WO2021157735A1 - 磁気冷凍材料、これを用いたamrベッド、および、磁気冷凍装置 - Google Patents

磁気冷凍材料、これを用いたamrベッド、および、磁気冷凍装置 Download PDF

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Abstract

10-80Kの低温域で動作するAMRサイクルの磁気冷凍機に搭載可能な高性能で信頼性の高い磁気冷凍材料、それを用いたAMRベッド、および、これを用いた磁気冷凍装置を提供すること。 本発明の実施例において、磁気冷凍材料は、AlB型結晶構造を有し、組成式RB(Bはホウ素、Rは少なくとも1種の希土類元素)で表される結晶または結晶の固溶体である主相とし、前記主相中に副相(R相および/またはRB相を含む)が微細に分散されている。

Description

磁気冷凍材料、これを用いたAMRベッド、および、磁気冷凍装置
 本発明の実施例において、磁気冷凍材料、これを用いたAMRベッド、および、磁気冷凍装置に関する。
 冷凍技術は人類にとって必要不可欠な技術であり、古くから技術開発が行われてきた。現在、最も良く使われている冷凍技術は気体冷凍であり、気体を圧縮・膨張させることによって気体のエントロピーを変化させ、温度変化を発生させている。しかし、気体冷凍では環境負荷冷媒の使用や、コンプレッサを用いた圧縮・膨張による振動や騒音などといった問題があり、必ずしも最適な冷凍技術とはいえない。
 そこで、気体冷凍の課題を解決する技術として近年注目を集めており、また実用化への可能性が高い冷凍技術として、磁気冷凍がある。これは、磁性体の磁気熱量効果を用いた冷凍技術である。磁気熱量効果とは、磁性体に磁場を印加(または除去)することにより、磁気エントロピーが変化し、磁性体の温度が変化する現象を指す。磁気冷凍技術の実用化には、大きな磁気熱量効果を示す磁性体を使用する必要があり、様々な種類の磁性体を対象として探索が行われている。その際、等温状態で磁場を零磁場から有限磁場まで変化させた際に得られる磁気エントロピー変化の大きさ(ΔS)、または、断熱状態で磁場を零磁場から有限磁場まで変化させた際に磁性体が示す断熱温度変化(ΔTad)が、磁性体の磁気冷凍性能を表す指標として主に使われている。本明細ではΔSおよびΔTadの大きさは、これらの絶対値を示すものとする。気体冷凍では室温域の冷凍効率と比べてその原理から大きく効率が低下する例えば100K以下の冷凍温度域においても、磁気冷凍では、磁気エントロピー変化ΔSの大きな材料を用いれば、高い冷凍効率が期待できる。
 他方で、水素は化石燃料に変わる次世代エネルギー源の有力候補の1つとして考えられており、水素社会実現のためには、効率の高い水素液化技術開発が不可欠となっている。磁気冷凍によって水素を液化するためには、液体水素の沸点温度近傍(10-30K)で大きな磁気熱量効果を示す磁気冷凍材料が不可欠である。強磁性体の磁気エントロピー変化ΔSは、キュリー点近傍においてピークを示すことから、これまでにも、液体水素温度近傍にキュリー点を持つ幾つかの磁性体が磁気冷凍材料として提案されている。
 また、このような水素液化を目指した磁気冷凍の研究では、能動的蓄冷式磁気冷凍(AMR:Active Magnetic Regenerative)方式が有望な冷凍方法として、活発に研究開発が進められている。AMRにおいては、磁気冷凍材料は、磁気熱量効果による冷凍作業と蓄冷作業の両方を担い、AMRベッドと呼ばれる容器内に充填された磁気冷凍材料は、AMRサイクルによって容器内部に温度勾配を形成して、AMRベッド両端に温度差が生成される。AMRベッド内に、数種の異なるキュリー点をもつ磁気冷凍材料をキュリー点の順に並べて用いることで、より広い温度差の冷凍を実現できることが知られている。従って、例えば液体窒素を予冷に活用する磁気冷凍システムでは、液体窒素温度近傍から液体水素温度近傍の広い温度範囲(例えば10-80K)で大きな磁気熱量効果を示す幾つかの磁気冷凍材料が必要となる。工学的な観点では、単位体積当たりの磁気エントロピー変化ΔS(J・cm-3-1)が大きい材料が好ましい。
 磁気冷凍材料としては、磁気エントロピー変化ΔS(J・cm-3-1)のピーク値が大きく且つピーク幅も大きな材料が理想的である。磁気エントロピー変化ΔSの値が大きいことは、材料コストの低減または省スペースな冷凍機の設計につながるため望ましい。磁気エントロピー変化ΔSのピーク幅が大きいことは、1つの材料で大きな冷凍温度差が得られるため、冷凍サイクルの設計自由度が高くなるほか、より大きな冷凍温度差を得るために用いる材料の種類を少なくすることができる。上述した液体窒素を予冷に活用する磁気冷凍装置を想定すると、液体窒素温度近傍から液体水素温度近傍の広い温度範囲(例えば10-80K)の全領域にわたって、大きな磁気エントロピー変化ΔSを示す物質を磁気冷凍材料として用いることが好ましいが、このような物質は現実的ではない。
 図1は、従来の代表的な磁気冷凍材料とその磁気エントロピー変化の温度依存性を示した図である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 図1は、これまでに磁気冷凍材料の候補として提案されている物質について、磁場を0から5Tまで変化させた時の単位体積当たりの磁気エントロピー変化ΔS(J・cm-3-1)を示している(例えば、非特許文献1を参照)。
 これらの中で、ErAl、HoAl、Ho0.5Dy0.5Al、DyAl、GdNiについては、山形でなだらかな裾をひくΔSのピークを有している。一方、ErCoおよびGd(Si0.0825Ge0.9175は、急峻な立ち上がりを示す台形状のΔSのピークを有している。
 表1に、各物質のΔSのピーク温度(Tmag)、ピーク値、および、ΔSが0.1(J・cm-3-1)以上の値となる温度域の幅を示した。ここで、0.1(J・cm-3-1)は特別な閾値ではないが、材料のΔSがこの値より大きい時はとくに高い磁気冷凍機能が得られることから、磁気冷凍材料が良好に機能する温度範囲を比較するための目安として温度幅(ΔS≧0.1J・cm-3-1)を示している。
 これらにおいて、磁気エントロピー変化ΔSのピーク値が0.3(J・cm-3-1)を超える物質はErCoとGd(Si0.0825Ge0.9175のみである。しかしながら、この2つの物質の大きな磁気エントロピー変化の起源は、1次相転移によるものであり、相転移現象にはヒステリシスが伴う。磁気冷凍サイクルでは、磁場の印加/除去の繰り返しにより磁気冷凍材料の温度を繰り返し変化させて冷凍サイクルを形成するが、相転移におけるヒステリシスが大きい場合には、定常的なサイクルを形成することができず、安定した冷凍動作を行うことができない。ErCoやGd(Si0.0825Ge0.9175では、磁場の印加/除去による磁化の振る舞いに大きなヒステリシスが現れることが知られており(例えば、非特許文献2、非特許文献3を参照)、磁気冷凍材料としてはこの点で好ましくない。ここで、一般に、ギブスの自由エネルギーの1階微分が不連続を起こす相転移を1次相転移と言い、体積あるいはエントロピーの不連続変化が起こる現象のことであり、2階微分以上の量が不連続を起こす相転移を2次相転移という。
 Gd(Si0.0825Ge0.9175を含むGd(Si,Ge)系の物質は、ヒステリシスがあるものの、磁気エントロピー変化のピーク値が高くピーク幅も広いことから、冷凍サイクルへの適用が期待され、FeやTiなどの微量添加によるヒステリシス抑制についても報告がある。しかし、Gd(Si,Ge)系物質は非常に脆弱であり、機械的刺激に対して容易に微粉化するという更なる欠点がある。磁気冷凍材料を実際の冷凍機に搭載してAMRサイクルに適用する際には、材料をサブミリサイズに整形してAMRベッドに充填して外部より磁場を印加/除去するとともに、材料が充填されたAMRベッド内部に熱輸送のための冷媒流体を往復流動させるため、磁気冷凍材料は磁力や高圧の流体に晒されて周期的な力学的応力を受けることになる。Gd(Si,Ge)系の物質は脆弱で容易に微粉化することから、冷凍サイクルにおいて繰り返し力学的応力を受けると微粉が発生して、AMRベッド内の熱輸送冷媒の流路に蓄積して一部を閉塞しスムーズな冷媒流動を阻害する恐れがある。このような微粉発生は、冷凍サイクルの圧力損失を上昇させて、ひいては冷凍サイクルの効率低下につながる。
 このように、水素液化を目的とした磁気冷凍材料の候補として挙げられている上記の物質においては、相転移に大きなヒステリシスを持たず、磁気エントロピー変化ΔSのピークが0.3(J・cm-3-1)以上(磁場を0から5Tまで変化させたとき)の大きな値を示し、且つ、ピークの裾幅も広く、さらに機械的強度も良好な物質はないというのが現状であった。
NIMS Now, Vol.19, No.4 Y. Zhuoら, IEEE Transactions on Magnetics 39, 3358 (2003). Y. Onerら, Journal of Alloys and Compounds 424, 60 (2006). K.H.J.Buschow,Magnetic Properties of Borides. In Boron and Refractory Borides,ed.V.I.Matkovich,New York p.494-515, 1977.
