JP2003530826A - ヒトのエキソビボ免疫系 - Google Patents

ヒトのエキソビボ免疫系

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JP2003530826A
JP2003530826A JP2001538468A JP2001538468A JP2003530826A JP 2003530826 A JP2003530826 A JP 2003530826A JP 2001538468 A JP2001538468 A JP 2001538468A JP 2001538468 A JP2001538468 A JP 2001538468A JP 2003530826 A JP2003530826 A JP 2003530826A
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ジェイ. エイチ. デイビッド ウー
アサナシアス マンタラリス
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University of Rochester
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、培養免疫系細胞およびその産生方法を提供する。本方法は、間質細胞および造血幹細胞を培養培地で覆われたまたは囲まれた足場を有するチャンバー内で培養する段階を含み、足場が造血幹細胞および間質細胞が三次元的に細胞間接触を行うことを可能にする。本免疫系細胞は免疫系を抑制または刺激する薬物のスクリーニングのために有用である。本免疫系細胞はまた免疫系疾患の治療にも有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は当初、1999年11月17日に米国特許仮出願第60/166,026号として提出さ
れた。
【0002】 本明細書に記載された本発明は、米国国立科学財団(National Science Found
ation)契約番号BES-963160号の下で米国政府の援助を受けてなされたものであ
り、このため、米国政府には一定の権利が付与されうる。
【0003】 発明の分野 本発明は細胞培養の分野に関し、特に培養免疫系細胞に関する方法論および組
成物に関する。
【0004】 発明の背景 赤血球、顆粒球-マクロファージ、リンパ球および巨核球を含むすべての造血
細胞連鎖は、多能性幹細胞(PSC)と呼ばれる細胞の小集団に由来する。PSCには
自己再生の能力、または特定系統の造血系分化に従う委任(committed)幹細胞
を生じさせる能力がある。特に、PSCは骨髄系またはリンパ系の多分化能細胞を
もたらす。これらの多分化能細胞は続いて単分化能または二分化能の委任始原細
胞となり、さらにそれは前駆細胞を経て成熟血液細胞に分化する。
【0005】 間質が媒介する造血が、マウス長期骨髄培養系(LTBMC)を用いてインビトロ
で示されている。LTBMCはデクスター(Dexter)および協力者(1)によって、組
織培養フラスコまたは培養瓶を用いて最初に開発された。デクスターのLTBMC中
で産生された成熟細胞は主として好中球および単球/マクロファージである。し
かし、骨髄はインビボでは10種類を上回る血液細胞連鎖を産生する。
【0006】 骨髄は造血組織であるほか、主要な免疫器官でもある。このため、機能的な髄
モデルは、造血細胞だけでなく、リンパ球を含む免疫細胞も産生するべきである
必要がある。現時点で唯一のリンパ球産生(lymphopoietic)モデルは、ホイッ
トロック(Whitlock)およびウィット(Witte)(16、17)によって開発された
改変マウスLTBMCである。ホイットロック-ウィット培養は、インキュベーション
温度が33℃の代わりに37℃であり、ウマ血清の代わりにウシ胎仔血清を用いる点
でデクスター培養とは異なる。さらに培地は、2-メルカプトエタノールを含むが
ヒドロコルチゾンを含まない。デクスター培養とは対照的に、ホイットロック-
ウィット培養ではほぼ独占的にBリンパ球が産生され、このことは間質細胞がリ
ンパ球産生を誘導する微小環境を提供する段階を示している。ホイットロック-
ウィット培養は、プレB細胞(pre-B cell)(μ重鎖のみを産生する)および成
熟B細胞(IgGの軽鎖および重鎖の双方を合成する)を含む。
【0007】 興味深いことに、好中球および単球-マクロファージを主として産生するデク
スター条件下で開始された培養物をホイットロック-ウィット条件に切り替えた
場合、骨髄造血からリンパ球産生に変化する(4)。この変化は脂肪細胞の消失
および間質層の他の形態変化を伴う。このため、フラスコ培養物の間質細胞は、
培養条件により、骨髄造血またはリンパ球産生の、両方ではなくいずれかが有利
になるような影響を受ける。この2つの培養系の間の違いは、リンパ球産生の改
変におけるヒドロコルチゾンの潜在的役割を示すものである。ホイットロック-
ウィット培養はマウスBリンパ球産生モデルとしては有用であるが、1種類の細胞
連鎖のみの発達を支持するという点でインビボの骨髄とは異なる。さらに、ホイ
ットロック-ウィット培養物とのヒトの同等物は報告されていない。Bリンパ球は
インビボでは骨髄内で成熟するが、インビトロでBリンパ球の成熟を支持するヒ
ト骨髄培養法はない。T細胞の一部も骨髄に存在する。ヒト骨髄培養物中にTリン
パ球が残存する段階が報告されている(14、15)。NK細胞も骨髄で産生されるリ
ンパ系細胞の別の一種である。
【0008】 最近、インビトロBリンパ球産生のヒトモデルが開発された(6)。これは手間
のかかる二段階培養系である。第一段階では、CD34またはCD34 CD38-臍帯血
造血始原細胞をマウス間質細胞株S17の上で(2-メルカプトエタノールの存在下
で)培養し、多数のCD10、CD19初期B細胞始原細胞を持続的に産生させる。
第二段階では、精製したCD19細胞を、IL-10およびIL-4の存在下で、ヒトCD40
リガンドを発現するマウス線維芽細胞の上に移す。これによって細胞増殖がもた
らされ、IgM細胞表面表現型が活性化成熟B細胞に一致するものへと改変される
【0009】 この二段階培養法にはいくつかの欠点がある。第一に、これはマウス間質細胞
株および、CD40リガンドでトランスフェクトしたマウス線維芽細胞の使用を必要
とする。これにより非ヒトの不自然な環境が作製される。加えて、初期B細胞始
原細胞の産生のためには、ホイットロック-ウィット培養と同様培地中に2-メル
カプトエタノールが必要である。さらに、リンパ球産生をゆがめる可能性が最も
高い(6)、特定のサイトカイン(IL-10およびIL-4)の存在が必要である。
【0010】 現時点では、リンパ球産生における複雑な細胞間相互作用の研究を可能にし、
かつB細胞のみの産生に限定されずに、骨髄に存在する他の種類の細胞も含むよ
うな、矛盾のない一段階式ヒトリンパ球産生モデルは存在しない。本発明は、幹
細胞の、増殖および/またはすべてのリンパ球サブタイプの免疫系細胞への分化
を支持する、ヒト造血幹細胞および間質細胞の培養のための細胞培養系を提供す
る。
【0011】 発明の概要 驚くべきことに、間質細胞および造血幹細胞を接種した三次元のバイオリアク
ター内で、本発明により、B細胞、T細胞およびNK細胞を含むすべてのリンパ球サ
ブタイプが産生されうることが見いだされた。
【0012】 したがって本発明は、間質細胞および造血幹細胞の培養のための三次元の支持
体;ならびに幹細胞の、増殖および/または免疫系細胞への分化を支持すると考
えられる培地を含む細胞培養系を提供する。
【0013】 造血幹細胞は、骨髄幹細胞、末梢血幹細胞、胚性幹細胞、臍帯由来の幹細胞、
および他の供給源由来の幹細胞からなる群より選択されうる。本細胞培養系にお
いて産生されうる免疫系細胞の例には、Tリンパ球、Bリンパ球、抗原提示細胞お
よびナチュラルキラー細胞が含まれる。
【0014】 本発明に従って産生されうるTリンパ球の例には、CD4細胞およびCD8細胞
が含まれる。本発明の細胞培養系を用いて産生されるTリンパ球はαβ型または
γδ型のT細胞受容体を有しうる。それらはナイーブTリンパ球、活性化Tリンパ
球、または記憶Tリンパ球でありうる。
【0015】 本発明の細胞培養系で産生されうるBリンパ球の例には、CD19細胞、CD20
細胞およびCD21細胞が含まれる。それらはIgM陽性細胞、プロB細胞、プレB細
胞、IgG陽性細胞、形質細胞および/または記憶B細胞でありうる。本発明に従っ
て産生されうる抗原提示細胞の例には、マクロファージおよび樹状細胞が含まれ
る。
【0016】 本発明の細胞培養系における使用のための培地は、サイトカインまたは他の分
子を含みうる。培地中で用いられうるサイトカインまたは他の分子には、例えば
、インターロイキン-2、インターロイキン-7、インターロイキン-12、slt-3L、C
D40L、インターロイキン4、インターロイキン10、インターロイキン6、BCF-1お
よび幹細胞因子が含まれる。
【0017】 本発明によると、間質細胞および造血幹細胞を、細胞培養系の接種に用いる。
代替的な態様において、間質細胞および造血幹細胞に加えて、非骨髄細胞を細胞
培養系の接種に用いてもよい。用いられうる非骨髄細胞の例には、例えば、末梢
血免疫系細胞が含まれる。
【0018】 本発明は、間質細胞および造血幹細胞を三次元の支持体上で培養し、免疫系細
胞を増殖させるまたは免疫系細胞へ分化させる段階を含む、免疫系細胞を産生す
る方法を提供する。
【0019】 本発明の方法によって産生される免疫系細胞の例には、Tリンパ球、Bリンパ球
、抗原提示細胞、ナチュラルキラー細胞、ナイーブ細胞、活性化細胞、記憶細胞
およびそれらの始原細胞または前駆細胞が含まれる。
【0020】 本発明の方法によって産生されうるTリンパ球の例には、例えば、CD4細胞、
CD8細胞、CD3細胞およびTdT細胞が含まれる。
【0021】 本発明の方法によって産生されうるBリンパ球の例には、例えば、CD19細胞
、CD20細胞、CD21細胞、CD10細胞、TdT細胞、CD5細胞、Ig細胞、細
胞質μ鎖細胞および形質細胞が含まれる。
【0022】 また本発明は、抗原特異的抗体を産生するための方法も提供する。本方法は、
間質細胞および造血幹細胞を三次元の支持体上で培養し、免疫系細胞を増殖させ
るまたは免疫系細胞へ分化させる段階;培養物を抗原またはその抗原性断片によ
って免疫する段階、ならびに培養系によって産生された抗原特異的な抗体を同定
する段階を含む、免疫系細胞を産生する方法を提供する。1つの代替的な態様に
おいて、間質細胞および造血幹細胞の培養を非骨髄細胞の存在下で行ってもよい
。抗原特異的抗体の産生のための1つの方法において、抗原またはその抗原性断
片は糖質、ペプチドグリカン、タンパク質、糖タンパク質または核酸分子であり
うる。1つの好ましい態様において、間質細胞および造血幹細胞はヒト細胞であ
る。本発明によると、抗原またはその抗原性断片を抗原提示細胞と組み合わせて
もよい。望ましいならば、抗原またはその抗原性断片を接合物として提示しても
よい。さらに、抗原特異的抗体の産生に関して、アジュバントを用いて培養物の
免疫化を行ってもよい。
【0023】 同じく抗原特異的抗体の産生に関して、本発明はさらに、抗原と特異的に結合
するモノクローナル抗体を産生する細胞株を単離する、抗原特異的抗体の産生の
ための方法を提供する。
【0024】 また本発明は、本培養細胞によって産生される抗体も提供する。さらに本発明
は、本抗体を産生するB細胞を提供する。モノクローナル抗体および細胞株もま
た提供される。
【0025】 本発明によると、抗原特異的T細胞を産生するための方法が提供される。本方
法は、間質細胞および造血幹細胞を三次元の支持体上で培養し、免疫系細胞を増
殖させるまたは免疫系細胞へ分化させる段階;培養物を抗原またはその抗原性断
片によって免疫する段階;ならびに培養系によって産生された抗原特異的なT細
胞を同定する段階を含む。1つの代替的な態様において、間質細胞および造血幹
細胞の培養を非骨髄細胞の存在下で行ってもよい。培養物の免疫化に用いられう
る抗原または抗原性断片の例には、糖質、ペプチドグリカン、タンパク質、糖タ
ンパク質または核酸分子が含まれる。抗原はウイルス抗原または腫瘍抗原であっ
てもよい。抗原またはその抗原性断片を抗原提示細胞と組み合わせてもよく、お
よび/または接合物として提示してもよい。望ましいならば、アジュバントを用
いて免疫化を行ってもよい。
【0026】 また本発明は、間質細胞および造血幹細胞を三次元の支持体上で培養し、免疫
系細胞を増殖させるまたは免疫系細胞へ分化させる段階を含む、樹状細胞を産生
するための方法も提供する。間質細胞および造血幹細胞の培養を非骨髄細胞の存
在下で行ってもよい。本発明に従って産生される樹状細胞には、例えば、骨髄系
抗原感作前駆細胞に由来する樹状細胞、またはリンパ系抗原感作前駆細胞に由来
する樹状細胞が含まれる。望ましいならば、培養物を樹状細胞に関して選択的豊
富にすることができる。さらに、1つまたは複数の樹状細胞特異的サイトカイン
を培養物に加えることによって樹状細胞の産生を増強してもよい。
【0027】 樹状特異的サイトカインの例には、インターロイキン-4、顆粒球マクロファー
ジコロニー刺激因子、幹細胞因子およびfms様チロシンキナーゼ3リガンド(flt-
3L)が含まれる。本方法によって産生される樹状細胞、および樹状細胞に由来す
る細胞株もまた提供する。
【0028】 本発明のさらにもう1つの局面において、ワクチンの試験のための方法を提供
する。本方法は、間質細胞および造血幹細胞を三次元の支持体上で培養し、免疫
系細胞を増殖させるまたは免疫系細胞へ分化させる段階;培養細胞にワクチンを
投与する段階;ならびにワクチンが免疫応答を誘導したか否かを判定する段階を
含む。望ましいならば、誘導される免疫応答の種類を判定してもよい。望ましい
ならば、間質細胞および造血幹細胞の培養を非骨髄細胞の存在下で行ってもよい
。同じく望ましいならば、ワクチンに関する試験は、複数の人種集団の個体から
得られた細胞を用いた有効性のスクリーニングを含む。
