JP2003044373A - 保守システム - Google Patents

保守システム

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JP2003044373A
JP2003044373A JP2001229069A JP2001229069A JP2003044373A JP 2003044373 A JP2003044373 A JP 2003044373A JP 2001229069 A JP2001229069 A JP 2001229069A JP 2001229069 A JP2001229069 A JP 2001229069A JP 2003044373 A JP2003044373 A JP 2003044373A
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Yasuhiro Iwata
裕弘 岩田
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Toshiba TEC Corp
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Toshiba TEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性の高い保守システムを提供する。 【解決手段】 処理対象となる第1の通信装置と、処理
を実行する第2の通信装置とをネットワークを介して接
続した保守システムにおいて、前記第1の通信装置は、
自身の全内部状態の内、認識可能な内部状態である認識
内部状態を第2の通信装置に伝える通信手段を備え、前
記第2の通信装置は、所定の蓄積知識を蓄積した知識ベ
ース手段と、前記通信手段から伝達された認識内部状態
に対し、当該蓄積知識を用いた診断処理を実行する診断
処理手段と、当該診断処理の結果に対応した保守信号
を、前記ネットワークを介して第1の通信装置に送信す
る保守通信手段とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は保守システムに関
し、例えば、プリンタ装置、ファクシミリ装置、コピー
装置などを複合して構成された複合機(MFP(多機能
周辺装置))に対し、ネットワークを介した故障診断を
行う場合などに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プリンタ装置、ファクシミリ装
置、コピー装置や、これらの機能を複合して構成された
複合機などの故障診断は、保守契約などの内容に応じた
定期的な保守作業において、当該複合機などが設置され
ているオフィス等に作業者が出向いて実行している。
【0003】また、複合機などのユーザから不具合の連
絡があった場合には、連絡に応じて即座に作業者が出向
くこともある。
【0004】さらに、従来の複合機のなかには、紙詰ま
りなどの簡単な障害から復旧するための手順をユーザ、
あるいは保守担当者に知らせるガイダンス機構を内蔵し
たものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ユーザから
連絡を受けて保守作業に出向く場合、ユーザは複合機な
どの専門家ではないため、連絡内容が不正確であった
り、肝心な情報を伝えていなかったりして保守作業者に
不具合の状態が適切に伝わっていないことがある。保守
作業者は通常、保守作業に必要と思われる多様な道具や
部品を保守作業用の車両に搭載して運んで行くが、実際
に不具合のある複合機などを点検してみると、搭載して
いるいずれの部品も(あるいはいずれの道具も)、当該
不具合の解消には適合しないことも少なくない。
【0006】このようなケースではいったん事業所に帰
って、適合する部品や道具をそろえた上で、再び不具合
のある複合機などの設置場所に出向くことが必要とな
り、保守作業の負担が増大し、保守の効率が低い。
【0007】また、複雑な情報処理装置である複合機な
どの場合、ユーザが感得できるほどの大きな不具合(例
えば、ファクシミリを送信できなくなる等)が発生する
以前に、装置内部でなんらかの兆候が出現していること
もあり、当該兆候を解消すれば大きな不具合の発生を未
然に防止することができることもあると考えられるが、
通り一遍の保守作業ではその兆候まで発見し、それに対
応することは困難である。
【0008】また、上述したガイダンス機構で対応する
ことが可能な障害は、予め予測可能な典型的な障害にか
ぎられ、個々の障害に対して必ずしも適合度合いの高い
復旧手順を知らせる能力は備えていない。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明では、処理対象となる第1の通信装置と、
処理を実行する第2の通信装置とをネットワークを介し
て接続した保守システムにおいて、(1)前記第1の通
信装置は、自身の全内部状態の内、認識可能な内部状態
である認識内部状態を第2の通信装置に伝える通信手段
を備え、(2)前記第2の通信装置は、所定の蓄積知識
を蓄積した知識ベース手段と、(3)前記通信手段から
伝達された認識内部状態に対し、当該蓄積知識を用いた
診断処理を実行する診断処理手段と、(4)当該診断処
理の結果に対応した保守信号を、前記ネットワークを介
して第1の通信装置に送信する保守通信手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】(A)実施形態 以下、本発明にかかる保守システムを、複合機の保守
(故障診断や復旧処理)を実行するエキスパートシステ
ムに適用した場合を例に、実施形態について説明する。
【0011】本実施形態は、リモートモニタ診断により
複合機の動作状態(障害状況)を把握し、当該動作状態
に対して適合度の高い適切な復旧手順を保守担当者やユ
ーザに知らせることで、ユーザや保守担当者の手作業が
含まれる手動保守の保守支援(保守支援サービス)を実
行することを特徴とする。
【0012】また、本実施形態では、ユーザ等からの要
求に応じて、あるいは自動的に、リモートモニタ診断に
基づく保守(復旧処理)を実行して、複合機の可用性
(アベイラビリティ)や保守性を高めること(すなわ
ち、自動保守サービスの実行)を特徴とする。
【0013】(A−1)実施形態の構成 本実施形態のエキスパートシステム10の全体構成例を
図1に示す。
【0014】図1において、当該エキスパートシステム
