WO2022107629A1

WO2022107629A1 - 内視鏡用カート及び内視鏡用機器

Info

Publication number: WO2022107629A1
Application number: PCT/JP2021/040968
Authority: WO
Inventors: 康二郎小谷; 豊千田; 勝蔵井山
Original assignee: 富士フイルム株式会社
Priority date: 2020-11-19
Filing date: 2021-11-08
Publication date: 2022-05-27
Also published as: US20230285614A1; CN116648178A; JPWO2022107629A1

Abstract

本発明は、飛沫等が内視鏡用機器に付着した場合であっても、内視鏡用機器を殺菌することができる内視鏡用カート及び内視鏡用機器を提供する。　載置部を構成する棚板（２７）は、内視鏡用機器を載置する。紫外線光源部は、内視鏡用機器に紫外線を照射する。紫外線光源部（４０）はハンドル部（２５ａ）に、紫外線光源部（４３）は引き出し部（２５ｂ）に設けられる。紫外線光源部（４７）は回転パネル（４５）に設けられる。紫外線光源部（５０）を有する紫外線光源ユニット（５３）は、棚板（２７）の側面（２７ａ）に設けられる。

Description

内視鏡用カート及び内視鏡用機器

　本発明は、内視鏡用カート及び内視鏡用機器に関する。

　医療分野においては、内視鏡を用いて消化管などを観察することが行われている。内視鏡を用いた観察においては、内視鏡、光源装置、プロセッサ装置などの内視鏡機器に対して、医者、技師、看護師などのユーザが直接触って操作することが行われている。ユーザの接触に伴う病原菌やウイルスの感染を防止するために、内視鏡機器は、検査前などに、除菌又は殺菌することが行われている。

　例えば、特許文献１では、光源装置又はプロセッサ装置において、前面板の操作部上に被覆部材を複数個重ねておき、検査後に被覆部材を剥離することによって、清潔性を維持している。また、特許文献２では、内視鏡プロセッサの前面にあるタッチパネルに対して、表面全体をフィルムセットで覆い、検査後にフィルムを剥がすことによって、洗浄又は消毒の手間を省いている。また、特許文献３では、内視鏡用カートにおいて、内視鏡検査が行われない場合に、モニタをフードで覆い、また、カートに載置されたプロセッサなどの内視鏡用機器の少なくとも前面をスクリーン幕で覆うことで、内視鏡用機器などに埃などが付着しないようにしている。

特開平１０－３０９２６２号公報特開２０１２－１３５４７１号公報特開２００７－７５３９２号公報

　特許文献１又は２のように、被覆部材又はフィルムを用いる場合には、検査毎に交換することが煩雑である。また、被覆部材等が交換済みであるか否かを判断することができない場合がある。更には、剥離した被覆部材等は廃棄処理が必要であり、その廃棄処理において感染防止対策が必要となる。また、特許文献３に関しては、検査中は、フード又はスクリーン幕を開く必要があるため、飛沫等が内視鏡用機器等に付着することがある。この場合、内視鏡用機器等に付着したウイルス等については除去することができない。そこで、内視鏡用機器に対する飛沫の付着を防ぐのではなく、仮に、飛沫等が内視鏡用機器に付着した場合であっても、内視鏡用機器を殺菌できることが求められていた。

　本発明は、飛沫等が内視鏡用機器に付着した場合であっても、内視鏡用機器を殺菌することができる内視鏡用カート及び内視鏡用機器を提供することを目的とする。

　本発明の内視鏡用カートは、内視鏡用機器を載置する載置部と、内視鏡用機器に紫外線を照射する紫外線光源部とを備える。

　載置部の上方に設けられる天板と、天板の前方に設けられるハンドル部とを備え、紫外線光源部は、ハンドル部に設けられることが好ましい。載置部の上方に設けられる天板と、天板と載置部との間に設けられ、収納位置と収納位置から引き出された引出位置との間で移動可能なスライド板を有する引き出し部とを備え、紫外線光源部は、スライド板に設けられることが好ましい。内視鏡用機器は、上方又は斜め上方の少なくともいずれから紫外線が照射されることが好ましい。