 本発明の実施例においては、10-80Kの低温域で動作するAMRサイクルの磁気冷凍機に搭載可能で体積当たりの磁気エントロピー変化が大きな磁気冷凍材料、それを用いたAMRベッド、および、これを用いた磁気冷凍装置を提供することができる。例えば、10K以上80K以下の温度範囲に幅広で大きな磁気エントロピー変化のピークを有し、継続的なAMRサイクルの運転にも適応できる高い機械強度を有する磁気冷凍材料、これを充填したAMRベッド、およびこれを用いた磁気冷凍装置を提供することができる。
 本願発明者らは、鋭意研究を行った結果、これまでに知られていなかったHoBが低温域で優れた磁気エントロピー変化を有することを見出した。具体的には、HoBは、15K近傍で大きな磁気エントロピー変化ΔSを示し、磁場を0から5Tまで変化させた時の体積当たりのΔSのピーク値は0.3(Jcm-3-1)より大きく、ピーク幅も広いことを初めて見出した。ΔSが0.1(J・cm-3-1)以上となる温度幅は32Kであり、表1に示した従来のErCoやHoAlなどの候補物質よりも広い温度域で大きな磁気エントロピー変化が得られることを明らかにした。そこで、発明者らは、さらに希土類ホウ化物(例えば、非特許文献4を参照)に注目して研究を行ない、特に希土類二ホウ化物RB(Rは少なくとも1種の希土類元素)は、ピーク幅が大きな磁気エントロピー変化を示すことを見出した。中でも、RBはR=Tb、Dy、Ho、Erの場合で比較的キュリー点が低く、10K~80Kの温度範囲で体積当たり大きな磁気エントロピー変化ΔSを示すことを確認した。その値を表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 一方で、HoBをはじめとする希土類二ホウ化物RBは非常に脆く、このままでは、AMRサイクル方式の磁気冷凍機に搭載する磁気冷凍材料としては、機械強度の点で好ましくない。そこで、本願発明者らは、更なる研究を行った結果、以下の形態をとるとき、RBの優れた磁気エントロピー変化の特性を大きく損なうことなく、10-80Kの温度域で動作するAMRサイクルの磁気冷凍機に搭載可能な磁気冷凍材料を提供できることを見出した。
 本発明の実施例における磁気冷凍材料は、AlB型結晶構造を有し、組成式RB(Bはホウ素、Rは少なくとも1種の希土類元素)で表される結晶または前記結晶の固溶体を含む主相と、前記主相中に存する副相とを含んでよい。主相は、副相に対してマトリクスを形成してもよい。この副相は、R相および/または組成式RBで表される結晶相を含んでよい。前記副相が、前記主相中に微細に分散されていることを特徴としてもよい。前記主相に前記副相を微細に分散させることができる。主相(RB相を含む)に含まれるR(元素又は元素の組合せ)は、副相(R相および/またはRB相を含む)に含まれるR(元素又は元素の組合せ)と共通する。Rが元素の組合せの場合は、組合せ比が実質的に同じであってもよい。副相と主相との境界部(または界面)のマッチングが良く、機械強度の向上に効果的であると考えられる。
 前記Rの主たる構成元素は、具体的には、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、および、イッテルビウム(Yb)からなる群から少なくとも1種選択される希土類元素を含んでもよい。
 好ましくは、前記Rは、Tb、Dy、Ho、および、Erから選択される少なくとも1種の希土類元素を含有する。さらに好ましくは、前記Rは、Ho、および、Erから選択される少なくとも1種の希土類元素をRの主たる構成元素とすることを特徴とする。例えば、GdB、TbB、DyB、HoB、ErB、TmB、およびYbBから選択される少なくとも1種の希土類ホウ化物であってもよい。例えば、(Gd,Tb)B、(Gd,Dy)B、(Gd,Ho)B、(Gd,Er)B、(Gd,Tm)B、(Gd,Yb)B、(Tb,Dy)B、(Tb,Ho)B、(Tb,Er)B、(Tb,Tm)B、(Tb,Yb)B、(Dy,Ho)B、(Dy,Er)B、(Dy,Tm)B、(Dy,Yb)B、(Er,Tm)B、(Er,Yb)B、または、(Tm,Yb)B、からなる擬二元系の希土類ホウ化物であってもよい。
 前記磁気冷凍材料において、10K以上80K以下の温度範囲において2つの相転移点を有してもよい。好ましくは、相転移点の間隔が、2K以上10K以下の範囲であってもよい。
 前記2つの相転移点のうち低温側の相転移点においては、スピン再配列による相転移が生じてもよい。
 前記固溶体は、組成式R1-xM12-2yM22yで表され、xは0≦x<1、且つ、yは0≦y≦0.5の範囲であり、但し、x=0とy=0を同時に満たす場合を除くものとすることができる。Rは少なくとも1種の希土類元素であり、M1はイットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、および、ルテチウム(Lu)の中で前記Rとは異なる元素であり、M2は、アルミニウム(Al)、炭素(C)、ケイ素(Si)、コバルト(Co)およびニッケル(Ni)からなる群から少なくとも1種選択される元素であってもよい。尚、前記結晶や固溶体においては、微量の不可避な不純物を含むものも前記結晶や固溶体として含まれてもよい。
 好ましくは、前記Rは、少なくとも、Ho、および、Erから選択される少なくとも1種の希土類元素である。さらに好ましくは、前記Rは、少なくとも、Hoおよび/またはErを含有し、前記M1は、Eu、Gd、TbおよびDyからなる群から少なくとも1種選択される希土類元素である。
 前記副相は、前記M1で表される元素、および/または、前記RとM1との固溶体を含有してもよい。
 前記R相は、0.1体積%以上10体積%以下の範囲で含有されることが好ましい。
 前記組成式RBで表される結晶相は、0.1体積%以上20体積%以下の範囲で含有されることが好ましい。
 本発明の実施例において、磁気冷凍材料の1つの形態は、50μm以上1000μm以下の範囲の粒子径を有する粒子である。
 本発明の実施例において、磁気冷凍材料の別の形態は、50μm以上1000μm以下の直径を有する線材である。
 本発明の実施例において、磁気冷凍材料のさらに別の形態は、50μm以上1000μm以下の厚さを有する板材である。
 本発明の実施例において、AMRベッドは、上述の磁気冷凍材料を備えてもよい。例えば、低温域に大きな磁気熱量効果を有する上記主相を備え、前記の副相が主相中に微細に分散し、上記の形態をとる磁気冷凍材料が充填されて成ることを特徴とするAMRベッドである。好ましくは、アスペクト比(長径と短径の比)が1:4以下の形態をもつ上記磁気冷凍材料の粒子が、熱輸送冷媒の流路を妨げないように充填されてなることを特徴とするAMRベッドである。AMRベッドへの磁気冷凍材料の好ましい充填率は50体積%から70体積%の範囲であってもよい。充填率が低すぎると磁気冷凍材料の十分な冷凍機能を確保することができない恐れがあり、充填率が高すぎるとAMRサイクル運転の際に冷媒の圧力損失が上昇し十分な冷凍性能を得ることができない恐れがあるためである。
 本発明における実施例において、磁気冷凍装置は、上述のAMRベッドを備え、前記AMRベッドに磁場を印加する磁場印加手段と、冷温により例えば水素やヘリウムなどの被冷却物(これらが濃縮液化されるべく供給される液化容器を含んでもよい)を冷却する冷却ステージと、前記AMRベッドにより発生する温熱を排熱する熱交換器とをさらに備えてもよい。
 本発明の実施例において、磁気冷凍材料は、AlB型結晶構造を有し、組成式RB(Bはホウ素、Rは少なくとも1種の希土類元素)で表される結晶または結晶の固溶体である主相と、その主相中に微細に分散した副相とを含有する。上記主相により、低温域において大きな磁気エントロピー変化のピークを付与することができる。さらに、上記主相中に副相を微細に分散させることにより、外部からの機械的刺激に対して微粉の発生を抑制する機械強度を保持させることが可能となる。副相としてR相を用いると、大きな磁気エントロピー変化を保持したまま機械強度を高めることができ、副相として組成式RBで表される結晶相を用いると、ヒステリシスを発現することなく機械強度を高めることができる。このような磁気冷凍材料を充填したAMRベッドを用いれば、磁気冷凍効率が高く長期信頼性に優れた磁気冷凍装置を提供できる。
