WO2022091214A1

WO2022091214A1 - 椅子

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Publication number: WO2022091214A1
Application number: PCT/JP2020/040238
Authority: WO
Inventors: 義徳磯貝
Original assignee: 株式会社オカムラ
Priority date: 2020-10-27
Filing date: 2020-10-27
Publication date: 2022-05-05
Also published as: JPWO2022091214A1; EP4238453A4; AU2020475171A1; CN116829030A; EP4238453A1; US20230380596A1

Abstract

本開示の一態様に係る椅子（１）は、支基（１２）と、前後方向に延びて座（１００）の少なくとも一部を構成する座フレーム（１２０）、及び座フレーム（１２０）の後端に左右方向に沿う軸線Ｏ１回りに回動可能に設けられ、座フレーム（１２０）から上方に延びて背凭れ（１０１）の少なくとも一部を構成する背フレーム（１２３）を有する椅子本体（３）と、を備えている。支基（１２）は、軸線Ｏ１の前方において座フレーム（１２０）を前後方向に移動可能に支持するスライダと、軸線Ｏ１の下方において背フレーム（１２３）を左右方向に沿う軸線Ｏ２回りに回動可能に支持する背凭れ支持軸と、を備えている。

Description

椅子

　本開示は、椅子に関する。

　例えば下記特許文献１には、リクライニング可能な椅子として、座及び背凭れが一体に組み合わされた椅子本体と、椅子本体を回動可能に支持する支持構造体と、を備える構成が開示されている。下記特許文献１において、座の前端部は、支持構造体に回動可能に連結されている。背凭れの下端部は、支持構造体に回動可能に連結されている。座及び背凭れは、互いに回動可能に連結されている。下記特許文献１に記載された種の椅子では、支持構造体に対する背凭れの後方への回動に伴い、背凭れが座に対して回動するとともに、座が支持構造体に対して回動する。これにより、椅子は、座の前端部が上方に持ち上がるようにして、背凭れがリクライニングされる。

特表２０１８－５３３３９４号公報

　しかしながら、上述した従来の構成にあっては、椅子に着座した状態で背凭れを傾動（リクライニング）させると、着座者の大腿部が座の前端部によって押し上げられる。そのため、着座者に対して大腿部が圧縮される感覚を与え、着座者が違和感を覚える可能性があった。

　本開示は、着座者に与える違和感を軽減できる椅子を提供することを目的とする。

　上記課題を解決するために、本開示は以下の態様を採用した。
　本開示の一態様に係る椅子は、支持構造体と、前後方向に延びて座の少なくとも一部を構成する第１部材、及び前記第１部材の後端に左右方向に沿う第１軸線回りに回動可能に設けられ、前記第１部材から上方に延びて背凭れの少なくとも一部を構成する第２部材を有する椅子本体と、を備え、前記支持構造体は、前記第１軸線の前方において前記第１部材を前後方向に移動可能に支持する第１支持部と、前記第１軸線の下方において前記第２部材を左右方向に沿う第２軸線回りに回動可能に支持する第２支持部と、を備えている。

　本態様によれば、支持構造体に対する第２部材の第２軸線回りの回動に伴い、第１部材に対する第２部材が第１軸線回りに回動するとともに、支持構造体に対して第１部材が前後方向にスライド移動する。これにより、従来のように背凭れの後方への回動に伴い座の前端部が持ち上がる構成に比べ、第２部材の後方への回動に伴う第１部材の上下方向への移動を抑えることができる。すなわち、第２部材の回動に伴い、第１部材を前後方向に滑らかに移動させることができるので、リクライニング時に着座者に与える違和感を軽減できる。

　上記態様の椅子において、前記椅子本体は、前記第１部材及び前記第２部材を前記第１軸線回りに回動可能に連結する連結部材を備えていることが好ましい。
　本態様によれば、第１部材及び第２部材とは別体の連結部材を用いることで、椅子本体の強度を確保した上で、第１部材に対する第２部材の回動量等を調整し易い。

　上記態様の椅子において、前記椅子本体は、前記第１部材と前記第２部材との前記第１軸線回りのなす角度が第１角度となる第１位置と、前記第１部材と前記第２部材との前記第１軸線回りのなす角度が前記第１角度よりも小さい第２角度となる第２位置と、の間を回動可能に構成され、前記第２支持部は、前記第２軸線に沿って延びる軸部材であり、前記第２部材は、前記第２軸線に交差する交差方向に向けて開口して前記第２支持部が挿入可能な開口部を有し、前記第２支持部を保持する保持部と、前記椅子本体が前記第１位置にあるときに前記交差方向で前記支持構造体に係合して、前記支持構造体に対する前記第２部材の前記交差方向での移動を規制し、前記椅子本体が前記第２位置にあるときに前記支持構造体から離脱して、前記支持構造体に対する前記第２部材の前記交差方向への移動を許容する抜け止め部を備えていることが好ましい。
　本態様によれば、椅子本体を第２位置とした状態で、保持部と第２支持部とを交差方向に接近又は離反させることで、開口部を通じて第２支持部を保持部に着脱することができる。一方、第２支持部が保持部内に収容された状態で、椅子本体を第１位置とすることで、第２支持部が開口部を通じて保持部から離脱するのを抑制できる。これにより、第１部材と第２部材とが一体に組み合わされた構成であっても、組付性を向上させることができる。

　上記態様の椅子において、前記第２部材及び前記支持構造体の一方の部材には、前記椅子本体が前記第１位置にあるとき、前記第２部材及び前記支持構造体の他方の部材に係合して、前記第１軸線回りにおける前記椅子本体の前記第２位置への回動を規制する規制部が着脱可能に設けられていることが好ましい。
　本態様によれば、第２部材を支持構造体に組み付けた後、第２部材が第２位置に戻るのを規制できる。これにより、組付性と、組付後の信頼性の双方を確保できる。

