WO2019078229A1 - めっき方法、気泡噴出部材、めっき装置、および、デバイス - Google Patents

めっき方法、気泡噴出部材、めっき装置、および、デバイス Download PDF

Info

Publication number
WO2019078229A1
WO2019078229A1 PCT/JP2018/038580 JP2018038580W WO2019078229A1 WO 2019078229 A1 WO2019078229 A1 WO 2019078229A1 JP 2018038580 W JP2018038580 W JP 2018038580W WO 2019078229 A1 WO2019078229 A1 WO 2019078229A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
bubble
plating
electrode
plated
formed
Prior art date
Application number
PCT/JP2018/038580
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
陽子 山西
雄大 福山
啓太 市川
Original Assignee
国立大学法人九州大学
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2017-202994 priority Critical
Priority to JP2017202994 priority
Application filed by 国立大学法人九州大学 filed Critical 国立大学法人九州大学
Publication of WO2019078229A1 publication Critical patent/WO2019078229A1/ja

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C18/00Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating
    • C23C18/16Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by reduction or substitution, e.g. electroless plating
    • C23C18/31Coating with metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C24/00Coating starting from inorganic powder
    • C23C24/02Coating starting from inorganic powder by application of pressure only
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D5/00Electroplating characterised by the process; Pretreatment or after-treatment of workpieces
    • C25D5/02Electroplating of selected surface areas
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D7/00Electroplating characterised by the article coated

Abstract

多様なめっき対象物に前処理を実施することなく、所定の位置にめっきできる方法を提供することを課題とする。 めっき液を用いためっき対象物へのめっき方法であって、 該めっき方法は、 気泡噴出部材で生成した気泡をめっき液に噴出する気泡噴出工程、 を少なくとも含み、 気泡噴出部材は、 導電材料で形成された電極、及び、 電極の少なくとも一部を覆う絶縁材料、 を含み、 絶縁材料の少なくとも一部は気泡噴出口を形成し、電極の少なくとも一部と気泡噴出口の間には絶縁材料で覆われた空隙が形成されている、 めっき方法により、課題を解決できる。

Description

めっき方法、気泡噴出部材、めっき装置、および、デバイス

 本開示は、めっき方法、気泡噴出部材、めっき装置、および、デバイスに関する。

 めっきとは、金属や非金属などの固体表面に金属を成膜させる技術の総称である。めっき方法としては、電解めっき、無電解めっき(触媒めっき)、気相めっき等が知られている。また、めっきによる効果としては、例えば材料をサビから保護する耐食性の付与、見た目を美しくする装飾性の付与、電気的特性、機械的特性、物理的特性、化学的特性、光学特性、熱的特性等の機能性の付与、等が挙げられる。

 上記の電気的特性の付与の一例として、めっきにより回路基板を作製する方法が知られている。回路基板の作製の具体例としては、例えば、凹状のパターンを形成した樹脂層の凹部にパラジウム膜を形成し、該パラジウム膜の上に無電解めっき銅で回路を形成する方法(特許文献1参照)、凹部を形成した樹脂成型品の凹部に導電材料層を形成し、該導電材料層の上にめっきにより金属配線することで回路基板を作製する方法(特許文献2参照)が知られている。

特許第5640667号 特許第4697156号

 ところで、従来のめっき方法の内、電解めっき方法は、めっき液に陽極と陰極を浸漬し、電気を流す必要がある。そのため、シリコン、ゴム、樹脂等の非導電体にめっきをすることはできず、めっき対象物としては金属基板等の導電体に限定されるという問題がある。

 一方、無電解めっき方法は、上記特許文献1および2に記載されているように、めっき対象物に予め触媒(特許文献1ではパラジウム膜14、特許文献2では導電材料層13)を形成することで、シリコン、ゴム、樹脂等の非導電体にもめっきをすることができる。しかしながら、上記のとおり、非導電体にめっきをする場合には、めっきをしたい場所のみに触媒を予め形成する必要がある。そのため、無電解めっきをする前に、所定の位置に触媒を形成するため基板表面処理が必要であり、製造工程が煩雑になるという問題がある。

 また、気相めっき方法は、蒸発させた金属蒸気や、高電圧をかけてイオン化した金属イオン、または、金属のハロゲン化蒸気を、密閉容器内でめっき対象物にめっきする方法である。そのため、設備が大型化し、コストが高くなるという問題がある。また、所定の位置のみにめっきをするためには、基板表面処理が必要であり、製造工程が煩雑になるという問題がある。

 また、電解めっき方法および無電解めっき方法は、何れの方法も、めっき対象物をめっき溶液に浸漬する必要がある。そのため、めっきの際には、めっき液を大量に使用するという問題がある。現在のところ、多様なめっき対象物に前処理を実施することなく、所期の位置にめっきをする方法は知られていない。

 本明細書における開示は、上記問題点を解決するためになされたものであり、鋭意研究を行ったところ、(1)導電材料で形成された電極および電極の少なくとも一部を覆う絶縁材料を含む気泡噴出部材を用い、(2)気泡噴出部材で生成した気泡をめっき液に噴出することで、めっき液中の金属イオンを金属にできること、(3)そして、金属イオンから生成した金属をめっき対象物に付着させること、或いは、(4)金属ナノ粒子を含有するめっき液中に気泡を噴出し、めっき液中の金属ナノ粒子をめっき対象物に付着させることで、多様なめっき対象物に前処理等をすることなくめっきできること、を新たに見出した。

