JP2003004713A - 高温用センサ - Google Patents

高温用センサ

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JP2003004713A
JP2003004713A JP2001186996A JP2001186996A JP2003004713A JP 2003004713 A JP2003004713 A JP 2003004713A JP 2001186996 A JP2001186996 A JP 2001186996A JP 2001186996 A JP2001186996 A JP 2001186996A JP 2003004713 A JP2003004713 A JP 2003004713A
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Japan
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high temperature
temperature sensor
heat
piezoelectric vibrator
electrode
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JP2001186996A
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Satoshi Nagai
敏 長井
Ichiro Furumura
一朗 古村
Taiji Hirasawa
泰治 平澤
Takahiro Kubo
貴博 久保
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性の向上を図り、高温環境下においても高
温機器の損傷を長期間安定に検知できる高温用センサを
得る。 【解決手段】両面に電極層5a,5bを形成したニオブ
酸リチウムから成る圧電振動子2の一方の電極層5b上
に、耐熱無機系セラミックス接着剤から成る接合層4を
介して、圧電振動子2よりも耐熱性の高い材料から成る
前面板3を接合して一体化したセンサ要素体Aを備えた
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温環境下におい
ても使用でき、高温機器の運転中であっても超音波また
は振動により、高温機器に生じた欠陥の進展または振動
の異常を検出できる高温用センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、発電プラント等で適用されている
高温機器の健全性を確認するために、超音波試験等によ
り高温機器の非破壊検査が行われていた。超音波試験に
より高温機器を検査する際には、定期的に発電プラント
の運転を停止し、高温機器の温度を発電プラント稼動時
の高温状態から常温状態にまで低下させて、高温機器の
検査を実施していた。
【0003】ところが、このように高温機器の検査は、
発電プラントの運転を定期的に停止させる必要があるた
めに、発電プラントの運転停止に伴う莫大な利益損失が
生じていた。そこで、近年、高温機器の定期検査を行う
間隔を延長することにより、発電プラントの稼動率を向
上させることが望まれている。
【0004】また、発電プラントの運転稼動中に、高温
機器に異常が発生した際には、高温機器の検査および監
視目的により発電プラントの運転を停止していたが、こ
のような発電プラントの異常発生時の運転停止を回避し
て、発電プラントの稼働率を向上させることが望まれて
いる。
【0005】発電プラントの稼動率向上を実現するため
に、発電プラントの運転稼動中においても、超音波また
は振動により高温機器の損傷を検知して監視できる高温
センサの技術開発が進められている。この中でも特に、
高温環境下において長期間安定に高温機器の損傷を検知
できる高温用超音波センサが注目されている。
【0006】超音波センサは、外部から電荷を加えると
体積の膨張および収縮をする圧電現象の顕著な材料から
成る圧電振動子の特性を利用したものであり、圧電振動
子に交番電圧を加えることにより、超音波振動を発生さ
せるセンサである。
【0007】このような超音波センサは、一般的に、上
下面に電極層を形成した圧電振動子を有しており、この
圧電振動子が被検査対象物と接触する側に前面板を配置
し、前面板と対向する側に背面板を配置して構成してい
る。そして、圧電振動子と前面板および圧電振動子と背
面板とをエポキシ系樹脂接着剤などの有機系樹脂接着材
により固着して一体化して構成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
超音波センサは、高温環境下での使用に耐え得る耐熱性
