JP2002195820A - 3次元測定機の精度検査用マスタ及び3次元測定機の精度検査方法。 - Google Patents

3次元測定機の精度検査用マスタ及び3次元測定機の精度検査方法。

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JP2002195820A
JP2002195820A JP2000391794A JP2000391794A JP2002195820A JP 2002195820 A JP2002195820 A JP 2002195820A JP 2000391794 A JP2000391794 A JP 2000391794A JP 2000391794 A JP2000391794 A JP 2000391794A JP 2002195820 A JP2002195820 A JP 2002195820A
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Susumu Asanuma
進 浅沼
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Asanuma Giken Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定値の温度補正を高精度で行うことができ
る3次元測定機の精度検査用マスタを提供する。 【解決手段】 3次元測定機2のプローブ8先端を接触
させる基準測定面を有する複数の基準部材9が取り付け
られたマスタ本体に、前記マスタ本体の温度を測定する
センサを組み込んである。基準部材を直接支持している
マスタ本体の温度を測定できるので、精度検査用マスタ
自体の熱膨張・収縮による温度補正を高精度で行うこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3次元測定機の精
度検査や校正を行うために用いられる精度検査用マスタ
に関し、また、ユーザの3次元測定機の測定精度をイン
ターネットを通して管理者側で監視できるようにした3
次元測定機の精度検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より自動車用のエンジンや変速機の
ケース類のような機械部品類の各部の寸法測定には、測
定テーブル上にセッティングした被測定物に対してプロ
ーブの先端を接触させて寸法測定を行う構造の3次元測
定機が広く用いられている。
【0003】この種の測定機としては、例えば、特開平
2−306101号公報に記載されているものがあり、
これは、図14に示すように3次元測定機A1が、測定
テーブルA2の両側でレールA3に沿ってX方向に移動
する門柱状の移動体A4を有しており、前記移動体A4
にはX方向と直角なY方向に移動可能な移動体A5が取
り付けられている。
【0004】そして、移動体A5には、X方向とY方向
で形成される平面に直角なZ方向である上下方向に移動
可能なスピンドル部A5が設けられていて、このスピン
ドル部A5の先端部に、人造ルビー等で製作された球を
固定したプローブ(スタイラス)A6が取り付けられ、
測定テーブルA2上に載置された被測定物Wの上面に、
プローブA6の球を接触させながらX、Y方向に滑動さ
せてZ方向での座標値を検出している。
【0005】このような3次元測定機A1においては、
プローブA6先端の球は摩耗すると正確な寸法の検出が
できなくなるため、測定テーブルA2上にVブロックを
精度検査用マスタとしてセッティングし、前記球を接触
させてVブロック各部の寸法検出を行い、球の摩耗によ
る誤差を検査するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述したような3次元
測定機の精度検査を行う場合、基準となる精度検査用マ
スタの熱膨張収縮が測定精度の誤差として大きく影響し
てくるため、精度検査は3次元測定機が設置されている
環境を一定の温度に保つように、通常温度を一定に調整
した室内で行われている。
【0007】ところが、室内の温度センサが設置されて
