JP2001057571A - ファイルシステム - Google Patents

ファイルシステム

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JP2001057571A
JP2001057571A JP25846299A JP25846299A JP2001057571A JP 2001057571 A JP2001057571 A JP 2001057571A JP 25846299 A JP25846299 A JP 25846299A JP 25846299 A JP25846299 A JP 25846299A JP 2001057571 A JP2001057571 A JP 2001057571A
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Shinzo Doi
晋三 土居
Yukiko Ito
由起子 伊藤
Tsutomu Tanaka
田中  勉
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯域設定を行えるファイルシステムを実現す
る。そこにさらに、帯域保証機能や先読み機能を追加し
て、帯域設定機能と有機的に結合させることによって、
リアルタイム・リモート・ファイルシステムを実現す
る。 【解決手段】 アプリケーション302が発した帯域設
定要求は、拡張API313を通じ、帯域設定部305
へと与えられる。帯域設定部305は、送信帯域幅制御
部311,314、および先読量制御部310に対し
て、帯域設定を行う。送信帯域制御部311,314、
および先読量制御部310はそれぞれ、設定された帯域
に基づいて、送信帯域幅の制御、および先読み量の制御
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファイルシステム
に関し、より特定的には、ファイルを蓄積するサーバ
と、ファイル操作を行う複数のクライアントとがネット
ワークを介して接続された環境において用いられ、各ク
ライアントがネットワークを通じてサーバにアクセスし
て、リアルタイムにファイル操作を行うためのリアルタ
イム・リモート・ファイルシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】ファイルシステムは、アプリケーション
からの要求に応じ、記録ディスクに対して、ファイル作
成やファイルの読み出し/書き込み等のファイル操作を
行うためのソフトウェアであり、一般的には、オペレー
ティングシステム(以下、OS)の一機能として提供さ
れる。特に、クライアント・サーバ・システムに適用さ
れて、サーバ側の記録ディスクに対し、クライアント側
からネットワークを通じてファイル操作を行うようなも
のを、リモート・ファイルシステムと呼ぶ。
【0003】図31は、従来のリモート・ファイルシス
テムが適用されるクライアント・サーバ・システムの構
成を示すブロック図である。図31において、クライア
ント・サーバ・システムは、ファイル・サーバ3102
と、複数のクライアント3101とを備え、それらファ
イル・サーバ3102および複数のクライアント310
1がネットワーク3103を介して互いに接続されてい
る。ファイル・サーバ3102および複数のクライアン
ト3101は、それぞれコンピュータ装置によって実現
され、ネットワーク3103は、例えばATMやイーサ
ネット等の有線ネットワーク、W−CDMA等の無線ネ
ットワークによって実現される。
【0004】図32は、従来のリモート・ファイルシス
テムの機能的な構成を示すブロック図である(図31の
クライアント・サーバ・システムに適用された場合)。
図32において、従来のリモート・ファイルシステム
(以下、単にファイルシステムと呼ぶ)3201は、ク
ライアント3101を実現するコンピュータ装置上にお
いてアプリケーション3202が動作する環境を用意す
るOS3203の一部であり、ファイル管理部3204
と、ファイル読出部3205と、ファイル書込部320
6とを備えている。アプリケーション3202とOS3
203との間には、アプリケーション・プログラム・イ
ンターフェース(以下、API)3207が設けられ
る。
【0005】アプリケーション3202は、ファイル作
成やファイルの書き込み/読み出し等のファイル操作を
要求する。API3207は、アプリケーション320
2からの要求を、OS3203に適合する形式に変換す
る。OS3203は、API3207によって形式変換
された要求をファイルシステム3201へと与え、ファ
イルシステム3201は、与えられた要求に応じて、フ
ァイル・サーバ3102に対し、ネットワーク3103
を通じてファイル操作を行う。
【0006】上記のファイルシステム3201におい
て、ファイル管理部3204は、そのファイルシステム
3201に与えられた要求の種別を判定し、判定の結
果、要求がファイル作成要求であれば、ファイル・サー
バ3102の記録ディスク上においてファイルを作成す
ると共に、そのファイルの属性情報(後述)を生成す
る。一方、要求がファイル読み出し要求であれば、ファ
イル・サーバ3102から属性情報を読み出してきて、
それをファイル読み出し要求と共にファイル読出部32
05へと与え、また、要求がファイル書き込み要求であ
れば、ファイル・サーバ3102から属性情報を読み出
してきて、それをファイル書き込み要求と共にファイル
書込部3206へと与える。
【0007】ファイル読出部3205は、与えられた要
求に応じ、与えられた属性情報を参照して、ファイル・
サーバ3102に対し、ネットワーク3103を通じて
ファイル読み出しを実行する。ファイル書込部3206
は、与えられた要求に応じ、与えられた属性情報を参照
して、ファイル・サーバ3102に対し、ネットワーク
3103を通じてファイル書き込みを実行する。
【0008】なお、上記のような従来のリモート・ファ
イルシステムの代表的な例としては、Microsof
t(登録商標)社のOSであるWindows NT
(登録商標)の持つリモート・ファイルシステムがあ
る。Windows NTやそのリモート・ファイルシ
ステム、その標準APIであるWin32API等につ
いては、「株式会社アスキー」発行、「Jeffrey
Richter」著、「梅原系/鈴木慎司/長尾高
弘」訳の「ADVANCED WINDOWS NT」
や、「日経BP出版センター」発行、「及川卓也ら」著
の「WindowsNT 3.5完全技術解説」(IS
BN4−8227−1005−X)に詳述されている。
また、上記のようなアプリケーション3202として
は、例えば、動画像データをファイル(動画像ファイ
ル)として扱い、コンピュータ装置を用いて、それら動
画像ファイルを編集するためのノンリニア編集アプリケ
ーションなどがある。
【0009】以上のように構成された従来のリモート・
ファイルシステム3201がネットワーク3103を通
じて行うファイル操作について、以下に説明する。最
初、アプリケーション3202が、ファイル操作を要求
する。このときアプリケーション3202が発するファ
イル操作要求には、操作の対象となるファイルを指定す
るための情報と、ファイル操作の種別(ここでは、ファ
イル作成、ファイル読み出し、およびファイル書き込み
のいずれか)とが含まれる。次に、API3207は、
アプリケーション3202からのファイル操作要求を、
OS3203に適合する形式に変換する。次に、OS3
203は、API3207によって形式変換された要求
をファイルシステム3201へと与える。次に、ファイ
ルシステム3201は、与えられた要求に応じて、ファ
イル・サーバ3102に対し、ネットワーク3103を
通じてファイル操作を行う。
【0010】図33は、図32のリモート・ファイルシ
ステム3201が、図31のクライアント・サーバ・シ
ステムに適用されて、ネットワーク3103を通じて行
う処理(ファイル操作)を示すフローチャートである。
図33において、最初、ファイル管理部3204は、フ
ァイルシステム3201にファイル操作要求が与えられ
たか否かを判定する(ステップS3301)。そして、
判定結果が否定であれば待機し、肯定であれば、ファイ
ルシステム3201に与えられた要求がファイル作成要
求であるか否かを判定する(ステップS3302)。ス
テップS3302の判定結果が肯定の場合、ステップS
3307に進む。
【0011】ステップS3302の判定結果が否定の場
合、ファイル管理部3204は、ファイル・サーバ31
02からネットワーク3103を通じて属性情報を読み
出し(ステップS3303)、次いで、読み出した属性
情報に含まれているファイル名やディレクトリに基づい
て、操作(読み出しまたは書き込み)の対象となるファ
イルを検索する(ステップS3304)。その後、ファ
イル管理部3204は、ファイルシステム3201に与
えられた要求がファイル書き込み要求か否かを判定する
(ステップS3305)。
【0012】ステップS3305の判定結果が否定、つ
まり要求が読み出し要求であれば、ファイル読出部32
05は、ファイル読み出しを実行し(ステップS330
6)、その後、ステップS3309へと進む。なお、ス
テップS3306で読み出されたファイルは、ファイル
システム3201が管理する領域にいったん記憶され、
その後、アプリケーション3202へと渡される(つま
り、アプリケーション3202側のバッファ領域へとコ
ピーされる)。
【0013】一方、ステップS3305の判定結果が肯
定、つまり要求が書き込み要求であれば、ファイル書込
部3206は、ファイル書き込みを実行し(ステップS
3308)、その後、ステップS3309へと進む。ス
テップS3307では、ファイル作成が行われると共
に、そのファイル(ここでは動画像ファイルとする)の
属性情報が生成される。生成された属性情報は、動画像
ファイルと共に、ファイル・サーバ3102の記録ディ
スクに格納される。ステップS3309では、ファイル
システム3201の動作を終了するか否かが判断され、
判断結果が否定であれば、ステップS3301へと戻っ
て、上記と同様の処理が繰り返される。一方、肯定であ
れば、動作が終了される。
【0014】上記ステップS3306のファイル読み出
し処理は、次のようにして行われる。アプリケーション
3202は、あるファイルを読み出そうとする場合、そ
のファイルを一定サイズを有する複数個のブロック(読
み出し最小単位)に分割して、各ブロックに対する読み
出し要求(以下、ブロック読み出し要求)を順番に発し
ていく。それらブロック読み出し要求は、API320
7によって形式変換された後、OS3203を通じてフ
ァイル読出部3205へと与えられる。応じて、ファイ
ル読出部3205は、ファイルを構成する各ブロックを
順番に読み出していく。
【0015】図34は、図32のアプリケーション32
02が、ファイル読み出しの際に、ファイル読み出し要
求、および一連のブロック読み出し要求を発するタイミ
ングの一例(”同期的”読み出しの場合)を示したタイ
ムチャートである。図34に示すように、アプリケーシ
ョン3202は、ファイル読み出し要求(前述)を発し
た後、ブロック読み出し要求を順番に発する処理を開始
する。その際、あるブロックに対する読み出し要求を発
した後、そのブロックが完全に読み出されるのを待っ
て、次のブロックに対する読み出し要求を発している。
なお、図34のような”同期的”読み出しでなく、”非
同期的”読み出しを行うアプリケーションもあるが、ア
プリケーションが”同期的”読み出しを行うか、”非同
期的”読み出しを行うかは、本発明の本質と直接には関
係がない。そこで、以下では、アプリケーション320
2は、図34のような手順で読み出し要求を発行するも
の仮定して説明する。
【0016】なお、ステップS3308のファイル書き
込み処理も、上記と同様にブロック単位で行われる。こ
うしてブロック単位でファイル読み出し/書き込みを行
うことによって、記録ディスクへのランダムアクセスが
可能となり(これは動画像ファイルの編集処理に不可欠
である)、しかも、読み出したファイルを一時記憶する
バッファの容量を節約することが可能となる。
【0017】ところで、図33のステップS3306/
S3307のファイル読み出し/書き込みは、ネットワ
ーク3103の帯域のうち、他のシステム(例えば別の
ファイルシステムや通信システムなど)によって使われ
ていない空き帯域を利用して行われる。そのため、図3
1のようなクライアント・サーバ・システムでは、他の
システムが多くの帯域を使えば、その分、ファイルシス
テム3201が使う帯域は小さくなる。また、たとえフ
ァイルシステム3201が使う帯域が一定であっても、
複数のクライアント3101が同時にファイル読み出し
/書き込みを行えば、1クライアント3101あたりの
帯域は小さくなる。さらには、たとえ各クライアント3
101が使う帯域が一定であっても、そのクライアント
3101が同時に複数のファイル読み出し/ファイル書
き込みを行えば、1ファイルあたりの帯域は小さくな
る。一方、ファイル読み出し/書き込み用の帯域が小さ
くなればなるほど、送信帯域幅が低下し、その結果、読
み出し遅延/書き込み遅延が大きくなるので、従来のリ
モート・ファイルシステム3201では、記録再生にリ
アルタイム性が要求される動画像ファイル扱うことは困
難であった。
【0018】ここで帯域とは、単位時間に伝送可能な最
大のデータ量をいい、例えばネットワーク3103を水
道管に例えると、その太さ(つまりパイプの断面積)
が、ネットワーク3103の帯域に相当する。一方、送
信帯域幅とは、ファイル読み出しやファイル書き込みを
行う際、単位時間に送信されるデータ量をいい、例え
ば、単位時間に上記の水道管内を流れる水の量が、ネッ
トワーク3103を利用してデータ送信を行う際の送信
帯域幅に相当する。また、読み出し遅延とは、アプリケ
ーション3202が、あるブロックについての読み出し
要求を発してから、そのブロックが記録ディスクから読
み出されてアプリケーション3202へと渡されるまで
に要する時間をいう。
【0019】そこで、図31のようなクライアント・サ
ーバ・システムに適用され、クライアント3101が、
ネットワークを通じてファイル・サーバ3102にアク
セスして、ファイル読み出し/ファイル書き込みをリア
ルタイムに行うことを可能にするようなファイルシステ
ムが望まれる。このようなファイルシステムを、リアル
タイム・リモート・ファイルシステムと呼ぶ。なお、こ
こでいうリアルタイムの定義は、後に明らかになる。リ
アルタイム・リモート・ファイルシステムを実現するの
に役立つ従来技術としては、次の2つがある。
【0020】第1は、特開平10−111761号公報
に開示されている帯域保証技術である。この技術は、複
数のクライアント3101が同時にファイル読み出し/
書き込みを実行したり、1つのクライアント3101が
同時に複数のファイル読み出し/書き込みを実行して
も、各クライアント用の帯域幅や、各ファイル用の帯域
幅を常に一定の大きさだけ確保する技術である。この技
術を用いれば、ファイル・サーバ3102からクライア
ント3101への送信帯域幅や、ファイル読み出し/書
き込みを行う際の送信帯域幅の低下を防ぐことができ、
その結果として、遅延時間を保証する、つまり十分高い
確率で、読み出し遅延や書き込み遅延を一定時間内に収
めることが可能となる。
【0021】第2は、先読み技術である。先読みとは、
ファイルを構成する複数のブロックに関する読み出し順
序が予め決められているものと仮定して、アプリケーシ
ョン3202から先頭ブロックについての読み出し要求
