マッチングの際に決定された手法を用いる。
【0102】
まず、シミュレーション計算の内容の指定が行われているか否かの判断が行われる(S802)。分子軌道法によるエネルギー計算もドッキングシミュレーションも指定されていない場合にはシステムを終了する(S802)。
指定が行われている場合には、このシミュレーション計算の内容が分子軌道法によるエネルギー計算であるか否かの判断が行われる(S803)。
但し、分子軌道法によるエネルギー計算は指定されていないがドッキングシミュレーションが指定されている場合には、古典力学的ドッキングシミュレーションか、あるいはQMMMドッキングシミュレーションか、あるいは両方が直接実行される。
【0103】
分子軌道法によるエネルギー計算が指定されている場合には分子軌道法によりエネルギー計算が行われる(S804)。
次に、シミュレーション計算の内容に物理量計算が指定されているか否かの判断が行われる(S805)。物理量計算が指定されている場合には物理量計算が行われ(S807)、計算結果をシミュレーション結果解析部3−3に入力する(S808)。
物理量計算が指定されていない場合には、分子軌道法によるエネルギー計算の結果をシミュレーション解析部3−3に蓄積する(S806)。
【0104】
次に、シミュレーション計算の内容にドッキングシミュレーションが指定されているか否かの判断が行われる(S809)。
ドッキングシミュレーションが指定されている場合には、古典力学的ドッキングシミュレーション計算、QMMMドッキングシミュレーション、あるいは両方が行われ(S810〜S815)、ドッキングシミュレーションの結果が、シミュレーション解析部3−3に蓄積される(S812、S815)。
【0105】
シミュレーション解析部3−3では、シミュレーション計算の結果のコピーがシミュレーション計算を請け負ったコンサルタントへコンサルタント用端末装置7を介して通知される(S816)。
【0106】
コンサルタントは、通知されたシミュレーション計算の結果を参照して、解析結果や結果の解釈などの知的付加価値情報を付与し、シミュレーション結果解析部3−3に送信する。
シミュレーション結果解析部3−3は、知的付加価値情報を受信すると(S817)、一時的にシミュレーション結果解析部3−3に蓄積し(S818)、この受信した知的付加価値情報とシミュレーション計算の結果とを、ユーザー用端末装置5に送信する(S819)。
【0107】
次に、上述したシミュレーション計算サービス提供システムを利用して、創薬分野で有効な、標的蛋白質の機能制御を行う場合に、薬剤候補となる分子の結合する標的蛋白の部位、また各々の部位との結合性の相違についての情報収集を、非会員のユーザーが試験的に行う場合の例を、図9から図12を参照して説明する。
ユーザーは、ユーザー用端末装置5を操作し、記憶部に格納されたブラウザ等を起動し、例えばブラウザ上で、ユーザー管理装置2のアドレスを指定することにより、ユーザー管理装置2に、ネットワーク6を介してアクセスする。
ユーザー管理装置2の認証・登録部2−3では、アクセスしてきたユーザーがユーザー登録を行っているか否かを確認する。
ユーザー登録が済んでいない場合には、ユーザー登録する旨が通知され、ユーザー登録が行われる(S901)。ユーザー登録に課金を行うようにしてもよい。
ユーザー登録後に、ユーザー認証を行うようにしてもよい(S902)。
【0108】
認証処理の結果、利用が許可されれば、アクセスしているユーザー用端末装置5の表示部には、シミュレーション条件およびシミュレーション計算に関する要求項目を入力する画面が表示され(S903)、ユーザーは希望のシミュレーション計算の条件およびシミュレーション計算に関する要求項目を入力する。
例えば、分子結合シミュレーション(Docking Simulation)を利用する場合には、ユーザーは、表1に示したようなシミュレーション条件およびシミュレーション計算に関する要求項目をブラウザ等を用いて入力し、ユーザー管理装置2に送信する。上述したように、ユーザー提示条件は、シミュレーション計算の内容、計算対象となる分子に関する情報、納期、価格、優先項目からなる。ユーザー提示条件の項目は、必要に応じて追加・変更を行うことができる。
【0109】
送信されたシミュレーション条件および要求項目は、ユーザー提示条件として、送受信部2−2で受信され(S904)、送受信部2−2により受信されたユーザー提示条件は、計算部2−7に入力され、計算部2−7から見積部2−8に入力される。見積部2−8では、入力されたユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりが行われる(S905)。またこの計算は試験的な計算であるので、シミュレーション部3−1で行われるシミュレーション計算の計算規模や計算にかかる時間の上限を設けられており、上限を超える規模の計算が指定された場合は、ユーザーに上限値と、ユーザー提示条件が上限値を超過しているか旨の通知を行う(S906)。
見積もりの結果は、送受信部2−2に入力され、送受信部は入力された見積もり結果を、情報管理部2−5に入力し、情報管理部2−5は、入力された価格の見積もり結果を記憶部2−6に登録する(S906)。ユーザーは、ユーザー用端末装置5を操作し、情報管理部2−5にアクセスすることにより、見積もりの結果を参照できる。
【0110】
ユーザーは、見積もりの結果を参照し、シミュレーション計算を継続するか、あるいはシミュレーション計算を行わずにシステムを終了するかの検討を行い、さらに、シミュレーション計算を継続する場合には、現状の条件により行うか、あるいはシミュレーション計算の条件の再検討を行い、検討結果を送信する。
例えば、シミュレーション条件入力画面が再度表示され、シミュレーション条件を再入力することにより行うようにしてもよい。
【0111】
ユーザー用端末装置5により送信された検討結果は、ユーザー管理装置2の送受信部2−2で受信される(S908)。
この受信された検討結果が、シミュレーション試験計算の継続である場合、シミュレーション試験計算の条件は、送受信部2−2から見積部2−8へ試験計算部2−10を経由して入力される。
送信された検討結果が、シミュレーション試験計算を行わない場合には、システムを終了する(S908)。
【0112】
見積部2−8では、再入力されたユーザー提示条件に基づいて、見積もりおよびこのシミュレーション試験計算が本システムの処理能力の上限値を超えているか否かの判断が行われる。シミュレーション試験計算が、本システムの処理能力の上限値を超えており、試験計算ができない場合には、システムを終了する(S909)。
シミュレーション試験計算が、本システムの処理能力の限度内であり、試験計算ができる場合には、シミュレーション計算の条件が、シミュレーション部3−2に入力される(S910)。
【0113】
シミュレーション部3−2では、シミュレーション計算の条件が入力されると、まず標的蛋白質の3次元立体構造をサーチする(S1001)。
例えば、上述したようにシミュレーション部3−2には、蛋白質立体構造情報DB(図示なし)、蛋白質配列構造DB(図示なし)、ホモロジー情報DB(図示無し)を備えており、蛋白質立体構造情報DBには蛋白質の立体構造の情報が蓄積され、蛋白質配列構造DBには蛋白質の配列構造の情報が蓄積され、ホモロジー情報DBには蛋白質のホモロジーの情報が蓄積されている。
標的蛋白質の3次元立体構造のサーチは、蛋白質立体構造情報DBを検索することにより行われる(S1001)。検索の結果、標的蛋白質が蛋白質立体構造情報DBに存在する場合には、蛋白質3次元立体構造情報の取得を行う(S1002)。
【0114】
標的蛋白質が蛋白質立体構造情報DBに存在しない場合には、標的蛋白質の配列情報をサーチする(S1003)。標的蛋白質の配列情報をサーチは、蛋白質配列構造情報DBを検索することにより行われる。検索の結果、標的蛋白質の配列情報が蛋白質配列構造情報DBに存在する場合には、ホモロジー情報のサーチを行う。標的蛋白質の配列情報が蛋白質配列構造情報DBに存在しない場合には、システムを終了する(S1003)。
【0115】
ホモロジー情報のサーチは、ホモロジー情報DBを検索することにより行われる(S1004)。検索の結果、標的蛋白質の配列情報がホモロジーDBに存在する場合には、ホモロジーモデリング等の方法により3次元立体構造の推定が可能か否かの判断が行われる(S1005)。標的蛋白質のホモロジー情報DBに存在しない場合には、システムを終了する(S1004)。
3次元立体構造の推定ができる場合には、推定された蛋白質3次元立体構造情報を取得する(S1002)。3次元立体構造の推定ができない場合には、システムを終了する。この場合、シミュレーション部3−2に備えられた計算機の性能が原因で計算できない場合には、その旨を通知するようにしてもよい。
【0116】
次に、薬剤候補となる分子の3次元立体構造のサーチについて説明する。
例えば、3次元立体構造情報が存在しない場合は、配列情報から推定するか、若しくは分子力学法、分子動力学法、分子軌道法を用いて推定を行う。
例えば、シミュレーション部3−2には、リガンド分子立体構造情報DB(図示なし)、リガンド分子の分子式DB(図示なし)を備えており、リガンド分子立体構造情報DBにはリガンド分子の立体構造の情報が蓄積され、リガンド分子の分子式DBにはリガンド分子の分子式の情報が蓄積されている。
【0117】
薬剤候補となる分子の3次元立体構造のサーチは、リガンド分子立体構造情報DBを検索することにより行われる(S1101)。検索の結果、薬剤候補となる分子がリガンド分子立体構造情報DBに存在する場合には、リガンド分子3次元立体構造情報の取得を行う(S1102)。
【0118】
薬剤候補となる分子がリガンド分子立体構造情報DBに存在しない場合には、薬剤候補となる分子の分子式をサーチする(S1103)。薬剤候補となる分子の分子式のサーチは、リガンド分子の分子式DBを検索することにより行われる。検索の結果、薬剤候補となる分子の分子式がリガンド分子の分子式DBに存在する場合には、立体構造初期座標の生成を行う(S1104)。薬剤候補となる分子の分子式がリガンド分子の分子式DBに存在しない場合には、システムを終了する。
【0119】
立体構造初期座標が生成されると、分子力学法や分子動力学法等によりコンフォメーション探索が行われ(S1105)、必要となるコンフォメーションが抽出される(S1106)。抽出されたコンフォメーションは、分子軌道法等により精緻化され(S1107)、3次元立体構造の推定ができる場合には、推定された薬剤候補となる分子の3次元立体構造情報を取得する(S1102)。この場合、シミュレーション部3−2に備えられた計算機の性能が原因で計算できない場合には、その旨を通知するようにしてもよい。
【0120】
次に、上述した標的蛋白質と立体構造薬剤候補となる分子の3次元立体構造を初期値として、ユーザー提示条件のシミュレーション計算の内容に指定された項目についてシミュレーション計算を行う。
まず、マッチング部に送信されたユーザー提示条件のシミュレーション計算の内容の取得が行われる(S1201)。
例えば、表3に示したマッチング部に送信されたユーザー提示条件では、各々の分子のエネルギー計算、Propertyの計算、Docking Simulationが行われる。
結合する部位に関する情報は、既知である場合あるいはユーザーが指定した場合にはユーザーが入力することにより得られ、未知である場合にはユーザーが指定する数だけランダムに蛋白質上の結合部位を自動的に決めることにより得られる。
計算手法は、マッチングの際に決定された手法を用いる。
【0121】
まず、シミュレーション計算の内容の指定が行われているか否かの判断が行われる(S1202)。
分子軌道法によるエネルギー計算もドッキングシミュレーションも指定されていない場合にはシステムを終了する(S1202)。
指定が行われている場合には、このシミュレーション計算の内容が分子軌道法によるエネルギー計算であるか否かの判断が行われる(S1203)。
但し、分子軌道法によるエネルギー計算は指定されていないがドッキングシミュレーションが指定されている場合には、古典力学的ドッキングシミュレーションか、あるいはQMMMドッキングシミュレーションか、あるいは両方が直接実行される。
【0122】
分子軌道法によるエネルギー計算が指定されている場合には分子軌道法によりエネルギー計算が行われる(S1204)。
次に、シミュレーション計算の内容に物理量計算が指定されているか否かの判断が行われる(S1205)。物理量計算が指定されている場合には物理量計算が行われ(S1207)、計算結果をシミュレーション結果解析部3−3に入力する(S1208)。
物理量計算が指定されていない場合には、分子軌道法によるエネルギー計算の結果をシミュレーション解析部3−3に蓄積する(S1206)。
【0123】
次に、シミュレーション計算の内容にドッキングシミュレーションが指定されているか否かの判断が行われる(S1209)。
ドッキングシミュレーションが指定されている場合には古典力学的ドッキングシミュレーション計算、QMMMドッキングシミュレーション、あるいは両方が行われ(S1210〜S1215)、ドッキングシミュレーションの結果が、シミュレーション解析部3−3に蓄積される(S1212、S1215)。
【0124】
シミュレーション解析部3−3では、シミュレーション計算の結果のコピーがシミュレーション計算を請け負ったコンサルタントへコンサルタント用端末装置7を介して通知される(S1216)。
【0125】