　上記態様の椅子において、前記第１部材には、前後方向に開口して前記第１支持部が挿入可能な他の開口部を有し、前後方向に延びるスリットが形成され、前記第１支持部は、前記スリット内を前後方向に移動可能に構成されていることが好ましい。
　本態様によれば、他の開口部を通じてスリット内に第２支持部を挿入することができる。これにより、第１部材の支持構造体への組付性を向上させることができる。

　上記各態様によれば、着座者に与える違和感を軽減できる。

実施形態における椅子の側面図である。実施形態における椅子本体及び支基の斜視図である。図２のＩＩＩ－ＩＩＩ線に沿う断面図である。図２のＩＶ－ＩＶ線に沿う断面図である。図２のＶ－Ｖ線に沿う断面図である。図２のＶＩ－ＶＩ線に沿う断面図である。図２のＶＩＩ－ＶＩＩ線に沿う断面図である。図２のＶＩＩＩ－ＶＩＩＩ線に沿う断面図である。実施形態における椅子本体が組付位置にある状態を示す図８に対応する断面図である。進退片が退避位置にある状態を示す図３に対応する断面図である。実施形態における椅子において、背凭れのリクライニング状態を示す側面図である。実施形態における椅子において、椅子本体が組付位置にある状態を示す椅子の側面図である。

　次に、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。本実施形態において、「向かい合う」とは、２つの面それぞれの直交方向（法線方向）が互いに一致している場合に限らず、直交方向同士が交差している場合も含んでいる

　図１は、椅子１の側面図である。
　図１に示すように、椅子１は、支持構造体２と、椅子本体３と、を備えている。以下の説明において、前後上下左右等の向きは、椅子１に正規姿勢で着座した人（着座者）の向きと同一とする。この場合、図中における矢印ＵＰは上方を示し、矢印ＦＲは前方を示し、ＬＨは左方を示している。また、以下の説明では、椅子１において、前後方向及び左右方向（幅方向）で中心から離間する側を外側といい、中心に向かう側を内側という場合がある。

　＜支持構造体２＞
　支持構造体２は、脚部１１と、支基１２と、を備えている。
　脚部１１は、多岐脚１４と、脚柱１５と、を備えている。
　多岐脚１４の各脚部には、床面Ｆ上を走行可能なキャスタ１６が取り付けられている。

　脚柱１５は、多岐脚１４の中央部から上方に立設されている。脚柱１５には、椅子１の昇降機構であるガススプリング１７が内蔵されている。ガススプリング１７は、例えば脚柱１５内に設けられた外筒（不図示）に対して内筒１７ａが昇降かつ相対回転可能に支持された構成である。

　図２は、椅子本体３及び支基１２の斜視図である。なお、図２では、椅子本体３の張材１１１を省略している。
　図１、図２に示すように、支基１２は、脚柱１５（内筒１７ａ）の上端部に固定されている。図２に示すように、支基１２は、ケーシング２１と、昇降操作機構２２と、傾動機構２３と、傾動調整機構２４と、を備えている。

　ケーシング２１は、上方に開口する箱型に形成されている。ケーシング２１は、アルミニウム等により一体に成形されている。具体的に、ケーシング２１は、ケース本体３１と、一対の前方延在部３２と、後部ケース３３と、を備えている。

　図３は、図２のＩＩＩ－ＩＩＩ線に沿う断面図である。
　図３に示すように、ケース本体３１の底壁には、底壁を貫通する挿入口３１ａが形成されている。内筒１７ａは、挿入口３１ａを通じてケーシング２１に組み付けられている。

　図２に示すように、一対の前方延在部３２は、ケース本体３１における左右方向の両端部から前方に向けて延びている。一対の前方延在部３２は、側面視において前方に向かうに従い上方に向けて傾斜して延びている。一対の前方延在部３２は、平面視において前方に向かうに従い左右方向の外側に向けて延びている。
　後部ケース３３は、ケース本体３１における左右方向の中央部から後方に向けて延びている。後部ケース３３において、左右方向の幅は、ケース本体３１よりも狭い。なお、ケーシング２１内には、適宜リブや肉抜き等が設けられている。

　昇降操作機構２２は、軸受部４１と、操作ロッド４２と、を備えている。
　軸受部４１は、ケース本体３１内において挿入口３１ａに対して右側に設けられている。
　操作ロッド４２は、左右方向に沿う軸線回りに回動可能に軸受部４１に支持されている。操作ロッド４２における左右方向の内側端部は、ケース本体３１内において内筒１７ａに連係する。操作ロッド４２における左右方向の外側端部は、ケース本体３１の側壁を貫通して、ケース本体３１に対して右側に突出している。操作ロッド４２における左右方向の外側端部には、ケーシング２１の外部においてハンドル（不図示）が取り付けられる。昇降操作機構２２は、ハンドルを介して操作ロッド４２を回動操作することで、ガススプリング１７を操作する。

　傾動機構２３は、スライダ（第１支持部：図４参照）５１と、背凭れ支持軸（第２支持部）５２と、を備えている。

　図４は、図２のＩＶ－ＩＶ線に沿う断面図である。図５は、図２のＶ－Ｖ線に沿う断面図である。
　図４、図５に示すように、スライダ５１は、各前方延在部３２の前端部にそれぞれ設けられている。スライダ５１は、連係部５５と、進入規制片５６と、を備えている。連係部５５は、正面視においてＩ型のブロック状に形成されている。連係部５５は、下壁部５７と、柱部５８と、上壁部５９と、を備えている。
　下壁部５７は、前方延在部３２の前端部上にビス６０等により固定されている。
　柱部５８は、下壁部５７における左右方向の中央部から上方に延びている。
　上壁部５９は、柱部５８に対して左右方向の両側に張り出している。
　図５に示すように、進入規制片５６は、連係部５５から前方に向けて片持ちで延びている。

　図２に示すように、背凭れ支持軸５２は、後部ケース３３を左右方向に貫通する軸部材である。背凭れ支持軸５２における左右方向の両端部は、後部ケース３３の側壁から後部ケース３３の外部に突出している。

