JP2001200927A - クラッチ機構付き車両の制御装置 - Google Patents

クラッチ機構付き車両の制御装置

Info

Publication number
JP2001200927A
JP2001200927A JP2000007962A JP2000007962A JP2001200927A JP 2001200927 A JP2001200927 A JP 2001200927A JP 2000007962 A JP2000007962 A JP 2000007962A JP 2000007962 A JP2000007962 A JP 2000007962A JP 2001200927 A JP2001200927 A JP 2001200927A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch mechanism
vehicle
compressor
lock
release
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000007962A
Other languages
English (en)
Inventor
Kohachi Tanaka
浩八 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2000007962A priority Critical patent/JP2001200927A/ja
Publication of JP2001200927A publication Critical patent/JP2001200927A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Fluid Gearings (AREA)
  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ドライバビリティを向上することのできるクラ
ッチ機構付き車両の制御装置を提供する。 【解決手段】車両減速中にECU30は、トルクコンバ
ータ11に設けられたロックアップクラッチ機構12を
作動させ、エンジン10と無段変速機14とを直接的に
連結し、燃料カットを実施する。ECU30は、そのロ
ックアップクラッチ機構12が作動している車両減速中
にエアコンディショナ(A/C)用コンプレッサ21の
作動要求がなされたとき、ロックアップクラッチ機構1
2の解除を指令するとともに、同クラッチ機構12の解
除が完了するまでの間、作動要求に応じたA/C用コン
プレッサ21の作動を遅延させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンと変速機
とを断接するクラッチ機構付き車両の制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えばエンジンと変速機との
間にロックアップクラッチ付きトルクコンバータが介設
された車両などのように、エンジンと変速機とを断接す
るクラッチ機構付きの車両が知られている。こうした車
両では、所定条件下でクラッチ機構を作動して、エンジ
ンと変速機とを直接的に接続するロックアップを実行す
ることで、トルクコンバータでの流体すべりによる動力
伝達効率の低下を抑制するようにしている。
【0003】また、そうしたクラッチ機構付き車両にお
いて、例えば特開平8−290730号公報にみられる
ように、車両減速時にクラッチ機構を作動させた状態を
保持するようにすれば、駆動輪の回転が直接的にエンジ
ンへと伝達されて、同エンジンを稼動せずともその回転
が維持されるため、燃料カット領域を拡大して、燃費向
上を図ることができる。
【0004】特に、変速比を連続的に変更することので
きる無段変速機(CVT)を備える車両では、クラッチ
機構を作動させた状態のままでの変速が可能なため、よ
り長期間に亘って車両減速中のクラッチ機構の作動を保
持し、燃料カット領域を更に拡大することが可能であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エアコンデ
ィショナの使用中は、エアコンディショナ用コンプレッ
サの作動のため、エンジンの回転負荷が増大する。この
ため、車両減速中のクラッチ機構が作動された状態で、
エアコンディショナ用コンプレッサの作動要求がなさ
れ、同コンプレッサが作動されれば、一時に減速加速度
が増加して、ショックが発生する。
【0006】そこで、エアコンディショナ用コンプレッ
サの作動要求がなされると、クラッチ機構を解除し、減
速加速度の増加を回避することが考えられる。しかしな
がら、上記作動要求とともにクラッチ機構の解除を指令
するようにしたとしても、クラッチ機構の動作にはある
程度の遅れがあるため、クラッチ機構が解除されないま
ま、コンプレッサが作動を開始してしまう。そのため、
上記作動要求とともにクラッチ機構の解除を指令したと
しても、やはり減速加速度が増加してしまい、ショック
