JP2001222553A - 商標等の類否判断システム及び類似物作成システム - Google Patents

商標等の類否判断システム及び類似物作成システム

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JP2001222553A
JP2001222553A JP2000052501A JP2000052501A JP2001222553A JP 2001222553 A JP2001222553 A JP 2001222553A JP 2000052501 A JP2000052501 A JP 2000052501A JP 2000052501 A JP2000052501 A JP 2000052501A JP 2001222553 A JP2001222553 A JP 2001222553A
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Hougi Koyama
方宜 小山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 商標等の称呼の類否判断を容易に行うシステ
ムの提供。 【解決手段】 入力層には、対比する各商標の特徴部を
与える一方、出力層には、両商標の類似ないし非類似を
与えてニューラルネットワークを構築する。その構築さ
れたニューラルネットワークの入力層に、対比する商標
について作成した入力層パターン情報を入力して、出力
層の出力値によって商標の類否を判断する。また、商標
審査基準に準拠した類否判断は、図29のフローチャー
トに従って処理される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主として、二つ
の対象物の類似度を直接的に出力する新規な方法・シス
テム、及び特定の対象物の類似物を作成する新規な方法
・システムに関する。
【0002】特に、文字列・キーワード・ネーミング等
の類否判断、とりわけ文字商標同士の称呼の類否判断を
自動的に行う類否判断方法とその方法を利用したシステ
ム、並びに類似文字列(類似商標)の検索等に利用可能
な類似文字列作成方法とその方法を利用したシステムに
関するものである。
【0003】
【発明の背景】例えば、マーク、特に商標法上における
商標に関し、2つの対比する商標同士の類否判断を客観
的に行うのは非常に困難である。本発明は、この類否判
断における困難性を軽減するためになされたものであ
る。データによっては、外観や観念における類否判断を
も考慮したものが含まれるかもしれないが、主として称
呼における類否判断を行うものとなろう。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のシステムは、こ
こに引用・導入される上記各請求項に記載のとおり構成
されてなる。
【0005】
【発明の実施の形態】例えば以下の(1)から(22)
のように表現される。
【0006】(1) 入力層に、対比する二つの対象物
から抽出した特徴を与える一方、出力層に、その対比す
る二つの対象物の類似度を与える学習用パターン情報を
複数学習させてニューラルネットワークを構築し、この
構築されたニューラルネットワークの入力層に、類否判
断しようとする二つの対象物から抽出した特徴に基づく
入力層パターン情報を入力して、出力層の出力によって
この対比する二つの対象物の類似度を判断することを特
徴とするニューラルネットワークを用いた類否判断方
法。
【0007】(2) 対比する二つの対象物に基づく入
力層学習信号と、この対比する二つの対象物の類似度に
基づく出力層教師信号とからなる学習用パターン情報を
複数学習させて構築されたニューラルネットワークから
なる自動類否判断部と、類否判断しようとする二つの対
象物に基づき入力層パターン情報を作成し、この入力層
パターン情報を前記自動類否判断部の入力層に与える特
徴抽出部と、入力層パターン情報に基づく自動類否判断
部の出力に基づいて、対比する二つの対象物の類似度を
出力する出力部とを備えることを特徴とするニューラル
ネットワークを用いた類否判断システム。
【0008】(3) 特定の第1対象物の類似物を作成
する方法であって、入力層に、対比する二つの対象物か
ら抽出された特徴を与える一方、出力層に、その対比す
る二つの対象物の類似度を与える学習用パターン情報を
複数学習させてニューラルネットワークを構築し、この
構築されたニューラルネットワークの入力層に、前記第
1対象物と、適宜に作成した複数の第2対象物に基づく
入力層パターン情報を順に入力して、出力層の出力によ
って第1対象物と各第2対象物との類似度をそれぞれ求
め、所定値以上の類似度となった第2対象物に基づき第
1対象物の類似物を作成することを特徴とするニューラ
ルネットワークを用いた類似物作成方法。
【0009】(4) 二つの文字列が互いに類似するか
否かを判断する方法であって、対比する二つの文字列
と、その二つの文字列の類否判断結果とを一つのペアと
する情報を複数収集し、入力層に、前記二つの文字列に
基づく入力層学習信号を与える一方、出力層に、その類
否判断結果を与えて学習させることにより、ニューラル
ネットワークを構築し、この構築されたニューラルネッ
トワークの入力層に、類否判断しようとする二つの文字
列に基づいて作成した入力層パターン情報を入力して、
出力層の出力によって両文字列の類似度を判断すること
を特徴とするニューラルネットワークを用いた文字列の
類否判断方法。
【0010】(5) 二つの文字列が互いに類似するか
否かを判断するシステムであって、対比する二つの文字
列と、その二つの文字列の類否判断結果とを一つのペア
とする情報を複数収集し、入力層に、前記二つの文字列
に基づく入力層学習信号を与える一方、出力層に、その
類否判断結果を与えて学習させて構築されたニューラル
ネットワークを備えてなることを特徴とするニューラル
ネットワークを用いた文字列の類否判断システム。
【0011】(6) 特定の第1文字列に類似する文字
列を作成する方法であって、入力層に、対比する二つの
文字列の内の互いに相違する各文字を少なくとも与える
一方、出力層に、その対比する二つの文字列の類否判断
結果を与える学習用パターン情報を複数学習させてニュ
ーラルネットワークを構築し、前記第1文字列と、適宜
に作成した1字以上の第2文字列とに基づいて、複数の
入力層パターン情報作成し、前記構築されたニューラル
ネットワークの入力層に、前記入力層パターン情報を順
に入力して、出力層の出力によって類似度をそれぞれ求
め、所定値以上の類似度となった第2文字列と、前記第
1文字列とに基づいて、第1文字列の類似文字列を作成
することを特徴とするニューラルネットワークを用いた
類似文字列作成方法。
【0012】(7) 特定の第1文字列に類似する文字
列を作成する方法であって、入力層及び出力層に、互い
に類似する二つの文字列の内の互いに相違する各文字を
少なくとも与える学習用パターン情報を複数学習させて
ニューラルネットワークを構築し、この構築されたニュ
ーラルネットワークの入力層に、前記第1文字列に基づ
いて作成した複数の入力層パターン情報を順に入力し
て、出力層の出力をそれぞれ求め、前記第1文字列と、
前記出力層の出力とに基づいて、第1文字列の類似文字
列を作成することを特徴とするニューラルネットワーク
を用いた類似文字列作成方法。
【0013】(8) 二つの商標が互いに類似するか否
かを判断する方法であって、入力層には、各商標中の文
字を識別するユニットを設け、出力層には、両商標の類
似ないし非類似を識別するユニットを設け、特許庁の過
去の商標審決例等に基づいて複数のパターン情報を作成
し、この複数のパターン情報を学習させてニューラルネ
ットワークを構築し、その構築されたニューラルネット
ワークの入力層に、対比する商標について作成した入力
層パターン情報を入力して、出力層の出力によって商標
の類否を判断することを特徴とするニューラルネットワ
ークを用いた商標の類否判断方法。
【0014】(9) 1字違いの二つの商標が互いに類
似するか否かを判断する方法であって、前記ニューラル
ネットワークは、入力層に以下の(a)〜(d)の項目
の内、少なくとも(a)の項目を有することを特徴とす
る上記(8)に記載のニューラルネットワークを用いた
商標の類否判断方法。 (a)二商標の内、互いに相違する文字それぞれ。 (b)二商標の内、少なくとも一方の商標の語長。 (c)前記互いに相違する文字の商標全体における位
置。 (d)前記互いに相違する文字の前後の各文字。
【0015】(10) 2字違いの二つの商標が互いに
類似するか否かを判断する方法であって、前記ニューラ
ルネットワークは、入力層に以下の(a)又は(b)の
いずれかの項目を有することを特徴とする上記(8)に
記載のニューラルネットワークを用いた商標の類否判断
方法。 (a)二商標の内、互いに相違する文字それぞれ2つ。 (b)一方の商標中の二文字を互いに入れ替えたもの
が、他方の商標となる場合におけるその二文字。
【0016】(11) 1字以上の違いのある二つの商
標が互いに類似するか否かを判断する方法であって、一
方の商標中の連続する2以上の文字を入力可能とされ、
各文字入力用のユニットには、それによって入力される
一方の商標中の文字に関し、その文字と対応する対応文
字が他方の商標中にない旨や、その文字と対応する対応
文字が他方の商標中では別の文字に入れ替わる旨等、他
方の商標の対応部分との相違の有無を識別する1以上の
補助ユニットが併設され、前記各補助ユニットに対応し
て、対応文字のない旨や相違文字等が入力されるユニッ
トが入力層に併設されてなることを特徴とする上記
(8)に記載のニューラルネットワークを用いた商標の
類否判断方法。
【0017】(12) 特許庁の過去の類似の商標審決
例等を参照することで、二つの商標が互いに類似するか
否かを判断する方法であって、前記出力層には、両商標
の類否に代えて、過去の商標審決例を識別するユニット
が設けられてなることを特徴とする上記(8)から(1
1)までのいずれかに記載のニューラルネットワークを
用いた商標の類否判断方法。
【0018】(13) 特定の第1文字列に類似する文
字列を作成する方法であって、対比する1字違いの二つ
の文字列と、その二つの文字列の類否判断結果とを一つ
のペアとする情報を複数収集し、入力層に、二つの文字
列の互いに相違する文字それぞれと、互いに相違する文
字の前後の各文字を与える一方、出力層に、その二つの
文字列の類否判断結果を与える学習用パターン情報を複
数学習させてニューラルネットワークを構築し、前記第
1文字列から作成した1字以上の文字列と、50音文字
等からなる第2文字とに基づいて、複数の入力層パター
ン情報を作成し、前記構築されたニューラルネットワー
クの入力層に、前記入力層パターン情報を順に入力し
て、出力層の出力によって類似度をそれぞれ求め、第1
文字列の構成文字と、所定値以上の類似度となった前記
第2文字とにより、第1文字列の類似文字列を作成する
ことを特徴とするニューラルネットワークを用いた類似
文字列作成方法。
【0019】(14) 特定の第1文字列に類似する文
字列を作成する方法であって、互いに類似する1字違い
の二つの文字列を複数収集し、入力層に、互いに相違す
る一方の文字と、その互いに相違する文字の前後の各文
字を与える一方、出力層に、互いに相違する他方の文字
を与える学習用パターン情報を複数学習させてニューラ
ルネットワークを構築し、前記第1文字列から作成した
1字以上の文字列に基づいて、複数の入力層パターン情
報作成し、前記構築されたニューラルネットワークの入
力層に、前記入力層パターン情報を順に入力して、出力
層の出力をそれぞれ求め、第1文字列の構成文字と、前
記出力層の出力によって特定される1字以上の第2文字
列とにより、第1文字列の類似文字列を作成することを
特徴とするニューラルネットワークを用いた類似文字列
作成方法。
【0020】(15) 上記(8)から(12)までの
いずれかに記載のニューラルネットワークからなる自動
類否判断部を備えてなることを特徴とするニューラルネ
ットワークを用いた商標の類否判断システム。
【0021】(16) 上記(6)、(7)、(13)
又は(14)のいずれかに記載のニューラルネットワー
クからなる類似文字列作成部を備えてなることを特徴と
するニューラルネットワークを用いた類似文字列作成シ
ステム。
【0022】(17) 調査対象の商標が入力される入
力装置と、特許庁へ登録及び/又は出願係属中の商標が
蓄積されており、前記入力装置から入力された入力商標
と関連する関連商標を検索するための商標データベース
と、上記(8)から(11)までのいずれかに記載のニ
ューラルネットワークからなり、前記入力商標と前記関
連商標との類否を判断する自動類否判断部と、その類否
判断結果が出力される出力装置とを備えてなることを特
徴とするニューラルネットワークを用いた商標の類否判
断システム。
【0023】(18) 前記商標データベースの検索結
果に基づいて、未登録且つ未出願の候補商標を作成する
商標作成部を備え、この作成された候補商標と、前記検
索された関連商標との類否が前記自動類否判断部にて判
断され、この判断結果に基づき、未登録且つ未出願で登
録可能性の比較的高い商標を見つけるのを可能に構成さ
れたことを特徴とする上記(17)に記載のニューラル
ネットワークを用いた商標の類否判断システム。
【0024】(19) 調査対象の商標が入力される入
力装置と、上記(6)、(7)、(13)又は(14)
のいずれかに記載のニューラルネットワークからなり、
前記入力装置から入力された入力商標と類似する類似商
標を作成する類似文字列作成部と、特許庁へ登録及び/
又は出願係属中の商標を蓄積されており、前記入力商標
及び前記類似商標の有無を検索するための商標データベ
ースと、前記検索結果が出力される出力装置とを備えて
なることを特徴とするニューラルネットワークを用いた
商標の類否判断システム。
【0025】(20) 第1装置と第2装置とが互いに
双方向通信可能に接続可能とされてなり、第1装置は、
前記商標データベースを備えてなる一方、第2装置は、
前記入力装置及び前記出力装置を備えてなり、前記自動
類否判断部と前記類似文字列作成部の一方又は双方が、
第1装置又は第2装置のいずれかに備えられてなること
を特徴とする上記(17)から(19)までのいずれか
に記載のニューラルネットワークを用いた商標の類否判
断システム。
【0026】(21) 上記(15)、(17)若しく
は(18)のいずれかに記載の前記自動類否判断部によ
る類否判断処理、又は上記(16)若しくは(19)に
記載の前記類似文字列作成部による類似文字列作成処理
をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコン
ピュータ読取可能な記録媒体。
【0027】(22) 上記(15)、(17)若しく
は(18)のいずれかに記載の前記自動類否判断部によ
る類否判断処理、又は上記(16)若しくは(19)に
記載の前記類似文字列作成部による類似文字列作成処理
のために、入力層パターン情報を作成する処理をコンピ
ュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ
読取可能な記録媒体。
【0028】以下、より具体的に説明する。本発明の類
否判断方法及びシステム、並びに類似物作成方法及びシ
ステムは、ニューラルネットワークを用いて構成され
る。
【0029】類否判断のためのネットワークは、入力層
学習信号として、対比する二つの対象物から抽出した特
徴(特徴部分、特徴量等)を与え、出力層教師信号とし
て、その対比する二つの対象物の類似度(類似ないし非
類似、或いはどの程度類似するのかを数値化したもの)
を与えて学習させて構築される。よって、この構築され
たネットワークの入力層に、類否判断しようとする二つ
の対象物から抽出した特徴に基づく入力層パターン情報
(前記入力層学習信号と等価)を入力すれば、出力層の
出力値によってその類似度を直接的に判断することがで
きる。
【0030】対比する対象物としては、文字商標に代表
される文字・文字列の他、記号・図形、音声、香り、物
質等、各種のものに対応することができる。文字列の場
合の特徴は、対比する二つの文字列の全部又は一部(特
に互いに相違する文字部分)等が抽出される。記号・図
形の場合の特徴は、例えば、スキャナ等で読み取った記
号をある矩形領域に配置し、その領域を格子状に多数の
領域に分解して、各領域中の活字部がしめる量を計算し
て、各領域間の面積比を求めるという文字認識手法によ
り抽出される。音声の場合の特徴は、音階や周波数等が
用いられ、例えば音声の波形をデジタル化して一定周期
ごとのスペクトル情報を求めるという音声認識手法によ
り抽出される。また、香りの場合には、匂い成分の分析
等により特徴が抽出される。さらに、各種物質の場合に
は、元素等の含有物質の成分やその量の分析等により特
徴が抽出される。
【0031】対比する対象物が文字や文字列の場合、具
体的には、例えば商標(主として商標法における文字商
標等)や各種キーワード等が対象物とされる。文字商標
の類否判断のためのネットワークは、入力層学習信号と
