WO2014034422A1

WO2014034422A1 - 電動車両のパーキングブレーキ装置及びその組立方法

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Publication number: WO2014034422A1
Application number: PCT/JP2013/071766
Authority: WO
Inventors: 達規谷垣; 典久辻村; 誠岩佐; 田村　健二; 彰博太刀川
Original assignee: 日産自動車株式会社
Priority date: 2012-08-30
Filing date: 2013-08-12
Publication date: 2014-03-06
Also published as: JP5880716B2; JPWO2014034422A1

Abstract

　フロアパネル（１００）の下側にバッテリパック（BP）が配置された電動車両のパーキングブレーキ装置（PKB）において、ブレーキ操作デバイス（７）に加えられる操作力をブレーキユニット（８）に伝達して動作させるブレーキケーブル（９）を、ブレーキ操作デバイス（７）に連結すると共にフロアパネル（１００）の上側に保持するフロントケーブル（９１）と、バッテリパック（BP）の上方領域にてフロアパネル（１００）を貫通させ、パネル上でフロントケーブル（９１）に接続し、パネル下でフロアパネル（１００）とバッテリパック（BP）との間の隙間空間（Ｋ１）に一部を配索すると共に、他端（９３Ｂ）をバッテリパック（BP）の上方領域から外れた位置に保持する中間ケーブル（９３）と、中間ケーブル（９３）とブレーキユニット（８）とを連結するリヤケーブル（９２）と、に三分割した。

Description

電動車両のパーキングブレーキ装置及びその組立方法

　本発明は、フロアパネルの下側にバッテリパックが配置された電動車両のパーキングブレーキ装置及びその組立方法に関する発明である。

　従来、フロアパネルの下側にバッテリパックを配置した電動車両において、フロアパネル上にブレーキケーブルを配索し、車両後方に向かって延在した後、バッテリ配置部位から外れた位置でパネル下に引き出す電動車両のパーキングブレーキ装置が知られている（例えば、特許文献１参照）。

特開平7-32993号公報

　しかしながら、従来の電動車両のパーキングブレーキ装置にあっては、バッテリ配置部位から外れるまでブレーキケーブルをパネル上で延在しているため、ブレーキケーブルがフロアパネルの上側に形成される車室や荷室の空間に影響を与えることがあった。つまり、ブレーキケーブルをパネル上で延在することで、フロアパネルの上方空間が狭くなるという問題が生じていた。
　これに対し、ブレーキケーブルがフロアパネルの上方空間に影響を与えることを防止するために、バッテリ配置部位から外れる前にブレーキケーブルをパネル下に貫通させ、パネル下で車両後方に向かわせることが考えられる。
　しかしこの場合では、パネル下に配置したバッテリパックと干渉しないようにブレーキケーブルを配索させる必要がある上、パネル下に配索されるケーブル長が長くなって、車体への組み付け時にブレーキケーブルが損傷するおそれがあった。

　本発明は、上記問題に着目してなされたもので、パネル下に配置したバッテリパックと干渉しないようにブレーキケーブルを配索する際、ブレーキケーブルの損傷発生を防止することができる電動車両のパーキングブレーキ装置及びその組立方法を提供することを目的とする。

　上記目的を達成するため、本発明の電動車両のパーキングブレーキ装置は、フロアパネルの上側に設置されたブレーキ操作デバイスと、前記フロアパネルの下側にある車輪に設けられたブレーキユニットと、前記フロアパネルを貫通して前記ブレーキ操作デバイスと前記ブレーキユニットを連結し、前記ブレーキ操作デバイスに加えられる操作力を前記ブレーキユニットに伝達して動作させるブレーキケーブルと、を備えたものを前提とする。
　そして、前記ブレーキケーブルは、フロントケーブルと、中間ケーブルと、リヤケーブルと、を有する。
　前記フロントケーブルは、一端が前記ブレーキ操作デバイスに連結され、他端が前記フロアパネルの上側に配置される。
　前記中間ケーブルは、前記フロアパネルの下側に配置されたバッテリパックの上方領域にて前記フロアパネルを貫通する。そして、パネル上では、この中間ケーブルの一端が、前記フロントケーブルの他端に接続される。また、パネル下では、前記フロアパネルと前記バッテリパックとの間の隙間空間に配索されると共に、他端が、前記フロアパネルの下側であって前記バッテリパックの上方領域から外れた位置に保持される。
　前記リヤケーブルは、一端が前記中間ケーブルの他端に接続され、他端が前記ブレーキユニットに連結される。