　載置部の上方に設けられる天板と、天板と載置部との間に設けられ、収納位置と収納位置から引き出された引出位置との間で移動可能なスライド板を有する引き出し部と、閉じ位置と開き位置との間で前記スライド板に回転可能に取り付けられた回転パネルとを備え、紫外線光源部は、回転パネルに設けられることが好ましい。

　紫外線光源部が設けられた光源用筐体、及び、光源用筐体を保持する光源保持部であって、第１方向に移動可能、且つ、第１方向と直交する第２方向に向けて回転可能である光源保持部から構成される紫外線光源ユニットを備えることが好ましい。

　紫外線光源部は、紫外線を発する紫外線光源、及び、紫外線を内視鏡用機器に向けて出射する出射部を有し、紫外線光源と出射部とが対向していることが好ましい。紫外線光源部は、紫外線を発する紫外線光源、紫外線光源から発せられた紫外線を導光する導光板、及び、紫外線を内視鏡用機器に向けて出射する出射部を有し、導光板と出射部とが対向していることが好ましい。

　紫外線光源は、エキシマランプ又はＬＥＤのいずれかであることが好ましい。内視鏡用機器が、プロセッサ装置、光源装置、バルーン制御器、送水装置、送気装置、ナビゲーション装置、診断支援装置、超音波観測装置、及び、処置具電源のうちのいずれか又は２以上の組み合わせであることが好ましい。

　本発明の内視鏡用機器は、紫外線を照射する紫外線光源部を備える。

　紫外線光源は、エキシマランプ又はＬＥＤのいずれかであることが好ましい。プロセッサ装置、光源装置、洗浄消毒装置、バルーン制御器、送水装置、送気装置、ナビゲーション装置、診断支援装置、超音波観測装置、及び、処置具電源のうちのいずれか又は２以上の組み合わせであることが好ましい。

　本発明によれば、飛沫等が内視鏡用機器に付着した場合であっても、内視鏡用機器を殺菌することができる。

内視鏡システム及び内視鏡用カートの斜視図である。ハンドル部に紫外線光源部を設けた場合における光源装置、プロセッサ装置、及びこれらを載置する載置部の斜視図である。ハンドル部に紫外線光源部を設けた場合における光源装置、プロセッサ装置、及びこれらを載置する載置部の側面図である。引き出し部に紫外線光源部を設けた場合における光源装置、プロセッサ装置、及びこれらを載置する載置部の斜視図である。引き出し部に紫外線光源部を設けた場合における光源装置、プロセッサ装置、及びこれらを載置する載置部の側面図である。紫外線光源部が設けられた回転パネルが閉じ状態にある場合における光源装置、プロセッサ装置、及びこれらを載置する載置部の側面図である。紫外線光源部が設けられた回転パネルが開き状態にある場合における光源装置、プロセッサ装置、及びこれらを載置する載置部の側面図である。載置部に取り付けられた紫外線光源ユニットが不使用時にある場合における光源装置、プロセッサ装置、及びこれらを載置する載置部の斜視図である。載置部に取り付けられた紫外線光源ユニットが不使用時にある場合における光源装置、プロセッサ装置、及びこれらを載置する載置部の側面図である。載置部に取り付けられた紫外線光源ユニットが使用時に移行する段階にある場合における光源装置、プロセッサ装置、及びこれらを載置する載置部の斜視図である。載置部に取り付けられた紫外線光源ユニットが使用時に移行する段階にある場合における光源装置、プロセッサ装置、及びこれらを載置する載置部の側面図である。載置部に取り付けられた紫外線光源ユニットが使用時にある場合における光源装置、プロセッサ装置、及びこれらを載置する載置部の斜視図である。載置部に取り付けられた紫外線光源ユニットが使用時にある場合における光源装置、プロセッサ装置、及びこれらを載置する載置部の側面図である。紫外線光源を備える紫外線光源部の断面図である。紫外線光源及び導光板を備える紫外線光源部の断面図である。光源装置に取り付けられた紫外線光源ユニットが不使用時にある場合における光源装置、プロセッサ装置、及びこれらを載置する載置部の斜視図である。光源装置に取り付けられた紫外線光源ユニットが使用時から移行する段階にある場合における光源装置、プロセッサ装置、及びこれらを載置する載置部の斜視図である。光源装置に取り付けられた紫外線光源ユニットが使用時にある場合における光源装置、プロセッサ装置、及びこれらを載置する載置部の斜視図である。洗浄消毒装置の斜視図である。洗浄消毒装置に取り付けられた紫外線光源ユニットが不使用時にある場合における洗浄消毒装置の斜視図である。洗浄消毒装置に取り付けられた紫外線光源ユニットが使用時にある場合における洗浄消毒装置の斜視図である。