【0029】 本発明のさらにもう1つの局面において、免疫系細胞の発生および機能に関与
する遺伝子を同定するための方法を提供する。本方法は、造血幹細胞において遺
伝子の発現を変化させる段階;造血幹細胞および幹細胞および間質細胞を三次元
の支持体上で培養する段階;ならびに遺伝子発現の変化が培養細胞における表現
型変化を引き起こした否かを判定する段階を含む。望ましいならば、骨髄細胞の
培養を非骨髄細胞の存在下で行ってもよい。
【0030】 本発明はさらに、免疫系細胞の発生および機能に関与する遺伝子のスクリーニ
ングのための方法を提供する。本方法は、間質細胞および造血幹細胞を三次元の
支持体上で培養する段階;ならびに培養細胞内で発現される遺伝子を遺伝子クロ
ーニング技術によって同定する段階を含む。望ましいならば、間質細胞および造
血幹細胞の培養を非骨髄細胞の存在下で行ってもよい。1つの代替的な態様にお
いて、以上に挙げた段階に加えて、培養細胞または非免疫細胞または未分化細胞
の間で遺伝子の発現を比較してもよい。例えば、培養細胞と、異なる免疫細胞プ
ロフィールを有する培養細胞との間で遺伝子発現を比較してもよい。
【0031】 1つの関連する態様において、培養造血幹細胞と非免疫産生培養物との間で遺
伝子発現を比較することができ、第1および第2の培養物の間で発現の異なる遺伝
子が同定されうる。
【0032】 本発明のさらに別の態様において、薬物の毒性を決定するための方法を提供す
る。本方法は、間質細胞および造血幹細胞を三次元の支持体上で培養し、免疫系
細胞を増殖させるまたは免疫系細胞へ分化させる段階;薬物を培養細胞に投与す
る段階;ならびに薬物が培養物中のいずれかの細胞に対して有毒であるか否かを
判定する段階を含む。望ましいならば、間質細胞および造血幹細胞の培養を非骨
髄細胞の存在下で行ってもよい。また本発明は、前述の方法によってもたらされ
た生存細胞も提供する。
【0033】 また薬物の有効性を決定するための方法も本発明によって提供される。本方法
は、骨髄細胞を三次元の支持体上で培養し、免疫系細胞を増殖させるまたは免疫
系細胞へ分化させる段階;薬物を培養細胞に投与する段階;ならびに薬物が培養
細胞中の表現型変化をもたらすか否かを判定する段階を含む。望ましいならば、
骨髄細胞の培養を非骨髄細胞の存在下で行ってもよい。
【0034】 したがって、本方法の1つの態様において、薬物は免疫系細胞の産生を増加さ
せてもよい。薬物の有効性を決定するための方法を経た生存細胞もまた提供され
る。
【0035】 本方法のもう1つの態様において、薬物は免疫系細胞の増殖を抑制してもよい
【0036】 薬物の有効性を決定する方法を行うのに有用な薬物の例には、例えば、核酸、
改変核酸、抗体、化学療法薬およびサイトカインが含まれる。
【0037】 本発明はまた、遺伝子治療のための方法も提供する。本方法は、間質細胞およ
び造血幹細胞を三次元の支持体上で培養し、免疫系細胞を増殖させるまたは免疫
系細胞へ分化させる段階;ならびに遺伝子を培養細胞に投与する段階を含む。望
ましいならば、骨髄細胞の培養を非骨髄細胞の存在下で行ってもよい。1つの代
替的な態様において、培養物は、導入されるべき遺伝子を含むベクターを含有す
るヘルパー細胞を含んでもよい。さらに、遺伝子は免疫系細胞を標的とするもの
でよい。1つの関連した態様において、遺伝子を用いた形質転換により得られた
培養細胞を提供する。1つの関連した方法では、遺伝子により形質転換された培
養細胞を患者に導入する段階ができる。
【0038】 本発明によると、HIV感染症の進行のモニタリングのための方法も提供される
。本方法は、間質細胞および造血幹細胞を三次元の支持体上で培養し、免疫系細
胞を増殖させるまたは免疫系細胞へ分化させる段階;HIVウイルスを培養細胞に
導入する段階;ならびに培養細胞内のHIVの量および位置をモニタリングする段
階を含む。望ましいならば、骨髄細胞の培養を非骨髄細胞の存在下で行ってもよ
い。
【0039】 本発明のもう1つの態様において、HIVを阻害または治療する薬剤を試験するた
めの方法を提供する。本方法は、間質細胞および造血幹細胞を三次元の支持体上
で培養し、免疫系細胞を増殖させるまたは免疫系細胞へ分化させる段階;HIVウ
イルスを培養細胞に導入する段階;薬剤を培養細胞に投与する段階;ならびに培
養細胞内のHIVの量および位置をモニタリングする段階を含む。望ましいならば
、間質細胞および造血幹細胞の培養を非骨髄細胞の存在下で行ってもよい。薬剤
はHIVを培養細胞に導入する前に投与しても、その間に投与しても、またはその
後に投与してもよい。
【0040】 本発明によると、三次元の細胞培養系で産生された免疫系細胞のいずれかの有
効量を患者に投与する段階を含む、患者を治療する方法も提供される。このよう
な免疫系細胞の例には、Tリンパ球、Bリンパ球、抗原提示細胞、ナチュラルキラ
ー細胞、ナイーブ細胞、活性化細胞、記憶細胞およびその始原細胞または前駆細
胞が含まれる。前記の細胞を任意の組み合わせで投与してもよい。望ましいなら
ば、前記の細胞型の1つのみを投与してもよい。
【0041】 したがって、CD4細胞、CD8細胞またはCD3細胞などのTリンパ球を患者に
投与してもよい。同じく、CD19細胞、CD20細胞またはCD21細胞などのBリ
ンパ球を患者に投与してもよい。マクロファージまたは樹状細胞などの抗原提示
細胞を投与してもよい。形質細胞または記憶細胞などのB細胞を患者に投与して
もよい。
【0042】 本発明の三次元のバイオリアクターで産生された免疫系細胞の有効量を患者に
投与してもよい。「有効量」とは、患者を治療するのに有効な量を意味する。本
明細書で用いる「治療する」は、患者の病状を予防または改善する段階も含むも
のとする。したがって、免疫系疾患または障害のうちいずれかに罹患しやすい、
またはすでに罹患した患者に対して、本免疫系細胞またはその始原細胞もしくは
前駆細胞の、疾病または障害を予防または改善するための有効量を投与してもよ
い。同様に、本薬物毒性または薬物有効性アッセイによって得られた生存細胞の
有効量を患者に投与してもよい。
【0043】 また、抗原特異的抗体を産生するための本方法によって産生された抗体によっ
て、患者を治療する段階もできる。
【0044】 本出願における例では骨髄幹細胞を取り扱っているが、末梢血幹細胞、胚性幹
細胞、臍帯血幹細胞および他の種類の幹細胞を骨髄幹細胞の代わりに用いてもよ
いことは容易に明らかになると考えられる。
【0045】発明の詳細な説明 本発明によると、驚くべきことに、B細胞、T細胞、およびNK細胞を含む全ての
リンパ球サブタイプが、間質および造血幹細胞を接種した三次元のバイオリアク
ターにおいて産生されうることが発見された。
【0046】 したがって、本発明は、造血幹細胞および間質細胞の培養のための三次元の支
持体、ならびに幹細胞の増殖、または免疫系細胞への分化を支える培地を含む、
細胞培養系を提供する。本明細書において用いられるように、「免疫系細胞」と
は、Tリンパ球(T細胞)、Bリンパ球(B細胞)、抗原提示細胞、およびナチュラ
ルキラー細胞(NK細胞)を含むことを意味する。
【0047】 培養系は、足場によって造血幹細胞および間質細胞が三次元における細胞間接
触をもつことを可能にする、培養培地に覆われたまたは取り囲まれた足場を有す
るチャンバーまたは容器を含む。
【0048】 本明細書において用いられるように、「造血幹細胞」という用語には、骨髄幹
細胞、末梢幹細胞、胚幹細胞、臍帯血幹細胞および他の種類の幹細胞が含まれる
。本明細書において用いられるように、「間質細胞」は、内皮細胞、細網細胞、
脂肪細胞、および樹状細胞のような専門的な抗原提示細胞のような細胞を含んで
もよい。間質細胞は、異なる多くの供給源、例えば成人および胎児の骨髄、脾臓
、胸腺、末梢血、肝臓、臍帯、大動脈傍内臓包葉、大動脈、性腺および中腎(AG
M)、リンパ節、ならびに他の種類の間質細胞から単離してもよく、または例え
ば骨髄幹細胞、末梢血細胞、末梢幹細胞、胚幹細胞、臍帯細胞、臍帯血幹細胞、
胚幹細胞、他の種類の幹細胞、もしくはこれらの細胞の任意の組み合わせのよう
な、幹細胞に由来してもよい。
【0049】 本発明に従って、免疫系細胞を産生するためのバイオリアクター系および方法
が提供される。本発明のバイオリアクターは、天然の細胞外基質および骨髄の広
い表面積を模倣して、組織様の細胞密度で細胞間相互作用を可能にする、三次元
の構造を提供する。本発明のバイオリアクターは、それが三次元の構造を提供す
る限り、多くの異なる形状を有しうると理解される。バイオリアクターに関して
、「三次元の構造」という用語は、「足場」という用語と互換的に用いられる。
【0050】 免疫系細胞を産生するために用いられるバイオリアクターは、足場がその中に
存在する、少なくとも一つのチャンバーまたは部分を有する容器または器を含む
。足場は多孔性または繊維性の基体からなる。培養培地を多孔性または繊維性基
体の上または周囲に配置する。
【0051】 図1Aは、免疫系細胞を産生するために用いてもよいバイオリアクターの可能な
一つの形状を示す。図1において、多孔性または繊維性の足場は、下の培養チャ
ンバーに存在する。本発明のバイオリアクターは、それが三次元の構造(足場)
を提供する限り、任意の数の形状をもちうることが理解される。
【0052】 容器または器の壁は、ガラス、セラミック、プラスチック、ポリカーボネート
、ビニル、ポリ塩化ビニル(PVC)、金属等のような任意の数の材料を含んでも
よい。免疫系細胞の増殖および/または造血幹細胞および間質細胞の免疫系細胞
への分化を支える培養培地を、多孔性または繊維性の材料の上および/または周
囲に配置する。
【0053】 複雑に入り組んだ繊維、多孔性の粒子、スポンジ、またはスポンジ様材料のよ
うな、多くの異なる多孔性または繊維性材料を、バイオリアクターにおける足場
として用いてもよい。多孔性または繊維性の足場によって、造血幹細胞および/
または間質細胞はその上に留まり、増殖し、かつ分化することができる。単なる
例示のためであって制限的するためではないが、適切な足場基体は、多糖類およ
び繊維性タンパク質のような天然の重合体、ポリアミド(ナイロン)、ポリエス
テル、ポリウレタンのような合成重合体、PGA、PGLAのような分解型重合体、な
らびにセラミクスおよび金属を含む無機質、珊瑚、ゼラチン、ポリアクリルアミ
ド、綿、ガラス繊維、カラゲニン、アルジネート、キチンおよびデキストランを
含む多様な材料を用いて調製してもよい。
【0054】 多孔性材料の例には、例えば、ビーズ、スラブ、立方体、および円柱体(ガラ
ス、プラスチック等から作製される)、セルロース、寒天、ヒドロキシアパタイ
ト、処置されたまたは無処置の骨、コラーゲン、(セファクリル、セファデック
ス、セファロース、アガロースまたはポリアクリルアミドのような)ゲルが含ま
れる。「処置された」骨は、例えば酸またはアルカリ溶液のような異なる化学物
質に供してもよい。そのような処理は、骨の多孔性を変化させる。望ましいなら
ば、基体を、例えばコラーゲン、マトリゲル、フィブロネクチン、ヘパリン硫酸
、ヒアルロン酸およびコンドロイチン硫酸、ラミニン、ヘモネクチン、またはプ
ロテオグリカンのような細胞外基質または複数の基質によってコーティングして
もよい。
【0055】 バイオリアクターにおける足場として用いられる繊維性または多孔性の材料は
、その中に造血幹細胞および間質細胞が入る開口部または孔を形成する。一度入
ると、細胞は繊維性または多孔性の材料に捕らえられまたは接着されて、そこで
コロニーを形成するおよび/または凝集する。細胞の接着およびコロニー形成は
、細胞を多孔性または繊維性の基体の上に重ねるおよび/または周囲を取り囲む
培養培地に接種するだけで起こりうる。細胞の接着およびコロニー形成は、多孔
性または繊維性の基体上に細胞を直接接種することによっても起こりうる。
【0056】 本発明に従って、造血幹細胞および間質細胞は、繊維性または多孔性の材料の
開口部(孔)に入ることができなければならない。当業者は異なる大きさの造血
幹細胞および間質細胞を認識し、したがって、そのような細胞に適合させるため
に必要な孔の大きさを認識している。一般的に、孔の大きさは約15ミクロン〜約
100ミクロンの範囲を用いてもよい。好ましくは、約100ミクロン〜約300ミクロ
ンの範囲の孔の大きさを用いる。
【0057】 好ましい態様において、ガス交換を容易にするためにバイオリアクターに膜を
配置する。膜はガス透過性であり、厚みが約10 μm〜約100 μmの範囲であって
もよい。より好ましい態様において、膜は厚さが約50 μmである。膜はチャンバ
ーまたは容器の底または側面の開口部の上に配置する。バイオリアクターからの
培地および細胞の過剰な漏出を防止するために、開口部周囲に、および/または
開口部の下もしくは開口部に沿って置いた固体平板の周囲に、ガスケットを置い
て、集合体を固定してもよい。
【0058】 バイオリアクターにおいて用いられる細胞培地は、骨髄細胞の増殖および/ま
たは分化、特に造血幹細胞および間質細胞の増殖および免疫系細胞への分化を支
えるために用いられる、広く公知である任意の培地であってもよい。例えば、以
下の古典的な培地を用いて、望ましいならばビタミンおよびアミノ酸溶液、血清
ならびに/または抗生物質を添加してもよい:フィッシャー培地(Gibco)、イ
ーグルの基本培地(BME)、ダルベッコ改変イーグル培地(D-MEM)、イスコブ改
変ダルベッコ培地、最小基本培地(MEM)、マッコイ5A培地、およびRPMI培地。
【0059】 例えば、ミエロカルト(Myelocult)(商標)(StemCell Technologies)、お
よびオプティセル(Opti-Cell)(商標)(ICN Biomedicals)のような特殊な培
地も同様に用いてもよい。望ましいならば、例えばステムスパン(Stemspan)SF
EM(商標)(StemCell Technologies)、ステムプロ(Stem Pro)34 SFM(Life
Technologies)、およびマロウグロ(Quality Biological Inc.)のような血清
不含培地を用いてもよい。
【0060】 好ましい態様において、マッコイ5A培地(Gibco)は、ビタミンおよびアミノ
