WO2017130405A1 - 開閉スイッチ - Google Patents
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Definitions
- One of the first contact and the second contact is a fixed contact, and the other of the first contact and the second contact is a movable contact.
- the movable contact may be either the first contact or the second contact.
- the inner diameter of the through hole 38 gradually decreases as it approaches the front end surface 33.
- the inner diameter of the through hole 38 may be constant.
- the through hole 38 includes a small diameter portion 36 that opens at the distal end surface 33, and a large diameter portion 37 that has an outer diameter larger than that of the small diameter portion 36.
- the small diameter portion 36 extends from the movable contact portion 34 in the direction opposite to the fixed contact 14.
- the opening 35 is a part of the small diameter portion 36.
- Each of the small diameter portion 36 and the large diameter portion 37 has a rectangular longitudinal section.
- the small diameter part 36 and the large diameter part 37 are coaxial.
- the large diameter portion 37 is longer than the small diameter portion 36 in the facing direction D1.
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Abstract
開閉スイッチ1は、銅合金で形成された固定接触部および可動接触部が互いに離れた開位置と、開口部35が固定接触部から離れた状態で固定接触部および可動接触部が互いに接触する閉位置との間で、固定接点14および可動接点11が対向方向D1に相対的に移動できるように、固定接点14および可動接点11を保持するホルダー4、5と、固定接触部および可動接触部が互いに接触する接触位置に供給されるべきグリスを保持しており、可動接点11によって形成されたグリス保持部38とを含む。
Description
本発明は、電気回路を開閉する開閉スイッチに関する。
特許文献1には、電気回路を開閉する常時閉のスイッチ装置が開示されている。
固定接点および可動接点の接触面にはフッ素系のグリスが塗布されている。固定接点および可動接点の接触面だけでなく、固定接点および可動接点に対向する対向面にもフッ素系のグリスを塗布することが提案されている。可動接点の接触面は、導電性の金属材料で形成されている。可動接点の接触面には、固定接点および可動接点が接触するときに両者の間からグリスを除去するための凹凸が設けられている。
固定接点および可動接点の間に介在するフッ素系のグリスは、通電によって発生するアーク熱により分解して、フッ化水素の気体を生成する。フッ化水素の気体は、空気中に漂うシリコンの気体と結合して、フッ化ケイ素の気体を生成する。これにより、絶縁性の酸化膜であるシリコン酸化膜で接点の表面が覆われ、導通不良が発生することが防止される、と記載されている。
特許文献1には、固定接点および可動接点の接触面にグリスを塗布することが開示されている。さらに、固定接点および可動接点に対向する対向面にもグリスを塗布することが開示されている。
しかしながら、固定接点および可動接点の接触面にグリスを塗布するだけでは、固定接点および可動接点からグリスが直ぐに無くなってしまう。さらに、固定接点および可動接点に対向する対向面にグリスを塗布したとしても、対向面は、固定接点および可動接点から離れているので、対向面上のグリスを固定接点および可動接点に供給することができない。
固定接点および可動接点からグリスが無くなると、摩耗粉などの異物が両者の間に発生し易くなる。異物が固定接点および可動接点の間に挟まると、固定接点および可動接点の接触抵抗が増加する。さらに、固定接点および可動接点からグリスが無くなると、酸化や腐蝕などの変質が発生し易くなる。接触面が変質すると、固定接点および可動接点の接触抵抗が大幅に増加してしまう場合がある。
特許文献1は、可動接点の接触面が導電性の金属材料で形成されていると開示しているだけで、接触面の具体的な材料については開示していない。銀などの貴金属で接触面が形成されている場合、銅合金などの他の材料で形成されている場合と比較して接触面の変質が起こり難い。しかしながら、固定接点および可動接点の接触面を貴金属で形成すると、材料費が上昇する。通常は、貴金属の使用量を減らすために、メッキや圧着により銅製の接点の外表面を貴金属で覆う。しかしながら、この場合、加工時間が増加する上に、加工が複雑化する。
そこで、本発明の目的の一つは、コストの上昇を抑えながら、接触抵抗の大幅な増加を長期に亘って防止することができる開閉スイッチを提供することである。
本発明の一実施形態は、電気回路を開閉する開閉スイッチであって、銅合金で形成された第1接触部を含む第1接点と、銅合金で形成されており対向方向に前記第1接触部に対向する第2接触部と、前記第2接触部から前記第1接触部とは反対の方に凹んだ退避部とを含む第2接点と、前記第1接触部および第2接触部が互いに離れた開位置と前記退避部が前記第1接触部から離れた状態で前記第1接触部および第2接触部が互いに接触する閉位置との間で前記第1接点および第2接点が前記対向方向に相対的に移動できるように、前記第1接点および第2接点を保持するホルダーと、前記第1接触部および第2接触部が互いに接触する接触位置に供給されるべきグリスを保持しており、前記第1接点および第2接点の少なくとも一方によって形成されたグリス保持部とを含む、開閉スイッチを提供する。
第1接点および第2接点の一方は、固定接点であり、第1接点および第2接点の他方は、可動接点である。可動接点は、第1接点および第2接点のいずれであってもよい。
本発明者らの研究によると、開閉スイッチの接触抵抗の増加は、主として、変質および異物が原因していることが分かった。
変質には、接点の酸化、腐蝕、および溶融が含まれる。異物は、開閉スイッチの外から進入する異物(塵埃など)と、開閉スイッチの中で発生する異物とを意味する。開閉スイッチの中で発生する異物には、接点の摩耗によって発生する微細な粉末と、接点の腐蝕によって発生する物質とが含まれる。
異物が接点間に挟まると、接触抵抗が増加してしまう。可動接点が固定接点に摺動しながら開位置と閉位置との間を移動する摺動スイッチであれば、固定接点および可動接点の間に異物が介在したとしても、この異物は可動接点の移動によって両者の間から除去される。しかしながら、開閉スイッチの場合は、可動接点の移動方向が摺動スイッチの場合とは異なるので、固定接点および可動接点の間から異物が除去され難い。
開閉スイッチにおいて接点の外表面が銅合金で形成されている場合、主として、酸化銅(Cuo)、亜酸化銅(Cu2o)、および水酸化銅(Cu(OH)2)の少なくとも一つが生成される。これら全ての生成を防止することは困難である。酸化銅および水酸化銅は、亜酸化銅よりも電気抵抗率が大きい。酸化銅および水酸化銅が生成されると、開閉スイッチの接触抵抗が大幅に上昇してしまう。そのため、本発明者らは、開閉スイッチの接触抵抗の大幅な増加を長期に亘って抑えるために、酸化銅および水酸化銅の生成を抑えながら、亜酸化銅の生成だけを許容することにした。
