JP2000346188A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP2000346188A
JP2000346188A JP16137999A JP16137999A JP2000346188A JP 2000346188 A JP2000346188 A JP 2000346188A JP 16137999 A JP16137999 A JP 16137999A JP 16137999 A JP16137999 A JP 16137999A JP 2000346188 A JP2000346188 A JP 2000346188A
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JP16137999A
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Kenji Sawa
研司 沢
Keiichiro Sueshige
惠一郎 末繁
Mitsuru Nagaoka
満 長岡
Shinya Kamata
真也 鎌田
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変速時に摩擦要素に対する作動圧の学習補正
を実行する際の補正量データの記憶更新方式を改善して
該学習補正制御を合理的かつ効率的なものとすることを
課題とする。 【解決手段】 スロットル開度と該開度に対応する学習
補正量とを一組の学習データ(カ)〜(ケ)として個々
にメモリ部のメモリセルに格納し、各データ間を直線補
完して近似補正量を生成する。新しいデータ(サ)又は
(シ)が得られたとき、新データ(サ)の近傍に従来デ
ータ(キ)が位置するときは、該データ(キ)を削除し
て新データ(サ)をセルに格納する。従来データ(ク)
と補完による近似補正量との誤差(Er2)が小さいと
きは、該データ(ク)を削除して新データ(シ)をセル
に格納する。無駄のない必要最低個数のデータで補正量
の変化によく追随する近似補正が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車に搭載される
自動変速機の変速制御装置の技術分野に属する。特に、
変速時に摩擦要素に供給する作動圧の学習補正制御に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車に搭載される自動変速機
は、トルクコンバータと、変速歯車機構とを組み合わ
せ、該変速歯車機構の動力伝達経路をクラッチやブレー
キ等の複数の摩擦要素の選択的作動により切り換えて、
所定の変速段に自動的に変速するように構成したもので
あるが、この種の自動変速機においては、変速時に締結
又は解放される摩擦要素に対する作動圧をデューティソ
レノイドバルブ等の作動圧制御手段で緻密に制御して、
良好な変速フィーリングを実現することが図られる。
【0003】例えば、変速時に締結側摩擦要素に作動圧
が供給された初期の段階では、タービン回転数(変速歯
車機構の入力回転数)に変化は生じていないがトルクに
変化が生じているトルクフェーズが実現し、そののち、
タービン回転数が変化するイナーシャフェーズに移行す
る。このとき、摩擦要素に供給する作動圧が高すぎる
と、トルクフェーズ期間が短くなりすぎたり、イナーシ
ャフェーズ期間中のタービン回転数変化が急となりすぎ
たりして、変速時間全体が短くなる。逆に、摩擦要素に
供給する作動圧が低すぎると、トルクフェーズ期間が長
くなりすぎたり、イナーシャフェーズ期間中のタービン
回転数変化が緩やかとなりすぎたりして、変速時間全体
が長くなる。これらの結果は、変速ショック、摩擦要素
の酷使及び耐久性の低下、ユーザの違和感等の不具合と
なって現われる。
【0004】一般に、この種の自動変速機の制御システ
ムのメモリには、そのような不具合が現われないよう
に、変速時に摩擦要素に供給すべき作動圧の値に関する
データや、あるいは作動圧の値の算出に関するプログラ
ムが予め格納されている。その場合に、このようなデー
タやプログラムは、例えば1-2アップシフト変速や3
−2ダウンシフト変速といった変速の種類毎に設けられ
る。また、作動圧の高低が摩擦要素の締結力に直接的に
影響を及ぼし、トルクが大きいときはそれだけ摩擦要素
の締結力を大きくすることが要求されることから、この
ようなデータやプログラムは、例えば変速時のスロット
ル開度ないしタービントルク(変速歯車機構の入力トル
ク)といった値をパラメータとして用いるように設けら
れる。そして、制御システムのコントロールユニット
は、変速時のスロットル開度等に基づいて、上記データ
を読み出したりプログラムを実行したりして作動圧を求
め、その作動圧が得られるようにデューティソレノイド
バルブに対するデュティー率を決定する。
【0005】しかしながら、自動車の個体差や摩擦要素
の経年変化等により、予め格納された上記のオリジナル
データやプログラム等が常に全ての自動車にとって満足
な結果を導き出すとは限らない。そこで、上述のトルク
フェーズ期間の長さやイナーシャフェーズ期間中のター
ビン回転数の変化等、実際に生じた変速の経過と、目標
とする変速の経過とを比較して、その比較の結果に応じ
て、摩擦要素に供給する作動圧を補正し、そして、次回
の変速時には、その補正した値の作動圧を摩擦要素に供
給して、目標とのズレを是正していく学習補正制御を行
なうことが知られている(例えば特開平9−26905
6号公報参照)。
【0006】前述したように、変速時に摩擦要素に供給
すべき作動圧の値は、該変速時のスロットル開度等をパ
ラメータとして設定される。したがって、一般に、学習
補正量もまた同様に変速時のスロットル開度等をパラメ
ータとして設定される。この補正量は、作動圧を増加さ
せるプラスの値、又は減少させるマイナスの値として設
定され、コントロールユニットは、オリジナルデータ等
から求められる作動圧にこの学習補正量を加算して、最
終的に摩擦要素に対して作用させる作動圧を決定する。
【0007】学習補正量が変速時のスロットル開度等を
パラメータとして設定される以上、変速がいつまでも発
生しないスロットル開度には、対応する学習補正量は設
定されないことになる。そして、過去に少なくとも一度
は発生した変速のときと同一のスロットル開度で今回変
速が実行される場合に初めて前回の変速の経過に基づい
て設定された学習補正量が考慮されて学習制御の利益が
受けられることになる。しかし、現実には、正確に同一
スロットル開度で変速が起こることは希で、学習補正量
及び対応するスロットル開度等の学習データは離散的に
しか得られない。その結果、変速の多くはいままで未経
験のスロットル開度での新しい変速であって、学習補正
量がゼロ、すなわちオリジナルデータあるいはオリジナ
ルプログラムがそのまま実行されて、目標との大きなズ
レが生じる可能性の大きい変速となる。
【0008】このような効率性の低さを解消するために
は、離散的にしか得られない補正量と補正量との間を補
完して、その間に近似補正量を生成することである。そ
して、その補完がパラメータとしてのスロットル開度の
全領域に広がれば、それは、全体としてパラメータの関
数として連続する補正量情報となる。正式に設定された
補正量と補正量との間を補完する方法としては、特開平
5-203032号公報に開示されるように、主として
二つの方法を採用することができる。
【0009】一つは、設定された学習補正量を、その変
速時に検出されたスロットル開度の実測値一点にのみ対
応させるのではなく、その実測値を含む所定幅のスロッ
トル開度領域全体に対応させることである(上記公報図
7参照)。例えば、0%から100%までのスロットル
開度の全領域を10%ごとに分割し、開度33%で得ら
れた補正量(a)は開度30%から40%までの幅に区
切られた開度領域全体の補正量として近似処理するので
ある。その結果、開度37%での変速が初めて起こる場
合であっても、ゼロでない有意な上記補正量(a)が考
慮されて、目標との大きなズレの生じる可能性が低減さ
れる。
【0010】他の一つは、設定された一の学習補正量と
隣接する他の一の学習補正量とを例えば直線で結んで両
補正量間を補完することにより、その間に近似補正量を
生成することである(同公報図8参照)。この場合も、
スロットル開度領域を幾つかに区切り、例えば、開度2
5%から35%までの間のいずれの開度で得られた補正
量(a)もみな該領域の中間の開度30%での補正量と
する。そして、例えば、開度30%での補正量(a)と
開度40%での補正量(b)とを結ぶ直線上の全ての点
を開度30%と開度40%との間の任意の開度に対応す
る補正量として処理するのである。その結果、開度35
%での変速が初めて起こる場合であっても、該開度35
%に対応する補正量は、((a+b)/2)で与えら
れ、やはりゼロでない有意な補正量((a+b)/2)
が考慮されて、目標との大きなズレの生じる可能性が低
減される。
【0011】これらの対策は、いずれも、離散的にしか
得られない学習データから、スロットル開度の関数とし
て連続する全体的な補正量情報を生成し、そして、その
補正量情報と変速時のスロットル開度とから、いままで
実行されたことのないスロットル開度での変速であって
も、その開度での補正量を近似的に決定して、学習制御
の効率性を高めようとするものである。
【0012】ここで、いずれの場合も、学習データの蓄
積数を多くすれば、生成される補正量情報の近似精度が
向上することは明らかである。そのためには、スロット
ル開度領域を10%幅よりも5%幅、3%幅とより細か
く区切ることが必要となる。しかし、細かく区切れば区
切るほど、全ての開度領域にそれぞれ対応する補正量を
設定し終わるまでに長時間を要することとなる。つま
り、全体的な補正量情報を生成、構築し終わるまでに長
時間を要することとなる。また、特に、後者の対策の場
合は、隣接する学習補正量同士を線で結んでその間に近
似補正量を生成しようとするものであるから、両補正量
が共に有意な値をもっていることが必要となる。しか
し、スロットル開度領域を細かく区切ると、補正量情報
の構築途上において、一方の補正量が未設定でその値が
ゼロという状況が増加する。その結果、補完線の傾きが
急となり、補完により生成される近似補正量の信憑性が
著しく低下するという問題が多発することになる。