　図１に示すように、内視鏡システム１０は、内視鏡１２と、光源装置１４と、プロセッサ装置１５と、ディスプレイ１６と、これらの機器を載置して搬送する内視鏡用カート２０とを備える。内視鏡１２は、観察対象を撮影する。光源装置１４は、観察対象に照射する照明光を発する。プロセッサ装置１５は、内視鏡システム１０の制御を行う。ディスプレイ１６は、内視鏡画像に基づく観察画像等を表示する表示部である。

　内視鏡１２は、被検体内に挿入する軟性部１２ａと、軟性部１２ａの基端部分に設けた操作部１２ｂと、軟性部１２ａの先端側に設けた湾曲部１２ｃと、先端部１２ｄとを有している。操作部１２ｂのアングルノブ１２ｅを操作することにより、湾曲部１２ｃが湾曲する。その結果、先端部１２ｄが所望の方向に向く。内視鏡１２は、光源装置１４及びプロセッサ装置１５に接続するコード１２ｆを備え、光源装置１４と光学的に接続され、且つ、プロセッサ装置１５と電気的に接続される。なお、内視鏡１２の挿入部は、軟性部１２ａと、湾曲部１２ｃと、先端部１２ｄとから構成される。

　内視鏡用カート２０は、フレーム台座部２１と、４つのキャスター２２と、支柱２３、２４と、天板２６と、棚板２７、２８と、スタンド２９と、２つのハンガー３２とを備える。フレーム台座部２１は、略矩形状に形成され、四隅にキャスター２２が設けられている。支柱２３、２４は、フレーム台座部２１の両側端部から上方に向けて立設された柱状の部材である。天板２６は、略矩形状に形成され、支柱２３、２４の上端に配されている。天板２６の両側端部が支柱２３、２４の上端部内側に固定されている。

　棚板２７、２８は、内視鏡用機器などを載置する載置部であり、略矩形状に形成され、支柱２３、２４の中間部内側に固定されている。内視鏡用機器としては、光源装置１４及びプロセッサ装置１５の他、バルーン制御器、送水装置、送気装置、ナビゲーション装置、診断支援装置、超音波観測装置、及び処置具電源などが含まれる。

　棚板２７、２８は、フレーム台座部２１及び天板２６の間を仕切っている。各キャスター２２には、その回転を規制するためのストップレバー２２ａがそれぞれ設けられている。ストップレバー２２ａが上がった状態ではキャスター２２の回転は規制され、ストップレバー２２ａが下がった状態ではキャスター２２の回転が可能となる。

　天板２６、棚板２７、２８は、その上面に内視鏡用機器などを載置するパネルであり、図１に示す例では、棚板２７の上面にプロセッサ装置１５および光源装置１４が載置されている。