 すなわち、本開示の目的は、新たなめっき方法、当該めっき方法に用いる気泡噴出部材およびめっき装置、並びに、新たなデバイスに関する。

 本開示は、以下に示す、めっき方法、気泡噴出部材、めっき装置、および、デバイスに関する。

(1)めっき液を用いためっき対象物へのめっき方法であって、
 該めっき方法は、
  気泡噴出部材で生成した気泡をめっき液に噴出する気泡噴出工程、
を少なくとも含み、
 気泡噴出部材は、
  導電材料で形成された電極、及び、
  電極の少なくとも一部を覆う絶縁材料、
を含み、
  絶縁材料の少なくとも一部は気泡噴出口を形成し、電極の少なくとも一部と気泡噴出口の間には絶縁材料で覆われた空隙が形成されている、
 めっき方法。
(2)めっき液が金属イオンを含有し、
 気泡噴出工程の際に、気泡噴出部材で生成した気泡をめっき液に噴出することで、めっき液中の金属イオンを金属にする、
 上記(1)に記載のめっき方法。
(3)めっき液が金属ナノ粒子を含有する、
 上記(1)または(2)に記載のめっき方法。
(4)気泡噴出工程が、噴出した気泡でめっき対象物に凹部を形成し、該凹部の中に金属が形成される、
 上記(1)乃至(3)の何れか一つに記載のめっき方法。
(5)気泡噴出工程が、気泡噴出口とめっき対象物の相対位置を変化させながら気泡を噴出することで、めっき対象物に金属を連続的に形成する、
 上記(1)乃至(4)の何れか一つに記載のめっき方法。
(6)気泡噴出部材が、電極の少なくとも一部にめっき液を供給する流路を含み、
 流路は、
  電極の内部に形成、及び/又は、
  電極と絶縁材料との組み合わせにより形成、
されている、上記(1)乃至(5)の何れか一つに記載のめっき方法。
(7)電極の少なくとも一部が、先鋭形状である、
 上記(1)乃至(6)の何れか一つに記載のめっき方法。
(8)めっき対象物が、金属、樹脂、動物、植物から選択される1種である、
 上記(1)乃至(7)の何れか一つに記載のめっき方法。
(9)導電材料で形成された電極、及び、
 電極の少なくとも一部を覆う絶縁材料、
を含み、
 絶縁材料の少なくとも一部は気泡噴出口を形成し、電極の少なくとも一部と気泡噴出口の間には絶縁材料で覆われた空隙が形成された気泡噴出部材であって、
 気泡噴出部材は、電極の少なくとも一部に液体を供給する流路を含み、
 流路は、
  電極の内部に形成、及び/又は、
  電極と絶縁材料との組み合わせにより形成、
されている、気泡噴出部材。
(10)電極の少なくとも一部が、先鋭形状である、
 上記(9)に記載の気泡噴出部材。
(11)上記(9)または(10)に記載の気泡噴出部材、及び、
 気泡噴出部材から気泡を噴出させるための電気出力機構、
を含む、めっき装置。
(12)基板、該基板に形成された凹部、及び、該凹部の内部に形成した金属層、
を少なくとも含み、
 凹部は、基板表面から基板内部方向に形成され、
 基板表面に対して略鉛直方向に凹部を切断視し、凹部の幅を基板表面に平行となる長さで比較した場合、
 凹部の基板内部が、基板の開口部の長さより長い部分を有する形状である、
デバイス。
(13)凹部が連続的に形成され、連続的に形成された凹部の内部に、金属が連続的に配置されている、
 上記(12)に記載のデバイス。

 本明細書で開示するめっき方法は、多様なめっき対象物に前処理を実施することなく、所定の位置にめっきできる。また、気泡噴出部材およびめっき装置は、めっき方法に好適に用いることができる。また、本明細書で開示するめっき方法により、新規なデバイスを作製することができる。

図1は、めっき方法の第1の実施形態を示す概略図である。 図2は、第1の実施形態に係るめっき方法の、より具体的な手順を示すフローチャートである。 図3は、第2の実施形態のめっき方法に用いる気泡噴出部材1bの一例を示す断面図である。 図4は、図3のA-A’断面図で、電極11と絶縁材料12との組み合わせにより流路14を形成する例を示している。 図5は、第2の実施形態に用いる気泡噴出部材1bにおいて、電極11の内部に流路14を形成する例を示している。 図6Aおよび図6Bは、気泡噴出部材1bの電極11の先端部の形状を示す概略断面図である。 図7は、第2の実施形態に係るめっき方法の手順を示すフローチャートである。 図8は、図面代用写真で、図8Aは実施例1で作製した気泡噴出部材1bの先端部分の写真、図8BはRB針に気泡噴出部材1bを挿入した写真である。 図9は、図面代用写真で、参考例1で作製した気泡噴出部材1aの先端部分の写真である。 図10は、図面代用写真で、実施例4でめっきした後のめっき対象物の写真である。 図11は、実施例4のめっき後の凹部の内部の金属層の測定結果を示す。 図12は、図面代用写真で、実施例5でめっきした後のめっき対象物の写真である。 図13は、図面代用写真で、図13Aは実施例6でめっきした後のめっき対象物の写真、図13Bは実施例7でめっきした後のめっき対象物の写真である。 図14は、図面代用写真で、実施例8でめっきした後のめっき対象物の写真である。 図15は、図面代用写真で、実施例9でめっきした後のめっき対象物の写真である。 図16は、図面代用写真で、実施例10でめっきした後のめっき対象物の写真である。 図17は、図面代用写真で、実施例11でめっきした後のめっき対象物の写真である。 図18は、図面代用写真で、実施例12でめっきした後の凹部の断面の写真である。 図19は、図面代用写真で、実施例13でめっきした後のめっき対象物の写真である。 図20は、図面代用写真で、実施例14において、図20Aはめっき液の供給前の写真、図20Bはめっき液を供給後の写真である。 図21は、図面代用写真で、実施例15において、図21Aはめっき後のゴム基板を伸ばした状態の写真、図21Bは重しを外して縮めた後のゴム基板の写真である。図21Cは、めっき箇所の導電能の確認実験の結果を示す写真である。

 以下に、めっき方法、気泡噴出部材、めっき装置、および、デバイスについて、図面を参照しながら詳しく説明する。

 先ず、めっき方法について説明する。図1は、めっき方法の第1の実施形態を示す概略図である。図1に示す実施形態では、気泡噴出部材1aで生成した気泡2を、気泡噴出部材1aの気泡噴出口13からめっき液3に噴出することで、めっき液3中の金属イオンを金属化し、めっき対象物4にめっき5(金属層を形成)することができる。

 気泡噴出部材1aの実施形態は後述するが、導電材料で形成された電極11および電極11の少なくとも一部を覆う絶縁材料12を含み、電極11に電圧を印加することで、気泡噴出口13から気泡2をめっき液3中に噴出することができれば特に制限はない。

 本明細書において、例えば、「めっき液」とは、めっき(金属層)5を形成するための金属イオンを含む溶液、及び/又は、金属ナノ粒子を含む溶液を意味する。金属(金属イオン)としては、銀、金、亜鉛、クロム、錫、ニッケル、銅、白金、コバルト等が挙げられる。金属イオンを含有するめっき液は、前記金属を含む塩等を、溶媒に溶解することで作製すればよい。溶媒としては、金属を含む塩等を溶解できれば特に制限はなく、純水、食塩水等挙げられる。また、例示した金属(金属イオン)は、複数種類組み合せることで、合金めっき(合金層)5を作製してもよい。金属ナノ粒子を含有するめっき液は、上記金属のナノ粒子を上記の溶媒に分散することで作製すればよい。金属ナノ粒子の大きさは、10nm~500nm程度であればよい。また、めっき液3には、上記の方法で作製する他、例示した金属イオンを含む公知のめっき液を単独または組み合わせて用いてもよい。

