JP2000148015A - 電子透かしの埋め込み方法、その方法を記憶した記憶媒体、および埋め込まれた電子透かしの証明方法ならびに電子透かしの埋め込み装置 - Google Patents

電子透かしの埋め込み方法、その方法を記憶した記憶媒体、および埋め込まれた電子透かしの証明方法ならびに電子透かしの埋め込み装置

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JP2000148015A
JP2000148015A JP10322899A JP32289998A JP2000148015A JP 2000148015 A JP2000148015 A JP 2000148015A JP 10322899 A JP10322899 A JP 10322899A JP 32289998 A JP32289998 A JP 32289998A JP 2000148015 A JP2000148015 A JP 2000148015A
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    • G06T2201/005Image watermarking
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子透かしを埋め込んだデータに対して同様
のアルゴリズムによる異なる透かし情報の上書きを受け
た場合でも、原データに埋め込んだ電子透かしを取り出
し可能とする。 【解決手段】 オリジナルの画像データP0をフーリエ
変換して得られた行列Fの所定の要素を特定し(ステッ
プS122)、その要素の実数部FRまたは虚数部FI
に対して、所定の大きさの微小成分ΔFを加える(ステ
ップS124,126)。このとき、フーリエスペクト
ルの対称性に留意して微小成分ΔFを差し引きする。微
小成分ΔFを加えた行列を逆変換することにより得られ
た画像には、微小成分ΔFに対応した位相差パターンW
01が埋め込まれており、このパターンは、原画像が秘匿
されていれば、埋め込み済みの画像から取り出したり、
上書き攻撃により抹消したりすることができない。同様
の処理を、原画像をウェッブレット変換して得られた低
周波成分からなる領域に対して行なうこともできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子透かし技術
に関し、特に、画像などのデータに透かし情報を埋め込
む技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、デジタル化された画像や音楽
などの著作物に、著作権情報を埋め込む電子透かしの技
術が種々提案されている。デジタル化されたデータは容
易に完全な形式で複製できる(すなわち、忠実な再現性
を有している)という特徴があるため、無許可の複製に
対する保護対策が必要とされるからである。電子透かし
は、人間が知覚できない形式で、著作権情報などの透か
し情報を、データの中に電子的に埋め込まれ、必要に応
じてこれを取り出すことで、著作権の存在を第三者に対
して明確にしようとする技術である。電子透かしには、
通常、著作者を特定できる情報が含まれるので、電子透
かしが埋め込まれたデータを署名済みのデータと呼ぶこ
とがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の電子透
かし技術では、類似の方式で別の情報を上書きすると、
もとの透かし情報を正しく取り出すことができなくなる
という問題があった。署名済みのデータに対して、埋め
込まれた電子透かしを無効にしようとする改竄を、電子
透かしに対する上書き攻撃と呼ぶことがある。署名済み
のデータが、上書き攻撃を受け、埋め込まれた正規の電
子透かしが読みとれなくなると、電子透かしとしての意
義は失われてしまう。更に、上書き攻撃を行なったもの
の透かしのみが残ることになれば、署名の意義自体がな
くなってしまう。
【0004】また、電子データの配信や保管に際し、そ
の電子データを圧縮することが一般的に行なわれてい
る。しかし、従来の電子透かし技術技術では、このデー
タ圧縮処理によって電子透かしのデータが変質もしくは
消失することがあり、実用性に乏しいという問題があっ
た。
【0005】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、公開した電子デ
ータに対して上書き攻撃やデータ圧縮処理を受けても正
規の電子透かしの保存性が高く、かつ第三者に対して、
電子透かしの秘匿性を高めた埋め込み方法およびこれに
関する技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の透
かし情報を原データに埋め込む方法では、(a)原デー
タを離散フーリエ変換する工程と、(b)該フーリエ変
換により得られた実数部または虚数部に、透かし情報と
して予め定めた位相差パターンに対応した微小変化分を
付加する工程と、(c)該微小変化分を付加したデータ
を逆変換することにより透かし情報を埋め込んだデータ
を生成する工程とを備えることを要旨とする。
【0007】また、この方法に対応し、透かし情報を原
データに埋め込む装置は、原データを離散フーリエ変換
する変換手段と、該フーリエ変換により得られた実数部
または虚数部に、透かし情報として予め定めた位相差パ
ターンに対応した微小変化分を付加する位相差パターン
付加手段と、該微小変化分を付加したデータを逆変換す
ることにより透かし情報を埋め込んだデータを生成する
フーリエ逆変換手段とを備えることを要旨とする。
【0008】この技術は、原データを周波数領域に離散
的にフーリエ変換したとき、スペクトルの実数部または
虚数部の一部を増減すると、位相に変化を招く性質があ
ることを利用している。したがって、原データの離散フ
ーリエ変換により得られた実数部または虚数部に、位相
差パターンに対応する微小変化を付加し、これを逆変換
することにより埋め込まれた透かし情報は、原画像デー
タと比較することにより、この位相差パターンを取り出
すことができ、埋め込まれた透かしを位相差パターンと
して直感的に把握することができる。しかも、電子透か
しが埋め込まれていない原データが特定されない限り
は、位相差パターンは、例え上書き攻撃を受けたとして
は、取り出すことが可能である。
【0009】こうした位相差パターンの書込は、離散フ
ーリエ変換により得られる実数部あるいは虚数部の特定
周波数(m,n)のスペクトルF(m,n)に微小な変
化分ΔFを付加することにより、容易に実現することが
できる。
【0010】実数部または虚数部に微小な変化分を付加
する場合、これら実数部または虚数部の対称性を保存し
て、微小な変化分ΔFの付加を行なうことが好ましい。
離散フーリエ変換では、実数部は偶対称性、虚数部は奇
対称性を持つから、これらの点を考慮して微小な変化分
を加えることにより、原データが本来持っていた性質を
保存することができる。
【0011】電子透かしとして付加する微小変化分は、
原データに影響を与えることは免れないから、付加され
るスペクトルの2ないし10パーセントの大きさに留め
ることが、原データの品質を低下させないという点で有
用である。
【0012】また、微小変化分を実数部または虚数部に
付加する際には、その低周波領域内の成分に対して操作
を行なうことが望ましい。高周波成分に付加すると、J
PEGなどのデータ圧縮により、透かし情報が失われる
ことが考えられるからである。低周波領域に付加しおけ
ば、データ圧縮により、電子透かしとしての位相差パタ
ーンが失われることはない。なお、圧縮時にデータを保
存しデータの伸張により元の情報を完全に回復可能ない
わゆる可逆的な圧縮方法だけを考慮するのであれば、高
周波領域に、上記の位相パターンを付加することも何ら
差し支えない。
【0013】上記の手法で電子透かしを埋め込んだデー
タ、即ち署名済みデータが存在する場合に、この署名済
みデータから、透かし情報を検出する方法の発明は、前
記原データと前記署名済みデータとの差分を位相差パタ
ーンとして取り出し、該位相差パターンを前記署名済み
