JP2003337539A - 粘接着剤を使用しない吸着型の表示用貼着シート - Google Patents

粘接着剤を使用しない吸着型の表示用貼着シート

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JP2003337539A
JP2003337539A JP2002146182A JP2002146182A JP2003337539A JP 2003337539 A JP2003337539 A JP 2003337539A JP 2002146182 A JP2002146182 A JP 2002146182A JP 2002146182 A JP2002146182 A JP 2002146182A JP 2003337539 A JP2003337539 A JP 2003337539A
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adhesive
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Masanao Takashima
正直 高島
Yoshinosuke Shimamura
佳ノ助 島村
Ryuichi Saga
隆一 嵯峨
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘接着剤を使用しない表示用貼着シートにお
いて、静電吸着力と磁気吸着力をそれぞれに発揮する層
を兼備し且つ静電吸着体層を通過した磁力線による静電
吸着体層表面での磁気吸着力を所定の値とすることで、
『磁石につく』磁性体物品に対しては半永久的に貼着し
ていることが可能であるような表示用貼着シートの提
供。 【解決手段】 非磁性支持体と磁性層との少なくとも2
層の積層体からなる可撓性磁石シートの磁性層側に、静
電吸着体層としての帯電性プラスティック層を積層して
貼着シートとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電吸着力及び/
又は磁気吸着力を使用する貼着シートに関し、さらに詳
しくは、貼着シートの1種である可撓性磁石シートに吸
着機能を付加する貼着シート改良の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】裏面側に吸着機能を設けたシート状ない
しはフィルム状の貼着シートを、表面側に設けた機能で
ある表示または識別等の目的で、各種の物品(被吸着
体)に貼りつける貼着方法としては、クリップやステー
プラーなどによる機械的方法を除いた場合、以下の
(1)、(2)の二つに大別することができる。粘接着
剤による粘接着力を利用するなどの化学的方法帯電・磁
石による静電気力・磁気力を利用するなどの物理的方法
ここで、上記(1)の方法と(2)の方法による貼着シ
ートを、その使用面からの差を考えると、次のような特
徴点を代表例として挙げることができる。先ず、〔I〕
被着体に対する汚損発生・有無という観点からは、
(1)の方法ではそれが有って問題となるのに対して、
(2)の方法ではそれが無く、優れている。また、〔I
I〕繰り返し使用回数・大小の観点からは、(1)の方
法では、粘接着剤に寿命などがあるため、1回ないし少
数回の使用に留まって小であるのに対して、(2)の方
法では、寿命が無いに等しいほど長いため、無制限・半
永久的回数と言えるほど大であって、(2)の方が優れ
ている。さらに、〔III〕被吸着体表面状態の制約・多
少という観点からは、(1)の方法では、表面汚染や粗
さ等に対する制約が多いのに対して、(2)の方法で
は、それが比較的に少なく、これも上記同様、(2)の
方が優れている。すなわち、上記〔I〕〜〔III〕の項目
による比較では、全ての項目において、(1)よりも
(2)の方法に依る方が、優位性が高いと判断できる。
【0003】このようなことから、上記(2)の方法の
特徴点を生かしながら、薄手・軽量・フレキシブルに加
えて印刷層等を設けることもできる(通常、貼着シート
吸着面とは反対側の貼着シート表面側に付設)等によ
り、表示・識別用として好適な貼着シートを提供できる
との各種の提案がある。その代表的な提案は、吸着力と
して静電気吸着力を作用力として使用する静電吸着対
と磁気吸着力を作用力として使用する可撓性磁石シー
トに関するものであり、それぞれに関して、公報での開
示がある。それらのうち、静電吸着対に関するものと
しては、例えば、特開平7−244461号公報が有
り、その内容は、次のようである。すなわち、静電荷帯
電可能なポリマーからなる多孔質の層により優れた摩擦