いる場所の温度と、3次元測定機上にセッティングされ
ている精度検査用マスタ自体の温度とは必ずしも一致し
ておらず、両者の間の温度の差が3次元測定機の検査精
度を低下させてしまう問題があった。
【0008】また、このような3次元測定機の精度の検
査は、被測定物の品質を維持するため定期的に行う必要
があるが、精度検査用マスタを用いて行う精度検査で
は、測定結果に基づいて誤差を算出しなければならず、
しかも精度検査用マスタ自体が温度によって膨張収縮す
るため、精度検査用マスタ自体の温度補正を含めて3次
元測定機の測定精度を評価する必要がある。
【0009】そのため、3次元測定機の精度検査には、
多くの時間と高度な専門知識が必要で、個々のユーザレ
ベルでは3次元測定機の精密な精度検査を定期的に行う
ことは困難であるため、精度が低下した3次元測定機を
そのまま使用し続けて製品の品質低下をきたす恐れがあ
った。
【0010】そこで、本発明は、前述したような従来技
術における問題を解決し、測定値の温度補正を高精度で
行うことができる3次元測定機の精度検査用マスタを提
供するとともに、ユーザ側の3次元測定機の精度検査を
インターネットを介して専門知識を有する管理者側で行
うことのできる、3次元測定機の精度検査方法を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的のため、本発明
の3次元測定機の精度検査用マスタは、3次元測定機で
測定する基準測定面を有する複数の基準部材が取り付け
られたマスタ本体に、前記マスタ本体の温度を測定する
センサを組み込んだものである。
【0012】前記3次元測定機の精度検査用マスタにお
いては、さらに、マスタ本体に周囲の環境状態を測定す
るためのセンサを組み込んであることも望ましい。な
お、ここで周囲の環境状態とは、3次元測定機が設置さ
れている室内等の気温や気圧を意味している。
【0013】また、本発明の3次元測定機の精度検査方
法は、ユーザの3次元測定機で測定した精度検査用マス
タに設けられた各基準測定面の測定値と、前記検査用マ
スタに組み込まれた温度センサで測定される当該検査用
マスタの温度測定値とを少なくとも含む測定データを、
前記ユーザのコンピュータ端末からインターネットを通
して管理者のサーバコンピュータに送信し、前記サーバ
コンピュータ側で前記測定データを解析してユーザ側の
3次元測定機の精度検査を行うものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の精度検査用マスタは、熱
膨張係数が極めて小さい材料で、立方体状や円柱状のブ
ロック形状に製作されたマスタ本体と、前記マスタ本体
の外面の複数箇所に固定された基準部材から構成されて
いる。
【0015】マスタ本体は、例えば複数の石英ガラスや
単結晶石英を素材とした、方形の板どうしや円板と円管
とを互いに接着剤で貼り合わせたり、或いは、石英ガラ
スや単結晶石英の一つの塊から削り出すことによって、
立方体状、或いは、円柱状のブロック形状に製作され
る。
【0016】また、基準部材は3次元測定機のプローブ
先端が接触する基準測定面となる、高精度に仕上げられ
た平面や、孔または凹部の内周面を有しており、熱膨張
係数が小さく、且つ、高い表面硬度を有して耐摩耗性に
優れた材料、例えば、不変鋼やゲージ鋼、ダイス鋼、高
速度鋼、ステンレス鋼、超硬合金等によって製作され
る。
【0017】また、マスタ本体には温度センサが組み込
まれている。この温度センサは微少な温度変化を検出可
能なサーミスタや熱電対等で構成されていて、マスタ本
体自体の温度を高精度で測定できるようになっている。
【0018】これは、3次元測定機の精度検査のため
に、プローブ先端を当てて、2つの基準部材の基準測定
面間の距離を測定する場合に、これらの基準部材が固定
されているマスタ本体の温度を検出することによって、
基準部材の基準測定面間の熱膨張或いは熱収縮による誤
差を補正する目的で設けられる。
【0019】また、マスタ本体には、前述した温度セン
サに加えて、マスタ本体周囲の環境状態を測定するセン
サを取り付けることができる。このような付加的なセン