　傾動調整機構２４は、軸受部６１と、操作ロッド６２と、リンク機構６３と、を備えている。
　軸受部６１は、ケース本体３１内における挿入口３１ａに対して左側に設けられている。
　操作ロッド６２は、左右方向に沿う軸線回りに回動可能に軸受部６１に支持されている。操作ロッド６２における左右方向の外側端部は、ケース本体３１の側壁を貫通して、ケース本体３１に対して左側に突出している。操作ロッド６２における左右方向の外側端部には、ケーシング２１の外部においてハンドル（不図示）が取り付けられる。

　図６は、図２のＶＩ－ＶＩ線に沿う断面図である。
　図３、図６に示すように、リンク機構６３は、第１アーム７１と、第２アーム７２と、ガイド部７３と、進退片７４と、を備えている。
　図６に示すように、第１アーム７１は、操作ロッド６２における左右方向の内側端部に固定されている。第１アーム７１は、操作ロッド６２から操作ロッド６２の径方向（下方）に延びている。第１アーム７１の先端部には、左右方向の内側に向けて連係ピン７１ａが突出している。連係ピン７１ａは、操作ロッド６２の回転に伴い、操作ロッド６２の回りを前後方向に移動する。

　第２アーム７２は、操作ロッド６２の回転に伴う連係ピン７１ａの前後方向への移動に伴い、前後方向に移動可能に構成されている。第２アーム７２は、第１連結片７５と、接続片７６と、第２連結片７７（図３参照）と、を備えている。
　第１連結片７５は、左右方向を厚さ方向とする板状に形成されている。第１連結片７５の下端部には、挿通孔７５ａが形成されている。挿通孔７５ａは、長孔に形成されている。挿通孔７５ａ内には、連係ピン７１ａが挿入されている。
　接続片７６は、連結片７５の上端部から後方に延びている。図２に示すように、接続片７６は、平面視において、左右方向にクランク状に屈曲した状態で、後方に延びている。接続片７６の後端部は、後部ケース３３内において、背凭れ支持軸５２よりも後方に位置している。
　図３に示すように、第２連結片７７は、接続片７６の後端部から下方に突出している。

　ガイド部７３は、後部ケース３３の後壁部３３ａに形成された貫通孔３３ｂ内に差し込まれた状態で、後部ケース３３内に固定されている。ガイド部７３は、上下方向に対向する上プレート７８及び下プレート７９を備えている。上プレート７８及び下プレート７９により囲まれた空間は、スライド空間Ｓ１を構成している。上プレート７８には、前後方向に延びる上スリット７８ａが形成されている。下プレート７９において、上スリット７８ａに対向する位置には、前後方向に延びる下スリット７９ａが形成されている。上スリット７８ａ及び下スリット７９ａ間には第２連結片７７が架け渡されている。第２連結片７７は、上プレート７８の上方から上スリット７８ａ内に挿入され、スライド空間Ｓ１を上下方向に横断している。

　進退片７４は、スライド空間Ｓ１内を前後方向に移動可能に収容されている。進退片７４は、上下方向を厚さ方向とし、前後方向に延びる板状に形成されている。進退片７４は、スライド空間Ｓ１内において、第２連結片７７に接続されている。進退片７４は、第２アーム７２の前後方向の移動に伴い、前後方向に移動する。進退片７４は、貫通孔３３ｂを通じてケーシング２１から後方に突出した突出位置（図３参照）、及びケーシング２１内に退避した退避位置（図１０参照）の間を前後方向に移動する。なお、進退片７４は、ばね等の付勢部材によって突出位置に向けて付勢された状態で第２連結片７７に接続されていてもよく、第２連結片７７に直接接続されていてもよい。

　＜椅子本体３＞
　図１に示すように、椅子本体３は、座１００と、背凭れ１０１と、を備えている。
　座１００は、側面視において前後方向に延びている。図示の例において、座１００は、後方から前方に向かうに従い下方に傾斜している。座１００の上面は、着座者の臀部から大腿部に至る範囲を下方から支持する座面１００ａを構成する。座１００は、支基１２に対して前後方向にスライド移動可能に支持されている。
　背凭れ１０１は、座１００の後端から上方に延びている。本実施形態の背凭れ１０１は、側面視において、緩やかなＳ字状をなしている。背凭れ１０１の前面は、着座者の腰部及び背部を後方から支持する背受け面１０１ａを構成する。なお、椅子本体３は、肘掛けを備えていてもよい。

　背凭れ１０１は、座１００に対して左右方向に沿う軸線Ｏ１回りに回動可能に設けられている。背凭れ１０１は、背凭れ支持軸５２の軸線Ｏ２回りに回動可能に支基１２に連結されている。座１００は、支基１２に対する背凭れ１０１の軸線Ｏ２回りの回動、及び座１００に対する背凭れ１０１の軸線Ｏ１回りに回動に伴い、支基１２に対して前後方向にスライド移動可能に設けられている。

　以下、椅子本体３の具体的な構成について説明する。
　椅子本体３は、シェル１１０と、張材１１１と、を備えている。
　シェル１１０は、椅子本体３の外殻を形成する枠状の部材である。シェル１１０は、座１００の外殻を構成する座フレーム１２０と、背凭れ１０１の外殻を構成する背フレーム１２３と、座フレーム１２０及び背フレーム１２３を連結する連結部材１２１と、を備えている。なお、座フレーム１２０、連結部材１２１及び背フレーム１２３は、それぞれ樹脂材料等によって成形されている。

　図２に示すように、座フレーム１２０は、平面視において後方に開口するＵ字状に形成されている。具体的に、座フレーム１２０は、前杆部１３０と、側杆部１３１と、座係合部１３２（図４参照）と、ばね収容部１３３（図４参照）と、を備えている。

　前杆部１３０は、座１００の前端部において、左右方向に延びている。
　側杆部１３１は、前杆部１３０における左右方向の両端部から後方に延びている。

　図７は、図２のＶＩＩ－ＶＩＩ線に沿う断面図である。
　図７に示すように、各側杆部１３１の後端面には、後端面上で開口する凹部１３１ａが形成されている。なお、側杆部１３１の後端面は、下方に向かうに従い前方に延びる傾斜面に形成されている。