　本発明の電動車両のパーキングブレーキ装置では、ブレーキケーブルがフロントケーブルと、中間ケーブルと、リヤケーブルと、を有している。そして、中間ケーブルは、バッテリパックの上方領域にてフロアパネルを貫通すると共に、パネル上でフロントケーブルに接続され、パネル下でフロアパネルとバッテリパックとの間の隙間空間に配索されて、他端がバッテリパックの上方領域から外れた位置に保持される。
　すなわち、ブレーキケーブルを、パネル上のブレーキ操作デバイスに連結したフロントケーブルと、パネル下のブレーキユニットに連結したリヤケーブルと、このフロントケーブルとリヤケーブルの間を連結すると共に、フロアパネルを貫通し、少なくとも一部がフロアパネルとバッテリパックとの間の隙間空間に配置される中間ケーブルと、に三分割する。
　これにより、バッテリパックにブレーキケーブルが干渉することを防止できる上、フロントケーブルやリヤケーブルのケーブル長を長く確保する必要がなくなる。この結果、パネル下に配置したバッテリパックと干渉しないようにブレーキケーブルを配索する際、ブレーキケーブルの損傷発生を防止することができる。

実施例１のパーキングブレーキ装置を採用したミニバンタイプの電気自動車を示す概略側面図である。実施例１のパーキングブレーキ装置を採用したミニバンタイプの電気自動車を示す概略底面図である。実施例１のパーキングブレーキ装置においてバッテリパックを示す全体斜視図である。実施例１のパーキングブレーキ装置においてバッテリパックを示すアッパーカバーを外した状態での斜視図である。実施例１のパーキングブレーキ装置を示す概略側面図である。実施例１のパーキングブレーキ装置を示す概略底面図である。実施例１のパーキングブレーキ装置においてブレーキ操作デバイスとブレーキケーブルの一部を示す側面図である。実施例１のパーキングブレーキ装置においてフロントケーブルと中間ケーブルの接続部位を示す拡大斜視図である。実施例１のパーキングブレーキ装置において中間ケーブルとリヤケーブルの接続部位を示す拡大斜視図である。図６におけるＡ－Ａ断面図である。図６におけるＢ－Ｂ断面図である。実施例１のパーキングブレーキ装置においてイコライザを示す斜視図である。実施例１のパーキングブレーキ装置の組立方法を示す説明図であり、車体搬送工程を示す。実施例１のパーキングブレーキ装置の組立方法を示す説明図であり、中間ケーブル取付工程を示す。実施例１のパーキングブレーキ装置の組立方法を示す説明図であり、中間ケーブル引出工程を示す。実施例１のパーキングブレーキ装置の組立方法を示す説明図であり、バッテリ取付工程を示す。実施例１のパーキングブレーキ装置の組立方法を示す説明図であり、ブレーキ操作デバイス組付工程を示す。実施例１のパーキングブレーキ装置の組立方法を示す説明図であり、フロント側ケーブル連結工程を示す。実施例１のパーキングブレーキ装置の組立方法を示す説明図であり、ブレーキユニット組付工程を示す。実施例１のパーキングブレーキ装置の組立方法を示す説明図であり、リヤ側ケーブル連結工程を示す。

　以下、本発明の電動車両のパーキングブレーキ装置及びその組立方法を実施するための形態を、図面に示す実施例１に基づいて説明する。

　（実施例１）
　実施例１の電気自動車（電動車両の一例）のパーキングブレーキ装置の構成を、「パーキングブレーキ装置を搭載した電気自動車の概略構成」、「バッテリパックの構成」、「パーキングブレーキ装置の構成」、「ブレーキケーブルの詳細構成」、「イコライザの詳細構成」、「パーキングブレーキ装置の組立方法」に分けて説明する。

　［パーキングブレーキ装置を搭載した電気自動車の概略構成］
　図１及び図２は、実施例１のパーキングブレーキ装置を採用したミニバンタイプの電気自動車（電動車両の一例）を示す概略側面図及び概略底面図である。以下、図１及び図２に基づき、パーキングブレーキ装置を搭載した電気自動車の概略構成を説明する。