酸溶液を添加した約70%v/vで用いる。さらにより好ましい態様において、培養
培地は、約70%(v/v)マッコイ5A培地(Gibco)、約1×10-6 Mヒドロコルチゾ
ン、約50 μg/mlペニシリン、約50 mg/mlストレプトマイシン、約0.2 mM L-グル
タミン、約0.45%重炭酸ナトリウム、約1×MEMピルビン酸ナトリウム、約1×MEM
ビタミン溶液、約0.4×MEMアミノ酸溶液、約12.5%(v/v)熱不活化ウマ血清、
および約12.5%熱不活化FBSを含む。培地チャンバーは、望ましいならば絶えず
還流してもよい。培地の溶存酸素濃度およびpHは、公知の方法によって制御して
もよい。
【0061】 造血幹細胞および間質細胞を、バイオリアクターの三次元の足場部分に穏やか
に加えることによって、例えばピペッティングによって、バイオリアクターに接
種する。または、造血幹細胞および間質細胞を三次元の足場を覆うおよび/また
は取り囲む培養物に加えてもよい。細胞は定着するか、または足場を形成する孔
または繊維性材料の中を遊走する(migrate)。バイオリアクターに加える細胞
数は、三次元の足場の総面積および培養培地の容量に依存する。好ましくは、本
明細書において十分に検討した任意の供給源から単離した造血幹細胞および間質
細胞を、フィコール/パックのような勾配を介して遠心分離して、成熟赤血球細
胞を除去し、単核球を作製する。
【0062】 高さが約3/16"で幅が約5/16"、長さが約5/16"の培養チャンバーを有し、多孔
性または繊維性の基体約0.01 gを充填したバイオリアクターに関して、バイオリ
アクターに加える単核球の数は、約104〜109個の範囲で任意でありうる。好まし
くは、細胞4〜6×106個を用いてバイオリアクターに接種してもよい。これらの
指針を用いて、当業者は、三次元の足場の総面積、培養培地の容量、三次元の足
場の種類、ならびに造血幹細胞および間質細胞の供給源に応じて、バイオリアク
ターに接種するために用いる細胞数を調節することができる。
【0063】 培養物には、培養培地を二日毎に加えてもよい。様々な他の成分を培養培地に
加えてもよい。そのような培地は、本明細書において「添加された」と呼ぶ。培
地は、サイトカイン、細胞外基質、または他の生物学的に活性な分子を含んでも
よい。このように、例えば、組換え幹細胞因子(rSCF)、およびリンパ球特異的
リンフォカイン、インターロイキン2(rh IL-2)、およびインターロイキン7を
培養培地に加えてもよい。例えば、rSCFを約50 ng/mlの概量で加えてもよい。イ
ンターロイキン2は1mlにつき約1000 Uの概量で加えてもよい。インターロイキン
7は、約2 ng/mlの概量で加えてもよい。上記の量は、例示的であり経験的である
。したがって当業者は、バイオリアクターの構成、すなわち大きさ、容量、細胞
数および細胞供給源に従って、量を変化させてもよい。好ましい態様において、
培養物に非添加培地を毎日与え、添加培地を二日ごとに加える。
【0064】 細胞培養物は、約数日から数週間までの任意の期間増殖させる。好ましくは、
培養物は約1週間〜約4週間後または5週間後に回収する。免疫系細胞の分化を阻
害する可能性を回避するために、ヒドロコルチゾンもまた、約1週間〜3週間の任
意の時点で培養培地から除去することが好ましい。もう一つの態様において、ヒ
ドロコルチゾンは、培地に全く加えない。
【0065】 このように、本発明は、間質細胞と造血幹細胞とを三次元の支持体上で培養し
て、それらを増殖または免疫系細胞に分化させる段階を含む、免疫系細胞を産生
する方法を提供する。
【0066】 本発明の方法によって産生される免疫系細胞の例には、Tリンパ球、Bリンパ球
、抗原提示細胞、ナチュラルキラー細胞、ナイーブ細胞、活性化細胞、記憶細胞
、およびそれらの始原細胞または前駆細胞が含まれる。
【0067】 本発明の方法によって産生される可能性があるTリンパ球の例には、例えば、C
D4+、CD8+、CD3+、およびTdT+細胞が含まれる。
【0068】 本発明の方法によって産生される可能性があるBリンパ球の例には、例えば、C
D19+、CD20+、CD21+、CD10+、TdT+、CD5+、Ig+、細胞質μ鎖+、および形質細胞
が含まれる。
【0069】 免疫細胞は任意の数の公知の方法によって採取してもよい。チャンバーは、接
着細胞を解離させるために、コラゲナーゼのような適切な薬剤によって処理して
もよい。非接着細胞は培地中に放出されるため、それらを回収してもよい。細胞
はまた、振とう、攪拌等のような物理的手段によって基体から除去してもよい。
その後、細胞を、例えばピペッティングまたは遠心分離のような当技術分野にお
いて既知の方法を用いて回収する。好ましくは、非接着細胞は、多孔性または繊
維性材料の床を穏やかに撹拌しかつ混合することによって放出させ、その後遠心
分離または沈降によって回収する。
【0070】 望ましいならば、バイオリアクターから採取した細胞試料はさらに、陽性選択
に関する公知の方法を用いて、免疫系細胞に関して濃縮してもよい。このように
、例えば、免疫系細胞に結合する抗体をそれに結合させた固相支持体(ビーズの
ような)を、細胞試料と混合してもよい。このようにして、3つの免疫系細胞型
を、共にまたは別々に単離してもよい。リンパ球の混合集団が望ましい場合、固
相支持体を全てのサブタイプに対する抗体に結合させるべきである。特定のサブ
タイプが望ましい場合、特定のリンパ球に結合する抗体をそれに結合させた固相
支持体を用いてもよい。固相支持体に結合させてもよい抗体の例には、抗CD3+
抗CD4+(ヘルパーT細胞に対して)、抗CD8+(細胞障害性T細胞に対して)、抗CD
19+(未成熟B細胞に対して)、抗CD19+、抗CD20+(成熟B細胞に対して)、抗TdT
抗細胞質抗体、抗表面IgG、および抗表面IgM(抗原刺激B細胞に対して)抗体が
含まれる。次に、免疫系細胞が結合した抗体結合ビーズを、重力によってまたは
磁気ビーズの場合には磁石のような他の手段によって回収する。
【0071】 陰性選択も同様に、バイオリアクターから採取した細胞試料中の免疫系細胞集
団ならびに亜集団、例えば、B細胞、T細胞、およびNK細胞を濃縮する手段として
用いてもよい。陰性選択スキームにおいて、その上に免疫系以外の細胞と反応す
る一つまたは複数の抗体を結合させた固相支持体(ビーズのような)を、細胞試
料と混合してもよい。次に、それに免疫系細胞以外の細胞が結合した抗体結合ビ
ーズを、重力によってまたは磁気ビーズの場合には磁石のような他の手段によっ
て回収する。
【0072】 免疫系細胞は、例えば、フローサイトメトリー分析、免疫細胞化学、酵素結合
イムノスポット(ELISPOT)、およびNK細胞に関する細胞障害アッセイ法のよう
な公知の方法を用いて同定してもよい。これらの方法論は当技術分野で公知であ
り、本明細書に記載される。
【0073】 本発明の培養免疫系細胞は、治療、診断、および臨床状況において多数の用途
を有する。例えば、本発明の免疫系細胞は、抗原特異的抗体を産生するために用
いてもよい。このように、本発明に従って、抗原特異的抗体を産生する方法が提
供される。方法は、造血幹細胞と間質細胞とを三次元の支持体上で、増殖および
/または免疫細胞への分化にとって十分な期間および条件で培養する段階;培養
物を抗原またはその抗原性断片によって免疫する段階、および培養系によって産
生された抗体を抗原特異的であると同定する段階を含む。抗原または抗原断片は
、例えば炭化水素、ペプチドグリカン、タンパク質、糖タンパク質、ウイルス、
組織塊、細胞、細胞断片、または核酸分子を含みうる。ウイルス、組織塊、細胞
、または細胞断片は生きていても死んでいてもよい。抗体産生を誘導することが
できる任意の基体を用いてもよい。実施例3は、リポ多糖類(LPS)を免疫するこ
とによる本発明の培養系における抗体の産生を記述する。
【0074】 細胞を免疫する方法は、当技術分野で公知であり、例えば、十分にしたように
本明細書において参照として組み入れられる、「基本免疫学(Fundamental Immu
nology)」、1993年、レーブン出版、ニューヨーク州、W.E.ポール(Paul)編に
記載されている。抗原特異的である抗体を同定する方法は公知であり、例えばEL
ISA、ELISPOT、およびPCRが含まれる。
【0075】 造血幹細胞は、例えば先に記述したように、骨髄幹細胞であってもよい。しか
し、末梢血幹細胞、胚幹細胞、臍帯血由来幹細胞、および他の供給源由来の幹細
胞のような他の細胞も同様に用いてもよい。好ましくは、造血幹細胞はヒト細胞
である。望ましいならば、抗原またはその抗原断片は抗原提示細胞と組み合わせ
てもよい。さらに、抗原または抗原断片は結合体として示してもよい。結合体の
例には、ジフテリアおよび破傷風毒素が含まれる。免疫は望ましいならばアジュ
バントと共に行ってもよい。本発明において用いてもよいアジュバントの例には
、フロイントのアジュバントが含まれる。
【0076】 同様に、本発明に従って、上記の方法によって産生された抗体が提供される。
モノクローナル抗体は通常、もともとはミルスタイン(Milstein)およびコーラ
ー(Kohler)、1975、Nature 256:495〜497)によって記載された公知の方法を
用いて産生される。先行技術の方法において、マウスまたは適切な動物に抗原ま
たはその断片を注射する。その後動物を屠殺して、脾細胞を骨髄腫細胞と融合す
るとハイブリドーマが形成される。本発明に従って、バイオリアクターから採取
した抗体産生B細胞をスクリーニングして、抗原に対する単一の抗体種を分泌す
る個々の細胞を単離してもよい。次に、モノクローナル抗体を分泌する細胞株を
誘導してもよい。
【0077】 本発明の抗体を産生するB細胞またはB細胞株は、「基本免疫学(Fundamental
Immunology)」、1993年、レーブン出版、ニューヨーク州、ポール(W.E. Paul
)編に記載されるような公知の方法を用いて単離してもよい。
【0078】 本発明はまた、抗原特異的T細胞を産生する方法を提供する。方法は、間質細
胞と造血幹細胞とを三次元の支持体上で培養して、それらを増殖または免疫系細
胞に分化させる段階;抗原またはその抗原断片によって培養物を免疫する段階、
および培養物によって産生されたT細胞を抗原特異的であると同定する段階を含
む。T細胞は、T細胞受容体に関する免疫組織化学のような当技術分野で公知の方
法を用いて同定してもよい。例えば、CD4+、CD8+、αβ、またはγδに対する免
疫細胞化学を用いて、T細胞を同定してもよい。
【0079】 このように、例えば、抗原特異的T細胞を産生する方法において培養物を免疫
するために用いられる抗原または抗原断片は、炭化水素、ペプチドグリカン、タ
ンパク質、糖タンパク質、ウイルス、組織塊、細胞、細胞断片、または核酸分子
であってもよい。ウイルス組織塊、細胞、または細胞断片は生きていても死んで
いてもよい。抗原はまた、ウイルス抗原または腫瘍抗原であってもよい。
【0080】 造血幹細胞は例えば、先に記述したように、骨髄細胞であってもよい。しかし
、末梢血幹細胞、胚幹細胞、臍帯血由来幹細胞、および他の供給源由来の幹細胞
のような他の細胞も同様に用いてもよい。好ましくは、造血幹細胞はヒト細胞で
ある。望ましいならば、抗原またはその抗原断片を抗原提示細胞と組み合わせて
もよい。さらに、抗原または抗原断片は結合体として示してもよい。結合体の例
には、ジフテリアおよび破傷風毒素が含まれる。免疫は望ましいならば、フロイ
ントのようなアジュバントと共に行ってもよい。
【0081】 本発明に従って、樹状細胞を産生する方法も同様に提供される。方法は、間質
細胞と造血幹細胞とを三次元の支持体上で培養して、それらを増殖および/また
は樹状細胞に分化させる段階を含む。先に述べたように、造血幹細胞は例えば、
骨髄細胞であってもよい。しかし、末梢血幹細胞、胚幹細胞、臍帯血由来幹細胞
、および他の供給源由来幹細胞のような他の細胞も同様に用いてもよい。好まし
くは、造血幹細胞はヒト細胞である。望ましいならば、造血幹細胞の培養は非骨
髄細胞の存在下で行ってもよい。
【0082】 本発明に従って産生されうる樹状細胞の例には、例えば骨髄性委任前駆細胞由
来の樹状細胞、およびリンパ性委任前駆細胞由来の樹状細胞が含まれる。
【0083】 望ましいならば、間質細胞と造血幹細胞とを三次元の支持体上で培養して、そ
れらを増殖および/または樹状細胞に分化させた後、樹状細胞集団を選択的に濃
縮してもよい。樹状細胞の選択的な濃縮は、樹状細胞特異的サイトカインを培養
物に加えることによって実施されうる。樹状細胞特異的サイトカインの例には、
インターロイキン-4、マクロファージコロニー刺激因子、幹細胞因子、およびfm
s様チロシンキナーゼ3リガンドが含まれる。
【0084】 したがって本発明はまた、間質細胞と造血幹細胞とを三次元の支持体上で培養
してそれらを増殖および/または樹状細胞に分化させる方法によって産生される
、樹状細胞を提供する。同様に、本発明は造血幹細胞を三次元の支持体上で培養
して増殖および/または樹状細胞に分化させ、培養物に樹状細胞特異的サイトカ
インを加えることによって樹状細胞株の産生を増強する方法により産生された、
樹状細胞を提供する。本発明に従って産生される樹状細胞は、例えば免疫磁気単
離法を用いる陰性選択によって単離されうる。
【0085】 同様に本発明に従って、ワクチンを試験する方法が提供される。方法は、間質
細胞と造血幹細胞とを三次元の支持体上で培養して、それらを増殖および/また
は免疫系細胞に分化させる段階、培養細胞にワクチンを投与する段階、およびワ
クチンが免疫応答を誘導するか否かを決定する段階を含む。望ましいならば、造
血細胞の培養は非骨髄細胞の存在下で行ってもよい。本明細書において用いられ
るように、「ワクチン」は、免疫応答を誘導する、すなわち免疫系細胞の活性化
を誘導する任意の物質を含むことを意味する。ワクチンによって誘導される免疫
応答の種類は、ELISAおよびフローサイトメトリーのような公知の方法を用いて
決定してもよい。もう一つの態様において、本明細書に記載の方法によってワク