湿度の高い環境で開閉スイッチを使用すると、湿食(wet corrosion)により酸化銅および水酸化銅が生成される。温度の高い環境で開閉スイッチを使用すると、高温酸化により酸化銅が生成される。言い換えると、高湿または高温でなければ、亜酸化銅が生成され易い。また、亜酸化銅の生成だけを許容したとしても、亜酸化銅の厚みが大きくなると、亜酸化銅だけでなく酸化銅も生成される。さらに、亜酸化銅が酸化すると酸化銅に変化する。そのため、単に亜酸化銅の生成だけを許容するのではなく、亜酸化銅の生成量および酸化を抑える必要がある。
本実施形態では、第2接触部から凹んだ退避部が第2接点に設けられているので、退避部が設けられていない場合と比較して、第1接点および第2接点の接触面積が小さく、電流密度が高い。そのため、小さい電流が開閉スイッチを流れる場合であっても、第1接点および第2接点の接触部の温度を高い温度(好ましくは、水の沸点またはその近傍)にまで上昇させることができる。これにより、接触部から水分を排除することができる。さらに、後述するように、接触部が安定してグリスで覆われるので、水分が両者に付着し難い。これにより、湿食による酸化銅および水酸化銅の生成を抑えることができる。
また本実施形態では、グリス保持部内のグリスが、第1接点および第2接点の両方に安定して供給されるので、第1接点および第2接点の摩耗を抑えることができ、摩耗粉の発生量を減らすことができる。これにより、異物に起因する接触抵抗の上昇を防止できる。さらに、グリスを安定して供給することにより、空気中の酸素が第1接点および第2接点に接触することを防止でき、酸化物の生成量を減らすことができる。前述のように、亜酸化銅の生成量が大きくなると、亜酸化銅だけでなく酸化銅も生成される。さらに、亜酸化銅が酸化すると酸化銅に変化する。グリスを安定して供給することにより、亜酸化銅の生成速度を遅らせることができると共に、亜酸化銅の酸化を抑えることができる。これにより、酸化銅の生成を抑えることができる。
開閉スイッチを流れる電流が大きくなると、第1接点および第2接点の発熱量が上昇する。電流が大きい場合は、高温酸化により酸化銅が生成されるかもしれない。しかしながら、第1接点および第2接点は、安定してグリスが供給される接触位置で接触する。第1接点および第2接点の熱はグリスに伝達される。そのため、第1接点および第2接点の接触部から水分を排除しながら、接触部の過熱を防止することができる。これにより、高温酸化による酸化銅の生成を抑えることができる。さらに、第1接点および第2接点の過熱を防止できるので、溶融による第1接点および第2接点の形状の変化を防止することができ、形状の変化に起因する接触抵抗の上昇を防止できる。さらに、炭素原子や水素原子を含むグリスが気化または分解すると、還元性雰囲気が接触部のまわりに形成される。これにより、酸化物の生成速度を低下させることができる。
また本実施形態では、第2接点に設けられた第2接触部の面積が減少しているので、異物が第1接触部と第2接触部との間に挟まり難い。そのため、異物の介在による接触抵抗の増加を防止することができる。さらに、第1接点および第2接点がそれらの外表面にグリスを保持するので、異物は第1接点または第2接点上のグリスに捕捉される。そのため、異物が第1接触部および第2接触部の方に近寄り難い。さらに、第2接点が第1接点に接触する直前では、第1接点上のグリスが第2接触部によって第1接触部および第2接触部から離れる方向に押される。それに伴って、第1接点上の異物が、グリスと共に第1接触部および第2接触部から離れる。これにより、異物の介在による接触抵抗の増加を効果的に防止することができる。
また本実施形態では、グリス保持部が、第1接点および第2接点の少なくとも一方によって形成されている。電流が第1接点および第2接点を流れると、第1接点および第2接点が発熱する。それに伴って、第1接点および第2接点の熱がグリス保持部内のグリスに伝達され、グリスの流動性が高まる。そのため、開閉スイッチが開閉される度に、グリスがグリス保持部から排出され、第1接点および第2接点の接触部に供給される。これにより、第1接点および第2接点の接触部がグリスによって覆われた状態を長期に亘って維持できる。
本実施形態において、以下の少なくとも一つの特徴が、前記開閉スイッチに加えられてもよい。
前記退避部は、前記第2接点の内部で閉じた凹部または前記第2接点を貫通する貫通穴を含み、前記グリス保持部は、前記凹部または貫通穴を含む。
この構成によれば、グリス保持部が第2接点に設けられている。第2接点の退避部は、グリス保持部を形成している。退避部が第2接点の内部で閉じた凹部である場合、第2接点を貫通する貫通穴である場合と比較して退避部の加工が容易である。その一方で、退避部が第2接点を貫通する貫通穴である場合、凹部である場合と比較してグリスの保持量を増やすことができる。
前記グリス保持部は、前記対向方向に前記第2接触部に対向する底面と前記底面の縁から前記第2接点の方に突出する筒状の周面とが設けられたグリス保持凹部を含み、前記第1接触部は、前記グリス保持凹部の前記底面に設けられている。
この構成によれば、グリス保持部が第1接点に設けられている。第1接点の第1接触部は、グリス保持凹部の底面に設けられている。第2接点の第2接触部は、グリス保持凹部の周面によって囲まれた空間内で第1接触部に接触する。このとき、グリス保持凹部への酸素の進入は、グリス保持凹部の周面によって遮断される。さらに、グリス保持凹部に保持されたグリス内で第1接点および第2接点が接触するので、気体中での放電の一種であるアーク放電が発生し難い。しかも、グリス保持凹部の周面があるので、グリスを確実にグリス保持凹部内に止めることができる。
前記第2接触部は、前記第1接触部に線接触または複数の位置で点接触する。
この構成によれば、第2接触部が第1接触部に線接触または複数の位置で点接触するので、第2接触部が第1接触部に面接触する場合と比較して、第1接点および第2接点の接触面積が小さく、電流密度が高い。そのため、小さい電流が開閉スイッチを流れる場合であっても、第1接点および第2接点の接触部の温度を高い温度にまで上昇させることができる。さらに、第2接触部の面積が減少しているので、異物が第1接触部と第2接触部との間に挟まり難い。そのため、異物の介在による接触抵抗の増加を防止することができる。
前記対向方向に直交する平面上に位置する前記第2接触部の断面の面積は、前記第1接点に近づくにしたがって減少している。
この構成によれば、第2接触部が第1接点の方に先細りとなっており、第2接触部の断面の面積が第1接点に近づくにしたがって減少している。言い換えると、第2接触部の根元の断面積は、第2接触部の先端の断面積よりも大きい。第2接触部は、対向方向に対して斜めに傾いた傾斜部を含む。第1接触部および第2接触部の間に位置する異物は、第1接点および第2接点が互いに近づく際に、第2接触部の傾斜部によって第2接触部から離れる方向に押される。したがって、異物が第1接点および第2接点の間に進入し難い。
前記第2接触部は、前記第2接触部の全周に亘って連続した環状である。
この構成によれば、第2接触部が環状に配置されているので、第2接触部が第1接触部に一箇所で点接触する場合と比較して、第1接点および第2接点が接触したときに第2接触部に生じる応力を分散させることができる。これにより、第2接触部の耐久性を高めることができる。さらに、第2接触部が全周に亘って連続しているので、第2接触部が分割されている場合と比較して、第2接触部の強度を高めることができる。
前記第2接触部は、環状に並んだ複数の分割部を含む。複数の分割部は、後述する複数の突起であってもよい。
この構成によれば、第2接触部が環状に配置されているので、第2接触部が第1接触部に一箇所で点接触する場合と比較して、第1接点および第2接点が接触したときに第2接触部に生じる応力を分散させることができる。さらに、環状に並んだ複数の分割部が第2接触部に設けられているので、第2接触部が全周に亘って連続している場合と比較して、第1接点および第2接点の接触面積をさらに減少させることができる。
前記第2接触部は、前記第1接点の方に突出する複数の突起を含み、前記退避部は、前記複数の突起の間に形成された複数の溝部を含む。
この構成によれば、第1接点の方に突出する複数の突起と、複数の突起の間に形成された複数の溝部とが第2接点に設けられている。溝部は、突起の先端から第1接点とは反対の方に凹んでおり、第1接点の方に開いている。第1接点および第2接点が閉位置に配置されると、突起の側面に相当する溝部の内面が第1接点から離れた状態で、各突起の先端が第1接触部に接触する。このように、面積の小さい突起の先端を第1接触部に接触させるので、異物が第1接点および第2接点の間に挟まることを回避しながら、第1接点および第2接点の接触面積を減少させることができる。
