JP2001196679A - 狭帯域化レーザ装置及びその波長制御装置 - Google Patents

狭帯域化レーザ装置及びその波長制御装置

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JP2001196679A
JP2001196679A JP2000003906A JP2000003906A JP2001196679A JP 2001196679 A JP2001196679 A JP 2001196679A JP 2000003906 A JP2000003906 A JP 2000003906A JP 2000003906 A JP2000003906 A JP 2000003906A JP 2001196679 A JP2001196679 A JP 2001196679A
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oscillation
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Hiroki Watabe
弘樹 渡部
Tatsuya Ariga
達也 有我
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ発振を休止後に再開する際に、中心波
長を短時間で目標値に戻すことが可能な紫外線レーザ及
びその波長制御装置を提供する。 【解決手段】 レーザ光11の中心波長λを目標値λ0
に制御する波長制御装置において、レーザ発振が所定時
間Δt0以上休止したことを検知する休止検知手段40
と、レーザ発振の休止中の中心波長λのずれ量Δλを予
測する予測手段47と、予測したずれ量Δλに基づいて
中心波長λを休止前の目標値λ0に補正する補正手段2
6とを備えたことを特徴とする波長制御装置、ならびに
この波長制御装置を備えた狭帯域化レーザ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線レーザの波
長安定化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ステッパ等の加工機の光源と
して、中心波長を目標値に一致させ、線幅を狭くした
(これらを狭帯域化という)、狭帯域化紫外線レーザが
知られている。図8は、狭帯域化紫外線レーザの一例で
あるエキシマレーザの構造図であり、以下同図に基づい
て従来技術を説明する。
【0003】同図において、エキシマレーザ1は、レー
ザガスを封止して内部で放電を行ない、レーザ光11を
発振させるレーザチャンバ2と、レーザチャンバ2の前
後部にそれぞれ取着され、レーザ光11を透過するウィ
ンドウ7,9と、レーザチャンバ2の後方(図中左側)
に設けられ、レーザ光11の波長を狭帯域化する光学部
品群からなる狭帯域化ユニット20と、レーザチャンバ
2の前方に設けられ、レーザ光11の一部を透過して外
部に出射させるフロントミラー8とを備えている。狭帯
域化ユニット20内には、ウィンドウ9から出射したレ
ーザ光11のビーム幅を広げるプリズム22,22と、
このレーザ光11を回折して波長を狭帯域化するグレー
ティング23と、レーザ光11がグレーティング23に
入射する入射角度を制御して中心波長を目標値に制御す
る回折ミラー24とが配置されている。
【0004】フロントミラー8から出射したレーザ光1
1は、ビームスプリッタ12に入射し、その一部がサン
プリングされて波長測定装置30に入射する。残りのレ
ーザ光11は例えばステッパ等の加工機15に入射し、
ウェハを加工するための加工用光源となる。波長測定装
置30には、例えばモニタエタロン33が内蔵されてお
り、その生成した干渉縞34に基づいて狭帯域化された
レーザ光11の中心波長λを測定する。波長測定装置3
0と狭帯域化ユニット20とは、波長コントローラ25
に接続されている。波長コントローラ25は、波長測定
装置30で計測された中心波長λに基づき、狭帯域化ユ
