WO2022239162A1 - 決定方法、決定装置及び決定プログラム - Google Patents

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Abstract

特徴情報抽出部(21)は、サイバーセキュリティに関する情報に含まれるIOCから特徴情報を抽出する。ラベル付与部(22)は、IOCのそれぞれについて、関連するアラートの対応に要した稼働量の実績に応じたラベルを付与する。学習部(23)は、特徴情報抽出部(21)によって抽出された特徴情報及びラベル付与部(22)によって付与されたラベルを組み合わせた学習データを用いて、IOCの特徴情報からラベルを出力するモデルの学習を行う。

Description

決定方法、決定装置及び決定プログラム
 本発明は、決定方法、決定装置及び決定プログラムに関する。
 企業や組織ではサイバーセキュリティを担保するために、セキュリティ管理や脅威を検知するためのシステムが導入されている。セキュリティオペレーションセンタ(SOC:Security Operation Center)は、このようなシステムの運用を行う組織である。SOCのアナリスト(分析者)は、システムから出力される大量のログやアラートを監視、分析し、必要な対処を行う。
 一方で、下記の参考文献1、2によると、日々大量に発生するアラートを処理するアナリストが、アラート疲労と呼ばれる状況を起こし、アナリストの燃え尽きにつながることが問題視されている。
 参考文献1:S. C. Sundaramurthy, A. G. Bardas, J. Case, X. Ou, M. Wesch, J. McHugh, and S. R. Rajagopalan, “A human capital model for mitigating security analyst burnout,” Proc. SOUPS, 2015.
 参考文献2:Ponemon Institute, “Improving the Effectiveness of the Security Operations Center,” 2019.
 また、上記の問題を解決するために必要なことは、よりすぐれた自動化を実現してアナリストの稼働を削減することである。実際、参考文献3によると、多くのSOCのマネージャは、SOCコンポーネントの自動化レベルが不十分であることが現在のSOC組織における最重要課題であるととらえている。
 参考文献3:F. B. Kokulu, A. Soneji, T. Bao, Y. Shoshitaishvili, Z. Zhao, A. Doupe, and G.-J. Ahn, “Matched and Mismatched SOCs: A Qualitative Study on Security Operations Center Issues,” Proc. ACM CCS, 2019.
 これに対し、例えば、セキュリティに関する各アラートの異常スコアや悪性度スコアを過去のアラートから推定することで、真に悪性なアラートと誤検知となる本来非悪性のアラートとを識別する技術が提案されている(例えば、非特許文献1から5を参照)。
 また、セキュリティに関する各アラートと最も関連性の高い情報を抽出してくることで、アナリストのその後のプロセスをサポートする技術が知られている(例えば、非特許文献6から8を参照)。
W. U. Hassan, S. Guo, D. Li, Z. Chen, K. Jee, Z. Li, and A. Bates, "NoDoze: Combatting Threat Alert Fatigue with Automated Provenance Triage," Proc. NDSS, 2019. A. Oprea, Z. Li, R. Norris, and K. Bowers, "MADE: Security Analytics for Enterprise Threat Detection," Proc. ACSAC, 2018. K. A. Roundy, A. Tamersoy, M. Spertus, M. Hart, D. Kats, M. Dell’Amico, and R. Scott, "Smoke Detector: Cross-Product Intrusion Detection With Weak Indicators," Proc. ACSAC, 2017. Y. Liu, M. Zhang, D. Li, K. Jee, Z. Li, Z. Wu, J. Rhee, and P. Mittal, "Towards a Timely Causality Analysis for Enterprise Security," Proc. NDSS, 2018. P. Najafi, A. Muhle, W. Punter, F. Cheng, and C. Meinel, "MalRank: a measure of maliciousness in SIEM-based knowledge graphs," Proc. ACSAC, 2019. C. Zhong, J. Yen, P. Liu, and R. F. Erbacher, "Automate Cybersecurity Data Triage by Leveraging Human Analysts’ Cognitive Process," Proc. IEEE IDS, 2016. C. Zhong, T. Lin, P. Liu, J. Yen, and K. Chen, "A cyber security data triage operation retrieval system," Comput. Secur., vol.76, pp.12-31, 2018. S. T. Chen, Y. Han, D. H. Chau, C. Gates, M. Hart, and K. A. Roundy, "Predicting Cyber Threats with Virtual Security Products," Proc. ACSAC, 2017.