前記退避部は、前記第2接触部を前記対向方向に見たときに前記第2接触部に取り囲まれた開口部を含む。
この構成によれば、第1接点の方に開いた開口部が第2接点に設けられている。開口部は、第2接触部から第1接点とは反対の方に凹んでいる。第2接触部は、開口部を取り囲むように環状に配置されている。第1接点および第2接点が閉位置に配置されると、開口部の内面が第1接点から離れた状態で、環状の第2接触部が第1接触部に接触する。したがって、第2接触部が第1接触部に一箇所で点接触する場合と比較して、第1接点および第2接点が接触したときに第2接触部に生じる応力を分散させることができる。
前記ホルダーは、前記第1接点を保持する第1ホルダーと、前記第2接点を保持しており、前記第1ホルダーに対して移動できるように前記第1ホルダーに連結された第2ホルダーとを含み、前記第1ホルダーおよび第2ホルダーの一方は、前記第1接触部および第2接触部を接触させるときにユーザーによって押される操作部を含む。
この構成によれば、操作部が押されると、第1ホルダーおよび第2ホルダーが互いに近づき、第1接触部および第2接触部が互いに接触する。開閉スイッチがユーザーの力によって閉じられるので、第1接触部および第2接触部が大きな力で押し付けられる場合がある。そのため、第1接触部および第2接触部の接触面積を減少させるだけではなく、第1接触部および第2接触部の強度を確保する必要がある。第2接触部は、第1接触部に一箇所で点接触するのではなく、環状の領域または複数の領域で第1接触部に接触する。そのため、第2接触部が第1接触部に一箇所で点接触する構造に比較して、第2接触部の強度を高めることができ、第2接触部の変形を防止できる。
前記ホルダーは、前記第1接点を保持する第1ホルダーと、前記第2接点を保持しており、前記第1ホルダーに対して移動できるように前記第1ホルダーに連結された第2ホルダーとを含み、前記第2接点は、前記第1ホルダーおよび第2ホルダーの両方に対して移動可能である。
この構成によれば、第2接点は、第1ホルダーだけでなく第2ホルダーに対しても移動可能である。第1接触部および第2接触部を互いに近づけているときに、異物が第1接触部および第2接触部の間に挟まると、第2接点を移動させる力が発生する。第2接点は、この力によって第1ホルダーおよび第2ホルダーの両方に対して移動する。このとき、第2接触部は、異物を避けながら第1接触部に近づく。これにより、第1接触部および第2接触部を確実に接触させることができる。
本発明における前述の、またはさらに他の目的、特徴および効果は、添付図面を参照して次に述べる実施形態の説明により明らかにされる。
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る開閉スイッチ1の部分断面図である。図1は、開閉スイッチ1の開状態を示しており、図2は、開閉スイッチ1の閉状態を示している。開状態は、固定接点14および可動接点11が互いに離れた状態であり、閉状態は、固定接点14および可動接点11が互いに接する状態である。
開閉スイッチ1は、電源2の電力を電気機器3に供給する電気回路を開閉するスイッチである。開閉スイッチ1の固定接点14は、負極に接続されており、開閉スイッチ1の可動接点11は、正極に接続されている。固定接点14および可動接点11は、これとは逆の関係で電源2に接続されていてもよい。
開閉スイッチ1は、船舶または車両に備えられていてもよいし、これら以外の輸送手段に備えられていてもよい。車両は、雪上を走行する雪上車両または陸上を走行する陸上車両であってもよいし、これら以外の車両であってもよい。陸上車両は、二輪車、三輪車、および四輪車を含む。鞍乗型車両は、雪上車両および陸上車両のいずれにも属する。開閉スイッチ1が鞍乗型車両の一例である自動二輪車に備えられている場合、電気機器3の具体例は、リレー、スターターモータ、ホーン、およびライトのいずれかである。
開閉スイッチ1は、ユーザーの押圧操作に応じて閉じる常時開のプッシュスイッチである。開閉スイッチ1は、自動で開閉する自動スイッチであってもよいし、常時閉のスイッチであってもよい。開閉スイッチ1は、車両等に設けられた支持部材に固定される固定ホルダー4と、固定ホルダー4に移動可能に連結された可動ホルダー5と、固定ホルダー4および可動ホルダー5の間に介在するコイルバネ6とを含む。固定ホルダー4は、第1ホルダーの一例であり、可動ホルダー5は、第2ホルダーの一例である。
固定ホルダー4および可動ホルダー5は、開閉スイッチ1の連結機構7によって連結されている。連結機構7は、可動ホルダー5が固定ホルダー4に対して回転できるように固定ホルダー4および可動ホルダー5を連結する回転機構である。連結機構7は、可動ホルダー5が固定ホルダー4に対して平行移動できるように固定ホルダー4および可動ホルダー5を連結するスライド機構であってもよい。回転機構は、固定ホルダー4に設けられた固定部8と、可動ホルダー5に設けられた回転部9と、固定部8および回転部9を互いに連結する連結軸10とを含む。回転部9は、固定部8に対して連結軸10まわりに回転可能である。
開閉スイッチ1は、固定ホルダー4に保持された固定接点14と、可動ホルダー5に保持された可動接点11とを含む。可動ホルダー5は、固定接点14および可動接点11が互いに離れた開位置(図1に示す位置)と、固定接点14および可動接点11が互いに接する閉位置(図2に示す位置)との間で、固定ホルダー4に対して移動可能である。可動ホルダー5は、コイルバネ6の反発力によって開位置に保持されている。可動ホルダー5に設けられた操作部5aがユーザーによって押されると、コイルバネ6が縮み、開閉スイッチ1が開状態から閉状態に切り替わる。その後、ユーザーが操作部5aを離すと、コイルバネ6が延び、開閉スイッチ1が元の状態に戻る。
可動接点11が連結軸10まわりに回転すると、可動接点11は円弧状の移動経路に沿って移動する。可動接点11の移動方向は、厳密には、曲線状の方向である。しかしながら、可動接点11の移動経路が短いので、可動接点11の移動方向は、実質的に真っ直ぐな方向であると見なせる。対向方向D1は、可動接点11の移動方向および軸方向に相当する。可動接点11が開位置から閉位置までのいずれの位置に位置しているときでも、可動接点11は、固定接点14に対向方向D1に対向している。可動接点11は、固定接点14に対して対向方向D1に移動し、固定接点14に対向方向D1に押し付けられる。対向方向D1は、実質的に真っ直ぐな方向に限らず、真っ直ぐな方向であってもよい。
固定接点14は、絶縁部材17および導電部材18を介して固定ホルダー4に保持されている。固定接点14は、可動接点11に接触する先端部15を含む。先端部15は、絶縁部材17の上に位置している。絶縁部材17は、導電部材18の上に位置しており、導電部材18は、固定ホルダー4の上に位置している。絶縁部材17の外周部は、周方向のいずれの位置においても、先端部15の外周部から外方に突出している。後述するように、導電部材18は介在部19を含む。介在部19の外周部は、周方向のいずれの位置においても、絶縁部材17の外周部から外方に突出している。コイルバネ6の根元部は、絶縁部材17の周囲で介在部19に支持されている。
固定接点14は、先端部15に加えて、第1配線22に接続される第1端子部16を含む。第1端子部16は、先端部15から可動接点11とは反対の方に延びている。第1端子部16は、絶縁部材17および導電部材18を貫通している。絶縁部材17および導電部材18は、先端部15と固定ホルダー4との間に位置している。第1端子部16は、導電部材18から離れており、導電部材18に接触していない。第1端子部16は、固定ホルダー4を貫通する第1通し穴21に挿入されており、第1通し穴21から先端部15とは反対の方に突出している。第1端子部16は、電気回路を形成する第1配線22に半田によって接続されている。
導電部材18は、固定ホルダー4の上に位置する介在部19と、介在部19から固定ホルダー4の内部に延びる第2端子部20とを含む。第2端子部20は、固定ホルダー4を貫通する第2通し穴23に挿入されており、第2通し穴23から介在部19とは反対の方に突出している。第2端子部20は、電気回路を形成する第2配線24に半田によって接続されている。導電部材18は、第2通し穴23に対する第2端子部20の嵌合によって、対向方向D1に直交する方向への移動が規制されている。これにより、固定接点14の第1端子部16に対する導電部材18の接触が防止されている。
