JP2002097482A - 軸受用潤滑油 - Google Patents

軸受用潤滑油

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JP2002097482A
JP2002097482A JP2000290120A JP2000290120A JP2002097482A JP 2002097482 A JP2002097482 A JP 2002097482A JP 2000290120 A JP2000290120 A JP 2000290120A JP 2000290120 A JP2000290120 A JP 2000290120A JP 2002097482 A JP2002097482 A JP 2002097482A
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Japan
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acid
trimethylhexyl
acid ester
lubricating oil
aromatic polycarboxylic
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JP2000290120A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Kawahara
康行 川原
Koji Takahashi
孝司 高橋
Makiko Takii
真希子 滝井
Hirotaka Tomizawa
廣隆 富澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Japan Chemical Co Ltd
Original Assignee
New Japan Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低粘度であり、且つ、耐熱性優れた軸受用潤
滑油を提供する。 【構成】 (1)芳香族多価カルボン酸と炭素数9〜1
1の脂肪族飽和直鎖状若しくは分岐鎖状一価アルコール
とから得られる芳香族多価カルボン酸エステルの1種又
は2種以上、及び、(2)アジピン酸、アゼライン酸及
びセバシン酸からなる群から選択される二塩基酸と炭素
数8〜11の脂肪族分岐鎖状一価アルコールから得られ
る二塩基酸エステルの1種又は2種以上を含有すること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸受用潤滑油、特
に、焼結含油軸受又は流体軸受用潤滑油に関し、より詳
しくは、低粘度であり且つ耐熱性に優れるエステル系焼
結含油軸受又は流体軸受用潤滑油に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から焼結含油軸受は自動車(電装部
品)、家電製品(エアコン、冷蔵庫など)、音響機器
(CDプレーヤー、MDプレーヤーなど)等の各種モー
ターに使用されているが、近年では、コンピューター
(記憶装置用モーター)、携帯電話(振動モーター)の
急速な普及によりその需要が高まっている。又、広範囲
の回転数で低振動化させるために、流体軸受の実用化も
考えられている。更に最近では、機器の小型化、モータ
ーの回転の高速化に伴い軸受に対する負荷が益々大きく
なっている。これに対し、軸受材の改良が求められると
ともに、使用する潤滑油に対してもより高い性能が求め
られている。
【0003】焼結含油軸受用又は流体軸受用の潤滑油に
求められる性能としては、耐熱性(耐酸化安定性、耐揮
発性、粘度変化が小さいこと)に優れること、広い温度
範囲で使用できること、潤滑性に優れること、軸受材に
対する影響のないこと等が挙げられる。この中でも、軸
受に対する負荷増大による温度の上昇が大きい点で、耐
熱性が非常に重要視されている。
【0004】これまで焼結含油軸受用又は流体軸受用潤
滑油としては、ポリ−α−オレフィンなどの合成炭化水
素油、ジエステル、ポリオールエステルなどのエステル
油を用いた潤滑油が優れた性能を有することが開示され
ている(特開平7−53984号、特開平9−1250
86号、特開平11−172267号など)。しかしな
がら、これらの潤滑油は使用条件の苛酷化に対して十分
に耐えうるものではなく、更に高い性能を有する潤滑油
が要望されている。
【0005】また一方で、地球温暖化の原因である二酸
化炭素の放出を抑制するため、消費電力の低減が叫ばれ
ている。そのため摩擦によるエネルギー損失を低減する
ために、軸受用潤滑油も広い温度範囲で粘度が低く、摩
擦抵抗の少ない油が必要となっている。しかしながら、
一般に潤滑油の粘度が低くなると耐熱性、特に耐揮発性
において劣るようになるため、省エネルギーに適した焼
結含油軸受用又は流体軸受用潤滑油の提供には至ってい
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中
で、本発明は、低粘度であり、且つ、耐熱性に優れた焼
結含油軸受用又は流体軸受用潤滑油を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意検討の結果、特定のエステルを組み合
わせた潤滑油が、低粘度で且つ耐熱性に優れ、また、軸
受材となる金属への影響が少なく、焼結含油軸受又は流
体軸受に適した性能を有することを見いだし、かかる知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明に係る軸受用潤滑油は、
(1)芳香族多価カルボン酸と炭素数9〜11の脂肪族
飽和直鎖状若しくは分岐鎖状アルコールとから得られる