 しかしながら、従来の技術には、SOCのアナリストの稼働量を十分に減らすことができない場合があるという問題がある。
 例えば、上記の先行技術文献に記載された技術は、いずれもアナリストが個々のアラートを分析することを前提としている点で共通している。
 ここで、複数のアナリストを擁するSOC拠点では、各アナリストが異なった観点から分析を行う場合がある。この場合、個々のアラートに関する情報が得られる従来の技術では、個々のアラートに対する分析処理を効率化できるものの、分析回数自体を減らすことはできず、SOC拠点全体として十分に稼働量を削減することは困難な場合がある。
 上述した課題を解決し、目的を達成するために、決定方法は、決定装置によって実行される決定方法であって、サイバーセキュリティに関する情報に含まれるIOC(Indicator of Compromise)から特徴情報を抽出する特徴情報抽出工程と、前記IOCのそれぞれについて、関連するアラートの対応に要した稼働量の実績に応じたラベルを付与するラベル付与工程と、前記特徴情報抽出部によって抽出された特徴情報及び前記ラベル付与工程によって付与されたラベルを組み合わせた学習データを用いて、IOCの特徴情報からラベルを出力するモデルの学習を行う学習工程と、を含むことを特徴とする。
 本発明によれば、SOCのアナリストの稼働量を十分に減らすことができる。
図1は、セキュリティシステムについて説明する図である。 図2は、アラートモニタの画面の例を示す図である。 図3は、IOCチェッカーの画面の例を示す図である。 図4は、第1の実施形態に係る決定装置の構成例を示す図である。 図5は、特徴情報の抽出及びラベルの付与を行う期間を説明する図である。 図6は、学習処理の流れを示すフローチャートである。 図7は、ラベルを付与する処理の流れを示すフローチャートである。 図8は、予測処理の流れを示すフローチャートである。 図9は、決定プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
 以下に、本願に係る決定方法、決定装置及び決定プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
[第1の実施形態の構成]
 まず、図1を用いて、第1の実施形態に係る決定装置を含むセキュリティシステムについて説明する。図1は、セキュリティシステムについて説明する図である。
 セキュリティシステム1は、顧客組織のセキュリティプライアンスにおいて生じた所定の情報を基に、分析エンジンによる自動分析、又は分析者による分析が行われる。
 セキュリティプライアンスは、例えば侵入防御システム(IPS:Intrusion Prevention System)、プロキシ、サンドボックス、統合脅威管理(UTM:Unified Threat Management)等である。
 SOCでは、セキュリティアプライアンスから取得したセキュリティに関する情報をリアルタイムに分析する。例えば、セキュリティに関する情報にはセキュリティログ及びアラートが含まれる。
 図1の例では、SOCは大規模なMSSP(Managed Security Service Provider)で提供されるアウトソースSOCとして利用されている。一方で、本実施形態は、インハウスSOCにも適用可能である。
 アウトソースSOCとインハウスSOCは組織的な違いはあるが、全体的なワークフローは類似している。このため、スケールメリットを十分に発揮できる規模の組織のインハウスSOCであれば、本実施形態の効果が得られやすい。
 セキュリティシステム1における処理の流れを説明する。図1に示すように、まず、顧客組織のセキュリティアプライアンスは、アラート及びセキュリティログをSOCの分析エンジン10に送信する(ステップS1)。
 以下、アラートについて処理を行う場合の例を説明する。セキュリティシステム1は、セキュリティログについても、アラートと同様に処理することができる。
 分析エンジン10は自動分析を行う(ステップS2)。分析エンジン10は、既知の悪意のある特性や、事前に定義されたルールやブラックリストに基づいて分析を行うことで、アラートに対応する。
 分析エンジン10は、SOAR(Security Orchestration, Automation, and Response)と呼ばれる機能を用いて分析を行ってもよい。
 分析エンジン10は、所定の条件を満たすアラートを決定装置20、アラートモニタ30又はIOCチェッカー40に送信する(ステップS3)。
 このとき、図2に示すように、アラートモニタ30は、アラートに関する情報を表示する。図2は、アラートモニタの画面の例を示す図である。
 例えば、アラートモニタ30には、アラートの原因となったイベントの日付(Date)、顧客名(Customer)、アラートを送信したデバイス(Device)、アラートの名前(Alert Name)、アラートのトリガーとなった状況の概要等が表示される。
 また、図3に示すように、IOCチェッカー40は、アラートに含まれるIOC(Indicator of Compromise)に関する情報を表示する。図3は、IOCチェッカーの画面の例を示す図である。