従来の代表的な磁気冷凍材料とその磁気エントロピー変化の分布を示した図 本発明の実施例において、磁気冷凍材料の相構成を模式的に示す図 本発明の実施例において、主相及び副相の関係を模式的に示す図 本発明の実施例において、磁気冷凍装置の主要部を示す模式図 粒子径の測定方法を図解する模式図 実際に得られたRB線材を示す図 RB粉体をシースに詰めて形成された線材の断面模式図 RBインゴットから切り出した板材の模式図 RB粉体をシースに詰めて、平ロール等の装置により加工された板材の断面模式図 複数の磁気冷凍材料を備えるAMRベッドを示す模式図 実施例2の試料のXRDパターンを示す図 実施例2の試料の断面のSEMの反射電子像を示す図 磁化測定結果を用いて(1)式より評価した実施例1の試料の磁気エントロピー変化ΔSの温度依存性を示す図 実施例1と比較例2の試料の磁化過程を、磁場5Tのときの磁化で規格化して示した図 副相(Ho相)の含有率とヒステリシスの磁化に対する影響との関係を示す図 実施例5の試料のXRDパターンを示す図 実施例6の試料の断面のSEMの反射電子像を示す図 実施例3と比較例4の試料の磁化過程を示した図 副相(HoB相)の含有率と磁化の低下との関係を示す図 Ho1-xGdを主相とする磁気冷凍材料について、磁化測定結果を用いて(1)式より評価した試料の磁気エントロピー変化ΔSの温度依存性を示す図 Ho1-xTbを主相とする磁気冷凍材料について、磁化測定結果を用いて(1)式より評価した試料の磁気エントロピー変化ΔSの温度依存性を示す図 Ho1-xDyを主相とする磁気冷凍材料について、磁化測定結果を用いて(1)式より評価した試料の磁気エントロピー変化ΔSの温度依存性を示す図 Ho1-xErを主相とする磁気冷凍材料について、磁化測定結果を用いて(1)式より評価した試料の磁気エントロピー変化ΔSの温度依存性を示す図
 以下、図面を参照しながら本発明の実施例において、実施の形態を説明する。なお、同様の要素には同様の番号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
 実施の形態1では、本発明の実施例において、磁気冷凍材料について説明する。
 本願発明者らは、水素液化を目的とする磁気冷凍の実用に向けて鋭意研究を行った結果、AlB型結晶構造をもち組成式RB(Rは1種以上の希土類元素)で表される化合物(結晶)が、低温域において、体積当たりの磁気エントロピー変化が大きいことを見出した。しかし、これらの物質は非常に脆いため、このままでは、繰り返し機械的刺激に晒されるAMRサイクル方式の磁気冷凍機に搭載する磁気冷凍材料として長期的に安定な冷凍性能や信頼性を確保することは難しい。そこで、本願発明者らは、磁気エントロピー変化の優位性を活かしつつ、10-80Kの低温域で動作するAMRサイクルの磁気冷凍機に搭載可能な磁気冷凍材料を提供するために、鋭意研究を行った。
 この結果、AlB型結晶構造を有し、組成式RB(Bはホウ素、Rは少なくとも1種の希土類元素)で表される結晶、または、この結晶の固溶体を主相とし、その主相中にR相および/またはRB相を副相として分散させることにより、機械的強度を大幅に改善できることを見出した。以下に本発明の実施例において、磁気冷凍材料を詳述する。
 図2Aは、本発明の実施例において、磁気冷凍材料の相構成を模式的に示す図である。
 図2A(A)は、主相中に不定形の副相が微細に分散した1つの形態を示す模式図であり、図2A(B)は、主相中に俵状の副相が微細に分散した別の形態を示す模式図である。
 本発明の実施例において、磁気冷凍材料100は、上述したように、AlB型結晶構造を有し、組成式RB(Bはホウ素、Rは少なくとも1種の希土類元素)で表される結晶またはこの結晶の固溶体である主相110と、主相110中に分散した少なくともR相および/またはRB相で表される副相120とを含む。
 図2Aでは模式的に示すが、主相110は、AlB型結晶構造、即ち層状構造を有するため、層に沿う方向に劈開し易い性質を持つと考えられる。一方、R相および/またはRB相で表される副相120が主相110中に分散すると、この劈開を止める効果があると考えられる。このように材料全体を補強した複合材料となると、外部からの機械的刺激が生じても、副相120の存在によって主相110のクラックの伸展が抑制され、微粉化することを抑制できると考えられる。
 なお、Rは、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、および、イッテルビウム(Yb)からなる群から少なくとも1種選択される希土類元素を含んでもよい。
 中でも、Rは、好ましくは、Tb、Dy、Ho、および、Erからなる群から少なくとも1種選択される希土類元素を含有する。これらのRB結晶は、比較的低いキュリー点を有し、大きな磁気エントロピー変化を実現できる。特に好ましくは、Rの主たる構成元素はHoまたはErである。この場合、RB結晶は、10K以上80K以下の温度範囲で、大きな磁気エントロピー変化を得ることが可能となる。特に、HoBは、HoAlなどの従来材料と比べてピーク値が大きいのみならず、ピークの幅が広い。例えば、5Tの磁場で測定した際に、15K近傍に磁気エントロピー変化のピークを有し、そのピーク値(J・cm-3-1)は0.35以上であり、磁気エントロピー変化が0.1以上の温度幅は30K以上である。
 AMRサイクルでは、これに用いる磁気冷凍材料の磁気エントロピー変化のピーク値が大きいことに加えて、ピーク幅が広いとき、より高い冷凍機能が得られる。このような観点から、HoBは特に高い磁気冷凍機能を発揮するポテンシャルを有する。
 ここで、組成式RB(Rはガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、および、イッテルビウム(Yb)からなる群から少なくとも1種選択される希土類元素)で表される結晶(以降では単にRB結晶と称する)について説明する。RB結晶はAlB型結晶構造を有し、P6/mmm空間群(International Tables for Crystallographyの191番の空間群)に属す。表3Aから表3Gには、Rが、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、および、イッテルビウム(Yb)である場合の結晶構造パラメータおよび原子座標位置をそれぞれ示す。これらから分かるように、何れも同形の結晶構造を有する。また、格子定数も互いに近似する。そして、これらの希土類元素は、何れも3価となり得る。故に、これらの希土類元素は、互いに置換可能で、2種類以上の希土類元素を含むホウ化物(RB)は、1種類のみの希土類元素を含むホウ化物(RB)と、以下に述べるような特性において共通するものと考えられる。
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 表3Aから表3Gにおいて、格子定数a、b、cは単位格子の軸の長さを示し、α、β、γは単位格子の軸間の角度を示す。原子座標は単位格子中の各原子の位置を、単位格子を単位とした0から1の間の値で示す。
 表3Aから表3Gに示すように、R(希土類元素)の種類が変わったり、Rおよび/またはBの一部が他の元素で置き換わったりすることによって格子定数が変化する場合においても、AlB型結晶構造が保持され得る。結晶構造の判定方法として、AlB型結晶のX線回折パターンの主要ピーク(例えば、回折強度の強い8本程度)と、対象となる物質のX線回折パターンとを比較してもよい。
 このような観点から、本発明の実施例において、組成式RB(Rは少なくとも1種以上の希土類元素)で示される結晶は、RB結晶それ自身、RとBとのモル比がずれているもの(すなわち、RリッチまたはBリッチ)、または、RおよびBの一部が他の元素(例えば、後述するM1、M2元素等)で置き換わったものであって、AlB型結晶構造を有するものを含むものとする。ここで、RB結晶それ自身以外を、RB結晶の固溶体結晶という。
 本発明の実施例において、磁気冷凍材料は、上述したRB結晶またはその固溶体結晶を主相110に加えて、それに分散したR相または組成式RBで表される結晶相を副相120として含むことにより、高い機械強度を有すると考えられる。
(1)本発明の実施例において、磁気冷凍材料100が副相120(R相を含む)を含む場合
 R相は、HCP(六方最密充填)構造の結晶構造を有するR結晶を含む。表4Aから表4Fには、Rが、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、および、ツリウム(Tm)である場合のR結晶の結晶構造パラメータを示す。これらのR結晶の結晶型はいずれもMg型であり、hcp構造を有する。
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 ここで、YbがR相を構成する場合、R結晶は、面心立方構造(FCC)を取る。その結晶構造パラメータは一般に知られている。以上のように、R相を構成する結晶相は、いずれもHCP(六方最密充填)の結晶構造を有しており、また、格子定数も近似する。従って、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、および、ツリウム(Tm)から選択される2種以上の元素の組合せにおいても、同じ結晶構造を有する合金を構成すると考えられる。
 本発明の実施例において、磁気冷凍材料100の主相110をなすRB結晶またはその固溶体結晶は、AlB型結晶構造、即ち層状構造を有するため、層に沿う方向に劈開し易い性質を持つ。本願発明者らは、副相120を主相110中に微細に分散することで材料全体を補強した複合材料をなすことができることを見出した。この副相は、後述するR相および/またはRB相を含んでよい。そして、外部からの機械的刺激によりクラックが発生しても、副相120の存在によって、主相110中のクラック伸展を抑え磁気冷凍材料100の微粉化を抑制することができることを見出した。R相は微量であっても巧く分散すればクラック伸展抑制の効果が得られるが、含有量は0.1体積%以上とすることが好ましい。