を備えていないために、高温機器の超音波試験を発電プ
ラント等の稼動時に実施することができなかった。
【0009】高温環境下での使用を実現するために、例
えば、超音波センサを構成する部材に優れた耐熱性を有
する材料からなる部材を用い、各部材をろう付接合する
ことにより、超音波センサの耐熱性を高めていた。
【0010】しかし、圧電振動子とろう材との熱膨張率
との差が大きいため、ろう付接合の接合性が良好ではな
かった。また、このようにろう付け接合した超音波セン
サを使用すると、圧電振動子とろう材との熱膨張率の差
に起因してろう付け接合部にずれが発生し、さらに、超
音波センサの長期間の使用に伴いろう付け接合部での剥
離が発生してしまい、高温環境下において高温機器の損
傷を長期間安定に検査を実施することが困難であった。
【0011】また、使用可能なろう材は限定されてお
り、このようなろう材の融点は圧電振動子の耐熱性より
も遥かに低く、このため選択したろう材の融点に左右さ
れてしまい、超音波センサの使用可能な温度上限が制限
されていまうという問題を有していた。
【0012】従って、高温環境下で使用できる高温用超
音波センサは、現状において開発されておらず、高温機
器の検査時に発電プラントの運転の停止に伴い莫大な経
済的損失が生じていた。
【0013】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、高温環境下においても高温機器
の損傷を長期間安定に検知でき、高い信頼性を確保した
高温用センサを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明者らは種々研究した結果、融点が約1200℃で
ある耐熱性の高いニオブ酸リチウムを圧電振動子として
適用するとともに、被検査対象物に接して超音波の伝達
を行う前面板と圧電振動子とを無機系セラミックス接着
剤により一体化して形成されるセンサ要素体の耐熱性向
上を図ることにより、約800℃程度の高温環境下にお
いて長期間安定して使用できる高温用センサを開発した
ものである。
【0015】すなわち、本発明の高温用センサは、両面
に電極層を形成したニオブ酸リチウムから成る圧電振動
子の一方の電極層上に、耐熱無機系セラミックス接着剤
から成る接合層を介して、前記圧電振動子よりも耐熱性
の高い材料から成る前面板を接合して一体化したセンサ
要素体を備えたことを特徴とする。
【0016】上記高温センサにおいて、前記圧電振動子
の両面に形成された電極層にそれぞれリード線を接続し
て、電極リードを形成したことを特徴とする。
【0017】また、上記高温用センサにおいて、他方の
電極層上に耐熱無機系セラミックス接着剤から成る接合
層を介して背面板を接合し、この背面板を圧電振動子よ
りも耐熱性の高い材料から形成したことを特徴とする。
このような背面板を圧電振動子に接合することにより、
振動を防止して高温用センサの性能向上を図ることがで
きる。
【0018】さらに、上記高温用センサにおいて、前記
圧電振動子の電極層と前記接合層との間に白金から成る
リボン箔または細線を複数本配置して接合したことを特
徴とする。このように電極層と接合層との間に白金のリ
ボン箔または細線を複数本配置することにより、電極の
引き出しをより強固なものとすることができる。
【0019】また、上記高温用センサにおいて、前記接
合層に導電性を有する物質を添加したことを特徴とす
る。接合層に導電性を有する物質を添加することによ
り、電極リードを不要とすることも可能である。また、
本発明によれば、圧電振動子上に導電性物質を接合層に
添加して、導電性を付与した接合層を数mmに厚肉形成
することにより、電極引き出しと背面板とを兼ね備える
ことも可能である。
【0020】上記高温用センサにおいて、前記前面板を
金属材料からなる棒状の金属シューとしたことを特徴と
する。
【0021】本発明において、低熱伝導率の金属、例え
ば、チタン等の金属から金属シューを形成し、この金属
シューを棒状に形成して前面板の高さを長くし、金属シ
ューに温度勾配を形成することができる。その結果、被
検査対象物から圧電振動子に伝達する熱を低減して、高
温用センサの性能向上を図ることができる。
【0022】また、高温用センサにおいて、前記金属シ
ューの側端部に金属材料から成る放熱フィンを設けるこ
とを特徴とする。このように棒状金属シューの圧電振動
子側端部に高い熱伝導率を有するアルミ等の金属で放熱
フィンを形成することにより、金属シューの温度勾配を
大として、耐熱性向上を図ることができる。
【0023】さらに、高温用センサにおいて、前記金属
シューの被検査対象物への取り付け側の前記金属シュー
の側端部に放熱フィンを設けるとともに、前記金属シュ
ーの高さ中間位置に前記放熱フィンから放出される熱を
遮熱する金属板から成る遮熱板を挟持形成したことを特
