JP2002241381A - 三環系化合物の製造法 - Google Patents

三環系化合物の製造法

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JP2002241381A
JP2002241381A JP2001316265A JP2001316265A JP2002241381A JP 2002241381 A JP2002241381 A JP 2002241381A JP 2001316265 A JP2001316265 A JP 2001316265A JP 2001316265 A JP2001316265 A JP 2001316265A JP 2002241381 A JP2002241381 A JP 2002241381A
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JP2001316265A
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Ayako Maki
彩子 槇
Masafumi Yanase
雅史 柳瀬
Shinichiro Mori
慎一郎 毛利
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KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、抗不整脈剤等の医薬品の合
成中間体として有用な三環系化合物またはその塩の工業
的な製造に適した製造法を提供することにある。 【解決手段】 【化5】 (式中、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2およびY3は、同一また
は異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アル
キル、置換もしくは非置換の低級アルコキシ等を表す) 一般式(I)で表される化合物またはその塩に、70℃
以上で、酸無水物を添加し、一般式(I)で表される化
合物またはその塩を環化させることを特徴とする、一般
式(II)で表される三環系化合物またはその塩の製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗不整脈剤等の医
薬品の合成中間体として有用な三環系化合物またはその
塩の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】[1]ベンズオキセピノ[3,4-b]ピリジン-5
(11H)-オン誘導体については、J. Med. Chem., 33, 309
5 (1990)に抗不整脈剤の合成中間体として、また、 J.
Med. Chem., 31, 779 (1988)に抗潰瘍剤の合成中間体と
して、さらに、Chem. Pharm. Bull., 29, 3515 (1981)
に抗炎症剤の合成中間体としての用途が記載されてい
る。
【0003】[1]ベンズオキセピノ[3,4-b]ピリジン-5(1
1H)-オン誘導体の製造法として、従来、以下の方法が知
られている。Chem. Pharm. Bull., 29, 3515 (1981)で
は、2-フェノキシメチル-3-ピリジンカルボン酸誘導体
をポリリン酸中、165-175℃で数時間、処理し、再結晶
後、53.1-74.9%の収率で[1]ベンズオキセピノ[3,4-b]
ピリジン-5(11H)-オン誘導体を得ている。しかし、この
方法は環化反応後に、多量のポリリン酸の発熱を伴う分
解処理が必要であり、工業的製法として、実用上、満足
される方法ではない。
【0004】また、J. Med. Chem., 33, 3095 (1990)で
は、2-フェノキシメチル-3-ピリジンカルボン酸誘導体
を1,1,2,2-テトラクロロエタン中でトリフルオロ酢酸無
水物で室温下、40分間処理した後、三フッ化ホウ素エチ
ルエーテル錯体存在下、100-110℃で、4時間処理し、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製後、72%
の収率で[1]ベンズオキセピノ[3,4-b]ピリジン-5(11H)-
オン誘導体を得ている。しかしながら、この方法は、高
い毒性を有する1,1,2,2-テトラクロロエタンを用いてお
り、また、副生成物の除去のために大量生産には不向き
なシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製が必
要であり、工業的製法として、実用上、満足される方法
ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、抗不
整脈剤等の医薬品の合成中間体として有用な後述する一
般式(II)で表される三環系化合物[以下、一般式
(II)で表される三環系化合物を化合物(II)と表
現することもある。他の式番号のものについても同様で