チンを試験する方法はさらに、複数の民族群の個体から得た細胞を用いて有効性
をスクリーニングする段階を含んでもよい。例えば、スクリーニングは、細胞障
害性アッセイ法を含んでもよい。
【0086】 本発明はまた、免疫系細胞の発達および機能に関係する遺伝子を同定する方法
を提供する。方法は、造血幹細胞における遺伝子の発現を変化させる段階、細胞
を三次元の支持体上で培養する段階、および遺伝子の発現の変化によって、培養
細胞において表現型の変化が起こるか否かを決定する段階を含む。望ましいなら
ば、方法は、非骨髄細胞の存在下で行ってもよい。検出される可能性がある表現
型の変化の例には、例えば表面マーカー発現およびサイトカイン/ケモカイン発
現における変化が含まれる。そのような表現型の変化は、抗体産生細胞に関する
フローサイトメトリー、免疫細胞化学、ELISPOTアッセイ法のような技術を用い
て検出してもよい。
【0087】 本発明のさらに別の局面において、免疫系細胞の発達および機能に関係する遺
伝子をスクリーニングする方法が提供される。本発明の方法に従って、造血幹細
胞における遺伝子の発現を変化させ、造血幹細胞(複数)および間質細胞を三次
元の支持体上で培養する。次に、遺伝子の発現の変化によって、培養細胞に表現
型に変化が起きるか否かに関して決定を行う。
【0088】 造血幹細胞における遺伝子の発現は、公知の任意の方法によっても変化させて
もよい。例えば、造血幹細胞は、それ自体を遺伝子に挿入させる配列を含む遺伝
子構築物によって形質転換されうる。配列が挿入される遺伝子が免疫系細胞の発
達および機能に関係する遺伝子である場合、外来遺伝子配列の挿入により遺伝子
が中断され、表現型の変化によって外来遺伝子の挿入が明らかになりうる。また
は、アンチセンス分子を用いて、免疫系細胞の発達および機能に関係する遺伝子
をターゲティングしてもよい。造血幹細胞をアンチセンス分子によって形質転換
して、造血幹細胞に表現型の変化が起これば、その分子は免疫系細胞発達および
機能に関係する遺伝子を標的とすると推定されうる。裸のDNAまたはRNAも同様に
用いて骨髄細胞をトランスフェクトしてもよい。細胞は例えば、レトロウイルス
をトランスフェクトしてもよい。
【0089】 造血幹細胞において遺伝子発現を変化させる多くの異なる方法が存在する。本
明細書において先に記述した遺伝子の中断およびアンチセンス戦略の他に、変異
誘発を用いてもよい。このように、例えば、造血幹細胞を変異原物質に接触また
は曝露して、三次元の支持体において増殖させ、その後、変異誘発した細胞が培
養細胞における表現型の変化をもたらすか否かに関して決定してもよい。
【0090】 望ましいならば、間質細胞と造血幹細胞との培養は、非骨髄細胞の存在下で行
ってもよい。もう一つの態様において、培養細胞における遺伝子の発現は、非免
疫系細胞または未分化の細胞と比較してもよい。そのような比較は、関心対象の
遺伝子に関連して細胞機能を調べる目的を有する。さらにもう一つの態様におい
て、培養細胞における遺伝子の発現を非免疫産生培養における細胞の遺伝子と比
較した後、第一の培養物と第二の培養物のあいだで発現が変化した遺伝子を同定
する。さらにもう一つの態様において、培養細胞における遺伝子の発現を、異な
る免疫細胞プロフィールを有する細胞と比較してもよい。
【0091】 本発明に従って、薬物の毒性または有効性を決定する方法が提供される。本発
明のこの局面において、間質細胞と造血幹細胞とを三次元の支持体上で培養して
、それらを免疫系細胞に分化させる。薬物を培養細胞に投与した後、薬物が培養
における任意の細胞に対しても毒性であるか否かを決定する。薬物が非毒性また
はわずかに毒性のいずれかであれば、有効性に関する決定を行うことができる。
本明細書において用いられるように、「薬物」は、任意のエレメント、分子、化
学化合物、ホルモン、増殖因子、ヌクレオチド配列(オリゴヌクレオチドを含む
)、タンパク質(ペプチドを含む)、または免疫系の細胞に影響を及ぼすことが
できる試薬を含む。このように、例えばB細胞は、その抗体産生能において影響
を受ける可能性がある。T細胞は、細胞障害性のようなその細胞性免疫機能を媒
介する能力において影響を受ける可能性がある。NK細胞は、その溶解活性(lyti
c activity)において影響を受ける可能性がある。本発明はこのように、薬物に
曝露し、かつそのような曝露を生き延びた免疫系細胞を提供する。
【0092】 免疫系細胞に影響を及ぼす薬物に関する典型的な毒性または有効性アッセイ法
において、培養免疫系細胞をバイオリアクターから採取して、細胞が生存を維持
するために十分な培養培地または緩衝溶液を含むペトリ皿、フラスコ、顕微鏡用
スライドガラス、微量定量皿等に入れる。培養免疫細胞は、細胞、例えばT細胞
、B細胞、NK細胞等の混合集団を含んでもよい。または、亜集団を単離して毒性
アッセイ法において用いてもよい。好ましくは、pH約7.2、および温度約37℃を
維持する。スクリーニングアッセイ法において用いてもよい免疫系細胞の数は、
経験的である。典型的に、細胞試料中の免疫系細胞数に応じて、1×106個の総細
胞を含む試料を用いてもよい。
【0093】 他の細胞に対する細胞試料中の免疫系細胞数は、本明細書において記述のよう
に細胞を計数するか、または免疫組織化学によって顕微鏡によって決定してもよ
い。細胞を計数する方法は、当技術分野で周知であり、実施例1の「示差細胞計
数(Differential Cell Counts)」にも記載されている。毒性または有効性に関
して調べる薬物の濃度は経験的である。当業者はスクリーニングアッセイ法にお
ける被験化合物の作用を最善に同定するために、異なる組成物の濃度を調節する
方法に精通している。一般的に、濃度範囲を用いて、免疫系細胞の生存率に対し
て重篤な有害な作用を示す部分の範囲を今後の試験から外す。免疫系細胞の生存
率に対してあまり有害でない作用を有する部分の範囲を同定して、これを用いて
有効性をさらに決定する。
【0094】 免疫系細胞と薬物との混合物を、免疫機能の阻害または刺激を行うために十分
な時間および条件でインキュベートする。本明細書において用いられるように、
十分な時間とは、約5分〜数時間またはそれ以上の任意の時間となりうる。免疫
系細胞をペトリ皿、フラスコ、顕微鏡用スライドガラス、微量定量皿等において
調べる場合、十分な時間は数分から数時間であるかも知れない。当然、試験時間
は、細胞に対する作用を調べるために必要であれば、延長してもよい。当業者は
、試料を採取して細胞の生存率を顕微鏡で調べることによって、スクリーニング
アッセイ法を行うために最適な時間を決定することができる。
【0095】 反応において用いるために好ましい緩衝液は、1×非必須アミノ酸、1×L-グル
タミン、10%FBS、50 U/mlペニシリンおよび50 μg/mlストレプトマイシンを添
加したフェノールレッド非含有MEMである。好ましい態様において、反応容量は
約1 mlである。好ましい態様において、インキュベーション温度は約37℃である
【0096】 被験化合物は、培養培地に加えるか、または三次元の足場構造に加えてもよい
。被験化合物を加える時間は、経験的であるが、比較的初期である。典型的に被
験化合物をバイオリアクターに加えない対照実験を行う。
【0097】 本発明の方法によって毒性と有効性に関して試験されうる薬物の例には、例え
ば核酸、改変された核酸、抗体、化学療法剤、およびサイトカインが含まれる。
しかし、上記のように、任意の利用可能な被験化合物を用いて、免疫系細胞に対
する毒性および/または有効性をスクリーニングしてもよい。場合によっては、
免疫系の潜在的阻害剤または潜在的刺激物質(誘導物質)としての被験化合物の
分類は不明であり、最初はアッセイ法によって決定される。
【0098】 本発明はまた、遺伝子治療の方法を提供する。方法は、間質細胞と造血幹細胞
とを三次元の支持体上で培養して、それらを増殖および/または免疫細胞に分化
させる段階、および遺伝子を培養細胞に投与する段階を含む。望ましければ、間
質細胞と造血幹細胞との培養は、非骨髄細胞の存在下で行ってもよい。遺伝子を
培養細胞に「投与する」とは、遺伝子が培養細胞をトランスフェクトするために
用いられることを意味する。本発明のこの局面において、遺伝子治療はエキソビ
ボ遺伝子治療として見なしてもよい。骨髄細胞を含む哺乳類細胞をトランスフェ
クトする方法は、当技術分野で既知である。例えば「レトロウイルス形質転換造
血始原細胞(Retrovirus transformed hemopoietic progenitors)」、免疫学方
法手引き1997年、アカデミック出版、サンジエゴ、I.レフコビッツ(Lefkovits
)編を参照のこと。本明細書に記載の方法に従って形質転換した造血幹細胞も同
様に提供する。もう一つの態様において、培養物は導入される遺伝子を含む、ベ
クターを運ぶヘルパー細胞を含む。
【0099】 本発明はまた、トランスフェクトした造血幹細胞が患者に導入される方法を提
供する。導入は、特定の組織または臓器のような体内の特定部位への移植のよう
な多くの方法によって行ってもよい。好ましい態様において、部位は骨髄である
。細胞の全身注入も同様に行ってもよい。
【0100】 もう一つの態様において、遺伝子は免疫系の細胞にターゲティングしてもよい
。免疫系の細胞にターゲティングする方法にはレトロウイルスを用いることが含
まれる。
【0101】 本発明はまた、HIV感染症の進行をモニターする方法を提供する。本発明のこ
の局面において、方法は、間質細胞と造血幹細胞とを三次元の支持体上で培養し
て、それらを増殖および/または免疫系細胞に分化させる段階、HIVウイルスを
培養細胞に導入する段階、および培養細胞におけるHIVの量および位置をモニタ
ーする段階を含む。この場合も、望ましければ、間質細胞と造血幹細胞との培養
は非骨髄細胞の存在下で行ってもよい。
【0102】 同様に、HIVを阻害または治療する薬物を試験する方法が本発明によって提供
される。方法は、間質細胞と造血幹細胞とを三次元の支持体上で培養して、それ
らを増殖および/または免疫系細胞に分化させる段階、HIVウイルスを培養細胞
に導入する段階、培養細胞に薬物を投与する段階、および培養細胞におけるHIV
の量および位置をモニターする段階を含む。薬物は培養細胞にHIVを導入する前
または後に投与してもよい。この場合も、望ましければ、骨髄細胞の培養は、非
骨髄細胞の存在下で行ってもよい。
【0103】 本発明に従って、三次元の細胞培養系において産生された有効量の免疫系細胞
を患者に投与する段階を含む、患者を治療する方法が提供される。そのような免
疫系の細胞の例には、Tリンパ球、Bリンパ球、抗原提示細胞、ナチュラルキラー
細胞、ナイーブ細胞、活性化細胞、記憶細胞、およびそれらの始原細胞または前
駆細胞が含まれる。上記の細胞は任意の組み合わせで投与してもよい。望ましけ
れば、上記の細胞型の一つのみを投与してもよい。
【0104】 このように、CD4+、CD8+、CD3+、またはTdT細胞のようなTリンパ球を患者に投
与してもよい。CD19+、CD20+、またはCD21+細胞のようなBリンパ球も同様に患者
に投与してもよい。マクロファージまたは樹状細胞のような抗原提示細胞も同様
に投与してもよい。プラズマ細胞または記憶細胞のようなB細胞も同様に患者に
投与してもよい。
【0105】 本発明の三次元のバイオリアクターにおいて産生された有効量の免疫系細胞を
患者に投与してもよい。「有効量」とは、患者を治療するために有効な量を意味
する。本明細書において用いられるように、「治療」とは、患者の病態を予防ま
たは改善することを含むことを意味する。このように、多数の免疫系の任意の病
態または障害に対しても感受性がある、またはそれらを有する患者に、本発明の
免疫系細胞またはそれらの始原細胞もしくは前駆細胞を病態または障害を予防ま
たは改善するために有効量投与してもよい。免疫系の病態および障害の例には、
例えば後天性免疫不全症候群(AIDS)、血友病、およびディジョージ症候群が含
まれる。
【0106】 同様に、本発明の薬物毒性または薬物有効性アッセイ法から得られた生存細胞
の有効量を患者に投与してもよい。
【0107】 患者はまた、抗原特異的抗体を産生する本発明の方法によって産生された抗体
の有効量によって治療してもよい。「有効量」とは、混入している(外来)抗原
を中和するために有効な量を意味する。
【0108】 本発明はまた、免疫細胞を成熟、選択、抗原提示、または増大させる方法を提
供する。方法は、三次元のバイオリアクターにおいて産生された免疫細胞を採取
する段階、採取した免疫細胞をさらなる培養物に接種する段階を含む。成熟した
、増大した、および/または抗原を提示する細胞を、本明細書に記載の方法と同
様に、周知の方法を用いてさらなる細胞培養物から採取および選択してもよい。
本明細書において用いられる、「さらなる細胞培養」とは、三次元の支持体(足
場構造)、造血幹細胞の増殖または免疫系細胞への分化を支持する培地、すなわ
ち第二の三次元のバイオリアクターを含んでいてもよい。
【0109】 好ましくは、「さらなる細胞培養」とは、成人または胎児脾細胞培養、胸腺細
胞培養、リンパ節細胞培養、または肝細胞培養系の少なくとも一つを含むと解釈
される。成人または胎児脾細胞、胸腺細胞、リンパ節細胞または肝細胞を培養す
る方法は当技術分野で周知である。
【0110】 本発明はまた、本発明の三次元のバイオリアクターにおいて産生された抗体産
生B細胞をさらなる培養物に接種することを含む、B細胞を成熟、選択、抗原提示
、または増大させる方法も提供する。抗体産生B細胞は、間質細胞と造血幹細胞
とを三次元の支持体上で培養する段階、それらを増殖させるか、または免疫系細
胞に分化させる段階、培養物を抗原またはその抗原断片によって免疫する段階、
および産生された抗体を同定して、抗原特異的抗体を産生するB細胞を単離する
段階によって、産生される。
【0111】 本発明のさらにもう一つの局面において、T細胞成熟、選択、抗原提示方法が
提供される。方法は、さらなる細胞培養物に抗原特異的T細胞を接種する段階を
含む。抗原特異的T細胞は、間質細胞と造血幹細胞とを三次元の支持体上で培養