 めっき対象物4は、実施形態に示すめっき方法でめっきができるものであれば特に制限はない。例えば、回路基板作製用に一般的に用いられている基板、より具体的には、シリコン、ガラスエポキシ、ポリエステル、ポリイミド、BTレジン、及び熱硬化型ポリフェニレンエーテル等の樹脂類を用いた樹脂基板;アルミナ(セラミックス)基板等の無機材料を用いた無機基板;シリコンウェハ、アルミや銅等の金属基板;前記金属基板の上に絶縁層、さらにその上に導体である銅箔を重ねたメタルベース基板等が挙げられる。

 また、後述する実施例に示すとおり、実施形態に係るめっき方法は、気泡噴出口13から噴出する気泡2の前に、めっき液3が存在すれば、その先のめっき対象物4をめっきできる。したがって、めっき液3を満たした浴槽や真空チャンバー等の装置が不要であるので、前記基板等に加え、動物、植物、樹脂等の有機材料または無機材料で作製した構造物等、様々な対象にめっきをすることができる。また、めっき対象物4の形状も、平板等に限定されず、曲面形状、糸等の細長形状等、多様な形状にめっきすることができる。

 気泡噴出部材1aと電気出力機構6を組み合せることで、気泡2を噴出する「めっき装置」を作製することができる。電気出力機構6は、電源装置61、対向電極62、及び電源装置61と気泡噴出部材1aの電極11及び対向電極62とで回路を形成するための電線63を少なくとも含んでいればよい。また、必要に応じて、無誘導抵抗64、図示しない電圧増幅回路、入出力ポート(DIO;Digital Input Output)65、電源装置61を制御するPC等の制御装置66等を設けてもよい。電気出力機構6は、上記の構成要素を準備し作製してもよいし、従来の電気メス用電気回路に無誘導抵抗64や入出力ポート65等を組み込むことで、作製してもよい。

 なお、図1に示す実施形態では、対向電極62は、気泡噴出部材1aとは別体として形成されているが、後述するとおり、気泡噴出部材にめっき液を供給する流路を形成する場合は、気泡噴出部材に組み込んでもよい。

 電源装置61としては、一般商用交流電源装置を用いることができる。電気出力機構6から、電極11及び対向電極62に出力する電流、電圧及び周波数は、気泡2をめっき液3に噴出することで、めっき液3中の金属イオンを金属化し、めっき対象物に金属層5を形成できる、或いは、めっき液3中の金属ナノ粒子でめっき対象物に金属層5を形成できれば特に制限はない。例えば、電流は、1mA~500mA、または50mA~200mAとして、気泡をうまく生成できないことや電極摩耗を生じることを防止するようにしてよい。電圧は、例えば、200V~4000V、または、600V~1800Vとして、気泡生成が困難となることや電極11の摩耗や気泡噴出部材1が破損することを防止するようにしてよい。パルス幅は、500ns~1msが好ましく、1μs~100μsがより好ましい。パルス幅が500nsより短いと気泡を噴出することができず、1ms以上だと気泡が適切に噴出されない。

 なお、第1の実施形態のめっき方法は、電圧、電極に電圧を印加する印加回数を調整、つまり、めっき対象物4に衝突する気泡2の強さおよび回数を調整することで、めっき対象物4上に金属層5を形成、または、めっき対象物4に凹部を形成し該凹部の内部に金属層5を形成することもできる。あるいは、めっき対象物4と気泡噴出口13の距離を変え、めっき対象物4に衝突する気泡2の強さを調整することで、凹部形成の有無を調整してもよい。

 図2は、第1の実施形態に係るめっき方法の、より具体的な手順を示すフローチャートである。
(1)めっき対象物4上にめっき液3を供給する(S100)。めっき液3は、シリンジ等を用い、めっき対象物4のめっきをしたい箇所に、スポットすればよい。
(2)気泡噴出部材1aの電極11と対向電極62がめっき液3と接触するように配置する(S110)。
(3)電極11と対向電極62に電圧を印加することで、めっき対象物4をめっきする(S120)。

 第1の実施形態に係る気泡噴出部材1aは、以下の手順で作製することができる。
(1)中空の絶縁材料12を準備し、中空の絶縁材料12に導電材料で形成された電極11を挿入し、熱をかけて引き切る。
(2)絶縁材料12と電極11の粘弾性の差により、電極11の少なくとも一部、例えば、先端部が絶縁材料12で覆われた気泡噴出部材1aを作製できる。その際に、絶縁材料12の少なくとも一部、例えば、先端部は気泡噴出口13を形成し、電極11の少なくとも一部、例えば、電極11の先端部と気泡噴出口13の間には絶縁材料12で覆われた空隙7が形成される。

 絶縁材料12としては、電気を絶縁するものであれば特に限定はなく、例えば、ガラス、マイカ、石英、窒化ケイ素、酸化ケイ素、セラミック、アルミナ、等の無機系絶縁材料、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム等ゴム材料、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、シラン変性オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン系樹脂、弗素系樹脂、シリコン系樹脂、ポリサルファイド系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース系樹脂、UV硬化樹脂等の絶縁性樹脂が挙げられる。

 電極11を形成する導電材料としては、電気を通し電極として使用できるものであれば特に制限はないが、金属で、例えば、金、銀、銅、アルミニウム等、これらにスズ、マグネシウム、クロム、ニッケル、ジルコニウム、鉄、ケイ素などを少量加えた合金等が挙げられる。

 第1の実施形態に用いられる気泡噴出部材1aは、電気を出力すると空隙7で一端形成された気泡が引き千切られるように気泡噴出口13から噴出するので、気泡噴出部材1aに外部から気体を供給する必要は無い。したがって、電極11は導電材料が延伸した中実な状態で形成され、電極11の内部には空気を供給する管等は形成されていない。また、絶縁材料12と電極11との粘弾性の差により、気泡噴出部材1aの先端付近において、電極11の先端部では絶縁材料12の少なくとも一部は電極11に密着しているが、気泡が噴出できる範囲内であれば、電極11と絶縁材料12との間に隙間が形成されてもよい。また、本明細書において、電極11の先端部と記載した場合、電極11の構造上の最も先端の一点を意味するのではなく、電圧を印加することで電荷が集中し、気泡の生成および噴出に寄与する部分を意味する。したがって、電荷が集中して気泡を噴出できれば、電極11の構造上の先端部に限定されず、電極11の構造上の任意の場所に、電荷が集中し、気泡の生成および噴出に寄与する先端部を形成してもよい。