コンサルタントは、通知されたシミュレーション計算の結果を参照して、解析結果や結果の解釈などの知的付加価値情報を付与し、シミュレーション結果解析部3−3に送信する。
シミュレーション結果解析部3−3は、知的付加価値情報を受信すると(S1217)、一時的にシミュレーション結果解析部3−3に蓄積し(S1218)、この受信した知的付加価値情報とシミュレーション計算の結果とを、ユーザー用端末装置5に送信する(S1219)。
【0126】
【発明の効果】
本発明によれば、利用者は、計算機とソフトウエアを自ら購入する必要はなく、またインターネット接続用のサーバーを用意する必要もなく、ネットワークを介してシミュレーションを利用できる。
このため、一時的に利用するユーザー、あるいは非専門家にとって、シミュレーション利用の利便性を向上させることができる。
また、計算機メーカー、インターネット事業者にとっては、利用者の開拓も促進できる。
【0127】
また、利用者は、計算機とソフトウエアを自ら購入する必要がないため、アプリケーションソフトの変更、バージョンアップなどを行う必要はなく、インターネット事業者だけで対処できるため、利用者にとって使いやすいシステムが実現する。
さらに、システムの事業者にとっては、システムのメンテナンス、事故にも柔軟に対応できるため、システムのロバスト性が高まる。
【0128】
また、ユーザーとコンサルタントの間の要求をマッチングさせることができ、シミュレーションの専門家やIT事業者の構築したシミュレーション技術や開発されたプログラムシステムとを利用して、実験研究者の課題を解決できるため、シミュレーション技術の導入を容易にするとともに、シミュレーションを用いたビジネス機会や市場創出の機会を広げることになる。
【0129】
また、非会員のユーザーが試験的にシミュレーションシステムを利用することができる機会を提供したことにより、ユーザー獲得の機会を広げることができる。
また、システムの事業者にとっては、計算機ハードウエア、ソフトウエアの資産を効率的に運用することができ、また、計算機ハードウエア、ソフトウエアへの投資費用を効率良く回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるシミュレーション計算サービス提供システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかるサーバーシステムの構成を説明するための構成図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して、シミュレーション計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態2にかかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して、シミュレーション試験計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1にかかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して蛋白質に関するシミュレーション計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1にかかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して蛋白質に関するシミュレーション計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1にかかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して蛋白質に関するシミュレーション計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1にかかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して蛋白質に関するシミュレーション計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態2かかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して蛋白質に関するシミュレーション試験計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態2かかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して蛋白質に関するシミュレーション試験計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態2かかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して蛋白質に関するシミュレーション試験計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態2かかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して蛋白質に関するシミュレーション試験計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…サーバーシステム、2…ユーザー管理装置、2−1…通信IF部、2−2…送受信部、2−3…認証・登録部、2−4…ユーザーDB(データベース)、2−5…情報管理部、2−6…記憶部、2−7…計算部、2−8…見積部、2−9…課金部、2−10…試験計算部、3…シミュレーション解析装置、3−1…マッチング部、3−2…シミュレーション部、3−3…シミュレーション結果解析部、4…コンサルタント管理装置、4−1…通信IF部、4−2…送受信部、4−3…認証・登録部、4−4…コンサルタントDB、4−5…情報管理部、4−6…記憶部、4−7…入金部、5…ユーザー用端末装置、6…ネットワーク、7…コンサルタント用端末装置、8…入出力装置、9…表示装置、10…ドライブ装置、11…記憶媒体、12…補助記憶装置、13…記憶装置、14…演算処理装置、15…データベース、16…IF装置、17…バス。
【発明の属する技術分野】
本発明は、各分野におけるシミュレーション技術を、IT(Information Technology)技術により効率的に運用するためのシミュレーション計算サービス提供システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のシミュレーション技術は、一部の専門家が独自にシミュレーション計算プログラムと計算機とを用意することにより行うか、または、計算機センターにtelnet経由などの方法でアクセスすることにより行うか、または、計算機センターへ出向いて、常駐されているシミュレーション計算プログラムをコンピュータ上で起動させることにより行うことにより利用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の技術には、次のような問題があった。
シミュレーション計算プログラムと計算機とを独自に用意することにより、シミュレーション技術を利用する場合には、ハードウエア、ソフトウエアを自分で用意する必要があり、初期投資が巨額となるため、利用者は資金力のあるシミュレーションの専門家や、シミュレーション技術に詳しい実験研究者に限られる。また、アプリケーションソフトの変更やバージョンアップ、メンテナンス、事故への対応なども利用者自身で行う必要があるため、利用者自身へ一定以上の能力が要求される。
【0004】
また、計算機センターにtelnet経由などの方法でアクセスすることにより利用する場合には、インターネット接続用のサーバーを用意する必要があり、初期投資が必要である。
また、計算機センターに常駐されているシミュレーション計算プログラムをコンピュータ上で起動させることにより利用する場合には、計算機センターへ直接出向かなければならないため、時間的な制約がある。
上述したように、シミュレーション技術を利用するためのハードルは高いものであり、シミュレーション技術の潜在的ユーザーである多くの他の実験研究者、例えば、一時的に利用する利用者、非専門家は、実際に利用することは実質的に不可能であった。
【0005】
そこで、本発明は、前述した従来技術の問題点や課題を解決するためになされたものであり、その目的は、シミュレーション計算の利用機会を増加させることができ、ユーザーの要求に基づいて容易に利用できるシミュレーション計算サービス提供方法、システム、プログラム、およびプログラムを記憶した記憶媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明にかかるシミュレーション計算サービス提供方法は、ユーザー用端末装置と、コンサルタント用端末装置と、これらのユーザー用端末装置およびコンサルタント用端末装置にネットワークを介して接続されるサーバーシステムとを用いてシミュレーション計算の提供を行うシミュレーション計算サービス提供方法であって、サーバーシステムは、シミュレーション計算の条件をユーザー提示条件として、ユーザー用端末装置から受信する第1ステップと、この第1ステップで受信したユーザー提示条件の登録を行う第2ステップと、第2ステップにおいて登録されたユーザー提示条件に対するコンサルタントからの入札条件を、コンサルタント用端末装置から受信する第3ステップと、ユーザー提示条件と入札条件とを比較し、合致する入札条件を選択する第4ステップと、第4ステップにおいて選択された入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを、ユーザー端末装置に問い合わせる第5ステップと、第5ステップの問い合わせの回答に応じて、シミュレーション計算を行う第6ステップとを実行することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、ユーザーの有する課題を解決できるコンサルタントの選択ができる。
ここで、ユーザーは、シミュレーション計算の対象となる問題をユーザー用端末装置を用いて入力する。また、事業者は、サーバーシステムの管理を行う。また、コンサルタントは、コンサルタント用端末装置を用いてユーザー提示条件を参照して一定期間内に入札条件の入力を行い、事業者の管理するサーバーシステムを用いてシミュレーション計算を行い、その解析結果を検討する。
【0008】
さらに、サーバーシステムは、第1ステップで受信したユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりを行う第7ステップと、第7ステップで見積もられた価格の見積もりの結果をユーザー用端末装置に送信し、シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせる第7ステップと、第7ステップでの問い合わせに対する回答に応じて、シミュレーション計算を行う第8ステップとを実行することを特徴とする。
本発明によれば、ユーザーは、シミュレーション計算にかかる価格を予め知ることができ、この価格を参照し、シミュレーションを行うか否かを判断することができる。
【0009】
さらに、サーバーシステムは、第1ステップで受信したユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりおよび計算の可否の判定を行う第9ステップと、第9ステップで見積もられた価格の見積もりの結果および判定の結果をユーザー用端末装置に送信し、シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせる第10ステップとを実行することを特徴とする。
本発明によれば、試験的に本システムを利用することができる。
【0010】
さらに、問い合わせに対する回答は、シミュレーション計算の条件を変更する旨の指示を含み、シミュレーション計算の条件を変更する旨の指示が行われた場合、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりを再度行う第11ステップを実行することを特徴とする。
本発明によれば、見積もりの結果を考慮してシミュレーション計算の条件を変更できる。
【0011】
さらに、サーバーシステムは、価格の見積もりの結果を、シミュレーション計算を依頼したユーザーに請求する第12ステップと、第12ステップで請求された金額から手数料を引いた金額をシミュレーション計算を落札したコンサルタントに支払う第13ステップとを実行することを特徴とする。
本発明によれば、コンサルタントは、コンサルタント料を得ることができる。
【0012】
さらに、ユーザー用端末装置およびコンサルタント用端末装置は、インターネットプロバイダを利用して、あるいはユーザーが使用するLANを利用して、サーバーシステムにアクセスすることを特徴とする。
本発明によれば、インターネット事業者は、インターネット利用者の開拓ができる。
【0013】
さらに、ユーザー用端末装置は、ブラウザおよびグラフィカル・ユーザー・インターフェース、あるいはこれ以外の入力手段を備え、ブラウザおよびグラフィカル・ユーザー・インターフェース、あるいはこれ以外の入力手段を利用して、ユーザー提示条件の入力を行い、シミュレーション計算の結果の閲覧を行うことを特徴とする。
本発明によれは、ユーザーは、シミュレーションの依頼の入力を容易にすることができる。
【0014】
