JP2001512298A - 画像及び信号処理のための装置及び方法 - Google Patents

画像及び信号処理のための装置及び方法

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JP2001512298A JP2000505594A JP2000505594A JP2001512298A JP 2001512298 A JP2001512298 A JP 2001512298A JP 2000505594 A JP2000505594 A JP 2000505594A JP 2000505594 A JP2000505594 A JP 2000505594A JP 2001512298 A JP2001512298 A JP 2001512298A
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    • G06T2207/20Special algorithmic details
    • G06T2207/20048Transform domain processing

Abstract

(57)【要約】 信号及び画像データ(X)を効率的に処理するための装置及び方法について述べられている。本発明は、異なる信号処理技術を比較し、特徴付けるための価値数量として用いられる信号及び画像データ(S‘)の表示を提供する。表示は、次の処理に供される中間結果として用いることができ、及び/又は処理操作(204)のための制御エレメントとして用いることもできる。本発明は、中間結果のプロバイダーとして、画像、音声、及びほかのデータの変換、記憶、増強、リファイン、特徴抽出、圧縮、コーディング、送信、又はディスプレイ表示に関する処理の一段階として用いることができる。本発明は、本来予測不能な又は部分的にランダムなソースからのデータ操作を改善する。その結果、強力で効率的なデータ処理を可能にする形式でのデータのコーディングが簡単になり、記憶装置への要求は減り、オリジナルデータを15の最小エラーと劣化で修復できるようになる。本発明は、データが光子のような自然状態において表示されているか又は前処理されていたかどうかに関係なく、ノイズフリーであってもランダムな構成要素により汚染されていても、コーディングソースデータを外部環境から引き出すシステムを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願) 本出願は、ここに参考資料として援用する、1997年7月31日出願の仮出
願番号第60/054,399号「属性、位相見積、適合度、量子化容量による
信号処理のための方法及び装置」と称する出願人の同時継続米国仮特許出願から
の優先権を主張する。
【0002】 本発明は、米国保健学会(U.S.P.H.S.)より授与された許諾番号E
Y03785の下で米国政府の支援により成された。米国政府は本発明に対し一
定の権利を有する。
【0003】 (技術分野) 本発明は、全般的にはアナログ及びディジタル信号処理に関し、特に、信号又
は画像データの効率的表示及び処理のための装置と方法に関する。
【0004】 (先行技術) 図1は、先行技術による代表的な信号処理システム100のブロック線図であ
る。図に示すように、このようなシステムは、通常、入力ステージ102、処理
ステージ104、出力ステージ106、データ記憶エレメント108を含んでい
る。
【0005】 入力ステージ102はセンサー、トランスジューサ、受信機又は記憶エレメン
トからデータを読み取る手段のようなエレメントを含んでいる。入力ステージは
、人工の及び/又は自然に起こる現象の有益なデータを提供する。このデータの
有益な構成要素は、通常ノイズと称する無用な信号の存在によりマスクされるか
汚染されている。あるアプリケーションでは、入力エレメントは、ユーザー、フ
ィードバックループ、又は外部ソースによる入力又は処理ステージの付加的な制
御を提供するために使われる。
【0006】 データストリーム、アレイ、又はパケットの形の入力データは、予め定義され
た転送プロトコルに従って、直接又は中間記憶装置エレメント108経由で処理
ステージに提示される。処理ステージ104は、専用のアナログ又はディジタル
装置か、或いは、所望のデータ処理操作のセットを実行するための中央処理装置
(CPU)、ディジタル信号プロセッサ(DSP)又はフィールドプログラマブ
ルゲートアレイ(FPGA)のようなプログラム可能な装置の形をとる。処理ス
テージ104は1つ又はそれ以上のCODEC(コーダー/デコーダー)を含ん
でいてもよい。
【0007】 出力ステージ106は、ユーザー又は外部装置に影響を与えることのできる信
号、ディスプレイ、又はその他の応答を作り出す。通常、出力装置は、インジケ
ータ信号、ディスプレイ、ハードコピー、記憶装置内の処理されたデータの表示
を生成し、又、例えばデータを遠隔地に送信し始めるために使用される。出力装
置は、後続の処理操作で使用するための中間信号を提供するため、及び/又は処
理操作の制御における制御エレメントとして使用される。
【0008】 使用される場合、記憶装置エレメント108は、写真フィルム及び読み取り専
用媒体のような永久的なものでもよいし、ダイナミックランダムアクセスメモリ
ーのような揮発性のものでもよい。単一の信号処理システムが、入力、処理及び
出力ステージと様々な関係を有するエレメントと共に、幾種類かの記憶装置エレ
メントを含んでいるのは普通でないわけでもない。そのような記憶エレメントの
例には、入力バッファ、出力バッファ、処理キャッシュが含まれる。
【0009】 信号又は情報処理システム100の第1の目的は、入力データを処理して、特
定のアプリケーションに意味のある出力を作り出すことである。この目標を達成
するために、ノイズ削減又は取消、特徴抽出、データ分類、事象検出、編集、デ
ータ選択、データ再コーディング等を始めとした様々な処理操作が用いられる。
信号処理システムの設計は、システムの使用意図と、入力として用いられるソ
ース信号の期待される特性の影響を受ける。大抵の場合、使用できる記憶装置の
容量と特定アプリケーションの計算上の複雑さとの影響を受ける、要求される性
能効率もまた重要な設計因子である。
【0010】 ある場合には、ソース信号の特性が効率的データ処理という目標に悪影響を及
ぼすこともある。入力データが(限られたセットの記号値又は狭い帯域幅のよう
な)狭意に定義可能な特性を有するように自然に又は計画的に拘束されている場
合を除き、ソースデータの本来的変動性が、特別目的の技術的仮定から生じるエ
ラーを引き起こすこと無く、信頼でき且つ効率的方法でデータを処理するのに障
害となることもある。この点において、拘束の弱いデータを作り出す多くのデー
タソースは、音声及び視覚画像のように、人々にとって重要なものであることに
留意しなければならない。
【0011】 従来型の画像処理法は、遅いデータ通信速度、大きな記憶装置の必要性、妨害
性知覚可能人工物の形で顕在化する多数の非能率性の害を被っている。画像デー
タを使用し操作するのに望まれる方法が様々であり、又人が視覚情報に対し有し
ている生来の感受性の故に、これらは深刻な問題となりかねない。
【0012】 特に、「最適」な画像又は信号処理システムは、所望のセットの処理操作を実
行するための、他の中でもとりわけ、高速、高効率、高信頼性且つ強力な方法に
よって特徴付けられる。そのような作用には、変換、記憶、送信、ディスプレイ
表示、圧縮、編集、コーディング、増強、分類、類別、特徴検知及び認識、デー
タの美的変換、そのような処理されたデータの他の情報ソースとの統合等が含ま
れる。同じように重要であるが、画像処理システムの場合、出力は、知覚可能な
乱れ及び歪みを引き起こすのを回避し、できるだけ自然に人間の視覚と相互作用
できなければならない。
【0013】 信号処理法が強力でなければならないという意味は、その速度、効率、品質が
(例えば)入力データの何らかの特別な特性の特質に強く依存するものであって
はならない、即ち、あらゆるもっともらしい入力に対して「最適に」又はそれに
近いレベルで作動しなければならないということである。
【0014】 信号処理法によって被る通常の不適切性はそれらが強力でないということなの
で、これは重要な点である。画像処理におけるJPEG型の方法は、例えば、鋭
い非連続性を有する図形画像等に対してよりも、色と輝度において緩やかな傾斜
を有する「写真」画像に対してよく機能する。一方、GIFフォーマットで実現
されるような画像圧縮法は、画像が写真画像で見られる複雑さを殆ど持っていな
い場合に最も良く機能する。音声及び他種の入力データについて実行される処理
操作に関しても同様な例を挙げることができる。
【0015】 一つには、従来型の画像処理法は、可能な画像が無限にある故に強力さを欠い
ている。これに加えて、事を複雑にするのは、大抵の場合、画像がどんな特徴と
複雑さを有しているかを事前に正確に知るのは不可能だということである。この
ように、画像を完全に描くための1つのアプローチは、画像中の全ての点におけ
る輝度と色とを決めることである。しかし、このタスクを完遂するのに必要な情
報の量は通常サイズのディジタル画像1枚に対し数メガバイトを超えかねず、そ
のような情報を記憶し、処理し、送信するのは大変になる。その場合でも、ディ
ジタル表現は、連続するアナログ信号の表現に基づいて2進値を構築するのに付
き物の限界の故に、元の画像に対し不正確な記録となる。 どの様な有限期間又は面積に関わる離散的サンプリングであってもソースデー
タ内の全ての変化を捕捉することはできないので、継続値データのどの様な離散
的表現においても情報が失われることになる。同様に、ソースデータ内の全範囲
の値を離散値のセットで表現できない場合、どの様な量子化処理においても情報
は失われる。
【0016】 処理操作の特性又は実行によって課される困難さに加え、汚染ノイズソースが
対象の信号を表すと想定される入力の構成要素をマスクするか又は歪ませる場合
は、他の問題にも取り組まなければならない。しかし、論理的にノイズと定義で
きないが、それにも関わらず信号処理法の品質と強力さに関し問題の源である他
の形のランダムさと非予測可能性のあることにはなかなか気が付かない。このよ
うな形の非予測可能性は、本来的ランダムさと総体的多様性の点で考慮されてい
る。本来的ランダムさは、データの媒体又はソースから不可分のランダムさに関
係する。光子捕捉の量子力学的ランダムさは本来的ランダムさの例である。
【0017】 総体的多様性はデータ又は情報ソースのクラス内のあらゆる非予測性に関係す
る。視覚情報を表現するデータは、視覚情報が事実上拘束を受けていないので、
非常に大きな度合いの総体的多様性を有している。視覚データはどの様な時間的
連続、空間パターン、又は光により形成できる時空シーケンスでも表現する。視
覚情報をもっと正確に定義する方法はない。音声情報を表現するデータは、大き
な総体的多様性を有するもう1つのクラスのデータである。音楽、会話、動物の
叫び、木の葉を渡るサラサラという風の音、及びその他の音は、圧力波を表現し
ているという以外に何の本来的特性も共有していない。人がある音だけを聞くこ
とができ、ある周波数の音に他の周波数の音よりもより敏感であるという事実は
、音の特性というより人の音声処理の特性である。同様に変化するデータ及び情
報ソースのクラスの例は自然及び人工の現象を通して見つけることができる。
【0018】 ノイズ、本来的ランダムさ、及び総体的多様性からくる非予測可能性は、個々
にそして組み合わさって、入力データから、情報伝達の又は信号の構成要素を抽
出するのを困難に、そして通常は不可能にする。そうしようとすると常に、信号
及び雑音モデルが暗示的に、又は明示的に定義される必要が生じる。しかし、ノ
イズ、本来的ランダムさ、又は総体的多様性が特性を共有している何らかの可能
性がある場合は、入力データの構成要素を非情報伝達のノイズと対照してみた場
合の情報伝達における信号の類別に、絶対的信頼性を持って割り当てることので
きるどのような信号及び雑音モデルも採用することはできない。
【0019】 信号及び雑音モデルは、信号処理の出力における多様性を制限し、処理操作を
扱い易くするために、暗示的又は明示的に信号処理操作の中に構築される。信号
プロセッサは通常、データを表現又は解釈する方法にある形の拘束又は構造を課
する。その結果、そのような方法は、出力の品質、出力を見る際の信頼度、デー
タ上で信頼して実行できる後に続く処理タスクの型式に影響を与えかねない体系
的エラーを引き起こす。
【0020】 信号処理法に用いられる、しばしば述べられないが重要な仮定は、ソースデー
タは符号又は関数の組合せにより表現又は近似されるということである。そうす
る際に、そのような処理法は基本的に、入力内の値及び相互関係を定義するか又
は十分であると判定する規準を課す。信号処理法は、信号と見られるべきものの
あるコンセプトを具象化しなければならない。しかし、あるセットの値又はある
種の相互関係を使って信号を完全に定義できるという暗示的又は明示的仮定はし
ばしば根拠が無く、処理エラー及び非効率に至る。信号を1セットの値又は相互
関係の点から定義することにより、処理方法は全ての他の値及び相互関係をノイ
ズの類別に効果的に割り当てることができる。そのようなアプローチは、1)入
力データの表現する情報ソースはあるセットの値又は相互関係だけを呈し、2)
入力データ内のノイズ又はランダムさは入力にこれらの値又は相互関係を偶然に
呈させる事は決してない、ということが知られているときにのみ有効である。こ
の種の状態は良くても希で、議論の余地はあるが実際に起きることはない。これ
らの条件は、視覚、音声、又は他の非拘束の総体的多様性を有する情報ソースに
関しては疑いなく真実ではない。そのようなクラスのデータに関しては、存在す
る多様性の範囲を完全にカバーするには、有限セットの値又は相互関係では十分
ではない。その結果、情報ソースを表す幾つかの値又は相互関係が不可避的且つ
誤ってノイズの類別に割り当てられるであろう。本発明的方法はそのようなセッ
トの特定の値又は相互関係を仮定してはいない。
【0021】 一般的に信号及び雑音モデルの限界を幾つか更に例証するために、我々は本節
で、画像処理の分野で見られる幾つかの処理技法を論議する。従来の画像及び信
号処理技法には、ヒストグラム法、予測的コーディング法、エラーコーディング
法、JPEG、MPEG、細(さざ)波ベース技法のような基礎関数のセットの
点からデータを表現する方法がある。
【0022】 ヒストグラム法は画像内の輝度及び色の値を類別することに基づいており、パ
レットのコンセプトを含んでいる。ヒストグラムは、どの様な頻度で特別の値が
特定の範囲限界内に入るかを記述する確率密度関数に関係する。ヒストグラム法
は、データを表現するのに必要な代替値の数を低減するために、ソースデータを
量子化するのに用いられる。いろいろな形で、ヒストグラム法は、連続値ソース
データから導かれた全てのディジタル画像に適用されてきた。ヒストグラム法は
ヒストグラム均等化、色再マッピング、閾値化等のアプリケーションにおいて美
的効果にも使われている。
【0023】 しかし、ヒストグラム技法の欠点は、そのような方法を実行するために使われ
る処理スキームがどの範囲の値及び色が他より重要又は有益であるかを決めなけ
ればならないということである。このことは、画像内の値の分布は、1つの画像
から次の画像へと劇的に変化するという事実と対立する。同様に、ヒストグラム
中の山と谷の数と位置は画像間で相当に変動する。その結果、ヒストグラム法は
計算的に複雑化し、画像の種類が異なれば品質レベルが変わる結果となる。ヒス
トグラム法は又、気が付くようなボケ及び不自然な色構造を有する出力を作り出
し易い。
【0024】 予測的コーディング法は、全体の値の分布に加えて多数の画像点における画像
値間の関係を考慮することによりヒストグラム法の限界の幾つかを補償しようと
試みる。予測的コーディング技法は、複調性の画像のような、自然に制限された
多様性を有するデータに適している。このような方法は、JBIG及びファクシ
ミリ通信に使用されるグループ3/4標準の重要な部分である。しかし、マルチ
レベルグレースケール及びフルカラー画像のようなより複雑な画像データに関し
ては、予測的コーディング法はそれほど有効ではなかった。
【0025】 予測的コーディング技法は、画像中の他の点における値に基づいて特定の点に
おける画像の値を予測するために使用することのできる、画像データ内の相互関
係があるという仮定に基づいている。このような方法は、予測された値から甚だ
しく外れた画像内の変動を無視することによりノイズを削除するのに用いること
ができる。そのような方法は、画像点が予測された値から著しく外れたときにの
み画像点をコーディングすることにより画像圧縮スキームにも使用することがで
きる。
【0026】 しかし、予測コーディングにおいて生じる問題の1つは、画像内の特定の偏差
がノイズよりも重要な情報であるということを決定するのが難しいということで
ある。困難さのもう1つの原因は、画像内の相互関係が画像間においてと同様、
場所毎に違うことである。現在、従来型予測コーディング法で、現実的な画像の
範囲に亘って処理エラーを最小化する十分に強力なアルゴリズムを使っているも
のはない。その結果、従来型予測コーディング法は画像間の変化を均一化する傾
向にある。
【0027】 エラーコーディング法は、予測値と実際の値との間のエラーをコーディングす