帯電特性を有する静電吸着体を得ることにより、各種物
品に付着可能、かつ紙やフィルム等の被着体の保持可能
な静電吸着体であって、直接印刷して掲示等に使用でき
ると共に、支持体を介して記録層が積層されているため
強度的にも優れる表示用貼着シートとすることができる
というものである。一方,可撓性磁石シートに関する
ものとしては、例えば、特開2001−76920号公
報が有り、その内容は、次のようである。すなわち、磁
性塗膜中の硬質磁性粉末の磁化容易軸を支持体面と平行
の一方向に配向および着磁し、支持体面に印字可能な機
能層を積層した可撓性磁石シートとすることにより、薄
膜でありながら強力な磁気吸着力と情報表示機能を有し
た表示用貼着シートとすることができるというものであ
る。
【0004】ところで、前記(2)の方法を利用した表
示用貼着シートの使用方法として、次のような三段階の
操作で使用する本貼着シートに特有な使用のし方、貼着
シートを2種の性状を有する物品へ、場所と時間などを
変更して、個別に貼り付けるケースがある。すなわち、
使用における操作の第一段操作としては、被吸着体であ
る物品への貼着シートの貼り付けであって、上記の静
電吸着体による静電気吸着力で貼り付けるものである。
次に、第二段としては、貼り付けた貼着シートを、一
端、脱離させる操作である。さらに、第三段としては、
上記第一段操作で貼り付けた物品とは被吸着性質が異な
る他の物品または他の部分へ、該貼着シートを再貼り付
けするとの操作を行うようなケースである。ここで、第
一段操作としての貼り付けは、「一時的ないしは仮り」
貼着であるということができる。
【0005】上記のことは、実生活における操作として
容易に想定することができ、ある貼付物を、一度貼り付
けた場所から他の場所へ変更するという、次のような
「移し替え」の操作である。すなわち、雑誌・書籍の出
版者は、しばしば、ある種の情報を記入した表示用貼着
シートを、磁石につかない性質である非磁性プラスティ
ックによりラミネートした雑誌・書籍等の表紙上に貼着
する。ここで、前記「ある種の情報」が、直接的には雑
誌・書籍の内容には関係ないものの、雑誌・書籍の購入
者にとって手近に表示しておくと便利な、別の、「有益
な情報」であったとする。この場合、購入者は、雑誌・
書籍等の表紙上にそれを貼着したままにして置くことに
は不都合があるため引き剥がしたい。しかし、該「有益
な情報」、すなわち、該『貼着シート』に関しては、他
の物品または他の場所へ貼り替えて、永く表示して置き
たいと考えることが頻繁に有る。そして、その情報が主
婦の趣味や料理等に関係するものである場合には、例え
ば、冷蔵庫の扉や側面等の『磁石につく』磁性体が被吸
着体となる。そしてこの「移し替え」用途で使用する貼
着シートの吸着力として要求される特性は、一旦、引き
剥がして脱離させる際には容易にそれができて雑誌・書
籍等の表紙を汚損するものでないこと、逆に、該『貼着
シート』を、再度、冷蔵庫等に貼り付ける際には、なる
べく強力で永く貼り付く吸着力であることとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
「移し替え」用途に、前記の静電吸着体のみからなる
貼着シートを使用した場合には、貼着シート自体に磁気
吸着力を備えていないために、『磁石につく』磁性体物
品の『磁石につく』という有利な性質を利用することが
できない。そのため、『磁石につかない』非磁性体物品
と『磁石につく』磁性体物品との双方に吸着することは
するが、静電吸着力のみであるため、吸着力の絶対値が
小さいこと、経時的ないし高湿度化等の変化で吸着力が
漸減して貼着機能を保持できる寿命が短いということ等
の欠点を有している。一方、前記の可撓性磁石シート
のみからなる貼着シートを使用した場合には、プラステ
ィック製品・各種の金属および金属合金・ガラス・紙・
等の『磁石につかない』性質を持つ非磁性物品には吸着
させることができず、スティール等の『磁石につく』磁
性体物品にしか吸着させられないということが欠点とな
る。
【0007】このように、前記(2)の方法による吸着
力を利用した貼着シートにあっては、非磁性体および磁
性体に吸着することはするがその吸着力が不十分である
等の問題点や非磁性体には全く吸着しない等の問題点が
有った。そしてまた、単独のシートで非磁性体物品に対
する貼着から磁性体物品へと移し替えて貼着させるよう
な用途においては、非磁性体または磁性体を問わずに吸
着させることができるという静電吸着体特有の機能を持
ちながら、その上さらに、磁性体に対しては、高湿度化
等への環境変化や繰返し使用等に耐えるために、磁気力
