WO2019088095A1 - 鎮痛剤及びその使用 - Google Patents

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Abstract

アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質を有効成分として含有する鎮痛剤、及びアストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質を選択することを特徴とする、鎮痛剤のスクリーニング方法。

Description

鎮痛剤及びその使用

 本発明は、鎮痛剤及びその使用に関する。
 本願は、2017年11月2日に、日本に出願された特願2017-213196号、及び、2018年2月5日に、日本に出願された特願2018-18653号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

 末梢組織からの侵害刺激を含む体性感覚情報は、一次求心性感覚神経を介して脊髄後角へと入力し、同部位の神経回路で適切に情報処理され脳へ伝達される。従来、この伝達は神経細胞のみで説明されてきたが、近年、グリア細胞が神経活動に大きく影響し、感覚情報伝達の変調に関与することが示されてきた(非特許文献1)。一方、グリア細胞の中で数的に最も多いアストロサイトは神経伝達物質受容体を発現し、空間的にはシナプスと接触していることからシナプス活動への関与が想定されている(非特許文献2)。しかしながら、感覚情報伝達における脊髄でのアストロサイトの役割は未だ分かっていない。

 アドレナリンα受容体には、α1受容体とα2受容体がある。このうち、アドレナリンα1受容体にはα1A、α1B及びα1D受容体の3つのサブタイプがあり、血管収縮、瞳孔散大、立毛、前立腺収縮等に関与していることが知られている。しかしながら、アストロサイトにおけるアドレナリンα1受容体の役割については知られていない。

J Neurosci Res. 2017 Jun;95(6):1319-1329. Nature 2010, 468(7321), p223-231.

 このような背景のもと、新たなタイプの鎮痛剤の確立が求められている。本発明は、脊髄のアストロサイトを標的とした新たな鎮痛剤を提供することを目的とする。

 本発明は以下の態様を含む。
[1]アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質を有効成分として含有する鎮痛剤。
[2]前記アドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質が、アドレナリンα1受容体拮抗剤又はアドレナリンα1受容体発現抑制剤である[1]に記載の鎮痛剤。
[3]前記アストロサイトが脊髄後角の表層に存在するアストロサイトである、[1]又は[2]に記載の鎮痛剤。
[4]前記脊髄後角の表層に存在するアストロサイトが、Hes5を発現しているアストロサイトである、[3]に記載の鎮痛剤。
[5]前記アドレナリンα1受容体が、アドレナリンα1A受容体である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の鎮痛剤。
[6]前記鎮痛剤が、慢性疼痛治療剤である、[1]~[5]のいずれか一項に記載の鎮痛剤。
[7]アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質を選択することを特徴とする、鎮痛剤のスクリーニング方法。
[8]前記アドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質が、アドレナリンα1受容体拮抗剤又はアドレナリンα1受容体発現抑制剤である[7]に記載の方法。
[9]前記アストロサイトが脊髄後角の表層に存在するアストロサイトである、[7]又は[8]に記載の方法。
[10]前記脊髄後角の表層に存在するアストロサイトが、Hes5を発現しているアストロサイトである、[9]に記載の方法。
[11]前記アドレナリンα1受容体が、アドレナリンα1A受容体である、[7]~[10]のいずれか一項に記載の方法。
[12]前記鎮痛剤が、慢性疼痛治療剤である、[7]~[11]のいずれか一項に記載の方法。

 本発明によれば、アストロサイトのアドレナリンα1受容体を標的とした新たな鎮痛剤を提供することができる。

実験例1において、脊髄後角において、Hes5を発現しているアストロサイトを示した図である。 実験例2及び3において、カプサイシンによる脊髄後角のアストロサイトの活動とノルアドレナリン神経選択的毒素およびアドレナリンα1A受容体拮抗剤の効果を示した図である。 左図は、実験例4において、hM3Dq受容体が脊髄後角表層のHes5陽性アストロサイトに発現していることを示した図である。右図は、実験例4において、Hes5陽性脊髄アストロサイト刺激時の軽度機械刺激に対するマウスの行動解析を示した図である。 左図は、実験例5における、コーン油投与群及びタモキシフェン投与群のhM3Dq受容体の発現を示した図である。右図は、実験例5において、Hes5陰性脊髄アストロサイト刺激時の軽度機械刺激に対するマウスの行動解析を示した図である。 実験例6において、アドレナリンα1受容体アゴニストを脊髄くも膜下腔内投与した時の軽度機械刺激痛覚過敏を示した図である。 実験例7及び8において、アドレナリンα1A受容体拮抗剤を投与した時、及びアドレナリンα1A受容体発現を抑制した時のフェニレフリン誘発の軽度機械刺激痛覚過敏に対する効果を示した図である。 実験例9において、カプサイシン誘発の軽度機械刺激痛覚過敏に対する下行性ノルアドレナリン神経の関与を示した図である。 実験例10において、カプサイシン誘発の軽度機械刺激痛覚過敏に対する脊髄後角アストロサイトのアドレナリンα1A受容体発現抑制の効果を示した図である。

[鎮痛剤]
 1実施形態において、本発明は、アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質を有効成分として含有する鎮痛剤を提供する。

 痛みは末梢組織である皮膚等に痛み刺激が加わると皮膚の神経が興奮し、脊髄に伝わる。脊髄に伝えられた情報は、脳に伝わって、初めて痛みを感じる。この痛みを感じるルートの他に、脳からは脊髄後角へ下行性にノルアドレナリン神経が伸びており、痛み刺激により、この下行性ノルアドレナリン神経が興奮すると、神経末端からノルアドレナリンが放出される。

 非神経細胞であるアストロサイトは神経と神経のつなぎ目に存在し、神経と神経の間の情報伝達に関与する。本発明者らは、脊髄後角の中でも表層に局在するアストロサイト亜集団と脊髄後角深層部に局在するアストロサイト亜集団があることを見出した。さらに、下行性ノルアドレナリン神経の興奮によって神経末端から放出されたノルアドレナリンが、脊髄後角の表層に存在するアストロサイトのアドレナリンα1受容体に結合すると、アドレナリンα1受容体からのシグナルが末梢組織から入力した痛み刺激を増強させることを見出した。

 従って、アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質は、末梢組織から入力した痛み刺激を抑制することができるため、鎮痛剤として用いることができる。当該鎮痛剤は、痛みの治療、緩和及び/又は予防のために用いることができる。

