JP2003530894A - 選択的にスプライシングされた遺伝子の発現をモニターするための方法 - Google Patents

選択的にスプライシングされた遺伝子の発現をモニターするための方法

Info

Publication number
JP2003530894A
JP2003530894A JP2001578702A JP2001578702A JP2003530894A JP 2003530894 A JP2003530894 A JP 2003530894A JP 2001578702 A JP2001578702 A JP 2001578702A JP 2001578702 A JP2001578702 A JP 2001578702A JP 2003530894 A JP2003530894 A JP 2003530894A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sequence
probe
bases
probes
nucleic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001578702A
Other languages
English (en)
Inventor
デイビッド バラバン,
Original Assignee
アフィメトリックス インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アフィメトリックス インコーポレイテッド filed Critical アフィメトリックス インコーポレイテッド
Publication of JP2003530894A publication Critical patent/JP2003530894A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6827Hybridisation assays for detection of mutation or polymorphism
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6809Methods for determination or identification of nucleic acids involving differential detection
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6834Enzymatic or biochemical coupling of nucleic acids to a solid phase
    • C12Q1/6837Enzymatic or biochemical coupling of nucleic acids to a solid phase using probe arrays or probe chips
    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16BBIOINFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR GENETIC OR PROTEIN-RELATED DATA PROCESSING IN COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY
    • G16B25/00ICT specially adapted for hybridisation; ICT specially adapted for gene or protein expression