コイルバネ6は、たとえば、円錐形の圧縮コイルバネである。コイルバネ6は、導電性材料で形成されている。コイルバネ6の先端部の外径は、コイルバネ6の根元部の外径よりも小さい。コイルバネ6は、固定接点14、可動接点11、および絶縁部材17を取り囲んでいる。コイルバネ6の根元部は、絶縁部材17の周囲で導電部材18に支持されており、絶縁部材17によって径方向への移動が規制されている。コイルバネ6の先端部は、可動接点11の周囲で可動接点11に支持されている。コイルバネ6の先端部は、可動接点11によって径方向への移動が規制されている。
可動接点11は、可動ホルダー5に保持されている。可動接点11は、可動ホルダー5の保持部5bに保持された被保持部12を含む。保持部5bは、被保持部12が挿入された凹部である。保持部5bの内周面は、全周に亘って可動接点11を取り囲んでいる。被保持部12の外周面は、保持部5bの内周面に接触しており、被保持部12の被支持面12aは、コイルバネ6の反発力によって保持部5bの底面に押し付けられている。可動接点11は、被保持部12の外周面と保持部5bの内周面との接触によって可動接点11の径方向および周方向への移動が規制されており、被保持部12の被支持面12aと保持部5bの底面との接触によって可動接点11の軸方向への移動が規制されている。可動接点11は、嵌合に限らず、インサート成形などの他の方法により可動ホルダー5に結合されていてもよい。
可動接点11は、被保持部12に加えて、固定接点14に接触する先端部13を含む。先端部13は、被保持部12よりも外径が小さい円柱状である。先端部13は、被保持部12と同軸である。先端部13は、被保持部12から固定接点14に向かって対向方向D1に延びている。先端部13は、可動ホルダー5の保持部5bから対向方向D1に突出している。被保持部12は、先端部13の外周面に連なる環状の環状端面12bを含む。環状端面12bは、周方向のいずれの位置においても、先端部13の外周面から外方に突出している。コイルバネ6の先端部は、環状端面12bによって支持されている。
固定ホルダー4および可動ホルダー5は、いずれも、合成樹脂などの絶縁材料で形成されている。固定接点14および可動接点11は、いずれも、銅合金などの導電性材料で形成されている。先端部15の外表面が銅合金で形成されていれば、固定接点14の全体が銅合金で形成されている必要はない。つまり、先端部15の外表面以外の固定接点14の一部が、銅合金以外の導電性材料で形成されていてもよい。同様に、先端部13の外表面が銅合金で形成されていれば、可動接点11の全体が銅合金で形成されている必要はない。
可動接点11は、コイルバネ6に電気的に接続されており、コイルバネ6は、導電部材18に電気的に接続されている。導電部材18の第2端子部20は、半田によって第2配線24に電気的に接続されている。その一方で、固定接点14は、絶縁部材17によって導電部材18から電気的に絶縁されている。固定接点14の第1端子部16は、半田によって第1配線22に電気的に接続されている。可動接点11が閉位置以外の位置に位置しているとき、固定接点14および可動接点11は電気的に絶縁されている。可動接点11が閉位置に配置されると、固定接点14および可動接点11は、コイルバネ6の内側の空間で互いに接触する。これにより、固定接点14および可動接点11が電気的に接続され、電流が第1配線22および第2配線24の間を流れる。可動接点11がいずれの位置に位置しているときでも、コイルバネ6は、可動接点11に接しており、固定接点14から離れている。
図3は、図2に示す固定接点14および可動接点11の断面図である。図4は、図3に示す可動接点11を固定接点14の方から対向方向D1に見た図である。図3および図4では、可動接点11が閉位置に配置されており、コイルバネ6等の図示が省略されている。
固定接点14は、可動接点11に対向方向D1に対向する先端面31を含む。先端面31は、固定接点14の外表面の一部である。先端面31は、銅合金で形成されている。先端面31は、たとえば、対向方向D1に直交する平面である。固定接点14は、先端面31に設けられた固定接触部32を含む。固定接触部32は、先端面31内の環状の領域である。固定接触部32は、可動接点11の中心線L1を取り囲んでいる。可動ホルダー5が閉位置に配置されると、可動接点11は、固定接触部32に押し付けられる。固定接点14は、第1接点の一例であり、固定接触部32は、第1接触部の一例である。
可動接点11は、先端に穴が設けられた半球状の先端面33を含む。先端面33は、可動接点11の外表面の一部である。先端面33は、銅合金で形成されている。先端面33は、固定接点14の方に突出する円弧状の縦断面を有している。縦断面は、可動接点11の中心線L1と平行な平面上に位置する断面を意味する。先端面33の縦断面は、可動接点11の中心線L1に関して対称である。先端面33の横断面の面積は、固定接点14に近づくにしたがって減少している。横断面は、可動接点11の中心線L1に直交する平面上に位置する断面を意味する。
図4に示すように、固定接点14の方から対向方向D1に可動接点11を見ると、先端面33は、可動接点11の中心線L1を取り囲む環状であり、先端面33の内周縁33iおよび外周縁33oは、いずれも円形である。先端面33の内周縁33iおよび外周縁33oは、同心である。先端面33の内周縁33iおよび外周縁33oの中心は、可動接点11の中心線L1上に位置している。先端面33の内周縁33iは、円に限らず、楕円などの円以外の形状であってもよい。先端面33の外周縁33oについても同様である。また、先端面33の内周縁33iおよび外周縁33oの少なくとも一方は、可動接点11の中心線L1に対して偏っていてもよい。
図3に示すように、可動接点11の先端面33の内周縁33iは、対向方向D1に直交する平面上に位置している。先端面33の内周縁33iは、可動接点11の先端に相当する。可動接点11の先端は、可動接点11において固定接点14に最も近い部分を意味する。可動接点11は、先端面33の内周縁33iを含む環状の可動接触部34を含む。可動接点11は、第2接点の一例であり、可動接触部34は、第2接触部の一例である。
図4では、可動接触部34にハッチングを施している。可動接触部34は、可動ホルダー5が閉位置に位置しているときに固定接点14に接触する領域を意味する。可動接触部34は、可動接点11の中心線L1を取り囲む環状の領域である。可動接触部34の幅は、たとえば、2mm以下である。固定接触部32が平面であり、可動接触部34が線状であるので、可動ホルダー5が閉位置に配置されると、可動接触部34は、固定接触部32に線接触する。
可動接点11の先端面33の内周縁33iは、先端面33で開口する開口部35を形成している。開口部35は、先端面33から固定接点14とは反対の方に延びる貫通穴38の一部である。開口部35は、固定接点14に対向方向D1に対向している。固定接点14の方から対向方向D1に可動接点11を見ると、開口部35は、可動接触部34に取り囲まれている。先端面33の内径は、開口部35の直径φ1に相当する。開口部35の直径φ1は、先端面33の幅W1、つまり、先端面33の内周縁33iから先端面33の外周縁33oまでの径方向の長さよりも小さい。開口部35の直径φ1は、先端面33の幅W1と等しくてもよいし、先端面33の幅W1よりも大きくてもよい。
可動接点11の貫通穴38は、グリス保持部および退避部の一例である。貫通穴38は、可動接点11を対向方向D1に貫通している。貫通穴38は、可動接点11の先端面33および被支持面12aで開口している。貫通穴38は、可動接点11の内周面39によって形成されている。可動接点11の内周面39は、貫通穴38の内周面に相当する。貫通穴38は、可動接点11の中心線L1に沿って延びている。可動接点11の内周面39は、可動接点11の中心線L1を取り囲んでいる。可動ホルダー5が閉位置に配置されたとしても、可動接点11の内周面39は、固定接点14に接触しない。
貫通穴38の内径は、先端面33に近づくにしたがって段階的に減少している。貫通穴38の内径は一定であってもよい。貫通穴38は、先端面33で開口する小径部36と、小径部36よりも大きい外径を有する大径部37とを含む。小径部36は、可動接触部34から固定接点14とは反対の方に延びている。開口部35は、小径部36の一部である。小径部36および大径部37は、いずれも、矩形状の縦断面を有している。小径部36および大径部37は、同軸である。大径部37は、小径部36よりも対向方向D1に長い。