する段階、それらを増殖させるか、または免疫系細胞に分化させる段階、培養物
を抗原またはその抗原断片によって免疫する段階、および産生された抗体を同定
して、抗原特異的である培養物によって産生されたT細胞を単離する段階によっ
て産生される。
【0112】 本発明は、樹状細胞を成熟、選択、抗原の結合、または増大させる方法を提供
する。方法は、三次元のバイオリアクターから免疫系細胞を採取する段階、樹状
細胞を単離する段階、およびさらなる細胞培養物に樹状細胞を接種する段階を含
む。
【0113】 本発明はさらに、ナチュラルキラー細胞を成熟、選択、抗原提示、または増大
させる方法を提供する。方法は、三次元のバイオリアクターから免疫系細胞を採
取する段階、ナチュラルキラー細胞を単離する段階、およびさらなる細胞培養物
にナチュラルキラー細胞を接種する段階を含む。
【0114】 同様に、本発明に従って、さらなる細胞培養物からのナチュラルキラー細胞の
有効量を投与する段階を含む、患者を治療する方法が提供される。
【0115】 本発明のさらにもう一つの局面において、間質細胞と造血幹細胞とを三次元の
支持体上で培養して、それらを増殖させるか、または免疫系細胞に分化させる段
階を含む、細胞を増殖および増大させる方法を提供する。次に、免疫系細胞に核
酸配列をトランスフェクトし、トランスフェクトした細胞はさらなる細胞培養物
への接種に用いられる。
【0116】 本発明のさらにもう一つの局面において、間質細胞と造血幹細胞とを三次元の
支持体上で培養して、それらを増殖または免疫系細胞に分化させる段階を含む、
HIV感染細胞を増殖および増大させる方法が提供される。次に、HIVを培養細胞に
導入して、HIV感染細胞を用いてさらなる細胞培養物に接種する。
【0117】 本発明のなおもう一つの局面において、間質細胞と造血幹細胞とを三次元の支
持体上で培養して、それらを増殖させるか、または免疫細胞に分化させる段階を
含む、細胞増殖および増大させる方法が提供される。次にHIVを培養細胞に導入
し、薬物も同様に培養細胞に導入する。次に、HIV感染細胞と薬物曝露細胞とは
さらなる細胞培養物への接種に用いられる。
【0118】 本発明は、以下の実施例によってさらに説明するが、これらは本発明の範囲を
如何なるようにも制限すると解釈されない。
【0119】実施例1 全般的な材料と方法 フローサイトメトリー分析 リンパ球サブタイプ(ヘルパーおよび細胞溶解性T細胞およびB細胞)の割合お
よび活性化リンパ球表面マーカーは、EPICSプロフィールアナライザー(Coulter
、マイアミ、フロリダ州)によるフローサイトメトリーによって定量した。細胞
試料を蛍光標識抗体およびアイソタイプ対照と共にインキュベートした。用いた
抗体は、抗CD3(汎T細胞)抗体、抗CD4(ヘルパーT細胞)抗体、抗CD8(細胞溶
解性T細胞)抗体、抗TCRαβ(αβT細胞受容体を有するT細胞)抗体、抗TCRγ
δ(γδT細胞受容体を有するT細胞)抗体、抗CD45RA(ナイーブT細胞)抗体、
抗CD45RO(活性化T細胞)抗体、抗CD19抗体、抗CD20抗体、抗CD21抗体、および
抗CD10(B細胞)抗体であった(10)。
【0120】免疫細胞化学 培養からの非接着細胞のアセトン固定サイトスピンスライド調製物を、モノク
ローナル抗体(抗CD3抗体、抗CD19抗体、抗CD56抗体、および抗TdT抗体)または
ポリクローナル抗体(抗細胞質μ抗体、抗表面IgG抗体、および抗表面IgM抗体)
によって標識した後、ビオチン接合二次抗体およびストレプトアビジン接合ペル
オキシダーゼ(DPC)によって標識した。内因性のペルオキシダーゼ活性は、免
疫染色の前にスライドガラスを3%過酸化水素中に5分間液浸することによって消
失させた。陽性染色細胞を光学顕微鏡下で同定した。陽性選択細胞の形態学的特
徴も同様に、細胞化学で定義されるそれぞれのサブタイプと一致することを保証
するために調べた。
【0121】抗体産生B細胞のELISPOTアッセイ法 ELISPOT(酵素結合イムノスポット)アッセイ法(10)を用いて、免疫グロブ
リン産生B細胞を検出した。簡単に説明すると、抗原を固相(ペトリ皿または多
ウェルプレート)に4℃で一晩コーティングした。次に、プレートをブロックし
た後、37℃の湿潤インキュベータ内(5%CO2含有)で適当に希釈した(通常、細
胞103〜106個/ml)抗体産生細胞を12〜16時間インキュベートした。活性抗体分
泌細胞部位での抗原-抗体複合体の検出は、酵素接合抗グロブリン抗体と共に37
℃で2時間インキュベートした後、適当な基質を加えることによって行った(10
)。スポットは倍率10倍〜30倍で計数した。
【0122】NK細胞の細胞障害性アッセイ法 NK細胞の本来の溶解活性をNK感受性K562標的細胞の溶解によって評価した。簡
単に説明すると、指数増殖期の標的細胞2×105個/mlを10 μM BrdU(DNAを標識
する)によって37℃で一晩標識した。標識した標的細胞(細胞1×105個/ml)を
、培養物からの異なる数のエフェクターリンパ球と共にU底96ウェル微量定量プ
レートにおいて37℃で4時間混合した。上清の一部を採取して、BrdU-標識DNA(
溶解された標識細胞から放出される)を、記述のように(11)細胞DNA断片化キ
ット(Boehringer Manheim)を用いるサンドイッチELISAによって定量した。
【0123】自己血漿の回収 骨髄を採取する前に、ボランティアから提供された末梢血120 mlを、ヘパリン
加試験管に回収して凝固を防止した。末梢血を2000 rpmで30分間遠心し、血漿を
回収して、必要に応じて後に用いるまで−20℃で保存した(10)。
【0124】パラフィン薄切片 足場構造および内部の細胞は、10%ホルムアルデヒド(Fisher、ピッツバーグ
、ペンシルバニア州)によって室温で1時間固定して、3%バクトアガー(Gibco
)に包埋した後、10%ホルマリン緩衝液(Fisher)に液浸した。次に、それらに
パラフィンを浸透させて、薄切片にし、顕微鏡で調べるためにヘマトキシリン/
エオジンによって染色した。
【0125】走査型電子顕微鏡(SEM) 足場構造および内部の細胞を、2%ホルムアルデヒドおよび4%グルタルアルデ
ヒドの0.1 Mリン酸緩衝液混合液で固定し、リン酸緩衝液で2回洗浄して、1%OsO4 水溶液中で1時間再度固定し、最後に蒸留水で洗浄した。次に、試料をエタノー
ル溶液で連続的に洗浄して脱水し、SEM検査の前に金をコーティングした(7)。
【0126】示差細胞計数 細胞試料のスライドガラスをサイトスピン遠心器(Shandon、セウィッキー、
ペンシルバニア州)を用いて調製し、ライト染色する前に風乾させた。示差細胞
計数は、光学顕微鏡を用いて、それぞれのスライドガラスにおける細胞100個〜2
00個を計数することによって行った。
【0127】細胞化学 培養物からのホルマリン固定パラフィン薄切片を、モノクローナル抗体(マク
ロファージに関して抗-CD68抗体および内皮細胞に関して抗-CD31抗体)またはポ
リクローナル抗体(間葉起源の間質細胞に関して抗ビメンチン抗体)によって標
識した後、ビオチン結合二次抗体およびストレプトアビジン結合ペルオキシダー
ゼ(DPC)によって標識した。網状間質細胞は銀染色して、コラーゲン沈着をマ
ッソン染色によって証明した。内因性のペルオキシダーゼ活性は、免疫染色の前
にスライドガラスを3%過酸化水素中に5分間液浸することによって消失させた(
8)。陽性染色細胞を光学顕微鏡下で同定した。細胞化学で定義されるそれぞれ
のサブタイプとの一貫性を保証するために、陽性選択細胞の形態学的特徴も同様
に調べた。
【0128】RNA任意プライミングPCR(RAP-PCR) RNA任意プライミングポリメラーゼ連鎖反応(RAP-PCR)は、RNA遺伝子転写物
の単純かつ迅速なフィンガープリント法である。最初の鎖の合成のあいだ、単一
の18塩基の任意のプライマー(Stratagene、ラホヤ、カリフォルニア州)がアニ
ーリングして、メッセンジャーRNA内部に含まれる部位から伸長する。第二の鎖
の合成は、低ストリンジェンシーPCRの1ラウンドのあいだに類似の様式で進行す
る。高ストリンジェンシーでのPCR増幅は、cDNAを増幅するためにPCRの両端での
任意のプライマーを組み入れることによって進行する。鋳型依存的競合が存在し
て、これは可能性があるどのPCR産物が最終的に支配的となるかを決定する。調
べるあらゆる任意のプライマーとRNAとの組み合わせに関して、逆転写酵素が反
応から消失している「偽」の第一鎖合成を行った。この対照試料をその後のPCR
段階において増幅して、このように、逆転写を必要としない鋳型に由来するバッ
クグラウンドシグナルの指標を提供する。
【0129】RAP-PCR産物の分析 得られたRAP-PCR産物を、6%アクリルアミド/7M尿素ゲル上でのゲル電気泳動
によって分析し(9)、これをファルマシア銀染色キット(Pharmacia、ピスキャ
タウェイ、ニュージャージー州)を用いて銀染色した。
【0130】バイオリアクターの調製 バイオリアクターは、ポリカーボネートプレート(図1A)を用いて作製した。
培養チャンバー(高さ3/16"×幅5/16"×長さ5/16")に非常に多孔性の微小担体0
.01 gを充填した。微小担体の充填床に、培養培地を重層した。培地のチャンバ
ー(高さ1/2"×幅5/16"×長さ12/16")は、培地0.6 mlを含んだ。ガス交換を容
易にするためにテフロン(商標)メンブレン(厚さ50 μm)を用いた。
【0131】 セルスノウ(商標)EXタイプL(低イオン荷電)、マクロ孔質セルロース微小
担体(Kirin、日本;直径1 mm〜2 mm;孔サイズ100 μm〜200 μm;間隙率95%
)をこれらの実験を通じてヒト骨髄細胞の人工足場構造として用いた(図1B)。
【0132】ヒト骨髄調製物 ロチェスター大学研究被験者審査委員会からの説明に従って同意を得たドナー
の腸骨稜から吸引した骨髄を、マッコイ5A培地(Gibco、グランドアイランド、
ニューヨーク州)で1:1に希釈して、フィコール/パック(Pharmacia、ピスキ
ャタウェイ、ニュージャージー州、密度1.027 g/ml)の上に重層して、200 gで3
0分間遠心した。単核球細胞層を回収して、3回洗浄し、これを用いてバイオリア
クターに接種した。細胞の一部を取り分け、必要に応じて様々なアッセイ法に用
いた。
【0133】実施例2 三次元のヒト長期骨髄培養 バイオリアクターの多孔性の微小担体部分の中でピペッティングすることによ
って、培養物に適当数の単核球(細胞4〜6×106個/培養チャンバー)を接種し
た。培養物を湿潤CO2インキュベータ(5%CO2含有)内で37℃でインキュベート
した。LTBMC培地(毎日交換)は、70%(v/v)マッコイ5A培地(Gibco)、1×10-6 Mヒドロコルチゾン(Sigma、セントルイス、ミズーリ州)、50 μg/mlペニシ
リン(Sigma)、50 mg/mlストレプトマイシン(Sigma)、0.2 mM L-グルタミン
(Gibco)、0.045%重炭酸ナトリウム(Sigma)、1×MEMピルビン酸ナトリウム
(Gibco)、1×MEMビタミン溶液(Gibco)、0.4×MEMアミノ酸溶液(Gibco)、1
2.5%(v/v)熱非動化ウマ血清(Gibco)、および12.5%熱非動化FBS(Gibco)
で構成された。培養培地に、組換えヒト幹細胞(rhSCF 50 ng/ml)およびリンパ
球特異的リンフォカイン、インターロイキン2(rhIL-2、1000 U/ml)およびイン
ターロイキン7(rh IL-7、2 ng/ml)を添加した。培養には非添加培地を毎日与
え、添加培地を2日ごとに与えた。サイトカイン添加培地の提供は4日目に開始し
た。
【0134】 ヒドロコルチゾン実験の場合、培養に完全な培養培地を毎日与え、ヒドロコル
チゾン非含有培地を10日目に開始した。自己血漿実験の場合、培養培地に10%自
己血清を加えた。2週目、非接着細胞を放出させるために、多孔性のミクロスフ
ェア床を緩く攪拌して混合することによって、培養物を単離(depopulate)させ
た(50μl/ウェル)非接着細胞の生存細胞数は、トリパンブルー色素(Sigma)
を用いる色素排除法および血球計算盤によって決定した。培養は3週目に回収し
、緩くピペッティングして4週目に採取して、様々なアッセイ法を行った。
【0135】実施例3 Bリンパ球の検出 三次元のヒト骨髄類似体からの産生細胞のヒトフローサイトメトリー分析によ
って、外来性増殖因子の非存在下で、プロB細胞(CD10+)、未成熟B細胞(CD19+ )、および成熟B細胞(CD20+、CD21+)が存在することが確認された。0週目に、
細胞の2.4%がCD10マーカーを発現し、これは新しい骨髄におけるプロB細胞集団
を表す(図2)。培養1週間後、プロB細胞集団は同じレベルで維持された。しか
し、2週目に、プロb細胞は劇的に減少し、回復するのに4週目までかかった。こ
の変動はおそらく、三次元の培養物において起こり、バイオリアクターに存在す
る活性B細胞リンパ球産生を意味する再生過程を表す。さらに、CD10+ B細胞集団
(プロB細胞)における変動は、未成熟(CD19+)B細胞および成熟(CD20+および
CD21+)B細胞における変動に対応した。特に、0週目では、CD19+ CD20+ B細胞集
団は5.7%であった(図3)。1週目に、CD19+ CD20+集団は2.5%にまで半減した
。2週目に、CD19+ CD20+は回復し、9%に増大した。この回復率は、CD10+細胞の
減少と一致し、プロB細胞から未成熟(CD19+)B細胞および成熟(CD19+ CD20+
B細胞へのB細胞の成熟を表す可能性が最も高い。4週目では、CD19+およびCD20+
細胞のレベルは新しい骨髄と同じレベルであった。同様に、図4は、CD19およびC
D21 B細胞マーカーの発現を示す。培養を通じて、CD21マーカーの発現はほとん
どなく(成熟の最終段階でのB細胞を表す)、インビボでの骨髄と類似であった
。異なるBリンパ球マーカーを用いても、総B細胞集団が良好に一致することには
注目する価値がある。
【0136】 リンパ様幹細胞およびプレB細胞の有無を調べるために、免疫細胞化学を用い