10は、インターネット11と、複合機12,13と、
保守サーバ14とを備えている。
【0015】このうちインターネット11は保守サーバ
14と各複合機12,13を接続するネットワークであ
るが、必要に応じて、イントラネットや社内LAN、フ
ァクシミリ網などに置換可能である。
【0016】この例では、1つの保守サーバ14が2つ
の複合機12,13の保守(自動的に実行される自動保
守)あるいは保守支援(前記手動保守の保守支援)を行
うが、保守対象となる複合機の数は、1つでもよく、3
つ以上であってもよい。費用対効果などを考慮すると、
保守対象となる複合機の数は多いほどよいので、通常
は、数十〜数百、あるいはそれ以上の複合機が、1つの
保守サーバ14の保守対象となるものと考えられる。
【0017】また、当該自動保守サービスを実行するた
めには、保守サーバ14と、各複合機12、13がイン
ターネット11を介して通信を行う必要がある。当該通
信の手順としては様々なものが使用可能であるが、ここ
では、保守サーバ14から送信された指示信号DR4を
インターネット11経由で受信すると、当該指示信号D
R4の内容に応じて各複合機12,13が応答信号RS
2、RS3各を送り返すものとする。
【0018】すなわち、保守サーバ14が複合機12に
応答信号の送信を求める指示信号DR4を送信すれば、
それにこたえて複合機12は応答信号RS2を送信し、
時間を置いて、複合機13に応答信号の送信を求める指
示信号DR4を送信すれば、それにこたえて複合機13
は応答信号RS3を送信する。これによれば、保守サー
バ14から応答信号の送信を求める指示信号DR4が供
給されないかぎり複合機は応答信号を送信することがな
いため、1つの複合機(例えば12)に対する故障診断
(リモートモニター診断)や自動保守あるいは保守支援
(自動的な復旧処理を含む)を実行している期間、保守
サーバ14は他の複合機に対応する必要がなく、限られ
た処理能力を当該故障診断や復旧処理に集中的に投入す
ることができる。後述するように、当該復旧処理に際し
ては、対象の複合機12とのあいだで複数回、指示信号
DR4、応答信号(例えばRS2)のやり取りが行われ
るため、通信の手順としてはこのような手順が望まし
い。
【0019】この場合、各複合機12,13に対する指
示信号DR4の送信はほぼ一定周期で定期的に行うよう
にするとよい。当該一定周期の指示信号DR4に対し
て、複合機(例えば12)からの応答信号が受信されな
ければ、当該複合機にかなり重大な障害が発生している
ことも予測でき、ユーザからの求めがある前に保守担当
者の派遣などの措置を取ることも可能となる。
【0020】なお、当該応答信号RS2、RS3には、
送信元の複合機(例えば12)を一義的に指定する端末
IDが含まれている。
【0021】一方、保守支援サービスの場合は、複合機
12,13を操作して保守担当者やユーザが送信する支
援要求信号RQ2、RQ3を受けて、保守サーバ14が
指示信号DR4を送信するため、支援要求信号RQ2、
RQ3が送信されないかぎり、通信手順ははじまらな
い。
【0022】いったん通信手順が開始されたあとの処理
は、当該保守支援サービスも自動的な復旧処理を含む点
などで基本的に前記自動保守サービスと同様である。た
だし自動保守サービスの場合、ユーザ(例えばU2)や
保守担当者(例えばM5)が気付かないうちに自動的に
実行され得るのに対し、保守支援サービスの場合は、ユ
ーザ(U2)や保守担当者(M5)の要求に応じて実行
され、保守には、当該複合機(例えば12)の近傍に居
るユーザU2や保守担当者M5の協力も得られる点が相
違する。したがって保守サーバ14は、自動的な復旧処
理によって対応できるところは自動的な復旧処理の対象
とし、それが困難なところ(例えば、実際に複合機12
の上部パネルを機械的に開放してもらう場合など)はユ
ーザU2などの協力を求めることができる。
【0023】自動保守サービスと保守支援サービスは、
その性質上、必ずしも同一の複合機(例えば12)に対
して両方を提供しなければならないということはないた
め、保守契約の内容や複合機(例えば12)の機能など
に応じて、いずれか一方のサービスだけを提供するよう
にしてもよい。ただし本実施形態では、複合機12,1
3には、両方のサービスが提供されるものとする。
【0024】なお、本実施形態の場合、前記指示信号D
R4、応答信号RS2、RS3、および支援要求信号R
Q2、RQ3は、既存のプロトコル、例えばTCP/I
Pプロトコルにしたがって送受される。
【0025】次に、前記複合機12、13の内部構成に
ついて説明する。
【0026】複合機とは一般に、プリンタ装置、ファク
シミリ装置、コピー装置などの事務支援機能のうち、2
つ以上の事務支援機能を複合的に実装した単一のOA機
器のことである。複合する事務支援機能の組合せ(例え
ば、ファクシミリ装置とコピー装置の機能を持つ複合
機、ファクシミリ装置とプリンタ装置の機能を持つ複合
機など)や、各事務支援機能を具体的にどのように複合
して実装するか(例えば、ファクシミリ装置のための文
字や線図の出力機構と、コピー装置のための文字や線図
の出力機構を、ハードウエア的に別個に設けるか、ある
いは同一ハードウエアを共用するか等)などの観点か
ら、様々な内部構成があり得るが、本実施形態では、一
例として、図2に示すような内部構成を持つ複合機を想
定する。
【0027】前記複合機12と13は実質的に同じ内部
構成を持っているものであってよいので、図2には主と
して、複合機12を示したものとして説明を進める。
【0028】(A−1−1)複合機の内部構成 図2において、当該複合機(MFP)12の内部は、事
務支援機能部20と、制御ユニット部21とに大別でき
る。
【0029】このうち事務支援機能部20には、入力部
22,23と、コピー部24と、ファクシミリ部25
と、プリンタ部26と、出力部27とが設けられ、制御
ユニット部21には、監視部28と、内部操作部29
と、外部操作受付部30と、通信部31と、CPU(中
央処理装置)32とが設けられている。
【0030】当該コピー部24は、コピー装置としての
事務支援機能を実現するためにだけ使用される構成要素
の集合体で、当該ファクシミリ部25は、ファクシミリ
装置としての事務支援機能を実現するためにだけ使用さ
れる構成要素の集合体で、当該プリンタ部26は、プリ
ンタ装置としての事務支援機能を実現するためにだけ使
用される構成要素の集合体である。
【0031】また、当該コピー部24とファクシミリ部