芳香族多価カルボン酸エステルの1種又は2種以上、及
び、(2)アジピン酸、アゼライン酸及びセバシン酸か
らなる群から選択される二塩基酸と炭素数8〜11の脂
肪族分岐鎖状アルコールとから得られる二塩基酸エステ
ルの1種又は2種以上を含有することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の軸受用潤滑油に含有され
る芳香族多価カルボン酸エステル及び二塩基酸エステル
は、それぞれ所定の酸成分とアルコール成分とを常法に
従って、好ましくは窒素等の不活性ガス雰囲気下、エス
テル化触媒の存在下又は無触媒下で加熱撹拌しながら完
全にエステル化することにより調製されるエステル化合
物である。
【0010】本発明に係る芳香族多価カルボン酸エステ
ルの酸成分としては、フタル酸、4−t−ブチルフタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ト
リメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン
酸、ビフェニルジカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸
が例示される。この中でも、耐熱性に優れる点で、フタ
ル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸
が好ましく、特に、フタル酸、トリメリット酸が好まし
い。
【0011】本発明に係る芳香族多価カルボン酸エステ
ルのアルコール成分は、炭素数9〜11の脂肪族飽和直
鎖状若しくは分岐鎖状の一価アルコールである。具体的
には、n−ノナノール、n−デカノール、n−ウンデカ
ノール、イソノナノール、3,5,5−トリメチルヘキ
サノール、イソデカノール、イソウンデカノールなどが
例示される。この中でも、耐熱性に優れる点で3,5,
5−トリメチルヘキサノールが好ましい。
【0012】上記芳香族多価カルボン酸エステルのアル
コール成分は、単独でエステル化に供することが可能で
あり、又、2種以上のアルコールを混合して用いること
も可能である。尚、2種以上のアルコールを混合してエ
ステル化反応に用いた場合、得られるエステルには、1
分子中に2種以上のアルコール由来の基を含む混基エス
テルが含まれる。
【0013】本発明に係る二塩基酸エステルの酸成分
は、アジピン酸、アゼライン酸及びセバシン酸からなる
群から選択される二塩基酸である。アルコール成分は、
炭素数8〜11の脂肪族分岐鎖状一価アルコールであ
り、具体的には、2−エチルヘキサノール、イソオクタ
ノール、イソノナノール、3,5,5−トリメチルヘキ
サノール、イソデカノール、イソウンデカノールなどが
例示される。この中でも、耐熱性及び低温流動性に優れ
る点で2−エチルヘキサノール、イソノナノール、3,
5,5−トリメチルヘキサノール、イソデカノールが好
ましい。
【0014】上記二塩基酸エステルのアルコール成分
は、単独でエステル化に供することが可能であり、又、
2種以上のアルコールを混合して用いることも可能であ
る。尚、2種以上のアルコールを混合してエステル化反
応に用いた場合、得られるエステルには、1分子中に2
種以上のアルコール由来の基を含む混基エステルが含ま
れる。
【0015】本発明の芳香族多価カルボン酸エステル及
び二塩基酸エステルは、どちらの場合も、そのそれぞれ
のエステル化反応の際、アルコール成分は、化学当量と
して、例えば酸成分1当量に対して1.0〜1.5当
量、好ましくは1.05〜1.2当量程度用いられる。
即ち、酸成分中の−COOH基の数1に対し、アルコー
ル成分中の−OH基の数が1.0〜1.5、好ましくは
1.05〜1.2となるように用いられる。
【0016】エステル化触媒としては、ルイス酸類、ア
ルカリ金属類、スルホン酸類等が例示され、具体的にル
イス酸としては、アルミニウム誘導体、錫誘導体、チタ
ン誘導体が例示され、アルカリ金属類としては、ナトリ
ウムアルコキシド、カリウムアルコキシド等が例示さ
れ、更にスルホン酸類としては、パラトルエンスルホン
酸、メタンスルホン酸、硫酸等が例示される。その使用
量は、例えば原料である酸及びアルコールの総重量に対
して0.1〜1.0重量%程度用いられる。
【0017】エステル化温度としては、150〜230
℃が例示され、通常、3〜30時間で反応は完結する。
【0018】エステル化反応終了後、過剰の原料を減圧
下または常圧下にて留去する。引き続き、慣用の精製方
法、例えば、中和、水洗、液液抽出、減圧蒸留、活性炭
処理等の吸着精製等によりエステルを精製することが可
能である。
【0019】かくして得られる芳香族多価カルボン酸エ
ステルとしては、具体的には、フタル酸ジ(n−ノニ
ル)、フタル酸ジ(n−デシル)、フタル酸ジ(n−ウ
ンデシル)、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジ(3,
5,5−トリメチルヘキシル)、フタル酸ジイソデシ
ル、フタル酸ジイソウンデシル、トリメリット酸トリ
(n−ノニル)、トリメリット酸トリ(n−デシル)、
トリメリット酸トリ(n−ウンデシル)、トリメリット
酸トリイソノニル、トリメリット酸トリ(3,5,5−
トリメチルヘキシル)、トリメリット酸トリイソデシ
ル、トリメリット酸トリイソウンデシル、トリメシン酸
トリ(n−ノニル)、トリメシン酸トリ(n−デシ
ル)、トリメシン酸トリ(n−ウンデシル)、トリメシ
ン酸トリイソノニル、トリメシン酸トリ(3,5,5−
トリメチルヘキシル)、トリメシン酸トリイソデシル、
トリメシン酸トリイソウンデシル、ピロメリット酸テト
ラ(n−ノニル)、ピロメリット酸テトラ(n−デシ
ル)、ピロメリット酸テトラ(n−ウンデシル)、ピロ