　前記電気自動車は、図１に示すように、フロアパネル１００とダッシュパネル１０４によりモータ室１０１と車室１０２に画成され、フロアパネル１００の下側にバッテリパックBPが配置され、モータ室１０１にパワーユニットPUが配置される。このパワーユニットPUは、左右の前輪１１９を駆動するもので、左右の前輪１１９を駆動輪とし、左右の後輪１２０を従動輪とする。

　前記車室１０２は、図１に示すように、フロアパネル１００の上側に形成され、ダッシュパネル１０４の位置から車両後端面１０３の位置までの空間として確保される。フロアパネル１００は、車両前方から車両後方までのフロア面の凹凸を抑えたフラット形状としている。この車室１０２には、インストルメントパネル１０５と、センターコンソールボックス１０６と、エアコンユニット１０７と、乗員シート１０８と、を有する。

　前記バッテリパックBPは、図１に示すように、フロアパネル１００の下側のホイールベース中央部位置に配置され、図２に示すように、車体強度部材である車体メンバに対して８点支持される。車体メンバは、車両前後方向に延びる左右一対のサイドメンバ１０９，１０９と、左右一対のサイドメンバ１０９，１０９を車幅方向に連結する複数のクロスメンバ１１０，１１０，…と、を有して構成される。バッテリパックBPの両側は、左右一対の第１サイドメンバ支持点Ｓ１，Ｓ１と、左右一対の第１クロスメンバ支持点Ｃ１，Ｃ１と、左右一対の第２サイドメンバ支持点Ｓ２，Ｓ２により６点支持される。バッテリパックBPの後側は、左右一対のブラケット支持点Ｂ１，Ｂ１により２点支持されている。

　前記パワーユニットPUは、図１に示すように、モータ室１０１に配置され、バッテリパックBPとは、充放電に用いる強電ハーネス１１１を介して接続される。このパワーユニットPUは、各構成要素を縦方向に積層配置にしたもので、強電モジュール１１２（DC/DCコンバータ＋充電器）と、インバータ１１３と、モータ駆動ユニット１１４（走行用モータ＋減速ギヤ＋デファレンシャルギヤ）と、を有する。また、車両前面位置には、充電ポートリッドを有する急速充電ポート１１５と普通充電ポート１１６が設けられる。急速充電ポート１１５と強電モジュール１１２は、急速充電ハーネス１１７により接続される。普通充電ポート１１６と強電モジュール１１２は、普通充電ハーネス１１８により接続される。

　前記左右の前輪１１９は、独立懸架方式のサスペンションにより支持され、前記左右の後輪１２０は、車軸懸架方式のリーフスプリングサスペンション１２１，１２１により支持される。このように、左右の後輪１２０でリーフスプリングサスペンション１２１，１２１を採用したことで、リーフスプリングサスペンション１２１，１２１とバッテリパックBPとの干渉を避ける必要がある。このため、バッテリパックBPの搭載位置は、左右の後輪を独立懸架方式のサスペンションにより支持する車両に比べ、車両前方側にオフセットした位置としている。

　［バッテリパックの構成］
　図３及び図４は、実施例１のバッテリパックの詳細を示す図である。以下、図３及び図４に基づき、バッテリパックの構成を説明する。

　実施例１のバッテリパックBPは、図３及び図４に示すように、バッテリパックケース１と、バッテリモジュール２と、温調風ユニット３と、サービス・ディスコネクト・スイッチ４（強電遮断スイッチ：以下、「SDスイッチ」という。）と、ジャンクションボックス５と、リチウムイオン・バッテリ・コントローラ６（以下、「LBコントローラ」という。）と、を備えていている。

　前記バッテリパックケース１は、図３及び図４に示すように、ロアフレーム１１とアッパーカバー１２の２部品によって構成される。ここで、バッテリパックケース１は、フロアパネル１００の下側に配置されるため、ロアフレーム１１が走行面に対向し、アッパーカバー１２がフロアパネル１００に対向する。

　前記ロアフレーム１１は、図４に示すように、車体メンバに対し支持固定されるフレーム部材である。このロアフレーム１１は、バッテリモジュール２や他のパック構成要素３，４，５，６を収容する方形凹部による収容空間を有する。このロアフレーム１１のフレーム前端部には、冷媒管コネクタ端子１３と、バッテリ側強電コネクタ端子１４と、PTCヒータ用コネクタ端子１５と、弱電コネクタ端子１６と、が取り付けられている。