【0013】上記の特開平5-203032号公報に
は、分割された全開度領域への補正量の充填の効率化を
図るために、ある開度領域で変速が発生し、その開度領
域に対して補正量が付与されたときには、その開度領域
に隣接する開度領域に対してもある割合で補正量を付与
することが開示されている。すなわち、これは、相互に
近隣するスロットル開度領域には、それぞれ類似の傾向
の学習補正量が設定されるであろうことを基本的概念と
するものである。この技術によれば、全体的な補正量情
報の構築が早期に終了すると共に、一方の開度領域にす
でに補正量が設定されているときには、隣接する開度領
域にもまたゼロでない有意な補正量が必ず与えられてい
ることになるから、補正量情報を構築している途上にお
いても、一方の補正量がゼロという状況が少なくなり、
近似補正量の信憑性の低下が抑制されることになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上で述
べたような従来技術にはそれぞれ共通する問題が存在す
る。すなわち、上記公報にも記載されているように、こ
れらの従来技術においては、いずれも、学習補正量と対
応するスロットル開度ないしスロットル開度領域が、最
初から完全に固定されているのである。より具体的に
は、コントロールユニットのメモリを構成するメモリセ
ルのそれぞれが、予め定められたスロットル開度領域の
補正量を格納するように選択されるのである。例えば、
上記設例のように、0%から100%までのスロットル
開度の全領域を10%ごとに分割した場合には、計10
個のメモリセルが使用されることになるが、そのうちの
1番目のセルには0%から10%までの開度領域に対応
する補正量を格納し、2番目のセルには10%から20
%までの開度領域に対応する補正量を格納し、…という
ように、各メモリセルが担当するスロットル開度領域、
つまりパラメータの値が最初から固定的に定められてい
るのである。
【0015】すると、パラメータの変化に対する補正量
の変化が急で、近似補正量ないし補正量情報の近似精度
を担保するためには、補正量を密なパラメータ間隔で設
定する必要があるところにおいて、補正量が設定される
パラメータ間隔が相対的に疎になる。逆に、パラメータ
の変化に対する補正量の変化が緩で、補正量を疎なパラ
メータ間隔で設定しても、近似補正量ないし補正量情報
の近似精度が担保されるところにおいて、補正量が設定
されるパラメータ間隔が相対的に密になる。このこと
は、学習補正量及び対応するパラメータ値等の学習デー
タの記憶方式に融通性が欠如していることを意味し、該
補正量が変化する状態にうまく追随できないのである。
【0016】本発明は、従来の学習制御における上記の
ような不具合に対処するもので、学習データの記憶方式
を改善し、できるだけ少ない数の学習データを用いて補
正量の変化に良好に追随し、学習制御の精度の向上及び
効率化を図ることを課題とする。以下、その他の課題を
含め、本発明を詳しく説明する。
【0017】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記課題を解
決するため、本発明の自動変速機の変速制御装置にあっ
ては、まず、トルクコンバータと、変速歯車機構と、作
動圧の給排を受けて選択的に作動し、複数の変速段を実
現する摩擦要素とが設けられていると共に、変速を達成
させるべく上記摩擦要素に対する作動圧を制御する作動
圧制御手段と、実際の変速の経過と目標とする変速の経
過との比較に基づいて、変速に関与した摩擦要素に対す
る作動圧の補正量を設定する補正量設定手段と、該設定
手段で設定された補正量を考慮して次回の変速時に上記
作動圧制御手段を制御する学習制御手段とが備えられて
いる。そして、変速時の所定のパラメータの値を検出す
るパラメータ値検出手段と、補正量設定手段で設定され
た補正量とその変速時に上記検出手段で検出されたパラ
メータ値とをそれぞれ対応させて記憶する記憶手段と、
該記憶手段で記憶された補正量と補正量との間を補完し
て近似補正量を生成し、全体としてパラメータ値の関数
として連続する補正量情報を生成する補正量情報生成手
段とがさらに備えられ、上記学習制御手段が、該生成手
段で生成された補正量情報と上記検出手段で検出された
パラメータ値とから決定される補正量を考慮して作動圧
制御手段を制御するように構成されている。そのうえ
で、上記生成手段が補正量情報を生成するために記憶手
段が記憶する必要のない補正量及び対応パラメータ値を
所定の基準で検出する不要データ検出手段がさらに備え
られ、上記記憶手段が、該検出手段で検出された不要な
補正量及び対応パラメータ値を記憶しないように構成さ
れている。
【0018】これによれば、まず、変速時の摩擦要素に
対する作動圧の学習補正制御が可能とされた自動変速機
の変速制御装置において、記憶手段で記憶された学習補
正量及び該補正量に対応するパラメータ値から、補正量
間の補完によりパラメータ値の関数として連続する全体
的な補正量情報が生成され、そして、該補正量情報に基
づいて学習補正が行なわれるから、いままで未実行であ
ったパラメータ値での変速が今回初めて発生した場合で
も、そのパラメータ値に対応する有意な補正量が近似的
に決定され、その結果、目標とのズレが最初から低減さ
れた効率のよい学習制御が行なえる。もちろん、その変
速が終了したときには、その初めてのパラメータ値にお
ける補正量が正式に設定される。
【0019】そして、その場合に、記憶手段は、設定さ
れた補正量だけを記憶するのではなく、その変速時にお
けるパラメータ値もまた併せて記憶する。さらに、記憶
手段は、これらの補正量とパラメータ値とを対応させて
記憶する。つまり、学習制御で必要なこれらのデータ
を、相互に関連付けて、一組のセットとして記憶するの
である。したがって、補正量を格納する個々のメモリセ
ルに、予め担当するパラメータ値ないしパラメータ範囲
を固定的に割り振っておく必要がなくなる。各メモリセ
ルはどのようなパラメータ値の補正量でも格納すること
が可能であり、また、各メモリセルは密にも疎にもどの
ようなパラメータ値の間隔でも補正量を格納することが
可能である。つまり、融通性のある学習データの記憶が
実現する。
【0020】そして、記憶手段で記憶されたこれらの補
正量及び対応パラメータ値から、補正量間の補完により
パラメータ値の関数として連続する全体的な補正量情報
が生成されることになるのであるが、その際に、記憶手
段で正式に記憶するべきデータかどうか、つまり補正量
情報の生成に参加させるべきデータかどうかの選別が行
なわれる。その結果、補正量情報の生成にとって必要で
ないと判定されたデータは記憶手段に記憶されない。
【0021】これにより、例えば、パラメータ変化に対
する補正量変化が急なところでは、複数の補正量が密な
パラメータ間隔で設定されても不要データは検出され
ず、各補正量が密なパラメータ間隔で記憶される。その
結果、これらの記憶された補正量間の補完により生成さ
れる近似補正量ないし補正量情報が急な補正量変化によ
く追随し、それらの近似精度が良好に保たれる。
【0022】逆に、パラメータ変化に対する補正量変化
が緩なところでは、複数の補正量が密なパラメータ間隔
で設定されると不要データが検出され、該不要データが
記憶手段から削除されて、補正量が疎なパラメータ間隔
で記憶される。その結果、これらの記憶された補正量間
の補完により生成される近似補正量ないし補正量情報も
また緩な補正量変化によく追随し、それらの近似精度が
良好に保たれると共に、その場合に、必要以上に多くの
データが記憶手段に記憶されることがなく、必要最低限
の個数のデータのみが記憶手段に記憶されて、無駄のな
い、合理的な、効率のよい学習制御が実現する。
【0023】記憶手段に記憶させ、補正量情報の生成に
参加させるかどうかの不要データの検出は、例えば、す
でに記憶手段で記憶されているパラメータ値のうちに、
今回設定された補正量の対応パラメータ値に対して、所
定の範囲内で近いものがあるかどうかを判定することに
よって行なうことが可能である。この場合、そのような
パラメータ値があれば、該パラメータ値及び対応補正量
を不要データとする。近いパラメータ範囲では、今回新
たに設定された最新のデータの方が、過去のデータより
も、現在の自動車の状態をよりよく反映し、採用する価
値が大きいからである。
【0024】また、この場合、不要とされたデータは、
いままで記憶していたデータであるから、記憶手段は、
その不要データに代えて、今回新たに得られた最新デー
タを記憶する。つまりデータの置換えを行なう。これに
より、記憶手段が記憶する学習データの個数は変化しな
い。
【0025】不要データの検出は、他にも、例えば、す
でに記憶手段で記憶されている補正量、及び今回設定さ
れた補正量のうちに、補完で生成される近似補正量に対
して、所定の範囲内で近いものがあるかどうかを判定す
ることによって行なうことが可能である。この場合、そ
のような補正量があれば、該補正量及び対応パラメータ
値を不要データとする。補完による近似補正量が充分代
用可能なときは、わざわざそこに正式設定されたデータ
を記憶する必要がないからである。
【0026】また、この場合、すでに記憶手段に記憶さ
れていたデータ及び今回設定されたデータの両方のデー
タが不要判定の対象となる。そして、不要とされたデー
タが、いままで記憶していたデータであるときは、記憶
手段は、その不要データに代えて、今回新たに得られた
最新データを記憶し、一方、不要とされたデータが、今
回新たに得られたデータであるときは、記憶手段は、そ
の最新データを記憶しない。つまり、記憶されるデータ
の内容は変更されず、維持される。いずれにおいても、
記憶手段が記憶する学習データの個数はやはり変化しな
い。
【0027】なお、上記の各判定において、該当するデ
ータがないときは、今回設定されたデータも含め、全デ
ータが記憶される。これによりデータ数は増加するが、
それは、全てのデータが、近似誤差の少ない適正な補正
量情報の生成、構築に必要なデータだからである。
【0028】あるいは、上記の各判定において、例え
ば、条件に最も近いデータを不要とし、必ず、該当する
データ、つまり不要データが検出されるようにしてもよ
い。記憶手段が記憶するデータ個数が常に一定に維持さ
れることになる。その場合に、上記の各判定を併用し
て、そのうえで、記憶手段が記憶するデータ個数を常に