を受けたとき(あるいは、読み出すべきファイルが指定
された時点で)、先頭ブロックだけでなく、そのブロッ
クに続いて読み出されるべき一定数のブロックをも予め
(つまりアプリケーション3202からの要求を受ける
前に)読み出すような処理をいう。先読みを行うことに
よって、アプリケーション3202が次のブロックに対
する要求を発した時点で、既にそのブロックが記録ディ
スクから読み出されてファイルシステム3201のバッ
ファに格納されているようにできるので、読み出し遅延
を隠蔽することが可能となる。このような先読みは、例
えば、特開平9−284343号公報に開示されてい
る。
【0022】このように、図32のリモート・ファイル
システム3201に、従来の帯域保証技術および先読み
技術を用いることによって、リアルタイム・リモート・
ファイルシステムが実現できると期待される。なぜな
ら、読み出し/書き込み遅延が一定の値以下に収まるこ
とが保証されるので、そこにさらに、上記の先読み技術
を用いれば、その読み出し遅延を隠蔽することが可能と
なるからである。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなリアルタイム・リモート・ファイルシステムに
は、次のような問題がある。 (1)帯域保証の結果として、帯域の有効利用が妨げら
れることがある。例えば、あるファイルの読み出し用と
して確保された保証帯域は、そのファイルの読み出しが
行われない期間は、空き帯域となるからである。空き帯
域の発生は、限りある帯域資源の利用効率を低下させ、
結果として、遅延時間を拡大させる。
【0024】上記の問題を解消するには、空き帯域の有
効利用を図ればよい。例えば、あるファイルの保証帯域
内に生じた空き帯域を利用して、別のファイルのデータ
を送信するなどの方法が考えられる。 (2)ところが、そうすると、上記別のファイルの送信
帯域幅が保証帯域を上回るので、読み出し遅延の隠蔽が
不十分となる恐れがある。なぜなら、従来の先読み技術
は、送信帯域幅は保証帯域幅以下であること、つまり保
証帯域の範囲内で送信が行われることを前提としている
からである。
【0025】こうした問題点は、いずれも”帯域”に関
連しており、従って、それらが解消されたリアルタイム
・リモート・ファイルシステムを実現するには、まず初
めに、次の課題を解決する必要がある。すなわち、従来
のファイルシステムはどれも、”帯域”に関連する機能
を全く持っていない。例えば、従来のファイルシステム
に設定された保証帯域は、固定的なものであって、たと
えアプリケーションから、別の保証帯域を設定するよう
要求を受けたとしても、従来のファイルシステムは、そ
の要求を認識することすらできない。少なくとも、アプ
リケーションの要求に応じて帯域設定を行う機能が不可
欠と考えられる。
【0026】それゆえに、本発明の目的は、帯域設定を
行えるファイルシステムを実現することである。
【0027】また、本発明のさらなる目的は、帯域設定
機能を、帯域保証技術や先読み技術と有機的に結合させ
ることによって、リアルタイム・リモート・ファイルシ
ステムを実現することである。
【0028】
【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の
発明は、アプリケーションが発行するファイル読み出し
要求および/またはファイル書き込み要求を受け、ファ
イルを蓄積するデータ蓄積部に対してファイル読み出し
および/またはファイル書き込みを行うファイルシステ
ムであって、アプリケーションは、帯域設定要求をさら
に発行し、アプリケーションからのファイル読み出し要
求に応じ、データ蓄積部に対してファイル読み出しを実
行するファイル読出部、アプリケーションからのファイ
ル書き込み要求に応じ、データ蓄積部に対してファイル
書き込みを実行するファイル書込部、ファイル書き込み
の際、ファイル書込部からデータ蓄積部へのデータ送信
に使われる送信帯域幅を制御する第1の送信帯域幅制御
部、ファイル読み出しの際、データ蓄積部からファイル
読出部へのデータ送信に使われる送信帯域幅を制御する
第2の送信帯域幅制御部、およびアプリケーションから
の帯域設定要求に応じ、第1の送信帯域幅制御部および
/または第2の送信帯域幅制御部に対して帯域設定を行
う帯域設定部を備えている。
【0029】上記第1の発明によれば、アプリケーショ
ンの要求に応じ、ファイル書き込みやファイル読み出し
用の帯域を設定できるようなフィルシステムが実現され
る。
【0030】第2の発明は、第1の発明において、帯域
設定部は、帯域設定を行う際、標準帯域と、帯域保証の
種類とを設定し、帯域保証の種類には、標準帯域を最大
帯域として保証する最大帯域保証が含まれ、第1の送信
帯域幅制御部および/または第2の送信帯域幅制御部
は、最大帯域保証が設定された場合、たとえ空き帯域が
あっても、保証された標準帯域だけを使ってデータを送
信するような送信帯域幅制御を行うことを特徴としてい
る。
【0031】上記第2の発明によれば、ファイル書き込
みやファイル読み出し用の帯域が保証されるので、ファ
イル読み出しや書き込みを行う際の送信帯域幅の低下を
防ぐことができ、その結果として、遅延時間を保証す
る、つまり十分高い確率を以て、読み出し遅延や書き込
み遅延を一定時間内に収めることが可能となる。
【0032】第3の発明は、第1の発明において、帯域
保証の種類には、標準帯域を最小帯域として保証する最
小帯域保証がさらに含まれ、第1の送信帯域幅制御部お
よび/または第2の送信帯域幅制御部は、最小帯域保証
が設定された場合、もし空き帯域があれば、保証された
標準帯域だけでなく、その空き帯域も使ってデータを送
信するような送信帯域幅制御を行うことを特徴としてい
る。
【0033】上記第3の発明では、最小帯域保証が設定
されると、最大帯域保証が設定された場合に生じる空き
帯域を使ってデータ送信が行われるので、帯域の有効利
用が可能となる。なお、ここで補足説明すれば、例えば
あるファイルに最大帯域保証が設定されると、標準帯域
が(そのファイル専用の帯域として)確保されるので、
もしそのファイルに関するデータ送信帯域幅(単位時間
に送信されるデータ量)が減少すると、標準帯域内に空
き帯域が生じる。この空き帯域が、最小帯域保証が設定
されたファイルに関するデータ送信に利用される。
【0034】第4の発明は、第3の発明において、記帯
域保証の種類には、帯域保証を行わない帯域無保証がさ
らに含まれ、第1の送信帯域幅制御部および/または第
2の送信帯域幅制御部は、帯域無保証が設定された場
合、もし空き帯域があれば、その空き帯域を使ってデー
タを送信するような送信帯域幅制御を行うことを特徴と
している。
【0035】上記第4の発明によれば、より柔軟な帯域
利用が可能となる。
【0036】第5の発明は、第3の発明において、第1
の送信帯域幅制御部および/または第2の送信帯域幅制
御部は、送信帯域幅制御を行う際、最小帯域保証と対応
する各送信データに対し、標準帯域に応じて空き帯域を
分配することを特徴としている。
【0037】上記第5の発明によれば、より効率的な帯
域利用が可能となる。
【0038】第6の発明は、第4の発明において、第1
の送信帯域幅制御部および/または第2の送信帯域幅制
御部は、送信帯域幅制御を行う際、各送信データに対
し、均等に空き帯域を分配することを特徴としている。
【0039】上記第6の発明によれば、空き帯域分配の
ための処理が簡単に済む。
【0040】第7の発明は、第4の発明において、第1
の送信帯域幅制御部および/または第2の送信帯域幅制
御部は、送信帯域幅制御を行う際、帯域無保証と対応す
る送信データよりも最小帯域保証と対応する送信データ
に対して、より優先的に空き帯域を分配することを特徴
としている。
【0041】上記第7の発明では、最小帯域保証が設定
されたファイル等に関し、遅延が生じる可能性を低くで
きる。
【0042】第8の発明は、第4の発明において、第1
の送信帯域幅制御部および/または第2の送信帯域幅制
御部は、送信帯域幅制御を行う際に、送信バッファの状
態をも考慮することを特徴としている。
【0043】上記第8の発明によれば、送信バッファの
不足によって空き帯域の利用効率が低下するのを防ぐこ
とができる。
【0044】第9の発明は、第4の発明において、第1
の送信帯域幅制御部および/または第2の送信帯域幅制
御部は、送信帯域幅制御を行う際に、送信先にある受信
バッファの状態をも考慮して制御を行うことを特徴とし
ている。
【0045】上記第9の発明によれば、受信バッファの
不足によって空き帯域の利用効率が低下するのを防ぐこ
とができる。
【0046】第10の発明は、第1の発明において、帯
域設定部は、さらに、ファイル読出部に対しても帯域設
定を行い、ファイル読出部は、ファイル読み出しを行う
際、アプリケーションが要求していない所定量のデータ
を先読みするための先読制御部、および先読みしたデー
タが一時記憶される先読みバッファを管理するための先
読みバッファ管理部を含み、先読制御部は、帯域設定部
によって設定される帯域に基づいて、先読みするデータ
の量を決定することを特徴としている。
【0047】上記第10の発明では、帯域に応じた量の
データが先読みされるので、帯域設定によって帯域が変
わっても、読み出し遅延を隠蔽することが可能になる。
【0048】第11の発明は、第3の発明において、帯
域設定部は、さらに、ファイル読出部に対しても帯域設
定を行い、ファイル読出部は、ファイル読み出しを行う
際、アプリケーションが要求していない所定量のデータ
を先読みするための先読制御部、および先読みしたデー
タが一時記憶される先読みバッファを管理するための先
読みバッファ管理部を含み、先読制御部は、帯域設定部
によって設定される標準帯域と、予め算定された最大遅
延時間との積に基づいて、先読みするデータの量を決定
することを特徴としている。
【0049】上記第11の発明によれば、(最大帯域と
して)保証された標準帯域と、最大遅延時間との積で決
まる量のデータを先読みするので、先読み遅延を高い確
率で隠蔽できる。
【0050】第12の発明は、第11の発明において、
最大遅延時間は、その時間を上回るような読み出し遅延
の生じる確率が十分小さくなるように算定された時間で
あることを特徴としている。
【0051】上記第12の発明によれば、(最大帯域と
して)保証された標準帯域と、保証された最大遅延時間
との積で決まる量のデータを先読みするので、先読み遅
延を十分に高い確率で隠蔽できる。
【0052】第13の発明は、第11の発明において、
ファイル読出部は、先読みするデータの量を制御するた
めの先読量制御部をさらに含み、先読量制御部は、最小
帯域保証が設定された場合、アプリケーションからの読
み出し要求と対応する送信帯域幅が標準帯域を超えたと
きに、先読みするデータの量を、先読制御部が決定した
量以上となるように制御することを特徴としている。
【0053】上記第13の発明では、最小帯域保証が設
定された場合でも、送信帯域幅の変動に、先読み量を追
従させるので、読み出し遅延を隠蔽することが可能にな
る。
【0054】第14の発明は、第13の発明において、
先読みバッファ管理部は、バッファ管理部が管理する先
読みバッファの使用状況に基づいて、先読み量制御を行
うことを特徴としている。
【0055】第15の発明は、第13の発明において、
先読みバッファ管理部は、先読みバッファに記憶されて
いる先読みデータの量を監視して、その監視結果を、先
読みバッファ使用量として、先読量制御部へと通知し、
先読量制御部は、通知された先読みバッファ使用量に基
づいて、先読み量制御を行うことを特徴としている。
【0056】第16の発明は、第15の発明において、
先読量制御部は、通知された先読みバッファ使用量を、
予め決められたしきい値と比較して、その比較結果に関
連して、先読みするデータの量を増減させることを特徴
としている。
【0057】上記第14〜16の発明では、先読みデー
タを記憶するための先読みバッファを、先読み量制御に
利用している。例えば、先読みバッファ内の先読みデー
タの量を監視する一方、先読み量増加処理を開始するし
きい値と、その処理を終了するしきい値と、先読み量減
少処理を開始するしきい値と、その処理を終了するしき
い値との、計4つのしきい値を決めておき、先読みバッ
ファ内の先読みデータ量を各しきい値と比較して、これ
から先読みするデータの量を増減させる。
【0058】第17の発明は、第13の発明において、
バッファ管理部は、先読みバッファを、標準帯域と対応
する基礎領域と、当該標準帯域以外の空き帯域と対応す
る共有領域とに分けて管理することを特徴としている。
【0059】上記第17の発明によれば、例えば、ある
ファイルに対して最大帯域保証が設定され、別のファイ
ルに対して最小帯域保証が設定されたとき、後者のファ
イルの読み出しに空き帯域が使われて、バッファの残り
容量が少なくなり、その結果、最大帯域保証が機能しな
くなるような不都合が防がれる。
【0060】第18の発明は、第17の発明において、
共有領域の大きさは、基礎領域の大きさ以上であること
を特徴としている。
【0061】上記第18の発明によれば、次のような不
都合が防がれる。すなわち、共有領域が基礎領域を下回
った場合、たとえ空き帯域があっても、バッファが不足
して、先読み量制御が不安定となり、その結果、空き帯
域の利用効率が低下する不都合である。
【0062】第19の発明は、第17の発明において、
共有領域の大きさは、基礎領域の大きさのN倍(ただ
し、Nは2以上の任意の整数)以上であることを特徴と
している。
【0063】上記第19の発明によれば、最小帯域保証
が設定された(N−1)個のファイルが、同時に先読み
量減少処理中であっても、最小帯域保証が設定された他
のファイルによる空き帯域利用の効率低下を抑えること
ができる。
【0064】第20の発明は、第10の発明において、
先読制御部は、ファイルの先頭とは異なる位置から読み
出しが開始される場合、先読み位置を、アプリケーショ
ンが指定した位置の前方にある、まだ先読みしていない
位置に変更して、その位置から先読みを開始することを
特徴としている。
【0065】上記第20の発明によれば、ファイルの途
中から読み出しを開始する際に、読み出し済みのデータ
を再度先読みする無駄がなくなる。
【0066】第21の発明は、第10の発明において、
先読制御部は、ファイル内のデータを断続的に読み出す
高速再生が行われる場合、先読み位置を、アプリケーシ
ョンの要求と、ファイル内のデータ領域のサイズと、読
み出しの方向とに基づいて決定し、決定した位置から、
断続的に先読みを行うことを特徴としている。
【0067】上記第21の発明によれば、高速再生の際
にも、先読みを行えるようになる。
【0068】第22の発明は、第10の発明において、
先読制御部は、再生の方向を順方向から逆方向へと切り
換えて、逆方向再生が行われる場合、今回読み出し要求
されたデータと、前回読み出し要求されたデータとの、
ファイル内における位置関係に基づいて、再生方向が順
方向から逆方向へ変化したことを検知し、再生方向が順
方向から逆方向へ変化したことを検知すると、先読みを
行う方向を、順方向から逆方向へと切り換えると共に、
先読み位置を、その位置から見て当該逆方向にある、ま
だ先読みしていない位置に変更して、その位置から当該
逆方向に先読みを開始することを特徴としている。
【0069】第23の発明は、第22の発明において、
先読制御部は、再生の方向を順方向から逆方向へと切り
換えて、逆方向再生が行われる場合に備えて、当該逆方
向のデータを、先読みするデータの量と同量だけ保持し