25に共用される入力部22は、コピーやファクシミリ
送信のため光学的に入力される文字や線図の光信号S1
1を電気信号に変換したあと、当該電気信号を内蔵記憶
装置22Aに格納する部分である。当該内蔵記憶装置2
2Aにはまた、外部から受信したファクシミリ信号S2
9の内容(もちろん、必要な復調処理や復号処理が実行
されたあとの内容)も格納される。
【0032】図示のように、この複合機12では、コピ
ー部24、ファクシミリ部25、プリンタ部26が1つ
の出力部27を共用しているため、同時に複数の出力信
号S21の出力要求がこれら3者から供給された場合に
は、優先制御(優先順位に基づくタスクのスケジューリ
ング)などが必要となる。
【0033】例えば、受信したファクシミリ信号S29
に対応する出力要求とコピー部24に対応する光信号S
11に応じた出力要求とが同時に出されて競合した場合
には、一例として、コピー部24に対応する光信号S1
1のほうを優先する。この場合、光信号S11に応じた
出力信号S21が、所定の用紙に対する印字または転写
をともなうコピー出力を実行する間、ファクシミリ信号
S29は内蔵記憶装置22Aに一時的に記憶され、待ち
行列を形成する。そして、内蔵記憶装置22Aに記憶さ
れているファクシミリ信号S29は、当該光信号S11
に対応するコピーが完了してコピー部24からの出力要
求が消滅したあとで出力され、出力信号S21にしたが
って所定の用紙上にファクシミリの受信出力が行われ
る。
【0034】また、前記記憶装置22Aは、RAMなど
のメモリであってよいが、必要に応じてハードディスク
などの不揮発性記憶手段を含むものであってよい。
【0035】これらの点から明らかなことは、複合機1
2の内部においても、汎用的なパーソナルコンピュータ
等と同等な、タスクの優先制御や仮想記憶管理が行われ
得るということである。ここで、タスクには、例えば、
前記コピー出力や前記ファクシミリ受信出力が該当し、
仮想記憶管理には、いわゆるページングアルゴリズムの
実行などを含む。
【0036】タスクの優先制御や仮想記憶の主要な実行
主体は、通常、OS(オペレーティングシステム)であ
る。複合機12などのOA機器の場合、所定の時間的な
制約の範囲内で処理を実行することが必要となるため、
搭載されるOSは、処理時間や応答時間の上限(最長時
間)が保証されているリアルタイムOSである。当該リ
アルタイムOS(図示せず)は、複合機12の図2に示
した全構成要素22〜32を制御しているとみることが
できる。
【0037】なお、プリンタ部26に接続されている入
力部23は、所定のインタフェース(例えば、セントロ
ニクスインタフェースなど)を介して、接続されている
パーソナルコンピュータ等からの入力に応じ、電気信号
S11の入力を受ける部分である。
【0038】次に、前記制御ユニット部21は、前記コ
ピー部24がコピー装置として機能するために必要な周
辺機能、前記ファクシミリ部25がファクシミリ装置と
して機能するために必要な周辺機能、および、前記プリ
ンタ部26がプリンタ装置として機能するために必要な
周辺機能を提供する部分である。したがって、当該制御
ユニット部21の各機能は、単一の事務支援機能(例え
ば、ファクシミリ機能)だけしか搭載されていないOA
機器にも、ほぼそのままの形で設けられ得るものであ
る。
【0039】制御ユニット部21内のCPU32は、当
該複合機12内の各構成要素22〜31を制御するハー
ドウエア的な制御主体である。図2では作図の都合上、
通信部31、外部操作受付部30にしか接続されていな
いが、CPU32は基本的に、すべての構成要素22〜
31と、直接、間接に接続されている。特に監視部28
には接続されている必要性が高い。
【0040】また、外部操作受付部30は、例えば、液
晶表示部などのメッセージ表示手段30Aや、操作ボタ
ン30Bなどを備えている。当該メッセージ表示手段3
0Aは、当該複合機12のユーザU2や定期的な保守作
業などのために複合機12が設置されているオフィス等
を訪れている保守担当者M5に対し、複合機12からの
メッセージを伝えるための部分で、操作ボタン30B
は、ユーザU2や保守担当者M5の指示を複合機12に
伝えるための部分である。操作ボタン30Bの操作によ
って伝えられる指示は、ユーザ指示信号S23に変換さ
れる。
【0041】操作ボタン30Bの操作によって、外部操
作受付部30は、ファクシミリの送信先、コピーの部数
などの基本的なユーザ指示を認識するほか、ファクシミ
リ送信履歴(これまでのファクシミリ送信に関するリス
トであって、送信先の電話番号、送信完了時刻などを表
示する一覧表)、現在送信中のファクシミリに関する送
信処理の進捗状況(あるいは現在の印刷処理の進捗状況
等)の画面表示などを求める副次的なユーザ指示を認識
することもできる。
【0042】複合機12の全機能が完全に健全であれ
ば、複合機12は、基本的なユーザ指示のほか副次的な
ユーザ指示に対しても、忠実に、ユーザ指示信号S23
にしたがって動作する。
【0043】前記通信部31は、前記インターネット1
1に接続され、保守サーバ14と通信する部分で、前記
指示信号DR4を受信し、前記応答信号RS2と支援要
求信号RQ2を送信する。
【0044】複合機12の全機能が完全に健全な健全状
態や、ある程度の故障は発生していても中枢部分(CP
U32の周辺やリアルタイムOSなど)は正常に動作し
ている(実際には正常でない場合もあるが、少なくと
も、一見したところでは正常に見える)中間故障状態で
は、通信部31が受信した指示信号DR4の内容はCP
U32に伝えられ、CPU32は監視部28から得た情
報などに基づいて応答内容信号を生成するから、通信部
31は、当該応答内容信号に応じた応答信号RS2を送
信することになる。
【0045】監視部28は、当該複合機12の各構成要
素22〜27、29〜32のうち必要な構成要素の動作
状態(内部状態)を監視し、監視結果信号S27を生成
する部分である。具体的な監視項目としては、例えば、
各構成要素が内蔵しているメモリに関するパリティチェ
ック、アクセスタイムアウトエラー検出、各構成要素間
の信号授受に関する誤り検出符号を用いた誤り検出など
が考えられる。
【0046】なお、アクセスタイムアウトエラーとは、
メモリに対しあるデータの読み出し制御を行ってから、
所定のアクセスタイムアウト時間以内に当該データが読
み出せないものである。このアクセスタイムアウトエラ
ーが検出された場合、当該メモリの周辺に何らかの障害