 噴出する気泡の大きさは、気泡噴出口13の直径を変えることで調整することができる。なお、めっき方法を実施する際には、気泡噴出部材1aの空隙7に毛管現象によりめっき液3を充填する必要がある。そのため、気泡噴出口13の直径は、毛管現象によりめっき液が通過できる大きさである必要があり、例えば、約500nm以上、1μm以上、3μm以上とすることができる。一方、上限は、気泡2を噴出することができ、且つ、めっき対象物4にめっきができる範囲であれば特に制限は無く、例えば1mm以下、500μm以下、100μm以下とすることができる。気泡噴出口13の直径は、加熱する際の温度及び引き切るスピードによって調整することができる。また、引き切った後に、気泡噴出口13にマイクロフォージ等の加熱手段を押し当てることで調整してもよい。

 また、第1の実施形態に使用可能な気泡噴出部材1aとしては、基板上に形成した気泡噴出部を含む、多筒式の気泡噴出チップであってもよい。気泡噴出部は、
・導電材料で形成された電極、
・絶縁性の感光性樹脂で形成され、電極を挟むように設けられ、且つ電極の先端より延伸した延伸部を含む絶縁部、及び、
・絶縁部の延伸部及び電極の先端との間に形成された空隙7を含む、
ように形成することで、作製できる。多筒式の気泡噴出チップの具体的作製手順は、国際公開第2016/052511号を参照すればよい。

 図3は、第2の実施形態のめっき方法に用いる気泡噴出部材1bの一例を示す断面図である。なお、気泡噴出部材1bを用いる場合、対向電極62は気泡噴出部材1bと別体としてもよいし、液体(めっき液3)に接する場所であれば、気泡噴出部材1bの構成要素として組み込むことができる。対向電極62以外の電気出力機構については、第1の実施形態と同様であるので、記載を省略する。第2の実施形態のめっき方法に用いる気泡噴出部材1bは、液体(めっき液3)を供給する流路14を含み、流路14を通して電極11の少なくとも一部、例えば、先端部にめっき液3を供給できる点で、第1の実施形態の気泡噴出部材1aと異なる。以下に、気泡噴出部材1bについて、図面を参照しながらより具体的に説明する。

 気泡噴出部材1bの流路14は、例えば、電極11と絶縁材料12との組み合わせ、又は、電極11の内部に形成すればよい。図3は、電極11と絶縁材料12との組み合わせにより流路14を形成する例を示している。また、気泡噴出部材1bは、必要に応じて、流路14に供給する液体(めっき液3)の貯蔵部15を設けてもよい。対向電極62を設ける場合は、流路14、または、貯蔵部15に、電極11と離間するように設ければよい。

 図4は、図3のA-A’断面図で、電極11と絶縁材料12との組み合わせにより流路14を形成する例を示している。図4Aは、棒状の中実な電極11を、電極11の外径より大きな内径を持つ絶縁材料12に挿入することで、流路14を形成する例を示している。図4Bは、断面が半円状の中実な電極11を、電極11の長軸とほぼ同じ大きさの内径を持つ絶縁材料12に挿入することで、流路14を形成する例を示している。また、図4Cは、断面が略U字状(略中空)の電極11を、電極11の外周とほぼ同じ大きさの内径を持つ絶縁材料12に挿入することで、流路14を形成する例を示している。なお、図4A乃至Cに示す実施形態は、電極11と絶縁材料12との組み合わせにより形成した流路14の単なる例示で、その他の形状であってもよい。なお、図4A乃至Cに示す実施形態の電極11は、絶縁材料等で被覆されていない、導電材料そのものである。

 図5は、第2の実施形態に用いる気泡噴出部材1bにおいて、電極11の内部に流路14を形成する例を示している。図5に示す実施形態では、断面が中空の電極11を、電極11の外径とほぼ同じ大きさの内径を持つ絶縁材料12に挿入することで、流路14を形成する例を示している。なお、流路14は、電極11の内部および電極11と絶縁材料12の間の両方、つまり、図4及び図5に示す実施形態を組み合わせて形成してもよい。

 気泡噴出部材1bにおいて、電極11を構成する材料は、気泡噴出部材1aと同様の材料を用いることができる。なお、気泡噴出部材1bにおいては、予め図4A乃至Cおよび図5に示す形状に形成した電極11を用いる点で、気泡噴出部材1aの電極11と異なる。

 気泡噴出部材1bにおいて、絶縁材料12を構成する材料も、気泡噴出部材1aと同様の材料を用いることができる。なお、気泡噴出部材1bにおいては、予め中空となるように形成した絶縁材料12を、加熱せずにそのまま用いる点で、気泡噴出部材1aの絶縁材料12と異なる。なお、絶縁材料12の少なくとも一部、例えば、先端部に形成される気泡噴出口13の大きさは、気泡噴出部材1aと同様である。

 図6Aおよび図6Bは、気泡噴出部材1bの電極11の少なくとも一部、例えば、先端部の形状を示す概略断面図である。電極11に電圧を印加する際に、図6Aに示すように、電極11の先端部が電極11の長軸方向Xと略直交する形状の場合、電極11に印加した電荷Eは先端部で分散する。そのため、気泡2を発生することはできるが、気泡2が発生する箇所が分散する恐れがある。一方、図6Bに示すように、電極11の先端部を先鋭形状(先鋭部)111とし、電荷Eが先鋭部111に集中し易くすると、気泡2が発生する場所が同じになりやすい。先鋭形状(先鋭部)111とするには、例えば、電極11の長軸Xに対して先端部が傾斜するように、電極11の先端部を切断すればよい。なお、図6Bに示す実施形態では、先鋭部111は一か所である。電荷Eの集中との観点から先鋭部111は一か所の方が好ましいが、複数個所に設けてもよい。また、図6では、図5に示す中空状の電極11を用いた場合の例を示しているが、図4A乃至Cに示す電極11の場合も、先端部を先鋭形状(先鋭部)111とすることができる。なお、第2の実施形態の気泡噴出部材1bにおいても、電極11の先端部と記載した場合の意味は、第1の実施形態の気泡噴出部材1aと同様である。