ておくことを特徴としている。
【0070】上記第22,23の発明によれば、逆方向
再生の際にも、先読みを行えるようになる。しかも、そ
の際に、読み出し済みのデータを再度先読みする無駄が
なくなる。
【0071】第24の発明は、第4の発明において、第
1の送信帯域幅制御部および/または第2の送信帯域幅
制御部は、アプリケーションが要求するデータの最小単
位と、データ蓄積部が扱うデータの最小単位とが互いに
異なる場合には、それら2つの最小単位に基づいて、実
際に必要な実帯域幅を計算し、標準域幅の代わりにその
実帯域幅を用いて、送信帯域幅制御を行うことを特徴と
している。
【0072】上記第24の発明によれば、もしアプリケ
ーションが要求するデータの最小単位と、データ蓄積部
が扱うデータの最小単位とが違っていても、送信帯域幅
制御を行うことが可能になる。
【0073】第25の発明は、第1の発明において、ア
プリケーションからのファイル読み出し要求および/ま
たはファイル書き込み要求を、ファイル読出部に適した
形式に変換する第1のAPI(アプリケーション・プロ
グラム・インターフェース;以下同様)、およびアプリ
ケーションからの帯域設定要求を、帯域設定部に応じた
形式に変換する第2のAPIをさらに備えている。
【0074】上記第25の発明によれば、既存のファイ
ルシステムと同様のAPI(第1のAPI)を使いつ
つ、そこに帯域設定用のAPI(第2のAPI)を(拡
張APIとして)追加するので、ファイルシステムの開
発コストを削減できる。
【0075】第26の発明は、第1の発明において、デ
ータ蓄積部に蓄積されているファイルを、当該フィルの
属性を示す属性情報に基づいて管理するファイル管理
部、および属性情報を管理する属性情報管理部をさらに
備えるている。
【0076】上記第26の発明によれば、ファイル管理
と、その属性情報の管理とが行える。
【0077】第27の発明は、第26の発明において、
属性情報には、帯域設定部が行う帯域設定に関連する初
期設定情報が含まれていることを特徴としている。
【0078】上記第27の発明によれば、帯域設定に関
連する初期設定情報(デフォルト)を属性情報の1つと
して管理するので、帯域設定要求を発行する機能を持た
ないアプリケーションを用いた場合でも、デフォルトを
参照して送信帯域幅制御が行える。
【0079】第28の発明は、第13の発明において、
データ蓄積部は、ネットワークと接続されたファイル・
サーバで実現され、ファイル読出部は、ファイル・サー
バに対し、ネットワークを通じてファイル読み出しを行
い、ファイル書込部は、ファイル・サーバに対し、ネッ
トワークを通じてファイル書き込みを行うことを特徴と
している。
【0080】上記第28の発明によれば、最大遅延時間
が保証される結果として、ネットワークを介したクライ
アント・サーバ・システムに適用されるリアルタイム・
リモート・ファイルシステム、すなわち、ネットワーク
を通じ、ファイル・サーバに対して読み出しや書き込み
をリアルタイムに行えるようなファイルシステムが実現
される。なお、このようなファイルシステムは、ネット
ワーク環境で用いる場合に最も効果を発揮するが、ネッ
トワークを介さない環境で用いてもよいのはいうまでも
ない。なぜなら、読み出しや書き込みの遅延は、ネット
ワーク伝送の際だけでなく、例えば、記録ディスクへの
ランダムアクセスを行う際などにも生じるからである。
【0081】第29の発明は、第28の発明において、
帯域設定部は、さらに、ネットワークに対して帯域を設
定することを特徴としている。
【0082】上記第29の発明では、ネットワークが送
信帯域幅制御機能を持つ場合、ネットワーク帯域の制御
も可能になる。
【0083】第30の発明は、第28の発明において、
帯域設定部は、ネットワークに対する帯域設定を、1つ
のファイルに対して当該ネットワーク内のコネクション
1本を割り当てるようにして行うことを特徴としてい
る。
【0084】上記第30の発明によれば、ファイルに対
する帯域制御が簡単に行える。
【0085】第31の発明は、第28の発明において、
ネットワークに対する帯域設定を、複数のファイルに対
して当該ネットワーク内のコネクション1本を割り当て
るようにして行うことを特徴としている。
【0086】上記第31の発明によれば、ネットワーク
内の1本のコネクションが複数のファイルによって共有
されるので、帯域制御による効果がより顕著となる。
【0087】第32の発明は、第1の発明において、帯
域設定部は、ファイル毎に帯域設定を行うことを特徴と
している。
【0088】上記第32の発明では、ファイル毎に(つ
まり読み書きしようとするファイル1つ1つについて)
帯域設定するので、そのファイルに適した帯域が設定で
きる。
【0089】第33の発明は、第26の発明において、
帯域設定部は、属性に基づいて分類されたファイル・グ
ループ毎に帯域設定を行うことを特徴としている。
【0090】上記第33の発明では、ファイル・グルー
プ毎に(つまり共通の属性を持つファイルを1つのグル
ープとして、それらグループ1つ1つについて)帯域設
定するので、属性に適した帯域が設定できる。簡単な例
として、”動画像”ファイルには、大きな帯域幅を設定
し、”文書”ファイルには、小さな帯域幅を設定するこ
とができる。
【0091】第34の発明は、第28の発明において、
ネットワークには、当該ネットワークを通じてファイル
・サーバとの間でデータの送受信を行うクライアントが
接続され、帯域設定部は、クライアント毎に帯域設定を
行うことを特徴としている。
【0092】上記第34の発明によれば、クライアント
毎に(つまり、ファイル・サーバに対し、ネットワーク
を通じて読み書きするクライアント1つ1つについて)
帯域設定するので、クライアントに適した帯域が設定で
きる。簡単な例として、動画像を扱うノンリニア編集機
には、大きな帯域幅を設定し、一般端末には、小さな帯
域幅を設定することができる。
【0093】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。 〔リアルタイム・リモート・ファイルシステムの適用環
境〕図1は、本発明の一実施形態に係るリアルタイム・
リモート・ファイルシステムが適用されるクライアント
・サーバ・システムの構成を示すブロック図である。図
1において、クライアント・サーバ・システムは、ファ
イル・サーバ102と、ディレクトリ・サーバ103
と、複数のクライアント101とを備え、それらファイ
ル・サーバ102、ディレクトリ・サーバ103および
複数のクライアント101がネットワーク104を介し
て互いに接続されている。これらファイル・サーバ10
2、ディレクトリ・サーバ103および各クライアント
101は、コンピュータ装置によって実現される。一
方、ネットワーク104は、図31のネットワーク31
03と同様のものであり、例えば、ATMやイーサネッ
ト等の有線ネットワーク、W−CDMA等の無線ネット
ワークによって実現される。
【0094】図2は、図1のファイル・サーバ102、
ディレクトリ・サーバ103および各クライアント10
1を実現するコンピュータ装置の構成の一例を示すブロ
ック図である。図2において、コンピュータ装置は、C
PU201と、RAM202と、プログラムメモリ20
3と、記録ディスク204と、ネットワーク・インター
フェース・カード205とを備えている。プログラムメ
モリ203には、アプリケーション302やOS(ファ
イルシステムを含む)のプログラムが格納され、CPU
201は、これらプログラムに従って動作する。RAM
202は、CPU201が動作するのに必要なデータ類
を記憶するほか、例えば、読み出したファイル(を構成
するデータ)を一時記憶するバッファとしても利用され
る。記録ディスク204は、ハードディスクやコンパク
トディスクなどのようなランダムアクセス可能なディス
ク型の記録媒体であって、ファイル(以下では特に、リ
アルタイム性が要求される動画像データからなる動画像
ファイルとする)や、それら動画像ファイルの属性を示
す属性情報を記録する。ネットワーク・インターフェー
ス・カード205は、ネットワークへのデータ入出力を
行う(この内部に、読み出したファイルを一時記憶する
専用のバッファメモリを設けてもよい)。
【0095】ここで、上記のプログラムメモリ203に
プログラムを格納する方法としては、次の3つの方法が
ある。第1は、コンピュータ装置の出荷時、予めプログ
ラムメモリ203にプログラムを格納しておく方法であ
る。第2は、プログラムが記録された記録媒体からその
プログラムを読み出して、プログラムメモリ203に格
納する方法である。第3は、ネットワークを通じて供給
されるプログラムを、プログラムメモリ203に格納す
る方法である。
【0096】上記の属性情報は、ファイル名やファイル
サイズ、ディレクトリなどの従来同様の属性情報だけで
なく、読み出し/書き込み用の標準帯域や帯域保証の種
類(詳細は後述する)などの帯域に関連する属性情報を
も含む。前者の属性情報は、動画像ファイルの管理や検
索を行うために利用され、後者の属性情報は、ファイル
読み出し/書き込み用の送信帯域幅(すなわち、ファイ
ル・サーバ102からクライアント101側へ/クライ
アント101からファイル・サーバ102側へファイル
転送を行うための送信帯域幅)の制御に利用される。
【0097】〔リアルタイム・リモート・ファイルシス
テムの構成〕図3は、本発明の一実施形態に係るリアル
タイム・リモート・ファイルシステムの構成を示すブロ
ック図である(図1のクライアント・サーバ・システム
に適用された場合)。図3において、本発明の一実施形
態に係るリアルタイム・リモート・ファイルシステム
(以下、単にファイルシステムと呼ぶ)301は、クラ
イアント101を実現するコンピュータ装置(図2参
照)上においてアプリケーション302が動作する環境
を用意するOS303の一部であり、ファイル管理部3
04と、帯域設定部305と、ファイル読出部306
と、ファイル書込部307とを備えている。
【0098】ファイル読出部306は、先読バッファ管
理部308と、先読制御部309と、先読量制御部31
0とを含む。ファイル書込部307は、送信帯域幅制御
部311を含む。アプリケーション302とOS303
との間には、API312および拡張API313が設
けられる(これらOS303およびAPI312は、図
32に示されるOS3203およびAPI3207と同
様のものである)。また、ファイルシステム301は、
ファイル・サーバ102に設けられる別の送信帯域幅制
御部314と、ディレクトリ・サーバ103に設けられ
る属性情報管理部315とをさらに備えている。これら
送信帯域幅制御部314および属性情報管理部315
は、ファイルシステム301の外部に図示されている
が、いずれも、ファイルシステム301の構成要素であ
る。
【0099】アプリケーション302は、ファイル作成
やファイルの書き込み/読み出し等のファイル操作を要
求するのに加え、書き込み/読み出し用の標準帯域、お
よび帯域保証の種類を設定するよう要求する(以降、前
者の要求をファイル操作要求、後者の要求を帯域設定要
求と呼ぶ)。API312は、アプリケーション302
からのファイル操作要求をOS303に適合する形式に
変換し、拡張API313は、アプリケーション302
からの帯域設定要求をOS303に適合する形式に変換
する。拡張API313が必要な理由は、API312
は、帯域に関連する要求を変換する機能を持ち合わせて
いないからである。
【0100】OS303は、API312によって形式
変換されたファイル操作要求と、拡張API313によ
って形式変換された帯域設定要求とをファイルシステム
301に与える。ファイルシステム301は、与えられ
たファイル操作要求に応じて、ファイル・サーバ102
の記録ディスク(図2に示される記録ディスク204;
以下同様)に対し、ネットワーク104を通じてファイ
ル操作を行い、また、与えられた帯域設定要求に応じ
て、ファイル読み出し/書き込み用の標準帯域および帯
域保証の種類の設定(以降、単に帯域設定と呼ぶ)を行
う。
【0101】上記のファイルシステム301において、
ファイル管理部304は、ファイルシステム301に与
えられたファイル操作要求の種別を判定する。その判定
の結果、要求がファイル作成要求であれば、ファイル・
サーバ102の記録ディスク上においてファイルを作成
すると共に、ディレクトリ・サーバ103の記録ディス
ク上においてそのファイルの属性情報を生成する。ディ
レクトリ・サーバ103内に遠隔配置された属性情報管
理部315は、その記録ディスクに記録されている属性
情報を管理する。
【0102】ファイル管理部304が生成し、属性情報
管理部315によって管理される属性情報には、ファイ
ル名やファイルサイズ、ディレクトリなどのファイル管
理・検索のための属性情報と、ファイル読み出し/書き
込み用の標準帯域や帯域保証の種類などの帯域制御のた
めの属性情報とが含まれている。後者の属性情報は、こ
こではデフォルト(初期設定値)であって、後にアプリ
ケーション302から帯域設定要求があり、帯域設定部
305によって帯域設定が行われれば、その時点でこれ
らデフォルトは無効となる(または更新される)。
【0103】一方、要求がファイル読み出し要求であれ
ば、ファイル管理部304は、ディレクトリ・サーバ1
03から属性情報管理部315を通じて属性情報を読み
出してきて、それをファイル読み出し要求と共にファイ
ル読出部306へと与える。また、要求がファイル書き
込み要求であれば、ディレクトリ・サーバ103から、
属性情報管理部315を通じて属性情報を読み出してき
て、それをファイル書き込み要求と共にファイル書込部
307へと与える。
【0104】帯域設定部305は、ファイルシステム3
01に与えられた帯域設定要求に応じて、帯域設定を行
う。ここでは、ファイル読み出し/書き込み用の帯域幅
および帯域保証の種類を設定する(あるいはディレクト
リ・サーバ103内のデフォルトを更新する方法もあ
る)。ファイル読出部306は、与えられたファイル読
み出し要求に応じ、与えられた属性情報を参照して、フ
ァイル・サーバ102の記録ディスクに対し、ネットワ
ーク104を通じてファイル読み出しを実行する。ファ
イル書込部307は、与えられたファイル書き込み要求
に応じ、与えられた属性情報を参照して、ファイル・サ
ーバ102の記録ディスクに対し、ネットワーク104
を通じてファイル書き込みを実行する。
【0105】上記のファイル読出部306において、先
読バッファ管理部308は、ファイル読出部306がフ
ァイル・サーバ102の記録ディスクから読み出してく
る先読みデータを一時記憶するためのバッファ領域(先
読みバッファ;後述)を管理しており、読み出し中、そ
のバッファ領域の使用量(先読みバッファ使用量;後
述)を監視する。先読制御部309は、先読み制御を行
う(すなわち、ファイル読出部306を制御して先読み
を行わせる)。
【0106】ここで先読みとは、ファイルを構成する複
数のブロックに関する読み出し順序が予め決められてお
り、かつアプリケーション302が各ブロックの読み出
し要求を順番に発行していくものと仮定して、アプリケ
ーション302から先頭ブロックについての読み出し要
求を受けたとき、ファイルシステム301が、先頭ブロ
ックだけでなく、それに続く一定数(ただし、この数
を、ファイルシステムが帯域に応じて指定できる点が、
従来の先読みと異なる)のブロックをも予め(つまりア
プリケーション302からの要求を受ける前に)読み出
して(もしくは、読み出す動作を開始して)、先読みバ