　前記アッパーカバー１２は、図３に示すように、ロアフレーム１１の上端面に外周部位がボルト固定されるカバー部材である。このアッパーカバー１２は、ロアフレーム１１に収容される各パック構成要素２，３，４，５，６のうち、特にバッテリモジュール２の凹凸高さ形状に対応した凹凸段差面形状を呈している。

　前記バッテリモジュール２は、図４に示すように、ロアフレーム１１に収容され、第１バッテリモジュール２１と、第２バッテリモジュール２２と、第３バッテリモジュール２３と、の３分割モジュールにより構成される。各バッテリモジュール２１，２２，２３は、二次電池（リチウムイオンバッテリ等）による厚みが薄い直方体形状のバッテリセルを構成単位とし、複数のバッテリセルを積み重ねた集合体構造から構成される。各バッテリモジュール２１，２２，２３の詳しい構成は、下記の通りである。

　前記第１バッテリモジュール２１は、図４に示すように、ロアフレーム１１のうち車両後部領域に配置される。この第１バッテリモジュール２１は、複数個のバッテリセルを厚み方向に積み重ね、バッテリセルの積み重ね方向と車幅方向を一致させる縦積み（例えば、２０枚縦積み）により構成している。なお、アッパーカバー１２のうち、この第１バッテリモジュール２１の上方を覆う部位が、ロアフレーム１１からの高さ寸法が最も大きい凸部１２Ａとなる。

　前記第２バッテリモジュール２２と前記第３バッテリモジュール２３のそれぞれは、図４に示すように、ロアフレーム１１のうち、第１バッテリモジュール２１より前側の車両中央部領域に車幅方向に左右分かれて配置される。この第２バッテリモジュール２２と第３バッテリモジュール２３は、全く同じパターンによる平積み構成としている。即ち、複数枚（例えば、４枚と５枚）のバッテリセルを厚み方向に積み重ね、バッテリセルの積み重ね方向と車両上下方向を一致させた平積み状態としたものを、例えば、車両後方から車両前方に向かって順に４枚平積み・５枚平積み・５枚平積みというように、車両前後方向に複数個整列させることで構成している。

　すなわち、前記第２バッテリモジュール２２は、図４に示すように、前側バッテリモジュール部２２ａ，２２ｂと、前側バッテリモジュール部２２ａ，２２ｂより高さ寸法がさらに１枚分低い後側バッテリモジュール部２２ｃと、を有する。前記第３バッテリモジュール２３は、図４に示すように、前側バッテリモジュール部２３ａ，２３ｂと、前側バッテリモジュール部２３ａ，２３ｂより高さ寸法がさらに１枚分低い後側バッテリモジュール部２３ｃと、を有する。
なお、アッパーカバー１２のうち、前側バッテリモジュール部２２ａ，２２ｂ，２３ａ，２３ｂの上方を覆う部位が、ロアフレーム１１からの高さ寸法が凸部１２Ａよりも低い第１凹部１２Ｂとなる。また、後側バッテリモジュール部２２ｃ，２３ｃの上方を覆う部位が、ロアフレーム１１からの高さ寸法が最も低い第２凹部１２Ｃとなる。

　前記温調風ユニット３は、図４に示すように、ロアフレーム１１のうち、第２，第３バッテリモジュール２２，２３より前側の車両前側空間の右側領域に配置され、バッテリパックBPの送風ダクトに温調風（冷風、温風）を送風する。なお、温調風ユニット３のエバポレータには、フレーム前端部に取り付けられた冷媒管コネクタ端子１３を介して冷媒が導入される。また、温調風ユニット３のPTCヒータには、ジャンクションボックス５を介してヒータ作動電流が導入される。

　前記SDスイッチ４は、図３及び図４に示すように、ロアフレーム１１のうち、第２，第３バッテリモジュール２２，２３より前側の車両前側空間の中央部領域に配置され、手動操作によりバッテリ強電回路を機械的に遮断するスイッチである。バッテリ強電回路は、内部バスバーを備えた各バッテリモジュール２１，２２，２３と、ジャンクションボックス５と、SDスイッチ４と、を互いにバスバーを介して接続することで形成される。このSDスイッチ４は、強電モジュール１１２やインバータ１１３等の点検や修理や部品交換等を行う際、手動操作によりスイッチ入とスイッチ断が切り替えられる。

