JP2001269174A - 骨髄異形成症候群(mds)の検出方法及びmdsの治療剤 - Google Patents

骨髄異形成症候群(mds)の検出方法及びmdsの治療剤

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JP2001269174A
JP2001269174A JP2000085153A JP2000085153A JP2001269174A JP 2001269174 A JP2001269174 A JP 2001269174A JP 2000085153 A JP2000085153 A JP 2000085153A JP 2000085153 A JP2000085153 A JP 2000085153A JP 2001269174 A JP2001269174 A JP 2001269174A
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Hiroyuki Mano
博行 間野
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Kirin Brewery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来白血病との差別化が困難であったために
最適な治療が難しかった骨髄異形成症候群(MDS)を分
子的に検出すると共に、新規な治療剤を提供する。 【解決手段】 2種の細胞集団における遺伝子発現の比
較から真に生物学的に意味のあるデータを抽出するため
に、バックグラウンドがマッチした集団スクリーニング
(BAMPスクリーニング)法により、特にMDSの検出に有
用なDlk遺伝子を同定した。Dlkの発現を検出することに
よって、MDSの分子診断が可能となった。検体中のDlk遺
伝子の発現の増大、または検体中のDlk遺伝子発現産物
と抗Dlk抗体との結合を指標として、MDSを検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】近年、DNAマイクロアレイの開発によっ
て、遺伝子発現プロファイルを調べる方法が一新され
た。cDNAマイクロアレイまたはDNAチップは数万のcDNA
またはオリゴヌクレオチドを担持し、このようなチップ
を使用して1回ハイブリダイゼーションを行うことで、
与えられた2種のサンプル間の多数の遺伝子の全体的な
比較が可能である(Duggan,D.J.ら,Nat.Genet.21,10-14
(1999))。
【0002】現在進行中のヒトゲノムプロジェクトはこ
こ2〜3年の間に終了し、ヒトゲノムの全ヌクレオチド
配列が公開されることが予想されている。従って、cDNA
配列決定プロジェクトの利用によって、ヒトmRNAのほと
んど全ての種類およびヌクレオチド配列が同定されるま
で、長くはかからないだろう。「ポストゲノム」時代に
おいて、cDNAマイクロアレイ、並びに二次元電気泳動や
マス分析等を利用したプロテオミクス的アプローチはこ
うしたゲノム情報を医薬および細胞生物学に応用する最
も強力なツールの一つと考えられる。既に、発癌または
分化に関連する哺乳類の候補遺伝子がcDNAマイクロアレ
イによって同定できたことが報告されている(Wang,K.
ら,Gene, 229,101-108(1999);Khan,J.ら,Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA, 96,133264-133269(1999);Heller,R.A.ら,Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA, 94,2150-2155(1997))。
【0003】骨髄異形成症候群(MDS)は、主として老
人に多い遅進行性の白血病である。MDS患者は、末梢血
(PB)中の白血球(WBC)、赤血球(RBC)及び血小板の
少なくとも1つの系統における血球減少症を有してい
る。対照的に、骨髄(BM)は細胞過剰であることが多い
ことから、血液系の造血がうまく機能していないことが
示唆される。MDSのもう一つの特徴は、微小巨核球(mic
romegakaryocytes)、過分葉好中球、二次顆粒の減少し
た顆粒球、輪状鉄芽球等の、少なくとも1つの系統のBM
細胞における形成異常の存在である。
【0004】MDSの臨床経過はいくつかの相に分けるこ
とができる。PB細胞が減少した無痛性慢性期にある患者
は、不応性貧血(RA)または輪状鉄芽球を有する不応性
貧血(RARS)と診断される。しかしながら、その後、MD
S患者の一部は、進行性の変質をとげ、明らかな白血病
となる。骨芽細胞が増殖するにつれて、MDSは、過剰の
ブラストを有する不応性貧血(RAEB;BM中ブラスト5-19
%)、変質した過剰芽球を有する不応性貧血(REAB-t;B
M中ブラスト20-29%)、そして最終的には白血病(BM中
ブラスト30%以上)と診断されるようになる。
【0005】従来の化学療法でMDSが治癒することはま
れである。抗癌剤による集中的な治療により、長期的に
骨髄抑制されることが多いが、これは疾患に関連して死
亡に至る主な原因の一つとなる。従って、MDS由来の急
性白血病は未だに予後が悪く、真正の(de novo)急性
骨髄性白血病(AML)が比較的良好な結果となるのと対
照的である。従って、白血病患者に対する最適な治療手
段を選択するために、MDS由来の白血病と真正AMLとを差
別化することが必要である。
【0006】真正AML患者のいくつかの症例で、その経
過においてBM中の形成異常が見られることが問題を複雑
にしている。BMがある程度形成異常を示している場合、
特に老人においてMDSを白血病と差別化して診断するこ
とは非常に困難である。白血病の進行に先立つ血球減少
の存在によって、その患者がMDS由来の白血病として治
療されるべきであるとすることは議論の余地がある。し
かしながら、MDS由来白血病を、形成異常を示す真正AML
と差別化する手段は現在のところほとんどない。従っ
て、発現がMDSブラストに特異的な遺伝子を同定し、明
らかな白血病である患者の診断および治療を容易にする
ことは、臨床血液学の分野における緊急課題である。こ
うした遺伝子の発見は、形成異常を有するAMLがMDS由来
白血病と異なる臨床状態であるか否かを明らかにするた
めの一助ともなるであろう。
【0007】一方、Dlk(Laborada,J.ら, J.Biol.Chem.