サとしては、検査用マスタブロックがセッティングされ
ている3次元測定機の周囲の気温を測定するための温度
センサや、気圧を測定するための圧力センサ等を設ける
ことができる。
【0020】マスタ本体周囲の気温を測定するための温
度センサは、周囲の気温とマスタ本体自体の温度との間
に差が生じることにより、マスタ本体に温度分布が生じ
て前述した誤差補正が正確になされなくなることを防止
する目的で設けられる。
【0021】また、気圧を測定する圧力センサは、3次
元測定機が機械的に被測定物に接触するプローブを有さ
ず、レーザー光を被測定物表面で反射させて位置を測定
する構造の3次元測定機において、気圧の変動による空
気密度の変化でレーザ光の光路がずれて生じる3次元測
定機の測定誤差を補正するために用いられる。
【0022】前述したような精度検査用マスタを用いて
実施される3次元測定機の精度検査は、以下に述べるよ
うに、インターネットを利用することによって、3次元
測定機の設置場所から離れた場所で行うことができる。
【0023】この検査方法は、ユーザ側においては3次
元測定機を用いて一定の時間ワークの測定作業を行った
後、その測定テーブル上にワークに代えて精度検査用マ
スタをセッティングし、この各基準測定面の位置を予め
決められた手順で測定する。
【0024】このとき、精度検査用マスタのマスタ本体
に設けられた温度センサによって検出されるマスタ本体
の温度も同時に測定し、これらの測定データを前記3次
元測定機の近くにあるユーザ側のコンピュータ端末から
インターネットを介して3次元測定機の管理者(管理業
者を含む)側のサーバコンピュータに送信する。
【0025】この際、マスタ本体にその周囲の環境状態
を測定する温度センサや圧力センサ等のセンサがさらに
付属している場合には、これらのセンサによって得られ
た測定データも同時にユーザ側のコンピュータ端末から
管理者側のサーバコンピュータに送信する。
【0026】管理者側では、サーバコンピュータが受け
取ったユーザ側からの測定データを解析し、ユーザ側の
3次元測定機の精度検査を行う。測定データの解析は、
サーバコンピュータに精度検査用に作成された専用プロ
グラムを入れておいて、サーバコンピュータで直接行っ
てもよいし、或いは、サーバコンピュータにLAN接続
されている管理者側のパソコン等に前記プログラムを入
れておいてここで行ってもよい。
【0027】いずれにしても、管理者は、インターネッ
トを通じて送られてくる複数のユーザからの測定データ
をそれぞれ解析することによって、測定精度が許容範囲
を超えて低下している3次元測定機を見つけ出し、ユー
ザに通知してメンテナンス要員を当該ユーザのもとに派
遣して、3次元測定機の校正を速やかに行うことができ
る。
【0028】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明の精度検査用マスタの第1実施例
を示すもので、本実施例における精度検査用マスタ1
は、3次元測定機2の測定テーブル3上に載置される治
具パレット4に固定されて、前記3次元測定機2の精度
の検査や校正に用いられる。
【0029】3次元測定機2は、測定テーブル3の両側
に同図に示すX方向にスライド自在に支持された門型の
可動フレーム5と、前記可動フレーム5にスライド自在
に支持されて前記X方向と直角なY方向にスライド自在
なヘッド部6と、前記ヘッド部6に対し、上下方向すな
わち同図Z方向に上下動自在に支持された昇降軸7とを
有し、昇降軸7の下端に固定されたプローブ8を3次元
方向に移動位置決めできるようになっている。
【0030】前記プローブ8の先端部は、人造ルビーや
セラミックス等の硬質で耐摩耗性のある素材で高精度の
球状に形成されており、通常の測定作業においては3次
元測定機2は測定テーブル3上に載せられたエンジンブ
ロック等のワークの仕上げ面にプローブ8の先端部を接
触させて、前記プローブ8の基準位置からの変位を測定
し、ワークが規定通りの寸法に仕上げられているかどう
かを検査する。
【0031】一方、3次元測定機2自体の精度検査を行
う場合には、ワークの代わりに検査用マスタ1に設けら
れた不変鋼製の基準部材9の基準測定面に、プローブ8