メリット酸テトライソノニル、ピロメリット酸テトラ
(3,5,5−トリメチルヘキシル)、ピロメリット酸
テトライソデシル、ピロメリット酸ジイソウンデシルが
例示される。
【0020】これらの芳香族多価カルボン酸エステルの
中でも、耐熱性に優れる点で、フタル酸ジ(3,5,5
−トリメチルヘキシル)、トリメリット酸トリ(3,
5,5−トリメチルヘキシル)、トリメシン酸トリ
(3,5,5−トリメチルヘキシル)、ピロメリット酸
テトラ(3,5,5−トリメチルヘキシル)が好まし
く、特に、フタル酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシ
ル)、トリメリット酸トリ(3,5,5−トリメチルヘ
キシル)が好ましい。
【0021】又、二塩基酸エステルとしては、具体的に
は、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸
ジイソオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸
ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、アジピン酸ジ
イソデシル、アジピン酸ジイソウンデシル、アゼライン
酸ジ(2−エチルヘキシル)、アゼライン酸ジイソオク
チル、アゼライン酸ジイソノニル、アゼライン酸ジ
(3,5,5−トリメチルヘキシル)、アゼライン酸ジ
イソデシル、アゼライン酸ジイソウンデシル、セバシン
酸ジ(2−エチルヘキシル)、セバシン酸ジイソオクチ
ル、セバシン酸ジイソノニル、セバシン酸ジ(3,5,
5−トリメチルヘキシル)、セバシン酸ジイソデシル、
セバシン酸ジイソウンデシルなどが例示される。
【0022】これらの二塩基酸エステルの中でも、耐熱
性及び低温流動性に優れる点で、アジピン酸ジ(2−エ
チルヘキシル)、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸
ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、アジピン酸ジ
イソデシル、アゼライン酸ジ(2−エチルヘキシル)、
アゼライン酸ジイソノニル、アゼライン酸ジ(3,5,
5−トリメチルヘキシル)、アゼライン酸ジイソデシ
ル、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)、セバシン酸
ジイソノニル、セバシン酸ジ(3,5,5−トリメチル
ヘキシル)、セバシン酸ジイソデシルが好ましい。
【0023】本発明の軸受用潤滑油は、上記の芳香族多
価カルボン酸エステルと二塩基酸エステルの両方を含有
するものである。これらの両方のエステルを含有するこ
とにより、低粘度であり且つ耐熱性にも優れ、軸受材、
例えば鉄、銅、鉛等の金属への影響も少ないという、軸
受用として優れた性能を併せ持つ潤滑油を得ることがで
きる。
【0024】かかる芳香族多価カルボン酸エステルと二
塩基酸エステルは、下記の(a)〜(x)に記載の組み
合わせで含有されるのが好ましい。 (a)芳香族多価カルボン酸エステル=フタル酸ジ
(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エステ
ル=アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル) (b)芳香族多価カルボン酸エステル=フタル酸ジ
(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エステ
ル=アジピン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル) (c)芳香族多価カルボン酸エステル=フタル酸ジ
(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エステ
ル=アジピン酸ジイソノニル (d)芳香族多価カルボン酸エステル=フタル酸ジ
(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エステ
ル=アジピン酸ジイソデシル (e)芳香族多価カルボン酸エステル=フタル酸ジ
(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エステ
ル=アゼライン酸ジ(2−エチルヘキシル) (f)芳香族多価カルボン酸エステル=フタル酸ジ
(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エステ
ル=アゼライン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシ
ル) (g)芳香族多価カルボン酸エステル=フタル酸ジ
(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エステ
ル=アゼライン酸ジイソノニル (h)芳香族多価カルボン酸エステル=フタル酸ジ
(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エステ
ル=アゼライン酸ジイソデシル (i)芳香族多価カルボン酸エステル=フタル酸ジ
(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エステ
ル=セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル) (j)芳香族多価カルボン酸エステル=フタル酸ジ
(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エステ