のデータの電子透かしとして検出することを要旨とす
る。
【0014】かかる電子透かしの検出方法は、極めて簡
便な手法であるが、原データを非公開にしておけば、電
子透かしを検出し得るのは、原データの正当な所有者に
限られ、有効である。原データなしで、埋め込まれた微
小変化分を推定することは極めて困難である。
【0015】圧縮などにより電子透かしが失われないよ
う微小変化分を付加する方法として、原データの離散フ
ーリエ変換に先立って予め原データから、主として低周
波成分に対応したデータを得る画像変換を施し、その結
果に対して離散フーリエ変換を行ない、該変換により得
られた実数部または虚数部に透かし情報として予め定め
た位相差パターンに対応した微小変化分を付加しても良
い。この場合、微小変化分を付加した後、フーリエ逆変
換を行ない、更に上記のデータ変換の逆変換を施せばよ
い。このデータ圧縮と離散フーリエ変換との組み合わせ
によれば、電子透かしが低周波領域に確実に埋め込まれ
るため、上書き攻撃に強い離散フーリエ変換による位相
透かしの埋め込み方法の効果を維持しつつ、高圧縮処理
に対してもその透かしデータが変質もしくは消失しない
相乗的効果が発揮される。このデータ変換およびデータ
逆変換としては、例えばウェーブレット変換およびウェ
ーブレット逆変換を用いることが、透かし情報の埋め込
みと復元の手続きが簡便となり好適である。なお、ウェ
ブレット変換には、様々な手法が知られており、いずれ
の変換手法も採用可能であるが、代表的なものを挙げれ
ば、ハール基底を用いる直交ウェブレット変換等があ
る。ウェブレット変換以外の他のデータ変換およびデー
タ逆変換であっても、主として低周波成分に対応したデ
ータを得ることができる変換アルゴリズムであれば、採
用可能である。
【0016】上記の手法で透かし情報が埋め込まれた署
名済みデータが存在する場合に、この透かし情報を検出
する方法の発明は、前記原データを前記工程a0により
変換し、前記署名済みデータを前記工程a0により変換
し、両変換されたデータの差分を位相差パターンとして
取り出し、該位相差パターンを前記署名済みデータの電
子透かしとして検出することを要旨としている。
【0017】かかる電子透かしの検出方法は、極めて簡
便な手法であるが、原データを非公開にしておけば、電
子透かしを検出し得るのは、原データの正当な所有者に
限られ、有効である。原データなしで、埋め込まれた微
小変化分を推定することは極めて困難である。更に、主
として低周波成分からなる領域が存在する変換方法自体
を秘匿しておけば、二重に安全である。
【0018】こうした電子透かしの埋め込みの技術は、
様々なデータに対して適用可能である。例えば、原デー
タを二次元的な画像データとすることができる。この場
合、上記の手法により埋め込まれた位相差パターンは、
画像上視認することはできず、画質の低下を招くことは
ほとんどない。その他、音声などの一次元データにも適
用可能である。
【0019】なお、上記の埋め込み方法や埋め込み装置
は、汎用もしくは専用のコンピュータに、ICカードや
フレキシブルディスクあるいはCD−ROMなどの記憶
媒体を読み取られ、この記憶媒体に記憶されたプログラ
ムを実行するという形態で実現することができる。
【0020】したがって、本発明の記憶媒体は、透かし
情報を原データに埋め込むプログラムをコンピュータに
より読み取り可能に記憶した記憶媒体であって、原デー
タを入力する機能と、該入力した原データを離散フーリ
エ変換する機能と、該フーリエ変換により得られた実数
部または虚数部に、透かし情報として予め定めた位相差
パターンに対応した微小変化分を付加する機能と、該微
小変化分を付加したデータを逆変換したデータを出力す
る機能とをコンピュータにより実現可能に記憶したこと
を要旨とする。
【0021】また、高圧縮処理と離散フーリエ変換との
組み合わせによる電子透かしの埋め込み方法をコンピュ
ータなどに実現させる記憶媒体は、透かし情報を原デー
タに埋め込むプログラムをコンピュータにより読み取り
可能に記憶した記憶媒体であって、原データを入力する
機能と、該入力した原データを、主として低周波成分に
対応した領域を特定可能なデータに変換する機能と、該
変換されたデータのうち、前記領域に対応するデータを
離散フーリエ変換する機能と、該フーリエ変換により得
られた実数部または虚数部に、透かし情報として予め定
めた位相差パターンに対応した微小変化分を付加する機
能と、該微小変化分を付加したデータをフーリエ逆変換
する機能と、該フーリエ逆変換されたデータを他の領域
のデータと共に、前記変換の逆変換することにより透か
し情報を埋め込んだデータを生成する機能とをコンピュ
ータにより実現可能に記憶したことを要旨とする。
【0022】なお、離散フーリエ変換やデータ圧縮自体
は、コンピュータ側がライブラリの形で保有していると
考えられるから、上記の各機能のうち、原データを離散
フーリエ変換する機能は「入力した原データを、離散フ
ーリエ変換する機能を利用して変換結果としての実数部
および虚数部を受け取る機能」として、データ変換機能
は「入力した原データを、主として低周波成分に対応し
た領域を特定可能なデータに変換する機能を利用してそ
の変換結果を受け取る機能」として、実現することも可
能である。
【0023】ところで、電子透かしが埋め込まれた原デ
ータに対する上書き攻撃がなされる場合、異なる手法に
よる電子透かしの上書きは、これを弁別することが容易
である。最も問題になるのは、同じ手法による上書き攻
撃である。かかる場合、即ち原データP0に位相差パタ
ーンW1の透かし情報を正規に埋め込んだ正規データP
1に対して請求項1記載の方法により、複数回他の位相
差パターンWi(i=2,3・・・)を透かし情報とし
て埋め込んだデータPiが存在する場合に、原データP
0に埋め込まれた透かし情報である位相差パターンW1
を証明する方法が存在すれば、上書き攻撃に対する耐性
が高いと言える。そこで、上記の発明に関連して、電子
透かし情報である位相差パターンW1を証明する以下の
発明がなされた。即ち、この証明方法の発明は、(d)
原データP0と複数回他の位相差パターンが埋め込まれ
たデータPiとの差分を取り出す工程と、(e)正規デ
ータP1と複数回他の位相差パターンが埋め込まれたデ
ータPiとの差分を取り出す工程と、(f)前記正規の
位相差パターンW1を、前記(d)および(e)の工程
により取り出された差分の差分として抽出する工程とを
備えたことを要旨とする。
【0024】また、原データP0を、主として低周波成
分からなる領域を特定可能なデータに変換した後、該領
域に位相差パターンW1の透かし情報を正規に埋め込ん
だ正規データQ1に対して、同様の手法により、複数回
他の位相差パターンWi(i=2,3・・・)を透かし
情報として埋め込んだデータQiが存在する場合に、原
データQ0に埋め込まれた透かし情報である位相差パタ
ーンW1を証明する方法の発明は、つぎの工程からな
る。即ち、(g)原データQ0と複数回他の位相差パタ
ーンが埋め込まれたデータQiとの差分を取り出す工程
と、(h)正規データQ1と複数回他の位相差パターン
が埋め込まれたデータQiとの差分を取り出す工程と、
(i)前記正規の位相差パターンW1を、前記(g)お
よび(h)の工程により取り出された差分の差分として
抽出する工程とを備えたことを要旨とする。
【0025】これらの手法によれば、複数回の上書き攻
撃がなされた場合でも、原データに正規に埋め込まれた
位相差パターンを抽出することができ、いずれのデータ
が正規のデータであるかを容易に証明することができ
る。
【0026】
【発明の他の態様】この発明は、以下のような他の態様
も含んでいる。第1の態様は、フーリエ変換に変えて、
これに等価な変換を用いる態様である。周波数領域への
変換により実数部と虚数部を持つような変換であれば、
同様に適用することができる。第2の態様は、コンピュ
ータに上記の発明の各工程または各部の機能を実現させ
るコンピュータプログラムを通信経路を介して供給する
プログラム供給装置としての態様である。こうした態様
では、プログラムをネットワーク上のサーバなどに置