　図４、図５に示すように、座係合部１３２は、支基１２に対して前後方向に移動可能にスライダ５１に支持されている。座係合部１３２は、前杆部１３０における左右方向の両端部に前杆部１３０又は側杆部１３１と一体で形成されている。なお、以下の説明では、一方の座係合部１３２を例にして、座係合部１３２の構成について説明する。

　座係合部１３２は、前後方向に延びる筒状に形成されている。本実施形態において、座係合部１３２は、後方に向かうに従い僅かに下方に傾斜又は湾曲しながら延びている。座係合部１３２は、後方に向けて開口する後端開口部１３２ａ（図５参照）を有している。座係合部１３２の底壁部１３２ｂには、スリット１３２ｃが形成されている。スリット１３２ｃは、前後方向に延びている。スリット１３２ｃは、底壁部１３２ｂの後端面上で開口するスリット開口（他の開口部）１３２ｅを有している。前杆部１３０において、座係合部１３２と前後方向で対向する位置には、逃げ部１３５が形成されている。逃げ部１３５は、スリット１３２ｃの延長線上で前後方向に延びている。逃げ部１３５は、後方及び下方に向けて開口している。

　座係合部１３２内には、後端開口部１３２ａ及びスリット開口１３２ｅを通じてスライダ５１が収容されている。具体的に、スライダ５１は、柱部５８がスリット１３２ｃを上下方向に貫通した状態で、上壁部５９が座係合部１３２内に配置されている。したがって、柱部５８は、スリット１３２ｃの内面によって左右方向への移動が制限された状態で、スリット１３２ｃ内を前後方向に移動可能に構成されている。上壁部５９は、座係合部１３２の底壁部１３２ｂ及び頂壁部１３２ｄによって上下方向への移動が制限された状態で、座係合部１３２内を前後方向に移動可能に構成されている。

　進入規制片５６は、座係合部１３２内において、スリット１３２ｃと平面視で重なり合っている。進入規制片５６は、スライダ５１の前後方向への移動に伴い、逃げ部１３５に対して進入又は退避する。進入規制片５６は、スリット１３２ｃを通じた座係合部１３２内への指や物品等の進入を規制する。

　ばね収容部１３３は、座係合部１３２の上方に座係合部１３２と一体で形成されている。ばね収容部１３３は、後方に向けて開口する筒状に形成されている。ばね収容部１３３には、左右方向の内側に向けて開口するスライド許容部１３３ａが形成されている。スライド許容部１３３ａは、前後方向に延びるとともに、ばね収容部１３３の後端縁上で開口するスリットである。

　図７に示すように、連結部材１２１は、座連結部１４０と、背連結部１４１と、枢軸部１４２と、を備えている。
　座連結部１４０は、前後方向に延びる棒状の部材である。座連結部１４０は、側杆部１３１の凹部１３１ａ内に後方から差し込まれている。座連結部１４０は、側杆部１３１に対して左右方向の内側からビス等が締結されることで、側杆部１３１に固定されている。

　背連結部１４１は、座連結部１４０の後端部から後方に延びる棒状に形成されている。背連結部１４１の前端部は、座連結部１４０の後端部に左右方向に重なり合っている。
　枢軸部１４２は、左右方向に延びる棒状に形成されている。枢軸部１４２は、座連結部１４０の後端部及び背連結部１４１の前端部との重ね合わせ部分を左右方向に貫通している。したがって、座連結部１４０及び背連結部１４１は、枢軸部１４２の軸線Ｏ１回りに回動可能に構成されている。

　背フレーム１２３は、下部フレーム１５０と、本体フレーム１５１と、支持フレーム１５２（図２参照）と、を備えている。
　下部フレーム１５０は、側杆部１３１の後端に連結部材１２１を介して連結されている。下部フレーム１５０は、後方に向かうに従い上方に向けて傾斜している。下部フレーム１５０の前端面には、前方に向けて開口する凹部１５０ａが形成されている。凹部１５０ａ内には、背連結部１４１が差し込まれている。背連結部１４１は、下部フレーム１５０に対して左右方向の内側からビス等が締結されることで、下部フレーム１５０に固定されている。

　このように、本実施形態のシェル１１０は、座フレーム１２０及び背フレーム１２３が連結部材１２１を介して一体に組み合わされている。これにより、背フレーム１２３は、座フレーム１２０に対して軸線Ｏ１回りに回動可能に構成されている。

　図２に示すように、本体フレーム１５１は、正面視において、矩形枠状に形成されている。具体的に、本体フレーム１５１は、一対の縦杆部１５５と、下杆部１５６と、上杆部１５７と、を備えている。
　一対の縦杆部１５５は、各下部フレーム１５０の後端から、それぞれ上方に向けて延びている。側面視において、縦杆部１５５は、上方に向かうに従い前方に向けて延びた後、さらに上方に向かうに従い後方に延びている。

　下杆部１５６は、一対の縦杆部１５５の下端部同士を左右方向に架け渡している。
　上杆部１５７は、一対の縦杆部１５５の上端部同士を左右方向に架け渡している。

　支持フレーム１５２は、下部フレーム１５０同士の間を架け渡している。支持フレーム１５２は、一対の接続フレーム１６０と、支基連結部１６１と、を備えている。
　接続フレーム１６０は、各下部フレーム１５０から左右方向の内側に向けて延びている。接続フレーム１６０は、左右方向の内側に向かうに従い下方に湾曲しながら延びている。

　図１に示すように、支基連結部１６１は、一対の接続フレーム１６０の間を接続している。支基連結部１６１は、側面視において下部フレーム１５０の下方に位置している。支基連結部１６１は、図２に示すように一対の下部フレーム１５０に対して左右方向の内側に位置している。支基連結部１６１は、前方に向けて開口するＵ字状に形成されている。図３に示すように、支基連結部１６１は、規制壁部１６５と、一対の前突出部１６７と、を備えている。
　規制壁部１６５は、左右方向に延びている。
　前突出部１６７は、規制壁部１６５における左右方向の両端部から前斜め下方に延びている。