ル=セバシン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル) (k)芳香族多価カルボン酸エステル=フタル酸ジ
(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エステ
ル=セバシン酸ジイソノニル (l)芳香族多価カルボン酸エステル=フタル酸ジ
(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エステ
ル=セバシン酸ジイソデシル (m)芳香族多価カルボン酸エステル=トリメリット酸
トリ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エ
ステル=アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル) (n)芳香族多価カルボン酸エステル=トリメリット酸
トリ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エ
ステル=アジピン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシ
ル) (o)芳香族多価カルボン酸エステル=トリメリット酸
トリ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エ
ステル=アジピン酸ジイソノニル (p)芳香族多価カルボン酸エステル=トリメリット酸
トリ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エ
ステル=アジピン酸ジイソデシル (q)芳香族多価カルボン酸エステル=トリメリット酸
トリ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エ
ステル=アゼライン酸ジ(2−エチルヘキシル) (r)芳香族多価カルボン酸エステル=トリメリット酸
トリ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エ
ステル=アゼライン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキ
シル) (s)芳香族多価カルボン酸エステル=トリメリット酸
トリ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エ
ステル=アゼライン酸ジイソノニル (t)芳香族多価カルボン酸エステル=トリメリット酸
トリ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エ
ステル=アゼライン酸ジイソデシル (u)芳香族多価カルボン酸エステル=トリメリット酸
トリ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エ
ステル=セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル) (v)芳香族多価カルボン酸エステル=トリメリット酸
トリ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エ
ステル=セバシン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシ
ル) (w)芳香族多価カルボン酸エステル=トリメリット酸
トリ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エ
ステル=セバシン酸ジイソノニル (x)芳香族多価カルボン酸エステル=トリメリット酸
トリ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、二塩基酸エ
ステル=セバシン酸ジイソデシル
【0025】本発明の軸受用潤滑油は、芳香族多価カル
ボン酸エステル(1)と二塩基酸エステル(2)が、重
量比で(1):(2)=5:95〜95:5の割合で使
用され、特に、潤滑性、低温流動性及び耐熱性に優れる
点で(1):(2)=20:80〜80:20、更に好
ましくは(1):(2)=20:80〜50:50の割
合で使用されることが好ましい。
【0026】本発明の軸受用潤滑油は、上記芳香族多価
カルボン酸エステル及び二塩基酸エステルを、両者の合
計量として50〜100重量%、好ましくは80〜10
0重量%含有する。
【0027】本発明に係る芳香族多価カルボン酸エステ
ル及び二塩基酸エステルの全酸価は、これらの混合物の
全酸価として0.1mgKOH/g以下、好ましくは
0.05mgKOH/g以下であることが望ましい。全
酸価が0.1mgKOH/g以下のときには耐熱性が向
上する。全酸価は中和により調整可能である。
【0028】本発明に係る芳香族多価カルボン酸エステ
ル及び二塩基酸エステルの水酸基価は、これらの混合物
の水酸基価として5mgKOH/g以下、好ましくは3
mgKOH/g以下、更に好ましくは1mgKOH/g
以下であることが望ましい。水酸基価が5mgKOH/
g以下のときには耐熱性が向上する。水酸基価は精製に
より未反応アルコールを除去することで調整可能であ
る。
【0029】又、本発明の軸受用潤滑油は、その性能を
低下させない範囲で、他の潤滑油基油(以下「併用基
油」という)、即ち、鉱物油(石油の精製によって得ら
れる炭化水素油)、ポリ−α−オレフィン、ポリブテ
ン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、フィッシ
ャートロプシュ法(Fischer-Tropsch process)によっ
て得られる合成炭化水素の異性化油などの合成炭化水素
油、動植物油、有機酸エステル、ポリアルキレングリコ
ール、ポリビニルエーテル、ポリフェニルエーテル、ア