き、通信経路を介して、必要なプログラムをコンピュー
タにダウンロードし、これを実行することで、上記の方
法や装置を実現することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】A.装置の全体構成:以下、本発
明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。図1は、
本発明の一実施例としての電子透かし処理装置の構成を
示すブロック図である。この電子透かし処理装置は、C
PU22と、ROMおよびRAMを含むメインメモリ2
4と、フレームメモリ26と、キーボード30と、マウ
ス32と、表示装置34と、ハードディスク36と、モ
デム38と、画像を読み取るスキャナ39と、これらの
各要素を接続するバス40と、を備えるコンピュータで
ある。なお、図1では各種のインターフェイス回路は省
略されている。モデム38は、図示しない通信回線を介
してコンピュータネットワークに接続されている。コン
ピュータネットワークの図示しないサーバは、通信回線
を介してコンピュータプログラムを画像処理装置に供給
するプログラム供給装置としての機能を有する。
【0028】メインメモリ24には、電子透かし埋め込
み部42の機能を実現するためのコンピュータプログラ
ムが格納されている。電子透かし埋め込み部42の機能
については後述する。
【0029】この電子透かし埋め込み部42の機能を実
現するコンピュータプログラムは、フレキシブルディス
クやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記
録媒体に記録された形態で提供される。コンピュータ
は、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取
って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。ある
いは、通信経路を介してコンピュータにコンピュータプ
ログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプ
ログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納
されたコンピュータプログラムがコンピュータのマイク
ロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記
録されたコンピュータプログラムをコンピュータが読み
取って直接実行するようにしてもよい。
【0030】この明細書において、コンピュータとは、
ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概
念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作す
るハードウェア装置を意味している。また、オペレーシ
ョンシステムが不要でアプリケーションプログラム単独
でハードウェア装置を動作させるような場合には、その
ハードウェア装置自体がコンピュータに相当する。ハー
ドウェア装置は、CPU等のマイクロプロセッサと、記
録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取る
ための手段とを少なくとも備えている。コンピュータプ
ログラムは、このようなコンピュータに、上述の各手段
の機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。な
お、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラム
でなく、オペレーションシステムによって実現されてい
ても良い。
【0031】なお、この発明における「記録媒体」とし
ては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気デ
ィスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカー
ド、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピ
ュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)
および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な
種々の媒体を利用することができる。
【0032】実施例1 B.透かし情報の埋め込み処理1:図2は、離散フーリ
エ変換の実数部または虚数部の位相を制御することで透
かし情報を埋め込む電子透かし埋め込み部42の機能を
示すブロック図である。電子透かし埋め込み部42は、
離散フーリエ変換部50と、微小変化分付加部52と、
フーリエ逆変換部54とからなる。これらは、各々、変
換手段、位相差パターン付加手段、フーリエ逆変換手段
に相当する。
【0033】各部の機能を簡単に説明する。フーリエ変
換部50は、スキャナ39により読み取った画像データ
に対して離散フーリエ変換を行なう。横方向M画素,縦
方向N画素からなる画像Pの離散フーリエ変換Fは、画
像P0の画素値をp(m,n)で表わすと、次式(1)
により表わすことができる。なお、m=0,1,・・・
M−1、n=0,1,・・・N−1である。
【0034】
【数1】
【0035】上記離散フーリエ変換により得られた行列
(フーリエスペクトル)Fは、画像P0の空間周波数成
分を表わしている。ここで、オイラーの公式から exp(−jθ)=cosθ±jsinθ であることから、上記行列Fの実数部FR(u,v)は
偶対称性を有し、虚数部FI(u,v)は奇対称性を有
する。そこで、u=0,1,2・・・・M−1、v=
0,1,2・・・N−1であることを利用して、F(±
u,±v)について検討すると、次式(2)の関係が存
在することになる。
【0036】
【数2】
【0037】上記行列の周期性に着目して、更に拡張す
れば、 F(aM+u,bN+v)=F(u,v) が成立していることは容易に理解されよう。なお、a,
bは、いずれも整数である。
【0038】微小変化分付加部52は、離散フーリエ変
換部50により得られた上記行列Fに、位相差パターン
を電子透かしとして埋め込む。位相差パターンの埋め込
みの実際については、後述するが、上記のフーリエ変換
により得られた行列の対称性を保存するように、行列の
所定のスペクトルに微小な偏差を加えている。
【0039】フーリエ逆変換部54は、電子透かしとし
ての位相差パターンが埋め込まれたデータに対して、フ
ーリエ変換部50が行なった離散フーリエ変換の逆変換
を行なう。この逆変換は、式(1)に対応した記載に従
えば、次式(3)として表わすことができる。
【0040】
【数3】
【0041】ここで、逆変換された画素値p(m,n)
も、上述した対称性を有しており、 p(aM+m,bN+n)=p(m,n) となっている。
【0042】次に、図3のフローチャートを参照しつ
つ、微小変化分付加部52での処理を中心に、本実施例
における電子透かしの埋め込み手法について説明する。
図3は、CPU22が実行する電子透かし埋め込み処理
ルーチンを示すフローチャートである。画像に電子透か
しを埋め込む場合には、まず、画像P0の読み込みを行
なう(ステップS100)。この処理は、既述したよう
に、スキャナ39を駆動して写真などから直接画像デー
タを読み取るものであってもよいし、予め用意した画像
ファイルを読み込むものであっても良い。画像ファイル
は、例えばCD−ROMなどにより提供されるものでも
よいし、モデム38を介して通信により読み込むもので
あっても良い。図4(A)に、読み込んだ画像P0の一
例を示す。この画像P0は、256×256画素からな
り、各画素毎に256階調(8ビット)の階調値を持っ
ている画像である。
【0043】こうして読み込んだ画像データに対して、
離散フーリエ変換を行なう(ステップS110)。この
離散フーリエ変換は、上述した通りのものであって、離
散フーリエ変換部50による上記の演算処理として実現
