JP2002344324A - 高能率符号化方法、高能率符号化装置、データ伝送方法、データ伝送装置、および、記録媒体 - Google Patents

高能率符号化方法、高能率符号化装置、データ伝送方法、データ伝送装置、および、記録媒体

Info

Publication number
JP2002344324A
JP2002344324A JP2001148456A JP2001148456A JP2002344324A JP 2002344324 A JP2002344324 A JP 2002344324A JP 2001148456 A JP2001148456 A JP 2001148456A JP 2001148456 A JP2001148456 A JP 2001148456A JP 2002344324 A JP2002344324 A JP 2002344324A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
additional information
music
information
identifier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001148456A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Koyata
智弘 小谷田
Tetsuya Hiroe
哲也 広江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2001148456A priority Critical patent/JP2002344324A/ja
Publication of JP2002344324A publication Critical patent/JP2002344324A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reverberation, Karaoke And Other Acoustics (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録媒体に記録された楽曲データなどの符号
化データが、どの事業者から提供されたものであるかを
確実かつ簡単に判別できるようにし、デジタル信号の提
供を行なう事業者毎に新たなサービスの提供を可能にす
る。 【解決手段】 ステップS502により、高能率符号化
時において、各フレームの余剰部分である符号化未使用
ビットREMを算出することにより符号化未使用ビット
を検出し、検出した符号化未使用ビットに目的とする付
加情報を書き込む。1つの楽曲データに付加情報を付加
し終えた後に、ステップS503において、その楽曲デ
ータに規定回数以上(所定値以上)の付加情報を付加し
たか否かを判別し、規定回数以上付加していないときに
は、ステップS506において、符号化時に用いるパラ
メータを変更し、再度高能率符号化して付加情報を付加
しなおす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、デジタ
ルオーディオデータなどのデジタル信号を高能率符号化
する符号化方法、符号化装置、高能率符号化された符号
化データを伝送する場合に用いる伝送方法、伝送装置、
および、高能率符号化されたデータが記録された記録媒
体に関する。
【0002】
【従来の技術】楽曲などのオーディオデータを入手する
方法としては、いくつかの方法がある。例えば媒体その
ものを購入する方法が知られている。この方法は、レコ
ード盤やコンパクトディスク(CD)等で知られる方法
である。また、ラジオ放送などを受信して、目的とする
オーディオデータを記録可能な記録媒体に記録する方法
もある。
【0003】また最近では、大量の楽曲のオーディオデ
ータ(楽曲データ(楽曲情報))を、ハードディスク等
に蓄積しておき、ハードディスク内の楽曲データを購入
者が持ち込んだ外部記録媒体に転送して記録することに
より楽曲データを提供するサーバシステムによるものも
知られている。
【0004】このサーバシステムによる方式では、例え
ばサーバシステムを店頭などに設置しておく。購入者は
自分で所有している記録媒体(外部記録媒体)を持って
店頭に行き、所定の金額を支払うことで、サーバシステ
ムより、目的とする楽曲データを自分の記録媒体に記録
して、楽曲の購入を実現する。
【0005】一般に、サーバシステム内に蓄積された楽
曲データは、サーバシステムの蓄積容量や、転送容量等
を考慮して、圧縮処理がなされている。したがって、サ
ーバシステムは、要求された楽曲データを、その楽曲デ
ータの実際の演奏時間よりも短い時間で、購入者の記録
媒体に転送し、記録することができるようにされてい
る。
【0006】また、購入する楽曲データの選択について
は、楽曲のタイトル、演奏者、演奏時間等の付加情報
を、テキスト形式で、あるいは、画像からの選択形式
で、サーバシステムに入力し、サーバシステムにおいて
確認できるために、購入者は、簡単に目的とする楽曲デ
ータを選択し、自分の記録媒体に記録して、これを利用
することができるようにされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したサ
ーバシステムにおいては、複数種類の外部記録媒体が利
用可能とされている。例えば、MD(ミニディスク(登
録商標))と呼ばれる小型の光磁気ディスクや、いわゆ
るメモリカードなどと呼ばれる半導体素子を用いたもの
などがある。
【0008】そして、サーバシステムを通じて、例えば
MDに記録するようにして一度購入した楽曲データを、
MDの再生装置を使用しなくなるなどしたために、他の
記録媒体である例えばメモリカードに記録し直したいと
いう場合がある。この場合、著作権保護の問題、音質劣
化などの問題などにより、利用者自身が自己の記録媒体
から自己の他の記録媒体に複製することができない場合
がある。
【0009】このような場合には、サーバシステムを通
じて目的とする楽曲データを他の記録媒体(新たな記録
媒体)に記録するようにする楽曲データの再度の購入を
行なわなければならない。しかし、以前に楽曲データを
記録した記録媒体は使用することがなくなるのに、新た
な記録媒体用として再度購入代金を支払うことによっ
て、以前に購入した楽曲データと同じ楽曲データの再度
の購入を行なうようにするのは、利用者にとっては不利
益である。
【0010】また、同一記録媒体において、以前購入し
た時点での圧縮処理と比較して、音質が向上した圧縮処
理がなされ楽曲データを購入するような場合において
も、再度、購入代金を支払う必要が生じてしまう。この
場合においても、以前に購入した音質の悪い楽曲データ
は使用することがなくなるのに、再度の購入が必要にな
ってしまうのでは、利用者にとっては不利益である。
【0011】また、前述の場合だけでなく、例えば記録
媒体が不良であったために、同じ楽曲データを記録し直
したい場合など、サーバシステムを通じて楽曲データを
購入する場合には、そのサーバシステムから同じ楽曲デ
ータを複数回購入しなければならなくなる場合が種々発
生すると考えられる。
【0012】このような問題を解決する1つの方法とし
て、例えば以前購入した楽曲データの生成元(購入先)
の識別情報を記録媒体に記録しておき、元の購入先から
購入した同じ楽曲データの再度の購入に際しては、購入
価格を無料、あるいは、安価にするなどの対処をしなけ
ればならないと考えられる。しかし、既存の記録媒体に
は、楽曲データの生成元(購入先)を表す情報を記録す
る領域が用意されていない。
【0013】そこで、本願発明者は、高能率符号化装置
の形成する符号化データの同一性を利用し、記録媒体に
記録されている楽曲データの生成元が所定の配信業者で
あるか否かを判別するようにする方法、装置について先
に特許出願(特願2001−56469)している。
【0014】先の出願にかかる方法、装置は、次のこと
に着目してなされたものである。すなわち、所定の高能
率符号化装置により高能率符号化された符号化データ
(バイナリデータ)は、それがそのまま記録される場合
には変化することはない。しかし、同じ楽曲データあっ
ても、高能率符号化する高能率符号化装置が異なると、
その符号化処理タイミングなどの違いにより高能率符号
化されて形成された符号化データ(バイナリデータ)は
まったく異なったものとなる。
【0015】このことを利用し、高能率符号化された符
号化データ(バイナリデータ)同士を照合することによ
り、同じ符号化装置により同じタイミングで符号化され
たものか否かを判別し、例えば、楽曲データを配信する
サーバシステムにおいて、自システムから提供したもの
か否かを判別することが可能となる。
【0016】しかしながら、この先の出願にかかる方
法、装置の場合、例えば、購入者の記録媒体に記録する
ようにして配信した楽曲データが、同じサーバシステム
(機器)から提供したものか否かについては確実かつ簡
単に判別することができるものの、例えば、同じサーバ
システム(機器)を用いて異なる事業者が楽曲データを
配信しているような場合には、購入者の記録媒体に対し
て配信するようにされた楽曲データが、どの事業者から
の楽曲データであるかを識別できない。
【0017】この場合、同じサーバシステムは、1つの
サーバシステムを通じて複数の事業者が楽曲データを提
供している場合と、異なる事業者が同じ製造業者により
製造されたサーバシステムを用いて楽曲データの配信を
行なうようにしている場合の両方を含む。
【0018】このため、前述もしたような、記録媒体間
の楽曲データの移動や、楽曲データの圧縮処理のバージ
ョンアップなどの新たなサービスを楽曲データの提供元
である事業者毎に提供することができない。今後、楽曲
データを提供する事業者が増えることが予想され、サー
バシステムを通じて提供を受けた楽曲データがどの事業
者からのものであるかを簡単かつ確実に判別し、事業者
毎に新たなサービスの提供を可能にできるようにするこ
とが求められている。
【0019】以上のことにかんがみ、この発明は、記録
媒体に記録された楽曲データなどの符号化データが、ど
の事業者から提供されたものであるかを確実かつ簡単に
判別できるようにし、デジタル信号の提供を行なう事業
者毎に新たなサービスの提供を可能にする高能率符号化
方法、高能率符号化装置、符号化データ復号方法、符号
化データ復号装置、データ伝送方法、および、データ伝
送装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明の高能率符号化方法は、入力
デジタル信号を複数の帯域に分割して、上記分割された
各々の帯域に含まれる入力デジタル信号に対して所定の
変換を施し、少なくともビット配分情報と正規化データ
と量子化データとから構成される所定長単位の多数のブ
ロックとされる符号化データを形成する高能率符号化ス
テップと、形成される上記符号化データの各ブロック毎
に、上記所定長と、上記ビット配分情報と正規化データ
と量子化データとの合計値との差分に相当する余剰部分
の有無を判別する判別ステップと、付加情報を発生させ
る付加情報発生ステップと、上記判別ステップにて上記
余剰部分が存在すると判別された各ブロックの余剰部分
に対して、上記付加情報発生ステップにて発生させた付
加情報の一部若しくは全部を順次重畳する重畳ステップ
と、1まとまりの上記入力デジタル信号についての上記
重畳ステップまでの処理が終了した後に、1まとまりの
上記入力デジタル信号の符号化データに所定量分以上の
上記付加情報を付加できたか否かを判断する判断ステッ
プと、上記判断ステップにて1まとまりの上記入力デジ
タル信号の符号化データに所定量分以上の上記付加情報
を付加できなかったと判断した場合に、上記高能率符号
化ステップにおいて用いられる上記ブロックの大きさを
指定するパラメータを変更する変更ステップと、上記変
更ステップにて上記パラメータを変更したときに、上記
高能率符号化ステップからの処理を繰り返すように制御
する制御ステップとを有することを特徴とする。
【0021】この請求項1に記載の高能率符号化方法に
よれば、符号化データは、データ長が所定長の複数のブ
ロックにより構成するようにされたものであり、例え
ば、ブロック内のフォーマットも予め決められているも
のである。そして、符号化データの各ブロックにおい
て、符号化データが記録されていない余剰部分(未使用
ビット)の有無が判別される。余剰部分が存在するブロ
ックが検出された場合には、そのブロックの当該余剰部
分に、発生させた付加情報が重畳(付加)される。
【0022】そして、例えば、1曲分の楽曲データな
ど、1まとまりの入力デジタル信号について付加情報を
付加し終えた後に、その1まとまりの入力デジタルデー
タの符号化データに対して、所定量以上の付加情報が付
加できたか否かが判断され、付加できていないときに
は、高能率符号化時において用いられるブロックの大き
さを指定するパラメータが変更されて、再度高能率符号
化処理を行なうことによって、積極的に余剰部分が確保
するようにされて付加情報の重畳(付加)処理が再度行
なわれる。
【0023】これにより、符号化データについて、付加
情報を付加するための新たなエリアを設けることなく、
また、1ブロック当たりの符号化データ量を低下させる
ことなく、しかも符号化データに対して確実に所定量以
上の付加情報を付加して、これを提供することができる
ようにされる。そして、符号化データに付加されている
付加情報を抽出し、これを利用することができるように
される。
【0024】また、請求項2に記載の発明の高能率符号
化方法は、請求項1に記載の高能率符号化方法であっ
て、上記付加情報は、上記入力デジタル信号の生成元識
別子、上記入力デジタル信号を配信する事業者の事業者
識別子、上記入力デジタル信号を識別する識別子、上記
入力デジタル信号の著作権情報識別子、URL情報識別
子、課金情報識別子、機器情報識別子、再生回数識別子
の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記
載の高能率符号化方法。
【0025】この請求項2に記載の発明の高能率符号化
方法によれば、符号化データの各ブロックの余剰部分に
重畳される付加情報として、上述したような複数の異な
る識別子の内の少なくとも1つが確実に付加するように
される。
【0026】これにより、符号化データとされた入力デ
ジタル信号に付加さている(重畳されている)付加情報
によって、入力デジタル信号の生成元や入力デジタル信
号を配信する事業者を識別したり、入力デジタル信号は
何であるかを識別したり、入力デジタル信号の著作権者
などの著作権情報を得たり、その入力デジタル信号に関
連して使用可能なURL情報等を提供したりすることが
できる。
【0027】また、入力デジタル信号についての課金制
限などの課金情報を提供したり、入力デジタル信号の配
信や再生に用いられた機器を識別するようにしたり、入
力デジタル信号の再生可能回数や再生済み回数などを通
知するなど、符号化データとされた入力デジタル信号に
関する各種の情報を提供することが可能となる。
【0028】また、請求項3に記載の発明の高能率符号
化方法は、請求項1に記載の高能率符号化方法であっ
て、所定の上記余剰部分には、上記付加情報の重畳始点
及び/又は重畳終点を表す検出制御情報を重畳すること
を特徴とする。
【0029】この請求項3に記載の発明の高能率符号化
方法によれば、符号化データの各ブロックの余剰部分に
重畳される付加情報として、付加情報の重畳開始点、付
加情報の重畳終了点のうちの一方あるいは両方が、付加
情報に加えて符号化データの余剰部分に重畳するように
される。
【0030】これにより、付加情報の重畳開始位置や重
畳終了位置を特定することが容易にできるようにされる
ので、符号化データの余剰ビット部分に重畳されている
付加情報を迅速かつ確実に抽出し、これを利用すること
ができるようにされる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しながらこの発明
の一実施の形態について説明する。以下に説明する実施
の形態においては、デジタルコンテンツデータとして楽
曲データ(音楽データ)を配信(配給)する音楽配信シ
ステムの該当部分に、この発明を適用した場合を例にし
て説明する。 [第1の実施の形態] [音楽配信システムの概要]初めに、この第1の実施の
形態の音楽配信システムの概要について説明する。図1
は、この第1の実施の形態の音楽配信システムの概要、
および、メインサーバの構成の概要を説明するためのブ
ロック図であり、図2は、この第1の実施の形態の音楽
サーバシステムの構成の概要について説明するためのブ
ロック図である。
【0032】この第1の実施の形態の音楽配信システム
は、図1に示すように、通信ネットワークを通じて接続
された複数のメインサーバ(情報センター)10
(1)、10(2)、10(3)、…と、複数の音楽サ
ーバシステム(端末)30(1)、30(2)、…、3
0(Z)(文字Zは正の整数)とからなっている。
【0033】図1において、メインサーバ10(1)、
10(2)、10(3)、…のそれぞれは、楽曲データ
の販売権などの権利を所有し、楽曲データを販売する、
いわゆる正当な販売元(配給元)の事業者のサーバシス
テムであり、通信ネットワークを介して接続される多数
の音楽サーバシステム30(1)、30(2)、…に対
して楽曲データを提供したり、音楽サーバシステム30
(1)、30(2)、…に蓄積されている古くなった楽
曲データや人気のない楽曲データの削除を指示したりす
るなどのことができるものであり、多数の音楽サーバシ
ステム30(1)、30(2)、…を取りまとめ、管理
することができるものである。
【0034】メインサーバ10(1)、10(2)、1
0(3)、…のそれぞれは、例えば異なる事業者によっ
て管理されるが、その基本的な構成は、図1のサーバシ
ステム10(1)について示した構成を有するものであ
る。メインサーバ10(1)、10(2)、10
(3)、…のそれぞれは、効率よく楽曲データを音楽サ
ーバシステム30(1)、30(2)、…に配信するた
め、ソースデータであるオーディオPCM(Pulse
Code Modulation)信号をエンコーダ
11により高能率符号化することによりデータ圧縮し、
このデータ圧縮した楽曲データ(符号化データ)を自己
の大容量メモリであるハードディスク12に蓄積するよ
うにしている。
【0035】そして、メインサーバ10(1)、10
(2)、10(3)、…のそれぞれにおいて、制御部1
3は、必要な楽曲データをハードディスク12から読み
出し、これを通信部14を通じて、多数の音楽サーバシ
ステム30(1)、30(2)、…の中の自己が管理す
る音楽サーバシステムに送信することによって提供した
り、また、制御部13により形成する制御信号を通信部
14を通じて、自己が管理する音楽サーバシステムに送
信することによって、その音楽サーバシステムを制御し
たりすることができるようにしている。
【0036】一方、音楽サーバシステム30(1)、3
0(2)、…、30(Z)のそれぞれは、後述もするよ
うに、店頭などに設置されるものであり、多数のメイン
サーバ10(1)、10(2)、10(3)、…のうち
の自己のメインサーバから提供される楽曲データを蓄積
するハードディスクなどの大容量記憶媒体を備えたもの
である。
【0037】そして、音楽サーバシステム30(1)、
30(2)、…のそれぞれは、利用者(顧客)が課金に
応じることを条件にして、利用者からの要求に応じた楽
曲データを自己の大容量記録媒体から読み出し、これを
利用者が持ち込むMDやメモリカードなどの外部記録媒
体に記録することにより、利用者に対して楽曲データを
提供(配信)するものである。
【0038】そして、この第1の実施の形態において、
メインサーバ10(1)、10(2)、10(3)、…
のそれぞれは、前述したように、高能率符号化すること
によってデータ圧縮するようにした楽曲データに対し
て、少なくとも提供元の事業者を特定することが可能な
事業者識別子を付加情報として重畳(付加)し、この付
加情報を付加した楽曲データを音楽サーバシステムに提
供する。
【0039】この場合、メインサーバ10(1)、10
(2)、…のそれぞれは、付加情報を付加するための特
定のエリアをデータ圧縮された楽曲データ(符号化デー
タ)中に新たに設けることなく、詳しくは後述もするよ
うに、楽曲データが高能率符号化データであることを利
用して、楽曲データに付加情報を付加する。
【0040】そして、音楽サーバシステム30(1)、
30(2)、…、30(Z)を通じて、利用者の記録媒
体に記録された楽曲データを、例えば、他の記録媒体に
移動したり、記録媒体に記録さている目的とする楽曲デ
ータを、バージョンアップされた高能率符号化処理によ
り圧縮処理された楽曲データに置き換えたりするため
に、目的とする楽曲データが記録された利用者の外部記
録媒体が、音楽サーバシステムに持ち込まれた場合に、
音楽サーバシステムのそれぞれは、目的とする楽曲デー
タに付加されている付加情報である事業者識別子を抽出
する。
【0041】この抽出した付加情報を自己に楽曲データ
を提供するメインサーバに送信し、当該メインサーバに
おいて、当該音楽サーバシステム持ち込まれた外部記録
媒体に記録されている楽曲データが、自己から、すなわ
ち、当該メインサーバを通じて提供したものか否かを判
別する。
【0042】そして、音楽サーバシステムに装填された
利用者の外部記録媒体に記録されている楽曲データが、
当該メインサーバから提供されたものであると判別した
場合には、当該メインサーバが、外部記録媒体が装填さ
れた音楽サーバシステムを制御し、無料で、あるいは、
安価な金額で、楽曲データの媒体間移動や、利用者の外
部記録媒体の楽曲データをバージョンアップした楽曲デ
ータに置き換えるなどの新たなサービスを提供するよう
にしている。
【0043】すなわち、この第1の実施の形態の音楽配
信システムにおいては、音楽サーバシステムを通じて利
用者の外部記録媒体に提供した楽曲データのうち、他の
事業者のメインサーバが提供した楽曲データと、自己の
メインサーバを通じて提供した楽曲データとを確実かつ
明確に区別し、自己のメインサーバから提供した楽曲デ
ータを対象として、楽曲データの記録媒体間移動や、楽
曲データのバージョンアップなどの新規のサービスを提
供することができるようにしている。
【0044】この付加情報の抽出およびメインサーバに
おける照合について、音楽サーバシステム30(1)
と、メインサーバ10(1)との間で情報を送受する場
合を例にして説明する。音楽サーバシステム30(1)
は、図2に示すように、読み出し部1、記録部2、識別
子抽出部3、識別子送信部4、受信部5を備えたもので
あり、読み出し部1を通じて、利用者によって持ち込ま
れた外部記録媒体1Xに記録されている目的とする楽曲
データを読み出し、読み出した楽曲データを識別子抽出
部3に供給する。
【0045】識別子抽出部3は、これに供給された楽曲
データに付加されている付加情報であって、当該楽曲デ
ータの提供元である事業者を識別することが可能な事業
者識別子を抽出する。識別子抽出部3によって抽出され
た事業者識別子は、識別子送信部4を通じて、当該音楽
サーバシステムのメインサーバであるメインサーバ10
(1)に送信される。
【0046】メインサーバ10(1)は、通信部14を
通じて、音楽サーバシステム30(1)からの事業者識
別コードと、楽曲データの媒体間移動要求などのサービ
ス提供要求を受信する。受信された事業者識別子は、比
較部15に供給され、ここで事業者識別子メモリ16に
記憶されている自己の事業者識別子と比較される。この
比較部15においての比較結果が、制御部13に通知さ
れる。
【0047】制御部13は、比較部15からの比較結果
が、両識別子が一致し、音楽サーバシステム30(1)
に装填された外部記録媒体1Xに記録されている目的と
する楽曲データが、メインサーバ10(1)から提供さ
れたものであることを示すものであるときには、高能率
符号化された種々の楽曲データが記録されているハード
ディスク12から目的とする楽曲データを読み出し、こ
れを通信部14を通じて、事業者識別子の送信元である
音楽サーバシステム30(1)に送信する。
【0048】このときにメインサーバ10(1)から送
信された楽曲データ(コンテンツ)は、図2に示すよう
に、事業者識別子の送信元である音楽サーバシステム3
0(1)の受信部5により受信され、記録部2を通じて
記録媒体1X、あるいは、他の記録媒体に記録するよう
にされる。
【0049】なお、楽曲データの記録媒体間の移動の場
合には、記録媒体1Xに記録されている当該楽曲データ
は例えば記録部2の動作によって消去するようにされ
る。また、楽曲データのバージョンアップの場合には、
外部記録媒体1Xの目的とする楽曲データに、新たに提
供された楽曲データが上書きするようにされる。すなわ
ち、いずれの場合においても、外部記録媒体1Xに記録
されていた元の楽曲データは消去するようにされて以後
の使用ができないようにされる。
【0050】また、上述のしたように、楽曲データの記
録媒体間の移動や楽曲データのバージョンアップなどの
新たなサービスを提供する場合であって、課金を行なう
場合には、課金処理は、この図1に示す音楽配信システ
ムの場合には、メインサーバ側の課金処理部17により
行なうようにされる。
【0051】すなわち、事業者識別子の比較において、
識別子が一致した場合であって、新たに楽曲データを提
供する場合には、これにかかる課金金額をメインサーバ
10(1)の課金処理部17により計算し、その結果を
当該音楽サーバシステム30(1)に送信して、音楽サ
ーバシステム30(1)を通じて利用者からの入金を受
け付けたり、利用者を識別可能な情報をメインサーバ1
0(1)が有する場合には、発生した課金金額を売掛金
として計上し、後日請求して入金を受け付けたり、ある
いは、クレジットカードや銀行口座を通じて決済したり
する。すなわち、この第1の実施の形態において、実際
の課金処理(決済処理)の管理は、メインサーバ10
(1)において行なうようにされている。
【0052】なお、この第1の実施の形態の音楽配信シ
ステムの概略の説明においては、事業者識別子の一致が
見られた場合に、目的とするコンテンツデータである楽
曲データをメインサーバから音楽サーバシステムに提供
するものとして説明したが、メインサーバが音楽サーバ
システムを制御するようにして、音楽サーバシステムが
備える大容量メモリに記憶されている楽曲データを提供
するようにすることも可能である。
【0053】なお、異なる事業者が運営するメインサー
バ10(1)、10(2)、…のそれぞれは、自己との
み接続可能な専用の音楽サーバシステムを通じて、ある
いは、各地に配置される音楽サーバシステムであって、
各事業者によって共用される音楽サーバシステムを通じ
て、楽曲データを顧客に提供(配信)することができ
る。
【0054】これに応じて、各音楽サーバシステム30
(1)、30(2)、…、30(Z)のそれぞれは、特
定のメインサーバからのみ楽曲データの提供を受けるよ
うに構成することもできるし、あるいは、複数の事業者
のメインサーバシステムから楽曲データの提供を受ける
ように構成することもできる。
【0055】しかし、以下においては、説明を簡単にす
るため、音楽サーバシステム30(1)、30(2)、
…、30(Z)のそれぞれは、予め決められた特定のメ
インサーバからのみ楽曲データの提供を受け、また、制
御を受けるものとして説明する。
【0056】[デジタルオーディオデータの高能率符号
化方式について]次に、図1に示したメインサーバ10
(1)、10(2)、10(3)、…のエンコーダ11
において用いられる高能率符号化方式の具体例について
説明し、これをふまえて、高能率符号化されて形成され
る符号化データ(データ圧縮された楽曲データ)への付
加情報の付加処理について説明する。
【0057】なお、この明細書においては、音楽用とし
て広く普及しているMDに記録されるデジタルオーディ
オデータについて用いられるATRAC(Adapti
veTransform Acoustic Codi
ng)方式の高能率符号化方式を用いる場合を例にして
説明する。
【0058】図3は、デジタルオーディオデータについ
てATRAC方式の高能率符号化を行なう高能率符号化
装置の一例を説明するためのブロック図である。図3に
示す高能率符号化装置120は、図1に示したエンコー
ダ11部分に搭載されるものである。
【0059】そして、図3に示す高能率符号化装置12
0では、入力デジタルオーディオ信号を複数の周波数帯
域に分割すると共に、各周波数帯域毎に直交変換を行っ
て、得られた周波数軸のスペクトルデータを、低域で
は、後述する人間の聴覚特性を考慮したいわゆる臨界帯
域幅(クリティカルバンド)毎に、中高域ではブロック
フローティグ効率を考慮して臨界帯域幅を細分化した帯
域毎に、適応的にビット割当して符号化している。
【0060】通常、このビット割り当てを行なうブロッ
クが量子化雑音発生ブロックとなる。さらに、この実施
の形態の高能率符号化装置120においては、直交変換
の前の入力信号に応じて、ビット割り当てを行なうブロ
ックサイズ(ブロック長)を適応的に変化させている。
【0061】即ち、図3において、入力端子100に
は、例えばサンプリング周波数が44.1kHzの時、
0〜22kHzのデジタルオーディオデータ(オーディ
オPCM信号)が供給される。この入力信号は、例えば
いわゆるQMF(Quadrature Mirror
Filter)等の帯域分割フィルタ101により0
〜11kHz帯域と11kHz〜22kHz帯域との信
号に分割され、0〜11kHz帯域の信号は同じくQM
F等の帯域分割フィルタ102により0〜5.5kHz
帯域と5.5kHz〜11kHz帯域との信号に分割さ
れる。
【0062】帯域分割フィルタ101からの11kHz
〜22kHz帯域の信号は、直交変換回路の一例である
MDCT(Modified Discrete Co
sine Transform)回路103に供給され
ると共に、ブロック決定回路109、110、111に
供給される。
【0063】また、帯域分割フィルタ102からの5.