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Bioinformatics & Computational Biology (AREA)
  • Evolutionary Biology (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、選択的スプライシングの産物のような配列バリエーションを分析するための、方法、組成物、およびコンピューターソフトウェアを提供する。本発明のこれらの方法、組成物、およびコンピューターソフトウェア製品は、多数の選択的スプライシングされたmRNAを分析するために特に有用である。いくつかの実施形態において、Exon Chipを作製および使用するための方法、組成物およびコンピューターソフトウェアが提供される。本発明のExon Chipは、選択的スプライシング、選択的プロモーター、RNA編集などによる遺伝子調節を分析するために特に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本願は、米国仮出願番号60/199,484(2000年4月25日出願)
および米国仮出願番号60/208,794(2000年6月1日出願)(これ
らの両方は、全ての目的のために本明細書中に参考として援用される)の利益を
主張する。
【0002】 (発明の背景) 米国特許第5,424,186号および同第5,445,934は、先駆的な
技術、なかでも、分子(例えば、オリゴヌクレオチド、RNA、ペプチド、多糖
、および他の材料)の高密度アレイを形成および使用するための技術を記載する
。これらの特許は、全ての目的のために本明細書中に参考として援用される。例
えば、オリゴヌクレオチドまたはペプチドのアレイは、表面から光で除去可能な
基を連続的に除去し、表面の曝露された領域にモノマーをカップリングし、そし
てこのプロセスを反復することによって表面上に形成される。これらの技術は、
オリゴヌクレオチド、ペプチド、および他の材料の極度に密集したアレイを形成
するために使用されている。このようなアレイは、例えば、薬物開発、遺伝子発
現のモニタリング、遺伝子型決定(genotyping)、および種々の他の
適用において有用である。
【0003】 核酸プローブアレイ技術の開発は、多数の遺伝子の複雑な発現調節を研究する
ための手段を提供する。例えば、米国特許第6,040,138号は、多数の遺
伝子の発現をモニタリングするためのプロセスを記載する。遺伝子発現調節の1
つの重要な局面は、選択的スプライシング(これによって異なるmRNAが単一
遺伝子から生成されるプロセス)である。いくつかの場合、単一遺伝子の発現は
、多数の異なるmRNAを生じ得、故に、多数の異なる機能するタンパク質を生
じ得る。例えば、64個の異なるmRNA改変体が、単一遺伝子から生成され得
ることが示されている。選択的スプライシングは、非常に一般的な調節機構であ
る。1つの推定に基づいて、少なくとも30%の遺伝子が、選択的スプライシン
グされる。従って、選択的スプライシングのモニタリングは、薬物発見、治療モ
ニタリング、および診断のための情報を提供する。従って、選択的スプライシン
グされたmRNAをより効率的に決定するための方法に関する多大なる必要性が
当該分野に存在する。
【0004】 (発明の要旨) 従って、本発明は、選択的スプライシングの産物のような配列バリエーション
を分析するための、方法、組成物、およびコンピューターソフトウェアを提供す
る。本発明のこれらの方法、組成物、およびコンピューターソフトウェア製品は
、多数の選択的スプライシングされたmRNAを分析するために特に有用である
。いくつかの実施形態において、Exon Chipを作製および使用するため
の方法、組成物およびコンピューターソフトウェアが提供される。本発明のEx
on Chipは、選択的スプライシング、選択的プロモーター、RNA編集な
どによる遺伝子調節を分析するために特に有用である。しかし、Exon Ch
ipの有用性は、遺伝子調節を分析することに限定されない。これらのチップは
、一般的に、配列エレメント(例えば、エキソン)の配置を分析するために使用
され得る。生物学的サンプル中で特定の配列の配置を同定し得ることに加えて、
本発明のエキソンチッププローブアレイはまた、特定の配列を定量するために有
用である。このようなプローブアレイは、遺伝子発現(特に、選択的スプライシ
ング、選択的プロモーター、RNA編集などによって調節される遺伝子)のより
良い理解のために使用され得る。
【0005】 本発明の1つの局面において、第1配列エレメントと第2配列エレメントとの
間の結合配列を問い合わせる(interrogate)ためのプローブセット
を含む核酸プローブアレイが、提供される。いくつかの実施形態において、プロ
ーブアレイ上のプローブは、オリゴヌクレオチドである。第1配列エレメントは
、第1エキソンであり得、そして第2配列エレメントは、第2エキソンであり得
る。結合配列は、第1配列と第2配列との間の連結部に隣接する配列の部分であ
る。これらの配列エレメントがエキソンの場合、結合配列は、一方のエキソンの
3’配列、かつ他方のエキソンの5’配列である。結合配列は、少なくとも20
塩基長、好ましくは少なくとも30塩基長、より好ましくは少なくとも40塩基
長、さらにより好ましくは少なくとも50塩基長、そして最も好ましくは100
塩基長であるべきである。
【0006】 いくつかの好ましい実施形態において、プローブセットは、少なくとも100
プローブ/cm、好ましくは少なくとも1000プローブ/cm、より好ま
しくは少なくとも2000プローブ/cmの密度で基材上に固定される。アレ
イは、配列エレメントを定量するために設計されたプローブを含み得る。例えば
、アレイは、エキソンの内部配列を標的化するプローブを含み得る。必要に応じ
て、種々の型のコントロールプローブは、本発明のアレイ上に含まれ得る。
【0007】 本発明の別の局面において、標的配列を決定するための方法が提供され、ここ
で、この標的配列は、第2配列エレメントに結合した第1配列エレメントを含む
。いくつかの実施形態において、この方法は、第1配列エレメントと第2配列エ
レメントとの間の結合配列を問い合わせるためのプローブセットを有する核酸プ
ローブアレイと標的配列とをハイブリダイズする工程、およびプローブセットと
標的配列とのハイブリダイゼーションに基づいて、結合配列に関する情報を得る
工程を包含する。第1配列エレメントおよび第2配列エレメントは、エキソンで
あり得る。核酸プローブのセットは、好ましくは少なくとも100プローブ/c
の密度で基材上に固定されたオリゴヌクレオチドプローブであり得る。いく
つかの実施形態において、標的配列は、mRNAである。mRNAは、遺伝子か
ら転写された少なくとも2つの選択的スプライシングされたmRNAのうちの1
つであり得る。この方法はまた、結合配列およびハイブリダイゼーションに関す
る情報を用いて第1配列エレメントおよび第2配列エレメントを定量する工程を
包含し得る。
【0008】 いくつかの実施形態において、本発明の核酸プローブアレイは、第1配列エレ
メントおよび第2配列エレメントに対する更なる配列プローブを有し得る。定量
は、標的配列と、第1配列エレメントおよび第2配列エレメントの内部配列に対
する配列プローブとのハイブリダイゼーションに基づき得る。問い合わせるため
のプローブは、少なくとも20塩基長、好ましくは少なくとも30塩基長、より
好ましくは少なくとも40塩基長、そしてさらにより好ましくは少なくとも50
塩基長、そして最も好ましくは100塩基長であるべきである結合配列をタイリ
ングするためのプローブである。
【0009】 本発明のなお別の局面において、コンピューターソフトウェア製品が提供され
る。この製品は、以下を備え得る:複数のハイブリダイゼーションシグナルを受
けるコンピューターコード(ここで、複数のシグナルの各々は、標的配列の結合
配列を問い合わせるための複数のタイリングプローブのうちの1つのハイブリダ
イゼーションを反映し、ここで、標的配列は、少なくとも2つの配列エレメント
の群から選択される少なくとも1つの配列エレメントを有する);b)上記のハ
イブリダイゼーションシグナルに基づいて配列エレメントを同定するコンピュー
ターコード;ならびにc)上記のコードを保存するコンピューター読み取り可能
な媒体。このタイリングプローブは、基材に固定されたオリゴヌクレオチドであ
る。このタイリングプローブは、少なくとも20塩基、好ましくは少なくとも3
0塩基、より好ましくは少なくとも40塩基、さらにより好ましくは少なくとも
50塩基、そして最も好ましくは少なくとも100塩基を問い合わせる。このコ
ンピューターソフトウェアは、標的配列を定量するためのコンピューターコード
を備え得る。
【0010】 なお別の局面において、2つの配列エレメントの組み合わせを検出するために
プローブを設計するための方法が提供される。いくつかの実施形態において、こ
の方法は、2つの配列エレメント間の結合領域の配列を入力する工程;ならびに
結合領域の配列に基づいて、上記結合領域をタイリングするためのプローブを選
択する工程を包含する。好ましい実施形態において、配列エレメントは、エキソ
ンである。いくつかの実施形態において、本発明の方法はまた、平板マスクを設
計する工程を包含し、ここで、平板マスクは、核酸プローブのアレイの製作に使
用される。いくつかの他の実施形態において、本発明の方法は、基材上に化合物
を沈着させるためのインクジェット印刷機構を制御するための出力信号の工程を
包含する。問い合わせられる結合領域の配列は、少なくとも20塩基、好ましく
は少なくとも30塩基、より好ましくは少なくとも40塩基、さらにより好まし
くは少なくとも50塩基、そして最も好ましくは100塩基である。
【0011】 本発明のエキソンチップを設計するためのコンピューターソフトウェア製品が
また、提供される。いくつかの実施形態において、コンピューターソフトウェア
製品は、結合配列を構築するコンピュータープログラムコード;結合配列を問い
合わせるためのタイリングプローブを選択するコンピュータープログラムコード
;ならびにそのコードを保存するコンピューター読み取り可能な媒体を備える。
結合配列は、選択的スプライシングされたmRNAのうちの1つに関する結合配
列であり得る。いくつかの実施形態において、コンピューターソフトウェア製品
はまた、エキソン配列を入力するコンピューターコードを備える。この結合配列
は、エキソン配列に基づいて構築される。コンピューターソフトウェア製品は、
プローブ配列を出力するコードを備え得る。
【0012】 (好ましい実施形態の説明) mRNAは、しばしば、配列エレメントの組み合わせの結果である。例えば、
成熟mRNAは、RNAスプライシングの結果であり得、ここで、イントロンか
ら転写される配列は除かれている。配列エレメントの組み合わせは、選択的形式
で設定され得る。本発明のいくつかの実施形態において、核酸の設定(エキソン
などの配列エレメントの配置)を同定するための、方法、組成物、コンピュータ
ーソフトウェア製品およびシステムが、提供される。方法、組成物、コンピュー
ターソフトウェア製品およびシステムは、mRNAの同時の定量および特徴づけ
のために特に有用である。
【0013】 (I.配列エレメントの検出) 遺伝子の活性は、その産物(その遺伝子によってコードされるタンパク質また
は他の分子)の活性によって反映される。これらの産物分子は、生物学的機能を
発揮する。しかし、遺伝子産物の活性を直接的に測定することは、しばしば特定
の遺伝子について困難である。その代わり、最終産物の免疫学的活性もしくは量
またはそのペプチドプロセシング中間体が、遺伝子活性の測定として決定される
。より頻繁に、中間体(例えば、転写物、RNAプロセシング中間体、または成
熟mRNA)の量または活性が、遺伝子活性の測定として検出される。用語「m
RNA」は、遺伝子の転写物をいう。転写物は、RNA(例えば、翻訳の用意が
整った成熟メッセンジャーRNAを含む)、転写物プロセシングの種々の段階の
生成物である。転写物プロセシングは、スプライシング、編集および分解を含み
得る。
【0014】 多くの場合、遺伝子の最終産物の形態および機能は、未知である。これらの場
合、遺伝子の活性は、転写物、RNAプロセシング中間体、成熟mRNAまたは
そのタンパク質産物の量または活性によって簡便に測定される。
【0015】 転写単位は、RNAに転写されるDNAの連続セグメントである。例えば、細
菌は、いくつかの連続する遺伝子を連続的に転写して、ポリシストロン性mRN
Aを作製し得る。連続する遺伝子は、同じ転写単位由来である。高等生物がまた
、単一転写単位から種々の異なる遺伝子産物を作製するためのいくつかの機構を
使用することは、当該分野で周知である。
【0016】 多くの遺伝子は、いくつかの選択的プロモーター(各プロモーターの使用は、
1つの特定の転写物をもたらす)を有することが公知である。一般的に、5’プ
ロモーターの使用は、相対的に3’プライマーから生じる産物が存在しない、さ
らなる配列エレメントを有する産物を生じる。選択的プロモーターの使用は、し
ばしば、組織特異的遺伝子発現を調節するために使用される。例えば、ヒトジス
トロフィン遺伝子は、少なくとも7個のプロモーターを有する。最も5’上流の
プロモーターは、脳特異的転写物を転写するために使用され;第1のプロモータ
ーから100kb下流のプロモーターは、筋肉特異的転写物を転写するために使
用され、そして第2のプロモーターの100kb下流のプロモーターは、プルキ
ニェ細胞特異的転写物を転写するために使用される。
【0017】 同様に、選択的スプライシングもまた、頻繁に、組織特異的様式で遺伝子活性
を調節するために重要な機構である。真核生物では、新生プレmRNAは一般に
、タンパク質に翻訳されない。むしろ、これらは、いくつかの方法でプロセシン
グされて、成熟mRNAを生成する。RNAスプライシングは、最も普通のRN
Aプロセシング方法である。新生プレmRNAは、スプライソソームと呼ばれる
特化された装置によって切断され、そして貼り付けられる。イントロン領域から
転写されたいくつかの非コード領域は切り出される。エキソンは連結されて、翻
訳の用意ができた連続したコード領域を形成する。いくつかのスプライシング反
応では、1種類の新生プレmRNAを用いて、選択的スプライシングと呼ばれる
プロセスによって複数種類の成熟RNAが生成される。選択的スプライシングで
は、エキソン(配列エレメント)が選択的に用いられて異なる成熟mRNAを形
成し、この成熟mRNAは、異なるタンパク質をコードする。例えば、ヒトのカ
ルシトニン遺伝子(CALC)は、甲状腺においてカルシトニン(循環するCa2+ 恒常性ホルモン)として;視床下部においてカルシトニン遺伝子関連ペプチ
ド(CGRP)(神経調節および栄養因子)としてスプライシングされる(Ho
dgesおよびBernstein,1994,Adv.Genet.,31,
207−281を参照のこと)。
【0018】 選択的スプライシングは、高等真核生物における重要な調節機構である(Sh
arp,P.A.(1994)Cell.,77,805−8152)。最近の
見積もりによれば、少なくとも30%のヒト遺伝子は選択的にスプライシングさ
れる(Mironov,A.A.およびGelfand,M.S.Proc.1
st Int.Conf.on Bioinformatics of Ge
nome Regulation,1998.第2巻,249頁)。選択的スプ
ライシングは、Drosophilaの性決定において、ヒトの抗体応答におい
て、および他の組織または発生段階特異的なプロセスにおいて主な役割を果たす
(Stamm,S.,Zhang,M.Q.,Marr,T.G.およびHel
fman,D.M.,1994,Nucleic Acids Res.,22
,1515−1526;Chabot,B.,1996,Trends Gen
et.,12,472−478;Breitbart,R.E.,Andrea
dis,A.およびNadal Ginard,B.,1987,Annu.R
ev.Biochem.,56,467−495;Smith,C.W.,Pa
tton,J.G.およびNadal−Ginard,B.,1989,Ann
u.Rev.Genet.,23,527−57)。選択的スプライシングは、
単一の転写産物から64までの異なるmRNA改変体を生成し得る(Breit
bart,R.E.およびNadal−Ginard,N.1987,Cell
,46,793−803)。全ての引用文献は、全ての目的のために本明細書中
に参考として援用される。
【0019】 高密度アレイは、転写レベル、RNAプロセシングレベルおよび分解レベルで
発現制御をモニタリングするために特に有用である。高密度アレイの製造および