268,3817-3820(1993))は、Pref-1(前脂肪細胞因子
1、Smas,C.M.ら, Cell 73,725-734(1993))、FA1(胎
児抗原1、Jensen,C.H.ら, Eur.J.Biochem. 225,83-92
(1994))及び間質細胞タンパク質−1(SCP-1、GenBank
accession number、D16847)としても知られ、上皮増
殖因子(EGF)様タンパク質スーパーファミリーに属す
る。Dlkはシグナル伝達タンパク質のデルタ/セレイト
/ノッチ(Delta/Serrate/Notch)ファミリーと、遠い
が有意な関連性がある。Dlkの転写産物は、3T3-L1細胞
において脂肪細胞への分化に伴って減少し、細胞内でDl
kを強制的に発現させると脂肪細胞への分化が阻害され
た。従って、Dlkは細胞-細胞接触を介して細胞の運命/
分化を調整しているようであり、これは膜タンパク質デ
ルタ/セレイト/ノッチファミリーの能力でもある。
【0008】興味深いことに、Mooreらは、造血幹細胞
(HSC)画分の増殖を維持できる間質細胞系においてDlk
転写産物を同定したが、HSC増殖を維持できない細胞系
においては同定できなかった。さらに重要なことに、Dl
kを強制的に発現させると後者の細胞が前者の細胞の能
力を獲得し、DlkがHSC増殖の維持に直接寄与しているこ
とが示唆された。同様に、間質細胞のDlk発現はBリン
パ造成を調節していることが示された。これらのデータ
から、DlkがHSC及びBMの微小環境間の細胞-細胞接触を
調節することによってリンパ造成に関与しているという
仮説が得られる。
【0009】AC133(Miraglia,S.ら,Blood90,5013-5021
(1997))またはPROML1(Maw,M.A.ら,Hum.Mol.Genet.9,2
7-34(2000))は、近年同定された細胞表面タンパク質で
ある。その発現は、造血幹細胞(HSC)に富む血球画
分、および網膜に限定されている。AC133はHSCを含むこ
とが知られているCD34highCD38lowc-Kit+の血球の細胞
表面上で陽性であるが、その前駆細胞を含むCD34highCD
38highの表面上では陰性である。従って、AC133は現在
利用できるHSCの最も特異的なマーカーの一つである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、MDSは
従来白血病との差別化が困難であったため、当初から最
適な治療ができないという問題があった。更に、差別化
が困難であることから、MDSに特異的な治療剤も存在し
ていなかった。本発明は、MDSを従来差別化が困難であ
ったAMLと差別化して分子的に検出することを可能とす
ると共に、MDSに特異的な新規治療剤を提供することを
課題としてなされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】cDNAマイクロアレイ技
術、並びに二次元電気泳動やマス分析等を利用したプロ
テオミクス的アプローチは、強力であるために、多くの
場合、容易に「擬陽性」の結果を生じる。例えば、正常
組織と比較して癌細胞で発現が誘導される遺伝子を同定
したい場合には、cDNAマイクロアレイを利用して癌およ
び正常組織の単純比較をするのは良いアプローチではな
い。なぜなら、正常組織は多数の細胞型、すなわち臓器
特異的細胞、血液系、結合組織等によって構成されてい
る。一方、癌組織においては特定の細胞型(癌細胞)が
優勢になっている(図1)。癌組織にも種々の細胞型が
残存しているものの、それらの細胞の比率は正常組織と
はかけ離れている。図1において、癌が「黒丸(●)」
細胞由来のものであるとすると、癌組織における他の細
胞の数は正常組織と比較して減少する。「他の細胞」に
特異的な遺伝子の細胞当たりのmRNAのコピー数は癌組織
および正常組織で同じであるにも関わらず、これらの組
織全体の比較では、組織当たりの発現レベルが細胞集団
の減少によって抑制され、誤ってこれらの遺伝子の発現
が減少したと考えられる。一方、こうした単純比較では
「黒丸」細胞集団の膨張のために、癌細胞特異的遺伝子
の発現の上昇をも誤って示すだろう。これは、細胞当た
りの転写産物量の増大が実際に誘導されているか否かに
関わらず、組織当たりのmRNAコピーが増加するためであ
る。こうした擬陽性遺伝子の情報から、発現レベルが発
癌によって本当に影響を受けている遺伝子を選択するこ
とは容易な作業ではない。
【0012】従って、cDNAマイクロアレイ実験から真に
生物学的に意味のあるデータを抽出するために、サンプ
ル調製またはデータの標準化の新規な手段を見出すこと
が必要である。正常組織および癌組織由来の細胞画分を
マイクロアレイ分析にかける前に精製し、双方の集団
が、細胞が形質転換しているか否かの一点を除き、同一
の表現型およびバックグラウンド、すなわち細胞の起
源、分化の度合い、細胞表面マーカー等を有しているこ
とが理想的である(図2)。こうした条件下において、
発現プロファイルのいかなる差違も発癌に関連づけられ
るような状況が得られるであろう。本発明者等は、こう
して分画した細胞を使用したゲノム研究を、バックグラ
ウンドがマッチした集団(BAckground-Matched Populat
ion)でのスクリーニング/比較を示す「BAMPスクリー
ニング/比較」と命名し、この技術を応用してMDSの検
出に有用な遺伝子を同定した。
【0013】上記の如く、本発明者等は、DNAチップを
用いた分析において、未分画の細胞集団をまとめて単に
比較するよりも、分画した細胞を比較した方が優れたア
プローチであることを見出した。この細胞分画法は、比
較すべき所与のサンプルの特徴が一点、すなわち悪性の
形質転換の有無、または薬剤耐性の有無のような実験目
的のみを除いて、できるだけ密接に適合するように設計
するのが好ましい。
【0014】造血系はこのアプローチの良いターゲット
である。今日まで、血球上の数百の細胞表面抗原が同定
されており、臨床血液学の分野では、これらのマーカー
を使用したフローサイトメトリー分析が広範に、そして
日常的に使用されている。こうした細胞表面マーカーに
対する抗体を組み合わせることによって、今日では血球
のほとんどいかなる特殊な画分をも分画することが可能
である。本発明は、レーザー切開顕微鏡等の利用によっ
て、固型腫瘍にも応用することができる。そして、RNA
の増幅手段と組み合わせることによって、DNAチップで
いかなる特殊な細胞型も選択的に分析することができる
(Luo,L.ら, Nat.Med. 5, 117-122(1999))。しかしな
がら、血液系においては、105から106個の新鮮な細
胞を精製することは比較的容易な作業であるが、レーザ
ー切開顕微鏡で同じオーダーの細胞を回収することは非
常に困難である。更に、通常、レーザー切開顕微鏡の操
作に先立ち、サンプルを固定し、染色することが必要で
あり、これによってmRNAが障害を受ける可能性がある。
これに対して血球分画においてはこうした侵入的前処理
は不要であることから、造血系の細胞は本発明の方法を
適用するのに特に好ましい。
【0015】しかしながら、一方、血球に対するDNAチ
ップ分析では不正確な結果が得られることが多く、実験
計画を周到にする必要がある。DNAチップ分析の感度の
高さを考慮すると、同じ患者からとったサンプルであっ
ても、10%のブラストを含有するBMサンプルは、90