ッファに記憶しておくような処理である。その後は、ア
プリケーション302からの要求を受け取る毎に、先読
みバッファ内のブロックをアプリケーション302側の
バッファへとコピーする。それと共に、要求されたブロ
ックよりも一定数だけ時間的に前方のブロックを追加先
読みしていけば、先読みバッファには、常に一定数以上
の先読みブロックが記憶されているようになる。
【0107】先読量制御部310は、先読みすべきデー
タ量の最小値(最小先読み量;後述)を、ファイル読出
部306に与えられる属性情報に含まれるファイル読み
出し用の標準帯域と、図1のクライアント・サーバ・シ
ステムに固有の読み出し最大遅延時間(後述)とに基づ
いて決定する。そして、帯域保証の種類として、最小帯
域保証が設定された場合に備え、たとえ読み出し帯域幅
が標準帯域を上回っても、先読みバッファ使用量が一定
量を下回ることのないように、先読み量を制御する。
【0108】上記のファイル書込部307において、送
信帯域幅制御部311は、ファイル書込部307に与え
られた属性情報に基づいて、クライアント101からフ
ァイル・サーバ102側へのファイル転送に使われる送
信帯域幅を制御する。一方、ファイル・サーバ102に
備わる送信帯域幅制御部314は、クライアント101
側のファイル読出部306がファイル読み出しを実行す
る際に、ファイル・サーバ102からクライアント10
1側へのファイル転送に使われる送信帯域幅を制御す
る。
【0109】〔リアルタイム・リモート・ファイルシス
テムの動作の概要〕以上のように構成されたリアルタイ
ム・リモート・ファイルシステム301の動作の概要に
ついて、以下に説明する。最初、アプリケーション30
2は、ファイル操作(ここでは、ファイル作成、ファイ
ル読み出し、およびファイル書き込みのうちのいずれ
か)または帯域設定を要求する。このときアプリケーシ
ョン302が発するファイル作成要求、ファイル読み出
し要求、およびファイル書き込み要求には、操作の対象
となるファイルを指定するための情報(例えばファイル
名)が含まれ、帯域設定要求には、設定の対象となるフ
ァイルを指定するための情報と、標準帯域(後述)と、
帯域保証の種類(最大帯域保証、最小帯域保証、および
帯域無保証のうちのいずれか;後述)とが含まれる。
【0110】次に、API312は、アプリケーション
302からのファイル操作要求を、OS303に適合す
る形式に変換し、一方、拡張API313は、アプリケ
ーション302からの帯域設定要求を、OS303に適
合する形式に変換する。次に、OS303は、API3
12または拡張API313によって形式変換された要
求を、ファイルシステム301へと与える。ファイルシ
ステム301は、与えられた要求に応じて、ファイル・
サーバ102に対し、ネットワーク104を通じてファ
イル操作を行う。また、ファイルシステム301内部の
ファイル書込部およびファイル読出部306と、ファイ
ル・サーバ102とに対し、(前者は直接、後者はネッ
トワーク104を通じて)帯域設定を行う。
【0111】図4は、本発明の第1の実施形態に係るリ
アルタイム・リモート・ファイルシステムが図1のクラ
イアント・サーバ・システムに適用されて、ネットワー
ク104を通じて(または内部的に)行う処理(ファイ
ル操作および帯域設定)を示すフローチャートである。
図4において、最初、ファイル管理部304は、ファイ
ルシステム301に要求(ここでは、ファイル作成要
求、ファイル読み出し要求、ファイル書き込み要求、お
よび帯域設定要求のいずれか)が与えられたか否かを判
定する(ステップS401)。そして、判定結果が否定
であれば待機し、肯定であれば、引き続き、その要求が
ファイル作成要求であるか否かを判定する(ステップS
402)。ステップS402の判定結果が肯定の場合、
ステップS408に進む。
【0112】ステップS402の判定結果が否定の場
合、ファイル管理部304は、ディレクトリ・サーバ1
03から属性情報管理部315を通じて属性情報を読み
出し(ステップS403)、次いで、読み出した属性情
報に含まれているファイル名やディレクトリに基づい
て、ファイル・サーバ102において、操作または設定
の対象となるファイルを検索する(ステップS40
4)。ここで検索は、ファイル・サーバ102の記録デ
ィスクにおいて、操作または帯域設定の対象となるファ
イルがどこに記録されているかを見いだす処理をいう。
次に、ファイル管理部304は、ファイルシステム30
1に与えられた要求が帯域設定要求であるか否かを判定
する(ステップS405)。ステップS405の判定結
果が肯定の場合、ステップS409に進む。
【0113】ステップS405の判定結果が否定の場
合、ファイル管理部304は、ファイルシステム301
に与えられた要求がファイル書き込み要求であるか否か
を判定する(ステップS406)。ステップS406の
判定結果が肯定の場合、ステップS410に進む。
【0114】ステップS406の判定結果が否定の場
合、ファイル管理部304は、ファイル読み出し要求
と、ステップ404の検索結果(すなわち、読み出しの
対象となるファイルの記録場所)とを、ファイル読出部
306に通知し、同時に、ステップS403で読み出し
た属性情報を、ファイル・サーバ102に通知する。応
じて、ファイル読出部306は、ファイル・サーバ10
2に対し、ネットワーク104を通じてファイル読み出
しを実行する(ステップS407)。このとき、ファイ
ル・サーバ102では、送信帯域幅制御部314が、与
えられた属性情報に含まれる標準帯域および帯域保証の
種類に基づいて、送信帯域幅の制御(後述)を行う。そ
の後、ステップS411へと進む。
【0115】このファイル読み出しの際、ファイル読出
部306では、先読制御部309が先読み制御を行い、
それによって、一定量(最小先読み量)のデータが先読
みされる。この先読みデータは、先読みバッファに一時
記憶された後、アプリケーション302側のバッファへ
とコピーされる。先読バッファ管理部308は、先読み
バッファと、そこに記憶されている先読みデータとを管
理しており、先読みバッファ使用量(後述)を、先読量
制御部310に通知する。先読量制御部310は、通知
された先読みバッファ使用量に基づいて、先読み量を制
御する。これら先読みバッファ管理処理、先読み処理お
よび先読み量制御処理については、後述する。
【0116】ステップS408では、ファイル管理部3
04によってファイル(動画像ファイル)が作成され、
同時に、帯域設定部305によって、その動画像ファイ
ルの属性情報が生成される。このとき生成される属性情
報には、ファイル管理・検索のための属性情報(ここで
は、ファイル名、ファイルサイズ、およびディレクト
リ)と、ファイル読み出し/書き込みの際に行われる送
信帯域幅制御(ステップS407,S409参照)のた
めの属性情報(ここでは標準帯域、および帯域保証の種
類;いずれもデフォルト)とが含まれている。その後、
ステップS411に進む。
【0117】なお、ステップS408で作成された動画
像ファイルは、ファイル・サーバ102の記録ディスク
に記録され、生成された属性情報は、ディレクトリ・サ
ーバ103の記録ディスクに記録される。なお、ファイ
ル・サーバ102内の動画像ファイルは、ファイル管理
部304によって、ディレクトリ・サーバ103内の属
性情報は、属性情報管理部315によって、それぞれ管
理される。
【0118】ステップS409では、帯域設定部305
によって、帯域設定が行われる。すなわち、ファイル管
理部304が、アプリケーションからの帯域設定要求を
帯域設定部305へと通知し、応じて、帯域設定部30
5は、標準帯域と、帯域保証の種類とを設定する。この
帯域設定処理の結果、ステップS408で予め設定され
た、ディレクトリサーバ内のデフォルトは、無効とされ
る(または、アプリケーション302が指定した標準帯
域および帯域保証の種類に更新される)。
【0119】ステップS410では、ファイル書込部3
07によって、ファイル書き込みが行われる。すなわ
ち、ファイル管理部304が、ファイル書き込み要求
と、ステップ404の検索結果(すなわち、書き込みの
対象となるファイルの記録場所)と、ステップS403
で読み出した属性情報とを、ファイル書込部307に通
知し、応じて、ファイル書込部307は、ファイル・サ
ーバ102に対し、ネットワーク104を通じてファイ
ル書き込みを実行する。その際、ファイル書込部307
では、送信帯域幅制御部311が、与えられた属性情報
に含まれる標準帯域および帯域保証の種類に基づいて、
送信帯域幅の制御(後述)を行う。その後、ステップS
411へと進む。ステップS411では、ファイルシス
テム301の動作を継続するか否かが判断され、判断結
果が肯定であれば、ステップS401へと戻って、上記
と同様の処理が繰り返される。否定であれば、動作が終
了される。
【0120】〔標準帯域、および帯域保証の種類〕次
に、上記のステップS409で設定される標準帯域、お
よび帯域保証の種類について、詳細に説明する。図5
は、図3の帯域設定部305によって設定される標準帯
域および帯域保証の種類の例を示す図である。図5にお
いて、ファイルハンドルは、ファイルを特定するための
識別子である。帯域保証の種類には、最大帯域保証、最
小帯域保証、および帯域無保証の計3種類があり、各フ
ァイルに対して、それらのうちいずれかが設定される。
最大帯域保証または最小帯域保証が設定されたファイル
については、標準帯域が併せて設定される。
【0121】なお、本実施形態では、帯域設定は、ファ
イルに対して行っているが、ディレクトリに対して設定
してもよく、また、クライアント101に対して設定し
てもよい。あるいは、ネットワーク104を利用する各
システムに対して設定することも考えられる。
【0122】帯域無保証とは、ファイル読み出し/書き
込み(ステップS407,S410参照)を行うための
帯域を保証せず、もし帯域に空きがあれば、その空き帯
域を使ってファイル読み出し/書き込みを行うことをい
う。最小帯域保証とは、ファイル読み出し/書き込みを
行うための帯域(標準帯域)を保証し、かつ、もし帯域
に空きがあれば、さらに、その空き帯域も使ってファイ
ル読み出し/書き込みを行うような帯域保証をいう。つ
まり、最小帯域保証の場合、標準帯域が、ファイル読み
出し/書き込みに使われる帯域の最小値となる。最大帯
域無保証とは、ファイル読み出し/書き込みを行うため
の帯域(標準帯域)を保証するが、たとえ帯域に空きが
あっても、その空き帯域を使ってファイル読み出し/書
き込みを行うことはしないような帯域保証をいう。つま
り、最大帯域保証の場合、標準帯域が、ファイル読み出
し/書き込みに使われる帯域の最大値となる。
【0123】〔標準帯域、および帯域保証の種類に基づ
く送信帯域幅制御〕次に、上記のステップS407,S
410で送信帯域幅制御部314,311が行う送信帯
域幅の制御について、詳細に説明する。なお、ファイル
書込部307の送信帯域幅制御部11が行う制御も、フ
ァイル・サーバ102の送信帯域幅制御部314がおこ
なう制御も、その制御原理は同じなので、ここでは、フ
ァイル・サーバ102の送信帯域幅制御部314が行う
制御(ファイルシステム301側から見ればファイル読
み出しを行う場合)を説明する。図6は、図3の帯域設
定部305によって設定される標準帯域および帯域保証
の種類の例を示す図である。図6には、(a)および
(b)の2つの例が示されている。
【0124】図6(a)では、4つのファイル(ファイ
ルハンドル”1”〜”4”)に関し、標準帯域および帯
域保証の種類が設定されている。ファイルハンドル”
1”〜”3”に対しては最大帯域保証が、”4”に対し
ては無保証型がそれぞれ設定されている。標準帯域は、
ファイルハンドル”1”〜”2”がそれぞれ60Mbp
s、”3”が30Mbpsである。一方、(b)では、
ファイルハンドル”1”〜”3”に対しては最小帯域保
証が、”4”に対しては無保証型がそれぞれ設定されて
いる。標準帯域は、(a)と同様、ファイルハンドル”
1”〜”2”がそれぞれ60Mbps、”3”が30M
bpsである。
【0125】図7は、図3の送信帯域幅制御部314
が、図6のように設置された標準帯域、および帯域保証
の種類に基づいて行う送信帯域幅制御を、直感的に説明
するための図である。図7において、Tslt(タイム
スロット)は、要求を処理する周期に相当する単位時間
であり、Nmaxは、1つのTsltあたりに処理可能
な要求の個数の最大値である。図中の○は、1つのブロ
ックに対する読み出し要求(以下、単に要求と呼ぶ)を
示し、〜がそれぞれ、図6のファイルハンドル”
1”〜”4”と対応している。ここでは、Nmax=5
とし、また、1つのTsltあたりに1個の要求(○)
を処理したときの送信帯域幅を30Mbpsとする。つ
まり、送信帯域幅制御部314では、1つのTsltあ
たり最大で5個の要求が処理され、その最大送信帯域幅
は、30*5=150Mbpsとなる。
【0126】いま、送信帯域幅制御部314において、
が4個、が12個、が7個、が2個の計25個
の要求が処理待ち状態にあるとすると(実際には、次々
に新たな要求が送られてくるので、処理待ち要求の個数
は刻々変化する)、送信帯域幅制御部314は、帯域設
定部305によって設定された標準帯域、および帯域保
証の種類に基づいて、これら25個の要求を、Tslt
(1),Tslt(2),…,Tslt(5)へと順番
に充填していく。
【0127】図7(a)には、標準帯域、および帯域保
証の種類が図6(a)のように設定されている場合に、
要求〜を各Tsltへどのような内訳で充填するか
が示されている。〜は、最大帯域保証が設定された
ファイルと対応し、そのファイルに設定された標準帯域
に相当する個数だけ、優先的にTsltへと充填される
が、たとえTsltに空き帯域があっても、そこに追加
充填されることはない。は、帯域無保証が設定された
ファイルと対応し、もしTsltに空き帯域があれば、
そこに充填される。
【0128】図7(a)において、最初、送信帯域幅制
御部314は、Tslt(1)へ、を2個、を2
個、を1個の計5個を充填し、次に、Tslt(2)
へ、を2個、を2個、を1個の計5個を充填す
る。この時点で、未充填のがなくなるので、Tslt
(3)〜Tslt(5)では、各々要求2個分の空き帯
域が生じることになる。次に、送信帯域幅制御部314
は、Tslt(3)へ、を2個、を1個充填し、こ
のとき生じた2個分の空き帯域には、を2個充填す
る。この時点で、未充填のがなくなる。
【0129】次に、送信帯域幅制御部314は、Tsl
t(4)へ、を2個、を1個充填する。このとき生
じた2個分の空き帯域には、どの要求も充填されない。
次に、送信帯域幅制御部314は、Tslt(5)へ、
を2個、を1個充填する。このとき生じた2個分の
空き帯域には、どの要求も充填されない。この時点で、
未充填の,が各々2個ある。これら合計4個の要求
は、Tslt(5)に続く図示しないTslt(6),
Tslt(7)…へと充填されることになる。
【0130】一方、図7(b)には、標準帯域、および
帯域保証の種類が図6(b)のように設定されている場
合に、要求〜を各Tsltへどのような内訳で充填
するかが示されている。〜は、最小帯域保証が設定
されたファイルと対応し、そのファイルに設定された標
準帯域に相当する個数だけ、優先的にTsltへと充填
され、かつ、もしTsltに空き帯域があれば、そこに
追加充填される。は、帯域無保証が設定されたファイ
ルと対応し、もしTsltに空き帯域があれば、そこに
充填される。
【0131】図7(b)において、最初、送信帯域幅制