　天板２６には、前方にハンドル部２５ａが設けられている。ユーザはハンドル部２５ａを手で持つことで内視鏡用カート２０を容易に移動させることができる。天板２６と棚板２７との間には、収納位置（図２の状態）とこの収納位置から引き出された引出位置（図４の状態）との間で移動可能な引き出し部２５ｂが設けられている。引き出し部２５ｂには、プロセッサ装置１５等への入力に使用するキーボード３０（図４、図５参照）が収納されている。ディスプレイ１６は、左側の支柱２４の上端に取り付けられたスタンド２９に固定され、スタンド２９及び支柱２４内の配線を介してプロセッサ装置１５に接続されている。

　右側の支柱２３の上端には、ハンガースタンド３１が取り付けられている。ハンガースタンド３１は、Ｌ字状のスタンド部材３１ａと、直線状のスタンド部材３１ｂとから構成される。スタンド部材３１ａは、一方の端部が、支柱２３に対して回動自在に取り付けられている。スタンド部材３１ｂには、２つのハンガー３２が固定されている。ハンガー３２は、切欠き部又は溝を有し、内視鏡１２の操作部１２ｂを切欠き又は溝に保持してハンガー３２に内視鏡１２を吊り下げることができる。

　スタンド部材３１ｂは、スタンド部材３１ａの他方の端部と回転自在に連結している。これにより、支柱２３に対してスタンド部材３１ａ、３１ｂを回動させることにより、ハンガー３２に保持された内視鏡１２の位置を調整することができる。

　内視鏡用カート２０には、内視鏡用機器に紫外線を照射する紫外線光源部が設けられている。具体的には、図２、図３に示すように、ハンドル部２５ａに対して、紫外線光源部４０が設けられている。紫外線光源部４０は、ハンドル部２５ａの下面に設けられており、光源装置１４又はプロセッサ装置１５に対して紫外線ＵＶを照射する。紫外線光源部４０は、紫外線ＵＶが光源装置１４の操作パネル１４ａ又はプロセッサ装置１５の操作パネル１５ａの少なくともいずれかに照射されるように（上方又は斜め上方からの照射）、設けることが好ましい。紫外線ＵＶは、後述するように、内視鏡機器の除菌又は殺菌に用いられる。なお、上方とは、鉛直方向Ｖ（図２、図３参照）に対して上方向のことを表しており、斜め上方とは、鉛直方向Ｖに対して所定の角度を持つ斜め方向のことを表している。

　なお、操作パネル１４ａはタッチパネルなどであり、医師、技師、看護師などのユーザが直接触れて押圧操作などをすることによって、光源装置１４に対して各種設定操作を行うために用いられる。操作パネル１５ａについても同様である。また、内視鏡用カート２０に人感センサ（図示しない）を設け、人感センサで内視鏡用カート２０の近くに人がいないことを検出した時に、自動で紫外線光源部４０から紫外線ＵＶを光源装置１４又はプロセッサ装置１５に照射してもよい。

　また、図４、図５に示すように、引き出し部２５ｂが、収納位置とこの収納位置から引き出された引出位置との間で移動可能なスライド板４２を有している場合において、スライド板４２に対して、紫外線光源部４３が設けられている。紫外線光源部４４は、スライド板４２の下面に設けられており、スライド板４２が引出位置にある場合において、光源装置１４又はプロセッサ装置１５に対して紫外線ＵＶを照射する。紫外線光源部４３は、紫外線ＵＶが光源装置１４の操作パネル１４ａ又はプロセッサ装置１５の操作パネル１５ａの少なくともいずれかに照射されるように（上方又は斜め上方からの照射）、設けることが好ましい。