　前記ジャンクションボックス５は、図３及び図４に示すように、ロアフレーム１１のうち、第２，第３バッテリモジュール２２，２３より前側の車両前側空間の左側領域に配置され、リレー回路により強電の供給/遮断/分配を集中的に行う。このジャンクションボックス５には、温調風ユニット３の制御を行う温調用リレー５１と温調用コントローラ５２が併設されている。ジャンクションボックス５とパワーユニットPUの強電モジュール１１２は、バッテリ側強電コネクタ端子１４及び強電ハーネス１１１を介して接続される。ジャンクションボックス５と外部の電子制御システムは、弱電コネクタ端子１６及び弱電ハーネスを介して接続される。

　前記LBコントローラ６は、図４に示すように、第１バッテリモジュール２１の左側端面位置に配置され、各バッテリモジュール２１，２２，２３の容量管理・温度管理・電圧管理を行う。このLBコントローラ６は、温度検出信号線からの温度検出信号、バッテリ電圧検出線からのバッテリ電圧検出値、バッテリ電流検出信号線からのバッテリ電流検出信号に基づく演算処理により、バッテリ容量情報やバッテリ温度情報やバッテリ電圧情報を取得する。そして、LBコントローラ６と外部の電子制御システムは、リレー回路のオン/オフ情報やバッテリ容量情報やバッテリ温度情報等を伝達する弱電ハーネスを介して接続される。

　［パーキングブレーキ装置の構成］
　図５及び図６は、実施例１のパーキングブレーキ装置を示す概略側面図及び概略底面図である。以下、図５及び図６に基づき、パーキングブレーキ装置の構成を説明する。

　実施例１のパーキングブレーキ装置PKBは、上述の電気自動車に搭載されるものである。このパーキングブレーキ装置PKBは、図５に示すように、ブレーキ操作デバイス７と、ブレーキユニット８と、ブレーキケーブル９と、を備えている。

　前記ブレーキ操作デバイス７は、車室１０２内、すなわちフロアパネル１００の上側に設置され、手動による引き上げ操作が行われてブレーキユニット８を作動させるいわゆるハンドレバー式の操作デバイスである。このブレーキ操作デバイス７は、ボルスター７１と、ブレーキレバー７２と、ケーブルガイド７３と、図示しないケーブル長調整機構と、を有する。

　前記ボルスター７１は、乗員シート１０８の下方に配置されたやぐら部材である。このボルスター７１は、フロアパネル１００に固定され、車両上方に向かって起立している。このボルスター７１には、レバーブラケット７１ａが固定されている。

　前記ブレーキレバー７２は、レバーブラケット７１ａに支持軸７２ａを中心として回動可能に取り付けられている。ブレーキレバー７２の先端には操作ボタン７２ｂが設けられており、この操作ボタン７２ｂを押すことで図示しないラッチ機構が解除され、ブレーキレバー７２が回動可能となる。

　前記ケーブルガイド７３は、ブレーキレバー７２を支持する支持軸７２ａを中心とする円弧に沿ってブレーキケーブル９を案内する部材である。このケーブルガイド７３は、ブレーキレバー７２の側面に固定され、ブレーキレバー７２と共に回動する。

　前記ケーブル長調整機構は、ケーブルガイド７３に設けられ、ブレーキケーブル９の長さを調整した上で、ケーブルガイド７３にブレーキケーブル９を固定する。

　前記ブレーキユニット８は、車輪である左右の後輪１２０にそれぞれ設けられ、ブレーキ操作デバイス７に加えられる操作力によって作動して各後輪１２０を個別に固定する一対の駐車維持手段である。このブレーキユニット８は、ブレーキドラム８１と、一対のブレーキシュー８２，８２と、を有している。

　前記ブレーキドラム８１は、後輪１２０の内側に固定され、この後輪１２０と一体回転可能となった環状部材である。

　前記ブレーキシュー８２は、ブレーキドラム８１の内側に沿った円弧状部材であり、長手方向の一端が回動可能に設けられている。このブレーキシュー８２は摩擦部材８２ａを保持し、ブレーキレバー７２の操作によってこの摩擦部材８２ａをブレーキドラム８１に押しつけて後輪１２０の回転を停止させる。

　前記ブレーキケーブル９は、ブレーキ操作デバイス７とブレーキユニット８とを連結する。そして、ブレーキ操作デバイス７に加えられる操作力をブレーキユニット８に伝達して、ブレーキユニット８を動作させる。このブレーキケーブル９は、フロントケーブル９１と、リヤケーブル９２と、中間ケーブル９３と、を有している。