徴とする。このように金属シューの被検査対象物への取
り付け側に放熱フィンを設け、棒状金属シューの高さ中
間部位置にチタンなどの低熱伝導率の金属板から成る遮
熱板を挟持形成することにより、放熱性を一層向上させ
た高温用センサを得ることができる。
【0024】上記高温用センサにおいて、前記センサ要
素体の外周面に耐熱無機系セラミックス接着剤を被覆し
て被検査対象物に接着固定されたことを特徴とする。
【0025】また、上記高温用センサにおいて、前記前
面板および被検査対象物の間に、前記前面板の接合面積
よりも大面積とした突起を配置することが望ましい。こ
のように金属材料から成る突起を配置することにより、
高温環境下において使用した場合であっても耐久性を維
持することが可能である。
【0026】また、被検査対象物が金属材料から成る場
合には、被検査対象部の表面に電極リードが溶接固定さ
れ、この被検査対象部に、両面に電極層を形成したニオ
ブ酸リチウムから成る圧電振動子の一方の電極層が導電
性を有する耐熱無機系セラミックス接着剤により接着固
定されるともに、他方の電極層に、導電性を有する耐熱
無機セラミックス接着剤により電極リードが接着固定さ
れており、前記各電極リードの一端部を開放して、前記
圧電振動子を耐熱無機系セラミックス接着剤によりモー
ルドした絶縁層が形成されるとともに、この絶縁層の外
周面に、導電性を有する無機系セラミックス接着剤によ
りモールドした最外層が形成される高温用センサとする
ことが望ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図1〜図5を用いて説明する。
【0028】第1実施形態(図1〜図3) 本実施形態では、高温環境下において使用可能な高温用
センサとして、高温用超音波センサを例に挙げて、図1
〜図3を参照して説明する。
【0029】図1は、高温用超音波センサの断面構造を
示す図である。
【0030】図1に示すように、高温用超音波センサ1
の構成は、基本的に、圧電振動子2と、この圧電振動子
2の一方の面に設けられた前面板3と、圧電振動子2お
よび前面板3を接合する耐熱無機系セラミックス接着剤
から成る接合層4と、からなるセンサ要素体Aを備え
る。
【0031】圧電振動子2は、ニオブ酸リチウムから成
り、上下両面には白金から成る電極層5a,5bがそれ
ぞれ形成されている。各電極層5a,5bには、信号ケ
ーブル6および接地ケーブル7がそれぞれ接続されてお
り、各ケーブル6,7は電極層5a,5bの側面から外
部に開放され、信号電極および接地電極を形成してい
る。
【0032】前面板3は、被検査対象物8に接して超音
波の伝達を行うとともに、圧電振動子2の表面を保護す
る機能をも兼ねており、薄肉の金属板またはセラミック
板を用いた。
【0033】圧電振動子2の他方の面には、接合層9を
介して背面板10を接続しており、圧電振動子2で生じ
る不要な振動を抑制している。
【0034】背面板10の材料としては、超音波減衰の
大きいセラミックスを用いた。また、背面板10,前面
板3の材料は、圧電振動子2の材料よりも高耐熱性のセ
ラミックスを用いた。
【0035】このような構成を有する高温用超音波セン
サ1は、例えば、以下に示す手順によって製造される。
【0036】まず、ニオブ酸リチウムからなる圧電振動
子2の上下面に、スパッタにより白金からなる電極層5
a,5bを形成した。
【0037】次に、主成分をシリカ、ジルコニア、アル
ミナなどの材料とした水溶性のペースト状接着剤(耐熱
無機系セラミックス接着剤)を用い、この水溶性のペー
スト状接着剤を圧電振動子2の各電極層5a,5b上に
塗布し、電極層5a,5bの両側にそれぞれ接合層4,
9を形成した。
【0038】さらに、接合層4の一方の面に前面板3、
他方の面に背面板10を配置した後、100℃以下の温
度により加熱脱水して乾燥した。乾燥後、150℃の温
度により1時間程度加熱して耐熱無機系セラミックス接
着剤を硬化させて、一体化した高温用超音波センサ1と
した。
【0039】また、信号電極および接地電極の電極取り
出しを強化するために、以下の図2に示す高温用超音波
センサを構成した。
【0040】図2は、図1に示す高温用超音波センサ1
に改良を加えたセンサであり、その断面構造を示す。な
お、図2に示す高温用超音波センサ11の構成は、図1
に示す構成とほぼ同様であるため、同一箇所の説明を省
略する。
【0041】図2に示すように、圧電振動子2の上下面
に形成された電極層5a,5b上には、白金から成る細
線12が配置されている。
【0042】このような白金から成る細線12は、圧電
振動子2と前面板3とを接着する際、または、圧電振動
子2と背面板10とを接着する際に、各電極層5a,5
b上に間隔を隔て平行に複数本の白金から成る細線12