また、本発明にかかるシミュレーション計算サービス提供システムは、シミュレーション計算の条件を入力する入力手段と、この入力手段により入力されたシミュレーション計算条件をユーザー提示条件として送信する送信手段とを備えるユーザー用端末装置と、ユーザー提示条件に対するコンサルタントの入札条件を入力する入力手段と、この入札条件を送信する送信手段とを備えるコンサルタント用端末装置と、ユーザー提示条件と入札条件とを比較し、合致する入札条件を選択し、選択された入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを問い合わせるマッチング手段と、問い合わせの結果に応じて、シミュレーション計算を行うシミュレーション手段と、問い合わせを送信し、ユーザー提示条件、入札条件、問い合わせの回答の受信を行う受信手段とを備えるサーバーシステムとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ユーザーの有する課題を解決できるコンサルタントの選択ができる。
【0015】
さらに、ユーザー用端末装置およびコンサルタント用端末装置は、インターネットプロバイダ、あるいはユーザーが使用するLANを経由してサーバーシステムにアクセスすることを特徴とする。
本発明によれば、インターネット事業者は、インターネット利用者の開拓ができる。
【0016】
さらに、ユーザー用端末装置は、ブラウザおよびグラフィカル・ユーザー・インターフェース、あるいはこれ以外の入力手段を備え、ブラウザおよびグラフィカル・ユーザー・インターフェース上、あるいはこれ以外の入力手段により、ユーザー提示条件の入力を行い、シミュレーション結果の閲覧を行うことを特徴とする。
本発明によれは、ユーザーは、シミュレーションの依頼の入力を容易にすることができる。
【0017】
また、本発明にかかるサーバーシステムは、シミュレーション条件からなるユーザー提示条件と、このユーザー提示条件に対するコンサルタントの入札条件とを比較し、合致する入札条件を選択し、選択された入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを問い合わせるマッチング手段と、問い合わせの結果に応じて、シミュレーション計算を行うシミュレーション手段と、問い合わせを送信し、ユーザー提示条件と、入札条件と、問い合わせに対する回答を受信する送受信手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ユーザーの有する課題を解決できるコンサルタントの選択ができる。
【0018】
さらに、ユーザー提示条件に基づいてシミュレーション計算にかかる価格の見積もりを行い、この価格の見積もりの結果をユーザー用端末装置に送信し、シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせる価格見積手段を備えることを特徴とする。
また、コンサルタントが、ユーザー提示条件に基づいて一定期間内に質問および個別提案、個別見積を出し、逆にユーザーがその質問に回答し、個別提案、個別見積の内容に対して質問することができ、その後ユーザーがユーザー提示条件を変更することができるようにしてもよい。
本発明によれば、ユーザーは、シミュレーション計算にかかる価格を予め知ることができ、この価格を参照し、シミュレーションを行うか否かを判断することができる。
【0019】
さらに、ユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積およびシミュレーション手段の演算能力に対する計算可否の判定を行い、この価格の見積もりの結果および判定の結果をユーザー用端末装置に送信し、シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせる見積手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、試験的に本システムを利用することができる。
【0020】
さらに、ユーザー提示条件には、シミュレーションの計算を行うコンサルタントの技術能力を識別するためのランクを含むことを特徴とする。
本発明によれば、ユーザーは、シミュレーションを依頼する場合に、必要な技術能力を有するコンサルタントを指定することができる。
【0021】
さらに、ユーザー提示条件には、シミュレーション計算の条件における優先度を指定する項目を有し、マッチング手段は、ユーザー提示条件において指定された優先度に基づいて、合致する条件を選択することを特徴とする。
本発明によれば、ユーザーが指定する優先項目に基づいて、コンサルタントを選択することができる。
【0022】
さらに、シミュレーション計算に対して課金する課金手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、コンサルタントは、コンサルタント料を得ることができる。
【0023】
さらに、問い合わせ、ユーザー提示条件、入札条件、問い合わせに対する回答を暗号化する暗号化手段を備えることを特徴とする。
【0024】
さらに、非会員のユーザーに対して、試験的にシミュレーション計算を行う試験計算手段を備え、この試験計算手段は、見積部に、ユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりおよび試験的にシミュレーション計算を行う場合の所定のシミュレーション手段の演算能力に対する計算可否の判定を行わせ、この価格の見積もりの結果および判定の結果をユーザー用端末装置に送信させ、シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせ、シミュレーション計算手段に、問い合わせの回答にしたがって、シミュレーション計算を行わせることを特徴とする。
本発明によれば、非会員ユーザーは、試験的に本シミュレーション計算サービス提供システムを利用できる。
【0025】
また、本発明にかかるシミュレーション計算サービス提供プログラムおよびシミュレーション計算サービス提供プログラムを記憶した記憶媒体は、シミュレーション条件からなるユーザー提示条件に基づいてシミュレーション計算にかかる価格の見積もりを行い、この価格の見積もりの結果をユーザー用端末装置に送信し、シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせる価格見積手段と、ユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりおよび計算可否の判定を行い、この価格の見積もりの結果および判定の結果をユーザー用端末装置に送信し、シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせる見積手段と、ユーザー提示条件と、このユーザー提示条件に対するコンサルタントの入札条件とを比較し、合致する入札条件を選択し、選択された入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを問い合わせるマッチング手段と、マッチング手段における問い合わせの結果に応じて、シミュレーション計算を行うシミュレーション手段と、価格見積もり手段および見積もり手段における問い合わせを送信し、ユーザー提示条件と、入札条件と、価格見積もり手段および見積もり手段における問い合わせに対する回答を受信する送受信手段と、シミュレーション計算に対して課金する課金手段と、問い合わせ、ユーザー提示条件、入札条件、問い合わせに対する回答を暗号化する暗号化手段と、非会員のユーザーに対して、試験的にシミュレーション計算を行う試験計算手段として、コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0027】
本発明の実施の形態にかかるシミュレーション計算サービス提供システムは、図1に示すように、ユーザー用端末装置5と、コンサルタント用端末装置7と、ユーザー管理装置2とシミュレーション解析装置3とコンサルタント管理装置4とから構成されるサーバーシステム1とを備える。
【0028】
ユーザー用端末装置5は、送受信部と操作部と記憶部と表示部と制御部とを備える。
送受信部は、ネットワーク6、例えばインターネットを介して、サーバーシステム1と情報の送受信を行う。操作部は、入力されたユーザーの要求や指示を制御部に入力する。記憶部は、制御部用のプログラム、ブラウザ、ユーザー用端末装置5に搭載されている機能を実行させるプログラム等を記憶し、制御部との間で、データの入出力を行う。表示部は、例えばLCD等の表示装置により構成され、制御部に制御され、サーバーシステム1から受信したシミュレーション条件入力画面、シミュレーション計算結果など表示する。制御部は、例えば、プログラムによる制御により、ユーザー用端末装置5の各部を統括して制御する。
【0029】
ユーザー用端末装置5は、例えばパーソナルコンピューター(Personal Computer:PC)、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)であり、例えばパーソナルコンピュータである場合、このパーソナルコンピュータの記憶部に格納されたブラウザ等を起動し、後述するユーザー管理装置2のアドレスを入力することにより、アクセスする。
【0030】
また、コンサルタント用端末装置7は、ユーザー用端末装置5と同様の端末装置であり、送受信部と操作部と記憶部と表示部と制御部とを備える。
送受信部は、ネットワーク6、例えばインターネットを介して、サーバーシステム1と情報の送受信を行う。操作部は、入力されたコンサルタントの要求や指示を制御部に入力する。記憶部は、制御部用のプログラム、ブラウザ、コンサルタント用端末装置7に搭載されている機能を実行させるプログラム等を記憶し、制御部との間で、データの入出力を行う。表示部は、例えばLCD等の表示装置により構成され、制御部に制御され、サーバーシステム1から受信した入札条件入力画面、シミュレーション計算結果など表示する。制御部は、例えば、プログラムによる制御により、コンサルタント用端末装置7の各部を統括して制御する。
コンサルタント用端末装置7は、ユーザー用端末装置5と同様に、例えばパーソナルコンピューター(Personal Computer:PC)、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)であり、例えばパーソナルコンピュータである場合、このパーソナルコンピュータの記憶部に備えられたブラウザ等を起動し、後述するコンサルタント管理装置4のアドレスを入力することにより、アクセスする。
【0031】
次に、サーバーシステム1について説明する。サーバーシステム1は、ユーザー管理装置2と、シミュレーション解析装置3と、コンサルタント管理装置4とから構成される。
まず、ユーザー管理装置2について説明する。
ユーザー管理装置2は、通信IF部2−1と、送受信部2−2と、認証・登録部2−3と、ユーザーDB(データベース)2−4と、情報管理部2−5と、記憶部2−6と、計算部2−7と、見積部2−8と、課金部2−9と、図示しない暗号部とを備える。
【0032】
通信IF部2−1は、ネットワーク6、例えばインターネットを介してユーザー用端末装置5とデータの送受信を行うためのインターフェースである。この通信IF部2−1は、ネットワーク6上で、複数のユーザー用端末装置5と並列的に接続されている。
送受信部2−2は、ユーザー用端末装置5の接続要求に応じて、後述する認証
・登録部2−3、計算部2−7、試験計算部2−10とのデータの入出力を行う。例えば、ユーザー用端末装置5からの接続要求により、認証・登録部2−3に接続する。また、シミュレーション計算の条件と、このシミュレーション計算に関する要求項目などをユーザー提示条件として受信し、後述する計算部2−7または試験計算部2−10に入力する。また、見積部2−8から出力された価格の自動見積もりの結果を、後述する情報管理部2−5に入力する。また、計算部2−7から出力されたシミュレーション計算の結果を、情報管理部2−5に入力する。また、試験計算部2−10から出力されたシミュレーション試験計算の結果を、情報管理部2−5に入力する。
【0033】
認証・登録部2−3は、認証部と登録部とを備える。
認証部は、会員登録済のユーザーに対して、少なくともシステム登録ID(identification)、パスワードを入力させることにより会員認証を行い、会員認証により利用を許可するユーザーに対して、利用を許可する旨のメッセージを送信する。また、利用を許可されたユーザーの要求に応じて、応用ソフトウエア情報、この応用ソフトウエアを使用する場合に必要なデータの入力情報などをユーザー用端末装置5に送信する。
【0034】
登録部は、会員として登録を受けたいユーザーおよび非会員のユーザーで試験的に本システムを使用したい場合にユーザー登録を行う。
ユーザーDB(データベース)2−4は、会員登録済みのユーザーの情報を記憶するデータベースである。ユーザーが、認証・登録画面において、システム登録IDとパスワードを入力すると、認証・登録部2−3は、認証処理を行い、このシステム登録IDとパスワードを入力したユーザーがこのシステムを利用可能であるか否かを判断する。
【0035】
情報管理部2−5は、見積部2−8から出力された価格の見積もりの結果および計算部2−7から出力されたシミュレーション計算の結果を後述する記憶部2−6に登録し、ユーザー用端末装置5からのアクセス要求により、要求された情報の応答信号を送信する。
記憶部2−6は、情報管理部2−5から入力されたユーザー提示条件およびシミュレーション計算の結果等を記憶する。
【0036】
計算部2−7は、シミュレーション計算を行う場合の制御を行う。ユーザーが指定したユーザー提示条件等を後述する見積部2−8に入力する。また、後述するシミュレーション解析装置3から出力されたシミュレーション結果を受信する。
