WO2022091863A1

WO2022091863A1 - 搬送装置

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Publication number: WO2022091863A1
Application number: PCT/JP2021/038565
Authority: WO
Inventors: 一夫伊東; 俊之橘; 明高永; 三夫井上; 真浅田
Original assignee: 伊東電機株式会社
Priority date: 2020-10-26
Filing date: 2021-10-19
Publication date: 2022-05-05
Also published as: JPWO2022091863A1; EP4234454A1; CN116583471A; US20230416011A1

Abstract

停止する頻度を少なくすることができる搬送装置を提供することを課題とする。　複数の搬送ユニットが接続されて搬送路７が構成され、前記搬送ユニットは、当該搬送ユニットを駆動する駆動装置と、当該搬送ユニットを制御する個別制御装置を有し、当該個別制御装置は、特定の駆動条件を充足した場合に前記搬送ユニットを駆動させる搬送装置において、上位制御装置４６を有し、当該上位制御装置４６は、前記個別制御装置と通信が行われ、前記上位制御装置４６は、前記搬送路７上の現実の搬送物の移動状況を監視する移動状況監視手段３５を有し、特定の搬送物の周囲の状態から当該搬送物が移動可能な状況であるにも関わらず当該搬送物が載置された搬送ユニットが停止している場合、前記駆動条件にかかわらず、前記搬送ユニットを駆動させる修正動作が実行される。

Description

搬送装置

　本発明は、コンベヤ装置等の搬送装置に関するものである。

　搬送装置の一形態として、分散制御式の搬送装置が知られている（特許文献１）。分散制御とは、複数のゾーンコンベヤと称される搬送ユニットを直列状や枝分かれ状に並べて一連の搬送路を形成するものであり、各搬送ユニットはそれぞれ独立した駆動モータ（駆動装置）を持っている。また各搬送ユニットには在荷センサーが設けられている。在荷センサーは搬送ユニット上に搬送物があるか否かを検知するセンサーである。各搬送ユニットには、ゾーンコントローラと称される制御装置が付属している。制御装置には、ＣＰＵと記憶手段が内蔵されており、記憶手段に、論理回路（制御回路）を構成するコンピュータプログラムが格納されている。

　分散制御式の搬送装置では、各搬送ユニットが一つのゾーンを構成し、各ゾーンがつながれている。
　そして例えば自己のゾーン（搬送ユニット）に搬送物が存在し、下流側のゾーンに搬送物が存在しないといった所定の駆動条件が揃うと、自己のゾーン（搬送ユニット）の駆動モータを起動し、搬送物を下流側のゾーンに送る。
　具体的には、自己のゾーンの在荷センサーが自己のゾーン上の搬送物を検知し（以下　在荷センサーＯＮと称する場合がある）、下流側のゾーンの在荷センサーが、搬送物を検知していない（以下　在荷センサーＯＦＦと称する場合がある）という条件が揃うと、自己のゾーン（搬送ユニット）の駆動モータを起動し、搬送物を下流側のゾーンに送る。
　駆動条件は、上記した動作論理に限られない。

特開２００５－２３１７４５号公報特開２０１３－２３０９１４号公報

　従来技術の搬送装置は、長時間に渡って動作が停止してしまうことがあるという問題がある。
　例えば、自己のゾーンに搬送物があって、在荷センサーＯＮであり、下流側のゾーンが在荷センサーＯＦＦであれば、自己のゾーン（搬送ユニット）が駆動するが、自己のゾーンに搬送物があるにも関わらず、在荷センサーが誤検知して在荷センサーＯＦＦの状態であるならば、当該ゾーンは駆動しない。
　在荷センサーの故障が停止の原因であるならば、当該ゾーンは恒久的に停止してしまう。一つのゾーンが停止すると、当該ゾーンよりも上流側のゾーンが渋滞し、結果的に搬送装置全体が停止してしまう。
　また他の理由によって、搬送装置を停止させることを余儀なくされる場合もある。
　本発明は、従来技術の上記した問題に注目し、停止する頻度を少なくすることができる搬送装置を提供することを課題とするものである。

　上記した課題を解決するための態様は、複数の搬送ユニットが接続されて搬送路が構成され、前記搬送ユニットは、当該搬送ユニットを駆動する駆動装置と、当該搬送ユニットを制御する個別制御装置とを有し、当該個別制御装置は、特定の駆動条件を充足した場合に前記搬送ユニットを駆動させる搬送装置において、上位制御装置を有し、当該上位制御装置は、前記個別制御装置と通信が行われ、前記上位制御装置は、前記搬送路上の現実の搬送物の移動状況を監視する移動状況監視手段を有し、特定の搬送物の周囲の状態から当該搬送物が移動可能な状況であるにも関わらず当該搬送物が載置された搬送ユニットが停止している場合、前記駆動条件にかかわらず、前記上位制御装置の指令によって前記搬送ユニットを駆動させる修正動作が実行されることを特徴とする搬送装置である。

　個別制御装置は、搬送ユニットごとに設けられている場合が多いが、一つの個別制御装置で複数の搬送ユニットを制御する場合もある。

　上記した態様において、前記個別制御装置間で搬送物の行き先に関する情報が交換され、搬送物が所定の搬送先に搬送されるものであり、前記上位制御装置は、搬送物の移動経路を想定する移動経路想定手段を有し、特定の搬送物が、前記移動経路想定手段で想定された移動経路から外れようとしている場合、前記個別制御装置間で交換された行き先に関する情報に優先して前記移動経路想定手段で想定された経路に搬送物が誘導される修正動作が実行されることが望ましい。