 図1、図3乃至図5を参照して、気泡噴出部材1a(多筒式の気泡噴出チップを含む)、1bの例を示したが、気泡噴出部材1a、1bは単なる例示である。めっき方法に用いる気泡噴出部材は、めっき液中に気泡を噴出することで、めっき対象物をめっきすることができれば、気泡噴出部材1a、1b以外の構成であってもよい。また、本明細書において、「電極の少なくとも一部と気泡噴出口の間には絶縁材料で覆われた空隙」とは、「電極の少なくとも一部」と「気泡噴出口」との間に、絶縁材料で覆われた空隙(空間)が形成されることを意味する。例えば、(1)気泡噴出部材1aのように、空隙7の周囲が、電極11と、絶縁材料12と、気泡噴出口13とで構成、(2)気泡噴出部材1bのように、空隙7の周囲が、電極11と、絶縁材料12と、気泡噴出口13と、流路14とで構成、の何れも包含される。

 なお、本発明者らは、第1の実施形態で示した、中実の電極11を用いた気泡噴出部材1a、更に、気泡噴出部材1aの外周と離間した位置に絶縁性の外側外殻部材を配置した気液噴出部材を既に開示している(特許第5526345号参照)。しかしながら、特許第5526345号には、(1)中空の電極11を用い、電極11の内部に流路14を形成、および、(2)電極11と絶縁材料12との組み合わせにより流路14を形成、することについて記載されていない。したがって、第2の実施形態で示した気泡噴出部材1bは新規の気泡噴出部材である。また、気泡噴出部材1bは、第2の実施形態に係るめっき方法に好適に用いることができるが、その他の用途に用いてもよい。例えば、流路14からめっき液ではなく、DNA、RNA、タンパク質、アミノ酸、無機物等のインジェクション物質を含む液体を電極11の少なくとも一部、例えば、先端部に供給することで、局所インジェクション用の気泡噴出部材1bとして用いることもできる。したがって、流路14に供給される液体は、めっき液に限定されない。

 図7は、第2の実施形態に係るめっき方法の手順を示すフローチャートである。
(1)対向電極62が気泡噴出部材1bと別体の場合は、めっき対象物4のめっきをしたい箇所に対向電極62を配置する(S200)。なお、対向電極62が気泡噴出部材1bの構成要素として組み込まれている場合は、(S200)は不要である。
(2)流路14からめっき液3を気泡噴出部材1bの少なくとも一部、例えば、先端部に供給し、電極11(および対向電極62)をめっき液3に接触させる(S210)。
(3)電極11と対向電極62に電圧を印加することで、めっき対象物4をめっきする(S220)。

 第1及び第2の実施形態に係るめっき方法(以下、「本めっき方法」と記載することがある。)は、例えば、以下のデバイス作製等の用途に用いることができる。
(1)コンデンサーの作製;コンデンサーの作製時には、表面積を稼ぐために基板に微細な凹凸をつけることがある。本めっき方法を用いると、凹凸の作製と金属層の形成が同時にでき、効率よく作製できる。
(2)磁性体固定用アンカー;本めっき方法を用いると、例えば、めっき対象物にNiが付着した微細な凹部を形成できる。したがって、磁力によってめっき対象物上に微細な鉄柱を立てたり、磁気ビーズを固定するためのアンカーとして用いることができる。
(3)放熱性の改良;熱交換パーツ等に、本めっき方法により凹部を形成しながら放熱性の良い金属をめっきすることで、表面積の増加と放熱性の良い金属層の形成により、放熱効率を向上できる。
(4)情報の書き込み:例えば、2種類の異なるめっき液を用いて基板の複数個所に金属層を形成することで、二値化処理情報を埋め込むことができる。勿論、金属の種類を増やすことで、多値化処理情報を埋め込むことができる。
(5)個体識別情報の付与:上記(4)はめっき対象物が基板であるが、本めっき方法により、例えば、動物等の体内に金属を埋め込み、外部センサで埋め込んだ金属を読み込むことで、固体識別ができる。勿論、必要に応じて複数種類の金属を埋め込むことで、情報を埋め込むこともできる。

 上記に例示した用途は、めっき対象物4に間隔を設けてめっき(金属層を形成)した場合の用途であるが、気泡噴出工程の際に、気泡噴出口とめっき対象物の相対位置を変化させながら気泡を噴出することで、めっき対象物上に金属を連続的に形成することもできる。また、電力出力機構を調整することで、めっき対象物に凹部を連続的に形成し、当該凹部の内部に金属層を連続的に形成することもできる。その場合、めっきした金属層で回路を構成できるので、回路作製の用途にも用いることができる。

 本めっき方法は、めっき対象物をめっき液に浸漬する必要はなく、めっき対象部分のみにめっき液を供給すればよい。したがって、めっき液の量を少なくすることができ、且つ、屋外等のどのような場所でもめっき対象物にめっきができるという顕著な効果を奏する。

 また、本めっき方法により基板をめっきすると、気泡2の噴出力を調整することで、基板を削り取り、凹部を形成することができる。その際に、後述する実施例に示すとおり、凹部は、基板表面から基板内部方向に形成されるが、基板表面に対して略鉛直方向に凹部を切断視し、凹部の幅を基板表面に平行となる長さで比較した場合、凹部の基板の内部が、基板の開口部の長さより長い部分を有する形状となる。つまり、本めっき方法により作製した基板の凹部は、開口部の幅より内部の幅の方が大きくなる。

 特許文献1および2に示すとおり、エッチングまたは鋳型を転写した凹部に金属層を形成する技術は知られている。しかしながら、エッチングまたは鋳型を転写して凹部を形成する場合、通常、凹部の内部の幅は開口部と同じであるか狭くなる。一方、本めっき方法によりめっきした基板は、凹部の開口部の幅より内部の幅の方が大きく、且つ、凹部の内部に金属層が形成されることから、金属層が剥がれ難くなるという効果を奏する。したがって、本めっき方法で作製したデバイスは、従来の凹部形状とは異なる新規なデバイスである。

 以下に実施例を掲げ、各実施形態を具体的に説明するが、この実施例は単にその具体的な態様の参考のために提供されているものである。これらの例示は、発明の範囲を限定したり、あるいは制限するものではない。