して、対比する二つの商標の構成文字の一部ないし全部
を与え、出力層教師信号として、その対比する二つの商
標の類似ないし非類似の別を与えて学習させて構築され
る。よって、この構築されたネットワークの入力層に、
類否判断しようとする二つの商標から抽出した特徴に基
づく入力層パターン情報を入力すれば、出力層の出力値
によってその類似度を判断することができる。なお、ネ
ットワーク構築のための学習用パターン情報は、特許庁
の過去の商標審決例を中心に収集することができる。
【0032】ネットワークへ文字を入力・識別させるた
めに、文字は数値化して入力される。例えば、文字コー
ドに基づき文字を入力・識別することができる。例え
ば、文字コードを2進数的に0、1の2値データとし
て、ユニットの集合体(ユニットセット)に入力・識別
することができる。
【0033】或いは、各商標中の文字を識別すべく、ア
ルファベット、及び/又は、50音等のユニットの集合
体からなるユニットセットを設けて入力・識別すること
ができる。この場合、ユニットセット内の各ユニットの
内、該当するものに1又は0等の数値の一方を、該当し
ないものには1又は0等の数値の内、前記一方で使用し
なかった他方の数字を入力することで、文字を識別する
ことができる。
【0034】また、日本語の文字は、「ア」、「イ」、
「ウ」、「エ」、「オ」の各段と、「カ」、「サ」、
「タ」、「ナ」、「ハ」、「マ」、「ヤ」、「ラ」、
「ワ」の各行と、撥音「ン」、濁点「゛」、半濁点
「゜」、促音「ッ」、拗音用文字「ャ」、「ュ」、
「ョ」、長音「ー」、外来語用文字「ァ」、「ィ」、
「ェ」、「ォ」等を組み合わせて、該当するものに1又
は0等の数値の一方を、該当しないものには1又は0等
の数値の内、前記一方で使用しなかった他方の数字を入
力することにより識別することもできる。なお、濁点
「゛」、半濁点「゜」によらず、「ア」、「イ」、
「ウ」、「エ」、「オ」の各段(母音)と、「カ」、
「サ」、「タ」、「ナ」、「ハ」、「マ」、「ヤ」、
「ラ」、「ワ」、「ガ」、「ザ」、「ダ」、「バ」、
「パ」の各行(子音)を用いても良い。
【0035】ここで、互いに相違する他方の対応文字が
2文字とならない限り、促音、拗音用文字、外来語用文
字及び長音の付いた文字は、それらが付いた状態で1文
字とすることもできる。そして、両商標の相違が、一方
の商標にあって他方の商標にない特定文字の有無である
場合には、その特定文字のない商標のパターン情報の対
応ユニットセットには、その全てのユニットに前記他方
の数字を入力してその旨を識別してもよいし、ユニット
セット内に専用のユニットを設けてそこに前記一方の数
値を入力してその旨を識別してもよい。
【0036】一方、英語の文字は、「A」〜「Z」のア
ルファベットないし各種発音記号等の内、該当するもの
に1又は0等の数値の一方を、該当しないものには1又
は0等の数値の内、前記一方で使用しなかった他方の数
字を入力することにより識別することができる。そし
て、両商標の相違が、一方の商標にあって他方の商標に
ない特定文字等の有無である場合には、その特定文字等
のない商標のパターン情報の対応ユニットセットには、
その全てのユニットに前記他方の数字を入力してその旨
を識別してもよいし、ユニットセット内に専用のユニッ
トを設けてそこに前記一方の数値を入力してその旨を識
別してもよい。
【0037】類似物作成のためのネットワークは、入力
層学習信号として、対比する二つの対象物から抽出され
た特徴を与え、出力層教師信号として、その対比する二
つの対象物の類似度を与えて学習させて構築される。よ
って、前記類否判断用のネットワークを利用することも
できる。そして、この構築されたネットワークの入力層
に、類似物作成の基礎である特定の第1対象物と、適宜
に作成した複数の第2対象物とに基づく入力層パターン
情報を順に入力する。すると、出力層の出力値によって
第1対象物と各第2対象物との類似度がそれぞれ求めら
れる。よって、所定値以上の類似度となった第2対象物
の特徴と、第1対象物とを考慮して、第1対象物の類似
物を作成することができる。
【0038】文字商標に代表されるある文字列と類似の
文字列を作成するには、入力層学習信号として、対比す
る二つの文字列の内の互いに相違する各文字を少なくと
も与え、出力層教師信号として、その対比する二つの文
字列の類否判断結果を与えて学習させて構築される。そ
して、この構築されたネットワークの入力層に、類似文
字列作成の基礎である特定の前記第1文字列と、所定の
規則等により適宜に作成した第2文字列(1字だけの場
合等を含む)とに基づく入力層パターン情報を順に入力
する。すると、出力層の出力値によって、第1文字列と
各第2文字列との類似度がそれぞれ求められる。よっ
て、所定値以上の類似度となった第2文字列と、前記第
1文字列とを考慮して、第1文字列の類似文字列を作成
することができる。
【0039】また、別の方法として、入力層学習信号と
して、一方の文字列の内の互いに相違する文字を少なく
とも与え、出力層教師信号として、他方の文字列の内の
互いに相違する文字を与えて学習させて構築されたネッ
トワークが利用される。そして、この構築されたネット
ワークの入力層に、類似文字列作成の基礎である特定の
第1文字列から所定の規則等により適宜に作成した複数
の入力層パターン情報を順に入力する。すると、出力層
の各出力によって、第1文字列の構成文字に入替・挿入
・削除する旨を与える第2文字列(1字だけの場合を含
む)が求められる。よって、この第2文字列と第1文字
列の構成文字を考慮して、第1文字列の類似文字列を作
成することができる。
【0040】商標の類否判断方法やそれを用いてなる類
否判断システムは、これから出願しようとする商標が既
に登録ないし出願中の商標と類似であるか否かを判断す
るのに好適に利用される。また、類似文字列(類似商
標)作成方法やそれを用いてなる類似文字列作成システ
ムは、これから出願しようとする商標と類似の商標が既
に登録ないし出願されているのかを検索する際に好適に
利用される。つまり、これから出願しようとする商標と
類似の商標を作成して、この類似商標や、前記これから
出願しようとする商標と同一の商標が、既に登録ないし
出願されているかを予め確認するのに好適に利用され
る。
【0041】
【実施例】以下、この発明のニューラルネットワークを
用いた類否判断方法及びシステム、並びに類似物作成方
法及びシステムについて、さらに詳細に説明する。な
お、ここでは便宜上、文字列、特に文字商標について述
べるが、これ以外のものにも適用可能である。まず、商
標の類否判断方法及びシステムについて述べる。この類
否判断方法には、ニューラルネットワークが利用され
る。
【0042】ネットワークモデルとして、例えば、3層
パーセプトロンがある。これは、図1に示すように、入
力層(S層)、中間層(A層)、出力層(R層)が直列
に結合されてなる。ここで、各ユニット間の結合荷重は
ランダムであるため、S層に入力信号を次々に与えて、
ネットワークの導く出力信号と理想とする出力信号との
差から正しくパターン識別できるように結合荷重を更新
していけば、あらゆるパターンの識別が可能となる。
【0043】いま、入力層ユニットiの出力信号をI
とし、入力層ユニットiと中間層ユニットjとの結合荷
重をWjiとすると、中間層ユニットjの出力Hは次
式のように導かれる。なお、式中のnは入力層のユニッ
ト数であり、θは中間層ユニットjの閾値である。
【0044】
【数1】
【0045】また、中間層ユニットjと出力層ユニット
kとの結合荷重をVkjとすると出力層ユニットkの出
力Oは次式のようになる。なお、式中のmは中間層の
ユニット数であり、γは出力層ユニットkの閾値であ
る。
【0046】
【数2】
【0047】ここで、f(x)はxがプラス無限大で1
に漸近し、xがマイナス無限大で0に漸近するS字形の
応答特性を持ち、次式で示されるシグモイド関数であ
る。なお、シグモイド関数の傾き(u>0)を変化させ
ることにより、最適な学習環境の創成とモデルの構築に
貢献することができる。
【0048】
【数3】
【0049】そして、ニューロモデルが入力信号に対し
て正しい出力信号を導出するためには、上記[数1]と
[数2]に示されている結合荷重と閾値を適切な値に定
めなければならない。そこで、入出力信号(入力層学習
信号と出力層教師信号)を1つのペアとするデータ(パ
ターン情報)を作成し、それを学習することによってネ
ットワークを形成する方法が一般的に行われている。教
師付き学習方法として、例えばバックプロパゲーション
法が提案されている。詳細は、例えば「ニューロ情報処
理技術−基礎と応用−」(八名和夫・鈴木義武著、海文
堂出版)や、「入門と実習 ニューロコンピュータ」
(中野・飯沼・ニューロンネットグループ・桐谷著、技
術評論社)参照。
【0050】なお、中間層ユニットの閾値θや出力層
ユニットの閾値γ、シグモイド関数の傾きuの変化を
考慮しない場合は、上記[数1]から[数3]は、それ
ぞれ次のように示される。 H=f(ΣWji・I) O=f(ΣVkj・H) f(x)=1/(1+exp(−x))
【0051】ネットワークの構築には、特許庁や裁判所
の過去の商標類否判断結果の多数のデータを用いて学習
させることにより行う。例えば、特許庁の商標審決集か
ら学習データを収集する。
【0052】ニューロ学習プログラムへのデータ入力
等、ニューロへの入出力は、通常1〜0の値に正規化し
てなされる。すなわち、数値以外の仮名文字やアルファ
ベットそのものを入力することはできない。よって、仮
名文字等は、通常、適宜の手段により数値化して入出力
され識別される。
【0053】この実施例では、両商標の各文字を識別す
るために、両商標中の各文字について、アルファベット
や50音等を有するユニットの集合を用意する。つま
り、各文字の識別は、50音等個々の文字に関するユニ
ットの集合体(ユニットセット)を、各商標について少
なくとも一つずつ用意し、0又は1にて該当文字を識別
する。具体的には、上記各ユニットセットは、「ア」〜
「ン」の50音文字や、濁点や半濁点、促音、拗音用文
字、外来語用文字、長音(又は濁点等が付いた文字)等
により構成されているので、これらの内、該当する文字
のユニットを1とし、該当しないユニットは全て0とす
ることで、文字の識別を行う。
【0054】図2には、日本語文字入力用のユニットセ
ットの例を示した。なお、図2では、撥音「ン」を50
音文字とは分けているが、通常、50音文字に含めて考
える。ここで、「ヲ」の文字は、「オ」として入力でき
るので省略可能である。また、「ヂ」や「ヅ」は、
「ジ」や「ズ」として入力することもでき、省略可能で
ある。さらに、拗音や外来語の欄で括弧()でくくった
文字は、昭和29年12月9日内閣告示第一号(日本語
大辞典初版第2159−11頁参照)及び平成3年6月
28日付内閣告示第二号(広辞苑第5版第2955〜2
961頁参照)の各第2表に掲げられる文字であり、括
弧のない文字で表現可能とされており、場合によっては
省略してもよい。なお、図2にない文字、例えば「ス
ィ」、「ズィ」、「グィ」、「グェ」、「グォ」、「キ
ェ」、「ニェ」、「ヒェ」、「フョ」、「ヴョ」等を付
加することもできる。結局は、パターン作成用の商標デ
ータの文字に依存する。
【0055】こうして、例えば、商標中の「ス」の文字
を入力するには、ユニットセット中、「ス」のユニット
だけを1にし、残り「ア」〜「シ」、「セ」〜「ン」
や、促音や長音等のその他の全ユニットは全て0にする
ことで、「ス」の文字を識別させることにする。
【0056】なお、該当する文字のユニットを0とし、
該当しないユニットを1としてもよい。また、完全に0
や1でなくても、例えば、0.1やそれ以下の数値(例
えば0.03)や、0.9やそれ以上の数値(例えば
0.98)等で入力してもよい。さらに、システムによ
っては、0〜1以外の範囲で入力可能である。
【0057】図2のユニットセットでは、カナ文字入力
用の例について述べたが、漢字の場合にもその読みをカ
ナに直して入力することができ、英文字の場合も同様
に、読みに直して入力することができる。或いは、英文
字入力用のアルファベット26文字(やハイフン、コン
マ、ピリオド等)からなるユニットセットとして、英字
商標専用のネットワークを作成することもできる。ま
た、図2のユニットセットに、アルファベット等を付加
してカナと英文字の双方の類否を判断できるネットワー
クとしてもよい。
【0058】さらに、英文字商標専用のネットワークを
構築する場合には、英和辞典や英英辞典等に掲載の各種
発音記号のユニットから成るユニットセットを設けてお
いて、商標の文字を発音記号に直して入力するよう構成
することもできる。なお、いずれの場合も、両商標の相
違が特定文字の有無にある場合に対応すべく、空白や対
応文字がない場合に利用するユニットを設けておいても
良い。ただし、後述するように、特定文字のない商標に
おいては、そのユニットセットに全て0を入れることで
対処することもできる。
【0059】ところで、商標中の各文字それぞれについ
て、50音等個々の文字のユニットからなるユニットセ
ットを用意するとユニット数が多くなるので、50音の
場合には、「ア」、「イ」、「ウ」、「エ」、「オ」の
各段と、「カ」、「サ」、「タ」、「ナ」、「ハ」、
「マ」、「ヤ」、「ラ」、「ワ」の各行とに分けて入力
するのが好ましい(図5〜図8参照)。つまり、例えば
「キ」の場合には、「カ」行「イ」段なので、「カ」と
「イ」のユニットにだけ1を入れ、後の全てのユニット
は0として入力できるよう構成するのがよい。なお、
「ア」〜「オ」に関しては、「ア」行を別途用意しても
よいが、ここでは、それぞれ「ア」なら「ア」のユニッ
トだけを1にして、残りのユニットは0にすることによ
り識別する(行のユニットは全て0)。「ン」について
は、「ン」のユニットを別に用意し、そこにのみ1を入
れることで識別する。
【0060】さらに、「ガ」等の濁点を有する文字、
「プ」等の半濁点を有する文字を入力するために、濁点
及び半濁点のユニットを用意し、「ガ」なら、「カ」と
「ア」と濁点の各ユニットにのみ1を入れることにより
識別させる。また、「プ」なら「ハ」と「ウ」と半濁点
の各ユニットにのみ1を入れることにより識別させる。
また、促音「ッ」、拗音用文字「ャ」、「ュ」、
「ョ」、「ヮ」、長音「ー」、外来語用文字「ァ」、
「ィ」、「ゥ」、「ェ」、「ォ」がついた文字を入力す
るために、これらの各ユニットも用意し、例えば「テ
ィ」の場合には、「テ」が「タ」行「エ」段だから、
「タ」と「エ」と外来語用文字「ィ」の3つのユニット
にのみ1を入れる。なお「ディ」の場合には、さらに濁
点のユニットにも1を入れることで対処する。
【0061】ところで、場合により 「ヰ」、「ヱ」、
「ヲ」、「ヴ」、「ヵ」、「ヶ」の他、ハイフン「‐」
等の各種記号等のユニットを別途用意してもよい。な
お、濁点や半濁点、促音、拗音用文字、外来語用文字、
長音等が付いた文字は、それらが付いた状態で1文字分
としてもよいし、それらのみで1字としてもよい。特
に、濁点や半濁点以外のもの(特に促音や長音)は、そ
れのみで1字とすることができる。また、上記では、
「ガ」等の濁点を有する文字、「プ」等の半濁点を有す
る文字を入力するために、濁点及び半濁点のユニットを
別途用意し、「ガ」なら、「カ」と「ア」と濁点の各ユ
ニットにのみ1を入れることにより識別させる例につい
て説明したが、濁点等のついた各文字のユニットを別途
設けることにより対応してもよい。つまり、「ガ」や
「パ」行等、濁点及び半濁点の付いた行ユニット
(「ガ」、「ザ」、「ダ」、「バ」、「パ」の行ユニッ
ト)を設けることで対応することもできる。
【0062】なお、外来語用文字の「ウ」等、比較的使
用頻度の低い文字のユニットは、省略してもよい。つま
り、設けるユニットは、(学習)パターン情報中の文字
による。また、「ヴァ」を「バ」にしたり、「ヴィ」を
「ビ」にしたり、「ヂ」を「ジ」にしたりして、文字を
ある程度絞って入力することも可能である。
【0063】本実施例では、「ア」〜「ン」の50音の
各文字を1文字の基本として、原則として、それらに濁
点や半濁点、促音、拗音用文字、外来語用文字、長音等
が付いた状態で1文字と判断することにした。例えば、
「ボ」や「ピ」等、濁点や半濁点が付いた文字は勿論、
「ロッ」、「キョ」、「ウォ」、「クー」等、促音、拗
音用文字、外来語用文字、長音等が付いた文字は、それ
らが付いた状態で1文字とすることにする。また、「デ
ィッ」や「ティー」等、促音や長音等が2以上付いた文
字も、原則として、それら全てが付いた状態で1文字と
する。長音や促音が付いた状態で1字とすることで、
「ジャヴァ」と「ジャバー」や、「シャンティー」と
「シャンディ」、「シンクレート」と 「シンクレータ
ー」、「ユースター」と「アスター」、「バイミプ」と
「バイディップ」のような場合でも、1字違いとして対
比することが可能となり、汎用性が高くなる。また、相
違文字付近をできるだけ広く抽出して判断することがで
き、好適である。
【0064】但し、本発明では、対比する2以上の商標
を考えているので、互いに相違する部分に、これら長音
等がついた場合には例外がある。つまり、上記法則で、