　本態様によると、搬送物の誤配送の頻度が低減される。

　同様の課題を解決するためのもう一つの態様は、複数の搬送ユニットが接続されて搬送路が構成され、前記搬送ユニットは、当該搬送ユニットを駆動する駆動装置と、当該搬送ユニットを制御する個別制御装置とを有し、当該個別制御装置は、特定の駆動条件を充足した場合に前記搬送ユニットを駆動させるものであり、前記個別制御装置間で搬送物の行き先に関する情報が交換され、前記搬送物が所定の搬送先に搬送される搬送装置において、上位制御装置を有し、当該上位制御装置は、前記個別制御装置と通信が行われ、前記上位制御装置は、搬送物の移動経路を想定する移動経路想定手段と、搬送路上の現実の搬送物の移動状況を監視する移動状況監視手段を有し、特定の搬送物が、前記移動経路想定手段で想定された移動経路から外れようとしている場合、前記個別制御装置間で交換された行き先に関する情報に優先して前記移動経路想定手段で想定された経路に搬送物が誘導される修正動作が実行されることを特徴とする搬送装置である。

　本態様によると、搬送物の誤配送の頻度が低減される。

　同様の課題を解決するためのもう一つの態様は、複数の搬送ユニットが接続されて搬送路が構成され、前記搬送ユニットには、当該搬送ユニットを駆動する駆動装置と、一定の動作論理に従って搬送ユニットを動作させる個別プログラムが格納された個別制御装置とを有する搬送装置において、上位制御装置を有し、当該上位制御装置は、前記個別制御装置と通信が行われ、各搬送ユニットの動作状態を個別に監視する動作状況監視手段と、前記搬送装置の望ましい動作を記憶する希望動作記憶手段及び／又は前記搬送装置の望ましい動作を仮想的に実行する希望動作想定手段とを有し、前記搬送装置の望ましい動作と、動作状況監視手段によって得られた前記搬送装置の現実の動作を比較し、両者の間に所定の乖離が生じた場合に、前記個別プログラムに優先して望ましい動作に近い動作を実行させる修正動作が実行されることを特徴とする搬送装置である。

　上記した各態様において、いずれかの前記修正動作が実行された場合、その際の状況が記録されることが望ましい。

　上記した各態様において、前記搬送ユニットのいずれかは、ローラコンベヤであり、ローラの接線力が、１００ニュートン以下であることが望ましい。

　前記搬送装置は、複数の搬送路が合流する合流部を有し、複数の搬送路であって、前記合流部の手前の搬送ユニットに同時に搬送物がある場合、いずれの搬送ユニットから合流部に搬送物を搬入するかの優先順位が予め決められていることが望ましい。

　前記上位制御装置に、各搬送物の搬送順序が記憶されていることが望ましい。

　本発明の搬送装置は、従来に比べて、停止する頻度が少ない。

本発明の第一実施形態のコンベヤ装置のレイアウト及び上位制御装置のブロック図である。直線搬送ゾーンを構成する搬送ユニットの斜視図である。搬送方向変換装置によって構成された搬送方向変換ゾーン近傍の斜視図である。ゾーンコントローラのブロック図及び各ゾーンコントローラと上位制御装置の関係を示す回路図である（ａ）は、搬送物Ａの搬送経路を示す説明図であり、（ｂ）は、搬送物Ｂの搬送経路を示す説明図である。（ａ）は、搬送物Ａがゾーン７で停止し、動かなくなった状態を示し、（ｂ）は、停止が強制解除された状態を示す説明図である。（ａ）は、搬送物Ａが本来の搬送経路から外れようとした状態を示し、（ｂ）は、搬送経路が修正された状態を示す説明図である。（ａ）は、搬送物Ａと搬送物Ｂが合流部の手前で停止し、動かなくなった状態を示し、（ｂ）（ｃ）は、停止が強制解除された状態を示す説明図である。本発明の第二実施形態のコンベヤ装置のレイアウト及び上位制御装置のブロック図である。本発明の第三実施形態のコンベヤ装置のレイアウト及び上位制御装置のブロック図である。

　以下、本発明の実施形態について説明する。
　本実施形態の搬送装置１は、図１に示す様なレイアウトのコンベヤであり、搬送路７が分岐されていて、搬送物を搬送する目的場所やルートが複数存在するコンベヤ装置である。また搬送装置１は、上位制御装置４６を有している。
　搬送装置１の搬送路７は、直線部分が複数の短いゾーンに分割されている。即ち搬送装置１では、搬送路７の直線部分は、複数の直線搬送ゾーンが直列に連結されて構成されている。また搬送装置１は、複数の搬送方向変換ゾーンを含んでおり、枝分かれした搬送路７を構成するものである。
　搬送装置１は、パレット、コンテナ、トレイといった概ね一定の大きさの搬送物を搬送することを目的としており、各ゾーンの長さは、少なくとも一個の搬送物を載置可能な長さを有している。

　各ゾーンにはそれぞれ一台ずつ搬送ユニット２、２０が配置されている。搬送ユニット２、２０は、機械的構造部分とゾーンコントローラ１０が一体化されたものである。
　直線搬送ゾーンに設置される搬送ユニット２は、図２に示す様なゾーンコンベヤである。搬送方向変換ゾーンに設置された搬送ユニット２０は、図３に示す様な移載装置である。

　搬送ユニット２は、短尺のローラコンベヤであり、搬送ローラ５は、自由に回転する従動ローラ５ｂと、モータ内蔵ローラ５ａとからなる。本実施形態では、モータ内蔵ローラ５ａは１本だけであり、他はすべて伝動ベルト６で繋がれて回転する従動ローラ５ｂである。モータ内蔵ローラ５ａには駆動装置として、駆動モータ１５が内蔵されている。駆動モータ１５は、回転に応じてパルス信号を出力する機能を有している。他のモータ内蔵ローラの駆動モータについても同様である。