<実施例1>
[気泡噴出部材1bの作製]
 先ず、PFAマイクロチューブ(外径0.3mm、内径0.1mm;アズワン(株)製)を1~2cmほどに切り分け、その中に2~3cmほどに切断した中空の銅管(外径0.08mm、内径0.03mm;日本特殊管(株)製)を挿入した。この時、チューブ(絶縁材料12)の先端と銅管(電極11)の先端の間に50~150μmほどの空隙ができるように挿入した。その後、瞬間接着剤アロンアルファゼリー状(東亞合成(株)製)を用いて、チューブと銅管を接着・固定することで、気泡噴出部材1bを作製した。図8Aは、作製した気泡噴出部材1bの先端部分の写真である。なお、電極11の先端部は先鋭形状となる処理は行わず、購入した銅管をそのまま使用した。次に、後述するめっき装置と接続しやすくするため、RB針 ネオラス 25G×1(テルモ(株)製)の針先の内側に、作製した銅管入りチューブの銅管がむき出しの部分を挿入し、銅管とRB針が接触した状態で接着剤SUPERXクリア(セメダイン(株)製)を用いて外れないように固定した。図8Bは、RB針に気泡噴出部材1bを挿入した写真である。

<実施例2>
[めっき装置の作製]
 次に、実施例1のRB針の針部分と医療用電気メスのメス先電極/鈍チップ(ディスポーザブル)(日本メディカルネクスト(株)製)を、タングステンワイヤーを介して接続した。接続部分はAgペースト(EPO-TEK;Epoxy Technology,Inc.製)を用いて接着した。このとき、メス先電極の先端部を1~2cmほどを切り落とした。Agペーストは、必要箇所に適量塗布し、ホットプレート(アズワン(株)製、HOT PLATE HP-2SA)にて140℃で20分間加熱し固めた。対向電極にもメス先電極/鈍チップ(ディスポーザブル)(日本メディカルネクスト(株)製)を用いた。電源装置には汎用電気メス用電源Hyfrecator2000(ConMed(株))を用い、気泡噴出部材1bと対向電極とを電線を用いて電気的に接続することで、めっき装置を作製した。

<参考例1>
[気泡噴出部材1aを用いためっき装置の作製]
 先ず、マイクロピペット用ボロシリケイトガラス管(外径1.37mm、内径0.93mm)(World precision instruments製)に銅線(直径100μm、ニラコ(株)製)を通し、ガラスプラーPC-10(ナリシゲ(株)製)によって加熱しながら引き切ることで、気泡噴出部材1aを作製した。この時、ガラス(絶縁材料12)と銅(電極11)の粘性の差により、銅線先端とガラス管の端面に差が生じ、ガラス管のほうが銅線よりも伸びた。この現象により、銅線先端とガラス管の端面との間に空隙が形成された。ガラス管の先端は、銅線よりも100~200μm伸びた状態となった。図9は、作製した気泡噴出部材1aの先端部分の写真である。

<実施例3>
[めっき装置の作製]
 次に、参考例1で作製した気泡噴出部材1aを用い、実施例2と同様の手順でめっき装置を作製した。

[めっき対象物へのめっき方法の実施]
 まず、実施例に用いた材料、めっき方法を以下に記載する。
<めっき対象物>
(1)PDMS(溶剤:硬化剤=10:1、東レ・ダウコーニング(株)製)
(2)プラスチック板(スチロール樹脂、(株)タミヤ製)
(3)シリコンウェハ((株)松崎製作所製 4inch Si片面ミラーウェハ)
(4)エポキシ系樹脂(Photoreactive Resin Clear(Formlabs社製))、
(5)鶏ササミ
(6)金属(錫板(Sn)、(株)ニラコ製)

<めっき液>
(1)スルファミン酸ニッケル溶液。組成は以下の通り。
 高純度60%スルファミン酸ニッケル溶液((株)日本化学産業):450g/L
 純水:適量
 ホウ酸((株)和光純薬工業):30g/L
 アミド硫酸((株)和光純薬工業):適量
 ピットレスS((株)日本化学産業):適量
 NSF―E((株)日本化学産業):適量
(2)硫酸銅(II)溶液。組成は以下の通り。
 硫酸銅(II)((株)和光純薬工業):200g/L

<めっき方法>
 めっき対象物上にめっき液を滴下し、めっき液の液滴を形成した。なお、めっき対象物には前処理は一切行わなかった。次に、対向電極を液滴に接触させた。次に、気泡噴出部材1a、1bの先端をめっき対象物に対し鉛直下向きに挿入し、めっき対象物と気泡噴出口との距離が50~100μmとなるように調整・固定した。そして、電気出力機構から気泡噴出部材1a、bと対向電極に電気を出力することで、めっき対象物へのめっきを行った。

<実施例4>
 実施例2のめっき装置、めっき対象物としてプラスチック板、めっき液としてスルファミン酸ニッケル溶液を用いた。電気の出力条件は、印加電圧35W(2000V)、電圧印加回数30(回)、パルス幅約1μsで行った。なお、電気出力は、無誘導抵抗10.1kΩを介して実験した。図10は、実施例4でめっきした後のめっき対象物の写真である。写真に示すように、プラスチック板に凹部が形成され、凹部の内部に金属層が形成されているのを確認した。

 次に、凹部の内部の金属層成分の確認を行った。成分の確認には、低真空走査電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製、EDX SU3500)を用いて計測した。
 図11は、測定結果を示す。図11から明らかなように、めっき後の凹部の内部の金属層から、Niのピークを確認した。プラスチック板、気泡噴出部材1bには、Ni成分は含まれていないことから、めっき後の凹部の内部の金属層のNiは、めっき液由来であることを確認した。

<実施例5>
 次に、実施例4において、プラスチック板と気泡噴出口の相対位置を変化させながら気泡を噴出した。図12は、実施例5でめっきした後のめっき対象物の写真である。写真に示すように、プラスチック板に凹部が連続的に形成され、凹部の内部に金属層も連続的に形成されていることを確認した。

<実施例6>
 めっき液として硫酸銅(II)溶液を用いた以外は、実施例4と同様の手順でめっきを行った。
 図13Aは、実施例6でめっきした後のめっき対象物の写真である。写真に示すように、めっき液として硫酸銅(II)を用いた場合でも、凹部の内部に金属層が形成されているのを確認した。

<実施例7>
 次に、実施例6において、プラスチック板と気泡噴出口の相対位置を変化させながら気泡を噴出した。図13Bは、実施例7でめっきした後のめっき対象物の写真である。写真に示すように、めっき液として硫酸銅(II)溶液を用いた場合にも、プラスチック板に凹部が連続的に形成され、凹部の内部に金属層も連続的に形成されていることを確認した。

<実施例8> 
 めっき対象物としてエポキシ系樹脂を用い、電気の出力条件を、印加電圧35W(2000V)で、40(回)とした以外は、実施例5と同様の手順でめっきを行った。
 図14は、実施例8でめっきした後のめっき対象物の写真である。写真の白丸部分に示すように、エポキシ系樹脂に凹部が連続的に形成され、凹部の内部に金属層が連続的に形成されているのを確認した。

