WO2025211147A1 - 直接還元鉄の製造装置および直接還元鉄の製造方法 - Google Patents
直接還元鉄の製造装置および直接還元鉄の製造方法Info
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- Y02P10/134—Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions by avoiding CO2, e.g. using hydrogen
Definitions
- the present invention relates to an apparatus for producing direct reduced iron and a method for producing direct reduced iron.
- reduced iron is produced using shaft furnace operation with natural gas (NG) as the reducing gas, as in the HyL and Midrex processes.
- NG natural gas
- the reduced iron it is preferable for the reduced iron to contain around 4% carbon.
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Abstract
この直接還元鉄の製造装置は、水素ガスを使用して直接還元鉄を製造するシャフト炉と、前記シャフト炉の排ガスを除塵する除塵装置と、前記除塵された前記排ガスを脱水し、循環ガスを得る脱水装置と、前記循環ガスに前記水素ガスを導入し、前記循環ガス及び前記水素ガスを含む加熱前ガスを得る、水素ガス導入装置と、前記加熱前ガスを加熱して還元ガスとする、加熱装置と、前記循環ガス、前記加熱前ガス、および前記還元ガスのうち少なくとも1つへ炭化水素ガスを導入する炭化水素ガス導入装置と、 を備える。
Description
本発明は、直接還元鉄の製造装置および直接還元鉄の製造方法に関する。
本願は、2024年4月2日に、日本に出願された特願2024-059691号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本願は、2024年4月2日に、日本に出願された特願2024-059691号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
現在、HyL法やMidrex法として、天然ガス(NG)を還元ガスとして用いたシャフト炉操業で還元鉄が生産されている。還元鉄の融点を低下させて次工程の電気炉での溶解を容易にするために、還元鉄には、4%程度の炭素を含有させることが好ましい。
例えば、成型がなく還元後に冷却した状態で製造される直接還元鉄(DRI)では、シャフト炉内の冷却工程でメタン等のガスで浸炭することで炭素濃度を向上させるのが一般的である(特許文献1、非特許文献1)。還元鉄をペレットのままで使用する場合、ペレットを冷却する必要があるため、メタンガスで冷却することは問題が無い。一方、還元鉄を海上輸送する場合、防災上、ホットブリケットアイアン(HBI)に加工することが義務付けられている。シャフト炉外の熱間塊成化によってホットブリケットアイアン(HBI)を製造する場合は、炉外に700℃程度の温度で還元された鉄を排出する必要があり、上述の冷却工程を用いることができない。そのため、HBIを製造する場合において、還元後に、還元鉄中の炭素濃度を高めることは難しい。
メタンガスで製造したHBIの炭素濃度は通常0.5%~1.5%であり、冷却工程で浸炭したDRIの炭素濃度の半分以下に留まる。CO2削減の観点から、H2を還元ガスとして用いることが好ましいが、H2を還元ガスとして用いると、還元ガス中に炭素が含まれないため、還元過程で炭素濃度が上がらず、HBIにはほとんど炭素が含まれなくなるという課題がある。
冷却帯で効率的に加炭する技術としては、特許文献1に原料ガスである天然ガスを分解せず、冷却ガス中にメタンを残留させる技術が開示されている。
ENERGIRON-Technology-General Overview (2012)
しかし、非特許文献1に開示の技術では、原料ガスとして天然ガスを使用しているので、CO2削減効果が低い。
本発明は上記事情を鑑みなされた発明であり、水素を原料ガスとして使用する直接還元炉において、高温排出でも還元鉄の浸炭が可能な直接還元鉄の製造装置および直接還元鉄の製造方法の提供を目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明の態様1の直接還元鉄の製造装置は、
水素ガスを使用して直接還元鉄を製造するシャフト炉と、
前記シャフト炉の排ガスを除塵する除塵装置と、
前記除塵された前記排ガスを脱水し、循環ガスを得る脱水装置と、
前記循環ガスに前記水素ガスを導入し、前記循環ガス及び前記水素ガスを含む加熱前ガスとする、水素ガス導入装置と、
前記循環ガスおよび前記水素ガスを含む加熱前ガスを加熱して還元ガスとする加熱装置と、
前記循環ガス、前記加熱前ガス、および前記還元ガスのうち少なくとも1つへ炭化水素ガスを導入する炭化水素ガス導入装置と、
を備える。
(2)本発明の態様2は、態様1の直接還元鉄の製造装置において、
前記循環ガス中のトレーサーガスの濃度を測定するガス分析装置と、
前記トレーサーガスの濃度に応じて、前記炭化水素ガス導入装置の炭化水素ガス導入量を制御する制御装置と、
をさらに備える。
(3)本発明の態様3は、態様2の直接還元鉄の製造装置において、
前記トレーサーガスがCO2である。
(4)本発明の態様4は、態様1~3のいずれか1つの直接還元鉄の製造装置において、 前記直接還元鉄中の炭素濃度を測定する炭素分析装置をさらに備える。
(5)本発明の態様5の直接還元鉄の製造方法は、シャフト炉を用い、水素ガスを使用して直接還元鉄を製造する直接還元鉄の製造方法において、