%のブラストを含有するBMサンプルとは異なるトランス
クリプトームプロファイルが得られることになる。従っ
て、DNAチップ分析から「集団組成の変化」の問題を排
除することが必須となる。BAMPスクリーニングはこの目
的に適う方法の一つである。
【0016】本発明者等は、多数の白血病患者からAC13
3+細胞を精製し、保存した。本発明者等が「Blast Ban
k」と名づけたこの保存血球はほとんど同一の分化段階
にあり、その起源に関わらず、同様の細胞表面マーカー
を有している。本発明者等はBlast BankにおけるMDSお
よびAMLサンプルの遺伝子発現プロファイルを比較し、
その結果複数の遺伝子がMDSにおいて優先的に発現して
いることが明らかになった。本発明によって、MDSの検
出、すなわち「分子的診断」のためのツールを開発する
ことが可能になった。
【0017】すなわち、本発明は、以下の(1)〜(1
2)を提供する。 (1)検体中のDlk遺伝子の発現の増大を指標とするこ
とを特徴とする、MDSの検出方法。 (2)上記発現の増大を、正常検体との比較及び/また
は対照タンパク質との比較によって判定することを特徴
とする、上記(1)に記載の検出方法。 (3)検体中のDlk遺伝子発現産物と抗Dlk抗体との結合
を指標とすることを特徴とする、MDSの検出方法。
【0018】(4)上記結合の有無及び/または結合量
を抗Dlk抗体を使用して判定することを特徴とする、上
記(3)に記載の検出方法。 (5)抗Dlk抗体を含有することを特徴とする、MDS検出
キット。 (6)抗Dlk抗体を含有することを特徴とする、MDS治療
剤。 (7)2種以上の細胞集団から特定の細胞表面マーカー
を有する細胞のみをそれぞれ選択的に抽出して得られる
選別細胞集団を作成し、双方の選別細胞集団における1
種または複数の遺伝子の発現を比較することを特徴とす
る、細胞当たりの遺伝子発現の有無及び/または量を比
較する方法。
【0019】(8)上記2種の細胞集団が正常検体およ
び疾患検体または複数の異なる疾患検体から得られる細
胞集団であって、請求項7に記載の細胞当たりの遺伝子
発現の有無及び/または量を比較することを特徴とす
る、疾患関連遺伝子の検出方法。 (9)上記発現の有無及び/または量の比較を、DNAマ
イクロアレイまたは二次元電気泳動及びタンパク質の同
定工程を使用して行うことを特徴とする、上記(8)に
記載の検出方法。
【0020】(10)上記疾患が造血系細胞の異常に起
因するものであることを特徴とする、上記(8)に記載
の検出方法。 (11)上記疾患がMDSであることを特徴とする、上記
(10)に記載の検出方法。 (12)細胞表面マーカーとしてAC133またはCD34を使
用することを特徴とする、上記(11)に記載の検出方
法。
【0021】
【発明の実施の形態】従来、トランスクリプトームの比
較は、その組成に関わらず、サンプルA及びサンプルB
の単核球(mononuclear cell;MNC)間で行われてきた
(MNCスクリーニング)(図2)。白血病に関する本発
明者等の研究においては、研究対象の細胞は白血病性ブ
ラスト(黒丸)である。集団組成のシフトによる擬陽性
及び擬陰性を排除するために、標的白血病ブラストをAC
133アフィニティーカラムを通して精製し、トランスク
リプトーム比較を行った(BAMPスクリーニング)。
【0022】まず、Blast Bankサンプルの選択マーカー
としてAC133抗原を選択した。上記のように、白血病性
ブラスト集団は、通常非常に未成熟なHSC様細胞並びに
ある種の表現型を有する細胞を包含している。後者の画
分の性質は疾病の型に依存する。例えば、AMLのブラス
トであるM3は、細胞質に大きなアズール親和性顆粒を有
しており、このことはこの細胞の顆粒球系統への関与を
示している。一方、AMLのブラストの一部であるM5は、
明らかに単核球の特徴を有している。これらのM3及びM5
サブタイプを単純に比較すると、そのトランスクリプト
ームの主要な差違の一つは、系統が異なることからくる
であろう。
【0023】対照的に、多くの白血病ブラストは、CD34
highCD38lowの表面特性を示す、非常に未成熟なHSC様の
特徴を共通に有している。本発明の一態様であるMDSの
検出方法においてAC133を選択する理由は、比較的容易
な方法で疾病に依存しない精製が可能であるということ
である。AC133+画分は健康人からも精製可能であり、従
って健康なAC133+細胞を白血病性AC133+細胞と直接比較
することが可能となる。
【0024】本発明によって、Dlkの発現がMDSに特異的
であることが明らかになったことから、MDSの検出を、D
lk遺伝子の発現を検出することにより行うことができ
る。従って、本発明はまた、検体中のDlk遺伝子発現の
増大を指標とすることを特徴とする、MDSの検出方法を
提供する。
【0025】上記発現の増大は、例えば、正常検体との
比較及び/または対照タンパク質との比較によって判定
することによって検出することができる。正常検体との
比較は、具体的には、MDSでないことが明らかな1また
は複数の検体におけるDlk遺伝子の発現を予め調べ、そ
の結果をDlk遺伝子発現の正常値として使用することが
できる。あるいはまた、実験条件による誤差を最小にす
るために、検体におけるDlk遺伝子発現を検出する際
に、同時に対照検体の測定を行っても良い。更に、MDS
患者であると判定された患者について、異なる時期に行
った複数の測定結果を比較して、MDSの病状の進行との
相関性を調べることもできる。
【0026】また、対照タンパク質としては、特に限定
されるものではないが、MDSの有無に関わらずその発現
が一定しているタンパク質、例えばβ−アクチン等を選
択し、検体におけるその遺伝子発現(例えばmRNAとし
て)比(Dlk/アクチン)を判定のために使用することが
できる。
【0027】Dlk遺伝子の発現は、検体とDlkポリヌクレ
オチドプローブとのハイブリダイゼーションによって検
出することができる。従ってこの検出方法は、検体をDl
kポリヌクレオチドプローブと接触させる段階と、検体
とDlkポリヌクレオチドプローブとのハイブリダイゼー
ションを検出する段階とを含む。ハイブリダイゼーショ
ンが生じていれば、Dlk遺伝子が発現していることを示
す。
【0028】Dlk遺伝子の発現を検出するために使用す
るDlkポリヌクレオチドプローブは、好ましくは正常人
及び患者の細胞由来のmRNAもしくはDNAとハイブリダイ
ズする完全長Dlk DNA分子、またはその断片であり、下
記のように標識されているのが好ましい。Dlk mRNAもし
くはDNAと相補的なプローブを常法により製造し、好ま
しくはin situハイブリダイゼーション法を使用してハ
イブリダイズさせる。ハイブリダイズしなかったプロー
ブはヌクレアーゼ消化によって除去する。
【0029】当業者に公知のin situハイブリダイゼー
ション法では、それぞれ蛍光顕微鏡測定またはオートラ
ジオグラフィーによって容易に定量可能なように、蛍光
等の非放射性標識、及び放射性標識を使用することがで
きる。一般的に蛍光標識が好ましいが、定量可能な比色
または化学発光シグナルを容易に発生する酵素タグを使
用しても良い。検出されるハイブリダイゼーション強度
によって、検体中におけるDlk量が算出される。
【0030】本発明のDlkポリヌクレオチドは、ノーザ
ンブロット法でプローブとして使用することができる。