ることにより予測法を拡張する。従来型エラーコーディング法は、大きい値より
もむしろゼロに近い小さな値がより一般的であるような入力データの表現を作り
出すのに役立つ。しかしこのような方法は通常、全ダイナミックレンジを入力デ
ータのレンジよりも低減することはなく、むしろそのレンジを増大させることさ
えある。その結果、エラーコーディング法はノイズ及び量子化エラーに敏感とな
り、特に、エラーコード化された表現から元のソースデータを再構築しようとす
るときにそうである。更に、エラーコーディングは予測コーディングの拡張なの
で、これら2つのクラスの方法は多くの同一の問題及び欠点を共有している。 基礎関数のセットを使用するデータの表現はよく知られており、フーリエ技法
を使うのが最も一般的であろう。他の変換法としては、高速フーリエ変換(FF
T)、離散コサイン変換(DCT)、各種の細波変換がある。そのような変換法
に関する合理性は、基礎関数が係数値によりエンコードできること、及び、元の
ソースデータの情報内容に基づいて、ある計数を他のものよりより重要なものと
して取り扱うことができるということである。そうする場合、これらの方法は、
基礎関数により近似されたある種類の係数値及び及び相関関係を、他のあらゆる
値又は相関関係よりも重要なものと見なす。本質的に、変換法は画像内の相関関
係を類別する手段である。このような方法の限界は相関関係の非予測性の結果で
ある。画像を特徴付ける輝度と色における変動はしばしば局部化され、画像の面
に亘って変化する。その結果、JPGEのようなFFT及びDCTベースの方法
は、しばしば先ず画像を多数のブロックに分割し、相関関係の分析が画像の狭い
範囲に限定できるようにする。このアプローチの結果、ブロックの端では厄介な
非連続性が生じかねない。
【0028】 細波ベースの方法は、サイン及びコサイン関数よりも局部化された基礎関数を
使用することにより、この「ブロック効果」を避ける。しかし細波ベースの方法
の問題は、この方法が、ある画像に関しては特定の関数が適切であり、画像内の
異なる位置にセンター合わせされたその関数の縮尺バージョンの重ね合わせによ
り全画像が描写できると仮定していることである。画像データが複雑な場合には
、そのような仮説はしばしば正しくない。従って、細波ベースの方法は画像内及
び画像間の処理及びコーディング品質における質感的かすみ及び直ぐに分かる変
化を作り出す傾向にある。
【0029】 情報ソースとしての画像の複雑さから生じる問題の幾つかに対処するため、人
間の知覚のモデルをデータ処理法に組み込もうとする数多くの試みが行われてい
る。これらは、人間の視覚能力をガイドとして使うことにより、処理の間に入り
込む多くのエラー及び歪みを取るに足らないものとすることができるという確信
に基づいている。基本的に、人間の知覚モデルを使用すれば、ある視覚情報が他
の情報よりも重要であると決定するための基礎を作ることができる。例えば、テ
レビ及び幾つかのコンピューター画像フォーマットは輝度情報を色情報よりも重
要なものとして明示的に取り扱い、コーディング及び処理のリソースを優先的に
グレースケールデータに使用する。このアプローチはある種の妥協であるが、画
像データ処理を支援するのに現在使用できる人間の知覚の十分に正確なモデルは
ない。その結果、そのようなモデルを組み込んだ処理を設計する試みは、直ぐに
気が付くように不完全な画像という結果となる。
【0030】 それ故、従来のアプローチよりも効率的な、一般的信号及び画像データを処理
するための装置と方法が所望され、必要とされている。特に、従来の方法に比べ
計算的に複雑でなく、データ記憶装置要件の緩やかな、信号及び画像処理の装置
及び方法が望まれている。又、従来のアプローチで見られる信号及び画像品質の
劣化無しに、処理されたデータから信号及び画像を再構築するための装置と方法
が望まれている。 本発明はそのような装置及び方法を提供する。
【0031】 (発明の要約) 本発明は信号及び画像データを効率的に処理するための装置及び方法に向けら
れている。本発明的方法は、最終製品又は更に処理に供される中間結果として使
用できる信号及び画像データの表現を提供する。最終製品としては、データ表現
は、異なる信号処理技法を比較し特徴付けるのに、又は処理操作を適用するため
の制御エレメントとして使用できる数々の利点を提供する。中間結果の提供者と
しては、本方法は、画像データの変換、記憶、増強、リファイン、特徴抽出、圧
縮、コーディング、送信、又はディスプレイ表示のための処理におけるステップ
として使用できる。こういう関係で、本発明的方法は従来の信号処理法の計算的
及びデータ記憶装置要件を相当に緩和する。本発明は、本来的に予測不可能な、
又は部分的にランダムなソースからのデータを操作して、現在可能なものよりも
強力且つ効率的な後に続く処理法、記憶装置要求の削減、エラー及び劣化を最小
にした元のデータの復旧を考慮した形でデータの簡素なコーディングを行う改良
された方法を提供する。本発明は、ノイズが無いか、又はランダムな構成要素に
より汚染されているか、そしてデータが光子のような自然状態で表現されている
か事前処理されているかに関わらず、外部環境から引き出されたコーディングソ
ースデータのシステムを提供する。 本発明のこの他の特徴及び利点は、添付図面を参照しながら好ましい実施例に
ついて詳細に述べる以下の説明において明らかになるであろう。
【0032】 (発明の詳細な説明) 本発明は、開示された処理操作のアプリケーションに適するフォーマットで表
現されるどの様な形のデータにも都合良く適用できる、信号処理装置及び方法を
提供する。制限無しに、データはディジタルデータ、アナログデータの両方を含
んでいてもよく、視覚画像、音声信号、レーダー信号を表すデータを含んでいて
もよい。以下の説明の部分は視覚画像データ処理に言及し又は直接向けられてい
るが、本発明はそのようなデータと共に使うのに限定されるわけではなく、その
ようなデータに言及するのは、例示することだけが目的であるということに留意
されたい。同様に、本発明の方法の数学的説明は一般化周波数表記法の形を使用
していることにも留意されたい。基本的な処理の原理体系は時間、空間、又は時
空と異なるわけではないので、一般化周波数は時間的、空間的又は時空周波数と
して読め、利用できる。時間的処理には、因果関係の条件を満たすことが必要と
なるだけである。周波数ドメイン表記法の使用は、データは処理のために周波数
ドメインへの変換を必要とするということを意味すると解されるべきではなく、
むしろ周波数ドメインの項は象徴的に考えるべきである。データは、例えば同時
継続仮出願の中に説明する型式のように、回路を使って時間及び空間において到
着するに従って処理するのが好ましい場合がしばしばである。他の処理法では大
きな負荷の掛かる計算となるであろうことを、そのような回路を使って簡単に素
早く実行するのが本発明による方法の利点の1つである。
【0033】 出願人は、ある種の情報又は相互関係は他よりも重要であるという先行技術に
おいて普通に設けられている仮定は、複雑なデータソースの処理において生じる
多くの問題の源であることを認知するに至った。この仮定は、どの信号処理法を
データに適用するかという選択においてはっきりと現れ、大部分の従来の信号処
理スキームによって実行される作用に関する基礎でもある。例えば、ヒストグラ
ム法は、値の範囲を特定画像に対する視覚重要性の観点で基本的に類別する。い
ろいろな方法で、予測コーディング法、エラーコーディング法、基礎関数法は、
画像データ内のある種の変動は他よりも重要であるということを暗示的又は明示
的に仮定している。そのような方法は、たとえある場合には部分的に人間の知覚
のような理論的又は経験的モデルにより支援されていても、特別な工学的仮定に
基づいているのである。その結果、そのような方法は、ソースデータの本来的特
性の結果というよりはむしろ、処理方法からくる体系的エラーを持ち込むことに
なるため、データ処理に方法的バイアスを掛ける原因となる。
【0034】 そのような体系的エラーは体系的誤情報を引き起こすと考えることができる。
このように、大部分の従来の処理法はデータに特定の拘束を課し、結果的にデー
タの非効率で、ある場合には誤りとなる解釈及び作用を引き起こす。
【0035】 幾つかの従来型処理法が不適切さ又は非効率を有しているということは、特定
のアプリケーションに対する利点がないという意味ではない。しかし、そのよう
な方法における暗示的仮定は、その汎用性を拘束し、結果において所望される程
度の信頼性を維持しながらデータに関し実行できる処理操作を制限する。例えば
ブロック型JPEG上で指紋認識作用を行うのは、DCT量子化により持ち込ま
れるエラーが結果的に効率を下げ、誤識別に至りかねないので、おそらく不適切
であろう。ある情報は他の情報よりも重要である、又は、あるデータセットの特
性がそれが信号に割り振られるかノイズに割り振られるかを決めると仮定する他
の方法についても同様な議論が当てはまる。一旦そのような方法がソースデータ
に適用されれば、続いて実行することのできる有効な作用の範囲が制限されるこ
とになる。
【0036】 本発明の方法の利点の1つは、情報損失を最小化する様なやり方で、離散サン
プリング法を採用できるということである。更に、本発明の方法は、ソースデー
タの連続値表現を離散表現から生成することのできる方法を提供する。 本発明の方法の重要な特徴は、入力データ及び暗示的又は明示的信号及び雑音
モデルから従来型信号の表現よりも優れた特性を有する信頼度のメトリックを作
り出し、多くの信号処理操作において信号表現の代わりに使用でき、処理操作の
品質と効率を制御するのに使用でき、現存の又は仮説の処理操作を特徴付けるの
に使用できるということである。従って、本発明の方法は、信号及び雑音モデル
の負担によって持ち込まれるエラーを制御し定量化するために使用することがで
きる。
【0037】 信号及び雑音コンセプトは本来的なものであるので、それは疑いのないもので
あり、その限界は調べられていない。本発明に到達するに際し、出願人は信号及
び雑音コンセプトを再考せねばならず、認識するに至ったのは間違っているとい
うよりはむしろ不完全であるということであった。入力データの態様を信号又は
ノイズの何れかに割り振るのには、通常、そのような割り振りに替えるべき信頼
度に関する不確定性が伴う。発明者は、そのような不確定性は、信号の表現及び
ノイズの表現から独立したやり方で表現できることを認識した。この不確定信号
は信号又はノイズの何れかへ単独に帰することのできない入力におけるパワーを
表し、即ち信頼度のメトリックとして働く。出願人は又、不確定信号は、信号の
表現の代わりに、そして情報処理操作を制御するための制御信号としての両方に
使用できる入力データを簡素な方法で生み出す情報ソースを表現することを認識
するに至った。
【0038】 従来の(先に述べたような)信号及び情報処理法の欠点を考慮する中で、出願
人は、信頼でき且つ効率的信号処理法はある特性を有していなければならないこ
とを認識した。その中には、これに限定するわけではないが、以下のものが含ま
れる。即ち、 (1)その方法は、体系的エラーを最小化し汎用性を最大化するために方法論
的に持ち込まれた最小限の特別な仮定とソースとを具象化しなければならない。 (2)その方法は、計算的に単純且つ効率的でなければならない。 (3)その方法は、信頼性があり、複雑なデータソースに強力に適用可能でな
ければならない。 (4)その方法は、どのデータ構成要素が情報を伝えどれが汚染物であるかに
付いての詳細な知識を必要とすることなく、ソースデータ内のノイズとランダム
さとを最小化する手段を提供しなければならない。 (5)その方法は、持ち込まれる歪みが最小量のものでなければならない。 (6)その方法は、入力データが最小の信号劣化で量子化され分類されるよう
なものでなければならない。 (7)その方法は、高次のデータ圧縮を考慮したものでなければならない。 (8)その方法は、処理されたデータが遠隔地に効率的よく送信できるような
ものでなければならない。 (9)その方法は、ソースデータの変化に適応し、処理エラーと非効率性とを
低減することのできるものでなければならない。 (10)その方法は、特定のアプリケーションに適切なアナログ及び/又はデ
ィジタル技法の何れかを使って実行できるものでなければならない。
【0039】 これらの要件を考慮する中で、出願人は、ある情報は他の情報よりも重要であ
るものとしてクラス分けできるという伝統的コンセプトを疑問に思った。画像処
理に関し、出願人は、画像中の輝度及び色の値は生情報と考えるべきであるとい
う仮定を再考した。出願人は、輝度及び色は、データに関する所望の情報を抽出
するために処理できる、画像に関する最も効率的で、強力で信頼できる情報を提
供しないということを認知した。この認識と、他の型式の情報ソース及びデータ
形式に対するその拡張とは、本発明の基礎を形成する助けとなる数々のコンセプ
トを生み出す結果となった。
【0040】 (入力データの曖昧な構成要素) 全ての信号及び情報処理方法は、入力のセットからある結果を生み出そうと懸
命に試みる。入力は、2個の構成要素、即ち情報若しくはメッセージを保有する
信号構成要素と、信号構成要素の歪と例えばランダムな変動(ランダムノイズ)
や漏話という形の汚染を反映するノイズ構成要素として説明でき、またそれが一
般的な説明でもある。本発明では、信号構成要素とノイズ構成要素を有するもの
として入力を定義する最初の段階が、それがデータ上に特定モデルを課するとい
うことから、広範な含意を持つものと認識している。全てのデータは信号又はノ
イズの何れかとして類別されることが必要不可欠であり、ある信号データのセッ
トと別の信号データとの間、信号データとノイズデータとの間、及びあるノイズ
データのセットと別のノイズデータとの間の、仮定される大きさ及び位相関係に
関しての分岐を伴う。モデル選定の偏りは、信号をノイズから区別する「鮮明な
線」を維持しながらデータを処理できる精度に限界を持ち込むことになる。 信号及び雑音モデルが与えられると、入力はX(ν)、信号はS(ν)、ノイ
ズはN(ν)と書き表され、ここに、大文字は周波数ドメイン表示(例:フーリ
エ変換)を表し、パラメータνは一般化された周波数(時間的、空間的、時空的
周波数が典型的)を表す。このような条件で、入力は、信号とノイズの合計とし
て、 X(ν)=S(ν)+N(ν) と書き表される。
【0041】 このようなデータモデルを使用する際には、入力データX(ν)は既知で、ノ
イズ寄与N(ν)に対するモデルが仮定される。これらの項に基づき、信号S(
ν)の表現が求められる。
【0042】 しかしながら、信号及び雑音構成要素の項でデータを表現するという広く普及
している規則にもかかわらず、出願人は、入力データ特に複雑なソースから生じ
るデータの処理には、より効率的で汎用性のある方法があることを認知した。本
発明に対するの1つの動機づけは、入力データは信号とノイズ構成要素に分解す
ることができるとする仮定が、複雑な情報源については、データセットの信号構
成要素を演繹的知識から正確に定義することが、たとえできたとしても、ほとん
ど不可能であるという現実と矛盾するということである。特定の処理スキームに
おいて信号の定義を課するという試みは、ノイズを暗示的に定義し、体系的エラ
ーを持ち込み、データ上で信頼を持って実行できる処理操作の型に制限を付す。
例えば、上述の従来型画像処理法では、入力データのある態様若しくは特質は、
他のもの、例えば相関関係の値の範囲又は型よりも重要であると仮定している。
これらの方法は本来信号構成要素を定義するもので、従って結果的に先に説明し
たある種の処理制限が生じる。
【0043】 このように、本発明では、暗示的に又は明示的に、信号が何でノイズが何かと
いうことに対する「決定」は、従来の信号処理スキームを非能率的なものにし、
それらを半最適に変えてしまうということを認識している。代わって必要とされ
るものは、これらの不都合を引き起こさない「翻訳」の方法である。従って、こ
のアプローチを用いて、本発明は、複雑なソースからの入力データを、信号とノ
イズの項の代わりに曖昧さと不確定性の尺度の項で表す装置と方法を提供する。
これらの方法及びこの種のデータ表現には、従来からの信号及び雑音アプローチ
よりも有利な点が幾つかある。
【0044】 翻訳のコンセプトは、幾つかの点で見積のコンセプトに類似している。見積理
論は出発点であるが、本発明の範囲に対する制限と解釈されるべきではない。例
えば、一般化のためにはノイズ項を以下の展開に明示的に使用することが含まれ
るが、それは本発明をノイジーなデータソースに限定するという意味に捉えられ
るべきではない。古典的な信号見積問題では、目的は、入力から信号構成要素の
できる限り最も良好な見積を生成することである。見積信号をS’(ν)と表す
と、作用は一般的にX(ν)−S’(ν)と表される。信号の見積を生成するこ
とにより、ノイズ構成要素の見積も生成される。 N’(ν)=X(ν)−S’(ν) しかしながら、見積を生成するためにどんな処理操作を実行するべきかというこ
とは、まさに、どのように「最良」を定義し、信号及び雑音の特性にどんな拘束
条件を課するかということに依存する。
【0045】 問題は、入力データの信号構成要素とノイズ構成要素の区別がつかないという
可能性があるとき、又は信号若しくはノイズの非常に正確な定義が不可能である