 副相120として含有するR相の含有量を増加させると、機械強度の上昇効果は得られる。しかしながら、R相の含有量が多すぎると、磁場の印加/除去の磁気冷凍サイクルにおいて好ましくないヒステリシスが現れる恐れがあることを見出した。磁化過程のヒステリシスが大きくなると、AMRサイクルにおいて磁気冷凍材料が十分な冷凍機能を発揮できない恐れがある。磁化過程におけるヒステリシスは、R相の含有量が10体積%を超えると特に顕著になるかもしれない。従って、R相を副相として含有する場合、高い機械強度を有し、10K以上80K以下の温度範囲で高い磁気冷凍性能を得ることができるように、R相の含有量は0.1体積%以上10体積%以下とすることが好ましい。R相の含有量は、なおさらに好ましくは、1体積%以上10体積%以下の範囲である。
(2)本発明の実施例において、磁気冷凍材料100が副相120(RB相を含む)を含む場合
 RB相は、UB-typeの結晶構造を有するRB結晶を含む。ここで、Rは、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、および、イッテルビウム(Yb)から選択される少なくとも一種の希土類元素を含む。表5Aから表5Gには、Rが、それぞれ、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、および、Ybである場合の組成式RBで表されるRB結晶の結晶構造パラメータを示す。
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 以上述べてきたように、RB相、R相、RB相は、全て構造が本願明細書または本願出願時の公知事実として知られている。そして、これらの相の同定は、それぞれの結晶構造パラメータが判別しているので、X線回折分析により行うことができる。
 本発明の実施例において、磁気冷凍材料100の主相110をなすRB結晶またはその固溶体結晶は、AlB型結晶構造、即ち層状構造を有するため、層に沿う方向に劈開し易い性質を持つ。しかしながら、本願発明者らは、組成式RBで表される相を副相120として主相110中に微細に分散することで材料全体を補強した複合材料をなすことができることを見出した。そして、外部からの機械的刺激によりクラックが発生しても、副相120の存在によって、主相110中のクラック伸展を抑え磁気冷凍材料100の微粉化を抑制することができることを見出した。例えば、1000μm程度の直径を有する粒子において調べると、最低限機械強度を向上させる分布の度合いとして、SEM像観察から、半径150μm以内に副相が見られる領域では、クラックの伸展が抑えられ、機械強度の向上が得られた。主相中の副相の分散の状態と機械強度について、1000μm程度の直径を有する粒子について調べたところ、主相の最大拡がり径が半径150μm以内であるとき、機械強度の改善が認められた。ここで、主相の最大拡がり径とは次のように定義する。SEM観察による断面像において、ランダムに主相中の10点をとり、この点を含み副相を含まない最大径の円(円の内部に副相が含まれない)を描く(図2B参照)。この円の半径を測定し、最大値を主相の最大拡がり径と定義する。即ち、粒子直径~1000μmの粒子において、主相の最大拡がり径が半径150μm以上になると、先述した繰り返しの応力印加の試験において、主相中に顕著なクラックの発生と伸展が認められた。従って、副相は主相中に最大拡がり径が半径150μm以内となるように分散させることが好ましい。尚、磁気冷凍材料粒子をAMRベッドに充填して用いる場合には、上記の分散状態を満たす粒子が9割以上とすることが好ましい。割合は、AMRベッドに充填された粒子から無作為に選択された粒子をSEM観察することで同定することが可能である。例えば、N数として30粒をランダムに選び、上記の分散状態を満たす粒子が27粒以上あるとき、AMRベッドに充填された粒子全体が冷凍サイクル運転による振動に曝された場合にも、本発明の効果が発揮される。即ち、冷凍サイクル運転における、粒子の割れに起因した微粉の発生を抑制し、冷凍機性能の長期的な信頼性を確保することが可能となる。
 副相120として含有するRB相の含有量を増加させると機械強度の上昇効果は得られる。しかしながら、RB相の含有量が多すぎると磁化の低下の恐れがある。そして、これに伴って磁気エントロピー変化も低下するかもしれないことを見出した。磁化および磁気エントロピー変化の低下は、RB相の含有量が20体積%を超えると特に顕著になるかもしれない。RB相を副相として含有する場合、高い機械強度を有し、10K以上80K以下の温度範囲で高い磁気冷凍性能を得ることができる磁気冷凍材料が得られるかもしれない。RB相の含有量は0.1体積%以上20体積%以下とすることが好ましい。RB相の含有量は、なおさらに好ましくは、1体積%以上20体積%以下の範囲であってもよい。
 なお、副相として前記R相およびRB相を組み合わせて、主相中に分散させてもよい。副相として含有されるR相とRB相の含有量を適正化することにより、所望の磁気冷凍材料が得られるかもしれない。副相の全体の含有量を低く抑えつつ、磁気エントロピー変化を低下させることなく磁気ヒステリシスもなく、機械的脆弱性を補強することが可能となる。
 なお、主相110と副相120の結晶相の同定、ならびに、副相含有量の同定は、例えば、粉末X線回折による結晶構造解析と材料断面の電子顕微鏡観察とを組み合わせることで行うことができる。
 上述したように、結晶相の同定は、X線回折(XRD)や中性子回折を行えばよい。主相については、表3Aから表3Gを参照した解析により導出される主要ピークと比較して、或いは、得られたX線回折ピークをICDDカード(若しくは、結晶構造ごとのX線回折ピークテーブルのデータベース)に照合させることで相を同定できる。RB相以外のピークは第二相であるが、これらのピークが、R相またはRB相に相当するか同定すればよい。簡易的には、副相の同定は、走査型電子顕微鏡(SEM)等の電子顕微鏡観察によって行ってもよい。SEMによる反射電子像の観察結果とXRDによる結晶相解析や主要ピークデータベースの参照を併せることで、副相を同定することができる。例えば、それぞれの標準サンプルを作成し、一部を粉砕して、粉末X線解析を行い、同定すると共に、塊状の標準サンプルをSEMによる反射電子像により観察する。これにより、それぞれの相のSEM像と、それぞれの相のX線解析で同定した結晶とを関連付ける。このようにしてSEM像により、RB相、RB相、R相を区別することができる。また、SEM像で見分けた各相につき、元素分析をすることで、組成を確認することができる。
 尚、副相120の含有量は、SEM等の電子顕微鏡による材料の断面観察像において、ランダムに3視野観察した時の、視野全体に対する副相の占める割合の平均として定義するものとする。例えば、最低倍率で材料全体のSEM像を取る。その全体像を縦横それぞれ500μm×500μm程度の小領域に分割する。次に、これらの小領域に番号を付ける。そして、乱数表に基づき、小領域の最大の番号までの数をランダムに生成させ、乱数に対応する番号の小領域を選択する。選択した小領域で×200~300程度の倍率で500μm×500μm程度のSEM像を測定する。上述するように、SEM像により、その相の種類が判別できるので(元素分析でBの相対量を調べて確認を取ってもよい)、その画像における相毎の面積を求め、RB相、RB相、R相、および、その他の相を判別する。その他は、本サンプルでは、ごくわずかであるので無視することができる。判別したRB相、RB相、および、R相の相対量を求める。特別な平面の深さ方向依存性はないという仮定が成り立ち得るので、この表面(若しくは断面)の面積比を体積比として読み替えることができる。このようにして、第1の小領域のSEM像から体積比がえられたら、第2、第3・・・の小領域のSEM像を乱数に基づき選んだ小領域で取得し、同様に体積比を求める。好ましくは、5個以上のSEM像について行い、その結果について、算術平均を取ることが好ましい。
 本発明の実施例において、磁気冷凍材料100は、好ましくは、10K以上80K以下の温度範囲において2つの相転移点を有し、かつ、2つの相転移点の間隔は、2K以上10K以下の範囲である。これにより半値幅の大きな磁気エントロピー変化が得られ、1種の材料でカバーできる温度範囲を広くすることができる。ここで、相転移点とは、磁化の温度変化の1次微分がピークを示す温度を相転移点と規定する。一般に、結晶の磁性は、結晶を構成する原子中における電子スピンによるが、秩序あるスピンの配列を形成する交換相互作用に比べ、熱エネルギーによる揺らぎが大きいと、定まった配列とならず、自発的な磁化を有しない(常磁性)。温度を下げていくと、特定の温度を境界として、熱の揺らぎよりスピンの相互作用が大きくなり、スピンの配列が形成されていく。このとき、それぞれのスピンが同一の向きにそろうようになると自発的な磁化を有することになる(強磁性体)。互い違いにそろうようなこともある(反強磁性体)。磁気冷凍材料においては、外部磁場をかけると、スピンが同一の向きにそろい、いわゆる磁化されたことになる。また、スピン再配列とは、磁性体が温度、圧力、磁界等の変化により、反強磁性、キャント磁性、フェリ磁性、強磁性等の異なるスピン秩序状態の間に転移を起こしたり、磁化容易軸を変えたりする現象を言う。