まず、標準的な実験手法により、検体からRNAを単離す
る(Lehrach, H., Biochemistry, 16:4743 (1975))。
次いで、単離したRNAを変性ゲル電気泳動にかけ、ニト
ロセルロース膜または他の固体支持マトリクスに移す。
Dlk mRNAは、好ましくは当業者に周知の高ストリンジェ
ンシー条件下で上記プローブとのハイブリダイゼーショ
ンにより検出することができる。ハイブリダイゼーショ
ンの量は、デンシトメトリーにより定量することができ
る。
【0031】本発明の更に別の態様によると、Dlkに特
異的なプライマーを使用してポリメラーゼ連鎖反応(P
CR)により検体中のDlk DNAまたはmRNAを検出する。D
lkに特異的なプライマーの例としては、後記の配列番号
3及び4に示すものが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
【0032】プライマーによりDNA合成の開始起点が提
供され、当業者に公知のDNAポリメラーゼ、4種のdNT
P、及び他の必要な補因子の存在下で、プライマーとハ
イブリダイズした鋳型に相補的な新しいDNA鎖が合成さ
れる。熱安定性DNAポリメラーゼを使用すると、各サイ
クル毎に新たに酵素を添加する必要がなく、好ましい。
【0033】上記PCR反応によって、鋳型であるDlk DNA
と同一の配列を有する2本鎖DNA増幅産物が生成され
る。PCR産物は、アガロース又はポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動によって分離し、臭化エチジウム等の蛍光染
色により検出することができる。あるいは、dNTPの1種
を標識し、標識dNTPの取り込みを測定することによりPC
R産物を定量することもできる。PCR産物を分解、検出及
び定量する他の種々の方法が当業者に周知であり、後述
するリアルタイムPCRを使用することもできる。
【0034】PCRは、Dlk DNAに対するものであっても、
mRNAに対するものであっても良い。例えば、RNAseまた
はDNAseを用いて、検体から一方のみを鋳型として選択
し、他方を除去することができる。DNAとmRNAを識別す
るプライマー、例えばプロモーターの非転写領域で配列
にハイブリダイズするプライマーは、Dlk DNAに特異的
である。
【0035】本発明の方法に適した他の技術は当業者に
は自明であり、例えばドットブロットハイブリダイゼー
ション、DNAチップを利用した検出、ヌクレアーゼ保護
アッセイ、ELISA及びウエスタンブロッティングが挙げ
られる。更に、MDSの検出を、抗Dlk抗体を使用して行う
こともできる。従って本発明は、検体中のDlk遺伝子発
現産物と抗Dlk抗体との結合を指標とすることを特徴と
する、MDSの検出方法を提供する。
【0036】抗Dlk抗体を使用してMDSを検出するために
は、具体的には、例えば上記結合の有無及び/または結
合量を抗Dlk抗体を使用して判定する方法がある。検体
中のDlkタンパク質と抗Dlk抗体との結合は、当業者に周
知の一般的な抗原−抗体反応の検出のための手段を使用
して行うことができる。
【0037】抗Dlk抗体は、Dlkまたはその断片を免疫原
として使用して動物を免疫することにより得ることがで
き、MDSの検出目的のためにはポリクローナル抗体であ
ってもモノクローナル抗体であっても良い。また、抗体
として、インタクトな免疫グロブリン分子のみでなく、
Dlkまたはその断片のエピトープに対して特異的に結合
し得るFab断片などの断片であっても良い。また、Dlkタ
ンパク質またはその断片に対する抗体は、例えば、当該
分野で周知の標準的な免疫化およびスクリーニング方法
(例えばKorlerら、Nature, 256:495, 1975;Sambrook
ら、Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Laborato
ry Press (1989))を用いてまずポリクローナル抗体を
作製し、クローニング手段を使用してモノクローナル抗
体を製造することができる。
【0038】抗体は、予め公知の方法によって標識した
後、検出に必要とされる量をDlkタンパク質を発現して
いる可能性がある試料とin vitroまたはin vivoで特異
的に結合させ、MDSの検出に使用することができる。検
出に必要とされる量は、当該分野において公知の手段に
よって容易に決定することができる。また本発明は、抗
Dlk抗体を含有することを特徴とする、MDS検出キット及
びMDS治療剤に関する。
【0039】本発明のMDS検出キットにおいて、抗Dlk抗
体の他、安定剤、pH調整剤等を必要に応じて含有させる
ことができる。本発明のMDS検出キットは、検体または
その一部と当該分野で公知の条件下において反応させ、
検体中に含まれるDlkタンパク質と抗Dlk抗体との結合
を、抗Dlk抗体に予め結合させた標識、例えば蛍光量等
を測定することによって検出することができる。
【0040】本発明のMDS治療剤において、抗Dlk抗体
は、ヒトに対する抗体自身の免疫原性がないか、または
低いものが良く、好ましくはヒト抗体またはヒト化抗体
である。ヒト抗体は、例えばWO97/07671号、WO98/37757
号、及びWO00/10383号等に記載された方法で作製するこ
とができる。また、ヒト化抗体は、例えばRiechmann,
L., Nature, 332, 323-327, 1988; Verhoeye, M., Scie
nce, 239, 1534-1536, 1988;Maeda, H., Human Antibod
ies and Hybridoma, 2, 124-134, 1991; Sato, K., Can
cer Res., 53, 851-856, 1993等に記載された方法で作
製することができる。
【0041】また、抗Dlk抗体は、例えば、必要に応じ
て糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイ
クロカプセル剤等として経口的に、あるいは水もしくは
それ以外の薬学的に許容し得る液体担体の無菌性溶液、
または懸濁液等の注射剤の形態で非経口的に使用でき、
例えば、本発明の抗Dlk抗体を製薬上許容される担体、
賦形剤、防腐剤、安定剤、結合剤等と混和することによ
って製造することができる。
【0042】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤等が用いられる。カプセルの場合に
は、更に油脂のような液体担体を含有することができ
る。注射のための無菌組成物は注射用水のようなベヒク
ル中の活性物質、胡麻油、椰子油等のような天然植物油
などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従
って処方することができる。
【0043】注射用の水性液としては、例えば、生理食
塩水、ブドウ糖やその他の補助薬(例えば、D−ソルビ
トール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)を含
む等張液が挙げられ、適当な溶解補助剤、例えば、アル
コール、ポリアルコール、非イオン性界面活性剤などと
併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大