とき(視覚画像のような複雑な情報ソースについては多くの場合がそうである)
、見積処理は入力データの情報提供する内容のある部分を誤訳したり無視したり
する可能性があるということである。これは、ある曖昧さが存在することを意味
している。
【0046】 この起こりうる「誤訳」は、入力データ中のある相関関係が、信号構成要素又
はノイズ構成要素に確信を持って割り当てられるのではなく、信号構成要素にも
又はノイズ構成要素にも帰することがありうるために発生する。実際に、線形で
あろうがなかろうが、何れの信号見積処理も、信号とノイズに関する幾つかの事
前予想又は定義及び幾つかの重み付け判定基準が与えられれば、入力中の相関関
係が汚染ではなく情報を提供するメッセージである可能性がどれほどかというこ
とに則りそれらが重み付けされる処理として記述してもよい。
【0047】 この潜在的な曖昧さは、想定上の信号構成要素とノイズ構成要素の間の相関関
係の項で理解することもできる。相関関係は振幅と位相相関関係の式でしばしば
論じられる。入力データは、 X(ν)=|X(ν)|exp(iθ(ν)) と記され、ここに、|X(ν)|はそのデータの振幅スペクトルでθX(ν)は
位相スペクトルである。同様に、 S’(ν)=|S’(ν)exp(iθS’(ν)) 及び N’(ν)
=|N”(ν)|exp(iθN’(ν)) である。
【0048】 この公式は、入力データと見積との間の線形関係を仮定しておらず、処理方法
に左右されない有効な算術記述である点に留意されたい。上の表記法を使用すれ
ば、入力データ中の相関関係に関係するパワーは次のように表される。 |X(ν)|=|S’(ν)|+2|S’(ν)‖N’(ν)|cos
(θS’(ν)−θN’(ν))+|N’(ν)| 2乗された振幅スペクトルはパワースペクトルとして読み取られる。式は、入
力パワーが、見積信号のパワーに見積ノイズのパワーを足し、更に残りのパワー
を表す交差項(中間項)を加えた合計として表せることを示している。この残り
のパワーは、互いに独立して見られる見積信号及び雑音によっては説明すること
のできない入力中のパワーである。ある意味では、それは、採用された信号及び
雑音モデルに基づいては、信号だけ又はノイズだけの何れかに十分な確信を持っ
て帰することのできないパワーを表す。それは、信号見積とノイズ見積との間の
相関関係に起因する曖味なパワーであって、従って、入力データを信号又はノイ
ズの何れかに割り当てるのに使用されるモデルの限界又は不正確度の尺度である
と言える。
【0049】 本願での使用に限り、信号だけにもノイズだけにも確信を持って帰属させるこ
とのできない入力データの態様を、入力の「曖昧な」構成要素と呼ぶ。従来の信
号及び雑音方法論では曖昧な構成要素は別のエンティティではなく、即ち入力デ
ータは信号及び雑音見積により完全に記述され、 X(ν)=S’(ν)+N’(ν) である。曖昧な構成要素は、最も予測できない入力中の相関関係を差別的に表現
したものである。曖昧な構成要素は、従来の信号及び情報処理では、それが、情
報の信頼できるソースであることがあまりにも不確なソースデータの態様を表現
していると考えられているので、一般に無視されてきた。入力データ中の曖昧な
構成要素の重要性の認識に基づき、本発明では、入力データに関してある作用を
実行することによりこの構成要素を表現する又は抽出すれば、他の信号処理方法
に関係する問題の多くは回避及び/又は制御されうるということを認めている。
【0050】 このように、本発明は、信号及び雑音モデルを入力データの処理に活用すれば
、各データは信号又はノイズ何れかに割り当てられることが必要となるので、処
理中にエラーのソースが持ち込まれることを認識している。しかしながら、信号
にもノイズにも割り当てられないある入力データパワー、即ち曖昧な構成要素が
存在する。従来の処理スキームではこの入力データパワーは無視され、その結果
入力データに含まれたある情報が失われる。しかしながら、本発明は、以前は失
われたこの情報を抽出し、それを使用してデータの処理を改善するための方法を
提供する。
【0051】 曖昧な構成要素を抽出するために入力データに関して実行される作用を求める
に当たり、出願人は信頼でき且つ効率の高い処理のために以前に確認された判定
基準を拠り所とした。データの歪を最小化する最小数の仮定に基づいて方法を実
行することにより、本発明は判定基準の全部ではないにしてもその多くを満たす
ことができる。更に本発明は、データの性質に対して最小数の仮定を課すること
が、歪をどのようにして最小化できるかということに直接関与することを認識し
ている。
【0052】 (曖昧な構成要素の見積) 入力データの形態又は性質に関して最小数の仮定を導入するためには、入力デ
ータ中の幾つかの相関関係は他の相関関係よりも重要であるかもしれず、データ
が処理される前にはこのような特性記述に頼ることができる、という見解に戻る
ことが有益である。画像データでは、例えば、エッジをなめらかなぼかしよりも
より際立つように取り扱うべきかどうかという照会である。エッジは知覚的によ
り目立つ特徴であるというのは異論のあるところだが、しかしながら、エッジの
コンセプトを処理方法に組み込むためには、エッジの特性を定義づけすることが
必要である。これは、思うよりもはるかに難しいタスクである。画像中のエッジ
として最も受け入れられそうなものは、通常、急激な繊維ではなくて狭い領域に
渡る輝度又は色のぼかしである。無論、一定区域内で一定量だけ変化する特徴と
してエッジを定義づけすることも可能ではあるが、これではぼかしが階段や傾斜
の形態又は他の遷移関数を採るという事実を無視することになる。更に、エッジ
が必ずしも最も知覚的に際立つ特徴ではないという点にも気づくべきである。例
えば、建物の画像ではエッジは重要であっても、夕焼け風景の画像の中ではそう
ではないかもしれない。最適な処理汎用性を保証するためには、ある画像内だけ
でなく異なる種類の画像の間でも有効である重要度の尺度を採用することが望ま
しい。
【0053】 ソースデータ中の遷移及び変化は、部分的には位相相関関係により定義づけ可
能である。位相は、データの異なる部分間の関係と関連するので、絶対的メトリ
ックではない。画像では、例えば位相情報は、ある特徴又は遷移が他のものに対
しどの様に配置されているかを示す。このように、相関関係のセットを他のもの
よりも重要であると定義するためには、例えばカメラが向けられる所又はデータ
が認知される時といった基準点が必要とされる。しかしながら、複雑なデータソ
ースに関しては、基準点を定義する方法が無いので、入力データは、特定の位相
特性を有する傾向があり、入力データがランダムな外乱を含んでいる場合には特
にその傾向が強い。例えば、フィルムの多重露出は、ある一定の画像特徴がカメ
ラに関して特定の方法で揃うという見込みがないので、グレーぼけが生じる傾向
が強い。
【0054】 このような訳で、仮定の数を最小化し汎用性を最大化するために、本発明は異
なる種類の位相相関関係を同様の方法で処理する必要性を認識している。このア
プローチの利点は、異なる種類の位相相関関係の重要度についての仮定を具現化
する専用の処理操作が、他の可能な処理操作の型式に拘束条件を付けずに続いて
実行できる点である。
【0055】 入力データのセットの位相特性への影響が最少となる処理方法は線形である。
このような方法により必ず起きる位相歪は、既に認知されているデータに関して
しか処理が実行されないという事実に派生するものでしかない。因果率の原理に
より許容された最小量の位相歪しか起こさない線形処理は、「最小位相処理」と
呼ばれる。最小位相処理に関するより詳細な情報は、参考文献、ニューヨーク、
ウィリー・アンド・サンズのクオ・FF(1966年)による「ネットワーク分
析及び合成第2版」に見られる。 依然として画像についてであるが、時間が因子ではない純粋に空間的な場合、
本発明の処理方法では位相歪がゼロになる。出力がリアルタイムで要求される時
間的及び時空的な場合、本発明の処理方法は、このような処理の特性が信号処理
の当業者には理解されているように、少なくとも最小位相処理にとっての判定基
準には合致するであろう。データが処理前に保存される場合、位相歪に相当する
遅れが発生するので、本発明の方法の位相特性は拘束されるには及ばない。因果
率拘束条件を満たすために、ウィナー−ホップスペクトル因数分解の技法を使用
して本発明方法の位相特性を定義してもよい点に留意されたい。ウィナー−ホッ
プスペクトル因数分解に関する詳しい記述は、参考文献、ニューヨーク、ドーバ
ーのピエール・D.A.による(1986年)「アプリケーションに伴う最適化
理論」に掲載されている。
【0056】 望ましい処理操作は線形であるべきだとする結論は、それが入力データから信
号及び雑音構成要素を見積る又は曖昧さを表現するために望ましいかどうかとい
う問題とは別であることに留意されたい。このように、線形信号見積問題では見
積信号は、 S’(ν)=W(ν)X(ν) と記され、ここに、W(ν)は振幅スペクトル|W(ν)|と位相スペクトルθ
(ν)を持つ処理操作を表す。同様に、 |S’(ν)|=|W(ν)‖X(ν)| 及び θS’(ν)=θ(ν
)+θ(ν) である。 処理中に起きる如何なる位相歪も本来的に信号処理問題とは何ら関係ないと認
識されるので、非原因的ゼロ位相作用X’(ν)を推測することが可能となり、
その結果、 S’(ν)=|W(ν)|X’(ν) が生成され、ここに、X’(ν)=X(ν)exp(iθ(ν))である。 従って、有効なノイズ見積は、 N’(ν)=(1−|W(ν)|)X’(ν)) となる。 曖昧なパワー構成要素の大きさは、従って、 2|S’(V)‖N’(ν)|=2|W(ν)|(1−|W(ν)|)|X
’(ν)| と表され、 |X’(ν)|=|X(ν)|であることに注意されたい。
【0057】 ある意味では何れの処理操作も信号見積処理と見なすことができるという事実
にもかかわらず、処理操作を、サブプロセッサ又はプリプロセッサにより生成さ
れる信号或いは信号見積に関してタスクを実行する何ものかと捉えるのがより一
般的である。信号見積の概念とタスクの概念の区別は、信号とノイズの従来の観
方から派生するものである。
【0058】 図2は、本発明により入力データのセットXを出力Yへと処理する過程を示す
ブロック線図で、処理操作が2段階作用として表されており、本事例では信号見
積作用と処理タスクを組み合わせている。図2aは、出力Y(ν)を生成するた
めにボックス200で表される処理操作のセットにより処理中である入力X(ν
)を示している。図2bに示すように、ボックス200の処理操作はX(ν)=
S(ν)+N(ν)について演算を行いて信号見積値S’(ν)を作り出す信号
見積処理W(ボックス202)の後に、信号見積について演算を行いて出力Y(
ν)=GS’を生成する処理タスクGを組み合わせたものとして表すことが
できる。
【0059】 見積段階(ボックス202)は、汎用型プリプロセッサであることを特徴とし
ていてもよい。例えば、信号処理操作を実行する別々のプロセッサのある配列に
入力されるデータは、単一の、共通信号見積処理、及び様々な作用に対して従位
的な動きをする処理タスクの列の点から表すこともできる。
【0060】 多くの場合、入力データと見なされるものは、信号及び情報処理操作という観
点においては信号見積と見ることもできるという点に注意されたい。例えば、写
真のディジタル表現は、現実世界の実際の輝度とスペクトル構成要素の見積値と
考えることもできる。本発明の範囲を、従来の観点で入力データがノイジーであ
ると見なす事例に限定することを意図してはいない。信号見積という呼称は、情
報を提供するソースを代表すると捉えられる何れのデータをも意味している。 本発明の1つの目的は、起こりうる何れの入力にも対応できるという観点で強
力な方法で、入力データの曖昧な構成要素の表現を生成することである。先の式
を曖昧な構成要素のパワーに当てはめて調べてみて、|X’(ν)|=|X(
ν)|であることを認知することにより、本発明者は、線形作用が、 D’(ν)=U(ν)X(ν) であることを認識したが、ここに、U(ν)は、 により与えられる振幅スペクトルを有するゼロ位相又は最小位相処理であり、こ
れで目的が実現される。変数D’(ν)は、処理操作W(ν)で具体化される暗
示的信号及び雑音モデルが与えられた入力データ中の曖昧度を示す入力データか
ら得られた結果を表している。本願での用途に限り、U(ν)とD’(ν)は、
それぞれ不確定処理及び不確定信号と呼ぶ。W(ν)は関係式|W(ν)|<1
を満たしていることに留意されたい。必要に応じ、処理関数W(ν)はこの関係
式を満たすために縮尺又は正規化されねばならない。不確定信号のパワーは、曖
昧な構成要素のパワーの半分であることに注意されたい。半分の係数が選定され
るので、曖昧な構成要素のパワーは、信号見積に関連する不確定度とノイズ見積
に関連する不確定度の間で等しく分割される。スケールをこのように選定するこ
とは、本発明の方法を限定するためではないと捉えていただきたい。不確定処理
は、その周波数依存性によってのみ拘束を受ける。
【0061】 何れの処理操作についても、示した通り、不確定処理は信号見積段階と処理タ
スクの組み合わせとして表すことができる。従って、U(ν)は、 U(ν)=W(ν)G(ν) と表すことができるので、 D’(ν)=U(ν)X(ν)=G(ν)W(ν)X(ν)=G(ν)
S’(ν) となる。 本願での用途に限り、Gは不確定タスクを意味し、それが表現する処理は、 により特徴づけられる振幅スペクトルを有する。 不確定タスクの汎用性を最大化するため、他の位相特性が示した通りに適切で
あっても、それはゼロ位相又は最小位相特性を有する。 不確定信号D’(ν)は、処理操作により信号及び雑音モデルの暗示的又は明
示的な義務に関係付けられる品質又は信頼度の簡潔な標示を提供する。そのポイ
ントからポイントまでの値は、信号及び雑音計測に関連して起こりうるエラーの
見積を提供する。その2乗平方値(又はそれに相当する値なら何れも)は、入力
データのそれに対して判定され、見積処理の全体的な信頼度の測定を行う。不確
定信号は、入力データの独立線形変換である。それは、信号又はノイズの表現か
ら生成してもよいが、信号及び雑音見積を生成する必要無しに、入力データから
直接に生成することもできる。視覚の場合を始めとして対象となる多くの場合、
信号及び雑音見積は、必要に応じて、元の入力データの代わりに不確定信号の線
形変換を介して生成することができる。このように、不確定信号は、入力データ
の1次的表現として、信号見積に代わるものとして使われる。この表現に対する
利点は、入力データがより少ないパワーとより狭いダイナミックレンジで表され
る傾向にあるという点である。不確定信号の態様は、データ圧縮アプリケーショ
ンにとって有利である。
【0062】 図3は、本発明による、入力データセットX、処理関数W、不確定オペレータ
U、不確定信号D’、及び信号見積S’の間の関係を示すブロック線図である。
図3aに示すように、入力信号X(ν)は処理関数W(ν)により演算されて信
号見積S’(ν)を作り出す。入力データはまた、図3bに示すように、不確定
オペレータU(ν)によっても演算が行われ不確定信号D’(ν)を生成する。
この処理はまた、図3cに示すように、処理関数W(ν)と不確定処理タスクG
の組み合わせとしても表すことができる。この2段階アプローチには、信号見
積と不確定信号の両方がその後の処理操作に利用可能となるという利点がある。
不確定信号は、見積処理の出力に関して又はある信号の表現に関して演算を行う
ことにより入手できる点に留意されたい。
【0063】 不確定処理及び不確定信号は他にも多面的に使えるのであるが、不確定信号を
処理操作の品質のインジケータとして使うこともできる。不確定処理は、例えば
暗示的又は明示的な信号及び雑音モデルに関して何が最も予測不能且つ不確実か
という意味で、最も一意的で予想できない入力の態様を差別的に報告する傾向が
ある。不確定信号は、普通の信号データよりもよりコンパクトで予測可能なダイ
ナミックレンジを有する傾向があり、信号見積と同じ情報内容を保有する。それ
は、見積処理又は信号表現に予想される2乗平均エラーの尺度を提供する。それ
はまた、付加的な処理を必要とすること無く、入力データ及び/又は信号見積の
位相特性の評価も提供する。
【0064】 通常、信号処理方法の設計では、特徴強調/抑調、圧縮、処理モニタリング、
特徴検知又は抽出、位相抽出、ダイナミックレンジ最適化、送受信等のタスク、
及び多岐にわたる制御処理が、別々の処理として扱われ、それぞれが入力データ
上で特定且つ一意的な作用を実行する。しかしながら、不確定信号の特性は、こ
のような処理タスクを統合し簡略化するために本発明の不確定処理がどのように
作動するかを実証する。
【0065】 それは信号表現と同じ情報提供できる値を保有しているので、信号表現に関し
て実行されたであろう多くの処理操作を、情報提供可能な値の損失がゼロ又は最
小の状態で不確定表現に関して代わりに実行してもよい。都合の良いことに、多
くの場合、不確定信号は2乗平均値よりも小さく信号表現よりも有効なダイナミ
ックレンジが狭いのが普通である。また、それはデータの単一的で不確定な態様
を強調するので、分かりきったこと若しくは予測可能な構成要素の処理に向ける
リソースはより少なくて済む。
【0066】 例えば、カラー画像の色彩情報は、赤、緑、青の輝度値を線形に組み合わせる