ニット20に信号を送って回折ミラー24の角度を変更
し、中心波長λを目標値λ0となるように制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術には、次に述べるような問題がある。即ち、エキ
シマレーザ1はレーザチャンバ2の内部で放電を行なっ
ており、レーザ発振開始後は、次第にレーザチャンバ2
の温度が上昇する。これに伴い、狭帯域化ユニット20
の光学部品を保持する構造物が熱で歪み、レーザ光11
の中心波長λが目標値λ0から次第にずれてしまう。連
続的に発振を行なっている間は、波長コントローラ25
は、このような温度上昇に伴うレーザ光11の中心波長
λのずれを補正するように回折ミラー24を動かして、
中心波長λが目標値λ0となるように制御している。
【0006】しかしながら、例えばステッパの光源とし
てエキシマレーザ1を使用する場合には、所定時間発振
を続けた後に、半導体ウェハの交換を行なう際などにレ
ーザ発振を数分間休止し、休止後にレーザ発振を再開す
るような使い方が行なわれる。この休止の間、レーザチ
ャンバ2の内部では放電が停止するため、レーザチャン
バ2の温度は、徐々に下がっていく。この温度下降によ
って狭帯域化ユニット20の光学部品群を保持する構造
物の熱歪みが元に戻り、光学部品相互の位置関係が休止
前に比べてずれる。この間はレーザ発振が行なわれてい
ないために、波長コントローラ25は波長制御が行なえ
ず、レーザ発振を再開するときには中心波長λは元の目
標値λ0からずれてしまう。
【0007】図9に、時間経過に伴う温度Tと中心波長
λとの変化をグラフで示す。同図において、時刻t1ま
ではレーザ発振が継続されており、これに伴って温度T
が徐々に上昇を続けている。波長コントローラ25はこ
の間波長制御を行なっており、中心波長λは目標値λ0
に略一致している。ところが、時刻t1から時刻t2ま
でレーザ発振が休止すると、温度Tは降下を始め、光学
部品相互の位置関係がずれる。これに伴って、その状態
でレーザ発振を行なったと仮定した場合の中心波長λ
は、目標値λ0からずれていく。そして、時刻t2にお
いてレーザ発振を再開した時には、中心波長λは目標値
λ0から大きくずれており、この状態から波長コントロ
ーラ25が中心波長λを目標値λ0に戻す時刻t3まで
に、長時間を要する。従って、その間は加工が行なえ
ず、ステッパ等の加工機15の稼働率が低下してしまう
という問題がある。また、中心波長λが目標値λ0から
大きく離れた状態から波長制御を開始するので、波長制
御が迷って目標値λ0に到達できないといった問題もあ
る。さらに、休止再開後に中心波長λを合わせるまでに
は、加工に寄与しないレーザ発振を長時間にわたって行
なわなければならず、この間のレーザ発振によってガス
や光学部品のランニングコストが増大するという問題が
ある。
【0008】尚、上記の休止時間の間、温度下降を防ぐ
ためにレーザ発振及び波長制御を続けるという対策も考
えられるが、これは不要な電力消費を引き起こすもので
好ましくない。さらには、休止を行なわずにレーザ発振
を続けると、レーザチャンバ2内のレーザガスの放電に
よる劣化が、休止した場合に比べてより早く進行する。
そのため、ガス交換までの間隔が短くなり、レーザガス
のランニングコストが増加してしまうという問題があ
る。また、発振時間が増加するほど、レーザ光11によ
って光学部品が受けるダメージが大きくなるため、光学
部品の交換までの間隔が短くなり、光学部品のランニン
グコストが増加してしまうという問題がある。
【0009】本発明は、上記の問題に着目してなされた
ものであり、レーザ発振を休止後に再開する際に、中心
波長を短時間で目標値に戻すことが可能な紫外線レーザ
及びその波長制御装置を提供することを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、第1発明は、レーザ光の中心波長
を目標値に制御する波長制御装置において、レーザ発振