 例えば、IOCには、ドメイン名、IPアドレス、URL、ファイルハッシュ値等が含まれる。
 図3に示すように、例えば、IOCチェッカー40は、SOCでの調査状況(Status)、IOCの悪性度に関するSOCの直近の判断(SOC Last Decision)、そのIOCの最新の脅威インテリジェンス結果(Detection in TI)等を表示する。
 例えば、分析者は、アラートモニタ30及びIOCチェッカー40といった、IOC評価専用のツールを使って、分析エンジン10によって処理できなかったアラートについてIOCのトリアージ(評価)を行う。
 SOCの分析者は日頃のSOCワークフローで大量のアラートを処理する。そこで、決定装置20は、優先度が高いIOCを決定し、分析者に通知する。これにより、SOCにおいて複数の分析者が同じIOCを手動で評価することを防止することができる。
 また、決定装置20によれば、優先度が高いIOCを優先して分析することができるため、分析者の稼働量に対する効果を向上させることができる。
 決定装置20は、モデルの学習、又はモデルを用いてIOCの優先度の予測を行う(ステップS4)。そして、決定装置20は、予測結果に基づき優先度が高いIOCを決定し、当該決定したIOCを通知する(ステップS5)。
 例えば、決定装置20は、決定したIOCを、IOCチェッカー40を介して分析者に通知する。
 分析者は、通知された優先度に基づき分析を実施する(ステップS6)。また、分析者は、分析の過程で脅威インテリジェンスサービス(例えば、Virus Total)の検索を行ってもよい(ステップS7)。
 脅威インテリジェンスサービスの中には、脅威のレベルや悪性度に関するスコアを提供するものがある。しかしながら、本来そのようなスコアは必ずしも分析者の次のアクションを決定するものではない。
 例えば、既にパッチが展開されている脆弱性を利用した攻撃に関連したIOCは、悪性であるスコアが高いかもしれないが、顧客組織を守るという観点では差し迫った脅威ではない。
 このように、SOCにおけるアラート分析は単純ではないため、アラート分析を完全自動化することは難しく、分析者による判断が必要になる場合がある。
 このため、決定装置20による優先度が高いIOCの決定は、分析者の判断の時間を確保し、また各IOCの調査稼働を削減するために有用であるということができる。
 分析者は、最終的に分析対象のアラート及び当該アラートに含まれたIOCが悪性か非悪性かを判断し、さらに顧客への報告が必要かどうかを判断し、顧客への報告が必要な場合、顧客組織のシステム管理者等に報告を行う(ステップS8)。
 例えば、分析者があるIOCの評価を完了すると、その結果に基づいて、分析エンジン10におけるアラートのトリガーされる条件を変更することができる。
 例えば、分析者による評価で明らかに悪性のIOCが特定された場合、カスタムブラックリスト又はカスタムシグネチャとして当該IOCを分析エンジン10において使用することができる。
 その場合、同一IOCを含むログをSOCの他の顧客でも自動的に検知できるようにすることができる。また、評価で誤検知や脅威レベルが少ないIOCが特定された場合、アラートをトリガーするSIEMロジックが変更され、同じ誤検知アラートが再び発生するのを防ぐことができ、分析者の稼働削減につながる。
 以降、決定装置20が優先度の高いIOCを決定する処理について、決定装置20の構成とともに詳細に説明する。
 図4は、第1の実施形態に係る決定装置の構成例を示す図である。図4に示すように、決定装置20は、特徴情報抽出部21、ラベル付与部22、学習部23、予測部24及びモデル情報25を有する。
 決定装置20は、機械学習手法によるモデルの学習処理、及び学習済みのモデルを使った予測処理を行う。
 学習処理では、特徴情報抽出部21、ラベル付与部22及び学習部23が用いられる。また、予測処理では、特徴情報抽出部21及び予測部24が用いられる。
 特徴情報抽出部21は、サイバーセキュリティに関する情報に含まれるIOCから特徴情報を抽出する。例えば、サイバーセキュリティに関する情報は、分析エンジン10から取得するアラートである。
 特徴情報抽出部21は、分析エンジン10から入手した過去のアラートに含まれるIOCから、当該IOCの特性を特徴づける情報(以後、特徴情報)を抽出する。
 特徴情報は、IOCに含まれるドメイン名、IPアドレス、URL、ファイルハッシュ値等であってもよい。
 例えば、特徴情報抽出部21は、あらかじめ定められた一定の日数の間に発生したアラートから特徴情報を抽出する。
 ラベル付与部22は、IOCのそれぞれについて、関連するアラートの対応に要した稼働量の実績に応じたラベルを付与する。
 ここでは、ラベルは優先度が高いか否かを表す二値データであるものとする。例えば、ラベル付与部22は、過去に分析者の稼働を多く消費したIOCについては、優先度が高いことを示すラベルを付与し、そうでないものについては優先度が高くないことを示すラベルを付与する。