前記シャフト炉の排ガスを除塵する除塵工程と、
前記除塵工程で除塵された前記排ガスを脱水し、循環ガスを得る脱水工程と、
前記循環ガスに前記水素ガスを導入し、前記循環ガス及び前記水素ガスを含む加熱前ガスを得る水素ガス導入工程と、
前記循環ガスおよび前記水素ガスを含む加熱前ガスを加熱して還元ガスとする加熱工程と、
前記循環ガス、前記加熱前ガス、および前記還元ガスのうち少なくとも1つへ炭化水素ガスを導入する炭化水素ガス導入工程と、
を含む。
(1)本発明の態様1の直接還元鉄の製造装置は、
水素ガスを使用して直接還元鉄を製造するシャフト炉と、
前記シャフト炉の排ガスを除塵する除塵装置と、
前記除塵された前記排ガスを脱水し、循環ガスを得る脱水装置と、
前記循環ガスに前記水素ガスを導入し、前記循環ガス及び前記水素ガスを含む加熱前ガスとする、水素ガス導入装置と、
前記循環ガスおよび前記水素ガスを含む加熱前ガスを加熱して還元ガスとする加熱装置と、
前記循環ガス、前記加熱前ガス、および前記還元ガスのうち少なくとも1つへ炭化水素ガスを導入する炭化水素ガス導入装置と、
を備える。
(2)本発明の態様2は、態様1の直接還元鉄の製造装置において、
前記循環ガス中のトレーサーガスの濃度を測定するガス分析装置と、
前記トレーサーガスの濃度に応じて、前記炭化水素ガス導入装置の炭化水素ガス導入量を制御する制御装置と、
をさらに備える。
(3)本発明の態様3は、態様2の直接還元鉄の製造装置において、
前記トレーサーガスがCO2である。
(4)本発明の態様4は、態様1~3のいずれか1つの直接還元鉄の製造装置において、 前記直接還元鉄中の炭素濃度を測定する炭素分析装置をさらに備える。
(5)本発明の態様5の直接還元鉄の製造方法は、シャフト炉を用い、水素ガスを使用して直接還元鉄を製造する直接還元鉄の製造方法において、
前記シャフト炉の排ガスを除塵する除塵工程と、
前記除塵工程で除塵された前記排ガスを脱水し、循環ガスを得る脱水工程と、
前記循環ガスに前記水素ガスを導入し、前記循環ガス及び前記水素ガスを含む加熱前ガスを得る水素ガス導入工程と、
前記循環ガスおよび前記水素ガスを含む加熱前ガスを加熱して還元ガスとする加熱工程と、
前記循環ガス、前記加熱前ガス、および前記還元ガスのうち少なくとも1つへ炭化水素ガスを導入する炭化水素ガス導入工程と、
を含む。
本発明の上記各態様によれば、水素ガスを使用する直接還元炉において、高温排出でも還元鉄の浸炭が可能な直接還元鉄の製造装置および直接還元鉄の製造方法を提供することができる。
(第1実施形態)
以下、図面を参照しつつ、第1実施形態にかかる直接還元鉄の製造装置100および直接還元鉄の製造方法について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る直接還元鉄の製造装置の一例を示すフロー図である。直接還元鉄の製造装置100は、水素ガスを使用して直接還元鉄を製造するシャフト炉20と、シャフト炉20の排ガスを除塵する除塵装置30と、除塵された排ガスを脱水し、循環ガスを得る脱水装置40と、循環ガスに水素ガスを導入し、循環ガス及び水素ガスを含む加熱前ガスを得る、水素ガス導入装置65と、加熱前ガスを加熱して還元ガスとする加熱装置50と、循環ガス、加熱前ガス、および還元ガスのうち少なくとも1つへ炭化水素ガスを導入する炭化水素ガス導入装置60と、を備える。なお、水素ガスには、還元反応を阻害しない範囲で、窒素ガスなど不純物が含まれていてもよい。水素ガスの濃度は例えば、90vol%以上である。
以下、図面を参照しつつ、第1実施形態にかかる直接還元鉄の製造装置100および直接還元鉄の製造方法について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る直接還元鉄の製造装置の一例を示すフロー図である。直接還元鉄の製造装置100は、水素ガスを使用して直接還元鉄を製造するシャフト炉20と、シャフト炉20の排ガスを除塵する除塵装置30と、除塵された排ガスを脱水し、循環ガスを得る脱水装置40と、循環ガスに水素ガスを導入し、循環ガス及び水素ガスを含む加熱前ガスを得る、水素ガス導入装置65と、加熱前ガスを加熱して還元ガスとする加熱装置50と、循環ガス、加熱前ガス、および還元ガスのうち少なくとも1つへ炭化水素ガスを導入する炭化水素ガス導入装置60と、を備える。なお、水素ガスには、還元反応を阻害しない範囲で、窒素ガスなど不純物が含まれていてもよい。水素ガスの濃度は例えば、90vol%以上である。
(シャフト炉20)
シャフト炉20は、原料である酸化鉄を装入する原料装入部24と、還元鉄を排出する還元鉄排出部25と、シャフト炉20下部に配置され、還元ガスを吹き込む還元ガス吹込口28と、シャフト炉20上部に配置され、排ガスを排出する排ガス排出口29と、を備える。シャフト炉20の頂部の原料装入部24から原料である酸化鉄が装入される。酸化鉄はシャフト炉20内を下降しながら水素ガスにより還元されて還元鉄となる。還元された還元鉄は、高温の状態で還元鉄排出部25から排出される。酸化鉄と水素ガスの反応は下記(1A)式のようになる。下記(1A)式のように、水素ガスは、酸化鉄との反応により、水(水蒸気)となる。また、後述する炭化水素ガスの反応などにより発生した一酸化炭素(CO)により酸化鉄は下記(1B)のように、還元される。この反応の場合、二酸化炭素(CO2)が発生する。
Fe2O3+3H2→2Fe+3H2O (1A)
Fe2O3+3CO→2Fe+3CO2 (1B)
シャフト炉20は、原料である酸化鉄を装入する原料装入部24と、還元鉄を排出する還元鉄排出部25と、シャフト炉20下部に配置され、還元ガスを吹き込む還元ガス吹込口28と、シャフト炉20上部に配置され、排ガスを排出する排ガス排出口29と、を備える。シャフト炉20の頂部の原料装入部24から原料である酸化鉄が装入される。酸化鉄はシャフト炉20内を下降しながら水素ガスにより還元されて還元鉄となる。還元された還元鉄は、高温の状態で還元鉄排出部25から排出される。酸化鉄と水素ガスの反応は下記(1A)式のようになる。下記(1A)式のように、水素ガスは、酸化鉄との反応により、水(水蒸気)となる。また、後述する炭化水素ガスの反応などにより発生した一酸化炭素(CO)により酸化鉄は下記(1B)のように、還元される。この反応の場合、二酸化炭素(CO2)が発生する。