　［ブレーキケーブルの詳細構成（フロントケーブル）］
　図７は、実施例１のパーキングブレーキ装置においてブレーキ操作デバイスとブレーキケーブルの一部を示す側面図である。図８は、実施例１のパーキングブレーキ装置においてフロントケーブルと中間ケーブルの接続部位を示す拡大斜視図である。以下、図７及び図８に基づき、フロントケーブルの構成を説明する。

　前記フロントケーブル９１は、図７に示すように、全長がフロアパネル１００の上側（パネル上）に配索されるケーブルであり、一端９１Ａがブレーキ操作デバイス７に連結固定され、他端９１Ｂがフロアパネル１００の上側で保持される。ここで、一端９１Ａは、図示しないケーブル長調整機構によって固定位置を調整された上、ケーブルガイド７３に対して固定される。そして、このフロントケーブル９１の中間部９１Ｃが、ケーブルガイド７３に沿って案内され、他端９１Ｂは、車両下方に向けられる。

　また、この他端９１Ｂには、中間ケーブル９３を固定するための玉掛け係止部９４が設けられている。この玉掛け係止部９４は、図８に示すように、フロントケーブル９１の他端９１Ｂに固定された係止部本体９４ａと、この係止部本体９４ａに形成された係止開口部９４ｂと、を有する。

　前記係止部本体９４ａは、鋼板で形成された平たい中空長方体であり、互いに間隔を隔てて平行に配置された外側面９４ｃと内側面９４ｄを有している。また、この係止部本体９４ａは、短手方向の両側面が開放すると共に、長手方向の一方の側面９４ｅにフロントケーブル９１が貫通する構造となっている。

　前記係止開口部９４ｂは、係止部本体９４ａの外側面９４ｃから長手方向の他方の側面９４ｆにわたって形成された開口部である。この係止開口部９４ｂは、外側面９４ｃに形成された円形状のサークル開口９４ｇと、サークル開口９４ｇから係止部本体９４ａの長手方向に延びて他方の側面９４ｆまで連続したストレート開口９４ｈと、を有している。
ここで、サークル開口９４ｇの直径寸法は、ストレート開口９４ｈの幅寸法よりも大きくなるように設定されている。一方、ストレート開口９４ｈの幅寸法は、中間ケーブル９３の径寸法よりも大きい寸法に設定されている。

　［ブレーキケーブルの詳細構成（リヤケーブル）］
　図９は、実施例１のパーキングブレーキ装置において中間ケーブルとリヤケーブルの接続部位を示す拡大斜視図である。以下、図６及び図９に基づき、リヤケーブルの構成を説明する。

　前記リヤケーブル９２は、図６に示すように、全長がフロアパネル１００の下側（パネル下）に配索されるケーブルであり、左右の後輪１２０のそれぞれに設けられたブレーキユニット８に対応して２本配索されている。各リヤケーブル９２は、一端９２Ａが中間ケーブル９３に接続され、他端９２Ｂがブレーキユニット８に連結される。

　ここで、一端９２Ａには、図９に示すように、後述するイコライザ９６の係止プレート９６ｃに係止される係止ピン９５ａと、イコライザ９６の本体プレート９６ｂにリヤケーブル９２を固定するための固定金具９５ｂと、が設けられている。前記係止ピン９５ａは、リヤケーブル９２の先端に一体成型された金属製の円柱体である。前記固定金具９５ｂは、リヤケーブル９２の先端近傍に設けられ、リヤケーブル９２を挟み込む挟持部９５ｃと、本体プレート９６ｂにねじ止めされるフランジ部９５ｄと、を有している。

　なお、このリヤケーブル９２の中間部９２Ｃは、車両後方に向かって延在された後、アスクルビーム１２２に沿って延在され、途中の適宜位置がフロアパネル１００やアスクルビーム１２２にボルト固定される（図６参照）。

　［ブレーキケーブルの詳細構成（中間ケーブル）］
　図１０は、図６におけるＡ－Ａ断面図である。図１１は、図６におけるＢ－Ｂ断面図である。以下、図５～図８及び図１０，図１１に基づき、中間ケーブルの構成を説明する。

　前記中間ケーブル９３は、図５に示すように、フロアパネル１００に形成された貫通孔１００Ａを貫通し、一端９３Ａがフロアパネル１００の上側（パネル上）に配索され、他端９３Ｂがフロアパネル１００の下側（パネル下）に配索されるケーブルである。