従来の表現とは反対に、先ず不確定度の項で表現される場合、著しく目立った劣
化無しに、より広い範囲に向けてサブサンプリングされる。加えて、不確定度を
表現する本発明の方法は、入力データの特性について、特定のこの目的用の仮定
を必要としない。このように、不確定信号に基づく処理操作は、不適切な予測に
起因するエラーを引き起こしにくい。不確定信号が値のコンパクトで予測可能な
ダイナミックレンジと分布を有するという事実は、信号見積又は信号表現に関し
て一般的に可能であるとされるよりも、もっと効率的にそれが量子化されるとい
うことを意味する。実際に、ここに述べる量子化方法は、最小のエラーと典型的
なヒストグラム方式に比較してより少ない量子化レベルとを備えた、量子化され
た不確定信号の点から、信号見積の情報提供可能な内容を表現する手段を提供す
る。
【0067】 不確定信号は暗示的に予測不可能な特徴を差別的に表現する傾向があるので、
どの特色が重要であるか重要でないかを前もって決定する必要無しに、単純な算
術的手法を用いて特徴を強調したり抑調したりするために使うことができる。同
じ特性により、単純な閾値比較技法を使って、データ又は不確定信号自身から特
徴が抽出できる。例えば、エッジ、コントラスト不連続、及び顔の両目などのよ
り複雑な特徴は、エッジや目を構成するものを定義するには及ばず、閾値比較処
理を画像の不確定信号に対して適用することにより、画像データから抽出するこ
とができる。単独でも組み合わせてもよいが、本発明の技法を使えば、データに
類別、識別、操作、圧縮、符号化、送信、及び処理を行い、従来の方法より単純
なやり方でエラーと情報損失を最小にしながら典型的な信号及び情報処理の目的
を達成できる。更に、これらの技法は処理操作を制御しモニターするための新し
いやり方を提供する。
【0068】 図4は、本発明の信号処理方法に則り、不確定タスク又はバイアスG(ボッ
クス400)により演算が行われて不確定信号D’を生成し、更に処理段階(ボ
ックス402)に供され、その次にタスクGの逆数により演算されて(ボック
ス404)信号の新しい見積S”(ν)を求める信号表現S’を示すブロック線
図である。図に示すように、不確定信号D’(ν)は、処理された不確定信号D
”(ν)を求めるために更なる処理段階に供される。この結果は、次にタスクG
の逆数(1/Gとして表される)により演算されて、新しい信号表現S”(
ν)が求められる。 ボックス402で実行されるのに適した処理操作には、量子化、量子化解除、
サブサンプリング及びあらゆるの形態のディザリングを始めとする解像力を低減
させる他の手段、アップサンプリング及び補間法を始めとする明瞭な解像力を増
大させる他の手段、DCT、FFT、及びデータを変換したり周波数ドメイン表
現を形成する同様の演算、細波ベース及び他のコンボリューション処理、フラク
タル型方法、PCM、ランレングス法、ハフマンコーディング、算術的コーディ
ング、レンペル−ジブ型方法、Q−コーディングを始めとするコーディング及び
デコーディング法、及びこのような演算又は方法のあらゆる組み合わせを例にあ
げることができるが、これらに限定する訳ではない。適当な処理操作には、永続
的及び/又は一時的なデータ保存、保存ソースからの検索、送信及び受信も含ま
れる。
【0069】 処理操作に信号表現に代えて不確定信号を使うことの有利な点は、不確定信号
のより低いパワーと、値のよりコンパクトで予測可能な歪と、データの暗示的に
予想できない態様を差別的に表現する傾向とに関わりがある。例えば、画像処理
アプリケーションでは、S’とS”の間の所与の2乗平均差異につき、不確定信
号はより粗く量子化されS’よりもより広い範囲に向けてサブサンプリングされ
る。同様に、サンプリング処理では、線形、指数的、対数的、滴定様、又は類似
の方法で、サンプリング速度又は密度を調整するために、不確定信号の振幅を使
用することができる。不確定信号内の振幅と相関関係は、基礎関数の位置付けに
とってのガイドとして用いてもよい。更に、例えば、圧縮処理で保存される基礎
関数係数の数及び/又は値を制御するために、基礎関数の係数値よりむしろ又は
係数値と結びつけて不確定信号の絶対値を使ってもよい。コーディング法は、予
測可能な値の分布を有する不確定信号のようなデータに、より良好に同調する。
その上不確定信号の送信に必要なパワーの量は、S’を送信するのに必要となる
量よりも少ない。
【0070】 本発明は、入力データから信号及び/又はノイズを見積するために特定の位相
特性が採用されている線形演算に限定されない信号処理方法を提供するというこ
とに留意されたい。入力データの属性に関して仮定を最小数とすることにより、
出願人は、従来の処理操作が入力データに関してどのように信号及び雑音定義を
課すのかを研究することができた。ある意味で、全ての処理操作は、処理操作に
よりバイアスされるので、処理の結果が特定のアプリケーションに対する入力デ
ータの重要な情報内容を表現する信号見積処理と見なすことができる。本発明の
方法は、処理中に仮定が暗示的に与えられた場合、入力データを信号かノイズの
何れかに結果として割り当てることの曖昧度がどのように表現されるべきかを明
らかにした。
【0071】 本発明の方法の利点でもあり通常的でない特徴は、どんな種類の信号及び雑音
モデルが処理において暗示的であるのかに関してどんな予断をも必要としないと
いうことである。所与の処理にとって、処理の元の設計者がどんな信号及び/又
はノイズ特性を心に描いていたとしてもそれとは無関係に、それを任意の数の信
号及び雑音モデルに関して翻訳することが可能である。本発明は明示的に定義さ
れた信号及び雑音モデルを必要としないという事実は、それが汎用的で強力であ
るということを意味する。
【0072】 しかしながら、出願人は、例えば、異なる処理、入力データ、信号表現、又は
不確定信号を比べるために、本発明の方法を用いたいという状況があることを認
識している。そのような場合、暗示的な信号及び雑音モデルを同じ判断基準によ
り判定することのできる方法を持つことが有益であり、即ち翻訳の標準的方法に
より評価できる場合などである。言及した理由により、本方法はできる限り少な
い仮定を作るべきである。それは又、可能性のある全入力に適応できるものとい
う意味で強力でなければならない。 例えば、本発明が入力データや求められた見積信号等の情報に基づき処理関数
W(ν)又はそれと等価なものを確定するための手段を提供し、そして本発明が
所与の処理関数W(ν)又はそれと等価なものが与えられると信号及び雑音モデ
ルを定義する手段を提供するというように、本発明が信号及び雑音特性記述のた
めの方法を提供するのであれば、本質的に有益であると出願人は認識している。
これにより、特定の信号処理システムにより実行されてきた「ブラックボックス
」信号処理操作を、本発明の信号処理方法と互換可能な形式で簡潔に表現するこ
とが許容される。
【0073】 先に述べたように、信号構成要素を定義づけする能力は、信号がどのような拘
束条件を受けているかを知ることに関係している。従来の信号処理方法では、こ
のような知識は入力データを処理する前に入手されねばならない。しかし、画像
ソースを始めとして多数のデータソースに関して、「信号」はあまりにも変わり
やすいので精密な方式で定義づけできない。その場合には、信号を構成するもの
を仮定することが試みられる。その結果として起こりうる誤訳のひどさは仮定の
妥当性に左右される。反対に、本発明は、特定の信号及び雑音モデルの含意を調
べ、その情報を使って、入力データをより効率的に処理したり処理の態様を制御
したりする。
【0074】 本発明による信号見積処理は、上に述べた理由によりできうる限り少ない仮定
を作ることを意図するもので、これは即ち、処理法は強力に予想可能なもののみ
を具体化するのが望ましいということである。これは又、処理法は、何らかの特
別な信号の特定のものよりむしろ信号のクラス上で作動するように設計されるべ
きであるということを意味する。これにより、本発明の方法が成功裏に適用され
る信号及び信号クラスの範囲が広がる。 データの何れかの特定セットについてもパワースペクトルは、 |X(ν)|=〈|X(ν)|〉+δ|X(ν)| と書き表され、ここに、〈|X(ν)|〉は、総体平均パワースペクトルで、
δ|X(ν)|は特定のデータセットに対する総体平均からの偏差である。ま
た、 |X(ν)|=〈|X(ν)|〉+δ|X(ν)| であり、且つ |X(ν)|=〈|X(ν)|〉+δ|X(ν)| であり、それぞれ「信号」構成要素と「ノイズ」構成要素を示す。真のパワース
ペクトルがいつも正の値かゼロであるのに対し、上の式では、偏差の項は、正の
値負の値両方をとる可能性があるということに注意されたい。総体平均パワース
ペクトルは、入力データの考えられる全てのセットに亘る平均である。それは、
データのある特定セットの明細を提供しているのではなく、全体についての予想
である。 同様に、あらゆるデータセットの観測された分散は、予測可能な構成要素と当
該予測可能な構成要素からの偏差の合計であると見なしてもよい。 また、 である。
【0075】 総体平均分散は、理論上の予想値であるが、偏差はデータの特定セットに対す
る理論上の値と実際の値の差異を表す。ポアッソン処理は、例えば、処理の平均
輝度と等しい理論上の分散を有するが、実際に観測される分散はたとえ平均輝度
が同じであっても観測時間毎に異なる。 総体平均パワースペクトルと総体平均分散の間の関係式は、偏差の項に対して
同様の式を用いると、 のように書き表される。関数|Kx(ν)|、|K(ν)|、及び|K
(ν)|は、分散とは無関係な総体平均パワースペクトルの記述を提供する。
これらは、正規化された関数なので、何れの関数についても全周波数に亘り積分
された値は同じく1になり、例えば、 である。
【0076】 入力データに一般的に関係するランダムさには2つの形態、即ち(1)|X
(ν)|及び関連項で表されるあらゆるノイズ外乱というランダムさと、(2
)δ|X(ν)|のような項で表される期待値からの偏差というランダムさが
ある。偏差の項は、総体変動性を反映する。それらは、δ|X(ν)|=0の
ときで信号が演繹的に完全に知ることのできると見なされるか、偏差があまりに
予想外で演繹的に定義できないかの何れかの理由から、大抵は無視される。
【0077】 古典的な見積問題では、目的はノイジーデータの信号構成要素に対して最良な
推測を生成することである。必然的に、推測は、何が予想可能であるかに基づい
ており、何が予想不可能な偏差であるかに基づくものではない。可能性のある全
刺激(例:面や角パルス)の内の特定サブクラスに対して優先的取り扱いを与え
ることが必要とされる場合を除いて、信号及び/又はノイズ構成要素が特定位相
特性を持つであろうことを現実には期待できない。従って、最も推定根拠の乏し
い推測は、パワースペクトル(又は、相関関数のような関連関数)だけに係わる
期待値に基づくもので、即ち、「信号」及び「ノイズ」構成要素は何らかの予測
可能な相関関係を持つと仮定されるのではなく、信号及び雑音は特定の入力では
ある範囲までは相関しないと仮定されるのである。本発明では、特定入力中の如
何なる信号及び雑音の相関関係も、考えられる全ての入力の信号及び雑音の相関
関係を予報するものではないと考える。従って、本発明は、何らかの特定の種類
の信号及び雑音の相関関係を考えてはいない。このような条件で、見積処理関数
は、 又は、 の形の振幅スペクトルを有する。 信号及び雑音が処理方法に左右されない客観的定義を持つ場合、ノイズにより
乱された信号の見積を生成するために、この公式を有する処理操作を使うことが
できる。視覚情報を表現するデータを論じる際、発明者は、総体平均信号相関関
係が、視覚データのソース中の統計学上安定した相関関係ではなくて、現実には
画像処理の結果であることから、そのような処理を属性処理と呼んでいる。この
ように、フィルタの形態は算術的にはウィーナフィルタの形態に類似していても
、信号及び雑音モデルの場合にこのようなフィルタ関数の使用の基礎になる仮定
は、本例の状況では用いられない。本発明による信号処理では、ある信号及び雑
音モデルを仮定してもよいが、しかしながら、本発明は当該モデルにより持ち込
まれうるエラーの評価若しくは分析に着眼している。
【0078】 よく知られ、使われているように、ウィーナのフィルタリング処理は、信号及
び雑音の特性が定義され演繹的に設定されていることが必要条件である。ウィー
ナフィルタ処理は、入力が予め規定された特性を有する信号及び雑音だけで構成
されている場合にのみ適切であると判断できるであろう。これらの特性からいく
らかでも外れるものは、ウィーナフィルタ処理を実行すると最適には不十分な状
態になってしまうであろう。以上の理由により、カルマン型フィルタ及び入力中
の変化に対応できる他のフィルタ型が、ウィナーフィルタリング処理に広く取っ
て代わってきた。ウイーナフィルタの算術式は、それが処理操作中に暗示される
最も推定の根拠に乏しい信号及び雑音モデルを評価するときの基準としての役目
を負っていることから、本発明の信号処理方法の解説に出てくる。このように、
それは、発明の不確定処理、タスク、及び信号を翻訳する際の標準規格としての
役目も負っている。
【0079】 上述の処理関数は、パワースペクトル密度(特定周波数で評価されたパワース
ペクトル)に従って入力データに重み付けする。(パワー密度に関して考えたと
きに)ノイズ構成要素よりも信号構成要素に帰する傾向が強い入力データ中の周
波数構成要素は、ノイズ構成要素に帰する傾向の強いものよりも減衰しにくい。
属性作用はこのように、相対的に予想可能なパワー密度に関して等級分けされる
。 一般的に、見積処理関数は、 |W(ν)|=[1+b(ν)]−1 と書き表され、ここに、 である。 せを得る方法なら何れの方法でも、|W(ν)|の形成に必要な項を提供するた
めに使用できる。これには、ユーザー入力、外部入力、記憶装置ソースからの検
索、近似値入手のための平均値算出、及び現存する又は仮定上の処理操作の入出
力分析が含まれる。同様に、|W(ν)|,|U(ν)|,|G(ν)|を入
手する又は定義する何れの手段も、b(ν)を特徴付けるために必要とさ
れる情報を提供するのに使うことができる。 b(ν)は処理操作において暗示的に具体化される信号及び雑音モデル
の最も推定根拠に乏しい特性記述としての役目を負うことに留意されたい。それ
は又本発明の方法に使われる最も推定根拠に乏しい信号及び雑音モデルとしての
役目も果たす。
【0080】 上で与えられた信号見積処理関数を使うと、不確定処理関数は、 又は、 |U(ν)|=bB(ν)[1+b(ν)]−1 又は、同等の形をとる。 同様に、不確定タスクは、 又は、 |G(ν)|=bB(ν) 又は、等価な形により特徴づけられる。 不確定信号の分散は、見積処理で予測される2乗平均エラーのインジケータで
ある点に留意されたい。 信号見積処理のエラーは、 と、書き表せる。 信号見積処理全体のエラーが、 (視覚画像データ処理に対する発明方法の適用) 視覚画像データは、本発明の方法を使って処理が行われるのに特に適した型の
データである。既に説明したように、従来の処理方法にとって難題を生み出す視
覚情報の根本的な特性は2つある。第1に、視覚情報は実用上は拘束条件が無い
ということである。視覚データは、光により形成される時系列、空間パターン、
又は時空シーケンスなら何であってもよい。多くの信号処理問題は、前もって定
義された信号特性(例:搬送波周波数、レーダーシステムの送信パルス、アルフ
ァベット)を利用するが、多くの場合、視覚情報は特定の詳細事項で制御も事前
定義もされないソースから発生する。視覚データは、連続した光子誘発事象とし
て記録することしかできず、これらの事象は光度及び反射率のような共通パラメ
ータに統計学的にのみ関連している。
【0081】 本発明は、そのようなデータを処理する際、幾つかの顕著な有益性、即ち (1)視覚処理に予測されるエラーが低減される、 (2)データの重要な態様が、その目的だけのための仮定を課さなくとも、知覚 的に表現される、 (3)視覚情報が狭いダイナミックレンジと安定した統計性を有する簡潔な形で 表現される、 (4)適用及びエラー制御に適した信号が生成できる、 (5)本発明を実行するには比較的単純な装置が使用でき、それにより製造コス トを下げることが可能となる、 (6)本発明は、曖昧さ、周波数内容、及び動作の表示を生成する、 という有益性を提供する。
【0082】 何れの配置の空間に分布する対象物の何れの集合に対しても、本質的に唯一確
実なのは対象物の画像が画像面では異なる寸法になるだろうということである。
関連するパワースペクトルは、画像化が線形現象であるから直線的に合計され、
複合スペクトルは、より遠くの対象物がより近くの対象物よりも低周波数に対し
ての寄与が少ないので周波数に伴い低下しがちになる。考えられる全対象物の考
えられる全配置に亘り積分すると、総体平均複合パワースペクトルは、周波数座
標の2乗値の逆数に伴い低下する結果になることが分かる。このようなパワース
ペクトルは、スケール不変パワースペクトルと称される。空間的相関関係につき
上に述べた主張は相対運動に合わせて容易に変更され、その結果、時間ドメイン
でもスケール不変となる。
【0083】 画像の統計上の特性についての研究が、フィールド・D.J.(1987年)
によるJ.Opt.Soc.Am.A.第4巻2379−2394「自然画像の
統計特性と大脳皮質細胞の応答特性の間における関係」、並びにドン・D.W.