を配置したものである。各細線12との間隔では、耐熱
無機系セラミックス接着剤により電極層5a,5bと接
合層4,9とが直接接着されている。
【0043】また、圧電振動子2で生じる不要な振動を
抑制する背面板10を設けない高温用超音波センサの改
良例を図3に示す。
【0044】図3は、図2の変形例を示す高温用超音波
センサ13の断面構造を示す図であるため、図2に示す
構成と同一箇所の説明については省略する。
【0045】図3に示す高温用超音波センサ13は、圧
電振動子2の電極層5a,5b上に、耐熱無機系セラミ
ックス接着剤を数mmの厚さにモールドして厚肉とした
接合層14を形成した。
【0046】耐熱無機系セラミックス接着剤には、銀、
ニッケル、グラファイト等の微粒子を添加しており、接
合層14に導電性を付与し、電極引出しと背面板10と
の機能を兼ね備えている。
【0047】本実施形態によれば、接着剤を硬化した後
に、1200℃以上の温度においても十分な接着強度を
有する耐熱無機系セラミックス接着剤を使用したため、
高温用超音波センサの耐熱性向上を図ることができ、そ
の結果、使用限界温度を大幅に高めて高温環境下におい
ても適用可能な高温用超音波センサを得られる。
【0048】また、本発明の耐熱無機系セラミックス接
着剤によれば、比較的低温の加熱により硬化し、硬化後
は高い耐熱性を有することから、接着工程を繰り返した
場合においても耐熱性に影響が無く品質の安定した高温
用超音波センサを得られる。
【0049】さらに、図3に示すように、耐熱無機系セ
ラミックス接着剤に銀、ニッケル、グラファイトなどの
微粒子を混合して導電性を有する耐熱無機系セラミック
ス接着剤とすることにより、電極の引き出しをより一層
完全なものとすることができる。このように接合層に導
電性を付与した場合には、接合層自体が電極層の役割を
果たすため、圧電振動子の両面に形成した電極層を省く
ことも可能である。
【0050】第2実施形態(図4) 本実施形態では、前面板に改良を加えた高温用超音波セ
ンサについて説明する。
【0051】図4は、前面板3を改良した超音波センサ
の断面構造を示す図である。なお、基本的な構成は、図
3に示す高温用超音波センサ13と同様であるため、同
一箇所の説明は省略する。
【0052】図4に示すように、高温用超音波センサ1
5は、前面板3としてチタンなど金属により棒状形成さ
れた金属シュー16を用い、温度勾配を形成する金属シ
ューを16介して超音波を伝達したものである。
【0053】圧電振動子2側の金属シュー16の側面端
部に放熱フィン17aを設け、被検査対象物8への取り
付け側の金属シュー16の側面端部にも同様に放熱フィ
ン17bを設けている。また、金属シュー16の高さ中
間位置に金属板18を挟持形成しており、被検査対象物
8への取り付け側に設置された放熱フィン17bから圧
電振動子2への放出熱を遮蔽している。
【0054】放熱フィン17bは、チタンなどの低熱伝
導率の金属材料から形成されており、金属板18は、ア
ルミニウムなどの金属を用いている。
【0055】本実施形態によれば、放熱フィンおよび金
属板を設けることにより、放熱効果および遮熱効果の相
乗効果により圧電振動子の温度上昇を抑制できる。この
ため、大幅に使用限界温度を向上させた高温用超音波セ
ンサを得られる。
【0056】また、図4に図示しないが、金属シューの
外周にネジ状の溝を切ることにより、金属シュー自体の
放熱効果を高めると共に、金属シューの細い棒内の遅れ
エコーを軽減することも可能である。
【0057】なお、通常の斜角探傷で使用される楔形状
の金属シューを本発明の金属シューに適用しても良い。
このような楔形状の金属シューを適用した場合であって
も、第一実施形態と同程度の耐熱性を有する高温用超音
波センサを得られる。
【0058】また、本実施形態では、ニオブ酸リチウム
に替えて、ニオブ酸リチウムよりも耐熱性の低いチタン
酸鉛、ジルコン酸チタン酸鉛等の材料から圧電振動子を
構成しても良い。このような耐熱性の低い材料から圧電
振動子を形成した場合であっても、本実施形態に示す高
温用超音波センサの構成によれば、前面板の放熱性およ
び遮熱効果が良好であるため、高温環境下においての使
用が可能である。
【0059】第3実施形態(図5) 本実施形態は、圧電振動子の不要振動を防止する高温用
超音波センサの変形例について、図5を用いて説明す
る。
【0060】図5(a)は、高温用超音波センサの側断
面図である。
【0061】図5(a)の左図は、被検査対象物8に圧
電振動子2,前面板3,背面板10を接合して一体化し
たものを取り付けた図である。被検査対象物8上に金属
材料から形成される突起19を設け、この突起19上に
上記一体化したものを配置し、前面板3と突起19とを
耐熱無機系セラミックスにより接合した。突起19は、