が発生していることが予測される(ただし、当該メモリ
は正常で、当該アクセスタイムアウトエラーを検出した
監視部28側に障害が発生している可能性もある)。
【0047】監視部28が生成する監視結果信号S27
は、CPU32が生成する応答内容信号に直接反映され
(当該応答内容信号は、実質的に監視結果信号S27そ
のものであってよい)、応答信号RS2の信頼性にかか
わるため、高い信頼性が求められる。
【0048】また、当該監視結果信号S27は、信頼性
が高いだけでなく、複合機12内の各構成要素(22〜
32および、さらにその内部の構成要素(図示せず))
について、できるだけ詳細で、豊富な情報を包含してい
ることが求められる。保守サーバ14が当該応答信号S
2をもとに実行する故障診断は、当該監視結果信号S2
7が詳細で、豊富なものであればあるほど、容易で、信
頼性の高いものとなる。
【0049】理想的には、各構成要素および各構成要素
内部のあらゆる部分に関する動作状態の情報が当該監視
結果信号S27に含まれていて、その監視結果信号S2
7自体が、複合機12全体の動作状態をあますところな
く表現しているのが好ましい。その場合、後述する内部
状態特定部41(図3参照)は省略することができ、保
守サーバ14は、応答信号RS2から得られる当該監視
結果信号S27に基づいて、複合機12が正常であるか
否かだけを判定すればよくなる。
【0050】しかしながら実際には、複合機12の各構
成要素および各構成要素内部のあらゆる部分に関する動
作状態の情報を含む監視結果信号S27を生成すること
は不可能であり、複合機12の各構成要素および各構成
要素内部のあらゆる部分のうち、重要であると予測され
る一部の監視対象の動作状態だけが、監視結果信号S2
7に収容されることになる。
【0051】当該監視対象を複合機12内にどのように
設定するかも、複合機12の構造、機能、動作原理をど
のようにとらえるか(実際の複合機12は必ずしもいつ
も設計者の意図通りには動作するわけではない)、すな
わち製品としての複合機12のモデリングの問題である
とも考えられるから、当該監視対象自体を、本実施形態
のようなエキスパートシステムを用いて推論した結果に
応じて決定し、変更(この変更は、製品としての複合機
12を工場から出荷した後やユーザのオフィスなどに設
置した後などにも実行する)するようにしてもよい。
【0052】また、内部操作部29は、前記手動保守の
保守支援や自動保守のために、保守サーバ14が復旧処
理を開始したとき、通信部31がインターネット11経
由で受信した指示信号DR4に基づいて、複合機12の
各構成要素に所定の復旧処理を実行する部分で、信号S
26やS30を受信することによって当該復旧処理を開
始し得る。複合機12のOSがリアルタイムOSである
ため、この復旧処理は、遅滞なく実行される。
【0053】当該復旧処理の具体的な項目としては、例
えば、所定のメモリ領域に所定のビットパターンを書き
込む処理、複合機12の構成要素のうち二重化されてい
る構成要素があれば、その構成要素において現用系と待
機系を切替える系切替え処理、あるいは一部の構成要素
(または全構成要素)に対して、パワーオンリセットを
かける処理などが考えられる。
【0054】このうち所定のビットパターンを書き込む
処理では、パリティエラーの影響が他の構成要素に波及
して深刻な故障に発展することを防止でき、系切替え処
理では、現用系だけに障害があり待機系に障害がない場
合に複合機12を健全状態に復帰することができ、障害
を持つ系(現用系)の影響が他の構成要素に波及するこ
とを防止可能である(新たな待機系となった障害を持つ
系は、保守担当者が行う保守作業によって交換、修理さ
れる)。
【0055】また、パワーオンリセットの場合、パワー
オンリセットの対象となった一部または全部の構成要素
に関し一時記憶の全記憶内容は初期状態にリセットさ
れ、やはり一時記憶の異常な記憶内容の影響が他の構成
要素に波及することを防止できる。
【0056】一方、このような複合機12にインターネ
ット11を介して対向している保守サーバ14の内部構
成は、一例として、図3に示すようなものであってよ
い。
【0057】(A−1−2)保守サーバの内部構成 図3において、当該保守サーバ14は、正常性判定部4
0と、内部状態特定部41と、制御部42と、整構造問
題対応部43と、不整構造問題対応部44と、外部イン
タフェース45と、通信部46と、知識ベース47と、
データベース48と、導出部49とを備えている。
【0058】このうち制御部42は、作図の都合上、内
部状態特定部41、整構造問題対応部43、通信部46
にしか接続されていないが、当該保守サーバ14内の全
構成要素40〜41、43〜48に対し、直接、間接に
接続されている。
【0059】また、通信部46は前記複合機12内の通
信部31に対向する部分で、前記指示信号DR4の送
信、応答信号RS2の受信、支援要求信号RQ2の受信
などを実行する。通信部46に受信された応答信号RS
2や支援要求信号RQ2の内容は制御部42に伝えら
れ、制御部42からの指示に応じた指示信号DR4が通
信部46から送信される。
【0060】上述した4つの構成要素40〜44はすべ
て推論機構と当該推論機構が実行する推論のために必要
な作業記憶(ワーキングメモリ)を内蔵している点で共
通しており、知識ベース47内に蓄積されている知識
と、データベース48に蓄積されているデータを使用し
て推論を実行する。ここでは、問題解決のために直接必
要な情報を知識と定義し、副次的な情報をデータと定義
する。そして知識は知識ベース47に、データはデータ
ベース48に蓄積するものとする。
【0061】一般的に、推論機構の構造は、保守サーバ
14の拡張性などの観点から、取り扱う知識や対象とす
る問題に依存しないほうがよいと考えられるので、可能
ならば、4つの構成要素40〜44は、ハードウエア的
に1つの構成要素とし、時分割に使い分けるようにする
とよい。
【0062】4つの構成要素40〜44のうち正常性判
定部40は、前記応答信号RS2に収容されて供給され
た監視結果信号S27をもとに、複合機12全体として
の動作状態の正常性を判定する部分である。判定結果は
正常または異常のいずれかである。正常は、前記健全状
態に相当し、異常は前記中間故障状態に相当する。
【0063】健全状態における監視結果信号S27がど
のようなものとなるかは、前記監視対象の設定や監視結
果信号S27の詳細さ等に依存するが、一般的には、あ