<実施例9>
 めっき対象物として鶏ササミを用い、電気の出力条件を、印加電圧7W(1000V)で、30(回)とした以外は、実施例6と同様の手順でめっきを行った。
 図15は、実施例9でめっきした後のめっき対象物の写真である。写真の白丸部分に示すように、鶏ササミに金属が埋め込まれたことを確認した。

<実施例10>
 めっき対象物としてシリコンウェハ、電気の出力条件を印加電圧15W(1500V)で、10(回)とした以外は、実施例7と同様の手順でめっきを行った。
 図16は、実施例10でめっきした後のめっき対象物の写真である。なお、実施例10の写真は、めっき後のシリコン基板に上から光を当てた写真である。写真から明らかなように、金属層が連続的に形成されていることを確認した。

<実施例11>
 めっき対象物として錫板、電気の出力条件を、印加電圧15W(1500V)で、40(回)とした以外は、実施例6と同様の手順でめっきを行った。
 図17は、実施例11でめっきした後のめっき対象物の写真である。写真の白丸部分に示すように、錫板に凹部が形成されたことを確認した。

<実施例12>
 めっき対象物としてPDMSを用い、電気の出力条件を印加電圧15W(1500V)で、30(回)とした以外は、実施例4と同様の手順でめっきを行った。
 次に、めっき方法により形成した凹部を、略鉛直方向に切断した。図18は実施例12でめっきした後の凹部の断面の写真である。本めっき方法により形成された凹部の幅を基板表面に平行となる長さで比較した場合、凹部の開口部(点線A)から内部に向かうにしたがって幅は徐々に短くなるが(点線B)、その後、凹部の幅は徐々に長くなり、最大の幅(点線C)となった後は再び狭くなった。そして、凹部内の幅の最も長い箇所(点線C)の長さは、開口部(点線A)の長さより長かった。これは、気泡2が基板を削る際の切削された基板材料の変形が影響していると考えられる。
 以上の結果より、本めっき方法により基板をめっきした場合には、基板に形成された凹部は、開口部の幅より内部の幅の方が大きくなる箇所があることを確認した。
 また、写真中の矢印の先端は、金属層を示している。金属層が凹部の内部に形成されることから、基板表面をこすっても金属層が剥がれることはない。したがって、本めっき方法により基板をめっきすると、基板の前処理等をすることなく金属層を形成することができ、更に、金属層の耐摩耗性が向上するという顕著な効果が得られる。

<実施例13>
 実施例3のめっき装置、めっき対象物としてPDMS、めっき液としてスルファミン酸ニッケル溶液を用いた。電気の出力条件は、印加電圧15W(1200V)で、100(回)で行った。
 図19は、実施例13のめっき対象物のめっき後の写真である。めっき対象物に凹部が形成され、凹部の内部に金属層が形成されたことを確認した。

<実施例14>
[気泡噴出部材1bの先端部へのめっき液の供給]
 実施例1で作製した気泡噴出部材1bに接続したRB針 ネオラス 25G×1のプラスチック針基(図8Bの針の右側部分)から、ポンプで押圧しながら、硫酸銅(II)溶液を銅管内に供給した。図20Aはめっき液の供給前の写真、図20Bはめっき液を供給後の写真である。図20A及びBから明らかなように、内部に流路を有する気泡噴出部材1bを用いた場合、気泡噴出部材1bの先端部に、流路を介してめっき液を供給できることを確認した。

<実施例15>
[金属ナノ粒子を含有するめっき液を用いためっき]
 金属ナノ粒子としてニッケルナノ粒子(平均粒子径約100nm、シグマ アルドリッチ社製、577995-5G)を用いた。また、溶媒には、生理食塩水(富士フイルム和光純薬社製)を用いた。溶媒10gに、ニッケルナノ粒子1gを添加することで、実施例15のめっき液を作製した。
 次に、めっき対象物としてゴム基板(AS-ONE社製、8-4053-01)を使用し、以下の手順でゴム基板にめっきを行った。
(1)重しを使用しゴム基板を伸ばした。
(2)作製しためっき液をゴム基板上に滴下した。
(3)実施例3で作製しためっき装置を用い、電気の出力条件は、印加電圧15W(1200V)で、40(回)、パルス幅約1μsで、ゴム基板と気泡噴出口の相対位置を変化させながら気泡を噴出した。

 図21Aは、めっき後のゴム基板を伸ばした状態の写真、図21Bは、重しを外して縮めた後のゴム基板の写真である。めっき対象物としてゴム等の伸縮可能な材料を用いた場合、図21AおよびBに示すように、めっき対象物を伸ばした状態でめっきし、めっき後にめっき対象物を元の状態に戻すことで、めっきした金属の接触性を高めることができる。

 次に、図21Bに示す元の状態に戻したゴム基板上のめっき箇所の両端に、電線を接触するように配置した。次に、配置した電線に、電源とLEDを繋ぐことで、めっき箇所の導電能を確認した。図21Cは、導電能の確認実験の結果を示す写真である。図21Cに示すように、LEDが点灯したことから、ゴム基板上のめっき箇所は、回路として機能することを確認した。実施例15の結果より、センサ付きゴム手袋等への応用が期待される。

 本明細書で開示するめっき方法は、多様なめっき対象物に前処理を実施することなく、所定の位置にめっきできる。また、気泡噴出部材およびめっき装置は、めっき方法に好適に用いることができる。また、本明細書で開示するめっき方法により、新規なデバイスを作製することができる。したがって、例えば、半導体製造分野、情報処理分野、畜産・農林水産分野等、めっきが必要な分野において有用である。

1a、1b…気泡噴出部材、2…気泡、3…めっき液、4…めっき対象物、5…めっき(金属層)、6…電気出力機構、7…空隙、11…電極、12…絶縁材料、13…気泡噴出口、14…流路、15…貯蔵部、61…電源装置、62…対向電極、63…電線、64…無誘導抵抗、65…入出力ポート(DIO;Digital Input Output)、66…制御装置、111…先鋭形状(先鋭部)

Claims (13)