　また図２に示すように、搬送ユニット２には在荷センサーＳが設けられている。在荷センサーＳは、サイドフレーム３上に設けられている。

　在荷センサーＳは、搬送物が、当該搬送ユニット２上にあるか否かを検知するものである。

　在荷センサーＳとしては、光電センサーを用いることができ、対向するサイドフレーム３に発光ダイオードや赤外線ダイオード等の発光素子（図示せず）が設けられている。これにより、搬送物が搬送されてくると、発光素子からの光が遮られてオン（Ｈレベル）信号を出力し、被搬送物が存在しない場合にはオフ（Ｌレベル）信号を出力する。この様に在荷センサーＳがオン／オフされ、搬送物が所定位置まで搬送されたことを検知することが可能である。
　なお在荷センサーは、必須ではなく、例えばカメラで搬送装置１の一部又は全部を撮影し、映像解析によって搬送物の位置や、搬送状況を検知する様な構成も考えられる。

　次に搬送方向変換ゾーンについて説明する。搬送方向変換ゾーンに設置された搬送ユニット２０は、図３に示す様な移載装置である。搬送ユニット２０は、搬送方向又は搬入方向を切り換える方向変換機構を有している。
　搬送ユニット２０は、図３の様に主搬送コンベヤ２１と、副搬送コンベヤ２２及び図示しない昇降装置によって構成されている。
　搬送ユニット２０の主搬送コンベヤ２１は、複数の細いベルト２５が一定の間隔を設けて配されたベルトコンベヤである。主搬送コンベヤ２１は、図示しない駆動モータ（駆動装置）によって駆動される。

　搬送ユニット２０に載置された搬送物Ｍを直進させる場合には、昇降装置（図示せず）によって主搬送コンベヤ２１を副搬送コンベヤ２２よりも上に突出させ、主搬送コンベヤ２１のモータ内蔵ローラ２８を駆動し、ベルト２５を走行させる。
　搬送ユニット２０に載置された搬送物Ｍを横方向に排出する場合は、主搬送コンベヤ２１に搬送物を引き入れた後に、図示しない昇降装置によって副搬送コンベヤ２２を上昇させると共に主搬送コンベヤ２１を降下し、副搬送コンベヤ２２を主搬送コンベヤ２１よりも上に突出させ、副搬送コンベヤ２２のモータ内蔵ローラを駆動し、各搬送ローラ２６を回転させる。副搬送コンベヤ２２のモータ内蔵ローラにも駆動モータ（駆動装置）がある。
　搬送ユニット２０にも在荷センサーＳが設けられている（図示せず）。また搬送ユニット２０にもゾーンコントローラ（図示せず）が取り付けられている。

　搬送ユニット２、２０は、いずれも低荷重仕様であり、搬送ローラ５、搬送ローラ２６、ベルト２５の最大接線力は、１００ニュートン以下である。従って、仮に作業者の身体が挟まれても、重篤な事故には至らない。

　搬送装置１では、複数の搬送ユニット２、２０が接続されて搬送路７が構成されている。搬送装置１のレイアウトは、図１の通りであり、枝分かれした搬送路７を有している。
　各ゾーンには、それぞれ固有のアドレスが設定されている。便宜上、図１の様に１番から１９番のアドレスが付されたものとする。本実施形態では、第１ゾーンのアドレスが１であり、第２ゾーンのアドレスは２である。以下、順次アドレスが付されている。
　各ゾーンのアドレスは、各ゾーンのゾーンコントローラ１０に記憶されている。
　図１において、各ゾーンに付された矢印は、各ゾーンの搬送ユニット２、２０の機能をモデル化したものであり、矢印の意味は、搬送方向を示している。搬送装置１では、直進用の搬送ユニット２と分岐用の搬送ユニット２０だけを使用している。即ち直線の矢印は、直線搬送ゾーンの搬送ユニット２たるゾーンコンベヤを示している。
　矢印が分岐しているものは、搬送方向変換ゾーンの搬送ユニット２０たる移載装置を示している。第５ゾーンと、第９ゾーンが搬送ユニット（移載装置）２０であり、他のゾーンは、直進用の搬送ユニット２である。

　前記した様に、各ゾーンには、ゾーンコントローラ１０と在荷センサーＳがある。ゾーンコントローラ１０は、各ゾーンの搬送ユニット２、２０の駆動モータ１５（駆動装置）に電力を供給するものであり、各ゾーンの搬送ユニット２、２０の駆動モータ１５を駆動、停止するものである。
　ゾーンコントローラ１０は、図４の様に、搬送ユニット２、２０を個別に制御する制御回路４０を有する個別制御装置である。
　即ちゾーンコントローラ１０には、図４の様に駆動モータ１５を駆動する駆動回路４２が内蔵されている。

　ゾーンコントローラ１０には、駆動回路４２を制御する制御回路４０（制御手段）がある。制御回路４０は、図示しないメモリーを有し、当該メモリーに、一定の動作論理に従って駆動機器を動作させる個別プログラムが格納されている。当該制御回路４０は、所定の制御論理に則って駆動回路４２を動作させ、駆動モータ１５（駆動装置）を駆動・停止するものである。
　即ち、搬送ユニット２、２０は、所定の制御論理に則り、特定の駆動条件を充足した場合に駆動する。
　駆動条件限定されるものではないが、大きく分けて自己のゾーンから下流側のゾーンに搬送物を排出する場合と、上流側のゾーンから、搬送物を導入する場合がある。

　自己のゾーンから下流側のゾーンに搬送物を排出する場合の駆動条件は限定されるものではないが、例えば、自己のゾーンが在荷センサーＯＮ状態であり、下流側が在荷センサーＯＦＦ状態である場合が想定される。
　また自己のゾーンが在荷センサーＯＮ状態であり、下流側のゾーンが駆動している場合も、自己のゾーンが駆動される。