　図８は、図２のＶＩＩＩ－ＶＩＩＩ線に沿う断面図である。
　図８に示すように、前突出部１６７の前端部の内側面には、保持部１６８が形成されている。保持部１６８は、前突出部１６７において左右方向の内側に向けて開口する凹部である。保持部１６８は、背凭れ支持軸５２のうち、後部ケース３３から突出した部分を保持している。これにより、背フレーム１２３は、背凭れ支持軸５２を支点にして左右方向に沿う軸線Ｏ２回りに回動可能に支持されている。保持部１６８は、前突出部１６７の前端面上で開口する挿入開口部（開口部）１６８ａを有している。保持部１６８内には、挿入開口部１６８ａを通じて背凭れ支持軸５２が挿入可能である。挿入開口部１６８ａは、保持部１６８内に背凭れ支持軸５２が収容された状態において、軸線Ｏ２の径方向（交差方向）に開口している。

　保持部１６８の内面のうち、軸線Ｏ２回りの周方向を向く部分には、抜け止め部１７０が形成されている。抜け止め部１７０は、軸線Ｏ２回りの周方向に延びる円弧状の溝である。抜け止め部１７０は、保持部１６８の内面上で開口するとともに、前突出部１６７において左右方向の内側に向けて開口している。

　後部ケース３３の両側壁のうち、前突出部１６７と左右方向で対向する部分には、突起１７３が形成されている。突起１７３は、抜け止め部１７０内に収容されている。突起１７３は、座フレーム１２０に対する背フレーム１２３の角度θ（図１参照）に応じて抜け止め部１７０から進退する。

　ここで、図１に示すように、座フレーム１２０に対する背フレーム１２３の角度θとは、側面視において軸線Ｏ１と座フレーム１２０の前端とを結ぶ第１仮想線Ｌ１と、軸線Ｏ１と背フレーム１２３の上端とを結ぶ第２仮想線Ｌ２と、のなす角度である。本実施形態において、椅子本体３の角度θが第１角度にあるとき、図８に示すように、突起１７３は抜け止め部１７０内に収容されている（使用位置（第１位置））。使用位置では、突起１７３が抜け止め部１７０の内面に軸線Ｏ２の径方向（前後方向）で係合（接触）することにより、背凭れ支持軸５２に対する背フレーム１２３の後方移動が規制される。

　図９は、椅子本体３が組付位置（第２位置）にある状態を示す図８に対応する断面図である。
　図９に示すように、椅子本体３の角度θが第１角度よりも小さい第２角度にあるとき、突起１７３は抜け止め部１７０から離脱している（組付位置）。組付位置では、突起１７３の全体が保持部１６８内に位置することにより、抜け止め部１７０との係合（接触）が解除される。すなわち、組付位置では、背凭れ支持軸５２に対する背フレーム１２３の軸線Ｏ２の径方向（後方）への移動が許容される。その結果、背凭れ支持軸５２及び突起１７３が保持部１６８から離脱可能に構成されている。なお、突起１７３は、組付位置における保持部１６８内への進入量が、使用位置における保持部１６８内への進入量よりも大きければよい。

　図６に示すように、規制壁部１６５の前面には、縦溝１８０が形成されている。縦溝１８０は、規制壁部１６５の左右方向の両端部において、上下方向に延びている。各縦溝１８０内には、戻りストッパ（規制部）１８１がそれぞれ係止されている。以下の説明では、各戻りストッパ１８１のうち、一方の縦溝１８０に係止された戻りストッパ１８１について説明する。

　戻りストッパ１８１は、後壁部３３ａに着脱可能に装着されている。戻りストッパ１８１は、軸部１８１ａと、フランジ部１８１ｂと、摘み部１８１ｃと、を備えている。
　軸部１８１ａは、前後方向に延びる棒状に形成されている。上述した後部ケース３３の後壁部３３ａにおいて、縦溝１８０と前後方向に対向する位置には、後壁部３３ａを貫通する挿通孔３３ｃが形成されている。軸部１８１ａは、挿通孔３３ｃを通じて後壁部３３ａを貫通している。軸部１８１ａの先端部（後端部）は、後部ケース３３から後方に突出している。軸部１８１ａの先端部は、縦溝１８０内に進入している。戻りストッパ１８１は、軸部１８１ａが縦溝１８０の下面（内面のうち上方を向く面）に上方から係合（接触）することで、背フレーム１２３の組付位置への回動を規制している。

　フランジ部１８１ｂは、軸部１８１ａの基端部（前端部）に、軸部１８１ａに対して拡径して形成されている。フランジ部１８１ｂは、後壁部３３ａに前方から近接又は当接している。なお、フランジ部１８１ｂには、前斜め上方に向けて延びるテーパ面が形成されている。
　摘み部１８１ｃは、フランジ部１８１ｂから上方に向けて突出している。

　後部ケース３３において、戻りストッパ１８１よりも前方に位置する部分には、位置決めボルト１８５が設けられている。位置決めボルト１８５は、後部ケース３３の底壁部３３ｄから後部ケース３３内に突出した状態で設けられている。位置決めボルト１８５は、フランジ部１８１ｂの前方に配置され、後部ケース３３に対する戻りストッパ１８１の前方への移動を規制する。すなわち、位置決めボルト１８５は、戻りストッパ１８１が縦溝１８０から離脱するのを抑制する。

　図３に示すように、規制壁部１６５のうち、各縦溝１８０の間に位置する部分には、傾動規制部１９０が形成されている。傾動規制部１９０は、規制壁部１６５の前面及び下面で開口する凹部である。傾動規制部１９０内には、進退片７４が突出位置にあるとき、進退片７４の後端部が進入している。進退片７４が突出位置にあるとき、背フレーム１２３の後方への回動動作に伴い、傾動規制部１９０の頂面と進退片７４とが接触する。これにより、座フレーム１２０に対する背フレーム１２３の回動範囲が制限される。一方、図１０に示すように、進退片７４が退避位置にあるとき、進退片７４は傾動規制部１９０から退避する。すなわち、進退片７４が退避位置にあるとき、進退片７４は背フレーム１２３の回動軌跡から退避することで、背フレーム１２３の回動を許容する。進退片７４が退避位置にあるとき、背フレーム１２３は、ケーシング２１に設けられた不図示の規制部に当接することで、回動範囲が制限される。なお、背フレーム１２３は、傾動規制部１９０が突出位置にあるとき、傾動規制部１９０が退避位置にある場合に比べて回動範囲が小さくなっていればよい。すなわち、背フレーム１２３は、傾動規制部１９０が突出位置にあるとき、回動が防止されていてもよく、僅かに回動してもよい。