、アティック・J.J.(1995年)による神経系の計算第6巻345−35
8「時間により変化する自然画像の統計」により報告されている。これらの研究
は、自然に発生する画像の特性と画像シーケンスに焦点を当てた。彼らは、個々
の自然画像の大多数が大凡1/周波数の振幅スペクトルを有することを発見した
。しかしながら、出願人はここで、多数のグラフィック画像と人工物の画像が、
1/周波数特性を持っていないことを見出した。しかしながら、強力な処理を推
し進めるに当たり、ここに説明する本発明の方法は、個々の入力の特異事項では
なく入力のクラスに着眼している。出願人は、クラスとして、画像の総体平均振
幅スペクトルが1/周波数特性を持つことを発見した。
【0084】 更に、例えば人工物の画像のような画像のサブクラスに関しては、たとえ個々
の画像が総体平均とは著しく異なっていても、サブクラスに対する総体平均振幅
スペクトルも1/周波数特質を有する。クラスとしての画像に対する1/周波数
特性の適用可能性は、画像を形成するという処理の結果であると考えることもで
きる。
【0085】 一般的な意味において、視覚画像は、3次元(3−D)環境からの光の2次元
(2−D)集積である。その環境自体内の対象物は、お互いに対する予想可能な
又は総体平均統計的関係を有しないが、投影の作用により予測可能性が生まれ、
即ち遠くの対象物は近くの対象物よりも、より小さな画像に対応し、検知器を通
過するのにより時間がかかるということである。この積分は、3−D深度を2−
D画像に圧縮する結果であり、これは1/周波数パワースペクトルにより周波
数ドメインに記述される。視覚画像に1/周波数パワースペクトルのモデルを
使うと、発明のモデルの項B(ν)はνに等しく設定される。特別な場合、
は1に等しく設定され、処理関数は、 W(ν)=1/(1+ν) という形をとる。
【0086】 上の属性処理特性の周波数依存性は、A+νという形の何れの信号及び雑音
モデルにとっても当てはまり、ここにAは定数である。 不確定フィルタU(ν)は、 U(ν)=ν/(1+ν) という形をとる。 Aを定数として、A+νの形の信号及び雑音モデルに当てはまるより一般的
な表現は、 W(ν)=W[α/(α+ν)] と書き表され、ここにWは、A=0のとき1の値を持つ倍率である。パラメー
タαはbに関係し、W(ν)が半−最大振幅を有する周波数を求める。 対応する不確定処理関数は、 である。 当業者は、本発明の内容から、不確定タスクの対応する関数特性を評価するで
あろう。
【0087】 光子捕捉のランダムさが主要な関心事である場合、又は入力データがポアッソ
ン処理を表現している場合、αは光度(ポアッソン処理の事象の平均速度)の
線形関数であると考えられる。固定ノイズレベルが主要な関心事である場合、例
えば、トランスジューサ又はセンサーノイズでは、αは光度の2乗の関数であ
ると考えられる。一般的に、αの値は不確定信号のr.m.s.(2乗平均)
パワー相当を入力のr.m.s.パワー相当に比較することにより求められる。
本発明の方法は関心の対象であるノイズが周波数に半比例する予想可能なパワー
スペクトルを有する場合まで拡張することができる点に注意されたい。この種の
ノイズはしばしば電子増幅器で観測される。
【0088】 上記本発明の処理関数のハードウェアの姿は、リアルタイム処理用の回路の形
であってもよい。最小位相属性処理は、単極ローパスフィルタの同一2段階処理
として実行してもよい。不確定処理は同様の方法で実行してもよく、W=1の
ときは特に直接的である。
【0089】 空間データに関しては、属性処理は、αが半径長定数を表している送信ライン
の2次元相当物として実行してもよい。そういうものとして、それはセンサーに
組み込んでもよいし、別個に手段化してもよい。2次元送信ライン相当物は、メ
ッシュの抵抗エレメントとしての手段でもよい。メッシュのノードは、共通基面
への抵抗経路を有するべきである。このような手段の有効半径長定数は、メッシ
ュ内の抵抗又は基面経路の抵抗或いは両方を修正することにより制御される。抵
抗修正は、電界効果トランジスタ又は類似デバイスを電圧制御型抵抗器と調和す
るモードで使用することにより実現される。
【0090】 プログラム可能な装置に実装する場合は、本発明の方法に合わせたディジタル
フィルタリング係数を求める形式を採る。代わりに、FFT表現に匹敵するデー
タ配列を構成し算術的組み合わせで使用してデータを処理してもよい。逆FFT
表現の関数記述及び/又は相当物もコンボリューション演算に使用できる。ディ
ジタル計算装置では、ν−1を整数値配列のFFTの絶対値の平方根の逆数とし
て近似することが、時として計算上効率的で有利である。1次元データ用の有用
な配列は[・・・−12−1・・・]であり、ここに省略符号は何れかの数のゼ
ロ値エントリを表す。2次元データ用の配列の有用なセットは、 … … … … … … −a −1 −a … … −1 4(1+a) −1 … … −a −1 −a … … … … … … の形になる。 但し、a>0で、周りの省略符号は任意の数のゼロ値エントリーを示す。1次
元と2次元の両方の場合、1掛け3及び3掛け3それぞれよりも大きい非ゼロ値
の配列も使用できる。説明した型の近似値を使って、例えば逆FFTの手段によ
り、コンボリューション演算に相当するものに使用するための値の配列を生成し
てもよい。コンボリューション演算の計算効率は、当該値を量子化すること及び
/又はコンボリューション配列の非ゼロエレメントの数を制限することにより、
顕著な処理エラーを発生させることなく向上させることができる。
【0091】 視覚画像データの処理では、入力の不確定信号と位相特性との関係が、本発明
の有益性を実証する。不確定信号は、本質的に情報を入力の位相中に保存し、そ
の使用効果を単純な信号見積以外にも拡張する。信号構成要素の線形変換はどん
なものでも、不確定信号を適切な線形フィルタ又は同等物に通すことにより見積
ることができる。非線形変換は、信号見積から生成されるのと寸分たがわない品
質を保って不確定信号から生成できる。このように、不確定信号が後続の処理操
作を排除又は制限することはない。代わりに、不確定信号は、任意の数の特定演
算が並行して実行できる、有用なコア信号の役目を負う。本発明に従えば、不確
定信号は従来のソース輝度に代わって視覚処理における主要信号と見なされる。
【0092】 視覚データの特定セットだけにある特徴のほとんどは、その位相スペクトルに
より表される。振幅スペクトルは、全体的な相関関係を、それらがどこでいつ発
現するかに関係なく表現する。位相スペクトルは、全体の相関関係に関係なく、
特定の特徴の位置と時を表現する。
【0093】 視覚データ内の全体的相関関係は、予想可能なパワースペクトルに関して表現
されてきた。何れの特定のデータセットについてもそれに固有の詳細事項は、従
って、位相スペクトルと総体平均からの特定パワースペクトルの偏差により余す
ところ無く表現される。これらは、不確定信号に寄与する構成要素である。ある
意味では、視覚データ又は他のデータにとっての不確定信号は、入力の位相特性
の見積を表している。しかしながら実際の白色化処理と違い、不確定信号は総体
変動を示す入力の態様をも表すので、不確定処理は位相特性の真の表現を生成し
はしない。
【0094】 視覚処理における本発明の1つの利点は、不確定信号が、一般的なデータセッ
トから特定のデータセットを最も区別しそうな入力データの態様を強調すること
である。これは、固有の特徴というのは人間の視覚系が最も敏感に捉えるところ
であるので知覚的強調である。本質的には不確定信号は入力データの詳細を強調
し、ある態様では本発明はこのように詳細強調の方法と考えてもよい。 他の視覚処理方法で問題になってきたのは、視覚データの拘束条件の欠如であ
る。生物学的視覚性能に関するその目的のためだけの仮定は、知覚的に何が重要
で何が重要でないかに関して作成されねばならなかった。本発明の方法は、この
ような仮定を採用せずに、特徴を強調するので、このような仮定に起因する不都
合やバイアス効果を受けにくい。
【0095】 不確定信号は詳細を差別的に表現するので、見積信号構成要素の知覚的品質を
向上させるために使用することもできる。見積信号の予測可能な構成要素のパワ
ースペクトルは、 〈|X’(ν)|〉=|W(ν)|〈|X(ν)|〉 と書き表されることに注意されたい。 曖昧なパワーの予測できる構成要素は、 〈|D(ν)|〉=(1−|W(ν)|)〈|X(ν)|〉 と記される。 従って、それらの合計は、 〈|X’(ν)|〉+〈|D(ν)|〉=(|X(ν)|〉 と書き表せる。 別の言い方をすれば、不確定信号のパワーは、信号見積処理における予測可能
なエラーの測定値を提供する。
【0096】 視覚処理のための本発明における別の利点は、不確定信号が信号見積の周波数
内容を増強する手段を提供することである。不確定信号を信号構成要素の見積に
加えることにより、コントラストのくっきりした不連続のエッジや区域等の知覚
的に目立つ特徴が先鋭になる傾向にある。減算は逆の効果を持ち、それらの特徴
をぼやかす方に進む。減算技法は、解像力の低い画像に表れるボケを目立たせな
いようにするのに役立つ。加算技法は、ぼやけた情報源をはっきりさせる際や例
えば顔等の美的感覚上の操作に有効である。このような画像処理操作が本発明の
方法を使って実行するのが容易であることは、本発明の重要な利点である。通常
、このような操作には、本発明により可能となる単純で効率的な加算減算ではな
くて、バンドパスフィルタ、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、又それらに
匹敵する物を使用する必要がある。
【0097】 (データ量子化) 本発明は、従来型の信号及び雑音モデルを採用することにより発生する処理エ
ラーを低減させるための技法を提供するのと同じく、データを量子化するより効
率的な方法を開発するために使うこともできる。本発明のデータ処理方法の基礎
となっているのと同じ原理を考えれば、従来の方法の多くの欠点を克服する量子
化スキームを開発できるようになる。
【0098】 量子化という用語は、ここでは、本来継続している不確定信号を離散信号に変
換する処理を指すのに使う。それは本質的にはアナログーディジタル変換である
が、離散出力を2進形式に変換する必要はない。本発明の量子化方法は、コンセ
プトが先に述べた属性法に類似している。これは、元のものとの統計的に予想で
きる差異が最小になるように不確定信号の離散バージョンを生成するので、それ
により本発明の基本的仮定と調和する量子化処理を提供することのなる。
【0099】 ここに述べる出願人の量子化方法は、視覚ソースを表すデータに限定されるの
ではなく、値がどのように分布しているデータを量子化するのにも使うことがで
きる。量子化は、予め規定された量子化レベルを有するという意味では固定され
たものかもしれないが、説明する方法は時間経過につれて値の分布に起きる変化
に対応するためにも使える。視覚データについては、不確定信号が(総体平均と
いう意味で)ラプラシアン確率分布を持つであろうと期待すること、及びその期
待値に従い量子化レベルを設定することに対して、この方法はしばしば有益であ
る。量子化法は、反復的に、即ち元のデータが量子化され、量子化された表現が
次に元のデータ又は更新されたデータのセットと比較され、量子化されたデータ
と基準データの差異がまた量子化されるという具合に用いられる。ソースデータ
は、量子化を連続的に反復させて合計することにより近似される。この手順はビ
デオのような時空データに有用である。
【0100】 本発明の量子化方法を理解するには、3セットのパラメータ、即ち,(1)状
態境界、(2)状態数、(3)状態値、が必要であり、これらは翻訳値と称され
る。状態境界のシーケンスペアはビンのエッジを定義する。ビン内の全ての値に
は状態数が割り当てられる。状態数は、N個のメンバーを有する整数系列を形成
し、ここにNは状態の総数である。不確定信号を「ビニング」処理すると、N個
の可能な状態を有する離散バージョンとなる。状態数もまたN個であるが、それ
らは必ずしも整数系列を形成するわけではない。代わりに、それらは量子化の全
体的なエラーを最小にするように定められる。状態数は、状態値と状態境界に対
してのインデックスである。
【0101】 と書き表せる。 特定の不確定信号における実際の値ではなく、不確定信号のドメインを表す。関
数p(d)は、ヒストグラム又は確率分布を表すために使用される。 即ち(1)エラーを最小化する状態境界のセットを見つけること、及び(2)エ
ラーを最小化する状態値のセットを見つけること、がある。 状態境界の選択は、隣接し合うビン(状態)両方に関係するエラーに影響を及
値のちょうど中間となるということである。このように、状態境界は完全に状態
値により確定される。
【0102】 状態値は、それ自身の状態に関係するエラーに影響するだけである。微分を使
うと、適切な状態値はdp(d)のビンに亘る積分をp(d)のビンに亘る積分
で割った値に等しくなる。 ラプラシアン分布に関し、状態値は により与えられ、ここにβはdの絶対値を意味する。何れの特定の不確定信号に
るのが最適である。これは、数値法又は抵抗ラダーを使って、他の状態値と状態
境界の計算を始める開始点を与える。
【0103】 ラプラシアンのように指数関数はスケール不変性のソートを表示する。任意の
の点δから∞までの関数の形状は、ゼロから∞までのものと全く同じであり、
が状態の総数に左右されないことを意味する。状態の数は、関連があるシーケン
スのエレメントの数を示している。本来は、量子化状態の数が増加すれば、ゼロ
近くに新しい状態を加え、これにより、お互いの関係は変化させずに、他の状態
憶してよい算術的シーケンスであり、即ち信号が量子化される度に計算し直す必
要はない。分布のテール又は他の部分だけを量子化するために再帰特性を使用す
るのも時には有益である。これが利用できるアプリケーションには、特徴抽出、
圧縮、強調/抑調操作が含まれる。
【0104】 視覚データが離散化される通常の手段には、輝度のA/D変換が含まれる。良
品質の画像を求めるなら、採用される状態の数はしばしば256又はそれ以上と
なる。入力データに代えて不確定信号を量子化する本発明の方法の有利性は、2
乗平均エラーに関して判定されるのと同程度の品質が著しく少ない状態(8乃至
16が典型)で得られることである。これにより、記憶容量要件が大幅に低減さ
れる。 本発明における量子化法の別の利点は、入力データの知覚関連の態様は不確定
信号の大きな値と関係する傾向にあるという事実に由来する。量子化されたバー
ジョンは、従って状態値によりソートされるため、情報は保存されるか、又はほ
ぼ知覚的重要度の高い順に送信される。これは、効率的な画像認識、及び最小セ
ットのデータの記憶、送信、操作を暗に意味する。視覚データが離散形態で従来
式に記録される先行技術の方法では、このような有益性を享受できない。
【0105】 量子化のエラー(元のものと量子化されたバージョンの差異)も、ラプラシア
ン分布を有する傾向となることに注意されたい。これは、当該方法が入力データ
の保存されたバージョン上、又は時間経過に伴い変化する入力データの空間配列
上で再帰的に使用される場合、それが何らの追加的な努力又は拘束無しに量子化
された情報の品質を継続的に更新することを意味する。 量子化処理過程に関して更に述べると、不確定信号から状態数の離散バージョ
ンへの変換は、それらの状態数を状態値で翻訳することとは無関係である。これ
は、状態数表現が状態値表現の変わりに記憶されたり送信されたりするというこ
と、即ちダイナミックレンジ要件は、元の不確定信号又は入力データ何れかのパ
ワー又は範囲ではなく、状態の数により設定されるということを意味する。状態
数表現のレシーバーは、元の不確定信号の最小エラーバージョンを得るためには
、既に知られている状態値を用いるだけでよい。
【0106】 本発明による量子化の効率は、不確定信号又は他の入力を量子化前にその分散
の見積により正規化すれば、改善することができる。これは、翻訳値が、個々に
ではなくグループとして縮尺されるようにしている。状態境界が入力中の変化に
自在に対応できる場合、「検索時間」も短縮される傾向になる。ラプラシアン分
布を有すると予想されるデータについては、データの分散をデータの平均絶対値
から見積り、それにより計算上更に強烈な二乗演算を回避することもできる。
【0107】 (発明の一般的適用) 先の例に関する説明は、視覚データの処理に関する本発明の適用に重点を置い
ているが、本発明は適用に関して三つの主たるクラスを持つと記述することがで
きる。即ち、 (1)異なる信号処理スキームの有効性について、評価し比較できるようにす
るための価値の数量を生成するクラス、 (2)信号処理操作の実行を適応させ、変更させ、又は制御するのに用いられ
る制御項を生成するクラス、 (3)データ記憶装置要件を低減したより効率的な計算方法で次の分析を実行
するために、別の信号処理操作が適用可能であるような、処理されたデータの中
間形態としてのクラス。本発明を用いるこの形態は、別のものとの間でのデータ
送信及び圧縮操作を容易にする。
【0108】 図5は、信号処理操作をモニターする目的で価値の数量を生成するための本発
明の利用を示すブロック線図である。図5aに示すように、本発明のそのような
適用においては、見積信号S’(ν)を生成するために入力データX(ν)のセ
ット上で実行される信号処理操作は「ブラックボックス」(図では「処理」と表
示してある)により特徴付けられる。入力データ及び見積信号は共に、一般化さ
れた周波数空間での関数又はデータセットとして示される。
【0109】 本発明のこの実施例では、入力データXは不確定処理Uにより処理されて不確
定信号D’を生成し、次に不確定信号D’は一つ又はそれ以上の処理モニターへ
入力される。代わりに、図5bに示されているように、D’は信号見積又は表示