先端を接触させて、例えば、精度検査用マスタ1に設け
られた2つの基準部材9の基準測定面間の距離を実測し
て基準値と比較し、実測値と基準値との誤差を調べ、ま
た、前記誤差に基づいて3次元測定機の校正を行う。
【0032】図2及び図3に示すように、精度検査用マ
スタ1は、略立方体状のマスタ本体1Aとその上面及び
側面にそれぞれ取り付けられた基準部材9から構成され
ている。
【0033】前記マスタ本体1Aは、それぞれ略正方形
に形成された石英ガラス製の上板10、側板11、及
び、底板12を接着剤(市販の瞬間接着剤等)で張り合
わせることによって構成されている。
【0034】また、図4に示すように、それぞれの基準
部材9は上板10あるいは側板11に形成された取付孔
13に適合する外径を有する円筒部9Aと、取付孔13
より径の大きいフランジ部9Bとを有し、円筒部9A側
の端面中心部にはボルト14が螺合されるねじ孔が9C
が形成されている。
【0035】基準部材9の円筒部9Aは、上板10ある
いは側板11の外側から取付孔13にフランジ部9Bが
取付孔13の周縁部に当接するまで差し込むと、上板1
0あるいは側板11の裏側に一部が突出する長さに形成
されている。
【0036】この突出部分には、弾力性のあるウレタン
製のカラー15が装着されている。前記カラー15は、
軸方向に圧縮力を受けていないときの軸方向長が円筒部
9Aの突出部分の長さよりやや長めに形成されており、
前記ボルト14によって円筒部9Aの端面に座金16が
固定されると、上板10あるいは側板11と、座金16
との間にカラー15が弾性圧縮されて挟み込まれ、基準
部材9が上板10あるいは側板11に固定される構造に
なっている。
【0037】なお、上板10あるいは側板11に基準部
材9をボルト14で固定する際、両者の接触部分間には
接着剤(市販の瞬間接着剤等)が塗布され、上板10あ
るいは側板11に対する基準部材9の固定位置のずれが
防止されている。
【0038】また、基準部材9のフランジ部9Bの端面
S1と前記端面S1中央部に形成された円形凹部内周面
S2は、プローブ8(図1参照)先端が接触する基準測
定面として高精度に仕上加工されている。
【0039】図2に示すように、マスタ本体1Aを構成
する上板10には3箇所、側板11には2箇所、それぞ
れ精度検査用マスタ1の内部と外部との間で空気を流通
させるための通気孔17が形成されている。
【0040】これらの通気孔17は、温度変化によって
マスタ本体1A内部と外部の気圧差を生じてマスタ本体
1Aに歪みを生じることを防ぐためのもので、底板12
に空気の流通する開口部等が形成されていれば必ずしも
設けなくてよい。
【0041】図3に示すように、上板10の内面にはマ
スタ本体1Aの温度を測定するための温度センサ18が
取り付けられている。前記温度センサ18は、図5に示
すように筒状のセンサ本体18Aの一端に感温部18B
を有している。
【0042】また、前記センサ本体18Aの他端からは
ケーブル19が引き出されていて、感温部18Aが検出
した上板10の温度を前記ケーブル19の末端のコネク
タ20(図2及び図3参照)に連結される図示しない温
度測定装置で測定するようになっている。
【0043】前記温度測定装置は、精度検査用マスタ1
の基準部材9にプローブ8先端を接触させて3次元測定
機2の誤差を測定する場合に、精度検査用マスタ1自体
の温度による膨張収縮誤差を補正するために用いられる
もので、3次元測定機2に一体に組み込まれた装置、あ
るいは、個別に3次元測定機2の近傍に設置される装置
として構成することができる。
【0044】図5に示すように、温度センサ18は、感
温部18Bを上板10の裏側に開口するセンサ取付凹部
21内に挿入し、センサ本体18Aに形成された鍔部1
8Cを上板18Bの裏面に当接させて接着剤で固定して
ある。温度センサ18には、微少な温度変化を検出が可
能な高精度のサーミスタや熱電対を用いることができ
る。
【0045】一方、図3に示すように、底板12の中央
部分には、円形の透孔12Aが形成されていて、前記透
孔12Aには、円形の固定プラグ22の小径部22Aが