　張材１１１は、シェル１１０の外周縁に留められることで、シェル１１０の開口部を前方及び上方から閉塞している。具体的に、張材１１１は、座フレーム１２０及び背フレーム１２３の外周縁に沿って一体で留められている。張材１１１のうち、座フレーム１２０を覆う部分は、座面１００ａを構成している。張材１１１のうち、背フレーム１２３を覆う部分は、背受け面１００ｂを構成している。なお、張材１１１は、伸縮性を有する合成樹脂製繊維がメッシュ状に組み合わされて形成されている。但し、張材１１１は、座１００に対する背凭れ１０１の回動等に追従して変形する構成であれば、メッシュ状に限らず、例えば布状やフィルム状等を採用することができる。

　図２、図４、図５に示すように、座フレーム１２０と支基１２との間には、付勢機構２００が介在している。付勢機構２００は、座フレーム１２０を前方に向けて付勢している。付勢機構２００は、第１付勢部材２０１と、保持部材２０２と、第２付勢部材２０３と、を備えている。

　第１付勢部材２０１は、ケーシング２１とばね収容部１３３との間に架け渡された弾性変形可能な線材により形成されている。具体的に、第１付勢部材２０１は、中央部がケース本体３１の前端部に支持された状態で、左右方向の両端部が前方延在部３２の内側に沿って前方に向かうに従い上方かつ左右方向の外側に延びている。第１付勢部材２０１における左右方向の両端部は、スライド許容部１３３ａを通じてばね収容部１３３内に進入している。

　保持部材２０２は、ばね収容部１３３内に収容されている。保持部材には、第１付勢部材２０１の左右方向における外側端部が接続されている。保持部材２０２は、左右方向に沿う軸線回りに第１付勢部材２０１を回転可能に保持している。なお、ばね収容部１３３の後部には、ばね収容部１３３内に突出するビス２０５が設けられている。保持部材２０２は、ビス２０５と第２付勢部材２０３との間に前後方向で挟まれることにより、ばね収容部１３３内での前後方向の位置決めがなされている。

　第２付勢部材２０３は、例えばコイルスプリングである。第２付勢部材２０３は、ばね収容部１３３内において、保持部材２０２の前方に位置する部分に収容されている。換言すれば、第２付勢部材２０３の前後方向の長さぶん、第１付勢部材２０１は後方に位置している。第２付勢部材２０３は、ばね収容部１３３の前壁と保持部材２０２との間に介在して、座フレーム１２０を前方に向けて付勢する。

（椅子１の使用方法）
　次に、上述した椅子１の使用方法として、椅子本体３をリクライニングさせる際の作用について説明する。以下の説明では、進退片７４が退避位置にある状態を初期状態として説明する。図１１は、背凭れ１０１のリクライニング状態を示す椅子１の側面図である。
　本実施形態の椅子１は、支基１２（ケーシング２１）を固定リンクとし、背フレーム１２３を回動リンクとし、座フレーム１２０をスライドリンクとしたリンク機構を構成している。具体的に、椅子本体３に着座者が着座した状態で、背凭れ１０１に凭れ掛かると、椅子本体３には背凭れ１０１を介して後方への荷重が作用する。すると、図１１に示すように、背凭れ１０１は、支基１２に対して軸線Ｏ２回りの後方に回動する。すると、背凭れ１０１は、座１００に対して軸線Ｏ１回りの後方に回動する。これにより、座１００は、背凭れ１０１の回動に伴い後方に引っ張られる。この際、座１００は、スライダ５１によって上下方向の移動が規制された状態で、前後方向に移動可能に構成されているため、背凭れ１０１の回動に伴い支基１２に対して後方にスライド移動する。また、座係合部１３２が後方に向かうに従い下方に向けて延在していることから、座１００は後方に向かうに従い下方に向けて移動する。その結果、椅子本体３の全体が後方に移動しつつ、背凭れ１０１が後方にリクライニングされる。また、背凭れ１０１のリクライニング時において、座１００が後方に移動するのに従い、付勢部材２０１，２０３が弾性変形する。これにより、付勢機構２００の付勢力が増加する。

　着座者が起き上がり、背凭れ１０１に作用する荷重が解除されると、座１００は付勢機構２００の付勢力によって前方に移動しようとする。これに伴い、背凭れ１０１が座１００に対して軸線Ｏ１回りの前方に回動するとともに、支基１２に対して軸線Ｏ２回りの前方に回動する。その結果、椅子本体３が初期状態に復帰する。このとき、第２付勢部材２０３としてのコイルスプリングの付勢力が、線材からなる第１付勢部材２０１の付勢力に合算されることによって、線材からなる第１付勢部材２０１を過度に大きく弾性変形させる必要がなくなっている。また、座１００の前後方向の移動量は所定の範囲に設定されているところ、第１付勢部材２０１が、第２付勢部材２０３の前後方向の長さのぶんだけ後方に位置しているので、第１付勢部材２０１の前後方向の変位量を、第２付勢部材２０３の前後方向への弾性変形の量のぶんだけ抑えることができる。このことから、第１付勢部材２０１の経年劣化を抑止することができる。