豆油などが挙げられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジ
ル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。また、
緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝
液など)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、
塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アル
ブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例え
ば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止
剤などと配合してもよい。
【0044】このようにして得られる製剤は、安全で低
毒性であるので、例えば、ヒトまたは他の動物に対して
投与することができる。本発明の抗Dlk抗体の投与量
は、症状などにより差異はあるが、例えば経口投与の場
合、一般的に成人(60kgとして)においては、一日
につき約0.1mg〜100mg、好ましくは約1.0
〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgであ
る。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与
対象、症状の重篤度、投与方法などによっても異なる
が、例えば、注射剤の形では通常成人(60kgとし
て)においては、一日につき約0.01〜30mg程
度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましく
は約0.1〜10mg程度を静脈注射等により投与す
る。
【0045】
【実施例】[実施例1] Blast Bankの構築 インフォームド・コンセントのもとに患者からPBまたは
BM吸引液(aspirates)を得た。MNCはサンプルから精製
し、マイクロビーズ結合抗AC133抗体(Miltenyi Biote
c, Auburn,CA)と結合させ、miniMACS磁気細胞分離カラ
ム(Miltenyi Biotec)にかけた。精製したサンプル
(1×105−1×107個の細胞)をとり、−80℃で
保存した。AC133+細胞の画分を別途ライト−ギムザ溶液
で染色し、CD34、CD38及びAC133の発現をFACScan(Bect
on Dickinson, Mountain View, CA)で分析した。
【0046】おそらくはBM中のAC133+画分の比率が非常
に低いという理由により、健康人のBM吸引液からは充分
量のAC133+細胞を得ることができなかったので、日本赤
十字社宇都宮センター(栃木県宇都宮市)から入手した
大量のバフィーコートからMNCを精製した。miniMACSカ
ラムによって選別されたAC133+細胞は、41%のみがCD34
陽性であったため、AC133−PE抗体(Miltenyi Biotec)
を用い、FACSVantageセルソーター(Becton Dickinso
n)により更に精製した。
【0047】このAC133+細胞の一段階精製によって、純
度の高いAC133+集団(ほとんどの場合95%以上)が得ら
れた。回収した47個のBlast Bankサンプルのプロファ
イルを表1に挙げる。
【0048】
【表1】
【0049】表1において、患者のプロファイルは疾患
及びサブタイプのFAB分類(Bennett, J. M.ら, Br. J.
Haematol. 33, 451-458 (1976))に従って挙げた。(表
中の略号:CP;慢性期、AP;加速期、BC;急性転化) 本発明者等は、CD10+の急性リンパ性白血病(ALL)患者
(ID#39)のBM吸引液由来のAC133+画分を精製できた。
精製画分におけるAC133発現をフローサイトメトリーで
確認したところ、ALLブラストの一部はAC133を発現して
いた。
【0050】多くの場合、AC133は各検体中の白血病ブ
ラストの全てではなく、一部においてのみ陽性であった
ことに留意すべきである。すなわち、一人の患者の白血
病ブラストは、細胞表面マーカーに関してはヘテロであ
った。例えば、赤白血病(AML, FABサブタイプM6)患者
ID#23では、BM単核球細胞(MNC)の半分以上が典型的な
白血病性前赤芽球であったが、AC133アフィニティーカ
ラムでは、赤血球の表現型の証拠がほとんどない、より
未成熟なブラストを精製しただけであった。従って、本
発明者等は、白血病はクローン疾患ではあるが、白血病
ブラストは制限されてはいるが有意な分化能をまだ有し
ており、白血病ブラスト集団は種々の分化段階の細胞か
ら構成されていると考えている。白血病患者のBMから精
製されたブラストの量は、健康人のBMから精製されたも
のの100倍以上であった。従って、Blast Bankサンプ
ルへの正常HSCの寄与は無視できる程度と考えられる。
【0051】[実施例2] MNCスクリーニング及びBAMPスクリーニング 白血病に対する従来のゲノミクス研究のほとんどは、白
血病患者のPBまたはBMから調製したMNCを使用してい
る。従って、本発明のBAMP比較による結果をMNC比較に
よる結果と比較するために、同じ対の患者のサンプルに
双方のスクリーニング法を適用し、発現プロファイルを
抽出する能力について比較した。
【0052】まず、健康人のPBのMNCからAC133+細胞を
精製した。図3に示すように、フローサイトメトリーに
よって、MNC及びAC133+細胞が、CD34+細胞をそれぞれ7.
6%及び80.5%含有していることが明らかになった。次にM
DS由来の白血病患者(ID#7)のMNCからAC133+細胞を精
製したところ、これらのサンプルのフローサイトメトリ
ーによって、MNC及びAC133+細胞がCD34+細胞をそれぞれ
66.2%及び99.1%含有していることが示された(図4)。
いずれの場合にも、AC133の精製段階では、核/細胞質
比が高い、均一で中程度の大きさの細胞が得られたが、
MDS由来の白血病患者のAC133+細胞は小葉に分かれた核
を有していた(図3及び4の下図)。
【0053】RNAは、全てのサンプル、すなわち健康人
及び患者のMNC及びAC133+細胞から精製した。具体的に
は、RNeasyミニスピンカラム(Qiagen, Valencia, CA)
を使用して、Blast Bankサンプルから全RNAを抽出し、S
uperScript II逆転写酵素(Life Technologies, Gaithe
rsburg, MD)及びT7 RNAポリメラーゼのプライマー配列
を有するオリゴdTプライマーを使用してcDNA合成を行
った。得られたcDNAの一部を下記実施例3に記載の「リ
アルタイム」PCRのために−80℃に保存し、残りをVan
Gelder,R.N.ら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87, 1663-16
67 (1990))の方法に従ってT7 RNAポリメラーゼ(Ampli
scribe T7 transcription kit;Epicentre Technologie
s, Madison, WI)を使用する増幅のために使用した。2
ラウンドの増幅の後、103−104倍の増幅を達成し、