　また、図６、図７に示すように、スライド板４２の下面に、閉じ位置（図６の状態）と開き位置（図７の状態）との間で回転可能な回転パネル４５を設けた場合において、回転パネル４５に紫外線光源部４７を設けてもよい。回転パネル４５は、ヒンジ４８によって、スライド板４２の下面に回転可能に取り付けられている。回転パネル４５は、閉じ位置にある場合に、スライド板４２に対して平行で当接した状態となる。回転パネル４５を閉じ位置にすることで、スライド板４２が収納位置に移動可能となる。一方、回転パネル４５は、開き位置にある場合に、スライド板４２に対して一定の角度（０度よりも大きい）を有した状態となり、紫外線光源部４７から、光源装置１４又はプロセッサ装置１５に対して紫外線ＵＶの照射が可能となる。

　開き位置の回転パネル４５の角度については、紫外線ＵＶが光源装置１４の操作パネル１４ａ又はプロセッサ装置１５の操作パネル１５ａの少なくともいずれかに照射されるように、設定することが好ましい。例えば、図７の場合であれば、スライド板４２に対する回転パネル４５の角度は、略９０度であり、紫外線光源部４７は、操作パネル１４ａ、１５ａとが対向する状態となっている。

　また、図８～図１５に示すように、内視鏡用カート２０には、紫外線光源部５０が設けられた光源用筐体５１、及び、光源用筐体５１を保持する光源保持部５２であって第１方向に移動可能、且つ、第１方向と直交する第２方向に向けて回転可能である光源保持部５２から構成される紫外線光源ユニット５３を設けてもよい。具体的には、紫外線光源ユニット５３は、棚板２７の側面２７ａに沿って設けることが好ましい。例えば、光源保持部５２を棚板２７の側面に取り付ける。光源保持部５２は、棚板の側面２７ａに固定で取り付けられる固定板５５と、光源用筐体５１を保持し、且つ、光源用筐体５１の位置をプロセッサ装置１５の前面側までに伸ばすための伸長板５６を有している。なお、紫外線光源ユニット５３は、光源用筐体５１、固定板５６、及び、伸長板５６の３つの部材で構成しているが、紫外線光源ユニット５３は、光源用筐体５１と、固定板５６の２つの部材でのみの構成としてもよい。

　紫外線光源ユニット５３においては、光源用筐体５１を奥行き方向Ｘ（第１方向）に対して移動可能にし、且つ、奥行き方向Ｘに直交する幅方向Ｙ（第２方向）に対して回転可能であることが好ましい。そのために、固定板５５には、伸長板５６に設けられた１個の長尺の突起部５６ａが挿通される１本のレール５５ａが設けられている。これら突起部５６ａ及びレール５５ａによって、伸長板５６は、固定板５５から伸長した伸長板伸長位置と、固定板５５の一部を収納する伸長板収納位置（図９参照）との間で移動可能となる。

　また、伸長板５６には、光源用筐体５１の両端部に設けられた２つの長尺の突起部５１ａが挿通される２本のレール５６ｂが設けられている。これら突起部５１ａ及びレール５６ｂによって、光源用筐体５１は、伸長板５６から伸長した筐体伸長位置（図１１参照）と、伸長板５６を収納する筐体収納位置との間で移動可能となる。また、光源用筐体５１と伸長板５６との間は、光源用筐体５１が奥行き方向Ｘから幅方向Ｙに回転可能、又は、幅方向Ｙから奥行き方向Ｘに回転可能にするための回動部５８が設けられている（図１２、図１３参照）。

　紫外線光源ユニット５３は、紫外線の照射を行わない不使用時（図８、図９参照）には、伸長板５６は伸長板収納位置に、光源用筐体５１を筐体収納位置にする。一方、紫外線の照射を行う使用時には、まず、伸長板５６を伸長板伸長位置に移動させ、且つ、光源用筐体５１を筐体伸長位置に移動させる（図１０、図１１参照）。そして、回動部５８によって、光源用筐体５１を奥行き方向Ｘから幅方向Ｙに回転させる。これにより、光源用筐体５１内の紫外線光源部５０がプロセッサ装置１５の操作パネル１５ａと対向する（図１２、図１３参照）。この状態で、紫外線ＵＶを操作パネル１５ａに照射する。なお、紫外線光源ユニット５３は、支柱２３、２４に取り付け、上記と同様に光源用筐体５１の移動又は回転を行うことにより、光源装置１４に対して紫外線ＵＶを照射してもよい。