 本実施形態の鎮痛剤において、アドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質は、アドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する活性を有していれば、特に制限はないが、例えば、アドレナリンα1受容体拮抗剤、アドレナリンα1受容体発現抑制剤等が挙げられる。アドレナリンα1受容体拮抗剤としては、アドレナリンα1受容体に作用して、アドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害できる能力を有する物質であれば、特に制限はなく、アドレナリンα1受容体遮断剤と呼ばれることもある。アドレナリンα1受容体拮抗剤の具体例としては、シロドシン、タムスロシン、ナフトピジル、テラゾシン、ウラピジル、プラゾシン、アルフゾシン、ドキサゾシン、ブナゾシン等が挙げられる。他に、アドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質は、アドレナリンα1受容体の活性を抑制する物質であってもよい。アドレナリンα1受容体の活性を抑制する物質としては、例えば、アドレナリンα1受容体に対する特異的結合物質等が挙げられる。ここで、特異的結合物質としては、抗体、抗体断片、アプタマー、低分子化合物等が挙げられる。

 アドレナリンα1受容体発現抑制剤としては、アドレナリンα1受容体の発現を抑制できる物質であれば、特に制限はなく、例えば、アドレナリンα1受容体の発現を抑制するsh(short hairpin)RNA、siRNA、miRNA、リボザイム、アンチセンス核酸、低分子化合物等が挙げられる。アドレナリンα1受容体の発現を抑制するshRNAとしては、例えば、配列番号1で表される塩基配列を含むDNAをターゲット配列とするshRNA等が挙げられる。

 前記アストロサイトのアドレナリンα1受容体は、α1A、α1B及びα1Dの何れでもよい。ある実施形態では、アドレナリンα1受容体は、α1A受容体である。

 本実施形態において、アストロサイトは、脊髄に存在するアストロサイトであってもよい。ある実施形態では、アストロサイトは、脊髄後角の表層に存在するアストロサイトである。脊髄後角の表層に存在するアストロサイトとしては、転写因子であるHes5を発現しているアストロサイト等が挙げられる。

 本実施形態の鎮痛剤としては、痛みを抑制する効果があれば、特に制限はなく、一過性の痛みを抑制する効果を有する鎮痛剤であっても、神経障害性疼痛等の慢性疼痛治療剤のような、持続的な痛みに対して抑制する効果を有する鎮痛剤であってもよい。

 本実施形態の鎮痛剤は、アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質に加えて、薬学的に許容される担体を含有してもよい。

 本実施形態の鎮痛剤は、例えば、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤等の形態で経口的に、あるいは、注射剤、坐剤、皮膚外用剤等の形態で非経口的に投与することができる。皮膚外用剤としては、より具体的には、軟膏剤、貼付剤等の剤型が挙げられる。

 本実施形態の鎮痛剤は、中枢に移行する形態で投与することが好ましい。中枢に移行する形態で投与する方法としては、例えば、有効成分である、アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質を、血液脳関門を通過するようにデザインして投与する方法や、本実施形態の鎮痛剤を脊髄内に投与する方法等が挙げられる。

 薬学的に許容される担体としては、通常医薬組成物の製剤に用いられるものを特に制限なく用いることができる。より具体的には、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガントガム、アラビアゴム等の結合剤;デンプン、結晶性セルロース等の賦形剤;アルギン酸等の膨化剤;水、エタノール、グリセリン等の注射剤用溶剤;ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の粘着剤等が挙げられる。

 本実施形態の鎮痛剤は添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤;ショ糖、乳糖、サッカリン、マルチトール等の甘味剤;ペパーミント、アカモノ油等の香味剤;ベンジルアルコール、フェノール等の安定剤;リン酸塩、酢酸ナトリウム等の緩衝剤;安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等の溶解補助剤;酸化防止剤;防腐剤等が挙げられる。

 本実施形態の鎮痛剤は、上述したアストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質、薬学的に許容される担体及び添加剤を適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和することによって製剤化することができる。

 本実施形態の鎮痛剤の投与量は、対象の症状、体重、年齢、性別等によって異なり、一概には決定できないが、経口投与の場合には、有効成分である、アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質を、投与単位形態あたり、例えば0.1~100mg/kg体重、例えば1~50mg/kg体重、例えば、1~20mg/kg体重、例えば1~10mg/kg体重投与すればよい。また、非経口的に投与する場合には、例えば、注射剤の場合には、投与単位形態あたり、例えば0.01~50mg、例えば0.1~30mg、例えば0.1~20mg、例えば0.1~10mgの有効成分を投与すればよい。

 また、本実施形態の鎮痛剤の1日あたりの投与量は、対象の症状、体重、年齢、性別等によって異なり、一概には決定できないが、例えば、成人1日あたり0.1~10mg/kg体重の有効成分を1日1回又は2~4回程度に分けて投与すればよい。

 本実施形態の鎮痛剤が、鎮痛作用を有することは、公知の鎮痛作用の評価系を用いて評価することができる。例えば、下記のカプサイシンモデル動物を用いた評価系により調べることができる。
[鎮痛作用の評価]
 8~12週齢のC57BL/6Jマウス(日本クレア社製)に被験薬を投与した後、0.16μg/μLのカプサイシン溶液10μLをマウスの後肢足裏に投与し、投与後、マウスの投与側後肢足底部に知覚試験用フィラメント(von Frey Filament 0.02~2g、North Coast Medical社製)を押しあて、アップダウン法[J.Neurosci Methods,1994,53(1):55-63]に従って5回から9回の異なった力のフィラメントで評価する。その軽度機械刺激に対する動物の後肢逃避行動を経時的に観察し、下記式により50%逃避閾値(Paw withdrawal threshold)を算出する。

50%逃避閾値(g)=10(xf+(k×0.224))/10000
xf:最後に用いたフィラメントの値
k:逃避行動あり或いは逃避行動なしのパターンにより決定される値

[鎮痛薬のスクリーニング方法]
 1実施形態において、本発明は、アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質を選択することを特徴とする、鎮痛剤のスクリーニング方法を提供する。
 アドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質は、アドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する活性を有していれば、特に制限はないが、例えば、アドレナリンα1受容体拮抗剤、アドレナリン受容体発現抑制剤等が挙げられる。アドレナリンα1受容体拮抗剤としては、アドレナリンα1受容体に作用して、アドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害できる活性を有していれば、特に制限はなく、アドレナリンα1受容体遮断剤と呼ばれることもある。アドレナリンα1受容体発現抑制剤としては、アドレナリンα1受容体の発現を抑制できる物質であれば、特に制限はなく、例えば、アドレナリンα1受容体の発現を抑制するsh(short hairpin)RNA等が挙げられる。前記アストロサイトのアドレナリンα1受容体は、α1A、α1B及びα1Dの何れでもよい。ある実施形態では、アドレナリンα1受容体は、α1A受容体である。