嵌合するようになっている。
【0046】 前記固定プラグ22には、2本のボルト
23が螺合する一対のねじ孔22Bが形成されている。
これらのボルト23は、治具パレット4(図1参照)側
に設けられている固定板24の一対のボルト挿通孔24
Aにそれぞれ下方から挿通し、固定プラグ22のねじ孔
22Bに螺合することで、精度検査用マスタ1を固定板
24に固定している。
【0047】また、固定プラグ22と固定板24にはそ
れぞれ、温度センサ18のケーブル19をマスタ本体1
Aの下方から治具パレット4側へ引き出すための貫通孔
22C、24Aが形成されている。なお、固定プラグ2
2は不変鋼等の温度の変化で膨脹収縮や歪みを生じ難い
材料で製作することが望ましい。
【0048】次に、前述したように構成されている精度
検査用マスタ1を用いて行う3次元測定機の精度検査方
法ついて説明する。ここで行う精度検査方法は、ユーザ
のもとに設置されている3次元測定機1の精度検査をイ
ンターネットを介して別の場所で専門の管理者(3次元
測定機メーカ等)が行うもので、図6に示すシステムに
よって実施される。
【0049】図6において、3次元測定機2を使用して
いるユーザのもとには、インターネット25に接続され
ているパソコン(PC)端末26が接続されている。
【0050】ユーザは、3次元測定機2による通常の測
定作業を一定時間行う毎に、図1に示すように、測定テ
ーブル3上にワークに代えて精度検査用マスタ1をセッ
ティングして精度測定作業を行う。
【0051】この際、ユーザは3次元測定機2によっ
て、精度検査用マスタ1の複数の基準部材9にプローブ
8を当接してそれぞれの位置を測定し、同時にマスタ本
体1Aに組み込まれた温度センサ18でマスタ本体1A
の温度を測定する。
【0052】これらの測定データは、図示しない入力イ
ンターフェースからパソコン端末26に入力され、ここ
で前記パソコン端末26にあらかじめインストールされ
ている専用のソフトウェアによって所定のフォーマット
にデータ変換された後、インターネット25を介して管
理者側のWEBサーバ27に送られる。なお、前記入力
インターフェースやデータ変換用のソフトウェア等は、
3次元測定機2のメーカ等があらかじめ製作してユーザ
に供与してある。
【0053】ユーザ側からWEBサーバ27に送られて
きた前記データは、WEBサーバ27に接続されている
管理者側のパソコン28に取り込まれる。この管理者側
のパソコン28にはユーザ側で3次元測定機2によって
測定された精度検査用マスタ1の位置測定値データと、
マスタ本体1Aに設けられた温度センサ18を用いて測
定された温度測定値データに基づいて、ユーザ側の3次
元測定機2の誤差を自動的に計算するプログラムが組み
込まれていて、ユーザ側の3次元測定機2の誤差がパソ
コン28の表示画面上に表示されるようになっている。
【0054】表示画面上には、複数のユーザの3次元測
定機2についての誤差値を一度に表示し、3次元測定機
2の測定誤差が所定の許容範囲を超えたものについて
は、管理者側のパソコン28のディスプレイに警告表示
されるようにしてある。
【0055】そして、警告表示された3次元測定機2を
保有するユーザに対しては、管理者は当該ユーザにその
旨電話等で連絡したり、メンテナンス技術者を派遣して
3次元測定機2のメンテナンスを行う等の処理を行うこ
とができる。なお、管理者側のパソコン28では複数の
ユーザの3次元測定機2のメンテナンスを行う時期のス
ケジュール管理を一括して行なうこともできる。
【0056】次に、図7は、本発明の精度検査用マスタ
の第2実施例を示す斜視図、図8はその内部構造を示す
図7のB−B線位置から矢印方向に見た断面図であっ
て、本実施例の精度検査用マスタ31は、円筒状の側面
を形成する石英ガラスまたは単結晶石英製の円筒管32
と、前記円筒管32の外径に略等しい直径を有する円板
状の上板33、及び、円筒管32より大きい直径を有す
る円板状の底板34から構成されるマスタ本体31Aを
備えている。
【0057】マスタ本体31Aの上面と側面にはそれぞ
れ不変鋼製の基準部材35、36が設けられており、基
準部材35は上板33の外周近傍に円周方向に等間隔に