一方の商標においては、長音等を付けた状態で1文字と
できても、他方の商標において、その文字と対応する文
字が2文字になってしまう場合には、長音等のみでも1
字とすることにした。
【0065】例えば、「ホームガード」と「ホームガイ
ド」の2商標を比較する場合では、相違部分は、「ガー
ド」の「ー」と「ガイド」の「イ」である。そして、
「ガード」の方だけを観察すると、「ガー」で1文字と
することもできるが、そのようにした場合には、「ガ
ー」と対応する対応文字を他方の商標で見ると、「ガ
イ」となり「ガ」と「イ」の2文字になってしまう。従
って、この場合には、「ガー」を「ガ」と「ー」の2文
字に分けて考え、「ー」と「イ」とを比較することにす
る。
【0066】また、「アースラット」と「アースライ
ト」との比較の場合にも、一方の商標の「ラッ」の部分
は1文字とすることができるが、それでは他方の対応文
字が「ラ」と「イ」の2文字となってしまうので、この
ような場合も、「ラッ」を「ラ」と「ッ」の2文字に分
けて、「ッ」も1文字ととらえて、この「ッ」を他方の
商標中の対応文字「イ」と比較することにする。その
他、同様に、「コーユー」と「コウユー」との比較の場
合は、「ー」と「ウ」とを1文字同士として比較し、
「カルティエ」と「カルティー」との比較の場合には、
「エ」と「ー」とを1文字同士として比較する。
【0067】また、「コープ」と「コアープ」との比較
の場合には、「コー」で1文字とすると、他方の商標の
対応文字が「コアー」になってしまう。そこで、この場
合には、「コー」を「コ」と「ー」に分けて、その
「ー」と、他方の商標中の対応文字「アー」とを比較す
ることにする。一方、「ユースター」と「アスター」と
を比較する場合には、相違部分は、「ユー」と「ア」と
なり、長音「ー」を付けた状態で比較しても、他方の商
標が2文字になるおそれがない場合には、分解しない。
【0068】なお、互いに相違する部分以外の箇所の文
字は、他方の商標の文字と同じであるため、長音等を付
けても2文字になるおそれはなく、従って、促音や長音
等を付けた状態で1文字とする。すなわち、原則として
長音等が付いた状態で1文字とし、相違文字近辺にのみ
例外則が適用される。その判断は、以下の通りである。
なお、ここでは、便宜上、1文字違いの商標の対比を考
えている。
【0069】まず、両商標の相違を見つける。 (1)相違が特定文字の相違にある場合 (a)50音文字(促音等付きの場合もある)同士の相
違の場合 その50音文字に促音等がついていれば、それらを含め
て1字として、比較する。例えば、「チオコール」と
「チモコール」との比較の場合、「オ」と「モ」とが相
違するので、「オ」と「モ」を比較対象として抽出す
る。また、「ロイアン」と「ロイファン」との比較の場
合、「ア」と「ファ」とを抽出する。さらに、「チャッ
コ」と「サッコ」との比較の場合、「チャ」と「サ」と
が相違するが、それぞれに「ッ」が付いているので、
「チャッ」と「サッ」とを比較対象として抽出する。
「マイクロテック」と「マイクロディック」との比較の
場合も同様に、「テッ」と「ディッ」とを比較対象とし
て抽出し、「シンクレート」と「シンクレーター」との
比較の場合も同様に、「ト」と「ター」とを比較対象と
して抽出する。また、「エフエッチイー」と「エフエッ
チビー」の場合には、「イー」と「ビー」を抽出する。
さらに、「ジャヴァ」と「ジャバー」との場合には、
「ヴァ」と「バー」とが抽出される。
【0070】(b)50音文字と促音等との相違である
場合 その50音文字と、促音等とをそれぞれ1文字として比
較する。例えば、「ハイター」と「ハッター」との比較
の場合、「イ」と「ッ」とが相違するので、「イ」と
「ッ」を比較対象として抽出する。「カロルド」と「カ
ロード」との比較の場合、「ル」と「ー」とが相違する
ので、「ル」と「ー」を比較対象として抽出する。も
し、他方の商標から「ロー」を抽出すると、それと対応
する文字として、一方の商標からは「ロル」を抽出する
ことになり、2文字になってしまうからである。
【0071】(c)促音等同士の相違である場合 その促音等の前にある50音文字を含めて1文字として
比較する。例えば、「ルリード」と「ルリッド」との比
較の場合、「ー」と「ッ」とが相違するが、「リー」と
「リッ」を比較対象として抽出する。「チャッコ」と
「チャコ」との比較の場合は、「ャッ」と「ャ」とが相
違するが、「チャッ」と「チャ」を比較対象として抽出
する。なお、「チャッコ」と「チャコ」の場合、促音
「ッ」の有無に相違があると考えてもよく、その場合で
も後述の方法によって結果は同じになる。
【0072】(2)相違が特定文字の有無にある場合 (a)50音文字(促音等付きの場合もある)の有無の
場合 その特定文字のある一方の商標からは、その50音文字
を抽出し、その特定文字のない他方の商標からは、原則
として空白を比較対象として抽出する。その際、原則と
して、50音文字に促音等が付いていれば、それらを含
めて1字とする。例えば、「ジョアナ」と「ジョナ」と
の比較の場合、「ア」の文字の有無に相違があるので、
「ア」と「_」(空白)とを比較対象として抽出する。
また、「ジョルジュサンク」と「ジョルサンク」との比
較の場合、「ジュ」の文字の有無に相違があるので、
「ジュ」と「_」(空白)とを比較対象として抽出す
る。さらに、「イイチコ」と「イチコ」の場合、「イ」
と「_」(空白)が抽出され、「エスエスケーケー」と
「エスエスケー」との比較の場合、「ケー」の文字の有
無に相違があるので、「ケー」と「_」(空白)とを比
較対象として抽出する。なお、対応文字がない旨
(「_」)は、それを識別するための専用のユニットを
ユニットセット内に設け、対応文字がないときにそこに
1を入れることで対応してもよい。
【0073】なお、「イイチコ」と「イチコ」の場合、
「イイチコ」内の2つの「イ」の内、いずれの「イ」を
相違文字とすることもできるが、この実施例では、先頭
の「イ」の有無と考えた。この実施例では、前述のとお
り、促音や長音等も出来る限り含めて1文字ととらえよ
うしており、これと同様、出来る限りまとまりのある形
で対比部分を抽出する趣旨を貫いたものである。よっ
て、上記「エスエスケーケー」と「エスエスケー」との
場合も、両者の共通部分をできるだけ大きく取って、
「エスエスケーケー」から後ろ側の「ケー」を抽出し
た。一方、「シアーズ」と「シーズ」との比較の場合、
「ア」の有無に相違があるが、その「ア」には長音
「ー」が付いているので「アー」を抽出し、他方の商標
からは「アー」と対応する「ー」を抽出する。
【0074】(b)促音や長音のみの有無の場合 その促音等のある一方の商標からは、促音等の前の50
音も含めて1字として抽出し、その促音等のない他方の
商標からは、対応する50音を比較対象として抽出す
る。例えば、「ニッケ」と「ニケ」との比較の場合、
「ッ」の有無に相違があるが、「ッ」の前の「ニ」の文
字も含めて「ニッ」を抽出し、他方の商標からは、その
対応文字として「ニ」を抽出する。また、「エージー」
と「エージ」との比較の場合も、「ー」の有無に相違が
あるが、「ジー」と「ジ」とを比較対象として抽出す
る。
【0075】このようにして、両商標の各文字を入力し
ていく。例えば3文字商標までを入力できるネットワー
クでは、両商標の3つの文字をそれぞれ入力するために
6つのユニットセットを用意しておき、各文字について
入力していく。なお、この場合において、両商標の対応
する文字は、対応するユニットセットに入力していくの
がよい。すなわち、例えば第1商標が「アイウ」で、第
2商標が「アウ」の場合、第1商標は、「ア」「イ」
「ウ」を順に入れていくが、第2商標では、第1商標と
比較して「イ」がないので、「ア」を入れた後、次の文
字を入力する対応ユニットセットでは全て0にする等し
て対応文字がない(空白である)ことを識別させ、その
後、「ウ」を入れていくのがよい。この対応を考える際
に、上述した相違部分の抽出法則が適用される。
【0076】ところで、上記3文字商標までを入力でき
るネットワークでは、3文字商標は勿論、それ以外の文
字数の商標にも対応可能である。つまり、商標の類否は
主として、相違文字部分が大きなウエートを占めるの
で、その相違部分近辺を入力することで、4文字以上の
商標の主要部を入力して対応することができる。例え
ば、「カキクケコ」と「カケクケコ」との類否を上記3
文字商標用のネットワークで判断したい場合には、一方
の商標中の第二文字「キ」と他方の商標中の第2文字
「ケ」とが相違するので、この相違部分を中心として
「カキク」と「カケク」を入力すればよい。逆に、2文
字以下の商標は、余ったユニットセットを0にしておく
ことで対応可能である。よって、ユニットセットを何文
字分だけ用意するかは、適宜に設定される。
【0077】全文字を入れる場合には、収集データの商
標中、最も語長の長い商標の文字数分の2倍だけユニッ
トセットを用意して対処できる。両商標の相違部分を中
心に入力する場合には、一般的な商標を構成する文字数
分(例えば3〜7文字(なお、これ以上の文字数も可能
である(例えば10文字等)))の2倍のユニットセッ
トを用意して対処するのがよい。
【0078】次に、何文字商標用ということではなく、
1文字違いの商標同士の類否判断が可能なシステムにつ
いて考えることにする。つまり、少なくとも互いに相違
する各1文字同士を入力するネットワークについて考え
る。ところが、この場合、相違する互いの文字同士が同
じ場合であっても、その前後の文字の相違や、あるいは
相違文字が語頭ないし語尾等、商標中のどこにあるかに
よって商標の類否判断に影響を与えるものと考えられ
る。よって、互いに相違する文字の他、類否判断に影響
を与えそうなその他の項目を入力するのが好ましい。
【0079】この実施例では、図3に示すように、
(1)商標Iと商標IIとの二商標の内、互いに相違す
る文字それぞれの他、(2)二商標の内、一方の商標
(例えば語長の長い方の商標I)の語長、(3)前記一
方の商標において、前記互いに相違する文字の商標全体
における位置、(4)前記一方の商標において、前記互
いに相違する文字の前後の各文字等を入力できるシステ
ムとした。なお、(2)から(4)の項目は、全てでな
くても、いずれか1以上の入力でもよい。また、両商標
の文字数が同じときは、いずれの商標を、語長の長い方
の商標としてもよいことは勿論である。
【0080】ところで、語頭に相違がある場合、相違文
字の前の文字は空白とし、語尾に相違がある場合、相違
文字の後の文字は空白とし、特定文字の有無に相違があ
る場合、その特定文字のない商標における相違文字は空
白とすることにする。そして、空白は、ユニットセット
の各ユニットに全て0を入れることで識別することにし
た。この場合も、対応文字がない旨を識別するための専
用のユニットで対応してもよいことは勿論である。
【0081】ここで、(1)及び(4)の各文字の入力
は、上述した50音等識別用のユニットセットの各ユニ
ットに1又は0を入力することで対処し、(2)はパタ
ーン情報の内、最大文字数の商標の文字数を1、最小文
字数の商標の文字数を0として0〜1に正規化して入力
し、(3)は両商標の相違が語頭にある場合を0、語尾
にある場合を1として0〜1に正規化して入力した。
【0082】なお、正規化は次式で行われる。 Q=(P−Pmin)/(Pmax−Pmin) ここで、正規化後のパターン情報をQ、パターン情報に
おける各項目の数値をP、各項目の最大値をPmax
最小値をPminで示した。また、図4には、主要な文
字数の商標に対する相違文字の位置の正規化データの例
を示し、この正規化は、(先頭からの文字数−1)/
(その商標の語長−1)で定義される。なお、相違文字
の位置は、語頭から何文字目かを入力すること等で対応
することもできる。
【0083】例えば、「エイボン」と「エーボン」との
比較の場合、上記(1)は「イ」と「ー」となり、
(2)は4となり、(3)は相違文字が語頭から2文字
目にあるから0.333となり(図4参照)、(4)は
「エ」と「ボ」となる。そして、両商標が過去の審決に
おいて類似と判断されていた場合には、この実施例では
出力層に1を入れる。また、「スイホウ」と「ズイホ
ウ」との比較の場合、上記(1)は「ス」と「ズ」とな
り、(2)は4となり、(3)は語頭の相違だから0と
なり、(4)は「_」(空白)と「イ」となる。そし
て、両商標が過去の審決において類似と判断されていた
場合には、出力層に1を入れる。
【0084】また、「オークス」と「オーク」との比較
の場合、上記(1)は「ス」と「_」(空白)となり、
(2)は3となり、(3)は語尾の相違だから1とな
り、(4)は「ク」と「_」(空白)となる。そして、
両商標が過去の審決において非類似と判断されていた場
合には、出力層に0を入れる。さらに、「ディム」と
「ジム」との比較の場合、上記(1)は「ディ」と
「ジ」となり、(2)は2となり、(3)は語頭の相違
だから0となり、(4)は「_」(空白)と「ム」とな
る。そして、両商標が過去の審決において非類似と判断
されていた場合には、出力層に0を入れる。なお、図5
〜図8には、パターン情報の一例を示している。但し、
語長と相違文字の語頭からの位置については、正規化前
の数値である。
【0085】図9に示すように、2字違いの二つの文字
商標の類否判断を行う場合には、二商標の内、互いに相
違する文字それぞれ2つずつを入力する。この場合も、
類否判断に影響を与えそうなその他の項目を入力するこ
とができる。例えば、(1)商標Iと商標IIとの二商
標の内、互いに相違する文字それぞれ2つずつの他、
(2)二商標の内、一方の商標(例えば、語長の長い方
の商標I)の語長、(3)前記一方の商標において、前
記互いに相違する各文字の商標全体におけるそれぞれの
位置、(4)前記一方の商標において、前記互いに相違
する各文字の前後の各文字などである。そして、これら
の1以上を入力可能であり、本実施例ではこれらの内、
(1)〜(3)の3つを入力してネットワークを構築し
ている。
【0086】なお、上記1字違い用のネットワークと、
2字違い用のネットワークとは、いずれも本実施例では
4つの文字を入力することができることになる。よっ
て、両者を1つのネットワークで構築することも可能で
ある。つまり、1字違い用には、互いに異なる文字とそ
の前後の文字を入力し、2字違い用には、互いに異なる
文字2つずつを入力するようにして、1字違いか2字違
いかを判別させるためのユニットを別途設けておき、そ
のユニットには1字違いの場合には0を入れ、2字違い
の場合には1を入れる等して判別するのである。
【0087】ネットワークの構築には、2つの文字商標
の称呼類否についての過去の多数の商標審決の結果を利
用し、その審決の内容を上記法則にてパターン情報にし
て、ニューラルネットワーク学習プログラムに学習させ
る。具体的な学習方法や学習プログラムは、既存の各種
のもの(例えば上述の文献参照)が使用可能であるが、
ここでは3層パーセプトロンを考え、バックプロパゲー
ションの逐次修正法にて学習させた。なお、中間層の数
や、中間層のユニット数、学習の際に必要な各種パラメ
ータは適宜に設定される。
【0088】ところで、ニューラルネットワーク構築の
ための学習は、例えばパソコンにて実現される。すなわ
ち、パソコンには、ニューラルネットワーク学習手段
(プログラム)や、学習の際に必要な多数のパターン情
報を蓄積したパターン情報蓄積手段等からなるニューロ
モデル構築手段が備えられており、学習の結果得られた
結合荷重等を結合荷重蓄積手段に保存する。なお、パタ
ーン情報の作成を容易にするために、対比する商標(文
字)を入れるだけで、自動的にパターン情報に変換する
正規化処理手段(プログラム)を設けておくのが好まし
い。
【0089】図3の1字違い商標同士の類否判断を行う
ネットワークを構築するための学習用の各パターン情報
について説明すると、入力層は、語長の長い方の商標の
語長と、語長の長い方の商標における互いに相違する文
字の商標全体における位置とを、それぞれ0〜1に正規
化した値と、二商標の内の互いに相違する文字それぞれ
と、語長の長い方の商標における前記互いに相違する文
字の前後の各文字を入力できる合計4つのユニットセッ
トの各ユニットに0又は1のいずれかを配置する一方、
出力層は、両商標が非類似と判断された場合には0を、
類似と判断された場合には1を配置して構成した。とこ
ろで、本実施例では、アルファベットは考慮せず、アル
ファベットの場合はその読みを入れることにした。
【0090】この場合、各ユニットセットは、上述した
ように、「ア」、「イ」、「ウ」、「エ」、「オ」の各
段と、「カ」、「サ」、「タ」、「ナ」、「ハ」、
「マ」、「ヤ」、「ラ」、「ワ」の各行と、撥音
「ン」、濁点「゛」、半濁点「゜」、促音「ッ」、拗音
用文字「ャ」、「ュ」、「ョ」、「ヮ」、長音「ー」、
外来語用文字「ァ」、「ィ」、「ゥ」、「ェ」、「ォ」
の合計28個のユニットからなる。よって、ネットワー
クの入力層全体のユニット数は、2+28×4=114
となり、出力層のユニット数は、類否判断の1ユニット
だけとなる。なお、場合によっては、各ユニットセット
において、拗音用文字「ヮ」や外来語用文字「ゥ」等の