御部314は、Tslt(1)へ、を2個、を2
個、を1個の計5個を充填し、次に、Tslt(2)
へ、を2個、を2個、を1個の計5個を充填す
る。この時点で、未充填のがなくなるので、Tslt
(3)〜Tslt(5)では、各々要求2個分の空き帯
域が生じることになる。
【0132】次に、送信帯域幅制御部314は、Tsl
t(3)へ、を2個、を1個充填し、このとき生じ
た2個分の空き帯域には、,を各1個充填する。次
に、送信帯域幅制御部314は、Tslt(4)へ、
を2個、を1個充填し、このとき生じた2個分の空き
帯域には、,を各1個充填する。次に、送信帯域幅
制御部314は、Tslt(5)へ、を2個、を1
個充填し、このとき生じた2個分の空き帯域には、,
を各1個充填する。この時点で、全ての要求の充填が
完了する。
【0133】図7(a),図7(b)を互いに比較すれ
ばわかるように、ファイルシステム301がファイル読
み出し(あるいはファイル書き込み)を行う際の帯域保
証として最小帯域保証を用いることによって、最大帯域
保証を用いた場合に存在していた空き帯域の有効利用が
図れるようになる。なお、ここで補足しておけば、本願
の帯域保証(最大,最小共)は、保証される標準帯域
が、アプリケーションの要求(帯域設定要求)に応じて
任意に設定される点が、従来の帯域保証と異なる。つま
り、従来の帯域保証では、保証される帯域は固定であっ
たのに対し、本願の帯域保証では、保証される帯域(標
準帯域)は、必要に応じて変更設定できる。
【0134】なお、ここでは、帯域無保証および最大帯
域保証を用いた場合について、帯域無保証および最大帯
域保証を用いた場合と比較しながら説明したが、最大帯
域保証および最小帯域保証を用いても、あるいは、帯域
無保証、最大帯域保証および最小帯域保証を全て用いて
も、空き帯域の有効利用が図れることに変わりはない。
【0135】また、図7(b)の例では、送信帯域幅制
御部314は、Tslt(3)〜Tslt(5)におい
て生じた空き帯域に、それぞれと、と、と
を充填した。つまり、空き帯域を、帯域無保証または最
小帯域保証が設定された各ファイルに対して、帯域無保
証か最小帯域保証かに関わらず、また標準帯域とも無関
係に、均等に分配したが、代わりに、空き帯域を、帯域
無保証が設定されたファイルよりも、最小帯域保証か設
定されたファイルに対して、より優先的して分配するよ
うにしてもよい。
【0136】または、帯域保証の種類として最小帯域保
証が設定されたファイルが複数ある場合、空き帯域を、
各々に設定された標準帯域に応じた比率で分配してもよ
い。または、各ファイルの読み出し状況や書き込み状況
に基づいて分配比率を決定し、空き帯域を、その分配比
率に従って分配してもよい。
【0137】さらには、ブロックを送信する先(ファイ
ル・サーバ102の送信帯域幅制御部314から見れば
ファイル読出部306が、ファイル書込部307の送信
帯域幅制御部311から見ればファイル・サーバ102
が、各々ここでいう送信先である)には、それらブロッ
クを一時記憶するバッファがファイル毎に設けられる
が、これらバッファの空き領域に応じて、空き帯域を分
配してもよい。例えば、各ファイルについて、バッファ
の空き領域に関するしきい値を決めておき、あるファイ
ル用のバッファの空き領域がそのしきい値以下の期間
は、そのファイルへの分配を行わない(または分配量を
減らす)といった方法が考えられる。
【0138】また、ここでは、送信帯域幅制御部314
は、帯域設定部305が設定した標準帯域をそのまま用
いて送信帯域幅制御を行っているが、その標準帯域をも
とに実際に必要な帯域を計算し、それにより得られた実
帯域を用いて、送信帯域幅制御を行うようにしてもよ
い。このような実帯域計算が必要となるのは、例えば、
ファイル読み出しを行う際に、アプリケーション302
が要求するブロック(読み出し最小単位)のサイズと、
ファイル・サーバ102で扱われるブロックのサイズと
が互いに異なるような場合である。その一例が、図8に
示されている。
【0139】すなわち、図8は、アプリケーション30
2が要求するブロックと、ファイル・サーバ102の記
録ディスク上に記録されているブロックとの、サイズの
違いを示した図である。図8に示すように、ファイル・
サーバ102で扱われるブロックのサイズが128KB
(=131072バイト)であるにもかかわらず、アプ
リケーション302は、サイズ120000バイトのブ
ロックを120000バイトおきに要求することがあ
る。このような場合、ファイル・サーバ102の送信帯
域幅制御部314は、120000バイト分のデータ要
求に対して、要求されていない11072バイトをも含
む131072バイト分のデータを送信することが好ま
しいことがある。そのように送信したときの実帯域は、
標準帯域に(131072/120000)を乗じた値
となる。例えば、標準帯域が60Mbpsの場合、実帯
域は、65.5Mbpsと計算される。
【0140】また、次のような場合には、別の実帯域計
算が必要となる。図8と同様、ファイル・サーバ102
で扱われるブロックのサイズが128KB(=1310
72バイト)である一方、アプリケーション302が要
求するブロックのサイズが120000バイトである場
合、アプリケーション302は、ファイル読み出しを行
う際に、ブロックを(例えば1ブロック跳ばしに)断続
的に要求することがある。その一例が、図9に示されて
いる。
【0141】すなわち、図9は、ファイル・サーバ10
2の記録ディスク上に128KB(=131072バイ
ト)のブロックが連続的に記録されているとき、アプリ
ケーション302が1ブロック跳ばしに(つまり120
000バイトおきに)断続的に要求する様子を示す図で
ある。図9に示すような場合、アプリケーション302
の要求が1ブロック(=120000バイト)跳ばしで
あっても、ファイル・サーバ102の送信帯域幅制御部
314は、ほとんど全てのブロック(1ブロック=13
1072バイト)を送信することになるので、実帯域
は、標準帯域の2倍となることがわかる。例えば、標準
帯域が60Mbpsの場合、実帯域は、120Mbps
と計算される。より一般的には、実帯域は、標準帯域
と、アプリケーション302が読み出そうとするブロッ
クが記録ディスク上のどこにあるかを示す位置情報とか
ら計算することができる。
【0142】〔先読み制御処理〕次に、上記のステップ
S407のファイル読み出しの際に行われる先読み制御
処理について、詳細に説明するが、ここで予め、その概
略を説明しておく。前述のように、ファイル読出部30
6において、先読バッファ管理部308は、ファイル読
出部306がファイル・サーバ102の記録ディスクか
ら読み出してくる先読みデータを一時記憶するための先
読みバッファを管理すると共に、読み出し中、その先読
みバッファの使用量を監視している。
【0143】ファイル読出部306がファイル読み出し
要求を受け取ると、先読制御部309は、最初、帯域設
定部305によって設定された標準帯域、またはディレ
クトリ・サーバ103の属性情報に含まれる標準帯域
(これはデフォルト)と、図1のクライアント・サーバ
・システムに固有の最大遅延時間(定数)とに基づい
て、最小先読み数(最小先読み量でもよい)を算出し、
次に、算出した最小先読み数と等しい数のブロックを先
読みする(これを初期先読みと呼ぶ)。こうして先読み
されたブロックは、先読みバッファに一時記憶される。
【0144】その後、アプリケーション302は、一連
のブロック読み出し要求の発行を開始する。応じて、先
読みバッファ内の先読みブロックは、先頭ブロックから
順番に、アプリケーション302側のバッファへとコピ
ーされていく。その結果として、先読み量がだんだん減
っていくことになる。このとき、先読バッファ管理部3
08によって先読み量が監視されており、先読み量が最
小先読み量よりも少なくなると、先読制御部309は、
先読み量が最小先読み量に等しくなるように、再び先読
みを実行する(これを追加先読みと呼ぶ)。こうして、
先読みバッファ使用量が、最小先読み量に等しく保たれ
る。
【0145】ここで、上記の先読みを、従来の先読みと
比較しておく。従来の先読みでは、常に一定数のブロッ
クが先読みされる(つまり先読み量が一定である)。例
えば、特開平9−284343号公報では、再送制御を
行うために、ネットワークを往復するのにかかる時間と
対応する量を先読みしている。これに対し、本願の先読
みでは、アプリケーション302が任意に設定する標準
帯域と、図1のクライアント・サーバ・システムに固有
の最大遅延時間(定数)とから最小先読み数(最小先読
み量でもよい)を算出して、その最小先読み数と等しい
数のブロックを先読みしている。標準帯域に応じた先読
みを行うためであり、また、遅延は、ネットワーク伝送
時だけでなく、例えば、ファイル・サーバ102におい
て記録ディスクへのアクセスを行う際にも生じる(しか
も、記録ディスクへのアクセスの際の遅延は、その大き
さが不定である)からである。
【0146】なお、最大遅延時間は、上記のように一定
値とせず、標準帯域に応じて変えてもよい。それによっ
て、より一層、帯域の有効利用が図れるようになる。
【0147】上記のような先読み制御の詳細を、以下に
説明する。なお、ここでは、後述する先読み量制御は行
われず、先読み制御だけが行われるものとする。最初、
先読制御部309が算出する最小先読み数(最小先読み
量)について説明する。先読制御部309は、次式
(1)を用いて、最小先読み数(N_RA)を算出す
る。 (N_RA)=[(B_Assure)*(T_MRTD)/(D_Unit )]…(1) 上式(1)において、”*”は乗算、”/”は除算を意
味し、[x]は、xを下回らない最小の整数を表す。
(T_MRTD)は、図1のクライアント・サーバ・シ
ステムに固有の最大遅延時間(定数)である。また、
(B_Assure)は、読み出し対象のファイルに対
して設定された標準帯域、(D_Unit)は、そのフ
ァイルを構成するブロックのサイズである。これらは、
下式(2)においても同様である。
【0148】または、先読制御部309は、次式(2)
を用いて、最小先読み量(D_RA)を算出する。 (D_RA)=(N_RA)*(D_Unit) =[(B_Assure)*(T_MRTD)/(D_Unit )]*(D_Unit)…(2) すなわち、(D_RA)は、(B_Assure)*
(T_MRTD)を(D_Unit)で規格化すること
により得られる。
【0149】最大遅延時間(T_MRTD)は、実験に
よって求めることができる。すなわち、図1のクライア
ント・サーバ・システムにおいて生じる読み出し遅延時
間を実際に何度も計測する。そして、それら計測結果か
ら、実際に生じる遅延時間がそれを上回る確率が十分に
小さくなるような遅延時間を算出し、それを図1のクラ
イアント・サーバ・システムに固有の最大遅延時間と定
義する。このとき、実際に生じる時間が最大遅延時間を
上回る確率は、10-12 未満であるのが好ましい。また
は、ネットワーク104やファイル・サーバ102の仕
様から、最大遅延時間(T_MRTD)を決定すること
もできる。
【0150】標準帯域(B_Assure)は、アプリ
ケーション302からの帯域設定要求に応じて帯域設定
部305が設定したものを用いるか、または、ディレク
トリ・サーバ103に記録された属性情報に含まれてい
るデフォルトを用いる。
【0151】こうして最小先読み数を算出すると、先読
制御部309は、その最小先読み数に等しい数のブロッ
クを読み出す初期先読みを開始する。その後、アプリケ
ーション302は、ブロック読み出し要求の発行を開始
する。応じて、ファイル読出部306では、次のような
処理が行われる。
【0152】図10は、図3のファイル読出部306
が、アプリケーション302からのブロック読み出し要
求に応じて行うブロック読み出し処理を示すフローチャ
ートである。なお、ここでは、アプリケーションが要求
するブロックのサイズと、ファイル・サーバ102が扱
えるブロックのサイズが同じと仮定して説明する(サイ
ズが異なる場合の処理については後述)。図10におい
て、ブロック読み出し要求が送られてくると、ファイル
読出部306は、その要求の対象であるブロック(以
下、要求ブロック)が、先読制御部309による初期先
読み処理の対象となった一連のブロック(以下、先読み
ブロック;このような先読みブロックは、上記の最小先
読み数に等しい個数だけ存在する)のうちの先頭のブロ
ックと同一のものであるか否かを判定する(ステップS
1001)。その判定結果が否定の場合、ステップS1
006に進む。
【0153】ステップS1001の判定結果が肯定の場
合、ファイル読出部306は、要求ブロックが、先読み
バッファに到着済みであるか否かを判定する(ステップ
S1002)。その判定結果が否定の場合、イベント待
ちに入る。ステップS1002の判定結果が肯定の場
合、ファイル読出部306は、アプリケーション302
への応答を実行する(ステップS1003)。つまり、
先読みバッファに記憶されている要求ブロックを、アプ
リケーション302側のバッファへとコピーする。
【0154】次に、ファイル読出部306は、先読みバ
ッファの不要領域、つまりステップS1003で応答済
みのブロックが格納されている領域を開放する(ステッ
プS1004)。そして、追加先読みが行われ(ステッ
プS1005)、その後、イベント待ちに入る。ステッ
プS1006では、読み出しジャンプ処理が行われ、そ
の後、イベント待ちに入る。
【0155】図11は、図10のステップS1005の
追加先読み処理を示すフローチャートである。図11に
おいて、先読制御部309は、最初、追加先読みを実行
する必要があるか否かを判断する(ステップS110
1)。その判定結果が否定であれば、処理完了となり、
肯定であれば、先読制御部309が、追加先読みを実行
する(ステップS1102)。なお、追加先読みを実行
する必要があるか否かは、先読み量(あるいは先読みブ
ロック数)を、最小先読み量(あるいは最小先読み数)
と比較することによって判断できる。先読みブロックの
数が最小先読み数より少なければ、追加先読みを実行
し、多ければ、処理完了となる。
【0156】図12は、図10のステップS1006の
読み出しジャンプ処理を示すフローチャートである。図
12において、ファイル読出部306は、最初、要求ブ
ロックが先読みブロックか否か、つまり、先読みしてい
る一連のブロックのいずれかと同一のブロックが要求さ
れているか否かを判断する(ステップS1201)。そ
の判断結果が否定の場合、実行中の先読みが中断され
(ステップS1204)、その後、ステップS1202
に進む。ステップS1201の判断結果が肯定の場合、
先読み位置を、ジャンプ先の前方にある、まだ先読みし
ていない位置に変更する(ステップS1202)。次い
で、追加先読みが実行され(ステップS1203)、そ
の後、処理終了となる。
【0157】要するに、要求ブロックが、たとえ一連の
先読みブロックの先頭のものでなくても(ステップS1
001を参照)、それら一連の先読みブロックのいずれ
かであるならば(ステップS1201を参照)、いま行
っている先読みを中断しなくてもよい。この点に着目
し、上記の読み出しジャンプ処理では、読み出し処理の
中断の頻度を減らしている。それによって、帯域の有効
利用と、応答性の向上とが図れるからである。
【0158】図13は、図3のファイル読出部306
が、読み出したブロック(以下、受信ブロック)を先読
みバッファに格納する処理を示すフローチャートであ
る。図13において、最初、ファイル読出部306は、
受信ブロックが廃棄すべきものか否かを判断する(ステ