ルキルフェニルエーテル、シリコーン油よりなる群から
選ばれる1種若しくは2種以上の化合物を適宜併用する
ことができる。
【0030】鉱物油としては、溶剤精製鉱油、水素化精
製鉱油、ワックス異性化油が挙げられるが、通常、10
0℃における動粘度が1.0〜20mm/s、好まし
くは2.0〜10mm/sの範囲にあるものが用いら
れる。
【0031】ポリ−α−オレフィンとしては、炭素数2
〜16のα−オレフィン(例えばエチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デ
セン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1ーヘキサデ
セン等)の重合体又は共重合体であって100℃におけ
る動粘度が1.0〜20mm/s、粘度指数が100
以上のものが例示され、特に100℃における動粘度が
1.5〜10mm/sで、粘度指数が120以上のも
のが好ましい。
【0032】ポリブテンとしては、イソブチレンを重合
したもの、イソブチレンをノルマルブチレンと共重合し
たものがあり、一般に100℃の動粘度が2.0〜50
mm /sの広範囲のものが挙げられる。
【0033】アルキルベンゼンとしては、炭素数1〜4
0の直鎖又は分岐のアルキル基で置換された、分子量が
200〜450であるモノアルキルベンゼン、ジアルキ
ルベンゼン、トリアルキルベンゼン、テトラアルキルベ
ンゼン等が例示される。
【0034】アルキルナフタレンとしては、炭素数1〜
30の直鎖又は分岐のアルキル基で置換されたモノアル
キルナフタレン、ジアルキルナフタレン等が例示され
る。
【0035】動植物油としては、牛脂、豚脂、パーム
油、ヤシ油、ナタネ油、ヒマシ油、ヒマワリ油等が例示
される。
【0036】本発明に係る芳香族多価カルボン酸エステ
ル及び二塩基酸エステル以外の有機酸エステルとして
は、脂環族多価カルボン酸エステル、ポリオールエステ
ル及びその他のエステルが例示される。
【0037】脂環族多価カルボン酸エステルとしては、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、
4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、1,2,
4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シク
ロヘキサントリカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘ
キサンテトラカルボン酸若しくはその無水物と炭素数3
〜22の直鎖状又は分岐鎖状の飽和又は不飽和の脂肪族
アルコールとのフルエステルが挙げられる。
【0038】ポリオールエステルとしては、ネオペンチ
ルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリス
リトール等のネオペンチルポリオールと炭素数3〜22
の直鎖状及び/又は分岐鎖状の飽和又は不飽和の脂肪酸
とのフルエステルを使用することが可能である。
【0039】その他のエステルとしては、ダイマー酸、
水添ダイマー酸などの重合脂肪酸と炭素数3〜22の直
鎖状若しくは分岐鎖状の飽和又は不飽和の脂肪族アルコ
ールとのエステルが挙げられる。
【0040】ポリアルキレングリコールとしては、アル
コールと炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアル
キレンオキサイドの開環重合体が例示される。アルキレ
ンオキサイドとしてはエチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド、ブチレンオキサイドが挙げられ、これらの
1種を用いた重合体、若しくは2種以上の混合物を用い
た共重合体が使用可能である。又、片端又は両端の水酸
基部分がエーテル化若しくはエステル化した化合物も使
用可能である。重合体の動粘度としては、5.0〜10
00mm/s(40℃)、好ましくは5.0〜500
mm/s(40℃)である。
【0041】ポリビニルエーテルとしては、ビニルエー
テルモノマーの重合によって得られる化合物であり、モ
ノマーとしてはメチルビニルエーテル、エチルビニルエ
ーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニ
ルエーテル、イソブチルビニルエーテル、sec−ブチ
ルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、
n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエー
テル、2−メトキシエチルビニルエーテル、2−エトキ
シエチルビニルエーテル等が挙げられる。重合体の動粘
度としては、5.0〜1000mm/s(40℃)、
好ましくは5.0〜500mm/s(40℃)であ
る。
【0042】ポリフェニルエーテルとしては、2個以上
の芳香環のメタ位をエーテル結合又はチオエーテル結合
でつないだ構造を有する化合物が挙げられ、具体的に
は、ビス(m−フェノキシフェニル)エーテル、m−ビ
ス(m−フェノキシフェノキシ)ベンゼン、及びそれら
の酸素の1個若しくは2個以上を硫黄に置換したチオエ
ーテル類(通称C−エーテル)等が例示される。
【0043】アルキルフェニルエーテルとしては、ポリ
フェニルエーテルを炭素数6〜18の直鎖状若しくは分
岐鎖状のアルキル基で置換した化合物が挙げられ、特に
1個以上のアルキル基で置換したアルキルジフェニルエ
ーテルが好ましい。
【0044】シリコーン油としては、ジメチルシリコー
ン、メチルフェニルシリコーンのほか、長鎖アルキルシ