 なお、従来技術(例えば、非特許文献4から8に記載の技術)では、IOCが悪性のもの(又は悪意があるもの)であるか否かを示すラベルが付与されていた。一方で、本実施形態では、分析者の稼働量に基づきラベルが付与される。
 ラベル付与部22は、IOCのうち、関連するアラートに対して一定期間内に発生した手動調査の回数が所定値以上であるIOCについて、優先度が高いことを示すラベルを付与し、手動調査の回数が所定値未満であるIOCについて、優先度が高くないことを示すラベルを付与する。
 以降の説明では、優先度が高いことを示すラベルを「優先」、優先度が高くないことを示すラベルを「非優先」と表記する。
 例えば、ラベル付与部22は、ラベル付与時点の前のL日間にK回以上の分析者による手動調査が発生したIOCを「優先」とラベル付けし、それ以外は「非優先」とラベル付けする(ただし、K及びLは整数)。
 図5に示す学習処理のタイムラインは、ラベル付与部22がいつのデータをラベルの付与に利用するかを示している。図5は、特徴情報の抽出及びラベルの付与を行う期間を説明する図である。
 例えば、ラベル付与時点が「現在」と表記した時点である場合、ラベル付与部22は、その直近L日間に当該IOCが分析者によってK回以上調査されたか否かを判定する。
 これにより、ラベル付与部22は、過去から直近までのSOCのデータを使って自動的にラベルを付与することができる。
 さらに、ラベル付与部22は、ラベル付与の動作を一定の期間が経過するたびに繰り返すことで、教師あり機械学習に必要な正解ラベルつきのデータを追加し続けることができる。
 また、ラベル付与部22は、分析者による作業を要求することなく自動的にラベルの付与を行うことができるため、分析者の日頃の業務を妨げることがない。
 この点について、SOCやセキュリティ現場で追加される新たなツールは、そのメンテナンスに分析者の追加作業を要求するような個別のソリューションになりがちであることが、参考文献4で指摘されている。
 参考文献4:M. Vielberth, F. Bohm, I. Fichtinger, and G. Pernul, “Security Operations Center: A Systematic Study and Open Challenges,” IEEE Access, vol.8, pp.227756-227779, 2020.
 本実施形態のラベル付与機能は、自動的に処理を実行し、メンテナンスフリーであるため、ツールの追加による分析者の稼働量の増加という問題を解決しているということができる。
 なお、ラベル付与部22は、手動調査の回数ではなく、手動調査に要した時間を基にラベルを付与してもよい。
 その場合、ラベル付与部22は、IOCのうち、関連するアラートに対して一定期間内に発生した手動調査に要した時間が所定値以上であるIOCについて、優先度が高いことを示すラベルを付与し、時間が所定値未満であるIOCについて、優先度が高くないことを示すラベルを付与するようにしてもよい。
 例えば、ラベル付与部22は、ラベル付与時点の前のL日間にT時間以上の分析者による手動調査が発生したIOCを「優先」とラベル付けし、それ以外は「非優先」とラベル付けする(ただし、Tは実数)。
 学習部23は、特徴情報抽出部21によって抽出された特徴情報及びラベル付与部22によって付与されたラベルを組み合わせた学習データを用いて、IOCの特徴情報からラベルを出力するモデルの学習を行う。
 学習部23は、教師あり機械学習により、モデルの作成及び更新を行う。モデル情報25は、モデルを構築するためのパラメータ等を含む情報である。学習部23は、モデル情報25の作成及び更新を行う。
 学習部23は、既知の任意の教師あり機械学習のアルゴリズムを採用することが可能である。本実施形態では、学習部23は標準的なロジスティック回帰を採用するものとする。
 ロジスティック回帰は、スケーラブルで高速なので、SOC環境のように多くの顧客からの大量のアラートに含まれるIOCを予測するのに適している。
 また、ロジスティック回帰は解釈可能性が高いことが知られている。ロジスティック回帰の出力は、その性質上、入力されたIOCが優先される確率として解釈でき、さらに各IOCに対応する特徴情報のうちどの特徴が結果に貢献しているかを示すことができる。このように、ロジスティック回帰には解釈可能性が高いという利点がある。
 ここでは、学習部23は、特にL1正則化つきロジスティック回帰を利用するものとする。
 まず、学習部23は、特徴情報抽出部21によって抽出された特徴情報を表すベクトルxが与えられたとき、(1)式に示すラベルの条件付き確率yを、(2)式のようにモデル化する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 ここで、θはロジスティック回帰モデルのパラメータである。また、σはシグモイド関数である。また、xの全ての特徴は、[0,1]の範囲に正規化されるものとする。
 学習部23は、正則化の度合いを決定するハイパーパラメータλを導入した(4)式の目的関数を最小化する際のパラメータθを求めるために、(3)式に示すn個のラベル付きの学習用データの集合を使用する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000004