遺伝子発現モニタリングにおける高密度アレイの適用は、以前に、例えば、本明
細書中に全ての目的のために参考として援用されている米国特許第6,040,
138号に開示されている。高密度アレイを用いるいくつかの実施形態では、高
密度オリゴヌクレオチドアレイは、本全ての目的で明細書中に参考として援用さ
れる米国特許第5,445,934号に開示される超大規模固定化ポリマー合成
(VLSIPS)のような方法を用いて合成される。各オリゴヌクレオチドは、
基板上で既知の位置を占める。核酸標的サンプルは、オリゴヌクレオチドの高密
度アレイとハイブリダイズされ、次いでアレイ中の各プローブにハイブリダイズ
した標的核酸の量が定量される。1つの好ましい定量方法は、共焦点顕微鏡およ
び蛍光標識を使用することである。GeneChip(登録商標)システム(A
ffymetrix,Santa Clara,CA)は、ハイブリダイゼーシ
ョンを定量するために特に適切である;しかし、当業者には、任意の同様のシス
テムまたは他の有効に等価な検出方法もまた用いられ得ることが明らかである。
【0020】 高密度アレイは、大集団の不均質核酸の存在下で、遺伝子の発現レベルにおけ
る小さなバリエーションを定量するために適切である。このような高密度アレイ
は、基板上でのデノボ合成または基板の特定の位置への天然の核酸配列のスポッ
ティングもしくは輸送のいずれかによって製造され得る。核酸は、生物学的材料
(例えば、目的の配列のクローニングセグメントを含む細菌プラスミド)から精
製および/または単離される。
【0021】 オリゴヌクレオチドアレイは、本発明のために特に好ましい。オリゴヌクレオ
チドアレイは、他の方法とは対照的に多数の利点(例えば、生成効率、アレイ内
およびアレイ間の変異性の減少、情報量の増加、ならびに高いシグナル対ノイズ
比)を有する。
【0022】 遺伝子機能同定および遺伝的ネットワークマッピングのための好ましい高密度
アレイは、約100より大きい、好ましくは約1000より大きい、より好まし
くは約16,000より大きい、そして最も好ましくは65,000もしくは2
50,000よりも大きいか、または約1,000,000よりもさらに大きい
、異なるオリゴヌクレオチドプローブを好ましくは1cm未満の表面積に含む
。オリゴヌクレオチドプローブは、約5ヌクレオチド長〜約50ヌクレオチド長
または約500ヌクレオチド長、より好ましくは約10ヌクレオチド長〜約40
ヌクレオチド長、そして最も好ましくは約15ヌクレオチド長〜約40ヌクレオ
チド長の範囲にわたる。
【0023】 エキソン配列を標的とするプローブを含むオリゴヌクレオチドプローブアレイ
は、種々の転写産物を検出および定量するように選択され得る。これらのエキソ
ンプローブを用いることによって、生物学的サンプル中の特定のエキソンの存在
が決定され得る。以下の節では、特定の配置(配列エレメントの配置)の標的核
酸を検出および定量するためのプローブアレイを設計するための方法が提供され
る。
【0024】 (II.配列エレメントの組合せを検出するためのプローブ) 本発明の1つの局面では、配列エレメントの配置を決定し、そして必要に応じ
て定量するための核酸プローブが提供される。これらのプローブは好ましくは、
プローブアレイとして基板上に固定される。
【0025】 本発明のいくつかの実施形態では、2つの配列エレメントを連結する領域の配
列を問い合わせるためのプローブセットが設計される(図2を参照のこと)。一
旦、2つの配列エレメントを連結する領域の配列が公知になると、配列エレメン
トの組合せが確認され得る。例えば、図2に示すように、2つの配列エレメント
1および2は、以下を形成するために選択的に用いられ得る: 配置1:エレメント1−エレメント3 配置2:エレメント2−エレメント3。
【0026】 エレメント1とエレメント3、およびエレメント2とエレメント3を連結する
領域を敷き合わせる(tiling)ためのプローブセットは、配置1および配
置2の存在を決定するために設計され得る。ハイブリダイゼーションシグナルも
また配列のレベルを反映するので、生物学的サンプル中の配置1および配置2の
相対的レベルもまた決定され得る。多数のmRNAのレベルを定量的に決定する
ための方法は、例えば、全ての目的のために本明細書中に参考として援用される
、米国特許第6,040,138号に開示される。
【0027】 1つの実施形態(図3)では、プローブは、3つのエキソン(5’から3’に
、エキソン1、エキソン2およびエキソン3)を有する標的遺伝子の転写産物を
検出するために設計され得る。この実施形態では、第一のセットのプローブを、
エキソン1の3’領域とエキソン2の5’領域とを敷き合わせるために設計した
。第二のセットのプローブは、エキソン1の3’領域とエキソン3の5’領域と
を敷き合わせるために設計される。第三のセットのプローブは、エキソン2の3
’領域とエキソン3の5’領域とを敷き合わせるために設計される。プローブセ
ットの敷き合わせ領域は、少なくとも10塩基、好ましくは少なくとも20塩基
、そしてより好ましくは少なくとも40塩基であり得る。いくつかの例では、敷
き合わせ領域は、少なくとも100塩基であり得る。
【0028】 図4は、4つのエキソンを有する遺伝子を示す。エキソン1は、スプライスさ
れてエキソン2、エキソン3またはエキソン4と連結され得る。エキソン2は、
スプライスされて、エキソン3またはエキソン4と連結され得る。エキソン3お
よびエキソン4は、連結され得る。敷き合わせプローブ(エキソンの下の小さな
バー)は、連結配列を問い合わせるように設計される。決定された配列に基づい
て、種々の配置が確認され得る。
【0029】 再配列目的で領域を敷き合わせるためのプローブを設計するための方法は、例
えば、米国特許第5,571,639号およびCheeら、1996,Acce
ssing Genetic Information with High−
Density DNA Arrays,Science,274:610−6
14(両方とも全ての目的で本明細書中に参考として援用される)に開示された
【0030】 本発明の方法は、広範な適用を有する。例えば、いくつかの実施形態では、本
発明の方法は、スプライス改変体の相対レベルを決定するために用いられ得る。
相対スプライス改変体を決定することによって、選択的スプライシングによる遺
伝子発現の調節が理解され得、この調節は次いで、疾患検出、薬物の発見および
医学的処置のモニタリングについての重要な情報を提供し得る。
【0031】 本発明の方法は、エキソンの境界が完全に既知である遺伝子の研究には限定さ
れない。対照的に、張り合わせプローブセットの使用のために、本発明の方法は
、エキソン境界についての知識のいくらかのあいまいさを可能にする。このプロ
ーブセットは、正確なスプライシング部位を理解するために有用であり得る。
【0032】 当業者は、本発明の方法が、スプライス改変体の研究に制限されないことを認
識する。その代わり、この方法は一般に、任意の核酸配列エレメントの配置の研
究に適用可能である。例えば、この方法はまた、体細胞組換えおよびRNA編集
を決定するために有用である。
【0033】 (III.プローブを設計するための方法、システムおよびコンピュータソフ
トウェア) プローブセットを設計するための方法、システムおよびコンピュータソフトウ
ェアもまた提供される。いくつかの実施形態では、プローブを設計するための方
法は、少なくとも2つの配列エレメント(例えば、2つのエキソン)の配列情報
を得る工程を含む。2つの配列エレメントの間の可能な連結領域が同定される。
領域を敷き合わせるためのプローブが選択される。
【0034】 他のいくつかの実施形態では、遺伝子のゲノムDNA配列が得られる。イント
ロンエキソン構造が予想される。いくつかのスプライシング部位断定アルゴリズ
ムの制限のために、スプライス部位は、いくらかあいまいに決定され得る。予想
されたエキソンの間の連結領域を張り合わせるためのプローブが選択される。
【0035】 いくつかのさらなる実施形態では、エキソン/イントロン境界は、転写産物の
配列とゲノムの配列とを比較することによって決定され得る。2つのエキソンを
連結する領域を張り合わせるためのプローブが選択される。
【0036】 図5は、プローブのコンピューター支援選択のためのプロセスを示す。1つの
遺伝子のエキソン配列が入力される(501)。選択的にスプライシングされた
mRNAのうちの1つについての連結配列がメモリに構築される(502)。配
列を問い合わせる敷き合わせプローブが選択される(503)。次いで、このプ
ロセスは、この遺伝子由来の全てのmRNA改変体が処理されるまで、選択的に
スプライシングされた別のmRNAについて敷き合わせプローブを選択し続ける
(504)。次いで、このプロセスは、別の遺伝子のエキソン配列の入力に進む
(501)。
【0037】 いくつかの実施形態では、コンピュータ化システムは、生物学的材料(例えば
、RNAまたはDNA)のアレイを形成および分析するために用いられる。デジ
タルコンピュータは、生物学的ポリマー(例えば、RNAまたはDNA)のアレ
イを設計するために用いられる。このコンピュータは、例えば、適切なメモリ、
CPUおよび他の記録媒体(例えば、ハードドライブ、必要に応じてCD−RO
MまたはZipドライブ)を含む、適切にプログラムされたSun Works
tationまたはIntel Pentium(登録商標)に基づいたパーソ
ナルコンピュータまたはワークステーションであり得る。コンピュータは、ロー
カルエリアネットワークのようなネットワークに接続され得、そして必要に応じ
てプロキシサーバを介してワイドエリアネットワーク(例えば、インターネット
)に接続され得る。コンピュータの、インターネットに対するアクセス能力は、
配列データベースがインターネットを介してアクセスされ得る、いくつかの実施
形態において好適であり得る。
【0038】 コンピュータシステムは、目的の遺伝子の所望の特徴に関してユーザから入力
され、そしてアレイの所望の特徴に関する他の入力がされる。必要に応じて、こ
のコンピュータシステムは、目的の特定の遺伝子配列に関する情報を、外部また
は内部のデータベース(例えば、GenBank(http://www.nc
bi.nlm.nih.gov、2000年4月25日に最後に訪れた))から
獲得し得る。コンピュータシステムの出力は、チップ設計コンピュータファイル
のセットである。
【0039】 チップ設計ファイルは、DNAのような分子のアレイの製造において用いられ
るリソグラフマスクを設計するシステムに提供される。このシステムまたはプロ
セスは、マスクを製造するために必要なハードウェア、そしてまた効率的な様式
でマスクにマスクパターンを配置するために必要な、必要なコンピュータハード
ウェアおよびソフトウェアを含み得る。このような装置は、同じ物理的位置に位
置していてもよく、位置していなくてもよい。このシステムは、ポリマーアレイ
の製造において使用するための、ガラス上のクロムマスクのようなマスクを生じ
る。
【0040】 このマスク、ならびにシステム由来のチップの設計に関する選択された情報を
、合成システムに用いる。合成システムは、基板またはチップ上のポリマーのア
レイを製造するために用いた必要なハードウエアおよびソフトウエアを含む。例
えば、合成機(シンセサイザー)は、光源および化学フローセル(この上に基板
またはチップが置かれる)を備える。マスクは、光源と基板/チップとの間に置
かれ得、そしてこの2つは、チップの選択された領域の脱保護のために適切な時
間、お互いに対して平行移動される。選択された化学試薬は、脱保護された領域
にカップリングするために、ならびに洗浄および他の操作のために、フローセル
を通じて方向付けられる。全ての操作は、好ましくは適切にプログラムされたデ
ジタルコンピューターによって指示される。このデジタルコンピューターは、マ
スク設計およびマスク作製において用いたコンピューターと同じコンピューター
であってもよいし、同じでなくてもよい。
【0041】 このチップ上で合成されるべき種々のプローブの配列を選択し、そしてこのチ
ップ上でのこのプローブの物理的整列を決定する。例えば、目的の標的核酸配列
の連結領域は、kマーであり、好ましくは、20より大きく、より好ましくは4
0より大きく、そしてなおより好ましくは100より大きい。一方、このチップ
上のプローブはnマーであり、ここでnはkより小さい。従って、このチップを
用いて、特定の核酸サンプルが標的核酸の連結領域を含むか否かを決定し得るよ
うに、このチップ上で合成されるnマーを選択し、そして配置するためのソフト
ウエアが必要である。
【0042】 一般に、配列のタイリングは、標的のn塩基ピースをとること、およびそのn
塩基ピースに対する相補体を決定することによって実施される。次いでこのシス
テムは、標的を1つの位置に下ろし、そして次のnビットピースに対する相補体
を同定する。これらのn塩基ピースは、この配列がタイリングされる場合にのみ
、このチップ上に配置された配列である。
【0043】 単純な例として、推定標的核酸は、5’−ACGTTGCA−3’である。こ
のチップはその上に合成された4マーを有することが推定される。目的の核酸に
相補性である4マープローブは、3’−TGCA(最初の4位に相補的)、3’
−GCAA(2、3、4、および5位に相補的)、3’−CAAC(3、4、5
、および6位に相補的)、3’−AACG(4、5、6、および7位に相補的)
、および3’−ACGT(最後の4位に相補的)である。従って、ユーザーが配
列タイリングを選択したと仮定すれば、このシステムは、合成されるべきこのプ
ローブの配列が3’−TGCA、3’−GCAA、3’−CAAC、3’AAC
G、および3’ACGTであることを決定する。特定のサンプルが標的配列を有
する場合、結合は、各々の4マープローブの部位で表される。特定のサンプルが
配列5’−ACGTTGCA−3’を有さない場合、この基板上のプローブの1
つ以上の部位で、結合はほとんど示されないかまたは全く示されない。
【0044】 次いでこのシステムは、さらなるタイリングが行われるべきであるか否かを決
定し、もしそうであれば繰り返す。
【0045】 プローブが選択された後、このシステムは、プローブのアレイを形成するのに
必要な合成サイクルの数を最小にすることができる。この工程を実施するため、
合成されるべきプローブを、専門のアルゴリズムに従って評価し、どの塩基がど
んな順序で付加されるべきかを決定する。
【0046】 1つのアルゴリズムは、合成「テンプレート」、好ましくは、プローブのアレ
イを形成するのに必要な合成サイクルの数の最小化を可能にするテンプレートを
使用する。1つの「テンプレート」は、ACGTACGTの付加を繰り返す。こ
のテンプレートの合成サイクルの十分に長い反復を用いて、全ての可能性のある
プローブを合成し得る。このテンプレート(および/または他のテンプレート)
に対するプローブを評価することによって、多くの工程を省略して種々のトライ
アル合成ストラテジーを生成し得る。トライアル合成ストラテジーは、このテン
プレート中の各塩基が「この塩基付加なしに合成されるプローブであり得るか?
」を質問することによって試験される。言い換えれば、あらゆるプローブにおけ
るあらゆる塩基が、このテンプレートのいくつかのサブセットを用いて適切な順
序で合成され得る場合、「トライアルストラテジー」を用いて、このプローブを
合成し得る。そうであれば、この塩基付加はテンプレートから欠失される。次い
で他の塩基が除去について試験される。
【0047】 以下に考察する特定の実施形態において、いくつかのアルゴリズムの1つまた
は組み合わせによって合成ストラテジーが、開発される。この方法論が設計され
ることによって、例えば、少数の合成サイクル、チップ上の隣接するプローブの
間の少数の差異が得られ得る。1つの特定の実施形態において、このシステムは
、タイリングされた配列の「カラム(列)」における隣接するプローブの間の配
列工程の差異の数を減らす。すなわち、このシステムは、モノマーが隣接する領
域に付加されない場合、モノマーが1つの合成領域に付加される回数を減じる。
これらは、両方とも合成ストラテジーの所望の特性である。
【0048】 (IV.配列エレメントの組み合わせを検出するための方法、システムおよび
コンピューターソフトウェア) 配列エレメントの組み合わせを検出するための方法、システムおよびコンピュ
ーターソフトウェアが提供される。いくつかの実施形態において、プローブアレ
イを用いて、少なくとも2つの配列エレメントを含む標的配列を決定する。2つ
の配列エレメントのうち少なくとも1つが、少なくとも2つの異なる配列エレメ
ントの群から選択される。これらの実施形態において、このプローブアレイは、
2つの配列エレメントに接続する配列領域を問い合わせるプローブを含む。配列
エレメントの正確なアレンジメントは、接続する配列領域の問い合わせに基づい