ユニットを省略したり、或いは他の項目のユニットを付
加できることは上述したとおりである。
【0091】そして、過去の多数の審決例からパターン
情報を作成し学習させ、適当に誤差が減った時点での各
ユニット間の結合荷重等を保存して、それによってニュ
ーラルネットワークを構築する。例えば、期待出力とネ
ットの出力の2乗誤差の総和が所定値以下となったとき
の結合荷重等を用いる。或いは、学習過程で評価パター
ン(教師以外のパターン情報)を用いて、評価パターン
に対する誤差が最小となった時点の結合荷重等を用いる
方法もある。これは、図10に示すように、学習回数を
多くすると、教師パターンに対する認識は向上するが、
それ以外のパターン情報に対する認識は逆に低下すると
いう過学習を防止するために有効であり、図において学
習回数Aの時点の結合荷重等を採用するものである。
【0092】そして、2商標の類否判断をしたい場合に
は、それら2商標から作成した入力層パターン情報をネ
ットワークの入力層に入力する。すると、ネットワーク
は、出力層に0〜1の範囲の値を出力するので、その値
から両商標の類否を見ることができる。この実施例の場
合、上述のように、学習用教師データには、非類似を
0、類似を1としているので、出力層の値が1に近い
程、両商標が互いに類似していることが分かる。なお、
プログラム上において、出力層の値から自動的に「類
似」ないし「非類似」のいずれかを表示するように構成
してもよい。例えば、0以上0.5未満ならば「非類
似」とし、0.5以上1以下ならば「類似」と表示する
ようにすることもできる。
【0093】次に、2字違い商標同士の類否を判断する
ネットワークの他の例について考える。この実施例で
は、一方の商標中の連続する二以上の文字を入力可能に
構成し、各文字入力用のユニットセットには、それぞれ
1以上の補助ユニットが併設されている。この補助ユニ
ットは、それに併設のユニットセットによって入力され
る一方の商標中の文字に関し、その文字と対応する対応
文字が他方の商標中にない旨や、その文字と対応する対
応文字が他方の商標中では他の文字に入れ替わる旨等、
他方の商標中の対応部分との相違の有無を識別するもの
である。
【0094】図11のネットワークでは、連続する5文
字を入力可能とされ、二文字の相違までに対応するた
め、第1と第2の二つの補助ユニットを各ユニットセッ
トにそれぞれ併設している。なお、図11では、商標構
成文字をそのまま示したが、上記実施例と同様に、適宜
の手段により数値化してニューロを構築することは勿論
である。つまり、各構成文字はユニットセットにより識
別され、入力される。また、語長等のその他の項目も適
宜追加してもよいことも当然である(以降の各ネットワ
ークでも同様)。
【0095】入力層には更に、前記各補助ユニットに対
応して、対応文字がない旨や、相違文字等が入力される
ユニットセットが併設されている。この実施例では、補
助ユニットの数が2つであるから、これに対応して相違
文字等を入れるための文字識別用の二つのユニットセッ
トを入力層に併設している。そして、出力層には、前記
各実施例と同様に、類否判断結果を入力するためのユニ
ットが設けられている。
【0096】このネットワークの場合、1以上の相違文
字を含むように、一方の商標中の連続する5文字以下の
文字を入力することで、商標の一部ないし全部が入力層
に入力される。そして、互いに相違する相違文字を入れ
たユニットセットに併設の補助ユニットには1を入れ、
その他の補助ユニットには0を入れる。この場合におい
て、1つ目の相違文字には第1補助ユニットを利用し、
二つ目の相違文字には第2補助ユニットが利用される。
【0097】第1補助ユニットに1が入れられたユニッ
トセットの文字と対応する他方の商標中の相違文字等
が、相違文字用の第1ユニットセットに入力され、第2
補助ユニットに1が入れられたユニットセットの文字と
対応する他方の商標中の相違文字等が、相違文字用の第
2ユニットセットに入力される。なお、一方の商標中に
あって他方の商標には対応文字がない場合には、相違文
字用のユニットセットの各ユニットには全てに0を入れ
ることにより、或いはユニットセット内に専用のユニッ
トを設けてそこにのみ1を入れることで対応する。
【0098】二文字の相違がある場合には、二つの補助
ユニットとそれに対応した二つの相違文字用のユニット
セットを用いるが、1文字だけ相違する商標にも対応す
ることができる。この場合、一方の補助ユニット(図示
例のパターン情報では第1補助ユニット)のみを使用
し、第二補助ユニット及びそれに対応した相違文字入力
用のユニットセットには全て0を入れておく等して対応
する。
【0099】図示例では、連続する5文字入力用のネッ
トワークであるが、それ以外の文字数の商標にも対応可
能である。5文字以下の商標の場合には、余ったユニッ
トセットに全て0を入れる等して対応することができる
し、6文字以上の商標の場合には、互いに相違する部分
を中心に入力することで対応することができる。
【0100】なお、連続する5文字入力用のネットワー
クに限らず、文字入力用のユニットセットの数を変更す
ることで入力可能文字数は適宜増減することができる。
さらに、2字以下の相違がある商標同士の類否判断に対
応可能な例を示したが、補助ユニット及びそれに対応し
た相違文字入力用のユニットセットの数を適宜増減させ
ることで、3字以上の相違のある商標の類否判断にも対
応可能となる。
【0101】上記図11のネットワークでは、任意の位
置のユニットセットに相違文字が入力される構成であっ
たが、相違文字が入力されるユニットセットを特定のも
のに揃えて入力してもよい。図12のネットワークで
は、一方の商標中の連続する6文字を入力可能に構成
し、その内の2番目と5番目のユニットセットに相違文
字が入力されるよう構成されている。そして、2番目及
び5番目の各文字に対応してそれと入れ替わる文字等を
入力するための相違文字用の2つのユニットセットが入
力層に併設されている。
【0102】このネットワークの場合、互いに相違する
各文字を2番目と5番目に配置して商標が入力される。
2文字までの相違(相違文字が2つまで)の類否判断に
対応することができる。相違文字間に2つの共通文字が
挟まれている場合には、その各共通文字を第3ユニット
セット及び第4ユニットセットに入力すればよい。相違
文字間に共通文字が1つだけ挟まれている場合には、第
3又は第4のユニットセットの一方に共通文字を入れ、
他方のユニットセットには文字がない旨を入力すればよ
い。なお、文字がない旨は、ユニットセット内の全ユニ
ットに0を入れたり、或いは専用のユニットを設けてそ
こに1を入れることで対応する。相違文字間に共通文字
がなく、相違文字が隣接して配置されている場合には、
第3及び第4ユニットセットには、それぞれ文字がない
旨が入力される。相違文字間に共通文字が3字以上ある
場合には、各相違文字に隣接した共通文字を優先して、
第3ユニットセットと第4ユニットセットに入力して、
隣接した共通文字間の他の共通文字の入力は省略する。
【0103】一方、第1ユニットセットには、第2ユニ
ットセットに入力される相違文字の前側の共通文字が入
力される。もし、相違文字が語頭にある場合には、前側
の文字がない旨が入力される。同様に、第6ユニットセ
ットには、第5ユニットセットに入力される相違文字の
後側の共通文字が入力される。もし、相違文字が語尾に
ある場合には、後側の文字がない旨が上述と同様の手法
により入力される。二文字の相違がある場合には、第2
と第5の各ユニットセットを用いるが、1文字だけ相違
する商標同士の類否にも対応することができる。この場
合、一方のユニットセット(図示例のパターン情報では
第2ユニットセット)のみを使用し、第5のユニットセ
ット等には全てに0を入れる等して相違文字がない旨を
識別させて対応する。
【0104】図示例では、連続する6文字を入力するユ
ニットセットを備えているが、6文字以外の文字数の商
標にも対応できることは、前記図11のネットワークの
場合と同様である。また、連続する6文字入力用のネッ
トワークに限らず、ユニットセットの数を変更すること
で、入力文字数は適宜増減することができる。さらに、
2字以下の相違がある商標同士の類否判断に対応可能な
例を示したが、相違文字用のユニットセットの数を変更
することで、3字以上の相違のある商標の類否判断にも
対応可能となる。その上、この実施例では相違文字間の
入力文字を2文字としたが、相違文字間に配置するユニ
ットセットの数を増減することで対応可能となる。例え
ば、文字入力用のユニットセットを1つ増やすことで、
相違文字間に3文字までを挟んだ商標の類否判断にも対
応可能に構成することもできる。
【0105】この実施例では、相違文字入力用の第2及
び第5のユニットセット間に二つのユニットセットを配
置して、相違文字間の2文字までの共通文字を入力する
例について示したが、相違文字間の共通文字の文字数を
所定の数として、それに専門的に対応したネットワーク
とすることもできる。
【0106】例えば、上記のように、相違文字間に二文
字を入れられるネットワークには、相違文字間に必ず二
文字を有する商標についてばかりを学習させて、そのよ
うな商標同士の類否判断専用のネットワークとする。ま
た、これと同様にして、図示例において第4ユニットセ
ットを省略して、相違文字間の共通文字の数が1文字の
商標同士の類否判断専用のネットワークとしたり、或い
は図示例において第3及び第4の各ユニットセットを省
略して、相違文字が隣接(相違文字間の共通文字の数が
0)した商標同士の類否判断専用のネットワークとする
ことができる。さらに、図示例において共通文字入力用
のユニットセットを増やすことで、相違文字間の共通文
字の数が3文字以上の商標同士の類否判断専用のネット
ワークとすることもできる。
【0107】次に、二字違い商標の類否を判断するネッ
トワークの更に他の実施例について考える。一方の商標
中の任意の位置の二文字を互いに入れ替えたものが、他
方の商標となる場合には、図13に示すようなネットワ
ークを構築して類否判断に利用することができる。
【0108】このネットワークでは、文字入力用の複数
のユニットセットを入力層に配置することで、一方の商
標中の連続する二以上の文字を入力層に入力可能に構成
し、各ユニットセットには補助ユニットを併設してお
く。図示例では、5つの連続する文字を入力可能に構成
している。文字入力用の各ユニットセットに対応して設
けられた補助ユニットには、対応ユニットセットで入力
される文字が入替文字の一方である場合にのみ1が入れ
られ、その他の場合には0が入れられる。
【0109】このような構成であるから、二つの入替文
字を含んだ形で、一方の商標の全部又は一部を入力層に
入力すると共に、各補助ユニットには入替文字に1を、
そうでない文字には0を入れられる。なお、このネット
ワークでも、出力層には類似(1)ないし非類似(0)
の別が与えられる。よって、一方の商標中の任意の位置
の2文字を互いに入れ替えたものが他方の商標である場
合のその商標間の類否判断をしたい場合には、対比する
商標について作成した入力層パターン情報を入力層に入
力することで、出力層の出力によってその類似度をみる
ことができる。
【0110】二つの入替文字が連続して配置されている
商標同士の類否を専門的に判断するネットワークを構築
することもできる。つまり、一方の商標中の隣接した二
文字を互いに入れ替えたものが他方の商標となる場合の
両商標の類否を判断するネットワークを構築することも
できる。この場合、図14に示すように、少なくとも二
つの相違文字を入力層に入れ、出力層にはその類否判断
結果を出力させる。なお、入力層には、連続した二つの
入替文字からなる文字列の前後の文字等、他の項目を入
力してもよいことは他の実施例の場合と同様に可能であ
る。
【0111】上記各実施例では、直接的に商標の類否判
断結果を出力する例について説明したが、過去の商標審
決例等を参照することで、間接的に商標の類否を判断す
るためのネットワークを構築することもできる。この場
合、出力層に、類否判断結果に代えて、商標審決例を特
定させるよう構成する。この場合のネットワークの構成
とパターン情報の例を図15に示した。
【0112】このニューロでは、審判事件特定のために
出力層に審判番号を出力するよう構成している。つま
り、入力層に、対比する2つの商標の特徴部が入力さ
れ、出力層に、その審判番号が入力されてネットワーク
が構築されている。入力層の構成は、上記各実施例のネ
ットワークのものが使用できる。一方、出力層の審判事
件の特定は、例えば、各審判事件固有のユニットを多数
設け、該当するユニットにのみ1を入れることにより識
別することができる。
【0113】この場合、対比する二商標について作成し
た入力層パターン情報を入力すると、出力層には、各審
判事件のユニットに0から1までの値を出力するので、
この内、最も1に近い値を出力したユニットの審判事件
を参照して、両商標の類否判断に役立てることができ
る。なお、複数の審判事件を参照してもよいことは勿論
である。
【0114】なお、出力層には、審判事件に固有の0又
は1の2値パターンを出力するよう構成してもよく、こ
の場合、対比する商標に関する入力層パターン情報を入
力層に入れた場合の出力層の出力パターンに最も近似し
たパターンを有する審判事件を参照すればよい。
【0115】次に、本発明の類似文字列作成方法につい
て説明する。ここでは、文字列として、文字商標を考え
る。類似商標作成には、上記各実施例で述べたニューラ
ルネットワークを利用することができる。
【0116】例えば、図3のネットワーク、つまり入力
層に、対比する二つの商標の相違文字とその前後の各文
字を入れ、出力層にその類似度を出力するネットワーク
を利用した類似文字列の作成方法について述べる。な
お、ここでは便宜上、語長や相違文字の位置は考慮しな
いネットワークを考えるが、これらを考慮してもよいこ
とは勿論である。この場合、類似文字列作成の基礎とな
る特定の第1文字列から複数の文字列を展開して作成
し、入力層に、この各文字列と50音等からなる第2文
字(第2文字列)とを順に入力することにより、それら
の間の各類似度を出力して、その類似度が所定値以上と
なった第2文字を利用して第1文字列の類似文字列を作
成する。なお、ここでは第2文字は、50音等からなる
1文字を基本とするが、ネットワークの性質からみて、
実質上その前後に、前後の各文字をつけた文字列(第2
文字列)として認識することができるものである。ネッ
トワークは、相違文字とその前後の各共通文字との3文
字同士を比較するよう構成されているからである。
【0117】類似文字の作成について具体的に説明す
る。例えば、3文字商標「ガイド」の類似文字列を作成
する方法について考える。まず、基礎商標「ガイド」を
構成する各文字が他の文字に入れ替わった類似商標と、
基礎商標「ガイド」の語頭と語尾に他の文字が付いた類
似商標の作成について考える。これには、入替ないし付
加したい部分を入力層の相違文字に配置して、その前後
の文字を入力層に入れることにより行う。
【0118】つまり、入力層に、「__ガ」(前側の文
字に「_」、相違文字に「_」、後側の文字に「ガ」)
と、適宜に作成した第2文字を順に入れる。第二文字と
しては、「ア」〜「ン」の50音や、濁音や半濁音の各
文字、促音、長音、拗音、外来語用文字ないしこれらが
付いた文字等が順に採用される。例えば、図2に掲載の
各文字が順に採用される。
【0119】そして、「__ガ」と、各第2文字との各
類似度を出力し、その内、類似度が所定値以上となった
第2文字が採択される。類似度の所定値としては、適宜
に設定可能であるが、たとえば0.5以上の数値であ
り、0.7ないし0.8以上のものが好適に採用され
る。採択される第2文字は、類似度の最大値となったも
のは勿論のこと、類似度が所定値以上のもの複数を採択
するのがよい。また、所定値以上の類似度がなかった場
合には、全く採択されないこともあり得る。
【0120】このようにして、「ガイド」の語頭に別の
語の付いた「?ガイド」が「ガイド」の類似文字列とし
て作成される。なお「?」は上記方法により採択された
第二文字である。また、「_ガイ」と適宜の第2文字を
入力層に入れることにより、「ガイド」の「ガ」が他の
文字に入れ替わった類似文字列「?イド」が作成され
る。
【0121】また、「ガイド」と適宜の第2文字を入力
層に入れることにより、「ガイド」の「イ」が他の文字
に入れ替わった類似文字列「ガ?ド」が作成される。ま
た、「イド_」と適宜の第2文字を入力層に入れること
により、「ガイド」の「ド」が他の文字に入れ替わった
類似文字列「ガイ?」が作成される。また、「ド__」
と適宜の第2文字を入力層に入れることにより、語尾に
別の語の付いた「ガイド?」が「ガイド」の類似文字列
として作成される。
【0122】次に、基礎商標「ガイド」の各構成文字間
に他の文字が加入された類似文字列の作成について考え
る。この場合は、付加したい字間部分を入力層の相違文
字に配置して、その前後の文字を入力層に入れることに
より行う。これには、まず、「ガ_イ」と適宜の第二文
字を入力層に入れることにより、「ガイド」の「ガ」と
「イ」との間に他の文字が付加された類似文字列「ガ?