 本実施形態において、アストロサイトは、脊髄に存在するアストロサイトであってもよい。ある実施形態では、アストロサイトは、脊髄後角の表層に存在するアストロサイトである。脊髄後角の表層に存在するアストロサイトとしては、転写因子であるHes5を発現しているアストロサイト等が挙げられる。

 本実施形態の鎮痛剤としては、痛みを抑制する効果があれば、特に制限はなく、一過性の痛みを抑制する効果を有する鎮痛剤であっても、神経障害性疼痛等の慢性疼痛治療剤のような、持続的な痛みに対して抑制する効果を有する鎮痛剤であってもよい。

 本実施形態のスクリーニング方法としては、アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質を選択できる方法であれば、特に制限はなく、例えば、アストロサイトのアドレナリンα1受容体を発現する細胞に、被験物質を添加し、アドレナリンα1受容体のアゴニストを添加したときに生じる、該アドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する被験物質を選択する方法、アストロサイトのアドレナリンα1受容体を発現する細胞に、被験物質存在下に、放射性物質等により標識した選択的なリガンドを結合させ、当該リガンドと前記受容体との結合を阻害する被験物質を選択する方法等が挙げられる。

 また、本実施形態のスクリーニング方法としては、DREADD(Designer Receptors Exclusively Activated by Designer Drug)法を用いた方法も例示される。例えば、内因性アセチルコリンに不応答である、変異型ヒトムスカリンM3受容体hM3Dqを組み込んだアデノ随伴ウイルス(AAV)を、アストロサイトでCreが発現しているGfap-Creマウス、Hes5-CreERT2マウス等の脊髄後角へ微量注入し、脊髄後角アストロサイト特異的にhM3Dq受容体を発現させ、hM3Dq受容体を該受容体のアゴニストであるクロザピン-N-オキサイド(clozapine-N-oxide;CNO)で活性化し、感覚刺激による行動の変化を測定し、脊髄後角アストロサイトの活性化により誘発される、軽度機械刺激に対する疼痛様行動(アロディニア)が、被験物質を予め投与した時に抑制されるか否かを評価し、該疼痛様行動を抑制する物質を選択することにより、鎮痛剤をスクリーニングすることができる。

 本実施形態のスクリーニング方法により得られるアストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質は、末梢組織から入力した痛み刺激を抑制することができるため、鎮痛剤として用いることができる。当該鎮痛剤は、痛みの治療、緩和及び/又は予防のために用いることができる。

 1実施形態において、本発明は、アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質の有効量を、対象に投与する工程を備える、痛みの治療、緩和及び/又は予防方法を提供する。本実施形態において、痛みとしては、特に制限はなく、一過性の痛みであっても、神経障害性疼痛等の慢性疼痛のような、持続的な痛みであってもよい。また、アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質としては、上述した物質が挙げられる。
 対象に投与する工程としては、中枢に移行する形態で投与する工程が好ましい。中枢に移行する形態で投与する工程としては、例えば、有効成分である、アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質を、血液脳関門を通過するようにデザインして投与する工程や、アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質を脊髄内に投与する工程等が挙げられる。

 1実施形態において、本発明は、痛みの治療、緩和及び/又は予防における使用ための、アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質を提供する。本実施形態において、痛みとしては、特に制限はなく、一過性の痛みであっても、神経障害性疼痛等の慢性疼痛のような、持続的な痛みであってもよい。また、アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質としては、上述した物質が挙げられる。

 1実施形態において、本発明は、鎮痛剤を製造するための、アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質の使用を提供する。本実施形態において、鎮痛剤としては、痛みを抑制する効果があれば、特に制限はなく、一過性の痛みを抑制する効果を有する鎮痛剤であっても、神経障害性疼痛等の慢性疼痛治療剤のような、持続的な痛みに対して抑制する効果を有する鎮痛剤であってもよい。また、アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質としては、上述した物質が挙げられる。当該鎮痛剤は、痛みの治療、緩和及び/又は予防のために用いることができる。

 次に実験例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。

[実験例1]
(脊髄後角の表層に存在するアストロサイト集団の同定)
 Hes5-CreERT2マウス(Nat Commun.,2012 Feb 14;3:670)及びRosa-tdTomatoマウス(Nat Neurosci.,2010 Jan;13(1)133-40)を掛け合わせた8~12週齢のHes-5CreERT2/Rosa-tdTomatoマウスに、コーン油を使用し20mg/mLに調製したタモキシフェン(シグマ社製)溶液を2mg/0.1mLを1日1回10日間、マウスへ腹腔内投与することによりCreリコンビナーゼ活性を誘導した。

 タモキシフェンを投与終了時から1週間後に、ペントバルビタールナトリウム製剤(ソムノペンチル(登録商標)注射液、共立製薬社製)の腹腔内投与でマウスを麻酔し、翻尾反射の消失を確認した後、直ちに腹部を切開し、心臓よりリン酸緩衝液(PBS)20mLを灌流して脱血した。続いて、氷冷した4%パラホルムアルデヒド(paraformaldehyde;PFA)溶液50mLを灌流することにより全身組織を固定後、動物を約1時間氷冷した。続いて、脊髄を摘出し、実体顕微鏡下で第4腰髄を単離した。単離した脊髄は氷中静置後4~5時間経過するまで4%PFA溶液中にて浸漬固定を行った。その後、冷30%ショ糖溶液中に脊髄を移し、4℃で24時間振盪した。脊髄をO.C.T.Compound(サクラファインテックジャパン社製)に包埋し、ドライアイス上で急速凍結させ、使用するまで-80℃で保存した。