による大きな吸着力を特性として併せ持っていることが
必要であるが、これに対応できる表示用貼着シートは、
未だ知られていないというのが実状であった。
【0008】上記実状に鑑み、本発明の目的は、粘接着
剤を使用しない表示用貼着シートにおいて、静電吸着力
と磁気吸着力をそれぞれに発揮する層を兼備し且つ静電
吸着体層を通過した磁力線による静電吸着体層表面での
磁気吸着力を所定の値とすることで、『磁石につく』磁
性体物品に対しては半永久的に貼着していることが可能
であるような表示用貼着シートの提供である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、既知の可撓性磁石
シートに静電吸着体層を付設することにより、『磁石に
つかない』非磁性体物品に対しては該静電吸着体層によ
る静電気吸着力が機能して吸着可能となるものとし、ま
た、『磁石につく』磁性体物品に対しては、該静電吸着
体層を通過する磁力線による前記可撓性磁石シートの磁
気吸着力が機能して吸着可能となるものとした貼着シー
トとすることにより上記目的が達成できることを見出
し、本発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち本発明は、非磁性支持体と磁性層
との少なくとも2層の積層体からなる可撓性磁石シート
の磁性層側に、静電吸着体層としての帯電性プラスティ
ック層を積層した貼着シートである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の貼着シートにつ
いて詳しく説明する。本発明の貼着シートは、少なくと
も、図1に示すように、非磁性支持体1の上に、硬質磁
性材料粒子を結合剤樹脂および溶剤に分散させて磁性塗
料を調製して塗布し、硬質磁性粉末の磁化容易軸を支持
体面と平行の一方向に磁場配向後に乾燥して乾燥塗膜と
し、次いで多極着磁して磁性層2とした可撓性磁石シー
ト(非磁性支持体1+磁性層2の二層からなる)を得、
その後、該可撓性磁石シートにおける磁性層2の上に帯
電性プラスティック層3を積層して設けることにより、
貼着シート構造としたものである。
【0012】本発明に係る非磁性支持体1としては、ポ
リエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリビ
ニルアルコール、ポリカーボネート、ナイロン、ポリス
チレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはそのケ
ン化物、ポリメチルペンテン、アイオノマー、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
アクリロニトリルなどのプラスチックフィルムまたはシ
ートおよびセロファン、紙、含浸紙並びにこれらの各材
料からなる複合体が挙げられる。また、これら以外の材
料であっても必要な強度・剛性等を備えていれば、特に
制限なく使用できる。
【0013】非磁性支持体1の厚みは、特に制限はない
が、薄型磁石シートとして使用する場合には10〜30
0μm程度が好ましく、さらに好ましくは20〜100
μmである。
【0014】本発明に係る磁性層2を形成するために用
いる結合剤樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニルまたは酢酸ビニル−アクリル酸共重合
体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体あるいはそのケン
化物、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、スルホ
ン酸基またはアミノ基等の極性基を有する塩化ビニル系
共重合体の如き塩化ビニル系共重合体、ニトロセルロー
スの如きセルロース誘導体、ポリビニルアセタール、ア
クリル、ポリビニルブチラール、エポキシ、ポリウレタ
ン、ポリエステルポリウレタン、スルホン酸基等の極性
基を有するポリウレタン、ポリカーボネート、ポリカー
ボネートポリウレタン等の各樹脂が挙げられる。これら
の樹脂は単独で使用することもできるが、2種類以上の
樹脂を組合せて使用することもできる。
【0015】また、本発明に係る磁性層2に分散させる
硬質磁性粉末としては、Fe−Al−Ni−Co系、B
aO・6Fe23系、SrO・6Fe23系、Sm−C
o系、Nd−Fe−B系などの従来公知のものを使用で
きるが、本発明の効果を最大限に発揮するためには、結
晶異方性・形状異方性などの磁化容易軸を有し、かつ異
方性の大きい硬質磁性粉末を使用することが好ましい。