5kHz〜11kHz帯域の信号はMDCT回路104
に供給されると共に、ブロック決定回路109、11
0、111に供給される。また、帯域分割フィルタ10
2からの0〜5.5kHz帯域信号はMDCT回路10
5に供給されると共に、ブロック決定回路109、11
0、111に供給される。
【0064】ブロック決定回路109は、これに供給さ
れる信号に基づいてブロックサイズを決定し、決定した
ブロックサイズを示す情報をMDCT回路103、適応
ビット割り当て符号化回路106、ビット割当算出回路
118および出力端子113に供給する。
【0065】同様に、ブロック決定回路110は、これ
に供給される信号に基づいてブロックサイズを決定し、
決定したブロックサイズを示す情報をMDCT回路10
4、適応ビット割り当て符号化回路107、ビット割当
算出回路118および出力端子115に供給する。
【0066】また、ブロック決定回路111は、これに
供給される信号に基づいてブロックサイズを決定し、決
定したブロックサイズを示す情報をMDCT回路10
5、適応ビット割り当て符号化回路108、ビット割当
算出回路118および出力端子117に供給する。
【0067】各ブロック決定回路109、110、11
1は、これに供給される信号の時間特性、周波数分布に
応じて適応的にブロックサイズ(ブロック長)を設定す
る。また、MDCT回路103、104、105のそれ
ぞれは、これに対応するブロック決定回路109、11
0、111から供給されるブロックサイズの下で、QM
F101、または、QMF102から供給される信号に
対してMDCT処理を施す。
【0068】図4は、MDCT回路103、104、1
05に供給される各帯域毎のブロックについての標準的
な入力信号に対する具体例を説明するための図である。
この図4に示す例においては、3つのフィルタ出力信
号、すなわち、QMF101からの11kHz〜22k
Hzの信号、QMF102からの5.5kHz〜11k
Hzの信号、0kHz〜5.5kHzの信号は、各帯域
毎に独立におのおの複数の直交変換ブロックサイズを持
ち、信号の時間特性、周波数分布等により時間分解能を
切り換えられるようにしている。
【0069】すなわち、直交変換の対象となる信号が時
間的に変化が激しくない準定常的な信号である場合に
は、直交変換ブロックサイズを11.6mS、即ち、図
4における(A)Long Modeと大きくする。ま
た、信号が時間的に変化の激しい非定常的な信号である
場合には、直交変換ブロックサイズを更に2分割、4分
割とする。
【0070】したがって、信号が非定常的である場合に
は、図4における(B)ShortModeのように、
すべてを4分割、2.9mSとしたり、あるいは、図4
における(C)Middle Mode A、(D)M
iddle Mode Bのように、一部を2分割、
5.8mS、1部を4分割、2.9mSの時間分解能と
することで、実際の複雑な入力信号に適応するようにな
っている。この直交変換ブロックサイズの分割は処理装
置の規模が許せば、さらに複雑な分割を行なうと、より
効果的である。
【0071】そして、図3において、各MDCT回路1
03、104、105にてMDCT処理されて得られた
周波数軸上のスペクトルデータ又はMDCT係数データ
は、低域はいわゆる臨界帯域(クリティカルバンド)毎
にまとめられて、中高域はブロックフローティングの有
効性を考慮して、臨界帯域幅を細分化して適応ビット割
当符号化回路106、107、108、及びビット割り
当て算出回路118に供給される。
【0072】ここで、臨界帯域とは、人間の聴覚特性を
考慮して分割された周波数帯域であり、ある純音の周波
数近傍の同じ強さの狭帯域バンドノイズによって当該純
音がマスクされるときのそのノイズの持つ帯域のことで
ある。この臨界帯域は、高域ほど帯域幅が広くなってお
り、上記0〜22kHzの全周波数帯域は例えば25の
クリティカルバンドに分割されている。
【0073】図3において、ビット割当算出回路118
は、前述のブロックサイズを示す情報、および、スペク
トルデータ又はMDCT係数データに基づき、いわゆる
マスキング効果等を考慮して、前述の臨界帯域及びブロ
ックフローティングを考慮した各分割帯域毎の、マスキ
ング量、及び、各分割帯域毎のエネルギあるいはピーク
値等を算出し、その結果に基づき、各帯域毎に割当ビッ
ト数を求め、図3における適応ビット割当符号化回路1
06、107、108へ供給する。
【0074】適応ビット割当符号化回路106、10
7、108では、前述のブロックサイズを示す情報、及
び、臨界帯域及びブロックフローティングを考慮した各
分割帯域毎に割り当てられたビット数に応じて、各スペ
クトルデータ又はMDCT係数データを再量子化(正規
化して量子化)するようにしている。
【0075】このようにして符号化されたデータ(量子
化データ)は、図3において、出力端子112、11
4、116を介して出力され、例えば、記録媒体に対し
て記録を行なう処理系に供給されたり、メインサーバ1
0から音楽サーバシステム30に対してデジタルオーデ
ィオデータを送信するための処理系に供給されたりする
ことになる。なお、以下の説明においては、ビット割当
の単位となる、臨海帯域およびブロックフローティング
を考慮した各分割帯域を単位ブロックと言う。
【0076】図3におけるビット割り当て算出回路11
8では、スペクトルデータ又はMDCT係数を基に、ト
ーン成分等の状態を分析すると共に、いわゆるマスキン
グ効果や、人間の聴覚に関する最小可聴カーブ、等ラウ
ドネスカーブなどの既存の効果を考慮し、単位ブロック
毎のビット割り当て量を算出して、情報配分を決定して
いる。この際、前述したブロックサイズを示す情報につ
いても考慮するようにしている。
【0077】また、ビット割り当て算出回路118で
は、単位ブロックのブロックフローティングの状態を示
す正規化データであるスケールファクタ値についても決
定する。具体的には、例えば予めスケールファクタ値の
候補として幾つかの正の値を用意し、その中から単位ブ
ロック内のスペクトルデータ又はMDCT係数の絶対値
の最大値以上の値をとる中で、最小のものを当該単位ブ
ロックのスケールファクタ値として採用する。
【0078】スケールファクタ値については、実際の値
と対応した形で、数ビットを用いて番号付けを行ない、
その番号をROM等(図示せず)により記憶させておけ
ばよい。番号に対応したスケールファクタ値について
は、番号順に例えば2dBの間隔で値を持つように規定
しておく。ここで、ある単位ブロックにおいて前述した
方法で決定されたスケールファクタ値は、決定された値
に対応する番号を当該単位ブロックのスケールファクタ
を示すサブ情報として使用する。
【0079】[デジタルオーディオデータの高能率符号
化フォーマット]次に、実際に符号化が行なわれた後の
デジタルオーディオデータのフォーマットである符号化
フォーマットについて図5を参照しながら説明する。図
5おいて左側および右側に示した数値はバイト数を表し
ており、この実施の形態においては、212バイトを1
フレーム(1サウンドフレーム)の単位としている。
【0080】図5において、一番先頭に位置する0バイ
ト目の位置には、図3におけるブロック決定回路10
9、110、111において決定された各帯域のブロッ
クサイズ情報を記録する。
【0081】次の1バイト目の位置には、記録する単位
ブロックの個数の情報を記録する。これは例えば一連の
ビット割当算出回路により高域側になる程、ビット割当
が0となり記録が不必要な場合が多いため、これに対応
するように単位ブロックの記録個数を設定することによ
り、聴感上の影響が大きい中低域に多くのビットを配分
するようにしている。
【0082】また、この1バイト目の位置にはビット割
当情報の二重書きを行なっている単位ブロックの個数、
および、スケールファクタ情報の二重書きを行なってい
る単位ブロックの個数を記録する。ここで二重書きは、
エラー訂正用に、あるバイト位置に記録されたデータと
同一のデータを他の場所に記録するものである。この二
重書き情報を多くすればするほど、エラーに対する強度
が上がるが、この情報を少なくすれば、実際のデジタル
オーディオデータであるスペクトラムデータに使用でき
るビットが多くなる。
【0083】この実施の形態においては、前述したビッ
ト割当情報、および、スケールファクタ情報のそれぞれ
について独立に、二重書きを行なっている単位ブロック
の個数を設定し、エラーに対する強度と、スペクトラム
データへの使用可能ビット数の調整を行なうようにして
いる。なお、それぞれの情報について、規定されたビッ
ト内でのコードと単位ブロックの個数の対応は、予めフ
ォーマットとして定めている。
【0084】図5の1バイト目の位置の8ビットに記録
される情報の内容の一例を図6に示す。図6に示すよう
に、この1バイトの位置の8ビットのうち3ビットを実
際に記録される単位ブロックの個数の情報とし、残り5
ビット中の2ビットをビット割当情報の2重書きを行な
っている単位ブロックの個数の情報とし、残り3ビット
をスケールファクタ情報の2重書きを行なっている単位
ブロックの個数を示す情報としてそのそれぞれが記録さ
れる。
【0085】図5の2バイト目からの位置には単位ブロ
ックのビット割当情報が記録される。ビット割当情報の
記録については一つの単位ブロックに対して例えば4ビ
ット使用することをフォーマットとして定めておく。こ
れにより0番目の単位ブロックより順番に、前述した図
5の実際に記録される単位ブロックの個数分のビット割
当情報が記録されることになる。
【0086】このようにして記録されたビット割当情報
のデータの後に、単位ブロックのスケールファクタ情報
を記録している。スケールファクタ情報の記録について
は1つの単位ブロックに対して例えば6ビット使用する
ことをフォーマットとして定めておく。これにより、ビ
ット割当情報の記録と全く同様に、0番目の単位ブロッ
クより順番に、実際に記録される単位ブロックの個数分
だけスケールファクタ情報が記録されることになる。
【0087】そして、スケールファクタ情報の後に、単
位ブロックのスペクトラムデータ(量子化データ)が記
録される。スペクトラムデータについても、0番目の単
位ブロックより順番に、実際に記録される単位ブロック
の個数分だけ記録するようにする。各単位ブロック毎に
何本のスペクトラムデータが存在するかは、あらかじめ
フォーマットで定められているので、前述したビット割
当情報によりデータの対応をとることが可能となる。な
お、ビット割当が0の単位ブロックについては、記録を
行なわないようにしている。
【0088】このスペクトラム情報の後に前述したスケ
ールファクタ情報の二重書き、および、ビット割当情報
の二重書きを行なう。この記録方法については、個数の
対応を図6で示した二重書きの情報に対応させるだけ
で、その他については上述のスケールファクタ情報、お
よび、ビット割当情報の記録と同様である。
【0089】一番後ろの2バイト分については、図5に
示したように0バイト目と1バイト目の情報をそれぞれ
2重書きしている。この2バイト分の2重書きはフォー
マットとして定めておき、スケールファクタ情報の二重
書きや、ビット割当情報の二重書きのように二重書き記
録量の可変の設定は出来ない。
【0090】すなわち、図3におけるビット割当算出回
路118では、メイン情報として直交変換出力スペクト
ルをサブ情報により処理したデ−タと、サブ情報として
ブロックフロ−ティングの状態を示すスケ−ルファクタ
−および語長を示すワ−ドレングスが得られ、これを基
に、図3における、適応ビット割当符号化回路106、
107、108において、実際に再量子化を行ない、符
号化フォーマットに則した形で符号化する。
【0091】この実施の形態において、高能率符号化さ
れたデジタルデータは、図5を用いて説明した符号化フ
ォーマットで音楽サーバシステムに提供され、音楽サー
バシステムに蓄積され、利用者からの要求に応じて、利
用者が持ち込んだMDなどの外部記録媒体に記録される
ことになる。
【0092】[高能率符号化されたデジタルオーディオ
データの復号化処理について]次に、前述のようにして
高能率符号化されたデジタルオーディオデータの復号化
処理について説明する。図7は、図3を用いて前述した
高能率符号化装置120で高能率符号化されたデジタル
オーディオデータを復号化する復号化回路を説明するた
めのブロック図である。この復号化回路は、音楽サーバ
システム30(1)、30(2)、…や、MDプレーヤ
などの高能率符号化データの再生装置などに搭載される
ものである。
【0093】各帯域の量子化されたMDCT係数、すな
わち、図3における出力端子112、114、116の
出力信号と等価のデータ(スペクトラムデータ)は、図
7に示すように、復号回路入力端子707を通じて適応
ビット割当復号化回路706に供給される。また、使用
されたブロックサイズ情報、すなわち、図3における出
力端子113、115、117の出力信号と等価のデー
タは、図7に示すように、入力端子708を通じて、逆
直交変換(IMDCT)回路703、704、705に
供給される。
【0094】適応ビット割当復号化回路706では、こ
れに供給されたスペクトラムデータは、ここで適応ビッ
ト割当情報が用いられてビット割当が解除され、高帯
域、中帯域、低帯域の各スペクトラムデータが対応する
逆直交変換回路703、704、705に供給される。
逆直交変換回路703、704、705では、周波数軸
上の信号であるスペクトラムデータを逆直交変換処理す
ることによって、時間軸上の信号に変換する。
【0095】各帯域の時間軸上信号は、図7に示すよう
に、帯域合成フィルタ(IQMF)回路702、701
に供給される。帯域合成フィルタ回路702、701
は、これに供給された時間軸上信号を合成して、全帯域
信号のデジタルオーディオデータに復号化する。
【0096】このように、高能率符号化されたデジタル
オーディオデータは、ビット割当て復号化、逆直交変
換、帯域合成の各段階をへて、復号化され高能率符号化
前のデジタルオーディオデータに復号するようにされ
る。そして、復号化されたオーディオデータが再生処理
され聴取することが可能となる。
【0097】また、前述もしたように、MDを記録媒体
として用いるMDの記録再生装置においても、オーディ
オデータの高能率符号化、および、高能率符号化された
オーディオデータの復号化は、同様にして行われること
になる。
【0098】[符号化データへの付加情報の具体的な付
加方法について]次に、ATRAC方式の高能率符号化
されることにより、図5に示したフォーマットの符号化
データとされる楽曲データに対して、事業者識別コード
などの付加情報を付加する具体的方法について説明す
る。この方法は、符号化データは、図5に示した所定の
フォーマットのデータとなることに着目して実現した方
法である。
【0099】図5を用いて前述したように、符号化デー
タの最少単位となる1フレーム分のデータの大きさは、
212バイト、すなわち1696ビット分となるが、フ
レームによっては、実際の符号化、および、復号化では
使用されないビット分(以下、符号化未使用ビットとい
う。)が生じる可能性がある。この符号化未使用ビット
に付加情報を埋め込むようにする。
【0100】まず、符号化未使用ビットが発生する過程
を、ビット割当情報と、スケールファクタ情報の2重書
きが行なわれない場合を例にとって説明する。符号化に
際して定常的に生成される部分としては、図5に示した
1フレーム分の符号化データにおけるブロックサイズモ
ード情報(0バイト目)と、単位ブロックの記録数およ
び2重書き情報(1バイト目)と、これらの情報それぞ
れの2重書き情報(210バイト目、211バイト目)
があり、この部分に当たる0バイト目、1バイト目、2
10バイト目、および211バイト目の合計4バイト
分、すなわち32ビット分は必ず使用されることとな
る。
【0101】前述もしたように、図6に示した情報が図
5示した1フレーム分の符号化データの1バイト目に記
録されているが、ここに記されている情報によって示さ
れる単位ブロックの個数をM個とする。
【0102】このとき、ビット割当情報に使用されるビ
ット数は、一つの単位ブロックに使用するビット数が4
ビットであるため、4×Mビットとなる。なお、この明
細書において、記号×は、乗算記号として用いている。
同様に、スケールファクタ情報のために使用されるビッ
ト数は、一つの単位ブロックに対して使用するビット数
が6ビットであるため、6×Mビットとなる。
【0103】次にスペクトラムデータのために使用され
るビット数であるが、k番目の単位ブロックのスペクト
ラムデータの本数をSPkとし、k番目の単位ブロック
のビット割当数をWLkとしたときに、スペクトラムデ
ータのために使用される総ビット数SPsumは、図8
Aに示す(1)式によって求めることができる。
【0104】そして、1サウンドフレーム分にまとめら
れるオーディオPCMデータを符号化した場合におい
て、符号化に使用する実際のビット数の合計をBsum
とした場合、Bsumは前述した各情報のために必要と
なるビット数に基づき、図8Bに示す(2)式によって
求めることができる。
【0105】単位ブロックの個数Mや、k番目の単位ブ
ロックのビット割当数WLkはフレーム毎に算出される
ものであり、k番目の単位ブロックのスペクトラムデー
タの本数SPkも単位ブロックの番号により値が異なる
ため、前述した符号化に使用する実際のビット数の合計
Bsumは、1フレームの大きさである1696ビット
に必ずしも一致はしない。このとき発生する余り分が符
号化未使用ビットとなり、その値をREMとすると、符
号化未使用ビットREMは、図8Cに示す(3)式によ
って求めることができる。
【0106】図9は、符号化未使用ビットREMが、1
フレームの符号化データ内において、どのような形で存
在するかを説明するための図である。図9に示すよう
に、符号化未使用ビットREMは、スペクトラムデータ
を記録する領域の最後尾部分に発生する。
【0107】一般には、図3に示した高能率符号化装置
120におけるビット割当算出回路118により、可能
な限りビットを単位ブロックに割り当てていくため、符
号化未使用ビットREMの値は、フォーマットにより示
されるk番目の単位ブロックのスペクトラムデータの本
数SPkの最小値未満となる場合が多い。このことか
ら、単位ブロックのスペクトラムデータの本数SPkの
最小値が8以下である場合には、符号化未使用ビットR
EMは、図9に示したように、1フレーム分の符号化デ
ータの209バイト目の後方部分に出現する可能性が高
くなる。
【0108】そして、各フレームにおいて、符号化未使
用ビットREMが発生した場合には、その部分に事業者
識別子(事業者コード)などの付加情報を埋め込むよう
にして付加する。したがって、付加情報を付加するため
に、符号化データに新たなエリアを設けることなく、も
ともとのフォーマットにおいて確保されている領域内の
未使用部分(余剰ビット)に付加情報を付加するので、
符号化データの絶対量を変えることなく、符号化データ
に付加情報を付加することが可能となる。
【0109】そして、前述もしたように、符号化データ
への付加情報の付加は、例えば、メインサーバ10側に
おいて、高能率符号化処理の直後において行なわれるよ
うにされる。図10は、符号化データに対して、付加情
報書き込み装置130により付加情報を付加する場合に
ついて説明するための図である。
【0110】図10において、高能率符号化装置(高能
率符号化エンコーダ)120は、図3にその構成を示し
て前述したものである。この高能率符号化装置120の
後段に、図10に示すように、付加情報書き込み装置1
30が設けられる。すなわち、この第1の実施の形態に
おいて、図1に示したメインサーバ10(1)のエンコ
ーダ11の構成が、図10に示すものとなる。
【0111】そして、図3を用いて説明したように、高
能率符号化装置120の出力端子112〜117通じて
出力されるデータが、図5に示した1フレーム分の情報
となって付加情報書き込み装置130に供給される。
【0112】また、図3に示した構成を有する高能率符
号化装置120のビット割当算出回路118において
は、これに供給される種々の情報を用い、図8A、図8
B、図8Cに示した数式に応じた演算を行なって、符号
化されて形成された符号化データの各フレームの符号化
未使用ビットREMを検出する。この符号化未使用ビッ
トREMを示す情報は、図3に示したように、出力端子
119を通じて出力され、後段の付加情報書き込み装置
部130に供給される。
【0113】図10における付加情報書き込み装置13
0では、高能率符号化装置120からの符号化未使用ビ
ットREMを示す情報に基づいて、自己に供給されるス
ペクトラムデータの各フレームのうち、符号化未使用ビ
ットREMが発生しているフレームを判別する。そし
て、符号化未使用ビットが発生しているフレームの符号
化未使用ビット部分に、符号化未使用ビット数に応じ
て、付加情報を書き込むことにより付加情報を付加す
る。
【0114】図11は、図10に示した付加情報書き込
み装置130において行なわれる付加情報の書き込みイ
メージについて説明するための図である。図11におい
ては、「1011」なる4ビットの付加情報を符号化デ
ータのn番目以降のフレームに下位ビットから順に格納
する場合の例を示している。
【0115】図11に示すように、高能率符号化装置1
20からの符号化未使用ビットREMの値が、n番目の
フレームから順番に、1、0、2、0、1であり、n番
目のフレームと、n+2番目のフレームと、n+4番目
のフレームとに符号化未使用ビットが発生しているとす
る。
【0116】この場合、まずn番目のフレームでは、図
3におけるビット割当算出回路118により符号化未使
用ビットREMの値が1であると算出され、これが付加
情報書き込み装置130に供給されるので、付加情報書
き込み装置130は、その符号化未使用ビットREMに
基づいて、当該n番目のフレームの符号化未使用ビット
部分に付加情報の下位1ビットを記録する。
【0117】n+1番目のフレームでは、図3における
ビット割当算出回路118により符号化未使用ビットR
EMの値が0であると算出されるため、付加情報書き込
み装置130においては、付加情報の記録は行なわな
い。同様にして、n+2番目のフレームの場合には、高
能率符号化装置のビット割当算出回路118からの符号
化未使用ビットREMの値が2であるので、付加情報書
き込み装置130は、n+2番目のフレームの符号化未
使用ビットに2ビット分の付加情報を記録する。
【0118】さらに、n+3番目のフレームでは、図3
におけるビット割当算出回路118により符号化未使用
ビットREMの値が0であると算出されるため、付加情
報書き込み装置130においては、付加情報の記録は行
なわない。そして、n+4番目のフレームの場合には、
高能率符号化装置のビット割当算出回路118からの符
号化未使用ビットREMの値が1であるので、付加情報
書き込み装置130は、n+4番目のフレームの符号化
未使用ビットに1ビット分の付加情報を記録する。
【0119】これにより、5フレームのうちの符号化未
使用ビットが発生している3フレームに付加情報を書き
込むことによって、4ビットの付加情報を符号化データ
に付加するようにすることができる。ここでは4ビット
の付加情報を付加する場合の例を示したが、フレーム数
に応じて更に多くの付加情報ビットを付加するようにす
ることが可能である。また、何番目以降のフレームから
付加情報を記録するかということを定めておけば、作成
した一連のフレームからこの付加情報の取り出しが可能
である。
【0120】[エンコーダ11においての処理につい
て]次に、図10に示した高能率符号化装置120、お
よび、付加情報書き込み装置130の動作について、図
12のフローチャートを用いて更に詳しく説明する。図
12に示すフローチャートにおいて、変数iは、フレー
ム番号を示すカウンタ値であり、また、変数w_don
eは付加情報を書き込む上で、何ビット分を書き込んだ
かを示す値、すなわち記録済み付加情報ビット数を示す
ものである。また、符号化未使用ビットREM(i)に
ついては、i番目のフレームの符号化未使用ビットRE
Mの値を示すものである。
【0121】図12に示す処理は、オーディオPCMデ
ータの高能率符号化処理が開始された場合に高能率符号
化装置120、付加情報書き込み装置130において開
始される。まず、付加情報書き込み装置130において
は、変数iを0に初期化し(ステップS101)、変数
w_doneを0に初期化する(ステップS102)。
【0122】次に、高能率符号化装置120において、
符号化するオーディオPCMデータがまだあるか否かを
判断する(ステップS103)。このステップS103
においては、例えば、オーディオPCMデータを512
サンプルづつ処理していくような場合、ソースとなるオ
ーディオPCMファイルのサンプル数をいくつ処理した
かを監視し、高能率符号化処理の対象となっているオー
ディオPCMデータの全部を処理し終えたか否かを判断
する処理である。
【0123】ステップS103の判断処理において、高