る程度の論理的な幅があるものと考えられる。これは、
例えば、ビットパターン「1001000110」、
「1101000010」、「001100011
0」、…、「1011001110」を要素として持つ
集合が想定され、受信した応答信号RS2が収容してい
た監視結果信号S27のビットパターンが、当該集合の
いずれかの要素(ビットパターン)と一致することがパ
ターンマッチングによって確認されれば正常とし、一致
しないことが確認されれば異常とするケースである。
【0064】単純にこのようなパターンマッチングを1
回(または数回)おこなうだけで正常性を判定するのな
らば知識システムを用いる必要性は低いが、本実施形態
の正常性判定部40は、ほぼ定期的に送信される指示信
号DR4に対する過去の応答信号RS2が収容していた
監視結果信号S27の履歴も記憶(記憶場所は例えばデ
ータベース48)しておいて、当該履歴を構成する過去
の各監視結果信号S27と今回の監視結果信号S27の
ビットパターンの組合せ等まで加味して正常性を判定す
るものとする。
【0065】このような場合には、いわゆる組合せの爆
発が発生し、演算量が膨大なものとなるため、解を求め
る手順を予め一通りに厳密に定めた上で、与えられた条
件を厳密に満足する解だけを得ようとする従来型のシス
テムでは、コンピュータの処理能力、記憶能力が不足し
て処理しきれなくなり、知識システムを利用する必要が
生じる。
【0066】前記手動保守のための支援要求信号RQ2
を受信した場合、保守サーバ14はまず、応答信号RS
2を送信することを指示する指示信号DR4を複合機1
2に送信し、これに応じて複合機12は監視結果信号S
27に対応した応答信号RS2を送信するため、当該指
示信号DR4の送信以降の処理は、基本的に自動保守の
場合と同じである。なお、必要に応じて、最初の当該監
視結果信号S27は支援要求信号RQ2に収容して送信
するようにしてもよい。
【0067】前記正常性判定部40が異常と判定したと
きに初めて制御部42によって動作することを認められ
る前記内部状態特定部41は、上述した一部の監視対象
の動作状態だけを反映した監視結果信号S27をもと
に、複合機12について復旧処理のために必要とされる
全動作状態を推論し、故障が発生している複合機12の
全内部状態に関するモデリングを実行する部分である。
当該モデリングによって生成される動作状態モデルは、
故障の全体像を示している。
【0068】内部状態特定部41はまた、実行可能な復
旧処理だけで、当該動作状態モデルから健全状態に復旧
可能であるか否かの判定も行う。
【0069】次に、整構造問題対応部43は整構造問題
に対する処理を実行する部分で、不整構造問題対応部4
4は不整構造問題に対する処理を実行する部分である。
【0070】ここで、整構造問題とは一般に、目的は明
確であるが、その目的を達成するための手順がわかって
いない問題のことであり、本実施形態では、小さな兆候
が発生しているだけの軽度の中間故障状態にある複合機
12に対して復旧処理を実行して、前記健全状態に復旧
させることが、当該整構造問題に該当する。健全状態が
どのようなものであるかは明確であるからである。
【0071】したがって当該健全状態に復旧するための
手順の探索が、当該整構造問題対応部43の役割とな
る。
【0072】また、不整構造問題とは一般に、目的も明
確でなく、手順も明確でない問題のことであり、本実施
形態では、重大な故障に発展する可能性のある中度また
は重度の中間故障状態にある複合機12に対して復旧処
理を実行して、許容できる安定状態に移行させること
が、当該不整構造問題に該当する。この場合、許容でき
る安定状態(この状態は、前記動作状態モデルから移行
することが可能な状態でなければならない)が具体的に
どのような動作状態であるか予め判明しているわけでな
いため、その安定状態の具体的内容の探索およびその安
定状態を実現するための手順の探索が、不整構造問題対
応部44の役割となる。
【0073】なお、整構造問題対応部43が探索する手
順も、不整構造問題対応部44が探索する手順も、上述
した手動保守の保守支援の場合には、当該手順のなかに
ユーザU2や保守担当者M5でなければ実行できない手
順を含んでいてもよいが、自動保守の場合には基本的に
それは許されない。
【0074】前記正常性判定部40、内部状態特定部4
1、整構造問題対応部43、および不整構造問題対応部
44における推論に使用する前記知識を蓄積している知
識ベース47、およびその周辺の構成は、図4に示す通
りである。
【0075】図4において、当該知識ベース47は、フ
レーム部KN1と、ルール部KN2とを含んでいる。
【0076】このうちフレーム部KN1は、フレーム形
知識表現に基づいて知識を格納している部分で、ルール
部KN2はルール形知識表現に基づいて知識を格納して
いる部分である。
【0077】フレーム形知識表現が、いわゆる深い知識
の記述に適するのに対し、ルール形知識表現は、いわゆ
る浅い知識の記述に適している。深い知識には、複合機
12の構造や機能に関する知識が該当する。したがっ
て、もしも当該複合機12を設計、開発する段階でエキ
スパートシステムを使用していたならば、その際に用い
た知識の大部分は、そのまま当該フレーム形知識表現に
よって前記フレーム部KN1に格納しておけば、当該保
守サーバ14の信頼性の向上に大きく寄与することがで
きる。また、製品としての複合機12の出荷前に行われ
る信頼性解析の結果なども、知識ベース47に格納する
有用な知識となり得る。保守サーバ14の運用開始当初
の信頼性は、知識ベース47内に最初に格納される知識
の質や量に依存する点が大きいと考えられるので、最初
から、できるだけ多くの知識源を確保しておくことが望
ましい。
【0078】なお、複合機12に使用されているICパ
ッケージの特性や、複合機12の各構成要素の消費電力
などのデータは、むしろ前記データに分類されるので、
フレーム部KN1ではなく前記データベース48に格納
される。
【0079】次に、ルール部KN2が格納している浅い
知識には、複合機12のマニュアルなどに記述されてい
る教科書的な知識、熟練度の高い保守担当者が持つ経験
的知識などが該当する。
【0080】一般的に、フレーム形知識は推論にかかる
コスト(時間的、空間的コスト)が大きい反面、広範囲
な問題の解決に対応可能であり、ルール形知識は推論に
かかるコスト(時間的、空間的コスト)が小さい反面、
対応可能な問題の範囲が狭い。したがって本実施形態で