の発生を回避することはできない。
【0007】特に、低車速時には、再加速時の動力性能
の確保のため、変速比がロー側に設定されており、上述
のエアコンディショナ用コンプレッサの作動に伴う減速
加速度の増加が大きく、そうしたショックの発生が運転
者に違和感を与えるおそれがある。
【0008】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、ドライバビリティを向上す
ることのできるクラッチ機構付き車両の制御装置を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1に記載の発明は、エンジンと変速機とを断接するク
ラッチ機構を車両減速中に作動させるクラッチ機構付き
車両の制御装置において、前記車両減速中の前記クラッ
チ機構の作動時においてエアコンディショナ用コンプレ
ッサの作動要求がなされたときに、前記クラッチ機構の
解除を指令するクラッチ機構解除指令手段と、その指令
解除手段の指令に基づいて前記クラッチ機構の解除され
るまでの期間、前記作動要求に基づく前記エアコンディ
ショナ用コンプレッサの作動を遅延した後、同エアコン
ディショナ用コンプレッサを作動させるコンプレッサ制
御手段とを備えるようにしたものである。
【0010】この構成では、車両減速中のクラッチ機構
の作動時に、エアコンディショナ用コンプレッサの作動
要求がなされると、クラッチ機構解除指令手段によって
クラッチ機構の解除が指令されるようになる。そして、
コンプレッサ制御手段によって、上記作動要求に基づく
エアコンディショナ用コンプレッサの作動が、クラッチ
機構が解除されるまでの期間、遅延されるようになる。
すなわち、この構成では、クラッチ機構が解除された
後、エアコンディショナ用コンプレッサの作動が開始さ
れるようになる。そのため、車両減速中にクラッチ機構
の作動が保持された状態でエアコンディショナ用コンプ
レッサが作動することによる減速加速度の増大が回避さ
れるようになる。
【0011】したがって、この請求項1に記載の発明に
よれば、エアコンディショナ用コンプレッサの作動に伴
う減速加速度の増大によるショックの発生が防止される
ため、ドライバビリティを向上することができるように
なる。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のクラッチ機構付き車両の制御装置において、前
記クラッチ機構解除指令手段は、車速が所定の速度以下
のときにのみ、前記エアコンディショナ用コンプレッサ
の作動要求に応じて前記クラッチ機構の解除を指令する
ものであって、前記コンプレッサ制御手段は、前記車速
が前記所定車速以下にないときには、前記クラッチ機構
の解除に拘わらず前記エアコンディショナ用コンプレッ
サを作動させるようにしたものである。
【0013】この請求項2に記載の構成では、上記クラ
ッチ機構解除指令手段は、車速が所定の速度以下のとき
のみにクラッチ機構の解除を指令するようになり、所定
の速度以上では、エアコンディショナ用コンプレッサの
作動要求に拘わらず、クラッチ機構の作動が保持される
ようになる。また、コンプレッサ制御手段は、車速が所
定の速度以上のときには、クラッチ機構の解除に拘わら
ずエアコンディショナ用コンプレッサを作動させるよう
になる。
【0014】上述したように、低車速では、再加速時の
動力性能を確保すべく変速比がロー側に設定されるた
め、減速加速度の増加も大きく、上述のエアコンディシ
ョナ用コンプレッサの作動に伴うショックがドライバビ
リティに与える影響も顕著となる。こうした低車速時に
のみ、エアコンディショナ用コンプレッサの作動要求に
伴うクラッチ機構の解除を実施しても、十分にドライバ
ビリティを向上することができる。また、ドライバビリ
ティに与える影響の小さな高車速時には、上記作動要求
に拘わらずクラッチ機構の作動を保持するようにすれ
ば、燃料カット領域の縮小も回避することができる。
【0015】したがって、この請求項2に記載の発明に
よれば、燃費性能の悪化を避けながらも、ドライバビリ
ティを向上することができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のクラッチ機構付き
車両の制御装置を具体化した一実施形態について、図を
参照して詳細に説明する。
【0017】図1は、本実施形態にかかるクラッチ機構
付き車両及びその制御装置を示す概略構成図である。ま
ず、この車両においてそのエンジン10と駆動輪17と
の間の動力伝達を司る動力伝達系の構成を、同図1に基
づき説明する。
【0018】同図1に示すように、エンジン10の出力
軸10aは、トルクコンバータ11に連結されている。
このトルクコンバータ11は、入力された回転を流体
(オイル)を媒介して伝達する流体継ぎ手の1種であ
り、流体を媒介することによってエンジン出力軸10a
の回転トルクを適宜に調整して駆動輪17側へと伝達す
るようにしている。
【0019】このトルクコンバータ11は、ロックアッ