 2つの相転移は、常磁性相から第一の磁気秩序相への磁気相転移と、第一の磁気秩序相から第二の磁気秩序相へのスピン再配列相転移でも構わないし構造相転移を伴っても良いし電子状態の秩序形成による相転移でもよい。本明細書において、磁気相転移は、磁化の温度変化に異常が見られる(従って一次微分がピークを示す)ことを指してよい。このように判定した磁気相転移が、構造相転移を伴うかは格子定数の温度変化をX線回折で測定することで、またスピン再配列の向きの詳細は中性子散乱でスピンの向きに対応した回折ピーク強度の温度依存性を測定することで議論できる。ここで、例えば、常磁性相とはスピンの空間的秩序のない相を指し、磁気秩序相とはスピンの空間的秩序が存在する相を意味する。第一、第二の磁気秩序相とは、スピンの空間的秩序の仕方や結晶に対する向きがお互い異なる相を意味してもよい。より具体的には、第一、第二の磁気秩序相としては、強磁性相、フェリ磁性相、ヘリカル磁性相、反強磁性相などが挙げられる。
 主相110は、RB結晶の固溶体であってもよいが、固溶体は、組成式R1-xM12-2yM22yで表され、xは0≦x<1、且つ、yは0≦y≦0.5の範囲であり、但し、x=0とy=0を同時に満たす場合を除くものとする。Rは少なくとも1種の希土類元素であり、M1はイットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、および、ルテチウム(Lu)の中で前記Rとは異なる元素である。M2は、アルミニウム(Al)、炭素(C)、ケイ素(Si)、コバルト(Co)およびニッケル(Ni)からなる群から少なくとも1種選択される元素である。尚、前記結晶や固溶体は、ごく微量の不可避な不純物を含む場合も含まれる。M1およびM2がそれぞれ2種以上の元素である場合、xおよび2yは、それぞれ、2種以上の元素の合計である。このような固溶体であれば、AlB型結晶構造を維持し、10K以上80K以下の温度範囲に磁気エントロピー変化のピークを有し得る。
 さらに好ましくは、xは0≦x≦0.5、且つ、yは0≦y≦0.3の範囲であり、但し、x=0とy=0を同時に満たす場合を除くものとする。これにより、結晶構造が安定するため、歩留まりよく製造できる。
 好ましくは、Rは、少なくともHoおよび/またはErを含有し、M1は、Eu、Gd、TbおよびDyからなる群から少なくとも1種選択される希土類元素である。これは、10K以上80K以下の温度範囲に大きな磁気エントロピー変化のピークを得るのに効果的である。
 主相110が上述の組成式に示す固溶体である場合、副相として上述したR相またはRB相を含有し得るが、M1で表される金属、および/または、RとM1との固溶体をさらに含有してもよい。これにより、機械的脆弱性をさらに補強できる。RとM1との固溶体には、例えば、(Ho,Gd)、(Ho,Y)等のような合金が挙げられる。
 本発明の実施例において、磁気冷凍材料100は、AMRベッドに充填されて磁気冷凍装置に用いられる。例えば、このようなAMRベッドを用いて水素液化用のAMRサイクル運転に適用する場合、AMRベッド内に充填された磁気冷凍材料の間隙を熱輸送冷媒(例えばヘリウム(He)ガス等)が往復運動する。
 このことから、磁気冷凍材料100の1つの形態としては、50μm以上1000μm以下の範囲の粒子径を有する粒子であることが好ましい。粒子形態を採るとAMRベッドへの充填率を高めることができ、粒子径により熱輸送冷媒との熱交換断面積や圧力損失を変化させることができる。粒子径が小さくなるほど熱交換断面積は大きくなり、この観点では冷凍性能向上に有効であるが、一方で、粒子径が小さくなるほど圧力損失が上昇して冷凍性能を低下させる。実際の圧力損失の大きさは、粒子径のみならず熱輸送冷媒の種類や運転条件にも依存するが、本発明の実施例において、磁気冷凍装置では、粒子径が50μmよりも小さい場合には、圧力損失は非常に高くなり、高い冷凍性能を得ることは難しい。他方、粒子径が大きくなるほど圧力損失は低下してこの観点では冷凍性能向上に有効であるが、一方で熱交換断面積が小さくなり冷凍性能を低下させる。粒子径が1000μmよりも大きい場合には、熱交換断面積は著しく小さくなるため、高い冷凍性能を得ることは難しくなる。冷凍サイクルの周波数や熱輸送冷媒の種類にも依存するが、本発明の実施例において、磁気冷凍装置に搭載する磁気冷凍材料の特に好ましい粒子径は、100μm以上300μm以下の範囲である。ここで、粒径は、体積基準のメディアン径(d50)とし、体積基準の平均粒径の測定は、例えば、マイクロトラックやレーザ散乱法によって測定できる。より具体的には、静的画像解析法及び動的画像解析法が採用され得る。前者は、図3Bのように多数の粒子画像(SEM像など)を撮影し、Image-Jなどの画像解析ソフトを用いて各粒子の面積から、円形に換算した粒子径を求めることができる。この図において、左から、HoBSEM像(例)、粒子画像認識像、面積分布ヒストグラムである。本願の実施例においては、この方法を採用した。
 磁気冷凍材料100の別の形態としては、50μm以上1000μm以下の範囲の直径を有する線材であることが好ましい。本願の実施例において、得られたRB線材(長さ約300mm)を図3Cに図示する。線材の長さは、用途に応じて自由に変更が可能である。線材形態に加工した磁気冷凍材料(図3Dの断面模式図参照)を、AMRベッド内で熱輸送冷媒の流動方向に線材長手方向を合わせて充填することにより、AMRベッド内の熱輸送冷媒の圧力損失を低く抑えることができ、冷凍サイクルの高速化による冷凍能力の高出力化に有効である。
 磁気冷凍材料100のさらなる別の形態としては、50μm以上1000μm以下の範囲の厚さを有する板材であることが好ましい(図3E参照)。例えば、縦横がそれぞれ150mm程度の板材を用いることができる。板材には、本発明の複合材そのままの板材、本発明の複合材の粉体を金属シースに詰めた板材の2種類の形態をとり得る。前者は、インゴットから放電加工機等で板材を直接切り出してもよい。後者は、線材と同様にRB粉体をシースに詰めて、平ロール等の装置により板状に加工できる(長さ300mmのものも形成できる)(図3F参照)。板材形態に加工した磁気冷凍材料を、AMRベッド内で熱輸送冷媒の流動方向に板面を平行に配置して充填することにより、AMRベッド内の熱輸送冷媒の圧力損失を低く抑えることができ、冷凍サイクルの高速化による冷凍能力の高出力化に有効である。
 ここで、板材形態に加工した磁気冷凍材料をAMRベッドおよび磁気冷凍装置に用いる場合には、AMRベッド内で熱輸送冷媒の流動方向に平行で且つ、AMRベッドに印加される磁場方向に平行となるように磁気冷凍材料の板面を向けてAMRベッド内に配置されることが、高い冷凍性能を得るために特に有効である。
 なお、磁気冷凍材料100が、線材や板材である場合、希土類金属、低融点金属、エポキシ系樹脂等のバインダを含有してもよい。
 次に、上述したような本発明の実施例において、磁気冷凍材料100を製造する方法について説明する。
 本発明の実施例において、磁気冷凍材料の製造方法は特に制限されないが、例えば、少なくとも1種以上の希土類元素(R)とホウ素(B)とを含む原料を溶融し、凝固させることによって製造される。
 出発原料としては、Rの金属またはRを含有する化合物、ホウ素単体またはBを含有する化合物を用いるとよい。Rを含有する化合物は、例えば、Rの酸化物、炭酸塩、塩化物、フッ化物、酸フッ化物を含んでもよい。Bを含有する化合物は、例えば、Bの酸化物、炭酸塩、塩化物、フッ化物、酸フッ化物を含んでもよい。
 原料の溶融には、融点以上の温度まで加熱可能な焼成炉を使ってもよいが、ホウ素の融点が2000℃を超えることを考慮すると、真空アーク溶解法、プラズマアーク溶解法、電子ビーム溶解法、コールドクルーシブル誘導溶解法を使用することが好ましい。
 副相120としてR相を含有する本発明の実施例において、磁気冷凍材料100を製造する場合、出発原料中のRとBとは、組成式RBの化学量論組成を満たすのではなく、化学量論組成よりもRリッチとすることが有効である。また、前記の溶融工程で、溶融温度を2000℃以下に抑えることもR相を析出させることに有効である。さらに、前記の溶融工程で、溶融液を十分に対流させた後、急冷凝固させることにより、主相110中にR相を副相として微細に分散させることができる。ここで、急冷とは、一般的なアーク炉における水冷されたCuハースで達成可能な急冷を意味してもよく、または、一般的な液体ロール急冷法における回転するCuロールによる溶湯急冷で達成可能な急冷を意味しても良い。さらには、原料を溶融後に液滴化して球状化するガスアトマイズにより達成可能な急冷を意味しても良い。