一定に維持するようにしてもよい。
【0029】いずれにおいても、記憶手段で記憶されて
いるパラメータ値のうちの最小のパラメータ値、及び該
パラメータ値と対応する補正量、並びに、最大のパラメ
ータ値、及び該パラメータ値と対応する補正量は、これ
を不要データとして検出しないことが好ましい。パラメ
ータ軸上で最も端にあるデータを削除すると、補正量情
報の始端部、終端部が決まらなくなるからである。
【0030】また、学習補正量と対応するパラメータと
しては、スロットル開度が好ましい。作動圧の高低が摩
擦要素の締結力に影響する一方、スロットル開度が変速
機構への入力トルクに影響し、これらの締結力とトルク
とが相関する関係にあるからである。
【0031】以下、発明の実施の形態を通して、本発明
をさらに詳しく説明する。
【0032】
【発明の実施の形態】まず、図1の骨子図に示すよう
に、本実施の形態に係る自動変速機10は、主たる構成
要素として、トルクコンバータ20と、該コンバータ2
0の出力により駆動される変速歯車機構として隣接配置
された第1、第2遊星歯車機構30,40と、これらの
遊星歯車機構30,40でなる動力伝達経路を切り換え
るクラッチやブレーキ等の複数の摩擦要素51〜55及
びワンウェイクラッチ56とを有し、これらにより、D
レンジにおける1〜4速、Sレンジにおける1〜3速、
及びLレンジにおける1〜2速と、Rレンジにおける後
退速とが得られるようになっている。
【0033】上記トルクコンバータ20は、エンジン出
力軸1に連結されたケース21内に固設されたポンプ2
2と、該ポンプ22に対向状に配置されて該ポンプ22
により作動油を介して駆動されるタービン23と、該ポ
ンプ22とタービン23との間に介設され、かつ、変速
機ケース11にワンウェイクラッチ24を介して支持さ
れてトルク増大作用を行うステータ25と、上記ケース
21とタービン23との間に設けられ、該ケース21を
介してエンジン出力軸1とタービン23とを直結するロ
ックアップクラッチ26とで構成されている。そして、
上記タービン23の回転がタービンシャフト27を介し
て遊星歯車機構30,40側に出力されるようになって
いる。
【0034】ここで、このトルクコンバータ20の反エ
ンジン側には、該トルクコンバータ20のケース21を
介してエンジン出力軸1により駆動されるオイルポンプ
12が配置されている。
【0035】一方、上記第1、第2遊星歯車機構30,
40は、いずれも、サンギヤ31,41と、このサンギ
ヤ31,41に噛み合った複数のピニオン32…32,
42…42と、これらのピニオン32…32,42…4
2を支持するピニオンキャリヤ33,43と、ピニオン
32…32,42…42に噛み合ったリングギヤ34,
44とで構成されている。
【0036】そして、上記タービンシャフト27と第1
遊星歯車機構30のサンギヤ31との間にフォワードク
ラッチ51が、同じくタービンシャフト27と第2遊星
歯車機構40のサンギヤ41との間にリバースクラッチ
52が、また、タービンシャフト27と第2遊星歯車機
構40のピニオンキャリヤ43との間に3−4クラッチ
53がそれぞれ介設されていると共に、第2遊星歯車機
構40のサンギヤ41を固定する2−4ブレーキ54が
備えられている。
【0037】さらに、第1遊星歯車機構30のリングギ
ヤ34と第2遊星歯車機構40のピニオンキャリヤ43
とが連結されて、これらと変速機ケース11との間にロ
ーリバースブレーキ55とワンウエイクラッチ56とが
並列に配置されていると共に、第1遊星歯車機構30の
ピニオンキャリヤ33と第2遊星歯車機構40のリング
ギヤ44とが連結されて、これらに出力ギヤ13が接続
されている。
【0038】そして、この出力ギヤ13が、中間伝動機
構60を構成するアイドルシャフト61上の第1中間ギ
ヤ62に噛み合わされていると共に、該アイドルシャフ
ト61上の第2中間ギヤ63と差動装置70の入力ギヤ
71とが噛み合わされて、上記出力ギヤ13の回転が差
動装置70のデフケース72に入力され、該差動装置7
0を介して左右の車軸73,74が駆動されるようにな
っている。
【0039】ここで、上記各クラッチやブレーキ等の摩
擦要素51〜55及びワンウェイクラッチ56の作動状
態と変速段との関係をまとめると、次の表1に示すよう
になる。なお、表中の「○」は締結を示し、ローリバー
スブレーキ55は、Lレンジの1速においてのみ締結さ
れる。
【0040】
【表1】
【0041】次に、各摩擦要素51〜55に設けられた
油圧室に対して作動圧を給排する油圧制御回路の構成を
図2を参照して説明する。
【0042】なお、上記各摩擦要素のうち、バンドブレ
ーキでなる2−4ブレーキ54は、作動圧が供給される
油圧室として締結室54aと解放室54bとを有し、締
結室54aのみに作動圧が供給されているときに締結さ
れ、解放室54bのみに作動圧が供給されているとき、
両室54a,54bとも作動圧が供給されていないと
き、及び両室54a,54bとも作動圧が供給されてい
るときに解放されるようになっている。また、その他の
摩擦要素51〜53,55は単一の油圧室を有し、該油
圧室に作動圧が供給されているときに締結される。
【0043】図2に示すように、この油圧制御回路10
0には、主たる構成要素として、オイルポンプ12の吐
出圧を調整して所定のライン圧を生成するレギュレータ
バルブ101と、手動操作によってレンジの切り換えを
行うためのマニュアルバルブ102と、変速時に作動し
て各摩擦要素51〜55に通じる油路を切り換えるロー
リバースバルブ103、バイパスバルブ104、3−4
シフトバルブ105及びロックアップコントロールバル
ブ106と、これらのバルブ103〜106を作動させ
るための第1、第2ON−OFFソレノイドバルブ(以
下「第1、第2SV」という)111,112と、第1
SV111からの作動圧の供給先を切り換えるソレノイ
ドリレーバルブ(以下「リレーバルブ」という)107
と、各摩擦要素51〜55の油圧室に供給される作動圧
の生成、調整、排出等の制御を行う第1〜第3デューテ
ィソレノイドバルブ(以下「第1〜第3DSV」とい
う)121,122,123等が備えられている。
【0044】ここで、上記第1、第2SV111,11
2及び第1〜第3DSV121〜123はいずれも3方
弁であって、上、下流側の油路を連通させた状態と、下
流側の油路をドレンさせた状態とが得られるようになっ
ている。そして、後者の場合、上流側の油路が遮断され
るので、ドレン状態で上流側からの作動油を徒に排出す
ることがなく、オイルポンプ12の駆動ロスが低減され
る。
【0045】なお、第1、第2SV111,112はO
Nのときに上、下流側の油路を連通させる。また、第1
〜第3DSV121〜123はOFFのとき、すなわち
デューティ率(1ON−OFF周期におけるON時間の
比率)が0%のときに全開となって、上、下流側の油路
を完全に連通させ、ONのとき、即ちデューティ率が1
00%のときに、上流側の油路を遮断して下流側の油路
をドレン状態とすると共に、その中間のデューティ率で
は、上流側の油圧を元圧として、下流側にそのデューテ
ィ率に応じた値に調整した油圧を生成するようになって
いる。
【0046】上記レギュレータバルブ101によって生
成されるライン圧は、メインライン200を介して上記
マニュアルバルブ102に供給されると共に、ソレノイ
ドレデューシングバルブ(以下「レデューシングバル
ブ」という)108と3−4シフトバルブ105とに供
給される。
【0047】このレデューシングバルブ108に供給さ
れたライン圧は、該バルブ108によって減圧されて一
定圧とされた上で、ライン201,202を介して第
1、第2SV111,112に供給される。
【0048】そして、この一定圧は、第1SV111が
ONのときには、ライン203を介して上記リレーバル
ブ107に供給されると共に、該リレーバルブ107の
スプールが図面上(以下同様)右側に位置するときは、
さらにライン204を介してバイパスバルブ104の一
端の制御ポートにパイロット圧として供給されて、該バ
イパスバルブ104のスプールを左側に付勢する。ま
た、リレーバルブ107のスプールが左側に位置すると
きは、ライン205を介して3−4シフトバルブ105
の一端の制御ポートにパイロット圧として供給されて、
該3−4シフトバルブ105のスプールを右側に付勢す
る。
【0049】また、第2SV112がONのときには、
上記レデューシングバルブ108からの一定圧は、ライ
ン206を介してバイパスバルブ104に供給されると
共に、該バイパスバルブ104のスプールが右側に位置
するときは、さらにライン207を介してロックアップ
コントロールバルブ106の一端の制御ポートにパイロ
ット圧として供給されて、該コントロールバルブ106
のスプールを左側に付勢する。また、バイパスバルブ1
04のスプールが左側に位置するときは、ライン208
を介してローリバースバルブ103の一端の制御ポート
にパイロット圧として供給されて、該ローリバースバル
ブ103のスプールを左側に付勢する。
【0050】さらに、レデューシングバルブ108から
の一定圧は、ライン209を介して上記レギュレータバ
ルブ101の制御ポート101aにも供給される。その
場合に、この一定圧は、上記ライン209に備えられた
リニアソレノイドバルブ131により例えばエンジンの
スロットル開度等に応じて調整され、したがって、レギ
ュレータバルブ101により、ライン圧がスロットル開
度等に応じて調整されることになる。
【0051】なお、上記3−4シフトバルブ105に導
かれたメインライン200は、該バルブ105のスプー
ルが右側に位置するときに、ライン210を介して第1
アキュムレータ141に通じ、該アキュムレータ141
にライン圧を導入する。
【0052】一方、上記メインライン200からマニュ
アルバルブ102に供給されたライン圧は、D,S,L
の各前進レンジでは第1出力ライン211及び第2出力
ライン212に、Rレンジでは第1出力ライン211及
び第3出力ライン213に、また、Nレンジでは第3出
力ライン213にそれぞれ導入される。
【0053】そして、上記第1出力ライン211は第1
DSV121に導かれて、該第1DSV121に制御元
圧としてライン圧を供給する。この第1DSV121の
下流側は、ライン214を介してローリバースバルブ1
03に導かれ、該バルブ103のスプールが右側に位置