　上流側のゾーンから、搬送物を導入する場合の駆動条件は、限定されるものではないが、例えば、自己のゾーンが在荷センサーＯＦＦ状態であり、上流側が在荷センサーＯＮ状態である場合が想定される。

　またゾーンコントローラ１０には、搬送先記憶部材（搬送先記憶手段）４７と、送受信部（通信手段）４１が内蔵されている。
　搬送先記憶部材４７はメモリーであり、搬送先情報を一時的に記憶する搬送先記憶手段として機能する。なおここで「搬送先情報」とは、搬送装置１上の搬送先であり、前記したアドレスを含む情報である。また送受信部４１は、隣接するゾーンのゾーンコントローラ１０との間で信号の授受を行うものであり、上流側のゾーンから搬送先情報を受けとる情報受入れ手段としての機能と、下流側のゾーンに前記搬送先情報を発信する情報発信手段としての機能を備えている。
　またゾーンコントローラ（個別制御装置）１０は、送受信部（通信手段）４１によって上位制御装置４６とも相互通信を行うことができる。ゾーンコントローラ（個別制御装置）１０は、上位制御装置４６の指令によっても動作する。即ち、上位制御装置４６からの信号によって、駆動回路４２を動作させ、駆動モータ１５（駆動装置）を駆動・停止することができる。

　ゾーンコントローラ１０は、全てのゾーンに設けられており、隣接するゾーンコントローラ１０同士の間は、信号線４３で相互に接続されている。また、各ゾーンコントローラ１０には、それぞれのゾーンの在荷センサーＳの信号が入力される。
　さらにすべてのゾーンコントローラ１０と、上位制御装置４６は、通信ネットワーク２７で結ばれており、相互通信される。

　本実施形態では、一つのゾーンに一つずつゾーンコントローラ（個別制御装置）１０が設けられているが、一つのゾーンコントローラ（個別制御装置）で複数のゾーンを制御してもよい。

　本実施形態の搬送装置１では、スタート位置たる第１ゾーンに、搬送物特定装置４５が設置されている。搬送物特定装置４５は、具体的にはバーコードリーダである。

　上位制御装置４６は、動作指示手段３０、搬送先選定手段３１、搬送先指示手段３２、移動経路想定手段３３、搬送順序記憶手段４８、移動状況監視手段３５、周辺情報確認手段３６、経路比較手段３７、優先順位決定手段５８、強制駆動・停止手段３８、履歴記録手段５０、及び通信手段５６を有している。また上位制御装置４６は、表示装置６０を備えている。
　動作指示手段３０は、搬送装置１全体の起動・停止や、個別のゾーンコントローラ１０に対して、制御対象の搬送ユニット２、２０の起動・停止を指示するものである。

　搬送先選定手段３１は、各搬送物の搬送先を決定するものである。
　前記した搬送物特定装置４５から読み取られた情報は、上位制御装置４６に送られる。上位制御手段の搬送先選定手段３１は、バーコードに記載された情報から、搬送物を特定し、搬送物の搬送先（目的場所）を照会する。
　また移動経路想定手段３３によって、搬送物の移動経路が決定され、当該搬送経路が搬送物ごとに記憶される。
　そして搬送先指示手段３２によって、目的場所のアドレスを第２ゾーンのゾーンコントローラ１０に送信し、第２ゾーンのゾーンコントローラ１０の搬送先記憶部材４７に入力する。
　搬送先記憶部材４７に入力された搬送先情報は、搬送物の搬送と共に、下流側のゾーンコントローラ１０に順送りされる。

　搬送順序記憶手段４８は、各搬送物が搬送されていく順序を記憶するものである。

　また本実施形態では、各ゾーンコントローラ１０と上位制御装置４６とが通信ネットワーク２７で結合されて相互通信され、情報が交換される。
　通信ネットワーク２７を経由して、各ゾーンコントローラ１０からは在荷センサーＳの情報と、当該ゾーン上に搬送物の情報が上位制御装置４６に入力される。

　移動状況監視手段３５は、通信ネットワーク２７で得られた情報に基づき、現状の搬送装置１の動作状況を監視するものである。
　即ち、各ゾーン上に搬送物があるか否か、当該搬送物が何であるか、個々のゾーンの動作状態等が、移動状況監視手段３５によって監視される。
　本実施形態では、移動状況監視手段３５によって、表示装置６０に、搬送装置１のレイアウトが表示され、さらにどのゾーンに搬送物Ｍがあるかが表示される。また表示装置６０に、搬送物Ｍの移動状況が、動画表示される。

　周辺情報確認手段３６は、搬送物が何らかの異常で停止した際、当該搬送物が載置されているゾーン及びその前後のゾーンの駆動状態や、搬送物の有無を確認するものである。

　経路比較手段３７は、移動経路想定手段３３で決定された移動経路と、実際に搬送物が移動しようとしている経路を比較するものである。

　優先順位決定手段５８は、合流部の手前の搬送ユニットに同時に搬送物がある場合、いずれの搬送ユニットから合流部に搬送物を搬入するかの優先順位を決定するものである。

　強制駆動・停止手段３８は、通信手段を経由して特定のゾーンに信号を送り、特定のゾーンを強制的に駆動させたり、停止させるものである。即ち、駆動条件が充足されていなくても、強制駆動・停止手段３８による信号によって、特定のゾーンが強制的に駆動される。逆に、駆動条件が充足されていても、強制駆動・停止手段３８による信号によって、特定のゾーンが強制的に停止される。