可動接点11は、グリス保持部の一例である貫通穴38内にグリスを保持している。未使用の開閉スイッチ1の使用前において、貫通穴38は、グリスで満たされている。貫通穴38内のグリスは、開口部35で露出している。貫通穴38内に保持されるグリスは、主成分に相当する潤滑油と、潤滑油の粘性を高める増粘剤とを含む。グリスは、銅合金などの金属の酸化を防止する酸化防止剤をさらに含む酸化防止グリスであってもよいし、接点グリスであってもよいし、防錆グリスであってもよいし、これら以外のグリスであってもよい。
可動接点11を閉位置に移動させると、貫通穴38内のグリスが、開口部35から排出され、固定接点14の先端面31に塗布される。グリスが塗布される塗布領域40(図3参照)は、先端面31において開口部35に対向する円形の領域である。固定接触部32は、塗布領域40を取り囲む、塗布領域40に連続した環状の領域である。塗布領域40に塗布されたグリスは、塗布領域40の外に広がる。これにより、グリスが固定接触部32に供給される。その後に可動接触部34が固定接触部32に接触すると、固定接触部32上のグリスが可動接触部34に付着する。これにより、固定接触部32および可動接触部34の両方にグリスが供給される。
グリスが開口部35から排出されるとき、貫通穴38内のグリスは、排出されるグリスによって開口部35の方に引っ張られる。これにより、グリスが開口部35に補充される。さらに、可動接点11を閉位置の方に移動させると、貫通穴38内のグリスを開口部35の方に移動させる力が発生する。この力によっても、グリスが開口部35に補充される。さらに、通電により可動接点11が発熱し、グリスの流動性が高まるので、グリスが開口部35から排出されるのと同時に、貫通穴38内のグリスが開口部35に補充される。したがって、可動接点11が閉位置に移動する度に、貫通穴38内のグリスが固定接点14に塗布される。これにより、固定接触部32および可動接触部34の両方がグリスで覆われた状態を維持することができる。
また、可動接点11の可動接触部34は幅が極めて小さい環状の領域である。可動接触部34は、対向方向D1に直交する平らな形状ではなく、固定接点14に近づくにしたがって細くなる尖った形状を有している。可動接触部34の幅が小さいので、異物が固定接触部32および可動接触部34の間に挟まり難い。さらに、可動接触部34が尖っているので、可動接点11が固定接点14に近づく際に、固定接点14上の異物が、可動接触部34の傾斜部によって可動接触部34から離れる方向に押される。これにより、異物が固定接点14および可動接点11の間に進入することを防止できる。
このように、固定接点14および可動接点11がそれらの外表面にグリスを保持するので、異物は固定接点14または可動接点11上のグリスに捕捉される。そのため、異物が固定接触部32および可動接触部34の方に近寄り難い。さらに、可動接点11は、固定接触部32およびその近傍がグリスで覆われた状態で固定接点14に近づく。このとき、固定接触部32およびその近傍では、固定接点14上のグリスが可動接触部34によって固定接触部32および可動接触部34から離れる方向に押される。それに伴って、固定接点14上の異物が、グリスと共に固定接触部32および可動接触部34から離れる。そのため、異物が固定接触部32および可動接触部34の間に挟まることを確実に防止することができる。
本発明者らの研究によると、開閉スイッチ1の接触抵抗の増加は、主として、変質および異物が原因していることが分かった。
変質には、接点の酸化、腐蝕、および溶融が含まれる。異物は、開閉スイッチ1の外から進入する異物(塵埃など)と、開閉スイッチ1の中で発生する異物とを意味する。開閉スイッチ1の中で発生する異物には、接点の摩耗によって発生する微細な粉末と、接点の腐蝕によって発生する物質とが含まれる。
異物が接点間に挟まると、接触抵抗が増加してしまう。可動接点が固定接点に摺動しながら開位置と閉位置との間を移動する摺動スイッチであれば、固定接点および可動接点の間に異物が介在したとしても、この異物は可動接点の移動によって両者の間から除去される。しかしながら、開閉スイッチの場合は、可動接点の移動方向が摺動スイッチの場合とは異なるので、固定接点および可動接点の間から異物が除去され難い。
開閉スイッチ1において接点の外表面が銅合金で形成されている場合、主として、酸化銅(Cuo)、亜酸化銅(Cu2o)、および水酸化銅(Cu(OH)2)の少なくとも一つが生成される。これら全ての生成を防止することは困難である。酸化銅および水酸化銅は、亜酸化銅よりも電気抵抗率が大きい。酸化銅および水酸化銅が生成されると、開閉スイッチ1の接触抵抗が大幅に上昇してしまう。そのため、本発明者らは、開閉スイッチ1の接触抵抗の大幅な増加を長期に亘って抑えるために、酸化銅および水酸化銅の生成を抑えながら、亜酸化銅の生成だけを許容することにした。
湿度の高い環境で開閉スイッチ1を使用すると、湿食(wet corrosion)により酸化銅および水酸化銅が生成される。温度の高い環境で開閉スイッチ1を使用すると、高温酸化により酸化銅が生成される。言い換えると、高湿または高温でなければ、亜酸化銅が生成され易い。また、亜酸化銅の生成だけを許容したとしても、亜酸化銅の厚みが大きくなると、亜酸化銅だけでなく酸化銅も生成される。さらに、亜酸化銅が酸化すると酸化銅に変化する。そのため、単に亜酸化銅の生成だけを許容するのではなく、亜酸化銅の生成量および酸化を抑える必要がある。
前述のように、本実施形態では、可動接点11が固定接点14に線接触するので、面接触する場合と比較して、両者の接触面積が小さく、電流密度が高い。そのため、小さい電流(たとえば、0.2A)が開閉スイッチ1を流れる場合であっても、固定接点14および可動接点11の接触部の温度を高い温度(好ましくは、水の沸点またはその近傍)にまで上昇させることができる。これにより、接触部から水分を排除することができる。さらに、接触部が安定してグリスで覆われるので、水分が両者に付着し難い。これにより、湿食による酸化銅および水酸化銅の生成を抑えることができる。
また本実施形態では、グリス保持部の一例である貫通穴38内のグリスが、固定接点14および可動接点11の両方に安定して供給されるので、固定接点14および可動接点11の摩耗を抑えることができ、摩耗粉の発生量を減らすことができる。これにより、異物に起因する接触抵抗の上昇を防止できる。さらに、グリスを安定して供給することにより、空気中の酸素が固定接点14および可動接点11に接触することを防止でき、酸化物の生成量を減らすことができる。前述のように、亜酸化銅の生成量が大きくなると、亜酸化銅だけでなく酸化銅も生成される。さらに、亜酸化銅が酸化すると酸化銅に変化する。グリスを安定して供給することにより、亜酸化銅の生成速度を遅らせることができると共に、亜酸化銅の酸化を抑えることができる。これにより、酸化銅の生成を抑えることができる。
開閉スイッチ1を流れる電流が大きくなると、固定接点14および可動接点11の発熱量が上昇する。電流が大きい場合(たとえば、5.0A)は、高温酸化により酸化銅が生成されるかもしれない。しかしながら、固定接点14および可動接点11は、安定してグリスが供給される接触位置で接触する。固定接点14および可動接点11の熱はグリスに伝達される。そのため、固定接点14および可動接点11の接触部から水分を排除しながら、接触部の過熱を防止することができる。これにより、高温酸化による酸化銅の生成を抑えることができる。さらに、固定接点14および可動接点11の過熱を防止できるので、溶融による固定接点14および可動接点11の形状の変化を防止することができ、形状の変化に起因する接触抵抗の上昇を防止できる。さらに、炭素原子や水素原子を含むグリスが気化または分解すると、還元性雰囲気が接触部のまわりに形成される。これにより、酸化物の生成速度を低下させることができる。
また本実施形態では、可動接点11に設けられた可動接触部34の面積が非常に小さいので、異物が固定接触部32と可動接触部34との間に挟まり難い。そのため、異物の介在による接触抵抗の増加を防止することができる。さらに、固定接点14および可動接点11がそれらの外表面にグリスを保持するので、異物は固定接点14または可動接点11上のグリスに捕捉される。そのため、異物が固定接触部32および可動接触部34の方に近寄り難い。さらに、可動接点11が固定接点14に接触する直前では、固定接点14上のグリスが可動接触部34によって固定接触部32および可動接触部34から離れる方向に押される。それに伴って、固定接点14上の異物が、グリスと共に固定接触部32および可動接触部34から離れる。これにより、異物の介在による接触抵抗の増加を効果的に防止することができる。