得られた増幅RNA2μgを使用して、Cy3-またはCy5-色
素(Amersham Pharmacia Biotech, Uppsala, Sweden)
で標識したcDNAを合成した。
【0054】次いで、健康人及びID#7患者のMNCまたはA
C133+細胞の標識cDNAの混合物を、382種の癌関連遺伝子
を含有するcDNAマイクロアレイ、IntelliGene Human Ca
ncerCHIP(Takara Biomedicals, 滋賀県)と共に65℃
で一晩インキュベートした。DNAチップを0.2%SDSを含有
する2×標準クエン酸塩溶液で65℃で5分間を1回、
同じ溶液で55℃で30分間を2回で洗浄し、0.05×標
準クエン酸塩溶液で室温で5分間すすいだ後、GMS418ア
レイスキャナー(Genetic MisroSystems, Woburn, CA)
によってレーザースキャニングにかけ、シグナルを検出
した。全てのスポットの蛍光強度の和がCy3-及びCy5-ハ
イブリダイゼーション間で等しくなるように、GenePie
ソフトウェア(BioDiscovery, Los Angeles, CA)を用
いてそれぞれのcDNAハイブリダイゼーションの放射シグ
ナルの強度を標準化した。
【0055】健康人のRNA(MNC及びAC133+双方)はCy5-
色素で標識して赤色蛍光を発し、一方ID#7患者のRNAはC
y3-色素で標識して緑色蛍光を発するようにし、健康人
及びID#7患者のMNC及びAC133+細胞でトランスクリプト
ームを比較した。ここで、健康人または患者で特異的に
発現した遺伝子はそれぞれ赤または緑色に見え、双方の
サンプルでほとんど等しく発現する遺伝子は黄色に見え
る。その結果、MNC比較とBAMP比較では、明らかに異な
るトランスクリプトームプロファイルが得られ、多くの
スポット上でmRNAの量比がMNC比較とBAMP比較間で逆転
した(図示せず)。
【0056】MNCスクリーニングにおいては、健康人の
サンプルと比較して、患者#7においてCD34遺伝子の発現
が誘導されていることが示された[Cy5-蛍光強度;519
単位(U)に対してCy3-蛍光強度;42,323U]。しかしな
がら、BAMPスクリーニングでは、CD34はこの2つのサン
プル間でほとんど等しく発現されていることが示された
[Cy5-蛍光強度;6,749,546Uに対してCy3-蛍光強度;5,
543,512U]。従って、MNCスクリーニングで見られたCD3
4発現の「偽りの」増加は、細胞当たりのCD34mRNAコピ
ー数の増加ではなく、CD34+集団の膨張を反映したもの
であることが示された。この結果から、BAMPサンプルの
比較によって、MNCスクリーニングとは明白に異なる
情報が提供され、生物学的データの抽出に、より好適で
あることが示された。
【0057】[実施例3] MDS及びAMLブラスト間のBAMP比較 Blast Bankサンプルを使用して、真正AML及びMDS(MDS
由来の白血病を含む)間で白血病性ブラストのトランス
クリプトームを比較した。MDS特異的遺伝子の同定は、M
DSをAMLと差別化して検出するための有用なツールを提
供するだろう。
【0058】まず、MDS患者4名とAML患者4名を選んだ
(図5)。MDS患者は1名がRAEB-t(ID#20)、3名がMD
S由来白血病(ID#7、ID#25及びID#28)であり、全員が
(1)血球減少症の履歴があり、(2)BM細胞の少なくとも2
つの系統で形成異常があった。AML患者は2名がM1サブ
タイプ(ID#19及びID#22)、1名がM2サブタイプ(ID#2
7)、1名がM4サブタイプ(ID#10)である。M1患者の一
人(ID#19)は骨髄系統に形成異常を有していた。この
患者についてAML診断前の臨床状態の情報はないが、こ
の疾患がMDS由来白血病である可能性がある。
【0059】MDS及びAML患者間の全ての可能な組み合わ
せにおいて、実施例2と同様にしてDNAチップ実験を実
施し、全部で16種のハイブリダイゼーションを行った
(図5)。ハイブリダイゼーションにおいて、MDS及びA
ML患者のRNAをCy5-及びCy3-色素でそれぞれ標識した。
従って、MDSサンプルで優先的に発現している遺伝子を
含有するスポットは赤色に見え、一方AMLサンプルで優
先的に発現している遺伝子を含有するスポットは緑色に
見える。2つのサンプル間での発現が等しいcDNAスポッ
トは黄色になる。全ての実験を同じcDNAスポットのセッ
トで実施したが、再現性があった。
【0060】図6は、患者ID#7(MDS由来白血病)及び
患者ID#10(AML、M4)間のスキャンイメージの比較を示
す。Cy5-標識MDSサンプルとハイブリダイズしたcDNAス
ポットの蛍光強度は14,524,747.6Uまで上がり、平均96
4,550.7U、標準偏差1,993,720.4Uであった。一方Cy3-標
識AMLサンプルとハイブリダイズしたスポットの強度は
8,888,682.3Uまで上がり、平均992,866.8U、標準偏差1,
985,704.5Uであった。これらの結果に基づき、本発明者
等は、(1)サンプルAとハイブリダイズしたcDNAによ
る蛍光強度が、サンプルBとハイブリダイズした対応す
るcDNAによる蛍光強度の少なくとも3倍である場合、及
び(2)サンプルA中のcDNAの蛍光強度が100,000U以上
である場合にのみ、所与の遺伝子がサンプルBと比較し
てサンプルA中で優先的に発現していると考えることと
した。この基準を以下のハイブリダイゼーション実験に
も適用した。ID#7及びID#10サンプルを用いたDNAチップ
研究から、本発明者等は患者#10(AML)と比較して患者
#7(MDS)で優先的に発現している全部で27種の遺伝子
を同定することができた。これらのMDS特異的遺伝子の
うち10種を表2に挙げる。
【0061】
【表2】
【0062】表2には、MDS値が100,000以上であり、MD
S/AML比が3以上である遺伝子を挙げた(表中の略号:I
GFBP2;インスリン様増殖因子結合タンパク質、VCP;バ
ージカンコアタンパク質、LAR;白血球抗原関連タンパ
ク質)。表2に挙げた遺伝子の中で、注目すべきもの
は、その発現がほとんど「MDS特異的」である2種の遺
伝子、Dlk及びインターロイキン-15(IL-15)である。D
lk遺伝子は、シグナルタンパク質のデルタ/セレイト/
ノッチファミリーに構造的及び機能的に関連する膜貫通
タンパク質をコードする(Laborada,J.ら, J,Biol.Che
m. 268, 3817-3820 (1993);Moore,K.A.ら, Proc.Natl.A
cad.Sci.USA 94, 4011-4016 (1997))。IL-15に関して
は、Pierelliらが、このサイトカインがCD34+CD38-HSC
画分の増殖及び長期培養開始細胞(LTC-IC)の増殖をも
促進する特異的活性を有することを報告している(Pier
elli,L.ら, Exp.Hematol. 27, 416-424(1999))。従っ
て、これらの遺伝子の過剰発現がHSC画分の制御されな
い増殖に寄与し、MDSを引き起こしている可能性があ
る。表2に示したもう一つのMDS特異的遺伝子、Egr-1、
または初期増殖応答遺伝子−1は、種々の増殖刺激によ
って誘導されることが知られており、従って細胞増殖メ
カニズムに関与することが推測される(Sukhatme,V.P.