　強制駆動・停止手段３８は、上位制御装置４６から信号を発信し、各ゾーンコントローラ１０の個別プログラムの制御論理とは異なる動作（修正動作）を行わせるものである。
　履歴記録手段５０は、強制駆動・停止手段３８が機能して、ゾーンの動作が修正された場合に、その履歴を記録するものである。即ち、修正動作が実行された場合、履歴記録手段５０によって、修正の前後の状況が記録される。

　次に搬送装置１の動作について説明する。
　本実施形態の搬送装置１では、スタート位置たる第１ゾーンに、搬送物が載せられる。搬送物には、図示しないバーコード等が付されている。
　搬送物に付されたバーコードが、搬送物特定装置４５で読みだされ、その信号が、上位制御装置４６に送られる。
　上位制御手段ではバーコードに記載された情報から、搬送物を特定し、搬送物の搬送先（目的場所）が照会されて、目的場所のアドレスを第２ゾーンのゾーンコントローラ１０に送信し、第２ゾーンのゾーンコントローラ１０の搬送先記憶部材４７に入力する。

　一方、第1ゾーンに搬送物が置かれることによって、第一ゾーンが在荷センサーＯＮとなる。また第２ゾーンに搬送物が無いならば、第1ゾーンのゾーンコントローラは、駆動条件が充足されて、駆動される。また第２ゾーンのゾーンコントローラについても、駆動条件が充足されて、駆動される。その結果、第2ゾーンも駆動され、搬送物は、第1ゾーンから第２ゾーンに移動する。
　続く第３ゾーンも駆動条件が充足されることとなって駆動される。搬送物は、第２ゾーンから第３ゾーンに移動してゆく。
　ここで、本実施形態では、搬送物の搬送先に関する情報も、第２ゾーンから第３ゾーンに引き継がれてゆく。
　その後は、搬送物が順次下流側に移動し、搬送先の情報についても、順送りされてゆく。そして、搬送物は、所定の搬送先まで移動してゆく。

　一方、通信ネットワーク２７によって、搬送物が第1ゾーン、第２ゾーン、第３ゾーン・・・と順次移動してゆく事実が、上位制御装置４６に通知され、移動状況監視手段３５によって、個々の搬送物の移動状況と、現状の搬送装置１の動作状況が監視される。

　そして、何らかの事情によって、搬送物が停止し、動かなくなってしまった場合には、周辺情報確認手段３６によって、当該搬送物が載置されているゾーン及びその前後のゾーンの駆動状態や、搬送物の有無が自動的に確認される（以下、状況確認動作）。例えば、一定時間にわたって搬送物が同一のゾーンにとどまっていることが、検知されると、自動的に、状況確認動作が実行される。
　その結果、搬送物を移動させてもよい場合には、強制駆動・停止手段３８によって、停止しているゾーンやその下流側のゾーンに信号を送り、当該ゾーンを強制的に駆動させる（以下、強制駆動動作）。即ち、駆動条件が充足されていなくても、強制駆動・停止手段３８による信号によって、停止しているゾーンやその下流側のゾーンを強制的に駆動させる。
　停止しているゾーンやその下流側のゾーンが、上位制御装置４６によって、強制的に駆動された場合には、履歴記録手段５０によって、修正の前後の状況が記録される。

　仮に、合流部の手前のゾーンに同時に搬送物が到達し、この状態で二つの搬送物が停止し、動かなくなってしまった場合、二つのゾーンの搬送ユニットを同時に駆動すると、合流部で衝突してしまう。
　本実施形態では、衝突を回避する手段として、上位制御装置４６に、搬送順序記憶手段４８と、優先順位決定手段５８が設けられている。
　搬送順序記憶手段４８には、各搬送物が搬送されていく順序が記憶されている。
　合流部の手前のゾーンに同時に搬送物が到達し、この状態で二つの搬送物が停止し、動かなくなってしまった場合、搬送順序記憶手段４８に記憶された先行する搬送物が、先に合流部に搬入される。

　また優先順位決定手段５８は、搬送物の行き先や、搬送順序にかかわらず、いずれか一方の搬送物を合流部に導入し、続いて他方の搬送物を合流部に搬入する指令を合流部及びその手前の搬送ユニットに発するものである。

　合流部の手前のゾーンに同時に搬送物が到達し、この状態で二つの搬送物が停止し、動かなくなってしまった場合、搬送順序記憶手段４８に搬送物の搬送順序が記憶されている場合には、上位制御装置４６からの指令によって、前記した搬送順序が先の搬送物が先に合流部に搬入される。
　搬送順序記憶手段４８に搬送物の搬送順序が記憶されていない場合には、上位制御装置４６からの指令によって、優先順位決定手段５８で定められた順に搬送ユニットが駆動される。

　また本実施形態では、各ゾーンコントローラの動きとは別に、上位制御装置４６の移動経路想定手段３３によって、搬送物の移動経路が決定され、当該搬送経路が搬送物ごとに記憶されている。
　さらに本実施形態では、移動状況監視手段３５が、各ゾーンの駆動状態を監視し、個々の搬送物が次に移動するであろうゾーンを予想している。そして次に移動するであろう方向と、移動経路想定手段３３によって決定された経路が、経路比較手段３７で比較される。

　ここで、隣接するゾーン間の通信によって、順送りされてきた搬送先の情報に基づく搬送先と、移動経路想定手段３３の記録に従う排出先が何らかの事情によって異なる場合がある。
　両者が異なっている場合には、強制駆動・停止手段３８によって、当該搬送物が載置されているゾーンやその下流側のゾーンに信号を送り、当該ゾーンを強制的に停止や駆動させる。即ち、強制駆動・停止手段３８による信号によって、移動先が修正される。
　上位制御装置４６によって、搬送物の搬送先が修正された場合には、履歴記録手段５０によって、修正の前後の状況が記録される。