される。なお、離散フーリエ変換部50は、専用のプロ
セッサにより実現しても良いし、CPU22による演算
により実現しても良い。離散フーリエ変換(DFT)を
行なう処理はライブラリ化されており、周知のものなの
で、ここでは説明を省略する。
【0044】離散フーリエ変換により、行列F(u,
v)が得られる。得られた行列Fの一部を図5に示し
た。図5では、便宜的に、要素u,v=0,1,2,3
およびu,v=253,254,255の部分のみを示
している。図5(A)は実数部FRの係数を、(B)は
虚数部FIの係数を、各々示している。なお、上述した
対称性から関連ある箇所を把握し易くするため、図5
(A)(B)では、要素0,0を中心にして示してい
る。この行列Fに対して、次に微小変化分の付加を行な
う(ステップS120)。その後、微小変化分が付加さ
れた行列Fを、逆変換し(ステップS130)、これを
電子透かしが埋め込まれた画像データとして出力する
(ステップS140)。電子透かしが埋め込まれた後の
画像P1を、図4(B)に示した。
【0045】微小変化分を付加する処理(ステップS1
20)は、図6にその詳細を示すが、次のように行なわ
れる。微小変化分ΔFの付加は、実数部FRまたは虚数
部FIに対して行なうことができる。以下の説明では、
虚数部FIに付加する場合を取り上げるが、実数部FR
に付加することも、対称性の違いに留意すれば、同様に
可能である。まず、微小変化分ΔFを付加する要素を特
定する処理を行なう(ステップS122)。微小変化分
ΔFの付加は、高周波領域に付加するか、あるいは付加
する変化分の大きさが小さければ、逆変換により得られ
る画像上でこれを視認することは困難になる。しかし、
高周波領域に付加した場合、データ圧縮により、失われ
る可能性が生じる。そこで、ここでは、圧縮に対する耐
性を高めるために、加える成分の大きさを所定値以下に
押さえるものとして、低周波領域に微小変化分ΔFを加
えることにしている。そこで、本実施例では、微小変化
分ΔFを加える領域を低周波領域内で特定している。こ
の実施例では、FI(0,2)およびFI(2,0)
に、微小変化分ΔFを加えるものとして、要素を特定し
ている。なお、上述した行列Fの対称性を示す式(2)
に従い、微小変化分ΔFを減算する要素として、FI
(0,254)およびFI(254,0)もまた特定す
る。後述するように、どの要素にどの程度の微小変化分
ΔFを加えるかにより、電子透かしとしての位相差パタ
ーンの形態は異なるから、どの要素に微小変化分を加え
るかということ自体が電子透かしを埋め込むこと(署
名)に直結している。したがって、この実施例では、微
小変化分ΔFを付加する要素を固定したり、微小変化分
ΔFの大きさを固定するといった構成とはしていないの
である。
【0046】次に、加える微小変化分ΔFの大きさを特
定する処理を行なう(ステップS124)。上述したよ
うに、微小変化分ΔFの大きさは、電子透かしが埋め込
まれた画像の画質に影響を与えるので、その大きさは制
限される。したがって、付加しようとする要素の大きさ
の2ないし10パーセント程度となるように、この実施
例では調整している。ここで、約5パーセントとなるよ
う特定している。
【0047】次に、ステップS122で特定した要素
に、ステップS124で特定した大きさの微小変化分Δ
Fを付加する処理を行なう(ステップS126)。この
実施例では、要素FI(0,2)、FI(2,0)に、
微小変化分ΔFとして、 ΔF=1.0×104 を加算し、要素FI(0,254)およびFI(25
4,0)から同じ値ΔFを減算した。
【0048】以上で微小変化分付加処理を完了し、図3
に示したフーリエ逆変換処理を実行することになる。こ
うして得られた変換済みの画像P1(図4(B)参照)
は、次の数式(4)により表わされる。
【0049】
【数4】
【0050】上記の処理が施された画像P1は、その空
間周波数における虚数成分のみを変化させているので、
位相のみが変化していることになる。即ち、得られた画
像P1は、もとの画像P0に対して、付加した微小変化
分ΔFに対応する位相成分Δθだけ変化した画像となっ
ている。そこで、二つの画像の画素値pの差分を求める
と、これが位相差W01となる。位相差W01は、次式
(5)として定義される。
【0051】
【数5】
【0052】この式(5)における位相差W01の絶対
値|W01|を求め、これを図示すると、本実施例で
は、図4(C)に示すパターンが得られる。このパター
ンを、位相差パターンと呼ぶ。この位相差パターンW0
1は、微小変化分を加える要素の座標値(u,v)や、
付加する変化分ΔFの大きさにより、様々な模様を採り
得る。したがって、この位相差パターン|W01|は、
電子透かしとして扱うことが可能である。即ち、 (1)微小変化分ΔFを付加する要素の選択 (2)要素に付加される微小変化分ΔFの大きさ の組み合わせを変えることにより、ほぼ無数の位相差パ
ターンのバリエーションを生み出すことができ、電子署
名として使用することができるのである。なお、署名と
して用いられた位相差パターンは、図4(C)に示した
ように、二次元的な繰り返しを含む特徴的な形状をして
おり、図形的なパターンとして人間にとって把握しやす
いという利点を有する。また、この電子透かしを埋め込
む画像の原画像P0は、公開せず秘匿しておく。
【0053】以上本発明の一実施例としての電子透かし
の埋め込み装置および埋め込み方法について説明した
が、埋め込まれたデータが電子透かしとして機能するた
めには、いくつかの条件が必要となる。この条件の一つ
がデータ圧縮などにより発生するノイズに対する耐性で
あることは既に述べた。本実施例の埋め込み方法によれ
ば、微小変化分ΔFは低周波領域に付加されているの
で、高周波領域の情報を削除するタイプの圧縮に対して
高い耐性を発揮することも説明したが、これらの耐ノイ
ズ性という点について、いくつかの実例を挙げて説明す
る。
【0054】まず、データ圧縮の場合について検討す
る。原画像P0に対して上述した手法により電子透かし
を埋め込んだ。即ち、原画像P0のフーリエスペクトル
に対して位相差パターンW01に対応した微小変化分ΔF
を付加し、これを逆変換して画像P1を得た。次に、こ
の画像P1をJPEG方式で75パーセントに圧縮し
た。圧縮により、元の画像の情報の一部が失われ、ノイ
ズが発生する。図7にこの一例を示す。図7に示した例
では、画像P1に埋め込まれている位相差パターン|W
01|(図7(A)参照)に対して、圧縮後の画像P1′
から抽出された位相差パターン|W01′|は、図7
(B)のようになり、かなりのノイズが重畳されること
が理解される。しかし、この場合でも、位相差パターン
の形態自体は崩れておらず、これを署名として利用する
ことができる。
【0055】次に、下位ビットプレーンの削除に対し
て、本実施例の電子透かしがどの程度の耐性を持ってい
るかを示す。図8(A)は、原画像P0に埋め込まれる
位相差パターンをしめす。署名された画像P1におい
て、その下位ビットプレーン0から2までのデータを削
除し、替わりに0で埋める処理を行なった。この結果得
られた画像P1′を、図8(B)に示した。下位ビット
プレーン0ないし2を、0で埋めたことによりノイズが
生じるが、この画像P1′と原画像P0との差分として
抽出される位相差パターン|W01′|は、図8(C)に
示すように、埋め込んだ位相差パターンの特徴を残して
おり、電子透かしとして機能する。
【0056】更に、位相差パターンを電子透かしとして
埋め込んだ画像に、−40dBから+40dBのホワイ
トノイズを加えた場合についても検討した。図9(A)
に示す位相差パターン|W01|を埋め込んだ後、上記の
ホワイトノイズが付加された画像を図9(B)に示し
た。この画像P1′と原画像P0との差分として抽出さ
れる位相差パターン|W01′|は、図9(C)に示すよ
うに、埋め込んだ位相差パターンの特徴を良く残してい
る。したがって、こうしたホワイトノイズが重畳した場
合でも、本実施例による電子透かしは十分に機能するこ
とが了解される。
【0057】以上、本実施例の電子透かしが、種々のノ