イド」が作成される。また、「イ_ド」と適宜の第二文
字を入力層に入れることにより、「ガイド」の「イ」と
「ド」との間に他の文字が付加された類似文字列「ガイ
?ド」が作成される。
【0123】さらに、「ガイド」の各構成文字の一を削
除した各文字を作成し、その作成された各文字列と「ガ
イド」との類似度を出力して所定値以上の類似度となっ
た文字列のみを残すこともできる。つまり、「ガイド」
の「ガ」を削除した「イド」、「ガイド」の「イ」を削
除した「ガド」、「ガイド」の「ド」を削除した「ガ
イ」の各文字列と「ガイド」との類似度を見るのであ
る。
【0124】「ガイド」と「イド」との場合、相違部分
が「ガ」の有無(「ガ」と「_」)にあるので、「_ガ
イ」と「_」とを入力層に入れて類似度をみればよい。
また、「ガイド」と「ガド」との場合、相違部分が
「イ」の有無(「イ」と「_」)にあるので、「ガイ
ド」と「_」とを入力層に入れて類似度をみればよい。
さらに、「ガイド」と「ガイ」との場合、相違部分が
「ド」の有無(「ド」と「_」)にあるので、「イド
_」と「_」とを入力層に入れて類似度をみればよい。
そして、所定の類似度のものだけを残すのである。
【0125】但し、構成文字の削除については、通常、
構成文字の入替の判断で済むから省略することができ
る。つまり、この例の場合、「イド」は、「_ガイ」と
第二文字「_」との比較の際に類似度が高ければ採用さ
れているはずだからである。また、「ガド」や「ガイ」
も同様に、「ガイド」ないし「イド_」と第二文字
「_」との比較により類似度が高ければ採用されている
はずだからである。
【0126】このようにして、「ガイド」の類似文字列
を作成するのであるが、商標データベースからこれらを
検索する際には、「ガイド」そのものや類似文字列とず
ばり同一のもののみならず、それらを含んだ商標を検索
するように構成することもできる。含む商標を検索する
際には、語頭や語尾の付加の上記判断を省略することも
できる。
【0127】上記では、1字違い類似商標の作成につい
て述べたが、上述のようにして採用された複数の第二文
字を用いて2字違い以上の商標を作成することもでき
る。例えば、「?ガ?ド」等である。
【0128】なお、ここでは3文字商標「ガイド」につ
いて述べたが、その他の文字数の商標の類似商標作成に
も、同様の手法により対応することができる。例えば、
4字商標「セガステ」の類似商標を作成したい場合に
は、「__セ」、「_セガ」、「セガス」、「ガス
テ」、「ステ_」、「テ__」、「セ_ガ」、「ガ_
ス」、「ス_テ」の各文字列と適宜の第二文字との類似
度を出して、所定の類似度となった第二文字により、
「?セガステ」、「?ガステ」、「セ?ステ」、「セガ
?テ」、「セガス?」、「セガステ?」、「セ?ガス
テ」、「セガ?ステ」、「セガス?テ」を「セガステ」
の類似文字列として作成することができる。なお、
「?」部は、削除を意味する場合のあることは上記「ガ
イド」の例の場合と同様である。例えば「セ?ステ」に
は「セステ」も含み得る。
【0129】なお、図3のネットワークに限らず、他の
ネットワークを用いて類似文字列を作成することも可能
である。例えば、図9のネットワークを利用して2字違
いの類似商標を作成することもできる。その場合、50
音等の第2文字2つの組み合わせを用いることになる。
そして、この2字違いの類似商標と、前記により作成し
た1字違いの類似商標とを類似商標とすることもでき
る。
【0130】類似商標(類似文字列)作成方法の他の実
施例について説明する。この実施例では、互いに類似す
るとされた審決例等にのみ基づいて作成したネットワー
クが利用される。すなわち、入力層に、互いに類似する
とされた一方の商標の特徴部を入れ、出力層に、互いに
類似するとされた他方の商標の特徴部を入れて構築した
ネットワークが利用される。
【0131】例えば、図16のネットワークは、互いに
類似するとされた1字違い商標に基づいて構築されたも
のであり、入力層に、一方の商標の相違文字とその前後
の各文字を入れ、出力層には他方の商標の相違文字が与
えられて構築されている。よって、入力層に文字列「A
BC」を入れると、その類似文字列「AB’C」が得ら
れる構成である。なお、出力層の実際の出力が「B’」
のみであるのは、言うまでもない(「A」と「C」は両
商標共通の文字)。
【0132】そして、今、上記と同様に例えば「ガイ
ド」の類似商標を作成する場合について考える。この場
合、入力層に、「__ガ」(前側の文字に「_」、相違
文字に「_」、後側の文字に「ガ」)を順に入れる。す
ると、出力層の各ユニットの出力から第二文字が採択さ
れる。なお、第二文字の特定を容易にするには、50音
を段と行とに分けて入れるよりも、出力層を例えば図2
の各文字のユニットにより構成するとよい。第2文字
は、複数採択されることもあるし、採択されないことが
あるのは上記実施例と同様である。このようにして、
「ガイド」の語頭に別の文字の付いた「?ガイド」が、
「ガイド」の類似文字列として作成される。
【0133】次に、「_ガイ」を入力層に入れることに
より、「ガイド」の「ガ」が他の文字に入れ替わった類
似文字列「?イド」が作成される。また、「ガイド」を
入力層に入れることにより、「ガイド」の「イ」が他の
文字に入れ替わった類似文字列「ガ?ド」が作成され
る。また、「イド_」を入力層に入れることにより、
「ガイド」の「ド」が他の文字に入れ替わった類似文字
列「ガイ?」が作成される。
【0134】また、「ド__」を入力層に入れることに
より、語尾に別の語の付いた「ガイド?」が類似文字列
として作成される。さらに、「ガ_イ」を入力層に入れ
ることにより、「ガイド」の「ガ」と「イ」との間に他
の文字が付加された類似文字列「ガ?イド」が作成され
る。また、「イ_ド」を入力層に入れることにより、
「ガイド」の「イ」と「ド」との間に他の文字が付加さ
れた類似文字列「ガイ?ド」が作成される。なお、上記
各「?」部は、削除を意味する場合のあることは上記各
実施例の場合と同様である。
【0135】次に、本発明のニューラルネットワークを
用いた商標の類否判断システムについて説明する。この
システムは、前述のようにして構築したニューラルネッ
トワークからなる自動類否判断部を中心的に備えて構成
される。図17及び図18は、この発明の類否判断シス
テムの一実施例を示す概略図である。この実施例のシス
テムは、特許庁に登録ないし出願された商標と、現にな
いし将来、使用ないし出願しようとする商標との類否判
断を支援するシステムである。
【0136】本システムは、ニューロを利用して商標の
類否を判断する自動類否判断部(ニューラルネットワー
クを備える類否判断処理手段)と、特許庁へ登録や出願
された商標が格納された商標データベース5と、類否判
断しようとする商標を入力するためのキーボード2等か
らなる入力装置(入力手段)と、データベースの検索結
果や、自動類否判断部による類否判断結果等を出力する
ディスプレイ3やプリンター4等からなる出力装置(出
力手段)などを備えてなる。
【0137】なお、商標データベース5のないシステム
とすることもでき、その場合には、入力装置2から入力
された2つの商標を特徴抽出部の正規化処理手段にて入
力層パターン情報に変換し、その情報に基づいて自動類
否判断部にて商標の類否判断を行い、その結果を出力装
置に出力するシステムとなる(この場合の処理の流れを
図19に示した)。
【0138】商標データベースには、例えば、商標その
ものや、その1以上の称呼、出願番号や登録番号等が分
類や類似群と共に登録蓄積されている。自動類否判断部
は、上述のようにして、本発明の類否判断方法のために
構築されたニューラルネットワークを備えて構成され
る。
【0139】自動類否判断部は、例えばパソコン1にて
実現される。つまり、パソコンには学習によって得られ
た結合荷重等を用いてニューロを構築し、入力層パター
ン情報に基づいて出力層に出力を与えるニューロ実行手
段(プログラム)が備えられている。また、このパソコ
ン1は、通信回線等を介して商標データベース5を備え
るサーバー等に接続可能とされている。例えば、インタ
ーネットを通じてサーバーに接続可能とされている。な
お、商標データベース5は、CD−ROM等の媒体によ
り実現することもでき、その場合には登録商標等が記憶
されたCD−ROM等をパソコンのCD−ROMドライ
ブ等に入れて起動して利用する。
【0140】そして、所定プログラムをパソコン1上で
起動して、入力装置2から調査対象の商標(入力商標・
特定称呼)を入力する。すると、パソコン1は、商標デ
ータベース5と接続して、データ処理手段によって、入
力商標と同一の商標や、入力商標と1字違い(相違の
他、加入や削除を含む)や2字違い等、及びこれらを一
部に含むもの等の関連商標を検索する。そして、同一商
標があった場合には、その旨が出力装置に出力される。
【0141】また、検索された関連商標と入力装置2か
ら入力された入力商標とは、特徴抽出部で、両商標の互
いに相違する部分等、使用するネットワークに適した特
徴部を抽出されて、正規化処理手段を用いて入力層パタ
ーン情報に変換される。そして、その入力層パターン情
報から自動類否判断部にて類否判断処理を行い(出力層
の出力を得)、その結果を出力装置3に出力する。これ
ら一連の処理の流れは、図20に示される。
【0142】なお、自動類否判断処理を行う自動類否判
断部及び特徴抽出部は、商標データベース側(サーバー
等)に設け、入力装置から入力された商標を通信回線で
送り、関連商標の検索と、類否判断処理とをパソコン外
で行うこともでき、その場合にはパソコンは、入出力制
御(商標の入力等)や通信の制御を行う。この場合のシ
ステム構成の一例を図21に示した。
【0143】ところで、関連商標の中に入力商標と同一
・類似する商標があった場合等に備えて、関連商標に基
づいて未登録且つ未出願の候補商標を作成する候補商標
作成部をシステム内に設けてもよい。この候補商標作成
部では、入力商標、及び/又は、それに基づいて商標デ
ータベースから検索された登録済及び出願中の関連商標
に基づいて、関連商標と同一でない商標を作成すること
で、未登録且つ未出願の候補商標を作成する。具体的に
は、入力商標と1字違い等の商標であって、商標データ
ベースにない(関連商標ではない)商標が候補商標とし
て作成される。
【0144】例えば、入力商標の構成文字の内、変化さ
せたい1以上の文字を入力装置から指定することで、そ
の指定された文字を他の文字に置き換えた商標であっ
て、商標データベースにない商標を抽出することで、未
登録且つ未出願の候補商標が作成される。
【0145】そして、この作成された候補商標と、前記
関連商標との間の類否を、前記自動類否判断部にて行
う。そして、類似度の比較的低い商標が、最終的に残さ
れることになる。よって、この残された候補商標は、未
登録且つ未出願で登録可能性が比較的高いものであると
いえる。これら一連の流れの一例を図22に示した。な
お、この候補商標の内、採択しようとする商標に関し
て、更に関連商標を検索して、各関連商標と採択した候
補商標との類否を自動類否判断部にて行って、類似した
商標の有無を確認すると更に好ましいといえる。
【0146】ところで、上記実施例では、対比する二つ
の商標の類否を判断するのに、全ての場合について、ニ
ューロを用いて類否判断を行う例について説明したが、
過去に同一(特徴部が同一)の審決例等がある場合に
は、その審決例の結果を優先的に用いて類似か否かを出
力するよう構成してもよい。つまり、ニューロを用いた
場合、0〜1の値として、どれくらい類似かという類似
度で出力されるが、過去に同一の審決例等がある場合に
はその結果を優先するのである。
【0147】例えば、前記図3の1字違いの商標同士の
類否を判断するネットワークを例に説明する。この場
合、過去の商標審決例等に基づいて、少なくとも互いに
相違する文字とその相違文字の前後の各文字及びその類
否判断結果とを1つのペアとする多数の情報を蓄積した
審決データベースが用いられる。なお、対比する2つの
商標とその類否判断結果とを蓄積しておいて、使用する
ネットワークにあわせて、商標から特徴部を抽出するよ
うにすることもできる。また、審決データベースは、商
標データベースに代えて、或いはそれに加えて設置され
ることになる。
【0148】そして、図23の流れ図に示すように、入
力装置から入力された2商標、ないし入力装置から入力
された商標に基づいて商標データベースにて検索された
関連商標と前記入力商標との2商標が、特徴抽出部(な
いしデータ処理手段)に入力されてそれら2商標から特
徴部(各相違文字とその前後の各文字等)が抽出され
る。
【0149】その後、この抽出された特徴に関し、デー
タ処理手段により審決データベースにて、過去の同一条
件での審決の有無が検索される。もし、過去に同一条件
での審決がある場合には、その類否判断結果(審決の結
果)を当該データベースから読んで、その結果が出力装
置に出力される。一方、もし過去に同一条件での審決が
なかった場合には、その特徴に基づいて入力層パターン
情報が作成され、その入力層パターン情報を自動類否判
断部のニューロに与えて出力層の出力により、両商標の
類否判断結果を得、それが出力装置に出力されることに
なる。
【0150】なお、同一条件で審決が複数あり、その結
果が矛盾する場合には、その多数決により決定したり、
特徴部以外の文字部分をも考慮して最も条件のあった審
決の結果を優先したり、最新の審決を優先したり、結果
が異なる審決がある旨を出力する等して対応することが
できる。なお、同一条件下での審決があった場合には、
その審判番号等に基づき、詳細な情報(審決公報等)を
得られるよう構成するのが好ましい。
【0151】審判事件特定のためのニューロ(図15)
を使用する場合も、同様に、全ての場合についてニュー
ロを利用して類否判断することができる他、過去に同一
条件での審決例がある場合にはその結果を優先して類否
判断に供することができる。例えば、前記1字違いの商
標同士の類否を判断するネットワークを例に説明する
と、この場合、過去の商標審決例等に基づいて、少なく
とも互いに相違する文字とその相違文字の前後の各文
字、及びその審判番号や好ましくはそれに加えて審決の
類否判断結果とを1つのペアとする多数の情報を蓄積し
た審決データベースが用いられる。なお、2商標の各称
呼を蓄積しておいて、それから相違する文字やその前後
の文字等、ネットワークに対応した特徴部を抽出するよ
うにしてもよい。
【0152】そして、図24の流れ図に示すように、特
徴抽出部(ないしデータ処理手段)で対比したい二商標
から特徴(この実施例の場合は、互いに相違する文字と
その前後の文字)が抽出される。その後、この抽出され
た特徴に関し、審決データベースにて、過去の同一条件
での審決の有無が検索される。もし、過去に同一条件で
の審決がある場合には、その審判番号等により審判事件
が特定されて、それが出力装置に出力される。一方、も
し過去に同一条件での審決がなかった場合には、その特
徴に基づいて入力層パターン情報が作成され、その入力
層パターン情報を自動類否判断部のニューロに与えて出
力層の出力により、1以上の類似条件の審判事件を特定
し出力することになる。
【0153】なお、同一条件で審決が複数あり、その結
果が矛盾する場合の処理について前述と同様である。と
ころで、審判番号等により審判事件を特定するのみなら
ず、審判事件の特定を介して、その類否判断結果を審決
データベースより読んで、その類否判断結果を出力する
ようにしてもよい。
【0154】次に、類似文字列作成システムについて説
明する。このシステムは、前述のようにして構築した類
似文字列作成用のニューラルネットワーク等からなる類
似文字列作成部(ニューラルネットワークを備える類否
判断処理手段と類似物作成手段)を備えて構成され、入
力装置から入力された文字列等の類似文字列を作成し
て、適宜に利用するのである。
【0155】ここでは、文字列として商標を考え、類似
商標作成について考える。例えば、現にないし将来、使
用ないし出願しようとする商標と同一・類似の商標が、
特許庁に既に登録ないし出願されているか否かを検索す
るのに適したシステムである。この場合、類似文字列作
成用のニューラルネットワークからなる類似文字列作成
部が備えられたシステムとなり、この類似文字列作成部
は、好ましくは上記類否判断システム内に設けられる。
【0156】すなわち、類似文字列作成部の他、前記商
標データベース5や、入力装置、出力装置などを備えて
なる。なお、商標データベース5のないシステムとする
こともでき、その場合には、入力装置2から入力された
特定の商標に基づき、特徴抽出部の正規化処理手段にて
入力層パターン情報を作成し、その情報に基づいて類似
文字列作成部にて類似商標を作成し、その結果を出力装
置に出力するシステムとなる。
【0157】類似文字列作成部は、類似文字列作成方法
で述べたように、商標の類否判断方法のために構築され
たニューラルネットワーク、ないし類似文字列作成専用
のニューラルネットワークにより構成される。
【0158】商標の類否判断方法のために構築されたニ
ューラルネットワークを用いる場合、図18の自動類否