するときには、さらにライン(サーボアプライライン)
215を介して2−4ブレーキ54の締結室54aに導
かれる。また、上記ローリバースバルブ103のスプー
ルが左側に位置するときには、さらにライン(ローリバ
ースブレーキライン)216を介してローリバースブレ
ーキ55の油圧室に導かれる。ここで、上記ライン21
4からはライン217が分岐されて、第2アキュムレー
タ142に導かれている。
【0054】また、上記第2出力ライン212は、第2
DSV122及び第3DSV123に導かれて、これら
のDSV122,123に制御元圧としてライン圧をそ
れぞれ供給すると共に、3−4シフトバルブ105にも
導かれている。
【0055】この3−4シフトバルブ105に導かれた
ライン212は、該バルブ105のスプールが左側に位
置するときに、ライン218を介してロックアップコン
トロールバルブ106に導かれ、該バルブ106のスプ
ールが左側に位置するときに、さらにライン(フォワー
ドクラッチライン)219を介してフォワードクラッチ
51の油圧室に導かれる。
【0056】ここで、上記フォワードクラッチライン2
19から分岐されたライン220は3−4シフトバルブ
105に導かれ、該バルブ105のスプールが左側に位
置するときに、前述のライン210を介して第1アキュ
ムレータ141に通じると共に、該バルブ105のスプ
ールが右側に位置するときには、ライン(サーボリリー
スライン)221を介して2−4ブレーキ54の解放室
54bに通じる。
【0057】また、第2出力ライン212から制御元圧
が供給される第2DSV122の下流側は、ライン22
2を介して上記リレーバルブ107の一端の制御ポート
に導かれて該ポートにパイロット圧を供給することによ
り、該リレーバルブ107のスプールを左側に付勢す
る。また、上記ライン222から分岐されたライン22
3はローリバースバルブ103に導かれ、該バルブ10
3のスプールが右側に位置するときに、さらにライン2
24に通じる。
【0058】このライン224からは、オリフィス15
1を介してライン225が分岐されていると共に、この
分岐されたライン225は3−4シフトバルブ105に
導かれ、該3−4シフトバルブ105のスプールが左側
に位置するときに、前述のサーボリリースライン221
を介して2−4ブレーキ54の解放室54bに導かれ
る。
【0059】また、上記ライン224からオリフィス1
51を介して分岐されたライン225からは、さらにラ
イン226が分岐されていると共に、このライン226
はバイパスバルブ104に導かれ、該バルブ104のス
プールが右側に位置するときに、ライン(3−4クラッ
チライン)227を介して3−4クラッチ53の油圧室
に導かれる。
【0060】さらに、上記ライン224は直接バイパス
バルブ104に導かれ、該バルブ104のスプールが左
側に位置するときに、上記ライン226を介してライン
225に通じる。つまり、ライン224とライン225
とが上記オリフィス151をバイパスして通じることに
なる。
【0061】また、第2出力ライン212から制御元圧
が供給される第3DSV123の下流側は、ライン22
8を介してロックアップコントロールバルブ106に導
かれ、該バルブ106のスプールが右側に位置するとき
に、上記フォワードクラッチライン219に連通する。
また、該ロックアップコントロールバルブ106のスプ
ールが左側に位置するときには、ライン229を介して
ロックアップクラッチ26のフロント室26aに通じ
る。
【0062】さらに、マニュアルバルブ102からの第
3出力ライン213は、ローリバースバルブ103に導
かれて、該バルブ103にライン圧を供給する。そし
て、該バルブ103のスプールが左側に位置するとき
に、ライン(リバースクラッチライン)230を介して
リバースクラッチ52の油圧室に導かれる。
【0063】また、第3出力ライン213から分岐され
たライン231はバイパスバルブ104に導かれ、該バ
ルブ104のスプールが右側に位置するときに、前述の
ライン208を介してローリバースバルブ103の制御
ポートにパイロット圧としてライン圧を供給し、該ロー
リバースバルブ103のスプールを左側に付勢する。
【0064】以上の構成に加えて、この油圧制御回路1
00には、コンバータリリーフバルブ109が備えられ
ている。このバルブ109は、レギュレータバルブ10
1からライン232を介して供給される作動圧を一定圧
に調圧した上で、この一定圧をライン233を介してロ
ックアップコントロールバルブ106に供給する。そし
て、この一定圧は、ロックアップコントロールバルブ1
06のスプールが右側に位置するときには、前述のライ
ン229を介してロックアップクラッチ26のフロント
室26aに供給され、また、該バルブ106のスプール
が左側に位置するときには、該一定圧はライン234を
介してリヤ室26bに供給されるようになっている。
【0065】このロックアップクラッチ26は、フロン
ト室26aに上記一定圧が供給されたときに解放される
と共に、上記ロックアップコントロールバルブ106の
スプールが左側に位置して、第3DSV123で生成さ
れた作動圧がフロント室26aに供給されたときには、
その作動圧に応じたスリップ状態に制御されるようにな
っている。
【0066】また、上記マニュアルバルブ102から
は、D,S,L,Nの各レンジでメインライン200に
通じるライン235が導かれて、レギュレータバルブ1
01の減圧ポート101bに接続されており、上記の各
レンジで該減圧ポート101bにライン圧が導入される
ことにより、これらのレンジで、他のレンジ、即ちRレ
ンジよりもライン圧の調圧値が低くなるようになってい
る。
【0067】一方、当該自動変速機10には、図3に示
すように、油圧制御回路100における上記第1、第2
SV111,112、第1〜第3DSV121〜123
及びリニアソレノイドバルブ131を制御するコントロ
ールユニット300が備えられていると共に、このコン
トロールユニット300には、当該車両の車速を検出す
る車速センサ301、エンジンのスロットル開度を検出
するスロットル開度センサ302、エンジン回転数を検
出するエンジン回転数センサ303、運転者によって選
択されたシフト位置(レンジ)を検出するシフト位置セ
ンサ304、トルクコンバータ20におけるタービン2
3の回転数を検出するタービン回転数センサ305、作
動油の油温を検出する油温センサ306等からの信号が
入力され、これらのセンサ301〜306からの信号が
示す当該車両ないしエンジンの運転状態等に応じて上記
各ソレノイドバルブ111,112,121〜123,
131の作動を制御するようになっている。
【0068】次に、この第1、第2SV111,112
及び第1〜第3DSV121〜123の作動状態と各摩
擦要素51〜55の油圧室に対する作動圧の給排状態の
関係を変速段毎に説明する。
【0069】ここで、第1、第2SV111,112及
び第1〜第3DSV121〜123の各変速段ごとの作
動状態の組合せ(ソレノイドパターン)は、次の表2に
示すように設定されている。
【0070】この表2中、「○」は、第1、第2SV1
11,112についてはON、第1〜第3DSV121
〜123についてはOFFであって、いずれも、上流側
の油路を下流側の油路に連通させて元圧をそのまま下流
側に供給する状態を示す。また、「×」は、第1、第2
SV111,112についてはOFF、第1〜第3DS
V121〜123についてはONであって、いずれも、
上流側の油路を遮断して、下流側の油路をドレインさせ
た状態を示す。
【0071】
【表2】
【0072】まず、1速(Lレンジの1速を除く)にお
いては、表2及び図4に示すように、第3DSV123
のみが作動して、第2出力ライン212からのライン圧
を元圧として作動圧を生成しており、この作動圧がライ
ン228を介してロックアップコントロールバルブ10
6に供給される。そして、この時点では該ロックアップ
コントロールバルブ106のスプールが右側に位置する
ことにより、上記作動圧は、さらにフォワードクラッチ
ライン219を介してフォワードクラッチ51の油圧室
にフォワードクラッチ圧として供給され、これにより該
フォワードクラッチ51が締結される。
【0073】ここで、上記フォワードクラッチライン2
19から分岐されたライン220が3−4シフトバルブ
105及びライン210を介して第1アキュムレータ1
41に通じていることにより、上記フォワードクラッチ
圧の供給が緩やかに行われる。
【0074】次に、2速の状態では、表2及び図5に示
すように、上記の1速の状態に加えて、第1DSV12
1も作動し、第1出力ライン211からのライン圧を元
圧として作動圧を生成する。この作動圧は、ライン21
4を介してローリバースバルブ103に供給されるが、
この時点では該ローリバースバルブ103のスプールが
右側に位置することにより、さらにサーボリリースライ
ン215に導入され、2−4ブレーキ54の締結室54
aにサーボアプライ圧として供給される。これにより、
上記フォワードクラッチ51に加えて、2−4ブレーキ
54が締結される。
【0075】なお、上記ライン214はライン217を
介して第2アキュムレータ142に通じているから、上
記サーボアプライ圧の供給ないし2−4ブレーキ54の
締結が緩やかに行われる。そして、このアキュムレータ
142に蓄えられた作動油は、後述するLレンジの1速
への変速に際してローリバースバルブ103のスプール
が左側に移動したときに、ローリバースブレーキライン
216からローリバースブレーキ55の油圧室にプリチ
ャージされる。
【0076】また、3速の状態では、表2及び図6に示
すように、上記の2速の状態に加えて、さらに第2DS
V122も作動し、第2出力ライン212からのライン
圧を元圧として作動圧を生成する。この作動圧は、ライ
ン222及びライン223を介してローリバースバルブ
103に供給されるが、この時点では該バルブ103の
スプールが右側に位置することにより、さらにライン2
24に導入される。
【0077】そして、この作動圧は、ライン224から
オリフィス151を介してライン225に導入されて、
3−4シフトバルブ105に導かれるが、この時点では
該3−4シフトバルブ105のスプールが左側に位置す
ることにより、さらにサーボリリースライン221を介