能率符号化処理の対象となっているオーディオPCMデ
ータの全部を処理し終えたと判断した場合には、図12
に示す処理は終了する。ステップS103の判断処理に
おいて、高能率符号化処理の対象となっているオーディ
オPCMデータの全部を処理し終えていないと判断した
ときには、高能率符号化装置120において、オーディ
オPCMデータの高能率符号化処理を実行する(ステッ
プS104)。
【0124】このステップS104において実行される
高能率符号化処理においては、高能率符号化装置120
において、図5に示した符号化データを形成すると共
に、フレーム毎の符号化未使用ビットREM(i)を算
出する。この後に、例えば、付加情報書き込み装置13
0において、変数iは、予め決められた初期移動量より
大きいか否かを判断する(ステップS105)。ここ
で、初期移動量は、前述もしたように、付加情報を記録
する際に、予め定めておく値であって、何番目以降のフ
レームに付加情報を記録していくか(付加していくか)
を決定する量である。
【0125】ステップS105の判断処理において、指
示されたフレームにまで到達していないと判断したとき
には、変数iをカウントアップし(ステップS11
1)、この後に、ステップS103からの処理を繰り返
す。なお、ステップS111においての変数iのカウン
トアップは、フレーム数のカウントアップを意味する。
また、図12において、ステップS111のi++の表
記は、変数iをカウントアップすることを意味するもの
である。
【0126】ステップS105の判断処理において、指
示されたフレームに到達したと判断したときには、書き
込みデータ(付加情報)のビット長が、変数w_don
eより大きいか否かを判断する(ステップS106)。
このステップS106の判断処理は、付加情報の全部を
付加し終えたか否かを判断する処理であり、厳密に言え
ば、付加情報を現在何ビット分記録したかを判断する処
理である。
【0127】ステップS106の判断処理において、付
加情報の全部を付加し終えたと判断した場合、すなわ
ち、書き込みデータのビット長が、変数w_doneよ
り大きくないと判断した場合には、既に付加情報を書き
込みきったこととなり、ステップS111の処理に進
み、変数iをカウントアップした後に、ステップS10
3からの処理を繰り返す。
【0128】なお、図12においては、その都度このス
テップS106の判断処理を通る形となっているが、ス
テップS106において、一度Noと判断した場合、す
なわち、付加情報の全部を付加し終えたと判断した場合
には、フラグを立て、以後書き込みに関する行程である
ステップS107以降の処理に入らないようにする構成
とすることも可能である。
【0129】ステップS106の判断処理において、付
加情報の全部を付加し終えていないと判断した場合、す
なわち、書き込みデータのビット長が、変数w_don
eより大きいと判断した場合には、符号化未使用ビット
REM(i)が0より大きいか否かを判断する(ステッ
プS107)。このステップS107の判断処理は、図
9を用いて前述したように、符号化未使用ビットが、実
際に発生しているか否かを判断するものである。
【0130】ステップS107の判断処理において、符
号化未使用ビットREM(i)が0である、すなわち、
符号化未使用ビットが発生していないと判断したときに
は、付加情報を書き込むことはできないため、ステップ
S111の処理に進み、変数iをカウントアップした後
に、ステップS103からの処理を繰り返す。
【0131】また、ステップS107の判断処理におい
て、符号化未使用ビットREM(i)が0ではない、す
なわち、符号化未使用ビットが発生していると判断した
ときには、付加情報の下位のREM(i)分のデータを
高能率符号化装置120から供給される符号化データの
該当フレームの符号化未使用ビット部分に書き込む(ス
テップS108)。
【0132】そして、書き込み後の付加情報の書き込み
データを下位方向にREM(i)分シフト操作する(ス
テップS109)。すなわち、書き込み済み付加情報を
書き込まないようにする処理を行なう。この図12に示
す例においては、ステップS108と、ステップS10
9との処理により、常に下位のビットから符号化データ
の符号化未使用ビット部分に書き込む形となっている
が、整合さえとれていれば、この書き込み方法について
は任意性があることは明白である。
【0133】この後、処理を行なったビット数として変
数w_doneに符号化未使用ビットREM(i)を加
算し(ステップS110)、変数iをカウントアップし
て(ステップS111)、ステップS103からの処理
を繰り返す。このようにして、高能率符号化装置120
により高能率符号化されて形成された符号化データに対
して、付加情報書き込み装置130により付加情報が付
加される。
【0134】この付加情報は、前述もしたように、当該
符号化データの提供元である事業者の識別子(識別コー
ド)や楽曲データである符号化データの識別子(楽曲識
別子)などであり、符号化データに付加されている付加
情報を検出することにより、その符号化データの提供元
の事業者がどこで、どの楽曲データであるかを確実に判
別することができるようになる。
【0135】なお、図12に示した方法では、付加情報
を符号化データに対して一度しか記録しない形となって
いるが、例えば一度付加情報をすべて記録した後に、再
度同一の付加情報、又は、別の付加情報を、同一の方法
で記録するようにしても良い。この場合は、例えば記録
を開始したフレーム番号となるiと、付加情報の種類を
いわゆるログの様な形で出力させ、何番目以降のフレー
ムに何ビット分の付加情報が記録されているかを示すテ
ーブルファイルを出力するようにしてもよい。
【0136】この場合のテーブルファイルの情報を、音
楽サーバシステム30側において、配信事業を行なう際
のデータベース情報の検出フレームとして管理すれば、
付加情報の検出に利用可能となる。
【0137】この記説明してきた方法を用いることで、
符号化データの中に付加情報を記録することが可能とな
る。記録された付加情報の抽出については、先に説明し
た、予め決められた初期移動量や音楽サーバシステム3
0(1)、30(2)、…が備えるデータベースに記録
した検出フレーム番号等を用いて、開始レームを特定
し、この開始フレームより、前述した符号化未使用ビッ
トREMの算出方法を用いることによって、付加情報を
順次出して行くことが可能となる。
【0138】なお、付加情報は、先に説明した通り符号
化未使用ビットに付加するようにしているので、図7で
説明した復号化装置で復号を行なって生成されるオーデ
ィオPCMデータには何ら影響を及ぼさない。
【0139】また、楽曲データである符号化データに付
加する付加情報は、当該符号化データの提供元を示す事
業者識別子、当該符号化データの生成元を示す生成者識
別子、個々の符号化データを識別するための符号化デー
タ識別子(楽曲識別子)などの必要となる各種の情報を
付加することができる。
【0140】このように複数種類の付加情報を付加する
場合には、それらの付加情報の桁数が予め分かっていれ
ば、桁数によって分離することができるし、また、分離
位置に特定のコード、例えば、数桁分がすべて「1」と
なる分離コードなどを付加するようにすればよい。
【0141】[メインサーバの具体例について]次に、
配信業者側のデータベースサーバに相当する図1におけ
るメインサーバ10(1)、10(2)、10(3)、
…の具体例をメインサーバ10として説明する。図13
は、メインサーバ10を説明するためのブロック図であ
る。図13に示すように、メインサーバ10は、エンコ
ーダ80、メインコントローラ81、ハードディスク8
2、表示部83、操作部84、課金処理部85、通信部
86、デコーダ87、再生処理部88を備えたものであ
る。
【0142】図13において、エンコーダ80は、図1
に示したメインサーバ10(1)のエンコーダ11に相
当し、図10に示したように、高能率符号化装置120
と、付加情報書き込み装置130とからなるものであ
る。高能率符号化装置120は、図3に示した構成を有
するものであり、この高能率符号化装置120と付加情
報書き込み装置130とが協働し、メインコントローラ
81の制御のもと、図12に示した処理を行なうことに
よって、オーディオPCM信号を高能率符号化し、高能
率符号化して形成した符号化データに事業者識別子など
の付加情報を付加するものである。
【0143】エンコーダ80において、高能率符号化さ
れると共に、付加情報が付加された楽曲データは、ハー
ドディスク82に蓄積される。このハードディスク82
は、図1に示したサーバ装置10(1)のハードディス
ク12に相当するものである。また、図13において、
メインコントローラ81は、この実施の形態のメインサ
ーバ10の各部を制御するものであり、図1に示したメ
インサーバ装置10(1)の制御部13に相当する。
【0144】なお、この図13に示すメインサーバ10
は、図1に示したメインサーバ10(1)などの機能を
すべて踏襲するものであり、図1における事業者識別子
の比較部15の機能は、図13に示すメインサーバ10
のメインコントローラ81において、例えばソフトウエ
アによって実現することができるようにしている。この
場合、メインサーバ10自身の事業者識別子は、メイン
コントローラ81が有するROMやEEPROMなどの
不揮発性メモリやハードディスク82などに記憶保持さ
れ、必要に応じて読み出して用いることができるように
している。
【0145】また、通信部86は、図1に示したメイン
サーバ10(1)の通信部(送受信部)14に相当する
ものである。そして、図13に示すメインサーバ10の
通信部86は、図13に示すように、各音楽サーバシス
テム30(1)、30(2)、…との間に通信回線を接
続し、楽曲データや種々の付随情報、制御情報、課金情
報等のやり取りを行なうことができるようにしている。
【0146】また、課金処理部85は、図1に示したメ
インサーバ10(1)の課金処理部17に相当するもの
であり、通信部86を通じて受信する音楽サーバシステ
ムからの課金情報を処理する部分である。また、図13
に示すように、この例のメインサーバ10は、ガイダン
ス表示や警告表示など各種の表示情報を表示する表示部
83と、使用者からの各種の操作入力を受け付けるキー
操作部84とを備えている。
【0147】さらに、図13に示すメインサーバ10
は、ハードディスク82に記録されている楽曲データを
再生して試聴することをできるようにするために、デコ
ーダ87、再生処理部88をも備えたものである。な
お、デコーダ87は、図7を用いて前述した復号化回路
の構成を有するものである。
【0148】そして、前述もしたように、この図13に
示すメインサーバ10において、オーディオPCM信号
は、エンコーダ80によってエンコードされ、付加情報
が付加されて、ハードディスクディスク82に蓄積され
ることになる。高能率符号化装置(高能率符号化エンコ
ーダ)を実現する方法は、いわゆるエンコードLSIを
実装したハードウエア(MDデッキ)で実現する方法
と、PCMのファイルをソフトウエアで演算処理する方
法の2種類の方法がある。
【0149】図13のメインサーバ装置10においての
エンコード処理は、一般にはデジタルオーディオデータ
の配信事業を行なうために、大量の楽曲を自動的に効率
よく処理していく必要があり、この実施の形態の図13
に示したメインサーバ装置10においては、コンピュー
タのソフトウエアによる方法で実現するようにしてい
る。
【0150】[ハードウエアによるエンコードとソフト
ウエアとによるエンコードとの性質の違いについて]こ
こで、ハードウエア(MDデッキ)での高能率符号化
(エンコード)と、コンピュータのソフトウエアによる
高能率符号化(エンコード)の性質の違いについて説明
する。
【0151】ハードウエア(MDデッキ)での録音につ
いては、当該ハードウエアを購入することにより、誰も
が高能率符号化を実現できることになるが、高能率符号
化に伴う演算精度に関しては、実装されたエンコードL
SIの精度に依存する。また、一般には、PCMファイ
ルを用いる場合、いわゆるPCMデータをデジタル出力
したものをデジタル入力してエンコードを行なうことと
なるが、これに起因し、同一楽曲のエンコードでも、録
音操作開始のタイミングにより、デジタル入力されるP
CMデータの入力位置(エンコード開始位置)がまちま
ちとなり、高能率符号化後のデータは全く異なったもの
となる。
【0152】この現象を説明するために、高能率符号化
回路の一例を示した図3をも参照しながら高能率符号化
の処理を行なう時間単位について詳細に説明する。図3
に示した高能率符号化回路において、入力端子100に
はデジタルオーディオデータ(PCMデータ)が供給さ
れるが、入力後に行われるMDCT回路103、10
4、105でのMDCT処理では、いわゆる直交変換処
理を行なうためのサンプル数が規定され、それが1つの
単位となり、繰り返し行われることになる。
【0153】図3に示した高能率符号化回路において
は、入力端子100を通じて入力された1024サンプ
ルのPCMデータが、512本のMDCT係数、また
は、スペクトラムデータとして、MDCT回路103、
104、105より出力される。具体的には、入力端子
100より入力された1024個のPCMデータ(PC
Mサンプルデータ)がQMF101により512個の高
域サンプルと512個の低域サンプルとなり、更に低域
サンプルについてはQMF102により、256サンプ
ルの低域サンプルと256個の中域サンプルになる。
【0154】この後、QMF102からの256個の低
域サンプルは、MDCT回路105により、128個の
低域スペクトラムデータとなり、QMF102からの2
56個の中域サンプルは、MDCT回路104により、
128個の中域スペクトラムデータとなり、QMF10
1からの512個の高域サンプルは、MDCT回路10
3により、256個の高域スペクトラムデータとなり、
合計512個のスペクトラムデータが1024個のPC
Mサンプルより作成されることになる。
【0155】この場合の入力データである1024個の
PCMサンプルデータが、前述した高能率符号化の1回
の処理を行なう時間単位となり、これを1フレーム(1
サウンドフレーム)とする。高能率符号化された1フレ
ームは、先に図5に示した212バイト分である。
【0156】なお、図3における入力端子100より入
力されるPCMサンプルデータについては、1フレーム
が1024サンプルであるが、前後512サンプルはそ
れぞれ前後の隣接フレームでも使用されることになる。
これはMDCT処理でのオーバーラップを勘案し、正確
なエンコード処理を実現するためである。
【0157】このように、1024サンプルのPCMサ
ンプルデータから、1フレーム分の高能率符号化された
デジタルオーディオデータを形成するため、録音操作開
始のタイミングにより最初に入力される1024サンプ
ルのPCMデータが決定され、以後それに従った高能率
符号化のフレームが生成されることとなる。
【0158】オーバーラップ分を鑑みると、理論的には
512通りの入力パターンが生じることとなる。この様
な理由から一般のハードウエア(MDデッキ)では、同
一楽曲のエンコード(録音)でも、録音操作開始のタイ
ミングにより、高能率符号化のデータは変化することに
なる。アナログ録音の方法もあるが、この場合、雑音
や、いわゆるA/D変換精度等も依存することとなり、
更にデータの一致をみるのが難しいのは明白である。
【0159】これに対して、コンピュータ(PC)のソ
フトウエアでの演算によるエンコードの方法について
は、ハードディスクに蓄積されたPCMファイルを処理
する形となり、前述したようなエンコードタイミングの
ずれが生じる要因が無いために、同一楽曲のエンコード
に対して、常に同一の高能率符号化データが生成される
ことになる。
【0160】また、一般にはハードウエア(MDデッ
キ)に実装されたエンコードLSIの演算精度は、エン
コードソフトウエアを実行するパーソナルコンピュータ
などの処理装置のCPUの演算精度より低く、エンコー
ドLSIを用いて、同じPCMサンプルデータについ
て、タイミングが一致しても、すなわち、全く同じPC
Mサンプルからエンコード処理を開始したとしても、そ
の演算精度の低さから高能率符号化されたデジタルオー
ディオデータは変化することとなる。
【0161】このような理由により、配信事業者の使用
するエンコーダでのみ、ソフトウエアでの方法が用いら
れていることが前提となれば、外部記録媒体に記録され
た高能率符号化データとメインサーバ10あるいは後述
の音楽サーバシステム30のハードディスク上に記録さ
れている高能率符号化データの比較を行ない一致を見る
ことで、MDに記録された高能率符号化データ(デジタ
ルオーディオデータ)が、一般家庭においてハードウエ
ア(MDデッキ)でエンコード(録音)されたものか、
配信業者より音楽サーバシステムを利用して購入したも
のであるかの判別を行なうことが理論的に可能となる。
【0162】これに加え、音楽サーバシステムに利用者
によって持ち込まれる録音可能なMDについては、楽曲
データの生成者や配信事業者を示す情報を記録できる領
域が予め用意されているわけではないが、前述した符号
化データのフレームにおける未使用ビットに付加情報を
書き込む方法を用いることにより、利用者(楽曲データ
の購入者)が、どの配信業者から楽曲データの購入を行
なったかを確実に把握することが可能となる。
【0163】このように、利用者は提供を受けた楽曲デ
ータの配信業者(配信元である事業者)を性格に特定す
ることにより、その配信業者の責任を明確にし、その配
信業者の責任において、記録媒体間の楽曲移動や、高能
率符号化アルゴリズムのバージョンアップ対応、不良記
録媒体の解析など、従来配信業者が特定できなかったた
めに実現できなかった新たなサービスを、無料で、ある
いは、安価に提供することを実現できる。
【0164】[音楽サーバシステムの具体例について]
次に、図1における音楽サーバシステム30(1)、3
0(2)、…、の具体例を音楽サーバシステム30とし
て説明する。図14は、音楽サーバシステム30を説明
するためのブロック図である。音楽サーバシステム30
は、前述もしたように、各地の店舗などに設置されるも
のである。音楽サーバシステム30は、メインサーバ1
0から提供される楽曲データ(符号化データ)を蓄積
し、利用者が持参する外部記録媒体を受け付けて、これ
に利用者の要求に応じた楽曲データを記録するものであ
り、利用者によって実際に操作されるものである。
【0165】図14において、メインコントローラ31
は、音楽サーバシステム30内の全ての装置部に接続さ
れ、その制御を行なうものである。ハードディスク32
は、利用者に提供する楽曲データを主に蓄積するもので
ある。この音楽サーバシステム30のハードディスク3
2に蓄積される楽曲データは、実際の楽曲データとなる
メイン情報(デジタルオーディオデータである符号化デ
ータ)と、楽曲のタイトル、演奏時間、ジャケット写真
等の付随情報からなる。したがって、前述したメインサ
ーバ10は、付随情報を音楽サーバシステムに提供する
ことができるものである。
【0166】この第1の実施の形態において、メイン情
報であるデジタルオーディオデータは、ハードディスク
容量の効率的な使用と、音楽サーバシステムへの転送時
の、通信線の容量等を考慮し、前述もしたように、高能
率符号化処理されて圧縮がなされたものであり、利用者
によって持ち込まれる外部記録媒体に対して、高速での
記録が可能となっている。
【0167】メイン情報であるデジタルオーディオデー
タに付随する付随情報の管理は、例えば、図15に示す
ような構成の管理テーブルファイルを用意し、メイン情
報のファイル名と付随情報との対応を記し、この更新、
読み取り操作等をメインコントローラ31によって行な
うことによって実現することができる。
【0168】図15の例では付随情報となる文字情報や
画像情報もファイルとなっており、そのファイル名を管
理する例を示しているが、例えば文字情報等に関して
は、直接テキスト形式で記しておいてもよい。また、図
15におけるその他の情報としては、例えば楽曲の著作
権情報や、いわゆるエンファシス情報等が挙げられる。
【0169】この他に、楽曲の演奏時間等も同様の方法
で管理できるが、演奏時間については、楽曲情報の表示
や、楽曲の記録等を行なう必要時に、メイン情報のファ
イルサイズと、高能率符号化の圧縮率から随時算出する
ことも可能である。検出フレーム番号は、この実施の形
態の音楽サーバシステムに装填された利用者の記録媒体
に記録されているオーディオデータが、この音楽サーバ
システム30を運営するオーディオデータの正当な提供
者(事業者)から正規に購入したか否かを判別する処理
において参照される情報である。
【0170】具体的には、前述もしたように、事業者識
別子などの付加情報を付加するようにしたフレーム番号
などメインサーバ10から通知され、これが検出フレー
ム番号として各楽曲毎に記憶されて、管理することがで
きるようにされる。そして、利用者の持ち込む外部記録
媒体に記録されている楽曲データに付加されている事業
者識別子などの付加情報を検出する際には、この図15
に示した管理ファイルの検出フレーム番号を参照し、付
加情報の付加開始フレームを特定して、付加情報の検出
を迅速かつ確実に行なうことができるようにしている。
【0171】なお、ここでは図15に示したように、い
わゆるテーブルファイルにより付随情報を管理する例に
ついて説明した。しかしこれに限るものではない。例え
ば、メイン情報にいわゆるヘッダとして種々の付随情報
を付加する形をとることも可能である。
【0172】表示部33は、メインコントローラ31に
接続され、前述したハードディスク32内の楽曲データ
の詳細や、記録、再生等の状態を使用者に表示するため
のものである。操作部34は、メインコントローラ31
を介して、記録媒体への記録や、再生処理等の実行を行
なうものである。
【0173】図14では、音楽サーバシステム30とし
て単一の構成とした例を示しているが、表示部33と操
作部34に関しては、外部装置として例えばパーソナル
コンピュータ等を利用して、そのディスプレイ表示部
と、キーボード及びマウス等を利用する方法も考えられ
る。この場合、音楽サーバシステムとパーソナルコンピ
ュータについては、付加情報と制御信号をやりとりする
専用信号線、あるいは、いわゆるシリアル接続、USB
(Universal Serial Bus)、IE
EE(Institute of Electrica
l and Electronics Enginee
rs)1394等のデジタルインターフェースを利用す
ることで実現できる。
【0174】また、メモリを含めた詳細は図示しない
が、図14に示した音楽サーバシステム30の要素の全
てをパーソナルコンピュータ内で構成することも可能で
ある。すなわち、図14に示した音楽サーバシステム3
0は、店頭などに設置されるいわゆるスタンドアロン方
式の専用装置として実現することも可能であるし、パー
ソナルコンピュータなどのコンピュータ内に音楽サーバ
システムを構成することにより実現することも可能であ
る。
【0175】また、図14において、読み取り記録部3
5、読み取り記録部36は、操作部34からの指示に応
じたメインコントローラ31からの制御に基づいて、こ
れに装填された外部記録媒体19、外部記録媒体20に
記録されている情報の読み取り、および、外部記録媒体
19、外部記録媒体20への情報(メイン情報、付随情
報等)の書き込みを行なうことができるものである。
【0176】したがって、メインコントローラ31は、
読み取り記録部35、読み取り記録部36を制御し、外
部記録媒体19、外部記録媒体20から読み出したデー
タを、例えば、ハードディスク32に供給して、ここに
保存するようにしたり、逆に、ハードディスク32から
のデータを外部記録媒体19、外部記録媒体20に書き
込んだりすることができるようにされている。
【0177】この実施の形態において、外部記録媒体1
9、外部記録媒体20は、いわゆるパッケージの形で、
外部への持込みが容易であり、かつ小型の再生装置など
で、当該外部記録媒体に記録された楽曲データ等の再生
が行なえるものである。この外部記録媒体としては、例
えば音楽用として普及しているMDやメモリカードの一
種であるメモリスティック(以下、MSと略称する。)
等である。このように、異なる外部記録媒体に対応した
読み取り記録部を複数設けることによって、異なる外部
記録媒体のそれぞれに対応することが可能となる。
【0178】通常、楽曲データを処理する装置の細かな
仕組みや、外部記録媒体への書き込みフォーマット等
は、外部記録媒体の種類によって異なるものとなる。こ
のため、音楽サーバシステム30においては、利用可能
とされた外部記録媒体のそれぞれに対応したフォーマッ
トの楽曲データを持つ必要がある。これはいわゆるフォ
ーマット間の変換処理を行なうことで、メイン情報を共
通化することも可能であるが、一般には変換による音質
劣化が発生する可能性が高い。
【0179】このため、この実施の形態においては、図