判断部が類似文字列作成部として機能する。また、類似
文字列作成専用のニューラルネットワークを用いる場合
には、図18の自動類否判断部に代えてないしそれに加
えて、類似文字列作成専用のニューラルネットワークか
らなる類似文字列作成部が並列的に設けられてなる。い
ずれのシステムの場合も、特徴抽出部において、類似商
標作成の基礎である第1商標(入力商標等)に基づいて
文字列が展開され、その各文字列と適宜の第2文字とに
より正規化処理手段にて入力層パターン情報が作成さ
れ、それが類似文字列作成部のネットワークの入力層に
入力される。
【0159】類似文字列作成部は、ニューロの各出力に
基づいて、第1商標の類似文字列を作成する。入力商標
と、類似文字列作成部で作成された各類似商標とは、デ
ータ処理手段を介して商標データベース5により、それ
ら商標と同一の商標や、それら商標を一部に含んだ商標
が検索される。そして、入力商標と同一・類似の商標の
有無の検索結果を出力装置3に出力する。これら一連の
処理の流れは、図25に示される。なお、この場合も、
類似文字列作成部は、商標データベース側(サーバー)
に作成し、入力装置から入力された商標を通信回線で送
り、類似商標の作成と、それらの検索をパソコン外で行
うこともできる。
【0160】ところで、前記所定プログラムや、自動類
否判断処理や類似文字列作成処理、候補文字列(商標)
作成処理の各部分、或いは入出力制御及び通信制御や、
特徴の抽出処理(正規化処理)の部分は、CD−ROM
等の各種記録媒体を通じて頒布可能とできる。なお、適
宜の手段によりニューロ実行手段の結合荷重の更新がで
きる構成が好ましい。
【0161】なお、本発明の類否判断方法・システム、
及び類似物作成方法・システムは、上記各実施例の構成
に限らず適宜変更可能である。特に、文字識別のための
ユニット(ユニットセット)の構成(文字の入力や識別
の方法)や、何をもって1文字(1音)とするかは、適
宜に変更可能なのであり、上記各実施例の記載に拘束さ
れるものではない。
【0162】また、上記各実施例では商品区分等を考慮
しなかったが、商標データベースの検索等は、類似群単
位や、分類単位、或いは全類などで行うことができるの
は当然である。
【0163】類否判断用のネットワークでは、非類似と
類似間で類否判断する例を示したが、対比する商標等が
同一の場合にも対応可能なように、同一商標同士も学習
用パターン情報に加えて、非類似から同一間で類否判断
可能に構成してもよい。その場合、1の類似に同一を含
めてもよいし、1を同一として類似を0から(0を含ま
ず)1未満の間としてもよい(学習用パターン情報とし
ては類似データには例えば0.5を与える)。
【0164】類否判断等のシステムでは、文字列(商
標)の相違文字の各種の配置に対応すべく、異なる形式
の複数のネットワークを備えておき、対比する文字列の
相違文字の配置に対応して最適なネットワークで類否判
断するよう構成してもよい。例えば、図3の1字違い商
標用の他、2字違い商標として相違文字が隣接する商標
用、相違文字間に1字を挟む商標用、相違文字間に2字
を挟む商標用等の各ネットワークを備えておき、特徴抽
出部で相違文字の配置を判別して、最適なネットワーク
を選択して、その選択したネットワークの入力層に入力
層パターン情報を入力するようにすることができる。
【0165】ところで、上記類否判断処理や類似文字列
作成処理は、ニューラルネットワークの出力層の出力で
ある類似度を所定の境界値で分けることで、その所定値
未満を非類似とする一方、所定値以上を類似としてい
た。よって、システム上において、この境界値を変化さ
せることができるように構成しておけば、類否判断基準
の高低を調整できることになる。前記境界値を上げるこ
とで、類似と判断される商標を少なくでき、商標データ
ベースからの抽出件数を絞ることができる。なお、境界
値の調整は入力装置にて、操作者が設定できる構成とす
るのがよい。
【0166】以上では、ニューラルネットワークを利用
して、商標の称呼の類否判断等を行う例について説明し
た。特許庁の過去の多数の商標審決例等に基づいて構築
することで、商標の称呼における類否判断が有効に行え
る。よって、これから出願しようとする商標の登録可能
性等の客観的判断が容易になる。
【0167】ところが、過去の商標審決例に基づくとは
いえ、実際の審査の基準ではないことは言うまでもな
い。特許庁が公表している称呼類否の判断基準として
は、商標審査基準がある。よって、この原則的基準によ
る類否判断結果を確認することは、極めて有意義なこと
である。そこで、本件発明者は、この審査基準を独自に
分析した結果、以下に述べる審査基準に準拠した類否判
断方法やそれを用いた類否判断システムを発明するに至
った。また、審査基準では、2つの称呼同士の類否判断
方法のみが述べられているが、本件発明者はこれを一歩
進めて、類似称呼を作成する方法とシステムも発明し
た。
【0168】これらを利用すれば、特許庁ホームページ
の特許電子図書館にて公開中の商標出願・登録情報のデ
ータを利用して、これから出願しようとする商標の登録
可能性の判断等を有効に行うことができる。そして、好
ましくは、前記ニューラルネットワークによる類否判断
とを併用することで、類否判断の信頼性を確保すること
ができる。つまり、入力された称呼について、ニューロ
による類否判断結果と、審査基準による類否判断結果と
を出力できるようにするのが良い。
【0169】商標審査基準では、仮名文字1字が1音節
・音数をなし、拗音(「キャ」、「シュ」、「ビョ」
等)は2文字で1音節・音数をなし、長音(長音符
「ー」)、促音、撥音(「ン」)もそれぞれ1音節・音
数をなすとされているので、以下ではこれを前提に説明
する。音を基準とし、且つ1音(1字)の取り扱いにお
いて、上記ニューロの実施例と相違することになる。
【0170】審査基準の内容において特に問題となるの
が、子音の近似である。子音の近似は、基準4条1項1
1号の6.(I)の〔注1〕(イ)に示されるように、
一般的には子音表において、同一又は近似する調音位
置、方法にある場合をいうとされている。しかしなが
ら、過去の商標審決例を概観した限りではあるが、子音
が調音の位置、方法において近似しているからといっ
て、必ずしも子音が近似と判断されていないように思わ
れる。子音の近似は抽象的に記載されており、母音の近
似について基準6.(I)の〔注1〕(ロ)に具体的に
記載されているのとは対照的である。
【0171】そこで、本件発明者は、まず、この子音の
類否関係を過去の多数の商標審決例の結果から明らかに
してみた。具体的には、パテントジャパン発行の最新の
「続商標類否叢集」の1音相違の欄から、母音が共通し
子音が異なる相違音同士についての審決例を抽出して、
子音間の関係を導出した。ここでは、日本語の子音を例
えば、カキクケコ用の子音(k)と、ガギグゲゴ用の子
音(g)、サスセソ用の子音(s)、シ用の子音
(∫)、ザゼゾ用の子音(z)、ジヂ用の子音(ろ)、
ズヅ用の子音(z,dz)、タテト用の子音(t)、チ
用の子音(t∫)、ツ用の子音(ts)、ダデド用の子
音(d)、ナニヌネノ用の子音(n)、ハヒヘホ用の子
音(h)、フ用の子音(f)、バビブベボ用の子音
(b)、パピプペポ用の子音(p)、マミムメモ用の子
音(m)、ヤユヨ用の子音(j)、ラリルレロ用の子音
(r)、ワ用の子音(w)に分けてみた。なお、その他
の分け方でもよい。
【0172】そして、相違音が「ガ」と「ワ」や、
「ク」と「フ」や、「ダ」と「ナ」や、「ム」と「ヌ」
等の母音を共通とし子音が異なる審決結果の数を、各子
音間それぞれで求めた。図26は、その結果を示す表で
ある。例えば、相違音が「ガ」と「ワ」の場合には、子
音「g」と子音「w」との対比であるから、「g」の行
と「w」の列との交差部の欄に、その類否判断結果を記
入した。各欄において、上列左側の数値は、その子音間
を類似と判断した審決の数であり、その右側の括弧内の
数値は非類似と判断した審決数である。また、中央の列
の数値は、総審決数(類似審決数+非類似審決数)であ
る。さらに、下列の数値は、類似審決数を総審決数で割
った類似度ともいうべきものである。つまり、この下列
の数値が0に近い程、非類似の傾向があり、1に近い
程、類似の傾向があることを示している。また、この下
列の数値が0の場合は、その子音間は非類似と判断した
審決しかなく、1の場合には類似と判断した審決例しか
ないことを示している。なお、表中の空欄は、その子音
間を類否判断した例がないことを示している。
【0173】なお、この表では、撥音「ン」と各子音と
の類否も求めているが、これは参考のためである。ま
た、データの都合上、「ツ」には促音「ッ」が含まれて
いるが、除いた形で計算することができるのは当然であ
る。さらに、カキクケコ用の子音(k)とガギグゲゴ用
の子音(g)との対比などは、結局のところ、清音と濁
音との差(濁点の有無)による類否を求めていることに
なるのは言うまでもない。また、カキクケコ用の子音
(k)とフ用の子音(f)との対比の欄などは、母音を
共通とするのは「ク」と「フ」の組み合わせだけだか
ら、この二者の対比を求めていることになるのは言うま
でもない。
【0174】ところが、このようにして類似度を出して
も、審決例数が少ないと、次に出る審決の結果によっ
て、類似度が大きく変動する個所がある。すなわち、現
在のところ、どちらかというと類似審決数が多くて類似
であっても、次に出る審決が非類似と判断されると、類
似度が大きく変動して類否関係に影響を与えることもあ
る。これを防止するために、類否関係に影響を与える方
向の審決が次に出たと仮定して、予め類似度を修正して
いる。つまり、類似ないし非類似の内、いずれか少ない
数の方の審決が次に出されたとして、類似度を計算し直
した。具体的には、現在のところ類似審決数が多いもの
には非類似審決が新たに出たとして、或いは非類似審決
数が多いものには類似審決が新たに出たとして、類似度
を計算し直した。その結果を図27の表に示す。
【0175】この表の構成は、前記図26と同様であ
り、図26の類似ないし非類似の審決数のいずれか一方
が増えたとして計算し直している。例えば、図26にお
いて、子音「k」と子音「s」との過去の審決例は、類
似審決数が9、非類似審決数が13で、類似度が0.4
1であり、どちらかというと両子音は非類似であるが、
この結果を覆す方向の審決、つまり類似審決が次に出た
として、類似審決数に1を足し、類似度を計算し直して
いる。このような処理により、図26に示す類似度で類
否判断する場合に、次に出る審決が都合の悪いものであ
っても、その影響を回避することができる。なお、図2
6の表において、類似審決数と非類似審決数とが等しい
場合には、次に類似審決が出た場合と非類似審決が出た
場合との両方の場合について計算している。
【0176】さらに、類似と非類似とを類似度0.5で
区切らずに、0.4〜0.6の区間を中立状態(グレー
ゾーン)にした。つまり、この間に類似度がきたものは
類似でも非類似でもないことにし、0.4未満を非類
似、0.6以上を類似とした。なお、このボーダーライ
ンの数値は適宜変更可能なことは言うまでもない。
【0177】このようにして、過去の商標審決例の類似
度を修正して、グレーゾーンの部分を除き、子音間の類
否関係を出したのが、図28に示す表である。表中
「○」が付いた欄でクロスする子音同士は類似であり、
「×」が付いた欄でクロスする子音同士は非類似という
ことになる。例えば、カキクケコ用の子音(k)とフ用
の子音(f)とは、kの行とfの列とが交差する欄を見
ると、類似度が0.62で「○」が付されているから、
両子音同士は類似することが分かる。
【0178】次に、以上のとおり作成した図28の子音
間を類否表を用いて、審査基準に準拠した商標の称呼に
おける類否判断方法・システムについて述べる。まず、
対比する2つの称呼同士を審査基準に従って類否判断す
る場合について述べる。この場合の処理の流れを、図2
9のフローチャートに示した。なお、このフローチャー
ト中の第1類否判断処理から第4類否判断処理までの各
処理については、図30から図33の各フローチャート
に示した。
【0179】図29に示すように、まず類否判断しよう
とする2つの称呼が、入力装置から入力される。コンピ
ューターは、入力された各称呼に基づき各称呼を構成音
に分解して、音数演算手段にて少なくとも一方の称呼の
音数と、両称呼間の音数の差とを求めて、音数記憶手段
と音数差記憶手段との各記憶手段に記憶する。なお、両
称呼の各音数を求めて音数記憶手段に記憶し、音数差は
必要に応じて音数記憶手段から各称呼の音数を取得して
計算するように構成しても良い。
【0180】さらに、相違音抽出手段にて、入力された
両称呼に基づき、両称呼間で互いに相違する相違音等の
ペアと、そのペアの数である相違数とを求めて、相違音
記憶手段と相違数記憶手段との各記憶手段に記憶する。
相違音のペアは、50音等同士の相違にある場合は、そ
れぞれの音が採用されるが、特定音(長音符等も含む)
の有無に相違がある場合には、その特定音と、それがな
いことを示す旨とが採用されることになる。
【0181】そして、音数演算手段にて求められた音数
差と、相違音抽出手段にて求められた相違数とに基づい
て、類否判断処理手段にて、同数音且つ1音相違の場
合、1音差且つ1音相違の場合、2音相違の場合、又は
3音以上相違する場合とに場合分けされて、両称呼間の
類否判断処理が行われ、出力装置に類否判断処理手段に
よる類否判断結果が出力される。なお、音数差は、音数
差記憶手段がある場合にはそれから取得するが、音数記
憶手段しかない場合にはそれから取得した各称呼の音数
から求められる。また、相違数は、相違数記憶手段から
取得する。
【0182】両称呼が同数音からなり、且つその構成音
の内の1音が互いに相違する場合には、後述の第1類否
判断処理と第2類否判断処理とが行われる。また、両称
呼が、特定の1音の有無に相違があり、音数差が1音の
場合には、後述の第3類否判断処理と第4類否判断処理
とが行われる。さらに、両称呼が2音相違する場合に
は、各相違個所について第1類否判断処理と第3類否判
断処理とがそれぞれ行われる(この場合、両方の処理に
おいて類似と判断された場合に類似とする)。また、3
音以上相違する場合には、両称呼は互いに非類似と類否
判断される。なお、第1〜第4類否判断処理は、相違音
記憶手段から取得した相違音のペアと、音数記憶手段か
ら取得した音数に基づいて行われる。
【0183】前記第1類否判断処理は、図30に示すよ
うに、相違音同士が母音を共通とするか、子音を共通と
するか(50音図で同行音か)、清音(カ、サ、タ、ハ
行音)と濁音(ガ、ザ、ダ、バ行音)と半濁音(パ行
音)の差か、弱音(イ、ウ、ム、ン、フ、ス等)同士
か、長音と促音の差か、長音と弱音の差かにより、この
いずれかに該当するときは類似と類否判断する処理であ
る。なお、清音と濁音と半濁音の差というのは、「ボ」
と「ポ」や、「ガ」と「カ」や、「バ」と「ハ」等の場
合をいう。そして、これら処理は、特に中間音以下につ
いて行われる。
【0184】前記第2類否判断処理は、図31に示すよ
うに、比較的長い称呼か(概ね6〜8音以上)、相違音
同士が拗音と直音(拗音と促音以外の音)の差か、母音
が近似するか、子音が近似するかにより、このいずれか
に該当するときは類似と類否判断する処理である。な
お、母音の近似は、イ−エ−ア−オ−ウの並びで、互い
に隣接する音とする。また、子音の近似は、記憶手段に
記憶された図28の子音間の類否表に基づいて判断され
る。
【0185】ところで、第1類否判断処理や第2類否判
断処理は、具体的には、例えば50音等の各音に対し
て、各判断基準に適合する音が対応させられて、記憶手
段に記憶されている類似対応表(類似対応テーブル)を
用いて行われる。
【0186】第1類否判断処理用の第1類似対応テーブ
ルには、例えば、「カ」に対しては、その母音を共通と
する音としての「ア」、「サ」、「タ」、「ナ」、
「ハ」、「マ」、「ヤ」、「ラ」、「ワ」 と、子音を
共通とする音としての「キ」、「ク」、「ケ」、「コ」
と、清音・濁音・半濁音を変更した音としての「ガ」が
関連付けられている。また、例えば弱音「ム」に対して
は、母音を共通とする音としての「ウ」、「ク」、
「ス」、「ツ」、「ヌ」、「フ」、「ユ」、「ル」と、
子音を共通とする音としての「マ」、「ミ」、「メ」、
「モ」、他の弱音としての「イ」、「ン」等(「ウ」、
「フ」、「ス」等は既出なのでここでは省略)、更に長
音と弱音の差か否かに対応するための長音「ー」が関連
付けられている。さらに、長音に対しては促音や弱音
が、促音に対しては長音が関連付けられて記憶されてい
る。よって、相違音同士を比較して第1類否判断処理す
る場合には、一方の音を元にして、第1類似対応テーブ
ルにて対応する音を検索し、その検索された対応音に他
方の音が存在するか否かをみればよい。他方の音が存在
すれば、両称呼は類似することとなる。
【0187】一方、第2類否判断処理も、これと同様の
手法を用いて処理することができる。すなわち、第2類
否判断処理用の第2類似対応テーブルには、例えば50
音の各音については、拗音や、母音が近似する音、子音
が近似する音が関連付けられており、対比している一方