が所定時間以上休止したことを検知する休止検知手段
と、レーザ発振の休止中の中心波長λのずれ量を予測す
る予測手段と、予測したずれ量に基づいて中心波長を休
止前の目標値に補正する補正手段とを備えている。
【0011】第1発明によれば、レーザ発振の休止を検
知し、休止中の中心波長のずれ量を予測して中心波長を
休止前の目標値に補正している。これにより、休止後の
レーザ発振再開時にレーザ光の中心波長が目標値に非常
に近い値となっているので、波長制御を行なって中心波
長を目標値に正確に戻すまでの時間が短縮される。さら
に、目標値に近いところから波長制御を行なうので、波
長制御が迷って目標値に到達しないといったことがな
く、正確な波長制御が行なえる。
【0012】また、第2発明は、レーザ光の中心波長を
目標値に制御する狭帯域化ユニットを備えた狭帯域化レ
ーザ装置において、第1発明記載の波長制御装置を備え
ている。
【0013】第2発明によれば、エキシマレーザが第1
発明記載の波長制御装置を備えているので、休止後、即
座に中心波長を目標値に制御可能である。従って、この
ようなエキシマレーザを使用する加工機が即座に加工を
再開でき、加工機の稼働率が向上する。さらに、中心波
長を目標値に合わせるまでの、加工に寄与しないレーザ
発振のパルス数が減少し、この間にガスや光学部品が消
耗することが少ないため、それらのランニングコストを
低減させることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら、本発明
に係る実施形態を詳細に説明する。尚、各実施形態にお
いて、前記従来技術の説明に使用した図、及びその実施
形態よりも前出の実施形態の説明に使用した図と同一の
要素には同一符号を付し、重複説明は省略する。
【0015】まず、第1実施形態を説明する。図1は、
本実施形態に係るエキシマレーザの平面図、図2はその
側面断面図を示している。同図において、エキシマレー
ザ1は、レーザガスを封止して内部で放電を行ない、レ
ーザ光11を発振させるレーザチャンバ2を備えてい
る。
【0016】レーザチャンバ2は、フレーム48上に設
置された左右のレール46,46上に搭載されてボルト
49等で固定されており、このボルト49を外すことに
より、手前方向(図1における下方向)に引き出せるよ
うになっている。レール46には、キャビティ孔50,
50が図中手前と奥にそれぞれ設けられ、光学部品を支
持するキャビティロッド45,45が貫通している。キ
ャビティロッド45の外径とキャビティ孔50の内径と
はほぼ等しく、キャビティロッド45がその長手方向に
摺動自在となる程度のわずかな隙間が設けられている。
キャビティ孔50,50を貫通してレール46,46に
支持されたキャビティロッド45,45の両端部には、
左右のキャビティ板44,44が、それぞれ図示しない
ネジ等で固定されている。キャビティ板44,44の上
部には、さらに1本のキャビティロッド45が、レーザ
チャンバ2下方のキャビティロッド45,45に対して
三角形をなすように配置されて固定されている。
【0017】そして、レーザチャンバ2前方(図中右
方)のキャビティ板44にはフロントミラー8が、ま
た、レーザチャンバ2後方のキャビティ板44には狭帯
域化ボックス21が、それぞれ固定されている。キャビ
ティロッド45はインバー等の熱膨張率が非常に低い材
質からなっており、上述したようにレーザチャンバ2に
対して摺動自在となっている。従って、レーザチャンバ
2が内部の放電によって熱膨張を起こしても、キャビテ
ィ板44,44同士の相対的な位置関係は保たれるよう
になっている。
【0018】また、エキシマレーザ1は、レーザチャン
バ2の前後部にそれぞれ取着され、レーザ光11を透過
するウィンドウ7,9と、レーザチャンバ2の後方に設
けられ、レーザ光11の波長を狭帯域化する狭帯域化ユ
ニット20と、レーザチャンバ2の前方に設けられ、レ
ーザ光11の一部を透過して外部に出射させるフロント
ミラー8とを備えている。狭帯域化ユニット20は、狭