Fe2O3+3H2→2Fe+3H2O (1A)
Fe2O3+3CO→2Fe+3CO2 (1B)
還元ガス吹込口28から加熱装置50で加熱された還元ガスが吹き込まれる。還元ガスにより、酸化鉄は還元される。また、還元された還元鉄は、後述する炭化水素ガス導入装置60で導入された炭化水素ガスと反応し、直接還元鉄中の炭素濃度が増加する。ここでは、炭化水素ガスとしてメタンガスを例にして反応を説明する。還元鉄とメタンガスとの反応は、下記(2A)式のようになる。下記(2A)式のように、メタンガスと還元鉄との反応により水素ガスが発生する。発生した水素ガスは、排ガス排出口29より排出される。また、メタンガスは、シャフト炉20内の水や二酸化炭素との反応により、下記(2B)式および(2C)式のように、一酸化炭素と水素とを発生する。発生した一酸化炭素、水素は排ガス排出口29より排出される。
3Fe+CH4→Fe3C+2H2 (2A)
H2O+CH4→CO+3H2 (2B)
CO2+CH4→2CO+2H2 (2C)
3Fe+CH4→Fe3C+2H2 (2A)
H2O+CH4→CO+3H2 (2B)
CO2+CH4→2CO+2H2 (2C)
(除塵装置30)
除塵装置30は、排ガス排出口29より排出された排ガスを除塵する。除塵の方法は特に限定されず、サイクロン、スクラバーなどがあげられる。塵濃度が5~50mg/Nm3の範囲となるように除塵することが好ましい。除塵された排ガスは、脱水装置40に送られる。
除塵装置30は、排ガス排出口29より排出された排ガスを除塵する。除塵の方法は特に限定されず、サイクロン、スクラバーなどがあげられる。塵濃度が5~50mg/Nm3の範囲となるように除塵することが好ましい。除塵された排ガスは、脱水装置40に送られる。
(脱水装置40)
脱水装置40は、除塵装置30で除塵された排ガスを脱水し、循環ガスを得る。排ガス排出口29から排出される排ガスには、未反応の水素ガス(排水素ガス)および炭化水素ガスと、酸化鉄の還元反応などで発生した水蒸気、一酸化炭素、および二酸化炭素と、が含まれる。水は、還元反応を阻害するため、排ガス中の水分濃度は可能な限り低い方が好ましい。例えば、排ガス中の水分濃度が25vol%である場合、脱水で水分濃度2vol%以下まで水分を除去することが好ましい。脱水装置40は、例えば、除塵後の排ガスを冷却することで脱水する。脱水後の循環ガスは図示しないコンプレッサーでシャフト炉20内の圧力以上に加圧された後に加熱装置50に導入される。
脱水装置40は、除塵装置30で除塵された排ガスを脱水し、循環ガスを得る。排ガス排出口29から排出される排ガスには、未反応の水素ガス(排水素ガス)および炭化水素ガスと、酸化鉄の還元反応などで発生した水蒸気、一酸化炭素、および二酸化炭素と、が含まれる。水は、還元反応を阻害するため、排ガス中の水分濃度は可能な限り低い方が好ましい。例えば、排ガス中の水分濃度が25vol%である場合、脱水で水分濃度2vol%以下まで水分を除去することが好ましい。脱水装置40は、例えば、除塵後の排ガスを冷却することで脱水する。脱水後の循環ガスは図示しないコンプレッサーでシャフト炉20内の圧力以上に加圧された後に加熱装置50に導入される。
(水素ガス導入装置65)
水素ガス導入装置65は、加熱装置50に導入される前の循環ガスに原料ガスである水素ガスを導入し、循環ガス及び水素ガスを含む加熱前ガスを得る。循環ガスへの水素ガスの導入は、公知の方法で行うことができる。原料ガスとして供給される水素ガスは、例えば水の電気分解により製造される水素ガスである。
水素ガス導入装置65は、加熱装置50に導入される前の循環ガスに原料ガスである水素ガスを導入し、循環ガス及び水素ガスを含む加熱前ガスを得る。循環ガスへの水素ガスの導入は、公知の方法で行うことができる。原料ガスとして供給される水素ガスは、例えば水の電気分解により製造される水素ガスである。
(加熱装置50)
加熱装置50は、脱水装置40で脱水された循環ガスおよび水素ガスを含む加熱前ガスを700℃以上に加熱し、還元ガスとして還元ガス吹込口28に吹き込む。本実施形態では、加熱前ガスは、循環ガスおよび原料ガスである水素ガスからなる。吹き込まれる還元ガスの温度は概ね700~1000℃である。また、還元ガスの吹き込み量は概ね1000~2200Nm3/t-DRIである。
加熱装置50は、脱水装置40で脱水された循環ガスおよび水素ガスを含む加熱前ガスを700℃以上に加熱し、還元ガスとして還元ガス吹込口28に吹き込む。本実施形態では、加熱前ガスは、循環ガスおよび原料ガスである水素ガスからなる。吹き込まれる還元ガスの温度は概ね700~1000℃である。また、還元ガスの吹き込み量は概ね1000~2200Nm3/t-DRIである。
(炭化水素ガス導入装置60)
炭化水素ガス導入装置60は、還元ガス吹込口28からシャフト炉20内に吹き込まれる還元ガスに炭化水素ガスを導入する。炭化水素ガスを導入された還元ガスは、還元ガス吹込口28からシャフト炉20内に導入され、導入された炭化水素ガスは、上述の反応に用いられる。炭化水素ガスの導入量は、用いられる原料(酸化鉄)によって、適宜変更することができる。炭化水素ガスは、還元ガスの圧力以上に加圧されて還元ガスに導入される。炭化水素ガスは、炭化水素ガスを貯蔵する、図示しないタンクから導入してもよいし、直接還元鉄の製造装置100の外の工場などから配管を介して導入してもよい。
炭化水素ガス導入装置60は、還元ガス吹込口28からシャフト炉20内に吹き込まれる還元ガスに炭化水素ガスを導入する。炭化水素ガスを導入された還元ガスは、還元ガス吹込口28からシャフト炉20内に導入され、導入された炭化水素ガスは、上述の反応に用いられる。炭化水素ガスの導入量は、用いられる原料(酸化鉄)によって、適宜変更することができる。炭化水素ガスは、還元ガスの圧力以上に加圧されて還元ガスに導入される。炭化水素ガスは、炭化水素ガスを貯蔵する、図示しないタンクから導入してもよいし、直接還元鉄の製造装置100の外の工場などから配管を介して導入してもよい。