て決定され得る。配列アレンジメントの異なる組み合わせを有する2つ以上のタ
イプの標的配列(例えば、1つの遺伝子由来の選択的スプライシング転写物)を
含むサンプルにおいて、異なるタイプの標的配列の相対的レベルが、問い合わせ
プローブのハイブリダイゼーション強度に基づいて決定され得る。用語「定量」
は、遺伝子の転写レベルを定量する文脈で用いる場合、絶対的定量または相対的
定量をいうことができる。絶対的定量は、1つ以上の既知濃度の標的核酸(例え
ば、コントロール核酸(例えば、Bio B)または既知量の標的核酸自体)を
封入すること、および既知の標的核酸と未知のハイブリダイゼーション強度とを
参照すること(例えば、標準曲線の作成による)によって達成され得る。あるい
は、相対的定量は、2つ以上の遺伝子の間のハイブリダイゼーションシグナルの
比較、またはハイブリダイゼーション強度、および(意味するのは)転写レベル
の変化を定量するための2つ以上の処置の間の比較によって達成され得る。基板
上の単一のプローブまたは複数のプローブを用いて標的配列を定量的に分析する
方法は、例えば、6,040,138(全ての目的のために本明細書において参
考として援用されている)に記載されている。
【0049】 (IV.遺伝子発現モニタリング方法) 上記で考察したように、遺伝子の活性を測定する任意の方法が、本発明の少な
くともいくつかの実施形態に有用である。例えば、伝統的なノーザンブロットお
よびハイブリダイゼーション、ヌクレアーゼ保護、RT−PCRおよびディファ
レンシャルディスプレイが、遺伝子活性を検出するために用いられてきた。これ
らの方法は、本発明のいくつかの実施形態に有用である。しかし、本発明は、多
数の遺伝子の発現を検出する方法と組み合わせて最も有用である。
【0050】 転写的なRNAプロセッシングおよび分解レベルで、発現制御(コントロール
)をモニタリングするために、高密度アレイが、特に有用である。遺伝子発現モ
ニタリングにおける高密度アレイの製造および適用は、例えば、米国特許第5,
800,992号(1988年9月1日発行)、および米国特許出願第08/7
72,376号(1996年12月23日出願)(全てが、本明細書において全
ての目的のために参考として援用されている)において以前に開示されている。
高密度アレイを用いるいくつかの実施形態において、米国特許第5,445,9
34号(本明細書において全ての目的のために参考として援用されている)に開
示されたVery Large Scale Immobilized Pol
ymer Synthesis(VLSIPS)のような方法を用いて、高密度
オリゴヌクレオチドアレイを合成する。各オリゴヌクレオチドは、基板上で既知
の位置を占める。核酸標的サンプルを、オリゴヌクレオチドの高密度アレイでハ
イブリダイズし、次いでこのアレイにおいて各プローブにハイブリダイズした標
的核酸の量を定量する。1つの好ましい定量方法は、共焦点顕微鏡および蛍光標
識を使用することである。GeneChip(登録商標)Probe Arra
y system(Affymetrix,Santa Clara,CA)は
、ハイブリダイゼーションを定量するために特に適切である;しかし当業者には
、任意の類似のシステムまたは他の効率的に等価な検出方法がまた用いられ得る
ことが、理解される。
【0051】 高密度アレイは、異種核酸の大きい集団の存在において遺伝子の発現レベルの
小さいバリエーションを定量するのに適切である。このような高密度アレイは、
基板上の新規合成、または基板の特定の位置に天然の核酸配列をスポッティング
もしくは移動することのいずれかによって製造され得る。核酸は、目的の配列の
クローニングされたセグメントを含む細菌プラスミドのような生物学的材料から
精製、および/または単離される。適切な核酸がまたテンプレートの増幅によっ
て生成される。非限定的例示として、ポリメラーゼ連鎖反応、および/またはイ
ンビトロ転写が、適切な核酸増幅方法である。
【0052】 合成されたオリゴヌクレオチドアレイは、本発明に特に好ましい。オリゴヌク
レオチドアレイは、他の方法に対して、多くの利点(例えば、生成の効率、アレ
イ内およびアレイ間での可変性の減少、情報量の増大、高いシグナル対ノイズ比
)を有する。
【0053】 遺伝子機能同定および遺伝子ネットワークマッピングのための好ましい高密度
アレイは、好ましくは表面積1cm未満中に、約100より多い、好ましくは
約1000より多い、より好ましくは約16,000より多い、そして最も好ま
しくは65,000もしくは250,000より多い、または約1,000,0
00より多くさえ、異なるオリゴヌクレオチドプローブを含む。このオリゴヌク
レオチドプローブは、約5〜約50または約500ヌクレオチド、より好ましく
は約10〜約40ヌクレオチド、最も好ましくは約15〜約40ヌクレオチド長
にわたる。
【0054】 (A.マッシブパラレル遺伝子発現モニタリング(Massive Para
llel Gene Expression Monitoring)) マッシブパラレル遺伝子発現モニタリングのための1つの好ましい方法は、高
密度核酸アレイに基づく。
【0055】 一般に、遺伝子発現をモニタリングするこれらの方法は、以下(a)1つ以上
の標的遺伝子のRNA転写物を含む標的核酸、またはこのRNA転写物由来の核
酸のプールを提供する工程;(b)プローブの高密度アレイに対して核酸サンプ
ルをハイブリダイズさせる工程;ならびに(c)ハイブリダイズした核酸を検出
して、相対的発現および/または絶対的発現(転写物、RNAプロセシング、ま
たは分解)レベルを算出する工程、を包含する。
【0056】 (A)核酸サンプルを提供する工程 当業者は、目的の転写物を反映する標的核酸配列を含む核酸サンプルを有する
ことが所望され得ることを理解する。従って、適切な核酸サンプルは、目的の転
写物を含み得る。しかし、適切な核酸サンプルは、目的の転写物に由来する核酸
を含み得る。本明細書において用いる場合、転写物に由来する核酸とは、その合
成のために、最終的にmRNA転写物またはそのサブ配列がテンプレートとして
働く核酸をいう。従って、転写物から逆転写されたcDNA、cDNAから転写
されたRNA、cDNAから増幅されたDNA、増幅したDNAから転写された
RNAなどは全て転写物に由来し、そしてこのような誘導された産物の検出は、
サンプル中における元の転写物の存在および/または非存在の指標である。従っ
て、適切なサンプルとしては、遺伝子の転写産物、転写産物から逆転写されたc
DNA、cDNAから転写されたcRNA、遺伝子から増幅されたDNA、増幅
されたDNAから転写されたRNA、など、が挙げられるがこれらに限定されな
い。本明細書において用いる場合、転写産物は、プレmRNA新生転写物、転写
物プロセシング中間体、成熟mRNA、および分解産物が挙げられ得るがこれら
に限定されない。本発明を実施するために全てのタイプの転写物をモニタリング
することは必要ではない。例えば、当業者は、本発明の実施のために、成熟mR
NAレベルのみを測定することを選択し得る。
【0057】 1つの実施形態において、このようなサンプルは細胞もしくは組織または他の
生物学的サンプルのホモジネートである。好ましくは、このようなサンプルは、
生物学的サンプルの総RNA調製物である。いくつかの実施形態においてより好
ましくは、このような核酸サンプルは、生物学的サンプルから単離された総mR
NAである。当業者は、ほとんどの方法で調製した総mRNAは、成熟mRNA
だけでなく、RNAプロセシング中間体および新生プレmRNA転写物をも含む
ことを理解する。例えば、ポリ(T)カラムで精製した総mRNAは、ポリ(A
)テールを有するRNA分子を含む。これらのポリA+RNA分子は、成熟mR
NA、RNAプロセシング中間体、新生転写物または分解中間体であり得る。
【0058】 生物学的サンプルは、任意の生物学的組織、または液体もしくは細胞のサンプ
ルであり得る。頻繁に、このサンプルは、患者に由来するサンプルである「臨床
サンプル」である。臨床サンプルは、遺伝子ネットワークまたは遺伝子発現の種
々の状態に関する情報の豊富な供給源を提供する。本発明のいくつかの実施形態
は、変異体を検出するために、そして変異体の機能を同定するために使用される
。このような実施形態は、臨床診断および臨床研究において広い適用を有する。
代表的な臨床サンプルとしては、喀痰、血液、血球(例えば、白血球)、組織も
しくは微細注射針生検サンプル、尿、腹水、および胸膜液、またはそれらに由来
する細胞が挙げられるがこれらに限定されない。生物学的サンプルとしてはまた
、組織学的目的のために採取された凍結切片のような組織の切片が挙げられ得る
【0059】 生物学的サンプルの別の代表的な供給源は、遺伝子発現状態を操作して遺伝子
間の関係を調査し得る、細胞培養物である。本発明の1つの局面において、遺伝
ネットワークの広範な種々の状態を反映する生物学的サンプルを生成するための
方法が提供される。
【0060】 当業者は、ホモジネートがハイブリダイゼーションのために使用され得る前に
、ホモジネートに存在するRNaseを阻害または破壊することが望ましいこと
を、理解する。ヌクレアーゼを阻害または破壊する方法は、当該分野において周
知である。いくつかの好ましい実施形態において、細胞または組織がカオトロピ
ック因子の存在下で均質化されて、ヌクレアーゼを阻害する。いくつかの他の実
施形態において、RNaseは、熱処理および引き続くプロテイナーゼ処理によ
って、阻害または破壊される。
【0061】 全mRNAの単離の方法もまた、当業者に周知である。例えば、核酸を単離お
よび精製する方法は、Laboratory Techniques in B
iochemistry and Molecular Biologyの第3
章:Hybridization With Nucleic Acid Pr
obes,Part I.Theory and Nucleic Acid
Preparation,P.Tijssen編、Elsevier,N.Y.
(1993)およびLaboratory Techniques in Bi
ochemistry and Molecular Biologyの第3章
:Hybridization With Nucleic Acid Pro
bes,Part I.Theory and Nucleic Acid P
reparation,P.Tijssen編、Elsevier,N.Y.(
1993)に詳細に記載されている。
【0062】 1つの好ましい実施形態において、全RNAは、所定のサンプルから、例えば
、酸グアニジニウム−フェノール−クロロホルム抽出法を使用して単離され、そ
してポリA mRNAは、オリゴdTカラムクロマトグラフィーまたは(dT
)n磁気ビーズの使用によって、単離される(例えば、Sambrookら、M
olecular Cloning:A Laboratory Manual
(第2版),第1〜3巻,Cold Spring Harbor Labor
atory,(1989)、またはCurrent Protocols in
Molecular Biology,F.Ausubelら編、Green
e Publishing and Wiley−Interscience,
New York(1987)を参照のこと)。
【0063】 頻繁に、核酸サンプルをハイブリダイゼーションの前に増幅することが望まし
い。当業者は、どの増幅方法が使用されるとしても、定量的な結果が望ましい場
合には、定量的な増幅を達成するために、増幅された核酸の相対的頻度を維持ま
たは制御する方法を使用する際に、注意を払わなければならないことを理解する
【0064】 「定量的な」増幅の方法は、当業者に周知である。例えば、定量的なPCRは
、既知の量のコントロール配列を、同じプライマーを使用して同時に共同増幅(
co−amplify)する工程を包含する。これは、PCR反応を較正するた
めに使用され得る内部標準を提供する。従って、高密度のアレイは、この増幅さ
れた核酸の定量のための内部標準に特異的なプローブを含み得る。
【0065】 他の適切な増幅方法としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(Innisら,PCR Protocols
.A guide to Methods and Application.
Academic Press,Inc.San Diego,(1990))
、リガーゼ連鎖反応(LCR)(WuおよびWallace,Genomics
,4:560(1989),Landegrenら,Science,241:
1077(1988)ならびにBarringerら,Gene,89:117
(1990)を参照のこと)、転写増幅(Kwohら,Proc.Natl.A
cad.Sci.USA,86:1173(1989))および自己持続配列複
製(Guatelliら,Proc.Nat.Acad.Sci.USA,87
:1874(1990))。
【0066】 細胞溶解物または組織ホモジネートは、しばしば、ポリメラーゼ活性の多数の
インヒビターを含む。従って、RT−PCRは、代表的に、引き続いて増幅テン
プレートとして使用するための全RNAまたはmRNAを単離する予備工程を包
含する。1チューブmRNA捕捉法(one tube mRNA captu
re method)は、同じチューブ内での即時のRT−PCRに適切なポリ
(A)+ RNAサンプルを調製するために使用され得る(Boehringe
r Mannheim)。捕捉されたmRNAは、逆転写混合物、および引き続
いてPCR混合物を添加することによって、RT−PCRに直接供され得る。
【0067】 特に好ましい実施形態において、サンプルmRNAは、逆転写酵素ならびにオ
リゴdTおよびファージT7プロモーターをコードする配列からなるプライマー
によって逆転写されて、一本鎖DNAテンプレートを生成する。第2のDNA鎖
は、DNAポリメラーゼを使用して重合される。二本鎖cDNAの合成の後に、
T7 RNAポリメラーゼが添加され、そしてRNAがcDNAテンプレートか
ら転写される。各単一のcDNAテンプレートからの相次ぐ回の転写は、増幅さ
れたRNAを生じる。インビトロ重合の方法は、当業者に周知であり(例えば、
Sambrook、前出を参照のこと)、そしてこの特定の方法は、Van G
elderら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:166
3−1667(1990)によって詳細に記載される。さらに、Eberwin
eら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:3010−30
14は、インビトロ転写を介する2回の増幅を使用して、元の出発物質の10 倍より大きな増幅を達成し、これによって生物学的サンプルが限られている場合
でさえも、発現のモニタリングを可能にするプロトコルを提供する。
【0068】 1999年12月16日に出願された、米国仮出願番号60/172,340
に開示される、CRNA増幅法。
【0069】 上記直接転写方法は、アンチセンス(aRNA)プールを提供することが、当
業者によって理解される。アンチセンスRNAが標的核酸として使用される場合
には、アレイに提供されるオリゴヌクレオチドプローブは、これらのアンチセン
ス核酸の部分配列と相補的であるように選択される。逆に、標的核酸プールがセ
ンス核酸のプールである場合には、オリゴヌクレオチドプローブは、これらのセ
ンス核酸の部分配列に相補的であるように選択される。最後に、核酸プールが二
本鎖である場合には、これらのプローブは、いずれのセンスであってもよい。な
ぜなら、この標的核酸は、センス鎖とアンチセンス鎖との両方を含むからである
【0070】 上に引用したプロトコルは、センス核酸またはアンチセンス核酸のいずれかの
プールを生成する方法を含む。実際に、1つのアプローチを使用して、必要に応
じてセンス核酸またはアンチセンス核酸のいずれかを生成し得る。例えば、cD
NAは、ベクター(例えば、Stratageneのp Bluscript
II KS(+)ファージミド)に指向的にクローニングされ得、その結果、こ
れはT3またはT7プロモーターに隣接し得る。T3ポリメラーゼを用いるイン
ビトロ転写は、1つのセンス(このインサートの配向に依存するセンス)のRN
Aを生成し、一方でT7ポリメラーゼを用いるインビトロ転写は、逆のセンスを
有するRNAを生成する。他の適切なクローニング系としては、Cre−lox
Pプラスミドサブクローニングのために設計された、ファージλベクターが挙げ
られる(例えば、Palazzoloら,Gene,88:25−36(199
0)を参照のこと)。
【0071】 ((B)高密度アレイへの核酸のハイブリダイゼーション) (1.プローブ設計) 当業者は、多数のアレイ設計が、本発明の実施に適切であることを理解する。