見積部2−8は、計算部2−7から出力されたユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりを行う。また、後述するが、ユーザーが試験的に本シミュレーション計算サービス提供システムを使用する場合について、このシミュレーション計算が本システムの処理能力(演算能力)の上限値を超えているか否かの判断を行う。
【0037】
課金部2−9は、本システムを使用する使用料を課金する。例えば、本システムを利用するユーザーに対する課金を行う。
試験計算部2−10は、シミュレーション試験計算を行う場合の制御を行う。ユーザーが指定したユーザー提示条件等を見積部2−8に入力する。また、後述するシミュレーション解析装置3から出力されたシミュレーション計算の結果を、送受信部2−2に入力する。
また、暗号化手段は、問い合わせ、ユーザー提示条件、入札条件、問い合わせに対する回答など、送受信される情報の暗号化を行う。
【0038】
次に、シミュレーション解析装置について説明する。
シミュレーション解析装置3は、マッチング部3−1と、シミュレーション部3−2と、シミュレーション結果解析部3−3とを備える。
マッチング部3−1は、見積部2−8から受信したユーザー提示条件と、このユーザー提示条件を参照したコンサルタントが指定した入札条件とを比較し、合致する(マッチングする)入札条件を選択し、この入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを、ユーザー用端末装置5に問い合わせる。この問い合わせの回答が可の場合には、この合致したシミュレーション計算の条件をシミュレーション部に入力する。
【0039】
シミュレーション部3−2は、1または複数の計算機を備える計算機群と、1または複数のソフトウエアを備える応用ソフトウエア群とから構成される。
シミュレーション部は、これらの計算機群のハードウエアと応用ソフトウエア群の応用ソフトウエアを使用し、マッチング部3−1から入力された条件により、シミュレーション計算を行い、シミュレーション計算の結果を、シミュレーション結果解析部3−3に入力する。
例えば、計算機群は、公共機関、例えば国などが用意するか、あるいはシミュレーションを利用したビジネスを行おうとする一または複数の企業から構成される共同体により用意されるようにしてもよい。また、その運営はコンサルタント、もしくはユーザーが支払う計算機使用料により行われるようにしてもよい。また、応用ソフトウエア群は、シミュレーションの専門家やIT事業者から提供されるか、あるいは開発されたシミュレーション技術あるいはソフトウエアを普及させ有効性を実証するために提供されるようにしてもよい。この場合、金銭的な対価を本システムを運営する事業者から支払われるようにしてもよい。
【0040】
シミュレーション結果解析部3−3は、シミュレーション部3−2から出力されたシミュレーション計算の結果を一旦蓄積し、このシミュレーション計算の結果のコピーを、後述するコンサルタント管理装置4に送信する。
また、そのシミュレーション計算の結果を参照したコンサルタントが付加する解析結果などの知的付加価値情報を受信し、シミュレーション計算の結果とともにユーザー用端末装置5に送信する。
【0041】
次に、コンサルタント管理装置4について説明する。
コンサルタント管理装置4は、通信IF部4−1と、送受信部4−2と、認証・登録部4−3と、コンサルタントDB4−4と、情報管理部4−5と、記憶部4−6と、入金部4−7とを備える。
通信IF部4−1は、ネットワーク6、例えばインターネットを介してコンサルタント用端末装置7とデータの送受信を行うためのインターフェースである。この通信IF部4−1は、ネットワーク6上で、複数のコンサルタント用端末装置7と並列的に接続されている。
【0042】
送受信部4−2は、コンサルタント用端末装置7の要求に応じて、後述する認証・登録部4−3、マッチング部3−1、シミュレーション結果解析部3−3とのデータの入出力を行う。例えば、コンサルタント用端末装置7からの接続要求により、認証・登録部4−3に接続する。また、マッチング部3−1からユーザー提示条件を受信し、後述する情報管理部4−5に入力する。また、シミュレーション結果解析部3−3からシミュレーション計算の結果を受信しコンサルタント用端末装置7へ送信する。また、コンサルタント用端末装置7から、知的付加価値情報を受信し、シミュレーション結果解析部3−3に送信する。
また、シミュレーション部3−2に対して、新規アプリケーションソフトの登録、アプリケーションソフトの変更、バージョンアップ等を行う。
【0043】
認証・登録部4−3は、認証部と登録部とを備える。
認証部は、会員登録済のコンサルタントに対して、少なくともシステム登録ID(identification)、パスワードを入力させることにより会員認証を行い、会員認証により利用を許可するコンサルタントに対して、利用を許可する旨のメッセージを送信する。
【0044】
登録部は、非会員のコンサルタントが、本システムを使用する場合の登録を行う。
コンサルタントDB(データベース)4−4は、会員登録済みのコンサルタント情報を記憶するデータベースである。コンサルタントが、認証・登録画面において、システム登録IDとパスワードを入力すると、認証・登録部2−3は、認証処理を行い、このシステム登録IDとパスワードを入力したコンサルタントが利用可能であるか否かを判断する。
情報管理部4−5は、マッチング部3−1から出力されたユーザー提示条件およびシミュレーション結果解析部3−3から出力されたシミュレーション計算の結果を後述する記憶部4−6に記憶し、コンサルタント用端末装置7からのアクセス要求により、要求された情報の応答信号を送信する。
【0045】
記憶部4−6は、情報管理部4−5から入力されたユーザー提示条件およびシミュレーション計算の結果等を記憶する。
入金部4−7は、コンサルタントに対する報酬の入金を行う。例えば、本システムを運営する運営事業体により、ユーザーにより支払われた金額から手数料を差し引いた金額が、報酬金額として入金される。
【0046】
次に、実施の形態にかかるサーバーシステム1の構成について説明する。
サーバーシステム1の構成は、図2に示すように、入出力装置8と、表示装置9と、ドライブ装置10と、記憶媒体11と、補助記憶装置12と、メモリ装置13と、演算処理装置14と、データベース(DB)15と、IF装置16とにより構成される。また、インターフェース(IF)装置16は、ネットワーク6を介して、ユーザー用端末装置5、コンサルタント用端末装置7等に接続される。
【0047】
入出力装置8は、サーバーシステム1の管理者が操作するキーボードおよびマウスなどで構成され、サーバーシステム1に各種操作信号を入力するために用いられる。
表示装置9は、サーバーシステム1を操作するのに必要な各種ウインドウやデータ等を表示する。
インターフェース装置16は、サーバーシステム1をネットワーク6に接続するためのインターフェースであり、例えばモデムなどで構成される。
データベース15は、例えばユーザーDB2−4、コンサルタントDB4−4等を含むように構成される。
【0048】
シミュレーション計算サービス提供システムに関するシミュレーション計算サービス提供プログラムは、ソフトウエアパッケージ、例えばCD−ROM、ROM、RAM、フレキシブルディスク、メモリカードなどの情報記憶媒体11によって提供される。シミュレーション計算サービス提供プログラムを記憶した記憶媒体11は、ドライブ装置10にセットされ、プログラムが記憶媒体11からドライブ装置10を介して補助記憶装置12にインストールされる。
補助記憶装置12は、インストールされたシミュレーション計算サービス提供プログラムを格納するとともに、必要なファイル、データ等を格納する。
メモリ装置13は、サーバーシステムの起動時に補助記憶装置12からシミュレーション計算サービス提供プログラムを読み出し、格納する。
また、シミュレーション計算サービス提供プログラムは、電気通信によって、例えばサーバによって、提供されるものであってもよい。
演算処理装置14は、メモリ装置13に読み出され格納されたシミュレーション計算サービス提供プログラムにしたがって、シミュレーション計算サービス提供システムにかかる処理を実行する。
【0049】
次に、図3を参照して、実施の形態にかかるシミュレーション計算サービス提供システムの処理について説明する。
ユーザーは、ユーザー用端末装置5を操作し、記憶部に格納されたブラウザ等を起動することにより、ユーザー管理装置2に、ネットワーク6を経由してアクセスする。
ユーザー管理装置2の認証・登録部2−3では、アクセスしてきたユーザーがユーザー登録を行っているか否かを確認する(S301)。
ユーザー登録が済んでいない場合には、ユーザー登録する旨が通知され(S302)、ユーザー登録が行われる(S303)。
【0050】
ユーザー登録済の場合には、ユーザー認証のための画面が表示され、ユーザーは、ユーザーIDとパスワードを入力し、認証処理を経て、ログインする(S304)。
認証処理の結果、利用が許可されれば、アクセスしているユーザー用端末装置5の表示部には、シミュレーション条件およびシミュレーション計算に関する要求項目を入力する画面が表示され、ユーザーは希望のシミュレーション計算の条件および要求項目を入力する。
例えば、シミュレーション計算の条件およびシミュレーション計算に関する要求項目を入力するためのエディットボックスと、「送信」と記載されたコマンドボタンが表示され、このエディットボックスの空欄に、シミュレーション計算の条件および要求項目を入力し、入力が終わったら「送信」ボタンを、例えばマウスを用いてクリックすることにより、ユーザー管理装置2に送信されるようにしてもよい。
【0051】
送信されたシミュレーション条件および要求項目は、ユーザー提示条件として、送受信部2−2で受信され(S305)、送受信部2−2により受信されたユーザー提示条件は、計算部2−7に入力され、計算部2−7から見積部2−8に入力される。 見積部2−8では、入力されたユーザー提示条件に基づいて、シミュレーションにかかる価格の見積もりが自動的に行われる(S306)。その結果は、送受信部2−2に入力され、送受信部は入力された価格の見積もりの結果を、情報管理部2−5に入力し、情報管理部2−5は、入力された価格の見積もりの結果を記憶部2−6に登録し、提示する(S307)。ユーザー用端末装置5は、情報管理部2−5にアクセスすることにより、価格の見積もりの結果を参照できる。
【0052】
ユーザーは、価格の見積もりの結果を参照し、シミュレーション計算を継続するか、あるいはシミュレーション計算を行わずにシステムを終了するかの検討を行い、さらに、シミュレーション計算を継続する場合には、現状の条件により行うか、あるいはシミュレーション計算の条件の再検討を行い、検討結果を送信する。例えば、シミュレーション条件入力画面が再度表示され、シミュレーション条件を再入力することにより行うようにしてもよい。
【0053】
ユーザー用端末装置5により送信された検討結果は、ユーザー管理装置2の送受信部2−2で受信される(S308)。
この検討結果が、シミュレーション計算の継続である場合(S309)、シミュレーション計算の条件は、送受信部2−2から見積部2−8へ計算部2−7を経由して入力される。
送信された検討結果が、シミュレーション計算を行わない場合には、システムを終了する(S309)。
見積部2−8では、再入力されたユーザー提示条件に基づいて、価格の見積もりが再度行われる。その結果は、ユーザー提示条件とともに、シミュレーション解析装置3のマッチング部3−1に送信される(S310)。
【0054】
マッチング部3−1に送信されたユーザー提示条件と価格の見積もりの結果は、コンサルタント管理装置4の送受信部4−2に送信される。ユーザー提示条件と価格の見積もりの結果を受信した送受信部4−2は、これらのユーザー提示条件と価格の見積もりの結果を情報管理部4−5に入力する。情報管理部4−5は、入力されたユーザー提示条件と価格の自動見積もりの結果を記憶部4−6に登録する。
【0055】
一方、単独もしくは複数のコンサルタントは、コンサルタント管理装置4に、ネットワーク6を介して接続されたコンサルタント用端末装置7を操作し、記憶部に格納されたブラウザを起動することにより、コンサルタント管理装置4にアクセスする。認証・登録部4−3では、アクセスしてきたコンサルタントがコンサルタント登録を行っているか否かを確認する。
コンサルタント登録が済んでいない場合には、登録部により、コンサルタント登録する旨が通知され、コンサルタント登録が行われる。
また、ユーザーによる案件提示の有無は、電子メール等により自動的に登録の済んでいるコンサルタントに通知されるか、ホームページ上等で一般に公開されるかしてもよい。
【0056】
コンサルタント登録済の場合には、ユーザー認証のための画面が表示され、コンサルタントは、コンサルタントIDとパスワードを入力しログインする。
認証処理の結果、利用が許可されれば、送受信部4−2は情報管理部4−5にアクセスする。その結果、コンサルタント用端末装置7の表示画面には、ユーザー提示条件と価格の自動見積もりの結果の一覧が表示される。コンサルタントは、ユーザー提示条件と価格の自動見積もりの結果の一覧からコンサルティングを行うユーザー提示条件および価格の自動見積もりの結果を選択し、この選択したユーザー提示条件および価格の自動見積もりの結果を基に入札条件を入力し送信する。
【0057】