リコーン、フルオロシリコーン等の変性シリコーンが挙
げられる。
【0045】本発明の軸受用潤滑油中における併用基油
の含有量としては、0〜50重量%が推奨されるが、耐
熱性を損なわないために0〜20重量%であることがよ
り好ましい。
【0046】本発明に係る軸受用潤滑油は、その性能を
向上させるために、酸化防止剤、油性剤、摩耗防止剤、
極圧剤、金属不活性剤、防錆剤、粘度指数向上剤、流動
点降下剤、消泡剤等の添加剤の1種又は2種以上を適宜
配合することも可能である。配合量は、所定の効果を奏
する限り特に限定されるものではないが、その具体的な
例を以下に示す。
【0047】酸化防止剤としては、2,6−ジ−ter
t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−メチレンビス
−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール等のフェノ
ール系、N−フェニル−α−ナフチルアミン、p,p’
−ジオクチルジフェニルアミン等のアミン系、フェノチ
アジン等の硫黄系化合物等が使用可能である。これらの
酸化防止剤は、通常、軸受用潤滑油に対して0.01〜
5重量%、好ましくは0.05〜3重量%添加するのが
よい。
【0048】油性剤としては、ステアリン酸、オレイン
酸などの脂肪族飽和及び不飽和モノカルボン酸、ダイマ
ー酸、水添ダイマー酸などの重合脂肪酸、リシノレイン
酸、12−ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシ脂
肪酸、ラウリルアルコール、オレイルアルコールなどの
脂肪族飽和及び不飽和モノアルコール、ステアリルアミ
ン、オレイルアミンなどの脂肪族飽和及び不飽和モノア
ミン、ラウリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの脂肪
族飽和及び不飽和モノカルボン酸アミド等が使用可能で
ある。これらの油性剤は、通常、軸受用潤滑油に対して
0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.1重量%〜
3重量%添加するのがよい。
【0049】摩耗防止剤又は極圧剤としては、トリクレ
ジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、
アルキルフェニルホスフェート類、トリブチルホスフェ
ート、ジブチルホスフェート等のりん酸エステル類、ト
リブチルホスファイト、ジブチルホスファイト、トリイ
ソプロピルホスファイト等の亜りん酸エステル類及びこ
れらのアミン塩等のリン系、硫化油脂、硫化オレイン酸
などの硫化脂肪酸、ジベンジルジスルフィド、硫化オレ
フィン、ジアルキルジスルフィドなどの硫黄系、Zn−
ジアルキルジチオフォスフェート、Zn−ジアルキルジ
チオカルバメート、Mo−ジアルキルジチオフォスフェ
ート、Mo−ジアルキルジチオカルバメートなどの有機
金属系化合物等が使用可能である。これらの摩耗防止剤
又は極圧剤は、通常、軸受用潤滑油に対して0.01重
量%〜10重量%、好ましくは0.1重量%〜5重量%
添加するのがよい。
【0050】金属不活性剤としては、ベンゾトリアゾー
ル系、チアジアゾール系、没食子酸エステル系の化合物
等が使用可能であり、これらの金属不活性剤は、通常、
軸受用潤滑油に対して0.005〜0.4重量%、好ま
しくは0.01〜0.2重量%添加するのがよい。
【0051】防錆剤としては、ドデセニルコハク酸ハー
フエステル、オクタデセニルコハク酸無水物、ドデセニ
ルコハク酸アミドなどのアルキル又はアルケニルコハク
酸誘導体、ソルビタンモノオレエート、グリセリンモノ
オレエート、ペンタエリスリトールモノオレエートなど
の多価アルコール部分エステル、Ca−石油スルフォネ
ート、Ca−アルキルベンゼンスルフォネート、Ba−
アルキルベンゼンスルフォネート、Mg−アルキルベン
ゼンスルフォネート、Na−アルキルベンゼンスルフォ
ネート、Zn−アルキルベンゼンスルフォネート、Ca
−アルキルナフタレンスルフォネートなどの金属スルフ
ォネート、ロジンアミン、N−オレイルザルコシンなど
のアミン類、ジアルキルホスファイトアミン塩等が使用
可能である。これらの防錆剤は、通常、軸受用潤滑油に
対して0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.05
〜2重量%添加するのがよい。
【0052】粘度指数向上剤としては、ポリアルキルメ
タクリレート、ポリアルキルスチレン、ポリブテン、エ
チレン−プロピレン共重合体、スチレン−ジエン共重合
体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体などの
オレフィン共重合体が使用可能であり、これらの粘度指
数向上剤は、通常、軸受用潤滑油に対して0.1〜15
重量%、好ましくは0.5〜7重量%添加するのがよ
い。
【0053】流動点降下剤としては、塩素化パラフィン
とアルキルナフタレンの縮合物、塩素化パラフィンとフ
ェノールの縮合物、既述の粘度指数向上剤であるポリア
ルキルメタクリレート、ポリアルキルスチレン、ポリブ
テン等が使用可能であり、これらの流動点降下剤は、通
常、軸受用潤滑油に対して0.01〜5重量%、好まし
くは0.1〜3重量%添加するのがよい。
【0054】消泡剤としては、液状シリコーンが適して
おり、通常、軸受用潤滑油に対して0.0005〜0.
01重量%添加するのが良い。
【0055】本発明の軸受用潤滑油は、40℃における
動粘度が5〜35mm/sであることが好ましく、耐
熱性及び省電力性のバランスに優れる点で40℃におけ
る動粘度が10〜25mm/sであることが特に好ま
しい。