ある]またはその塩を、簡易に、または高収率で製造す
ることのできる工業的な製造に適した製造法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I)
【0007】
【化3】
【0008】(式中、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2およびY3
は、同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置
換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルコキ
シ、置換もしくは非置換の低級アルコキシカルボニル、
置換もしくは非置換の低級アルキルアミノ、置換もしく
は非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級
アルカノイル、置換もしくは非置換の低級アルカノイル
オキシ、置換もしくは非置換の低級アルカノイルアミ
ノ、置換もしくは非置換の低級アルキルチオ、カルボキ
シ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、または
ハロゲン原子を表す)で表される化合物またはその塩
に、70℃以上で、酸無水物を添加し、一般式(I)で
表される化合物またはその塩を環化させることを特徴と
する、一般式(II)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2およびY3
は、それぞれ前記と同義である)で表される三環系化合
物またはその塩の製造法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】一般式(I)および(II)の各
基の定義において、低級アルキル、および低級アルコキ
シ、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルアミノ、
低級アルキルチオの低級アルキル部分としては、例え
ば、直鎖または分枝状の炭素数1〜6のアルキルがあげ
られ、その具体例としては、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert
−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘ
キシル等があげられる。
【0012】低級アルケニルとしては、例えば、直鎖ま
たは分枝状の炭素数2〜6のアルケニルがあげられ、そ
の具体例としては、ビニル、アリル、プロペニル、メタ
クリル、クロチル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル
等があげられる。低級アルカノイル、および低級アルカ
ノイルオキシ、低級アルカノイルアミノの低級アルカノ
イル部分としては、例えば、直鎖または分枝状の炭素数
1〜7のアルカノイルがあげられ、その具体例として
は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イ
ソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘ
キサノイル、ヘプタノイル等があげられる。
【0013】ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素の各原子があげられる。置換低級アルキル、
置換低級アルコキシ、置換低級アルコキシカルボニル、
置換低級アルキルアミノ、置換低級アルケニル、置換低
級アルカノイル、置換低級アルカノイルオキシ、置換低
級アルカノイルアミノ、置換低級アルキルチオにおける
置換基としては、同一または異なって置換数1〜3の、
例えば、ヒドロキシ、置換もしくは非置換の低級アルコ
キシ、置換もしくは非置換の低級アルコキシカルボニ
ル、シクロアルキル等があげられる。置換位置は、特に
限定されない。ここで、低級アルコキシは、前記低級ア
ルコキシと同義であり、低級アルコキシカルボニルの低
級アルキル部分は、前記低級アルキルと同義であり、置
換低級アルコキシおよび置換低級アルコキシカルボニル
の置換基としては、置換数1〜3のヒドロキシ等があげ
られる。また、シクロアルキルとしては、例えば、炭素
数3〜8のシクロアルキルがあげられ、その具体例とし
ては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル
等があげられる。
【0014】低級アルキルアミノにおける低級アルキル
の置換数は1または2である。低級アルカノイルアミノ
における低級アルカノイルの置換数は1または2であ
る。化合物(I)または化合物(II)の塩は、酸付加
塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミ
ノ酸付加塩等を包含する。
【0015】該酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝
酸塩、リン酸塩、フルオロスルホン酸塩等の無機酸塩、
酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、メタ
ンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、トリフル
オロメタンスルホン酸塩等の有機酸塩があげられ、中で
も、フルオロスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、パラ
トルエンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸
塩等のスルホン酸塩が好ましく、さらにはトリフルオロ
メタンスルホン酸塩がより好ましく使用される。
【0016】該金属塩としては、ナトリウム塩、カリウ
ム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム
塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等
があげられる。該アンモニウム塩としては、アンモニウ
ム、テトラメチルアンモニウム等の塩があげられる。
【0017】該有機アミン付加塩としては、モルホリ
ン、ピペリジン等の付加塩があげられる。該アミノ酸付
加塩としては、グリシン、フェニルアラニン、リジン、
アスパラギン酸、グルタミン酸等の付加塩があげられ
る。また、化合物(I)において、X1、X2、X3およびX4
が水素原子、低級アルコキシまたは低級アルコキシカル
ボニル置換低級アルキルである化合物が好ましい。
【0018】化合物(I)は、Synthesis, 113 (199
7)、J. Med. Chem., 31, 779 (1988)、またはChem. Pha
rm. Bull., 29, 3515 (1981)に記載の方法等あるいはそ
れらに準じた方法等により、合成することができ、さら
に必要に応じて、化合物(I)を公知の方法によりその
塩とすることができる。
【0019】本発明の製造法においては、化合物(I)
またはその塩に、70℃以上(溶媒を用いる場合は70
℃から用いる溶媒の沸点までの温度範囲)、好ましくは
70〜140℃、より好ましくは100〜140℃で、
酸無水物を添加し、化合物(I)またはその塩を環化さ
せることにより化合物(II)またはその塩を製造す
る。通常は、化合物(I)またはその塩を適当な溶媒に
溶解させ、その溶液に酸無水物を添加する。
【0020】また、化合物(I)またはその酸付加塩以
外の塩を原料として使用する場合は、さらに、酸を存在
させて環化反応を行うのが好ましい[ここで、化合物
(I)の酸付加塩とは、化合物(I)中の全ての塩基性
基が酸付加塩となっているものを意味し、化合物(I)
の酸付加塩以外の塩とは、該酸付加塩以外の塩を意味す
る]。ここで、塩基性基とは、塩基性を示す基のことで
あり、例えば、置換もしくは非置換の低級アルキルアミ
ノ、ピリジル等があげられる。ここで、置換低級アルキ
ルアミノは前記と同義である。
【0021】この場合の酸の使用量は、以下の式で表さ
れる量の0.9〜1.1倍であるのが好ましく、さらに
は0.95〜1.05倍であるのが好ましく、さらには
0.97〜1.03倍であるのがより好ましい。
【0022】
【数1】
【0023】例えば、2-フェノキシメチル-3-ピリジン
カルボン酸[化合物(I)において、X1、X2、X3、X4
Y1、Y2およびY3が水素原子である化合物]を原料として
使用する場合、好ましい酸の使用量は、2-フェノキシメ
チル-3-ピリジンカルボン酸に対して、0.9〜1.1
当量(上記の式1において、Aは0、Bはピリジルで
1、Cは0に相当する)である。
【0024】酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、
フルオロスルホン酸等の無機酸、酢酸、マレイン酸、フ
マル酸、クエン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸、
トリフルオロボラン[ジエチルエーテル錯体、(C
32S錯体、H3PO4錯体またはテトラヒドロフラン
錯体等の錯体の形態を含む]等のルイス酸等があげら
れ、中でも、フルオロスルホン酸、メタンスルホン酸、
パラトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸等のスルホン酸またはトリフルオロボラン等のルイス
酸が好ましく、さらにはトリフルオロメタンスルホン酸
またはトリフルオロボランが好ましく使用される。
【0025】化合物(I)またはその酸付加塩以外の塩
への酸の添加は、酸無水物を添加する前に行うのが好ま
しい。環化反応の際に使用される溶媒としては、スルホ
ラン、プロピオニトリル、アセトニトリル、クロロホル
ム、ジメチルスルホン、ニトロベンゼン、ニトロメタン
等があげられ、スルホランまたはプロピオニトリルが好