　以下、具体的に上記した機能を説明する。
　図５（ａ）は、搬送物Ａの本来の搬送経路を示している。即ち搬送物Ａは、第１ゾーンから第１０ゾーンまで、直線的に搬送されるべき搬送物である。図５（ｂ）は、搬送物Ｂの本来の搬送経路を示している。即ち搬送物Ｂは、第５ゾーンで進路を変えて第１１ゾーンから第１９ゾーンに至り、第９ゾーンで直線部に合流するべき搬送物である。

　搬送物Ａは、現状のゾーンの下流側ゾーンが空き状態であるならば、図５（ａ）の矢印の様に、停止することなく、第１ゾーンから第１０ゾーンまで移動する。
　しかしながら、図６（ａ）の様に、例えば搬送物Ａが第７ゾーンで停止して、それ以上動かなくなってしまう場合がある。
　この様な状況に至り、この状態が一定時間にわたって続いたことが移動状況監視手段３５で検知されると、周辺情報確認手段３６によって状況確認動作が実施され、当該搬送物が載置されている第７ゾーンの下流たる第８ゾーンに搬送物が有るか否かが確認される。
　図６（ａ）の様に下流たる第８ゾーンに搬送物が無いならば、図６（ｂ）の様に強制駆動・停止手段３８によって停止している第７ゾーンと、その下流側の第８ゾーンに上位制御装置４６から信号を送り、当該ゾーンを強制的に駆動させる。即ち、修正動作が実行され、駆動条件が充足されていなくても、強制駆動・停止手段３８による信号によって、第７ゾーンと、第８ゾーンが駆動され、搬送物Ａが下流側に移動する。

　前記した様に、搬送物Ａは、第１ゾーンから第１０ゾーンまで、直線的に搬送されるべき搬送物である。
　従って、搬送物Ａが第５ゾーンに到達すると、その下流側の第６ゾーンが駆動し、迂回路の第１１ゾーンは、停止しなければならない。
　しかしながら、図７（ａ）の様に、例えば搬送物Ａが第５ゾーンに至ったとき、進むべき第６ゾーンが停止し、進むべきでない第１１ゾーンが駆動してしまう場合がある。
　この様な状況に至ったことが、移動状況監視手段３５で検知されると、周辺情報確認手段３６によって、当該搬送物が載置されている第５ゾーンの下流たる第６ゾーンに搬送物が有るか否かが確認される。
　図７（ａ）の様に下流たる第６ゾーンに搬送物が無いならば、図７（ｂ）の様に強制駆動・停止手段３８によって、下流ゾーンたる第６ゾーンと、迂回路たる第１１ゾーンに信号を送り、当第６ゾーンを駆動させ、第１１ゾーンを停止する。即ち、駆動条件が充足されていなくても、上位制御装置４６からの強制駆動・停止手段３８による信号によって、第６ゾーンが駆動される。また駆動条件が充足されていても、強制駆動・停止手段３８による信号によって、第１１ゾーンが停止される。

　図１に示す搬送装置１では、第５、６、７、８、９ゾーンと進む直線路と、第５、１１、１２・・・・９ゾーンと進む迂回路があり、第９ゾーンが合流部となっている。
　図８（ａ）の様に、合流部の手前の第８、１９ゾーンに、搬送物Ａと搬送物Ｂが同時に到着した場合、いずれか一方を先に通す様にプログラムされているが、図８（ａ）に示す状態で搬送装置１が停止してしまう場合がある。
　この様な状況に至ったことが、移動状況監視手段３５で検知されると、周辺情報確認手段３６によって、当該搬送物が載置されている第８、１９ゾーンの下流たる第９ゾーンに搬送物が有るか否かが確認される。

　図８（ａ）の様に下流たる第９ゾーンに搬送物が無いならば、搬送順序記憶手段４８に記憶された先行する搬送物が、先に合流部に搬入される。
　例えば搬送物Ａを先に通過させることとし、図８（ｂ）の様に強制駆動・停止手段３８によって、搬送物Ａが停止している第８ゾーンと、その下流側の第９ゾーンに信号を送り、当該ゾーンを強制的に駆動させる。即ち、駆動条件が充足されていなくても、強制駆動・停止手段３８による信号によって、第８ゾーンと、第９ゾーンが駆動され、搬送物Ａが下流側に移動する。
　続いて、搬送物Ｂが停止している第１９ゾーンと、その下流側の第９ゾーンに信号を送り、当該ゾーンを強制的に駆動させる。即ち、駆動条件が充足されていなくても、強制駆動・停止手段３８による信号によって、第１９ゾーンと、第９ゾーンが駆動され、搬送物Ｂが下流側に移動する。

　搬送順序記憶手段４８に搬送物の搬送順序が記憶されていない場合には、上位制御装置４６からの指令によって、優先順位決定手段５８で定められた順に搬送ユニットが駆動される。
　例えば、第８ゾーンと、その下流側の第９ゾーンに信号を送り、当該ゾーンを強制的に駆動させる。

　図６、図7、図８で説明した修正動作が実施された場合には、履歴記録手段５０によって、修正の前後の状況が記録される。そのため、不具合が発生した原因を検証することができる。

　以上説明した実施形態では、上位制御装置４６が、移動状況監視手段３５を有し、当該移動状況監視手段３５によって各搬送物の現在位置や移動状況を監視し、搬送物の周囲の状態から当該搬送物が移動可能な状況であるにも関わらず搬送物が載置された搬送ユニットが停止している場合に、強制駆動動作を実施して搬送物を当該ゾーンから排出した。
　以上説明した実施形態では、個々の搬送物の現在位置や移動状況を監視しているが、搬送装置１の全体的な動きを俯瞰的に監視し、不具合がある場合には、暫定的にゾーンの駆動条件を変更してもよい。