ら, Cell 53, 37-43 (1988))。
【0063】別のMDS患者(ID#20、25及び28)とAML患
者(ID#10)とを比較した場合にも、同様のMDS特異的遺
伝子群が抽出された。特に、ID#25及び28患者のサンプ
ルにおいて、IL-15、Egr-1、Dlk及びアムフィレグリン
を含む、表2に示した多くの遺伝子の発現がMDSブラス
トに特異的であった。対照的に、ID#20患者のAC133+
胞は、類似ではあるが有意に異なる結果を示した。TGF-
β3及びα1,2-マンノシダーゼ1B遺伝子はID#20ブラスト
に特異的であったが、これは他の患者のブラストでは観
察されなかった。表3に、本発明者等の行った16種の
ハイブリダイゼーションで高度にMDS特異的であること
が示された遺伝子をまとめる。
【0064】
【表3】
【0065】尚、表3中の値は、遺伝子の発現がMDS特
異的であることが判明した実験回数を示す。Dlk遺伝子
の発現は16回の実験中12回でMDS特異的であること
が示され、リゾチームまたはMMP-2(マトリクスメタロ
プロテアーゼ−2)遺伝子の発現は16回中10回でMD
S特異的であることが示された。Bello-Fernandezらは、
リゾチームの発現はマウスBM中のCD34+Thy-1+未成熟細
胞において容易に検出されることを明らかにした(Bell
o-Fernandez,C.ら, Exp.Hematol. 25, 1158-1166 (199
7))。従って、MDSブラスト中でのリゾチームの発現
は、これらの細胞のある分化段階を示している可能性が
ある。CD34+細胞中でのMMP-2、またはゼラチナーゼAの
発現は、これらの細胞がBMからPBまで移動するメカニズ
ムに関連すると考えられる(Janowska-Wieczorek,A.ら,
Blood 93, 3379-3390 (1999))。従って、MDSブラスト
中におけるMMP-2の高レベルの発現は、MDSの白血病性変
化において役割を果たしている可能性があるが、AMLと
比較してMDS中での優先的なMMP-2の発現に対して合理的
な説明はできない。
【0066】これらMDS特異的遺伝子の発現プロファイ
ルをより詳細に評価するために、リゾチーム、Dlk、IL-
15及びMMP-2遺伝子における、MDS及びAMLサンプル間の
蛍光強度比をプロットした(図7)。全ての遺伝子にお
いて、平均MDS/AML発現比は2を超えていた。MDS患者
(ID#25)を4人のAML患者と比較すると、平均MDS/AML
発現比の最も低い値(2.55)はリゾチーム遺伝子で観察
された。これらの結果から、MDSブラストの発現プロフ
ァイルによって「分子診断」ができる可能性が得られ
た。
【0067】しかしながら、ある組み合わせにおいて、
リゾチーム、IL-15及びMMP-2遺伝子が全てAML特異的に
発現した。例えば、ID#20患者(MDS)及びID#19患者(A
ML)間のMMP-2発現の研究から、この遺伝子がAMLにほと
んど完全に特異的であることが示された(Cy5-蛍光強
度;147,244U、Cy3-蛍光強度;4,923,476.9U)。従っ
て、発現変化自体がMDSの悪性クローンの特徴を表すと
思われるが、これらの遺伝子の発現レベルのみでは検出
のための閾値を与えるべきではない。
【0068】本発明者等は、図7中のMDS特異的遺伝子
の比較の中で、Dlk遺伝子がAMLブラスト中で優先的に発
現している組み合わせを見出すことはできなかった。患
者#20のMDSブラストにおいては、Dlkの顕著な発現(蛍
光強度10,000U以上)を検出できなかった。しかしなが
ら、Dlkが発現している全ての場合において、MDS中の発
現はAML中よりもはるかに高かった(Dlkの総体的MDS/AM
L強度比は87.1であった)。従って、本発明によって、D
lkがMDS検出の評価基準として最適な候補であることが
示された。
【0069】[実施例4] 「リアルタイム」PCRによるDlk遺伝子発現の定量 MDSブラスト中におけるDlk遺伝子の優先的発現を証明す
るために、多数のサンプルにおけるDlkのmRNAレベルを
定量する「リアルタイム」PCRを実施した。(DNAチップ
実験で使用したサンプルを含む)全部で8種のMDSブラ
スト及び7種のAMLブラストから上記のようにして全RNA
を調製し、これを使用してcDNAを合成した。次いで、そ
れぞれの患者のcDNAを、SYBR緑色PCRコア試薬(PE Appl
ied Biosystems, Foster City, CA)及び、あらゆる細
胞で発現し、その量も多い対照としてのβ-アクチン、
またはDlkに特異的なプライマーを使用して、製造者の
指示に従ってPCRを行った。オリゴヌクレオチドプライ
マーは、β-アクチンcDNAについては5'-CCATCATGAAGTGT
GACGTGG-3'(配列番号1)及び5'-GTCCGCCTAGAAGCATTTG
CG-3'(配列番号2)、Dlkについては5'-CTGAAGGTGTCCA
TGAAAGAG-3'(配列番号3)及び5'-GCTGAAGGTGGTCATGTC
GAT-3'(配列番号4)とした。反応は50℃に2分間加
熱して開始し、次いで95℃で10分間、95℃で15
秒間及び60℃で1分間の50サイクルとした。PCR産
物への色素の取り込みをABI PRISM 7700シーケンスディ
テクター(PE Applied Biosystems)によって「リアル
タイムで」モニターした。β-アクチン及びDlkに対する
CT値を使用して、Dlk転写産物のβ-アクチン転写産物に
対する相対量(Dlk/アクチン)を2n(n=(β-アクチ
ンのCT値)-(DlkのCT値))として計算し、図8に示し
た。
【0070】図8から、MDSブラストのあるものは、AML
ブラストよりはるかに多量にDlk遺伝子を発現している
ことが明らかである。多くのAML患者において、Dlkの発
現量は非常に低かった。図8に示すAML患者の何人かは
1系統以上のBM細胞において血球減少症を有していたこ
とから、これらの患者はMDS由来の白血病であって、真
正のAMLではない可能性がある。これらの患者を除く
と、MDSのDNAマーカーとしてのDlkの役割が更に強調さ
れた。
【0071】本研究は、HSC画分におけるDlkの発現を示
す最初の報告である。分化の遮断におけるDlkの役割を
考慮すると、Dlkの過剰発現が、MDSの特徴であるHSC増
殖の増加、リンパ造成の無効化、分化した細胞の異常な
表現型につながる可能性もあるが、現時点において、MD
Sの病理にDlkが関わっているという証拠は得られていな
い。同様に、Dlkを選択的に発現する未成熟血球の狭い
サブセットからMDSが起きることも考えられる。しかし
ながら、白血病誘発において、Dlk遺伝子の発現がMDS検
出の評価基準の非常に良い候補であることは明らかであ
る。
【0072】
【発明の効果】本発明者等は、BAMPスクリーニングを通
してMDS特異的遺伝子の候補を同定した。この中で、特
にDlk遺伝子発現がMDS検出に顕著に有用なマーカーであ
ることが明らかになり、本発明によって、従来検出が困
難であったMDSを分子レベルで簡単に検出できる方法が
提供された。
【0073】「MDS対AML」の研究に加え、Blast Bankコ
レクションは血液病学において広範囲の応用可能性を有
している。まず、健康人及び白血病患者のサンプルのBA
MPスクリーニングによって、白血病誘発における分子的
な事象のより良い理解の手助けになる。第二に、慢性骨
髄性白血病(CML)及びMDSを含むある種の白血病は、無
痛性の慢性期から進行して明らかな白血病に進行する。
所与の白血病の異なる段階のサンプルの比較により、疾