  1.  めっき液を用いためっき対象物へのめっき方法であって、
     該めっき方法は、
      気泡噴出部材で生成した気泡をめっき液に噴出する気泡噴出工程、
    を少なくとも含み、
     気泡噴出部材は、
      導電材料で形成された電極、及び、
      電極の少なくとも一部を覆う絶縁材料、
    を含み、
      絶縁材料の少なくとも一部は気泡噴出口を形成し、電極の少なくとも一部と気泡噴出口の間には絶縁材料で覆われた空隙が形成されている、
     めっき方法。
  2.  めっき液が金属イオンを含有し、
     気泡噴出工程の際に、気泡噴出部材で生成した気泡をめっき液に噴出することで、めっき液中の金属イオンを金属にする、
     請求項1に記載のめっき方法。
  3.  めっき液が金属ナノ粒子を含有する、
     請求項1または2に記載のめっき方法。
  4.  気泡噴出工程が、噴出した気泡でめっき対象物に凹部を形成し、該凹部の中に金属が形成される、
     請求項1乃至3の何れか一項に記載のめっき方法。
  5.  気泡噴出工程が、気泡噴出口とめっき対象物の相対位置を変化させながら気泡を噴出することで、めっき対象物に金属を連続的に形成する、
     請求項1乃至4の何れか一項に記載のめっき方法。
  6.  気泡噴出部材が、電極の少なくとも一部にめっき液を供給する流路を含み、
     流路は、
      電極の内部に形成、及び/又は、
      電極と絶縁材料との組み合わせにより形成、
    されている、請求項1乃至5の何れか一項に記載のめっき方法。
  7.  電極の少なくとも一部が、先鋭形状である、
     請求項1乃至6の何れか一項に記載のめっき方法。
  8.  めっき対象物が、金属、樹脂、動物、植物から選択される1種である、
     請求項1乃至7の何れか一項に記載のめっき方法。
  9.  導電材料で形成された電極、及び、
     電極の少なくとも一部を覆う絶縁材料、
    を含み、
     絶縁材料の少なくとも一部は気泡噴出口を形成し、電極の少なくとも一部と気泡噴出口の間には絶縁材料で覆われた空隙が形成された気泡噴出部材であって、
     気泡噴出部材は、電極の少なくとも一部に液体を供給する流路を含み、
     流路は、
      電極の内部に形成、及び/又は、
      電極と絶縁材料との組み合わせにより形成、
    されている、気泡噴出部材。
  10.  電極の少なくとも一部が、先鋭形状である、
     請求項9に記載の気泡噴出部材。
  11.  請求項9または10に記載の気泡噴出部材、及び、
     気泡噴出部材から気泡を噴出させるための電気出力機構、
    を含む、めっき装置。
  12.  基板、該基板に形成された凹部、及び、該凹部の内部に形成した金属層、
    を少なくとも含み、
     凹部は、基板表面から基板内部方向に形成され、
     基板表面に対して略鉛直方向に凹部を切断視し、凹部の幅を基板表面に平行となる長さで比較した場合、
     凹部の基板内部が、基板の開口部の長さより長い部分を有する形状である、
    デバイス。
  13.  凹部が連続的に形成され、連続的に形成された凹部の内部に、金属が連続的に配置されている、
     請求項12に記載のデバイス。
     
PCT/JP2018/038580 2017-10-19 2018-10-17 めっき方法、気泡噴出部材、めっき装置、および、デバイス WO2019078229A1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017-202994 2017-10-19
JP2017202994 2017-10-19

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2019078229A1 true WO2019078229A1 (ja) 2019-04-25

Family

ID=66174040

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2018/038580 WO2019078229A1 (ja) 2017-10-19 2018-10-17 めっき方法、気泡噴出部材、めっき装置、および、デバイス

Country Status (1)

Country Link
WO (1) WO2019078229A1 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0296729U (ja) * 1989-01-19 1990-08-01
JP2009065207A (ja) * 2008-12-10 2009-03-26 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 集積回路チップ上の電気めっき相互接続構造
JP2015048268A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 独立行政法人科学技術振興機構 タンパク質結晶装置用の気泡噴出部材及びタンパク質吸着気泡噴出部材、タンパク質結晶装置及びタンパク質結晶化方法、並びにタンパク質結晶切削装置及びタンパク質結晶切削方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0296729U (ja) * 1989-01-19 1990-08-01
JP2009065207A (ja) * 2008-12-10 2009-03-26 Internatl Business Mach Corp <Ibm> 集積回路チップ上の電気めっき相互接続構造
JP2015048268A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 独立行政法人科学技術振興機構 タンパク質結晶装置用の気泡噴出部材及びタンパク質吸着気泡噴出部材、タンパク質結晶装置及びタンパク質結晶化方法、並びにタンパク質結晶切削装置及びタンパク質結晶切削方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3099608A (en) Method of electroplating on a dielectric base
JP3655961B2 (ja) 回路パッケージに半田を選択的に付着する方法
CN102388422B (zh) 透明导电膜及使用该透明导电膜的导电性基板
US20050227398A1 (en) Method of manufacturing an electrical lead
JP5801195B2 (ja) 基板の表面をパターニングするためにプラズマ放電を起こすデバイス
EP0109756A2 (en) A method of construction of a monolithic ink jet print head
Adams et al. Conformal printing of electrically small antennas on three‐dimensional surfaces
US7682652B2 (en) Surface treatment method, circuit lines formation method, circuit lines formation apparatus, and printed circuit board formed thereby
JP2007129759A (ja) 導電性パターン、アンテナ及び製造方法
KR100188481B1 (ko) 유전기질과 도금기질을 직접 전기도금 하는 방법
WO2005073985A1 (ja) 導電性微粒子及び異方性導電材料
US20120255762A1 (en) Metal nanowires, method for producing same, transparent conductor and touch panel
CN102970829B (zh) 衬底的制备方法
JP2010517256A (ja) 構造化された導電性表面の製造方法
CN101147295B (zh) 平面天线及其制造方法
CN102421256A (zh) 非导电性载体形成电路结构的制造方法
KR101038351B1 (ko) 회로 기판 및 그 제조 방법
US5837118A (en) Method of producing hollow electroformed product of precious metal
RU2218680C2 (ru) Способ и устройство для нанесения на печатную схему токопроводящих дорожек
EP1221374A3 (en) Ink-jet printhead having hemispherical ink chamber and method for manufacturing the same
KR100697981B1 (ko) 나노 입자, 도전성 잉크 및 배선형성 장치
US20130082368A1 (en) Emi shielded semiconductor package and emi shielded substrate module
EP0370438A1 (en) Method for preparing a flexible electrical connector
WO2006100790A1 (ja) 配線基板の製造方法及び配線基板
KR100780196B1 (ko) 발광다이오드 패키지, 발광다이오드 패키지용 회로기판 및그 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 18868306

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1