帯域化ボックス21と、その内部に設置された光学部品
群とから構成されている。光学部品群は、例えば、ウィ
ンドウ9から出射したレーザ光11のビーム幅を広げる
プリズム22,22と、このレーザ光11を回折してそ
の波長を狭帯域化するグレーティング23と、レーザ光
11がグレーティング23に入射する入射角度を変えて
中心波長λを制御する回折ミラー24とを備えている。
【0019】フロントミラー8から出射したレーザ光1
1は、ビームスプリッタ12,12に入射し、その一部
がサンプリングされて波長測定装置30及びパワー検出
装置40に入射する。残りのレーザ光11は、例えばス
テッパ等の加工機15に入射し、半導体ウェハを加工す
るための加工用光源となる。波長測定装置30には、例
えばモニタエタロン33が内蔵されており、その生成し
た干渉縞34に基づいてレーザ光11の中心波長λを測
定する。波長測定装置30と狭帯域化ユニット20と
は、レーザ光11の中心波長λを制御するための波長コ
ントローラ25に接続されている。波長コントローラ2
5は、波長測定装置30で計測された中心波長λに基づ
いて狭帯域化ユニット20に信号を送り、回折ミラー2
4が搭載された回転ステージ26を図示しないパルスモ
ータで駆動して回転させ、中心波長λを目標値λ0(一
定の幅を有する目標λ0−δ〜λ0+δでもよい)とな
るように制御する。また波長コントローラ25は、レー
ザ光11のパワーを検出するパワー検出装置40の出力
に基づいて、レーザ発振が行なわれているか否かをも検
知可能である。さらに、波長コントローラ25は内部に
タイマーを備えており、レーザ光11の発振休止時間を
測定することができるようになっている。そして、波長
コントローラ25はエキシマレーザ1の運転をコントロ
ールするレーザコントローラ4と接続されている。エキ
シマレーザ1の運転を長時間停止する場合には、このレ
ーザコントローラ4から波長コントローラ25にその旨
が通知される。この場合の停止は休止とは異なり、例え
ばその日のレーザ発振を終了したり、レーザガス交換や
メンテナンスを行なうような場合を指す。
【0020】キャビティ板44、狭帯域化ボックス21
の内外壁、レーザチャンバ2、又は狭帯域化ボックス2
1内部の少なくともいずれか1箇所には、温度測定用の
温度センサ47が取着されている。この温度センサ47
の出力は、波長コントローラ25に入力され、波長コン
トローラ25はこれら温度センサ47の信号に基づき、
エキシマレーザ1の温度Tを測定することが可能となっ
ている。
【0021】次に、波長コントローラ25が温度センサ
47の温度測定に基づいて休止中に中心波長λが目標値
λ0からずれるのを補正することにより、休止後に迅速
に目標値λ0に戻すための手順の一例を説明する。図3
に、このような手順を行なうためのフローチャートの一
例を示す。なお、以下、フローチャートでは各ステップ
番号にSを付して表す。
【0022】まず、波長コントローラ25はパワー検出
装置40の出力に基づいてレーザ発振の有無を判定し
(S1)、発振が行なわれている場合には、所定の手順
に従って通常の波長制御を行なう(S2)。そして、S
1でレーザ発振が行なわれていない場合には上記の各温
度センサ47の出力に基づき、温度Tを測定する(S
3)。次に、タイマーによって最後のレーザ発振後の経
過時間Δtを測定し、これが予め定められた時間Δt0
より大となったか否かを判定して(S5)、大になって
いなければS1に戻る。S5で、時間Δt0が経過して
いれば、レーザコントローラ4からエキシマレーザ1の
停止が通知されているか否かを判定し(S6)、停止通
知があった場合には、所定の手順に従って装置を停止す
る(S7)。そして、S6でレーザ停止でない場合には
温度測定を行ない、S3で測定した温度Tとの温度差Δ
Tを求める(S9)。この温度差ΔTから、後述する手
順に従って中心波長λのずれ量Δλを予測し(S1
0)、そのずれ量Δλに相当する分だけ、回折ミラー2
4が搭載されている回転ステージ26のパルスモータを