プクラッチ機構12を備えている。このロックアップク
ラッチ機構12は、油圧制御回路19による油圧制御に
基づき作動して、トルクコンバータ11のエンジン10
側と駆動輪17側との直接的な動力伝達を可能としてい
る。
【0020】また、こうしたロックアップクラッチ機構
12を備えるトルクコンバータ11の駆動輪17側は、
車両後進時にエンジン10側から入力される回転の方向
を反転する前進後進切替機構13に連結されており、そ
の更に駆動輪17側は、変速を行うための変速機14に
連結されている。したがって、ロックアップクラッチ機
構12の作動/解除によって、エンジン10と変速機1
4とが断接されるようになる。
【0021】そしてそのロックアップクラッチ機構12
を作動して、上記トルクコンバータ11の流体(オイ
ル)を媒介しない、エンジン10と変速機14との間の
直接的な動力伝達を許容する、いわゆる「ロックアッ
プ」を実行するようにしている。そうしたロックアップ
を実行することで、トルクコンバータ11内での流体す
べりによる動力伝達効率の低下を好適に回避し、エンジ
ン10の燃費向上を図ることができるようになる。
【0022】本実施形態の車両では、上記変速機14と
して、変速比を連続して無段階に変更することのできる
無段変速機(CVT)が採用されている。このCVT1
4は、互いに巻掛けられたベルト14aによって駆動連
結された駆動プーリ14bと従動プーリ14cとを備え
ている。それら駆動及び従動プーリ14b、14cは、
油圧によってベルト14aの挟み幅を変更することがで
きるように構成されている。そして、上記油圧制御回路
19による油圧制御に基づいて、両プーリ14b、14
cのベルト14aの挟み幅を変更し、ベルト14aの巻
き掛け半径を可変とすることで、連続的に変速比を変更
するようにしている。
【0023】また、このCVT14の駆動輪17側は、
エンジン10側からの回転を減速して伝達する減速機構
15、及び左右の駆動輪17の差動を許容するためのデ
ィファレンシャル(差動機車装置)16を介して駆動輪
17に連結されている。
【0024】こうして、エンジン10と駆動輪17との
間では、ロックアップクラッチ機構12を備えるトルク
コンバータ11や、CVT14等を通じて動力伝達が行
われるようになる。
【0025】一方、エンジン10の出力軸10aは、エ
アコンディショナ(「A/C」)の冷媒を圧縮して、空
気を冷却するA/C用コンプレッサ21にも伝達可能と
なっている。ここでは、エンジン10の出力軸10aの
回転を、巻掛伝達機構20を介してそのA/C用コンプ
レッサ21に伝達するようにしている。そして、そのエ
ンジン出力軸10aとA/C用コンプレッサ21との駆
動連結を電磁クラッチ22によって選択的に断接するこ
とで、同A/C用コンプレッサ21の作動/停止が切り
替えられる。
【0026】続いて、こうしたクラッチ機構付き車両に
おいて、上記ロックアップクラッチ機構12やCVT1
4などの駆動伝達系の制御や、エンジン10の制御、A
/C用コンプレッサ21の制御を司る同車両の制御系の
構成について、同図1に基づき説明する。
【0027】本実施形態にかかるクラッチ機構付き車両
では、上記の制御系として役割を司る電子制御装置(E
CU)30を備えている。このECU30は、燃料噴射
制御や点火時期制御などのエンジン10の制御を司るエ
ンジン用ECU、油圧制御回路19の作動制御に基づく
CVT14やロックアップクラッチ機構12などの制御
を司るCVT用ECU、A/C用コンプレッサ21の作
動/停止を行うなどのA/C制御を司るA/C用ECU
などを含む電子回路群によって構成されている。
【0028】このECU30の入力ポートには、車両の
走行速度(車速「SPD」)を検知する速度センサ33
や、アクセルペダル35aの踏み込み量(「ACC
P」)を検知するアクセルセンサ35をはじめとして、
車両やエンジン10の運転状態を検知する各種センサの
出力が入力される。また、その入力ポートには、上記A
/C用コンプレッサ21の稼動に伴い冷却された冷媒が
流通するエバポレータ(図示略)の内部温度(冷却温度
「TE」)を検知する温度センサ34の出力も入力され
る。
【0029】一方、ECU30の出力ポートには、エン
ジン10の制御にかかる各種アクチュエータや、上記油
圧制御回路19、A/C用コンプレッサ21などを駆動
する各駆動回路などが接続されている。そしてECU3
0は、上記各種センサの出力に基づき、燃料噴射などの
エンジン10の運転制御、油圧制御回路19を駆動制御
してのCVT14の変速制御やロックアップクラッチ機
構12の作動制御なども実行する。更に、ECU30
は、エアコンディショナ制御の一環として、上記A/C
用コンプレッサ21の作動制御を実行する。
【0030】このA/C用コンプレッサ21の作動制御
は、上記温度センサ34の検知する冷却温度TEに基づ
き行われる。A/Cの使用中、ECU30は、冷却温度
TEが所定温度(例えば4℃)以上に上昇したときに、
電磁クラッチ22を連結してA/C用コンプレッサ21