　ここで、貫通孔１００Ａは、バッテリパックBPの上方領域に設定される。この「上方領域」とは、バッテリパックBPの上方であって、平面視した際にバッテリパックBPと重複する領域である。さらにここでは、貫通孔１００Ａが、フロアパネル１００のうち、バッテリパックBPのアッパーカバー１２の第１凹部１２Ｂの上方領域、すなわち第１凹部１２Ｂと対向する位置に設けられる。なお、この貫通孔１００Ａには、フロアパネル１００と中間ケーブル９３との接触を防止するグロメット１２３が取り付けられている。

　そして、前記中間ケーブル９３のフロアパネル１００の上側（パネル上）に配索された一端９３Ａは、フロントケーブル９１の他端９１Ｂに設けられた玉掛け係止部９４に連結される。
この一端９３Ａには、玉掛け係止部９４の係止開口部９４ｂに挿入される接続端子９７ａと、レバーブラケット７１ａの側面に中間ケーブル９３を固定するための固定金具９７ｂと、が設けられている（図８参照）。前記接続端子９７ａは、中間ケーブル９３の先端に一体成型された金属製の円柱体である。この接続端子９７ａの直径寸法は、係止開口部９４ｂのサークル開口９４ｇの直径寸法よりも僅かに小さい寸法であって、ストレート開口９４ｈの幅寸法よりも大きい寸法に設定される。前記固定金具９７ｂは、中間ケーブル９３の先端近傍に設けられ、中間ケーブル９３を押さえる押さえ部９７ｃと、レバーブラケット７１ａにボルト止めされるフランジ部９７ｄと、を有している。

　また、他端９３Ｂは、フロアパネル１００の下側（パネル下）であって、バッテリパックBPの上方領域から外れた位置に保持され、リヤケーブル９２の一端９２Ａが接続される。また、この他端９３Ｂには、リヤケーブル９２の一端９２Ａが連結されるイコライザ９６が設けられている。
すなわち、この他端９３Ｂに設けられたイコライザ９６は、バッテリパックBPの車両前後方向後端部よりも、車両前後方向外側領域である車両後方領域に配置され、フロアパネル１００の下側に固定される。これにより、中間ケーブル９３の他端９３Ｂが、バッテリパックBPの上方領域から外れた位置に保持されることとなる。
なお、「バッテリパックBPの上方領域から外れた位置」とは、平面視した際にバッテリパックBPと重複しない領域である。

　さらに、中間部９３Ｃは、図１０に示すように、パネル下において貫通孔１００Ａから車幅方向左側に向かって延在され、バッテリパックBPのアッパーカバー１２に形成された第１凹部１２Ｂとフロアパネル１００との間の隙間空間Ｋ１に配索される。そして、バッテリパックBPの側方に至ると屈曲され、このバッテリパックBPの車幅方向側面に沿いながら車両後方に向かって延在される。
一方、バッテリパックBPは、フロアパネル１００の下面に設けられたクロスメンバ１１０に対し、アッパーカバー１２に形成された第２凹部１２Ｃが対向する。しかしながら、このクロスメンバ１１０とバッテリパックBPとの間の隙間空間Ｋ１は、中間ケーブル９３を配索する十分な隙間寸法がない。そのため、この中間ケーブル９３は、図１１に示すように、バッテリパックBPの車幅方向側面と、サイドメンバ１０９と、クロスメンバ１１０とに囲まれた側部隙間空間Ｋ２に配索される。
その後、中間ケーブル９３は、図６に示すように、アッパーカバー１２の凸部１２Ａの車幅方向側面に沿わせながら後輪１２０に向けて配索され、バッテリパックBPの後端部よりも後方に至るまで延在される。

　なお、この中間ケーブル９３の中間部９３Ｃは、途中の適宜位置がフロアパネル１００にボルト固定される。

　［イコライザの詳細構成］
　図１２は、実施例１のパーキングブレーキ装置においてイコライザを示す斜視図である。以下、図５，図６及び図１２に基づき、イコライザの詳細構成を説明する。

　前記イコライザ９６は、フロントケーブル９１から伝達されるブレーキ操作デバイス７の操作力を分配する部材である。このイコライザ９６は、図１２に示すように、固定プレート９６ａと、本体プレート９６ｂと、係止プレート９６ｃと、を有している。