して2−4ブレーキ54の解放室54bにサーボリリー
ス圧として供給される。これにより、2−4ブレーキ5
4が解放される。
【0078】また、上記ライン224からオリフィス1
51を介して分岐されたライン225からはライン22
6が分岐されており、上記作動圧は該ライン226によ
りバイパスバルブ104に導かれると共に、この時点で
は該バイパスバルブ104のスプールが右側に位置する
ことにより、さらに3−4クラッチライン227を介し
て3−4クラッチ53の油圧室に3−4クラッチ圧とし
て供給される。したがって、この3速では、フォワード
クラッチ51と3−4クラッチ53とが締結される一
方、2−4ブレーキ54は解放されることになる。
【0079】なお、この3速の状態では、上記のように
第2DSV122が作動圧を生成し、これがライン22
2を介してリレーバルブ107の制御ポート107aに
供給されることにより、該リレーバルブ107のスプー
ルが左側に移動する。
【0080】さらに、4速の状態では、表2及び図7に
示すように、3速の状態に対して、第3DSV123が
作動圧の生成を停止する一方、第1SV111が作動す
る。
【0081】この第1SV111の作動により、ライン
201からの一定圧がライン203を介してリレーバル
ブ107に供給されることになるが、上記のように、こ
のリレーバルブ107のスプールは3速時に左側に移動
しているから、上記一定圧がライン205を介して3−
4シフトバルブ105の制御ポート105aに供給され
ることになり、該バルブ105のスプールをが右側に移
動する。そのため、サーボリリースライン221がフォ
ワードクラッチライン219から分岐されたライン22
0に接続され、2−4ブレーキ54の解放室54bとフ
ォワードクラッチ51の油圧室とが連通する。
【0082】そして、上記のように第3DSV123が
作動圧の生成を停止して、下流側をドレン状態とするこ
とにより、上記2−4ブレーキ54の解放室54b内の
サーボリリース圧とフォワードクラッチ51の油圧室内
のフォワードクラッチ圧とが、ロックアップコントロー
ルバルブ106及びライン228を介して該第3DSV
123でドレンされることになり、これにより、2−4
ブレーキ54が再び締結されると共に、フォワードクラ
ッチ51が解放される。
【0083】一方、Lレンジの1速では、表2及び図8
に示すように、第1、第2SV111,112及び第
1、第3DSV121,123が作動し、この第3DS
V123によって生成された作動圧が、Dレンジ等の1
速と同様に、ライン228、ロックアップコントロール
バルブ106及びフォワードクラッチライン219を介
してフォワードクラッチ51の油圧室にフォワードクラ
ッチ圧として供給され、該フォワードクラッチ51が締
結される。また、このとき、ライン220、3−4シフ
トバルブ105及びライン210を介して第1アキュム
レータ141に作動圧が導入されることにより、上記フ
ォワードクラッチ51の締結が緩やかに行われるように
なっている点も、Dレンジ等の1速と同様である。
【0084】また、第1SV111の作動により、ライ
ン203、リレーバルブ107、ライン204を介して
バイパスバルブ104の制御ポート104aにパイロッ
ト圧が供給されて、該バルブ104のスプールを左側に
移動させる。そして、これに伴って、第2SV112か
らの作動圧がライン206及び該バイパスバルブ104
を介してライン208に導入され、さらにローリバース
バルブ103の制御ポート103aに供給されて、該バ
ルブ103のスプールを左側に移動させる。
【0085】したがって、第1DSV121で生成され
た作動圧がライン214、ローリバースバルブ103及
びローリバースブレーキライン216を介してローリバ
ースブレーキ55の油圧室にローリバースブレーキ圧と
して供給され、これにより、フォワードクラッチ51に
加えてローリバースブレーキ55が締結されて、エンジ
ンブレーキが作動する1速が得られる。
【0086】さらに、Rレンジでは、表2及び図9に示
すように、第1、第2SV111,112及び第1〜第
3DSV121〜123が作動する。ただし、第2、第
3DSV122,123については、第2出力ライン2
12からの元圧の供給が停止されているから作動圧を生
成することはない。
【0087】このRレンジでは、上記のように、第1、
第2SV111,112が作動するから、前述のLレン
ジの1速の場合と同様に、バイパスバルブ104のスプ
ールが左側に移動し、これに伴ってローリバースバルブ
103のスプールも左側に移動する。そして、この状態
で第1DSV121で作動圧が生成されることにより、
これがローリバースブレーキ圧としてローリバースブレ
ーキ55の油圧室に供給される。
【0088】一方、Rレンジでは、マニュアルバルブ1
02から第3出力ライン213にライン圧が導入され、
このライン圧が、上記のようにスプールが左側に移動し
たローリバースバルブ103、及びリバースクラッチラ
イン230を介してリバースクラッチ52の油圧室にリ
バースクラッチ圧として供給される。したがって、上記
リバースクラッチ52とローリバースブレーキ55とが
締結されることになる。
【0089】なお、上記第3出力ライン213には、N
レンジでもマニュアルバルブ102からライン圧が導入
されるので、ローリバースバルブ103のスプールが左
側に位置するときは、Nレンジでリバースクラッチ52
が締結される。
【0090】次に、前述のコントロールユニット300
による変速時の制御動作を1−2アップシフト変速を例
にとり説明する。
【0091】なお、アップシフト変速の制御自体は、タ
ービン回転数(Nt)の低下時における変化率が目標の
変化率に一致するように、主として締結側の摩擦要素に
対する作動圧の供給をフィードバック制御することによ
り行われる。このタービン回転変化率は、イナーシャフ
ェーズ、すなわち変速によりタービン回転数が変化する
期間における変速機出力トルクの変速終了後におけるト
ルクに対する高さに対応するもので、これが変速前のト
ルクより高くなると変速ショックが大きくなり、また、
低くすぎると変速時間が長くなる。そこで、変速前の高
さにほぼ等しくなるように、この高さに対応する目標タ
ービン回転変化率を設定する。
【0092】1−2変速は、図4及び図5から明らかな
ように、第3DSV123で生成された作動圧がフォワ
ードクラッチ51の油圧室に供給されて該クラッチ51
が締結されている状態で、第1DSV121によってサ
ーボアプライ圧を生成し、これを2−4ブレーキ54の
締結室54aに供給することによって行われる。その場
合に、この第1DSV121によるサーボアプライ圧の
フィードバック制御が行われる。
【0093】ここで、前述のように、第1〜第3DSV
121〜123は、デューティ率100%で作動圧が発
生しないドレン状態、0%で作動圧が元圧に等しくなる
全開状態となり、その中間のデューティ率で作動圧の制
御が行われる。
【0094】1−2変速時における第1DSV121に
よるサーボアプライ圧の制御は、図10に示すプログラ
ムに従って行われる。1−2変速指令が出力されると、
まず、ステップS1で、ベース油圧(Pb)を計算す
る。ベース油圧(Pb)は、図11に示すように、変速
指令の出力時点から、タービン回転数(Nt)が低下し
始める時点、すなわち符号(ア)で示すイナーシャフェ
ーズの開始時点まで、一定の初期値(Pb′)に保持さ
れたのち、イナーシャフェーズの開始時点から一定割合
で上昇するように設定される。このとき、ベース油圧
(Pb)、特にその初期値(Pb′)は、スロットル開
度(TVO)ないしタービントルク(Tt)に応じた値
に設定され、これらのパラメータの値が同じであれば、
基本的に、同じ値のベース油圧(Pb)ないしその初期
値(Pb′)が算出される。
【0095】次いで、ステップS2で、フィードバック
油圧(Pf)を計算する。フィードバック油圧(Pf)
は、イナーシャフェーズ開始時から所定時間(T1)が
経過した時点から該イナーシャフェーズ中におけるター
ビン回転変化率を目標変化率に一致させるように設定さ
れる。なお、イナーシャフェーズが開始されても所定時
間(T1)が経過するまではフィードバック油圧(P
f)の算出を行わないのは、イナーシャフェーズ開始時
にはフィードバック油圧算出の基礎となるタービン回転
変化率が正確に求められないからである。
【0096】次いで、ステップS3で、学習油圧補正
量、すなわち学習によるサーボアプライ圧の補正量(P
a)を計算する。この学習補正量(Pa)は、後に詳し
く述べるように、前回の1−2変速時の変速動作の終了
後に、ステップS11において、そのときの変速動作の
イナーシャフェーズ中のフィードバック制御の状態に応
じて設定され、且つコントロールユニット300のメモ
リに記憶された値等に基づいて設定される。
【0097】次いで、ステップS4で、これらの各油圧
(Pb),(Pf),(Pa)を加算して算出油圧(P
s)を求め、次いで、ステップS5で、変速指令出力時
に別途行われるプリチャージ制御の実行期間中であるか
否かをプリチャージフラグ(Fp)の値に基づいて判定
する。プリチャージ制御は、変速開始時に2−4ブレー
キ54の締結室54aに供給されるサーボアプライ圧を
締結直前の状態にまで速やかに高めて、変速動作の応答
性を向上させるためのものである。
【0098】そして、プリチャージ制御で設定されたプ
リチャージフラグ(Fp)が1にセットされているとき
に、ステップS6で、第1DSV121にデューティ率
0%の信号を出力し、該第1DSV121を全開状態と
する。そして、プリチャージフラグ(Fp)が0にリセ
ットされたとき、すなわちプリチャージ期間が終了すれ
ば、さらに、ステップS7で、当該1−2変速が終了し
たか否かを判定する。この変速終了の判定は、例えば、
タービン回転変化率がマイナスからプラスに転じたこ
と、タービン回転変化率の絶対値が変速中の値の半分以
下に減少したこと、タービン回転数(Nt)が変速開始
時の回転数から算出される変速終了時の回転数まで低下
したことのいずれか1つが成立することによって行われ
る。
【0099】そして、変速終了前、すなわちプリチャー
ジ制御の終了後、変速終了までの間に、ステップS8
で、上記のようにして求めた算出油圧(Ps)に対応し
たデューティ率の信号を第1DSV121に出力し、該