コンサルタント用端末装置7から送信された入札条件は、コンサルタント管理装置4の送受信部4−2で受信され(S311)、シミュレーション解析装置3のマッチング部3−1に送信される。
【0058】
マッチング部3−1では、ユーザー提示条件と入札条件とを比較し、合致する(マッチングする)入札条件を選択し、この選択された入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを、ユーザー用端末装置5に問い合わせる。
この問い合わせの回答が可の場合には(S312)、この合致したユーザー提示条件のうちシミュレーション計算の条件をシミュレーション部に入力する(S313)。
【0059】
シミュレーション部3−2では、入力されたシミュレーション計算の条件により、シミュレーション計算が自動的に行われる(S314)。
シミュレーション計算の結果は、シミュレーション結果解析部3−3に入力され、一時的に蓄積される(S315)。また、シミュレーション計算の結果のコピーは、シミュレーション計算を請け負った(落札した)コンサルタントへコンサルタント用端末装置7を介して通知される(S316)。
【0060】
コンサルタントは、通知されたシミュレーション計算の結果を参照して、解析結果や結果の解釈などの知的付加価値情報を付与し、シミュレーション結果解析部3−3に返信する。
シミュレーション結果解析部3−3は、知的付加価値情報を受信すると(S317)、一時的にシミュレーション結果解析部3−3に蓄積し(S318)、この受信した知的付加価値情報とシミュレーション計算の結果とを、ユーザー用端末装置5に送信する(S319)。
【0061】
次に、ユーザーが試験的に本シミュレーション計算サービス提供システムを使用する場合について、図4を参照して説明する。
ユーザーは、ユーザー用端末装置5を操作し、記憶部に格納されたブラウザ等を起動することにより、ユーザー管理装置2に、ネットワーク6を経由してアクセスする。
ユーザー管理装置2の認証・登録部2−3では、アクセスしてきたユーザーのユーザー登録を行う(S401)。
また、ユーザー登録を行った後に、ユーザー認証を行うようにしてもよい(S402)。
認証処理の結果、利用が許可されれば、アクセスしているユーザー用端末装置5の表示部には、シミュレーション条件およびシミュレーション計算に関する要求項目を入力する画面が表示され、ユーザーは希望のシミュレーション計算の条件および要求項目を入力する。
【0062】
例えば、シミュレーション計算の条件およびシミュレーション計算に関する要求項目を入力するためのエディットボックスと、「送信」と記載されたコマンドボタンが表示され、このエディットボックスの空欄に、シミュレーション計算の条件および要求項目を入力し、入力が終わったら「送信」ボタンを、例えばマウスを用いてクリックすることにより、ユーザー管理装置に送信されるようにしてもよい。
【0063】
送信されたシミュレーション条件および要求項目は、ユーザー提示条件として、送受信部2−2で受信され(S403)、送受信部2−2により受信されたユーザー提示条件は、試験計算部2−10に入力され、試験計算部2−10から見積部2−8に入力される。見積部2−8では、入力されたユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりを行うとともに、このシミュレーション計算が本システムの処理能力(演算能力)の上限値を超えているか否かの判断が行われる(S404)。その結果は、送受信部2−2に入力され、送受信部は入力された見積もり結果を、情報管理部2−5に入力する。情報管理部2−5は、入力された見積もり結果を記憶部2−6に蓄積する(S405)。ユーザーは、ユーザー用端末装置5を操作し、情報管理部2−5にアクセスすることにより、見積もり結果を参照できる。
【0064】
ユーザーは、見積もり結果を参照し、シミュレーション試験計算を継続するか、あるいはシミュレーション試験計算を行わずにシステムを終了するかの検討を行い、さらに、シミュレーション試験計算を継続する場合には、現状の条件により行うか、あるいはシミュレーション試験計算の条件の再検討を行い、検討結果を送信する。例えば、シミュレーション条件入力画面が再度表示され、シミュレーション条件を再入力することにより行うようにしてもよい。
【0065】
ユーザー用端末装置5により送信された検討結果は、ユーザー管理装置2の送受信部2−2で受信される(S406)。
この検討結果が、シミュレーション試験計算の継続である場合(S407)、シミュレーション試験計算の条件は、送受信部2−2から見積部2−8へ試験計算部2−10を経由して入力される。
送信された検討結果が、シミュレーション試験計算を行わない場合には、システムを終了する(S407)。
【0066】
見積部2−8では、再入力されたユーザー提示条件に基づいて、価格の自動見積もりおよびこのシミュレーション試験計算が本システムの処理能力の上限値を超えているか否かの判断が行われる(S408)。シミュレーション試験計算が、本システムの処理能力の上限値を超えており、試験計算ができない場合には、システムを終了する(S408)。
シミュレーション試験計算が、本システムの処理能力の限度内であり、試験計算ができる場合には、シミュレーション計算の条件が、シミュレーション部3−2に入力される(S409)。
【0067】
シミュレーション部3−2では、入力されたシミュレーション計算の条件により、シミュレーション計算が自動的に行われる(S410)。
シミュレーション計算の結果は、シミュレーション結果解析部3−3に入力され、一時的に蓄積される(S411)。また、シミュレーション計算の結果のコピーは、シミュレーション計算を請け負ったコンサルタントへコンサルタント用端末装置7を介して通知される(S412)。
【0068】
コンサルタントは、通知されたシミュレーション計算の結果を参照して、解析結果や結果の解釈などの知的付加価値情報を付与し、シミュレーション結果解析部3−3に返信する。
シミュレーション結果解析部3−3は、知的付加価値情報を受信すると(S413)、一時的にシミュレーション結果解析部3−3に蓄積し(S414)、この受信した知的付加価値情報とシミュレーション計算の結果とを、ユーザー用端末装置5に送信する(S415)。
【0069】
次に、上述したシミュレーション計算サービス提供システムを利用して、創薬分野で有効な、標的蛋白質の機能制御を行う場合に、薬剤候補となる分子の結合する標的蛋白の部位、また各々の部位との結合性の相違についての情報収集を行う場合の例を、図5から図8を参照して説明する。
ユーザーは、ユーザー用端末装置5を操作し、記憶部に格納されたブラウザ等を起動し、例えばブラウザ上で、ユーザー管理装置2のアドレスを指定することにより、ユーザー管理装置2に、ネットワーク6、例えばインターネットを介してアクセスする。
ユーザー管理装置2の認証・登録部2−3では、アクセスしてきたユーザーがユーザー登録を行っているか否かを確認する(S501)。
ユーザー登録が済んでいない場合には、ユーザー登録する旨が通知され、ユーザー登録が行われる(S502)。ユーザー登録に課金を行うようにしてもよい。
【0070】
ユーザー登録済の場合には、ユーザー認証のための画面が表示され、ユーザーは、ユーザーIDとパスワードを入力しログインする(S503)。
認証処理の結果、利用が許可されれば、アクセスしているユーザー用端末装置5の表示部には、シミュレーション計算の条件およびシミュレーション計算に関する要求項目を入力する画面が表示され、ユーザーは希望のシミュレーション計算の条件およびシミュレーション計算に関する要求項目を入力する。
【0071】
【表1】
【0072】
例えば、分子結合シミュレーション(Docking Simulation)におけるシミュレーション計算の条件およびシミュレーション計算に関する要求項目は、表1に示すように、シミュレーション計算の内容、計算対象となる分子に関する情報、納期、価格、優先項目、ランクからなる。この要求項目は、必要に応じて本システムの管理者あるいはユーザーが追加・変更を行うことができる。
シミュレーション計算の内容は、3次元立体構造予測計算(立体構造)、3次元立体構造予測計算とエネルギー計算(Energy)、例えば静電ポテンシャル計算等の物理量(Property)計算、分子結合シミュレーション(Docking Simulation)である。さらに、分子結合シミュレーションを行う場合には、蛋白質分子の結合サイト候補の何箇所に対してDocking Simulationを行うのかを指定する。
【0073】
また、計算対象となる分子に関する情報は、アミノ酸残基数、原子数、組成、立体構造情報、配列情報、ホモロジー、Binding siteである。
例えば、組成ではアミノ酸で構成されているのか否かを指定し、立体構造情報では3次元立体構造は既知か否かを指定し、配列情報では配列情報は既知か否かを指定し、ホモロジーでは相同性(ホモロジ−)の有無は既知か否かを指定し、Binding siteでは結合サイトは既知か否かあるいは計算を行う結合サイトの候補は何箇所なのかを指定する。これらの指定は、標的分子と基質分子のそれぞれに対して行う。
【0074】
優先項目は、このユーザー提示条件と、このユーザー提示条件を参照したコンサルタントが指定した入札条件とを比較し、合致する(マッチングする)入札条件を選択する場合に、優先する項目であり、この優先項目としては、ユーザー提示条件において、指定を行った項目、ここでは納期、価格、シミュレーション計算の内容である。
ランクは、コンサルタントの技術能力を識別するための指標であり、コンサルタントの登録を行う場合に付与される。例えば、このランクは、コンサルタントの技術能力の高い順にA、B、Cと指定され、本システムでの実績に応じて変化する。
【0075】
実施の形態においては、納期の単位を日で、価格の単位を千円で指定し、また立体構造、Property、Energy、DockingをYESまたはNoで指定し、立体構造情報、配列情報、ホモロジー、Binding siteをKNOWNまたはUNKNOWNで指定する。
また、Binding siteについては、Docking計算を行う結合サイト数を指定する。指定する場合には、UNKNOWNの場合には計算したいサイト数を、KNOWNの場合には既知のサイト数を指定する。
【0076】
表1に示したユーザー提示条件においては、納期は30日、価格は200千円、シミュレーション計算の内容は3次元立体構造予測計算、エネルギー計算(Energy)、物理量(Property)、分子結合シミュレーション(Docking Simulation)は標的分子および基質分子の両方ともにYES、優先項目は納期である。
また、計算対象となる分子に対する情報として、標的分子について、アミノ酸残基数は100、原子数は1500、組成はamino acid、立体構造情報はUNKNOWN、配列情報はUNKNOWN、ホモロジーはUNKNOWN、Binding siteはUNKNOWNであり、基質分子について、原子数は60、組成はorganic、立体構造情報はUNKNOWN、計算したいサイト数は10である。
【0077】
送信されたシミュレーション計算の条件および要求項目は、ユーザー提示条件として、送受信部2−2で受信され(S504)、送受信部2−2により受信されたユーザー提示条件は、計算部2−7に入力され、計算部2−7から見積部2−8に入力される。
見積部2−8では、入力されたユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりが自動的に行われる(S505)。価格見積部2−8では、入力されたユーザー提示条件に基づいて、相同性検索(ホモロジーサーチ)や分子軌道法・分子動力学法などの分子シミュレーションの方法により計算時間の概算が行われる。また、計算内容に応じた価格を自動的に概算する。例えば、価格は、見積もられるCPU処理時間、例えば見積もられた計算時間と計算内容の高度さに応じて予め規定された点数により自動的に算出される。
【0078】
価格の見積もりの結果は、ユーザー提示条件により指定された優先項目に基づいて、複数提示される。この場合、ユーザー提示条件により指定された優先項目以外の項目についてはユーザーの希望とは必ずしも一致しない条件を含めて、複数の見積もり条件をユーザーに提示する。
【0079】
【表2】
【0080】
例えば、価格の見積もりの結果は、表2に示すように、納期、価格、シミュレーション計算の内容、Binding siteからなる。
納期については、表1のユーザー提示条件において、指定された優先項目は30日の納期であるので、30日の納期を満たす価格の見積もりが表示される。
価格、シミュレーション計算の内容、Binding siteについては、優先項目に指定されていないので、ユーザー提示条件を満たさない条件も表示される。
ここで、価格の見積もりは、表1に示したユーザー提示条件に示した各項目を予め点数化し、それらを合計することにより計算される。
【0081】
この価格の見積もりの結果は、送受信部2−2に入力される。送受信部2−2は入力された価格の見積もりの結果を、情報管理部2−5に入力し、情報管理部2−5は、入力された価格の見積もりの結果を記憶部2−6に蓄積する(S506)。ユーザーは、ユーザー用端末装置5を操作し、情報管理部2−5にアクセスすることにより、価格の見積もりの結果を参照できる。
【0082】
ユーザーは、価格の見積もりの結果を参照し、シミュレーション計算を継続するか、あるいはシミュレーション計算を行わずにシステムを終了するかの検討を行い、さらに、シミュレーション計算を継続する場合には、現状の条件により行うか、あるいはシミュレーション計算の条件の再検討を行い、検討結果を送信する。