 上記-80℃で保存していた包埋脊髄を、クライオスタット(Leica社製)内で-20℃の条件下、約60分間静置した。その後、クライオスタットを用いて30μm厚の切片を作製した後、PBS中に移し、組織周辺のO.C.T.Compoundを溶解させた。得られた脊髄切片を0.3%TritonX-100/PBS(PBST)中で振盪しながら洗浄した。洗浄後、3%normal donkey serum/PBST中、室温で2時間ブロッキングした。次に、3%normal donkey serum/PBSTにポリクローナルgoat-anti Sox9抗体(1000倍希釈、R&D社製)を希釈し、4℃で48時間反応させることにより、一次抗体反応を行った。反応終了後、PBST溶液で洗浄し、3%normal donkey serum/PBSTにdonkey anti-goat IgG(H+L)Alexa Fluor488抗体(1000倍希釈、インビトロジェン社製)を希釈し、室温暗所で3時間反応させることにより、二次抗体反応を行った。反応終了後、暗所において、PBST溶液およびPBS溶液で洗浄した。その後、脊髄切片をaminopropyltriethoxysilane(APS)でコートしたスライドグラス(松浪硝子工業社製)に貼り付け、切片周囲の余分なPBS溶液を除去した後、乾燥させた。続いて、退色防止剤VectaShield(Vector Labolatories社製)をスライドグラスに滴下し、カバーガラスをかけ、VectaShieldが乾燥するまで暗所に静置し、その後4℃で保存した。観察には共焦点レーザー顕微鏡(LSM700、Zeiss社製)を使用した。

 その結果を図1に示す。図1の左図に示したように、tdTomato陽性細胞は脊髄後角の表層に発現していた。また、図1に右図に示したようにアストロサイトマーカーであるSox9は、脊髄後角広範に発現していた。このことから、アストロサイトは脊髄後角広範に存在するが、Hes5陽性のアストロサイトは、脊髄後角の表層に存在することが確認された。

[実験例2]
(カプサイシン誘発の脊髄アストロサイトのCa2+応答と下行性ノルアドレナリン神経の関与)
 最初に、脊髄アストロサイト特異的にカルシウム感受性蛍光タンパク質GCaMP6mを発現させるアデノ随伴ウイルスベクターAAV2/9-gfaABCD-GCaMP6m-WPREを以下のようにして作製した。

 GCaMP6m(addgene社製、#40754)の配列をpENTRプラスミド(Themofisher社製)にサブクローニングした。次に、このGCaMP6mカセットをgfaABCDプロモーター(addgene社製、#19974)を搭載したAAVシャトルベクター(pZac2.1、Vector core of the University of Pennsylvaniaより入手)に挿入した。

 上記プラスミドを用いたウイルスベクター作製は定法(Sci Rep.,2015 Sep 21;5:14306)に従い実施した。Human embryonic kidney 293(HEK293)細胞に上記プラスミド、Rep/Capプラスミド(pAAV2/9)及びヘルパープラスミド(pAd DeltaF6)(Rep/Cap及びpAd DeltaF6はVector core of the University of Pennsylvaniaより入手)をトランスフェクションすることにより作製し、塩化セシウム密度勾配遠心法(Gene Ther.,2010 Apr;17(4):503-10)により精製した。ウイルスベクターはAmicon Ultra 100K filter unit(Millipore社製)を用いて0.001%(v/v)Pluronic-F68を含有したPBS溶液で透析した。ウイルスベクターの力価測定はPico Green fluorometric reagent(Molecular Probe社製)を用いて行い、使用時まで-80℃で保存した。

 8~12週齢のC57BL/6Jマウス(日本クレア社製)の腹腔内に、生理食塩水、又はノルアドレナリン神経選択的毒素であるDSP-4[N-(2-chloroethyl)-N-ethyl-2-bromobenzylamine](シグマ社製)を50mg/kgで投与した。投与3~5日後に、ケタミン(100mg/kg;ケタラール(登録商標)筋注用)とキシラジン(10mg/kg;セラクタール(登録商標))の混合液を0.005mL/g皮下投与することで麻酔を行った。麻酔の効果を確認後、背部の毛を剃り、局所麻酔薬(キシロカイン(登録商標)ゼリー 2%)を塗布した。胸髄湾曲部を中心に正中に沿って3cm程皮膚を切開した。椎骨の第1腰髄の棘突起吻側先端から1mm側方の筋組織を直径2mm程度で切開し第13胸髄と第1腰髄椎骨間の膜を露出した。ガラスキャピラリー(エッペンドルフ社製)を介して左側各椎骨間に、ウイルス濃度8.5×1012 GC/mLで、0.7μLを1か所、上記で作製した、脊髄アストロサイト特異的にカルシウム感受性蛍光タンパク質のGCaMP6mを発現させるアデノ随伴ウイルスベクターAAV2/9-gfaABCD-GCaMP6m-WPREを微量注入した。処置後は5-0絹糸を用いて皮膚を縫い合わせた。縫合部には局所麻酔薬(キシロカイン(登録商標)ゼリー 2%)を塗布し動物の苦痛の軽減を図った。同時に希ヨードチンキとゲンタシン(登録商標)軟膏(0.1%)の塗布も行い感染の防止を図った。さらに術後翌日および2日後に、カルプロフェン(リマダイル(登録商標)注射液、カルプロフェンとして5mg/kg)を腹腔投与することで術後の苦痛軽減を図った。

 ウイルス投与から3~4週間後に2光子励起顕微鏡を用いて、生きたままの動物で脊髄腰髄部における脊髄アストロサイトCa2+イメージングを行うための観察用窓作製手術を行った。動物への麻酔処置は、鎮痛・炎症予防のためカルプロフェン(リマダイル(登録商標)注射液、カルプロフェンとして5mg/kg)、デキサメタゾン(デキサート(登録商標)注射液、デキサメタゾンとして0.2mg/kg)混合溶液を0.01mL/g腹腔投与した。
 次に、ケタミン(100mg/kg、ケタラール(登録商標)筋注用)とキシラジン(10mg/kg、セラクタール(登録商標))の混合液を0.005mL/g皮下投与することで麻酔を行った。麻酔の効果を確認後、背部の毛を剃り、局所麻酔薬(キシロカイン(登録商標)ゼリー2%)を塗布した。観察窓作製中及びイメージング中の眼の乾燥予防のため動物用眼軟膏(クロラムフェニコール2mg/0.1g、マイコクロリン(登録商標))の塗布を行った。胸髄湾曲部を中心に正中に沿って3cm程皮膚を切開した。椎骨の第13胸髄から第1/2腰髄背側を露出するために結合組織を切り離した。筋肉はできる限り切断をさけて剥離した。露出させた椎骨背部を専用の固定具を用いて固定し、椎弓切除を行った。露出した脊髄を覆うように専用のステンレス製器具を固定した。組織と器具の間隙に細胞毒性のない透明なシリコンエストラマーを充填し観察用窓をカバーガラスで覆った。観察器具を設置した部分以外の皮膚を縫い合わせた。