【0016】さらに、本発明に係る磁性層2には、本発
明の効果を損わない範囲内で必要に応じて、分散剤・可
塑剤・表面調整剤・消泡剤・増粘防止剤・ゲル化防止剤
・架橋剤・充填剤・潤滑剤・着色剤・難燃剤・帯電防止
剤等の添加剤を添加することもできる。
【0017】本発明に係る磁性層形成用の磁性塗料は、
上記の硬質磁性粉末・結合剤・添加剤・溶媒を配合して
混練・分散する、公知慣用の方法で調製することが可能
である。磁性層2は、上記で調製した塗料を、非磁性支
持体1の片面に塗布後、硬質磁性粉末の磁場配向工程を
経て乾燥させ、さらにその後着磁して、形成する。塗布
方法としては、エアドクター等を使用する公知慣用の方
法が挙げられる。また、硬質磁性粉末の配向方法として
は、永久磁石または電磁石(ソレノイドコイル)を用い
て、支持体1面に平行な一方向に磁場配向させる。さら
に、着磁方法としては、コンデンサーとヨークを用いる
公知慣用の方法が挙げられる。ただし、着磁後の磁石シ
ートに形成される磁極の配置は、硬質磁性粉末の配向方
向と同一方向に異極が交互に並ぶようにすることが肝要
である。このような多極着磁をすることで、可撓性磁石
シートとして強力な磁気吸着力を得ることができる。
【0018】磁性層2の厚みには特に制限はなく、必要
とする磁気吸着力に応じて適宜調整できる。しかし、薄
膜可撓性磁石シートであって、かつ掲示に十分な磁気吸
着力を得るためには、磁性層2の厚みは、乾燥状態で3
0〜100μmの範囲とすることが好ましい。
【0019】本発明に係る帯電性プラスティック層の形
成材料としては、静電気帯電性を有するプラスティック
(合成樹脂)を使用する。静電気帯電性を有するプラス
ティックとしては、従来公知の電気絶縁性が高い樹脂と
しての塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニリデ
ン樹脂、ポリプロピレン系樹脂、スチレン・アクリル樹
脂、ニトロセルロース樹脂などを挙げることができる。
【0020】帯電性プラスチック層の形成は、次の方法
で行うことができる。すなわち、(1)樹脂を常法にて溶
解したのち、可撓性磁石シートの磁性層面に直接塗布し
て乾燥させて層とする、(2)樹脂を常法にて溶解したの
ち、他の非磁性支持体に塗布して乾燥させて層となして
おき、その塗布層面を可撓性磁石シートの磁性層面に対
向させて転写する、(3)他の非磁性支持体に層となして
おいたものを、その支持体面を可撓性磁石シート磁性層
面と対向させて貼り合わせる、(4)静電気帯電性を有す
るプラスティックを従来公知の方法によりフィルムまた
はシート状に製膜しておき、それを可撓性磁石シート磁
性層面に貼り合わせる、さらに、(5)市販の摩擦帯電性
プラスティックフィルムを貼り合わせる、等である。
【0021】帯電性プラスティック層は絶縁性が高いこ
とが必要であって、帯電性プラスティック層の表面電気
抵抗率は、1014Ω/□以上である。表面電気抵抗率
が10 14Ω/□未満の場合は、摩擦帯電等でプラステ
ィックに発生した電荷が時間経過と共に急速に減衰し、
静電吸着力も機能水準以下となる。
【0022】本発明における帯電性プラスティック層と
しては、特に、表面電気抵抗が10 14Ω/□以上のポ
リプロピレン系フィルム、および静電荷帯電可能なポリ
マーからなる多孔質膜をポリエチレンテレフタレートフ
ィルムに形成して該表面の表面電気抵抗を1014Ω/
□以上としたものが好ましい。
【0023】帯電性プラスティック層を可撓性磁石シー
トの磁性層面に貼り合わせる場合には、直接、熱シール
もしくは加圧により貼り合わせても良いが、必要に応
じ、接着剤・粘着剤などを介して、貼り合わせても良
い。
【0024】本発明における帯電性プラスティック層表
面における磁気吸着力は、表面磁束密度で、5mT以上
とする。このために、スペーシングロス、すなわち、磁
性層表面から帯電性プラスティック層表面までの距離
を、適宜、決定する必要がある。磁性層を前記方法で形
成した場合、スペーシングロスは0.15mm以下とす
ることが好ましい。スペーシングロスが0.15mmを
超えると、表面磁束が5mTを下回ることとなって磁気
吸着力が大幅に低下し、水準の磁気吸着力機能を保持困
難となり、磁気力単独による吸着力としては不足とな
る。
【0025】ここで、本発明の貼着シートにおける静電
吸着体層が各種の物品に静電吸着する原理は、良く知ら
れているように、非磁性体または磁性体を問わず、電気
絶縁性物質に対しては誘電分極で、導電性物質に対して
は静電誘導でと考えられる。
【0026】本発明の貼着シートにおいては、可撓性磁
石シートの支持体側面に、情報表示可能な種々の機能層