高密度アレイは、代表的に、目的の配列に特異的にハイブリダイズする多数のプ
ローブを含む。さらに、好ましい実施形態において、このアレイは、1つ以上の
コントロールプローブを含む。
【0072】 高密度アレイチップは、「試験プローブ」を含む。試験プローブは、約5〜約
45ヌクレオチド長、または5〜約500ヌクレオチド長、より好ましくは約1
0〜約40ヌクレオチド長、そして最も好ましくは約15〜約40ヌクレオチド
長の範囲のオリゴヌクレオチドである。他の特に好ましい実施形態において、プ
ローブは、20ヌクレオチド長または25ヌクレオチド長である。別の好ましい
実施形態において、試験プローブは、二本鎖または一本鎖のDNA配列である。
DNA配列は、天然の供給源から単離されるか、またはクローニングされるか、
あるいは天然の核酸をテンプレートとして使用して天然の供給源から増幅される
。これらのプローブは、遺伝子(この遺伝子の発現を検出するように、これらの
プローブが設計される)の特定の部分配列に相補的な配列を有する。従って、試
験プローブは、これらが検出する標的核酸に特異的にハイブリダイズし得る。
【0073】 目的の標的核酸を結合する試験プローブに加えて、高密度アレイは、多数のコ
ントロールプローブを含み得る。これらのコントロールプローブは、本明細書中
において以下のように称される、3つのカテゴリーに入る:1)正規化コントロ
ール;2)発現レベルコントロール;および3)標的配列の塩基と異なる少なく
とも1つの塩基を含むよう設計された、ミスマッチコントロール。正規化コント
ロールは、核酸サンプルに添加された標識された参照オリゴヌクレオチドまたは
他の核酸配列に相補的な、オリゴヌクレオチドまたは他の核酸プローブである。
ハイブリダイゼーション後に正規化コントロールから得られるシグナルは、ハイ
ブリダイゼーション条件、標識強度、「読み取り」効率、および完全なハイブリ
ダイゼーションのシグナルをアレイ間で変化させ得る他の因子における変動に対
する制御を提供する。好ましい実施形態において、そのアレイにおける他の全て
のプローブから読み取られるシグナル(例えば、蛍光強度)は、コントロールプ
ローブからのシグナル(例えば、蛍光強度)によって除算され、これによって、
これらの測定を正規化する。
【0074】 事実上任意のプローブが、正規化コントロールとして働き得る。しかし、ハイ
ブリダイゼーション効率は、塩基組成およびプローブの長さと共に変動すること
が、理解される。好ましい正規化プローブは、そのアレイに存在する他のプロー
ブの平均長さを反映するよう選択されるが、これらは、ある範囲の長さを網羅す
るよう選択され得る。正規化コントロールはまた、そのアレイにおける他のプロ
ーブの(平均)塩基組成を反映するよう選択され得るが、好ましい実施形態にお
いて、ほんの1つまたは数個の正規化プローブが使用され、そしてこれらは、こ
れらが良好にハイブリダイズし(すなわち、二次構造なし)、そしていかなる標
的特異的プローブにもマッチしないように、選択される。
【0075】 発現レベルコントロールは、生物学的サンプルにおいて構成的に発現される遺
伝子と特異的にハイブリダイズするプローブである。事実上任意の構成的に発現
された遺伝子が、発現レベルコントロールに適した標的を提供する。代表的に、
発現レベルコントロールプローブは、構成的に発現された「ハウスキーピング遺
伝子」(β−アクチン遺伝子、トランスフェリンレセプター遺伝子、GAPDH
遺伝子などが挙げられるが、これらに限定されない)の部分配列に相補的な配列
を有する。ミスマッチコントロールもまた、標的遺伝子へのプローブに対して、
発現レベルコントロールに対して、または正規化コントロールに対して、提供さ
れ得る。ミスマッチコントロールは、1つ以上のミスマッチ塩基の存在を除いて
、それらの対応する試験プローブ、標的プローブまたはコントロールプローブと
同一であるように設計された、オリゴヌクレオチドプローブまたは他の核酸プロ
ーブである。ミスマッチ塩基は、その他の点ではこのプローブが特異的にハイブ
リダイズする標的配列において、対応する塩基に相補的ではないように選択され
た塩基である。適切なハイブリダイゼーション条件(例えば、ストリンジェント
な条件)下で、試験プローブまたはコントロールプローブがその標的配列とハイ
ブリダイズするが、ミスマッチプローブはハイブリダイズしない(または有意に
より低い程度にハイブリダイズする)ことが予測されるように、1つ以上のミス
マッチが選択される。好ましいミスマッチプローブは、中心ミスマッチを含む。
従って、例えば、プローブが20マーである場合には、対応するミスマッチプロ
ーブは、6〜14のいずれかにおける単一の塩基のミスマッチ(例えば、G、C
またはTがAの代わりに存在する)(中心ミスマッチ)を除いて、同一の配列を
有する。
【0076】 従って、ミスマッチプローブは、サンプル中の、そのプローブが指向されてい
る標的以外の核酸への非特異的結合または交差ハイブリダイゼーションに対する
制御を提供する。従って、ミスマッチプローブは、ハイブリダイゼーションが特
異的であるか否かを示す。例えば、標的が存在する場合には、完全なマッチプロ
ーブは、ミスマッチプローブより一貫して有望であるはずである。さらに、全て
の中心ミスマッチが存在する場合には、これらのミスマッチプローブが、変異を
検出するために使用され得る。完全なマッチプローブとミスマッチプローブとの
間の強度の差(I(PM)−I(MM))は、ハイブリダイズした物質の濃度の
良好な尺度を提供する。
【0077】 高密度アレイはまた、サンプル調製/増幅コントロールプローブを含み得る。
これらは、アッセイされる特定の生物学的サンプルの核酸には通常は存在しない
ので選択された、コントロール遺伝子の部分配列に相補的なプローブである。適
切なサンプル調製/増幅コントロールプローブとしては、例えば、細菌遺伝子(
例えば、Bio B)に対するプローブが挙げられ、ここで、問題のサンプルは
、真核生物由来の生物学的物質である。
【0078】 次いで、RNAサンプルは、既知量の核酸(この核酸に対して、サンプル調製
/増幅コントロールプローブが指向される)でスパイクされ、次いでプロセシン
グされる。次いで、サンプル調製/増幅コントロールプローブのハイブリダイゼ
ーションの定量は、プロセシングの工程(例えば、PCR、逆転写、インビトロ
転写など)によって引き起こされた多数の核酸の変化の尺度を提供する。
【0079】 1つの好ましい実施形態において、高密度アレイにおけるオリゴヌクレオチド
プローブは、核酸標的(この標的に対して、これらのプローブが指向される)に
、利用される特定のハイブリダイゼーション条件下で、最小の非特異的結合また
は交差ハイブリダイゼーションを伴って、特異的に結合するよう選択される。本
発明の高密度アレイは、1,000,000を超える異なるプローブを含み得る
ので、特定の核酸配列に結合する特徴的な長さの各プローブを提供することが可
能である。従って、例えば、この高密度アレイは、IL−2 mRNAに相補的
な全ての可能な20マー配列を含み得る。
【0080】 しかし、IL−2 mRNAに独特ではない20マー部分配列が存在し得る。
これらの部分配列に指向されるプローブは、サンプルゲノムの他の領域における
これらの相補的配列の発生と共に交差ハイブリダイズすると予測される。同様に
、他のプローブは、単に、ハイブリダイゼーション条件下で効果的にハイブリダ
イズしないかもしれない(例えば、二次構造、または基質もしくは他のプローブ
との相互作用に起因して)。従って、好ましい実施形態において、このような乏
しい特異性またはハイブリダイゼーション効率を示すプローブが同定され、そし
て高密度アレイ自体(例えば、アレイの作製の間)とハイブリダイゼーション後
のデータ分析とのいずれにも含まれないかもしれない。
【0081】 さらに、好ましい実施形態において、発現モニタリングアレイは、数百塩基対
長である遺伝子の存在および発現レベル(転写レベル)を同定するために使用さ
れる。ほとんどの用途について、数千〜数十万の遺伝子の存在、非存在または発
現レベルを同定するのに有用である。好ましい実施形態において、1アレイあた
りのオリゴヌクレオチドの数は制限されるため、各遺伝子(この発現が検出され
る)に特異的なプローブの限定されたセットのみを含むことが望ましい。
【0082】 米国特許第出願番号08/772,376に開示されるように、15、20ま
たは25ヌクレオチドほどの短いプローブは、遺伝子のサブ配列にハイブリダイ
ズするのに十分であり、またほとんどの遺伝子について、広範囲の標的核酸の濃
縮にわたって十分に行うプローブのセットが存在する。好ましい実施形態におい
て、高密度アレイを合成する前に、各遺伝子に好ましいかまたは「最適な」サブ
セットのプローブを選択することが望ましい。
【0083】 (2.高密度アレイの形成) 最小数の合成工程で、オリゴヌクレオチド、ペプチドおよび他のポリマー配列
の高密度アレイを形成する方法は、公知である。オリゴヌクレオチドアナログア
レイは、様々な方法(光誘導性化学カップリング、および力学的に誘導されるカ
ップリングが挙げられるが、これらに限定されない)によって固体基板上で合成
され得る。Pirrungら、米国特許第5,143,854号(PCT出願番
号WO90/15070もまた参照のこと)、およびFodorら、PCT公開
番号WO92/10092、およびWO93/09668、および米国特許出願
第07/980,523(これらは、例えば、光誘導性合成技術を使用して、ペ
プチド、オリゴヌクレオチドおよび他の分子の巨大なアレイを形成する方法を開
示する)を参照のこと。Fodorら、Science,251,767−77
(1991)もまた参照のこと。ポリマーアレイの合成のためのこれらの手順は
、ここで、VLSIPSTM手順と称される。このVLSIPSTMアプローチ
を使用して、ポリマーの1つの異種アレイを、多数の反応部位を同時にカップリ
ングすることによって、異なる異種アレイに変換する。米国特許出願番号第0.
7/796,243号および同第07/980,523号を参照のこと。
【0084】 上記の米国特許第5,143,854号およびPCT特許公開番号WO90/
15070および92/10092に記載されるようなVLSIPSTM技術の
開発は、コンビナトリアル合成およびコンビナトリアルライブラリーのスクリー
ニングの分野において先駆的な技術と考えられる。より最近では、特許出願番号
08/082,937(1993年6月25日出願)は、標的核酸の部分配列ま
たは完全配列を試験または決定し、そして特定のオリゴヌクレオチド配列を含む
核酸の存在を検出するために使用され得るオリゴヌクレオチドプローブのアレイ
を作成するための方法を記載している。
【0085】 簡潔には、ガラス表面上におけるオリゴヌクレオチドアレイの光誘導性コンビ
ナトリアル合成は、自動化ホスホルアミダイト化学およびチップ作成技術を使用
して進行する。1つの特定の実施において、ガラス表面は、官能基(例えば、感
光性の保護基でブロックされたヒドロキシル基またはアミン基)を含むシラン試
薬で誘導体化される。写真平板マスクによる光分解は、官能基を暴露するために
選択的に使用され、これは次いで、次の5’−光保護されたヌクレオシドホスホ
ルアミダイトと反応するように準備される。ホスホルアミダイトは、照射された
(従って、感光性のブロック基の除去によって暴露される)部位とのみ反応する
。従って、ホスホルアミダイトは、前述の工程で選択的に暴露された領域にのみ
添加される。これらの工程は、配列の所望のアレイがこの固体表面上で合成され
るまで繰り返される。アレイ上の異なる位置における異なるオリゴヌクレオチド
アナログのコンビナトリアル合成は、合成中の照射パターンおよび追加のカップ
リング試薬の順序によって決定される。
【0086】 ポリアミド骨格を有するオリゴヌクレオチドアナログがVLSIPSTM手順
において使用される場合、ホスホルアミダイト化学を使用して合成工程を行うこ
とは一般的に不適切である。なぜなら、モノマーは、ホスフェート結合を介して
互いに結合しないからである。その代わり、ペプチド合成方法に置き換えられる
。例えば、Pirrungら、米国特許第5,143,854号を参照のこと。
【0087】 ポリアミド骨格および天然に存在するヌクレオシドに見出される塩基を含むペ
プチド核酸は、例えば、Biosearch,Inc.(Bedford,MA
)から市販されている。ペプチド核酸は、高い特異性で核酸に結合し得、そして
本開示の目的のために、「オリゴヌクレオチドアナログ」とみなされる。
【0088】 上記に加えて、単一の基板上にオリゴヌクレオチドのアレイを生成するために
使用され得るさらなる方法は、同時係属出願07/980,523(1992年
11月20日出願)、および07/796,243(1991年11月22日出
願)、ならびにPCT公開WO93/09668に記載される。これらの出願で
開示される方法において、試薬は以下の(1)〜(3)のいずれかによってこの
基板に送達される:(1)所定の領域上に規定されたチャネル内におけるフロー
イング、または(2)所定の領域上の「スポッティング」、または(3)フォト
レジストの使用によって。しかし、他のアプローチ、ならびにスポッティングと
フローイングとの組み合わせが用いられ得る。各場合において、基板の特定の活
性化された領域は、モノマー溶液が様々な反応部位に送達される場合、他の領域
から機械的に分離される。
【0089】 本発明の化合物およびライブラリーに適用される代表的な「フローチャネル」
方法は一般に、以下のように記載され得る。様々なポリマー配列は、適切な試薬
が流れるかまたは適切な試薬が配置される基板の表面上に、フローチャネルを形
成することによって、基板または固体支持体上の選択された領域で合成される。
例えば、モノマー「A」が選択された領域の最初の群の基板に結合すると仮定す
る。必要ならば、選択された領域の全てまたは一部の基板の表面の全てまたは一
部は、例えば、適切な試薬をチャネルの全てまたは一部を通して流すことによっ
て、または基板全体を適切な試薬で洗浄することによって結合に対して活性化さ
れる。この基板の表面上にチャネルブロックを配置した後、モノマーAを有する
試薬は、このチャネルの全てまたは一部を通って流れるか、またはこのチャネル
の全てまたはいくつかに配置される。これらのチャネルは、第1の選択した領域
と流体とを接触させ、これによりモノマーAを、第1の選択した領域内で、基板
上に直接的にかまたは間接的に(スペーサーを介して)結合する。
【0090】 その後、モノマーBは、第2の選択された領域(このいくつかは、第1の選択
した領域内に含まれ得る)にカップリングされる。この第2の選択した領域は、
この基板の表面上におけるチャネルブロックの並進、回転または置換によって;
選択したバルブの開閉によって;または化学試薬またはフォトレジストの層の沈
着によって、第2のフローチャネルと流体接触する。必要ならば、少なくとも第
2の領域を活性化するための工程が行われる。その後、モノマーBを、第2のフ
ローチャネル(単数または複数)を通して流されるか、または第2のフローチャ
ネル(単数または複数)内に配置され、モノマーBが第2の選択した位置に結合
される。この特定の例において、この処理段階で基板に結合した得られる配列は
、例えば、A、BおよびABである。このプロセスを繰り返して、基板上の既知
の位置において、所望の長さの配列の巨大なアレイを形成する。
【0091】 基板が活性化された後、モノマーAは、これらのチャネルのいくつかを通して
流され得、モノマーBは、他のチャネルを通して流され得、モノマーCは、さら
に他のチャネルを通して流され得る(以下同様)。このように、反応領域の多く
または全ては、チャネルブロックが移動されなければならない前に、または基板
が洗浄および/または再活性化されなければならない前に、モノマーと反応され
る。利用可能な反応領域の多くまたは全てを同時に使用することによって、洗浄
および活性化工程の数が最小化され得る。
【0092】 当業者は、チャネルを形成するかまたはそうでなければ基板の表面の一部を保
護する代替の方法が存在することを認識する。例えば、いくつかの実施形態によ
れば、保護コーティング(例えば、親水性コーティングまたは疎水性コーティン
グ(溶媒の性質に依存する))は、他の領域における反応物溶液による湿潤を容
易にする材料と時折組み合わせて、保護されるべき基板の部分の上に用いられる
。このように、フローイング溶液は、それらの設計された流路の外側を通過する
ことをさらに防止される。
【0093】 高密度核酸アレイは、予備合成した核酸または天然の核酸を所定の位置に配置
することによって製造され得る。全ての目的のために以前に援用された米国出願
番号およびその親出願において開示されるように、合成核酸または天然の核酸は
、光誘導性標的化およびオリゴヌクレオチド誘導性標的化によって基板の特定の