患の進行を左右する事象を発見できるだろう。第三に、
Bankコレクションを長期間継続することによって、薬剤
感受性及び薬剤耐性期の患者からのサンプリングが可能
となる。これらのサンプルの比較は、化学療法剤に対す
る抵抗性に関わる遺伝子を解析するために有用であろ
う。
【0074】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Hiroyuki Mano Kirin Brewery Company, Limited <120> A Method of Detecting MDS and a medicine for treating MDS <130> P00-0066 <160> 4 <210> 1 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> β-actin specific oligonucleotide primer for PCR <400> 1 CCATCATGAA GTGTGACGTG G 21 <210> 2 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> β-actin specific oligonucleotide primer for PCR <400> 2 GTCCGCCTAG AAGCATTTGC G 21 <210> 3 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Dlk specific oligonucleotide primer for PCR <400> 3 CTGAAGGTGT CCATGAAAGA G 21 <210> 4 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Dlk specific oligonucleotide primer for PCR <400> 4 GCTGAAGGTG GTCATGTCGA T 21
【0075】
【配列表フリーテキスト】配列番号1:PCRのためのβ-
アクチン特異的オリゴヌクレオチドプライマー配列番号
2:PCRのためのβ-アクチン特異的オリゴヌクレオチド
プライマー配列番号3:PCRのためのDlk特異的オリゴヌ
クレオチドプライマー配列番号4:PCRのためのDlk特異
的オリゴヌクレオチドプライマー
【図面の簡単な説明】
【図1】細胞集団組成のシフトによる発現プロファイル
の変化を示す。
【図2】MNCスクリーニング及びBAMPスクリーニングを
示す概念図である。
【図3】健康人のAC133+細胞の精製を示す。健康人のPB
中のMNCをAC133アフィニティーカラムにかけ、抗AC133
抗体を用いて蛍光ソーティングを行った。溶出物(AC13
3 +細胞)及び元のMNCについて、フローサイトメトリー
によって、CD34及びCD38の表面発現を分析した。それぞ
れの検体中のCD34陽性比率をパーセントで示した。それ
ぞれのサイトスピン調製物のライト・ギムザ染色を下に
示す。
【図4】MDS由来白血病患者(ID#7)からのAC133+細胞
の精製を示す。患者のPB中のMNCをAC133アフィニティー
カラムにかけた。それぞれの検体表面上のCD34及びCD38
の発現を図3に示すように分析した。
【図5】MDS及びAMLサンプルのプロファイルを示す。2
つの群間での可能な組み合わせの全て、16種のハイブ
リダイゼーションにおいて発現プロファイルを比較し
た。
【図6】Cy5-で標識した患者ID#7のサンプル及びCy3-で
標識した患者ID#10のサンプルとハイブリダイズしたDNA
チップのレーザースキャニングを示す。MDS特異的遺伝
子のいくつかを示す。
【図7】リゾチーム、Dlk、IL-15及びMMP-2遺伝子の蛍
光強度比(MDS/AML)を全てのハイブリダイゼーション
で決定し、MDS患者をx軸としてプロットした。横線は
各群(MDS患者に対する4つのAMLサンプル)におけるMD
S/AML比の平均値の位置を示す。
【図8】Dlk転写産物の定量を示す。MDS及びAMLの患者
のデータを、それぞれ黒色及び白色の棒で示す。血球減
少の徴候を示すAML患者のデータは灰色の棒で示す。DNA
チップ分析に使用した患者のデータに下線を引いてあ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/68 G01N 33/53 D G01N 33/53 Y M 33/566 33/566 C12N 15/00 ZNAA Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 BA44 BA61 BA80 CA04 CA09 CA12 HA12 HA15 4B063 QA01 QA07 QA19 QQ03 QQ42 QQ52 QQ53 QR32 QR38 QR55 QR66 QS10 QS16 QS25 QS34 QX02 4C085 AA37 BB41 EE01 GG02 GG08 4H045 AA30 CA42 DA50 DA75 EA28 EA50

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体中のDlk遺伝子の発現の増大を指標
    とすることを特徴とする、骨髄異形成症候群(MDS)の
    検出方法。
  2. 【請求項2】 上記発現の増大を、正常検体との比較及
    び/または対照タンパク質との比較によって判定するこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の検出方法。
  3. 【請求項3】 検体中のDlk遺伝子発現産物と抗Dlk抗体
    との結合を指標とすることを特徴とする、MDSの検出方
    法。
  4. 【請求項4】 上記結合の有無及び/または結合量を抗
    Dlk抗体を使用して判定することを特徴とする、請求項
    3に記載の検出方法。
  5. 【請求項5】 抗Dlk抗体を含有することを特徴とす
    る、MDS検出キット。
  6. 【請求項6】 抗Dlk抗体を含有することを特徴とす
    る、MDS治療剤。
  7. 【請求項7】 2種以上の細胞集団から特定の細胞表面
    マーカーを有する細胞のみをそれぞれ選択的に抽出して
    得られる選別細胞集団を作成し、双方の選別細胞集団に
    おける1種または複数の遺伝子の発現を比較することを
    特徴とする、細胞当たりの遺伝子発現の有無及び/また
    は量を比較する方法。
  8. 【請求項8】 上記2種の細胞集団が正常検体および疾
    患検体または複数の異なる疾患検体から得られる細胞集
    団であって、請求項7に記載の細胞当たりの遺伝子発現
    の有無及び/または量を比較することを特徴とする、疾
    患関連遺伝子の検出方法。
  9. 【請求項9】 上記発現の有無及び/または量の比較
    を、DNAマイクロアレイまたは二次元電気泳動及びタン
    パク質の同定工程を使用して行うことを特徴とする、請
    求項8に記載の検出方法。
  10. 【請求項10】 上記疾患が造血系細胞の異常に起因す
    るものであることを特徴とする、請求項8に記載の検出
    方法。
  11. 【請求項11】 上記疾患がMDSであることを特徴とす
    る、請求項10に記載の検出方法。
  12. 【請求項12】 細胞表面マーカーとしてAC133またはC
    D34を使用することを特徴とする、請求項11に記載の
    検出方法。
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