を設けることができる。例えば、印字層やインク受理層
等である。
【0027】本発明の貼着シートは、『磁石につかな
い』非磁性物品(被吸着体)表面に対しては、数回の擦
り合わせによる静電気発生で帯電して、それによる静電
吸着力で吸着することができる。また、『磁石につく』
磁性物品表面には、静電吸着力と磁気吸着力との両者で
吸着することができる。ただし、この場合は、磁気吸着
力による吸着が支配的となるようになっている。
【0028】本発明の貼着シートを用いる具体的用途と
して、前述したように、例えば、磁性層を形成した面と
は反対側の非磁性支持体面に広告などを印刷し、広告媒
体として利用することができる。すなわち、広告などを
印刷した貼着シートを雑誌や各種商品サンプルなどの頒
布物に静電気付着させて一般消費者に配布する。一般消
費者は、その貼着シートを頒布物から剥がし、冷蔵庫や
スチール棚などの『磁石のつく』物品に磁気吸着させて
掲示する。このことにより、効果的な広告媒体とするこ
とができる。一次被吸着体である頒布物に粘接着剤を残
すことなく剥離できるため、一次被吸着体がリサイクル
性素材である場合にはリサイクル時に粘接着剤を取り除
く手間を必要とせず環境対応性にも優れる。また、二次
被吸着体である冷蔵庫やスチール棚などへは磁気力で吸
着させるため、静電吸着体のように高湿度下で吸着力が
大幅に低下するということも無いというメリットがあ
る。さらには、貼付・剥離・貼り替えが容易というメリ
ットには変化がない。
【0029】
【実施例】以下、実施例と比較例を用いて、本発明とさ
らに詳しく説明する。 (実施例1) <磁性塗料の調製>硬質磁性粉末として「FH801」
(戸田工業(株)製)100質量部、結合剤としてウレ
タン樹脂「ニッポラン3022」 (日本ポリウレタン
(株)製)70質量部 (固形分25質量部)、メチル
エチルケトン・トルエン・シクロヘキサノンの等質量混
合液150質量部を分散撹拌機に投入して分散し、磁性
塗料を得た。
【0030】<磁性層の形成>厚さ50μmのPETフ
ィルムの片面に、上記磁性塗料を乾燥膜厚が70μmに
なるように塗布し、硬質磁性粉末を配向させたのち乾燥
させた。塗布はリバース方式で塗工速度10m/mi
n、配向には未乾燥の塗膜面に4000ガウスの磁場強
度を与えられるような強さの同極対向永久磁石を用い、
塗膜中の硬質磁性粉末の磁化容易軸をPETフィルム面
に平行な進行方向に配向させ、直後に熱風乾燥機にて塗
膜を乾燥させた。次に、得られた塗膜に、着磁用ヨーク
(日本電磁測機(株))を用いて磁性塗膜面側から、進
行方向と同一方向に多極着磁を施し磁性層を得た(着磁
条件:ピッチ1.3mm、電荷容量500μF/印加電
圧1000V)。
【0031】<帯電性プラスティック層の形成>上記で
得た可撓性磁石シート磁性層と、市販の帯電性プラステ
ィックフィルム・A(ポリプロピレン系樹脂フィルム、
厚さ45μm、表面電気抵抗1014Ω/□以上)と
を、コールドラミネート方式で貼り合わせた。このと
き、磁気吸着力のスペーシングロスは、コールドラミネ
ート接着剤と静電付着性プラスチックフィルムの厚みを
合わせて、0.05mm(50μm)であった。また、
帯電性プラスティック層の表面における最大磁束密度
を、ハンディガウスメータ4048型[(株)東陽テク
ニカ]にて測定したところ、6.5mTであった。
【0032】(実施例2)実施例1と同様にして形成し
た磁性層に、市販の帯電性プラスティックフィルム・B
(静電荷帯電可能なポリマーからなる表面多孔質膜フィ
ルム、厚さ85μm、表面電気抵抗1014Ω/□以
上)を、コールドラミネート方式で貼り合わせた。この
とき、磁気吸着力のスペーシングロスは0.09mm
(90μm)であった。また、帯電性プラスティック層
の表面における最大磁束密度を、実施例1と同様に測定
したところ、5.8mTであった。
【0033】(比較例1)実施例1と同様にして形成し
た磁性層に、市販の帯電性プラスティックフィルム・B
(静電荷帯電可能なポリマーからなる表面多孔質膜フィ
ルム、厚さ85μm、表面電気抵抗1014Ω/□以
上)を、粘着剤を有する両面テープを使用して貼り合わ
せた。このときの、磁気吸着力のスペーシングロスは
0.225mm(225μm)であった。また、帯電性
プラスティック層表面における最大磁束密度を、実施例
1と同様に測定したところ、3.3mTであった。
【0034】(比較例2)実施例1で使用した帯電性プ
ラスティックフィルム・Aのみにより、貼着シートとし
た。
【0035】(比較例3)実施例2で使用した帯電性プ
ラスティックフィルム・Bのみにより、貼着シートとし
た。