S’から入手し、不確定タスクGにより演算してもよい。信号見積又は表示は
単独で存在してもよいし、あるいは属性処理Wを用いて入力Xを演算することに
よって生成してもよい。
【0110】 処理モニタリング操作は、絶対値、量子化値、累積値、又はD’の二乗平均パ
ワーのようなD’を表す値を定義された値又は関数のセットと比較する段階と、
FFT変換のようなD’の変換を表す値を定義された値又は関数のセットと比較
する段階と、D’における変化を表すデータを細波関数又は別の基礎関数のよう
な定義された関数のセットと比較する段階と、D’と定義された値及び関数との
間で、ある関係が満たされる場合、記録、インジケータ、又はアラームを作成す
る段階とを含む。
【0111】 図6は、追加処理操作の適用の代わりに信号表示を用いるため、本発明の不確
定信号が、中間形態の処理データとしてどのように用いられるかを示すブロック
図である。図6aに示すように、通常は処理に提供される(図では「処理」と表
示してある)入力データXが不確定処理Uにより演算されて、不確定信号D’を
生成する。不確定信号は、次に一つ又はそれ以上の処理タスク操作へ入力される
(図では「タスク」と表示されている)。若しくは、図6bに示すように、D’
は信号見積S’から入手され、次に不確定タスクGにより演算される。信号見
積又は表示は単独で存在してもよいし、あるいは属性処理Wを用いて入力Xを演
算することによって生成してもよい。
【0112】 図5と結びつけて示されているこれらの可能なタスクに加えて、別の処理タス
クは、一定範囲内のD’値だけが通過して出力するような閾値操作と、翻訳及び
回転操作と、美的効果を得るために画像データへ適用される歪を変形又は投影す
るような形態変換と、量子化、閾値及び周波数選択法などの方法を用いる特徴抽
出と、特徴強調及び抑調と、二乗平均正規化と、そのような操作又は方法の組み
合わせとを、これらに限定することなしに含むことができる。
【0113】 図7は、本発明に従って不確定信号が、処理及び/又は処理タスクの操作を制
御するためにどのように用いられるかを示すブロック図である。図7aに示すよ
うに、入力データXはプロセッサ(図では「処理」と表示されている)により実
行される一式の信号処理操作のセットに供され、不確定処理Uにより演算されて
、不確定信号D’を生成する。不確定信号は、制御信号としてプロセッサに提供
される。プロセッサは、一つ又はそれ以上の処理タスクと結びつけて属性処理を
実行してもよいし、あるいは別々の属性及びタスク段階へ分割されなくてもよい
。代替として、図7bに示すように、不確定信号は次に不確定信号は不確定タス
クGによって演算される信号見積S’から得てもよい。信号見積は単独で存在
してもよいし、属性処理Wを使って入力Xを演算することにより生成してもよい
。いずれの場合でも、D’は制御タスクGにより選択的に演算される。
【0114】 不確定信号又はその後の制御タスク表示は、処理又は処理タスクの選択と、デ
ータがサンプリングされるか又はコード化される速度と、データが強調されるか
又は抑調される量と、型、密度及び拡散のようなディザリング特性の選択と、分
散又は二乗平均パワーの正規化のような手段による処理のいずれかの段階におけ
る信号のダイナミックレンジと、解像度の低下又は増強の量及び/又は種類と、
JPEG、MPEG、フラクタル及び細波ベース法のような圧縮スキームで保持
される数及び/又は種類又は係数と、データに適用されるべき量子化の規準又は
閾値レベルと、属性処理の特性と、又はそれらの操作のいずれかの組み合わせと
を制御するために用いられる。
【0115】 制御タスク操作は、二乗平均値D’及び/又はS’及び/又はX’を表す信号
を生成するための手段と、整流と、量子化と、閾値化と、ローパス、バンドパス
及びハイパスフィルタリング法と、そのような操作のいずれかの組み合わせとを
、これに限定すること無しに含むことができる。
【0116】 図8は、処理及び/又は処理タスクの操作を制御するために本発明の不確定信
号が用いられる第二方法を示すブロック図である。図8a及び8bと図7a及び
7bとの違いは、図8では、不確定信号が、不確定信号上で実行される演算を制
御するのに用いられるという点である。
【0117】 図9は、データ強調及び抑調を実行するために、本発明の信号処理方法がどの
ように用いられるかを示すブロック図である。図9aに示すように、一般的には
信号見積又は信号表示である入力データは不確定タスクGへ提示され、次に定
数Aにより縮尺される。その結果は元の入力データに加えら、出力を生成する。
図9bは同じ処理を示すが、等価な二つの不確定タスクを直列に有している。定
数Aは固定していてもよいし、ユーザー又は外部処理により制御してもよい。
【0118】 図9aに示す方法は、入力データの独特で不確定な特徴を入力データへ選択的
に加えるか又は減じて、それらの特徴を強調又は抑調する。図9bに示されてい
る方法は、入力データの事前処理の間に持ち込まれた可能性のあるエラーを補償
する手段を提供する。
【0119】 定数Aの値は、実際のアプリケーションではプラス1からマイナス1の範囲内
で十分だが、正の無限大から負の無限大までの範囲にある。Aの正値は強調を生
成し、負値は抑調を生成する。
【0120】 音声データに適用される場合は、抑調は音を消し、及び/又はヒスを減じる傾
向となり、一方強調は逆の効果を有する傾向となる。画像データに適用される場
合は、抑調は、ボケ又は平滑さとして感知される傾向があり、一方強調は画像鮮
明化及び対照強調として感知される傾向がある。ユーザー又は外部処理により(
A)が設定されると、望ましい知覚条件を達成するために、出力のダイナミック
レンジ又は二乗平均パワーを制御する手段が提供される。 通常は、強調及び抑調、又は平滑化及び鮮明化の連続する範囲を完成するため
には、フィルタ又はコンボリューション法の特性が継続的な方法で調整される必
要がある。本来ならば、強調/抑調の各レベルにそれぞれ別のフィルタが必要で
ある。これと対照的に、本発明の方法は、スカラーマルチプライヤを調整するこ
とにより同じ効果を達成する。
【0121】 図10は、予め存在しているか又は仮定の信号又はデータの処理操作(図では
「処理」と表示されている)から不確定処理を構成するための本発明の信号処理
法の利用を示すブロック図である。図10aに示すように、処理の入力及び出力
は、入力/出力解析ブロック(I/0解析)へ供給される。入力は又、不確定処
理Uによって演算される。若しくは、図10bに示すように、不確定処理及び/
又は不確定タスクの特性がI/0解析の結果によって決定される場合は、出力を
不確定タスクGにより演算してもよい。通常は、不確定処理又はタスクによる
入力データのそうした実際の処理は、コンボリューション、ディジタルフィルタ
リング又は周波数ドメイン表示によって行われる算術演算により、プログラム可
能な装置で実行されるものである。随意的に、ユーザー又はデータベースシステ
ムのような外部処理は、縮尺及び処理タスク情報をI/0解析方法へ提供する。
【0122】 処理操作の出力がある非線形なやり方で入力データの特性に依存する場合、先
述の方法は、処理方法及び関連する曖昧さを特徴付ける手段と同様、入力、出力
及び処理方法の間の関係における固有の曖昧さを定量化する適応性のある手段を
提供する。例えばマルチプレクシングシステムにおける場合のように入力データ
が幾つかの異なるソース又は前の処理操作から引き出される場合、本方法のこの
特性が利点をもたらす。通常、処理方法は、可能な入力の範囲に許容されている
自由度を包含するように設計され、実行されなければならない。多くの場合、入
力の範囲及びそれらの自由度は、処理効率の要件を満たすために制約されなけれ
ばならない。これと対照的に、本発明の方法の利点は、処理モニタリング及び制
御に用いられる不確定信号を提供することにより、そうでなければ入力及び処理
操作の設計において必要となる厳しい拘束を減じるという点にある。
【0123】 図11a及び11bは、本発明の方法に従って、処理スキームのI/O分析に
基づいて不確定フィルタU(ν)及び不確定タスクGを決定するために実行さ
れる主な信号処理段階を示す流れ図である。図11bに示すように、図10a及
び10bに関して述べられているI/O解析を、不確定タスクを構成するのに必
要な情報を提供するのに用いることができる。これは、属性処理及び不確定処理
を構成するのに必要且つ十分である。
【0124】 縮尺定数A及び有効入力/出力応答関数|F|の振幅スペクトルの見積に相当
する情報は、不確定タスクを定めるのに十分である。随意的に、既知又は予測さ
れる処理タスク|G|の振幅スペクトル記述に相当する情報が供給されてもよ
い。|G|が利用できない場合、一般化周波数の全ての値に対して値1を設定
するとよい。
【0125】 入力データ及び見積信号が与えられると、処理関数F(ν)は、図に示されて
いるように|F(ν)|=|Y(ν)|/|(Xν)|で決定される。次に処理
タスク関数G(ν)が仮定されるが、F(ν)=G(ν)W(ν)及びW(
ν)は一般化された信号翻訳関数である。先述したように、すべてのνに関して
0≦1G(ν)|≦|F(ν)|という制約を有するG(ν)は、平滑化オ
ペレータであるか、又は重み付け関数の別の形である。次に、信号翻訳関数に関
する続く項は |W(ν)|=|F(ν)|/(A|G(ν)|) となる。 A=max(|F(ν)|)/max(|G(ν)|) と設定すると、縮尺定数Aは最大|W(ν)|<1の条件を満足させるように、
必要に応じて調整される。
【0126】 次に、図11aに示されているように不確定処理関数|U(ν)|関数は、 (|W(ν)|(1−|W(ν)|))1/2 から得られる。図11bに示されているように、不確定処理タスクGは、I/
O解析の結果として ((1−|W(ν)|)/|W(ν)|)1/2 からも形成することができる。
【0127】 |U(ν)|及びGu(ν)に関する表記は、それぞれの処理の位相特性を規
定しないということに注目されたい。静止画像の場合のように入力及び/又は出
力データが一つのアレイ形式を取る場合、及び、処理を待つ間に入力及び/又は
出力データがバッファに記憶される場合、これらの関数はゼロ位相特性を有する
のが適切である。そのデータがリアルタイムで(又はそれに近く)処理されるの
が望ましい場合に、関数が、最小位相フィルタとして知られるフィルタのクラス
を特徴付ける位相特性にできるだけ近い位相特性を有することが望ましい。その
ようなフィルタの手段は、関係分野の当業者には既知であり、スペクトル及びセ
プストラム分析に関連した方法を含んでいてもよい。
【0128】 |F|を見積もる際には、幾つかのアプローチが用いることができる。議論の
余地はあるが、最も簡単なアプローチは、入力及び出力データの記憶されている
例のスペクトル見積から、又はスペクトル見積の幾つかの例から導き出される平
均から、|F|を見積もることである。
【0129】 図11aと11bに関して述べられているI/O分析を行えば、信号処理操作
のブラックボックスに固有の信号対雑音特性の表示が得られる。それは、ある状
況下では、従来の定義及び処理方法に基づく信号対雑音比よりも、より簡単に決
定できる。
【0130】 入力データX(ν)にU(ν)を当てはめると、F(ν)で表されている処理
関係の曖昧な構成要素(D’(ν)と先述されている)が得られる。これは、入
力データから信号見積を抽出するために用いられる処理操作の質を示す価値の数
量である。同様な価値の数量が、多数の可能な処理操作に関して決められ、どの
操作が、ノイズモデルに課された信号から生じる処理スキーム内のエラーを低減
しながら入力データを処理するかを決定するために比較される。
【0131】 画像処理における本発明の別のアプリケーションは、画像をブロックのセット
へ分配し、各ブロックにおける可能な画像処理操作の各グループの有用性を比較
するために不確定表示を用いることである。このことにより各ブロック毎の「最
適」処理操作の選択が可能となり、それによって画像データを強調又は訂正する
別の方法が提供される。
【0132】 図12は本発明に従って属性処理、不確定処理、不確定タスク、及び関連する
逆処理を実行する方法を示すブロック図である。属性処理、不確定処理及び不確
定タスクの間の関係が、本発明の有用性を得るのに使われる処理スキームにおけ
る十分な程度の柔軟性を提供するが、これは、いずれの処理又はタスクも自身以
外の二つ及び/又はそれらの逆数を使って得ることができるからである。図に示
されている操作の順序は、唯一可能なもの、又は望ましい最終結果を提供するも
のではないことに注目されたい。示されている一連の操作はほとんどのアプリケ
ーションに好適ではあるが、修正も可能である。
【0133】 本発明は、図示されている一連の操作を実行する場合に、幾つかの利点を提供
する。プログラム可能な装置で実行される場合、処理関数は離散周波数ドメイン
表示、ディジタルフィルタ係数及び/又はコンボリューションマトリックスのよ
うな形で表示される。そのような二つの表示を記憶するために必要な記憶スペー
スは、三つの表示全てを記憶するのに必要なものよりも少なくて済む。更に、他
の手段によって処理の一つが実行されると、通常、有意な中間結果が形成される
【0134】 例えば、属性処理Wを得るためにU及びGを用いると、信号見積S’に加え
て不確定信号D’とノイズ見積N’が生成される。この場合及び類似の場合、S
’を生成するために用いられる追加段階は、従来の多くの信号処理スキームにお
いて必要なコンボリューション作用又は相当する作用に比べて簡単なので、計算
リソースの節約になる。例えば、D’はS’及び/又はN’を生成するのに十分
な情報を提供する内容を含んでいるので、データ記憶装置要件が減少される場合
もある。従って、この場合、S’を生成するために次の操作用に記憶しなければ
ならないのはD’だけとなる。一つの処理を他の二つの手段によって実行すると
、他の中間処理が挿入できるか、又は並行して実行できるようになる。例えば、
U及びGによってWを実行する場合、中間結果D’は、コーディング/デコー
ディング、解像度低減、圧縮、量子化/量子化解除、送信/受信、記憶/検索、
又は類似作用の何れかの組み合わせのような別の処理操作に供せられる。
【0135】 また、中間結果は、処理のモニタリング及び/又は制御に用いるために抽出す
ることができる。このような実行に関するモジュール式の方法の別の利点は、何
れか一つの処理の実現可能性に関わる問題を回避するために使うことができると
いうことである。例えば、属性処理の特定の例を直接構成することは不可能か又
は恐らく全く効率的ではない。そのような状況は、プログラム可能な装置内に、
丸めの誤差及び/又はゼロによる除算問題が生じる場合に起こり得る。ハードウ
ェアでは、位相と振幅両方に関して適切な応答プロフィールを有する処理を実行
することは難しいとされているが、一方で、別の処理又はそれらの逆の処理だと
より簡単か又は効率良く実行できる。その場合、モジュール式方法は「手際のよ
い」解を提供する。
【0136】 一例として、二次元画像を表すデータに関する不確定処理は、完全には有効に
実行されない。しかし、適切な属性フィルタが、二次元送信ラインに相当するも
のとして構成され、画像センサーに組み込まれる。従って、不確定処理は、属性
処理、次にGを実行することにより行うことができる。Gは、空間微分法で
効率良く解答がされる何れかの手段により実行される。代りに、UはW及び1/
によっても得ることができる。この例では、Gは、属性処理よりも少なく
とも何倍か長い特性ラジアル長定数を有する、別の二次元送信ラインに相当する
ものを使用することによって近似し得るし、又はアキュムレーターのように空間
積分で効率の良い別の何れかの処理により実行することもできる。
【0137】 図12aは、S’を生成するために、入力S+Nを演算する属性処理を実行す
る二つの代表的方法を示す。一つの例では、Uが入力を演算してD’を生成し、
次にD’は1/Gで演算されてS’を生成する。別の例では、Uが入力を演算
してD’を生成し、次にD’はGに演算されてN’を生成し、N’は次に入力
から減算されてS’を生成する。
【0138】 図12bは、D’を生成するために、入力S+Nを演算する不確定処理を実行
する二つの代表的方法を示す。一つの例ではWが入力を演算してS’を生成し、
次にS’はGで演算されてD’を生成する。別の例では、Wが入力を演算して
S’を生成し、次にS’が入力から減算されてN’を生成し、N’は1/G
演算されてD’を生成する。
【0139】 図12cは、D’を生成するために、入力S’を演算する不確定タスクを実行
する二つの代表的方法を示す。一つの例では、Uが入力を演算してUS’を生成
し、次にUS’は1/Wで演算されてD’を生成する。別の例では、Wが入力を
演算してWS’を生成し、次にWS’は入力から減算されて(1−W)S’を生
成し、(1−W)S’は1/Uで演算されてD’を生成する。
【0140】 図12dは、逆属性処理を実行する方法を示す。そのような処理は先に述べた
ように中間処理として用いられる。信号見積又は表示S’を演算して、信号及び
雑音の見積(S+N)’を生成するのにも使われる。図示の例では、等価な不確
定タスクGの二つの段階が入力を演算し、その結果が入力に加えられる。
【0141】 図12eは、逆不確定処理を実行する方法を示す。そのような処理は先に述べ
たように中間処理として用いられる。不確定信号D’を演算して、信号及び雑音
の見積(S+N)’を生成するのにも使われる。図示の例では、1/GとG
が並行して入力を演算し、その結果が加え合わせられる。
【0142】 (本発明の実施例のハードウェアとソフトウェアの実行) この明細書で開示されている本発明の信号及び画像処理法の様々な実施例は様
々な形で実行することができる。これには(1)本明細書に記載されているフロ