また本実施形態では、グリス保持部の一例である貫通穴38が、可動接点11の内周面39によって形成されている。電流が固定接点14および可動接点11を流れると、固定接点14および可動接点11が発熱する。それに伴って、可動接点11の熱が貫通穴38内のグリスに伝達され、グリスの流動性が高まる。そのため、開閉スイッチ1が開閉される度に、グリスが貫通穴38から排出され、固定接点14および可動接点11の接触部に供給される。これにより、固定接点14および可動接点11の接触部がグリスによって覆われた状態を長期に亘って維持できる。
また本実施形態では、可動接触部34が固定接点14の方に先細りとなっており、可動接触部34の断面積が固定接点14に近づくにしたがって減少している。言い換えると、可動接触部34の根元の断面積は、可動接触部34の先端の断面積よりも大きい。可動接触部34は、対向方向D1に対して斜めに傾いた傾斜部を含む。固定接触部32および可動接触部34の間に位置する異物は、固定接点14および可動接点11が互いに近づく際に、可動接触部34の傾斜部によって可動接触部34から離れる方向に押される。したがって、異物が固定接点14および可動接点11の間に進入し難い。
また本実施形態では、可動接触部34が環状に配置されているので、可動接触部34が固定接触部32に一箇所で点接触する場合と比較して、固定接点14および可動接点11が接触したときに可動接触部34に生じる応力を分散させることができる。これにより、可動接触部34の耐久性を高めることができる。さらに、可動接触部34が全周に亘って連続しているので、可動接触部34が分割されている場合と比較して、可動接触部34の強度を高めることができる。
また本実施形態では、固定接点14の方に開いた開口部35が可動接点11に設けられている。開口部35は、可動接触部34から固定接点14とは反対の方に凹んでいる。可動接触部34は、開口部35を取り囲むように環状に配置されている。固定接点14および可動接点11が閉位置に配置されると、開口部35の内面が固定接点14から離れた状態で、環状の可動接触部34が固定接触部32に接触する。したがって、可動接触部34が固定接触部32に一箇所で点接触する場合と比較して、固定接点14および可動接点11が接触したときに可動接触部34に生じる応力を分散させることができる。
また本実施形態では、可動ホルダー5の操作部5aが押されると、固定ホルダー4および可動ホルダー5が互いに近づき、固定接触部32および可動接触部34が互いに接触する。開閉スイッチ1がユーザーの力によって閉じられるので、固定接触部32および可動接触部34が大きな力で押し付けられる場合がある。そのため、固定接触部32および可動接触部34の接触面積を減少させるだけではなく、固定接触部32および可動接触部34の強度を確保する必要がある。可動接触部34は、固定接触部32に一箇所で点接触するのではなく、環状の領域で固定接触部32に接触する。そのため、可動接触部34が固定接触部32に一箇所で点接触する構造と比較して、可動接触部34の強度を高めることができ、可動接触部34の変形を防止できる。
第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の第1実施形態に対する主要な相違点は、第1実施形態に係る貫通穴38に代えて、可動接点211の先端面33で開口する凹部251が、可動接点211に設けられていることである。
図5は、本発明の第2実施形態に係る固定接点14および可動接点211の断面図である。図6は、図5に示す可動接点211を固定接点14の方から対向方向D1に見た図である。図5~図6では、可動接点211が閉位置に配置されており、コイルバネ6等の図示が省略されている。図5~図6において、前述の図1~図4に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
凹部251は、グリス保持部および退避部の一例である。グリスは、凹部251に充填されている。凹部251は、可動接点211の内部で閉じている。凹部251の縦断面は、固定接点14とは反対の方に凸の半円形である。凹部251の縦断面は、長方形および正方形のいずれかであってもよいし、これら以外の形状であってもよい(図9参照)。開口部35は、凹部251の一部である。図6は、開口部35の直径φ1が先端面33の幅W1よりも大きい例を示している。凹部251の深さは、たとえば、開口部35の直径φ1よりも小さい。
第2実施形態では、第1実施形態に係る作用効果に加えて、以下の作用効果を奏することができる。具体的には、退避部の一例である凹部251は、グリス保持部を形成している。グリス保持部が第1実施形態に係る貫通穴38である場合、グリス保持部を形成するためにドリル加工などの切削加工を行う必要がある。これに対して、グリス保持部が凹部251であれば、プレス加工や焼結によりグリス保持部を成形できる。したがって、グリス保持部が貫通穴38である場合と比較して、可動接点211を短時間で加工できる。
第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態の第2実施形態に対する主要な相違点は、固定接点14に向かってに突出する複数の突起352が可動接点311に設けられていることである。
図7は、本発明の第3実施形態に係る固定接点14および可動接点311の断面図である。図8は、図7に示す可動接点311を固定接点14の方から対向方向D1に見た図である。図7~図8では、可動接点311が閉位置に配置されており、コイルバネ6等の図示が省略されている。図7~図8において、前述の図1~図6に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図8に示すように、固定接点14の方から対向方向D1に可動接点311を見ると、複数の突起352は、開口部35を取り囲んでいる。複数の突起352は、開口部35に沿って環状に配置されている。図8は、開口部35が正方形であり、中心線L1と同軸の四角形の仮想線の上に複数の突起352が配置されている例を示している。開口部35は、四角形に限らず、楕円や円形などの他の形状であってもよい(図14参照)。同様に、複数の突起352が配置される仮想線は、四角形に限らず、楕円や円形などの他の形状であってもよい。
図7に示すように、周方向に隣接する2つの突起352は、突起352の先端から固定接点14とは反対の方に凹んだ溝部353を両者の間に形成している。突起352および溝部353は、周方向に交互に配置されている。溝部353は、退避部の一例である。図8は、周方向に隣接する2つの突起352が互いの根元で接している例を示している。周方向に隣接する2つの突起352は互いに離れていてもよい(図14参照)。
図8は、突起352が角錐状である例を示している。突起352は、円錐、角柱、円柱、および半球のいずれかであってもよいし、これら以外の形状であってもよい。突起352の横断面(中心線L1に直交する平面上に位置する断面)の面積は、固定接点14に近づくにしたがって減少している。突起352の先端は、可動接点311の先端に相当する。突起352の先端は、対向方向D1に直交する平面上に位置している。
第3実施形態では、第1実施形態に係る作用効果に加えて、以下の作用効果を奏することができる。具体的には、可動接点311が閉位置に配置されると、突起352の側面に相当する溝部353の内面が固定接点14から離れた状態で、各突起352の先端が固定接触部32に接触する。突起352の先端は、可動接触部34に相当する。このように、面積の小さい突起352の先端を固定接触部32に接触させるので、異物が固定接点14および可動接点311の間に挟まることを回避しながら、固定接点14および可動接点311の接触面積を減少させることができる。
また本実施形態では、可動接触部34が固定接触部32に複数の位置で点接触するので、可動接触部34が固定接触部32に面接触する場合と比較して、固定接点14および可動接点311の接触面積が小さく、電流密度が高い。そのため、小さい電流が開閉スイッチ1を流れる場合であっても、固定接点14および可動接点311の接触部の温度を高い温度にまで上昇させることができる。
第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