イズに対して耐性が高いことを示したが、電子透かしに
要求されるもう一つの条件は、正規の権限を有するもの
だけが透かしを取り出すことができ、また不正な手法で
この透かし情報を消去したり改竄したりできないことで
ある。この点について以下説明する。
【0058】本実施例では電子透かしを埋め込んだ画像
P1は、公開するが、原画像P0は、公開しない。とす
ると、電子透かしが埋め込まれた画像P1から、権限な
き者が透かし情報を読み取ることができないことがまず
必要とされる。電子透かしが埋め込まれた画像P1は、
原画像P0とそのフーリエスペクトルに加えた微小変化
分ΔFのみから作り出されている。したがって、原画像
P0が秘匿されていれば、署名済みの画像P1から、第
三者が署名に相当する位相差パターン|W01|を取り
出すことはできない。
【0059】しかも、署名済みの画像P1をフーリエ変
換してフーリエスペクトルを得たとしても、微小変化分
ΔFの大きさおよびこれが付加された要素F(u,v)
を特定することもできない。位相差パターン|W01|
を分離するために必要な微小変化分ΔFの大きさは要素
の値に対して数パーセントで足りるから、フーリエスペ
クトルを見ても際だって目立つことはない。したがっ
て、本実施例のように、5パーセント程度変化させられ
ている要素の値から、いずれかの要素に加えた微小変化
分を推定することはできない。
【0060】次に、この電子透かしに対して上書きがな
された場合について検討する。電子透かしに対する上書
きには、様々な手法が考えられるが、最も影響が大きい
ものの一つは、同じアルゴリズムを用いた上書きであ
る。上述した署名済みの画像P1から、微小変化分ΔF
の大きさやこれが付加された要素F(u,v)を判読ま
たは推定することはできないから、全く同じ条件で微小
変化分が付加されることはあり得ないと考える。しか
し、この位相差パターンの考え方を理解している者が、
同じアルゴリズムを用いた上書き攻撃を試みる可能性は
存在する。そこで署名済みの画像P1に対して1回以上
の上書き攻撃がなされた場合を考える。このとき、i番
目の攻撃を行なった者(以下、i番目の偽造者と呼ぶ)
は、入手した画像Pi-1 を原画像であると考えてこれに
位相差パターンを埋め込み、得られた画像Piを公開し
て署名済みの画像であると主張する。この場合i番目の
偽造者は、両画像の差 Wi-1,i =Pi-1 −Pi (i=2,3,・・・) をもって正規の透かしパターンであると主張することに
なる。
【0061】このとき、画像P0の正当な所有者(正規
の署名者)は、自己が公開した画像P1と、i番目の偽
造者が公開した画像Piとを用いて、容易に、 W0i=P0−Pi W1i=P1−Pi を作成することができる。こうして得られた位相差W0
i,W1iの更に差分を求めると、 ΔW=W0i−W1i=P0−Pi−(P1−Pi)=P0
−P1=W01 となり、画像P0の正当な所有者は、偽造されて公開さ
れた画像Piから、直ちに自己の署名W01を取り出すこ
とができる。これは、公開した画像P1に、多重に上書
き攻撃を加えても、画像Piには、依然として、正規の
署名が保存されていることを意味している。
【0062】この関係をi=2のケースについて例示し
たのが、図10(a)ないし(g)である。図10
(a)に示した原画像P0に対して正規の署名として図
10(d)の位相差パターン|W01|を加える処理S1
がなされ、この処理により得られた画像P1(図10
(b))に、偽造者により他の位相差パターンを加える
処理S2がなされて、図10(c)に示す画像P2が公
開されたとする。この場合、公開された画像P2と原画
像P0とから図10(e)に示した位相パターン|W02
|を得ることができる。同様に、正規の所有者が公開し
た画像P1と原画像P0とから図10(f)に示した位
相差パターン|W12|を得ることもできる。両者の差分
を求めると、図10(g)に示す位相差パターンを得る
ことができる。これは、正規の所有者が原画像に与えた
署名と一致している。この例では、i=2としたので、
偽造者が加えた位相差パターンW12自体が求められてい
るが、i=3以上の場合のように、偽造者が加えた位相
差パターン自体は未知であって差し支えない。本発明の
署名によれば、偽造者が加えた位相差パターンが不明で
あっても、正規の所有者が埋め込んだ位相差パターン
を、複数回の上書き攻撃がなされた画像から取り出すこ
とができるのである。
【0063】以上説明したように、本実施例の電子透か
しの埋め込み方法により埋め込んだ電子透かしは、デー
タ圧縮に対してもまた複数回の上書き攻撃に対しても、
十分な耐性を有する。なお、図7ないし図9を用いて説
明したノイズやデータ圧縮と上記の上書き攻撃とが重複
した場合でも、原画像P0に加えた位相差パターンは保
存され、電子透かしとして用いることができる。
【0064】実施例2 C.透かし情報の埋め込み処理2:図11は、電子透か
し埋め込み部42の他の実施例である機能ブロック図で
ある。この実施例における電子透かし埋め込み部42
は、データ圧縮処理とフーリエ変換の実数部または虚数
部の位相を制御する処理とを組み合わせることで、透か
し情報を埋め込む。従って、データ圧縮関連の処理を除
いては前述の実施例1と同様であるため、以下は本実施
例に特徴的な部分について説明する。
【0065】電子透かし埋め込み部42は、データ圧縮
処理部60と、実施例1と同じ離散フーリエ変換部6
2,微小変化分付加部64,フーリエ逆変換部66と、
データ逆圧縮(伸長)処理部68とからなる。このデー
タ圧縮処理部60がデータ変換手段に、データ逆圧縮
(伸長)処理部68が逆変換手段に相当する。
【0066】本実施例に特有の機能を簡単に説明する。
データ圧縮処理部60は、スキャナ39により読み取っ
た画像データに対してウェーブレット変換(Wavel
etTransform)を行なう。このウェーブレッ
ト変換の詳細は「ウェーブレットビギナーズガイド」
(東京電機大学出版局 1995)に詳しい。本実施例
では、その中でも最も簡単なハール(Haar)基底を
用いる直交ウェーブレット変換について述べる。
【0067】図12(a)に示す2×2画素の領域に対
して次式(6)の変換を定義する。
【0068】
【数6】
【0069】その結果を同図(b)に示す。この演算規
則を与えられた画像の全域に対して図13に示す手順で
逐次1/2×1/2の領域に適用する方法をハールウェ
ーブレット変換と呼んでいる。この分割はLLn部分が
1×1要素になるまでn回再帰的に繰り返すことが可能
である。また、原画像が縦横半分に分割されたとき、第
1階層におけるLL1は直流成分、LH1は横方向の差
分、HL1は縦方向の差分、HH1は斜め方向の差分情
報をそれぞれ表現している。また、LLは多重解像度近
似(MRA成分と呼ぶ)、LH,HH,HLは多重解像
度表現(MRR成分と呼ぶ)を表している。すなわち、
LL部分が画像の内容を表す低周波成分をもっており、
他の部分は画像の高周波成分を示している。
【0070】一方、一般に行なわれているデータ圧縮技
術においては、画像のもつ高周波成分を削除するアルゴ
リズムが主流である。従って、画像の高周波領域に透か
し情報を埋め込むと、この画像を圧縮する際、透かし情
報が失われてしまう可能性がある。
【0071】そこで、実施例1にて説明したフーリエ変
換に先立って原画像データをウェーブレット変換し、原
画像の輝度情報を豊富に保有している多重解像度近似
(MRA)成分にフーリエ変換を施し、位相差パターン
による透かし情報を埋め込むのである。この処理方法に
よれば、フーリエ変換による位相差パターンの埋め込み
単独では弱いデータ圧縮処理への耐性が強化され、ウェ
ーブレット変換単独では防ぐことができない上書き攻撃
を容易に識別することができるという優れた相乗効果を
発揮する。
【0072】こうしたデータ圧縮処理部60による処理
の後に、実施例1と同じ離散フーリエ変換部62,微小
変化分付加部64,フーリエ逆変換部66による処理を
行なって位相差データを埋め込み、最後にウェーブレッ
ト逆変換を行なうデータ逆圧縮(伸長)処理部68によ