 副相120としてRB相を含有する本発明の実施例において、磁気冷凍材料100を製造する場合、出発原料中のRとBとは、組成式RBの化学量論組成を満たすのではなく、化学量論組成よりもBリッチとすることが有効である。また、前記の溶融工程で、溶融時の最高温度を2200℃以上まで上げることもRB相を析出させることに有効である。さらに、前記の溶融工程で、溶融液を十分に対流させた後、急冷凝固させることにより、主相110中にRB相を副相として微細に分散させることができる。ここで、副相120となるR相及びRB相は、典型的に溶融温度が異なってもよい。R相の溶融温度がRB相のそれより低い場合は、溶融時の最高温度を2000℃以下に抑えることにより、R相をより十分に得ることができてもよい。RB相をより十分に得るのに、溶融時の最高温度を2200℃以上まで上げることもできる。
 なお、溶融と凝固とを繰り返してもよい。これにより、RとBとの反応が促進し、RB結晶またはその固溶体を高い収率で得ることができる。
 また、凝固に続いて、得られた合金を800℃以上1600℃以下の温度範囲で5時間以上24時間以下の時間、ポストアニーリングしてもよい。ポストアニーリングによって、材料内部のひずみや空孔等が除去され、組成ムラが解消される効果がある。
 このようにして、RB結晶およびその固溶体である主相110とR相を含有する副相120とが複合化した本発明の実施例において、磁気冷凍材料100が得られるが、これをさらに伸線加工、板加工、粉砕加工等をすることによって、所望の形状に加工できる。
 粉砕加工は、上述の凝固後に、ボールミルやビーズミルなどの粉砕機によって粉砕し、分級を行ってもよい。伸線加工は、例えば、凝固後または粉砕後に、希土類金属や低融点金属等のバインダを添加し、溝ロール、穴ダイスなどの伸線処理されてもよい。板加工は、例えば、凝固後または粉砕後に、希土類金属や低融点金属等のバインダを添加し、熱間等方圧加圧法(HIP)、冷間静水等方圧加圧法(CIP)、スパークプラズマ焼結法(SPS)などの処理により加工されてもよい。
(実施の形態2)
 実施の形態2では、本発明の実施例の磁気冷凍材料を用いた磁気冷凍装置について説明する。
 図3Aは、本発明の実施例において、磁気冷凍装置の主要部を示す模式図である。
 実施の形態1で説明した本発明の実施例の磁気冷凍材料100を備えた本発明の実施例において、磁気冷凍装置200は、超低温の生成、例えば水素の液化に用いることができる。本発明の実施例において、磁気冷凍装置200は、磁気冷凍材料210が充填されたAMRベッド220と、これに磁場を印加する磁場印加手段230と、冷温により被冷却物を冷却する冷却ステージ290と、AMRベッド220における磁気冷凍仕事により発生した温熱を排熱する熱交換器240とをさらに備える。ここで、磁気冷凍材料210は、実施の形態1で説明した少なくとも1種の磁気冷凍材料100を含有する。
 磁場印加手段230は、AMRベッド220に磁場を印加する任意の手段を適用でき、例えば、1~10T(テスラ)程度の強度の磁場を用いることが現実的である。磁場印加手段230として、超伝導マグネット、永久磁石等を採用できる。また、図示しない駆動機構によって、磁場印加手段230とAMRベッド220との相対位置を変化させて、AMRベッド220に印加される磁場の大きさを変化させることができる。
 AMRベッド220の高温側には予冷段260が設けられ、予冷段260の低温側には80Kシールド270が、予冷段260の高温側には300Kシールド280がそれぞれ接続して具備されている。さらに、AMRベッド220の低温側には、冷却ステージ290が設けられ、液化容器250が冷却ステージ290と熱的に接続して具備されている。つまり、液化容器250には被冷却物となる気体が供給され液化される。また、AMRベッド220には熱輸送冷媒の流出入口が設けられ、磁気冷凍材料210の間隙を通って熱輸送冷媒がAMRベッド220の内部を往復流動できる構造となっている。
 液化容器250には、液化させるべき気体310(例えば、水素、ヘリウム(He)等)が、図示しないタンクより供給される。
 本発明の実施例において、磁気冷凍装置200は、以下のようにして動作し、液体水素を製造ないしガス冷却できる。
 まず、磁気冷凍材料210が充填されたAMRベッド220に、磁場印加手段230により磁場を印加し、磁気冷凍材料210の温度を上昇させる。
 次いで、AMRベッド220の低温端側から高温端側に向かう方向300Aに熱輸送冷媒を流動させる。熱輸送冷媒はAMRベッド220の内部に充填された磁気冷凍材料210と熱交換して温熱を受け取りながら、磁気冷凍材料210の隙間を縫って流動し、AMRベッド220の高温端部より流出する。AMRベッド220の高温端部より流出した熱輸送冷媒は予冷段260を介して温熱を排熱する熱交換器240に流入し、余分な熱が外部へ排熱される。
 次いで、磁気冷凍材料210が充填された磁場を取り除き(減少させて)、磁気冷凍材料210の温度を降下させる。
 次いで、AMRベッド220の高温端側から低温端側に向かう方向300Bに熱輸送冷媒を流動させる。熱輸送冷媒は予冷段260を介してAMRベッド220の高温端部に流入し、内部に充填された磁気冷凍材料210と熱交換して冷却されながら、磁気冷凍材料210の隙間を縫って流動し、AMRベッド220の低温端部に到達する。尚、熱輸送冷媒の流動は図示しない冷媒駆動手段によって駆動される。冷媒駆動手段は熱輸送冷媒をAMRサイクルに同期して往復流動する振動流を駆動できれば特に限定されるものではなく、ピストン、ブロアとバルブを組み合わせる方式等が挙げられる。
 AMRベッド220の低温端部の温度が液体水素の沸点(大気圧にて20K)よりも低下すると、液化容器250に供給される水素ガスは、AMRベッド220の低温端側に設けられた冷却ステージ290との熱交換により冷却され、濃縮液化する。
 このような工程を繰り返し、液化容器250の内部ではガスを周期的に液化ないし冷却する。
 図3Aでは、AMRベッド220に充填された磁気冷凍材料210が単一の本発明の実施例において、磁気冷凍材料100であるとして説明してきたが、磁気冷凍材料210は、本発明の実施例において、磁気冷凍材料100に加えて、他の磁気冷凍材料を備えてもよい。
 図4は、複数の磁気冷凍材料を備えるAMRベッドを示す模式図である。
 図4に模式的に示したように、AMRベッド220に本発明の実施例の磁気冷凍材料を含む、複数の異なる磁気冷凍材料410~450を充填して用いることができる。磁気冷凍材料410~450は、仕切り460で空間を仕切って配置される。仕切り460は、異なる材料が混合せず、熱輸送冷媒300(図3A)の流動を妨げなければどのような形態であっても構わないが、具体的な形態としてはメッシュや微細孔を有する仕切板等が挙げられる。
 磁気冷凍材料410~450は、磁気エントロピー変化のピーク温度が異なるものを選択することで、単一の磁気冷凍材料210を用いる場合に比べて、より広い温度範囲で高い磁気冷凍の機能を発揮させることが可能となる。AMRベッド220が磁気冷凍装置200に組み込まれて運転する際に、AMRベッド220の高温側に相当する側に、磁気エントロピー変化のピーク温度が高くなるように、磁気冷凍材料410~450を逐次配置して充填すると、冷凍性能を高めるのに効果的である。異なるピーク温度を有する磁気冷凍材料として組み合わせる種類の数は、図4の模式図に示した数に特に限定されるものではなく、それぞれの磁気エントロピー変化の温度依存性の特徴を考慮して適切な複数の材料を組み合わせて用いることができる。異なるピーク温度を有する複数の磁気冷凍材料、即ち、最適動作温度域が異なる複数の磁気冷凍材料を、動作温度域の順番に逐次配置することにより、複数の高効率な熱サイクルが組み合わさり、高温から20K以下の極低温まで、効率的に冷却することが可能となる。
 本発明の実施例において、磁気冷凍材料100と組み合わせる他の磁気冷凍材料は特に限定されるものではなく、他の磁気冷凍材料の磁気エントロピー変化とキュリー温度とを参照すれば、本発明の実施例において、磁気冷凍材料100と適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の実施例の磁気冷凍材料100の中でも特にHoBを主相とする場合には、15K近傍で広いピーク幅をもつ大きな磁気エントロピー変化を有し、高い機械強度も確保できるため、本材料をAMRベッド内で20K近傍で動作する位置に配置して、他の材料と組み合わせることが、水素液化の目的に特に有効である。
 次に具体的な実施例を用いて本発明の実施例について詳述するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1~2、比較例1~3]