14に示したように、楽曲データを処理する音楽サーバ
システム30は、読み取り記録部35、読み取り記録部
36を持つ構成とすることによって、異なる外部記録媒
体、この実施の形態の音楽サーバシステム30において
は、MDとMSとを用いることができるようにしてい
る。
【0180】この第1の実施の形態においては、記録媒
体19がMD、記録媒体20がMSであるものとし、ハ
ードディスク32には一つの楽曲に対して、MD用の楽
曲データと、MS用の楽曲データが蓄積されているもの
として以下の説明を進める。
【0181】次に、楽曲データの外部記録媒体への記録
方法の具体例をMDに記録する場合について説明する。
MDの場合、読み取り記録部35の記録装置部分は、M
Dを回転駆動するためのスピンドルモータ、光学ヘッ
ド、磁気ヘッド、サーボ回路等により構成されている。
【0182】すなわち、外部記録媒体19である小型の
光磁気ディスクであるMDは、スピンドルモータにより
回転駆動され、例えば光学ヘッドからのレーザ光をMD
に照射した状態で記録データに応じた変調磁界を磁気ヘ
ッドにより印加することによって、いわゆる磁界変調記
録を行なう。この場合、光学ヘッドは、サーボ回路から
のサーボ信号に基づいて、トラッキング制御、フォーカ
ス制御がなされ、MDのトラックを適正なスポット形状
のレーザ光によって正確に走査することができるように
され、MDのトラックに正確に楽曲データの記録が行わ
れる。
【0183】また、この実施の形態において、ハードデ
ィスク32に蓄積されている楽曲データのメイン情報で
あるデジタルオーディオデータは、MDで用いられてい
る圧縮フォーマット(高能率符号化方式)でデータ圧縮
されたものである。データ圧縮されたデジタルオーディ
オデータを記録する場合には、データ圧縮がなされてい
る分、実際の楽曲の再生相当時間より記録時間の高速化
を実現できる。
【0184】また、MDの場合、ディスク内には、TO
C(Table of Contents)と呼ばれる
楽曲管理情報を記録する領域が設けられており、楽曲の
タイトル等の付加情報は、このTOCに記録されること
となる。したがって、メインコントローラ31は、読み
取り記録部35を通じて、図15に示した管理情報を基
に、ハードディスク32に記録されている楽曲について
の付加情報を、MDのTOCのフォーマットに従って記
録するように制御している。このようにして、MDのよ
うな外部記録媒体でも、図14に示した音楽サーバシス
テム30で管理されていたメイン情報と付随情報との対
応付けが同様に可能となる。
【0185】なお、読み取り記録部36は、MS内部の
半導体メモリからこれに記録されているデータを読み出
す機構と、MS内部の半導体メモリにデータを書き込む
機構とを備えたものとなる。また、記録可能なMDには
楽曲生成者や楽曲そのもののID情報を記録する領域が
用意されていないが、MSについてはこれらの領域が確
保されている。読み取り記録部36は、楽曲生成者や楽
曲そのもののID情報を該当領域に記録することができ
るものである。
【0186】デコーダ37は、この実施の形態の音楽サ
ーバシステム30内のハードディスク32に蓄積された
デジタルオーディオデータによる音声(楽曲)を実際に
音で聞くための圧縮復号化装置である。このデコーダ3
7は、図7を用いていて前述した構成をその一部に有す
るものである。
【0187】デコーダ37によって復号化されたデジタ
ルオーディオデータは、いわゆるD/Aコンバータやア
ンプ、スピーカ等で構成される再生処理部38によって
再生処理が行われる。再生処理部18による再生処理
は、利用者が目的とする楽曲データを自己の外部記録媒
体に記録等を行なう前に、実際のデジタルオーディオデ
ータによる楽曲を試聴するために用いられるものであ
る。
【0188】なお、先に述べた通りMD用にデータ圧縮
されたデジタルオーディオデータとMS用にデータ圧縮
されたデジタルオーディオデータとの両方が存在する場
合、MD用とMS用とのそれぞれのデコーダが必要にな
るが、この実施の形態において、デコーダ37は、MD
用にデータ圧縮されたデジタルオーディオデータと、M
S用にデータ圧縮されたデジタルオーディオデータとの
両方をデコードすることができるものである。
【0189】また、付加情報検出部39は、図10、図
11、図12を用いて説明したように、オーディオPC
M信号を高能率符号化することによって形成した符号化
データのフレームに発生する符号化未使用ビットに書き
込まれる事業者識別子などの付加情報を検出するもので
ある。
【0190】この実施の形態の音楽サーバシステム30
は、前述もしたように、読み取り記録部35に装填され
たMDに記録されている高能率符号化されたオーディオ
デジタルデータ(楽曲データ)を読み出し、これをハー
ドディスク32に一時記憶する。このようにしてハード
ディスク32に取り込まれた楽曲データについて、付加
情報検出部39は、図15に示した管理ファイルの検出
フレーム番号に応じた位置のフレームから事業者識別子
などの付加情報を抽出し、抽出した付加情報をメインコ
ントローラ31に通知する。
【0191】そして、この実施の形態において、付加情
報検出部39において検出される付加情報は、外部記録
媒体19、あるいは、外部記録媒体20に記録されてい
る楽曲データは、この音楽サーバシステム30に楽曲デ
ータを提供したメインサーバ10を運営する事業者から
正当に提供されたものであるか否かを判別する際に用い
られることになる。
【0192】また、通信部40は、メインサーバ10と
の間で通信を行なう部分である。この通信部40は、メ
インコントローラ31の制御に応じて、各種の要求をメ
インサーバ10に送信したり、メインサーバからの情報
を受信してメインコントローラ31に通知したり、ま
た、メインサーバ10からの楽曲データを受信して、受
信した楽曲データをハードディスク32に供給して記録
するなどのことができるものである。
【0193】このように、この図14に示した音楽サー
バシステム30において、読み取り記録部35、36
が、図2に示した音楽サーバシステムの読み出し部1お
よび記録部2に相当するものであり、また、図14に示
した音楽サーバシステム30において、付加情報検出部
39が、図2に示した音楽サーバシステムの識別子抽出
部3に相当するものである。また、図14に示した音楽
サーバシステム30において、通信部40が、図2に示
した音楽サーバシステムの識別子送信部4および受信部
5に相当するものである。
【0194】なお、図13に示したメインサーバ10
と、図14に示した音楽サーバシステムとを比較すると
分かるように、メインサーバ10が、エンコーダ80、
課金処理部85を備えるが、これらは音楽サーバシステ
ム30にはない点と、音楽サーバシステム30は、読み
取り記録部35、36、付加情報検出部39を備える
が、これらはメインサーバ10にはない点とを除けば、
メインサーバ10と、音楽サーバ30とは、ほぼ同様に
構成することができるものである。
【0195】また、この実施の形態においては、高能率
符号化方式としてATRAC方式を用いるものとして説
明したが、高能率符号化方式は、ATRAC方式に限る
ものではない。すなわち、前述した符号化方式は一例で
あり、この実施の形態のメインサーバ10、音楽サーバ
システム30は、他の高能率符号化方式により高能率符
号化されたデジタルオーディオデータを扱うこともでき
るものである。
【0196】[音楽サーバシステムの利用形態]次に、
この実施の形態の音楽サーバシステム30の利用形態に
ついて説明する。 この第1の実施の形態において、音
楽サーバシステム30は、前述もしたように、例えば、
CDショップ等の店頭に設置されるものである。この場
合、図14における音楽サーバシステム30は、図示し
ないが、利用者からの入金を受け付ける入金装置部を備
えるとともに、楽曲データの値段管理等も行なう機能を
備えるものである。
【0197】そして、利用者は自分のMDなどの外部記
録媒体を店頭へ持込み、店頭に設置されているこの実施
の形態の音楽サーバシステム30に自分の外部記録媒体
を装填する。そして、この音楽サーバシステム30のハ
ードディスク32に蓄積されている楽曲データの中から
目的とする楽曲データを選択する指示を音楽サーバシス
テム30の表示部33と操作部34とを通じて入力す
る。
【0198】音楽サーバシステム30は、使用者からの
要求に応じて、選択された楽曲データをハードディスク
32から読み出し、デコーダ37、再生処理部38を通
じて試聴を可能にする。この試聴によって、目的とする
楽曲データを確認した利用者は、その目的とする楽曲デ
ータの自分の外部記録媒体への記録を行なうべく、当該
楽曲データの記録に係る課金に応じた金銭を音楽サーバ
システム30の入金装置部に投入し、操作部34を通じ
て記録指示を入力することによって、目的とする楽曲デ
ータを自分の外部記録媒体に記録することができる。
【0199】このように、この実施の形態において、利
用者は、音楽サーバシステム30を通じて、利用者が目
的とする楽曲データを自分が持ち込んだ外部記録媒体、
この実施の形態の場合にはMDに記録する形態で、その
目的とする楽曲データを購入することができるようにさ
れている。
【0200】なお、この実施の形態においては、音楽サ
ーバシステム30と楽曲データの販売元であるメインサ
ーバシステム10とは、例えば専用回線などにより接続
されている。そして、前述もしたように、メインサーバ
10は、この実施の形態の音楽サーバシステム30に対
して、一定期間単位で(例えば一ヶ月に一回等)楽曲デ
ータを送りこみ、音楽サーバシステム30のハードディ
スク32に蓄積されている楽曲データの更新を行なうこ
とができるようにされている。
【0201】また、もし音楽サーバシステム30と、メ
インサーバ10が高速の専用回線で接続されている場合
は、購入の度にメインサーバ10上のハードディスク内
にある楽曲データを直接利用する方法も考えられる。こ
の様な形で図1に示した音楽サーバシステム30は、楽
曲データのいわゆる自動販売機として機能することとな
る。
【0202】また、別の音楽サーバシステム30の利用
例としては、音楽サーバシステムを家庭内に置く方法も
考えられる。この場合、メインサーバ10からの楽曲デ
ータの伝送経路としては、例えばインターネット等が挙
げられる。また、CSなどの衛星からのデジタル信号通
信による方法も可能である。
【0203】この場合、前述した店頭に設置される音楽
サーバシステム30とは異なり、音楽サーバシステム自
体に入金装置部を設ける必要はなく、既存のインターネ
ットや、電話回線等を用いた、入金処理を行なうように
する。つまり、会員識別情報やクレジットカード番号な
どを他者に漏れることがないように、例えば暗号化して
楽曲データの販売元などに送信し、銀行口座からの自動
引き落としやクレジットカード決済、あるいは、請求書
を発行し、入金受け付けるなどといった方法により入金
についての処理(決済処理)を行なうことができる。
【0204】また、音楽提供事業者(販売元)からの楽
曲データの購入だけでなく、すでに所有しているパッケ
ージの楽曲データを、蓄積保存するシステムとして利用
する方法も考えられる。この時、場合によっては外部記
録媒体の読み取り以外に、所望の符号化を行なう符号化
器(エンコーダ)が必要となる。
【0205】なお、図13に示したメインサーバ10と
音楽サーバシステム30とからなる音楽配信システムに
おいて、楽曲データに付加する(埋め込む)付加情報
は、楽曲情報や、事業者識別子などの事業者情報等、様
々なものが考えられる。そして、前述もしたように、楽
曲データに、事業者識別子などの事業者情報を付加する
ことによって、記録媒体間の楽曲移動など、従来提供で
きなかった様々なサービスを新たに提供することが可能
となる。
【0206】[従来提供できなかったサービスの一例に
ついて]次に、主に事業者識別子を書き込むことにより
構成することが可能となるサービスの具体例の1つであ
る記録媒体間の楽曲移動(ムーブサービス)について述
べる。記録媒体間の楽曲移動(ムーブサービス)が必要
になるのは、以下のような理由による。
【0207】すなわち、楽曲データを記録する外部記録
媒体は、最近ではMDやMS(メモリスティック)等、
様々な種類のものが存在し、使用者はその中から好みの
ものを選択可能である。しかし,例えば、新たに再生機
器を購入したことによって、主に使用していた外部記録
媒体を切り換えたい場合に、記録媒体間での楽曲移動の
需要が生じることとなる。
【0208】このとき、使用者が直接楽曲移動を行なう
方法としては、単純にはアナログ信号で出力したものを
コピーする方法が考えられるが、この方法ではいわゆる
A/D変換やD/A変換等の課程を介在させることとな
り、音質劣化の原因となる。また、デジタル信号による
方法では、移動を行ないたいそれぞれの記録媒体間で高
能率符号化方式の一致がなければ、復号化、および符号
化の課程を介在させることとなり、これも音質劣化の原
因となる。
【0209】また、記録媒体間で高能率符号化方式が一
致していた場合は、技術的には直接のコピーが可能とな
るが、全く音質の劣化がないために著作権上の問題が生
じることとなる。
【0210】音質的には、移動させたい楽曲の、移動先
の新しい記録媒体の高能率符号化方式に基づいた符号化
を行なった楽曲データを書き込むのが理想的である。し
かし例えば、移動元の楽曲データが音楽サーバシステム
30を通じて購入されたものであった場合、移動元の記
録媒体用として楽曲を購入したにも関わらず、再度移動
先の記録媒体用の楽曲を購入する必要が生じ、購入者の
金銭負担が多くなる。
【0211】この問題を解決するためには、移動元の記
録媒体に記録されている高能率符号化が、音楽サーバシ
ステム30を通じて楽曲データの配信を行なう配信業者
によってなされたものであることが判明すれば、かつ
て、当該配信事業者より楽曲を購入したことの証明とな
り、新しい記録媒体への記録を無料にしたり、あるいは
新たに該楽曲を購入する購入者と比較して、安い値段を
設定したりするといったサービスを実現することが可能
となる。
【0212】そして、この第1の実施の形態の場合に
は、図1、図2を用いて前述したように、音楽サーバシ
ステム30の読み取り記録部35にMDが装填され、こ
のMDに記録されている楽曲データを、読み取り記録部
36に装填されたMSに移動させるムーブサービスを受
ける場合には、音楽サーバシステム30の付加情報検出
部39により、MDに記録されている楽曲データから、
これに付加されている事業者識別子が検出される。
【0213】この検出された事業者識別子が、楽曲デー
タを識別する楽曲識別子とともに、メインコントローラ
31、通信部40を通じてメインサーバ10に送信さ
れ、メインサーバ10において、音楽サーバシステム3
0から送信されて来た事業者者識別子と自己の事業者識
別子メモリに保持している事業者識別子とを比較する。
この比較の結果が、両事業者識別子が一致していること
を示しているときには、楽曲識別子により特定される楽
曲データであって、MS用の高能率符号化処理されて形
成された楽曲データが、要求元の音楽サーバシステム3
0に返信される。
【0214】そして、メインサーバ10からのMS用の
楽曲データが、読み取り記録部36を通じて、これに装
填されているMSに記録され、読み取り記録部35に装
填されているMDに記録されている当該楽曲データが削
除され、楽曲データのムーブサービスが完了する。
【0215】なお、楽曲識別子は、事業者識別子ととも
に、楽曲データ(符号化データ)のフレームの符号化未
使用ビットに付加するようにしておいてもよいし、MD
のTOCなどに記録されている楽曲識別情報を用いるよ
うにしてもよい。また、課金処理については、課金金額
が、メインサーバ10の課金処理部17において算出さ
れ、これが音楽サーバシステム30に送信され、音楽サ
ーバシステム30において、入金を受け付けた場合にこ
れを確認する。この確認が取れた場合に、これをメイン
サーバ10に通知することによって、メインサーバ10
において利用者が課金に応じたことを確認した後にムー
ブサービスを提供することができる。
【0216】[楽曲データの記録媒体間移動時の動作に
ついて]次に、この第1の実施の形態において、上述の
楽曲データの記録媒体間移動時の音楽サーバシステム3
0、および、メインサーバ10の動作について、図1
6、図17のフローチャートを参照しながら説明する。
【0217】まず、音楽サーバシステム30の動作につ
いて説明する。図16は、楽曲データの記録媒体間移動
時における音楽サーバシステム30の動作を説明するた
めのフローチャートである。
【0218】図14に示した音楽サーバシステム30
は、利用者が持参した外部記録媒体19(MD)の読み
取り記録部35への挿入(装填)を受け付ける(ステッ
プS201)。その後、利用者から、音楽サーバシステ
ム30に挿入された記録媒体19に記録されている楽曲
データの内、移動を行ないたい楽曲データのTrack
の指定を受け付ける(ステップS202)。
【0219】その後、音楽サーバシステム30は、移動
対象となっている楽曲データの指示情報の入力を受け付
ける(ステップS203)。音楽サーバシステム30
は、ステップS202、ステップS203において受け
付けた情報に基づいて、外部記録媒体19から指示され
た楽曲データを読み取り、これをハードディスク32に
一時記憶する(ステップS204)。
【0220】次に、音楽サーバシステム30のメインコ
ントローラ31は、図15に示した管理ファイルの当該
楽曲データの検出フレーム番号を参照して、付加情報の
付加が開始されたフレームを特定し、付加情報検出部3
9を制御して、ステップS204においてハードディス
ク32に一時記憶した楽曲データに付加されている事業
者識別情報等の付加情報を検出する(ステップS20
5)。
【0221】この場合、事業者識別子や楽曲識別などの
付加情報が、多数のビットからなるものであり、複数フ
レームにわたって付加するようにされている場合には、
付加情報検出部39、あるいは、メインコントローラ3
1は、検出した情報から所定ビットの事業者識別子、楽
曲識別子を復調(復旧)する復調手段としての機能をも
有している。
【0222】そして、メインコントローラ31は、ステ
ップS205において検出した事業者識別子、楽曲識別
子、楽曲データの記録媒体間移動サービスの提供要求な
どの情報を通信部40を通じてメインサーバ10に送信
する(ステップS206)。この後、音楽サーバシステ
ム30のメインコントローラ31は、通信部40を通じ
てメインサーバ10から媒体間移動可否情報や課金情報
等の返信情報を受信し(ステップS207)、この受信
した情報に基づいて、目的とする楽曲データの記録媒体
間移動が可能であるか否かを判断する(ステップS20
8)。
【0223】ステップS208の判断処理において、目
的とする楽曲データの記録媒体間移動が可能であると判
断したときには、メインサーバ10からの課金情報に応
じた入金を利用者から受け付けて、課金完了通知をメイ
ンサーバ10に送信する(ステップS209)。この
後、音楽サーバシステム30は、メインサーバ10から
送信されてくるMS用の楽曲データを通信部40を通じ
て受信する(ステップS210)。
【0224】そして、音楽サーバシステム30は、ステ
ップS210において受信したMS用楽曲データを読み
取り記録部36を通じて、これに装填されている外部記
録媒体であるMS20に記録し(ステップS211)、
読み取り記録部35に装填されている外部記録媒体であ
るMD19から、記録媒体間移動の対象となった楽曲デ
ータを削除し(ステップS212)、この図16に示す
処理を終了する。
【0225】また、ステップS208の判断処理におい
て、事業者識別子などが異なるために、楽曲データの記
録媒体間移動を不可とする情報やメッセージ情報がメイ
ンサーバ10から送信された場合には、ステップS20
8の判断処理において、記録媒体間移動は不可であると
判断することになり、目的とする楽曲データの提供事業
者が異なる旨の表示を行ない(ステップS213)、楽
曲データの媒体間移動を行なうことなく、この図16に
示す処理を終了する。
【0226】なお、課金が無料である場合には、ステッ
プS209において、課金が発生しないことを通知し、
自動的にメインサーバから目的とする楽曲データの提供
を受けることができるようにすることができる。また、
ステップS209の処理において、利用者が要求した課
金に応じなかった場合など、要求に応じた入金が行なわ
れなかった場合には、課金未完了通知を送信することに
よって、目的とするMS用の楽曲データを利用者に提供
しないようにすることができる。
【0227】次に、メインサーバ10の動作について説
明する。図17は、楽曲データの記録媒体間移動時にお
けるメインサーバ10の動作を説明するためのフローチ
ャートである。
【0228】図13に示したメインサーバ10のメイン
コントローラ81は、通信部86を通じて、自己が管理
する多数の音楽サーバシステムからの要求を常時受け付
ける(ステップS301)。そして、メインサーバ10
のメインコントローラ81は、音楽サーバシステム30
から、楽曲データの記録媒体間移動要求(ムーブ要求)
を受信すると、受信した情報に含まれる事業者識別子
と、自己が保持する事業者識別子とを比較する(ステッ
プS302)。
【0229】音楽サーバシステム30から送信されて来
た情報に含まれる事業者識別子は、利用者の外部記録媒
体であるMD19に記録されている記録媒体間移動の目
的とする楽曲データに付加されていたものである。そし
て、メインコントローラ81は、ステップS302の比
較処理の比較結果に基づいて、両事業者識別子が一致し
ているか否かを判断する(ステップS303)。
【0230】ステップS303の判断処理において、両
事業者識別子が一致していると判断したときには、メイ
ンコントローラ81は、課金処理部85を制御して、楽
曲データの記録媒体間移動を行なう場合にかかる課金金
額を計算し(ステップS304)、課金金額を含む情報
を要求元の音楽サーバシステム30に送信する(ステッ
プS305)。
【0231】そして、メインサーバ10のメインコント
ローラ81は、音楽サーバシステム30からの課金処理
結果情報などの返信を待ち、課金処理結果情報等を受信
する(ステップS306)。メインサーバ10のメイン
コントローラ81は、ステップS306において受信し
た課金処理結果情報に基づいて、課金処理が適正に完了
しているか否かを判断する(ステップS307)。
【0232】このステップS307の判断処理におい
て、メインサーバ10のメインコントローラ81が、音
楽サーバシステム30において、適正に課金が終了して
いると判断したときには、記録媒体間移動の対象となっ
ている楽曲データをハードディスク82から抽出し(ス
テップS308)、これを通信部86を通じて要求元の
音楽サーバシステム30に送信して(ステップS30
9)、この図17に示す処理を終了する。
【0233】また、ステップS303の判断処理におい
て、両事業者識別子が一致していないと判断したときに
は、メインコントローラ81は、音楽サーバシステム3
0に装填された外部記録媒体19に記録されている記録
媒体間移動の対象となっている楽曲データは、当該メイ
ンサーバ10から提供されたものではないので、楽曲デ
ータの提供元が異なることを通知するメッセージを要求
元の音楽サーバシステム30に送信し(ステップS31
0)、この図17に示す処理を終了する。
【0234】また、ステップS307の判断処理におい
て、メインサーバ10のメインコントローラ81が、音
楽サーバシステム30において、適正に課金が終了して
いないと判断したときには、楽曲データを提供すること
なく、この図17に示す処理を終了する。
【0235】このようにして、利用者が、音楽サーバシ
ステム30に持ち込んだ楽曲データは、その音楽サーバ
システム30に楽曲データを提供するとともに、音楽サ
ーバシステム30を管理するメインサーバ10から提供
されたものか否かを楽曲データの符号化未使用ビットに
付加されている事業者識別情報によって、確実かつ簡単
に識別することができるようにしている。
【0236】この第1の実施の形態においては、事業者
識別子(事業者情報)のみを用いるものとして説明した
が、前述もしたように、メインサーバ10や音楽サーバ
システム30が保持する楽曲データと、利用者が持ち込
んだ楽曲データとの間で、対応するフレームのバイナリ
データ同士を比較し、一致しているか否かを確認するよ
うにする方法を併用してもよい。
【0237】また、前述の第1の実施の形態において
は、記録媒体間移動する楽曲データをも、その都度メイ
ンサーバ10から提供を受けるものとして説明した。し
かし、図14にも示したように、音楽サーバシステム3
0は、ハードディスク32を備えており、このハードデ
ィスク32にMS用の楽曲データが蓄積されては、メイ
ンサーバ10から楽曲データの提供をその都度受けるよ
うにしなくても済む。
【0238】すなわち、メインサーバ10においては、
事業者識別子の比較、比較結果の判断(一致不一致の判