位置に沈着される。核酸はまた、フローチャネル法とほとんど同じ様式で、特定
の位置に方向付けられ得る。例えば、核酸Aは、適切に活性化された反応領域の
第1の群に送達されここに連結され得る。その後、核酸Bが、活性化された反応
領域の第2の群に送達されこの群と反応し得る。核酸は、選択された領域に沈着
される。別の実施形態は、領域から領域へと移動して、核酸と特定のスポットに
沈着させるディスペンサーを使用する。代表的なディスペンサーは、核酸を基板
へ送達するためのマイクロピペットまたはキャピラリーピン、およびこの基板に
対するマイクロピペットの位置を制御するためのロボットシステムを備える。他
の実施形態において、ディスペンサーは、一連のチューブ、マニホルド、ピペッ
トまたはキャピラリーピンのアレイなどを備え、その結果、様々な試薬が反応領
域に同時に送達され得る。
【0094】 (3.ハイブリダイゼーション) 核酸のハイブリダイゼーションは、単に、プローブと標的核酸とを、このプロ
ーブおよびその相補標的が安定なハイブリッド二重鎖を相補塩基対形成によって
形成し得る条件下で接触させる工程を包含する。ハイブリッド二重鎖を形成しな
い核酸は、次いで、洗い流され、代表的には結合した検出可能な標識の検出によ
って検出されるハイブリダイズした核酸が残る。一般的に、核酸は、温度を上げ
ることによって、または核酸を含む緩衝液の塩濃度を下げることによって変性す
ることが認識される。低いストリンジェンシーな条件下(例えば、低温および/
または高塩)で、ハイブリッド二重鎖(例えば、DNA:DNA、RNA:RN
A、またはRNA:DNA)が、アニーリングした配列が完全には相補的ではな
い場合でさえ形成する。従って、ハイブリダイゼーションの特異性は、より低い
ストリンジェンシーにおいて減少する。逆に、より高いストリンジェンシー(例
えば、高温または低塩)において、首尾良いハイブリダイゼーションは、より少
ないミスマッチを必要とする。
【0095】 当業者は、ハイブリダイゼーション条件は、ある程度のストリンジェンシーを
提供するように選択され得ることを理解する。好ましい実施形態において、ハイ
ブリダイゼーションは、この場合、6×SSPE−T中37℃(0.005%
Triton X−100)で、低いストリンジェンシーで行われてハイブリダ
イゼーションを保証し、次いで続く洗浄は、より高いストリンジェンシー(例え
ば、1×SSPE−T、37℃)で行われて、ミスマッチしたハイブリッド二重
鎖を排除する。首尾良い洗浄は、所望のレベルのハイブリダイゼーションの特異
性が得られるまで、徐々にストリンジェンシーを高くして(例えば、37℃〜5
0℃で、0.25×SSPE−Tほど低く)、行われ得る。ストリンジェンシー
はまた、ホルムアミドのような試薬を添加することによって増大され得る。ハイ
ブリダイゼーションの特異性は、試験プローブに対するハイブリダイゼーション
と存在し得る様々なコントロール(例えば、発現レベルコントロール、正規化コ
ントロール、ミスマッチコントロールなど)に対するハイブリダイゼーションと
を比較することによって、評価され得る。
【0096】 一般的に、ハイブリダイゼーションの特異性(ストリンジェンシー)とシグナ
ル強度との間に関係が存在する。従って、好ましい実施形態において、洗浄は、
最高のストリンジェンシーで行われ、これは一貫した結果を生じ、そしてバック
グラウンド強度の約10%より大きなシグナル強度を提供する。従って、好まし
い実施形態において、ハイブリダイズしたアレイは、より高いストリンジェンシ
ー溶液で連続的に洗浄され、各洗浄の間に解読され得る。このように生成された
データセットの分析は、それより上ではハイブリダイゼーションパターンが多く
は変更されない洗浄ストリンジェンシーを評価し、そしてこの分析は、目的の特
定のオリゴヌクレオチドプローブに適切なシグナルを提供する。
【0097】 好ましい実施形態において、バックグラウンドシグナルは、非特異的結合を減
少させるために、ハイブリダイゼーションの間の界面活性剤(例えば、C−TA
B)またはブロッキング剤(例えば、精子DNA、cot−1 DNAなど)の
使用によって減少される。特に好ましい実施形態において、このハイブリダイゼ
ーションは、約0.5mg/mlのDNA(例えば、ニシン精子DNA)の存在
下で実施される。ハイブリダイゼーション中のブロッキング剤の使用は、当業者
に周知である(例えば、P.Tijssen,前出の第8章を参照のこと)。
【0098】 RNA間またはDNA間に形成される二重鎖の安定性は、溶液中で、一般に、
RNA:RNA>RNA:DNA>DNA:DNAの順序である。長いプローブ
は、標的との良好な二重鎖安定性を有するが、より短いプローブよりも、ミスマ
ッチの区別が乏しい(ミスマッチの区別とは、完全に一致したプローブと単一塩
基がミスマッチのプローブとの間の、測定されたハイブリダイゼーションシグナ
ル比をいう)。より短いプローブ(例えば、8マー)は、非常に良好にミスマッ
チを区別するが、全体的な二重鎖安定性は低い。
【0099】 例えば、公知のオリゴヌクレオチドアナログを使用してこの標的とプローブの
間に形成される二重鎖の熱安定性(T)を変化させること、二重鎖安定性およ
びミスマッチの区別の最適化を可能にする。Tを変化させることの1つの有用
な局面は、アデニン−チミン(A−T)二重鎖が、グアニン−シトシン(G−C
)二重鎖よりも低いTmを有するという事実から生じ、これは、A−T二重鎖は
塩基対当り2つの水素結合を有するが、G−C二重鎖は塩基対当り3つの水素結
合を有しているという事実に一部起因している。塩基の不均一な分布が存在する
異質なオリゴヌクレオチドアレイにおいて、各オリゴヌクレオチドプローブにつ
いてハイブリダイゼーションを同時に最適化することは一般に可能ではない。従
って、いくつかの実施形態において、G−C二重鎖を選択的に不安定化し、そし
て/またはA−T二重鎖の安定性を増加することが望ましい。これは、例えば、
G−C二重鎖を形成するアレイのプローブにおけるグアニン残基をヒポキサンチ
ンで置換することによってか、またはA−T二重鎖を形成するプローブにおける
アデニン残基を2,6ジアミノプリンで置換することによってか、あるいはNa
Clの代わりにテトラメチルアンモニウムクロリド塩(TMACl)を使用する
ことによって、達成され得る。
【0100】 オリゴヌクレオチドアナログプローブを使用することによって与えられる変化
した二重鎖安定性は、例えば、標的オリゴヌクレオチドにハイブリダイズしたオ
リゴヌクレオチドアナログのアレイの経時的な蛍光シグナル強度に従って、確認
され得る。このデータは、例えば、室温(将来の単純化された診断適用について
)での特定のハイブリダイゼーション条件の最適化を可能にする。
【0101】 変化した二重鎖安定性を確認する別の方法は、ハイブリダイゼーションの際に
経時的に生成されるシグナル強度に従うことである。DNA標的およびDNAチ
ップを使用する以前の実験は、シグナル強度が時間と共に増加し、そしてより安
定な二重鎖が、安定でない二重鎖よりも速くより高いシグナル強度を生成するこ
とを示した。このシグナルは、全ての結合部位の占有に起因して、特定の期間後
にプラトーまたは「飽和」に達する。これらのデータは、ハイブリダイゼーショ
ンの最適化、および特定の温度での最良の条件の決定を可能にする。
【0102】 ハイブリダイゼーション条件を最適化する方法は、当業者に周知である(例え
ば、Laboratory Techniques in Biochemis
try and Molecular Biology,Vol.24:Hyb
ridization With Nucleic Acid Probes,
P.Tijssen編.Elsevier,N.Y.,(1993)を参照のこ
と)。
【0103】 ((C)シグナルの検出) 好ましい実施形態において、ハイブリダイズした核酸は、サンプル核酸に結合
した1つ以上の標識を検出することによって検出される。この標識は、当業者に
周知の多くの方法のいずれかによって組み込まれ得る。しかし、好ましい実施形
態において、この標識は、増幅工程の間に、このサンプル核酸の調製において同
時に組み込まれる。従って、例えば、標識されたプライマーまたは標識されたヌ
クレオチドを用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、標識された増幅産物を
与える。好ましい実施形態において、標識されたヌクレオチド(例えば、フルオ
レセイン標識されたUTPおよび/またはCTP)を使用する上記のような転写
増幅は、転写された核酸に標識を組み込む。
【0104】 あるいは、標識は、最初の核酸サンプル(例えば、mRNA、ポリA mRN
A、cDNAなど)または増幅が完了した後のこの増幅産物に、直接付加され得
る。核酸に標識を結合する手段は、当業者に周知であり、そしてこれらとしては
、例えば、核酸のキナーゼ処理(kinasing)および引き続いて、このサ
ンプル核酸を標識(例えば、発蛍光団)に結合する核酸リンカーの結合(連結)
による、ニックトランスレーションまたは末端標識化(例えば、標識されたRN
Aを用いる)が挙げられる。
【0105】 本発明における使用のために適切な検出可能標識としては、分光学的、光化学
的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的、または化学的な手段によって検出
可能な任意の組成物が挙げられる。本発明において有用な標識としては、標識さ
れたストレプトアビジン結合体で染色するためのビオチン、磁気ビーズ(例えば
、DynabeadsTM)、蛍光色素(例えば、フルオレセイン、テキサスレ
ッド(texas red)、ローダミン、グリーン蛍光タンパク質など)、放
射性標識(例えば、H、125I、35S、14C、または32P)、酵素(
例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼおよびELIS
Aにおいて一般に使用される他のもの)、ならびにコロイド状金または着色した
ガラスまたはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテック
スなど)ビーズのような比色標識が挙げられる。このような標識の使用を教示し
ている特許としては、米国特許第3,817,837号;同第3,850,75
2号;同第3,939,350号;同第3,996,345号;同第4,277
,437号;同第4,275,149号;および同第4,366,241号が挙
げられる。
【0106】 このような標識を検出するための手段は、当業者に周知である。従って、例え
ば、放射性標識が、写真フィルムまたはシンチレーションカウンターを使用して
検出され得、蛍光マーカーは、放出された光を検出するための光検出器を使用し
て検出され得る。酵素標識は、基質と共に酵素を提供し、そしてこの酵素の基質
への作用によって生成される反応産物を検出することによって代表的に検出され
、そして比色標識は、着色した標識を単に可視化することによって検出される。
1つの特に好ましい方法は、散乱光を測定することによって検出され得るコロイ
ド状金標識を使用する。
【0107】 この標識は、ハイブリダイゼーションの前、または後に標的(サンプル)核酸
に付加され得る。いわゆる「直接標識」は、ハイブリダイゼーションの前に標的
(サンプル)核酸に直接結合されるか、または組み込まれる検出可能な標識であ
る。対照的に、いわゆる「間接標識」は、ハイブリダイゼーション後に、ハイブ
リッド二重鎖に結合される。しばしば、間接標識は、ハイブリダイゼーションの
前に標的核酸に結合される結合部分に結合する。従って、例えば、この標的核酸
は、ハイブリダイゼーションの前にビオチン化され得る。ハイブリダイゼーショ
ン後に、アビデン(aviden)と結合体化した発蛍光団は、ビオチン保有ハ
イブリッド二重鎖と結合して、容易に検出される標識を提供する。核酸の標識方
法およびハイブリダイズされた標識核酸の検出方法の詳細な総説については、L
aboratory Techniques in Biochemistry
and Molecular Biology,Vol.24:Hybrid
ization With Nucleic Acid Probes,P.T
ijssen,編.Elsevier,N.Y.,(1993)を参照のこと)
【0108】 蛍光標識は、好ましく、そしてインビトロの転写反応の間に容易に付加される
。好ましい実施形態において、フルオレセイン標識したUTPおよびCTPは、
上記のように、インビトロでの転写反応において生成されるRNAに組み込まれ
る。
【0109】 高密度アレイのプローブにハイブリダイズする標識された標的(サンプル)核
酸を検出する手段は、当業者に公知である。従って、例えば、比色標識が使用さ
れる場合、標識の単純な可視化で十分である。放射性標識されたプローブが使用
される場合、放射線の検出(例えば、写真フィルムまたは固体検出器を用いて)
で十分である。
【0110】 しかし、好ましい実施形態において、この標的核酸は、蛍光標識で標識され、
そしてプローブアレイ上でのこの標識の局在化は、蛍光顕微鏡法を用いて達成さ
れる。ハイブリダイズしたアレイは、光源を用いて特定の蛍光標識の励起波長で
励起され、そしてその発光波長で得られる蛍光が検出される。特に好ましい実施
形態において、この励起光源は、この蛍光標識の励起に適切なレーザーである。
【0111】 共焦点顕微鏡は、高密度アレイ全体を自動的に走査するコンピュータ制御ステ
ージで自動化され得る。同様に、この顕微鏡は、アレイ上の各オリゴヌクレオチ
ドプローブにハイブリダイゼーションすることによって生成される蛍光シグナル
を自動的に記録するための自動化データ取得システムに結合した光トランスデュ
ーサー(例えば、光電子増倍管、固体アレイ、CCDカメラなど)を備え得る。
このような自動化されたシステムは、米国特許第5,143,854号、PCT
出願20 92/10092、および同時系属の米国特許出願番号08/195
,889(1994年2月10日出願)において十分に記載される。シグナル検
出のための自動化された共焦点顕微鏡と関連してのレーザー照明の使用は、約1
00μmより良好な分解能、より好ましくは約50μmより良好な分解能、そし
て最も好ましくは約25μmより良好な分解能での検出を可能にする。
【0112】 当業者は、ハイブリダイゼーションの結果を評価する方法が、使用される特定
のプローブ核酸および提供されるコントロールの性質によって変化することを理
解する。最も単純な実施形態において、各プローブについての蛍光強度の単純な
定量化が決定される。これは、高密度アレイ上の各位置(異なるプローブを表す
)でのプローブシグナル強度を測定することによって単純に達成される(例えば
、この標識が蛍光標識の場合、このアレイの各位置に固定された励起照明によっ
て生成される蛍光の量(強度)の検出)。「試験」サンプル由来の核酸にハイブ
リダイズしたアレイの絶対強度と、「コントロール」サンプルによって生成され
る強度との比較は、このプローブの各々にハイブリダイズする核酸の相対的発現
の基準を提供する。
【0113】 しかし、当業者は、ハイブリダイゼーションシグナルが、ハイブリダイゼーシ
ョンの効率、このサンプル核酸上の標識の量、およびこのサンプル中の特定の核
酸の量と共にその強度が変化することを理解する。代表的に、非常に低レベル(
例えば、1pM未満)で存在する核酸は、非常に弱いシグナルを示す。ある程度
低い濃度レベルで、このシグナルは、バックグラウンドから実質的に識別不能と
なる。ハイブリダイゼーションデータの評価において、強度閾値は、シグナルが
バックグラウンドから本質的に識別不能となる数値未満で選択され得る。
【0114】 上記の記載は、例示的であり、そして限定的ではない。本開示を検討すること
で、本発明の多くの変化が当業者に明白となる。従って、本発明の範囲は、上記
の記載への参照で決定されるべきではなく、代わりに、添付の特許請求の範囲お
よび均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、選択的スプライシングを示す。
【図2】 図2は、配列エレメントの組み合わせの検出を示す。
【図3】 図3は、選択的スプライシングの検出を示す。
【図4】 図4は、より複雑な選択的スプライシングの検出を示す。
【図5】 図5は、エキソンチップを設計するためのプロセスを示す。
【図6】 図6は、エキソンチップからのデータを分析するためのプロセスを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA11 AA19 CA09 CA12 HA12 4B029 AA07 AA23 BB20 CC03 FA15 4B063 QA01 QA13 QQ53 QR32 QR55 QR84 QS34