ユーザー用端末装置5により送信された検討結果は、ユーザー管理装置2の送受信部2−2で受信される(S507)。
【0083】
この検討結果が、シミュレーション計算の継続である場合(S508)、ユーザー提示条件は、送受信部2−2から見積部2−8へ計算部2−7を経由して入力される。見積部2−8では、再入力されたユーザー提示条件に基づいて、価格の見積もりが再度行われる。その結果は、ユーザー提示条件とともに、シミュレーション解析装置3のマッチング部3−1に送信される(S509)。
送信された検討結果が、シミュレーション計算を行わない場合には、システムを終了する(S508)。
【0084】
【表3】
【0085】
例えば、ユーザーが見積もりの結果を参照して、ユーザー提示条件を、図3に示すように、変更した場合、変更された条件がマッチング部に送信される。ここでは、価格を200千円から400千円に、Binding siteをUNKNOWNからKNOWNに変更し既知のサイト数を10とし、コンサルタントのランクをA以上と指定した。
【0086】
マッチング部3−1に送信されたユーザー提示条件と価格の見積もりの結果は、コンサルタント管理装置4の送受信部4−2に送信される。ユーザー提示条件と価格の見積もりの結果を受信した送受信部4−2は、これらのユーザー提示条件と価格の自動見積もりの結果を情報管理部4−5に入力する。情報管理部4−5は、入力されたユーザー提示条件と価格の見積もりの結果を記憶部4−6に記憶する。
【0087】
コンサルタントは、コンサルタント管理装置4にアクセスすることにより、ユーザー提示条件と価格の自動見積もりの結果の一覧を参照する。
コンサルタントは、ユーザー提示条件と価格の自動見積もりの結果の一覧から、コンサルティングを行うユーザー提示条件および価格の見積もりの結果を選択し、この選択したユーザー提示条件および価格の自動見積もりの結果を基にして、入札条件を入力し送信する。
コンサルタント用端末装置7から送信された入札条件はコンサルタント管理装置4の送受信部4−2で受信され、シミュレーション解析装置3のマッチング部3−1に送信される。
【0088】
【表4】
【0089】
例えば、コンサルタントからの入札条件は、表4に示すように、コンサルタント、納期、価格、ランク、Simulation methodから構成される。
コンサルタントの欄には、ユーザー提示条件を参照したコンサルタントのうち入札条件を送信したコンサルタントが表示される。
納期、価格、Simulation methodの欄には、コンサルタントが指定した納期と価格が表示される。
ランクは、コンサルタント自身が入力するようにしてもいいし、本システムにより自動的に表示するようにしてもよい。
この入札条件においては、ユーザー提示項目で指定された優先項目が納期であるため、この納期を満たす入札条件が、マッチング部に送信される。
例えば、ユーザー提示項目で指定された優先項目が価格である場合には、指定された価格を満たす入札条件が、マッチング部に送信される。
【0090】
マッチング部3−1は、入札条件を受信すると(S510)、ユーザー提示条件と受信した入札条件とを比較し、合致する(マッチングする)入札条件を選択し(S511)、この選択された入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを、ユーザー用端末装置5に問い合わせる(S512)。
【0091】
選択方法は、ユーザー提示条件で指定された優先項目(例えば、納期、価格、計算方法、ランク)の順に比較を行い、最適な条件を示したコンサルタントが落札する。優先項目が指定されていない場合には、納期、価格、計算方法、ランクの順で比較を行う。仮に条件が完全一致しない場合であっても、ユーザー提示の条件に最適な条件を選択する。合致する入札条件が無い場合には、システムを終了する(S511)。
【0092】
図3に示したユーザー提示条件および図4に示した入札条件を参照すると、ユーザー提示条件で指定された優先項目が納期であるので、納期、価格、計算方法、ランクの順に比較が行われる。
ユーザー提示条件で指定された納期が30日であるので、すべてのコンサルタントは条件を満たすが、価格の条件を満たすコンサルタントはA以外であり、さらに計算方法についての条件はないので、次いでランクの比較を行うと、条件を満たすコンサルタントはBとCとなる。
【0093】
マッチング部3−1は、ユーザー用端末装置5からの問い合わせの回答を受信すると(S513)、選択されたコンサルタントにシミュレーションの計算の委託を行う旨の回答であるか否かについての判断を行う(S514)。選択されたコンサルタントにシミュレーションの計算の委託を行う場合には、シミュレーション条件をシミュレーション部3−2に入力する(S515)。また、選択されたコンサルタントにシミュレーションの計算の委託を行わない旨の回答である場合にはシステムを終了する(S515)。
【0094】
シミュレーション部3−2では、シミュレーション計算の条件が入力されると、まず標的蛋白質の3次元立体構造をサーチする(S601)。
例えば、シミュレーション部3−2には、蛋白質立体構造情報DB(図示なし)、蛋白質配列構造DB(図示なし)、ホモロジー情報DB(図示無し)を備えており、蛋白質立体構造情報DBには蛋白質の立体構造の情報が蓄積され、蛋白質配列構造DBには蛋白質の配列構造の情報が蓄積され、ホモロジー情報DBには蛋白質のホモロジーの情報が蓄積されている。
【0095】
標的蛋白質の3次元立体構造のサーチは、まず、蛋白質立体構造情報DBを検索することにより行われる(S601)。検索の結果、標的蛋白質が蛋白質立体構造情報DBに存在する場合には、蛋白質3次元立体構造情報の取得を行う(S602)。
【0096】
標的蛋白質が蛋白質立体構造情報DBに存在しない場合には、標的蛋白質の配列情報をサーチする(S603)。標的蛋白質の配列情報をサーチは、蛋白質配列構造情報DBを検索することにより行われる。検索の結果、標的蛋白質の配列情報が蛋白質配列構造情報DBに存在する場合には、ホモロジー情報のサーチを行う。標的蛋白質の配列情報が蛋白質配列構造情報DBに存在しない場合には、システムを終了する(S603)。
【0097】
ホモロジー情報のサーチは、ホモロジー情報DBを検索することにより行われる(S604)。検索の結果、標的蛋白質の配列情報がホモロジーDBに存在する場合には、ホモロジーモデリング等の方法により3次元立体構造の推定が可能か否かの判断が行われる(S605)。標的蛋白質のホモロジー情報DBに存在しない場合には、システムを終了する(S604)。
3次元立体構造の推定ができる場合には、推定された蛋白質3次元立体構造情報を取得する(S602)。3次元立体構造の推定ができない場合には、システムを終了する。この場合、シミュレーション部3−2に備えられた計算機の性能が原因で計算できない場合には、その旨を通知するようにしてもよい。
【0098】
次に、薬剤候補となる分子の3次元立体構造のサーチについて説明する。
例えば、3次元立体構造情報が存在しない場合は、配列情報から推定するか、若しくは分子力学法、分子動力学法、分子軌道法を用いて推定を行う。
例えば、シミュレーション部3−2には、リガンド分子立体構造情報DB(図示なし)、リガンド分子の分子式DB(図示なし)を備えており、リガンド分子立体構造情報DBにはリガンド分子の立体構造の情報が蓄積され、リガンド分子の分子式DBにはリガンド分子の分子式の情報が蓄積されている。
【0099】
薬剤候補となる分子の3次元立体構造のサーチは、リガンド分子立体構造情報DBを検索することにより行われる(S701)。検索の結果、薬剤候補となる分子がリガンド分子立体構造情報DBに存在する場合には、リガンド分子3次元立体構造情報の取得を行う(S702)。
【0100】
薬剤候補となる分子がリガンド分子立体構造情報DBに存在しない場合には、薬剤候補となる分子の分子式をサーチする(S703)。薬剤候補となる分子の分子式のサーチは、リガンド分子の分子式DBを検索することにより行われる。検索の結果、薬剤候補となる分子の分子式がリガンド分子の分子式DBに存在する場合には、立体構造初期座標の生成を行う(S704)。薬剤候補となる分子の分子式がリガンド分子の分子式DBに存在しない場合には、システムを終了する。
立体構造初期座標が生成されると、コンフォメーション探索が行われ(S705)、必要となるコンフォメーションが抽出される(S706)。抽出されたコンフォメーションは精緻化され(S707)、3次元立体構造の推定ができる場合には、推定された薬剤候補となる分子の3次元立体構造情報を取得する(S702)。この場合、シミュレーション部3−2に備えられた計算機の性能が原因で計算できない場合には、その旨を通知するようにしてもよい。
【0101】
次に、上述した標的蛋白質と立体構造薬剤候補となる分子の3次元立体構造を初期値として、ユーザー提示条件のシミュレーション計算の内容に指定された項目についてシミュレーション計算を行う。
まず、マッチング部に送信されたユーザー提示条件のシミュレーション計算の内容の取得が行われる(S801)。
例えば、表3に示したマッチング部に送信されたユーザー提示条件では、各々の分子のエネルギー計算、Propertyの計算、Docking Simulationが行われる。
結合する部位に関する情報は、既知である場合あるいはユーザーが指定した場合にはユーザーが入力することにより得られ、未知である場合にはユーザーが指定する数だけ蛋白質上の結合部位をランダムに自動的に決めることにより得られる。
計算手法は、マッチングの際に決定された手法を用いる。
【0102】
まず、シミュレーション計算の内容の指定が行われているか否かの判断が行われる(S802)。分子軌道法によるエネルギー計算もドッキングシミュレーションも指定されていない場合にはシステムを終了する(S802)。
指定が行われている場合には、このシミュレーション計算の内容が分子軌道法によるエネルギー計算であるか否かの判断が行われる(S803)。
但し、分子軌道法によるエネルギー計算は指定されていないがドッキングシミュレーションが指定されている場合には、古典力学的ドッキングシミュレーションか、あるいはQMMMドッキングシミュレーションか、あるいは両方が直接実行される。
【0103】
分子軌道法によるエネルギー計算が指定されている場合には分子軌道法によりエネルギー計算が行われる(S804)。
次に、シミュレーション計算の内容に物理量計算が指定されているか否かの判断が行われる(S805)。物理量計算が指定されている場合には物理量計算が行われ(S807)、計算結果をシミュレーション結果解析部3−3に入力する(S808)。
物理量計算が指定されていない場合には、分子軌道法によるエネルギー計算の結果をシミュレーション解析部3−3に蓄積する(S806)。
【0104】
次に、シミュレーション計算の内容にドッキングシミュレーションが指定されているか否かの判断が行われる(S809)。
ドッキングシミュレーションが指定されている場合には、古典力学的ドッキングシミュレーション計算、QMMMドッキングシミュレーション、あるいは両方が行われ(S810〜S815)、ドッキングシミュレーションの結果が、シミュレーション解析部3−3に蓄積される(S812、S815)。
【0105】
シミュレーション解析部3−3では、シミュレーション計算の結果のコピーがシミュレーション計算を請け負ったコンサルタントへコンサルタント用端末装置7を介して通知される(S816)。
【0106】
コンサルタントは、通知されたシミュレーション計算の結果を参照して、解析結果や結果の解釈などの知的付加価値情報を付与し、シミュレーション結果解析部3−3に送信する。
シミュレーション結果解析部3−3は、知的付加価値情報を受信すると(S817)、一時的にシミュレーション結果解析部3−3に蓄積し(S818)、この受信した知的付加価値情報とシミュレーション計算の結果とを、ユーザー用端末装置5に送信する(S819)。
【0107】
次に、上述したシミュレーション計算サービス提供システムを利用して、創薬分野で有効な、標的蛋白質の機能制御を行う場合に、薬剤候補となる分子の結合する標的蛋白の部位、また各々の部位との結合性の相違についての情報収集を、非会員のユーザーが試験的に行う場合の例を、図9から図12を参照して説明する。
ユーザーは、ユーザー用端末装置5を操作し、記憶部に格納されたブラウザ等を起動し、例えばブラウザ上で、ユーザー管理装置2のアドレスを指定することにより、ユーザー管理装置2に、ネットワーク6を介してアクセスする。
ユーザー管理装置2の認証・登録部2−3では、アクセスしてきたユーザーがユーザー登録を行っているか否かを確認する。
ユーザー登録が済んでいない場合には、ユーザー登録する旨が通知され、ユーザー登録が行われる(S901)。ユーザー登録に課金を行うようにしてもよい。
ユーザー登録後に、ユーザー認証を行うようにしてもよい(S902)。
【0108】
認証処理の結果、利用が許可されれば、アクセスしているユーザー用端末装置5の表示部には、シミュレーション条件およびシミュレーション計算に関する要求項目を入力する画面が表示され(S903)、ユーザーは希望のシミュレーション計算の条件およびシミュレーション計算に関する要求項目を入力する。
例えば、分子結合シミュレーション(Docking Simulation)を利用する場合には、ユーザーは、表1に示したようなシミュレーション条件およびシミュレーション計算に関する要求項目をブラウザ等を用いて入力し、ユーザー管理装置2に送信する。上述したように、ユーザー提示条件は、シミュレーション計算の内容、計算対象となる分子に関する情報、納期、価格、優先項目からなる。ユーザー提示条件の項目は、必要に応じて追加・変更を行うことができる。