の音をもとにして、このテーブルを検索して、他方の音
が対応関係にあるか否かをみればよい。対応関係にあれ
ば、類似ということになる。なお、第2類否判断処理中
の比較的長い称呼で1音だけ異なるか否かについては、
称呼の音数から容易に求められる。
【0188】前記第3類否判断処理は、図32に示すよ
うに、相違部が弱音の有無の差か、長音の有無の差か、
促音の有無の差かにより、このいずれかに該当するとき
は類似と類否判断する処理である。つまり、他方の称呼
に比較して一方の称呼に余分な音が、弱音か、長音か、
促音かを判断すればよい。前記第4類否判断処理は、図
33に示すように、比較的長い称呼かにより、これに該
当するときは類似と類否判断する処理である。これは、
称呼の音数から容易に求められる。
【0189】次に、ある特定称呼を入力した場合に、そ
れに類似する称呼を作成するシステムについて説明す
る。この場合、まず入力装置にて、類似称呼を作成しよ
うとする特定称呼を入力すると、それを特定称呼記憶手
段に記憶する。そして、入力・記憶された特定称呼の構
成音に基づき、類似物作成手段にて、特定称呼と同数音
の類似称呼を作成する同数音型類似称呼作成処理と、1
音が欠けた類似称呼を作成する1音削除型類似称呼作成
処理と、1音が付加された類似称呼を作成する1音加入
型類似称呼作成処理と、特定称呼中の2音が相違する2
音相違型類似称呼作成処理の内のいずれか1以上の処
理、好ましくは全ての処理を行う。そして、その結果得
られた類似称呼を、出力装置に出力する。
【0190】前記同数音型類似称呼作成処理は、図34
のフローチャートのA部に示すように、前記特定称呼の
各音それぞれについて、子音を変更した音、母音を変更
した音、清音と濁音と半濁音の場合はそれら相互間で変
更した音、弱音の場合は他の弱音へ変更した音、長音な
いし促音の場合はそれら相互間で変更した音、長音ない
し弱音の場合はそれら相互間で変更した音とすること
で、同数音且つ1音相違の類似称呼を作成する処理であ
る。
【0191】前記同数音型類似称呼作成処理は、具体的
には、例えば50音等の各音に対して、各処理基準に適
合する音が対応させられて、記憶手段に記憶されている
類似対応表(類似対応テーブル)を用いて行われる。
【0192】この類似対応テーブルには、例えば、
「カ」に対しては、その子音を変更した音としての
「ア」、「サ」、「タ」、「ナ」、「ハ」、「マ」、
「ヤ」、「ラ」、「ワ」と、母音を変更した音としての
「キ」、「ク」、「ケ」、「コ」と、清音・濁音・半濁
音を変更した音としての「ガ」が関連付けられている。
また、例えば弱音「ム」に対しては、子音を変更した音
としての「ウ」、「ク」、「ス」、「ツ」、「ヌ」、
「フ」、「ユ」、「ル」と、母音を変更した音としての
「マ」、「ミ」、「メ」、「モ」、他の弱音としての
「イ」、「ン」等(「ウ」、「フ」、「ス」等は既出な
のでここでは省略)、更に長音「ー」が関連付けられて
いる。さらに、長音に対しては促音や弱音が、促音に対
しては長音が関連付けられて記憶されている。なお、こ
の類似対応テーブルは、前記第1類否判断処理用の第1
類似対応テーブルと共通するので、両処理で共用するこ
とも可能である。よって、同数音型類似称呼作成処理に
よってある音を他の音へ変更する場合には、その音を元
にして、第1類似対応テーブルにて対応する音を検索し
て抽出し、その抽出された対応音のそれぞれへ変更すれ
ばよい。
【0193】なお、子音の変更は、好ましくは図28の
子音間の類否表(子音間の類否テーブル)を用いて、近
似子音への変更とされる。また、母音の変更は、好まし
くは、近似母音への変更とされる。つまり、イ−エ−ア
−オ−ウの並びで、隣接する音を近似母音として変更す
る。さらに、子音の変更、母音の変更、清音と濁音と半
濁音の変更は、中間音以下(2音以下)のときに実施す
るよう構成してもよい。
【0194】ところで、同数音型類似称呼作成処理に
は、上記図34のフローチャートのA部に加えて、その
下部に示すように、前記特定称呼の各音それぞれについ
て、前記特定称呼が多数音から構成される場合にはその
音を任意の音へ変更した音、拗音ないし直音の場合はそ
れらの間で変更した音、近似子音且つ近似母音へ変更し
た音にする処理を加えてもよい。なお、多数音とは、概
ね6〜8音以上の称呼とされているので、6音以上で適
宜に設定され、8音以上等、大きいものに好適に適用さ
れる。また、拗音と直音との変更は、「サ」と「シャ」
のように、子音を共通とするのが好ましい。なお、A部
に加える場合についても、類似対応表(類似対応テーブ
ル)を用いて処理を行うことができる。
【0195】前記1音削除型類似称呼作成処理は、図3
5のフローチャートのB部に示すように、前記特定称呼
の各音それぞれについて、弱音の場合はその弱音を削除
し、長音の場合はその長音を削除し、促音の場合はその
促音を削除することで、1音差且つ1音相違の類似称呼
を作成する処理である。特に、弱音の削除を、語尾にお
ける場合に行うように構成する。なお、1音削除型類似
称呼作成処理には、図35のフローチャートのB部の下
部に示すように、特定称呼が多数音から構成される場合
には各構成音を順に削除する処理を付加することもでき
る。なお、中間音の削除が特に好ましい。
【0196】前記1音加入型類似称呼作成処理は、図3
6のフローチャートのC部に示すように、前記特定称呼
の語頭と語尾と各音間それぞれについて、弱音、長音又
は促音を付加することで、1音差且つ1音相違の類似称
呼を作成する処理である。なお、語頭への長音や促音を
加入しないのは言うまでもない。また、加入によって、
前後で同じ音が連続して不自然な称呼になる場合には、
それを除いてもよい。なお、図36のフローチャートの
C部の下部に示すように、特定称呼が多数音から構成さ
れる場合には、各音間に任意の音を付加する処理を加え
てもよい。
【0197】前記2音相違型類似称呼作成処理は、特定
称呼と同数音のこともあれば、1音差等のこともある
が、とにかく特定称呼と2音相違する称呼を作成する処
理である。具体的には、上記図34のフローチャートの
A部と、図35のフローチャートのB部と、図36のフ
ローチャートのC部との組み合わせによって作成され
る。つまり、AとA、BとB、CとC、AとB、Aと
C、BとCの組み合わせによって作成される。ところ
で、2音相違型類似称呼作成処理には、隣接する2音を
入れ替える処理を付加してもよい。なお、各類似称呼作
成処理にて作成された称呼の内、重複する称呼がある場
合には一つにまとめられて出力等される。
【0198】以上の審査基準準拠型の類否判断処理を利
用して、これから出願しようとする商標の商標登録の可
能性等を判断するのを支援するシステムについて説明す
る。なお、ニューロの類否判断も行う構成とすれば、更
に好ましいものとなる。この場合、特許庁へ登録及び出
願係属中の商標の称呼等が蓄積された商標データベース
にアクセス可能にシステムを構成しておく。そして、入
力装置から入力された特定称呼や、この特定称呼を含む
称呼や、特定称呼と1音違いの称呼、及びそれを含む称
呼等、特定称呼の構成音を含む各種の関連称呼を、商標
データベースから検索する。
【0199】この関連称呼の数が多いことがあるので、
その絞込みに本発明の類否判断方法が好適に利用され
る。すなわち、特定称呼と各関連称呼それぞれの間で、
図29に示される類否判断処理が順になされる。そし
て、商標データベースによる検索結果(関連称呼の表
示)、各関連称呼との類否判断結果(この結果に基づく
特定称呼と類似とされた関連称呼の抽出を含む)、及び
この類否判断結果に基づく特定称呼の登録可能性の内、
いずれか一以上を出力装置に出力するのである。
【0200】或いは、審査基準準拠型の類似物作成処理
を利用して、これから出願しようとする商標の商標登録
の可能性等を判断するのを支援するシステムを構成する
こともできる。
【0201】この場合は、入力装置にて入力された調査
対象の特定称呼から、まず上記類似物作成処理にて類似
称呼を展開して作成する。つまり、図34等に示す処理
を行って、重複称呼を一つにまとめて、類似称呼を作成
する。その後、この特定称呼や類似称呼等の関連称呼に
ついて、商標データベースを検索すればよい。この際、
特定称呼や類似称呼ずばりのものの他、それらを含む称
呼や、それらと1音違い等のものまで検索するか等は適
宜に設定される。そして、出力装置への出力は、作成さ
れた類似称呼、特定称呼や類似称呼についての商標デー
タベースによる検索結果、及びこの検索結果に基づく特
定称呼の登録可能性などを行うように構成すればよい。
【0202】なお、上記審査基準準拠型の類否判断処理
や類似物作成処理において、類似対応テーブルを用いる
代りに、次のような方法を用いてもよい。すなわち、上
記審査基準準拠型の類否判断処理や類似物作成処理にお
いては、母音と子音との共通や近似等の処理が含まれる
ので、これらの処理のために、称呼の内、少なくとも5
0音等は一旦、子音と母音とに分けて処理するのであ
る。つまり、片仮名ないし平仮名で入力等された称呼に
ついて、その内の少なくとも50音を一旦、子音用の文
字と母音用の文字とに展開するのである。これにより、
子音の変更ならば、母音用文字を共通としつつ子音用文
字を変更した組み合わせを作成して、最後に片仮名ない
し平仮名に戻せば、子音の変更等の処理が容易になる。
子音用文字と母音用文字との組み合わせと、カナ文字と
の間の相互の変更は、両者間を対応させた記憶手段の変
換対照表(変換対照テーブル)を用いて行われる。な
お、子音用の数値と、母音用の数値とから構成される2
次元の配列等に展開してもよい。
【0203】なお、入出力装置と、商標データベース側
とを通信回線で結び、類否判断処理や類似物作成処理等
を商標データベース側のサーバーで行うように構成して
もよいことは、前記ニューロによる類否判断システム等
の場合と同様である。特に、インターネット経由で両コ
ンピューターを接続可能とすることが考えられる。ま
た、入出力処理や、類否判断処理や類似物作成手段を含
んだ処理をCD−ROM等の媒体で頒布できる点も、ニ
ューロのシステムの場合と同様である。
【0204】審査基準準拠型の類否判断方法・システ
ム、及び類似物作成方法・システムによれば、第1〜第
4類否判断処理に分けたり、或いは同数音型〜1音加入
型類似称呼作成処理に分けることで、また子音と母音と
に展開して処理することで、処理の共通化が図られ、ア
ルゴリズムが簡明で、処理の迅速化が図られる。
【0205】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、例えば商標同士の称呼の類否判断が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】3層パーセプトロンの説明図である。
【図2】この発明の商標の類否判断方法及びシステム等
のニューロ構築のためのパターン情報作成のための文字
識別用のユニットセットの一例を示す図表である。
【図3】この発明の1次違い商標の類否判断方法及びシ
ステムのためのネットワークの一例を示す図である。
【図4】図3のネットワークの相違文字の位置の正規化
データの一例を示す図である。
【図5】図3のネットワーク構築のためのパターン情報
の一例を示す表の一部を示す図であり、図8までで1つ
の表を構成する。
【図6】図5の表の続きを示す図である。
【図7】図6の表の続きを示す図である。
【図8】図7の表の続きを示す図である。
【図9】この発明の2字違い商標の類否判断方法及びシ
ステムのためのネットワークの一例を示す図である。
【図10】学習回数と誤差の変化を示す図である。
【図11】この発明の2字以下の違いのある商標同士の
類否判断のためのネットワークの一例を示し、その構成
とパターン情報の一部を示す図である。
【図12】この発明の2字以下の違いのある商標同士の
類否判断のためのネットワークの他の例を示し、その構
成とパターン情報の一部を示す図である。
【図13】この発明の2字入替商標同士の類否判断のた
めのネットワークの一例を示し、その構成とパターン情
報の一部を示す図である。
【図14】この発明の2字入替商標同士の類否判断のた
めのネットワークの他の例を示し、その構成とパターン
情報の一部を示す図である。
【図15】この発明の商標の類否判断用の類似審決例検
索用ネットワークの一例を示し、その構成とパターン情
報の一部を示す図である。
【図16】この発明の類似文字列作成用ネットワークの
一例を示し、その構成とパターン情報の一部を示す図で
ある。
【図17】この発明の商標の類否判断等のシステムの一
例を示す概略図である。
【図18】この発明の商標の類否判断等のシステムの一
例を示す図である。
【図19】この発明の商標の類否判断方法の処理の流れ
の一例を示す図である。
【図20】この発明の商標の類否判断方法の処理の流れ
の他の例を示す図である。
【図21】この発明の商標の類否判断等のシステムの他
の例を示す図である。
【図22】この発明の商標の類否判断方法の処理の流れ
の更に他の例を示す図である。
【図23】この発明の商標の類否判断方法の処理の流れ
の更に別の例を示す図である。
【図24】この発明の商標の類否判断方法の処理の流れ
のまた更に別の例を示す図である。
【図25】この発明の商標の類似文字列作成方法の処理
の流れの一例を示す図である。
【図26】この発明の審査基準準拠型の商標等の類否判
断方法のために、過去の商標審決例に基づいて、子音間
の類否判断結果を示す図である。
【図27】類否判断結果に影響を与える方向の逆の審決
がなされたと仮定して、図26の子音間の類否表を修正
した図である。
【図28】図27に基づいて、子音間の類否関係を明ら
かにした図である。
【図29】この発明の審査基準準拠型の商標等の類否判
断方法のフローチャートである。
【図30】図29中の第1類否判断処理を示すフローチ
ャートである。
【図31】図29中の第2類否判断処理を示すフローチ
ャートである。
【図32】図29中の第3類否判断処理を示すフローチ
ャートである。
【図33】図29中の第4類否判断処理を示すフローチ
ャートである。
【図34】この発明の審査基準準拠型の商標等の類似物
作成方法の内、同数音型類似称呼作成処理を示すフロー
チャートである。
【図35】この発明の審査基準準拠型の商標等の類似物
作成方法の内、1音削除型類似称呼作成処理を示すフロ
ーチャートである。
【図36】この発明の審査基準準拠型の商標等の類似物
作成方法の内、1音加入型類似称呼作成処理を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 パソコン 2 キーボード 3 ディスプレイ 4 プリンター 5 商標データベース

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二つの商標等に関し、その称呼が互いに
    類似するか否かを判断するシステムであって、 特許庁の過去の商標審決例等に基づき作成され、対比す
    る二つの称呼に基づく入力層学習信号と、その二つの称
    呼の類否判断結果に基づく出力層教師信号とからなる学
    習用パターン情報を、多数学習させて構築されたニュー
    ラルネットワークと、 類否判断しようとする2つの称呼を入力する手段と、 前記ニューラルネットワークを備え、入力された両称呼
    に基づき作成された入力層パターン情報をその入力層に
    入力して、出力層の出力から両称呼間の類否を求める類
    否判断処理手段と、 類否判断処理手段による類否判断結果を出力する手段と
    を備えることを特徴とする商標等の類否判断システム。
  2. 【請求項2】 商標等に関し、その称呼の類似称呼を作
    成するシステムであって、 特許庁の過去の商標審決例等に基づき作成され、対比す
    る二つの称呼に基づく入力層学習信号と、その二つの称
    呼の類否判断結果に基づく出力層教師信号とからなる学
    習用パターン情報を、多数学習させて構築されたニュー
    ラルネットワークと、 類似称呼を作成しようとする特定称呼を入力する手段
    と、 前記ニューラルネットワークを備え、入力された特定称
    呼と、50音等の仮想称呼とに基づき作成された複数の
    入力層パターン情報を、その入力層に順に入力して、出
    力層の出力から特定称呼と各仮想称呼との類似度をそれ
    ぞれ求める類否判断処理手段と、 類否判断処理手段によって求められた類似度が所定値以
    上とされた仮想称呼と特定称呼とに基づいて、特定称呼
    の類似称呼を作成する類似物作成手段と、 類似物作成手段によって作成された類似称呼を出力する
    手段とを備えることを特徴とする商標等の類似物作成シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 商標の称呼に関し、特許庁への商標登録
    の可能性等を判断するのを支援するシステムであって、 特許庁の過去の商標審決例等に基づき作成され、対比す
    る二つの称呼に基づく入力層学習信号と、その二つの称
    呼の類否判断結果に基づく出力層教師信号とからなる学
    習用パターン情報を、多数学習させて構築されたニュー