Claims (49)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核酸プローブアレイであって、第1の配列エレメントと第2
    の配列エレメントとの間の結合配列を問い合わせるための1セットのプローブを
    含む、核酸プローブアレイ。
  2. 【請求項2】 前記核酸がオリゴヌクレオチドである、請求項1に記載のプ
    ローブアレイ。
  3. 【請求項3】 前記第1の配列エレメントが第1エキソンであり、そして前
    記第2の配列エレメントが第2のエキソンである、請求項1に記載のプローブア
    レイ。
  4. 【請求項4】 前記結合配列が、前記第1のエキソンの3’配列および前記
    第2のエキソンの5’配列である、請求項3に記載のプローブアレイ。
  5. 【請求項5】 前記結合配列が、少なくとも20塩基である、請求項4に記
    載のプローブアレイ。
  6. 【請求項6】 前記結合配列が、少なくとも30塩基である、請求項5に記
    載のプローブアレイ。
  7. 【請求項7】 前記結合配列が、少なくとも40塩基である、請求項6に記
    載のプローブアレイ。
  8. 【請求項8】 前記結合配列が、少なくとも50塩基である、請求項7に記
    載のプローブアレイ。
  9. 【請求項9】 前記結合配列が、少なくとも100塩基である、請求項8に
    記載のプローブアレイ。
  10. 【請求項10】 前記セットのプローブが、少なくとも100プローブ/c
    の密度で基板上に固定される、請求項1に記載のプローブアレイ。
  11. 【請求項11】 標的配列を決定するための方法であって、ここで、該標的
    配列が、第2の配列エレメントに結合している第1の配列エレメントを含み、以
    下: a)該標的配列を核酸プローブアレイにハイブリダイズする工程であって、該
    核酸プローブアレイが、該第1の配列エレメントと該第2の配列エレメントとの
    間の結合配列を問い合わせるための1セットのプローブを含む、工程;および b)該標的配列の該セットのプローブへのハイブリダイゼーションに基づいて
    、該結合配列についての情報を得る工程、 を包含する、方法。
  12. 【請求項12】 前記第1の配列エレメントおよび第2の配列エレメントが
    、エキソンである、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記セットの核酸プローブが、オリゴヌクレオチドプロー
    ブである、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記セットの核酸プローブが、基板上に固定される、請求
    項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記セットの核酸プローブが、少なくとも100プローブ
    /cmの密度で固定される、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記標的配列が、mRNAである、請求項12に記載の方
    法。
  17. 【請求項17】 前記mRNAが、遺伝子から転写された、少なくとも2つ
    の選択的にスプライシングされたmRNAのうちの1つである、請求項16に記
    載の方法。
  18. 【請求項18】 請求項11に記載の方法であって、前記結合配列および前
    記ハイブリダイゼーションについての前記情報を使用して、前記第1の配列エレ
    メントおよび前記第2の配列エレメントを定量化する工程をさらに包含する、方
    法。
  19. 【請求項19】 前記核酸プローブアレイが、前記第1の配列エレメントお
    よび前記第2の配列エレメントに対する配列プローブを含む、請求項11に記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の方法であって、前記標的配列および前
    記配列プローブのハイブリダイゼーションに基づいて、前記第1の配列エレメン
    トおよび前記第2の配列エレメントを定量化する工程をさらに包含する、方法。
  21. 【請求項21】 前記問い合わせるためのプローブが、前記結合配列を被覆
    するためのプローブである、請求項11に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記結合配列が、少なくとも20塩基である、請求項21
    に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記結合配列が、少なくとも30塩基である、請求項22
    に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記結合配列が、少なくとも40塩基である、請求項23
    に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記結合配列が、少なくとも50塩基である、請求項24
    に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記結合配列が、少なくとも100塩基である、請求項2
    5に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記プローブがオリゴヌクレオチドである、請求項19に
    記載の方法。
  28. 【請求項28】 コンピュータソフトウェアプロダクトであって、以下: a)複数のハイブリダイゼーションシグナルを受信するためのコンピュータコ
    ードであって、ここで、該複数のシグナルのそれぞれが、標的配列の結合配列を
    問い合わせるための複数の被覆プローブの1つのハイブリダイゼーションを反映
    し、ここで、前記標的配列が、少なくとも2つの配列エレメントの群から選択さ
    れる少なくとも1つの配列エレメントを有する、コンピュータコード; b)該ハイブリダイゼーションシグナルに基づいて、該配列エレメントを同定
    する、コンピュータコード;および c)該コードを保存する、コンピュータ読み取り可能媒体、 を含む、コンピュータソフトウェアプロダクト。
  29. 【請求項29】 前記被覆プローブが、基板上で固体されるオリゴヌクレオ
    チドである、請求項28に記載のコンピュータソフトウェア。
  30. 【請求項30】 前記被覆プローブが少なくとも20塩基を問い合わせる、
    請求項29に記載のコンピュータソフトウェア。
  31. 【請求項31】 前記被覆プローブが少なくとも30塩基を問い合わせる、
    請求項29に記載のコンピュータソフトウェア。
  32. 【請求項32】 前記被覆プローブが少なくとも40塩基を問い合わせる、
    請求項29に記載のコンピュータソフトウェア。
  33. 【請求項33】 前記被覆プローブが少なくとも50塩基を問い合わせる、
    請求項29に記載のコンピュータソフトウェア。
  34. 【請求項34】 前記被覆プローブが少なくとも100塩基を問い合わせる
    、請求項29に記載のコンピュータソフトウェア。
  35. 【請求項35】 前記標的配列を定量化するコンピュータコードをさらに含
    む、請求項28に記載のコンピュータソフトウェア。
  36. 【請求項36】 2つの配列エレメントの組み合わせを検出するためのプロ
    ーブを設計するための方法であって、以下: a)該2つの配列エレメント間の結合領域の配列を入力する工程;および b)該配列に基づいて、該結合配列を被覆するためのプローブを選択する工程
    、 を包含する、方法。
  37. 【請求項37】 前記2つの配列エレメントがエキソンである、請求項36
    に記載の方法。
  38. 【請求項38】 請求項37に記載の方法であって、リソグラフィーマスク
    を設計する工程をさらに包含し、ここで、該リソグラフィーマスクが、核酸プロ
    ーブのアレイの製造に使用される、方法。
  39. 【請求項39】 請求項38に記載の方法であって、基板上に化合物を堆積
    するためのインクジェット印刷機構を制御するための出力シグナルの工程をさら
    に包含する、方法。
  40. 【請求項40】 前記配列が少なくとも20塩基である、請求項38に記載
    の方法。
  41. 【請求項41】 前記配列が少なくとも30塩基である、請求項40に記載
    の方法。
  42. 【請求項42】 前記配列が少なくとも40塩基である、請求項41に記載
    の方法。
  43. 【請求項43】 前記配列が少なくとも50塩基である、請求項42に記載
    の方法。
  44. 【請求項44】 前記配列が少なくとも100塩基である、請求項43に記
    載の方法。
  45. 【請求項45】 コンピュータソフトウェアプロダクトであって、以下: a)結合配列を構築するコンピュータプログラムコード; b)該結合配列を問い合わせるための被覆プローブを選択する、コンピュータ
    プログラムコード;および c)該コードを保存する、コンピュータ読み取り可能媒体、 を含む、コンピュータソフトウェアプロダクト。
  46. 【請求項46】 前記結合配列が、選択的にスプライシングされたmRNA
    の1つに対する、請求項45に記載のコンピュータソフトウェアプロダクト。
  47. 【請求項47】 1つの遺伝子のエキソン配列を入力するコンピュータコー
    ドをさらに含む、請求項46に記載のコンピュータソフトウェアプロダクト。
  48. 【請求項48】 前記結合配列が前記エキソン配列に基づいて構築される、
    請求項47に記載のコンピュータソフトウェアプロダクト。
  49. 【請求項49】 前記プローブの配列を出力するコードをさらに含む、請求
    項48に記載のコンピュータソフトウェアプロダクト。
JP2001578702A 2000-04-25 2001-04-24 選択的にスプライシングされた遺伝子の発現をモニターするための方法 Withdrawn JP2003530894A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US19948400P 2000-04-25 2000-04-25
US60/199,484 2000-04-25
US20879400P 2000-06-01 2000-06-01
US60/208,794 2000-06-01
PCT/US2001/013276 WO2001081632A1 (en) 2000-04-25 2001-04-24 Methods for monitoring the expression of alternatively spliced genes