 観察は観察用窓作製時に投与したケタミン/キシラジン混合溶液の麻酔から覚醒の後、イソフルラン吸入麻酔下(エスカイン(登録商標);導入時5.0%、維持には1.2~1.5%混合空気)において2光子励起顕微鏡(Olympus FV1000、オリンパス社製)を使用し、対物レンズはOlympus XLPlanN(水浸25倍、開口数1.05)、GCaMP6mの励起には900nmの波長のレーザー(~20mW)を用いた。レーザー照射に伴う光毒性を避けるために0.3Hzの頻度で画像を取得した。37℃に設定したsmall heat controller(ユニークメディカル社製)を用いてマウス直腸温が34℃以上になるように体温を維持した。

 次に、マウス足裏に0.1μg/μLカプサイシン溶液10μLを投与し、投与後30分後まで観察を行った。イメージング画像はImage Jを用いて解析し、拍動に伴った観察画像のずれ補正はTurboRegを用いて行った(IEEE Trans Image Process.,1998;7(1):27-41)。細胞の形態および下記式で表される蛍光シグナルのピーク値(Peak amplitude)ΔF/Fの値が30%以上を解析対象とした。解析対象領域は直径10μmの範囲で選択し、Image Jのmulti measure pluginを用いて解析を行った。

蛍光シグナルのピーク値ΔF/F=100*(Ft-F)/F
t:蛍光シグナルがピークに達した時の観察時間
Ft:ピーク時の蛍光シグナル
:観察開始時から50秒の無処置時における蛍光シグナルの平均値

 その結果を、図2の左図に示す。図2の左図に示すように、マウス足裏へのカプサイシン投与時における脊髄アストロサイトのカルシウム応答が、ノルアドレナリン神経選択的毒素であるDSP-4により抑制された。このことから、カプサイシン誘発の痛み刺激により、脊髄アストロサイトのカルシウム応答が下行性アドレナリン神経を介して誘発されることが確認された。

[実験例3]
(カプサイシン誘発の脊髄アストロサイトのCa2+応答におけるアストロサイトのアドレナリンα1A受容体拮抗剤の効果)
 実験例2において、DSP-4を投与せず、又、カプサイシン投与前に、軽度のイソフルラン麻酔下において、PBS溶液又はアドレナリンα1A受容体拮抗剤であるシロドシン溶液(3nmol/5μL、和光純薬社製)を30Gの注射針を付けたHamiltonマイクロシリンジを用いて脊髄くも膜下腔内へ定法[Eur J Pharmacol.,1980 Oct 17;67(2-3):313-6]に従い投与する以外は、実験例2と同様に行った。カプサイシンは、PBS溶液又はシロドシン溶液投与30~40分後に投与した。

 その結果を図2右図に示す。図2の右図に示すように、マウス足裏へのカプサイシン投与時における脊髄アストロサイトのカルシウム応答が、アドレナリンα1A受容体拮抗剤であるシロドシンにより抑制された。このことから、カプサイシン誘発の痛み刺激による下行性ノルアドレナリン神経の活性化は、アドレナリンα1A受容体の活性化を阻害する物質により抑制されることが確認された。

[実験例4]
(Hes5陽性脊髄アストロサイト刺激時の軽度機械刺激に対するマウスの行動解析)
 最初に、Hes5陽性アストロサイト特異的にhM3Dq受容体を発現させるアデノ随伴ウイルスベクターAAV2/5-FLEX-EF1α-hM3Dq-WPREを以下のようにして作製した。

 hM3Dq(addgene社製、#45547)の配列をpENTRプラスミド(Themofisher社製)にサブクローニングした。また、pAAV-CA-FLEX(addgene社製、#38042)を利用し、CAプロモーターをEF1αに置換したベクターpAAV-EF1α-FLEXも作製し、上記hM3DqカセットをpAAV-EF1α-FLEXに挿入した。

 上記プラスミドを用いたウイルスベクター作製は定法(Sci Rep.,2015 Sep 21;5:14306)に従い実施した。Human embryonic kidney 293(HEK293)細胞に上記プラスミド、及びRep/Capプラスミド(pAAV2/5)及びヘルパープラスミド(pAd DeltaF6)(Rep/Cap及びpAd DeltaF6はVector core of the University of Pennsylvaniaより入手)をトランスフェクションすることにより作製し、塩化セシウム密度勾配遠心法(Gene Ther.,2010 Apr;17(4):503-10)により精製した。得られたアデノ随伴ウイルスベクターAAV2/5-FLEX-EF1α-hM3Dq-WPREはAmicon Ultra 100K filter unit(Millipore社製)を用いて0.001%(v/v)Pluronic-F68を含有したPBS溶液で透析した。ウイルスベクターの力価測定はPico Green fluorometric reagent(Molecular Probe社製)を用いて行い、使用時まで-80℃で保存した。

 8~12週齢のHes5CreERT2マウス (Nat Commun., 2012 Feb 14;3:670)を用い、ケタミンとキシラジンの混合液を0.005mL/g皮下投与することで麻酔を行った。麻酔の効果を確認後、背部の毛を剃り、局所麻酔薬(キシロカイン(登録商標)ゼリー 2%)を塗布した。胸髄湾曲部を中心に正中に沿って3cm程皮膚を切開した。椎骨の第13胸髄および第1/2腰髄の棘突起吻側先端から1mm側方の筋組織を直径2mm程度で切開し第12胸髄と第13胸髄、第13胸髄と第1腰髄および第1腰髄と第2腰髄椎骨間の膜を露出した。ガラスキャピラリー(エッペンドルフ社製)を介して左側各椎骨間に、ウイルス濃度1×1012 GC/mLで、0.5~0.6μLをそれぞれ1か所、合計3か所に、上記で作製した、Hes5陽性アストロサイト特異的にhM3Dq受容体を発現させるアデノ随伴ウイルスベクターAAV2/5-FLEX-EF1α-hM3Dq-WPREを微量注入した。処置後は5-0絹糸を用いて皮膚を縫い合わせた。縫合部には局所麻酔薬(キシロカイン(登録商標)ゼリー 2%)を塗布し動物の苦痛の軽減を図った。同時に希ヨードチンキとゲンタシン(登録商標)軟膏(0.1%)の塗布も行い感染の防止を図った。

 次に、タモキシフェン(シグマ社製)溶液(溶媒にコーン油を使用し20mg/mLで調製したもの)2mg/0.1mLを1日1回10日間、マウスへ腹腔内投与することによりCreリコンビナーゼ活性を誘導し、hM3Dq受容体をHes5陽性アストロサイト特異的に発現させた。なお、アデノ随伴ウイルスベクターAAV2/5-FLEX-EF1α-hM3Dq-WPREは、hM3Dq遺伝子を逆行性に配置しているため、タモキシフェンを投与した場合は、Hes5陽性アストロサイトでCreリコンビナーゼ活性が誘導され、ウイルスベクター内のhM3Dq配列の部分が反転し、hM3Dq受容体が発現するが、Hes5陰性アストロサイトでは、ウイルスベクター内のhM3Dq配列の部分が反転しないためhM3Dq受容体が発現しない。