 仕込みの組成比をHo:Bが1.2:2から1:2の範囲で変える以外は同様の方法で、アーク溶解法を用いて、インゴット試料を作成した(実施例1~2、比較例1~3)。ここでは、仕込みの組成比ではなく、生成されたインゴット試料の組成を定量することにより、主相及び副相(R相及びRB相)の組成を求め、併せて、主相及び副相の組成比を求めた(表7参照)。詳しくは、ホルミウム金属(純度99.9%、日本イットリウム株式会社製)およびホウ素(純度99.5%、株式会社高純度化学研究所製)を秤量・混合し、水冷式銅製アーク溶解炉の銅ハースに配置し、アルゴン雰囲気中で、アーク溶解を行った。粉末X線回折(Cu、Kα線)およびSEM観察により、材料の相構成を同定した。得られたインゴット試料の形態は、およそ1cm程度の球であった。これらの試料について、磁化の磁場依存性および温度依存性を測定し、(1)式を用いて磁気エントロピー変化ΔSを見積もった。(1)式において、Mは磁化、Tは温度、Hは外部印加磁場である。さらに外部からの機械的応力印加に対する耐性を評価するため、独自の加速試験を実施し、試料の強度について比較検討した。ここでは、3x3x3mmのサイズに切り出した各試料に対して、プレス型破砕機を用いて繰り返し応力印加による破砕試験を行った。各試料に印加する力の大きさを同一にして、最も大きい試料片の質量がもとの質量の1/10以下になるまでのプレス回数を計測した。これらの結果を図5~図9および表6に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000023
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000024
 図5は、実施例2の試料のXRDパターンを示す図である。
 図6は、実施例2の試料の断面のSEMの反射電子像を示す図である。
 図7は、磁化測定結果を用いて(1)式より評価した実施例1の試料の磁気エントロピー変化ΔSの温度依存性を示す図である。
 図8は、実施例1と比較例2の試料の磁化過程を、磁場5Tのときの磁化で規格化して示した図である。
 図9は、副相(Ho相)の含有率とヒステリシスの磁化に対する影響との関係を示す図である。
 比較例1の試料は、SEM観察(図示せず)からほぼ単相(異相の割合<0.1体積%。主相のみからなるとみなすことができる。)が生成していることが確認され、X線回折(図示せず)から、その相はAlB型構造を有するHoBであることが同定された。Ho相またはHoB相は検出されなかった。比較例1の試料の磁化曲線(磁化の磁場依存性)における磁気ヒステリシスは殆ど観測されず、(1)式を用いて見積もったΔSのピーク値は0.35(J/cm・K)と大きな値であった。一方、外部より機械的な応力を加えると容易に破砕し微粉の発生が認められた。
 実施例1,2および比較例2,3の試料では、AlB型結晶構造を持つ主相と、HCP構造の副相とが観察された。比較例3の試料では、HCP構造相の副相に加えて、別の結晶構造を持つ副相が僅かに存在していた。上記のAlB型結晶構造を持つ主相およびHCP構造の副相は、それぞれHoB相およびHo相であることが、X線回折の解析結果とSEMのEDX分析から同定された。また、副相は主相に分散して位置しており、複合材料をなしていることを確認した。図5に、実施例2の試料のX線θ-2θ測定による回折パターンを例示した。図中◎および▽で示したピークは、それぞれAlB型結晶構造およびHCP構造による回折ピークである。尚、副相の含有率はSEMの反射電子像から評価した。図6に、実施例2の試料断面の反射電子像を例示したが、明暗の明るい部分がHo相(図中のR相で示す)に対応している。
 図7には、磁場を0から5Tまで変化させたときの磁化測定結果を用いて(1)式より評価した実施例1の試料の磁気エントロピー変化ΔSの温度依存性(ただし、磁場が3Tおよび5Tのとき)を示す。磁場を0から5Tまで変化させたときの体積当たりの磁気エントロピー変化ΔSのピーク値は0.36(J/cm・K)であり、表1に示した従来の磁気冷凍候補材料と比べて大きな値であることが確認された。この試料では、Tmagが約11Kと約15Kに、磁気相転移に伴う磁気エントロピー変化のピークが認められた。2つの磁気相転移が比較的狭い温度域で逐次的に起こることにより、全体の磁気エントロピー変化のピーク幅が拡がる効果があり、ΔSが0.1(J/cm・K)以上の値となる温度幅は32Kと見積もられた。実施例2の試料についても磁気エントロピー変化ΔSは同様に大きなピーク値を示した。
 表6に示したように、AlB型結晶構造を持つHoB相(ほぼ単相)の場合(比較例1)では、外部からの機械的な応力の印加に対して、容易に破砕して微粉の発生を招いたが(試験片試料が1/10になるまでのプレス回数は9回)、HCP構造を有するHo相を副相として含有する場合(実施例1~2および比較例2~3)では、クラックが発生してもなかなか伸展せず破砕に至るまでのプレス回数も比較例1の3倍以上と強度が高まっていることが確認された。先出の図6に示した実施例2の試料断面の反射電子像においても、脆弱なHoB相にクラックが発生した場合でも、延性をもつHo相が関与してクラックの伸展が抑えられる様子(矢印で示す箇所)が認められる。
 一方、上記Ho相の割合を増加させてゆくと、磁化過程におけるヒステリシスが顕著になることが分かった。すなわち、実施例1および実施例2の試料では磁化に僅かなヒステリシスが観測されたが、比較例2および比較例3の試料ではヒステリシスが顕著となった。磁化過程におけるヒステリシスの存在は、磁場の印加/除去を繰り返し行うAMRサイクルにおける磁気冷凍材料の冷凍機能を著しく阻害するものである。図8は、実施例1と比較例2の試料の磁化過程を、磁場5Tのときの磁化で規格化して示したものである。実施例1の試料ではヒステリシスによる磁化の低下は僅かに3%未満であったのに対して、比較例2の試料では最大で7割弱にまで減少し、有意な磁化の低下が認められた。同様にして求めた磁化の低下と副相の含有率との関係を図9に示す。図9より、Ho相の割合が10体積%を超えるとヒステリシスによる磁化の低下は顕著になることが分かった。
 ここで、磁化の磁場依存性に関する測定では、(1)磁場を増加させながら磁化を測定する場合と、(2)磁場を減少させながら磁化を測定する場合の2通りの磁化過程評価を行って、両者の比較により判定することができる。磁気冷凍材料として理想的にヒステリシスが無い場合には、(1)(2)の磁化過程の曲線は一致する。実際の物質では完全一致することは殆どないことが実情である。例えば、許容できる誤差程度の範囲(例えば、相対誤差において、5%以下)で僅かにズレる。
 本発明の実施例において、冷凍サイクルに適用する際に、実際のAMRサイクルの運転で支障がでる大きなヒステリシスを発現しているかどうか、言い換えると観測したヒステリシスの度合いが問題となるかならないかの判定は、(1)(2)の磁化過程の磁化の差で評価できる。これは、磁化の低下とヒステリシスの有無は原則1対1対応しており、磁化の低下が著しい際には、AMRサイクルにおける磁場の印加/除去のサイクルで、温度サイクルの形成に支障をきたし、磁気冷凍性能が得られないかもしれない。本発明者らの研究から、例えば、図9に示す規格化された磁化で20%程度以下であれば、許容されてもよい。
 以上のことより、AlB型結晶構造をもち組成式RB(Rは少なくとも1種以上の希土類元素)で表される化合物を主相とし、主相中に副相としてR相が微細に分散し、その含有量が全体の10体積%以下であるとき、機械的強度が強く磁気ヒステリシスによる磁化低下が少なく、良好な磁気エントロピー変化を示す磁気冷凍材料が提供される。
[実施例3~6、比較例1、4]
 仕込みの組成比をHo:Bが1:2~1:2.3の範囲で変化させた以外は[実施例1~2、比較例1~3]と同様の方法で、アーク溶解法を用いて、インゴット試料を作製した(実施例3~6、比較例1、4)。これらの試料について、X線回折およびSEM観察により材料の相構成を同定し、磁化の磁場依存性および温度依存性から(1)式を用いて磁気エントロピー変化を算出し、機械強度についても評価検討した。これらの結果を図10~図13および表7に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000025
 図10は、実施例5の試料のXRDパターンを示す図である。
 図11は、実施例6の試料の断面のSEMの反射電子像を示す図である。
 図12は、実施例3と比較例4の試料の磁化過程を示した図である。
 図13は、副相(HoB相)の含有率と磁化の低下との関係を示す図である。
 表7における比較例1の試料は、表6の比較例1の試料と同じであるため、詳細な説明を省略する。実施例3~6および比較例4の試料では、AlB型結晶構造を持つ主相と、UB型構造の副相とが観察された。実施例5の試料では、UB型構造相の副相に加えて、別の結晶構造を持つ副相が僅かに存在していた。上記のAlB型結晶構造を持つ主相およびUB型構造の副相は、それぞれHoB相およびHoB相であることが、X線回折の解析結果とSEMのEDX分析から同定された。また、副相は主相に分散して位置しており、複合材料をなしていることを確認した。図10に、実施例3の試料のX線θ-2θ測定による回折パターンを例示した。図中◎および▽で示したピークは、それぞれAlB型結晶構造およびUB構造による回折ピークである。副相の含有率はSEMの反射電子像から評価した。図11に、実施例6の試料断面の反射電子像を例示したが、明暗の暗い部分がHoB相(図中のRB相で示す)に対応している。