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003530894A true JP2003530894A (ja) 2003-10-21

Family

ID=26894822

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001578702A Withdrawn JP2003530894A (ja) 2000-04-25 2001-04-24 選択的にスプライシングされた遺伝子の発現をモニターするための方法

Country Status (6)

Country Link
US (3) US20050214824A1 (ja)
EP (1) EP1285089A4 (ja)
JP (1) JP2003530894A (ja)
AU (1) AU2001257239A1 (ja)
CA (1) CA2406402A1 (ja)
WO (1) WO2001081632A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7361488B2 (en) * 2000-02-07 2008-04-22 Illumina, Inc. Nucleic acid detection methods using universal priming
WO2001081632A1 (en) * 2000-04-25 2001-11-01 Affymetrix, Inc. Methods for monitoring the expression of alternatively spliced genes
US6713257B2 (en) 2000-08-25 2004-03-30 Rosetta Inpharmatics Llc Gene discovery using microarrays
US7807447B1 (en) 2000-08-25 2010-10-05 Merck Sharp & Dohme Corp. Compositions and methods for exon profiling
US7833779B2 (en) 2001-07-25 2010-11-16 Jivan Biologies Inc. Methods and systems for polynucleotide detection
US7340349B2 (en) 2001-07-25 2008-03-04 Jonathan Bingham Method and system for identifying splice variants of a gene
US20040219565A1 (en) 2002-10-21 2004-11-04 Sakari Kauppinen Oligonucleotides useful for detecting and analyzing nucleic acids of interest
AU2003273778A1 (en) * 2002-10-21 2004-05-04 Exiqon A/S Oligonucleotide analogues for detecting and analyzing nucleic acids
US20090124514A1 (en) * 2003-02-26 2009-05-14 Perlegen Sciences, Inc. Selection probe amplification
US20060183132A1 (en) * 2005-02-14 2006-08-17 Perlegen Sciences, Inc. Selection probe amplification
US20040234963A1 (en) * 2003-05-19 2004-11-25 Sampas Nicholas M. Method and system for analysis of variable splicing of mRNAs by array hybridization
US7962289B2 (en) 2005-06-02 2011-06-14 Affymetrix, Inc. System, method, and computer product for exon array analysis
US7962291B2 (en) 2005-09-30 2011-06-14 Affymetrix, Inc. Methods and computer software for detecting splice variants
CA2638758A1 (en) * 2006-01-05 2007-07-12 Simons Haplomics Limited Methods for identifying a microarray probe set capable of identifying a member of a group of related nucleotide sequences
WO2009055708A1 (en) * 2007-10-26 2009-04-30 Perlegen Sciences, Inc. Selection probe amplification
CA2735197C (en) * 2008-09-10 2017-05-09 University Of Medicine And Dentistry Of New Jersey Imaging individual mrna molecules using multiple singly labeled probes

Family Cites Families (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US183933A (en) * 1876-10-31 Improvement in take-up mechanisms for sewing-machines
US214824A (en) * 1879-04-29 Improvement in hay-racks
US186296A (en) * 1877-01-16 Improvement in clutches
US234963A (en) * 1880-11-30 Bob-sled
US9512A (en) * 1853-01-04 Improvement in machines foft hackling flax and hemp
US12940A (en) * 1855-05-29 Thomas arnold
US215841A (en) * 1879-05-27 Improvement in sewing-machines
US5057410A (en) * 1988-08-05 1991-10-15 Cetus Corporation Chimeric messenger RNA detection methods
US5925525A (en) * 1989-06-07 1999-07-20 Affymetrix, Inc. Method of identifying nucleotide differences
US5800992A (en) * 1989-06-07 1998-09-01 Fodor; Stephen P.A. Method of detecting nucleic acids
US6040138A (en) * 1995-09-15 2000-03-21 Affymetrix, Inc. Expression monitoring by hybridization to high density oligonucleotide arrays
US5556749A (en) * 1992-11-12 1996-09-17 Hitachi Chemical Research Center, Inc. Oligoprobe designstation: a computerized method for designing optimal DNA probes
US5571639A (en) * 1994-05-24 1996-11-05 Affymax Technologies N.V. Computer-aided engineering system for design of sequence arrays and lithographic masks
US5795716A (en) * 1994-10-21 1998-08-18 Chee; Mark S. Computer-aided visualization and analysis system for sequence evaluation
US6600996B2 (en) * 1994-10-21 2003-07-29 Affymetrix, Inc. Computer-aided techniques for analyzing biological sequences
US5770755A (en) * 1994-11-15 1998-06-23 Phillips Petroleum Company Process to prepare polymeric metallocenes
US5700683A (en) * 1995-02-17 1997-12-23 Pathogenesis Corporation Virulence-attenuating genetic deletions deleted from mycobacterium BCG
US5856174A (en) * 1995-06-29 1999-01-05 Affymetrix, Inc. Integrated nucleic acid diagnostic device
US6881571B1 (en) * 1998-03-11 2005-04-19 Exonhit Therapeutics S.A. Qualitative differential screening
US6303301B1 (en) * 1997-01-13 2001-10-16 Affymetrix, Inc. Expression monitoring for gene function identification
US5830665A (en) * 1997-03-03 1998-11-03 Exact Laboratories, Inc. Contiguous genomic sequence scanning
US6013449A (en) * 1997-11-26 2000-01-11 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Probe-based analysis of heterozygous mutations using two-color labelling
US6316193B1 (en) * 1998-10-06 2001-11-13 Origene Technologies, Inc. Rapid-screen cDNA library panels
US6403309B1 (en) * 1999-03-19 2002-06-11 Valigen (Us), Inc. Methods for detection of nucleic acid polymorphisms using peptide-labeled oligonucleotides and antibody arrays
AU2001238067B2 (en) * 2000-02-07 2007-01-25 Illumina, Inc. Nucleic acid detection methods using universal priming
WO2001081632A1 (en) * 2000-04-25 2001-11-01 Affymetrix, Inc. Methods for monitoring the expression of alternatively spliced genes
US20040009512A1 (en) * 2002-05-02 2004-01-15 Manuel Ares Arrays for detection of products of mRNA splicing
US20040234963A1 (en) * 2003-05-19 2004-11-25 Sampas Nicholas M. Method and system for analysis of variable splicing of mRNAs by array hybridization

Also Published As

Publication number Publication date
US20070248975A1 (en) 2007-10-25
US20060141506A1 (en) 2006-06-29
EP1285089A1 (en) 2003-02-26
US20050214824A1 (en) 2005-09-29
AU2001257239A1 (en) 2001-11-07
CA2406402A1 (en) 2001-11-01
WO2001081632A1 (en) 2001-11-01
EP1285089A4 (en) 2004-07-07
WO2001081632A9 (en) 2003-01-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060141506A1 (en) Methods for monitoring the expression of alternatively spliced genes
US6505125B1 (en) Methods and computer software products for multiple probe gene expression analysis
EP0799897B1 (en) Kits and methods for the detection of target nucleic acids with help of tag nucleic acids
US6040138A (en) Expression monitoring by hybridization to high density oligonucleotide arrays
US7552013B2 (en) Ratio-based oligonucleotide probe selection
US20010053519A1 (en) Oligonucleotides
Lennon High-throughput gene expression analysis for drug discovery
US6340565B1 (en) Determining signal transduction pathways
US20060281126A1 (en) Methods for monitoring the expression of alternatively spliced genes
JP2001054400A (ja) 遺伝子型決定二対立遺伝子マーカー
JP2002335999A (ja) ユニバーサルアレイを用いる遺伝子発現のモニター
US20070099227A1 (en) Significance analysis using data smoothing with shaped response functions
US20110250602A1 (en) Methods and Computer Software Products for Identifying Transcribed Regions of a Genome
JP2003534551A (ja) 転写の注釈のための方法およびコンピュータソフトウエアプロダクト
EP1549765A1 (en) Method to analyze polymeric nucleic acid sequence variations

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080701