 その結果を図3の左図に示す。図3左図に示すように、hM3Dq受容体は、脊髄後角表層のHes5陽性アストロサイトに発現した。

 次に、hM3Dq受容体をHes5陽性アストロサイト特異的に発現させたマウスに、hM3Dq受容体の選択的刺激薬であるクロザピン-N-オキサイド[Clozapine-N-oxide(CNO;Enzo Life Science社製)]を含む溶液10mg/kgを腹腔内投与し、動物の後肢足底部に知覚試験用フィラメント(von Frey Filament 0.02~2g;North Coast Medical社製)を押しあて、アップダウン法[J.Neurosci Methods,1994,53(1):55-63]に従って5回から9回の異なった力のフィラメントで評価した。その軽度機械刺激に対する動物の後肢逃避行動を投与0分後、30分後、60分後、90分後、120分後、180分後に経時的に観察し、50%逃避閾値(Paw withdrawal threshold)を算出した。コントロールとして、それぞれのマウスにCNOの代わりに、生理食塩水を投与し、上記と同様に50%逃避閾値を算出した。

 その結果を図3右図に示す。図3右図に示すように、脊髄後角表層のHes5陽性アストロサイトに発現したhM3Dq受容体をCNOで刺激することにより、マウス左後肢に逃避閾値の低下が観察された。なお、ウイルスベクターを投与していない右側脊髄に投射している右後肢においては逃避閾値の低下は観察されなかった。図3の結果から、脊髄後角表層に存在するHes5陽性アストロサイトを刺激することにより、軽度機械刺激に対する疼痛様行動(アロディニア)が誘発されることが明らかとなった。

[実験例5]
(Hes5陰性脊髄アストロサイト刺激時の軽度機械刺激に対するマウスの行動解析)
 最初に、Hes5陰性アストロサイト特異的にhM3Dq受容体を発現させるアデノ随伴ウイルスベクターAAV2/5-FLEX-gfaABCD-hM3Dq-WPREを以下のようにして作製した。

 hM3Dq(addgene社製、#45547)の配列およびpAAV-CA-FLEX(addgene社製、#38042)を利用し、hM3Dq遺伝子を順行性に配置したFLEX-hM3DqをpENTRプラスミド(Themofisher社製)にサブクローニングした。このカセットを、gfaABCDプロモーターを搭載したpZac2.1へ挿入した。

 上記プラスミドを用いたウイルスベクター作製は定法(Sci Rep.,2015 Sep 21;5:14306)に従い実施した。Human embryonic kidney 293(HEK293)細胞に上記プラスミド、Rep/Capプラスミド(pAAV2/5)及びヘルパープラスミド(pAd DeltaF6)(Rep/Cap及びpAd DeltaF6はVector core of the University of Pennsylvaniaより入手)をトランスフェクションすることにより作製し、塩化セシウム密度勾配遠心法(Gene Ther.,2010 Apr;17(4):503-10)により精製した。得られたアデノ随伴ウイルスベクターAAV2/5-FLEX-gfaABCD-hM3Dq-WPREはAmicon Ultra 100K filter unit(Millipore社製)を用いて0.001%(v/v)Pluronic-F68を含有したPBS溶液で透析した。ウイルスベクターの力価測定はPico Green fluorometric reagent(Molecular Probe社製)を用いて行い、使用時まで-80℃で保存した。

 8~12週齢のHes5-CreERT2マウス (Nat Commun., 2012 Feb 14;3:670)を用い、ケタミンとキシラジンの混合液を0.005mL/g皮下投与することで麻酔を行った。麻酔の効果を確認後、背部の毛を剃り、局所麻酔薬(キシロカイン(登録商標)ゼリー 2%)を塗布した。胸髄湾曲部を中心に正中に沿って3cm程皮膚を切開した。椎骨の第13胸髄および第1/2腰髄の棘突起吻側先端から1mm側方の筋組織を直径2mm程度で切開し第12胸髄と第13胸髄、第13胸髄と第1腰髄および第1腰髄と第2腰髄椎骨間の膜を露出した。ガラスキャピラリー(エッペンドルフ社製)を介して左側各椎骨間に、ウイルス濃度1×1012 GC/mLで、0.5~0.6μLをそれぞれ1か所、合計3か所に、上記で作製した、Hes5陰性アストロサイト特異的にhM3Dq受容体を発現させるアデノ随伴ウイルスベクターAAV2/5-FLEX-gfaABCD-hM3Dq-WPREを微量注入した。処置後は5-0絹糸を用いて皮膚を縫い合わせた。縫合部には局所麻酔薬(キシロカイン(登録商標)ゼリー 2%)を塗布し動物の苦痛の軽減を図った。同時に希ヨードチンキとゲンタシン(登録商標)軟膏(0.1%)の塗布も行い感染の防止を図った。

 次に、コーン油又はタモキシフェン(シグマ社製)溶液(溶媒にコーン油を使用し20mg/mlで調製したもの)2mg/0.1mLを1日1回10日間、マウスへ腹腔内投与することによりCreリコンビナーゼ活性を誘導し、hM3Dq受容体をHes5陰性アストロサイト特異的に発現させた。なお、アデノ随伴ウイルスベクターAAV2/5-FLEX-gfaABCD-hM3Dqは、hM3Dq遺伝子を順行性に配置しているため、コーン油を投与した場合は、Creリコンビナーゼ活性の有無に関わらず、アストロサイトでhM3Dq受容体が発現する。一方、タモキシフェンを投与した場合は、Hes5陽性アストロサイトでCreリコンビナーゼ活性が誘導されるため、ウイルスベクター内のhM3Dq配列の部分が反転し、hM3Dq受容体が発現しなくなるが、Hes5陰性アストロサイトではCreリコンビナーゼが誘導されないため、ウイルスベクター内のhM3Dq配列の部分が反転せず、hM3Dq受容体が発現する。