【0109】
送信されたシミュレーション条件および要求項目は、ユーザー提示条件として、送受信部2−2で受信され(S904)、送受信部2−2により受信されたユーザー提示条件は、計算部2−7に入力され、計算部2−7から見積部2−8に入力される。見積部2−8では、入力されたユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりが行われる(S905)。またこの計算は試験的な計算であるので、シミュレーション部3−1で行われるシミュレーション計算の計算規模や計算にかかる時間の上限を設けられており、上限を超える規模の計算が指定された場合は、ユーザーに上限値と、ユーザー提示条件が上限値を超過しているか旨の通知を行う(S906)。
見積もりの結果は、送受信部2−2に入力され、送受信部は入力された見積もり結果を、情報管理部2−5に入力し、情報管理部2−5は、入力された価格の見積もり結果を記憶部2−6に登録する(S906)。ユーザーは、ユーザー用端末装置5を操作し、情報管理部2−5にアクセスすることにより、見積もりの結果を参照できる。
【0110】
ユーザーは、見積もりの結果を参照し、シミュレーション計算を継続するか、あるいはシミュレーション計算を行わずにシステムを終了するかの検討を行い、さらに、シミュレーション計算を継続する場合には、現状の条件により行うか、あるいはシミュレーション計算の条件の再検討を行い、検討結果を送信する。
例えば、シミュレーション条件入力画面が再度表示され、シミュレーション条件を再入力することにより行うようにしてもよい。
【0111】
ユーザー用端末装置5により送信された検討結果は、ユーザー管理装置2の送受信部2−2で受信される(S908)。
この受信された検討結果が、シミュレーション試験計算の継続である場合、シミュレーション試験計算の条件は、送受信部2−2から見積部2−8へ試験計算部2−10を経由して入力される。
送信された検討結果が、シミュレーション試験計算を行わない場合には、システムを終了する(S908)。
【0112】
見積部2−8では、再入力されたユーザー提示条件に基づいて、見積もりおよびこのシミュレーション試験計算が本システムの処理能力の上限値を超えているか否かの判断が行われる。シミュレーション試験計算が、本システムの処理能力の上限値を超えており、試験計算ができない場合には、システムを終了する(S909)。
シミュレーション試験計算が、本システムの処理能力の限度内であり、試験計算ができる場合には、シミュレーション計算の条件が、シミュレーション部3−2に入力される(S910)。
【0113】
シミュレーション部3−2では、シミュレーション計算の条件が入力されると、まず標的蛋白質の3次元立体構造をサーチする(S1001)。
例えば、上述したようにシミュレーション部3−2には、蛋白質立体構造情報DB(図示なし)、蛋白質配列構造DB(図示なし)、ホモロジー情報DB(図示無し)を備えており、蛋白質立体構造情報DBには蛋白質の立体構造の情報が蓄積され、蛋白質配列構造DBには蛋白質の配列構造の情報が蓄積され、ホモロジー情報DBには蛋白質のホモロジーの情報が蓄積されている。
標的蛋白質の3次元立体構造のサーチは、蛋白質立体構造情報DBを検索することにより行われる(S1001)。検索の結果、標的蛋白質が蛋白質立体構造情報DBに存在する場合には、蛋白質3次元立体構造情報の取得を行う(S1002)。
【0114】
標的蛋白質が蛋白質立体構造情報DBに存在しない場合には、標的蛋白質の配列情報をサーチする(S1003)。標的蛋白質の配列情報をサーチは、蛋白質配列構造情報DBを検索することにより行われる。検索の結果、標的蛋白質の配列情報が蛋白質配列構造情報DBに存在する場合には、ホモロジー情報のサーチを行う。標的蛋白質の配列情報が蛋白質配列構造情報DBに存在しない場合には、システムを終了する(S1003)。
【0115】
ホモロジー情報のサーチは、ホモロジー情報DBを検索することにより行われる(S1004)。検索の結果、標的蛋白質の配列情報がホモロジーDBに存在する場合には、ホモロジーモデリング等の方法により3次元立体構造の推定が可能か否かの判断が行われる(S1005)。標的蛋白質のホモロジー情報DBに存在しない場合には、システムを終了する(S1004)。
3次元立体構造の推定ができる場合には、推定された蛋白質3次元立体構造情報を取得する(S1002)。3次元立体構造の推定ができない場合には、システムを終了する。この場合、シミュレーション部3−2に備えられた計算機の性能が原因で計算できない場合には、その旨を通知するようにしてもよい。
【0116】
次に、薬剤候補となる分子の3次元立体構造のサーチについて説明する。
例えば、3次元立体構造情報が存在しない場合は、配列情報から推定するか、若しくは分子力学法、分子動力学法、分子軌道法を用いて推定を行う。
例えば、シミュレーション部3−2には、リガンド分子立体構造情報DB(図示なし)、リガンド分子の分子式DB(図示なし)を備えており、リガンド分子立体構造情報DBにはリガンド分子の立体構造の情報が蓄積され、リガンド分子の分子式DBにはリガンド分子の分子式の情報が蓄積されている。
【0117】
薬剤候補となる分子の3次元立体構造のサーチは、リガンド分子立体構造情報DBを検索することにより行われる(S1101)。検索の結果、薬剤候補となる分子がリガンド分子立体構造情報DBに存在する場合には、リガンド分子3次元立体構造情報の取得を行う(S1102)。
【0118】
薬剤候補となる分子がリガンド分子立体構造情報DBに存在しない場合には、薬剤候補となる分子の分子式をサーチする(S1103)。薬剤候補となる分子の分子式のサーチは、リガンド分子の分子式DBを検索することにより行われる。検索の結果、薬剤候補となる分子の分子式がリガンド分子の分子式DBに存在する場合には、立体構造初期座標の生成を行う(S1104)。薬剤候補となる分子の分子式がリガンド分子の分子式DBに存在しない場合には、システムを終了する。
【0119】
立体構造初期座標が生成されると、分子力学法や分子動力学法等によりコンフォメーション探索が行われ(S1105)、必要となるコンフォメーションが抽出される(S1106)。抽出されたコンフォメーションは、分子軌道法等により精緻化され(S1107)、3次元立体構造の推定ができる場合には、推定された薬剤候補となる分子の3次元立体構造情報を取得する(S1102)。この場合、シミュレーション部3−2に備えられた計算機の性能が原因で計算できない場合には、その旨を通知するようにしてもよい。
【0120】
次に、上述した標的蛋白質と立体構造薬剤候補となる分子の3次元立体構造を初期値として、ユーザー提示条件のシミュレーション計算の内容に指定された項目についてシミュレーション計算を行う。
まず、マッチング部に送信されたユーザー提示条件のシミュレーション計算の内容の取得が行われる(S1201)。
例えば、表3に示したマッチング部に送信されたユーザー提示条件では、各々の分子のエネルギー計算、Propertyの計算、Docking Simulationが行われる。
結合する部位に関する情報は、既知である場合あるいはユーザーが指定した場合にはユーザーが入力することにより得られ、未知である場合にはユーザーが指定する数だけランダムに蛋白質上の結合部位を自動的に決めることにより得られる。
計算手法は、マッチングの際に決定された手法を用いる。
【0121】
まず、シミュレーション計算の内容の指定が行われているか否かの判断が行われる(S1202)。
分子軌道法によるエネルギー計算もドッキングシミュレーションも指定されていない場合にはシステムを終了する(S1202)。
指定が行われている場合には、このシミュレーション計算の内容が分子軌道法によるエネルギー計算であるか否かの判断が行われる(S1203)。
但し、分子軌道法によるエネルギー計算は指定されていないがドッキングシミュレーションが指定されている場合には、古典力学的ドッキングシミュレーションか、あるいはQMMMドッキングシミュレーションか、あるいは両方が直接実行される。
【0122】
分子軌道法によるエネルギー計算が指定されている場合には分子軌道法によりエネルギー計算が行われる(S1204)。
次に、シミュレーション計算の内容に物理量計算が指定されているか否かの判断が行われる(S1205)。物理量計算が指定されている場合には物理量計算が行われ(S1207)、計算結果をシミュレーション結果解析部3−3に入力する(S1208)。
物理量計算が指定されていない場合には、分子軌道法によるエネルギー計算の結果をシミュレーション解析部3−3に蓄積する(S1206)。
【0123】
次に、シミュレーション計算の内容にドッキングシミュレーションが指定されているか否かの判断が行われる(S1209)。
ドッキングシミュレーションが指定されている場合には古典力学的ドッキングシミュレーション計算、QMMMドッキングシミュレーション、あるいは両方が行われ(S1210〜S1215)、ドッキングシミュレーションの結果が、シミュレーション解析部3−3に蓄積される(S1212、S1215)。
【0124】
シミュレーション解析部3−3では、シミュレーション計算の結果のコピーがシミュレーション計算を請け負ったコンサルタントへコンサルタント用端末装置7を介して通知される(S1216)。
【0125】
コンサルタントは、通知されたシミュレーション計算の結果を参照して、解析結果や結果の解釈などの知的付加価値情報を付与し、シミュレーション結果解析部3−3に送信する。
シミュレーション結果解析部3−3は、知的付加価値情報を受信すると(S1217)、一時的にシミュレーション結果解析部3−3に蓄積し(S1218)、この受信した知的付加価値情報とシミュレーション計算の結果とを、ユーザー用端末装置5に送信する(S1219)。
【0126】
【発明の効果】
本発明によれば、利用者は、計算機とソフトウエアを自ら購入する必要はなく、またインターネット接続用のサーバーを用意する必要もなく、ネットワークを介してシミュレーションを利用できる。
このため、一時的に利用するユーザー、あるいは非専門家にとって、シミュレーション利用の利便性を向上させることができる。
また、計算機メーカー、インターネット事業者にとっては、利用者の開拓も促進できる。
【0127】
また、利用者は、計算機とソフトウエアを自ら購入する必要がないため、アプリケーションソフトの変更、バージョンアップなどを行う必要はなく、インターネット事業者だけで対処できるため、利用者にとって使いやすいシステムが実現する。
さらに、システムの事業者にとっては、システムのメンテナンス、事故にも柔軟に対応できるため、システムのロバスト性が高まる。
【0128】
また、ユーザーとコンサルタントの間の要求をマッチングさせることができ、シミュレーションの専門家やIT事業者の構築したシミュレーション技術や開発されたプログラムシステムとを利用して、実験研究者の課題を解決できるため、シミュレーション技術の導入を容易にするとともに、シミュレーションを用いたビジネス機会や市場創出の機会を広げることになる。
【0129】
また、非会員のユーザーが試験的にシミュレーションシステムを利用することができる機会を提供したことにより、ユーザー獲得の機会を広げることができる。
また、システムの事業者にとっては、計算機ハードウエア、ソフトウエアの資産を効率的に運用することができ、また、計算機ハードウエア、ソフトウエアへの投資費用を効率良く回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるシミュレーション計算サービス提供システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかるサーバーシステムの構成を説明するための構成図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して、シミュレーション計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態2にかかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して、シミュレーション試験計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1にかかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して蛋白質に関するシミュレーション計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1にかかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して蛋白質に関するシミュレーション計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1にかかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して蛋白質に関するシミュレーション計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1にかかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して蛋白質に関するシミュレーション計