(直接還元鉄の製造方法)
本実施形態に係る直接還元鉄の製造方法は、シャフト炉を用い、水素ガスを使用して直接還元鉄を製造する直接還元鉄の製造方法において、
シャフト炉20の排ガスを除塵する除塵工程と、除塵工程で除塵された排ガスを脱水し、循環ガスを得る脱水工程と、循環ガスに水素ガスを導入し、循環ガスおよび水素ガスを含む加熱前ガスを得る水素ガス導入工程と、加熱前ガスを加熱して還元ガスとする加熱工程と、前記循環ガス、前記加熱前ガスおよび前記還元ガスのうち少なくとも1つへ炭化水素ガスを導入する炭化水素メタンガス導入工程とを含む。以下、第1実施形態にかかる直接還元鉄の製造装置100を用いた直接還元鉄の製造方法について説明する。シャフト炉20上部の原料装入部24から原料(酸化鉄)が投入される。原料は、シャフト炉20内で、還元ガス吹込口28から導入される還元ガスで還元されて還元鉄となりシャフト炉20の還元鉄排出部25から排出される。第1実施形態にかかる直接還元鉄の製造装置100に用いられる原料は成分のばらつきが小さいことが好ましい。
本実施形態に係る直接還元鉄の製造方法は、シャフト炉を用い、水素ガスを使用して直接還元鉄を製造する直接還元鉄の製造方法において、
シャフト炉20の排ガスを除塵する除塵工程と、除塵工程で除塵された排ガスを脱水し、循環ガスを得る脱水工程と、循環ガスに水素ガスを導入し、循環ガスおよび水素ガスを含む加熱前ガスを得る水素ガス導入工程と、加熱前ガスを加熱して還元ガスとする加熱工程と、前記循環ガス、前記加熱前ガスおよび前記還元ガスのうち少なくとも1つへ炭化水素ガスを導入する炭化水素メタンガス導入工程とを含む。以下、第1実施形態にかかる直接還元鉄の製造装置100を用いた直接還元鉄の製造方法について説明する。シャフト炉20上部の原料装入部24から原料(酸化鉄)が投入される。原料は、シャフト炉20内で、還元ガス吹込口28から導入される還元ガスで還元されて還元鉄となりシャフト炉20の還元鉄排出部25から排出される。第1実施形態にかかる直接還元鉄の製造装置100に用いられる原料は成分のばらつきが小さいことが好ましい。
シャフト炉20の還元ガス吹込口28から導入された還元ガスは、シャフト炉20で酸化鉄を還元したのち、シャフト炉20の排ガス排出口29から排ガスとして排出される。排出される排ガスは、未反応の水素ガスおよび炭化水素ガスと、酸化鉄の還元反応などで発生した水蒸気、一酸化炭素、および二酸化炭素と、が含まれる。排ガス排出口29から排出された排ガスは、除塵装置30で除塵し(除塵工程)、脱水装置40で脱水して循環ガスとし(脱水工程)、水素ガス導入装置65で循環ガスに水素ガスを導入し、循環ガスおよび水素ガスを含む加熱前ガスを得る(水素ガス導入工程)。次に、循環ガス及び水素ガスを含む加熱前ガスを加熱装置50で加熱して還元ガスとして(加熱工程)、シャフト炉20下部から炉内に導入される。排ガスの一部を系外排出してもよい。
加熱した後の還元ガスには、シャフト炉20に導入される前に、炭化水素ガス導入装置60により炭化水素ガスが導入される(炭化水素ガス導入工程)。炭化水素ガスは、メタンガスなどが挙げられる。炭化水素ガスの導入量は、あらかじめ成分を分析した原料に応じ、式(2A)の炭化反応に用いられる程度の量に制御される。従って、炭化水素ガス導入装置60から適切に導入される炭化水素ガスは、炭化反応に用いられない余剰の炭化水素ガスを少なくできるので、炭化水素ガスの反応により発生する二酸化炭素の量を低減することができる。
以上、第1実施形態にかかる直接還元鉄の製造装置100および直接還元鉄の製造方法について説明した。原料ガスに天然ガスを使用する従来の直接還元設備では、循環ガス中の二酸化炭素を除去又は分解する設備が組み込まれるので、炭化水素ガスを注入するのは容易であるが、本発明が対象とする原料ガスが水素ガスの場合、二酸化炭素を除去又は分解する設備は必要が無い。二酸化炭素を除去又は分解する設備が無い場合、過剰に炭化水素を注入すると循環ガスに二酸化炭素が蓄積するという問題がある。直接還元鉄の製造装置100によれば、水素ガスを使用する直接還元炉において、高温排出でも還元鉄の浸炭をすることができる。また、あらかじめ分析した原料に基づき、適切な量の炭化水素ガスを導入することで、炭化水素ガスの反応で発生した二酸化炭素の量を低減することができる。循環ガスは、直接還元鉄の製造装置100外で使用してもよい。
第1実施形態では、炭化水素ガスは、加熱装置50で加熱した後の還元ガスに導入されていたが、炭化水素ガスは、循環ガス、加熱前ガス、および還元ガスのうち少なくとも1つへ導入されてもよい。炭化水素ガスは、加熱装置50で加熱する前の循環ガスまたは加熱前ガスに導入されてもよい。炭化水素ガスは、循環ガスおよび加熱前ガスに導入されてもよいし、加熱前ガスおよび還元ガスに導入されてもよいし、循環ガスおよび還元ガスに導入されてもよいし、循環ガス、加熱前ガス、および還元ガスへ導入されてもよい。炭化水素ガスを導入する際には、導入される還元ガスまたは循環ガス以上の圧力まで昇圧した炭化水素ガスを用いる。
第1実施形態に係る還元ガスは、循環ガスおよび水素ガスの混合物を加熱したものであったが、第1実施形態では、シャフト炉20に導入される前に還元ガスに、炭化水素ガスが導入されている。即ち、シャフト炉20に導入される還元ガスは、循環ガス、水素ガス、炭化水素ガスを含む。
(第2実施形態)
次に第2実施形態にかかる直接還元鉄の製造装置100Aについて説明する。図2は、本発明の第2実施形態に係る直接還元鉄の製造装置の一例を示すフロー図である。直接還元鉄の製造装置100Aは、水素ガスを使用して直接還元鉄を製造するシャフト炉20と、シャフト炉20の排ガスを除塵する除塵装置30と、除塵された排ガスを脱水する脱水装置40と、循環ガスに水素ガスを導入し、循環ガス及び水素ガスを含む加熱前ガスを得る、水素ガス導入装置65と、加熱前ガスを加熱して還元ガスとする加熱装置50と、循環ガス、加熱前ガス、および還元ガスのうち少なくとも1つへ炭化水素ガスを導入する炭化水素ガス導入装置60と、排ガスまたは循環ガス中のトレーサーガスの濃度を測定するガス分析装置80と、排ガスまたは循環ガス中のトレーサーガスの濃度に応じて、前記炭化水素ガス導入装置60の炭化水素ガス導入量を制御する制御装置70と、を備える。以下、同じ構成要素については、同じ符号を付し、説明を省略する場合がある。