4箇所取り付けられ、また、基準部材36は、それぞれ
の基準部材35に対応する円筒管32の周方向4箇所で
それぞれ上下方向2箇所の合計8箇所に取り付けられて
いる。
【0058】これらの基準部材35、36は、前述した
実施例における基準部材9とほぼ同様にして、マスタ本
体31Aを構成している上板33や円筒管32に形成さ
れた貫通孔に固定されている。
【0059】また、図8に示すように、底板34の中央
部には透孔37が形成されており、前記透孔37の周囲
には、上板33に形成された各取付孔38の直下に対応
する位置に取付孔39が形成されている。
【0060】上板33と底板34は、円筒管32内を貫
通する不変鋼で形成された4本の連結棒40の両端によ
って連結されている。すなわち、連結棒40は、上下対
称な形状をしており、上下の両端にねじ部40Aが形成
されている。
【0061】これらのねじ部40Aは、上板33と底板
34の対向位置にそれぞれ形成されている取付孔38、
39に挿入され、上板33の上方に突出した部分と、底
板34の下方に突出した部分にウレタン製の弾性を有す
るカラー41が装着されているとともにナット42が螺
合固定され、円筒管32を間に挟んで上板33と底板3
4が一体に連結される構造になっている。
【0062】なお、連結棒40の両端のねじ部40Aを
除いた部分は、長さが円筒管32の軸方向長に略等し
く、また外径は上板33及び底板34にそれぞれ形成さ
れているねじ挿通孔38、39より若干太く形成されて
いる。
【0063】また、それぞれの連結棒40には、長手方
向に離間した2箇所において、前記長手方向に直交する
方向に図示されないねじ孔が形成され、これらのねじ孔
には位置合わせボルト43が螺合されている。
【0064】これらの位置合わせボルト43は、円筒管
32内でその半径方向外側に向けて配置されていて、そ
れぞれの先端を円筒管32の内周面に当接することで、
円筒管32の中心が上板33と底板34の中心と一致す
るように位置決めされるようになっている。
【0065】また、それぞれの位置合わせボルト43に
は、ロックナット44が螺合しており、これらのロック
ナット44によって連結棒40に対して位置を調整され
た位置合わせボルト43の螺合位置が固定されている。
【0066】また、底板3に形成され透孔37は、周囲
の温度変化によってマスタ本体31Aの内側と外側の間
に気圧差が生じてマスタ本体31Aが変形することを防
止するための通気孔を兼ねている。
【0067】この実施例においては、上板33に2つの
温度センサ45、46が取り付けられている。これらの
温度センサ45、46は、先に述べた第1実施例の精度
検査用マスタ1に使用している温度センサ18と同様な
ものであり、図9に示すようにそれぞれ筒状のセンサ本
体45A、45Bの一端に感温部45B、46Bが設け
られ、また、これらのセンサ本体45A、45Bの他端
からは、ケーブル47A、47Bが引き出されている。
【0068】これらのケーブル47A、47Bは、図8
に示すように、一つのケーブル47にまとめられて底板
34の透孔37を貫通し、図示しない温度測定装置とコ
ネクタ48を介して連結されるようになっている。
【0069】温度センサ45は、マスタ本体31Aの温
度を測定するためのものであって、上板33の内面に開
口するセンサ取付凹部49内に感温部45Bが配置さ
れ、センサ本体45Aの鍔部45Cが上板33に当接さ
れた状態で、接着剤で固定されている。
【0070】一方、温度センサ46は、精度検査用マス
タ1周囲の気温を測定するためのものであって、上板3
3を貫通しているセンサ取付孔50内にセンサ本体46
Aを接着剤で固定されており、その感温部46Bは、上
板33の表面側に露出している。
【0071】なお、上板33の表面側では、センサ取付
孔50に座ぐり部50Aを形成して内径が拡大されてい
て、この中に鍔部46Cが配置されて温度センサ46が
位置決めされた状態で上板33に接着固定されている。
【0072】次に、図10は、本発明の測定機検査用マ
スタの第3実施例を示す斜視図、図11はその内部構造
を示す図10のC−C線位置から矢印方向に見た断面図