駆動して中心波長λを目標値λ0に補正し(S11)、
S1に戻る。
【0023】以下、上記のS10、S11について詳細
に説明する。前述したように、レーザ発振が行なわれて
いない場合には温度変化によって狭帯域化ボックス21
やキャビティ板44等が歪み、しかもその間は波長制御
を行なうことができないため、休止後にレーザ発振を再
開した場合の中心波長λが目標値λ0からずれてしま
う。図4に、温度差ΔTと、中心波長λの目標値λ0か
らのずれ量Δλとの関係の一例をグラフで示す。同図に
示すように、ずれ量Δλは、温度差ΔTが大きくなるに
つれて大きくなることが判明している。例えば、温度差
がΔT1ととなった場合には、ずれ量がΔλ1となるこ
とになる。従って、同図に示したような関係をグラフか
ら予め求めておくことにより、S10で示したように温
度差ΔTから休止中のずれ量Δλを予測することが可能
となる。
【0024】図5に、中心波長λのずれ量Δλに対し、
このずれを戻すために回転ステージ26をどれだけの角
度Δθだけ回転すればよいかという関係のグラフを示
す。横軸が角度Δθ、縦軸がずれ量Δλである。従っ
て、例えばずれ量がΔλ1となった場合には、回転ステ
ージ26を角度Δθ1だけ回転させれば、中心波長λは
元の目標値λ0にほぼ戻ることになる。回転ステージ2
6は、パルスモータによって駆動されており、パルスモ
ータを駆動するパルス数Nと回転角度Δθとは正比例す
る。従って図5は、回折ミラー24の搭載された回転ス
テージ26を駆動するパルスモータのパルス数Nと、こ
のパルス数Nだけ回転ステージ26を駆動した際の波長
のずれ量Δλとの関係でもある。即ち、予測したずれ量
Δλに基づき、パルスモータをこれに相当するパルス数
Nだけ中心波長λがずれる方向と逆方向に駆動すること
により、レーザ発振が休止中にも中心波長λを補正する
ことが可能となる。
【0025】以上説明したように本実施形態によれば、
温度センサ47をエキシマレーザ1に取りつけて、レー
ザ発振の休止中に狭帯域化ボックス21等の温度Tを測
定している。そして、休止中の温度変化に基づいて中心
波長λのずれ量Δλを予測し、回折ミラー24の搭載さ
れた回転ステージ26を、中心波長λのずれを補正する
方向に回転させてずれを補正するようにしている。即
ち、休止中の温度変化によって中心波長λがずれるの
を、休止している間に補正するので、レーザ発振を再開
した直後における中心波長λが、休止前の目標値に非常
に近い状態で発振を再開することが可能である。従っ
て、中心波長λが目標値λ0に戻るまでの時間が短縮さ
れるので、休止後、即座に加工を再開でき、加工機15
の稼働率が向上する。
【0026】また、レーザ発振を再開してから短時間で
中心波長λが目標値λ0に戻るので、中心波長λを目標
値λ0に合わせるまでの、加工に寄与しないレーザ発振
のパルス数が減少する。従って、この間にガスや光学部
品が消耗することが少なく、それらのランニングコスト
を低減させることが可能となる。尚、中心波長λのずれ
の原因は、狭帯域化ボックス21の温度変化によって起
こるものが最も大きいと考えられているので、温度セン
サ47は、なるべく狭帯域化ボックス21の内外壁や内
部等、その近傍に設置するのがよい。これにより、ずれ
量Δλをより正確に予測できる。さらに、温度Tの測定
値とずれ量Δλとの関係は、温度センサ47の取付位置
によって変化する。従って、温度センサ47は、測定値
が中心波長λのずれ量Δλと最も相関が強くなるような
位置に設置するのがよい。また、それぞれの温度センサ
47の出力を、上記の相関関係に基づいて重みづけ平均
して処理すると、さらに精度が向上する。
【0027】次に、第2実施形態について説明する。第
2実施形態において、エキシマレーザ1は、キャビティ
板44、狭帯域化ボックス21の内外壁、レーザチャン
バ2、又は狭帯域化ボックス21内部の少なくともいず
れか1箇所に、温度センサ47の代わりに歪みセンサを
取着している。この歪みセンサの出力は波長コントロー