第1DSV121により上記デューティ率、すなわち上
記算出油圧(Ps)に応じたサーボアプライ圧を生成し
て、2−4ブレーキ54の締結室54aに供給する。ま
た、変速終了後には、ステップS9,S10で、デュー
ティ率が0%になるまで、該デューティ率を一定割合で
減少させながら出力する。これにより、図11に示すよ
うに上昇していくサーボアプライ圧が得られ、イナーシ
ャフェーズ中におけるタービン回転変化率が目標変化率
に一致するように制御される。
【0100】そして、最後に、ステップS11で、今回
のこの1−2変速時のイナーシャフェーズ中のフィード
バック制御の状態に基づいて、次回の1−2変速時に用
いるための学習油圧補正量(Pa)を設定し、得られた
学習データをメモリに格納する。
【0101】本実施形態では、摩擦要素51〜55に対
する作動圧の学習補正制御自体は、図12に示すような
手順で行なわれる。まず、変速が終了すると(ステップ
T1)、その変速で起こった実際の経過と、目標とする
理想の変速の経過とを比較して、その結果から学習補正
量を設定する(ステップT2)。より具体的には、補正
量は、例えば、イナーシャフェーズで最初に発生したタ
ービン回転変化率のピークの大きさやその発生時期、イ
ナーシャフェーズ中におけるフィードバック操作量(フ
ィードバック油圧Pf)の平均値、イナーシャフェーズ
中におけるタービン回転変化率の目標変化率に対する偏
差の平均値等に応じた油圧をファジー合成することによ
って設定される。
【0102】設定された学習補正量は、変速時、例えば
変速指令出力時におけるスロットル開度の値と対応付け
されて、一組の学習データとして扱われる(ステップT
3)。ここで、スロットル開度に代えて、変速歯車機構
への入力トルクに関連する値、例えばタービントルクを
用いることもできる。
【0103】得られた学習データは、全てメモリに格
納、蓄積されるのではなく、所定の基準により、次回変
速時における学習補正量の算出に必要なデータかどうか
の判定が行なわれる(ステップT4)。この判定は、新
しく学習データが得られる度に行なわれ、不必要と判定
されたデータは消去され、必要と判定されたデータだけ
が記憶される(ステップT5)。
【0104】そして、次に、同種の変速が実行されたと
きには(ステップT6)、メモリに格納されている学習
データと学習データとの間の補完を行ない、全体とし
て、パラメータとしてのスロットル開度の関数として連
続する補正量情報を生成する(ステップT7)。なお、
この補正量情報の生成までを、前回の変速終了時に済ま
しておいてもよい。
【0105】そして、例えば今回の変速開始時における
スロットル開度に対応する補正量を上記補正量情報から
読み出し(ステップT8)、その補正量をベース油圧等
に加算して摩擦要素に供給する作動圧とする(ステップ
T9)。
【0106】このように、学習補正量(Pa)は変速の
種類毎に算出される(上記ステップS3、ステップT7
〜T8)。加えて、同種の変速であっても、変速時のス
ロットル開度(TVO)ないしタービントルク(Tt)
の大きさによって区別して用いられる。そのため、変速
終了時に設定された学習補正量(Pa)は、その変速時
におけるパラメータ、すなわちスロットル開度(TV
O)等と対応付けられて、コントロールユニット300
のメモリに記憶される(上記ステップS11、ステップ
T2〜T5)。そして、同種の変速であって、且つ、ほ
ぼ等しいスロットル開度(TVO)等の変速時にのみ、
メモリから読み出されて利用される。これにより、トル
クフェーズの作動圧の制御、ひいてはイナーシャフェー
ズにおけるフィードバック制御が精度よく実行されるこ
とになる。
【0107】図13に示すように、コントロールユニッ
ト300は、そのメモリ部に、列方向にm+1個、行方
向にn+1個、展開配置された多数のメモリセル(C0
0)〜(Cmn)を有する。各メモリセルC…Cは、周
知のように、それぞれワード線W0〜Wmとビット線B
0〜Bnとの交点に配置され、ロウデコーダで選択され
たワード線W0〜Wmと、カラムデコーダで選択された
ビット線B0〜Bnとの交点のセルCがアクセスされ
る。コントロールユニット300は、これらのうちのい
くつかのセルC…Cを上記ステップS11又はT2〜T
3で設定された学習データの格納に用いる。本実施形態
では、特に、第一行及び第二行の第一列ないし第四列の
計8個のメモリセル(C00)〜(C03),(C1
0)〜(C13)が一つの種類の変速の学習データの正
式な格納に用いられる。また、第一行及び第二行の第五
列の2個のメモリセル(C04),(C14)が、不要
データの判定時において、学習データの一時的な格納に
用いられる。
【0108】これらのセルのうち、第一行のセル(C0
0)〜(C03),(C04)には、パラメータ、すな
わちスロットル開度(TVO)が書き込まれ、第二行の
セル(C10)〜(C13),(C14)には、学習補
正量(Pa)が書き込まれる。その場合に、同一列番号
の一対のセルにはそれぞれ対応するパラメータ(TV
O)及び補正量(Pa)が書き込まれる。また、列番号
の昇順に、大きなパラメータ(TVO)の値が格納され
る。
【0109】どのセルCにはどの範囲のスロットル開度
(TVO)の値(θ)を書き込むというような固定的な
割り振りの規制がなく、ワード線W0〜Wmとビット線
B0〜Bnとによる選択で任意のセルCに自由にアクセ
スできる。それゆえ、各メモリセル(C00)〜(C0
4),(C10)〜(C14)には、どのようなスロッ
トル開度(TVO)の値(θ)も書き込むことができ
る。また、各メモリセル(C00)〜(C04),(C
10)〜(C14)には、密にも疎にもどのようなスロ
ットル開度(TVO)の値(θ)の間隔でもデータを格
納することができる。
【0110】図14は、学習データの格納に用いられる
上記計10個のメモリセル(C00)〜(C04),
(C10)〜(C14)をテーブルに書き直したもので
ある。同図に示すように、「D[0,0]」という記載
は、第一行第一列目のメモリセル(C00)に記憶され
たデータという意味であり、本実施の形態においては、
それは、格納されている4つのスロットル開度(TV
O)のなかの最小の値を示すことになる。一方、「D
[1,3]」は、格納されている4つのスロットル開度
(TVO)のなかの最大の値のものに対応する補正量
(Pa)を示すことになる。
【0111】いま、図15に示すように、第一行のメモ
リセル(C00)〜(C03)に、それぞれスロットル
開度(θ0)〜(θ3)が正式に書き込まれ、第二行の
メモリセル(C10)〜(C13)に、それぞれ該スロ
ットル開度と対応する学習補正量(P0)〜(P3)が
正式に書き込まれているとする。そして、これらのデー
タ間を直線で結んで補完した補正量情報をマップ化して
示せば、図16のようであったとする。点(カ),
(キ),(ク),(ケ)は、それぞれ第一列セル(C0
0),(C10)〜第四列セル(C03),(C13)
に記憶された学習データの同マップ上での位置を示す。
【0112】このような、補正量情報を生成すれば、た
とえいままでにデータが採れていないスロットル開度で
の変速が起こっても、図16に実線で示す補完線(カ−
キ),(キ−ク),(ク−ケ)上の点が各データ
(カ),(キ),(ク),(ケ)間のスロットル開度で
の近似補正量を表わすから、その未実行のスロットル開
度での学習補正量を計算することが可能となり、最初か
ら、理想とする目標とのズレの少ない変速が達成され
て、合理的、且つ効率的な学習補正制御が実現すること
になる。
【0113】ここで、新たに今回、学習データ(サ)が
設定されたとする。この最新データ(サ)は、すでにメ
モリに記憶されて、上記補正量情報の生成に参加してい
る従来データ(キ)の近傍にマップ上でプロットされる
とする。つまり、新学習データ(サ)のスロット開度
(θ4)から開度大側及び開度小側のいずれにも所定量
(K)の範囲内に、従来データ(キ)のスロットル開度
(θ1)が含まれている。この場合、コントロールユニ
ット300は、従来データ(キ)を不要と判定して新デ
ータ(サ)で置き換える。パラメータ(TVO)の値が
近接している場合は、今回設定されたデータの方が、過
去に採れたデータよりも、現在の自動車の現状をよりよ
く反映し、信頼性の高いデータだからである。
【0114】その結果、メモリセル(C00)〜(C0
3),(C10)〜(C13)に書き込まれたデータD
…Dの配列は、図17に示すようになる。正式に記憶す
るデータの数は増えない。また、新データ(サ)と、両
隣のデータ(カ),(ク)との間の補完線(カ−サ),
(サ−ク)は、図16に鎖線で示すように変形する。こ
の変形は、近似誤差の少なくなる方向への変形である。
【0115】一方、新たに設定された学習データが、図
16に符号(シ)で示すように、データ(ク)とデータ
(ケ)との間の位置にプロットされたとする。新規デー
タ(シ)のスロットル開度(θ5)は、上記基準(K+
Kの範囲内)を適用しても、両隣のデータ(ク),
(ケ)のスロットル開度(θ2),(θ3)に接近して
いるとは判断できない。この場合、問題となるのは、従
来データ(ク)との関係である。従来データ(ク)を残
して今回データ(シ)を削除すれば、補正量情報は実線
のまま維持される。これに対し、今回データ(シ)を残
して従来データ(ク)を削除すれば、補正量情報は破線
のように変形する。どちらのデータ(ク)又は(シ)を
記憶すべきかは、補完で生成される近似補正量との誤差
の大小をみればよい。
【0116】従来データ(ク)の補正量(P2)は、今
回データ(シ)が採用された場合に生成される補完線
(キ−シ)で得られる近似補正量に、比較的小さい誤差
(Er2)で近接している。これに対し、今回データ
(シ)の補正量(P5)は、従来データ(ク)が採用さ
れた場合に生成される補完線(ク−ケ)で得られる近似
補正量に、比較的大きい誤差(Er5)で離反してい
る。すなわち、この場合は、従来データ(ク)を補完線
(キ−シ)によって代用することは充分可能であるが、
新規データ(シ)を補完線(ク−ケ)によって代用する
ことは誤差が大きくなり、学習制御の精度を低下させ
る。したがって、コントロールユニット300は、従来
データ(ク)を不要と判定して新データ(シ)で置き換
える。データの数を増加させることなく、補正量情報全
体の精度が向上することになる。