た。図5Aでは、三次元のバイオリアクターにおけるリンパ様幹細胞の存在を確認
した(核TdT抗体に関して染色陽性)。骨髄におけるTdT+細胞の割合が小さい(0
.1%)ことを表す。プレBリンパ球はまた、細胞質μ陽性細胞によって決定され
るように培養期間を通じて存在した。バイオリアクターにおいて産生されたB細
胞の機能性は、ELISPOTアッセイ法を用いて調べた。図5Cおよび図5Dは、培養B細
胞(4週目)がリポ多糖類(LPS)による活性化の際に抗体を分泌できたことを示
し、このことはB細胞が機能的であることを示している。したがって、ヒト骨髄
培養はエキソビボBリンパ球産生を支持するように思われ、これもインビボでの
骨髄の機能を模倣しているように思われる。これは、ヒトリンパ球産生の微小環
境を調べるエキサイティングでしかも前例のない機会を提供する。
【0137】実施例4 Tリンパ球の検出 三次元のヒト骨髄バイオリアクターからの産生細胞のフローサイトメトリー分
析によって、示差細胞計数において同定されたリンパ球のほとんど(>90%)が
CD3+ T細胞であったことが示された。さらなる分析は、T細胞の双方のサブタイ
プが存在することを示した(図6)。特に、ヘルパーT細胞(CD3+、CD4+)および
細胞障害性T細胞(CD3+、CD8+)は、外来性増殖因子の非存在下において、培養
期間を通じて存在した。この知見はさらに、ヒト三次元の骨髄模倣体がエキソビ
ボでリンパ球産生を支持できることをさらに指摘する。
【0138】 バイオリアクターからの産生細胞に存在するTリンパ球の特徴をさらに調べる
ために、外来性リンパ球特異的サイトカイン(リンフォカイン)の非存在下およ
び存在下において、一連の実験を実施した。特に、インターロイキン2(rh IL-2
、1000 U/ml)およびインターロイキン7(rh IL-7、2ng/ml)を、幹細胞因子(r
h SCF、50 ng/ml)と共に培養培地に添加した。図7Aおよび7Bは、サイトカイン
を添加した培養からの細胞産生量が、対照(サイトカインなし)と比較して2〜8
倍刺激されたことを示している。さらに、サイトカインの存在下では、累積細胞
産生量は、3週目までに接種量を超え、このことはバイオリアクターにおけるTリ
ンパ球の細胞数増大および/または産生を示唆している。より重要なことは、リ
ンフォカインを添加すると、持続的な細胞数増大が5週間起こった。示差細胞分
析(differential cell analysis)(表1)から、リンパ球特異的サイトカイン
の存在下での細胞産生量の増大がリンパ様集団において起こったことが確認され
た。2週目では、リンパ様細胞は、細胞の大多数を構成した(55%)。同様に、4
週目では、リンパ球集団は細胞産生量の58.7%を占め、対照と比較すると3倍増
加した。したがって、リンフォカインを添加すると、バイオリアクターにおける
造血がリンパ球産生方向に移行した。
【0139】 T細胞サブタイプはまた、CD3、CD4およびCD8抗原の発現を追跡することによっ
て、フローサイトメトリーを用いて分析した。外来性増殖因子の非存在下では(
図8)、Tリンパ球の割合は、新しい骨髄における25%(0週目)から、培養期間
中に約10〜15%へと減少した。興味深いことに、CD8+細胞障害性T細胞に対するC
D4+ヘルパーT細胞の比は、培養期間を通して1.5:1の比率のまま一定であり、こ
れはインビボにおける骨髄の正常な比である。SCFと共に外部からリンパ球特異
的サイトカイン(IL-2およびIL-7)を培養培地に加えると、CD4+ T細胞の選択的
刺激が認められた(図9)。これは、IL-2がヘルパーT細胞を刺激し、ヘルパーT
細胞が次にサイトカインを産生してさらにヘルパーT細胞集団を増強させるとい
う事実によって説明することができる。
【0140】 T細胞受容体(TCR)サブタイプも同様に調べた。T細胞は、2つのTCRサブタイ
プ、すなわちTCRαβおよびTCRγδをその表面上に発現することが知られている
。ほとんどのT細胞はαβTCRを発現する。図10は、T細胞の大部分(95%)が増
殖因子の非存在下でその表面にαβTCRを発現したことを示している。SCF、IL-2
、およびIL-7を培養培地に加えると、Tリンパ球が増大し、および/またはαβT
CRを発現した。対照的に、γδTCRを発現するT細胞は刺激されなかった。
【0141】 データによって、ヒト骨髄モデルからの産生細胞にT細胞が存在することが確
認される。双方のTリンパ球サブタイプ、すなわちヘルパーおよび細胞障害性T細
胞が、インビボでの骨髄と類似の比で存在した(外来性増殖因子の非存在下)。
その上、ほとんどのT細胞は、予想通りαβTCRを発現した。さらに、バイオリア
クターにおけるT細胞は、外部からリンフォカイン特異的増殖因子を加えた場合
に、そのサブタイプと一致するように刺激され、これらの細胞が機能的であるこ
とを示した。したがって、三次元のヒト骨髄モデルは、リンパ球産生を行う微小
環境を形成し、リンパ球の発達にとって重要なシグナル、分子、および細胞相互
作用を表すエキサイティングな機会を提供する。
【0142】実施例5 ヒドロコルチゾン除去の影響 ホイットロック-ウィット培養において、既知の免疫抑制剤であるヒドロコル
チゾンを、B-リンパ球産生(B-lymphopoiesis)のために除去しなければならな
い。さらに、フラスコ培養物中のヒドロコルチゾンを除去すると、細胞産生量の
減少が起こる。しかし、三次元のヒト骨髄モデルにおいては、B-リンパ球および
T-リンパ球の双方がヒドロコルチゾンの存在下においても存在した。この実施例
においては、ヒドロコルチゾン除去がエキソビボリンパ球産生に及ぼす影響を調
べた。その際、活性リンパ球産生のための最適条件を決定した。さらに、ヒドロ
コルチゾン含有培養物およびヒドロコルチゾン非含有培養物の遺伝子発現パター
ンについてもまた、ヒドロコルチゾン除去に関連した潜在的遺伝子を同定するた
めに比較した。ヒドロコルチゾンを0日目、3日目、または10日〜14日の間に培地
から除去した。
【0143】 ヒドロコルチゾン除去のタイミングは、培養物の生存にとって重要である。ヒ
ドロコルチゾンを0日目または3日目に除去した場合、培養物はその後すぐに衰弱
した(collapse)。しかし、ヒドロコルチゾンを10日目、または14日目に除去し
た場合には、健全な生存率(>80%)を維持する安定な培養物が得られた。図12
は、10日目にヒドロコルチゾンを除去すると、2週目まで細胞産生量が増加する
ことを示す。細胞産生量の増加は培養を通して維持され、3週目は最も劇的であ
った。三次元の模倣体における細胞産生量の刺激は、細胞産生量が減少する従来
のフラスコ培養物とは明らかな対比を示した。ヒドロコルチゾン除去後の生存率
は高いままであり、ヒドロコルチゾン含有培養物と85%〜95%で同等であった。
【0144】 示差細胞分析を、特異的細胞型に対するヒドロコルチゾン除去の任意の潜在的
な影響を同定するために実施した。独立のドナー2人の培養物からヒドロコルチ
ゾンを除去すると(3週目)、未成熟リンパ球および顆粒球が増加することが示
された(表2)。特に、骨髄芽球および骨髄球は2倍の増加を示し、一方リンパ芽
球は50%増加した。この結果は、免疫抑制剤としてのヒドロコルチゾンの役割と
一致している。
【0145】 ディファレンシャルディスプレイ技術(RAP-PCR)を用いて、ヒドロコルチゾ
ン除去に関連した全ての遺伝子を同定するために、ヒドロコルチゾン含有培養物
とヒドロコルチゾン非含有培養物とのあいだの遺伝子発現パターンにおける全て
の違いを調べた。ヒドロコルチゾンの存在下および非存在下で、三次元のヒト骨
髄培養物を4週目に採取して、接着細胞からのmRNAをディファレンシャルディス
プレイされた遺伝子に関して分析した。図13において、ヒドロコルチゾンの除去
によって異なる遺伝子発現パターンが得られることを確認した。これまで同定さ
れた遺伝子では、それはヘム調節開始因子2αキナーゼ遺伝子である。遺伝子は
、ディファレンシャルディスプレイされた遺伝子断片の一つを切り出し(図13、
682 bp)、再増幅し、クローニングし、かつシークエンシングすることによって
同定した。ヘムは網状赤血球におけるタンパク質の合成を制御する。ヘム調節阻
害剤(HRI)とも呼ばれるヘム調節真核細胞開始因子2α(eIF-2α)は、この過
程において主要な役割を果たす(59、60)。
【0146】 これらの結果は、培養培地における添加剤としてのヒドロコルチゾンの重要性
および造血におけるその役割を示す。その上、ヒドロコルチゾンのような調節物
質が造血に及ぼす役割を解明するための道具としての、三次元のバイオリアクタ
ーの重要性も同様に説明された。
【0147】実施例6 自己血漿の利用 動物血清の代用品としての培養培地における自己血漿の使用を検討した。動物
血清は、細胞の分化および増殖を活性化または抑制する可能性がある外来タンパ
ク質を含む。自己血漿はこの問題を克服する。しかし、長期培養のための使用可
能性には限度がある。したがって、自己血漿の利用可能性を、血漿の2種類の濃
度(5%および10%)を調べることによって評価した。細胞産生量および細胞の
分化を調べた。さらに、CD19およびCD3抗原の発現を追跡することによって、フ
ローサイトメトリーを用いてB細胞およびT細胞をモニターした。
【0148】 三次元の培養物からの細胞産生量動態(kinetics)から、(5%および10%の双
方での)自己血漿をの使用は、動物血清添加培地培養物と比較して、影響されな
いことが示された(図14)。未成熟B細胞(CD19+)およびT細胞(CD3+)のフロ
ーサイトメトリー分析により、自己血漿が、動物血漿含有培地より良好にリンパ
球集団を支持したことが示唆された(図15)。特に、対照培養と比較してより多
くの未成熟なB細胞が、特に3週目および4週目のあいだに、10%自己血漿培養物
中に(図34)存在した。T細胞集団についても、類似の傾向が認められた(図16
)。最後に、示差細胞動態分析により、自己血漿(特に10%含有培養物)がリン
パ球集団を増強するという知見が確認された(図17A〜図17C)。
【0149】 これらのデータは、長期ヒト骨髄培養において自己血漿を動物血清の代用品と
して用いる可能性を証明した。そのため、これは、外来抗原性刺激または抑制の
ない、より生理的な条件下での造血の研究を可能にすると考えられる。
【0150】
【表1】
【0151】
【表2】
【0152】 参照
【図面の簡単な説明】
【図1A】 三次元バイオリアクターの潜在的な構成の一つの概略図である
。図示された構成において、多孔性または繊維性の足場が培養チャンバーの内部
に配置されている。
【図1B】 バイオリアクター内で人工足場として用いられるマクロポーラ
ス(macroporous)セルロース製ミクロスフェアの走査電子顕微鏡像である。
【図2】 三次元ヒト骨髄モデルにおける0週目から4週目のCD10の抗原発現
に関するフローサイトメトリー分析のデータを示している。
【図3】 三次元ヒト骨髄モデルにおける0週目から4週目のCD19およびCD20
の抗原発現に関するフローサイトメトリー分析のデータを示している。
【図4】 三次元ヒト骨髄モデルにおける0週目から4週目のCD19およびCD21
の抗原発現に関するフローサイトメトリー分析を示している。
【図5】 図5Aは、1週目の3-Dリアクター培養物由来のTdT陽性(矢印)リ
ンパ系始原細胞を示した顕微鏡写真である。核のTdTが赤色に染色されている。
図5Bは、プレBリンパ球(矢印)を示した顕微鏡写真であり、これは細胞質μ鎖
から赤色に染色されている(抗体の重鎖、5.5週目)。図5Cは、LPSに刺激された
IgG分泌性Bリンパ球によって生じたスポットを示した4週目の顕微鏡写真であり
、培養物中のBリンパ球に機能があることを示している。図5Dは、図5Cと同じも
のをさらに拡大したものである。
【図6】 三次元ヒト骨髄モデルにおける0週目および4週目のCD3、CD4およ
びCD8の抗原発現に関するフローサイトメトリー分析のデータを示している。
【図7】 ヒト三次元培養系からの細胞産生量動態を図示する。図7Aは各サ
ンプリングで得られた生細胞産生量を示している。図7Bは生細胞産生量の累積値
を示している。用いたサイトカインはrh IL-2(1000U/ml)、rh IL-7(2ng/ml)
およびrh SCF(50ng/ml)である。サンプリングに伴うフラスコの減少に関する
補正は行わなかった。各培養物に関して6つの培養チャンバーに接種した。エラ
ーバーは標準偏差を表す。
【図8】 3-D骨髄培養における、リンホカインの非存在下でのCD3、CD4お
よびCD8の抗原発現に関するフローサイトメトリー分析の結果を図示する。末梢
血単核細胞をPBMNCと表記し、新鮮骨髄をFBMと表記している。
【図9】 3-D骨髄培養における、リンホカインの存在下でのCD3、CD4およ
びCD8の抗原発現に関するフローサイトメトリー分析の結果を図示する。添加し
たサイトカインはrSCF(50 ng/ml)、rh IL-2(1000U/ml)およびrh IL-7(2ng/
ml)である。末梢血単核細胞をPBMNCと表記し、新鮮骨髄をFBMと表記している。
【図10】 3-D骨髄培養系における、リンホカインの非存在下でのCD3、TC
RαβおよびTCRγδの抗原発現に関するフローサイトメトリー分析の結果を図示
する。
【図11】 3-D骨髄培養系における、リンホカインの存在下でのCD3、TCR
αβおよびTCRγδの抗原発現に関するフローサイトメトリー分析の結果を図示
する。
【図12】 図12Aは、3-D骨髄培養において、ヒドロコルチゾンの存在下ま
たは非存在下での各サンプリングで得られた生細胞産生量を図示している。10日
目にヒドロコルチゾンを培養培地から除去した。サンプリングに伴うフラスコの
減少に関する補正は行わなかった。各培養物に関して6つの培養チャンバーに接
種した。エラーバーは標準偏差を表す。図12Bは、生細胞産生量の累積値を図示
している。10日目にヒドロコルチゾンを培養培地から除去した。サンプリングに
伴うフラスコの減少に関する補正は行わなかった。各培養物に関して6つの培養
チャンバーに接種した。エラーバーは標準偏差を表す。