を作動する。また、別の所定温度(例えば3℃)以下ま
で低下したときに、電磁クラッチ22を停止してA/C
用コンプレッサ21の作動を停止する。こうしてECU
30は、冷却温度TEが所定の温度範囲(上記例では3
〜4℃)内に保持するようにA/C用コンプレッサ21
の作動制御を行っている。
【0031】なお、A/C用コンプレッサ21の作動が
開始されれば、その分負荷が増大するため、同コンプレ
ッサ21の作動開始とともに、出力トルクを増すように
エンジン10の制御が行われる。ただし、エンジン10
の出力トルクの増大には、若干の応答遅れがある。その
ため、ここではA/C用コンプレッサ21の作動に際し
て、ディレイ時間DT0を設けるようにしている。そし
て、A/C用コンプレッサ21の作動要求がなされてか
ら、上記ディレイ時間DT0が経過した後に電磁クラッ
チ22を連結し、同コンプレッサ21を実際に作動開始
するようにしている。このディレイ時間DT0は、上記
エンジン10の出力トルクの増大にかかる応答遅れ分に
相当する時間(例えば0.5秒程度)として設定されて
いる。
【0032】次に、車両減速時におけるECU30の各
種制御態様について、図2及び図3を参照して詳細に説
明する。先述したように、車両減速中にロックアップク
ラッチ機構12を作動させれば、駆動輪17からエンジ
ン10側へと直接的に動力が伝達されて、同エンジン1
0を稼動せずともその回転が維持されるようになる。そ
のため、こうした車両減速中の燃料カットの実施に際し
て、ロックアップクラッチ機構12を作動すれば、燃料
カット領域を拡大して、燃費向上を図ることができるよ
うになる。
【0033】特に、本実施形態のようなCVT14を備
える車両では、ロックアップクラッチ機構12を作動さ
せたままでの変速が可能なため、より長期間に亘って車
両減速中の同ロックアップクラッチ機構12の作動を保
持し、燃料カット領域をより拡大することが可能であ
る。
【0034】そこで、本実施形態では、アクセルペダル
35aがオフとされて、車両が減速されると、エンジン
10の燃料カットを実施すると共に、ロックアップクラ
ッチ機構12を作動して、燃料カット領域を拡大するよ
うにしている。
【0035】一方、車両が減速されるにつれ、CVT1
4の変速比は、再加速時の動力性能を確保するためにロ
ー側に設定される。そのため、車両がある程度よりも低
速度となってからも、ロックアップクラッチ機構12の
作動を保持すれば、多大なエンジンブレーキが作用し
て、運転者の意図するよりも急激に車両が減速されるよ
うになる。
【0036】そこで、本実施形態のクラッチ機構付き車
両の制御装置では、ロックアップ解除速度を設定し、車
両の速度がその解除速度V0を下回れば、ロックアップ
クラッチ機構12を解除するようにしている。そして、
減速加速度が過大となる前に、車両のエンジン10側と
駆動輪17側との直接的な駆動連結を解放することで、
ドライバビリティの悪化を防止するようにしている。
【0037】また更に、上述のようにエンジン出力軸1
0aに駆動連結されたA/C用コンプレッサ21の稼働
時にはその分、エンジン10の回転負荷が増大するた
め、ロックアップ中の車両減速に伴う減速加速度の増加
もより大きくなる。そこで、A/C用コンプレッサ21
の作動時には、非作動時よりも高い速度(「所定速
度」)V1[V1>V0]以下で、ロックアップクラッ
チ機構12を解除するようにしている。
【0038】すなわち、上記速度V0は、A/C用コン
プレッサ21が停止された状態における減速中のロック
アップクラッチ機構12の作動を保持可能な車速の上限
として、また速度V1は、同A/C用コンプレッサ21
が作動された状態での同車速の上限としてそれぞれ設定
されている。
【0039】そのため、A/C用コンプレッサ21が継
続的に作動されているときには、車速が上記速度V1ま
で減速された時点で、ロックアップクラッチ機構12が
解除されるようになる。また、車速が速度V1以下であ
れば、車両減速中のロックアップクラッチ機構12の作
動時において、A/C用コンプレッサ21の作動要求が
なされれば、その時点でロックアップクラッチ機構12
は解除されるようになる。
【0040】続いて、本実施形態でのロックアップクラ
ッチ機構12が作動された状態での車両減速中に、A/
C用コンプレッサ21の作動要求がなされたときの制御
態様について説明する。
【0041】図2は、車両減速中のA/C用コンプレッ
サ21などの制御にかかる「減速時A/C制御ルーチ
ン」のフローチャートである。本ルーチンは、ECU3
0によって所定時間毎に周期的に実行される。
【0042】本ルーチンに移行すると、ECU30は先
ずステップ100において、アクセルペダル35aがオ
フとされて車両減速中で、且つ車速が速度V1以下であ
り、しかも燃料カット中であるか否かを判断する。すな
わちこのステップ100では、車速が速度V1以下で、
ロックアップクラッチ機構12が作動中であるか否かを
判断している。ここで、それらの条件を満たしていなけ