って電子透かし埋め込み済みの画像データを得るのであ
る。
【0073】以下、図14のフローチャートを参照しつ
つ、本実施例における電子透かしの埋め込み手法につい
て説明する。図14は、CPU22が実行する電子透か
し埋め込み処理ルーチンを示すフローチャートである。
画像に電子透かしを埋め込む場合には、まず、画像P0
の読み込みを行ない(ステップS200)、読み込んだ
画像データに対して、ウェーブレット変換を行なう(ス
テップS210)。図15は、前述した実施例同様に図
4(A)の画像データP0を原画像とし、第2階層へと
分解したときの画像データを示している。破線で囲った
領域LL2が、MRA成分を示しているが、上述した式
(6)から了解されるように、この領域はダウンサンプ
リングされた通常のデータと何ら変わるところがなく、
主として低周波成分からなる領域である。
【0074】この領域LL2の画像データに対して離散
フーリエ変換を施し(ステップS220)、こうして得
られた虚数部FIの座標(0,2)及び(2,0)に注
目し、透かし信号S1としてΔFI(0,2)=ΔFI
(2,0)=1.0×102を付加する(ステップS2
30)。なお、この時には同時に、その対称性を維持す
るためにΔFI(0,62)およびΔFI(62,2)
に、−1.0×102を加える処理を行なう。
【0075】この結果をフーリエ逆変換し(ステップS
240)、その後、図15に示した全画像に対して、最
上位層までウェーブレット逆変換を施し(ステップS2
50)、最終目的である電子透かし情報が埋め込まれた
画像を出力する(ステップS260)。この一連の処理
により得られた変換済みの画像Q1(={q1(m,
n)|m,n=0,1,2,・・・・,255})は、
図16(a)に示すように、微小変化分ΔFIに対応し
て、位相成分がΔθだけ変化した画像となる。電子透か
し情報を付加したことによる原画像P0からの画質の劣
化は認められない。また、こうして得られた画像Q1
を、高周波成分を削除するいわゆる非可逆的な圧縮方法
で圧縮しても、電子透かしは、低周波成分に対応した領
域LL2に加えられていることから、失われることがな
い。
【0076】こうして付加された電子透かし、即ち位相
差パターンは、2つの画像{P0,Q1}間の各画素値
の差分、すなわち位相差W01として、第1実施例同
様、次のようにして得られる。図15に示す画像LL2
に何の処理も施さず、そのまま最上階層までウェーブレ
ット逆変換した画像をQ0(={q0(m,n)|m,
n=0,1,2,・・・・,255})で表すと、Q0
≒P0であるから、このQ0と変換済みの画像Q1との
位相差W01の絶対値|W01|を求めて図示すると、
前述の図16(b)の位相差パターンが得られる。これ
を、電子透かしとして扱うことが可能である。
【0077】本実施例にあっても、位相差パターンを求
めるに当たり原画像P0が必要であるから、この原画像
を秘密状態に保管しておけば、第三者は、変換済みの画
像Q1のみから、電子透かしの情報を抽出することはで
きない。また、Q1からΔFI(u,v)を推定するこ
とも前記第1実施例同様に困難である。
【0078】更に、同じアルゴリズムを用いた上書き攻
撃についても、同様に十分な耐性を有する。すなわち、
i番目の攻撃を行なう者は、入手した画像Qi-1 を原画
像であると考えてこれをウェーブレット変換し、同じア
ルゴリズムを使って透かし信号Siを加え、ウェーブレ
ット逆変換してQiを作成する。そして、この画像Qi
を公開し、Wi-1=Qi-1−Qiをもって偽造者iの透か
しパターンであると主張する。
【0079】そこで、画像P0の正当な所有者(正規の
署名者)は、自己が公開した画像Q1と、i番目の偽造
者が公開した画像Qiとを用いて、容易に、 W0i=Q0−Qi W1i=Q1−Qi を作成することができる。そして、画像Q0(≒P0)
の所有者は、公開された画像Qiの中に既にW01が埋
め込まれていることを次のように証明することができ
る。すなわち、 W0i−W1i=(Q0−Qi)−(Q1−Qi)=Q0−Q1=W01 (7 ) となり、画像Q0の正当な所有者は、偽造されて公開さ
れた画像Qiから、直ちに自己の署名W01を取り出すこ
とができるのである。
【0080】この関係をi=2のケースについて例示し
たのが、図17(a)ないし(g)である。図17
(a)に示した原画像Q0に対する透かし信号S1によ
ってQ1が得られ、画像Q0,Q1から位相差パターン
図(d)が生成される。同様な透かし信号S2によって
Q1が上書きされても、同図(g)に示すように画像Q
2の中に、正当な位相差パターンが保存されていること
が直ちに理解される。
【0081】更に過酷な上書き攻撃として結託攻撃があ
る。これは、原画像P0の所有者が2人以上の人物に、
原画像P0のコピー(但し、埋め込まれた電子透かし情
報は異なる)を正当な手段で配布したとき、その受領者
が結託して原画像P0を推定することが可能であるか否
かという問題である。電子透かしは、配布の形態を考え
ると、同じ画像に対して、異なる署名を用いなければな
らない場合が存在する。例えば、一つの画像を二以上の
ものに正規に配布した後で、不正なコピーが配布された
場合は、その流出元を探索するためには、正規に配布さ
れた画像には、異なる署名がなされていることが必要に
なる。複数のコピーを、異なるチャンネルに正規に配布
する場合には、異なる署名を付加することが望ましい
が、同じアルゴリズムで異なる電子透かしを埋め込んだ
2以上の画像が存在すると、原画像を秘密状態に保管し
ておいても、配布された2以上の画像から、電子透かし
を特定し、これを攻撃することが容易となりやすい。
【0082】この結託攻撃に対する本実施例の電子透か
しの耐性について簡略に検討する。議論を簡単にするた
めに、コピー受領者をa,bとし、それぞれに異なる透
かし信号を埋め込んだ画像Q1a,Q1bを配布したと
する。このとき、Q1a,Q1bのフーリエ変換による
周波数スペクトルF1a,F1bの差分を作ると、透か
し信号S1a,S1bを知ることができる。従って、仮
にS1a≠S1bならば(S1a,S1b)の結果とフ
ーリエスペクトルF1a,F1bから、原画像のフーリ
エスペクトルF0を推定し、これを逆変換することで原
画像P0の近似画像Q0を再構築することができる。こ
の場合、結果的に透かし信号S1を察知することができ
ることになる。そこで、こうした結託攻撃に対処するた
めには、微小変化分ΔFを、微小変化分ΔFを埋め込ん
だ後、画像を異なる圧縮率で圧縮して、周波数スペクト
ルF1a,F1bの分布を歪ませておけばよい。あるい
は、付加する微小変化分ΔFの絶対値は異ならせるもの
の、微小変化分ΔFを加えるフーリエスペクトル上の位
置を同一にしておけばよい。後者の例を、図17(h)
ないし(j)に示す。図17(h)は、周波数スペクト
ルF1a,F1b上の同一個所に異なる量の透かし信号
S3を埋め込んだときに得られる画像を、同図(i)は
透かし信号S3に対する位相差パターンを、各々示して
いる。この例では、同図(j)に示す周波数スペクトル
F1a,F1bの差分値|S1a−S1b|は、同じ箇
所に累積した値として現われるから、二つのコピー画像
にそれぞれ付加した電子透かしに対応したスペクトル値
を予想することは実質上まったく困難である。
【0083】以下、その他の画像処理に対する本実施例
の優位性について説明する。図18(a)〜(c)は、
電子透かしを埋め込んだ画像Q1を作成するために必要
とした微小変化分ΔF1(u,v)の値を変化させたと
きの出力画像、位相差パターンを、対応づけて示す説明
図である。埋め込み情報が大きくなるに従い画質の劣化
を招き、画像が乱れるが、埋め込み量がΔF1(u,
v)=2.0×102 程度までは出力画像に視覚的な劣
化は認められず、必要十分な実用性が認められることが
理解されよう。
【0084】図19は、データ圧縮処理と上書き攻撃に
ついての実験である。図19(a)は、第2実施例の手
法により電子署名が埋め込まれた画像Q1の位相差パタ
ーン|W01|を示しており、この画像Q1をJPEG
方式で75パーセントに圧縮した場合の画像を、同図