【図13】 図13Aは、ヒドロコルチゾンの存在下(w)または非存在下(w/
o)における3-D骨髄培養物由来の4週齡接着細胞のRNA任意プライミングPCR(RAP
-PCR)を用いてディファレンシャル遺伝子ディスプレイ産物を流したゲルの写真
である。矢印はHRI遺伝子断片の位置(682bp)を示す。MWは分子量マーカーを表
す。図13Bは、発現に差がみられた遺伝子を切り出して用いた、図13Aと同じゲル
の写真である。
【図14】 3-D骨髄培養における細胞産生量動態を図示する。曲線は各サ
ンプリングで得られた生細胞産生量を示す。サンプリングに伴うフラスコの減少
に関する補正は行わなかった。各培養物に関して6つの培養チャンバーに接種し
た。エラーバーは標準偏差を表す。動物血清を含む培地を添加した対照培養物を
CMと表記し、5%自己血漿を含む培地を添加した培養物を5%HPと表記し、10%自
己血漿を含む培地を添加した培養物を10%HPと表記している。
【図15】 三次元ヒト骨髄モデルに関する、CD19(未熟B細胞)およびCD3
(T細胞)の抗原発現のフローサイトメトリー分析のデータを示している。動物
血清を含む培地を添加した対照培養物をCMと表記し、10%自己血漿を含む培地を
添加した培養物を10%HPと表記している。
【図16】 三次元ヒト骨髄モデルに関するCD19(未熟B細胞)およびCD3(
T細胞)抗原発現のフローサイトメトリー分析を図示する。末梢血単核細胞はPBM
NCと表記し、動物血清を含む培地を添加した対照培養物をCMと表記し、5%自己
血漿を含む培地を添加した培養物を5%HPと表記し、10%自己血漿を含む培地を
添加した培養物を10%HPと表記している。
【図17】 図17Aは、ヒト三次元骨髄培養物から回収した非接着赤血球系
細胞のディファレンシャル細胞産生量動態を示している。ディファレンシャル細
胞分析を、1つの試料につき100個以上の細胞を算定する段階によって盲検下で行
った。動物血清を含む培地を添加した対照培養物をCMと表記し、10%自己血漿を
含む培地を添加した培養物を10%HPと表記している。図17Bは、ヒト三次元骨髄
培養物から回収した非接着骨髄性細胞のディファレンシャル細胞産生量動態を示
している。行った分析および表記は図17Aに記載したとおりである。図17Cは、ヒ
ト三次元骨髄培養物から回収した非接着リンパ系細胞のディファレンシャル細胞
産生量動態を示している。行った分析および表記は図17Aに記載したとおりであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 21/08 C12Q 1/68 A 4C084 C12Q 1/68 G01N 33/15 Z 4H045 G01N 33/15 33/50 Z 33/50 33/569 H 33/569 C12N 5/00 E // C12N 15/09 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2G045 AA40 BA11 BA13 BA14 BB20 BB22 BB24 CA11 CA17 CA18 CA19 CB21 FA16 FA20 FA37 FB07 GC22 JA01 JA04 4B024 AA01 AA11 BA80 CA04 DA02 EA02 EA04 GA11 HA12 HA17 4B063 QA18 QA20 QQ08 QQ43 QR08 QR42 QR56 QS25 QS34 QX02 4B064 AG27 CA10 CA32 CA40 CC03 CD20 DA01 DA13 4B065 AA90X BB19 BC42 CA25 CA44 CA46 4C084 AA13 NA05 NA10 ZB072 4H045 AA11 AA20 AA30 CA01 CA11 CA40 CA50 DA76 EA22 EA50 FA72

Claims (130)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下を含む細胞培養系: 間質細胞および造血幹細胞の培養のための三次元の支持体;および幹細胞の免
    疫系細胞への成長または分化を支える培地。
  2. 【請求項2】 成人または胎児の骨髄、脾臓、胸腺、末梢血、肝臓、臍帯、
    大動脈傍内臓包葉、大動脈、性腺、中腎(AGM)、リンパ節、および他の供給源
    の少なくとも1つから間質細胞が単離される、または骨髄幹細胞、末梢血幹細胞
    、胚幹細胞、臍帯血幹細胞、胚幹細胞、他の供給源由来の幹細胞もしくは該細胞
    の任意の組み合わせの少なくとも1つに由来する、請求項1記載の培養系。
  3. 【請求項3】 免疫系細胞が、別の細胞培養系においてさらに培養される、
    請求項1記載の細胞培養系。
  4. 【請求項4】 さらなる細胞培養系が、成人または胎児の脾臓細胞培養系、
    胸腺細胞培養系、リンパ節細胞培養系、または肝細胞培養系の少なくとも1つで
    ある、請求項3記載の細胞培養系。
  5. 【請求項5】 造血幹細胞が骨髄幹細胞、末梢血幹細胞、胚幹細胞、臍帯由
    来の幹細胞、または他の供給源由来の幹細胞からなる群より選択される、請求項
    1記載の培養系。
  6. 【請求項6】 免疫系細胞がTリンパ球、Bリンパ球、抗原提示細胞、ナチュ
    ラルキラー細胞、ナイーブ(naive)細胞、活性化細胞、記憶細胞、およびそれ
    らの始原細胞(progenitor)または前駆細胞(precursor)からなる群より選択
    される、請求項1記載の培養系。
  7. 【請求項7】 Tリンパ球がCD4+細胞、CD8+細胞、CD3+細胞またはTdT+細胞
    の少なくとも1つを含む、請求項6記載の培養系。
  8. 【請求項8】 Tリンパ球がαβT細胞受容体またはγδT細胞受容体をもつ
    、請求項6記載の培養系。
  9. 【請求項9】 Bリンパ球がCD19+細胞、CD20+細胞、CD21+細胞、CD10+細胞
    、TdT+細胞、CD5+細胞、Ig+細胞、細胞質μ鎖+細胞または形質細胞の少なくとも
    1つを含む、請求項6記載の培養系。
  10. 【請求項10】 抗原提示細胞が、マクロファージおよび樹状細胞からなる
    群より選択される、請求項6記載の培養系。
  11. 【請求項11】 培地がサイトカイン、細胞外基質、または他の生物学的に
    活性な分子を含む、請求項1記載の培養系。
  12. 【請求項12】 サイトカインがインターロイキン-2、インターロイキン-4
    、インターロイキン-6、インターロイキン-7、インターロイキン-12、flt-3L、
    幹細胞因子、トロンボポエチン、インターロイキン-4、CD40L、BCA-1、L-BCGF、
    および可溶性インターロイキン-6Rからなる群より選択される、請求項11記載の
    培養系。
  13. 【請求項13】 非骨髄細胞または非骨髄細胞株をさらに含む、請求項1記
    載の培養系。
  14. 【請求項14】 非骨髄細胞が末梢血免疫細胞を含む、請求項13記載の培養
    系。
  15. 【請求項15】 請求項1、3、6、7、8、9または10のいずれか一項記載の有
    効量の免疫系細胞を患者に投与する段階を含む、患者を治療する方法。
  16. 【請求項16】 別の細胞培養系においてさらに培養された請求項1、3、6
    、7、8、9または10のいずれか一項記載の有効量の免疫系細胞を患者に投与する
    段階を含む、患者を治療する方法。
  17. 【請求項17】 請求項1、3、6、7、8、9または10のいずれか一項記載の免
    疫細胞を、さらなる細胞培養に接種する段階を含む、免疫系細胞を成熟、選択、
    抗原提示、または増大(expansion)させる方法。
  18. 【請求項18】 さらなる細胞培養が、成人または胎児の脾臓細胞培養系、
    胸腺細胞培養系、リンパ節細胞培養系、および肝細胞培養系の少なくとも1つで
    ある、請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 以下を含む、抗原特異的な抗体を産生する方法: 間質細胞および造血幹細胞を三次元の支持体上で培養し、かつ免疫系細胞の成
    長または免疫系細胞への分化を可能にする段階; 抗原またはその抗原性断片によって培養物を免疫する段階;ならびに 培養系により産生された抗原特異的な抗体を同定する段階。
  20. 【請求項20】 造血幹細胞が骨髄幹細胞、末梢血幹細胞、胚幹細胞、臍帯
    由来の幹細胞、または他の供給源由来の幹細胞からなる群より選択される、請求
    項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 間質細胞および造血幹細胞の培養が、非骨髄細胞の存在下
    において実施される、請求項19記載の方法。
  22. 【請求項22】 非骨髄細胞が末梢血免疫細胞を含む、請求項19記載の方法
  23. 【請求項23】 抗原またはその抗原性断片が、炭水化物、ペプチドグリカ
    ン、タンパク質、糖タンパク質、ウイルス、組織塊、細胞、細胞断片、または核
    酸分子である、請求項19記載の方法。
  24. 【請求項24】 組織塊、細胞、または細胞断片が、生きているまたは死ん
    でいる、請求項23記載の方法。
  25. 【請求項25】 細胞がヒトの細胞である、請求項19記載の方法。
  26. 【請求項26】 抗原またはその抗原性断片が抗原提示細胞と組み合わされ
    る、請求項19記載の方法。
  27. 【請求項27】 抗原またはその抗原性断片が複合体として提示される、請
    求項19記載の方法。
  28. 【請求項28】 免疫化(immunizing)がアジュバントを用いて実施される
    、請求項19記載の方法。
  29. 【請求項29】 請求項19記載の方法によって産生される抗体。
  30. 【請求項30】 請求項29記載の抗体を産生するB細胞。
  31. 【請求項31】 請求項30のB細胞をさらなる培養に接種する段階を含む、B
    細胞を成熟、選択、抗原提示、または増大させる方法。
  32. 【請求項32】 さらなる培養が、成人または胎児の脾臓細胞、リンパ節細
    胞、または肝細胞の培養の少なくとも1つである、請求項31記載の方法。
  33. 【請求項33】 形質細胞または記憶B細胞を含む、請求項30のB細胞。
  34. 【請求項34】 以下をさらに含む、請求項19記載の方法: 抗原に特異的に結合するモノクローナル抗体を産生する、細胞株を単離する段
    階。
  35. 【請求項35】 請求項34記載のモノクローナル抗体。
  36. 【請求項36】 請求項34記載の細胞株。
  37. 【請求項37】 請求項30または33記載の有効量のB細胞を患者に投与する
    段階を含む、患者を治療する方法。
  38. 【請求項38】 有効量の請求項29記載の抗体または請求項35記載のモノク
    ローナル抗体を患者に投与する段階を含む、患者を治療する方法。
  39. 【請求項39】 請求項36記載の有効量の細胞株を患者に投与する段階を含
    む、患者を治療する方法。
  40. 【請求項40】 以下の段階を含む、抗原特異的なT細胞を産生する方法: 三次元の支持体上で間質細胞および造血幹細胞を培養し、かつ免疫系細胞の成
    長または免疫系細胞への分化を可能にする段階; 抗原またはその抗原性断片を用いて培養を免疫する段階;ならびに 培養系により産生された抗原特異的なT細胞を同定する段階。
  41. 【請求項41】 造血幹細胞が骨髄幹細胞、末梢血幹細胞、胚幹細胞、臍帯
    由来の幹細胞、または他の供給源由来の幹細胞からなる群より選択される、請求
    項40記載の方法。
  42. 【請求項42】 間質細胞および造血幹細胞の培養が、非骨髄細胞の存在下
    において実施される、請求項40記載の方法。
  43. 【請求項43】 非骨髄細胞が末梢血免疫細胞を含む、請求項42記載の方法
  44. 【請求項44】 抗原またはその抗原性断片が、炭水化物、ペプチドグリカ
    ン、タンパク質、糖タンパク質、ウイルス、組織塊、細胞、細胞断片、または核
    酸分子である、請求項40記載の方法。
  45. 【請求項45】 ウイルス、組織塊、細胞または細胞断片が、生きているま
    たは死んでいる、請求項44記載の方法。
  46. 【請求項46】 T細胞がCD3+細胞、CD4+細胞またはCD8+細胞の少なくとも1
    つを含む、請求項40記載の方法。
  47. 【請求項47】 T細胞がαβT細胞受容体またはγδT細胞受容体をもつ、
    請求項40記載の方法。
  48. 【請求項48】 T細胞がナイーブT細胞または記憶T細胞である、請求項40
    記載の方法。
  49. 【請求項49】 細胞がヒトの細胞である、請求項40記載の方法。
  50. 【請求項50】 抗原またはその抗原性断片が抗原提示細胞と組み合わされ
    る、請求項40記載の方法。
  51. 【請求項51】 抗原またはその抗原性断片が複合体として提示される、請
    求項40記載の方法。
  52. 【請求項52】 免疫化がアジュバントを用いて実施される、請求項40記載
    の方法。
  53. 【請求項53】 請求項40記載の方法によって産生される、抗原特異的なT
    細胞。
  54. 【請求項54】 請求項53記載の抗原特異的なT細胞をさらなる細胞培養に
    接種する段階を含む、T細胞を成熟、選択、抗原提示、または増大させる方法。
  55. 【請求項55】 さらなる細胞培養が、成人または胎児の脾臓細胞培養系、
    胸腺細胞培養系、リンパ節細胞培養系、または肝細胞培養系の少なくとも1つで
    ある、請求項54記載の方法。
  56. 【請求項56】 抗原がウイルス抗原である、請求項40記載の方法。
  57. 【請求項57】 抗原が腫瘍抗原である、請求項40記載の方法。
  58. 【請求項58】 請求項53記載の抗原特異的な有効量のT細胞を患者に投与
    する段階を含む、患者を治療する方法。