れば(ステップ100:NO)、処理をステップ140
に移行する。また、上記条件が全て満たされていれば
(ステップ100:YES)、続くステップ110の処
理に移行する。
【0043】このステップ110では、A/C用コンプ
レッサ21の作動要求の有無を判断する。ここで、作動
要求がなされていなければ(ステップ110:NO)、
上記ステップ140の処理に移行し、作動要求がなされ
ていれば(ステップ110:YES)続くステップ12
0の処理に移行する。
【0044】このステップ120においてECU30
は、ロックアップクラッチ機構12を解除すべく指令を
出力する。そして、続くステップ130において、A/
C用コンプレッサ21の作動までのディレイ時間とし
て、上述の時間DT0の代わりに、時間DT1を設定し
た後、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0045】この時間DT1は、上記解除指令の出力か
らロックアップクラッチ機構12が実際に解除されるま
での応答遅れ分に相当する時間として設定されている。
ちなみに、油圧制御回路による油圧制御に基づき行われ
るロックアップクラッチ機構12の解除には、上述のエ
ンジン10の出力トルクの増大に比して、応答遅れ時間
が長くなる(例えば数秒程度)。したがって、この時間
DT1は、時間DT0よりも十分に長い時間が設定され
ている[DT1>DT0]。
【0046】このように、本実施形態では、車両減速中
のロックアップクラッチ機構12の作動時に、車速が速
度V1以下となった状態で、A/C用コンプレッサ21
の作動要求がなされると、ECU30はロックアップク
ラッチ機構12を解除すべく指令を出力する。そしてそ
の指令に基づいてロックアップクラッチ機構12が解除
するまでの期間、上記作動要求に基づくA/C用コンプ
レッサ21の作動を遅延した後、はじめて同コンプレッ
サ21の作動するようにしている。
【0047】なお、上記ステップ100及びステップ1
10のいずれかで否定判断されると、ステップ140に
おいて、上記A/C用コンプレッサ21の作動にかかる
ディレイ時間として、上述した通常時のディレイ時間D
T0を設定するようにしている。
【0048】図3は、本実施形態のクラッチ機構付き車
両の制御装置における車両減速時の制御態様の一例を示
している。一方、図4は、従来のロックアップ機構付き
車両の制御装置における車両減速時の制御態様の一例を
示している。以下、これら図3及び図4を対比しなが
ら、それら各制御装置における車両減速時の制御態様を
説明する。
【0049】これら図3及び図4において、(a)は車
速の推移を、(b)はA/C用コンプレッサ21の作動
要求の推移を、(c)はロックアップクラッチ機構12
の解除指令の推移を、(d)はロックアップクラッチ機
構12の作動状態の推移をそれぞれ示している。また各
図(e)は燃料カットの実施状態の推移を、(f)はA
/C用コンプレッサ21の作動状態の推移をそれぞれ示
している。そして、各図(g)は、車両の加速度の推移
を示している。
【0050】各図(a)に示すように、車両が上記速度
V1まで減速された時刻T10、T0において、各図
(f)に示すように、A/C用コンプレッサ21が停止
されているため、各図(d)に示すように、この時刻、
T10、T0以降もロックアップクラッチ機構12の作
動は継続されている。
【0051】ここで、各図(b)に示すように、時刻T
11、T1において、A/C用コンプレッサ21の作動
要求がなされると、その時点で、各図(c)に示すよう
にロックアップクラッチ機構12の解除指令が出力され
る。またそれとともに、各図(e)に示すように燃料カ
ットが停止(オフ)となる。一方、各図(d)に示すよ
うに、解除指令の出力とともにロックアップクラッチ機
構12の解除が開始されるものの、油圧制御回路19に
よる油圧制御の応答遅れなどに起因して、時刻T12、
T2になるまでロックアップクラッチ機構12の解除は
完了されず、エンジン10とCVT14とが部分的に連
結された状態が維持される。
【0052】このとき、図4に示す従来のクラッチ機構
付き車両の制御装置では、作動要求からのディレイ時間
として、エンジン10の制御にかかる応答遅れ分に相当
する比較的短い時間DT0しか設定されていない。その
ため、同図4(f)に示すように、未だロックアップク
ラッチ機構12の解除されていないうちに、A/C用コ
ンプレッサ21の作動が開始されてしまう。そしてその
結果、同図4(g)に示すように、A/C用コンプレッ
サ21の作動開始に伴う負荷の増大が、直接的に駆動輪
17に作用して、車両の減速加速度が一時に増大し、シ
ョックが発生する。また、車両には、その減速加速度の
一時的な増大の後も、揺りもどしによる前後方向の加速
度変動、いわゆる「しゃくり」が発生してしまう。
【0053】これに対して、図3に示す本実施形態のク
ラッチ機構付き車両の制御装置では、このときA/C用
コンプレッサ21の作動にかかるディレイ時間として、