断)、および、課金処理を行なうようにし、その他の部
分は、音楽サーバシステム30が行なうようにすること
ももちろんできる。この場合には、記録媒体間移動要求
があるごとに、目的の楽曲データをメインサーバ10か
ら音楽サーバシステム30に送信しなくてもよいので、
通信コストの面で効率がよい。
【0239】このように、この第1の実施の形態におい
ては、MDのように予め、楽曲生成者や楽曲番号等、付
加情報を示すような情報を記録するエリアのない記録媒
体においても、高能率符号化データの未使用ビットに付
加情報を記録していくことにより、記録媒体に記録され
た楽曲データが、特定の配信業者から購入したものか否
かの判断を行なうことが可能となり、配信し業者毎の様
々なサービス提供を実現可能にすると共に、データの保
守、保障等への利用も実現できる。
【0240】なお、この実施の形態においては、楽曲識
別子もまた、事業者識別子と同様に、符号化データに付
加されているものとして説明した。しかし、楽曲識別子
は、たとえば、利用者が持ち込んだMDなどの外部記録
媒体のTOCやその他の部分に記録されているような、
個々の楽曲の識別が可能な情報を用いるようにすること
もできる。
【0241】[第2の実施の形態]ところで、前述した
第1の実施の形態においては、楽曲データである符号化
データに対して、付加情報の書き込みは可能となる。し
かし、記録媒体上で楽曲のいわゆる分割処理に代表され
る様な何らかの編集処理や、記録媒体の部分的な破壊が
あった場合、図12を用いて前述した事業者識別子など
の付加情報の記録を開始したフレーム番号となる変数i
や、データベース情報となる検出フレーム番号との対応
をとることが困難となる。この第2の実施の形態は、こ
の問題を解決するものである。
【0242】この第2の実施の形態においても、前述し
た第1の実施の形態の場合と同様の音楽配信システムを
構成する場合を例にして説明する。すなわち、この第2
の実施の形態の音楽配信システムは、図1、図2を用い
て前述した構成を有するものである。
【0243】したがって、この第2の実施の形態におい
ても、音楽配信システムを構成するメインサーバ10
(1)、10(2)、10(3)、…のそれぞれは、図
13に示した構成を有するものである。また、音楽配信
システムを構成する音楽サーバシステム30(1)、3
0(2)、30(3)、…のそれぞれは、図14に示し
た構成を有し、図15に示した管理テーブルファイルを
有するものである。このため、第1の実施の形態の説明
において用いた図1〜図17のうちの必要な図面につい
ては、この第2の実施の形態においても参照することに
する。
【0244】このように、この第2の実施の形態の音楽
配信システムのメインサーバ、音楽サーバシステムのそ
れぞれは、第1の実施の形態のそれぞれと同様に構成さ
れるものであるが、この第2の実施の形態においては、
メインサーバ10のエンコーダ80において行なわれる
付加情報の書き込み処理が第1の実施の形態の場合とは
異なるものである。
【0245】前述もしたように、ATRAC方式の高能
率符号化方式において、一般には、図3におけるビット
割当算出回路118により、可能な限りビットを単位ブ
ロックに割り当てていくため、前述した符号化未使用ビ
ットREMの値は、フォーマットにより示されるk番目
の単位ブロックのスペクトラムデータの本数SPkの最
小値未満となる場合が多い。
【0246】ここで例えば、スペクトラムデータの本数
SPkが4であるとすると、符号化未使用ビットREM
の値は、3か2か1か0の値をとることとなる。この符
号化未使用ビットREMの値は復号化においても検出す
ることが可能であるので、この値により、情報を書き込
むフレームと、情報書き込みの始点や終点を示すような
制御を行なうフレームとに区別することが可能となる。
以下に、符号化未使用ビットREMの値が3の場合を制
御フレームとみなす具体例について説明する。
【0247】符号化未使用ビットREMの値が3の場合
は、符号化未使用ビットが3ビットあることとなるため
3ビットの範囲で許される種類の制御データを決定する
ことが可能となる。この例を図18に示す。この図18
に示す例の場合には、「001」を事業者識別データの
始点とし、「010」を楽曲識別データの始点とし、
「101」を事業者識別データの終点とし、「110」
を楽曲識別データの終点とし、「000」の場合は特に
意味を持たせない形としている。
【0248】ここで、符号化未使用ビットREMの値が
3の場合を制御フレームとみなす場合の図10に示した
エンコーダ80(図1に示したエンコーダ11)の動作に
ついて、図19のフローチャートを用いて詳しく説明す
る。図19において、変数iはフレーム番号を示すカウ
ンタ値であり、変数w_doneは付加情報を書き込む
上で、何ビット分を書き込んだかを示す値であり、符号
化未使用ビットREM(i)は、i番目のフレームの符
号化未使用ビットREMの値を示すものであり、それぞ
れ図12に示したフローチャートにおいて用いた各変数
等と同様のものである。
【0249】また、図19に示すフローチャートにおい
ては、前述した変数等に加えて、変数w_flagをデ
ータ書き込みを行なっているか否かを示すフラグ変数と
して用いる。
【0250】図19に示す処理は、図12に示した処理
と同様に、オーディオPCMデータの高能率符号化処理
が開始された場合に高能率符号化装置120、付加情報
書き込み装置130において開始される。まず、付加情
報書き込み装置130においては、変数iを0に初期化
し(ステップS401)、変数w_doneと、変数w
_flagを0に初期化する(ステップS402)。
【0251】次に、高能率符号化装置120において、
符号化するオーディオPCMデータがまだあるか否かを
判断する(ステップS403)。このステップS403
においては、例えば、オーディオPCMデータを512
サンプルづつ処理していくような場合、ソースとなるオ
ーディオPCMファイルのサンプル数をいくつ処理した
かを監視し、高能率符号化処理の対象となっているオー
ディオPCMデータの全部を処理し終えたか否かを判断
する処理である。
【0252】ステップS403の判断処理において、高
能率符号化処理の対象となっているオーディオPCMデ
ータの全部を処理し終えたと判断した場合には、図19
に示す処理は終了する。ステップS403の判断処理に
おいて、高能率符号化処理の対象となっているオーディ
オPCMデータの全部を処理し終えていないと判断した
ときには、高能率符号化装置120において、オーディ
オPCMデータの高能率符号化処理を実行する(ステッ
プS404)。
【0253】このステップS404において実行される
高能率符号化処理においては、高能率符号化装置120
において、図5に示した符号化データを形成すると共
に、フレーム毎の符号化未使用ビットREM(i)を算
出する。この後に、例えば、付加情報書き込み装置13
0において、変数iは、予め決められた初期移動量より
大きいか否かを判断する(ステップS405)。ここ
で、初期移動量は、前述もしたように、付加情報を記録
する際に、予め定めておく値であって、何番目以降のフ
レームに付加情報を記録していくか(付加していくか)
を決定する量である。
【0254】ステップS405の判断処理において、指
示されたフレームにまで到達していないと判断したとき
には、変数iをカウントアップし(ステップS41
7)、この後に、ステップS403からの処理を繰り返
す。なお、ステップS417においての変数iのカウン
トアップは、フレーム数のカウントアップを意味する。
また、図19において、ステップS417のi++の表
記は、変数iをカウントアップすることを意味するもの
である。
【0255】ステップS405の判断処理において、指
示されたフレームに到達したと判断したときには、変数
w_flagが0か否かを判断する(ステップS40
6)。ステップS406の判断処理において、変数w_
flagが0であると判断したときには、符号化未使用
ビットREM(i)が3であるか否かを判断する(ステ
ップS407)。
【0256】ステップS407の判断処理において、符
号化未使用ビットREM(i)が3でないと判断したと
き、すなわち、3ビット分の符号化未使用ビットが発生
していないと判断したときには、ステップS417に進
み、フレーム数iをカウントアップし、その後、ステッ
プS403からの処理を繰り返す。
【0257】これに対し、ステップS407の判断処理
において、符号化未使用ビットREM(i)が3である
と判断した場合には、変数w_flagに1を設定する
(ステップS408)。このステップS408の処理
は、変数w_flagをオンにすることによって、その
フレームに付加情報の書き込みを行なうことを示すよう
にする。
【0258】この後、例えば、事業者識別データや楽曲
識別データといった候補の中から、書き込みデータの選
択を行なう(ステップS409)。この場合、例えば、
書き込むデータが事業者識別データと楽曲識別データの
2種であるならば、これらのデータを交互に書くような
選択を行なうようにすれば良い。
【0259】そして、ステップS409において選択し
た書き込みデータに応じた始点制御コードの書き込みを
行なう(ステップS410)。このステップS410の
処理は、ステップS409において選択した書き込みデ
ータに応じた始点制御コードを図18の表中に示した3
桁のコードの中から特定し、これを3ビットある符号化
未使用ビットREM(i)に書き込むものである。
【0260】したがって、ステップS410の処理にお
いては、ステップS409において、例えば、事業者識
別データを書き込みデータとして選択した場合であれ
ば、図18に従い「001」のデータを書き込む様にす
ることになる。この後、ステップS417に進み、フレ
ーム数iをカウントアップし、その後、ステップS40
3からの処理を繰り返す。
【0261】一方、ステップS406の判断処理におい
て、変数w_flagが0でないと判断した場合、すな
わち、変数w_flagが1であり、選択した書き込み
データに応じた始点制御コードを符号化データに書き込
んだと判断した場合には、符号化未使用ビットREM
(i)が、1あるいは2であるか(0より大きくかつ3
より小さいか)否かを判断する(ステップS411)。
【0262】ステップS411の判断処理において、符
号化未使用ビットREM(i)が、1または2ではない
と判断した場合には、ステップS417に進み、フレー
ム数iをカウントアップし、その後、ステップS403
からの処理を繰り返す。また、ステップS411の判断
処理において、符号化未使用ビットREM(i)が、1
または2であると判断した場合には、付加情報である書
き込みデータの下位REM(i)ビット分を符号化デー
タの符号化未使用ビットに書き込む(ステップS41
2)。
【0263】その後、書き込み後の書き込みデータを下
位方向にREM(i)ビット分シフト操作する(ステッ
プS413)。この図19に示す例においては、ステッ
プS412と、ステップS413とにより、常に書き込
みデータの下位のビットを書き込む形となっているが、
整合さえとれていれば、この書き込み方法については任
意性があることは明白である。したがって、書き込みデ
ータの上位ビットから符号化データの符号化未使用ビッ
トに書き込むようにすることもできる。
【0264】そして、処理を行なったビット数、すなわ
ち、符号化データに書き込んだ書き込みデータのビット
数として、符号化未使用ビットREM(i)を変数w_
doneに加算する(ステップS414)。この後、書
き込みデータのビット長が、変数w_done以下か否
かを比較することにより、付加情報である書き込みデー
タを現在何ビット分記録したかを判断する(ステップS
415)。
【0265】ステップS415の判断処理において、書
き込みデータのビット長が、変数w_done以下では
ないと判断したときには、ステップS417に進み、フ
レーム数iをカウントアップし、その後、ステップS4
03からの処理を繰り返す。また、ステップS415の
判断処理において、書き込みデータのビット長が、変数
w_done以下である、すなわち、書き込みデータの
全ビットを符号化データに書き込んだと判断したときに
は、変数w_done及び変数w_flagを0にし
(ステップS416)、この後、ステップS417に進
み、フレーム数iをカウントアップし、その後、ステッ
プS403からの処理を繰り返す。
【0266】なお、この図19に示した処理において
は、図18に示した終点制御データの書き込みを行なっ
ていない。これは、付加情報である書き込みデータのビ
ット長が予め決まっているものであれば、復号化時に検
出可能であるので、この前提のもと、終点制御コードの
書き込みは行なわないものとなっている。
【0267】しかし、終点制御データの書き込みを行な
う場合は、ステップS416の処理が終了した後のフレ
ームで、符号化未使用ビットREM(i)が3となるフ
レームを検出し、この検出したフレームに始点制御コー
ドと同様の形で終点制御コードを書き込むようにすれば
良い。
【0268】また、図19において、工程(ステップ)
としては記載していないが、1フレーム分の212バイ
トのデータは、符号化以前に0に初期化されるものと
し、ステップS410やステップS412の処理が介在
しない場合、符号化未使用ビットREM(i)にあたる
部分のデータは0であるものとする。
【0269】また、図19に示した方法では、変数iの
数に応じて付加情報である書き込みデータの書き込みを
行なった回数が異なってくる。しかし、書き込みデータ
の書き込みを行なった回数や、最終的に書き込みが行な
えなかったデータの回数等をログ出力の様な形で記録し
ておくようにしても良い。
【0270】このログ出力として、例えば、ある楽曲X
において、8ビットの事業者識別データが12回、64
ビットの楽曲識別データが11回書き込みされ、最終フ
レーム付近では楽曲識別データの始点コードの書き込み
を行なったが、楽曲識別データ自体の書き込みは行なえ
なかった等を表すものとなる。
【0271】このログ出力の情報により、当該楽曲Xに
は、どのような情報が何回、どのように記録されている
かを正確に把握することが可能となる。なお、ログ出力
の情報は、メインサーバ10が保持し、音楽サーバシス
テム30からの要求に応じて提供するようにしてもよい
し、また、楽曲データの場合と同様に、予め音楽サーバ
システム30に提供して、音楽サーバシステム30側に
おいて管理するようにしてもよい。
【0272】図19を用いて説明した方法を用いること
で、符号化データの中に付加情報、および、付加情報の
始点を識別するデータを記録することが可能となる。こ
れにより、図14に示した音楽サーバシステム30の付
加情報検出部39では、まず、前述した符号化未使用ビ
ットREMの算出方法を用いて、REMが3となるよう
なフレームを検出し、当該フレームでの符号化未使用ビ
ットREM部に記録された情報が始点制御コードである
と判別できた場合には、その始点制御コードからのデー
タを順次検出して行くことで、付加情報の検出を確実か
つ迅速に行なうこと可能となる。
【0273】この方法によれば、記録媒体上で楽曲のい
わゆる分割処理に代表される様な何らかの編集処理や、
記録媒体の部分的な破壊があった場合においても、より
確実に付加情報の検出を行なうようにすることができ
る。
【0274】また、上述の例示のように、例えば、ある
楽曲Xにおいて、8ビットの事業者識別データが12
回、64ビットの楽曲識別データが11回書き込みさ
れ、最終フレーム付近では楽曲識別データの始点コード
は書き込みを行なったというログ情報さえあれば、同一
の事業者識別データを10回検出し、また、楽曲識別コ
ードも10回されたような場合は、検出された事業者識
別データ、楽曲域別データともほぼ間違いがなく、信頼
性の高いものであると判別することができる。
【0275】このように、複数回付加するようにされた
事業者識別データ、楽曲識別データの全部か検出されな
くても、検出された回数に応じて、その楽曲データは、
楽曲識別データが示すものであり、事業者識別データが
示す事業者から購入したものであるか否かをほぼ間違い
なく、判別することが可能となる。なお、検出データと
の照合率については、自由度があるが、編集やデータ破
壊の影響を鑑みた形で、事業者毎に設定するようにすれ
ば良い。
【0276】また、この第2の実施の形態においてもま
た、第1の実施の形態の場合と同様に、開始制御コー
ド、終了制御コード、および、付加情報は、前述したよ
うに、符号化未使用ビットを使用しているものであるの
で、図7で説明した復号化装置で復号を行なって生成さ
れるPCMデータには何ら影響を及ぼすことはない。
【0277】このように、この第2の実施の形態におい
ては、第1の実施の形態の場合と同様に、MDのように
予め、楽曲生成者や楽曲番号等、付加情報を示すような
情報を記録するエリアの無い記録媒体においても、付加
情報を高能率符号化データの未使用ビットを用いること
によって、高能率符号化データに付加情報を付加するこ
とができる。
【0278】また、当該符号化未使用ビットのビット数
に応じ、付加情報を書き込むフレームと、付加情報の書
き込みの始点や終点を示すような制御を行なうフレーム
とを区別することにより、記録媒体上で楽曲のいわゆる
分割処理に代表されるような何らかの編集処理や、記録
媒体部分的な破壊があった場合においても、付加情報の
検出が可能となる。
【0279】そして、検出された付加情報の照合率を元
に、記録媒体に記録された楽曲データが、特定の事業者
から購入したものか否かの判断を行なうことが可能とな
り、配信事業者の様々なサービス提供を実現可能にする
と共に、データの保守、保障等への利用も実現できるこ
とになる。
【0280】また、付加情報に応じて制御コードを異な
らせることにより、複数種類の付加情報を付加するよう
にした場合には、それらの各付加情報の分離、抽出を容
易に行なうようにすることができる。
【0281】[第3の実施の形態]前述した第1、第2
の実施の形態においては、高能率符号化されて形成され
た符号化データの符号化未使用ビットREMを利用し、
この符号化未使用ビットREMに付加情報の書き込みを
行なっており、符号化未使用ビットの発声を前提とした
ものである。
【0282】しかし、この符号化未使用ビットREMに
ついては、図3におけるビット割当算出回路118によ
って決定されるビット割当の結果として生ずるものであ
り、その発生確率には任意性がある。このため、書き込
みを行なえる付加情報の書き込み量(書き込み回数)
は、楽曲毎に異なるものとなる。一般的には、時間(再
生にかかる時間)の長い楽曲程、書き込み量(書き込み
回数)は増加する。
【0283】また、再生にかかる時間がほぼ同じ時間で
ある異なる楽曲においては、付加情報の書き込み量(書
き込み回数)が極端に異なることは少ない傾向にある。
しかし、例えば定常的な特殊な音楽信号等を符号化する
場合、符号化未使用ビットの発生パターンが極端に不足
したり余分が出たりするような場合が考えられる。
【0284】また、前述した第1、第2の実施の形態に
おいて用いるようにした高能率符号化方式においては、
比較的単純な形でスペクトルデータにビットを割り当て
るようにしているが、いわゆる可変長符号等のように、
複雑な符号化を行なったような場合にも、符号化未使用
ビットの発生パターンが、特殊なものとなる可能性があ
る。
【0285】このように、高能率符号化する楽曲によっ
て、また、用いる高能率符号化のアルゴリズムなどの違
いによって、符号化未使用ビットの発生に差が生じ、結
果として充分な付加情報を符号化データに書き込む(付
加する)ことが出来ない楽曲が生じる可能性がある。
【0286】こうした事態についても対応可能なよう
に、前述した第2の実施の形態においては、ログ出力の
形で、符号化データに付加した付加情報の回数や付加態
様などの情報を残すようにした。しかし、符号化データ
に付加された付加情報を検出する際に、符号化データに
付加情報付を加した際のログ情報に頼っていたのでは、
符号化データに付加された付加情報自体の信頼性を高め
ることができない。
【0287】そこで、この第3の実施の形態において
は、符号化データにおいて、積極的に所望の符号化未使
用ビットを発生させるべく、高能率符号化装置(高能率
符号化エンコーダ)のパラメータを変え、符号化を行な
い直すことで、付加情報の書き込み量(書き込み回数)
の不足分を補うようにしている。
【0288】この第3の実施の形態においても、前述し
た第1、第2の実施の形態の場合と同様の音楽配信シス
テムを構成する場合を例にして説明する。すなわち、こ
の第3の実施の形態の音楽配信システムは、図1、図2
を用いて前述した構成を有するものである。
【0289】したがって、この第3の実施の形態におい
ても、音楽配信システムを構成するメインサーバ10
(1)、10(2)、10(3)、…のそれぞれは、図
13に示した構成を有するものである。また、音楽配信
システムを構成する音楽サーバシステム30(1)、3
0(2)、30(3)、…のそれぞれは、図14に示し
た構成を有し、図15に示した管理テーブルファイルを
有するものである。このため、第1の実施の形態の説明
において用いた図1〜図17、第2の実施の形態におい
て用いた図18、図19のうちの必要な図面について
は、この第3の実施の形態においても参照することにす
る。
【0290】このように、この第3の実施の形態の音楽
配信システムのメインサーバ、音楽サーバシステムのそ
れぞれは、第1、第2の実施の形態のそれぞれと同様に
構成されるものであるが、この第3の実施の形態におい
ては、メインサーバ10のエンコーダ80において行な
われる付加情報の書き込み処理が、前述の第1、第2の
実施の形態の場合とは異なるものである。
【0291】この第3の実施の形態について、図20を
用いて具体的に説明する。図20は、PCMファイルを
高能率符号化ファイルとして出力するまでの処理過程の
ブロック図となるものである。すなわち、図20は、図
10示したように高能率符号化部120と、付加情報書
き込み部130とからなる図13に示したメインサーバ
10のエンコーダ80について、その処理過程毎にブロ
ック化して表したものである。
【0292】図20に示すように、図13に示したエン
コーダ80を各処理過程毎にブロック化すると、エンコ
ーダは、PCMファイル選択部141、PCMデータ入
力部142、高能率符号化エンコーダ部143、付加情
報書き込み部144、符号化データ出力部145、符号
化ファイル選択部146を有するものである。制御部1
40は、エンコーダ80の内部にあって、エンコーダ8
0内の各部を制御するものである。この制御部140の
役割をメインサーバ10の制御部81が行なうようにす
ることもできる。
【0293】そして、図20に示すように、全ての処理
部は、制御部140に接続されており、この制御部14
0によって処理の制御が行なわれる。PCMファイル選
択部141では、例えばハードディスクのような記録媒
体上にある複数のPCMファイルから、処理を行なうべ
き所望のPCMファイルを選択する。
【0294】PCMファイル選択部141によって選択
されたPCMファイルのデータは、PCMデータ入力部
142によって、フレーム処理単位で読み込まれる。こ
のフレーム処理単位は、前述もしたように、1フレーム
分(212バイト分)の符号化データ形成するために必
要となる、例えば、1024サンプル分のPCMデータ
に相当する。PCMデータ入力部142により読み込ま
れた1フレーム分に相当するPCMデータは、高能率符
号化エンコーダ部143に供給される。
【0295】高能率符号化エンコーダ部143は、図1
0に示した高能率符号化装置120に相当する部分であ
り、供給されたPCMデータについて、実際に高能率符
号化を行なう部分であり、その内部構成は、図3で示し
た形のものである。高能率符号化エンコーダ部143か
らは符号化データが出力され、この符号化データは、付
加情報書き込み部144に供給される。
【0296】付加情報書き込み部144は、図10に示
した付加情報書き込み装置130に相当する部分であ
り、高能率符号化エンコーダ部143からの符号化デー
タについて、高能率符号化エンコーダ部143からの符
号化未使用ビットREMに基づいて、符号化未使用ビッ
トの発生しているフレームの符号化未使用ビット部分に
付加情報を書き込むものである。
【0297】付加情報書き込み部144から出力された
符号化データは、符号化データ出力部145を通じてフ
レーム単位で出力され、符号化ファイル選択部146に
供給され、符号化ファイルに書き込みが行なわれる。符
号化ファイル選択部146は、符号化データの格納先で
ある書き込みファイル名を決定し、最終的にファイルを
生成するものである。
【0298】なお、この図20において点線で囲った部
分のPCM入力部142から符号化データ出力部145
までの処理は、第2に実施の形態において説明した図1
9のフローチャートに示した処理に基づいて行なわれる
ものである。すなわち、PCMファイル入力部142へ
のPCMファイル入力が、図19におけるスタート(S