ラ25に入力され、波長コントローラ25はこれら歪み
センサが取り付けられた箇所の歪み量ΔKを測定するこ
とが可能となっている。
【0028】そして、図3のフローチャートにおいて、
S9で温度差ΔTを求める代わりに歪み量ΔKを求め、
これに基づいてS10で、休止中に中心波長λがずれる
ずれ量Δλを予測する。休止中の中心波長λのずれは、
温度変化に伴う狭帯域化ボックス21やキャビティ板4
4等の歪みが原因であるので、温度を測定する代わりに
その歪み量ΔKを測定することにより、中心波長λのず
れ量Δλを予測することが可能である。即ち図6に示す
ように、歪み量ΔKとずれ量Δλとの間には、ほぼ正の
相関関係が存在する。このような両者の関係を予め求め
ておくことにより、歪み量ΔKを測定して中心波長λの
ずれ量Δλを予測することが可能であり、この予測に基
づいてパルスモータを駆動して回転ステージ26を回転
させ、予測されるずれ量Δλだけ中心波長λを補正して
いる。
【0029】即ち第2実施形態によれば、第1実施形態
に係る温度センサ47の代わりに歪みセンサを取り付
け、この歪みセンサによって測定された歪み量ΔKに基
づき、休止中の中心波長λのずれ量Δλを予測してい
る。即ち、中心波長λがずれる、より直接的な原因であ
る狭帯域化ボックス21等の歪みによって中心波長λの
ずれ量Δλを予測するので、予測がより正確となる。従
って、この予測に基づいて予め中心波長λを補正するよ
うにしているので、休止再開後に中心波長λが、休止前
の目標値により近い状態で発振を再開することが可能で
ある。従って、中心波長λが目標値λ0に戻るまでの時
間が短縮されるので即座に加工を再開でき、加工機15
の稼働率が向上するとともに、ランニングコストが低減
される。また、温度測定や歪み測定は、グレーティング
23やプリズム22等の光学部品に、直接温度センサ4
7を貼付して行なうようにしてもよく、グレーティング
23やプリズム22等が搭載された光学部品の支持機構
の温度を測定するようにしてもよい。
【0030】次に、第3実施形態について説明する。第
3実施形態において波長コントローラ25は、パワー検
出装置40の出力及びタイマーに基づいて、休止後の経
過時間Δtを検出し、この経過時間Δtに基づいて、波
長のずれ量Δλを予測している。図7に、レーザ発振休
止後の経過時間Δtと、温度差ΔTとの関係の一例を示
す。同図に示すように、経過時間Δtが増加するのに従
って温度Tが減少するため、温度差ΔTは増加し、経過
時間Δtと温度差ΔTとは、正の相関を有している。従
って、この図7及び図4に示した温度差ΔTとずれ量Δ
λとの関係に基づき、経過時間Δtから中心波長λのず
れ量Δλを予測することができる。従って、本実施形態
では図3に示したフローチャートにおいて、S9で温度
差ΔTを求める代わりに休止後の経過時間Δtを求め、
S10でこの経過時間Δtに基づいて中心波長λのずれ
量Δλを予測する。そして、このずれ量Δλの予測に基
づいて、中心波長λを補正している。即ち、本実施形態
によれば、経過時間Δtに基づいて間接的に中心波長λ
のずれ量Δλを予測している。従って、予測が間接的で
あるために、ずれ量Δλの精度は上記第1、第2実施形
態に比べると低い可能性はあるものの、温度センサ47
や歪みセンサを備える必要がなく、エキシマレーザ1の
構成が非常に簡単になる。
【0031】尚、上記各実施形態では回折ミラー24を
回転させて中心波長λを制御する態様の波長制御機構に
ついて説明したが、これに限られるものではない。即
ち、グレーティング23やプリズム22,22を回転ス
テージ26に搭載して、これらを回転させて中心波長λ
を制御する場合や、複数の光学部品を回転させる場合に
も同様に応用可能である。また、回折ミラー24がない
場合でもよい。即ち、グレーティング23に対するレー
ザ光11の入射角を変化させて、中心波長λを制御する
ものであればよい。さらにはグレーティング23に限ら
ず、エタロン等によってレーザ光11を狭帯域化し、中