【0036】(比較例4)実施例1で使用した磁性塗料
により、非磁性支持体上に形成した磁性層のみにより、
貼着シートとした。
【0037】≪吸着性の評価≫上記で得た、各々の貼着
シートを、1辺12cmの正方形に切り出し、所定の温
湿度条件(X=25℃/55%RH、Y=25℃/85%
RH、Z=35℃/90%RHの3水準)下でスティール製
平面へ貼り合わせ、吸着性を評価した。
【0038】下記表1.「実施例と比較例の評価結果」
に、上記実施例と比較例の層構成、磁気吸着力のスペー
シングロス(SL)、最大表面磁束密度(MM)、非磁
性体平表面に対する貼着性(NP)、およびスティール
平表面に対する貼着性(SP)を評価し、その結果をま
とめた。
【0039】表中、非磁性体平表面に対する貼着性(N
P)は、常温/常湿(25℃/55%RH)において、非
磁性物品(被吸着体)に対して貼着可能な場合は○、貼
着不可能な場合は×と記した。また、スティール平表面
に対する貼着性(SP)は、所定の温湿度(上記3水
準)において、スティール製の板に対して貼着可能で且
つ容易に脱落しない場合を○、一旦は貼着するが、外力
としてのずり応力を与えると容易に脱落する場合を△、
貼着不可能な場合を×とした。
【0040】
【表1】表1.「実施例と比較例の評価結果」 なお、表中における日本語および英文字のそれぞれ略字
は、以下を表わす。 支持体/磁性層/帯電プ:非磁性支持体/磁性層/帯電
性プラスティック層 SL:磁気吸着力のスペーシングロス MM:最大表面磁束密度 NP:非磁性体平表面に対する貼着性 SP:スティール平表面に対する貼着性
【0041】
【発明の効果】本発明の貼着シートは、可撓性磁石シー
トの磁性層側に帯電性プラスティック層を付設してい
て、物品に対して吸着面となる前記帯電性プラスティッ
ク層表面で、静電吸着力と磁気吸着力とを発現するもの
である。これにより、『磁石につかない』非磁性物品お
よび『磁石につく』磁性体物品に貼着できるだけでな
く、特に、再貼着先が『磁石につく』磁性体物品である
場合には、静電吸着力が低下する条件下でも、磁気吸着
力機能の作用により、強力で永続的な貼着を維持するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の貼着シートの縦断面を表わす模式図
である。
【符号の説明】
1 非磁性支持体 2 磁性層 3 帯電性プラスティック層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01A AK01C AK07C AK42D AR00B AT00A BA03 BA04 BA10A BA10C CA20 CC00 DJ00C EH462 JG01C JG04C JG06B YY00C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体と磁性層との少なくとも2
    層の積層体からなる可撓性磁石シートの磁性層側に、静
    電吸着体層としての帯電性プラスティック層を積層した
    貼着シート。
  2. 【請求項2】 前記磁性層とは接しない側の面である前
    記帯電性プラスティック層の表面における表面電気抵抗
    が、1014Ω/□以上である請求項1に記載の貼着シ
    ート。
  3. 【請求項3】 前記帯電性プラスティック層を通過した
    前記可撓性磁石シートの磁性層による最大表面磁束密度
    が、前記帯電性プラスティック層の表面で、5mT以上
    である請求項2に記載の貼着シート。
  4. 【請求項4】 前記帯電性プラスティック層が、静電気
    帯電可能なポリプロピレン系フィルムである、または静
    電気帯電可能なポリマーからなる多孔質膜をポリエチレ
    ンテレフタレートフィルム上に形成してポリエチレンテ
    レフタレートフィルム面で前記磁性層に接することとし
    たものである請求項3に記載の貼着シート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012027908A (ja) * 2010-07-22 2012-02-09 Sharp Corp 視覚処理装置、視覚処理方法、および、視覚処理システム
JP2018122480A (ja) * 2017-01-31 2018-08-09 住友ベークライト株式会社 化粧材
CN113543613A (zh) * 2020-04-20 2021-10-22 Tdk株式会社 噪声抑制薄片

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