ップS1301)。廃棄すべきブロックとしては、先読
みされたにも関わらず、ジャンプ読み出しが行われたた
め不要となったブロックや、先読み量の減少(先読み量
の増減については、後述する先読み量制御処理を参照)
に伴い不要となったブロックなどがある。
【0159】ステップS1301の判断の結果が肯定の
場合、ファイル読出部306は、受信ブロックを破棄し
(ステップS1307)、その後、イベント待ちに入
る。一方、否定の場合、受信ブロックを先読みバッファ
に格納する(ステップS1302)。次に、ファイル読
出部306は、受信ブロックが要求ブロックであるか否
かを判断する(ステップS1303)。その判断結果が
否定の場合、イベント待ちに入る。ステップS1303
の判断の結果が肯定の場合は、ファイル読出部306
は、アプリケーション302への応答を実行し(ステッ
プS1304)、次いで、不要バッファを開放する(ス
テップS1305)。次に、先読制御部309が追加先
読みを行い(ステップS1306)、その後、イベント
待ちに入る。
【0160】図14は、図13のステップS1302の
受信ブロック格納処理を示すフローチャートである。図
14において、ファイル読出部306は、受信ブロック
を先読みバッファに格納し、併せて、その格納位置(バ
ッファ内のどの位置にそのブロックを格納したか)を登
録する(ステップS1401)。その後、処理終了とな
る。
【0161】〔先読み量制御処理〕次に、上記のステッ
プS407のファイル読み出しの際に行われる先読み量
制御処理について、詳細に説明するが、ここで予め、そ
の概略を説明しておく。先読制御部309が上記のよう
な先読み制御処理を行うことによって、送信帯域幅が常
に標準帯域以下であれば(つまり、帯域保証の種類とし
て最大帯域保証が設定されていれば)、先読み量は、最
小先読み量と等しく保たれれば十分である。ところが、
帯域保証の種類として最小帯域保証が設定されている
と、送信帯域幅が標準帯域を超えることがあるので、先
読み量が最小先読み量と等しく保たれるだけでは十分で
ない。そこで、先読量制御部310は、最小帯域保証が
設定された場合、送信帯域幅が標準帯域を超えると、先
読み量を、最小先読み量以上に制御する。それによっ
て、空き帯域を十分に利用できるようになる。この先読
み量制御の原理を、図15を用いて説明する。
【0162】すなわち、図15は、図3の先読量制御部
310が行う先読み量制御の原理を、直感的に説明する
ための図である。図15において、先読み量制御では、
バッファ使用量に関する4個のしきい値A〜D(ただ
し、A<B<C<D)を決めておく。Aは、先読み量増
加処理を開始するか否かの判定基準となる第1のしきい
値、Bは、先読み量増加処理を停止するか否かの判定基
準となる第2のしきい値、Cは、先読み量減少処理を開
始するか否かの判定基準となる第3のしきい値、Dは、
先読み量減少処理を開始するか否かの判定基準となる第
4のしきい値である。一方、先読バッファ管理部308
は、先読みバッファ使用量を監視しており、監視結果を
随時、先読量制御部310に通知する。ここで先読みバ
ッファ使用量とは、先読みバッファに記憶されている先
読みブロックの数、より正確には、先読みバッファに記
憶されている先読みブロックのうち、まだアプリケーシ
ョン302側のバッファへとコピーされていないブロッ
クの数(あるいはデータ量)をいう。
【0163】先読量制御部310は、通知された先読み
バッファ使用量を、各しきい値A〜Dと比較し、比較結
果に応じて、先読み量増加処理を開始/停止させ、かつ
先読み量減少処理を開始/停止させることによって、先
読み量を一定範囲内で変動させる。このとき、しきい値
A〜Dが適切に決められていれば、先読み量の変動範囲
は、その下限が上記の最小先読み量であり、かつ上限が
先読みバッファの最大容量であるような範囲となる。そ
して、しきい値A〜Dは、実験によって、あるいはネッ
トワーク104やファイル・サーバ102の仕様から、
適切に決めることができる。
【0164】上記のような先読み量制御処理の詳細を、
以下に説明する。なお、ここでは、前述の先読み制御に
加えて、さらに先読み量制御が行われるものする。図1
6は、図3のファイル読出部306が、アプリケーショ
ン302からのブロック読み出し要求に応じて行うブロ
ック読み出し処理を示すフローチャートである。なお、
図16の処理は、図10の処理に、ステップS1601
〜S1603を追加したものである。図16において、
ブロック読み出し要求が送られてくると、ファイル読出
部306は、要求ブロックが、一連の先読みブロックの
うち先頭のブロックと同一のものであるか否かを判定す
る(ステップS1001)。その判定結果が否定の場
合、ステップS1006に進む。
【0165】ステップS1001の判定結果が肯定の場
合、ファイル読出部306は、要求ブロックが、先読み
バッファに到着済みであるか否かを判定する(ステップ
S1002)。その判定結果が否定の場合、先読量制御
部310が、先読み量増加処理開始判定を行い(ステッ
プS1603)、その後、イベント待ちに入る。ステッ
プS1002の判定結果が肯定の場合、ファイル読出部
306は、アプリケーション302への応答を実行する
(ステップS1003)。
【0166】次に、ファイル読出部306は、先読みバ
ッファの不要領域を開放する(ステップS1004)。
次に、先読量制御部310が、先読み量減少処理停止判
定を行い(ステップS1603)、次いで、先読み量増
加処理停止判定を行う(ステップS1603)。そし
て、追加先読みが行われ(ステップS1005)、その
後、イベント待ちに入る。ステップS1006では、読
み出しジャンプ処理が行われ、その後、イベント待ちに
入る。
【0167】図17は、図3のファイル読出部306
が、受信ブロックを先読みバッファに格納する処理を示
すフローチャートである。なお、図17の処理は、図1
3の処理に、ステップS1701〜S1703を追加し
たものである。図17において、最初、ファイル読出部
306は、受信ブロックが廃棄すべきものか否かを判断
する(ステップS1301)。ステップS1301の判
断の結果が肯定の場合、ファイル読出部306は、受信
ブロックを破棄し(ステップS1307)、その後、イ
ベント待ちに入る。一方、否定の場合、受信ブロックを
先読みバッファに格納する(ステップS1302)。
【0168】次に、ファイル読出部306は、受信ブロ
ックが要求ブロックであるか否かを判断する(ステップ
S1303)。その判断結果が否定の場合、先読量制御
部310が、先読み量減少処理開始判定を行い(ステッ
プS1703)、その後、イベント待ちに入る。ステッ
プS1303の判断の結果が肯定の場合は、ファイル読
出部306は、アプリケーション302への応答を実行
し(ステップS1304)、次いで、不要バッファを開
放する(ステップS1305)。次に、先読量制御部3
10が、先読み量減少処理停止判定を行い(ステップS
1701)、次いで、先読み量増加処理停止判定を行う
(ステップS1702)。そして、先読制御部309が
追加先読みを行い(ステップS1306)、その後、イ
ベント待ちに入る。
【0169】図18は、図16のステップS1601の
先読み量減少処理停止判定を示すフローチャートであ
る。図18において、先読量制御部310は、最初、先
読み量減少処理が実行中か否かを判定する(ステップS
1801)。その判定結果が肯定の場合、処理終了とな
る。ステップS1801の判定結果が否定の場合、先読
量制御部310は、先読みバッファ使用量がしきい値C
以下であるか否かを判定する(ステップS1802)。
その判定結果が否定の場合、処理終了となる。ステップ
S1802の判定結果が肯定の場合、先読量制御部31
0は、先読み量減少処理を停止し(ステップS180
3)、その後、処理終了となる。
【0170】図19は、図16のステップS1602の
先読み量増加処理停止判定を示すフローチャートであ
る。図19において、先読量制御部310は、最初、先
読み量増加処理が実行中か否かを判定する(ステップS
1901)。その判定結果が肯定の場合、処理終了とな
る。ステップS1901の判定結果が否定の場合、先読
量制御部310は、先読みバッファ使用量がしきい値B
以上であるか否かを判定する(ステップS1902)。
その判定結果が否定の場合、処理終了となる。ステップ
S1902の判定結果が肯定の場合、先読量制御部31
0は、先読み量増加処理を停止し(ステップS190
3)、その後、処理終了となる。
【0171】図20は、図16のステップS1603の
先読み量増加処理開始判定を示すフローチャートであ
る。図20において、先読量制御部310は、最初、先
読み量増加処理が実行中か否かを判定する(ステップS
2001)。その判定結果が肯定の場合、処理終了とな
る。ステップS2001の判定結果が否定の場合、先読
量制御部310は、先読みバッファ使用量がしきい値A
以下であるか否かを判定する(ステップS2002)。
その判定結果が否定の場合、処理終了となる。
【0172】ステップS2002の判定結果が肯定の場
合、先読量制御部310は、先読み量減少処理が実行中
か否かを判定する(ステップS2003)。その判定結
果が否定の場合、ステップS2005に進む。ステップ
S2003の判定結果が肯定の場合、先読量制御部31
0は、先読み量減少処理を停止し(ステップS200
4)、その後、ステップS2005に進む。ステップS
2005では、先読み量増加処理が開始される。その
後、処理終了となる。
【0173】図17のステップS1701の先読み量減
少処理停止判定は、図16のステップS1601と同様
なので、図18のフローチャートを援用し、説明を省略
する。図17のステップS1702の先読み量増加処理
停止判定は、図16のステップS1602と同様なの
で、図19のフローチャートを援用し、説明を省略す
る。
【0174】図21は、図17のステップS1703の
先読み量増加処理開始判定を示すフローチャートであ
る。図21において、先読量制御部310は、最初、先
読み量減少処理が実行中か否かを判定する(ステップS
2101)。その判定結果が肯定の場合、処理終了とな
る。ステップS2101の判定結果が否定の場合、先読
量制御部310は、先読みバッファ使用量がしきい値D
以上であるか否かを判定する(ステップS2102)。
その判定結果が否定の場合、処理終了となる。
【0175】ステップS2102の判定結果が肯定の場
合、先読量制御部310は、先読み量増加処理が実行中
か否かを判定する(ステップS2103)。その判定結
果が否定の場合、ステップS2105に進む。ステップ
S2103の判定結果が肯定の場合、先読量制御部31
0は、先読み量増加処理を停止し(ステップS210
4)、その後、ステップS2105に進む。ステップS
2105では、先読み量減少処理が開始される。その
後、処理終了となる。
【0176】図22,図23はそれぞれ、図3の先読量
制御部310が行う先読み量増加処理を示すフローチャ
ートである。図22において、先読量制御部310は、
最初、先読みバッファ使用量がしきい値A以下であるか
否かを判定する(ステップS2201)。その判定結果
が否定の場合、ステップS2203に進む。ステップS
2201の判定結果が肯定の場合、先読量制御部310
は、先読み量の増加を実行し(ステップS2202)、
その後、ステップS2203に進む。
【0177】ステップS2203では、先読み量増加処
理を停止するか否かが判断され(ステップS220
3)、その判定結果が肯定の場合、処理終了となる。ス
テップS2203の判定結果が否定の場合、先読量制御
部310は、所定の時間だけ処理待ちし(ステップS2
204)、その後、ステップS2201へ戻って、上記
と同様の処理を繰り返す。
【0178】図23において、先読制御部309は、最
初、読み出しに使われている帯域幅を測定する処理を開
始する(ステップS2301)。読み出しに使われてい
る帯域幅の計測は、例えば、アプリケーション302か
らのブロック読み出し要求の頻度と、ブロックのサイズ
とを検出することにより行える。次に、先読量制御部3
10は、読み出しに使われている帯域幅に対応する先読
み量を、D(t)とする(ステップS2302)。そし
て、現在の先読み量が上記のD(t)よりも小さいか否
かを判定する(ステップS2303)。その判定結果が
否定の場合、ステップS2305に進む。
【0179】ステップS2303の判定結果が肯定の場
合、先読制御部309は、上記のD(t)を、現在の先
読み量に変更し(ステップS2304)、その後、ステ
ップS2305へ進む。ステップS2305では、先読
み量増加処理を停止するか否かが判断される。その判断
結果が否定の場合、ステップS2302に戻って、上記
と同様の処理が繰り返される。ステップS2305の判
断結果が肯定の場合、先読制御部309は、読み出しに
使われている帯域幅を測定する処理を停止し(ステップ
S2306)、その後、処理終了となる。
【0180】図24,図25はそれぞれ、図3の先読量
制御部310が行う先読み量減少処理を示すフローチャ
ートである。図24において、先読量制御部310は、
最初、先読みバッファ使用量がしきい値C以上であるか
否かを判定する(ステップS2401)。その判定結果
が否定の場合、ステップS2405に進む。ステップS
2401の判定結果が肯定の場合、先読量制御部310
は、先読み量の減少を実行し(ステップS2402)、
次いで、先読みバッファ使用量が、先読み量を超えてい
るか否かを判定する(ステップS2403)。その判定
結果が否定の場合、ステップS2405に進む。
【0181】ステップS2403の判定結果が肯定の場
合、現在の先読み量を超えて後方にあるブロックを格納
したバッファが開放され(ステップS2404)、その
後、ステップS2405に進む。ステップS2405で
は、先読み量減少処理を停止するか否かが判断され、そ
の判定結果が肯定の場合、処理終了となる。ステップS
2405の判定結果が否定の場合、先読量制御部310
は、所定の時間だけ処理待ちし(ステップS240
6)、その後、ステップS2401へ戻って、上記と同
様の処理を繰り返す。
【0182】図25において、先読制御部309は、最
初、読み出しに使われている帯域幅を測定する処理を開
始する(ステップS2501)。次に、先読量制御部3
10は、読み出しに使われている帯域幅に対応する先読
み量を、D(t)とする(ステップS2502)。そし
て、現在の先読み量が上記のD(t)よりも小さいか否
かを判定する(ステップS2503)。その判定結果が
否定の場合、ステップS2506に進む。
【0183】ステップS2503の判定結果が肯定の場
合、先読制御部309は、上記のD(t)を、現在の先
読み量に変更し(ステップS2504)する。次いで、
現在の先読み量を超えて後方にあるブロックを格納した
バッファが開放され(ステップS2505)、その後、
ステップS2506に進む。ステップS2506では、
先読み量減少処理を停止するか否かが判断される。その
判断結果が否定の場合、ステップS2502に戻って、
上記と同様の処理が繰り返される。ステップS2506
の判断結果が肯定の場合、先読制御部309は、読み出
しに使われている帯域幅を測定する処理を停止し(ステ
ップS2507)、その後、処理終了となる。
【0184】〔先読みバッファの管理〕次に、上記のス
テップS407で先読バッファ管理部308が行う先読
み先読みバッファ管理について説明する。前述のよう
に、最小帯域保証が設定された場合、標準帯域を超える
帯域幅で読み出しが行われることがある。簡単な一例と