ましく用いられる。その使用量は、化合物(I)または
その塩に対して1〜20倍量(容量)であるのが好まし
い。
【0026】酸無水物としては、トリフルオロ酢酸無水
物、無水酢酸、フルオロスルホン酸無水物等があげら
れ、中でもトリフルオロ酢酸無水物が好ましく用いられ
る。酸無水物は化合物(I)またはその塩に対して好ま
しくは1〜10当量、より好ましくは1.5〜3当量用いられ
る。
【0027】酸無水物の添加の方法としては、0.5〜24
時間かけて、化合物(I)またはその塩あるいはこれら
を前記の溶媒に溶解した溶液に滴下するのが好ましい。
また、酸無水物を前記の溶媒に溶解した溶液を化合物
(I)またはその塩あるいはこれらを前記の溶媒に溶解
した溶液に滴下してもよい。環化反応の時間は、特には
限定されないが、好ましくは、0.5〜24時間である。
【0028】化合物(II)の塩を取得したい場合は、
化合物(II)が目的とする塩の形で得られるときは、
前記の反応液をそのまま精製すればよく、また、化合物
(II)が遊離の形で得られるときは、前記の反応液、
化合物(II)を適当な溶媒に溶解または懸濁させた液
等に酸または塩基を加えて目的の塩とすることができ
る。
【0029】また、化合物(II)を取得したい場合
は、化合物(II)が遊離の形で得られるときは、前記
の反応液をそのまま精製すればよく、化合物(II)が
塩の形で得られるときは、前記の反応液等に塩基等を加
え、遊離化させること等により、化合物(II)とする
ことができる。上記の製造法において得られる化合物
(II)またはその塩は、有機合成化学で常用される分
離精製法、例えば、濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再
結晶、各種クロマトグラフィー等に付して単離精製する
ことができる。
【0030】化合物(II)またはその塩は、抗不整脈
剤の合成中間体[J. Med. Chem., 33, 3095 (1990)]、抗
潰瘍剤の合成中間体[J. Med. Chem., 31, 779 (1988)]
または抗炎症剤の合成中間体[Chem. Pharm. Bull., 29,
3515 (1981)]等として有用である。以下に、本発明の
態様を実施例で説明するが、本発明はこれらの実施例に
何ら限定されるものではない。
【0031】
【実施例】実施例1:7-メトキシ[1]ベンズオキセピノ
[3,4-b]ピリジン-5(11H)-オンの合成 窒素雰囲気下、2-(4-メトキシフェノキシメチル)-3-ピ
リジンカルボン酸 250gをアセトニトリル 2500 mLに懸
濁し、トリフルオロメタンスルホン酸 152 gを加え、約
50℃まで加熱し溶解した。この溶液を液量が750 mLにな
るまで減圧濃縮すると、濃縮中に結晶が析出し、スラリ
ー状となった。このスラリーにトルエン1500 mLを添加
し、約5℃で4時間撹拌した。結晶をろ取し乾燥すること
により、2-(4-メトキシフェノキシメチル)-3-ピリジン
カルボン酸のトリフルオロメタンスルホン酸塩 385 g
(収率98%)を得た。
【0032】窒素雰囲気下、2-(4-メトキシフェノキシ
メチル)-3-ピリジンカルボン酸のトリフルオロメタンス
ルホン酸塩 200 gをスルホラン 2020 gと混合し、115℃
前後まで加熱撹拌すると、結晶は溶解し均一溶液となっ
た。内温115℃付近を維持しながら、トリフルオロ酢酸
無水物 205 gのスルホラン(380 g)溶液を2.5時間かけて
滴下した。滴下終了後、同温度で7時間撹拌した後、反
応液に室温で水 2000 mLを添加し、内温約5℃まで冷却
した。内温5℃以下に保ちながら2 mol/L水酸化ナトリウ
ム水溶液約 1100 mLを添加しpH 11に調整すると、結晶
が析出した。さらに水を1300 mL添加し、内温約5℃で4
時間撹拌した。結晶をろ取し乾燥することにより、7-メ
トキシ[1]ベンズオキセピノ[3,4-b]ピリジン-5(11H)-オ
ン 105 g(収率 89%)を得た。
【0033】融点 84℃.1 H-NMR (CDCl3,δ, ppm) 8.72 (dd, J = 4.8, 1.8 Hz,
1H), 8.34 (dd, J = 7.9, 1.8 Hz, 1H), 7.67 (d, J =
3.1 Hz, 1H), 7.45 (dd, J = 7.9, 4.8 Hz, 1H),7.14
(dd, J = 8.9, 3.1 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 8.9 Hz, 1
H), 5.32 (s, 2H),3.86 (s, 3H). IR (KBr, cm-1) 1643, 1609, 1576, 1485, 1445, 1364,
1288, 1240, 1194, 1134, 1040, 1015, 976, 874, 81
8, 785, 729. LC/MS ESI(+) m/z 242 [M-H]+.