 これらの試料の磁気特性を評価したところ、第1の副相としてR相ではなくUB型構造を有するRB相を含有した実施例3~6、比較例4においては、比較例2や3に見られたような磁気ヒステリシスはほぼ観測されなかった。磁化から求めた磁気エントロピー変化ΔSの温度依存性においては、何れの試料もピーク幅(ΔSが0.1(J/cm・K)以上の値となる温度幅)が比較的広いことが確認された。
 表7に示したように、AlB型結晶構造を持つHoB相(ほぼ単相)の場合(比較例1)では、外部からの機械的な応力の印加に対して、容易に破砕して微粉の発生が認められたのに対して、UB構造を有するHoB相を副相として含有する実施例3~6と比較例4の試料では、クラックの発生が抑制され、比較例1に比べて高い機械特性を有することがプレス試験からも確認された。先出の図11に示した実施例6の試料断面の反射電子像においては、HoB相は一方向に長く分布する傾向にあり、クラックが発生した場合でも、層状のHoBが劈開してしまうのを防ぐ様子が認められた。
 他方、UB型構造を有するHoB相の割合が多すぎると、磁化の値や磁気エントロピー変化自体が小さくなることが判明した。HoB相(ほぼ単相)である比較例1の試料と比べて、HoB相を副相として含有する実施例3~6の試料において磁化の減少は僅かであったが、比較例4では大きな磁化の減少が確認された。図12に示した磁化過程において、実施例3と比較して比較例4の磁化の減少は顕著である。このような磁化の減少は磁気エントロピー変化の減少を招き、磁気冷凍材料の冷凍機能のポテンシャルが低下する。比較例1の試料を基準として5Tにおける磁化の値および磁気エントロピー変化の値を整理し、磁気冷凍性能と副相の含有率との関係を図13に示す。図13より、副相の含有量が23体積%の比較例4の試料では、磁化や磁気エントロピー変化の値に顕著な低下が認められた。HoB相の割合が23体積%未満であると、磁化および磁気冷凍性能の低下が殆どないことが分かった。
 以上のことより、AlB型結晶構造をもち組成式RB(Rは少なくとも1種以上の希土類元素)で表される化合物を主相とし、主相中に副相としてRB相が微細に分散し、その含有量が全体の20体積%以下であるとき、機械的強度が強く磁気ヒステリシスによる磁化低下が少なく、良好な磁気エントロピー変化を示す磁気冷凍材料が提供される。
 [その他の実施形態]
 これまで、一種類のRに関するものについて述べてきたが、本発明の実施例において、2種または複数種のRからなるRB相を得ることができる。これらは、それぞれ、好ましい磁気特性を有していた。例えば、図14は、Ho1-xGdを主相とする本発明の実施例の磁気冷凍材料について、磁化測定結果を用いて(1)式より評価した試料の磁気エントロピー変化ΔSの温度依存性を示す図である。図15は、Ho1-xTbを主相とする本発明の実施例の磁気冷凍材料について、磁化測定結果を用いて(1)式より評価した試料の磁気エントロピー変化ΔSの温度依存性を示す図である。図16は、Ho1-xDyを主相とする本発明の実施例の磁気冷凍材料について、磁化測定結果を用いて(1)式より評価した試料の磁気エントロピー変化ΔSの温度依存性を示す図である。図17は、Ho1-xErを主相とする本発明の実施例の磁気冷凍材料について、磁化測定結果を用いて(1)式より評価した試料の磁気エントロピー変化ΔSの温度依存性を示す図である。これらから分かるように、何れも高い磁気エントロピー変化ΔSを有する。
 表3Aから表3Gに示すようにRB相を構成するRB結晶は、いずれも同じ結晶構造型を有しており、それぞれの格子定数は互いに近似する。上述のように2種類の希土類元素を含むRB結晶を含むRB相を含む主相を有する磁気冷凍材料は、何れも高い磁気エントロピー変化ΔSMを有するが、これは、主相がRB結晶のいわゆる固溶体を含んで機能したためと思われる。そして、このような磁気冷凍材料は、主相に加え、副相を含んでよい。この副相は、R相および/またはRB相を含むが、Rは主相に含まれる希土類元素R(特に、2種以上の希土類元素)と共通してよい。表4Aから表4F並びに表5Aから表5Gに示すように、R相に含まれるR結晶(希土類金属結晶)は、それぞれ同じ結晶構造型を有し、格子定数も近似する。また、RB相に含まれるRB結晶は、それぞれ同じ結晶構造型を有し、格子定数も近似する。従って、2種以上の希土類元素を含む磁気冷凍材料についても同様な効果が得られることが分かる。そして、3種以上の希土類元素を含む磁気冷凍材料についても同様な効果が得られることが分かる。
 本発明の実施例において、磁気冷凍材料は、10K以上80K以下の温度範囲に磁気エントロピー変化のピークを有し、継続的なAMRサイクルの運転にも適応できる高い機械強度を有するので、このような磁気冷凍材料をAMRベッドに充填すれば磁気冷凍効率に優れた信頼性の高い磁気冷凍装置を提供できる。
 100、210、410、420、430、440、450 磁気冷凍材料
 110 主相
 120 副相
 200 磁気冷凍装置
 220 AMRベッド
 230 磁場印加手段
 240 熱交換器
 250 液化容器
 260 予冷段
 270 80Kシールド
 280 300Kシールド
 290 冷却ステージ
 300A 熱輸送冷媒の移動方向
 300B 熱輸送冷媒の移動方向
 460 仕切り

 

Claims (16)

  1.  主相および副相を含む磁気冷凍材料であって、
     前記副相は、前記主相中に分散され、
     前記主相は、AlB型結晶構造を有し、組成式RB(Bはホウ素、Rは少なくとも1種の希土類元素)で表される結晶または前記結晶の固溶体を含み、
     前記副相は、R相および/またはRB相を含む、磁気冷凍材料。
  2.  前記希土類元素は、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、および、イッテルビウム(Yb)からなる群から選択される少なくとも1種の希土類元素を含む、請求項1に記載の磁気冷凍材料。
  3.  前記希土類元素は、Tb、Dy、Ho、および、Erからなる群から選択される少なくとも1種の希土類元素を含む、請求項2に記載の磁気冷凍材料。
  4.  10K以上80K以下の温度範囲において2つの相転移点を有し、かつ、前記2つの相転移点の間隔は、2K以上10K以下の範囲である、請求項1~3のいずれかに記載の磁気冷凍材料。
  5.  前記2つの相転移のうち低温側の相転移は、スピン再配列による相転移である、請求項4に記載の磁気冷凍材料。
  6.  前記主相がu体積%であり、
     前記R相がv体積%であり、
     前記RB相がw体積%であり、
     前記u、v、wが、
     0<u<100、
     0≦v≦10、
     0≦w≦20、
     0<v+w、及び
     u+v+w=100、
     の関係を満足する、請求項1~5のいずれかに記載の磁気冷凍材料。
  7.  前記Rは、少なくとも、Hoおよび/またはErを含み、更に、Eu、Gd、TbおよびDyからなる群から選択される少なくとも1種の希土類元素を含む、請求項6に記載の磁気冷凍材料。
  8.  前記副相は、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、および、Ybからなる群から選択される少なくとも2種の希土類元素からなる固溶体を含む、請求項6または7に記載の磁気冷凍材料。
  9.  前記R相は、0.1体積%以上10体積%以下の範囲で含有される、請求項1~8のいずれかに記載の磁気冷凍材料。
  10.  前記組成式RBで表される結晶相は、0.1体積%以上20体積%以下の範囲で含有される、請求項1~8のいずれかに記載の磁気冷凍材料。
  11.  50μm以上1000μm以下の範囲の粒子径を有する粒子である、請求項1~10のいずれかに記載の磁気冷凍材料。
  12.  50μm以上1000μm以下の範囲の直径を有する線材である、請求項1~10のいずれかに記載の磁気冷凍材料。
  13.  50μm以上1000μm以下の範囲の厚さを有する板材である、請求項1~10のいずれかに記載の磁気冷凍材料。
  14.  請求項1~13のいずれかに記載の磁気冷凍材料を備えるAMRベッド。
  15.  AMRベッドを備えた磁気冷凍装置であって、前記AMRベッドは、請求項14に記載のAMRベッドである、磁気冷凍装置。
  16.  前記AMRベッドに磁場を印加する磁場印加手段と、冷温により被冷却物を冷却する冷凍ステージと、前記AMRベッドにより発生する温熱を排熱する熱交換器とをさらに備える、請求項15に記載の磁気冷凍装置。
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