前面板3よりも幅広に形成されており、この突起19を
被覆して耐熱無機系セラミックス接着剤によりモールド
し、被検査対象物8の表面から圧電振動子2の高さ位置
までの絶縁層20を形成し、被検査対象物8表面に高温
用超音波センサを取り付けた。
【0062】また、図5(a)の右図は、前面板3とし
て棒状形成された金属シュー16を用いて、圧電振動子
2,前面板3により一体化したものを被検査対象物8に
取り付けた図である。図5(b)と同様に、被検査対象
物8上に金属材料からなる突起19を設け、突起19上
に上記一体化したものを配置し、前面板3と突起19と
を耐熱無機系セラミックスにより接合形成したものであ
る。突起19を耐熱無機系セラミックス接着剤によりモ
ールドし、被検査対象物8表面から金属シュー16の下
部の高さ位置までの絶縁層20を形成し、被検査対象物
8表面に高温用超音波センサを取り付けている。
【0063】さらに、金属材料から形成される被検査対
象物に高温用超音波センサを取り付ける場合には、図5
(b)に示すような構成とする。
【0064】図5(b)に示すように、金属部材21上
に、銀、ニッケル、グラファイト等の微粒子を添加して
導電性を付与した耐熱無機系セラミックス接着剤から成
る接合層22を介して圧電振動子2を接着固定した。
【0065】耐熱ケーブルである接地線23を金属部材
21の表面に溶接して固定するとともに、耐熱ケーブル
である信号線24を圧電振動子2の電極層5aに導電性
耐熱無機セラミックス接着剤から成る接合層25により
接着固定した。
【0066】その後、絶縁目的のために圧電振動子2と
耐熱ケーブルの一部を耐熱無機系セラミックス接着剤に
より被覆してモールドし、絶縁層26を形成した。この
絶縁層26の外周面を導電性耐熱無機系セラミックス接
着剤により被覆することにより最外層27を形成し、高
温用超音波センサを金属部材に取り付けた。
【0067】本実施形態によれば、図5(a)に示すよ
うに、高温用超音波センサと検査対象部とを耐熱無機系
セラミックス接着剤により接合して接合強度を高めるこ
とにより、高温環境下における高温用超音波センサの信
頼性を確保できる。また、被検査対象物と前面板との間
に突起を設置することにより、高温環境下における耐久
性向上を図ることができる。
【0068】また、図5(b)に示すように、圧電振動
子と被検査対象物とを直接的に取り付けることにより、
被検査対象物の超音波および振動を圧電振動子に伝達可
能である。さらに、導電性を有する耐熱無機セラミック
ス接着剤により形成される最外層により圧電振動子をシ
ールドしたため、ノイズ低減を図ることができる。
【0069】なお、本実施形態においては、高温環境下
で使用される高温用超音波センサについての説明をした
が、本発明と同様の構成を有するセンサは、超音波セン
サに限定されるものではなく、アコースティックエミッ
ション(AE)センサとしても同様の機能を有するもの
である。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る高温
用センサによれば、超音波センサの構成要素である圧電
振動子並びに前面板、背面板を高耐熱性材料から形成
し、これらの各構成要素を無機系セラミックス接着剤に
より一体化して高温センサとしたため、圧電振動子自体
が持つ耐熱性を損なうことなく、高温用センサの使用限
界温度を大幅に向上させた高温用センサを得られる。そ
の結果、発電プラントなどの稼動中においても高温用セ
ンサによる高温機器の検査が可能であり、高温機器の検
査などに伴い発電プラントなどを停止することなく継続
稼動できるため、効率的な運転が実現可能となり、高い
信頼性を得られるとともに、経済的な効果をも奏するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における、高温用超音波
センサの断面図。
【図2】本発明の第1実施形態における、図1の変形例
を示す高温用超音波センサの断面図。
【図3】本発明の第1実施形態における、背面板に改良
を加えた高温用超音波センサの断面図。
【図4】本発明の第2実施形態における、前面板に金属
シューを用いた高温用超音波センサの変形例を示す構造
断面図。
【図5】本発明の第3実施形態における、被検査対象物
に高温用超音波センサに取り付ける図であり、(a)
は、耐熱無機系セラミックス接着剤による取り付け図、
(b)は、金属材料から成る被検査対象物への高温用超
音波センサの取り付け図。
【符号の説明】
1…高温用超音波センサ,2…圧電振動子,3…前面
板,4…接合層,5a,5b…電極層,6…信号ケーブ
ル,7…接地ケーブル,8…被検査対象物,9…接合
層,10…背面板,11…高温用超音波センサ,12…
白金からなる細線,13…高温用超音波センサ,14…