【0117】この後者の不要データの検出動作中、第五
列の2個のメモリセル(C04),(C14)が学習デ
ータの一時的な格納に用いられる。すなわち、今回デー
タ(シ)がパラメータ軸方向において従来データ(ク)
と(ケ)との間に位置すると判定されると、スロットル
開度大側のデータ(ケ:θ3,P3)をいったん上記の
一時メモリセル(C04),(C14)に移し、そして
空になった第四列のメモリセル(C03),(C13)
に今回データ(シ:θ5,P5)を書き込むというデー
タの並び替えを行なうのである。その結果、メモリセル
(C00)〜(C04),(C10)〜(C14)に書
き込まれたデータD…Dの配列は、図18に示すように
なり、補正量情報のマップ上には、一時的に5個のデー
タ(カ),(キ),(ク),(シ),(ケ)が存在する
ことになる。これにより、データと補完線との誤差の比
較が正確に行なえる。
【0118】そして、従来データ(ク:θ2,P2)が
不要データとして選択されると、該データ(ク)を第三
列のメモリセル(C02),(C12)から消去し、そ
して空になった該第三列のメモリセル(C02),(C
12)に今回データ(シ)を移動させ、さらに空になっ
た第四列のメモリセル(C03),(C13)に一時セ
ル(C04),(C14)からデータ(ケ)を移動させ
る。その結果、メモリセル(C00)〜(C03),
(C10)〜(C13)に書き込まれたデータD…Dの
配列は、図19に示すようになり、正式に記憶するデー
タの数はやはり増えることがない。
【0119】なお、以上のような不要データの検出動作
においては、基本的に、パラメータ(TVO)領域の最
小値側に位置するデータ(カ:θ0,P0等)や、最大
値側に位置するデータ(ケ:θ3,P3等)は、消去、
削除しないようにすることが好ましい。発生頻度の少な
い全閉や全開状態での変速で得られたこれらのデータは
貴重であり、また、削除すると、補正量情報がカバーす
るスロットル開度領域が狭まり、同情報マップの活用
性、有効性が低減するからである。しかし、いままで最
端側であったデータのさらに外側に新しく学習データが
得られたときには、補正量情報がカバーできるパラメー
タ領域が広がって有利であるから、その従来の最端側デ
ータを消去してもよい。
【0120】以上のような学習油圧補正量(Pa)の設
定及び格納に関する具体的動作プログラムの一例を図2
0〜21に示すフローチャートに従って説明する。な
お、この制御動作は、例えば上記ステップS11や、ス
テップT3〜T5に採用することができる。
【0121】まず、ステップS21で、前述したよう
に、変速中のタービン回転数(Nt)の状態に応じて設
定した作動圧の学習補正量の今回値を(pa)とする。
また、ステップS22で、変速時のスロットル開度(T
VO)の今回値(θ)を(tv)とする。そして、ステ
ップS23で、メモリセルC…Cの列番号を表わす数字
(i)を「0」に初期化する。つまり、学習データ格納
用セル(C00)〜(C03),(C04)及び(C1
0)〜(C13),(C14)に対して以下に行なう各
種の判定を列番号の昇順、あるいは格納しているパラメ
ータ値(スロットル開度)の昇順に行なっていくのであ
る。
【0122】ステップS24では、まず、列番号(i)
が3以下か否かを判定する。最初はYESであるからス
テップS25に進む。ステップS25,S26,S27
は、今回データ(tv,pa)が従来データ(カ),
(キ),(ク),(ケ)のいずれかに近接しているかど
うかの判定ルーティンである。ステップS25及びS2
6で、パラメータ値格納用セル、すなわち第一行の4個
のセル(C00)〜(C03)に書き込まれているデー
タ(D[0,i]:記憶されているスロットル開度)
が、今回値(tv)から開度大側及び開度小側のいずれ
にも所定量(K)の範囲内で近接しているか否かが判定
される。そして、いずれもYESである場合に、ステッ
プS27に進んで、その該当する一対のセル(C0
i),(C1i)にそれぞれ今回新たに設定された学習
データ(tv,pa)を上書きして終了する。
【0123】該当する従来データが発見されないとき
は、いったんステップS28を経由してステップS29
に進み、ここで列番号(i)を「1」だけ更新してステ
ップS24に戻るループを繰り返す。その途中で、ステ
ップS28において、YESと判定されたときは、ステ
ップS30にフローする。ステップS28は、ステップ
S25又はS26で該当しなかった従来データ(D
[0,i])のスロットル開度が単に今回データのスロ
ットル開度(tv)よりも大きいか否かが判定される。
例えば、(i)がゼロのときに、このステップS28の
判定がYESのときは、今回データ(tv,pa)は、
いままで記憶されていたどのデータよりもスロットル全
閉側に位置することになる。このステップS28は、今
回データ(tv,pa)が、パラメータ軸上において、
どの従来データ間に位置しているのかを判定するもので
ある。
【0124】今回データ(tv,pa)がどの従来デー
タ間に位置しているのかが判定されたら、ステップS3
0,S31,S32,S33,S34は、今回データ
(tv,pa)を含めて一時的に5個のパラメータ及び
対応する5個の補正量をパラメータ値の昇順に記憶する
ためのデータの並び替えを行なうソートのルーティンで
ある。データが上書きされて消えないように、列番号の
大きいセルのデータから一つ上のセルに順に移し替えて
いく。すなわち、まず、第4列のセル(C03),(C
13)のデータ(D[0,3]),(D[1,3])を
空の第5列の一時格納セル(C04),(C14)に移
し替えることから開始される。
【0125】データのソートが済めば、ステップS3
5,S36,S37,S38,S39,S40は、各デ
ータと、パラメータ軸上において該データの両側に位置
するデータ間に生成される補完線との誤差(補正量軸方
向の距離)を算出し、そのなかから最も誤差の少ないデ
ータを検出するルーティンである。
【0126】各データと補完線との誤差(Er)は、三
角形の相似、比例を利用したステップS37に示す計算
式に従って算出される。ここで、ステップS35に示す
ように、列番号(i)は「1」から始められる。つま
り、列番号(i)が「0」の第一列の最全閉側のデータ
(D[0,0]),(D[1,0])は不要データの検
出の対象にならない。また、ステップS36に示すよう
に、列番号(i)が「4」になれば、この不要データ検
出ルーティンから抜け出てステップS41に進む。その
結果、第五列の最全開側のデータ(D[0,4]),
(D[1,4])もまた不要データの検出の対象になら
ない。これにより、せっかく得られた変速の発生頻度の
少ないスロットル開度での学習データが削除されること
がなく、補正量情報がカバーするスロットル開度領域が
狭まることが回避される。すなわち、ここにおける不要
データの検出動作は、計5個の学習データのうち、パラ
メータ軸上で中ほどに位置する3個のデータ(D[0,
1]),(D[1,1])、(D[0,2]),(D
[1,2])、(D[0,3]),(D[1,3])に
対してだけ行なわれる。
【0127】ステップS35で、最初の基準値「127
5」に設定された誤差比較基準(Eo)は、ステップS
38及びS39を実行するに従って、ステップS37で
算出された誤差(Er)のうちの最小値に更新されてい
く。比較基準(Eo)の更新が行なわれたときは、ステ
ップS39に示すように、その列番号(i)が同時に
(io)に代入される。
【0128】列番号(i)が「4」となり、ステップS
36でNOと判定されて、ステップS41に進むとき
は、最も補完線との誤差の少ないデータ、すなわち最も
不要なデータの列番号(i)が(io)の値として残っ
ている。いったん、ステップS41で、その値(io)
を再び列番号(i)に戻したのち、ステップS42,S
43,S44で、その列番号(i)のデータ(D[0,
i]),(D[1,i])を一つ上の列のデータ(D
[0,i+1]),(D[1,i+1])で上書きして
消去する。そののち、順に、一つ上のデータで各メモリ
セルC…Cのデータを上書きしていって正式に記憶すべ
き学習データD…Dの配置変えをする。そして、最終的
に、第五列のセル(C04),(C14)には正式デー
タD,Dが格納されない状態に戻って終了する。
【0129】そして、このようにしてメモリに正式に記
憶された学習データ(D[0,0])〜(D[0,
3]),(D[1,0])〜(D[1,3])から、補
正量間を補完することによって、スロットル開度の関数
として連続する全体的な補正量情報が生成されることに
なるのであるが、その際に、該補正量情報を生成するた
めにメモリセルC…Cに正式に記憶するべきデータDか
どうか、つまり補正量情報の生成に参加させるべきデー
タDかどうかの選別が行なわれ、その結果、補正量情報
の生成にとって必要でないと判定されたデータDはメモ
リに格納されていない。
【0130】加えて、各メモリセル(C00)〜(C0
4),(C10)〜(C14)には、どのようなスロッ
トル開度(TVO)の値(θ)も、どのようなスロット
ル開度(TVO)の値(θ)の間隔で格納することがで
き、融通が利くから、例えば、スロットル開度(TV
O)変化に対する学習補正量(Pa)の変化が急なとこ
ろでは、複数の補正量が密なスロットル開度間隔で記憶
され、その結果、これらの記憶された補正量間の補完に
より生成される近似補正量ないし補正量情報が急な補正
量変化によく追随し、それらの近似精度が良好に保たれ
ることになる。
【0131】逆に、スロットル開度(TVO)変化に対
する学習補正量(Pa)の変化が緩なところでは、複数
の補正量が疎なスロットル開度間隔で記憶され、その結
果、これらの記憶された補正量間の補完により生成され
る近似補正量ないし補正量情報もまた緩な補正量変化に
よく追随し、それらの近似精度が良好に保たれると共
に、その場合に、必要以上に多くのデータがメモリに記
憶されることが回避され、必要最低限の個数のデータの
みがメモリに記憶されて、無駄のない、合理的な、効率
のよい学習制御が実現する。
【0132】なお、ステップS23及びS24から明ら
かなように、ステップS25〜S27においては、4個
の従来記憶データの全てが今回データに近接しているか
どうかの判定に供される。しかし、補完で生成される補
正量情報の有効なパラメータ範囲が狭まらないように、