第4実施形態の第2実施形態に対する主要な相違点は、グリスを保持するグリス保持凹部454が、固定接点414に設けられていることである。
図9は、本発明の第4実施形態に係る固定接点414および可動接点211の断面図である。図10は、図9に示す可動接点211を固定接点414の方から対向方向D1に見た図である。図9~図10では、可動接点211が閉位置に配置されており、コイルバネ6等の図示が省略されている。図9~図10において、前述の図1~図8に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
なお、図9は、凹部251が可動接点211に設けられている例を示している。しかしながら、凹部251に代えて、貫通穴38(図3参照)が可動接点211に設けられていてもよい。凹部251および貫通穴38のいずれが可動接点211に設けられる場合でも、開閉スイッチ1が使用される前の状態において、可動接点211は、凹部251または貫通穴38内にグリスを保持していてもよいし、グリスを保持していてなくてもよい。
図9に示すように、固定接点414のグリス保持凹部454は、可動接触部34に対向方向D1に対向する底面455と、底面455の縁から可動接点211の方に突出する筒状の周面456とを含む。可動接点211が閉位置に配置されると、可動接触部34を含む可動接点211の一部が、グリス保持凹部454に収容される。このとき、可動接触部34は、周面456によって取り囲まれる。図9は、可動接点211の先端面33の全体がグリス保持凹部454に収容される例を示している。
グリス保持凹部454の底面455は、対向方向D1に直交する平面である。固定接触部32は、グリス保持凹部454の底面455に設けられている。グリス保持凹部454の周面456は、全周に亘って連続した筒状面であってもよいし、周方向に間隔を空けて配置された複数の分割面であってもよい。周面456の高さ、つまり、底面455の縁から周面456の先端までの距離は、たとえば、0.5mm以上である。グリス保持凹部454の底面455の少なくとも一部にグリスが塗布されていれば、グリス保持凹部454の全体がグリスで満たされていなくてもよい。
第4実施形態では、第1実施形態に係る作用効果に加えて、以下の作用効果を奏することができる。具体的には、グリス保持部の一例であるグリス保持凹部454が、固定接点414に設けられている。固定接点414の固定接触部32は、グリス保持凹部454の底面455に設けられている。可動接点211の可動接触部34は、グリス保持凹部454の周面456によって囲まれた空間内で固定接触部32に接触する。このとき、グリス保持凹部454への酸素の進入は、グリス保持凹部454の周面456によって遮断される。さらに、グリス保持凹部454に保持されたグリス内で固定接点414および可動接点211が接触するので、気体中での放電の一種であるアーク放電が発生し難い。しかも、グリス保持凹部454の周面456があるので、グリスを確実にグリス保持凹部454内に止めることができる。
第5実施形態
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
第5実施形態の第4実施形態に対する主要な相違点は、可動接触部34が、環状に並んだ複数の分割部557に分割されていることである。
図11は、本発明の第5実施形態に係る固定接点414および可動接点511の断面図である。図12は、図11に示す可動接点511を固定接点414の方から対向方向D1に見た図である。図11~図12では、可動接点511が閉位置に配置されており、コイルバネ6等の図示が省略されている。図11~図12では、において、前述の図1~図10に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
可動接点511は、可動接触部34を複数の分割部557に分割する複数の分割溝558を含む。複数の分割溝558は、周方向に間隔を空けて配置されている。複数の分割溝558は、等間隔で配置されていてもよいし、不等間隔で配置されていてもよい。分割溝558は、可動接点511の先端面33で開口している。分割溝558は、径方向に延びる直線状である。分割溝558の外端は、先端面33の外周縁33oから内方に離れている。分割溝558の内端は、凹部251の内面で開口している。分割溝558は、可動接点511の内部で閉じている。分割溝558は、凹部251よりも浅いまたは深くてもよいし、凹部251と等しい深さを有していてもよい。
第5実施形態では、第1実施形態に係る作用効果に加えて、以下の作用効果を奏することができる。具体的には、可動接触部34が環状に配置されているので、可動接触部34が固定接触部32に一箇所で点接触する場合と比較して、固定接点414および可動接点511が接触したときに可動接触部34に生じる応力を分散させることができる。さらに、環状に並んだ複数の分割部557が可動接触部34に設けられているので、可動接触部34が全周に亘って連続している場合と比較して、固定接点414および可動接点511の接触面積をさらに減少させることができる。
第6実施形態
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
第6実施形態の第4実施形態に対する主要な相違点は、固定接点414に向かってに突出する複数の突起352が可動接点611に設けられていることと、凹部251が省略されていることである。
図13は、本発明の第6実施形態に係る固定接点414および可動接点611の断面図である。図14は、図13に示す可動接点611を固定接点414の方から対向方向D1に見た図である。図13~図14では、可動接点611が閉位置に配置されており、コイルバネ6等の図示が省略されている。図13~図14では、において、前述の図1~図13に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
固定接点414の方から対向方向D1に可動接点611を見ると、複数の突起352は、可動接点611の中心線L1を取り囲むように環状に配置されている。図14は、開口部35が円形であり、中心線L1と同軸の円形の仮想線の上に複数の突起352が配置されている例を示している。可動接点611は、複数の突起352と先端面33とによって形成された開口部35を含む。固定接点414の方から対向方向D1に可動接点611を見ると、開口部35は、複数の突起352によって取り囲まれている。先端面33の中央部は、開口部35の底に相当する。先端面33の中央部と突起352の根元とは、対向方向D1に直交する平面上に配置されている。第6実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
第7実施形態
次に、本発明の第7実施形態について説明する。
次に、本発明の第7実施形態について説明する。
第7実施形態の第6実施形態に対する主要な相違点は、可動接点611が可動ホルダー705に対して径方向および周方向に移動可能であることである。
図15は、本発明の第7実施形態に係る固定接点414および可動接点611の断面図である。図15では、可動接点611が閉位置に配置されている。図15において、前述の図1~図14に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
可動ホルダー705は、可動接点611の被保持部12を移動可能に保持する保持部705bを含む。保持部705bは、被保持部12が挿入された凹部である。保持部705bの内径は、被保持部12の外径よりも大きい。保持部705bの内周面は、径方向に間隔を空けて可動接点611を取り囲んでいる。被保持部12の外周面は、保持部705bの内周面から離れており、被保持部12の被支持面12aは、コイルバネ6の反発力によって保持部705bの底面に押し付けられている。図15において白色の矢印で示すように、被保持部12は、可動ホルダー705に対して径方向および周方向に移動可能である。被保持部12は、被保持部12の被支持面12aと保持部705bの底面との接触によって軸方向への移動が規制されている。
可動接点611が閉位置の方に移動しているときに、異物が固定接点414と可動接点611との間に挟まると、可動接点611を径方向および周方向の少なくとも一方に移動させる力が発生する。このとき、可動接点611は、閉位置の方に移動しながら、この力によって可動ホルダー705に対して移動する。そのため、可動接点611の突起352は、異物を避けながら固定接点414の方に移動し、固定接点414に接触する。したがって、固定接点414と可動接点611との間に異物があるときでも、可動接点611を確実に固定接点414に接触させることができる。その他、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