【0056】本発明の軸受用潤滑油は、JIS−K−2
269に記載される流動点が−5℃以下であるものが好
ましく、より低温での使用に適する点で−10℃以下、
更には−15℃以下であるものが好ましい。
【0057】本発明の軸受用潤滑油は、各種の軸受装置
に使用することが可能であり、好ましくは、焼結含油軸
受、及び流体軸受への使用に適する。
【0058】本発明の軸受用潤滑油は、種々の材質の焼
結含油軸受又は流体軸受に使用することが可能である。
具体的には、鉄系軸受、銅系軸受、鉛系軸受などが例示
される。本発明の軸受用潤滑油は、特に銅に対する安定
性が優れる点から、銅系軸受への使用に特に適してい
る。
【0059】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を詳しく説明す
るが、本発明は実施例に限定されるものではない。ま
た、各例における潤滑油の物理特性及び化学特性は以下
の方法により評価した。
【0060】全酸価 JIS−K−2501に準拠して測定した。
【0061】動粘度 JIS−K−2283に準拠して測定した。
【0062】流動点 JIS−K−2269に準拠して測定した。
【0063】金属含量 原子吸光分析装置を用いて測定した。
【0064】潤滑油の酸化安定性試験は、通常、酸化防
止剤などの添加剤を加えて行われる。本発明の軸受用潤
滑油及び比較油も同一の添加剤を配合して酸化安定性試
験を行った。
【0065】耐熱性試験 実施例又は比較例の各々のエステルに対し、2,6−ジ
−tert−ブチル−p−クレゾール0.1重量%を添
加溶解させて潤滑油(以下、この組成のものを「添加
油」という)を調製した。次いで、内径50mm、高さ1
3mmのガラスシャーレに鉄及び銅の針金(径1.6mm、
長さ30mm)を入れ、上記添加油1gを秤りとり、オー
ブンに入れて120℃で20時間加熱した。試験後、添
加油の重量、金属含量、全酸価を測定し、揮発減量
[(試験前の添加油の重量−試験後の添加油の重量)/
試験前の添加油の重量×100]と全酸価上昇値(試験
前の全酸価−試験後の全酸価)を算出した。揮発減量、
全酸価の上昇が少ないものほど耐熱性に優れ、油中の金
属含量が少ないほど金属への影響が少ないと判断した。
【0066】製造例1 撹拌器、温度計、冷却管付き水分分留受器を備えた1リ
ットルの四ツ口フラスコに無水トリメリット酸192g
(1モル)、3,5,5−トリメチルヘキサノール47
5.2g(3.3モル)及び触媒としてテトライソプロ
ピルチタネート(仕込み原料の総量に対し0.1重量
%)を仕込み、減圧にて200℃まで昇温した。理論的
にできる水の量(36g)を目処にして生成した水を水
分分留受器で除去しながらエステル化反応を約8時間行
った。反応終了後、過剰のアルコールを蒸留で除去し、
苛性ソーダ水溶液で中和して、その後中性になるまで水
洗した。次いで活性炭処理を行い、更に濾過をしてトリ
メリット酸トリ(3,5,5−トリメチルヘキシル)5
93gを得た。エステルの全酸価は0.01mgKOH/g、
40℃の動粘度は171.2mm/s、100℃の動
粘度は13.9mm/sであった。
【0067】製造例2 無水トリメリット酸の代わりに無水フタル酸296g
(2モル)、3,5,5−トリメチルヘキサノール31
6.8g(2.2モル)を用いた以外は、製造例1と同
様の方法により、フタル酸ジ(3,5,5−トリメチル
ヘキシル)510gを得た。エステルの全酸価は0.0
1mgKOH/g、40℃の動粘度は37.1mm2/s、1
00℃の動粘度は5.4mm2/sであった。
【0068】製造例3 無水トリメリット酸の代わりにセバシン酸404g(2
モル)、3,5,5−トリメチルヘキサノールの代わり
に2−エチルヘキサノール286g(2.2モル)を用
いた以外は、製造例1と同様の方法により、セバシン酸
ジ(2−エチルヘキシル)584gを得た。エステルの
全酸価は0.02mgKOH/g、40℃の動粘度は11.5
mm2/s、100℃の動粘度は3.2mm2/sであ
った。
【0069】製造例4 無水トリメリット酸の代わりにアジピン酸292g(2
モル)、3,5,5−トリメチルヘキサノールの代わり
にイソノナノール(協和発酵工業製「オキソコール90
0」)316.8g(2.2モル)を用いた以外は、製
造例1と同様の方法により、アジピン酸ジイソノニル5
00gを得た。エステルの全酸価は0.01mgKOH/g、
40℃の動粘度は10.8mm2/s、100℃の動粘
度は3.0mm2/sであった。
【0070】製造例5 無水トリメリット酸の代わりにアゼライン酸376g
(2モル)、3,5,5−トリメチルヘキサノールの代
わりに2−エチルヘキサノール286g(2.2モル)
を用いた以外は、製造例1と同様の方法により、アゼラ
イン酸ジ(2−エチルヘキシル)581gを得た。エス
テルの全酸価は0.01mgKOH/g、40℃の動粘度は1
0.4mm2/s、100℃の動粘度は3.0mm2/
sであった。
【0071】製造例6 無水トリメリット酸の代わりにアジピン酸292g(2
モル)、3,5,5−トリメチルヘキサノール316.
8g(2.2モル)を用いた以外は、製造例1と同様の
方法により、アジピン酸ジ(3,5,5−トリメチルヘ
キシル)495gを得た。エステルの全酸価は0.01
mgKOH/g、40℃の動粘度は12.2mm2/s、10
0℃の動粘度は3.6mm2/sであった。
【0072】製造例7 無水トリメリット酸の代わりに無水フタル酸296g
(2モル)、3,5,5−トリメチルヘキサノールの代
わりに2−エチルヘキサノール286g(2.2モル)
を用いた以外は、製造例1と同様の方法により、フタル
酸ジ(2−エチルヘキシル)502gを得た。エステル
の全酸価は0.01mgKOH/g、40℃の動粘度は27.