　次に、進退片７４が突出位置にある状態での椅子１の作用について説明する。
　進退片７４を突出位置に移動させるには、傾動調整機構２４の操作ロッド６２を回転させる。すると、操作ロッド６２の回転運動が第１アーム７１を介して第２アーム７２に伝達されることで、第２アーム７２及び進退片７４の直進運動に変換される。これにより、進退片７４がスライド空間Ｓ１内を後方に向けてスライドする。その結果、進退片７４がケーシング２１から後方に突出して傾動規制部１９０内に進入する。この状態で、背凭れ１０１をリクライニングさせようとすると、傾動規制部１９０の頂面が進退片７４に上方から当接することで、背凭れ１０１の回動が制限される。

（椅子１の組立方法）
　次に、椅子１の組立方法として、支基１２に対して椅子本体３を組み付ける方法について説明する。図１２は、椅子本体３が組付位置にある状態を示す椅子１の側面図である。
　まず、図１２に示すように、シェル１１０を組付位置とした状態で、座フレーム１２０と支基１２とを連結する。具体的には、図５に示すように、座係合部１３２の後端開口部１３２ａ及びスリット開口１３２ｅを通じて座係合部１３２内にスライダ５１を挿入する。この際、スライダ５１の柱部５８をスリット１３２ｃ内に進入させ、上壁部５９を座係合部１３２内に進入させる。

　ばね収容部１３３に対しては、ばね収容部１３３の後端開口部を通じて第２付勢部材２０３を挿入する。続いて、ばね収容部１３３の後端開口部を通じて保持部材２０２を挿入する。この際、第１付勢部材２０１における左右方向の外側端部は、スライド許容部１３３ａ内に進入する。その後、ばね収容部１３３に対してビス２０５を取り付け、ビス２０５の先端部をばね収容部１３３内に突出させる。これにより、第１付勢部材２０１、および第２付勢部材２０３の両方に、初期付勢力が蓄勢された状態で、ばね収容部１３３内に付勢機構２００が組み付けられる。
　以上により、支基１２に対して座フレーム１２０が組み付けられる。

　続いて、図９に示すように、背フレーム１２３と支基１２とを連結する。具体的には、保持部１６８の挿入開口部１６８ａを通じて背凭れ支持軸５２を保持部１６８内に進入させる。その後、背フレーム１２３を使用位置まで回動させる。すると、突起１７３が抜け止め部１７０内に進入することで、背凭れ支持軸５２に対する背フレーム１２３の後方への移動が規制される。

　次に、図６に示すように、ケーシング２１に戻りストッパ１８１を組み付ける。具体的には、後壁部３３ａの挿通孔３３ｃ内に戻りストッパ１８１の軸部１８１ａを挿入することで、軸部１８１ａの先端部を後壁部３３ａから突出させる。すると、軸部１８１ａの先端部が背フレーム１２３の縦溝１８０内に進入する。これにより、背フレーム１２３の組付位置への回動が規制される。その後、ケーシング２１に位置決めボルト１８５を組み付けることで、戻りストッパ１８１の前方移動が規制される。

　そして、シェル１１０に対して張材１１１を組み付けることにより、椅子本体３が支基１２に組み付けられる。なお、上述した組付方法は、張材１１１をシェル１１０に組み付けてから行ってもよい。

（効果）
　このように、本実施形態の椅子１では、座フレーム１２０と背フレーム１２３とが第１軸線Ｏ１回りに回動可能に組み付けられた構成において、支基１２が、座フレーム１２０を前後方向に移動可能に支持するスライダ５１と、背フレーム１２３を第２軸線Ｏ２回りに回動可能に支持する背凭れ支持軸５２と、を備えている構成とした。
　この構成によれば、支基１２に対する背凭れ１０１の軸線Ｏ２回りの回動に伴い、座１００（座フレーム１２０）に対して背凭れ１０１（背フレーム１２３）が軸線Ｏ１回りに回動するとともに、支基１２に対して座１００が前後方向にスライド移動する。これにより、従来のように背凭れの後方への回動に伴い座の前端部が持ち上がる構成に比べ、背凭れ１０１の後方への回動に伴う座１００の上下方向への移動を抑えることができる。すなわち、背凭れ１０１の回動に伴い、座１００を前後方向に滑らかに移動させることができるので、リクライニング時に着座者に与える違和感を軽減できる。

　本実施形態の椅子１では、座フレーム１２０と背フレーム１２３とを軸線Ｏ１回りに回動可能に連結する連結部材１２１を備える構成とした。
　この構成によれば、座フレーム１２０及び背フレーム１２３とは別体の連結部材１２１を用いることで、椅子本体３の強度を確保した上で、座フレーム１２０に対する背フレーム１２３の回動量等を調整し易い。

　本実施形態の椅子１では、椅子本体３（シェル１１０）が使用位置にあるときに挿入開口部１６８ａの開口方向で突起１７３に係合して、軸線Ｏ２の径方向における支基１２に対する背フレーム１２３の移動を規制し、椅子本体３が組付位置にあるときに突起１７３から離脱して、軸線Ｏ２の径方向における支基１２に対する背フレーム１２３の移動を許容する抜け止め部１７０を備えている構成とした。
　この構成によれば、椅子本体３を組付位置とした状態で、保持部１６８と背凭れ支持軸５２とを軸線Ｏ２の径方向に接近又は離反させることで、挿入開口部１６８ａを通じて背凭れ支持軸５２を保持部１６８に着脱することができる。一方、背凭れ支持軸５２が保持部１６８内に収容された状態で、椅子本体３を使用位置とすることで、背凭れ支持軸５２が挿入開口部１６８ａを通じて保持部１６８から離脱するのを抑制できる。これにより、座１００と背凭れ１０１とが一体に組み合わされた構成であっても、組付性を向上させることができる。

　本実施形態の椅子１では、椅子本体３が使用位置にあるとき、背フレーム１２３に係合して軸線Ｏ１回りの組付位置への回動を規制する戻りストッパ１８１が支基１２に着脱可能に設けられている構成とした。
　この構成によれば、背フレーム１２３を支基１２に組み付けた後、背フレーム１２３が組付位置に戻るのを規制できる。これにより、組付性と、組付後の信頼性の双方を確保できる。