tart)に相当し、符号化データ出力部145からの
符号化ファイル出力が、図19におけるエンド(En
d)に相当するものである。
【0299】また、図20においては、図示しないが、
前述もしたように、付加情報の書き込みに関する状況の
ログ出力は、付加情報書き込み部144から制御部14
0に送られているものとする。このログ出力に基づい
て、制御部140では、PCMファイルが入力されて、
符号化ファイルが出力されるまでに、書き込んだ付加情
報の書き込み量(書き込み回数)をカウントし、管理す
ることが可能となる。
【0300】そして、制御部140が、例えば最終的な
書き込み量を付加情報の書き込み量として不充分である
と判断した場合には、制御部140は、符号化ファイル
選択部146を機能させずに、当該PCMファイルの符
号化を再度行なうような形で、PCMファイル選択部1
41に再選択の指示を与える。この際、制御部140は
パラメータ設定部147において、高能率符号化の際の
パラメータを決定し、再度同一PCMファイルの符号化
を行なうように各部を制御する。
【0301】このようにして、PCMデータを高能率符
号化して形成した符号化データに対して、所定量(所定
回数)の付加情報を付加することができるまで、高能率
符号化処理時のパラメータを変更して、高能率符号化処
理をやり直すことにより、どのようなPCMデータに対
しても、それを高能率符号化して形成した符号化データ
に対して所定量の付加情報を付加することができる。
【0302】図21は、図20に示したエンコーダ80
において行なわれる処理を説明するためのフローチャー
トであり、制御部140の制御により実行される処理で
ある。まず初めに、制御部140の制御により、PCM
ファイル選択部141が、高能率符号化処理するPCM
データのPCMファイルを選択する(ステップS50
1)。
【0303】このステップS501の処理は、後述する
ステップS505の処理との組合せにより行なわれるも
のであり、具体的には、例えばソフトウエアで実現する
のであれば、処理を行なうべきPCMファイルを最初に
複数選択したり、ファイルが存在するディレクトリを指
定したりするような形で、メインサーバ10の使用者
が、予め複数選択しておき、それらのファイルを所望の
順序で自動的に一つ一つ選択していくような操作を行な
うものである。
【0304】この後に、選択されたPCMファイルにつ
いて、前述した第2の実施の形態の場合と同様に、図1
9に示したフローチャートの処理を行ない、符号化デー
タに対して付加情報を付加する処理を行なう(ステップ
S502)。このステップS502の処理は、前述もし
たように、図20におけるPCMデータ入力部142か
ら符号化データ出力部145までの部分において行なわ
れる処理である。
【0305】この後、制御部140は、付加情報を符号
化データに対して書き込んだか否かを判断する(ステッ
プS503)。このステップS503の処理は、前述も
したように、図20における付加情報書き込み部144
より付加情報の書き込み状況を制御部140に出力し、
制御部140にて書き込み終了回数をカウントするよう
にして、予め定めた規定回数との単純比較を行なうよう
にすればよい。
【0306】このステップS503の判断処理におい
て、符号化データに対して規定回数分の付加情報を書き
込んだと判断した場合には、符号化データをファイル化
する(ステップS504)。このステップS504の処
理は、符号化ファイル選択部146が行なう処理に相当
するものであり、所望のファイル名を与えファイルクロ
ーズすることで、符号化ファイルとして最終的な出力を
行なう。
【0307】ステップS504の処理の後、処理すべき
PCMファイルがあるかどうかの判断を行ない(ステッ
プS505)、無い場合は、この図21に示す処理を終
了する。また、ステップS505の判断処理において、
処理すべきPCMファイルがまだあると判断したときに
は、次のPCMファイルについて、ステップS501か
らの処理を行なうことになる。
【0308】ステップS503の判断処理において、符
号化データに対しいて、規定回数以上の付加情報を書き
込んでいないと判断したときには、すなわち、符号化デ
ータに対して付加情報を書き込む1回目の処理によって
は、規定回数以上の付加情報の書き込みが行なえなかっ
た場合には、制御部140は、パラメータ設定部147
を制御し、高能率符号化エンコーダ部143において用
いられる高能率符号化処理においてのパラメータを変更
し(ステップS506)、再びステップS502の処理
を通過させることによって、高能率符号化、および、付
加情報の書き込みをやり直す。
【0309】このように、高能率符号化処理時に用いる
パラメータを変更し、符号化未使用ビットREMを積極
的に発生させるようにして、符号化データに対して付加
情報を規定回数以上書き込む(付加する)ことが可能と
なる。
【0310】[パラメータの変更について]次に、図2
0におけるパラメータ設定部147が行なう処理であっ
て、図21におけるステップS506のパラメータ変更
についての具体的な内容について説明する。
【0311】規定回数以上の付加情報の書き込みが出来
ない原因としては、前述もしたように、符号化未使用ビ
ットが不足し、充分な書き込みが行なえないことが挙げ
られる。このため、符号化未使用ビットを故意に作成す
ることで、この問題を回避することが可能となる。
【0312】これは、図3に示した高能率符号化装置の
ビット割当算出回路118に、使用可能ビット数を制限
させることで実現できる。前述もしたように、高能率符
号化装置のビット割り当て算出回路118は、いわゆる
マスキング効果や、人間の聴覚に関する最少可聴カー
ブ、等ラウドネスカーブ等、既存の効果を考慮し、単位
ブロック毎のビット割当量を算出していく。
【0313】このビット割当量の算出については、1フ
レーム中でのビット割り当てと、それに伴うビット使用
量が、図9に示した形のフォーマットに従い、1696
ビット以内に収まるような制限のものに行なわれてい
る。これは先に示した符号化に使用する実際のビット数
の合計Bsumが1696以下となるべく計算が行なわ
れていると言うことも出来る。
【0314】つまり通常時は、図3に示した高能率符号
化装置のビット割当算出回路118には上限値として1
696が設定されているが、この値を例えば1693と
することで、確実に最低3ビットの符号化未使用ビット
を故意に作成することが可能となる。すなわち、図20
におけるパラメータ設定部147では、図3におけるビ
ット割り当て算出回路118への上限値をパラメータと
して設定するものである。
【0315】この第3の実施の形態においては、通常は
1696が設定されているが、充分な付加情報の書き込
みが行なえずに、再度符号化を行なう際には、この値を
1693、あるいは、1694等に設定することで、故
意に符号化未使用ビットを作成し、付加情報の書き込み
領域の確保を実現するものである。
【0316】実際に設定する値については、一度169
6を上限値として符号化した際のログ出力を分析し、そ
の結果を元に決定することで、より精緻な処理が行なえ
ることになる。この上限値については、一つのファイル
に対して常に一定である必要はなく、フレーム毎に変化
させるようにしてもよい。
【0317】一般には、符号化未使用ビットが増える
程、音質に及ぼす影響が大きくなる傾向がある。これを
鑑み、例えば、あるファイルの処理中に、図20におけ
るパラメータ設定部147のパラメータ設定により、フ
ァイル前半部において、充分に付加情報の書き込みが行
なえたことが付加情報書き込み部144からのログ出力
にて確認できれば、制御部140は、以降、この結果を
もとにパラメータを通常時の値である、1696に戻す
ことによって、音質への影響を最小限に抑えることが可
能となる。
【0318】なお、ここでは、処理を行なうべきファイ
ルについて、一度符号化を行なった後、その結果をもっ
て付加情報の書き込みが充分に行なえなかったときの
み、その結果をフィードバックさせる形で、パラメータ
設定を行なう構造となっている。しかし、音質への影響
をさほど重要視せずに、符号化処理の速度を優先させる
ような場合には、あらかじめ使用可能ビット数の上限値
を少なめにするべくパラメータ設定を行ない、一度の処
理で、確実に付加情報の書き込みを行なう様な構成とす
ることも可能である。
【0319】また、この第3の実施の形態においては、
図21に示した処理のステップS503の処理におい
て、規定回数以上の付加情報の書き込みとして、書き込
み回数の絶対量を基準の条件としているが、例えば、こ
れを1分間相当分で、付加情報を何回書き込みむといっ
た形で、更に細かな条件とすることで、付加情報の書き
込み精度を制御し、付加情報の復号時における照合の精
度を楽曲に依存せず高めていくような仕組みとすること
も可能である。
【0320】そして、この明細書においては、付加情報
の書き込みに関して、符号化未使用ビットが0ビットか
ら3ビットの間であることを前提に説明を行なってきた
が、前述した高能率符号化時に用いるパラメータ設定を
行なうことにより、4ビット以上の符号化未使用ビット
が発生する可能性が高くなる。
【0321】このような場合については、例えば4ビッ
ト以上の符号化未使用ビットでその値が偶数の場合は、
符号化未使用ビットが2ビットと同等の扱いとし、奇数
の場合は、符号化未使用ビットが3ビットと同等の扱い
とするようにする。このようにビットの使用法を定めて
おけば、どのような未使用ビット数が来ても、制御と書
き込みが行なえることとなる。
【0322】一般には未使用ビット数と、その扱いにつ
いては、任意性があるが、符号化フォーマットの性質
や、傾向などを分析し、最も効率の良い形で付加情報の
書き込みが行なえる様な形で取り決めを設定すれば良
い。
【0323】この第3の実施の形態においても、前述し
たように、符号化データに対して書き込みを行なった付
加情報については、符号化未使用ビットを使用している
ものであるので、図7で説明した復号化装置で復号を行
なって生成されるPCMデータには何ら影響を及ぼさな
い。
【0324】このように、この第3の実施の形態によれ
ば、MDのように予め、楽曲生成者や楽曲番号等、付加
情報を示すような情報を記録するエリアの無い記録媒体
においても、高能率符号化データの未使用ビットを確実
に確保することにより、どのような楽曲データであって
も、ある一定量以上の付加情報を書き込むシステムを構
築することができる。この結果、記録媒体からの付加情
報の読み取りに関して、楽曲に依存しないレベルの付加
情報の付加に関する水準指標の確保が可能となり、配信
事業者毎に提供することが要求される様々なサービスを
提供する上で、有効な手段を提供することができる。
【0325】[第4の実施の形態]前述した第1、第
2、第3の実施の形態においては、少なくとも、事業者
識別子の比較、比較結果の判断、課金処理は、メインサ
ーバで行なうものとして説明した。しかし、これらの事
業者識別子の比較、比較結果の判断、課金処理について
も、各音楽サーバシステムにおいて行なうようにするこ
とができる。この第4の実施の形態は、事業者識別子の
比較、比較結果の判断、課金処理についても、各音楽サ
ーバシステムにおいて行なうようにしたものである。
【0326】図22は、この第4の実施の形態の音楽配
信システムの概要、および、メインサーバシステムの構
成の概要を説明するためのブロック図であり、図23
は、この第4の実施の形態の音楽サーバシステムの構成
の概要について説明するためのブロック図である。
【0327】図22に示すように、この第4の実施の形
態の音楽配信システムは、第1、第2、第3の実施の形
態の場合と同様に、通信ネットワークを通じて接続され
た複数のメインサーバ(情報センター)10(1)、1
0(2)、10(3)、…と、複数の音楽サーバシステ
ム(端末)30(1)、30(2)、…、30(Z)
(文字Zは正の整数)とからなっている。
【0328】この第4の実施の形態のメインサーバ10
(1)、10(2)、…、のそれぞれは、第1、第2、
第3の実施の形態の場合のメインサーバと同様に、楽曲
データの販売権などの権利を所有し、楽曲データを販売
する、いわゆる正当な販売元(事業者)のサーバシステ
ムであり、多数の音楽サーバシステム30(1)、30
(2)、…、を取りまとめ、管理することができるもの
である。
【0329】この第4の実施の形態のメインサーバ10
(1)、10(2)、10(3)、…のそれぞれは、例
えば異なる事業者によって管理されるが、その基本的な
構成は、比較部15、課金処理部17を備えていないこ
と以外は、図1に示した第1、第2、第3の実施の形態
のメインサーバ10(1)と同様に構成されたものであ
る。このため、この第4の実施の形態のメインサーバ1
0(1)、10(2)、10(3)、…において、第
1、第2、第3の実施の形態のメインサーバ10
(1)、10(2)、10(3)、…と同様に構成され
る部分については、図1に示した第1、第2、第3の実
施の形態のメインサーバと同じ参照符号を付し、その詳
細な説明については省略する。
【0330】そして、この第4の実施の形態のメインサ
ーバ10(1)、10(2)、10(3)、…のそれぞ
れにおいては、オーディオPCM信号を、エンコーダ1
1において、高能率符号化するとともに、符号化未使用
ビットが生じたフレームの当該符号化未使用ビットに、
制御部13を通じて供給される事業者識別子メモリ16
からの事業者識別子を付加する。
【0331】このようにして高能率符号化されると共
に、付加情報としての事業者識別子が付加されて形成さ
れた楽曲データは、大容量メモリであるハードディスク
12に蓄積される。このハードディスク12に蓄積され
た楽曲データが、通信ネットワークを通じて、関係のあ
る音楽サーバシステムに供給されることになる。
【0332】一方、音楽サーバシステム30(1)、3
0(2)、30(3)、…のそれぞれは、前述した第
1、第2、第3の実施の形態の音楽サーバシステム30
(1)、30(2)、30(3)、…と同様に、店頭な
どに設置され、利用者によって持ち込まれるMDなど外
部記録媒体に、自己と関連のあるメインサーバから提供
された楽曲データを記録することによって提供する。
【0333】そして、この第4の実施の形態の音楽配信
システムにおいてもまた、新たなサービスとして、楽曲
データの記録媒体間移動や楽曲データのバージョンアッ
プを行なうことができるようにされたものである。な
お、前述もしたように、楽曲データのバージョンアップ
は、従来の高能率符号化方式により高能率符号化されて
提供された楽曲データを、アルゴリズムがバージョンア
ップされて、例えば、圧縮率が向上したり、音質が向上
したりするようにした高能率符号化方式により高能率符
号化された楽曲データに置き換えるものである。
【0334】そして、楽曲データの記録媒体間移動に先
立って、音楽サーバシステムに持ち込まれた外部記録媒
体に記録されている楽曲データであって、記録媒体間移
動やバージョンアップの対象となっている楽曲データ
が、その音楽サーバシステムに楽曲データを提供するメ
インサーバによって提供されたものか否かを判断し、目
的とする楽曲データが当該メインサーバから提供された
ものである場合に、楽曲データの記録媒体間移動やバー
ジョンアップをできるようにする。
【0335】この楽曲データの記録媒体間移動や楽曲デ
ータのバージョンアップ時の処理について、音楽サーバ
システム30(1)に記録媒体が持ち込まれた場合を例
にして説明する。この場合、音楽サーバシステム30
(1)に楽曲データを提供するなど、音楽サーバシステ
ム30(1)を管理するメインサーバは、メインサーバ
10(1)であるものとして説明する。
【0336】音楽サーバシステム30(1)に対して、
利用者により楽曲データの記録媒体間移動やバージョン
アップの対象となった楽曲データが記録された外部記録
媒体1Xが持ち込まれ、音楽サーバシステム30(1)
に装填され、使用者によって目的とする処理を開始する
ようにする操作が行なわれると、まず、音楽サーバシス
テム30(1)の再生部1は、外部記録媒体1Xから目
的とする楽曲データを読み出し、これを識別子抽出部3
に供給する。
【0337】識別子抽出部3は、これに供給された楽曲
データの符号化未使用ビットに付加されている事業者識
別子を抽出し、これを判別部6に供給する。判別部6に
は、メインサーバ10(1)から送信され、音楽サーバ
システム30(1)の受信部5によって受信されたメイ
ンサーバ10(1)に事業者識別子が供給するようにさ
れている。
【0338】判別部6は、外部記録媒体1Xから読み出
された楽曲データに付加されており、識別子抽出部3に
おいて抽出された事業者識別子と、受信部5からのメイ
ンサーバ10(1)の事業者識別子とを比較し、両事業
者識別子が一致しているか否かを判別する。
【0339】この判別部6において、両事業者識別子が
一致していると判別した場合には、外部記録媒体1Xに
記録されている楽曲データであって、記録媒体間移動や
バージョンアップの対象となっている目的とする楽曲デ
ータは、メインサーバ10(1)から供給されたもので
あると判断することができる。この場合には、判別部6
は、課金処理部7を制御し、所定の課金を行なうように
する。
【0340】この課金に利用者が応じた場合には、メイ
ンサーバ10(1)から供給され、受信部5によって受
信された楽曲データを図19には図示しない記録部を通
じて他の外部記録媒体に記録することにより、楽曲デー
タの記録媒体間移動を行なうようにしたり、また、メイ
ンサーバ10(1)から供給され、受信部5によって受
信された楽曲データを記録部2を通じて外部記録媒体1
Xに上書きすることにより、楽曲データのバージョンア
ップをしたりすることができるようにしている。
【0341】なお、メインサーバ10(1)からの事業
者識別子や楽曲データは、予め音楽サーバシステムに提
供しておき、これを用いることにより、利用者からの楽
曲データの記録媒体間移動の要求時や楽曲データのバー
ジョンアップの要求時において、その都度メインサーバ
10(1)との間で通信を行なって事業者識別子や楽曲
データを得るようにしなくても済むようにすることがで
きる。
【0342】もちろん、利用者からの楽曲データの記録
媒体間移動の要求時や楽曲データのバージョンアップの
要求時において、その都度メインサーバ10(1)との
間で通信を行なうことにより、必要となる事業者識別子
や楽曲データの提供を受けるようにしてもよい。
【0343】[第4の実施の形態のメインサーバの具体
例について]この第4の実施の形態のメインサーバ10
(1)、10(2)、10(3)、…のそれぞれは、図
13に示した第1、第2、第3の実施の形態のメインサ
ーバ10とほぼ同様に構成することができる。したがっ
て、この第2の実施の形態のメインサーバの具体例とし
て、図13に示す構成を有するものとして説明する。
【0344】しかし、前述もしたように、この第4の実
施の形態において、課金処理は、音楽サーバシステム側
において行なわれるので、課金処理部85をメインサー
バ10に設ける必要はない。ただし、メインサーバ10
が、自己が管理する各音楽サーバシステムのそれぞれの
課金についての情報を管理するなどの場合には、課金処
理部85をそのまま残し、課金処理部85を課金管理の
ために用いるようにしてもよい。
【0345】また、第1、第2、第3の実施の形態のメ
インサーバ10の場合には、メインコントローラ81に
より、音楽サーバシステムからの事業者識別子と、自己
が保持する事業者識別子とを比較する比較部の機能や、
比較部からの比較結果に基づいて、両事業者識別子が一
致しているか否かを判別する機能をメインコントローラ
81が実現していた。しかし、これらの機能も、この第
4の実施の形態の場合には、各音楽サーバシステムが備
えるので、メインサーバ10に設けるようにする必要は
ない。
【0346】そして、この第4の実施の形態のメインサ
ーバ10は、オーディオPCM信号を高能率符号化する
と共に、高能率符号化した符号化データに付加情報とし
ての事業者識別子を付加して自己のハードディスク12
に蓄積する機能と、蓄積した楽曲データ(符号化デー
タ)を必要に応じて各音楽サーバシステムに提供する機
能とを主たる機能とするものである。
【0347】[第4の実施の形態の音楽サーバシステム
の具体例について]この第4の実施の形態の音楽サーバ
システム30(1)、30(2)、30(3)、…のそ
れぞれは、図14に示した第1、第2、第3の実施の形
態の音楽サーバシステム30とほぼ同様に構成すること
ができる。したがって、この第4の実施の形態の音楽サ
ーバシステムの具体例として、図14に示す構成を有す
るものとして説明する。
【0348】そして、この第2の実施の形態の音楽サー
バシステム30の場合には、課金処理をも音楽サーバシ
ステム30において行なうようにするため、提供するサ
ービスに応じた課金金額を算出して、この課金金額に応
じた入金を要求し、図示しない入金装置部通じて入金さ
れた入金金額が、当該課金金額に応じたものか否かを判
断するなどの課金処理部としての機能を、例えば、メイ
ンコントローラ31において実行されるプログラムによ
り、メインコントローラ31に持たせるようにしてい
る。もちろん、課金処理部を別途設ける構成とすること
もできる。
【0349】また、この第4の実施の形態の音楽サーバ
システム30の場合にも、図15に示した管理ファイル
テーブルを備え、この管理ファイルテーブルの検出フレ
ーム番号を参照することによって、楽曲データに付加さ
れている事業者識別子を迅速かつ正確に検出することが
できるようにしている。
【0350】[第4の実施の形態の楽曲データの記録媒
体間移動時の動作について]この第4の実施の形態にお
いて、音楽サーバシステム30において、MDである外
部記録媒体19に記録されている楽曲データを、MSで
ある外部記録媒体20に移動する楽曲データの記録媒体
間移動時の音楽サーバシステム30の動作について、図
24のフローチャートを参照しながら説明する。
【0351】この図24に示す処理は、主に音楽サーバ
システム30のメインコントローラ31により実行され
る処理である。まず、図14に示したこの第4の実施の
形態の音楽サーバシステム30は、購入済みの楽曲デー
タが記録された外部記録媒体19(MD)の読み取り記
録部15への挿入(装填)を受け付ける(ステップS6
01)。その後、音楽サーバシステム30のメインコン
トローラ31は、操作部34を通じて、記録媒体19に
記録されている楽曲データのうち、移動を行ないたい楽
曲データのTrackの指定を受け付ける(ステップS
602)。
【0352】その後、音楽サーバシステム30のメイン
コントローラ31は、操作部34を通じて、移動対象と
なっている楽曲データの指示情報の入力を受け付ける
(ステップS603)。音楽サーバシステムは、ステッ
プS603において受け付けた情報に基づいて、図15
に示した配信業者側が所有しているデータベースを参照
し、移動の対象になっている楽曲データの割り出しを行
なう(ステップS604)。
【0353】このステップS604の処理は、後のステ
ップS606において照合を行なう所有楽曲データを検
索するための行程である。ステップS604の割り出し
処理のためにステップS603において受け付けるよう
にする情報としては、例えば楽曲のタイトル情報や、ア
ーティスト情報等が挙げられる。ステップS603で入
力する情報が多いほど検索が早く確実なものとなる。
【0354】ステップS604において、該当楽曲が見
つからなかった場合は、音楽サーバシステム30は、表
示部33により、該当楽曲無しの旨を表示し(ステップ
S610)、その後、再試行を行なうことを指示する指
示入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS61
1)。ステップS611の判断により再試行を行なうこ
とが指示されたと判断した場合には、音楽サーバシステ
ム30は、ステップS603からの処理を繰り返し、行
なわないと判断した場合には、この図24に示す処理を
終了する。
【0355】ステップS604の割り出し処理におい
て、該当楽曲データが見つかったと判断した場合には、
読み出し記録部15に挿入された記録媒体19(MD)
から該当楽曲の高能率符号化データ(楽曲データ)を読
み取る(ステップS605)。
【0356】このステップS605の読み取りに関して
は、楽曲の全ての符号化情報を読み込んでも良いが、図
15に示したデータベースにおいて、検出フレーム番号
を基に、後の工程であるステップS606の照合データ
の先頭フレーム番号から所望のフレーム分を読み出すよ
うにすることで、照合の高速化を実現することが可能と
なる。
【0357】そして、音楽サーバシステム30は、ステ
ップS605において購入者の記録媒体19から読み出
した高能率符号化データは、この実施の形態の音楽サー
バシステム30を運営する配信業者(事業者)により提
供されたものであるかの照合を行なう(ステップS60
6)。
【0358】この照合の方法としては、図14における
付加情報検出部39により、符号化データの未使用ビッ
ト(符号化未使用ビット)を利用して記録された事業者