次に第2実施形態にかかる直接還元鉄の製造装置100Aについて説明する。図2は、本発明の第2実施形態に係る直接還元鉄の製造装置の一例を示すフロー図である。直接還元鉄の製造装置100Aは、水素ガスを使用して直接還元鉄を製造するシャフト炉20と、シャフト炉20の排ガスを除塵する除塵装置30と、除塵された排ガスを脱水する脱水装置40と、循環ガスに水素ガスを導入し、循環ガス及び水素ガスを含む加熱前ガスを得る、水素ガス導入装置65と、加熱前ガスを加熱して還元ガスとする加熱装置50と、循環ガス、加熱前ガス、および還元ガスのうち少なくとも1つへ炭化水素ガスを導入する炭化水素ガス導入装置60と、排ガスまたは循環ガス中のトレーサーガスの濃度を測定するガス分析装置80と、排ガスまたは循環ガス中のトレーサーガスの濃度に応じて、前記炭化水素ガス導入装置60の炭化水素ガス導入量を制御する制御装置70と、を備える。以下、同じ構成要素については、同じ符号を付し、説明を省略する場合がある。
(ガス分析装置80)
ガス分析装置80は、循環ガス中のトレーサーガスの濃度を測定する。ガス分析装置80は排ガス中のトレーサーガスの種類濃度などに応じて、適宜選択できる。トレーサーガスの濃度測定は連続的に行うことが好ましい。例えば、ガス分析装置80として、非分散赤外線分析計、ガスクロマトグラフなどを用いることができる。ここに、トレーサーガスとは、炭化水素ガスが炉内で分解、反応した後のガスであって、H2、水蒸気以外のガスである。トレーサーガスとしては、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素からなる群のうち、少なくとも1種でもよい。ガス中の濃度があがると還元を阻害することがあるので、トレーサーガスとして、二酸化炭素(CO2)で管理するのが特に好ましい。測定して得られたトレーサーガスの濃度は、制御装置70に送られる。
ガス分析装置80は、循環ガス中のトレーサーガスの濃度を測定する。ガス分析装置80は排ガス中のトレーサーガスの種類濃度などに応じて、適宜選択できる。トレーサーガスの濃度測定は連続的に行うことが好ましい。例えば、ガス分析装置80として、非分散赤外線分析計、ガスクロマトグラフなどを用いることができる。ここに、トレーサーガスとは、炭化水素ガスが炉内で分解、反応した後のガスであって、H2、水蒸気以外のガスである。トレーサーガスとしては、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素からなる群のうち、少なくとも1種でもよい。ガス中の濃度があがると還元を阻害することがあるので、トレーサーガスとして、二酸化炭素(CO2)で管理するのが特に好ましい。測定して得られたトレーサーガスの濃度は、制御装置70に送られる。
(制御装置70)
制御装置70は、ガス分析装置80で測定された排ガス中のトレーサーガスの濃度に応じて、炭化水素ガス導入装置の炭化水素ガス導入量を制御する。例えば、図5の限界点Gを超えた場合、制御装置70は、例えば、バルブ62を制御し、炭化水素ガス導入量を少なくする。また、制御装置70は、水素ガス導入装置を制御し、還元に消費された分に相当する水素ガスを導入する。
制御装置70は、ガス分析装置80で測定された排ガス中のトレーサーガスの濃度に応じて、炭化水素ガス導入装置の炭化水素ガス導入量を制御する。例えば、図5の限界点Gを超えた場合、制御装置70は、例えば、バルブ62を制御し、炭化水素ガス導入量を少なくする。また、制御装置70は、水素ガス導入装置を制御し、還元に消費された分に相当する水素ガスを導入する。
制御装置70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成されてもよい。制御装置70は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、バルブ62を操作し、炭化水素ガス導入量を制御する。なお、制御装置70の機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
(直接還元鉄の製造方法)
以下、第2実施形態にかかる直接還元鉄の製造装置100Aを用いた直接還元鉄の製造方法について説明する。シャフト炉20上部の原料装入部24から原料(酸化鉄)が投入される。原料は、シャフト炉20内で、還元ガス吹込口28から導入される還元ガスで還元されて還元鉄となりシャフト炉20の還元鉄排出部25から排出される。
以下、第2実施形態にかかる直接還元鉄の製造装置100Aを用いた直接還元鉄の製造方法について説明する。シャフト炉20上部の原料装入部24から原料(酸化鉄)が投入される。原料は、シャフト炉20内で、還元ガス吹込口28から導入される還元ガスで還元されて還元鉄となりシャフト炉20の還元鉄排出部25から排出される。
シャフト炉20の還元ガス吹込口28から導入された還元ガスは、シャフト炉20で酸化鉄を還元したのち、シャフト炉20の排ガス排出口29から排ガスとして排出される。排出される排ガスは、水素ガス、上述の水蒸気ガス、二酸化炭素、一酸化炭素などを含有する。排ガス排出口29から排出された排ガスは、除塵装置30で除塵し(除塵工程)、脱水して循環ガスとし(脱水工程)、循環ガスに水素ガスを導入し、循環ガスおよび水素ガスを含む加熱前ガスを得る(水素ガス導入工程)。加熱前ガスを加熱装置50で加熱して還元ガスとして(加熱工程)、シャフト炉20下部から炉内に導入される。排ガスの一部を系外排出してもよい。ガス分析装置80は、循環ガス中のトレーサーガスの濃度を測定する。循環ガスに導入される水素ガス還元に消費された分に相当する量であることが好ましい。