第8実施形態
次に、本発明の第8実施形態について説明する。
次に、本発明の第8実施形態について説明する。
第8実施形態の第7実施形態に対する主要な相違点は、可動接点811が可動ホルダー805に対して任意の方向に傾倒可能であり、可動ホルダー805に対して回転可能であることである。
図16は、本発明の第8実施形態に係る固定接点414および可動接点811の断面図である。図16では、可動接点811が閉位置に配置されている。図16において、前述の図1~図15に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
可動接点811は、可動ホルダー805の保持部805b内に挿入された球状の被保持部812を含む。保持部805bは、被保持部812が挿入された凹部である。保持部805bは、対向方向D1に延びる円筒状の内周面を含む。保持部805bの内径は、被保持部812の外径よりも大きい。被保持部812の外周面は、保持部805bの内周面から離れており、コイルバネ6の反発力によって保持部805bの底面に押し付けられている。図16において白色の矢印で示すように、先端部13は、被保持部812を中心に可動ホルダー805に対して傾倒可能であり、可動接点811の中心線L1まわりに可動ホルダー805に対して回転可能である。
可動接点811が閉位置の方に移動しているときに、異物が固定接点414と可動接点811との間に挟まると、可動接点811を傾けるまたは回転させる力が発生する。このとき、可動接点811は、閉位置の方に移動しながら、この力によって可動ホルダー805に対して移動する。そのため、可動接点811の突起352は、異物を避けながら固定接点414の方に移動し、固定接点414に接触する。したがって、固定接点414と可動接点811との間に異物があるときでも、可動接点811を確実に固定接点414に接触させることができる。その他、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
他の実施形態
前述の実施形態では、固定接点14が、第1接触部を含む第1接点であり、可動接点11が、第2接触部および退避部を含む第2接点である場合について説明した。しかし、固定接点14が第2接点であり、可動接点11が第1接点であってもよい。
前述の実施形態では、固定接点14が、第1接触部を含む第1接点であり、可動接点11が、第2接触部および退避部を含む第2接点である場合について説明した。しかし、固定接点14が第2接点であり、可動接点11が第1接点であってもよい。
前述の実施形態では、固定接点14の先端面31が平坦であり、可動接点11の先端面33が半球状である場合について説明した。しかし、両方の先端面31、33が平坦であってもよい。固定接点14の先端面31が半球状であり、可動接点11の先端面33が平坦であってもよい。
第6実施形態では、複数の突起352が可動接点611に設けられている場合について説明した。しかし、複数の突起352を設ける代わりに、可動接点611の先端面33から固定接点14とは反対の方に凹んだ複数の溝または凹部を可動接点611に設けてもよい。たとえば、格子状の複数の溝を可動接点611の先端面33に設けてもよい。この場合、可動接点11の先端面33は対向方向D1に直交する平面であってもよい。可動接点11が閉位置に配置されると、可動接点611の先端面33が複数の位置で固定接点14に接触する。
前述の全ての構成の2つ以上が組み合わされてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 :開閉スイッチ
4 :固定ホルダー
5 :可動ホルダー
6 :コイルバネ
11 :可動接点
14 :固定接点
32 :固定接触部
34 :可動接触部
35 :開口部
211 :可動接点
251 :凹部
311 :可動接点
352 :突起
353 :溝部
414 :固定接点
454 :グリス保持凹部
455 :底面
456 :周面
511 :可動接点
557 :分割部
558 :分割溝
611 :可動接点
705 :可動ホルダー
805 :可動ホルダー
811 :可動接点
D1 :対向方向
4 :固定ホルダー
5 :可動ホルダー
6 :コイルバネ
11 :可動接点
14 :固定接点
32 :固定接触部
34 :可動接触部
35 :開口部
211 :可動接点
251 :凹部
311 :可動接点
352 :突起
353 :溝部
414 :固定接点
454 :グリス保持凹部
455 :底面
456 :周面
511 :可動接点
557 :分割部
558 :分割溝
611 :可動接点
705 :可動ホルダー
805 :可動ホルダー
811 :可動接点
D1 :対向方向
Claims (11)
- 電気回路を開閉する開閉スイッチであって、
銅合金で形成された第1接触部を含む第1接点と、
銅合金で形成されており対向方向に前記第1接触部に対向する第2接触部と、前記第2接触部から前記第1接触部とは反対の方に凹んだ退避部とを含む第2接点と、
前記第1接触部および第2接触部が互いに離れた開位置と前記退避部が前記第1接触部から離れた状態で前記第1接触部および第2接触部が互いに接触する閉位置との間で前記第1接点および第2接点が前記対向方向に相対的に移動できるように、前記第1接点および第2接点を保持するホルダーと、
前記第1接触部および第2接触部が互いに接触する接触位置に供給されるべきグリスを保持しており、前記第1接点および第2接点の少なくとも一方によって形成されたグリス保持部とを含む、開閉スイッチ。 - 前記退避部は、前記第2接点の内部で閉じた凹部または前記第2接点を貫通する貫通穴を含み、
前記グリス保持部は、前記凹部または貫通穴を含む、請求項1に記載の開閉スイッチ。 - 前記グリス保持部は、前記対向方向に前記第2接触部に対向する底面と前記底面の縁から前記第2接点の方に突出する筒状の周面とが設けられたグリス保持凹部を含み、
前記第1接触部は、前記グリス保持凹部の前記底面に設けられている、請求項1または2に記載の開閉スイッチ。 - 前記第2接触部は、前記第1接触部に線接触または複数の位置で点接触する、請求項1~3のいずれか一項に記載の開閉スイッチ。
- 前記対向方向に直交する平面上に位置する前記第2接触部の断面の面積は、前記第1接点に近づくにしたがって減少している、請求項1~4のいずれか一項に記載の開閉スイッチ。
- 前記第2接触部は、前記第2接触部の全周に亘って連続した環状である、請求項1~5のいずれか一項に記載の開閉スイッチ。
- 前記第2接触部は、環状に並んだ複数の分割部を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の開閉スイッチ。
- 前記第2接触部は、前記第1接点の方に突出する複数の突起を含み、
前記退避部は、前記複数の突起の間に形成された複数の溝部を含む、請求項1~5および7のいずれか一項に記載の開閉スイッチ。 - 前記退避部は、前記第2接触部を前記対向方向に見たときに前記第2接触部に取り囲まれた開口部を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の開閉スイッチ。
- 前記ホルダーは、前記第1接点を保持する第1ホルダーと、前記第2接点を保持しており、前記第1ホルダーに対して移動できるように前記第1ホルダーに連結された第2ホルダーとを含み、
前記第1ホルダーおよび第2ホルダーの一方は、前記第1接触部および第2接触部を接触させるときにユーザーによって押される操作部を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の開閉スイッチ。 - 前記ホルダーは、前記第1接点を保持する第1ホルダーと、前記第2接点を保持しており、前記第1ホルダーに対して移動できるように前記第1ホルダーに連結された第2ホルダーとを含み、
前記第2接点は、前記第1ホルダーおよび第2ホルダーの両方に対して移動可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載の開閉スイッチ。
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