ーチャートと処理に基づいて、本方法の段階をソフトウェアとして実行するため
のディジタルコンピューターのプログラミングと、(2)同時継続仮特許出願に
開示されている型の回路による入力信号の処理と、(3)専用処理構成による入
力信号処理とが含まれる。
【0143】 実際には、コンピューターシステムと関連している記憶装置に記憶されている
か又は記憶可能であるのが望ましい一つ又はそれ以上のソフトウェアルーチンを
実行するペンティアムクラスの中央処理装置(CPU)を有するコンピューター
システムであれば、本発明を実施するのに十分である。CPUは本明細書に記載
されている一つ又はそれ以上の方法を具体化しているルーチンを実行する。必要
であれば、コンピューターシステムの代わり汎用プログラム可能信号プロセッサ
を用いることもできる。そのような信号プロセッサは当業者には既知であり、多
数の商社、例えば、テキサスインスツルメント社から購入できる。
【0144】 本発明の様々な実施例および実行に関する追加補足は有用であろう。 (総体平均パワースペクトル) 総体平均パワースペクトルを表すデータを生成するため、以下の手順を提案す
る。 (1)入力のクラスを選択する(例えば静止画像)。 (2)適切なセンサーを使って前記入力クラスのメンバーを表すデータを記録す
る。 (3)センサーの出力をサンプリングする。 (4)アナログ/ディジタル変換器(ADC)を使ってサンプリングされたデー
タを変換する。 (5)規定数のサンプルを記憶する。 (6)記憶されているデータに高速フーリエ変換(FFT)を実行する。 (7)パワースペクトルの見積を得るため、FFTデータの絶対値を二乗する。
(8)見積られたパワースペクトルを記憶する。 (9)入力クラスを表す別のものに対し段階(2)から(7)までを繰り返し、
新しい見積パワースペクトルが現在記憶されているデータに加えられ、記憶され
ているデータが計算された全ての見積パワースペクトルの合計を表示するように
段階(7)を修正する。 (10)所望の数の入力クラスのメンバーが処理されるまで処理を繰り返す。 (11)合計されたパワースペクトルデータを反複数で割って、結果が平均を表
し、結果が入力クラスに関する総体平均パワースペクトルの見積となるようにす
る。信頼できる総体平均パワースペクトルの見積を得るために必要な反復数は、
入力クラスによって変化するが、一般的には20未満の反復で十分である。見積
パワースペクトルは、先に挙げた段階により得られた平均パワースペクトルにカ
ーブ、スプライン及び/又は解析関数を当てはめることによって得ることもでき
る。パワースペクトルは、各データポイントを全データポイントの合計で割って
正規化してもよい。
【0145】 入力データが元々ディジタル形式で存在する場合は、段階(1)から(5)は
必要ない。
【0146】 ノイズ構成要素に関する総体平均パワースペクトルの見積は、入力データの特
性に関する知識、又は感知装置、増幅器及び他の構成要素の特性に関する知識に
基づいてモデル化できることがよくある。例えば、光子捕捉の量子的ランダムさ
は、本来的ランダムさの形式であったとしても、白色雑音処理としてモデル化で
きる。ほとんどのセンサーは、先に述べたように入力信号が無い状態で記録され
見積パワースペクトルを生成する熱雑音を有するが、製造業者により供給される
情報に基づいてモデル化することができる。通常は、センサー及び増幅器の雑音
は白色雑音処理及び/又は1/f雑音処理としてモデル化できる。雑音の決定又
は特徴づけに関して信頼できる方法が無い場合は、何れかの特定周波数領域が他
の周波数領域以上に不確定の原因であると推測する理由がないので、白色雑音と
してモデル化することが望ましい。
【0147】 (処理関数) 処理関数W(ν)、U(ν)及び/又はG(ν)のディジタル表示を構成す
る場合、B(ν)は線形アレイ又はエレメントのマトリックス形式を取っている
ことは注目されるべきである。項B(ν)は、B(ν)の各エレメントを二乗
すると得られる、即ちB(ν)は一エレメントづつB(ν)倍される。割り算も
一エレメントづつ実行される。同様に、[1+B(ν)]のような操作は、B(
ν)の各エレメントに1を加えることを示す。 周波数ドメイン表示として、処理関数には入力データのFFTバージョンが掛
けられ所望の結果が作り出される。代りに、処理関数の周波数ドメイン表示に逆
FFT操作が実行されて、コンボリューション操作に適合する表示を作り出すこ
ともできる。
【0148】 処理関数の最小位相バージョンは、次の手順を使って得ることができる。 (1)位相特性に関係なく処理関数を構成する。 (2)処理関数の絶対値を取る (3)逆FFTを実行する。 (4)マスワーク社から入手できる、逆FFTの最小位相バージョンを戻すrc
ep()のような関数を使う。最小位相結果は、入力データにコンボルブされる
。若しくは、最小位相結果のFFTを計算して、処理関数の最小位相周波数ドメ
インバージョンを算出することもできる。
【0149】 (データ処理) 本発明による好適なデータ処理方法は、次のとおりである。 (1)入力クラスのメンバーを表すデータをセンサーを使って記録する。 (2)センサーの出力をサンプリングする。 (3)アナログ/ディジタル変換器(ADC)を使って、サンプリングされたデ
ータを変換する。 (4)規定数のサンプルを記憶する (5)記憶されているデータに高速フーリエ変換(FFT)を実行する。 (6)FFTデータのエレメント毎に処理関数のFFTバージョン(周波数ドメ
イン表示)を掛ける。 (7)前記結果に逆FFTを実行する。 (8)必要なだけ処理を繰り返す。 これと等価に、上に述べたように段階(1)から(4)を実行し、(5)記憶
されているデータを処理関数の適切な表示でコンボルブすることにより、本発明
の方法を使いデータを処理することもできる。
【0150】 (適応) 本明細書に記載されている用語bは、雑音分散と信号分散の比を表す「最
適パラメータ」である。この値を設定する方法が幾つかある。
【0151】 ある場合には、ユーザーがbの値を設定できるようにするのが有益である。
例えばユーザーは、所望の値をコンピュータプログラムへ入力するか、又はその
値をポテンシオメーターと接続されているダイアルを使って制御する。ユーザー
が、例えば画像、ビデオ又は音声のデータの知覚様態を制御したいと望む場合に
は、このような方法が適している。 雑音のr.m.s.パワーが固定されているか又は比較的定まっていることが
わかっているか、又はそのように仮定されている場合に、bの値は次の手順を
使って見積できる。 (1)入力データのr.m.s.値を計算する。 (2)r.m.s.入力値を二乗して入力分散の見積を算出する。 (3)入力分散と既知であるか、見積られるか、又は仮定される雑音分散との差
を計算して、信号分散の見積を算出する。 (4)雑音分散と分散の差との比を計算する。 雑音分散が既知であるか、又は入力分散に対して小さいことが仮定されている
場合、段階(3)は実行する必要はなく、信号分散の見積として入力分散がとら
れる。当業者は、仮定された信号構成要素の分散又は入力分散が既知であるか、
あるいは固定されているか又は比較的定まっていると予測される場合、等価な手
順を用いうることを理解するであろう。分散は、ディジタルデータに関してデー
タの平均二乗値を決定することによって見積ることもできる。
【0152】 光から導き出されたデータの場合、光子捕捉によるランダムな変動は平均光度
に比例して分散を入力へ付与することが分かっている。「信号」構成要素の分散
は平均光度の二乗で増加する。従って、光センサー内の暗騒音を考慮すると、b
の値は、例えば入力分散からよりも平均光度から決定される。光子のランダム
さが「雑音」の優勢なソースである場合、bの値は光度の一次関数に逆比例す
るはずである。固定されたr.m.s.パワーを有する別の雑音ソースが優勢で
ある場合、bの値は二乗された光度の関数に逆比例するはずである。平均光度
は光センサーと接続されている低域フィルタ又は平均値算出手段により見積され
る。
【0153】 別の場合、bの値は、入力のr.m.s.値に関して不確定信号のr.m.
s.値を最小にする方法によって設定される。そのような一つの方法では、次の
段階を実行するのが望ましい。 (1)入力を記録及び記憶する段階 (2)bの初期値を選択する段階 (3)本発明の方法により入力を処理して不確定信号を生成する段階 (4)不確定信号のr.m.s.値と入力のr.m.s.値との比を形成し、記
憶する段階 (5)bの新しい値を選択する段階。 (6)新しい不確定信号を生成する段階。 (7)r.m.s.値の新しい比を形成する段階。 (8)第一比と第二比を比較する段階。bの新しい値が第一値よりも大きい場
合、及び第二比の値が第一比の値より大きい場合は、次に必ず新しい小さいb
値を選択し、値が増加又は減少してr.m.s.値がより大きな値になるような
値が見つかるまで処理を繰り返す。当業者は、最小値を検索するためのアル
ゴリズムが既知であることを理解するであろう。
【0154】 (データ操作) 先に述べたように、本発明は不確定信号の値に基づいてデータから特徴を抽出
する手段を提供するので有益である。例えば、目、鼻、口、髪の生え際及び顔の
輪郭近くの領域は、一定の範囲を超える不確定信号の値を保持することにより、
顔の画像から優先的に抽出される。特徴抽出を達成する一つの方法は次の段階を
含むのが望ましい。 (1)入力データを得る段階。 (2)不確定信号を生成する段階。 (3)標準偏差により不確定信号を正規化する段階。 (4)不確定信号の絶対値を設定レベルと比較する段階。 (5)閾値を超える各ポイントでは数値1を記憶し、そうでないポイントでは数
値0を記憶する段階 顔の画像には、1から3の範囲内の閾値が上手く作用する。結果としての二進
マップの非ゼロ値は、最大曖昧さ又は不確かさの位置を印す傾向にある。画像に
とって、これらの範囲は知覚的に重要で、且つ認識処理において役立つことがよ
くある。二進マップで1に相当する入力又は信号データのこれらの範囲だけが保
持されるように、マップには入力データ又は信号表示が掛けられる。代りに、二
進マップに不確定信号を掛けてもよい。この結果は、本発明の方法の逆不確定タ
スクにより処理されて、不確定信号の特大数値に相当する範囲内にだけ信号の表
示が生成される。閾値比較の前又は後に、不確定信号を量子化する追加の段階が
含まれる。
【0155】 本特徴抽出方法は、数値の大きい不確定信号に相当するデータが優先的に保持
されるように、サブサンプリング/補間操作と共に用いられる。一例として、不
確定信号を得て、次の段階が実施されるのが望ましい。 (1)不確定信号の絶対値が規定された範囲を超える位置を示す二進マップを作
成する段階。 (2)二進法マップに不確定信号を掛けて、その結果を記憶する段階。 (3)結果のエレメントが元の不確定信号が有するエレメントよりも少なくなる
ように、付近のエレメントの平均値を取ることにより不確定信号をサブサンプリ
ングする段階。 (4)結果が元のものと同じ数のエレメントを有するように、サブサンプリング
された不確定信号を補間する段階。 (5)結果に、元の二進マップにNOT演算を実行することにより作成された二
進マップを掛ける段階。 (6)元々の二進マップと元々の不確定信号の記憶されている積に結果を加える
段階。
【0156】 更に、結果は本発明の方法の逆不確定タスクにより処理され、大きい不確定信
号値の位置付近の詳細が保持されているのが好ましい信号の表示を生成する。記
載されている段階は、一定範囲の不確定信号が各解像度レベルで保持されるピラ
ミッド法で用いられる。
【0157】 一定範囲の解像度を優先的に保持する同様の方法は、不確定信号の値に従って
サンプリング率又は密度を調節する段階を含む。例えば不確定信号の絶対値は、
入力、信号、又は不確定データが各持続時間の最後にサンプリングされるように
サンプル間持続時間を決定する線形関数におけるパラメータとして用いられる。
不確定信号の絶対値が増加するに従ってサンプル持続時間が減少すれば、データ
は特大値の不確定信号近くの位置では高率でサンプリングされる。持続時間は、
直前の間隔の最後に不確定信号の数値により、又は例えば直前の間隔の間の平均
絶対値により設定される。この種の方法は、負値及び正値が同じ効果を及ぼさな
いように、不確定信号の符号を保持していてもよい。
【0158】 解像度及び品質を制御するもう一つの方法は、不確定信号を得て、次の段階を
含むのが望ましい。 (1)一定の持続時間又は範囲に関して、不確定信号の平均絶対値又は分散を決
定する段階。 (2)段階1の結果の関数として有効帯域幅を設定する段階。 (3)処理されたデータの一定の帯域幅だけが保持されるように、段階(2)の
規準に従ってデータを処理する段階。段階(2)の例として、平均絶対値はハイ
パスフィルタの低周波数カットオフに線形に対応するか、又はローパスフィルタ
の高周波数カットオフに対応する。JPEGのような基礎関数方法でも同様に、
不確定信号を多数の係数を制御するのに用いて、処理されたデータが一定の持続
時間又は範囲保持されるようにしてもよい。細波ベースの方法では、許容される
倍率の範囲が制御される。
【0159】 要約すると、本発明は、データの特定の信号及び雑音モデルにより持ち込まれ
る曖昧さ又はエラーを見積るために用いられるデータを分析し、表示する方法を
提供する。このことは、データの特性又は異なるデータ間の関係に関する仮定か
らのバイアスを持ち込むことなく、データが計算上効率的に表示及び操作できる
ようにする。本発明の方法は、特定の特徴を強調するか又は抑調するための画像
データの処理と同時に、データの圧縮及び送信に関する特定の利用法を提供する
【0160】 本明細書に記載されている用語及び表現は、説明のための用語として用いられ
ており、限定するものではなく、更にそのような用語及び表現の使用に関して、
図示及び記載されている特徴に相当するもの、又はその一部を排除する意図はな
く、請求されている本発明の範囲内で様々な修正が可能であることは理解された
い。従って、請求項に定義される本発明の目的と精神から逸脱することなく、開
示されている実施例に修正及び変更を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 代表的な先行技術による信号処理システムのブロック線図である。
【図2】 本発明の方法による、入力データのセットの出力への処理を示すブロック線図
であり、処理操作は2段階操作として示されている。
【図3】 本発明による、入力データセット、処理関数、不確定オペレータ、不確定信号
、信号見積の間の関係を示すブロック線図である。
【図4】 不確定タスクにより操作された、又は、不確定信号を生成し、更なる処理ステ
ップに供し、それからタスクの逆により操作されて新しい信号の見積を得るよう
にバイアスする信号見積を示すブロック線図である。
【図5】 信号処理操作をモニターするための数々の利点を生成するために、どのように
本発明が使用されるかを示すブロック線図である。
【図6】 どの様に本発明の不確定信号を処理されたデータの中間形態として使って、追
加の処理操作のアプリケーションの前に信号表現と置き換えるのかを示すブロッ
ク線図である。
【図7】 どの様に本発明の不確定信号を使って処理及び/又は処理タスクの操作を制御
するのかを示すブロック線図である。
【図8】 本発明の不確定信号を使って処理及び/又は処理タスクの操作を制御する第2
のやり方を示すブロック線図である。
【図9】 どの様に本発明の信号処理法を使ってデータ強調及び抑調を行うかを示すブロ
ック線図である。
【図10】 本発明の信号処理法を使って、先に存在している又は仮説の信号又はデータ処
理操作から不確定処理を構築するのを示すブロック線図である。
【図11】 本発明の方法に従って、処理スキームのI/O分析より不確定フィルタ及び不
確定タスクを決めるために実行される1次信号処理段階を示す。
【図12】 本発明に従って、属性処理、不確定処理、不確定タスク、関連逆処理を実行す
る方法を示すブロック線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 オーウェン ウィリアム ジー アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94707 バークレイ サンタ バーバラ ロード 571 Fターム(参考) 5B057 CA20 CB20 CE06 CH01 CH09 CH11 5C077 LL20 NP01 PP01 PP80 PQ03 PQ12 PQ22 RR01 5J064 BA16 BB07 BB08 BC01 BC06 BC11 BC16 BC21 BD01 【要約の続き】 汚染されていても、コーディングソースデータを外部環 境から引き出すシステムを提供する。

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望の信号構成要素に所望されない汚染構成要素を加えたも
    のを表す入力データX(ν)のセットを処理する方法において、 信号構成要素の総体平均パワースペクトル〈|K(ν)|〉を得る段階と
    、 汚染構成要素の総体平均パワースペクトル〈|K(ν)|〉を得る段階と
    、 項B=〈|K(ν)|〉/〈|K(ν)|〉を形成する段階と、 フィルター関数W(ν)、但し|W(ν)|=[1+bB(ν)−1
    且つbは正、を形成する段階と、 項U(ν)、但し|U(ν)|=[W(ν)(1−W(ν))]1/2、を形
    成する段階と、 結果U(ν)X(ν)を形成するためにX(ν)を処理する段階とから成るこ
    とを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 上記信号構成要素の総体平均パワースペクトルを得る段階が
    入力データのセットの信号構成要素を表すと知られているデータのセットを平均