(b)に示す。この画像Q′1には、非圧縮のQ0(≒
P0)との差分に相当するノイズが生じる。このとき、
位相差パターンW01は、同図(c)に示したように、
W′01=Q0−Q′1に変化する。そして、このQ′
1に対して第三者が、同図(d)に示す位相差パターン
W′′12(=Q′1−Q′2)を、電子透かしとして
埋め込むと、画像の位相差パターンW02は、同図
(e)に示すように、W′02に変化する。この場合で
も、画像Q1と画像Q2との差分として得られる位相差
パターンのW′12(図19(f)参照)を用いて、 W′02−W′12=W′01≒W01 (8) として元の位相差パターンW01を取り出すことができ
る。
【0085】図20は、下位ビットプレーンの削除に対
して、第2実施例の電子透かしがどの程度の耐性を持っ
ているかを示す説明図である。同図(a)は、電子透か
しとして付加された位相差パターン|W01|を示す。
この透かし信号S1を埋め込んだ画像Q1のビットプレ
ーン0から1までのデータを削除し、替わりに0で埋
め、最大値が255になるような正規化する処理を行な
った。このとき得られた画像Q′1を、同図(b)に示
した。下位のビットプレーンを削除すると、この画像
Q′1と原画像P0との差分にノイズが発生し、位相差
パターンW01は、同図(c)に示す位相差パターン
W′01に、変化した。この画像Q′1に対し、第三者
が、同図(d)に示す位相差パターンW′′12(=
Q′1−Q′2)を、新たな電子透かしとして埋め込ん
だとき、同図(e)に示した位相差パターンW′02が
得られる。この場合でも、同図(f)に示した位相差パ
ターンW′12を用いて、上式(8)で示したように、
元の位相差パターンW01とほぼ同じパターンを得るこ
とが可能である。また、削除するビットプレーンを変え
て実験を行なった結果、ビットプレーンは0〜3までで
あれば、削除しても、位相差パターンを復元できた。
【0086】次に、電子透かしを埋め込んだ画像に種々
のノイズを加えた場合の透かしの保存性について説明す
る。図21は、原画像P0に、(a)に示す位相差パタ
ーンW01を電子透かし信号S1として埋め込んだ画像
Q1に対し、−40dBから+40dBのガウス性雑音
を加えた場合についての検討結果を示す説明図である。
雑音が付加された画像Q′1を、同図(b)に示す。こ
の場合、原画像P0との差分がノイズとなり、埋め込ま
れた位相差パターンW01は、同図(c)に示すよう
に、パターンW′01に変化する。かかるノイズが加え
られた画像Q′1に対し、第三者が同図(d)に示す位
相差パターンW′′12(=Q′1−Q′2)を、電子
透かしとして埋め込んだとき、位相差パターンW′02
は、同図(e)のように変化する。かかる場合でも、二
つの画像の差分として得られる位相差パターンW′12
(図21(f)参照)を用いて、式(8)で示したよう
に、正規の電子透かしに対応した位相差パターンW01
とほぼ同じパターンを得ることが可能である。すなわ
ち、こうしたノイズの重畳に対しても本実施例による電
子透かしは十分に機能する。
【0087】図22は、誤差拡散法を用いた階調変換に
対する検討結果を示す説明図である。同図(a)は位相
差パターン|W01|を示しており、この位相差パター
ンW01を、透かし信号S1として埋め込んだ画像Q1
を6階調に落とす処理を行なった結果を、同図(b)に
示した。階調を低減したことにより画像Q′1が得られ
た。この画像Q′1と原画像P0との差分にはノイズが
発生し、埋め込まれた位相差パターンW01は、同図
(c)に示したパターンW′01に変化する。この画像
Q′1に対し、第三者が同図(d)に示す位相差パター
ンW′′12(=Q′1−Q′2)を電子透かしとして
埋め込んだとき、位相差パターンW02は、同図(e)
に示したパターンW′02に変化する。この場合でも、
同図(f)に示した位相差パターンW′12を用い、上
述した式(8)で示した演算操作を行なうことにより、
容易に、正規の電子透かしに対応した位相差パターンW
01とほぼ同じパターンを得ることができる。
【0088】以上説明したように、第2実施例の電子透
かしの埋め込み方法により埋め込んだ電子透かしは、デ
ータ圧縮に対してもまた複数回の上書き攻撃に対して
も、十分な耐性を有するばかりでなく、最も悪意的な結
託攻撃に対しても実用的な耐性を付与することができ
る。また、図19ないし図22を用いて説明したノイズ
やデータ圧縮と上記の上書き攻撃とが重複した場合で
も、原画像P0に加えた位相差パターンは保存され、電
子透かしとして用いることができる。
【0089】以上本発明のいくつかの実施例について説
明したが、本発明は上記の実施例や実施形態に限られる
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々
の態様において実施することが可能である。例えばフー
リエ変換により得られた行列の実数部に、微小変化分を
付加することも何ら差し支えない。また、フーリエ変換
された行列の高周波領域に対応する要素に、微小変化分
を付加するものとしても良い。更に、主として低周波成
分からなる領域が特定できる変換方法としては、ウェッ
ブレット変換に何ら限定されるものではなく、他の変換
方法を採用することも何ら差し支えない。もとより、ウ
ェッブレット変換も、ハール基底を用いるものに限定さ
れるものではなく、他の手法を用いたウェッブレット変
換を用いこるともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としての電子透かし処理装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】電子透かし埋め込み部42の機能を示すブロッ
ク図である。
【図3】実施例1の透かし情報の埋め込み処理の手順を
示すフローチャートである。
【図4】本実施例において扱われる原画像P0、電子透
かしを埋め込んだ画像P1および埋め込まれた位相差パ
ターンW01の一例を示す説明図である。
【図5】実施例において得られたフーリエ変換スペクト
ルの実数部FR,虚数部FIの一部を示す説明図であ
る。
【図6】微小変化分付加ルーチンの詳細を示すフローチ
ャートである。
【図7】データ圧縮による実施例の位相差パターンの変
化の様子を示す説明図である。
【図8】同じく下位ビットレートの一部代替による画像
と位相差パターンの変化の様子を示す説明図である。
【図9】同じくホワイトノイズによる画像と位相差パタ
ーンの変化の様子を示す説明図である。
【図10】多重攻撃を受けた画像と位相差パターンの一
例を示す説明図である。
【図11】実施例2の透かし情報の埋め込み処理の手順
を示すフローチャートである。
【図12】ハールウェーブレット変換の説明図である。
【図13】画像の多重解像度解析手順の説明図である。
【図14】実施例2の遠視透かし埋め込み処理ルーチン
のフローチャートである。
【図15】実施例2の第2階層への分解を説明する説明
図である。
【図16】その透かし埋め込み画像と位相差パターン図
である。
【図17】その透かし埋め込み画像への多重上書き攻撃
の一例の説明図である。
【図18】透かし埋め込みによる画質の評価結果の説明
図である。
【図19】JPEG圧縮への耐性の評価結果の説明図で
ある。
【図20】下位ビットプレーン削除処理への耐性の評価
結果の説明図である。
【図21】雑音付加への耐性の評価結果の説明図であ
る。
【図22】階調変換への耐性の評価結果の説明図であ
る。
【符号の説明】
22…CPU 24…メインメモリ 26…フレームメモリ 30…キーボード 32…マウス 34…表示装置 36…ハードディスク 38…モデム 39…スキャナ 40…バス 42…電子透かし埋め込み部 50…離散フーリエ変換部 52…微小変化分付加部 54…フーリエ逆変換部 60…データ圧縮処理部 62…離散フーリエ変換部 64…微小変化分付加部 66…フーリエ逆変換部 68…データ逆圧縮処理部

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透かし情報を原データに埋め込む方法で