識別子を検出し、メインサーバ10から提供された事業
者識別子と比較することにより、両者が一致しいている
か否かを判別することにより、メインサーバ10を運営
する当該事業者より購入した楽曲であるか否かの判断を
行なう。
【0359】また、前述もしたように、音楽箔配信シス
テムの場合には、配信する楽曲データについては、高能
率符号化(エンコード)をソフトウエアで行なっていると
の前提のもとに、楽曲データの配信事業者側である音楽
サーバシステム30、あるいは、メインサーバ10が所
有する該当楽曲データと、外部記録媒体19に記録され
ている移動の目的である楽曲データとの比較を行なうよ
うにすれば、照合の精度を更に向上させることができ
る。
【0360】ステップS606においての照合が不成立
の場合は、図14における表示部33により照合不成立
の旨を表示し(ステップS612)、この図24に示す
処理を終了する。ステップS612の処理においては、
「ご要望の楽曲は、当システムを通じて販売されたもの
ではありません。ご確認ください。」などのメッセージ
を表示するなどの処理を行なうことになる。
【0361】ステップS606においての照合が成立し
た場合は、所定の課金処理を行なう(ステップS60
7)。前述もしたように、この場合は安い値段を設定し
たり、課金を無くしたりするようにすれば良い。なお、
課金をなくし無料とする場合には、ステップS607の
処理においては、「課金は発生しません。無料で楽曲デ
ータの移動ができます。」などのメッセージ表示処理な
どになる。
【0362】その後、読み出し記録部16に挿入されて
いる購入者の外部記録媒体20(MS)に対して、該当
楽曲データの記録媒体20(MS)用の高能率符号化デ
ータを書き込む(ステップS608)。この後、音楽サ
ーバシステム30は、読み出し記録部15を通じて、記
録媒体19(MD)に記録された当該楽曲データの情報
が記録されたTrackを削除(消去)し(ステップS
609)、この図24に示す処理を終了する。
【0363】また、例えば、ステップS607の課金処
理において、ある程度の課金を行なうようにし、購入者
がこれに応じた場合には、ステップS609の楽曲デー
タの削除(消去)を行なわない形にすれば、記録媒体間
の移動ではなく、記録媒体データのコピーサービスとし
て新たなサービスも成立する。
【0364】また、付加情報として楽曲そのものの識別
コード、例えばISRC(International
Standard Recording Code)
などを、一番最初の付加情報記録部分に記録しておくこ
とで、楽曲そのものの情報を読み取るようにして、ステ
ップS603の処理を省略するようにすることもでき
る。
【0365】このように、符号化データの符号化未使用
ビットに付加されている事業者識別子を用いることで、
楽曲データの配信を行なう事業者が複数存在していて
も、音楽配信システムを通じて利用者の外部記録媒体に
記録されている楽曲データは、どの事業者であるかを簡
単かつ確実に知ることができるので、各事業者は、自分
が提供した楽曲データの利用者に対してだけ、楽曲デー
タの記録媒体間移動や楽曲データのバージョンアップな
どの新たなサービスを、安価に、あるいは、無料で提供
することができる。
【0366】このように、楽曲データである符号化デー
タに付加されている事業者識別子などの付加情報の比較
処理や課金処理は、第1、第2、第3の実施の形態の場
合のように、メインサーバ側で行なうようにすることも
できるし、また、第4の実施の形態のように、メインサ
ーバによって管理される各音楽サーバシステム側で行な
うようにすることもできる。
【0367】[新たなサービスのバリエーション]次
に、前述した第1、第2、第3、第4の実施の形態にお
いて詳細に説明したように、楽曲データ(符号化デー
タ)の符号化未使用ビットに事業者識別子などの付加情
報を付加しておくことによって、楽曲データの提供元の
事業者を確実かつ簡単に判別することができるようにな
ることによって、実現可能となる新たなサービスについ
て説明する。なお、以下において、記録媒体Aと記録媒
体Bとは異なるものであり、例えば、記録媒体Aは、M
Dであり、記録媒体Bは、MSであるものとして説明す
る。
【0368】図25は、記録媒体間の楽曲移動(ムーブ
サービス)について説明するための図である。すなわ
ち、図25は、図16、図17、あるいは、図24用い
て前述した記録媒体間の楽曲移動(ムーブサービス)時
のデータの流れを表した図である。
【0369】図25に示すように、記録媒体Aに記録さ
れている楽曲データであるA符号化データに付加されて
いる事業者識別子と、メインサーバ10に保持されてい
る事業者識別子とが比較され、一致した場合に同じ楽曲
データのB符号化データが、購入者の記録媒体Bに転送
されて記録される。
【0370】したがって、楽曲データの移動は、図25
において、A符号化データが読み込まれ照合に用いられ
てからB符号化データが転送される実線矢印で示したよ
うな流れとなるが、利用者には点線矢印で示した様に記
録媒体間を移動した形として捉えられる。ここで記録媒
体Aの符号化データを消去しなければ、点線矢印はコピ
ーとして捉えられる。
【0371】図26は、例えばMDからMDといった同
一記録媒体での書き換えを行なうものの一つで、高能率
符号化演算の精緻化等に伴う音質向上、即ち、高能率符
号化アルゴリズムのバージョンアップ対応としてのサー
ビス利用時のデータの流れを表した図である。すなわ
ち、楽曲データのバージョンアップを行なう場合のデー
タの流れを示している。処理課程としては図24で示し
たステップS608が記録媒体Aの上書きとなり、ステ
ップS609が無くなる形となる。このときステップS
607で示された課金処理を行なうようにしてもよい
し、また課金処理を無くして無料とするようにしてもよ
い。
【0372】この場合においても、バージョンアップを
行なうように要求された旧A符号化データに付加されて
いる事業者識別子と、メインサーバ10が保持している
メインサーバ10の事業者識別子とを比較し、両者が一
致した場合に、記録媒体Aの旧A符号化データに、新A
符号化データを上書きすることによって、旧A符号化デ
ータのバージョンアップを行なうことができる。
【0373】図27は、同一記録媒体での書き換えを行
なうものの一つで、例えば前述した比較対象となる検出
フレーム以外の場所のデータが壊れたり、以前に書き込
み失敗が起こっていたような場合に、再度上書きにより
修正を行なうといったサービスの利用時のデータの流れ
を示した図である。処理過程としては図26によるもの
と同様である。
【0374】図28は、同一記録媒体での書き換えを行
なうものの一つで、例えば記録媒体Aに書き込み可能な
符号化データで、ビットレートを変更したいような場合
に、再度上書きにより修正を行なうといったサービスを
利用時のデータの流れを示した図である。処理過程とし
ては図26によるものと同様である。
【0375】また、例えば、利用顧客のデータベースを
作成した場合に、登録された顧客にパスワード等を発行
し管理することで、当該顧客が以前に購入した楽曲デー
タに対してサービスを受けると行ったことも可能にな
る。
【0376】図29は、この音楽サーバシステムのサー
ビス利用のデータの流れを示した図であり、記録媒体の
データ以外に、顧客識別データとして、例えば固有のパ
スワード等を入力し、楽曲データと顧客情報の双方の照
合を行なうことで認証確認し、付加サービスを提供する
ものである。
【0377】顧客識別データを用いるのは、同じ顧客が
何回も付加サービスの提供を受けることを防止するため
である。付加サービスの具体例としては、あるAという
アーティストの楽曲を、以前に10曲以上購入している
人に限り、限定でプレゼントをする、といったものが考
えられる。この時、記録媒体の使い回しの防止について
は、顧客データベースで当該サービスを提供したか否か
を管理するようにすればよい。
【0378】図29の付加サービスに関しては、サービ
ストラックを提供したり、音楽サーバシステム30に高
精度のプリンタを搭載して好みのアーティストのブロマ
イドを提供したり、各種の割引き券の発行したり、顧客
ごとにサービスポイントを蓄積し、後日、ポイント高に
応じた割引や景品の提供などを行なうなど種々のものが
考えられる。
【0379】そして、図25〜図29のいずれの場合に
も、前述したように、音楽サーバシステム30に装填さ
れた外部記録媒体に記録されている楽曲データの符号化
未使用ブロックに付加されている事業者識別子と、メイ
ンサーバ10、あるいは、音楽サーバシステム30が保
持する事業者識別子とを比較するだけで、音楽サーバシ
ステム30に装填された外部記録媒体に記録されている
楽曲データが、音楽サーバシステム30を通じてメイン
サーバ10から提供されたものであるか否かを確実かつ
簡単に判別することができる。
【0380】なお、事業者識別子の比較および判別は、
図25〜図29に示した例の場合には、前述した第1、
第2、第3の実施の形態の場合と同様に、メインサーバ
10側において行ない、一致した場合に認証するように
した。しかし、事業者識別子の比較および判別は、前述
した第4の実施の形態の場合のように、音楽サーバシス
テム30側において行なうようにしてももちろんよい。
【0381】また、新たに提供するようにする楽曲デー
タは、要求がある都度、メインサーバ10から音楽サー
バシステム30が取得して、これを提供するようにして
もよいし、予めメインサーバ10から提供され、音楽サ
ーバシステム30のハードディスク32に蓄積されてい
る楽曲データを提供するようにすることもできる。
【0382】なお、前述の実施の形態においては、利用
者の外部記録媒体が、所定の音楽サーバシステム30に
持ち込まれる場合を例にして説明した。しかし、必ずし
も使用者の外部記録媒体を、これに記録されている楽曲
データの記録を行った音楽サーバシステムに持ち込む必
要はない。
【0383】図8に示したメインサーバ10に接続され
た音楽サーバシステム30(1)、30(2)、…、3
0(Z)によって楽曲データが記録された外部記録媒体
であれは、音楽サーバシステム30(1)、30
(2)、…、30(Z)のいずれにおいても同じサービ
スの提供を受けることができるようにされる。
【0384】つまり、音楽サーバシステムでなく、事業
者識別子を用いてメインサーバの同一性を判別するよう
にしたのは、メインサーバ10が管理する各音楽サーバ
システムのいずれを用いても、同じサービスを提供する
ことができるようにするためである。このように、楽曲
データの提供元が同じであることが確認できれば、どの
音楽サーバシステムを通じても新たなサービスの提供を
受けることができるので、利用者の利便性を向上させる
ことができる。
【0385】また、例えば、前述したサービスのみなら
ず、不良記録媒体の解析等、購入者から購入楽曲の記録
に際するクレーム等を処理するような場合においても、
配信業者(事業者)から正規に購入した楽曲であるか否
かを判断し、楽曲データの再提供などのことが可能とな
る。
【0386】また、前述もしたように、図14に示した
音楽サーバシステムとほぼ同様の構成のものを一般家庭
に設置し、通信回線としてインターネット等を利用し、
メインサーバにて照合を行なう形にすることで、同様の
サービスを行なうことも可能である。
【0387】また、ハードディスクのような大容量記録
媒体から、いわゆるチェックインやチェックアウトとい
った機能を実現するための手段として、この発明を適用
することも可能である。つまり、所定のハードディスク
に記録されている楽曲データについて、3回までのコピ
ーを可能にしておく。
【0388】そして、当該所定のハードディスクから楽
曲データがMDに記録されたときには、コピー可能回数
を1回減らすようにする。このように、ハードディスク
からのMDなどへの出力をチェックアウトという。そし
て、当該MDにコピーした楽曲データを当該ハードディ
スクに戻すようにして当該MDから削除したときには、
その楽曲データのコピー回数を1回分戻すようにする。
このMDからハードディスクへの楽曲データの戻し処理
をチェックアウトという。
【0389】そして、チェックイン時において、当該ハ
ードディスクから出力された楽曲データでない楽曲デー
タが戻されることがないように、例えば、ハードディス
クに固有のシリアル番号などのハードディスク識別子と
して、符号化未使用ビットに付加しておくことにより、
当該ハードディスクからチェックアウトされたものかを
判別し、当該ハードディスクからチェックアウトされた
楽曲データについてのみチェックインを認めるようにす
ることができる。
【0390】したがって、この発明を用いることによっ
て、チェックアウト動作、チェックイン動作を、媒体識
別子を持たないMDを用いた場合にも行なうようにする
ことができる。
【0391】なお、前述の実施の形態において説明した
ように、メインサーバは、楽曲データを伝送する伝送装
置としての機能を有するものである。そして、前述した
実施の形態においては、高能率符号化して形成した符号
化データ(楽曲データ)は、一度メインサーバ10のメ
モリに蓄積し、この蓄積した符号化データを必要に応じ
て読み出して、音楽サーバシステム30に提供するもの
として説明した。しかし、これに限るものではない。
【0392】例えば、楽曲のオーディオPCM信号を高
能率符号化して、この高能率符号化した時点において、
高能率符号化した楽曲データを音楽サーバシステム30
に提供するようにしてももちろんよい。このように、楽
曲データでる符号化データの音楽サーバシステムの配信
タイミングなどは、構築する音楽配信システムの構成な
どに応じて様々な形態とすることができる。
【0393】なお、前述した実施の形態においては、メ
インサーバ10において、高能率符号化を行なうものと
して説明したが、これに限るものではない。高能率符号
化された楽曲データの供給を受け、この楽曲データの各
フレームについて、未使用ビットを検出し、検出した未
使用ビットに事業者識別子などの付加情報を付加するよ
うにしてもよい。したがって、高能率符号化されたデジ
タルデータの供給を受けて、これに付加情報を付加する
装置、方法を提供することももちろんできる。
【0394】また、前述した実施の形態においては、付
加情報は、高能率符号化された符号化データの未使用ビ
ットに付加するものとして説明した。この場合に、付加
情報に対して、例えばマンチェスタ符号化方式などのい
わゆるバイフェーズ等を利用した変調を施し、この変調
した付加情報に同期コード(Sync Code)を付
加し、この同期コードと変調した付加情報とを符号化デ
ータの未使用ビットに順次に付加するようにすることも
できる。
【0395】バイフェーズを利用した変調方式は、例え
ば、2進数の「0」を送るときには、ビット区間の中央
で高レベルから低レベルに変化させ、一方、2進数の
「1」を送るときには、逆にビット区間の中央で低レベ
ルから高レベルに変化させるようにして、送りたいデー
タを変調するものである。
【0396】このように、同期コードと変調した付加情
報とを符号化データの未使用ビットに付加するようにし
た場合には、同期コードを有するので、符号化データの
各フレームの未使用ビット(端数部分)に依存せず、比
較的に長い符号化データであっても、複数のフレームの
未使用ビット部分に順次に付加することができる。そし
て、付加情報の検出時においては、同期コードにより、
付加情報の先頭を迅速に検出することができる。
【0397】また、バイフェーズを利用して変調した付
加情報は、直流成分がなく、また、クロック成分を持つ
ので復調も簡単かつ正確に行なうことができるので、符
号化データの未使用ビットに付加情報を付加する場合の
桁数などの制約を緩和し、符号化データに対して柔軟に
付加情報を付加するようにすることができる。なお、こ
こではバイフェーズ等を利用した変調方式で符号化デー
タを変調する場合を例にして説明したが、変調方式は、
各種のものを用いることができる。
【0398】また、符号化データに付加する付加情報
は、事業者識別子(事業者識別データ)、楽曲識別子
(楽曲識別データ)、楽曲データの生成元を示す生成元
識別子の他、サービス利用期間、サービス利用金額など
の提供を受けるサービスについての制限情報や各種の制
御情報、その他必要となる各種の情報を付加することが
できる。
【0399】例えば、著作権情報識別子、URL情報識
別子、課金情報識別子、機器情報識別子、再生回数識別
子などの各情報の識別子を付加情報として符号化データ
に付加することができる。
【0400】この場合、著作権情報識別子は、楽曲デー
タなどのコンテンツの著作権を有するものを特定できる
ものであり、コンテンツ自体を特定することが可能なも
のもある。また、著作権情報識別子は、コンテンツ提供
団体や業界団体などにおいて作成され用いられるものが
多い。
【0401】また、URL情報識別子は、楽曲データに
関連するいわゆるWebページにアクセスするための情
報、あるいは、そのアクセスするための情報を特定する
ための情報である。このURL情報識別子を符号化デー
タである楽曲データに付加しておくことにより、楽曲デ
ータの再生時において、楽曲データ毎にWebページを
通じて情報が得られるようにすることができる。
【0402】つまり、パーソナルコンピュータにおい
て、あるいは、パーソナルコンピュータに接続された再
生機器において、記録媒体に記録された楽曲データを再
生する場合に、楽曲データに付加されているURL識別
情報を得て、そのURL識別情報に基づいて目的とする
Webページにパーソナルコンピュータを通じて自動的
にアクセスし、楽曲データに関する情報をインターネッ
トを通じて自動的に得るようにするなどのサービスを提
供することが可能となる。
【0403】この場合、楽曲毎にWebページを通じて
得られる情報は、楽曲の歌詞や楽譜、アーティストに関
する情報、イメージ画像、その楽曲のアーティストのコ
ンサート予定や新譜の発売予定など、種々の情報を提供
することができる。
【0404】課金情報識別子は、これが付加された楽曲
データについての課金に関する情報を提供することがで
きるものであり、機器情報識別子は、実際に記録媒体に
記録した装置を特定することができるものである。ま
た、再生回数識別子は、再生可能な回数などを特定する
ことができるものである。この再生回数識別子と課金情
報識別子とを併用することにより、課金に応じて、再生
回数を制限するなどのことが実現できる。
【0405】また、符号化データに付加する付加情報
は、1種類に限るものではなく、複数種類の付加情報を
付加するようにしてももちろんよい。この場合には、異
なる付加情報の間に所定の符号を挿入するなどして、各
付加情報を分離することができるようにしておけばよ
い。
【0406】また、前述の実施の形態においては、付加
情報を符号化データの各フレームの未使用ビット(端数
部分)に付加するようにしたが、符号化データを記録す
る記録媒体の管理領域であるTOCや各フレームのヘッ
ダ部分に付加情報を付加するようにしてもよい。また、
未使用ビットに付加する付加情報のバックアップとし
て、未使用ビットに付加した付加情報をTOCや各フレ
ームのヘッダの一方あるいは両方に付加するようにして
もよい。
【0407】また、前述の第3の実施の形態において
は、所定量の付加情報が付加できなかった場合に、高能
率符号化処理に用いるパラメータ(ビット割り当ての上
限値)を変更して、再度高能率符号化を行なうことによ
り、高能率された符号化データに所定量の付加情報が可
能な程度の未使用ビットを設けるようにした。しかし、
これに限るものではない。
【0408】例えば、初めから高能率符号化処理に用い
るパラメータを変更して、初めから通常よりも多くの未
使用ビットを設けるようにしてもよい。この場合には、
再度、高能率符号化処理を行なう必要がないので、付加
情報を付加した符号化データを迅速に形成することが可
能となる。
【0409】しかし、未使用ビットを通常よりも多くと
るようにするということは、楽曲を構成するスペクトラ
ムデータを少なくしてしまうことになり、そのスペクト
ラムデータにより再生される楽曲の音質を低下させてし
まうことにもなる。このため、高能率符号化を行って付
加情報を付加し、所定量の付加情報が付加できなかった
場合に、パラメータを変更し、再度の高能率符号化処理
を行な方が、楽曲データの劣化を最小限に抑えることが
できるので、より好ましいといえる。
【0410】なお、例えば、サンプル用の楽曲データな
ど、音質があまり問題となることのない符号化データに
ついては、初めから未使用ビットを多くとるようにし
て、所定量以上の付加情報を1回で付加できるように
し、音質が重要な楽曲データについては、所定量の付加
情報が付加できなかった場合にのみ、再度の高能率符号
化を行なって、必要最小限の未使用ビットを確保するよ
うにするという2つの方式を使い分けるようにしてもよ
い。
【0411】具体的には、メインサーバ10などの高能
率符号化を行なう装置において、高能率符号して形成す
る符号化データに、通常よりも多くの未使用ビットを発
生させるようにするか、所定量の付加情報を符号化デー
タに付加できなかった場合にパラメータを変更して再度
の高能率符号化を行なうかを選択できるようにしてお
く。
【0412】そして、通常よりも多くの未使用ビットを
初めから多く発生させるようにすることが選択された場
合には、高能率符号化を行なう装置においては、通常と
は異なるパラメータを用いて、あるいは、使用者からの
パラメータの入力を受け付けて、高能率符号化を行な
い、1回の高能率符号化処理により所定量の付加情報を
符号化データに付加するようにする。
【0413】逆に、所定量の付加情報を符号化データに
付加できなかった場合にパラメータを変更して再度の高
能率符号化を行なうことが選択された場合には、高能率
符号化を行なう装置は、前述した第3の実施の形態の場
合のようにして、符号化データの付加情報の付加を行な
うようにすればよい。これにより、付加情報の2つの付
加方法を使い分けることができる。
【0414】また、前述の実施の形態においては、デジ
タルオーディオデータを高能率符号化する場合を例にし
て説明したが、これに限るものではない。オーディオデ
ータの他、静止画像データや動画像データなど、高能率
符号化が施されたデジタルデータを記録媒体に記録する
ことにより、利用者に提供する場合にも、この発明を適
用することができる。
【0415】また、高能率符号化方式は、ATRAC方
式を用いる場合を例にして説明したが、これに限るもの
ではない。例えば、MPEG(Moving Pict
ure Expert Group)方式、MP3(M
PEG Audio Layer 3)方式、AAC
(Advanced Audio Coding)方
式、WMA(Windows(登録商標) Media
Audio)方式、ATRAC方式を発展させたAT
RAC3方式、Twin−VQ(Transform−
Domain Weighted Interleav
e VectorQuantization)方式など
の種々の高能率符号化方式を用いることができる。
【0416】また、上述のように、多数のサービスの提
供が可能となった場合には、どのサービスの提供を要求
するかを、音楽サーバシステムの操作部を通じて利用者
から受け付けることによって、多数のサービスのうちの
目的とするサービスを利用者が選択して受けるようにす
ることができる。
【0417】また、前述した実施の形態においては、音
楽サーバシステム30は、所定の通信回線を通じてメイ
ンサーバ装置より符号化データとされた楽曲データの供
給を受けるものとして説明したが、これに限るものでは
ない。たとえば、高能率符号化されて符号化データとさ
れるとともに、符号化データのフレームの符号化未使用
ビット(余剰部分)に付加情報を付加したものを、例え
ば光ディスクなどの記録媒体に記録して、この光ディス
クを音楽サーバシステムの設置されている店舗に郵送な
どの手段を用いて配送する。
【0418】そして、音楽サーバシステムの設置された
店舗において、配送されてきた光ディスクなどの記録媒
体を音楽サーバシステムに装填することにより、その光
ディスクから、あるいは、その光ディスクに記録されて
いる楽曲データを一度音楽サーバシステムのハードディ
スクに落とし込んだのちに、光ディスクなどの記録媒体
を通じて提供された楽曲データを利用者に提供するよう
にすることができる。
【0419】この場合には、音楽配信システムとして
は、メインサーバを有さず、音楽サーバシステムのみに
よって構成され、音楽サーバシステムにおいて、符号化
データである楽曲データに付加されている付加情報の検
出、照合、照合結果に応じたサービスの提供の可否の判
断、サービスの提供までを行なうようにすることができ
る。
【0420】また、高能率符号化装置、付加情報書き込
み装置を音楽サーバシステム30側に設けることによ
り、音楽サーバシステム30において、利用者に提供す
る楽曲データに自システムの識別コードなどの情報を付
加するようにすることもできる。