は、広義の導出原理に対応した導出部49によって、フ
レーム形知識からルール形知識を導出するようにしてい
る。これにより、保守サーバ14内で行われる推論(構
成要素40、41,43,44で行う推論)には、でき
るだけルール形知識を用いるようにする。
【0081】構成要素40、41,43,44が行った
推論の結果は、指示信号DR4を用いて複合機12に伝
えられるほか、推論履歴として、データベース48にも
格納される。
【0082】当該データベース48に接続されている図
3の外部インタフェース45は、データベース48に蓄
積されているデータを保守担当者M4などが認識した
り、操作したりするためのインタフェースである。
【0083】保守担当者M4は、例えば、データベース
48内の推論履歴を確認することによって、複合機12
の動作状態を詳細に知ることができる。したがって、も
しも、前記自動保守サービスによって完全な健全状態に
復旧することができなかった場合などに、保守担当者M
4が保守に向かうものとすると、当該保守担当者M4
は、保守のために複合機12が設置されているオフィス
等に出向く前に、複合機12の動作状態に適合する道具
や部品をそろえておくことができる。
【0084】また、実際に保守担当者(例えばM4)が
複合機12を点検した結果や、保守担当者が持ち帰った
部品などを詳細に点検した結果などと、データベース4
8に蓄積されている推論履歴とを照合することにより、
推論の誤り等を検出することができるので、そのような
誤りが検出された場合には、知識ベース47内のルール
形知識やフレーム形知識の修正、削除、追加などを適宜
実行して、保守サーバ14が行う推論の精度を高め、信
頼性を向上することもできる。
【0085】知識ベース47内のルール形知識やフレー
ム形知識の修正、削除、追加などは、自動保守を実行し
たあとで、複合機12が送信してきた応答信号RS2に
収容されている監視結果信号S27の解析などをもと
に、自動的に実行するようにしてもよい。そのために必
要な推論は、例えば、不整構造問題対応部44が行うよ
うにするとよい。
【0086】なお、このような構成を持つエキスパート
システム10の場合、インターネット11上の悪意の第
三者が内部操作部29に不必要な内部操作を行わせる危
険性もあるため、保守サーバ14と、複合機(例えば1
2)間の通信は、暗号技術によって防御する必要があ
る。一例としては、共通鍵系の暗号を用いるようにして
もよい。共通鍵系の暗号では、保守サーバ14と複合機
12が一対の同じ鍵(共通鍵)を持ち合って防御を実現
する。予め通信相手が特定できる本実施形態の構成で
は、鍵配送の問題が発生しないため、共通鍵系の暗号方
式を実現しやすい。
【0087】この場合、保守サーバ14が複合機13と
通信するための共通鍵は、複合機12と通信するための
共通鍵とは別な鍵にしておくほうがセキュリティ上この
ましい。
【0088】以下、上記のような構成を有する本実施形
態の動作について説明する。
【0089】(A−2)実施形態の動作 図1において、保守サーバ14は、ほぼ定期的に各複合
機12,13に対して指示信号DR4を送信し、複合機
12,13のほうでは受信したこの指示信号DR4にこ
たえて、ほぼ定期的に応答信号RS2、RS3を送信す
る。
【0090】当該応答信号RS2、RS3には、前記監
視結果信号S27が収容されているから、正常性判定部
40が、当該監視結果信号S27にもとづいて、各複合
機12,13の動作状態の正常性を判定する。多くの場
合、この判定結果は正常と出るので、同様な指示信号D
R4の送信とそれに応じた応答信号RS2、RS3の送
信が、ほぼ定期的に繰り返される。
【0091】ところがあるとき突然、複合機12から送
信された応答信号RS2に関する正常性判定部40の判
定結果が異常と出たものとすると、制御部42は、正常
性判定部40にかわって内部状態特定部41に、推論を
開始させる。
【0092】内部状態特定部41は、一部の監視対象の
動作状態だけを反映した監視結果信号S27をもとに、
複合機12について復旧処理のために必要とされる全動
作状態を推論し、複合機12で発生している故障の全体
像(動作状態モデル)を把握する。
【0093】当該動作状態モデルを把握した内部状態特
定部41は、実行可能な復旧処理だけで、その動作状態
モデルから、健全状態に復旧可能であるか否かも判定
し、その判定結果が健全状態に復旧可能であると出た場
合には、制御部42が、整構造問題対応部43を動作さ
せ、復旧不可能であると出た場合には、不整構造問題対
応部44を動作させる。
【0094】判定結果が健全状態に復旧可能であると出
たときに動作する整構造問題対応部43は、健全状態に
たどりつくための手順を探索し、探索した手順を収容し
た指示信号DR4を通信部46から送信させる。
【0095】当該指示信号DR4を受信した複合機12
では、内部操作部29がその手順に応じた復旧処理を実
行し、健全状態への復旧を試みる。整構造問題対応部4
3が探索した手順が正しいものであれば、当該復旧処理
によって複合機12は前記健全状態に復旧する。
【0096】前記判定結果が健全状態に復旧不可能であ
ると出たときに動作する不整構造問題対応部44は、前
記安定状態の具体的な内容と、その内容の安定状態にた
どりつくための手順を探索し、探索した内容と手順を収
容した指示信号DR4を通信部46から送信させる。
【0097】当該安定状態の具体的な内容とは、複合機
12の各構成要素の状態を総合した複合機12内の全動
作状態を指す。当該全動作状態に応じて、例えば、内蔵
記憶装置(22Aなど)の各アドレスにどのようなビッ
トパターンを書き込むか否か、各構成要素に対する給電
を停止するか維持するか否か、前記系切替えを行うか否
か等が決まり、上述した基本的または副次的なユーザ指
示に対する対応を可能な状態とするか禁止するか等もこ
れによって決定される。
【0098】また、対応可能な状態とする場合でも、完
全に対応可能とするか一部だけ対応可能とするか(一部
だけ対応可能とは、例えば、ファクシミリ機能の場合、
ファクシミリの受信はできるが送信はできないような状
態をいう)等の詳細な指定も、当該安定状態には含まれ
ている。
【0099】したがって、このような安定状態をユーザ
U2や保守担当者M5などの観点からとらえた場合の具
体的な性質についても、様々なものが考えられる。
【0100】例えば、複合機12の可用性(アベイラビ
リティ)を重視して、複合機12を使用するユーザU2
の立場から見てできるだけ健全状態に近いものを安定状