して、あるファイルに対して最小帯域保証が設定され、
別のファイルに対して最大帯域保証が設定されており、
それら2つのファイルの読み出しを同時に実行する場合
を考える。このとき、前者ファイルの読み出し帯域幅が
標準帯域を超えたと仮定すると、後者のファイルの読み
出し帯域幅は、標準帯域を下回る(つまり、最大帯域保
証が機能しない)ことがないとはいえない。なぜなら、
先読みバッファの容量が有限だからである。
【0185】そこで、先読バッファ管理部308は、先
読みバッファを、標準帯域と対応する基礎領域(つま
り、全てのファイルを各々の標準帯域で読み出す際に必
要となる分の先読みバッファ)と、標準帯域内に生じる
空き帯域と対応する共有領域とに分けて管理する。それ
により、最大帯域保証が機能しなくなる不都合はなくな
る。
【0186】なお、上記の共有領域は、帯域の有効利用
の観点から見れば、少なくとも基礎領域と同じ大きさを
確保することが好ましい。つまり、先読みバッファの全
容量は、全てのファイルを各々の標準帯域で読み出す際
に必要となる量の2倍以上であることが好ましい。なぜ
なら、共有領域が基礎領域を下回った場合、たとえ空き
帯域があっても、バッファが不足して、先読み量制御が
不安定となり、その結果、空き帯域の利用効率が低下す
ることがあるからである。一方、共有領域が基礎領域以
上であれば、先読み量制御は安定し、空き帯域利用の効
率低下を抑えることができる。
【0187】さらには、共有領域が基礎領域の2倍以上
であれば、より好ましい。なぜなら、共有領域が基礎領
域の2倍を下回っていると、最小帯域保証が設定された
複数のファイルが同時に読み出されている場合に、その
うち1個のファイルが先読み量減少処理中であると、残
りのファイルによる空き帯域利用の効率低下が起こるか
らである。一方、共有領域が基礎領域の2倍以上であれ
ば、最小帯域保証が設定された複数のファイルが同時に
読み出されている場合に、そのうち1個のファイルが先
読み量減少処理中であっても、残りのファイルによる空
き帯域利用の効率低下を抑えることができる。一般的に
は、共有領域の大きさは、基礎領域の大きさのN倍(た
だし、Nは2以上の任意の整数)以上であるのが、より
好ましい。その場合、最小帯域保証が設定された(N−
1)個のファイルが同時に先読み量減少処理中であって
も、残りのファイルによる空き帯域利用の効率低下を抑
えることができる。
【0188】図26は、図3のファイル読出部306
が、読み出したブロック(受信ブロック)を先読みバッ
ファに格納する処理(そこには、先読バッファ管理部3
08が行う先読みバッファ量制御が含まれる)を示すフ
ローチャートである。図26において、最初、先読バッ
ファ管理部308は、現在の先読みバッファ量が、標準
帯域に相当する量(上記基礎領域の大きさ)未満である
か否かを判定する(ステップS2601)。その判定結
果が否定の場合、ステップS2604へ進む。ステップ
S2601の判定結果が否定の場合、先読バッファ管理
部308は、先読みバッファ量の増加を行い(ステップ
S2602)、次いで、ファイル読出部306は、受信
ブロックを先読みバッファに格納し、併せて、その格納
位置を登録する(ステップS2603)。
【0189】ステップS2604では、共有バッファ使
用量が上限に達しているか否かが判断され、達していな
ければ、先読バッファ管理部308が、先読みバッファ
量の増加を行い(ステップS2605)、その後、ステ
ップS2602へ進む。ここで共有バッファ使用量と
は、先読みバッファの共有領域(上述)に記憶されてい
る先読みブロックのうち、まだアプリケーション302
側のバッファへとコピーされていないブロックの数(と
対応する未開放バッファの量)をいう。
【0190】ステップS2604の判定結果が肯定の場
合、受信ブロックの廃棄が行われ(ステップS260
6)、次いで、先読み要求が中断される(ステップS2
607)。そして、先読制御部309は、先読み位置
を、廃棄された受信ブロックと対応する位置に変更し
て、そこから先読みをやり直す(ステップS260
8)。その後、処理終了となる。
【0191】〔特殊再生を行う場合の先読み処理〕最後
に、特殊再生、例えば高速再生や、逆方向再生を行う場
合の先読み処理を説明しておく。逆方向再生を行う場合
の先読み処理は、次のようになる。図27は、逆方向再
生を行う場合の先読み処理を直感的に説明するための図
である。図27に示すように、先読制御部309は、再
生方向の反転の有無を、要求ブロックと、次の要求ブロ
ックとの、ファイル内における位置関係に基づいて判定
する。すなわち、いま送られてきた要求と対応するブロ
ックが、その直前に送られてきた要求と対応するブロッ
クよりも後方にあるときは、再生方向の反転なしと判定
し、前方にあるときは、再生方向の反転ありと判定す
る。
【0192】図28は、逆方向再生に伴い、図3の先読
制御部309が行う先読み方向切り替え処理を示すフロ
ーチャートである。図28において、先読み方向を切り
換える場合、先読制御部309は、最初、いま行ってい
る先読みを中断し(ステップS2801)、次いで、先
読み方向を切り換える(ステップS2802)。次に、
先読制御部309は、要求ブロックが先読みバッファ内
に存在するか否かを判断し(ステップS2803)、そ
の判断結果が否定の場合、ステップS2804に進む。
【0193】ステップS2803の判断が肯定の場合、
ファイル読出部306は、アプリケーション302への
応答を実行し(ステップS2804)、次いで、不要バ
ッファを開放する(ステップS2805)。そして、先
読制御部309は、先読み位置を、その前方の、まだ先
読みされていないブロックと対応する位置に変更して、
そこから先読みをやり直す(ステップS2806)。そ
して、追加先読みが実行され(ステップS2807)、
その後、イベント待ちに入る。
【0194】特殊再生を行う場合の先読み処理は、次の
ようになる。図29は、高速再生を行う場合の先読み処
理を直感的に説明するための図である。図29におい
て、高速再生では、ファイル内のデータが一定間隔で飛
び飛びに読み出され、それらが連続的に再生される。よ
って、先読みの対象となるデータは、通常再生の場合と
異なり、ファイル内に離散的に存在することになる。そ
こで、先読制御部309は、合計の先読み量が上式
(2)で算出される値と等しくなるように、あるいは、
合計の先読み数が上式(1)で算出される値と等しくな
るように、断続的に先読みを行う。断続的な先読みは、
ファイルシステムが先読み開始位置を断続的に指定し
て、前述の先読みジャンプ処理を反復実行することによ
り行える。
【0195】以上のように、本実施形態によれば、アプ
リケーションの要求に応じ、ファイルシステムが、ファ
イル書き込みやファイル読み出し用の帯域を設定できる
ようになる。また、帯域保証として、最大帯域保証に、
最小帯域保証を組み合わせて用いることによって、最大
帯域保証が設定された場合に生じる空き帯域の有効利用
が可能となる。また、帯域に応じた量のデータを先読み
するので、空き帯域の利用を図っても、遅延の隠蔽が不
十分となることがなくなる。さらに、先読み量を制御す
ることによって、最小帯域保証を用いる場合に生じる送
信帯域幅の変動にも追従することができるようになる。
こうして、最大遅延時間を保証する、つまり十分高い確
率を以て、読み出し遅延や書き込み遅延を一定時間内に
収めることが可能となる。
【0196】最大遅延時間が保証される結果として、ネ
ットワークを介したクライアント・サーバ・システムに
適用されるリアルタイム・リモート・ファイルシステ
ム、すなわち、ネットワークを通じ、ファイルサーバに
対して読み出しや書き込みをリアルタイムに行えるよう
なファイルシステムが実現される。そして、このような
フィルシステムは、ネットワーク環境で用いる場合に最
も効果を発揮するが、ネットワークを介さない環境で用
いてもよいのはいうまでもない。なぜなら、読み出しや
書き込みの遅延は、ネットワーク伝送の際だけでなく、
例えば、記録ディスクへのランダムアクセスを行う際に
も生じるからである。
【0197】なお、本実施形態では、属性情報管理部3
15をディレクトリ・サーバ103に設けることによっ
て、全ての属性情報を一括管理しているが、代わりに、
各クライアント101にそれぞれ、そのクライアント1
01専用の属性情報管理部を設けてもよい。
【0198】また、本実施形態では、帯域設定部305
は、ファイル書込部307の送信帯域幅制御部311
と、ファイル・サーバ102の送信帯域幅制御部314
とを対象に帯域設定を行っているが、ネットワーク10
4の伝送帯域制御部(図示せず)を帯域設定対象に加え
てもよい。さらに、ファイル1つに対して、ネットワー
クのコネクション1本を割り当てて上記のように帯域設
定を行ってもよいし、また、上記のように帯域設定を行
った1本のネットワークのコネクションを、複数のファ
イルが使用してもよい。
【0199】また、上記の実施形態とは別の実施形態と
して、次のような実施形態もある。図30は、本発明の
別の実施形態に係るリアルタイム・リモート・ファイル
システムの構成を示すブロック図である。図30におい
て、リモート・ファイルシステム3201およびファイ
ル・サーバ3102は、図32,図31に示すそれら
(従来技術の欄を参照)と同一であり、リアルタイム・
リモート・ファイルシステム301、ファイル・サーバ
102およびディレクトリ・サーバ103は、図3,図
1に示すそれらと同一である。OS303には、図3に
示すそれにおいて、要求振分部3001が追加されてい
る。要求振分部3001は、アプリケーション302か
らAPI312を通じて与えられるファイル操作要求
を、リモート・ファイルシステム3201側と、リアル
タイム・リモート・ファイルシステム301側とに振り
分ける。
【0200】アプリケーション302は、ファイル操作
を要求する際、ファイル・サーバ3102に対するファ
イル操作か、ファイル・サーバ102に対するファイル
操作かを指定する。要求振分部3001は、指定に従
い、ファイル操作要求を、リモート・ファイルシステム
3201およびリアルタイム・リモート・ファイルシス
テム301のいずれかに与える。以降、リモート・ファ
イルシステム3201が行う処理、およびリアルタイム
・リモート・ファイルシステム301が行う処理は、前
述した通りであり、説明を省略する。
【0201】OS303としては、例えば、Windo
ws NTを用いる。Windows NTでは、備え
付けのファイルシステムの他に、別のファイルシステム
をさらに組み込むことができる。そして、それら複数の
ファイルシステムを切り換えて使うための要求振り分け
機能が、Windows NTサービスの1つとして予
め準備されているので、図30のようなファイルシステ
ムを容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るリアルタイム・リモ
ート・ファイルシステムが適用されるクライアント・サ
ーバ・システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のファイル・サーバ102、ディレクトリ
・サーバ103および各クライアント101を実現する
コンピュータ装置の構成の一例を示すブロック図であ
る。
【図3】本発明の一実施形態に係るリアルタイム・リモ
ート・ファイルシステムの構成を示すブロック図である
(図1のクライアント・サーバ・システムに適用された
場合)。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るリアルタイム・
リモート・ファイルシステムが図1のクライアント・サ
ーバ・システムに適用されて、ネットワーク104を通
じて(または内部的に)行う処理(ファイル操作および
帯域設定)を示すフローチャートである。
【図5】図3の帯域設定部305によって設定される標
準帯域および帯域保証の種類の例を示す図である。
【図6】図3の帯域設定部305によって設定される標
準帯域および帯域保証の種類の例を示す図である。図6
には、(a)および(b)の2つの例が示されている。
【図7】図3の送信帯域幅制御部314が、図6のよう
に設置された標準帯域、および帯域保証の種類に基づい
て行う送信帯域幅制御を、直感的に説明するための図で
ある。
【図8】アプリケーション302が要求するブロック
と、ファイル・サーバ102の記録ディスク上に記録さ
れているブロックとの、サイズの違いを示した図であ
る。
【図9】ファイル・サーバ102の記録ディスク上に1
28KB(=131072バイト)のブロックが連続的
に記録されているとき、アプリケーション302が1ブ
ロック跳ばしに(つまり120000バイトおきに)断
続的に要求する様子を示す図である。
【図10】図3のファイル読出部306が、アプリケー
ション302からのブロック読み出し要求に応じて行う
ブロック読み出し処理を示すフローチャートである。
【図11】図10のステップS1005の追加先読み処
理を示すフローチャートである。
【図12】図10のステップS1006の読み出しジャ
ンプ処理を示すフローチャートである。
【図13】図3のファイル読出部306が、読み出した
ブロック(以下、受信ブロック)を先読みバッファに格
納する処理を示すフローチャートである。
【図14】図13のステップS1302の受信ブロック
格納処理を示すフローチャートである。
【図15】図3の先読量制御部310が行う先読み量制
御の原理を、直感的に説明するための図である。
【図16】図3のファイル読出部306が、アプリケー
ション302からのブロック読み出し要求に応じて行う
ブロック読み出し処理を示すフローチャートである。
【図17】図3のファイル読出部306が、受信ブロッ
クを先読みバッファに格納する処理を示すフローチャー
トである。
【図18】図16のステップS1601の先読み量減少
処理停止判定を示すフローチャートである。
【図19】図16のステップS1602の先読み量増加
処理停止判定を示すフローチャートである。
【図20】図16のステップS1603の先読み量増加
処理開始判定を示すフローチャートである。
【図21】図17のステップS1703の先読み量増加
処理開始判定を示すフローチャートである。
【図22】図3の先読量制御部310が行う先読み量増
加処理を示すフローチャートである。
【図23】図3の先読量制御部310が行う別の先読み
量増加処理を示すフローチャートである。
【図24】図3の先読量制御部310が行う先読み量減
少処理を示すフローチャートである。
【図25】図3の先読量制御部310が行う別の先読み
量減少処理を示すフローチャートである。
【図26】図3のファイル読出部306が、読み出した
ブロック(受信ブロック)を先読みバッファに格納する
処理(そこには、先読バッファ管理部308が行う先読
みバッファ量制御が含まれる)を示すフローチャートで
ある。
【図27】逆方向再生を行う場合の先読み処理を直感的
に説明するための図である。
【図28】逆方向再生に伴い、図3の先読制御部309
が行う先読み方向切り替え処理を示すフローチャートで
ある。
【図29】高速再生を行う場合の先読み処理を直感的に
説明するための図である。
【図30】本発明の別の実施形態に係るリアルタイム・
リモート・ファイルシステムの構成を示すブロック図で
ある。
【図31】従来のリモート・ファイルシステムが適用さ
れるクライアント・サーバ・システムの構成を示すブロ
ック図である。
【図32】従来のリモート・ファイルシステムの機能的
な構成を示すブロック図である(図31のクライアント
・サーバ・システムに適用された場合)。