1mm2/s、100℃の動粘度は4.1mm2/sで
あった。
【0073】製造例8 無水トリメリット酸の代わりにアジピン酸292g(2
モル)、3,5,5−トリメチルヘキサノールの代わり
にイソデカノール(協和発酵工業製「デカノール」)3
47.6g(2.2モル)を用いた以外は、製造例1と
同様の方法により、アジピン酸ジイソデシル533gを
得た。エステルの全酸価は0.01mgKOH/g、40℃の
動粘度は14.1mm2/s、100℃の動粘度は3.
6mm2/sであった。
【0074】実施例1 製造例2で得られたフタル酸ジ(3,5,5−トリメチ
ルヘキシル)及び製造例3で得られたセバシン酸ジ(2
−エチルヘキシル)を30:70(重量比)で混合し、
混合油Aとした。混合油Aの全酸価、動粘度、流動点を
測定し、耐熱性試験を実施した。結果を第1表、及び第
2表に示す。
【0075】
【0076】
【0077】実施例2 製造例1で得られたトリメリット酸トリ(3,5,5−
トリメチルヘキシル)及び製造例4で得られたアジピン
酸ジイソノニルを20:80(重量比)で混合し混合油
Bとした。混合油Bの全酸価、動粘度、流動点を測定
し、耐熱性試験を実施した。結果を第1表、及び第2表
に示す。
【0078】実施例3 製造例1で得られたトリメリット酸トリ(3,5,5−
トリメチルヘキシル)及び製造例3で得られたセバシン
酸ジ(2−エチルヘキシル)を25:75(重量比)で
混合し、混合油Cとした。混合油Cの全酸価、動粘度、
流動点を測定し、耐熱性試験を実施した。結果を第1
表、及び第2表に示す。
【0079】実施例4 製造例1で得られたトリメリット酸トリ(3,5,5−
トリメチルヘキシル)及び製造例5で得られたアゼライ
ン酸ジ(2−エチルヘキシル)を25:75(重量比)
で混合し、混合油Dとした。混合油Dの全酸価、動粘
度、流動点を測定し、耐熱性試験を実施した。結果を第
1表、及び第2表に示す。
【0080】実施例5 製造例2で得られたフタル酸ジ(3,5,5−トリメチ
ルヘキシル)及び製造例6で得られたアジピン酸ジ
(3,5,5−トリメチルヘキシル)を50:50(重
量比)で混合し、混合油Eとした。混合油Eの全酸価、
動粘度、流動点を測定し、耐熱性試験を実施した。結果
を第1表、及び第2表に示す。
【0081】比較例1 製造例7で得られたフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)
及び製造例8で得られたアジピン酸ジイソデシルを5
0:50(重量比)で混合し、混合油aとした。混合油
aの全酸価、動粘度、流動点を測定し、耐熱性試験を実
施した。結果を第1表、及び第2表に示す。
【0082】比較例2 製造例3で得られたセバシン酸ジ(2−エチルヘキシ
ル)の全酸価、動粘度、流動点を測定し、耐熱性試験を
実施した。結果を第1表、及び第2表に示す。
【0083】比較例3 製造例7で得られたフタル酸ジ(2−エチルヘキシル)
の全酸価、動粘度、流動点を測定し、耐熱性試験を実施
した。結果を第1表、及び第2表に示す。
【0084】比較例4 製造例2で得られたフタル酸ジ(3,5,5−トリメチ
ルヘキシル)の全酸価、動粘度、流動点を測定し、耐熱
性試験を実施した。結果を第1表、及び第2表に示す。
【0085】第2表より明らかなように、本発明の軸受
用潤滑油は、低温流動性に非常に優れ、低粘度であるた
め省電力性に優れる。又、揮発減量が少なく、酸化安定
性も良好である。更に、油中への金属の溶出が少ないた
め、軸受材への影響が少ない。
【0086】
【発明の効果】本発明の軸受用潤滑油は、低温流動性、
耐熱性に優れる。また、金属への影響が少ない点から優
れた潤滑油となる。特許出願人 新日本理化株式会社
フロントページの続き (72)発明者 富澤 廣隆 京都府京都市伏見区葭島矢倉町13番地 新 日本理化株式会社内 Fターム(参考) 4H104 BB33A LA01 LA04 PA01 RA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)芳香族多価カルボン酸と炭素数9
    〜11の脂肪族飽和直鎖状若しくは分岐鎖状一価アルコ
    ールとから得られる芳香族多価カルボン酸エステルの1
    種又は2種以上、及び、(2)アジピン酸、アゼライン
    酸及びセバシン酸からなる群から選択される二塩基酸と
    炭素数8〜11の脂肪族分岐鎖状一価アルコールから得
    られる二塩基酸エステルの1種又は2種以上を含有する
    ことを特徴とする軸受用潤滑油。
  2. 【請求項2】 芳香族多価カルボン酸エステルが、フタ
    ル酸ジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、トリメリ
    ット酸トリ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、トリ
    メシン酸トリ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、ピ
    ロメリット酸テトラ(3,5,5−トリメチルヘキシ
    ル)からなる群から選択される1種若しくは2種以上で
    ある、請求項1に記載の軸受用潤滑油。
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