態とすること、または、複合機12の保守性を重視し
て、保守担当者(例えばM5)の立場から見てできるだ
け健全状態に近いもの(保守が容易なもの)を安定状態
とすること等が考えられる。
【0101】可用性を重視する場合、一例としては、複
合機12の動作状態を、上述したファクシミリ送信履
歴、現在送信中のファクシミリに関する送信処理の進捗
状況の画面表示などを求める副次的なユーザ指示には必
ずしも忠実な対応ができなくても、ファクシミリの送信
先、コピーの部数などの基本的なユーザ指示にはできる
だけ忠実に対応できる状態を、当該安定状態とするよう
にしてもよい。
【0102】反対に保守性を重視する場合には、例え
ば、これらの副次的、基本的なユーザ指示に対する忠実
な対応をある程度犠牲にしても、効率的で正確な保守の
実現を容易にする動作状態を、当該安定状態とするとよ
い。このような安定状態が実現されれば、保守が正確、
かつ速やかに完了するため、結局は、可用性の向上にも
寄与することができる。
【0103】ただし、可用性を重視する安定状態であ
れ、保守性を重視する安定状態であれ、安定状態である
以上、少なくとも当該障害の影響が複合機12内の他の
構成要素に波及していっそう深刻な障害に発展すること
は阻止できることが必要になる。
【0104】なお、複合機12が、完全な健全状態では
ないこのような安定状態に移行した場合、できるだけ早
期に、保守担当者による健全状態への復旧が行われるこ
とが必要である。
【0105】以上のケースは、自動保守に関するもので
あるが、手動保守の保守支援の場合には、まず最初に、
複合機12を操作するユーザU2または保守担当者M5
から支援要求信号RQ2が送信されるが、以降は、指示
信号DR4、応答信号RS2のやり取りと、それにつづ
く、正常性判定部40の推論、内部状態特定部41の推
論が実行される。
【0106】そして、内部状態特定部41の判定の結
果、健全状態に復旧可能であると出たときに整構造問題
対応部43が動作し、復旧不可能であると出た場合に不
整構造問題対応部44が動作する点は、自動保守のケー
スと同じである。
【0107】ただし整構造問題対応部43や不整構造問
題対応部44が探索する手順では、保守担当者M5など
の手作業による手順も含めることができるため、自動保
守の場合よりも、用い得る手順の自由度が高く、より広
範囲な復旧処理を実行可能である。
【0108】なお、前記内部状態特定部41が行う健全
状態への復旧の可否に関する判定結果も、復旧のために
用い得る手順に応じて変わってくるので、自動保守のケ
ースと、手動保守の保守支援のケースでは、正常性判定
部40が正常性を判定した時点の複合機12の動作状態
が同じであっても、復旧可否に関する判定結果は異なる
ものとなる可能性は高い。
【0109】特に、保守担当者M5が用いることのでき
る道具や部品の種類は、復旧可否の判定結果に大きく影
響するため、データベース48には各保守担当者(例え
ばM5)が用いることのできる道具や部品の種類、およ
び各保守担当者のスケジュールなどに関するデータを格
納しておき、当該復旧可否の判定の基礎として利用する
のが好ましい。
【0110】なお、以上の説明では、推論(構成要素4
0,41,43,44が行う推論)の基礎となる応答信
号RS2は、1つであったが、推論の過程で必要性が発
生すれば、保守サーバ14は何回でも指示信号DR4を
送信し、そのたびに新たな応答信号RS2を受け取るこ
とが可能である。送信する指示信号DR4に内部操作部
29が行う内部操作(これはまだ、復旧処理ではない)
を指示しておけば、当該内部操作の影響に応じて、複合
機12の各構成要素の動作状態がどのように変化するか
がわかり、推論の信頼性を高めることが可能である。
【0111】また、復旧処理を実行する場合でも、例え
ば、1回の処理ごとに新たな監視結果信号S27を含む
応答信号RS2を送信させるようにすれば、動作状態の
変化を確認しながら次の復旧処理を決定することもでき
る。
【0112】さらに、一般的には、保守担当者の熟練度
は必ずしも一律ではないので、熟練度の低い保守担当者
が故障している複合機12の手動保守を行うことも起こ
り得る。そのような場合、本実施形態のエキスパートシ
ステム10は、複合機12の外部操作受付部30に搭載
されているメッセージ表示手段30Aに表示されるメッ
セージとして保守サーバ14から供給される指示信号D
R4の復旧処理の内容(例えば、手作業による手順の
み)を表示することにより、熟練度の低い保守担当者に
も一定水準の保守作業を実行させることができる。
【0113】換言するなら、当該復旧処理に協力させる
ことにより、当該エキスパートシステム10は、熟練度
の低い保守担当者(あるいは保守経験のまったくないユ
ーザ(例えばU2))が、熟練度の高い保守担当者並み
の保守作業を行うことを可能にするということもでき
る。
【0114】なお、複合機12における各タスクの優先
順位において、前記支援要求信号RQ2の送信タスクの
順位は高く、応答信号RS2の送信タスクの順位は低
く、指示信号DR4の内容に応じた復旧処理タスクの順
位は高く設定するのが望ましい。
【0115】支援要求信号RQ2の送信タスクの順位を
高く設定するのは、このタスクの優先順位が低いと、障
害の状態によっては、支援要求信号RQ2の送信自体が
行えなくなる可能性が高まるからである。必要ならば、
リアルタイムOSの特権モードよりも高順位のハードウ
エアレベルの処理として、当該支援要求信号RQ2の送
信を行うようにしてもよい。
【0116】また、応答信号RS2の送信タスクの順位
を低く設定するのは、競合するタスクが複数存在する場
合、その最下位の順位をこのタスクに割り当てることに
より、保守サーバ14の行う推論が時宜を得たものとす
ることができるからである。
【0117】すなわち、複合機12から応答信号RS2
が送信されると、当該応答信号RS2が収容している監
視結果信号S27に基づいて保守サーバ14の推論が行
われ、当該推論の結果として、必要な場合には、復旧処
理等を指示する指示信号DR4が複合機14に受信され
るのであるが、その間に新たなタスクが実行されている
と複合機12の動作状態が当該復旧処理の基礎となった
前記応答信号RS2の送信時点から変化してしまい、当
該復旧処理等が複合機12内において予期せぬ結果を招
く可能性が高まるため、応答信号RS2の送信タスクの
実行後はできるだけ長期間、複合機12内でタスクが処
理されない状態を維持するほうが望ましいからである。