　例えば図１の第１ゾーンから第４ゾーンには分岐部がない。そのため、第1ゾーンに搬送物が搬入されると、滞ることなく、第４ゾーンまで搬入されるべきである。
　本実施形態の搬送装置１は、分散制御方式を採用するので、第１ゾーンから第４ゾーンは常時は停止しており、駆動条件を満足するゾーンだけが駆動する。
　しかし、例えば、在荷センサーＳに不具合があり、特定のゾーンで搬送物が滞る場合がある。このような場合に、当該ゾーンの駆動条件自体を変更する構成とすることも推奨される。

　以下、この構成について説明する。
　図９に示すように、本実施形態の搬送装置１００で採用する上位制御装置５７は、動作指示手段３０、搬送先選定手段３１、搬送先指示手段３２、希望動作記憶手段５１、動作状況監視手段５２、動作比較手段５３、プログラム書き換え手段５５、履歴記録手段５０、及び通信手段５６を有している。
　ここで、動作指示手段３０、搬送先選定手段３１、搬送先指示手段３２、履歴記録手段５０、及び通信手段５６の機能は、前記した実施形態と同一である。

　本実施形態では、希望動作記憶手段５１に搬送装置１００の望ましい動作が記憶されている。例えば前記した様に、第1ゾーンに搬送物が搬入されると、滞ることなく、第４ゾーンまで搬入されるのが望ましい動作として記憶されている。
　動作状況監視手段５２は、通信手段５６によって入手される情報から、各ゾーンの動作状況を監視するものである。

　動作比較手段５３は、動作状況監視手段５２によって得られた現在の搬送装置１００の動作状況と、希望動作記憶手段５１に記憶された搬送装置１００の望ましい動作とを比較する。
　比較した結果、両者の間に所定の乖離が生じた場合は、プログラム書き換え手段５５によってゾーンコントローラ１０のプログラムが書き換え、または置き換えられ、今までの個別プログラムに優先して望ましい動作に近い動作を実行させる。

　例えば、特定のゾーンの下流側が在荷センサーＯＦＦであるにも関わらず、当該ゾーンが在荷センサーＯＦＦにならず、当該ゾーンの上流側のゾーンが在荷センサーＯＮであるにも関わらず、上流側のゾーンが停止したままの状態となっている場合がある。動作状況監視手段５２によってこのような状態を検知することができる。
　上記した状況は、希望動作記憶手段５１に記憶された搬送装置１００の望ましい動作とは一定以上の相違がある。

　このような場合には、プログラム書き換え手段５５によってゾーンコントローラ１０のプログラムが変更される。
　例えば、今までの個別プログラムが、自己のゾーンが在荷センサーＯＮであり、下流側のゾーンが在荷センサーＯＦＦという条件が揃うと、自己のゾーンの駆動モータ１５（駆動装置）を起動するという制御論理であったものを、駆動モータ１５を常時回転させるプログラムに変更する。あるいは、駆動モータ１５の起動・停止を前後のゾーンに合わせるプログラムに変更する。
　その結果、搬送装置１００の動作が、望ましい動作に近いものとなる。

　前述した希望動作記憶手段５１に記憶される望ましい動作は、例えば「第1ゾーンに搬送物が搬入されると、滞ることなく、第４ゾーンまで搬入される」というような、おおざっぱなものを例示したが、より詳細かつ具体的なものであってもよい。
　例えば、搬送装置１００の動作を忠実にシミュレーションするソフトウェア（シミュレーションソフト）を使用し、当該ソフトウェア上で搬送物Ａや、搬送物Ｂを移動させての搬送装置１００の望ましい動作を想定させ、これを希望動作記憶手段５１に記憶してもよい。

　限定するものではないが、シミュレーションソフトには、搬送装置１００のレイアウト、各ゾーンの長さ、機械的構造、駆動モータの回転速度、発生トルク、在荷センサーの位置等が記憶されている。またシミュレーションソフトには、ゾーンコントローラ１０の制御回路４０、個別プログラム、各種の設定等も記憶されており、搬送装置１、１００の動作を仮想空間上において忠実に実現することができる。

　例えば、搬送物Ａや、搬送物Ｂを含む多数の搬送物を同時にシミュレーションソフトの仮想空間上のコンベヤ装置で搬送し、搬送装置１００の望ましい動作を仮想空間上で実行させ、その時の状況を希望動作記憶手段５１に記憶させる。
　そして動作状況監視手段５２によって得られた現在の搬送装置１００の動作状況と、希望動作記憶手段５１に記憶された搬送装置１００の望ましい動作とを比較し、両者の間に一定以上の相違があった場合に、プログラム書き換え手段５５によってゾーンコントローラ１０のプログラムが変更される。

上記した実施形態では、シミュレーションソフトで実行した動作を希望動作記憶手段５１に記憶させたが、図１０に示すように、シミュレーションソフトを搭載した希望動作想定手段７０を上位制御装置５７に設け、現実の搬送装置１００と同時並行的に仮想空間上で搬送装置１００を動作させ、両者の間に一定以上の相違があった場合に、プログラム書き換え手段５５によってゾーンコントローラ１０のプログラムを変更してもよい。

　希望動作想定手段７０は、実際の搬送装置１００から独立して仮想空間上で搬送装置１００を動作させ、搬送物を仮想的に移動させる。
　仮想空間上においては、仮想上の在荷センサーがオンオフし、それが仮想空間上の各ゾーンコントローラに入力されて、仮想空間上の駆動モータが制御され、仮想空間上の搬送物が移動する。