【0034】実施例2:7-メトキシ[1]ベンズオキセピ
ノ[3,4-b]ピリジン-5(11H)-オンの合成 窒素雰囲気下、2-(4-メトキシフェノキシメチル)-3-ピ
リジンカルボン酸 100gをスルホラン 1640 gに懸濁し、
トリフルオロメタンスルホン酸 57.9 gを添加した。反
応液を内温115℃前後まで加熱すると、結晶が溶解し均
一溶液となった。内温115℃付近を維持しながら、トリ
フルオロ酢酸無水物 162 gのスルホラン(250 g)溶液を2
時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で7時間撹拌
した後、室温まで冷却し、2 mol/L水酸化ナトリウム水
溶液 680 mLを加えpH 11に調整し、さらに水 2820 mLを
添加すると結晶が析出した。内温約5℃で4時間冷却撹拌
し、得られた結晶をろ取し乾燥することにより、7-メト
キシ[1]ベンズオキセピノ[3,4-b]ピリジン-5(11H)-オン
78.8 g(収率85%)を得た。
【0035】実施例3:[1]ベンズオキセピノ[3,4-b]ピ
リジン-5(11H)-オンの合成 窒素雰囲気下、2-フェノキシメチル-3-ピリジンカルボ
ン酸 10.0 gをアセトニトリル 100 mLに懸濁し、トリフ
ルオロメタンスルホン酸 6.9 gを加え、約50℃まで加熱
し溶解した。この溶液を液量が30 mLになるまで減圧濃
縮すると、濃縮中に結晶が析出し、スラリー状となっ
た。このスラリーにトルエン 60 mLを添加し、約5℃で
2.5時間撹拌した。結晶をろ取し乾燥することにより、2
-フェノキシメチル-3-ピリジンカルボン酸のトリフルオ
ロメタンスルホン酸塩 15.8 g(収率95%)を得た。
【0036】窒素雰囲気下、2-フェノキシメチル-3-ピ
リジンカルボン酸のトリフルオロメタンスルホン酸塩
5.0 gをスルホラン 32 gと混合し、115℃前後まで加熱
撹拌すると、結晶は溶解し均一溶液となった。内温115
℃付近を維持しながら、トリフルオロ酢酸無水物 5.5 g
のスルホラン(9.5 g)溶液を20分かけて滴下した。その
後、トリフルオロ酢酸無水物を数時間おきに1.3 gずつ3
回追加した。(トリフルオロ酢酸無水物の滴下時間を含
めて)20時間、同温度で加熱撹拌した後、反応液に室温
で水 25 mLを添加し、内温約5℃まで冷却した。内温5℃
以下に保ちながら2 mol/L 水酸化ナトリウム水溶液約 2
6 mLを添加しpH 11に調整し、さらに水を24 mL添加する
と結晶が析出した。内温約5℃で2時間撹拌後、結晶をろ
取し乾燥することにより、[1]ベンズオキセピノ[3,4-b]
ピリジン-5(11H)-オン 1.76 g(収率 63%)を得た。
【0037】実施例4:7-メトキシカルボニルメチル
[1]ベンズオキセピノ[3,4-b]ピリジン-5(11H)-オンの合
成 窒素雰囲気下、2-[4-(メトキシカルボニルメチル)フェ
ノキシメチル]-3-ピリジンカルボン酸 2.0 gをアセトニ
トリル 20 mLに懸濁し、トリフルオロメタンスルホン酸
1.0 gを加え、約40℃まで加熱し溶解した。この溶液を
減圧濃縮することにより、油状物を得た。この油状物に
トルエン 5 mL およびアセトニトリル 2mLを添加し 5℃
以下に保ちながら攪拌すると、結晶が析出した。この結
晶へトルエン 2 mLを添加し、約5℃で3.5 時間撹拌し
た。結晶をろ取し乾燥することにより、2-[4-(メトキシ
カルボニルメチル)フェノキシメチル]-3-ピリジンカル
ボン酸のトリフルオロメタンスルホン酸塩 1.46 g(収
率49%)を得た。
【0038】窒素雰囲気下、2-[4-(メトキシカルボニル
メチル)フェノキシメチル]-3-ピリジンカルボン酸のト
リフルオロメタンスルホン酸塩 903 mgをスルホラン 8.
8 gと混合し、115℃前後まで加熱撹拌すると、結晶は溶
解し均一溶液となった。内温115℃付近を維持しながら
トリフルオロ酢酸無水物 0.84 gを添加し、同温度で9
時間撹拌した。反応液に室温で水 12 mL および 4 mol/
L 水酸化ナトリウム水溶液 2 mLを添加しpH 11に調整し
た後、トルエン 25 mL で抽出した。有機層をボウ硝で
乾燥した後濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルクロマトグラ
フィー(展開溶媒:クロロホルム)で精製すると、7-メ
トキシカルボニルメチル[1]ベンズオキセピノ[3,4-b]ピ
リジン-5(11H)-オン 423 mg(収率 75%)が油状物とし
て得られた。1 H-NMR (CDCl3,δ, ppm) 8.73 (dd, J = 4.8, 1.8 Hz,
1H), 8.29 (dd, J = 7.9, 1.8 Hz, 1H), 8.11 (dd, J =
2.4, 0.4 Hz, 1H), 7.47 (dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H),
7.44 (dd, J = 7.9, 4.8 Hz, 1H), 7.11 (dd, J = 8.