  59. 【請求項59】 以下の段階を含む、樹状細胞を産生する方法: 三次元の支持体上において間質細胞および造血幹細胞を培養し、かつ樹状細胞
    の成長または樹状細胞への分化をさせる段階。
  60. 【請求項60】 造血幹細胞が骨髄幹細胞、末梢血幹細胞、胚幹細胞、臍帯
    由来の幹細胞、または他の供給源由来の幹細胞からなる群より選択される、請求
    項59記載の方法。
  61. 【請求項61】 間質細胞および造血幹細胞の培養が、非骨髄細胞の存在下
    において実施される、請求項59記載の方法。
  62. 【請求項62】 非骨髄細胞が末梢血免疫細胞を含む、請求項61記載の方法
  63. 【請求項63】 樹状細胞が、骨髄性委任(committed)前駆細胞由来の樹
    状細胞およびリンパ性委任前駆細胞由来の樹状細胞からなる群より選択される、
    請求項59記載の方法。
  64. 【請求項64】 以下の段階をさらに含む、請求項59記載の方法: 細胞培養を樹状細胞について選択的に強化する(enrich)段階。
  65. 【請求項65】 樹状細胞特異的サイトカインを培養に添加することによっ
    て、樹状細胞の産生が増強される、請求項59記載の方法。
  66. 【請求項66】 樹状細胞特異的サイトカインがインターロイキン-4、顆粒
    球マクロファージコロニー刺激因子、幹細胞因子、およびfms様チロシンキナー
    ゼ3リガンドからなる群より選択される、請求項65記載の方法。
  67. 【請求項67】 請求項59記載の方法によって得られる樹状細胞。
  68. 【請求項68】 請求項67記載の樹状細胞をさらなる細胞培養に接種する段
    階を含む、樹状細胞を成熟、選択、抗原の結合(antigen-charging)または増大
    させる方法。
  69. 【請求項69】 さらなる細胞培養が、成人または胎児の脾臓細胞培養系、
    リンパ節細胞培養系、または肝細胞培養系の少なくとも1つである、請求項68記
    載の方法。
  70. 【請求項70】 請求項69記載の方法によって産生される樹状細胞。
  71. 【請求項71】 請求項65または69記載の細胞に由来する樹状細胞株。
  72. 【請求項72】 請求項67または69記載の有効量の樹状細胞を患者に投与す
    る段階を含む、患者を治療する方法。
  73. 【請求項73】 請求項71記載の細胞株の有効量を患者に投与する段階を含
    む、患者を治療する方法。
  74. 【請求項74】 樹状細胞が抗原と結合される、請求項72記載の方法。
  75. 【請求項75】 樹状細胞に遺伝子がトランスフェクトされる、請求項72記
    載の方法。
  76. 【請求項76】 以下の段階を含む、ワクチンを試験する方法: 三次元の支持体上で間質細胞および造血幹細胞を培養し、かつ免疫系細胞の成
    長または免疫系細胞への分化を可能にする段階; ワクチンを培養細胞に投与する段階;ならびに ワクチンが免疫応答を誘導するかどうかを決定する段階。
  77. 【請求項77】 造血幹細胞が骨髄幹細胞、末梢血幹細胞、胚幹細胞、臍帯
    由来の幹細胞、または他の供給源由来の幹細胞からなる群より選択される、請求
    項76記載の方法。
  78. 【請求項78】 誘導される免疫応答の型を決定する段階をさらに含む、請
    求項76記載の方法。
  79. 【請求項79】 間質細胞および造血幹細胞の培養が、非骨髄細胞の存在下
    において実施される、請求項76記載の方法。
  80. 【請求項80】 試験が、1種以上の人種集団の個体から得られた細胞を用
    いた有効性のスクリーニング段階を含む、請求項76記載の方法。
  81. 【請求項81】 以下の段階を含む、免疫系細胞の発達および機能に関与す
    る遺伝子を同定する方法: 造血幹細胞における遺伝子の発現を変化させる段階; 三次元の支持体上で造血幹細胞および間質細胞を培養する段階;ならびに 遺伝子発現の変化が培養細胞の表現型を変化させるかどうかを決定する段階。
  82. 【請求項82】 造血幹細胞が骨髄幹細胞、末梢血幹細胞、胚幹細胞、臍帯
    由来の幹細胞、または他の供給源由来の幹細胞からなる群より選択される、請求
    項81記載の方法。
  83. 【請求項83】 造血幹細胞の培養が非骨髄細胞の存在下において実施され
    る、請求項81記載の方法。
  84. 【請求項84】 以下の段階を含む、免疫系細胞の発達および機能に関与す
    る遺伝子をスクリーニングする方法: 三次元の支持体上で間質細胞および造血幹細胞を培養する段階;ならびに 遺伝子クローニング技術により、培養細胞において発現される遺伝子を同定す
    る段階。
  85. 【請求項85】 造血幹細胞が骨髄幹細胞、末梢血幹細胞、胚幹細胞、臍帯
    由来の幹細胞、または他の供給源由来の幹細胞からなる群より選択される、請求
    項84記載の方法。
  86. 【請求項86】 間質細胞および造血幹細胞の培養が、非骨髄細胞の存在下
    において実施される、請求項84記載の方法。
  87. 【請求項87】 培養細胞における遺伝子発現プロフィールを非免疫細胞ま
    たは未分化細胞と比較する段階をさらに含む、請求項84記載の方法。
  88. 【請求項88】 培養細胞における遺伝子の発現を、異なる免疫細胞プロフ
    ィールをもつ培養細胞と比較する段階をさらに含む、請求項84記載の方法。
  89. 【請求項89】 以下の段階をさらに含む、請求項84記載の方法: 培養における遺伝子の発現を、非免疫産生培養における細胞の遺伝子と比較す
    る段階;および 第一培養と第二培養の間で発現が変化した遺伝子を同定する段階。
  90. 【請求項90】 以下の段階を含む、薬剤の毒性を決定する方法: 三次元の支持体上で間質細胞および造血幹細胞を培養し、かつ免疫系細胞の成
    長または免疫系細胞への分化を可能にする段階; 培養細胞に薬剤を投与する段階;ならびに 薬剤が、培養中のいずれかの細胞に対して毒性であるかどうかを決定する段階
  91. 【請求項91】 造血幹細胞が骨髄幹細胞、末梢血幹細胞、胚幹細胞、臍帯
    由来の幹細胞、または他の供給源由来の幹細胞からなる群より選択される、請求
    項90記載の方法。
  92. 【請求項92】 間質細胞および造血幹細胞の培養が、非骨髄細胞の存在下
    において実施される、請求項90記載の方法。
  93. 【請求項93】 非骨髄細胞が末梢血免疫細胞を含む、請求項92記載の方法
  94. 【請求項94】 請求項90記載の方法により得られる、生き残りの細胞。
  95. 【請求項95】 以下の段階を含む、薬剤の有効性を決定する方法: 三次元の支持体上で間質細胞および造血幹細胞を培養し、かつ免疫系細胞の成
    長または免疫系細胞への分化を可能にする段階; 培養細胞に薬剤を投与する段階;ならびに 薬剤が、培養細胞における表現型を変化させるかどうかを決定する段階。
  96. 【請求項96】 造血幹細胞が骨髄幹細胞、末梢血幹細胞、胚幹細胞、臍帯
    由来の幹細胞、または他の供給源由来の幹細胞からなる群より選択される、請求
    項95記載の方法。
  97. 【請求項97】 間質細胞および造血幹細胞の培養が、非骨髄細胞の存在下
    において実施される、請求項95記載の方法。
  98. 【請求項98】 薬剤が免疫系細胞の産生を増加する、請求項95記載の方法
  99. 【請求項99】 非骨髄細胞が末梢血免疫細胞を含む、請求項97記載の方法
  100. 【請求項100】 薬剤が免疫系細胞の増殖を阻害する、請求項95記載の方
    法。
  101. 【請求項101】 薬剤が、核酸、修飾核酸、抗体、化学療法薬、およびサ
    イトカインからなる群より選択される、請求項95記載の方法。
  102. 【請求項102】 請求項95記載の方法により得られる、生き残りの細胞。
  103. 【請求項103】 請求項102記載の有効量の生き残りの細胞を患者に投与
    する段階を含む、患者を治療する方法。
  104. 【請求項104】 以下の段階を含む、遺伝子治療の方法: 三次元の支持体上で間質細胞および造血幹細胞を培養し、かつ免疫系細胞の成
    長または免疫系細胞への分化を可能にする段階;ならびに 培養細胞に遺伝子を投与する段階。
  105. 【請求項105】 造血幹細胞が骨髄幹細胞、末梢血幹細胞、胚幹細胞、臍
    帯由来の幹細胞、または他の供給源由来の幹細胞からなる群より選択される、請
    求項104記載の方法。
  106. 【請求項106】 以下の段階を含む、細胞を成長および増大させる方法: 三次元の支持体上で間質細胞および造血幹細胞を培養し、かつ免疫系細胞の成
    長または免疫系細胞への分化を可能にする段階; 免疫系細胞をトランスフェクトする段階;ならびに トランスフェクトした細胞をさらなる培養に接種する段階。
  107. 【請求項107】 造血幹細胞および間質細胞の培養段階が、非骨髄細胞の
    存在下において実施される、請求項104記載の方法。
  108. 【請求項108】 請求項104記載の方法に従って産生される、形質転換さ
    れた培養免疫系細胞。
  109. 【請求項109】 遺伝子をトランスフェクトした培養細胞を患者に導入す
    る段階をさらに含む、請求項104記載の方法。
  110. 【請求項110】 遺伝子が免疫系細胞にターゲティングされる、請求項10
    4記載の方法。
  111. 【請求項111】 培養が、導入される遺伝子を含むベクターを有するヘル
    パー細胞を含む、請求項104記載の方法。
  112. 【請求項112】 以下の段階を含む、HIV感染の進行をモニターする方法
    : 三次元の支持体上で間質細胞および造血幹細胞を培養し、かつ免疫系細胞の成
    長または免疫系細胞への分化を可能にする段階; HIVウイルスを培養細胞に導入する段階;ならびに 培養細胞におけるHIVの量および位置をモニターする段階。
  113. 【請求項113】 以下の段階を含む、HIV感染細胞を成長および増大させ
    る方法: 三次元の支持体上で間質細胞および造血幹細胞を培養し、かつ免疫系細胞の成
    長または免疫系細胞への分化を可能にする段階; HIVを培養細胞に導入する段階;ならびに HIV感染した細胞をさらなる細胞培養に接種する段階。
  114. 【請求項114】 造血幹細胞が骨髄幹細胞、末梢血幹細胞、胚幹細胞、臍
    帯由来の幹細胞、または他の供給源由来の幹細胞からなる群より選択される、請
    求項112記載の方法。
  115. 【請求項115】 間質細胞および造血幹細胞の培養が、非骨髄細胞の存在
    下において実施される、請求項112記載の方法。
  116. 【請求項116】 以下の段階を含む、HIVを阻害または治療する薬剤を試
    験する方法: 三次元の支持体上で間質細胞および造血幹細胞を培養し、かつ免疫系細胞の成
    長または免疫系細胞への分化を可能にする段階; HIVウイルスを培養細胞に導入する段階; 薬剤を培養細胞に投与する段階;ならびに 培養細胞におけるHIVの量および位置をモニターする段階。
  117. 【請求項117】 造血幹細胞が骨髄幹細胞、末梢血幹細胞、胚幹細胞、臍
    帯由来の幹細胞、または他の供給源由来の幹細胞からなる群より選択される、請
    求項116記載の方法。
  118. 【請求項118】 以下を含む、細胞を成長および増大させる方法: 三次元の支持体上で間質細胞および造血幹細胞を培養し、かつ免疫系細胞の成
    長または免疫系細胞への分化を可能にする段階; HIVウイルスを培養細胞に導入する段階; 培養細胞に薬剤を投与する段階;ならびに HIV感染し、薬剤に曝露された細胞をさらなる培養に接種する段階。
  119. 【請求項119】 HIVを培養細胞に導入した後に薬剤が投与される、請求
    項111記載の方法。
  120. 【請求項120】 HIVを培養細胞に導入する以前または導入中に薬剤が投
    与される、請求項118記載の方法。
  121. 【請求項121】 間質細胞および造血幹細胞の培養が、非骨髄細胞の存在
    下において実施される、請求項118記載の方法。
  122. 【請求項122】 請求項6記載のナチュラルキラー細胞をさらなる細胞培
    養に接種する段階を含む、ナチュラルキラー細胞を成熟、選択、抗原提示または
    増大させる方法。
  123. 【請求項123】 請求項6記載の有効量のナチュラルキラー細胞を投与す
    る段階を含む、患者を治療する方法。
  124. 【請求項124】 請求項122記載のさらなる細胞培養由来の有効量のナチ
    ュラルキラー細胞を投与する段階を含む、患者を治療する方法。
  125. 【請求項125】 三次元の支持体上で間質細胞および造血幹細胞を培養し
    、かつ免疫系細胞の成長または免疫系細胞への分化を可能にする段階を含む、免
    疫系細胞を産生する方法。
  126. 【請求項126】 免疫系細胞がTリンパ球、Bリンパ球、抗原提示細胞、ナ
    チュラルキラー細胞、ナイーブ細胞、活性化細胞、記憶細胞、およびそれらの始
    原細胞または前駆細胞からなる群より選択される、請求項125記載の方法。
  127. 【請求項127】 Tリンパ球がCD4+細胞、CD8+細胞、CD3+細胞またはTdT+
    細胞の少なくとも1つを含む、請求項126記載の方法。
  128. 【請求項128】 Tリンパ球がαβT細胞受容体またはγδT細胞受容体を
    もつ、請求項126記載の方法。
  129. 【請求項129】 Bリンパ球がCD19+細胞、CD20+細胞、CD21+細胞、CD10+
    細胞、TdT+細胞、CD5+細胞、Ig+細胞、細胞質μ鎖+細胞または形質細胞の少なく
    とも1つを含む、請求項126記載の方法。
  130. 【請求項130】 請求項125〜129のいずれか一項記載の方法によって産生
    される、免疫系細胞。
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