　紫外線光源部４０は、図１４に示すように、紫外線ＵＶを発する紫外線光源６０と、紫外線ＵＶを内視鏡用機器に向けて出射する出射部６１とを有することが好ましい。出射部６１は、略直方体状の光源ボックス６２の一面において、光を透過させる透明な部材で構成される。紫外線光源６０と出射部６１とが対向することで、紫外線光源６０からの紫外線ＵＶが、出射部６１を通して、内視鏡用機器に照射される。また、紫外線光源６０は、光源ボックス６２の内部において、複数個（図１４では５個）、所定の間隔で配置することが好ましい。なお、その他の紫外線光源部４３、４７、５０についても、紫外線光源部４０と同様の構成を有することが好ましい。

　また、紫外線光源部４０は、図１５に示すように、紫外線ＵＶを発する紫外線光源６０、紫外線光源６０から発せられた紫外線ＵＶを導光する導光板６３、及び、紫外線ＵＶを内視鏡用機器に向けて出射する出射部６４を有することが好ましい。導光板６３は入射面６３ａ及び出射面６３ｂを有している。紫外線光源６０は導光板６３の入射面６３ａに対向して配置される。紫外線光源６０から入射面６３ａから入射した紫外線ＵＶを内部で反射等して、出射面６３ｂから出射させる。出射部６４は、略直方体状の光源ボックス６５の一面において、光を透過させる透明な部材で構成される。導光板６３と出射部６４とが対向することで、導光板の出射面６３ｂから出射した紫外線ＵＶが、出射部５４を通して、内視鏡用機器に照射される。

　紫外線光源６０は、エキシマランプ、又は、紫外線用ＬＥＤ（Light Emitting Diode）のいずれかである。エキシマランプは、紫外線として、ピーク波長が２２２ｎｍ（±１０ｎｍ）、波長帯域が２００ｎｍ～２８０ｎｍの第１紫外線を発することが好ましい。第１紫外線による生体透過率は、光強度が高くなる２５４nmの紫外線（特定紫外線）による生体透過率と比較して、小さくなっている。例えば、目の角膜の透過率（角膜に入射した光のうち角膜で吸収される光の割合）は、第１紫外線の場合は０．０１に対して、特定紫外線の場合は３０％である。したがって、第１紫外線は、人や動物の皮膚や目に安全でありながら、紫外線本来の殺菌、ウイルスの不活化能力を有している。なお、紫外線は人間には認識することができない非可視光であるので、別途可視光光源を設けて、ブルーなどの可視光を発光してもよい。その際、経時で、可視光の濃淡を調整する他、ゆっくり点滅などしてもよい。

　紫外線用ＬＥＤは、紫外線として、波長帯域が３００ｎｍ以下の深紫外線である第２紫外線を発することが好ましい。第２紫外線は、ウイルスや細菌の遺伝子情報を壊す機能を有するため、水や空気などの殺菌効果がある。例えば、第２紫外線は、ウイルスとして、ヒトコロナウイルス（HCoV-229E）に対して、高い殺菌効果を有している。また、紫外線用ＬＥＤは、防水又は放熱などの機能を備えていることが好ましい。紫外線用ＬＥＤは、水銀ランプと比較して、環境に与える影響が小さい。