 (4)式のうち、L1正則化部分λ||θ||は、目的関数にペナルティを加えており、有意に寄与しない特徴情報を識別して削減する効果がある。
 このような特徴量の削減は必要以上に学習データに合わせてしまうオーバーフィッティングの防止に寄与するだけでなく、メモリ使用量の削減や、SOCアナリストに提示する結果をより簡潔で解釈しやすいものにする効果がある。
 予測部24は、学習部23による学習が行われたモデルを用いて、IOCの特徴情報からラベルを予測する。
 予測部24は、学習部23によって学習が行われたモデルを利用して、新たにリアルタイムで発生したアラートに含まれるIOCと対応する特徴情報を入力し、どのIOCが将来的に分析者の稼働を多く消費することになるのかを予測する。
 例えば、予測部24は、モデル情報25を基に構築したロジスティック回帰モデルを使って予測を行う。
 例えば、予測部24は、分析者が対象のIOCをP日以内にK回以上手動で分析する確率を予測することである(ただし、Pは整数)。
 予測部24は、学習部23によって決定されたパラメータθを用いて、IOCに対応する特徴情報のベクトルxが「優先」である確率p求め、予測するラベル^y(yの直上に^)を(5)式で定義する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000005
 決定装置20は、予測部24によって予測されたラベルを基に、SOCの分析者による繰り返しの調査につながると考えられるIOC、すなわち「優先」ラベルが予測されたIOCを、確率pが高い順に出力し、分析者に提示する。
 このとき、分析者は、決定装置20によって提示された情報を利用して、調査対象の優先順位付けを行い、効率的にトリアージや詳細分析を行うことができる。
 SOCの分析者は、IOCに対してどのようなアクションを取るべきかを可能な限り決定し記録することが求められる。
 本実施形態によれば、分析者は優先度が高いIOCを調査し、その結果を分析エンジン10に反映させることができる。それによって、分析エンジン10は同じIOCを含むアラートを自動処理できるようになるため、分析者が毎回当該IOCを手動で調査することを回避し、SOC全体としての稼働量の削減を図ることができる。
 例えば、分析者は優先度が高いと決定されたIOCを調査し、その結果を基に分析エンジン10に当該IOCを自動分析させるようにする。これにより、当該IOCは他の分析者に受け渡されることがなくなるため、稼働量が削減される。
 なお、決定装置20は、学習処理をオフラインで定期的(例えば1日に1回)に再実行し、モデル情報25を更新する。決定装置20は、図5に示すように、F+L日間のデータを利用して学習処理を行う。
 一方、決定装置20が、顧客組織からのアラートに含まれるIOCをリアルタイムに処理する際、すなわち予測処理を行う際には、当該IOCに対して、過去F日間分のデータを利用して特徴情報を抽出する。
 そして、決定装置20は、抽出した特徴情報から、未来のP日間に分析者によるK回以上の手動調査が実施される確率pを計算する。
 決定装置20は、上記の予測処理をリアルタイムに受信するIOCごとに繰り返す。その結果、分析者が優先的に調査するべきIOCのリストが、図3のようにIOCチェッカー40の画面に表示され継続的に更新される。
[第1の実施形態の処理]
 図6は、学習処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すように、まず、決定装置20は、過去のアラートの入力を受け付ける(ステップS101)。
 次に、決定装置20は、入力されたアラートに含まれるIOCから特徴情報を抽出する(ステップS102)。続いて、決定装置20は、各IOCに対する分析者の稼働量に基づいて優先度に関する正解ラベルを付与する(ステップS103)。
 そして、決定装置20は、正解ラベルを用いて、特徴情報から優先度に関するラベルを出力するモデルを学習する(ステップS104)。
 図7は、ラベルを付与する処理の流れを示すフローチャートである。図7の処理は、図6のステップS103に相当する。
 まず、図7に示すように、決定装置20は、kに現在からL日前までの調査回数を代入する(ステップS103a)。
 ここで、kが定数K以上であれば(ステップS103b、Yes)、決定装置20は正解ラベル「優先」を付与する(ステップS103c)。
 一方、kが定数K未満であれば(ステップS103b、No)、決定装置20は正解ラベル「非優先」を付与する(ステップS103d)。
 図8は、予測処理の流れを示すフローチャートである。図8に示すように、まず、決定装置20は、直近のアラートの入力を受け付ける(ステップS201)。
 次に、決定装置20は、入力されたアラートに含まれるIOCから特徴情報を抽出する(ステップS202)。続いて、決定装置20は、各IOCに対する分析者の稼働量に基づいて正解ラベルを抽出する(ステップS203)。
 そして、決定装置20は、特徴情報を学習済みのモデルに入力して、優先度に関するラベルを予測する(ステップS204)。