　シミュレーションソフトや、希望動作想定手段７０は、図１に示す実施形態で採用することもできる。
　即ち、周辺情報確認手段３６に代わって、或いは周辺情報確認手段３６に加えて、希望動作想定手段７０を採用し、一定時間にわたって搬送物が同一のゾーンにとどまっていることが検知されると、希望動作想定手段７０によって、周囲のゾーンに搬送物があるか否かを確認する。搬送装置１が、それまで正常に動作していたことを前提とすると、希望動作想定手段７０によって、搬送物が載置されているゾーン及びその前後のゾーンの駆動状態や、搬送物の有無を推定することができる。

　あるいは、移動状況監視手段３５によって確認された、現実の個々の搬送物の移動状況と、希望動作想定手段７０やシミュレーションソフトで想定される仮想上の移動状況を比較してもよい。

１　　　搬送装置
１０　　ゾーンコントローラ（個別制御装置）
１５　　駆動モータ（駆動装置）
２０　　搬送ユニット
３０　　動作指示手段
３１　　搬送先選定手段
３２　　搬送先指示手段
３３　　移動経路想定手段
３５　　移動状況監視手段
３６　　周辺情報確認手段
３７　　経路比較手段
３８　　強制駆動・停止手段
４０　　制御回路
４１　　送受信部
４２　　駆動回路
４６，５７　上位制御装置
４７　　搬送先記憶部材
４８　　搬送順序記憶手段
５０　　履歴記録手段
５１　　希望動作記憶手段
５２　　動作状況監視手段
５３　　動作比較手段
５５　　プログラム書き換え手段
５８　　優先順位決定手段
６０　　表示装置
１００　搬送装置
Ｓ　　　在荷センサー

Claims

　複数の搬送ユニットが接続されて搬送路が構成され、前記搬送ユニットは、当該搬送ユニットを駆動する駆動装置と、当該搬送ユニットを制御する個別制御装置とを有し、当該個別制御装置は、特定の駆動条件を充足した場合に前記搬送ユニットを駆動させる搬送装置において、
　上位制御装置を有し、当該上位制御装置は、前記個別制御装置と通信が行われ、
　前記上位制御装置は、前記搬送路上の現実の搬送物の移動状況を監視する移動状況監視手段を有し、
　特定の搬送物の周囲の状態から当該搬送物が移動可能な状況であるにも関わらず当該搬送物が載置された搬送ユニットが停止している場合、前記駆動条件にかかわらず、前記上位制御装置の指令によって前記搬送ユニットを駆動させる修正動作が実行されることを特徴とする搬送装置。
　前記個別制御装置間で搬送物の行き先に関する情報が交換され、搬送物が所定の搬送先に搬送されるものであり、
　前記上位制御装置は、搬送物の移動経路を想定する移動経路想定手段を有し、
　特定の搬送物が、前記移動経路想定手段で想定された移動経路から外れようとしている場合、前記個別制御装置間で交換された行き先に関する情報に優先して前記移動経路想定手段で想定された経路に搬送物が誘導される修正動作が実行されることを特徴とする請求項１に記載の搬送装置。
　複数の搬送ユニットが接続されて搬送路が構成され、前記搬送ユニットは、当該搬送ユニットを駆動する駆動装置と、当該搬送ユニットを制御する個別制御装置とを有し、当該個別制御装置は、特定の駆動条件を充足した場合に前記搬送ユニットを駆動させるものであり、前記個別制御装置間で搬送物の行き先に関する情報が交換され、前記搬送物が所定の搬送先に搬送される搬送装置において、
　上位制御装置を有し、当該上位制御装置は、前記個別制御装置と通信が行われ、
　前記上位制御装置は、搬送物の移動経路を想定する移動経路想定手段と、搬送路上の現実の搬送物の移動状況を監視する移動状況監視手段を有し、
　特定の搬送物が、前記移動経路想定手段で想定された移動経路から外れようとしている場合、前記個別制御装置間で交換された行き先に関する情報に優先して前記移動経路想定手段で想定された経路に搬送物が誘導される修正動作が実行されることを特徴とする搬送装置。
　複数の搬送ユニットが接続されて搬送路が構成され、前記搬送ユニットには、当該搬送ユニットを駆動する駆動装置と、一定の動作論理に従って搬送ユニットを動作させる個別プログラムが格納された個別制御装置とを有する搬送装置において、
　上位制御装置を有し、当該上位制御装置は、前記個別制御装置と通信が行われ、各搬送ユニットの動作状態を個別に監視する動作状況監視手段と、前記搬送装置の望ましい動作を記憶する希望動作記憶手段及び／又は前記搬送装置の望ましい動作を仮想的に実行する希望動作想定手段とを有し、
　前記搬送装置の望ましい動作と、動作状況監視手段によって得られた前記搬送装置の現実の動作を比較し、両者の間に所定の乖離が生じた場合に、前記個別プログラムに優先して望ましい動作に近い動作を実行させる修正動作が実行されることを特徴とする搬送装置。
　いずれかの前記修正動作が実行された場合、その際の状況が記録されることを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の搬送装置。
　前記搬送ユニットのいずれかは、ローラコンベヤであり、ローラの接線力が、１００ニュートン以下であることを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の搬送装置。
　前記搬送装置は、複数の搬送路が合流する合流部を有し、複数の搬送路であって、前記合流部の手前の搬送ユニットに同時に搬送物がある場合、いずれの搬送ユニットから合流部に搬送物を搬入するかの優先順位が予め決められていることを特徴とする請求項１乃至６のいずれかに記載の搬送装置。
　前記上位制御装置に、各搬送物の搬送順序が記憶されていることを特徴とする請求項１乃至７のいずれかに記載の搬送装置。