であって、本実施例の精度検査用マスタ51は、石英ガ
ラスまたは単結晶石英の一つの塊から機械加工によって
ブロック状に削り出したマスタ本体51Aを備えてい
る。
【0073】この実施例では、マスタ本体51Aは、平
坦な上面52を有するとともに、円柱状の外周面53の
上端から下端近傍位置まで、周方向の4箇所に平面54
を有していて、内部には下方が開放された空間が形成さ
れている。
【0074】前記上面52には4箇所、それぞれの平面
54には上下に2箇所ずつ取付孔55が形成されてい
て、これらの取付孔55に基準部材56が固定されてい
る。これらの基準部材56は、前述した各実施例に使用
しているものと同様なものであるが、この実施例の基準
部材56は取付孔55に嵌挿された状態で、接着剤のみ
によって固定されている。
【0075】マスタ本体51Aの頂壁部には、その内側
にセンサ取付凹部57が形成されていて、ここに温度セ
ンサ58が取り付けられている。この温度センサ58に
ついても、先に述べた2つの実施例に使用されている温
度センサ18、45、46と同様なものであり、図13
に示すように筒状のセンサ本体58Aの一端に感温部5
8Bが設けられ、鍔部58Cをマスタ本体51Aの頂壁
内面に当接させた状態で固定されている。
【0076】また、センサ本体58Aの他端からはケー
ブル59が引き出されており、前記ケーブル59の末端
は、図示しない温度測定装置とコネクタ60を介して連
結されるようになっている。
【0077】本実施例の精度検査用マスタ51は、前述
したそれぞれの実施例における精度検査用マスタ1、3
1と同様にして使用されるが、この実施例のものでは、
マスタ本体51Aが石英ガラスまたは単結晶石英の一つ
の塊から機械加工によって削り出されているため、マス
タ本体51Aの剛性が高く、高い精度を長期に亘って保
つことができる。
【0078】なお、温度センサの形態は、前述した各実
施例に用いたものに限定するものではなく、同等の機能
を有する種々の市販製品を使用可能である。また、これ
らの実施例においては、マスタ本体に温度センサのみを
設けた場合についてのみ説明したが、3次元測定機が基
準部材の基準測定面にプローブを当てる構造でなく、レ
ーザ光を基準測定面に反射させて光学的に位置を測定す
る構造の精度検査用マスタにおいては、大気の屈折率が
気圧の変化で変わることによるレーザ光の光路のずれを
補正するために、マスタ本体の温度を測定するセンサと
ともにマスタ本体に圧力センサを付加して3次元測定機
の周囲の気圧を検出するようにしてもよい。
【0079】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1記載の
発明によれば、精度検査用マスタの基準部材が取り付け
られているマスタ本体の温度を直接測定できるため、温
度補正を高い精度で行うことができる。
【0080】また、請求項2記載の発明によれば、マス
タ本体にさらに周囲の環境状態を測定するセンサ、例え
ば、室温を検出する温度センサや気圧を検出する圧力セ
ンサを組み込んでいるため、より高い精度で3次元測定
機の精度検査を行うことが可能となる。
【0081】さらに、請求項3記載の発明によれば、ユ
ーザ側の3次元測定機の精度検査をインターネットを介
して専門知識を有する管理者側で行うことのできるた
め、ユーザは、3次元測定機の精度検査のために、多く
の時間を費やすことが無くなるとともに、精度検査のた
めの高度な専門知識も不要となり、精密な精度検査を定
期的に実施することができるので、3次元測定機の精度
の悪化による製品の品質の低下を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る測定機検査用マス
タを3次元測定機にセッティングした状態を示す斜視図
である。
【図2】 本発明の精度検査用マスタの第1実施例を示
す斜視図である。
【図3】 図2のA−A線位置における矢印方向に見た
断面図である。
【図4】 基準部材のマスタ本体への取付構造を示す部
分断面図である。
【図5】 温度センサのマスタ本体への取付構造を示す
部分断面図である。