加熱した後の還元ガスには、シャフト炉20に導入される前に、炭化水素ガス導入装置60および制御装置70によりトレーサーガスの濃度に応じた炭化水素ガスが導入される(炭化水素ガス導入工程)。ここでは、炭化水素ガスとしてメタンガスを用いた場合を例に挙げて各反応について説明する。還元ガスに導入されたメタンガスは、上記(2A)式に基づき、還元鉄と反応する。この反応で消費される以上のメタンガスを導入すると、循環ガス中の二酸化炭素濃度が上昇し、酸化鉄の還元反応の障害となる。原料ガスとして天然ガスを使用する直接還元設備では、循環ガス中のCO2を除去又は分解する設備が組み込まれるので炭化水素ガスを注入するのは容易であるが、本発明が対象とする原料ガスが水素の場合にはCO2の除去又は分解する設備はない。そのため、直接還元鉄の製造装置100Aでは、循環ガスに二酸化炭素が蓄積しないように、適切な炭化水素ガス導入量に制御することが重要となる。
以下、トレーサーガスの濃度に基づく、炭化水素ガスの導入量の調整方法について説明する。
以下、トレーサーガスの濃度に基づく、炭化水素ガスの導入量の調整方法について説明する。
「炭化水素ガスの導入量と還元鉄中の炭素濃度と、二酸化炭素ガス量との関係」
まず、炭化水素ガスの導入量と還元鉄中の炭素濃度と、二酸化炭素ガス量との関係について説明する。
図3は、炭化水素ガスの導入量と還元鉄中の炭素濃度との関係を説明するための図である。図3の横軸は、炭化水素ガスの導入量を示し、縦軸は、還元鉄中の炭素濃度を示す。図4は、炭化水素ガスの導入量と還元鉄に含有されない炭素濃度との関係を説明するための図である。図4の横軸は、炭化水素ガスの導入量を示し、縦軸は、還元鉄に含まれない炭素濃度を示す。図5は、炭化水素ガスの導入量と循環ガス中のトレーサーガス(CO2)濃度との関係を説明するための図である。図5の横軸は、炭化水素ガスの導入量を示し、縦軸は、循環ガス中のトレーサーガスの濃度を示す。限界点Gまでは、炭化水素ガスの導入量とともに、還元鉄中の炭素濃度が上昇する(図3)。循環ガスの系外排出などがない場合には、炭化水素ガスの導入量と還元鉄中の炭素濃度とは、相関関係にある。限界点Gを超えると、還元鉄中の炭素濃度は、上昇が緩やかになる。還元鉄中の炭素濃度の上昇が緩やかになると、炭化水素ガスの導入量を増やしても還元鉄中に取り込まれないため、還元鉄中に含有されない炭素(メタンガス、メタンガスの分解物など)の濃度が上昇する(図4)。トレーサーガスを分析することで、還元鉄中に取り込まれなかった炭素の量を把握することができる。一方、余剰炭化水素ガスから二酸化炭素が生成され、シャフト炉20内でのトレーサーガス濃度(例えば、二酸化炭素濃度)が急激に上昇する(図5)。一定量の二酸化炭素は、上記(2C)の反応などで消費されるが、当該消費量を超えた分の二酸化炭素は、循環ガスに蓄積していく。
まず、炭化水素ガスの導入量と還元鉄中の炭素濃度と、二酸化炭素ガス量との関係について説明する。
図3は、炭化水素ガスの導入量と還元鉄中の炭素濃度との関係を説明するための図である。図3の横軸は、炭化水素ガスの導入量を示し、縦軸は、還元鉄中の炭素濃度を示す。図4は、炭化水素ガスの導入量と還元鉄に含有されない炭素濃度との関係を説明するための図である。図4の横軸は、炭化水素ガスの導入量を示し、縦軸は、還元鉄に含まれない炭素濃度を示す。図5は、炭化水素ガスの導入量と循環ガス中のトレーサーガス(CO2)濃度との関係を説明するための図である。図5の横軸は、炭化水素ガスの導入量を示し、縦軸は、循環ガス中のトレーサーガスの濃度を示す。限界点Gまでは、炭化水素ガスの導入量とともに、還元鉄中の炭素濃度が上昇する(図3)。循環ガスの系外排出などがない場合には、炭化水素ガスの導入量と還元鉄中の炭素濃度とは、相関関係にある。限界点Gを超えると、還元鉄中の炭素濃度は、上昇が緩やかになる。還元鉄中の炭素濃度の上昇が緩やかになると、炭化水素ガスの導入量を増やしても還元鉄中に取り込まれないため、還元鉄中に含有されない炭素(メタンガス、メタンガスの分解物など)の濃度が上昇する(図4)。トレーサーガスを分析することで、還元鉄中に取り込まれなかった炭素の量を把握することができる。一方、余剰炭化水素ガスから二酸化炭素が生成され、シャフト炉20内でのトレーサーガス濃度(例えば、二酸化炭素濃度)が急激に上昇する(図5)。一定量の二酸化炭素は、上記(2C)の反応などで消費されるが、当該消費量を超えた分の二酸化炭素は、循環ガスに蓄積していく。
次に、横軸を時間軸にした図を用いて本プロセスを説明する。図6(a)は、炭化水素ガスの導入量と時間との関係を説明するための図であり、図6(b)は、還元鉄中の炭素濃度と時間との関係を説明するための図であり、図6(c)は、循環ガス中のトレーサーガス濃度と時間との関係を説明するための図である。ここでは経過時間に比例して導入される炭化水素ガスの量を増加させている(図6(a))。すると導入される炭化水素ガスの量が増えるにつれ、還元鉄中の炭素濃度は、比例して増加する。還元鉄中の炭素濃度の限界点に近づくと、時間が経過しても還元鉄中の炭素濃度の上昇が緩やかになる(図6(b))。還元鉄中の炭素濃度の上昇が緩やかになると、還元鉄に取り込まれない余剰炭化水素ガスから二酸化炭素が生成される。そのため、還元鉄中の炭素濃度の上昇が緩やかになると、時間経過とともにシャフト炉20内でのトレーサーガス濃度(例えば、二酸化炭素濃度)が急激に上昇する(図6(c))。
炭化水素ガス導入量の調整は、例えば、以下の方法で行うことができる。
予め炭化水素ガス導入量と還元鉄炭素濃度およびトレーサーガス濃度との対応関係を定めておき、還元鉄炭素濃度の目標値Aから例えば、炭化水素ガス導入量Bを決定する(図3)。次に、ガス分析装置80を用いて循環ガス中のトレーサーガスの濃度を連続して測定する。測定値が炭化水素ガス導入量Bから想定される図5の想定値Cの変動範囲内であれば、正常運転状態と判断して操業を継続する。測定値が、想定値Cの変動範囲を超えれば、異常運転状態と判断し、炭化水素ガス導入量を増減させる。循環ガスの系外排出でトレーサー濃度を低下させることも可能だが、エネルギーロスの点から循環ガスは排出しないことが好ましい。