    あって、(a)原データを離散フーリエ変換する工程
    と、(b)該フーリエ変換により得られた実数部または
    虚数部に、透かし情報として予め定めた位相差パターン
    に対応した微小変化分を付加する工程と、(c)該微小
    変化分を付加したデータをフーリエ逆変換することによ
    り透かし情報を埋め込んだデータを生成する工程とを備
    える電子透かしの埋め込み方法。
  2. 【請求項2】 前記工程(b)は、実数部あるいは虚数
    部の特定周波数(m,n)のスペクトルF(m,n)に
    微小な変化分ΔFを付加する工程である請求項1記載の
    電子透かしの埋め込み方法。
  3. 【請求項3】 前記工程(b)は、前記実数部または虚
    数部の対称性を保存して前記微小な変化分ΔFの付加を
    行なう工程である請求項2記載の電子透かしの埋め込み
    方法。
  4. 【請求項4】 前記付加する微小変化分は、付加される
    スペクトルの2ないし10パーセントの大きさである請
    求項3記載の電子透かしの埋め込み方法。
  5. 【請求項5】 前記工程(b)により微小変化分を付加
    する実数部または虚数部は、低周波領域内の成分である
    請求項1記載の電子透かしの埋め込み方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電子透かしの埋め込み方
    法であって、 前記工程(a)の離散フーリエ変換に先立って、原デー
    タを、主として低周波成分に対応した領域が特定可能な
    データに変換する工程(a0)と、前記工程(c)のフ
    ーリエ逆変換の後に前記工程(ao)で行なったデータ
    変換の逆変換を施す工程(ax)とを付加すると共に、 前記工程(a)では、前記工程(ao)により変換され
    たデータのうち前記主として低周波成分に対応した領域
    のデータに対して、前記離散フーリエ変換を行なう電子
    透かしの埋め込み方法。
  7. 【請求項7】 前記データ圧縮およびデータ圧縮の逆変
    換は、ウェーブレット変換およびウェーブレット逆変換
    である請求項6記載の電子透かしの埋め込み方法。
  8. 【請求項8】 前記原データは、二次元的な画像データ
    である請求項1記載の電子透かしの埋め込み方法。
  9. 【請求項9】 原データに、請求項1の手法により、透
    かし情報が埋め込まれた署名済みデータが存在する場合
    に、該埋め込まれた透かし情報を検出する方法であっ
    て、 前記原データと前記署名済みデータとの差分を位相差パ
    ターンとして取り出し、 該位相差パターンを前記署名済みのデータの電子透かし
    として検出する電子透かしの検出方法。
  10. 【請求項10】 原データに、請求項6の手法により、
    透かし情報が埋め込まれた署名済みデータが存在する場
    合に、該埋め込まれた透かし情報を検出する方法であっ
    て、 前記原データを前記工程a0により変換し、 前記署名済みデータを前記工程a0により変換し、 両変換されたデータの差分を位相差パターンとして取り
    出し、 該位相差パターンを前記署名済みデータの電子透かしと
    して検出する電子透かしの検出方法。
  11. 【請求項11】 原データP0に位相差パターンW1の
    透かし情報を正規に埋め込んだ正規データP1に対して
    請求項1記載の方法により、複数回他の位相差パターン
    Wi(i=2,3・・・)を透かし情報として埋め込ん
    だデータPiが存在する場合に、原データP0に埋め込
    まれた透かし情報である位相差パターンW1を証明する
    方法であって、(d)原データP0と複数回他の位相差
    パターンが埋め込まれたデータPiとの差分を取り出す
    工程と、(e)正規データP1と複数回他の位相差パタ
    ーンが埋め込まれたデータPiとの差分を取り出す工程
    と、(f)前記正規の位相差パターンW1を、前記
    (d)および(e)の工程により取り出された差分の差
    分として抽出する工程とを備えた証明方法。
  12. 【請求項12】 原データP0を、主として低周波成分
    からなる領域を特定可能なデータに変換した後、該領域
    に位相差パターンW1の透かし情報を正規に埋め込んだ
    正規データQ1に対して請求項1または6記載の方法に
    より、複数回他の位相差パターンWi(i=2,3・・
    ・)を透かし情報として埋め込んだデータQiが存在す
    る場合に、原データQ0に埋め込まれた透かし情報であ
    る位相差パターンW1を証明する方法であって、(g)
    原データQ0と複数回他の位相差パターンが埋め込まれ
    たデータQiとの差分を取り出す工程と、(h)正規デ
    ータQ1と複数回他の位相差パターンが埋め込まれたデ
    ータQiとの差分を取り出す工程と、(i)前記正規の
    位相差パターンW1を、前記(g)および(h)の工程
    により取り出された差分の差分として抽出する工程とを
    備えた証明方法。
  13. 【請求項13】 透かし情報を原データに埋め込む装置
    であって、 原データを離散フーリエ変換する変換手段と、 該フーリエ変換により得られた実数部または虚数部に、
    透かし情報として予め定めた位相差パターンに対応した
    微小変化分を付加する位相差パターン付加手段と、 該微小変化分を付加したデータを逆変換することにより
    透かし情報を埋め込んだデータを生成するフーリエ逆変
    換手段とを備える電子透かしの埋め込み装置。
  14. 【請求項14】 透かし情報を原データに埋め込む装置
    であって、 原データを、主として低周波成分に対応した領域を特定
    可能なデータに変換するデータ変換手段と、 該変換されたデータのうち、前記領域に対応するデータ
    を離散フーリエ変換する変換手段と、 該フーリエ変換により得られた実数部または虚数部に、
    透かし情報として予め定めた位相差パターンに対応した
    微小変化分を付加する位相差パターン付加手段と、 該微小変化分を付加したデータをフーリエ逆変換するフ
    ーリエ逆変換手段と、 該フーリエ逆変換されたデータを他の領域のデータと共
    に、前記変換の逆変換することにより透かし情報を埋め
    込んだデータを生成する逆変換手段とを備える電子透か
    しの埋め込み装置。
  15. 【請求項15】 透かし情報を原データに埋め込むプロ
    グラムをコンピュータにより読み取り可能に記憶した記
    憶媒体であって、 原データを入力する機能と、 該入力した原データを離散フーリエ変換する機能と、 該フーリエ変換により得られた実数部または虚数部に、
    透かし情報として予め定めた位相差パターンに対応した
    微小変化分を付加する機能と、 該微小変化分を付加したデータを逆変換したデータを出
    力する機能とをコンピュータにより実現可能に記憶した
    記憶媒体。
  16. 【請求項16】 透かし情報を原データに埋め込むプロ
    グラムをコンピュータにより読み取り可能に記憶した記
    憶媒体であって、 原データを入力する機能と、 原データを、主として低周波成分に対応した領域を特定
    可能なデータに変換する機能と、 該変換されたデータのうち、前記領域に対応するデータ
    を離散フーリエ変換する機能と、 該フーリエ変換により得られた実数部または虚数部に、
    透かし情報として予め定めた位相差パターンに対応した
    微小変化分を付加する機能と、 該微小変化分を付加したデータをフーリエ逆変換する機
    能と、 該フーリエ逆変換されたデータを他の領域のデータと共
    に、前記変換の逆変換することにより透かし情報を埋め
    込んだデータを生成する機能とをコンピュータにより実
    現可能に記憶した記憶媒体。
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