　なお、上記実施形態では、紫外線光源ユニットを内視鏡用カート２０に設けているが、その他の内視鏡用機器に紫外線光源ユニット５３を取り付けてもよい。例えば、図１６～図１８に示すように、光源装置１４の側面１４ｂに紫外線光源ユニット５３を取り付けてもよい。この場合には、紫外線の照射を行わない不使用時（図１６参照）には、伸長板５６は伸長板収納位置に、光源用筐体５１を筐体収納位置にする。一方、紫外線の照射を行う使用時には、まず、伸長板５６を伸長板伸長位置に移動させ、且つ、光源用筐体５１を筐体伸長位置に移動させる（図１７参照）。そして、回動部５８によって、光源用筐体５１を奥行き方向Ｘから幅方向Ｙに回転させる。これにより、光源用筐体５１内の紫外線光源部５０が光源装置１４の操作パネル１４ａと対向する（図１８参照）。この状態で、紫外線ＵＶを操作パネル１４ａに照射する。なお、紫外線光源ユニット５３は、プロセッサ装置１５に取り付け、プロセッサ装置１５に対して紫外線ＵＶを照射してもよい。また、紫外線の照射を行う使用時は、内視鏡検査を行う前の準備段階、又は、内視鏡検査が終了した後の検査終了段階であることが好ましい。

　また、図１９～図２１に示すように、紫外線光源ユニット５３を洗浄消毒装置７０の側面７０ａに取り付けてもよい。洗浄消毒装置７０は、内視鏡を収納し、洗浄又は消毒を行う収納部７１と、収納部７１を密閉するための蓋７２と、洗浄開始などの操作を行うための操作パネル７３とを備えている。この場合には、紫外線の照射を行わない不使用時（図２０参照）には、伸長板５６は伸長板収納位置に、光源用筐体５１を筐体収納位置にする。一方、紫外線の照射を行う使用時には、まず、伸長板５６を伸長板伸長位置に移動させ、且つ、光源用筐体５１を筐体伸長位置に移動させる。そして、回動部５８によって、光源用筐体５１を高さ方向Ｋ（第１方向）から幅方向Ｌ（第２方向）に回転させる。これにより、光源用筐体５１内の紫外線光源部５０が操作パネル７３と対向する（図２１参照）。この状態で、紫外線ＵＶを操作パネル７３に照射する。

　［付記項１］
　紫外線を照射する紫外線光源部を備える洗浄消毒装置。

　［付記項２］
　前記紫外線光源部が設けられた光源用筐体、及び、前記光源用筐体を保持する光源保持部であって、第１方向に移動可能、且つ、前記第１方向と直交する第２方向に向けて回転可能である光源保持部から構成される紫外線光源ユニットを備える付記項１記載の洗浄消毒装置。

１０　内視鏡システム
１２　内視鏡
１２ａ　軟性部
１２ｂ　操作部
１２ｃ　湾曲部
１２ｄ　先端部
１２ｅ　アングルノブ
１２ｆ　コード
１４　光源装置
１４ａ　操作パネル
１４ｂ　側面
１５　プロセッサ装置
１５ａ　操作パネル
１６　ディスプレイ
２０　内視鏡用カート
２１　フレーム台座部
２２　キャスター
２２ａ　ストップレバー
２３、２４　支柱
２５ａ　ハンドル部
２５ｂ　引き出し部
２６　天板
２７、２８　棚板
２７ａ　側面
２９　スタンド
３０　キーボード
３１　ハンガースタンド
３１ａ　スタンド部材
３１ｂ　スタンド部材
３２　ハンガー
４０、４３、４７、５０　紫外線光源部
４２　スライド板
４５　回転パネル
４８　ヒンジ
５１　光源用筐体
５１ａ　突起部
５２　光源保持部
５３　紫外線光源ユニット
５５　固定板
５５ａ　レール
５６　伸長板
５６ａ　突起部
５６ｂ　レール
５８　回動部
６０　紫外線光源
６１　出射部
６２　光源ボックス
６３　導光板
６３ａ　入射面
６３ｂ　出射面
６４　出射部
６５　光源ボックス
７０　洗浄消毒装置
７０ａ　側面
７１　収納部
７２　蓋
７３　操作パネル