    ラルネットワークと、 調査対象の特定称呼を入力する手段と、 特許庁へ登録及び出願係属中の商標の称呼等が蓄積され
    ており、前記入力手段から入力された特定称呼や、この
    特定称呼の構成音を含む称呼等の関連称呼が検索される
    商標データベースと、 前記ニューラルネットワークを備え、入力された特定称
    呼と検索された関連称呼とに基づき作成された入力層パ
    ターン情報をその入力層に入力して、出力層の出力から
    両称呼間の類否を求める類否判断処理手段と、 商標データベースによる検索結果、類否判断処理手段に
    よる類否判断結果、及びこの類否判断結果に基づく特定
    称呼の登録可能性の内、いずれか一以上を出力する手段
    とを備えることを特徴とする商標等の類否判断システ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記商標データベースの検索結果に基づ
    いて、未登録且つ未出願の候補称呼を作成する手段を備
    え、 この作成された候補称呼と関連称呼等との類否が前記類
    否判断処理手段にて判断され、 この類否判断結果に基づき、未登録且つ未出願で登録可
    能性の比較的高い称呼を前記出力手段に出力可能とされ
    たことを特徴とする請求項3に記載の商標等の類否判断
    システム。
  5. 【請求項5】 商標の称呼に関し、特許庁への商標登録
    の可能性等を判断するのを支援するシステムであって、 特許庁の過去の商標審決例等に基づき作成され、対比す
    る二つの称呼に基づく入力層学習信号と、その二つの称
    呼の類否判断結果に基づく出力層教師信号とからなる学
    習用パターン情報を、多数学習させて構築されたニュー
    ラルネットワークと、 調査対象の特定称呼を入力する手段と、 前記ニューラルネットワークを備え、入力された特定称
    呼と、50音等の仮想称呼とに基づき作成された複数の
    入力層パターン情報を、その入力層に順に入力して、出
    力層の出力から特定称呼と各仮想称呼との類似度をそれ
    ぞれ求める類否判断処理手段と、 類否判断処理手段によって求められた類似度が所定値以
    上とされた仮想称呼と特定称呼とに基づいて、特定称呼
    の類似称呼を作成する類似物作成手段と、 特許庁へ登録及び出願係属中の商標の称呼等が蓄積され
    ており、前記特定称呼や類似称呼等の関連称呼が検索さ
    れる商標データベースと、 類似物作成手段により作成された類似称呼、商標データ
    ベースによる検索結果、及びこの検索結果に基づく特定
    称呼の登録可能性の内、いずれか一以上を出力する手段
    とを備えることを特徴とする商標等の類否判断システ
    ム。
  6. 【請求項6】 前記ニューラルネットワークは、入力層
    学習信号として、対比する二つの称呼の内の互いに相違
    する部分を少なくとも備える一方、出力層教師信号とし
    て、その対比する二つの称呼の類似ないし非類似の別を
    備える学習用パターン情報を複数学習させて構築される
    ことを特徴とする請求項1、若しくは請求項3から請求
    項5までのいずれかに記載の商標等の類否判断システ
    ム、又は請求項2に記載の商標等の類似物作成システ
    ム。
  7. 【請求項7】 前記類否判断処理手段ないし類似物作成
    手段は、ニューラルネットワークの出力層の出力である
    類似度に関し、所定の境界値で類似ないし非類似を分け
    るよう構成されており、 この境界値を変化させることで、類否判断基準の高低を
    調整可能に構成されたことを特徴とする請求項1、若し
    くは請求項3から請求項6までのいずれかに記載の商標
    等の類否判断システム、又は請求項2若しくは請求項6
    に記載の商標等の類似物作成システム。
  8. 【請求項8】 二つの商標等に関し、その称呼が互いに
    類似するか否かを判断するシステムであって、 類否判断しようとする2つの称呼を入力する手段と、 入力された両称呼に基づき、少なくとも一方の称呼の音
    数と、両称呼間の音数の差とを求める音数演算手段と、 入力された両称呼に基づき、両称呼間で互いに相違する
    相違音等のペアと、そのペアの数である相違数とを求め
    る相違音抽出手段と、 前記音数演算手段にて求められた音数差と、前記相違音
    抽出手段にて求められた相違数とに基づいて、同数音且
    つ1音相違の場合には、第1類否判断処理と第2類否判
    断処理とを行い、1音差且つ1音相違の場合には、第3
    類否判断処理と第4類否判断処理とを行い、2音相違の
    場合には、各相違個所について第1類否判断処理と第3
    類否判断処理とをそれぞれ行い、3音以上相違する場合
    には、非類似と類否判断することで、両称呼間の類否を
    求める類否判断処理手段と、 類否判断処理手段による類否判断結果を出力する手段と
    を備え、 前記第1類否判断処理は、相違音同士が母音を共通とす
    るか、子音を共通とするか、清音と濁音と半濁音の差
    か、弱音同士か、長音と促音の差か、長音と弱音の差か
    により、このいずれかに該当するときは類似と類否判断
    する処理であり、 前記第2類否判断処理は、比較的長い称呼か、相違音同
    上が拗音と直音の差か、母音が近似するか、子音が近似
    するかにより、このいずれかに該当するときは類似と類
    否判断する処理であり、 前記第3類否判断処理は、相違部が弱音の有無の差か、
    長音の有無の差か、促音の有無の差かにより、このいず
    れかに該当するときは類似と類否判断する処理であり、 前記第4類否判断処理は、比較的長い称呼かにより、こ
    れに該当するときは類似と類否判断する処理であること
    を特徴とする商標等の類否判断システム。
  9. 【請求項9】 商標等に関し、その称呼の類似称呼を作
    成するシステムであって、 類似称呼を作成しようとする特定称呼を入力する手段
    と、 入力された特定称呼に基づき、この特定称呼と同数音の
    類似称呼を作成する同数音型類似称呼作成処理と、1音
    が欠けた類似称呼を作成する1音削除型類似称呼作成処
    理と、1音が付加された類似称呼を作成する1音加入型
    類似称呼作成処理とを行うことで、特定称呼の類似称呼
    を求める類似物作成手段と、 類似物作成手段によって作成された類似称呼を出力する
    手段とを備え、 前記同数音型類似称呼作成処理は、前記特定称呼の各音
    それぞれについて、子音を変更した音、母音を変更した
    音、清音と濁音と半濁音の場合はそれら相互間で変更し
    た音、弱音の場合は他の弱音へ変更した音、長音ないし
    促音の場合はそれら相互間で変更した音、長音ないし弱
    音の場合はそれら相互間で変更した音とすることで、同
    数音且つ1音相違の類似称呼を作成する処理であり、 前記1音削除型類似称呼作成処理は、前記特定称呼の各
    音それぞれについて、弱音の場合はその弱音を削除し、
    長音の場合はその長音を削除し、促音の場合はその促音
    を削除することで、1音差且つ1音相違の類似称呼を作
    成する処理であり、 前記1音加入型類似称呼作成処理は、前記特定称呼の語
    頭と語尾と各音間それぞれについて、弱音、長音又は促
    音を付加することで、1音差且つ1音相違の類似称呼を
    作成する処理であることを特徴とする商標等の類似物作
    成システム。
  10. 【請求項10】 商標の称呼に関し、特許庁への商標登
    録の可能性等を判断するのを支援するシステムであっ
    て、 調査対象の特定称呼を入力する手段と、 特許庁へ登録及び出願係属中の商標の称呼等が蓄積され
    ており、前記入力手段から入力された特定称呼や、この
    特定称呼の構成音を含む称呼等の関連称呼が検索される
    商標データベースと、 各関連称呼について、特定称呼とその関連称呼とに基づ
    き、少なくとも一方の称呼の音数と、両称呼間の音数の
    差とを求める音数演算手段と、 各関連称呼について、特定称呼とその関連称呼とに基づ
    き、両称呼間で互いに相違する相違音等のペアと、その
    ペアの数である相違数とを求める相違音抽出手段と、 各関連称呼について、前記音数演算手段にて求められた
    音数差と、前記相違音抽出手段にて求められた相違数と
    に基づいて、同数音且つ1音相違の場合には、第1類否
    判断処理と第2類否判断処理とを行い、1音差且つ1音
    相違の場合には、第3類否判断処理と第4類否判断処理
    とを行い、2音相違の場合には、各相違個所について第
    1類否判断処理と第3類否判断処理とをそれぞれ行い、
    3音以上相違する場合には、非類似と類否判断すること
    で、両称呼間の類否を求める類否判断処理手段と、 商標データベースによる検索結果、類否判断処理手段に
    よる類否判断結果、及びこの類否判断結果に基づく特定
    称呼の登録可能性の内、いずれか一以上を出力する手段
    とを備え、 前記第1類否判断処理は、相違音同士が母音を共通とす
    るか、子音を共通とするか、清音と濁音と半濁音の差
    か、弱音同士か、長音と促音の差か、長音と弱音の差か
    により、このいずれかに該当するときは類似と類否判断
    する処理であり、 前記第2類否判断処理は、比較的長い称呼か、相違音同
    士が拗音と直音の差か、母音が近似するか、子音が近似
    するかにより、このいずれかに該当するときは類似と類
    否判断する処理であり、 前記第3類否判断処理は、相違部が弱音の有無の差か、
    長音の有無の差か、促音の有無の差かにより、このいず
    れかに該当するときは類似と類否判断する処理であり、 前記第4類否判断処理は、比較的長い称呼かにより、こ
    れに該当するときは類似と類否判断する処理であること
    を特徴とする商標等の類否判断システム。
  11. 【請求項11】 商標の称呼に関し、特許庁への商標登
    録の可能性等を判断するのを支援するシステムであっ
    て、 調査対象の特定称呼を入力する手段と、 入力された特定称呼に基づき、この特定称呼と同数音の
    類似称呼を作成する同数音型類似称呼作成処理と、1音
    が欠けた類似称呼を作成する1音削除型類似称呼作成処
    理と、1音が付加された類似称呼を作成する1音加入型
    類似称呼作成処理とを行うことで、特定称呼の類似称呼
    を求める類似物作成手段と、 特許庁へ登録及び出願係属中の商標の称呼等が蓄積され
    ており、前記特定称呼や類似称呼等の関連称呼が検索さ
    れる商標データベースと、 類似物作成手段により作成された類似称呼、商標データ
    ベースによる検索結果、及びこの検索結果に基づく特定
    称呼の登録可能性の内、いずれか一以上を出力する手段
    とを備え、 前記同数音型類似称呼作成処理は、前記特定称呼の各音
    それぞれについて、子音を変更した音、母音を変更した
    音、清音と濁音と半濁音の場合はそれら相互間で変更し
    た音、弱音の場合は他の弱音へ変更した音、長音ないし
    促音の場合はそれら相互間で変更した音、長音ないし弱
    音の場合はそれら相互間で変更した音とすることで、同
    数音且つ1音相違の類似称呼を作成する処理であり、 前記1音削除型類似称呼作成処理は、前記特定称呼の各
    音それぞれについて、弱音の場合はその弱音を削除し、
    長音の場合はその長音を削除し、促音の場合はその促音
    を削除することで、1音差且つ1音相違の類似称呼を作
    成する処理であり、 前記1音加入型類似称呼作成処理は、前記特定称呼の語
    頭と語尾と各音間それぞれについて、弱音、長音又は促
    音を付加することで、1音差且つ1音相違の類似称呼を
    作成する処理であることを特徴とする商標等の類否判断
    システム。
  12. 【請求項12】 前記同数音型類似称呼作成処理は、前
    記特定称呼の各音それぞれについて、子音を変更した
    音、母音を変更した音、清音と濁音と半濁音の場合はそ
    れら相互間で変更した音、弱音の場合は他の弱音へ変更
    した音、長音ないし促音の場合はそれら相互間で変更し
    た音、長音ないし弱音の場合はそれら相互間で変更した
    音とする以外に、前記特定称呼が多数音から構成される
    場合には任意の音へ変更した音、拗音ないし直音の場合
    はそれらの間で変更した音、近似子音且つ近似母音へ変
    更した音とすることで、同数音且つ1音相違の類似称呼
    を作成する処理であり、 前記1音削除型類似称呼作成処理は、前記特定称呼の各
    音それぞれについて、弱音の場合はその弱音を削除し、
    長音の場合はその長音を削除し、促音の場合はその促音
    を削除する以外に、前記特定称呼が多数音から構成され
    る場合にはその音を削除することで、1音差且つ1音相
    違の類似称呼を作成する処理であり、 前記1音加入型類似称呼作成処理は、前記特定称呼の語
    頭と語尾と各音間それぞれについて、弱音、長音又は促
    音を付加する以外に、前記特定称呼が多数音から構成さ
    れる場合には各音間に任意の音を付加することで、1音
    差且つ1音相違の類似称呼を作成する処理であることを
    特徴とする請求項9に記載の商標等の類似物作成システ
    ム、又は請求項11に記載の商標等の類否判断システ
    ム。
  13. 【請求項13】 前記同数音型類似称呼作成処理におい
    て、子音の変更は近似子音への変更とされ、母音の変更
    は近似母音への変更とされ、 前記同数音型類似称呼作成処理、前記1音削除型類似称
    呼作成処理及び前記1音加入型類似称呼作成処理は、前
    記特定称呼の中間音以下について行われることを特徴と
    する請求項9若しくは請求項12に記載の商標等の類似
    物作成システム、又は請求項11若しくは請求項12に
    記載の商標等の類否判断システム。
  14. 【請求項14】 母音の近似は、イ−エ−ア−オ−ウの
    並びにおいて、互いに隣接した音として求められ、 子音の近似は、特許庁の過去の商標審決例等に基づい
    て、子音が異なり母音が共通の類否判断結果を用いて求
    められた子音間の類否により求められることを特徴とす
    る請求項8、若しくは請求項10から請求項13までの
    いずれかに記載の商標等の類否判断システム、又は請求
    項9、請求項12若しくは請求項13に記載の商標等の
    類似物作成システム。
  15. 【請求項15】 前記類否判断処理手段ないし類似物作
    成手段は、片仮名ないし平仮名で入力等された称呼につ
    いて、その内の少なくとも50音を一旦、子音用の文字
    ないし数値と、母音用の文字ないし数値とから構成され
    る文字列ないし配列等に展開した後、類否判断処理ない
    し類似称呼作成処理を行い、その後、片仮名ないし平仮
    名に戻すことを特徴とする請求項8、若しくは請求項1
    0から請求項14までのいずれかに記載の商標等の類否
    判断システム、又は請求項9、請求項12から請求項1
    4までのいずれかに記載の商標等の類似物作成システ
    ム。
  16. 【請求項16】 第1装置と第2装置とが互いに双方向
    通信可能に接続可能とされており、 第1装置は、前記類否判断処理手段、前記類似物作成手
    段及び前記商標データベース等の内、少なくとも類否判
    断処理手段を備えており、 第2装置は、前記入力手段及び前記出力手段を備えてい
    ることを特徴とする請求項1、請求項3から請求項8、
    若しくは請求項10から請求項15までのいずれかに記
    載の商標等の類否判断システム、又は請求項2、請求項
    6、請求項7、請求項9、若しくは請求項12から請求
    項15までのいずれかに記載の商標等の類似物作成シス
    テム。
  17. 【請求項17】 前記第1装置と第2装置とは、インタ
    ーネット経由で接続可能とされていることを特徴とする
    請求項16に記載の商標等の類否判断システム又は類似
    物作成システム。
  18. 【請求項18】 請求項1若しくは請求項8に記載の類
    否判断システムのために、入力手段による入力処理、類
    否判断処理手段による類否判断処理、及び出力手段によ
    る出力処理を、又は請求項2若しくは請求項9に記載の
    類似物作成システムのために、入力手段による入力処
    理、類似物作成手段による類似称呼作成処理、及び出力
    手段による出力処理をコンピュータに実行させるプログ
    ラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
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