ロックアップクラッチ機構12の応答遅れ分に相当する
比較的長い時間DT1が設定されている。そのため、同
図3(f)に示すように、ロックアップクラッチ機構1
2が解除される時刻T12まで、A/C用コンプレッサ
21の作動が遅延されるようになる。したがって、同図
3(g)に示すように、車両の減速加速度の増大を伴う
ことなく、A/C用コンプレッサ21の作動が開始され
るようになる。
【0054】以上説明したように、本実施の形態のクラ
ッチ機構付き車両の制御装置によれば、以下に記載する
効果を得ることができるようになる。 (1)本実施形態では、車両減速中のロックアップクラ
ッチ機構12の作動時にA/C用コンプレッサ21の作
動要求がなされるときに、同ロックアップクラッチ機構
12の解除を指令するようにしている。そして、その解
除の指令に基づいてロックアップクラッチ機構12が解
除されるまでの期間、上記作動要求に基づくA/C用コ
ンプレッサ21の作動を遅延した後、同コンプレッサ2
1を作動するようにしている。そのため、車両減速中に
クラッチ機構が作動されたまま、A/C用コンプレッサ
21が作動することによる減速加速度の増大が回避され
るようになる。したがって、A/C用コンプレッサ21
の作動によるショックの発生が防止されて、ドライバビ
リティを向上することができるようになる。
【0055】(2)本実施形態では、車速が所定速度V
1以下のときにのみ、A/C用コンプレッサ21の作動
要求に基づいてロックアップクラッチ機構12の解除を
指令するようにしている。更に、車速が所定速度V1以
下でなければ、同ロックアップクラッチ機構12の解除
に拘わらず、作動要求に応じたA/C用コンプレッサ2
1の作動を開始するようにしている。そのため、A/C
用コンプレッサ21の作動がドライバビリティに及ぼす
影響が小さな高速時には、同コンプレッサ21の作動に
拘わらず、ロックアップクラッチ機構12の作動が保持
され、燃料カット領域が拡大される。したがって、燃費
性能の悪化を避けながらも、ドライバビリティを向上す
ることができるようになる。
【0056】(3)また、本実施形態では、上記のよう
にA/C用コンプレッサ21の作動に伴うドライバビリ
ティの悪化を懸念することなく、ロックアップクラッチ
機構12を作動し、車両減速中の燃料カットを実施する
ことができる。そのため、従来であれば、A/C用コン
プレッサ21の作動がドライバビリティに与える影響が
大きくて、車両減速中のロックアップクラッチ機構12
の作動が困難であった低車速まで、同クラッチ機構12
の作動を継続可能となる。したがって、燃料カット領域
を更に拡大し、車両の燃費性能をより一層向上すること
ができるようにもなる。
【0057】(4)本実施形態では、かかる制御装置
を、ロックアップクラッチ機構12を作動させたままで
の変速比の変更が可能で、より長期に亘り燃料カットを
実施可能なCVT14を備えるクラッチ機構付き車両に
適用するようにしている。したがって、A/C用コンプ
レッサ21の作動に伴うドライバビリティの悪化を懸念
もなく、CVT14による燃料カット領域の拡大を存分
に図ることができるようにもなる。
【0058】なお、以上説明した本実施形態のクラッチ
機構付き車両の制御装置は、以下のように変更すること
もできる。 ・上記実施形態では、車速が所定の速度V1以下のとき
に限り、A/C用コンプレッサ21の作動要求に応じて
ロックアップクラッチ機構12の解除を指令するように
している。また、その速度V1以下でなければ、ロック
アップクラッチ機構12の解除に拘わらず、作動要求に
応じてA/C用コンプレッサ21を作動させるようにし
ている。こうした制御を行わずとも、ロックアップクラ
ッチ機構12が作動されている車両減速中に、A/C用
コンプレッサ21の作動要求に応じてロックアップクラ
ッチ機構12を解除するよう指令し、その指令に基づく
同機構12の解除が完了されるまでの間、上記作動要求
に応じたコンプレッサ21の作動を遅延するようにすれ
ば、上記(1)(3)(4)に記載の効果を得ることは
できる。
【0059】・また、上記各実施形態の制御装置の適用
されるクラッチ機構付き車両では、変速機として連続的
に無段階の変速が可能な無段変速機(CVT)14を採
用する構成としているが、上記各実施形態と同様或いは
それに準じた態様での車両減速中の各種制御は、多段式
自動変速機や手動変速機などのその他の変速機を採用す
るクラッチ機構付き車両にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクラッチ機構付き車両の制御装置を具
体化した一実施形態についてそのクラッチ機構付き車両
及びその制御装置の概略構成図。
【図2】同実施形態での減速時A/C制御手順を示すフ
ローチャート。
【図3】同実施形態のクラッチ機構付き車両の制御装置
についてその制御態様の一例を示すタイムチャート。
【図4】従来のクラッチ機構付き車両の制御装置につい
てその制御態様の一例を示すタイムチャート。
【符号の説明】