予め炭化水素ガス導入量と還元鉄炭素濃度およびトレーサーガス濃度との対応関係を定めておき、還元鉄炭素濃度の目標値Aから例えば、炭化水素ガス導入量Bを決定する(図3)。次に、ガス分析装置80を用いて循環ガス中のトレーサーガスの濃度を連続して測定する。測定値が炭化水素ガス導入量Bから想定される図5の想定値Cの変動範囲内であれば、正常運転状態と判断して操業を継続する。測定値が、想定値Cの変動範囲を超えれば、異常運転状態と判断し、炭化水素ガス導入量を増減させる。循環ガスの系外排出でトレーサー濃度を低下させることも可能だが、エネルギーロスの点から循環ガスは排出しないことが好ましい。
炭化水素ガス導入量の調整は、以下の方法でも行うことができる。炭化水素ガス導入量、還元鉄の炭素濃度および循環ガスのトレーサー濃度からシャフト炉20内における炭素の蓄積状況を推定する。炭素のシャフト炉20内で蓄積が進行していると判断した場合(例えば、循環ガスのトレーサーガス濃度が急激に上昇した場合)に、炭化水素ガス導入量を減少させる。循環ガスの系外排出でトレーサー濃度を低下させることも可能だが、エネルギーロスの点では排出しないのが望ましい。以上のように、炭化水素ガス導入量を制御することで、循環ガス中の炭素濃度を一定の範囲にすることができる。
以上、第2実施形態にかかる直接還元鉄の製造装置100Aおよび直接還元鉄の製造方法について説明した。直接還元鉄の製造装置100Aによれば、水素ガスを使用する直接還元炉において、高温排出でも還元鉄の浸炭をすることができる。トレーサーガスの濃度に応じて、炭化水素ガスの導入量を制御するので、成分のばらつきが大きい原料を用いた場合でも二酸化炭素の発生量を低減できる。
直接還元鉄の製造装置100Aでは、脱水装置40で脱水した後の循環ガスを用いてトレーサーガスの濃度を測定していたが、トレーサーの濃度は、加熱装置50で加熱する前であれば、測定するタイミングは特に限定されない。例えば、除塵装置30で除塵した後の排ガスを測定してもよい。
第2実施形態では、炭化水素ガスは、還元ガスに導入されていたが、炭化水素ガスは、循環ガス、加熱前ガスに導入されてもよい。炭化水素ガスを導入する際には、導入される還元ガスまたは循環ガス以上の圧力まで昇圧した炭化水素ガスを用いる。炭化水素ガスが循環ガスに導入される場合、ガス分析装置80は、炭化水素ガスが循環ガスに導入される前に、循環ガス中のトレーサーガスの濃度を測定する。また、ガス分析装置80は、水素ガス量を測定してもよい。
(第3実施形態)
次に第3実施形態にかかる直接還元鉄の製造装置100Bについて説明する。図7は、本発明の第3実施形態に係る直接還元鉄の製造装置の一例を示すフロー図である。直接還元鉄の製造装置100Bは、水素ガスを使用して直接還元鉄を製造するシャフト炉20と、シャフト炉20の排ガスを除塵する除塵装置30と、除塵された排ガスを脱水し、循環ガスを得る脱水装置40と、循環ガスに水素ガスを導入し、循環ガス及び水素ガスを含む加熱前ガスを得る、水素ガス導入装置65と、加熱前ガスを加熱して還元ガスとする加熱装置50と、循環ガス、加熱前ガス、および還元ガスのうち少なくとも1つへ炭化水素ガスを導入する炭化水素ガス導入装置60と、排ガスまたは循環ガス中のトレーサーガスの濃度を測定するガス分析装置80と、排ガスまたは循環ガス中のトレーサーガスの濃度に応じて、炭化水素ガス導入装置60の炭化水素ガス導入量を制御する制御装置70と、直接還元鉄中の炭素濃度を測定する炭素分析装置90を備える。以下、同じ構成要素については、同じ符号を付し、説明を省略する場合がある。
次に第3実施形態にかかる直接還元鉄の製造装置100Bについて説明する。図7は、本発明の第3実施形態に係る直接還元鉄の製造装置の一例を示すフロー図である。直接還元鉄の製造装置100Bは、水素ガスを使用して直接還元鉄を製造するシャフト炉20と、シャフト炉20の排ガスを除塵する除塵装置30と、除塵された排ガスを脱水し、循環ガスを得る脱水装置40と、循環ガスに水素ガスを導入し、循環ガス及び水素ガスを含む加熱前ガスを得る、水素ガス導入装置65と、加熱前ガスを加熱して還元ガスとする加熱装置50と、循環ガス、加熱前ガス、および還元ガスのうち少なくとも1つへ炭化水素ガスを導入する炭化水素ガス導入装置60と、排ガスまたは循環ガス中のトレーサーガスの濃度を測定するガス分析装置80と、排ガスまたは循環ガス中のトレーサーガスの濃度に応じて、炭化水素ガス導入装置60の炭化水素ガス導入量を制御する制御装置70と、直接還元鉄中の炭素濃度を測定する炭素分析装置90を備える。以下、同じ構成要素については、同じ符号を付し、説明を省略する場合がある。
(炭素分析装置90)
炭素分析装置90は、還元鉄排出部25から排出された直接還元鉄中の炭素濃度を測定する。直接還元鉄中の炭素濃度は、例えば、直接還元鉄中の炭素濃度は、JIS G 1211-3、燃焼‐赤外線吸収法に準じて測定することができる。測定された炭素濃度は、制御装置70に送られる。
炭素分析装置90は、還元鉄排出部25から排出された直接還元鉄中の炭素濃度を測定する。直接還元鉄中の炭素濃度は、例えば、直接還元鉄中の炭素濃度は、JIS G 1211-3、燃焼‐赤外線吸収法に準じて測定することができる。測定された炭素濃度は、制御装置70に送られる。
(制御装置70)
制御装置70は、ガス分析装置80で測定された循環ガスまたは排ガス中のトレーサーガスの濃度および直接還元鉄中の炭素濃度に応じて、炭化水素ガス導入装置60の炭化水素ガス導入量を制御する。制御装置70は、例えば、バルブ62を制御し、炭化水素ガス導入量を制御する。また、制御装置70は、水素ガス導入装置を制御し、還元に消費された分に相当する水素ガスを導入する。
制御装置70は、ガス分析装置80で測定された循環ガスまたは排ガス中のトレーサーガスの濃度および直接還元鉄中の炭素濃度に応じて、炭化水素ガス導入装置60の炭化水素ガス導入量を制御する。制御装置70は、例えば、バルブ62を制御し、炭化水素ガス導入量を制御する。また、制御装置70は、水素ガス導入装置を制御し、還元に消費された分に相当する水素ガスを導入する。
(直接還元鉄の製造方法)