【0118】もし必要ならば、応答信号RS2の送信後
は、保守サーバ14から次のタスクの実行を許可する指
示信号DR4がとどくまで、新たなタスクの実行を禁止
して、複合機12の動作状態を凍結するようにしてもよ
い。
【0119】また、前記指示信号DR4の内容に応じた
復旧処理タスクの順位を高く設定するのは、この順位が
低いと障害の状態によっては、復旧処理自体が全く行え
なくなる可能性が高まるからである。したがって当該タ
スクも、前記支援要求信号RQ2の送信タスクと同様
に、リアルタイムOSの特権モードよりも高順位のハー
ドウエアレベルの処理として実行するようにしてもよ
い。
【0120】(A−3)実施形態の効果 以上のように、本実施形態によれば、手動保守の保守支
援や自動保守を実行することにより、複合機に対する保
守の効率および信頼性を向上することが可能である。
【0121】(B)他の実施形態 なお、上記実施形態においては複合機を用いたが、保守
対象は必ずしも複合機である必要はない。例えば、ファ
クシミリ装置に対しても、本発明は適用可能である。
【0122】また、本発明で保守の対象となるものは、
必ずしもOA機器に限定する必要はなく、保守サーバ
(14)と通信する機能を持つ通信装置であれば、どの
ような装置であっても対象となる可能性がある。
【0123】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、信頼性の高い保守システムを提供することが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るエキスパートシステムの主要部
に関する全体構成例を示す概略図である。
【図2】実施形態で使用する複合機の主要部の構成例を
示す概略図である。
【図3】実施形態で使用する保守サーバの主要部の構成
例を示す概略図である。
【図4】実施形態で使用する知識ベースおよびその周辺
の主要部の構成例を示す概略図である。
【符号の説明】
10…エキスパートシステム、11…インターネット、
12、13…複合機、14…保守サーバ、28…監視
部、29…内部操作部、31,46…通信部、40…正
常性判定部、41…内部状態特定部、42…制御部、4
3…整構造問題対応部、44…不整構造問題対応部、4
5…外部インタフェース45、47…知識ベース、48
…データベース。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/00 107 H04N 1/00 107Z Fターム(参考) 2C061 AP07 HJ08 HP00 HR07 KK07 5B021 AA01 AA19 NN00 NN17 5B089 GA11 GA21 GB02 JA35 JB16 JB19 KA12 KB04 KC47 MC08 MC11 5C062 AA02 AA05 AA13 AA29 AB42 AC38 AC56 BA00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理対象となる第1の通信装置と、処理
    を実行する第2の通信装置とをネットワークを介して接
    続した保守システムにおいて、 前記第1の通信装置は、 自身の全内部状態の内、認識可能な内部状態である認識
    内部状態を第2の通信装置に伝える通信手段を備え、 前記第2の通信装置は、 所定の蓄積知識を蓄積した知識ベース手段と、 前記通信手段から伝達された認識内部状態に対し、当該
    蓄積知識を用いた診断処理を実行する診断処理手段と、 当該診断処理の結果に対応した保守信号を、前記ネット
    ワークを介して第1の通信装置に送信する保守通信手段
    とを備えたことを特徴とする保守システム。
  2. 【請求項2】 請求項1の保守システムにおいて、 前記診断処理手段は、 前記認識内部状態と蓄積知識に基づいて、前記第1の通
    信装置の正常、非正常を判断する正常性判断部と、 当該正常性判断部が非正常と判断したとき、前記蓄積知
    識と認識内部状態に基づいて、前記全内部状態を推測す
    る内部状態推測部とを備えたことを特徴とする保守シス
    テム。
  3. 【請求項3】 請求項1の保守システムにおいて、 前記第2の通信装置は、 前記診断処理手段が実行する診断処理の結果に応じて前
    記ネットワーク経由で復旧信号を送信することにより、
    所定の復旧処理を実行する復旧処理手段を備え、 前記第1の通信装置が備える通信手段は、 当該ネットワーク経由で受信した当該復旧信号に応じ
    て、第1の通信装置の構成要素に対し復旧操作を実行す
    る復旧操作部を備えることを特徴とする保守システム。
  4. 【請求項4】 請求項3の保守システムにおいて、 前記診断処理手段は、 前記認識内部状態に基づいて、前記第1の通信装置の正
    常、非正常を判断する正常性判断部を備え、 前記復旧処理手段は、 当該正常性判断部が非正常と判断したとき、前記蓄積知
    識と認識内部状態に基づいて、前記全内部状態を推測す
    る内部状態推測部と、 当該内部状態推測部が推測した全内部状態と前記蓄積知
    識に基づいて、移行目標となる好ましい内部状態を推測
    する移行目標推測部とを備え、当該移行目標を実現する
    ための復旧信号を送信することを特徴とする保守システ
    ム。
  5. 【請求項5】 請求項1の保守システムにおいて、 前記第2の通信装置の診断処理手段は、 前記復旧信号を送信したあと、前記第1の通信装置から
    送信された認識内部状態と前記蓄積知識に基づいて、前
    記第1の通信装置の正常、非正常を判断する正常性判断
    部と、 当該正常性判断部が非正常と判断したとき、前記蓄積知
    識と認識内部状態に基づいて、反映知識を生成し、当該
    反映知識を前記蓄積知識に反映させる知識変更部を備え
    たことを特徴とする保守システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009064101A (ja) * 2007-09-04 2009-03-26 Toshiba Corp 遠隔監視システム及び遠隔監視方法
JP2012156998A (ja) * 2011-01-21 2012-08-16 Xerox Corp 機器のトラブル解決を共同作業するモバイルスクリーン方法およびシステム

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