10…エンジン、10a…エンジン出力軸、11…トル
クコンバータ、12…ロックアップクラッチ機構、14
…無段変速機(「CVT」:変速機)、19…油圧制御
回路、21…エアコンディショナ用コンプレッサ、22
…電磁クラッチ、30…電子制御装置(「ECU」:ク
ラッチ機構解除指令手段、コンプレッサ制御手段)、3
3…速度センサ、35…アクセルセンサ、35a…アク
セルペダル、34…温度センサ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンと変速機とを断接するクラッチ機
    構を車両減速中に作動させるクラッチ機構付き車両の制
    御装置において、 前記車両減速中の前記クラッチ機構の作動時においてエ
    アコンディショナ用コンプレッサの作動要求がなされた
    ときに、前記クラッチ機構の解除を指令するクラッチ機
    構解除指令手段と、 その指令解除手段の指令に基づいて前記クラッチ機構の
    解除されるまでの期間、前記作動要求に基づく前記エア
    コンディショナ用コンプレッサの作動を遅延した後で、
    同エアコンディショナ用コンプレッサを作動させるコン
    プレッサ制御手段とを備えることを特徴とするクラッチ
    機構付き車両の制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のクラッチ機構付き車両の
    制御装置において、 前記クラッチ機構解除指令手段は、車速が所定の速度以
    下のときにのみ、前記エアコンディショナ用コンプレッ
    サの作動要求に応じて前記クラッチ機構の解除を指令す
    るものであって、 前記コンプレッサ制御手段は、前記車速が前記所定車速
    以下にないときには、前記クラッチ機構の解除に拘わら
    ず前記エアコンディショナ用コンプレッサを作動させる
    ものであることを特徴とするクラッチ機構付き車両の制
    御装置。
JP2000007962A 2000-01-17 2000-01-17 クラッチ機構付き車両の制御装置 Pending JP2001200927A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000007962A JP2001200927A (ja) 2000-01-17 2000-01-17 クラッチ機構付き車両の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000007962A JP2001200927A (ja) 2000-01-17 2000-01-17 クラッチ機構付き車両の制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001200927A true JP2001200927A (ja) 2001-07-27

Family

ID=18536310

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000007962A Pending JP2001200927A (ja) 2000-01-17 2000-01-17 クラッチ機構付き車両の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001200927A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100471289B1 (ko) * 2002-12-03 2005-03-09 현대자동차주식회사 차량의 댐퍼 클러치 제어장치 및 방법
JP2005098341A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Honda Motor Co Ltd 車両の制御装置
US6942598B2 (en) 2002-08-27 2005-09-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Drive control apparatus for a vehicle and control method thereof
JP2006182164A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Nissan Motor Co Ltd 車両用エアコン制御装置
EP1600618B1 (en) * 2004-05-24 2012-04-25 Nissan Motor Co., Ltd. Control of vehicle drive system
CN105909783A (zh) * 2015-02-20 2016-08-31 丰田自动车株式会社 用于车辆自动变速器的控制装置
DE102017009466A1 (de) 2016-10-12 2018-04-12 Suzuki Motor Corporation Steuervorrichtung und steuersystem für ein fahrzeug