【図33】図32のリモート・ファイルシステム320
1が、図31のクライアント・サーバ・システムに適用
されて、ネットワーク3103を通じて行う処理(ファ
イル操作)を示すフローチャートである。
【図34】図32のアプリケーション3202が、ファ
イル読み出しの際に、ファイル読み出し要求、および一
連のブロック読み出し要求を発するタイミングの一
例(”同期的”読み出しの場合)を示したタイムチャー
トである。
【符号の説明】
101…クライアント 102…ファイル・サーバ 103…ディレクトリ・サーバ 104…ネットワーク 201…CPU 202…RAM 203…プログラムメモリ 204…記録ディスク 205…ネットワーク・インターフェース・カード 301…リアルタイム・リモート・ファイルシステム 302…アプリケーション 303…OS 304…ファイル管理部 305…帯域設定部 306…ファイル読出部 307…ファイル書込部 308…先読バッファ管理部 309…先読制御部 310…先読量制御部 311,314…送信帯域幅制御部 312…API 313…拡張API 315…帯域設定部 3001…要求振分部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 由起子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 田中 勉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5B089 GA12 GA21 GB01 GB03 JA32 JA35 KA05 KD01 KE02 5K030 GA02 HA10 HB02 HB11 JL01 KA03 KA07 LA18 LC05 5K034 AA03 BB02 CC02 DD03 EE03 EE11 FF13 HH21 LL01 MM11

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アプリケーションが発行するファイル読
    み出し要求および/またはファイル書き込み要求を受
    け、ファイルを蓄積するデータ蓄積部に対してファイル
    読み出しおよび/またはファイル書き込みを行うファイ
    ルシステムであって、 前記アプリケーションは、帯域設定要求をさらに発行
    し、 前記アプリケーションからのファイル読み出し要求に応
    じ、前記データ蓄積部に対してファイル読み出しを実行
    するファイル読出部、 前記アプリケーションからのファイル書き込み要求に応
    じ、前記データ蓄積部に対してファイル書き込みを実行
    するファイル書込部、 ファイル書き込みの際、前記ファイル書込部から前記デ
    ータ蓄積部へのデータ送信に使われる送信帯域幅を制御
    する第1の送信帯域幅制御部、 ファイル読み出しの際、前記データ蓄積部から前記ファ
    イル読出部へのデータ送信に使われる送信帯域幅を制御
    する第2の送信帯域幅制御部、および前記アプリケーシ
    ョンからの帯域設定要求に応じ、前記第1の送信帯域幅
    制御部および/または前記第2の送信帯域幅制御部に対
    して帯域設定を行う帯域設定部を備える、ファイルシス
    テム。
  2. 【請求項2】 前記帯域設定部は、帯域設定を行う際、
    標準帯域と、帯域保証の種類とを設定し、 前記帯域保証の種類には、前記標準帯域を最大帯域とし
    て保証する最大帯域保証が含まれ、 前記第1の送信帯域幅制御部および/または前記第2の
    送信帯域幅制御部は、前記最大帯域保証が設定された場
    合、たとえ空き帯域があっても、保証された前記標準帯
    域だけを使ってデータを送信するような送信帯域幅制御
    を行うことを特徴とする、請求項1に記載のファイルシ
    ステム。
  3. 【請求項3】 前記帯域保証の種類には、前記標準帯域
    を最小帯域として保証する最小帯域保証がさらに含ま
    れ、 前記第1の送信帯域幅制御部および/または前記第2の
    送信帯域幅制御部は、前記最小帯域保証が設定された場
    合、もし空き帯域があれば、保証された前記標準帯域だ
    けでなく、その空き帯域も使ってデータを送信するよう
    な送信帯域幅制御を行うことを特徴とする、請求項2に
    記載のファイルシステム。
  4. 【請求項4】 前記帯域保証の種類には、帯域保証を行
    わない帯域無保証がさらに含まれ、 前記第1の送信帯域幅制御部および/または前記第2の
    送信帯域幅制御部は、前記帯域無保証が設定された場
    合、もし空き帯域があれば、その空き帯域を使ってデー
    タを送信するような送信帯域幅制御を行うことを特徴と
    する、請求項3に記載のファイルシステム。
  5. 【請求項5】 前記第1の送信帯域幅制御部および/ま
    たは前記第2の送信帯域幅制御部は、前記送信帯域幅制
    御を行う際、最小帯域保証と対応する各送信データに対
    し、標準帯域に応じて空き帯域を分配することを特徴と
    する、請求項3に記載のファイルシステム。
  6. 【請求項6】 前記第1の送信帯域幅制御部および/ま
    たは前記第2の送信帯域幅制御部は、前記送信帯域幅制
    御を行う際、各送信データに対し、均等に空き帯域を分
    配することを特徴とする、請求項4に記載のファイルシ
    ステム。
  7. 【請求項7】 前記第1の送信帯域幅制御部および/ま
    たは前記第2の送信帯域幅制御部は、前記送信帯域幅制
    御を行う際、帯域無保証と対応する送信データよりも最
    小帯域保証と対応する送信データに対して、より優先的
    に空き帯域を分配することを特徴とする、請求項4に記
    載のファイルシステム。
  8. 【請求項8】 前記第1の送信帯域幅制御部および/ま
    たは前記第2の送信帯域幅制御部は、前記送信帯域幅制
    御を行う際に、送信バッファの状態をも考慮することを
    特徴とする、請求項4に記載のファイルシステム。
  9. 【請求項9】 前記第1の送信帯域幅制御部および/ま
    たは前記第2の送信帯域幅制御部は、前記送信帯域幅制
    御を行う際に、送信先にある受信バッファの状態をも考
    慮して制御を行うことを特徴とする、請求項4に記載の
    ファイルシステム。
  10. 【請求項10】 前記帯域設定部は、さらに、前記ファ
    イル読出部に対しても帯域設定を行い、 前記ファイル読出部は、 ファイル読み出しを行う際、前記アプリケーションが要
    求していない所定量のデータを先読みするための先読制
    御部、および先読みしたデータが一時記憶される先読み
    バッファを管理するための先読みバッファ管理部を含
    み、 前記先読制御部は、前記帯域設定部によって設定される
    帯域に基づいて、先読みするデータの量を決定すること
    を特徴とする、請求項1に記載のファイルシステム。
  11. 【請求項11】 前記帯域設定部は、さらに、前記ファ
    イル読出部に対しても帯域設定を行い、 前記ファイル読出部は、 ファイル読み出しを行う際、前記アプリケーションが要
    求していない所定量のデータを先読みするための先読制
    御部、および先読みしたデータが一時記憶される先読み
    バッファを管理するための先読みバッファ管理部を含
    み、 前記先読制御部は、前記帯域設定部によって設定される
    標準帯域と、予め算定された最大遅延時間との積に基づ
    いて、先読みするデータの量を決定することを特徴とす
    る、請求項3に記載のファイルシステム。
  12. 【請求項12】 前記最大遅延時間は、その時間を上回
    るような読み出し遅延の生じる確率が十分小さくなるよ
    うに算定された時間であることを特徴とする、請求項1
    1に記載のファイルシステム。
  13. 【請求項13】 前記ファイル読出部は、先読みするデ
    ータの量を制御するための先読量制御部をさらに含み、 前記先読量制御部は、前記最小帯域保証が設定された場
    合、前記第1の送信帯域幅制御部の制御の結果として、
    前記アプリケーションからの読み出し要求と対応する送
    信帯域幅が前記標準帯域を超えたときに、先読みするデ
    ータの量を、前記先読制御部が決定した量以上となるよ
    うに制御することを特徴とする、請求項11に記載のフ
    ァイルシステム。
  14. 【請求項14】 前記先読みバッファ管理部は、前記バ
    ッファ管理部が管理する先読みバッファの使用状況に基
    づいて、先読み量制御を行うことを特徴とする、請求項
    13に記載のファイルシステム。
  15. 【請求項15】 前記先読みバッファ管理部は、先読み
    バッファに記憶されている先読みデータの量を監視し
    て、その監視結果を、先読みバッファ使用量として、前
    記先読量制御部へと通知し、 前記先読量制御部は、通知された先読みバッファ使用量
    に基づいて、先読み量制御を行うことを特徴とする、請
    求項13に記載のファイルシステム。
  16. 【請求項16】 前記先読量制御部は、通知された先読
    みバッファ使用量を、予め決められたしきい値と比較し
    て、その比較結果に関連して、先読みするデータの量を
    増減させることを特徴とする、請求項15に記載のファ
    イルシステム。
  17. 【請求項17】 前記バッファ管理部は、先読みバッフ
    ァを、前記標準帯域と対応する基礎領域と、当該標準帯
    域以外の空き帯域と対応する共有領域とに分けて管理す
    ることを特徴とする、請求項13に記載のファイルシス
    テム。
  18. 【請求項18】 前記共有領域の大きさは、前記基礎領
    域の大きさ以上であることを特徴とする、請求項17に
    記載のファイルシステム。
  19. 【請求項19】 前記共有領域の大きさは、前記基礎領
    域の大きさのN倍(ただし、Nは2以上の任意の整数)
    以上であることを特徴とする、請求項17に記載のファ
    イルシステム。
  20. 【請求項20】 前記先読制御部は、ファイルの先頭と
    は異なる位置から読み出しが開始される場合、先読み位
    置を、アプリケーションが指定した位置の前方にある、
    まだ先読みしていない位置に変更して、その位置から先
    読みを開始することを特徴とする、請求項10に記載の
    ファイルシステム。
  21. 【請求項21】 前記先読制御部は、ファイル内のデー
    タを断続的に読み出す高速再生が行われる場合、 先読み位置を、アプリケーションの要求と、ファイル内
    のデータ領域のサイズと、読み出しの方向とに基づいて
    決定し、 決定した位置から、断続的に先読みを行うことを特徴と
    する、請求項10に記載のファイルシステム。
  22. 【請求項22】 前記先読制御部は、再生の方向を順方
    向から逆方向へと切り換えて、逆方向再生が行われる場
    合、 今回読み出し要求されたデータと、前回読み出し要求さ
    れたデータとの、ファイル内における位置関係に基づい
    て、再生方向が順方向から逆方向へ変化したことを検知
    し、 再生方向が順方向から逆方向へ変化したことを検知する
    と、先読みを行う方向を、順方向から逆方向へと切り換
    えると共に、先読み位置を、その位置から見て当該逆方
    向にある、まだ先読みしていない位置に変更して、その
    位置から当該逆方向に先読みを開始することを特徴とす
    る、請求項10に記載のファイルシステム。
  23. 【請求項23】 前記先読制御部は、再生の方向を順方
    向から逆方向へと切り換えて、逆方向再生が行われる場
    合に備えて、当該逆方向のデータを、前記先読みするデ
    ータの量と同量だけ保持しておくことを特徴とする、請
    求項22に記載のファイルシステム。
  24. 【請求項24】 前記第1の送信帯域幅制御部および/
    または前記第2の送信帯域幅制御部は、前記アプリケー
    ションが要求するデータの最小単位と、前記データ蓄積
    部が扱うデータの最小単位とが互いに異なる場合には、
    それら2つの最小単位に基づいて、実際に必要な実帯域
    幅を計算し、前記標準域幅の代わりにその実帯域幅を用
    いて、送信帯域幅制御を行うことを特徴とする、請求項
    4に記載のファイルシステム。
  25. 【請求項25】 前記アプリケーションからのファイル
    読み出し要求および/またはファイル書き込み要求を、
    前記ファイル読出部に適した形式に変換する第1のAP
    I(アプリケーション・プログラム・インターフェー
    ス;以下同様)、および前記アプリケーションからの帯
    域設定要求を、前記帯域設定部に応じた形式に変換する
    第2のAPIをさらに備える、請求項1に記載のファイ
    ルシステム。
  26. 【請求項26】 前記データ蓄積部に蓄積されているフ
    ァイルを、当該フィルの属性を示す属性情報に基づいて
    管理するファイル管理部、および前記属性情報を管理す
    る属性情報管理部をさらに備える、請求項1に記載のフ
    ァイルシステム。
  27. 【請求項27】 前記属性情報には、前記帯域設定部が
    行う帯域設定に関連する初期設定情報が含まれているこ
    とを特徴とする、請求項26に記載のファイルシステ
    ム。
  28. 【請求項28】 前記データ蓄積部は、ネットワークと
    接続されたファイル・サーバで実現され、 前記ファイル読出部は、前記ファイル・サーバに対し、
    前記ネットワークを通じてファイル読み出しを行い、 前記ファイル書込部は、前記ファイル・サーバに対し、
    前記ネットワークを通じてファイル書き込みを行うこと
    を特徴とする、請求項13に記載のファイルシステム。
  29. 【請求項29】 前記帯域設定部は、さらに、前記ネッ
    トワークに対して帯域を設定することを特徴とする、請
    求項28に記載のファイルシステム。
  30. 【請求項30】 前記帯域設定部は、前記ネットワーク
    に対する帯域設定を、1つのファイルに対して当該ネッ
    トワーク内のコネクション1本を割り当てるようにして
    行うことを特徴とする、請求項28に記載のファイルシ
    ステム。
  31. 【請求項31】 前記帯域設定部は、前記ネットワーク
    に対する帯域設定を、複数のファイルに対して当該ネッ
    トワーク内のコネクション1本を割り当てるようにして
    行うことを特徴とする、請求項28に記載のファイルシ
    ステム。
  32. 【請求項32】 前記帯域設定部は、ファイル毎に帯域
    設定を行うことを特徴とする、請求項1に記載のファイ
    ルシステム。
  33. 【請求項33】 前記帯域設定部は、ファイルの属性毎
    に帯域設定を行うことを特徴とする、請求項26に記載
    のファイルシステム。
  34. 【請求項34】 前記ネットワークには、当該ネットワ
    ークを通じて前記ファイル・サーバとの間でデータの送
    受信を行うクライアントが接続され、 前記帯域設定部は、前記クライアント毎に帯域設定を行
    うことを特徴とする、請求項28に記載のファイルシス
    テム。
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