【0421】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、符号化データに付加情報を付加するためのエリアを
設けることなく、符号化データの端数部分、すなわち、
所定のフォーマットの符号化データの余剰ビット部分に
付加情報を書き込むことにより、符号化データに付加情
報を付加することができる。
【0422】また、予め設定した分量以上の付加情報を
確実に付加し、符号化データに吹かされた付加情報の検
出率、照合率を符号化データ(デジタルコンテンツデー
タ)に依存せず、確実に一定水準以上とすることができ
る。したがって、符号化データに付加される付加情報を
確実に検出し、これを利用することができるようにされ
る。
【0423】また、符号化データに付加された付加情報
により、付加情報の提供元を特定したり、提供経路の正
当性を確実に判別したりすることができる。これによ
り、符号化データの記録媒体間移動や不良記録媒体の検
証など、符号化データの提供元が提供すべき新たなサー
ビスの提供が容易に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用された音楽配信システム、メイ
ンサーバの概要を説明するためのブロック図である。
【図2】この発明が適用された音楽サーバシステムの概
要を説明するためのブロック図である。
【図3】デジタルオーディオデータの高能率符号化装置
(高能率符号化エンコ−ダ)の一例を説明するためのブ
ロック図である。
【図4】ビット圧縮の際の直交変換ブロックの構造を表
す図である。
【図5】高能率符号化フォーマットを説明するための図
である。
【図6】図5における1バイト目のデータの詳細を示す
図である。
【図7】図3の高能率符号化装置によりエンコードされ
たデジタルオーディオデータをデコードする高能率符号
化デコ−ダ−の一例を説明するためのブロック図であ
る。
【図8】図3に示した高能率符号化装置により形成され
る符号化データに発生する符号化未使用ビット(端数部
分)のビット数の計算の仕方を説明するための計算式を
示す図である。
【図9】図3に示した高能率符号化装置により形成され
る符号化データに発生する符号化未使用ビット(端数部
分)の発生部分について説明するための図である。
【図10】図1に示したメインサーバのエンコーダ11
の構成について説明するためのブロック図である。
【図11】図10に示したエンコーダ11において行な
われる符号化データの符号化未使用ビット(端数部分)
への付加情報の付加状況を説明するための図である。
【図12】図10に示したエンコーダ11において行な
われる符号化データへの付加情報の付加処理について説
明するためのフローチャートである。
【図13】図1に示したメインサーバの具体的な構成例
について説明するためのブロック図である。
【図14】この発明による音楽サーバシステムの具体的
な構成例について説明するためのブロック図である。
【図15】図1に示したメインサーバ内、あるいは、音
楽サーバシステム内においての情報の対応管理テーブル
を説明するための図である。
【図16】図14に示した音楽サーバシステムにおい
て、楽曲データの記録媒体間移動時に行なわれる処理を
説明するためのフローチャートである。
【図17】図13に示したメインサーバにおいて、楽曲
データの記録媒体間移動時に行なわれる処理を説明する
ためのフローチャートである。
【図18】符号化未使用ビットが3ビットある場合に用
いるようにする制御情報(制御コード)を説明するため
の図である。
【図19】符号化データの符号化未使用ビットに制御情
報と付加情報とを書き込むようにする場合の処理を説明
するためのフローチャートである。
【図20】図13に示したメインサーバのエンコーダ8
0における処理過程を説明するためのブロック図であ
る。
【図21】図20に示したエンコーダにおいて行なわれ
る符号化データへの付加情報の付加処理について説明す
るためのフローチャートである。
【図22】この発明が適用された音楽配信システム、メ
インサーバの他の例の概要を説明するためのブロック図
である。
【図23】この発明が適用された音楽サーバシステムの
他の例の概要を説明するためのブロック図である。
【図24】図22に示した音楽配信システムにおいて、
楽曲データの記録媒体間移動時に行なわれる処理を説明
するためのフローチャートである。
【図25】新たに提供可能となるサービスとしての楽曲
データの記録媒体間移動時に置けるデータの流れを示す
図である。
【図26】新たに提供可能となるサービスとしての楽曲
データの符号化演算のバージョンアップ処理サービス利
用時のデータの流れを示す図である。
【図27】新たに提供可能となるサービスとしての一部
破壊された楽曲データの書き込み再試行サービス利用時
のデータの流れを示す図である。
【図28】新たに提供可能となるサービスとしての楽曲
データのビットレート変更サービス利用時のデータの流
れを示す図である。
【図29】新たに提供可能となるサービスとしての楽曲
データの付加サービス利用時のデータの流れを示す図で
ある。
【符号の説明】
10…メインサーバ、11…エンコーダ、12…ハード
ディスク(メモリ)、13…制御部、14…通信部(送
受信部)、15…比較部、16…事業者識別子メモリ、
17…課金処理部、30…音楽サーバシステム、1…読
み出し部、2…記録部(書き込み部)、3…識別子抽出
部、4…識別子送信部、5…受信部、31…メインコン
トローラ、32…ハードディスク、33…表示部、34
…操作部、35、36…読み取り記録部、37…デコー
ダ、38…再生処理部、39…付加情報検出部、40…
通信部、19…記録媒体、20…記録媒体、80…エン
コーダ、81…メインコントローラ、82…ハードディ
スク、83…表示部、84…操作部、85…課金処理
部、86…通信部、87…デコーダ、88…再生処理
部、120…高能率符号化装置、130…付加情報書き
込み部、140…制御部、141…PCMファイル選択
部、142…PCMデータ入力部、143…高能率符号
化エンコーダ部、144…付加情報書き込み部、145
…符号化データ出力部、146…符号化ファイル選択部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D045 DA01 5J064 AA02 BA16 BB01 BC02 BC14 BC17 BD02 BD03

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力デジタル信号を複数の帯域に分割し
    て、上記分割された各々の帯域に含まれる入力デジタル
    信号に対して所定の変換を施し、少なくともビット配分
    情報と正規化データと量子化データとから構成される所
    定長単位の多数のブロックとされる符号化データを形成
    する高能率符号化ステップと、 形成される上記符号化データの各ブロック毎に、上記所
    定長と、上記ビット配分情報と正規化データと量子化デ
    ータとの合計値との差分に相当する余剰部分の有無を判
    別する判別ステップと、 付加情報を発生させる付加情報発生ステップと、 上記判別ステップにて上記余剰部分が存在すると判別さ
    れた各ブロックの余剰部分に対して、上記付加情報発生
    ステップにて発生させた付加情報の一部若しくは全部を
    順次重畳する重畳ステップと、 1まとまりの上記入力デジタル信号についての上記重畳
    ステップまでの処理が終了した後に、1まとまりの上記
    入力デジタル信号の符号化データに所定量分以上の上記
    付加情報を付加できたか否かを判断する判断ステップ
    と、 上記判断ステップにて1まとまりの上記入力デジタル信
    号の符号化データに所定量分以上の上記付加情報を付加
    できなかったと判断した場合に、上記高能率符号化ステ
    ップにおいて用いられる上記ブロックの大きさを指定す
    るパラメータを変更する変更ステップと、 上記変更ステップにて上記パラメータを変更したとき
    に、上記高能率符号化ステップからの処理を繰り返すよ
    うに制御する制御ステップとを有することを特徴とする
    高能率符号化方法。
  2. 【請求項2】上記付加情報は、上記入力デジタル信号の
    生成元識別子、上記入力デジタル信号を配信する事業者
    の事業者識別子、上記入力デジタル信号を識別する識別
    子、上記入力デジタル信号の著作権情報識別子、URL
    情報識別子、課金情報識別子、機器情報識別子、再生回
    数識別子の少なくとも1つであることを特徴とする請求
    項1に記載の高能率符号化方法。
  3. 【請求項3】所定の上記余剰部分には、上記付加情報の
    重畳始点及び/又は重畳終点を表す検出制御情報を重畳
    することを特徴とする請求項1に記載の高能率符号化方
    法。
  4. 【請求項4】入力デジタル信号を複数の帯域に分割し
    て、上記分割された各々の帯域に含まれる入力デジタル
    信号に対して所定の変換を施し、少なくともビット配分
    情報と正規化データと量子化データとから構成される所
    定長単位の多数のブロックとされる符号化データを形成
    する高能率符号化手段と、 形成される上記符号化データの各ブロック毎に、上記所
    定長と、上記ビット配分情報と正規化データと量子化デ
    ータとの合計値との差分に相当する余剰部分の有無を判
    別する判別手段と、 付加情報を発生させる付加情報発生手段と、 上記判別手段にて上記余剰部分が存在すると判別された
    上記所定長のブロックの上記余剰部分に、上記付加情報
    発生手段にて発生させた付加情報の一部若しくは全部を
    重畳する重畳手段と、 1まとまりの上記入力デジタル信号についての上記重畳
    ステップまでの処理が終了した後に、1まとまりの上記
    入力デジタル信号の符号化データに所定量分以上の上記
    付加情報を付加できたか否かを判断する判断手段と、 上記判断手段にて1まとまりの上記入力デジタル信号の
    符号化データに所定量分以上の上記付加情報を付加でき
    なかったと判断した場合に、上記高能率符号化手段にお
    いて用いられる上記ブロックの大きさを指定するパラメ
    ータを変更する変更手段と、 上記変更手段にて上記パラメータを変更したときに、上
    記各手段による処理を繰り返すように制御する制御手段
    とを備えることを特徴とする高能率符号化装置。
  5. 【請求項5】上記付加情報は、上記入力デジタル信号の
    生成元識別子、上記入力デジタル信号を配信する事業者
    の事業者識別子、上記入力デジタル信号を識別する識別
    子、上記入力デジタル信号の著作権情報識別子、URL
    情報識別子、課金情報識別子、機器情報識別子、再生回
    数識別子の少なくとも1つであることを特徴とする請求
    項4に記載の高能率符号化装置。
  6. 【請求項6】上記重畳手段は、所定の上記余剰部分に対
    して、上記付加情報の重畳始点及び/又は重畳終点を表
    す検出制御情報を重畳することを特徴とする請求項4に
    記載の高能率符号化装置。
  7. 【請求項7】入力デジタル信号を複数の帯域に分割し
    て、上記分割された各々の帯域に含まれる入力デジタル
    信号に対して所定の変換を施し、少なくともビット配分
    情報と正規化データと量子化データとから構成される所
    定長単位の多数のブロックとされる符号化データを形成
    する高能率符号化ステップと、 形成される上記符号化データの各ブロック毎に、上記所
    定長と、上記ビット配分情報と正規化データと量子化デ
    ータとの合計値との差分に相当する余剰部分の有無を判
    別する判別ステップと、 付加情報を発生させる付加情報発生ステップと、 上記判別ステップにて上記余剰部分が存在すると判別さ
    れた各ブロックの余剰部分に対して、上記付加情報発生
    ステップにて発生させた付加情報の一部若しくは全部を
    順次重畳する重畳ステップと、 1まとまりの上記入力デジタル信号についての上記重畳
    ステップまでの処理が終了した後に、1まとまりの上記
    入力デジタル信号の符号化データに所定量分以上の上記
    付加情報を付加できたか否かを判断する判断ステップ
    と、 上記判断ステップにて1まとまりの上記入力デジタル信
    号の符号化データに所定量分以上の上記付加情報を付加
    できなかったと判断した場合に、上記高能率符号化ステ
    ップにおいて用いられる上記ブロックの大きさを指定す
    るパラメータを変更する変更ステップと、 上記変更ステップにて上記パラメータを変更したとき
    に、上記高能率符号化ステップからの処理を繰り返すよ
    うに制御する制御ステップと、 上記判断ステップにて1まとまりの上記入力デジタル信
    号の符号化データに所定量分以上の上記付加情報を付加
    できたと判断した場合に、上記付加情報が重畳するよう
    にされた符号化データを順次に伝送する伝送ステップと
    から成ることを特徴とする符号化データ伝送方法。
  8. 【請求項8】上記付加情報は、上記入力デジタル信号の
    生成元識別子、上記入力デジタル信号を配信する事業者
    の事業者識別子、上記入力デジタル信号を識別する識別
    子、上記入力デジタル信号の著作権情報識別子、URL
    情報識別子、課金情報識別子、機器情報識別子、再生回
    数識別子の少なくとも1つであることを特徴とする請求
    項7に記載の符号化データ伝送方法。
  9. 【請求項9】所定の上記余剰部分には、上記付加情報の
    重畳始点及び/又は重畳終点を表す検出制御情報を重畳
    することを特徴とする請求項7に記載の符号化データ伝
    送方法。
  10. 【請求項10】入力デジタル信号を複数の帯域に分割し
    て、上記分割された各々の帯域に含まれる入力デジタル
    信号に対して所定の変換を施し、少なくともビット配分
    情報と正規化データと量子化データとから構成される所
    定長単位の多数のブロックとされる符号化データを形成
    する高能率符号化手段と、 形成される上記符号化データの各ブロック毎に、上記所
    定長と、上記ビット配分情報と正規化データと量子化デ
    ータとの合計値との差分に相当する余剰部分の有無を判
    別する判別手段と、 付加情報を発生させる付加情報発生手段と、 上記判別手段にて上記余剰部分が存在すると判別された
    各ブロックの余剰部分に対して、上記付加情報発生手段
    にて発生させた付加情報の一部若しくは全部を順次重畳
    する重畳手段と、 1まとまりの上記入力デジタル信号についての上記重畳
    手段までの処理が終了した後に、1まとまりの上記入力
    デジタル信号の符号化データに所定量分以上の上記付加
    情報を付加できたか否かを判断する判断手段と、 上記判断手段にて1まとまりの上記入力デジタル信号の
    符号化データに所定量分以上の上記付加情報を付加でき
    なかったと判断した場合に、上記高能率符号化手段にお
    いて用いられる上記ブロックの大きさを指定するパラメ
    ータを変更する変更手段と、 上記変更手段にて上記パラメータを変更したときに、上
    記高能率符号化手段からの処理を繰り返すように制御す
    る制御手段と、 上記判断手段にて1まとまりの上記入力デジタル信号の
    符号化データに所定量分以上の上記付加情報を付加でき
    たと判断した場合に、上記付加情報が重畳するようにさ
    れた符号化データを順次に伝送する伝送手段とから成る
    ことを特徴とする符号化データ伝送装置。
  11. 【請求項11】上記付加情報は、上記入力デジタル信号
    の生成元識別子、上記入力デジタル信号を配信する事業
    者の事業者識別子、上記入力デジタル信号を識別する識
    別子、上記入力デジタル信号の著作権情報識別子、UR
    L情報識別子、課金情報識別子、機器情報識別子、再生
    回数識別子の少なくとも1つであることを特徴とする請
    求項10に記載の符号化データ伝送装置。
  12. 【請求項12】所定の上記余剰部分には、上記付加情報
    の重畳始点及び/又は重畳終点を表す検出制御情報を重
    畳することを特徴とする請求項10に記載の符号化デー
    タ伝送装置。
  13. 【請求項13】入力デジタル信号を複数の帯域に分割し
    て、上記分割された各々の帯域に含まれる入力デジタル
    信号に対して所定の変換を施し、少なくともビット配分
    情報と正規化データと量子化データとから構成される所
    定長単位の多数のブロックとされる符号化データを記録
    した記録媒体であって、 上記所定長と、上記ビット配分情報と正規化データと量
    子化データとの合計値との差分に相当する余剰部分が存
    在するブロックの当該余剰部分には付加情報が記録さ
    れ、1まとまりの上記符号化データについて、規定量以
    上の付加情報が記録されていることを特徴とする記録媒
    体。
  14. 【請求項14】上記付加情報は、上記入力デジタル信号
    の生成元識別子、上記入力デジタル信号を配信する事業
    者の事業者識別子、上記入力デジタル信号を識別する識
    別子、上記入力デジタル信号の著作権情報識別子、UR
    L情報識別子、課金情報識別子、機器情報識別子、再生
    回数識別子の少なくとも1つであることを特徴とする請
    求項13に記載の記録媒体。
  15. 【請求項15】所定の上記余剰部分には、上記付加情報
    の重畳始点及び/又は重畳終点を表す検出制御情報が重
    畳されていることを特徴とする請求項13に記載の記録
    媒体。
JP2001148456A 2001-05-17 2001-05-17 高能率符号化方法、高能率符号化装置、データ伝送方法、データ伝送装置、および、記録媒体 Pending JP2002344324A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001148456A JP2002344324A (ja) 2001-05-17 2001-05-17 高能率符号化方法、高能率符号化装置、データ伝送方法、データ伝送装置、および、記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001148456A JP2002344324A (ja) 2001-05-17 2001-05-17 高能率符号化方法、高能率符号化装置、データ伝送方法、データ伝送装置、および、記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002344324A true JP2002344324A (ja) 2002-11-29

Family

ID=18993764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001148456A Pending JP2002344324A (ja) 2001-05-17 2001-05-17 高能率符号化方法、高能率符号化装置、データ伝送方法、データ伝送装置、および、記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002344324A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005174180A (ja) * 2003-12-15 2005-06-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd コンテンツ配信方法、コンテンツ配信システム、電子機器端末、及びコンテンツ配信サーバ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005174180A (ja) * 2003-12-15 2005-06-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd コンテンツ配信方法、コンテンツ配信システム、電子機器端末、及びコンテンツ配信サーバ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100879181B1 (ko) 데이터 분배 시스템, 단말 장치, 분배 센터 장치, 고효율부호화 방법, 고효율 부호화 장치, 부호화 데이터 디코딩방법, 부호화 데이터 디코딩 장치, 데이터 전송 방법,데이터 전송 장치, 부가 정보 부가 방법, 부가 정보 부가장치, 및 기록 매체
KR100819620B1 (ko) 서버 장치, 신호분배 시스템, 신호분배 방법 및 단말 장치
CN100355234C (zh) 数据传送系统和装置、记录装置、编辑控制和处理方法
US7295994B2 (en) Information distribution system, terminal apparatus, information center, recording medium, and information distribution method
US6222807B1 (en) Information center, terminal apparatus, dubbing system and dubbing method
US7350238B2 (en) Data transfer system, data transfer apparatus, data-recording apparatus, data management method and identifier generation method
RU2216793C2 (ru) Устройство и способ преобразования данных в системе защиты авторских прав
US20070250453A1 (en) Electronic money, electronic use right, charging system, information processing apparatus, and reproducing method and reproduction control method of contents data
US20080046746A1 (en) Data decoding apparatus and method, charge information processing apparatus and method, data reproducing apparatus and method, electronic money, electronic use right, and terminal apparatus
CN1808609B (zh) 向/从记录介质中记录和再生样品数据的方法和装置
KR20020003541A (ko) 디지털 데이터 전송방법과 장치, 디지털 데이터재생방법과 장치, 디지털 데이터 복사방법과 장치, 데이터기록매체와, 디지털 데이터의 저장 및 재생방법
US7496967B2 (en) Information service method and information service system
JP5106737B2 (ja) 通信システムおよび通信システムの制御方法
US7853530B2 (en) Digital signal processing apparatus, digital signal processing method, information center, and data delivery system
JP3758028B2 (ja) 高能率符号化方法、高能率符号化装置、符号化データ復号方法、符号化データ復号装置、データ伝送方法、データ伝送装置、付加情報付加方法および付加情報付加装置
JP2003022337A (ja) コンテンツ配信システム及び方法、情報提供装置、並びに情報端末装置
JP3791594B2 (ja) データ配信システム
JP4386044B2 (ja) 端末装置、および、配信センタ装置
JP2002344324A (ja) 高能率符号化方法、高能率符号化装置、データ伝送方法、データ伝送装置、および、記録媒体
JP2001243355A (ja) 課金処理装置および方法、並びにデータ再生装置および方法
JP2002330395A (ja) デジタル信号処理装置、デジタル信号処理方法、情報センターおよび配信システム
US20080181313A1 (en) Ubiquitous audio reproducing and servicing method and apparatus
JPH11328846A (ja) 情報記録媒体の複製制限機能を有する記録装置及び複製制限方法、並びにこれに用いる複製制限用記憶媒体及び複製制限用記憶媒体への情報書き込み装置、情報記録媒体に係る著作権使用料の課金徴収方法
JP2003317379A (ja) 情報記録媒体、情報記録/再生方法及び情報記録/再生装置