　本実施形態の椅子１では、座係合部１３２が後方に向けて開口するとともに、前後方向に延びるスリット１３２ｃを有し、スライダ５１がスリット１３２ｃ内で前後方向に移動可能に支持されている構成とした。
　この構成によれば、座係合部１３２の後端開口部１３２ａを通じてスリット１３２ｃ内にスライダ５１を挿入することができる。これにより、座フレーム１２０の支基１２への組付性を向上させることができる。

（その他の変形例）
　以上、本開示の好ましい実施形態を説明したが、本開示はこれら実施形態に限定されることはない。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本開示は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
　上述した実施形態では、座フレーム１２０と背フレーム１２３とが連結部材１２１を介して回動可能に連結された構成について説明したが、この構成に限られない。連結部材としては、座フレーム１２０と背フレーム１２３とを回動可能に連結する枢軸部のみを有する構成であってもよい。また、連結部材が折り曲げ可能な構成であってもよい。さらに、椅子本体３は、連結部材を有さない構成であってもよい。この場合、座フレーム１２０と背フレーム１２３とが折り曲げ可能に一体に形成されていてもよい。
　上述した実施形態では、座フレーム１２０とケーシング２１との間に介在する付勢機構２００として線材からなる第１付勢部材２０１、及びコイルスプリングからなる第２付勢部材２０３を備える構成について説明したが、この構成に限られない。付勢機構２００は、第１付勢部材２０１及び第２付勢部材２０３の何れかを備える構成であってもよい。

　上述した実施形態では、抜け止め部１７０が保持部１６８の内面上で開口する構成について説明したが、この構成に限られない。抜け止め部１７０は、保持部１６８とは別の位置に設けられていてもよい。
　上述した実施形態では、第１支持部としてブロック状のスライダ５１を採用し、座フレーム１２０にスリット１３２ｃが形成された構成について説明したが、この構成に限られない。第１支持部は、座フレーム１２０を前後方向に移動可能に支持していればよい。この場合、第１支持部をスリットとし、スリット内を移動可能なスライダ等を座フレーム１２０に設けてもよい。第１支持部と座フレーム１２０とは、レールとローラとの組み合わせ等であってもよい。

　上述した実施形態では、第２支持部として背凭れ支持軸５２を採用し、背フレーム１２３に保持部１６８が形成された構成について説明したが、この構成に限られない。背フレーム１２３に軸を設け、第２支持部に軸に回動可能に支持される保持部を設けてもよい。
　上述した実施形態では、戻りストッパ１８１が支基１２に設けられた構成について説明したが、この構成に限られない。戻りストッパ１８１は、背フレーム１２３に着脱可能に設けられて、支基１２に係合する構成であってもよい。
　上述した実施形態では、椅子本体３（シェル１１０）のうち、座フレーム１２０が座１００の外殻を構成し、背フレーム１２３が背凭れ１０１の外殻を構成する場合について説明した。但し、座１００の一部の外殻を構成する第１部材と、背凭れ１０１外殻の一部を構成する第２部材と、によって椅子本体３の外殻が形成されていてもよい。例えば座フレーム１２０が、座１００の前半部分を構成し、背フレーム１２３が座１００の後半部分及び背凭れ１０１を構成していてもよい。この場合、座フレーム１２０は、椅子本体３の前端を含み、座１００の全長に対して１／２以上の領域を構成し、背フレーム１２３は椅子本体３の上端を含んでいることが好ましい。

　その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。

１…椅子
２…支持構造体
３…椅子本体
５１…スライダ（第１支持部）
５２…背凭れ支持軸（第２支持部）
１００…座
１２１…連結部材
１３２ｃ…スリット
１３２ｅ…スリット開口（他の開口部）
１６８…保持部
１６８ａ…挿入開口部（開口部）
１７０…抜け止め部
１８１…戻りストッパ（規制部）

Claims

　支持構造体と、
　前後方向に延びて座の少なくとも一部を構成する第１部材、及び前記第１部材の後端に左右方向に沿う第１軸線回りに回動可能に設けられ、前記第１部材から上方に延びて背凭れの少なくとも一部を構成する第２部材を有する椅子本体と、を備え、
　前記支持構造体は、
　　前記第１軸線の前方において前記第１部材を前後方向に移動可能に支持する第１支持部と、
　　前記第１軸線の下方において前記第２部材を左右方向に沿う第２軸線回りに回動可能に支持する第２支持部と、を備えている椅子。
　前記椅子本体は、前記第１部材及び前記第２部材を前記第１軸線回りに回動可能に連結する連結部材を備えている請求項１に記載の椅子。
　前記椅子本体は、前記第１部材と前記第２部材との前記第１軸線回りのなす角度が第１角度となる第１位置と、前記第１部材と前記第２部材との前記第１軸線回りのなす角度が前記第１角度よりも小さい第２角度となる第２位置と、の間を回動可能に構成され、
　前記第２支持部は、前記第２軸線に沿って延びる軸部材であり、
　前記第２部材は、
　　前記第２軸線に交差する交差方向に向けて開口して前記第２支持部が挿入可能な開口部を有し、前記第２支持部を保持する保持部と、
　　前記椅子本体が前記第１位置にあるときに前記交差方向で前記支持構造体に係合して、前記支持構造体に対する前記第２部材の前記交差方向での移動を規制し、前記椅子本体が前記第２位置にあるときに前記支持構造体から離脱して、前記支持構造体に対する前記第２部材の前記交差方向への移動を許容する抜け止め部を備えている請求項１又は請求項２に記載の椅子。
　前記第２部材及び前記支持構造体の一方の部材には、前記椅子本体が前記第１位置にあるとき、前記第２部材及び前記支持構造体の他方の部材に係合して、前記第１軸線回りにおける前記椅子本体の前記第２位置への回動を規制する規制部が着脱可能に設けられている請求項３に記載の椅子。
　前記第１部材には、前後方向に開口して前記第１支持部が挿入可能な他の開口部を有し、前後方向に延びるスリットが形成され、
　前記第１支持部は、前記スリット内を前後方向に移動可能に構成されている請求項１から請求項４の何れか１項に記載の椅子。