Claims

　内視鏡用機器を載置する載置部と、
　前記内視鏡用機器に紫外線を照射する紫外線光源部とを備える内視鏡用カート。
　前記載置部の上方に設けられる天板と、
　前記天板の前方に設けられるハンドル部とを備え、
　前記紫外線光源部は、前記ハンドル部に設けられる請求項１記載の内視鏡用カート。
　前記載置部の上方に設けられる天板と、
　前記天板と前記載置部との間に設けられ、収納位置と前記収納位置から引き出された引出位置との間で移動可能なスライド板を有する引き出し部とを備え、
　前記紫外線光源部は、前記スライド板に設けられる請求項１記載の内視鏡用カート。
　前記内視鏡用機器は、上方又は斜め上方の少なくともいずれから前記紫外線が照射される請求項２または３記載の内視鏡用カート。
　前記載置部の上方に設けられる天板と、
　前記天板と前記載置部との間に設けられ、収納位置と前記収納位置から引き出された引出位置との間で移動可能なスライド板を有する引き出し部と、
　閉じ位置と開き位置との間で前記スライド板に回転可能に取り付けられた回転パネルとを備え、
　前記紫外線光源部は、前記回転パネルに設けられる請求項１記載の内視鏡用カート。
　前記紫外線光源部が設けられた光源用筐体、及び、前記光源用筐体を保持する光源保持部であって、第１方向に移動可能、且つ、前記第１方向と直交する第２方向に向けて回転可能である光源保持部から構成される紫外線光源ユニットを備える請求項１ないし５いずれか１項記載の内視鏡用カート。
　前記紫外線光源部は、前記紫外線を発する紫外線光源、及び、前記紫外線を前記内視鏡用機器に向けて出射する出射部を有し、
　前記紫外線光源と前記出射部とが対向している請求項１ないし６いずれか１項記載の内視鏡用カート。
　前記紫外線光源部は、前記紫外線を発する紫外線光源、前記紫外線光源から発せられた前記紫外線を導光する導光板、及び、前記紫外線を前記内視鏡用機器に向けて出射する出射部を有し、
　前記導光板と前記出射部とが対向している請求項１ないし６いずれか１項記載の内視鏡用カート。
　前記紫外線光源は、エキシマランプ又はＬＥＤのいずれかである請求項７または８記載の内視鏡用カート。
　前記内視鏡用機器が、プロセッサ装置、光源装置、バルーン制御器、送水装置、送気装置、ナビゲーション装置、診断支援装置、超音波観測装置、及び、処置具電源のうちのいずれか又は２以上の組み合わせである請求項１ないし９いずれか１項記載の内視鏡用カート。
　紫外線を照射する紫外線光源部を備える内視鏡用機器。
　前記紫外線光源部が設けられた光源用筐体、及び、前記光源用筐体を保持する光源保持部であって、第１方向に移動可能、且つ、前記第１方向と直交する第２方向に向けて回転可能である光源保持部から構成される紫外線光源ユニットを備える請求項１１記載の内視鏡用機器。
　前記紫外線光源部は、前記紫外線を発する紫外線光源、及び、前記紫外線を前記内視鏡用機器に向けて出射する出射部を有し、
　前記紫外線光源と前記出射部とが対向している請求項１１または１２記載の内視鏡用機器。
　前記紫外線光源部は、前記紫外線を発する紫外線光源、前記紫外線光源から発せられた前記紫外線を導光する導光板、及び、前記紫外線を前記内視鏡用機器に向けて出射する出射部を有し、
　前記導光板と前記出射部とが対向している請求項１１または１２記載の内視鏡用機器。
　前記紫外線光源は、エキシマランプ又はＬＥＤのいずれかである請求項１３または１４記載の内視鏡用機器。
　プロセッサ装置、光源装置、洗浄消毒装置、バルーン制御器、送水装置、送気装置、ナビゲーション装置、診断支援装置、超音波観測装置、及び、処置具電源のうちのいずれか又は２以上の組み合わせである請求項１１ないし１５いずれか１項記載の内視鏡用機器。