4, 0.4 Hz, 1H), 5.35 (s, 2H), 3.71 (s, 3H), 3.71
(s, 2H). IR (neat, cm-1) 1732, 1651, 1614, 1582, 1487, 141
6, 1371, 1304, 1142, 1022, 938, 872, 829, 779, 75
4. LC/MS ESI(+) m/z 284 [M-H]+.
【0039】実施例5:7-メトキシ[1]ベンズオキセピ
ノ[3,4-b]ピリジン-5(11H)-オンの合成 窒素雰囲気下、2-(4-メトキシフェノキシメチル)-3-ピ
リジンカルボン酸 0.5gをスルホラン 9.5 g に懸濁し、
トリフルオロボランのジエチルエーテル錯体 0.27 g を
加え、115℃前後まで加熱し溶解した。内温115℃付近を
維持しながらトリフルオロ酢酸無水物 1.0 g を添加
し、同温度で 3 時間撹拌した。7-メトキシ[1]ベンズオ
キセピノ[3,4-b]ピリジン-5(11H)-オンの標品を用い、
下記の条件下で高速液体クロマトグラフィーで反応液を
定量したところ、7-メトキシ[1]ベンズオキセピノ[3,4-
b]ピリジン-5(11H)-オンが 424 mg (収率 91%) 得られ
ていた。
【0040】(高速液体クロマトグラフィー条件) 検出方法:UV(紫外線吸収) 移動相:CH3CN/緩衝液(*1) = 45/55(容量比) *1:緩衝液 K2HPO4( 0.066 m mol/L ) 、 KH2PO4 (
0.033 m mol/L ) 、n-Bu 4N+Cl- ( 0.008 m mol/L ) n-B
uは、n−ブチルを表す。 移動相流量:1.0 mL/分 カラム:YMC-pack ODS-AM (AM-312)(株式会社ワイエム
シー製) 径6.0×150(mm) カラム温度:35℃
【0041】
【発明の効果】本発明により、抗不整脈剤等の医薬品の
合成中間体として有用な化合物(II)またはその塩
を、簡易に、または高収率で製造することのできる工業
的な製造に適した製造法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C050 AA01 AA07 BB07 CC19 EE01 FF01 FF03 GG03 HH01 4H039 CA42 CG10 CH00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2およびY3は、同一また
    は異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アル
    キル、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もし
    くは非置換の低級アルコキシカルボニル、置換もしくは
    非置換の低級アルキルアミノ、置換もしくは非置換の低
    級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルカノイ
    ル、置換もしくは非置換の低級アルカノイルオキシ、置
    換もしくは非置換の低級アルカノイルアミノ、置換もし
    くは非置換の低級アルキルチオ、カルボキシ、シアノ、
    ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、またはハロゲン原子
    を表す)で表される化合物またはその塩に、70℃以上
    で、酸無水物を添加し、一般式(I)で表される化合物
    またはその塩を環化させることを特徴とする、一般式
    (II) 【化2】 (式中、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2およびY3は、それぞれ
    前記と同義である)で表される三環系化合物またはその
    塩の製造法。
  2. 【請求項2】 一般式(I)で表される化合物の酸付加
    塩を環化させる請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 一般式(I)で表される化合物または該
    化合物の酸付加塩以外の塩を、酸の存在下、環化させる
    請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】 酸付加塩がスルホン酸塩である請求項2
    記載の製造法。
  5. 【請求項5】 スルホン酸塩がトリフルオロメタンスル
    ホン酸塩である請求項4記載の製造法。
  6. 【請求項6】 酸無水物がトリフルオロ酢酸無水物であ
    る請求項1〜5のいずれかに記載の製造法。
  7. 【請求項7】 70〜140℃で環化させる請求項1〜
    6のいずれかに記載の製造法。
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