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6942598B2 (en) 2002-08-27 2005-09-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Drive control apparatus for a vehicle and control method thereof
KR100471289B1 (ko) * 2002-12-03 2005-03-09 현대자동차주식회사 차량의 댐퍼 클러치 제어장치 및 방법
JP2005098341A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Honda Motor Co Ltd 車両の制御装置
EP1600618B1 (en) * 2004-05-24 2012-04-25 Nissan Motor Co., Ltd. Control of vehicle drive system
JP2006182164A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Nissan Motor Co Ltd 車両用エアコン制御装置
JP4677783B2 (ja) * 2004-12-27 2011-04-27 日産自動車株式会社 車両用エアコン制御装置
CN105909783A (zh) * 2015-02-20 2016-08-31 丰田自动车株式会社 用于车辆自动变速器的控制装置
DE102017009466A1 (de) 2016-10-12 2018-04-12 Suzuki Motor Corporation Steuervorrichtung und steuersystem für ein fahrzeug
FR3057226A1 (fr) 2016-10-12 2018-04-13 Suzuki Motor Corporation Dispositif de commande et systeme de commande de vehicule
DE102017009466B4 (de) 2016-10-12 2022-03-10 Suzuki Motor Corporation Steuervorrichtung und steuersystem für ein fahrzeug

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3644207B2 (ja) ハイブリッド車両の変速制御装置
JP5867440B2 (ja) 車両の制御装置
US20030203790A1 (en) Vehicle drive control apparatus and method
JP2847503B2 (ja) 車両用クラッチの制御装置
KR20100108277A (ko) 무단 변속기 및 그 제어 방법
JPH0530610U (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP5768188B2 (ja) 自動変速機の制御装置及び制御方法
JP2001200927A (ja) クラッチ機構付き車両の制御装置
JP4568960B2 (ja) クラッチ機構付き車両の制御装置
JP2004108516A (ja) 自動変速機の制御装置
JPH04118328A (ja) 車両用発進クラッチの制御装置
JPH085343B2 (ja) 車両用自動クラツチの制御装置
JP3528431B2 (ja) 自動走行制御装置
JP2001132828A (ja) 車両用無段変速機の制御装置
JP4378844B2 (ja) 車両駆動装置
JPH11223263A (ja) 自動変速機のロックアップ制御装置
JPH07293649A (ja) 無段変速機の変速比制御装置
JPH05209545A (ja) 車両用エンジンの制御装置
JP4677783B2 (ja) 車両用エアコン制御装置
JP2005172078A (ja) トルクコンバータのロックアップ制御装置
JP3430869B2 (ja) 車両用無段変速機のロックアップ制御方法
JP2019203527A (ja) 車両制御装置
JP4449165B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP2001146926A (ja) クラッチ機構付き車両の制御装置
JP2852518B2 (ja) シフトレバー位置信号の判定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080902

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090303

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090707