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態2かかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して蛋白質に関するシミュレーション試験計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態2かかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して蛋白質に関するシミュレーション試験計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態2かかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して蛋白質に関するシミュレーション試験計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態2かかるシミュレーション計算サービス提供システムを利用して蛋白質に関するシミュレーション試験計算を行う場合の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…サーバーシステム、2…ユーザー管理装置、2−1…通信IF部、2−2…送受信部、2−3…認証・登録部、2−4…ユーザーDB(データベース)、2−5…情報管理部、2−6…記憶部、2−7…計算部、2−8…見積部、2−9…課金部、2−10…試験計算部、3…シミュレーション解析装置、3−1…マッチング部、3−2…シミュレーション部、3−3…シミュレーション結果解析部、4…コンサルタント管理装置、4−1…通信IF部、4−2…送受信部、4−3…認証・登録部、4−4…コンサルタントDB、4−5…情報管理部、4−6…記憶部、4−7…入金部、5…ユーザー用端末装置、6…ネットワーク、7…コンサルタント用端末装置、8…入出力装置、9…表示装置、10…ドライブ装置、11…記憶媒体、12…補助記憶装置、13…記憶装置、14…演算処理装置、15…データベース、16…IF装置、17…バス。
Claims (20)
- ユーザー用端末装置と、コンサルタント用端末装置と、これらのユーザー用端末装置およびコンサルタント用端末装置にネットワークを介して接続されるサーバーシステムとを用いてシミュレーション計算の提供を行うシミュレーション計算サービス提供方法において、
前記サーバーシステムは、
前記シミュレーション計算の条件をユーザー提示条件として、前記ユーザー用端末装置から受信する第1ステップと、
この第1ステップで受信したユーザー提示条件の登録を行う第2ステップと、
前記第2ステップにおいて登録されたユーザー提示条件に対するコンサルタントからの入札条件を、コンサルタント用端末装置から受信する第3ステップと、
前記ユーザー提示条件と前記入札条件とを比較し、合致する入札条件を選択する第4ステップと、
前記第4ステップにおいて選択された入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを、前記ユーザー端末装置に問い合わせる第5ステップと、
前記第5ステップの問い合わせの回答に応じて、前記シミュレーション計算を行う第6ステップと、
を実行することを特徴とするシミュレーション計算サービス提供方法。 - 請求項1に記載のシミュレーション計算サービス提供方法において、
前記サーバーシステムは、
前記第1ステップで受信したユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりを行う第7ステップと、
前記第7ステップで見積もられた価格の見積もりの結果を前記ユーザー用端末装置に送信し、前記シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせる第7ステップと、
前記第7ステップでの問い合わせに対する回答に応じて、前記シミュレーション計算を行う第8ステップと、
を実行することを特徴とするシミュレーション計算サービス提供方法。 - 請求項1に記載のシミュレーション計算サービス提供方法において、
前記サーバーシステムは、
前記第1ステップで受信したユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりおよび計算の可否の判定を行う第9ステップと、
前記第9ステップで見積もられた前記価格の見積もりの結果および前記判定の結果を前記ユーザー用端末装置に送信し、前記シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせる第10ステップと、
を実行することを特徴とするシミュレーション計算サービス提供方法。 - 請求項2または3に記載のシミュレーション計算サービス提供方法において、
前記問い合わせに対する回答は、シミュレーション計算の条件を変更する旨の指示を含み、シミュレーション計算の条件を変更する旨の指示が行われた場合、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりを再度行う第11ステップを実行することを特徴とするシミュレーション計算サービス提供方法。 - 請求項2または3に記載のシミュレーション計算サービス提供方法において、
前記サーバーシステムは、
前記価格の見積もりの結果を、前記シミュレーション計算を依頼したユーザーに請求する第12ステップと、
前記第12ステップで請求された金額から手数料を引いた金額を前記シミュレーション計算を落札したコンサルタントに支払う第13ステップと、
を実行することを特徴とするシミュレーション計算サービス提供方法。 - 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシミュレーション計算サービス提供方法において、
前記ユーザー用端末装置および前記コンサルタント用端末装置は、インターネットプロバイダを利用して、あるいはユーザーが使用するLANを利用して、前記サーバーシステムにアクセスすることを特徴とするシミュレーション計算サービス提供方法。 - 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシミュレーション計算サービス提供方法において、
前記ユーザー用端末装置は、ブラウザおよびグラフィカル・ユーザー・インターフェース、あるいはこれ以外の入力手段を備え、
前記ブラウザおよびグラフィカル・ユーザー・インターフェース、あるいはこれ以外の入力手段を利用して、前記ユーザー提示条件の入力を行い、前記シミュレーション計算の結果の閲覧を行うことを特徴とするシミュレーション計算サービス提供方法。 - シミュレーション計算の条件を入力する入力手段と、この入力手段により入力されたシミュレーション計算条件をユーザー提示条件として送信する送信手段とを備えるユーザー用端末装置と、
前記ユーザー提示条件に対するコンサルタントの入札条件を入力する入力手段と、この入札条件を送信する送信手段とを備えるコンサルタント用端末装置と、前記ユーザー提示条件と前記入札条件とを比較し、合致する入札条件を選択し、選択された入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを問い合わせるマッチング手段と、この問い合わせの結果に応じて、前記シミュレーション計算を行うシミュレーション手段と、前記問い合わせを送信し、前記ユーザー提示条件、入札条件、前記問い合わせの回答の受信を行う受信手段とを備えるサーバーシステムと、
を備えることを特徴とするシミュレーション計算サービス提供システム。 - 請求項8に記載のシミュレーション計算サービス提供システムにおいて、
前記ユーザー用端末装置および前記コンサルタント用端末装置は、インターネットプロバイダ、あるいはユーザーが使用するLANを経由して前記サーバーシステムにアクセスすることを特徴とするシミュレーション計算サービス提供システム。 - 請求項8または9に記載のシミュレーション計算サービス提供システムにおいて、
前記ユーザー用端末装置は、ブラウザおよびグラフィカル・ユーザー・インターフェースあるいはこれ以外の入力手段を備え、
前記ブラウザおよびグラフィカル・ユーザー・インターフェース上、あるいはこれ以外の入力手段により、前記ユーザー提示条件の入力を行い、前記シミュレーション結果の閲覧を行うことを特徴とするシミュレーション計算サービス提供システム。 - シミュレーション条件からなるユーザー提示条件と、このユーザー提示条件に対するコンサルタントの前記入札条件とを比較し、合致する入札条件を選択し、選択された入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを問い合わせるマッチング手段と、
前記問い合わせの結果に応じて、前記シミュレーション計算を行うシミュレーション手段と、
前記問い合わせを送信し、前記ユーザー提示条件と、前記入札条件と、前記問い合わせに対する回答を受信する送受信手段と、
を備えることを特徴とするサーバーシステム。 - 請求項11に記載のサーバーシステムにおいて、
前記ユーザー提示条件に基づいてシミュレーション計算にかかる価格の見積もりを行い、この価格の見積もりの結果を前記ユーザー用端末装置に送信し、シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせる価格見積手段を備えることを特徴とするサーバーシステム。 - 請求項11または12に記載のサーバーシステムにおいて、
前記ユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりおよび前記シミュレーション手段の演算能力に対する計算可否の判定を行い、この価格の見積もりの結果および前記判定の結果を前記ユーザー用端末装置に送信し、前記シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせる見積手段を備えることを特徴とするサーバーシステム。 - 請求項11ないし13のいずれか1項に記載のサーバーシステムにおいて、
前記ユーザー提示条件には、前記シミュレーションの計算を行うコンサルタントの技術能力を識別するためのランクを含むことを特徴とするサーバーシステム。 - 請求項11ないし14のいずれか1項に記載のサーバーシステムにおいて、
前記ユーザー提示条件には、シミュレーション計算の条件における優先度を指定する項目を有し、
前記マッチング手段は、ユーザー提示条件において指定された優先度に基づいて、合致する条件を選択することを特徴とするサーバーシステム。 - 請求項11ないし15のいずれか1項に記載のサーバーシステムにおいて、
前記シミュレーション計算に対して課金する課金手段を備えることを特徴とするサーバーシステム。 - 請求項11ないし16のいずれか1項に記載のサーバーシステムにおいて、
前記問い合わせ、前記ユーザー提示条件、前記入札条件、前記問い合わせに対する回答を暗号化する暗号化手段を備えることを特徴とするサーバーシステム。 - 請求項11ないし17のいずれか1項に記載のサーバーシステムにおいて、
非会員のユーザーに対して、試験的にシミュレーション計算を行う試験計算手段を備え、
この試験計算手段は、
前記見積部に、前記ユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりおよび試験的にシミュレーション計算を行う場合の所定のシミュレーション手段の演算能力に対する計算可否の判定を行わせ、この価格の見積もりの結果および前記判定の結果を前記ユーザー用端末装置に送信させ、前記シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせ、
前記シミュレーション計算手段に、前記問い合わせの回答にしたがって、前記シミュレーション計算を行わせることを特徴とするサーバーシステム。 - シミュレーション条件からなるユーザー提示条件に基づいてシミュレーション計算にかかる価格の見積もりを行い、この価格の見積もりの結果をユーザー用端末装置に送信し、シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせる価格見積手段と、
前記ユーザー提示条件に基づいて、シミュレーション計算にかかる価格の見積もりおよび計算可否の判定を行い、この価格の見積もりの結果および前記判定の結果を前記ユーザー用端末装置に送信し、前記シミュレーション計算を行うか否かを問い合わせる見積手段と、
前記ユーザー提示条件と、このユーザー提示条件に対するコンサルタントの前記入札条件とを比較し、合致する入札条件を選択し、選択された入札条件によりシミュレーション計算を行うか否かを問い合わせるマッチング手段と、
前記マッチング手段における問い合わせの結果に応じて、前記シミュレーション計算を行うシミュレーション手段と、
前記価格見積もり手段および見積もり手段における問い合わせを送信し、前記ユーザー提示条件と、前記入札条件と、前記価格見積もり手段および見積もり手段における問い合わせに対する回答を受信する送受信手段と、
前記シミュレーション計算に対して課金する課金手段と、
前記問い合わせ、前記ユーザー提示条件、前記入札条件、前記問い合わせに対する回答を暗号化する暗号化手段と、
非会員のユーザーに対して、試験的にシミュレーション計算を行う試験計算手段として、
コンピュータを機能させることを特徴とするシミュレーション計算サービス提供プログラム。 - 請求項19に記載されたシミュレーション計算サービス提供プログラムを記憶した記憶媒体。
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