 その結果を、図4の左図に示す。図4左図に示すように、コーン油投与群において脊髄後角広範のアストロサイトにhM3Dq受容体が発現したが、タモキシフェン投与群では脊髄後角深層部に存在するHes5陰性アストロサイトにのみhM3Dq受容体が発現した。

 hM3Dq受容体をHes5陰性アストロサイト特異的に発現させたマウスに、hM3Dq受容体の選択的刺激薬であるクロザピン-N-オキサイド[Clozapine-N-oxide(CNO;Enzo Life Science社製)]を含む溶液10mg/kgを腹腔内投与し、動物の後肢足底部に知覚試験用フィラメント(von Frey Filament 0.02~2g;North Coast Medical社製)を押しあて、アップダウン法[J.Neurosci Methods,1994,53(1):55-63]に従って5回から9回の異なった力のフィラメントで評価した。その軽度機械刺激に対する動物の後肢逃避行動を投与0分後、30分後、60分後、90分後、120分後、180分後に経時的に観察し、50%逃避閾値(Paw withdrawal threshold)を算出した。

 その結果を図4右図に示す。図4右図に示すように、脊髄後角広範に存在するアストロサイトに発現しているhM3Dq受容体をCNOで刺激すると、マウスの後肢逃避閾値が低下したが、Hes5陰性アストロサイトに発現しているhM3Dq受容体をCNOで刺激しても、マウスの後肢逃避閾値に大きな変化はなかった。なお、ウイルスベクターを投与していない右側脊髄に投射する右後肢においては逃避閾値の低下は観察されなかった。図4の結果から、脊髄後角深層部に存在するHes5陰性アストロサイトを刺激しても、軽度機械刺激に対する疼痛様行動(アロディニア)は誘発されないことが明らかとなった。

[実験例6]
(アドレナリンα1受容体アゴニストの脊髄くも膜下腔内投与による軽度機械刺激痛覚過敏)
 軽度のイソフルラン麻酔下において、8~12週齢のC57BL/6Jマウス(日本クレア社製)に30Gの注射針を付けたハミルトンマイクロシリンジを用いて、フェニレフリン[(R)-(-)-phenylephrine hydrochloride;和光純薬社製]を15pmol/5μL生理食塩水、及び50pmol/5μL生理食塩水を脊髄くも膜下腔内に投与した。

 次に、動物の後肢足底部に知覚試験用フィラメント(von Frey Filament 0.02~2g;North Coast Medical社製)を押しあて、アップダウン法[J.Neurosci Methods,1994,53(1):55-63]に従って5回から9回の異なった力のフィラメントで評価した。その軽度機械刺激に対する動物の後肢逃避行動を投与0分後、及び30分後に観察し、50%逃避閾値(Paw withdrawal threshold)を算出した。
 その結果を図5に示す。図5に示したように、野生型マウスの脊髄くも膜下腔内へアドレナリンα1受容体アゴニストであるフェニレフリンを投与すると、用量依存的な後肢逃避閾値の低下が観察された。これにより、脊髄のアドレナリンα1受容体の活性化により軽度機械刺激に対する疼痛様行動(アロディニア)が誘発されることが確認された。

[実験例7]
(フェニレフリン誘発の軽度機械刺激痛覚過敏に対するアドレナリンα1A受容体の関与1)
 8~12週齢のC57BL/6Jマウス(日本クレア社製)を、軽度のイソフルラン麻酔下において、リン酸緩衝液(PBS)又は3nmol/5μLシロドシン溶液(和光純薬社製)を30Gの注射針を付けたハミルトンマイクロシリンジを用いて、定法[Eur J Pharmacol.,1980 Oct 17;67(2-3):313-6]に従い、脊髄くも膜下腔内へ投与した。PBS又はシロドシン投与30分後に、フェニレフリン[(R)-(-)-phenylephrine hydrochloride;和光純薬社製]を50pmol/5μL生理食塩水を脊髄くも膜下腔内に投与した。

 次に、実験例5と同様にして、マウスの行動解析を行い、50%逃避閾値を算出した。その結果を図6左図に示す。図6左図に示したように、アドレナリンα1A受容体選択的拮抗剤であるシロドシンを、脊髄くも膜下腔内に前投与すると、フェニレフリンによる脊髄くも膜下内腔投与で誘発される後肢逃避閾値の低下が抑制された。このことから、アドレナリンα1A受容体拮抗剤は、フェニレフリンによる軽度機械刺激に対する疼痛様行動(アロディニア)を抑制することが確認された。

[実験例8]
(フェニレフリン誘発の軽度機械刺激痛覚過敏に対するアドレナリンα1A受容体の関与2)
 最初に、アドレナリンα1A受容体選択的ノックダウンベクターAAV-FLEX-CA-AcGFP-mir30-ADRA1A-shRNA-WPRE及びコントロールベクターAAV-FLEX-CA-AcGFP-mir30-scramble-shRNA-WPREを以下のようにして作製した。

 AcGFPおよびmir30-shRNA(pGIPZ-mir30-shGrapdh、Themofisher社製)の配列をpENTRプラスミド(Themofisher社製)にサブクローニングした。次に、pENTR-AcGFP-mir30のターゲット配列の部分を配列番号1で表される塩基配列からなる配列に置換した。得られたAcGFP-mir30-shRNAカセットはpAAV-CA-FLEXに挿入し、pAAV-FLEX-CA-AcGFP-mir30-ADRA1A-shRNA-WPREを得た。

 また、pENTR-AcGFP-mir30のターゲット配列の部分を配列番号2で表される塩基配列からなる配列に置換し、得られたAcGFP-mir30-shRNAカセットはpAAV-CA-FLEXに挿入し、pAAV-FLEX-CA-AcGFP-mir30-scramble-shRNA-WPREを得た。

 上記プラスミドを用いたウイルスベクター作製は定法(Sci Rep.,2015 Sep 21;5:14306)に従い実施した。Human embryonic kidney 293(HEK293)細胞に、上記で得られたpAAV-FLEX-CA-AcGFP-mir30-ADRA1A-shRNA-WPRE又はpAAV-FLEX-CA-AcGFP-mir30-scramble-shRNA-WPRE及びRep/Capプラスミド(pAAV2/5)及びヘルパープラスミド(pAd DeltaF6)(Rep/Cap及びpAd DeltaF6はVector core of the University of Pennsylvaniaより入手)をトランスフェクションすることにより作製し、塩化セシウム密度勾配遠心法(Gene Ther.,2010 Apr;17(4):503-10)により精製した。得られたAAV2/5-FLEX-CA-AcGFP-mir30-ADRA1A-shRNA-WPRE及びコントロールベクターAAV2/5-FLEX-CA-AcGFP-mir30-scramble-shRNA-WPREはAmicon Ultra 100K filter unit(Millipore社製)を用いて0.001%(v/v)Pluronic-F68を含有したPBS溶液で透析した。ウイルスベクターの力価測定はPico Green fluorometric reagent(Molecular Probe社製)を用いて行い、使用時まで-80℃で保存した。