【図6】 本発明の3次元測定機の精度検査方法を実施
するためのシステム構成図である。
【図7】 本発明の測定機検査用マスタの第2実施例を
示す斜視図である。
【図8】 図7のB−B線位置における矢印方向に見た
断面図である。
【図9】 温度センサのマスタ本体への取付構造を示す
断面図である。
【図10】 本発明の測定機検査用マスタの第3実施例
を示す斜視図である。
【図11】 本発明の測定機検査用マスタの第3実施例
を示す平面図である。
【図12】 図11のC−C線位置における矢印方向に
見た断面図である。
【図13】 温度センサのマスタ本体への取付構造を示
す断面図である。
【図14】 従来の一般的な3次元測定機の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 精度検査用マスタ、 1A マスタ本体、 2
3次元測定機、3 測定テーブル、 4 治具パ
レット、 5 可動フレーム、6 ヘッド部、 7
昇降軸、 8 プローブ、 9 基準部材、9
A 円筒部、 9B フランジ部、 9C ねじ
孔、 10 上板、11 側板、 12 底板、
12A 透孔、 13 取付孔、14 ボル
ト、 15 カラー、 16 座金、 17 通
気孔、18 温度センサ、 18A センサ本体、
18B 感温部、18C 鍔部、 19 ケー
ブル、 20 コネクタ、21 センサ取付凹部、
22 固定プラグ、 22A 小径部、22B
ねじ孔、 22C 貫通孔、 23 ボルト、2
4 固定板、 24A ボルト層通孔、 24B
貫通孔、25 インターネット、 26 パソコン
端末、 27 WEBサーバ、28 パソコン、
31 精度検査用マスタ、 31A マスタ本体、
32 円筒管、 33 上板、 34 底板、3
5、36 基準部材、 37 透孔、 38、39
取付孔、40 連結棒、 40A ねじ部、
41 カラー、 42 ナット、43 位置合わ
せボルト、 44 ロックナット、45、46 温
度センサ、 45A、45B センサ本体、45B、
46B 感温部、 45C、46C 鍔部、47、
47A、47B ケーブル、 48 コネクタ、4
9 センサ取付凹部、 50 センサ取付孔 5
0A 座ぐり部、51 精度検査用マスタ、 51
A マスタ本体、 52 上面、53 外周面、
54 平面、 55 取付孔、 56 基準部
材、57 センサ取付凹部、 58 温度センサ、
58A センサ本体、58B 感温部、 58C
鍔部、 59 ケーブル、60 コネクタ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3次元測定機で測定する基準測定面を有
    する複数の基準部材が取り付けられたマスタ本体に、前
    記マスタ本体の温度を測定するセンサを組み込んだこと
    を特徴とする精度検査用マスタ。
  2. 【請求項2】 マスタ本体に周囲の環境状態を測定する
    ためのセンサをさらに組み込んだことを特徴とする請求
    項1記載の検査用マスタ。
  3. 【請求項3】 ユーザの3次元測定機で測定した、精度
    検査用マスタに設けられた各基準測定面の座標測定値
    と、前記検査用マスタに組み込まれた温度センサで測定
    される当該検査用マスタの温度測定値とを少なくとも含
    む測定データを、前記ユーザのコンピュータ端末からイ
    ンターネットを通して管理者のサーバコンピュータに送
    信し、前記サーバコンピュータ側で前記測定データを解
    析してユーザ側の3次元測定機の精度検査を行うことを
    特徴とする3次元測定機の精度検査方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020004222A1 (ja) 2018-06-28 2020-01-02 株式会社浅沼技研 検査マスタ
US11781849B2 (en) 2019-06-25 2023-10-10 Asanuma Giken Co., Ltd. Inspection master

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