上下の両最端側の従来データについては、さらに外側に
位置するデータが設定されたときにのみ、該新データで
置き換えられるようにしてもよい。
【0133】また、ステップS25〜S27のルーティ
ンは、該当するデータがなければ新データに置き換えら
れないように構成されているが、これに代えて、最も近
接するデータを必ず置き換えるようにすることもでき
る。
【0134】これに対し、ステップS35〜S40のル
ーティンは、最も誤差の小さいデータが必ず消去される
ように構成されているが、これに代えて、所定値以下に
誤差が小さくなければ消去されないようにすることもで
きる。
【0135】また、ステップS25〜S27のルーティ
ン終了後にさらにステップS35に進んで、両方の二種
類の不要データの検出を受けるようにしてもよい。
【0136】さらに、このフローチャートにおいては、
最終的に必ず一定個数(4個)の学習データがメモリに
残るように構成したが、これに代えて、状況により、不
要データの検出を行なっても、該当するデータがなく、
5個、6個とデータ数が増加する場合や、両方の二種類
の不要データの検出を受けた結果、3個、2個とデータ
数が減少する場合が生じてもよいように構成することも
可能である。
【0137】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
変速時に摩擦要素に対する作動圧の学習補正制御を実行
するにあたって、いままでの変速におけるスロットル開
度等のパラメータに対応させて正式に設定し、記憶した
補正量から、該補正量間の補完によって、パラメータの
関数として連続する近似補正量、ないし全パラメータ領
域に渡る全体的な補正量情報を生成し、それに基づいて
補正量を決定して変速を実行するので、初めて行なわれ
るパラメータ値における変速であっても、目標とのズレ
の少ない変速が達成され、学習補正制御の合理化、効率
化が図られる。そして、その場合に、例えば、補正量を
記憶するためのメモリ部のメモリセルに固定的なパラメ
ータ値、あるいはパラメータ領域を割り振らず、どのよ
うな間隔でも、また、どのようなパラメータ値でも格納
可能として、実行された任意のパラメータ値と、それに
対応する補正量とを関連付けて、該メモリセルに格納す
るから、データの記憶方式に融通性が生まれて、補正量
の変化によく追随することのできる近似補正量ないし補
正量情報が生成され、それらの近似誤差が低減される。
そして、さらに、その場合に、新しく学習データが設定
される度に、そのような近似誤差の少ない近似補正量な
いし補正量情報等を生成するために必要なデータと不必
要なデータとの選別を行ない、不必要なデータは記憶し
ないようにして、必要最低限の個数のデータのみをメモ
リセルに格納し、データ及び補正量情報の更新を行なう
から、これによっても、無駄のない、合理的な学習制御
が実現する。本発明は、自動変速機の変速制御装置、特
に、学習補正が実行可能に構成された自動変速機の変速
制御装置一般に広く好ましく適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る自動変速機の機械
的構成を示す骨子図である。
【図2】 油圧制御回路の回路図である。
【図3】 同油圧制御回路における各ソレノイドバルブ
に対する制御システム図である。
【図4】 図2の油圧制御回路の1速の状態を示す要部
拡大回路図である。
【図5】 同じく2速の状態を示す要部拡大回路図であ
る。
【図6】 同じく3速の状態を示す要部拡大回路図であ
る。
【図7】 同じく4速の状態を示す要部拡大回路図であ
る。
【図8】 同じくLレンジ1速の状態を示す要部拡大回
路図である。
【図9】 同じく後退速の状態を示す要部拡大回路図で
ある。
【図10】 1−2変速時における第1DSVの制御動
作を示すフローチャートである。
【図11】 同変速時における各データの変化を示すタ
イムチャートである。
【図12】 学習補正制御の全体の動作の流れを示すフ
ローチャートである。
【図13】 メモリ部におけるメモリセルの配置図であ
る。
【図14】 学習データの格納に用いられるメモリセル
のデータ内容とその対応関係とを示すテーブルである。
【図15】 同メモリセルのより具体的な格納データ内
容とその対応関係とを示すテーブルである。
【図16】 学習データを補完することにより生成され
る補正量情報を示すマップである。
【図17】 不要データを削除して学習データを更新す
る一例を示すメモリセルデータのテーブルである。
【図18】 不要データを選択する際のメモリセルデー
タのテーブルである。
【図19】 不要データを削除して学習データを更新す
る他の例を示すメモリセルデータのテーブルである。
【図20】 学習補正量の設定及び格納の具体的制御動
作の一例を示すフローチャートの前半部分である。
【図21】 同後半部分である。
【符号の説明】
10 自動変速機 30,40 変速歯車機構 51〜55 摩擦要素 100 油圧制御回路 121〜123 デューティソレノイドバルブ 300 コントロールユニット 302 スロットル開度センサ 305 タービン回転数センサ C メモリセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長岡 満 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 鎌田 真也 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3J052 AA04 AA20 CA31 FA03 FB35 GC23 GC41 GC44 GC46 GC72 GC73 HA02 KA02 KA03 LA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トルクコンバータと、変速歯車機構と、
    作動圧の給排を受けて選択的に作動し、複数の変速段を
    実現する摩擦要素とを有すると共に、変速を達成させる
    べく上記摩擦要素に対する作動圧を制御する作動圧制御
    手段と、実際の変速の経過と目標とする変速の経過との
    比較に基づいて、変速に関与した摩擦要素に対する作動
    圧の補正量を設定する補正量設定手段と、該設定手段で
    設定された補正量を考慮して次回の変速時に上記作動圧
    制御手段を制御する学習制御手段とを備える自動変速機
    の変速制御装置であって、変速時の所定のパラメータの
    値を検出するパラメータ値検出手段と、補正量設定手段
    で設定された補正量とその変速時に上記検出手段で検出
    されたパラメータ値とをそれぞれ対応させて記憶する記
    憶手段と、該記憶手段で記憶された補正量と補正量との
    間を補完して近似補正量を生成し、全体としてパラメー
    タ値の関数として連続する補正量情報を生成する補正量
    情報生成手段とが備えられ、学習制御手段が、該生成手
    段で生成された補正量情報と上記検出手段で検出された
    パラメータ値とから決定される補正量を考慮して作動圧
    制御手段を制御するように構成されていると共に、上記
    生成手段が補正量情報を生成するために記憶手段が記憶
    する必要のない補正量及び対応パラメータ値を所定の基
    準で検出する不要データ検出手段が備えられ、記憶手段
    が、該検出手段で検出された補正量及び対応パラメータ
    値は記憶しないように構成されていることを特徴とする
    自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 不要データ検出手段は、記憶手段で記憶
    されているパラメータ値のうちに、今回設定された補正
    量の対応パラメータ値に所定の範囲内で近いパラメータ
    値があるときは、そのパラメータ値及び対応補正量を不
    要データとして検出し、記憶手段は、該補正量及び対応
    パラメータ値に代えて今回設定された補正量及び対応パ
    ラメータ値を記憶することを特徴とする請求項1に記載
    の自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 不要データ検出手段は、記憶手段で記憶
    されている補正量及び今回設定された補正量のうちに、
    補完で生成される近似補正量に所定の範囲内で近い補正
    量があるときは、その補正量及び対応パラメータ値を不
    要データとして検出し、記憶手段は、その補正量及び対
    応パラメータ値がすでに記憶している補正量及び対応パ
    ラメータ値であるときは、該補正量及び対応パラメータ
    値に代えて今回設定された補正量及び対応パラメータ値
    を記憶し、その補正量及び対応パラメータ値が今回設定
    された補正量及び対応パラメータ値であるときは、該補
    正量及び対応パラメータ値を記憶しないことを特徴とす
    る請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 不要データ検出手段は、記憶手段で記憶
    されているパラメータ値のうちの最小パラメータ値及び
    対応補正量と、最大パラメータ値及び対応補正量とは不
    要データとして検出しないことを特徴とする請求項1に
    記載の自動変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 変速時の所定のパラメータの値は、スロ
    ットル開度であることを特徴とする請求項1ないし4の
    いずれかに記載の自動変速機の変速制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20080016148A (ko) * 2006-08-17 2008-02-21 현대자동차주식회사 자동변속기의 학습값 전파 방법
CN102330814A (zh) * 2011-06-23 2012-01-25 浙江吉利汽车研究院有限公司 自动变速器压力控制方法
CN113847419A (zh) * 2020-06-25 2021-12-28 丰田自动车株式会社 车辆用控制装置、车辆用控制系统、车辆用学习装置及车辆用学习方法

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