接合層,15…高温用超音波センサ,16…金属シュ
ー,17a,17b…放熱フィン,18…金属板(遮熱
板),19…突起,20…絶縁層,21…金属部材,2
2…接合層,23…接地線,信号線,24…接地線,信
号線,25…接合層,26…絶縁層,27…最外層,A
…センサ要素体。
フロントページの続き (72)発明者 平澤 泰治 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 久保 貴博 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 2G047 AA06 BB04 EA11 EA16 EA21 GA10 5D019 AA17 BB02 FF05 GG12

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両面に電極層を形成したニオブ酸リチウ
    ムから成る圧電振動子の一方の電極層上に、耐熱無機系
    セラミックス接着剤から成る接合層を介して、前記圧電
    振動子よりも耐熱性の高い材料から成る前面板を接合し
    て一体化したセンサ要素体を備えたことを特徴とする高
    温用センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高温センサにおいて、前
    記圧電振動子の両面に形成された電極層にそれぞれリー
    ド線を接続して、電極リードを形成したことを特徴とす
    る高温用センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の高温用センサに
    おいて、他方の電極層上に耐熱無機系セラミックス接着
    剤から成る接合層を介して背面板を接合し、この背面板
    を圧電振動子よりも耐熱性の高い材料から形成したこと
    を特徴とする高温用センサ。
  4. 【請求項4】 請求項1または3記載の高温用センサに
    おいて、前記圧電振動子の電極層と前記接合層との間に
    白金から成るリボン箔または細線を複数本配置して接合
    したことを特徴とする高温用センサ。
  5. 【請求項5】 請求項1から4までのいずれかに記載の
    高温用センサにおいて、前記接合層に導電性を有する物
    質を添加したことを特徴とする高温用センサ。
  6. 【請求項6】 請求項1から5までのいずれかに記載の
    高温用センサにおいて、前記前面板を金属材料からなる
    棒状の金属シューとしたことを特徴とする高温用セン
    サ。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の高温用センサにおいて、
    前記金属シューの側端部に金属材料から成る放熱フィン
    を設けたことを特徴とする高温用センサ。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載の高温用センサに
    おいて、前記金属シューの被検査対象物への取り付け側
    の前記金属シューの側端部に放熱フィンを設けるととも
    に、前記金属シューの高さ中間位置に前記放熱フィンか
    ら放出される熱を遮熱する金属板から成る遮熱板を挟持
    形成したことを特徴とする高温用センサ。
  9. 【請求項9】 請求項1から6までのいずれかに記載の
    高温用センサにおいて、前記センサ要素体の外周面に耐
    熱無機系セラミックス接着剤を被覆して被検査対象物に
    接着固定されたことを特徴とする高温用センサ。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の高温用センサにおい
    て、前記前面板および被検査対象物の間に、前記前面板
    の接合面積よりも大面積とした突起を配置したことを特
    徴とする高温用センサ。
  11. 【請求項11】 被検査対象部の表面に電極リードが溶
    接固定され、この被検査対象部に、両面に電極層を形成
    したニオブ酸リチウムから成る圧電振動子の一方の電極
    層が導電性を有する耐熱無機系セラミックス接着剤によ
    り接着固定されるともに、他方の電極層に、導電性を有
    する耐熱無機セラミックス接着剤により電極リードが接
    着固定されており、前記各電極リードの一端部を開放し
    て、前記圧電振動子を耐熱無機系セラミックス接着剤に
    よりモールドした絶縁層が形成されるとともに、この絶
    縁層の外周面に、導電性を有する無機系セラミックス接
    着剤によりモールドした最外層が形成されることを特徴
    とする高温用センサ。
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