    する段階を更に含むことを特徴とする、上記請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記汚染構成要素の総体平均パワースペクトルを得る段階が
    (i)汚染構成要素に関するモデルを仮定し、その総体平均パワースペクトルを
    決める段階と、(ii)白色雑音を表す汚染構成要素に関するモデルを仮定する
    段階とから成る群から選ばれた少なくとも1つの段階を更に含むことを特徴とす
    る上記請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 (i)所望の信号処理技法を適用することにより結果U(ν
    )X(ν)を更に処理する段階と、(ii)結果U(ν)X(ν)を量子化する
    段階とから成る群から選ばれた少なくとも1つの段階を更に含むことを特徴とす
    る、上記請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 結果U(ν)X(ν)を量子化する段階を更に含み、上記量
    子化する段階が、(i)結果を結果の総体平均確率密度関数より求められる基準
    値のセットと比較し、基準値のセットのメンバーに対応する結果に関する量子化
    値を生成する段階と、(ii)結果を総体平均確率密度関数のモデルより求めら
    れる基準値のセットと比較し、基準値のセットのメンバーに対応する結果に関す
    る量子化値を生成する段階とから成る群から選ばれた少なくとも1つの段階を含
    むことを特徴とする、上記請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 aを常数、Iを信号の平均値、nを整数として、bが[
    +I]に逆比例することを特徴とする、上記請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 入力データのセットが視覚画像データを表すことを特徴とす
    る、上記請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 視覚画像を表すデータを処理する方法において、 フィルター関数W(ν)、但し|W(ν)|=[1+bB(ν)−1
    は全てのνに対して|W(ν)|<1を満足するように選択された定数、B
    (ν)はνに比例、を形成する段階と、 項U(ν)、但し|U(ν)|=[W(ν)(1−W(ν))]1/2、を形
    成する段階と、 結果U(ν)X(ν)を形成するためにX(ν)を処理する段階とから成るこ
    とを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 (i)所望の信号処理技法を適用することにより結果U(ν
    )X(ν)を更に処理する段階と、(ii)結果U(ν)X(ν)を関数フィル
    ター関数W(ν)の振幅スペクトルを変えるために制御項として提供する段階と
    から成る群から選ばれた少なくとも1つの段階を更に含むことを特徴とする上記
    請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 (i)結果U(ν)X(ν)を量子化する段階と、(ii
    )結果を結果の総体平均確率密度関数より求められる基準値のセットと比較する
    ことにより結果を量子化し、基準値のセットのメンバーに対応する結果に関する
    量子化値を生成する段階と、(ii)結果を総体平均確率密度関数のモデルより
    求められる基準値のセットと比較することによって結果U(ν)X(ν)を量子
    化し、基準値のセットのメンバーに対応する結果に関する量子化値を生成する段
    階とから成る群から選ばれた少なくとも1つの段階を更に含むことを特徴とする
    、上記請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 aを常数、Iを信号の平均値、nを整数として、b
    [a+I]に逆比例することを特徴とする、上記請求項9に記載の方法。
  12. 【請求項12】 入力データXを処理して結果Yを形成するデータ処理操作
    を特徴付ける方法において、 関数W、但し|W|は|Y|/|X|に比例する、を形成する段階と、 関数U、但し|U|は[|W|(1−|W|)]1/2に等しい、を形成する
    段階と、 結果U(ν)X(ν)を得るために関数Uを入力データXに適用する段階とか
    ら成る方法。
  13. 【請求項13】 入力データXが視覚画像データを表すことを特徴とする、
    上記請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 (i)所望の信号処理技法を適用することと、(ii)
    結果U(ν)X(ν)を関数フィルター関数W(v)の振幅スペクトルを変える
    ために制御項として提供することと、(iii)結果U(ν)X(ν)を量子化
    することと、(iv)結果を結果の総体平均確率密度関数より求められる基準値
    のセットと比較することにより結果U(ν)X(ν)を量子化し、基準値のセッ
    トのメンバーに対応する結果に関する量子化値を生成することと、(v)結果を
    総体平均確率密度関数のモデルより求められる基準値のセットと比較することに
    よって結果U(ν)X(ν)を量子化し、基準値のセットのメンバーに対応する
    結果に関する量子化値を生成することとから成る群から選ばれた少なくとも1つ
    の技法を用いて結果U(ν)X(ν)を更に処理する段階を含むことを特徴とす
    る、上記請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 入力データXを処理して結果Yを形成するデータ処理操作
    を特徴付ける方法において、 関数W、但し|W|は|Y|/|X|に比例する、を形成する段階と、 関数Z、但し|Z|は[(1−|W|)/|W|]1/2に等しい、を形成す
    る段階と、 結果Z(ν)Y(ν)を得るために関数Zを出力データYに適用する段階とか
    ら成る方法。
  16. 【請求項16】 入力データXが視覚画像データを表すことを特徴とする、
    上記請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 (i)所望の信号処理技法を結果Z(ν)Y(ν)に適用
    する段階と、(ii)結果Z(ν)Y(ν)を関数フィルター関数W(ν)の振
    幅スペクトルを変えるために制御項として提供する段階と、(iii)結果Z(
    ν)Y(ν)を量子化する段階と、(iv)結果を結果の総体平均確率密度関数
    より求められる基準値のセットと比較することにより結果Z(ν)Y(ν)を量
    子化し、基準値のセットのメンバーに対応する結果に関する量子化値を生成する
    段階と、(v)結果を総体平均確率密度関数のモデルより求められる基準値のセ
    ットと比較することによって結果Z(ν)Y(ν)を量子化し、基準値のセット
    のメンバーに対応する結果に関する量子化値を生成する段階とから成る群から選
    ばれた少なくとも1つの段階を用いて結果Z(ν)Y(ν)を更に処理する段階
    を更に含むことを特徴とする、上記請求項15に記載の方法。
  18. 【請求項18】 処理すべき信号Xを入力するためのデータ入力ノード、 第1の処理関数W、但し増幅スペクトルW(V)はW(V)=(1+b
    B(V)−1、但しbは定数、B(V)は周波数の正の実解析関数、によっ
    て与えられる、の生成、 [|W|(1−|W|)]1/2で与えられる増幅スペクトルを有する第
    2処理関数の生成、 上記入力データに対する上記第2処理関数の適用、及び 上記入力データに対する上記第2処理関数Uを適用した結果に関する望ま
    れる信号処理オペレーションの実行のオペレーションを実行するために、入力信
    号に関する処理をするようプログラムされた、少なくとも中央処理装置及びメモ
    リを備えたデジタル演算装置、及び 上記デジタル演算装置によって実行されたオペレーションの結果を表示する表
    示装置を備えたことを特徴とする信号処理システム。
  19. 【請求項19】 上記入力信号Xは、視覚画像データを表すことを特徴とす
    る上記請求項18に記載の信号処理システム。
  20. 【請求項20】 上記B(ν)は、(i)B(ν)は、νと同等であり、(
    ii)B(ν)は、[a+ν]/[a+ν]、但しa及びaは定
    数、n及びmは整数、と同等であり、(iii)B(ν)は、ベクトル[0・
    ・・0−12−10・・・0]、但し楕円はゼロを表す、によって表され、(I
    V)a.0である場合、B(ν)は、マトリックス で表されるものからなるグループから選択された少なくとも1つの特性を有する
    ことを特徴とする上記請求項18に記載の信号処理システム。
  21. 【請求項21】 確立論的プロセスによって生み出され、確立論的ソースによる
    構成要素及びランダムプロセスの構成要素を含む信号を提供する段階、 増幅スペクトルW(V)を有するフィルターに信号を入力する段階を有し、
    Vは上記信号の周波数構成要素で、上記フィルター出力は、周波数構成要素の重
    み付けを表し、ランダムプロセスによるものよりも確立論的ソースに帰する傾向
    が強い場合、より多くの量を重み付けし、更に 増幅スペクトルW(V)を有する関数によって上記フィルターの出力を重み
    付けする段階を有し、W(V)は、[(1−W(V))/W(V)]1/
    で与えられることを特徴とする方法。
  22. 【請求項22】 上記フィルターの増幅スペクトルを変えるための制御信号
    として上記フィルターの重み付けされた出力を提供する段階を有し、上記制御信
    号は、と同等の予測可能なパワースペクトルを有することを特徴とする上記請求
    項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 そのように制御されたフィルターの出力を量子化する段階
    を更に含むことを特徴とする、上記請求項21に記載の方法。
  24. 【請求項24】 振幅スペクトルW(ν)がW(ν)=[1+bB(
    ν)−1、但しbは定数、B(ν)は正で真の値を取る周波数の関数、によ
    り表されることを特徴とする、上記請求項21に記載の方法。
  25. 【請求項25】 nを整数として、B(ν)がν±nに比例することを特徴
    とする、上記請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 所望の信号構成要素に所望されない汚染構成要素を加えた
    ものを表すデータX(ν)を入力するための手段と、 そのように入力されたデータにフィルターを掛けるためのフィルター手段であ
    って、前記フィルター手段は振幅スペクトルW(ν)、但し、|W(ν)|=[
    1+bB(ν)−1、B(ν)は正で真の値を取る関数、bは正の数、を
    有する、そのようなフィルター手段と、 フィルター手段の出力にU(ν)、但し|U(ν)|=[W(ν)(1−W(
    ν))]1/2、により重み付けするための手段と、 フィルター手段の重み付けされた出力を、フィルター手段の振幅スペクトルを
    変えるため制御信号として提供するための手段と、 結果U(ν)X(ν)を形成するためにX(ν)を処理するための手段とから
    成ることを特徴とする信号プロセッサ。
  27. 【請求項27】 nを整数として、B(ν)がν±nに比例することを特徴
    とする、上記請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 フィルター手段が、制御信号によって変化する調節可能な
    パラメータを有する抵抗回路網を含むことを特徴とする、上記請求項26に記載
    の信号プロセッサ。
  29. 【請求項29】 調節可能なパラメータが面積抵抗の分路抵抗に対する比で
    あることを特徴とする、上記請求項28に記載の信号プロセッサ。
  30. 【請求項30】 コントラストに非連続性のある画像の領域を増強する方法
    であって、前記画像は確率的処理によって生成される複数の信号から形成されて
    おり、前記信号の各々は確率的ソース構成要素及びランダム処理構成要素を含ん
    でいる、そのような方法において、 振幅スペクトルW(ν)を有するフィルター関数により信号に重み付けする
    段階であって、νは信号の周波数構成要素であり、前記振幅スペクトルは、周波
    数構成要素に、もしそれがランダム処理に対してよりも確率的ソースに対してよ
    り寄与しそうであれば、より大きく重み付けするように働く、そのような段階と
    、 [(1−W(ν))/W(ν)]1/2により与えられる振幅スペクトル
    (ν)を有する関数によってフィルター関数の出力に重み付けする段階と、 増強された画像の構成要素を形成するために、W(ν)によるフィルター関
    数の重み付け出力の結果をフィルター関数の出力に加える段階とから成ることを
    特徴とする方法。
  31. 【請求項31】 振幅スペクトルW(ν)は W(ν)=[1+bB(ν)−1、但しbは定数、B(ν)は正で真の
    値を取る周波数の関数、により与えられることを特徴とする、上記請求項30に
    記載の方法。
  32. 【請求項32】 nを整数として、B(ν)がν±nに比例することを特徴
    とする、上記請求項30に記載の方法。
  33. 【請求項33】 1組の入力データX(ν)を特徴付ける方法であって、 信号成分<|Ks(ν)|>の総体平均化パワースペクトルを獲得するステ
    ップと、 比 X/|Ks(ν)| (ここで、<|Ks(ν)|>は(<|Ks(ν)|>)1/2である)を
    獲得するステップと から成ることを特徴とする方法。
  34. 【請求項34】 1組の入力データX(ν)を特徴付ける方法であって、 信号成分<|Ks(ν)|>の総体平均化パワースペクトルを獲得するステ
    ップと、 汚染成分<|K(ν)|>の総体平均化パワースペクトルを獲得するステ
    ップと、 項 B=<|K(ν)|>/<|Ks(ν)|> を形成するステッ
    プと、 フィルター関数 W(ν)(ここで|W(ν)|=[1+bB(ν)
    であり、bは全てのνに対して|W(ν)|<1を満足するように選択され
    た定数であり、B(ν)はνに比例する)を形成するステップと、 項 U(ν)(ここで、|U(ν)|=[W(ν)(1−W(ν))]1/2
    である)を形成するステップと、 結果 U(ν)X(ν)を形成するように、X(ν)を処理するステップと から成ることを特徴とする方法。
  35. 【請求項35】 請求項34に記載の方法において、更に、 結果XUを1組の基準値対と比較するステップと、 前記基準値対の間にある、前記結果の値を選択するステップと から成ることを特徴とする方法。
  36. 【請求項36】 可視画像を示すデータを特徴付ける方法であって、 フィルター関数 W(ν)(ここで|W(ν)|=[1+bB(ν)
    であり、bは全てのνに対して|W(ν)|<1を満足するように選択され
    た定数であり、B(ν)はνに比例する)を形成するステップと、 項 U(ν)(ここで、|U(ν)|=[W(ν)(1−W(ν))]1/2
    である)を形成するステップと、 結果 U(ν)X(ν)を形成するように、X(ν)を処理するステップと から成ることを特徴とする方法。
  37. 【請求項37】 信号を特徴付ける方法において、 確率プロセスにより発生された信号を与えるステップを含み、前記信号は、確
    立ソース要素及びランダムプロセス要素を含み、 前記信号を振幅スペクトルW(ν)を有するフィルタへ入力するステップを
    含み、但し、νは前記信号の周波数成分であり、フィルタ出力は、ランダムプロ
    セスよりも確立ソースに起因する可能性が大きい場合には、大きい量の周波数成
    分の加重を表し、 振幅スペクトルW(ν)を有する関数によりフィルタの出力を加重するステ
    ップを含み、ただし、W(ν)は、 (1−|W(ν)|)/|W(ν)|)1/2 であることを特徴とする方法。
  38. 【請求項38】 コントラスト不連続性が与えられたイメージの領域を特徴
    付ける方法であって、上記イメージが確立プロセスにより発生された複数の信号
    から形成され、各信号が、確立ソース要素とランダムプロセス要素を含む方法に
    おいて、 前記信号を振幅スペクトルW(ν)を有するフィルタ関数により加重するス
    テップを含み、但し、νは前記信号の周波数成分であり、前記振幅スペクトルは
    、ランダムプロセスよりも確立ソースに起因する可能性が大きい場合には、大き
    い量の周波数成分を選択的に加重するように働き、 振幅スペクトルW(ν)を有する関数によりフィルタ関数の出力を加重する
    ステップを含み、ただし、W(ν)は、 (1−|W(ν)|)/|W(ν)|)1/2 であり、 フィルタ関数の加重出力の結果をフィルタ関数の出力に加えて拡張イメージの
    成分を形成するステップを含む、 ことを特徴とする方法。
  39. 【請求項39】 結果XUを一組の基準値対と比較するステップと、 前記基準値対の間に存在する結果のそれらの値を選択するステップと、 を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
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