心波長を制御するような狭帯域化ユニット20を有する
エキシマレーザ1及びその波長制御機構に対しても有効
である。即ち、エタロンによってレーザ光11を狭帯域
化するエキシマレーザ1では、レーザ光11の光軸に対
するエタロンの傾き角を変更してその中心波長λを制御
する。従って、上記各実施形態のように、休止時の温度
差ΔT、歪み量ΔK、又は経過時間Δt等を計測し、こ
れに基づいて中心波長λのずれ量Δλを予測すればよ
い。そして、このずれ量Δλに対するエタロンの傾き角
を予め求めておき、予測したずれ量Δλに応じてエタロ
ンの傾き角を補正してやればよい。
【0032】また、上記各実施形態では、休止中に定期
的に補正を行なうように説明したが、これに限られるも
のではない。即ち、例えばレーザコントローラ4からレ
ーザ発振を再開する直前に再開予告信号を受け取り、こ
れに基づいて予めずれ量Δλの補正を行なってから、レ
ーザ発振の再開に備えてもよい。さらには、予め測定し
ておいた温度差ΔT、歪み量ΔK、又は経過時間Δt等
に基づいてずれ量Δλを予測しておき、パワー検出装置
40の出力に基づいてレーザ発振が再開されたことを検
知した直後にずれ量Δλを補正してもよい。そして、そ
こから波長制御を開始するようにすれば、目標値に近い
値から波長制御を始めることができるので制御に要する
時間は短縮され、また波長制御が迷って目標値に達する
ことがないといった問題は起こらない。
【0033】また、エキシマレーザについて説明した
が、本発明は例えばF2レーザ等、他の狭帯域化を行な
う紫外線レーザ装置一般について応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るエキシマレーザの平面図。
【図2】図1の側面図。
【図3】中心波長のずれを補正する手順のフローチャー
ト。
【図4】温度差と中心波長のずれ量との関係を示すグラ
フ。
【図5】中心波長のずれ量と回転ステージの回転角との
関係を示すグラフ。
【図6】歪み量とずれ量との関係を示すグラフ。
【図7】経過時間と中心波長のずれ量との関係を示すグ
ラフ。
【図8】従来技術に係るエキシマレーザの構造図。
【図9】温度と中心波長との変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1:エキシマレーザ、2:レーザチャンバ、4:レーザ
コントローラ、7:フロントウィンドウ、8:フロント
ミラー、9:リアウィンドウ、11:レーザ光、12:
ビームスプリッタ、13:高圧電源、15:加工機、2
0:狭帯域化ユニット、21:狭帯域化ボックス、2
2:プリズム、23:グレーティング、24:回折ミラ
ー、25:波長コントローラ、26:回転ステージ、3
0:波長測定装置、31:波長ボックス、32:波長検
出器、33:モニタエタロン、34:干渉縞、40:パ
ワー検出装置、44:キャビティ板、45:キャビティ
ロッド、46:レール、47:温度センサ、48:フレ
ーム、49:ボルト、50:キャビティ孔。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光(11)の中心波長(λ)を目標値
    (λ0)に制御する波長制御装置において、 レーザ発振が所定時間(Δt0)以上休止したことを検知す
    る休止検知手段(40)と、 レーザ発振の休止中の中心波長(λ)のずれ量(Δλ)を予
    測する予測手段(47)と、 予測したずれ量(Δλ)に基づいて中心波長(λ)を休止前
    の目標値(λ0)に補正する補正手段(26)とを備えたこと
    を特徴とする波長制御装置。
  2. 【請求項2】 レーザ光(11)の中心波長(λ)を目標値
    (λ0)に制御する波長制御装置(20,25)を備えた狭帯域化
    レーザ装置において、 波長制御装置(20,25)は、請求項1記載の波長制御装置
    であることを特徴とする狭帯域化レーザ装置。
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