 決定装置20は、予測したラベルに基づき優先度の高いIOCをSOCの分析者に通知することができる。
[第1の実施形態の効果]
 これまで説明してきたように、特徴情報抽出部21は、サイバーセキュリティに関する情報に含まれるIOCから特徴情報を抽出する。ラベル付与部22は、IOCのそれぞれについて、関連するアラートの対応に要した稼働量の実績に応じたラベルを付与する。学習部23は、特徴情報抽出部21によって抽出された特徴情報及びラベル付与部22によって付与されたラベルを組み合わせた学習データを用いて、IOCの特徴情報からラベルを出力するモデルの学習を行う。
 これにより、決定装置20によって学習が行われたモデルを用いることで、優先度の高いIOCを分析者に通知し、SOC全体の稼働量を減らすことができる。
 ラベル付与部22は、IOCのうち、関連するアラートに対して一定期間内に発生した手動調査の回数が所定値以上であるIOCについて、優先度が高いことを示すラベルを付与し、手動調査の回数が所定値未満であるIOCについて、優先度が高くないことを示すラベルを付与する。
 これにより、決定装置20は、学習済みのモデルを用いて、手動調査の回数に基づく優先度を予測し分析者に知らせることができる。
 ラベル付与部22は、IOCのうち、関連するアラートに対して一定期間内に発生した手動調査に要した時間が所定値以上であるIOCについて、優先度が高いことを示すラベルを付与し、時間が所定値未満であるIOCについて、優先度が高くないことを示すラベルを付与する。
 これにより、決定装置20は、学習済みのモデルを用いて、手動調査の時間に基づく優先度を予測し分析者に知らせることができる。
 予測部24は、学習部23による学習が行われたモデルを用いて、IOCの特徴情報からラベルを予測する。また、予測部24は、優先度が高いことを示すラベルが予測されたIOCに関する情報を分析者に通知する。
 これにより、決定装置20は、優先度の高いIOCを分析者に通知し、SOC全体の稼働量を減らすことができる。
[システム構成等]
 また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散及び統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。なお、プログラムは、CPUだけでなく、GPU等の他のプロセッサによって実行されてもよい。
 また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
[プログラム]
 一実施形態として、決定装置20は、パッケージソフトウェアやオンラインソフトウェアとして上記の決定処理を実行する決定プログラムを所望のコンピュータにインストールさせることによって実装できる。例えば、上記の決定プログラムを情報処理装置に実行させることにより、情報処理装置を決定装置20として機能させることができる。ここで言う情報処理装置には、デスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータが含まれる。また、その他にも、情報処理装置にはスマートフォン、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)等の移動体通信端末、さらには、PDA(Personal Digital Assistant)等のスレート端末等がその範疇に含まれる。
 また、決定装置20は、ユーザが使用する端末装置をクライアントとし、当該クライアントに上記の決定処理に関するサービスを提供する決定サーバ装置として実装することもできる。例えば、決定サーバ装置は、セキュリティに関するアラートを入力とし、優先度の高いIOCを出力とする決定サービスを提供するサーバ装置として実装される。この場合、決定サーバ装置は、Webサーバとして実装することとしてもよいし、アウトソーシングによって上記の決定処理に関するサービスを提供するクラウドとして実装することとしてもかまわない。
 図9は、決定プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010、CPU1020を有する。また、コンピュータ1000は、ハードディスクドライブインタフェース1030、ディスクドライブインタフェース1040、シリアルポートインタフェース1050、ビデオアダプタ1060、ネットワークインタフェース1070を有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
 メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM(Random Access Memory)1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
 ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、決定装置20の各処理を規定するプログラムは、コンピュータにより実行可能なコードが記述されたプログラムモジュール1093として実装される。プログラムモジュール1093は、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。例えば、決定装置20における機能構成と同様の処理を実行するためのプログラムモジュール1093が、ハードディスクドライブ1090に記憶される。なお、ハードディスクドライブ1090は、SSD(Solid State Drive)により代替されてもよい。
 また、上述した実施形態の処理で用いられる設定データは、プログラムデータ1094として、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020は、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出して、上述した実施形態の処理を実行する。
 なお、プログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限らず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ1100等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶されてもよい。そして、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、他のコンピュータから、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
 1 セキュリティシステム
 10 分析エンジン
 20 決定装置
 21 特徴情報抽出部
 22 ラベル付与部
 23 学習部
 24 予測部
 25 モデル情報
 30 アラートモニタ
 40 IOCチェッカー

Claims (7)

  1.  決定装置によって実行される決定方法であって、
     サイバーセキュリティに関する情報に含まれるIOC(Indicator of Compromise)から特徴情報を抽出する特徴情報抽出工程と、
     前記IOCのそれぞれについて、関連するアラートの対応に要した稼働量の実績に応じたラベルを付与するラベル付与工程と、
     前記特徴情報抽出工程によって抽出された特徴情報及び前記ラベル付与工程によって付与されたラベルを組み合わせた学習データを用いて、IOCの特徴情報からラベルを出力するモデルの学習を行う学習工程と、
     を含むことを特徴とする決定方法。
  2.  前記ラベル付与工程は、前記IOCのうち、関連するアラートに対して一定期間内に発生した手動調査の回数が所定値以上であるIOCについて、優先度が高いことを示すラベルを付与し、前記手動調査の回数が前記所定値未満であるIOCについて、優先度が高くないことを示すラベルを付与することを特徴とする請求項1に記載の決定方法。
  3.  前記ラベル付与工程は、前記IOCのうち、関連するアラートに対して一定期間内に発生した手動調査に要した時間が所定値以上であるIOCについて、優先度が高いことを示すラベルを付与し、前記時間が前記所定値未満であるIOCについて、優先度が高くないことを示すラベルを付与することを特徴とする請求項1に記載の決定方法。
  4.  前記学習工程による学習が行われたモデルを用いて、IOCの特徴情報からラベルを予測する予測工程をさらに含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の決定方法。
  5.  前記予測工程において、優先度が高いことを示すラベルが予測されたIOCに関する情報を通知する通知工程をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の決定方法。
  6.  サイバーセキュリティに関する情報に含まれるIOC(Indicator of Compromise)から特徴情報を抽出する特徴情報抽出部と、
     前記IOCのそれぞれについて、関連するアラートの対応に要した稼働量の実績に応じたラベルを付与するラベル付与部と、
     前記特徴情報抽出部によって抽出された特徴情報及び前記ラベル付与部によって付与されたラベルを組み合わせた学習データを用いて、IOCの特徴情報からラベルを出力するモデルの学習を行う学習部と、
     を有することを特徴とする決定装置。
  7.  コンピュータに、
     サイバーセキュリティに関する情報に含まれるIOC(Indicator of Compromise)から特徴情報を抽出する特徴情報抽出手順と、
     前記IOCのそれぞれについて、関連するアラートの対応に要した稼働量の実績に応じたラベルを付与するラベル付与手順と、
     前記特徴情報抽出手順によって抽出された特徴情報及び前記ラベル付与手順によって付与されたラベルを組み合わせた学習データを用いて、IOCの特徴情報からラベルを出力するモデルの学習を行う学習手順と、
     を実行させることを特徴とする決定プログラム。
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