 8~12週齢のHes5-CreERT2マウス (Nat Commun., 2012 Feb 14;3:670)を用い、ケタミンとキシラジンの混合液を0.005mL/g皮下投与することで麻酔を行った。麻酔の効果を確認後、背部の毛を剃り、局所麻酔薬(キシロカイン(登録商標)ゼリー 2%)を塗布した。胸髄湾曲部を中心に正中に沿って3cm程皮膚を切開した。椎骨の第1腰髄の棘突起吻側先端から1mm側方の筋組織を直径2mm程度で切開し、第13胸髄と第1腰髄椎骨間の膜を露出した。ガラスキャピラリー(エッペンドルフ社製)を介して左側各椎骨間の両端に、ウイルス濃度1×1012 GC/mLで、0.5~0.6μLをそれぞれ2か所、上記の配列番号1で表される塩基配列を含むアドレナリンα1A受容体選択的ノックダウンベクターAAV2/5-FLEX-CA-AcGFP-mir30-ADRA1A-shRNA-WPREを微量注入し、Hes5陽性アストロサイトのアドレナリンα1A受容体をノックダウンしたマウスを作製した。また、コントロールベクターとして、上記の配列番号2で表される塩基配列を含むベクターAAV2/5-FLEX-CA-AcGFP-mir30-scramble-shRNA-WPREを微量注入し、コントロールマウスを作製した。処置後は5-0絹糸を用いて皮膚を縫い合わせた。縫合部には局所麻酔薬(キシロカイン(登録商標)ゼリー 2%)を塗布し動物の苦痛の軽減を図った。同時に希ヨードチンキとゲンタシン(登録商標)軟膏(0.1%)の塗布も行い感染の防止を図った。

 次に、タモキシフェン(シグマ社製)溶液(溶媒にコーン油を使用し20mg/mLで調製したもの)2mg/0.1mLを1日1回10日間、上記で作製したマウスへ腹腔内投与することによりCreリコンビナーゼ活性を誘導した。アデノ随伴ウイルスベクター投与28日後に、フェニレフリン[(R)-(-)-phenylephrine hydrochloride;和光純薬社製]を50pmol/5μL生理食塩水を脊髄くも膜下腔内に投与し、実験例6と同様にして、マウスの行動解析を行い、50%逃避閾値を算出した。その結果を図6右図に示す。

 図6右図に示したように、Hes5陽性アストロサイト特異的アドレナリンα1A受容体をノックダウンすることにより、フェニレフリンによる脊髄くも膜下腔内投与で誘発される後肢逃避閾値の低下が抑制された。このことから、アストロサイトのアドレナリンα1A受容体を発現抑制することにより、フェニレフリンによる軽度機械刺激に対する疼痛様行動(アロディニア)が抑制されることが確認された。

[実験例9]
(カプサイシン誘発の軽度機械刺激痛覚過敏に対する下行性ノルアドレナリン神経の関与)
 8~12週齢のC57BL/6Jマウス(日本クレア社製)の腹腔内に生理食塩水、又はDSP-4[N-(2-chloroethyl)-N-ethyl-2-bromobenzylamine](シグマ社製)を50mg/kgで投与した。投与3日後に、カプサイシン溶液0.16μg/μLを10μL足裏に投与し、その後、実験例4と同様にして、50%逃避閾値を算出した。その結果を図7に示す。

 図7に示したように、ノルアドレナリン神経選択的毒素であるDSP-4を投与することにより、ノルアドレナリン神経を破壊すると、カプサイシン誘発の後肢逃避閾値の低下が抑制された。このことにより、ノルアドレナリン神経が、軽度機械刺激に対する疼痛様行動(アロディニア)に関与することが明らかとなった。

[実験例10]
(カプサイシン誘発の軽度機械刺激痛覚過敏に対するHes5陽性アストロサイトのアドレナリンα1A受容体の関与)
 実験例8で作製したHes5陽性アストロサイト特異的アドレナリンα1A受容体ノックダウンマウスに、カプサイシン溶液0.16μg/μLを10μL足裏に投与し、実験例4と同様にして、50%逃避閾値を算出した。その結果を図8に示す。

 図8に示したように、脊髄後角のHes5陽性アストロサイト選択的にアドレナリンα1A受容体をノックダウンすることにより、カプサイシン誘発の後肢逃避閾値が顕著に抑制された。このことにより、Hes5陽性アストロサイトのアドレナリンα1A受容体の発現を抑制することにより、軽度機械刺激に対する疼痛様行動(アロディニア)が抑制されることが明らかとなった。

 本発明によれば、アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質を有効成分として含有する鎮痛剤、及び、アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質を選択することを特徴とする、鎮痛剤のスクリーニング方法を提供することができる。

Claims (12)

  1.  アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質を有効成分として含有する鎮痛剤。
  2.  前記アドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質が、アドレナリンα1受容体拮抗剤又はアドレナリンα1受容体発現抑制剤である請求項1に記載の鎮痛剤。
  3.  前記アストロサイトが脊髄後角の表層に存在するアストロサイトである、請求項1又は2に記載の鎮痛剤。
  4.  前記脊髄後角の表層に存在するアストロサイトが、Hes5を発現しているアストロサイトである、請求項3に記載の鎮痛剤。
  5.  前記アドレナリンα1受容体が、アドレナリンα1A受容体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の鎮痛剤。
  6.  前記鎮痛剤が、慢性疼痛治療剤である、請求項1~5のいずれか一項に記載の鎮痛剤。
  7.  アストロサイトのアドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質を選択することを特徴とする、鎮痛剤のスクリーニング方法。
  8.  前記アドレナリンα1受容体からのシグナルを阻害する物質が、アドレナリンα1受容体拮抗剤又はアドレナリンα1受容体発現抑制剤である請求項7に記載の方法。
  9.  前記アストロサイトが脊髄後角の表層に存在するアストロサイトである、請求項7又は8に記載の方法。
  10.  前記脊髄後角の表層に存在するアストロサイトが、Hes5を発現しているアストロサイトである、請求項9に記載の方法。
  11.  前記アドレナリンα1受容体が、アドレナリンα1A受容体である、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
  12.  前記鎮痛剤が、慢性疼痛治療剤である、請求項7~11のいずれか一項に記載の方法。
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