以下、第3実施形態にかかる直接還元鉄の製造装置100Bを用いた直接還元鉄の製造方法について説明する。シャフト炉20上部の原料装入部24から原料(酸化鉄)が投入される。原料は、シャフト炉20内で、還元ガス吹込口28から導入される還元ガスで還元されて還元鉄となりシャフト炉20の還元鉄排出部25から排出される。
以下、第3実施形態にかかる直接還元鉄の製造装置100Bを用いた直接還元鉄の製造方法について説明する。シャフト炉20上部の原料装入部24から原料(酸化鉄)が投入される。原料は、シャフト炉20内で、還元ガス吹込口28から導入される還元ガスで還元されて還元鉄となりシャフト炉20の還元鉄排出部25から排出される。
シャフト炉20の還元ガス吹込口28から導入された還元ガスは、シャフト炉20で酸化鉄を還元したのち、シャフト炉20の排ガス排出口29から排ガスとして排出される。排出される排ガスは、水素ガス、上述の水蒸気ガス、二酸化炭素、一酸化炭素などを含有する。排ガス排出口29から排出された排ガスは、除塵装置30で除塵し(除塵工程)、脱水して循環ガスとし(脱水工程)、循環ガスに水素ガスを導入し、循環ガスおよび水素ガスを含む加熱前ガスを得る(水素ガス導入工程)。加熱装置50で加熱前ガスを加熱して還元ガスとする(加熱工程)。還元ガスは、シャフト炉下部から炉内に導入される。排ガスの一部を系外排出してもよい。循環ガスに導入される水素ガス還元に消費された分に相当する量であることが好ましい。
加熱した後の還元ガスには、炭化水素ガス導入装置60および制御装置70によりトレーサーガスの濃度および直接還元鉄中の炭素濃度に応じた炭化水素ガスが導入される(炭化水素ガス導入工程)。還元ガスに導入された炭化水素ガスがメタンガスである場合、上記(2A)式に基づき、導入されたメタンガスは還元鉄と反応する。この反応で消費される以上のメタンガスを導入すると、循環ガス中の二酸化炭素濃度が上昇し、酸化鉄の還元反応の障害となる。そのため、直接還元鉄の製造装置100Bでは、循環ガス中の二酸化炭素の濃度が所定の範囲となるように制御する。また、原料の差異によって、目標炭素濃度とならない場合があるため、直接還元鉄の製造装置100Bでは、直接還元鉄の炭素濃度が所定の範囲となるように、炭化水素ガス導入量を制御する。
炭化水素ガス導入量の調整は、例えば、以下の方法で行うことができる。
予め炭化水素ガス導入量と還元鉄炭素濃度およびトレーサーガス濃度との対応関係を定めておき、還元鉄炭素濃度の目標値Aから図3の炭化水素ガス導入量Bを決定する。次に、炭素分析装置90を用いて直接還元鉄の炭素濃度を測定する。測定値が目標とする炭素濃度の変動範囲内であれば、正常運転状態と判断して操業を継続する。測定値が、目標とする炭素濃度よりも高い場合は、炭化水素ガス導入量を減少させ、測定値が目標とする炭素濃度よりも低い場合は、炭化水素ガス導入量を増加させる。このように炭化水素ガス導入量を制御することで直接還元鉄の炭素濃度を適切な範囲に制御することができる。
予め炭化水素ガス導入量と還元鉄炭素濃度およびトレーサーガス濃度との対応関係を定めておき、還元鉄炭素濃度の目標値Aから図3の炭化水素ガス導入量Bを決定する。次に、炭素分析装置90を用いて直接還元鉄の炭素濃度を測定する。測定値が目標とする炭素濃度の変動範囲内であれば、正常運転状態と判断して操業を継続する。測定値が、目標とする炭素濃度よりも高い場合は、炭化水素ガス導入量を減少させ、測定値が目標とする炭素濃度よりも低い場合は、炭化水素ガス導入量を増加させる。このように炭化水素ガス導入量を制御することで直接還元鉄の炭素濃度を適切な範囲に制御することができる。
以上、第3実施形態にかかる直接還元鉄の製造装置100Bおよび直接還元鉄の製造方法について説明した。直接還元鉄の製造装置100Bによれば、水素ガスを使用する直接還元炉において、高温排出でも還元鉄の浸炭をすることができる。直接還元鉄中の炭素濃度に応じて、炭化水素ガスの導入量を制御するので、直接還元鉄中の炭素濃度を適切な範囲に制御することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
直接還元鉄の製造装置は、水素ガスを使用する直接還元炉において、高温排出でも還元鉄の浸炭が可能であるので、産業上の利用可能性が高い。
20 シャフト炉、30 除塵装置、40 脱水装置、50 加熱装置、60 炭化水素ガス導入装置、70 制御装置、 80 ガス分析装置、90 炭素分析装置、100 直接還元鉄の製造装置
Claims (5)
- 水素ガスを使用して直接還元鉄を製造するシャフト炉と、
前記シャフト炉の排ガスを除塵する除塵装置と、
前記除塵された前記排ガスを脱水し、循環ガスを得る脱水装置と、
前記循環ガスに前記水素ガスを導入し、前記循環ガス及び前記水素ガスを含む加熱前ガスを得る、水素ガス導入装置と、
前記加熱前ガスを加熱して還元ガスとする、加熱装置と、
前記循環ガス、前記加熱前ガス、および前記還元ガスのうち少なくとも1つへ炭化水素ガスを導入する炭化水素ガス導入装置と、
を備える、直接還元鉄の製造装置。 - 前記排ガスまたは前記循環ガス中のトレーサーガスの濃度を測定するガス分析装置と、
前記トレーサーガスの濃度に応じて、前記炭化水素ガス導入装置の炭化水素ガス導入量を制御する制御装置と、
をさらに備える、請求項1に記載の直接還元鉄の製造装置。 - 前記トレーサーガスがCO2である、請求項2に記載の直接還元鉄の製造装置。
- 前記直接還元鉄中の炭素濃度を測定する炭素分析装置をさらに備える、請求項1または2に記載直接還元鉄の製造装置。
- シャフト炉を用い、水素ガスを使用して直接還元鉄を製造する直接還元鉄の製造方法において、
前記シャフト炉の排ガスを除塵する除塵工程と、
前記除塵工程で除塵された前記排ガスを脱水し、循環ガスを得る脱水工程と、
前記循環ガスに前記水素ガスを導入し、前記循環ガスおよび前記水素ガスを含む加熱前ガスを得る水素ガス導入工程と、
前記加熱前ガスを加熱して還元ガスとする加熱工程と、
前記循環ガス、前記加熱前ガスおよび前記還元ガスのうち少なくとも1つへ炭化水素ガスを導入する炭化水素ガス導入工程と、
を含む、直接還元鉄の製造方法。
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