　前記固定プレート９６ａは、帯状鋼板から形成され、中間部が車両上方に向かって湾曲している。また、この車両上方に向かって湾曲した中間部及び長手方向の一方の端部９６ｄには、それぞれ図示しないボルト貫通孔が形成されている。そして、このボルト貫通孔にフロアパネル１００に設けられたブラケットＢから起立するボルトBOLが差し込まれた状態でナットNUTが螺合することで、イコライザ９６がフロアパネル１００に対して固定される。
このとき、固定プレート９６ａは、図６に示すように、長手方向の他方の端部９６ｅがブレーキ操作デバイス７側、すなわち車両前方に向けられ、長手方向の一方の端部９６ｄがブレーキユニット８側、すなわち車両後方に向けられる。そして、この固定プレート９６ａは、長手方向の他方の端部９６ｅが、一方の端部９６ｄよりも車幅方向外側位置に配置された状態でフロアパネル１００に固定される。さらに、この固定プレート９６ａは、図５に示すように、長手方向の他方の端部９６ｅが、一方の端部９６ｄよりも車両上方位置に配置された状態でフロアパネル１００に固定される。これにより、イコライザ９６は、ブレーキユニット８側の端部に対し、ブレーキ操作デバイス７側の端部が、車幅方向外側であって車両上方位置に設定される。

　前記本体プレート９６ｂは、帯状鋼板から形成され、長手方向の両端部９６ｆ，９６ｇがそれぞれ固定プレート９６ａの長手方向両端部９６ｄ,９６ｅに固定される。この本体プレート９６ｂの中間部には、固定プレート９６ａを固定するボルトBOL・ナットNUTを露出するための露出開口９６ｈが形成されている。また、本体プレート９６ｂの長手方向の一方の端部９６ｆには、リヤケーブル９２の一端９２Ａに設けられた固定金具９５ｂを固定するための一対のボルト９６ｉと、固定プレート９６ａを固定するボルトBOL・ナットNUTとの干渉を防止するための切欠部９６ｊと、が形成されている。

　前記係止プレート９６ｃは、鋼板を折りたたんで形成されており、互いに間隔を隔てて上下に平行に配置された上面９６ｋと下面９６ｍを有している。この係止プレート９６ｃの上面９６ｋと下面９６ｍの間には、中間ケーブル９３の他端９３Ｂが差し込まれ、係止ピン９６ｎを介して固定されている。また、この係止プレート９６ｃの長手方向両端部には、リヤケーブル９２の一端９２Ａに設けられた係止ピン９５ａが差し込まれるスリット９６ｐ，９６ｐが形成されている。

　［パーキングブレーキ装置の組立方法］
　図１３Ａ～１３Ｈは、実施例１のパーキングブレーキ装置の組立方法を示す説明図であり、図１３Ａは車体搬送工程を示し、図１３Ｂは中間ケーブル取付工程を示し、図１３Ｃは中間ケーブル引出工程を示し、図１３Ｄはバッテリ取付工程を示し、図１３Ｅはブレーキ操作デバイス組付工程を示し、図１３Ｆはフロント側ケーブル連結工程を示し、図１３Ｇはブレーキユニット組付工程を示し、図１３Ｈはリヤ側ケーブル連結工程を示す。以下、図１３Ａ～図１３Ｈに基づき、パーキングブレーキ装置の組立方法を説明する。

　車体搬送工程では、図１３Ａに示すように、フロアパネル１００やサイドメンバ１０９、クロスメンバ１１０を含む車体骨格を搬送装置（図示せず）の支持アーム１２４，１２４に取り付け、作業面Ｇよりも上方位置でぶら下げ支持して搬送する。

　中間ケーブル取付工程では、図１３Ｂに示すように、作業面Ｇよりも上方位置に搬送されたフロアパネル１００の下方から、このフロアパネル１００の下側に中間ケーブル９３の中間部９３Ｃ及び他端９３Ｂを取り付ける。ここで、中間ケーブル９３の取り付けは、途中の適宜位置をフロアパネル１００に対してボルト固定することで行う。
また、中間ケーブル９３の他端９３Ｂにはあらかじめイコライザ９６を接続しておく。すなわち、この中間ケーブル取付工程において、イコライザ９６もフロアパネル１００の下側に固定する。これにより、他端９３Ｂがフロアパネル１００に取り付けられる。なお、イコライザ９６の固定は、フロアパネル１００に対して固定プレート９６ａをボルト止めすることで行う。

　中間ケーブル引出工程では、図１３Ｃに示すように、フロアパネル１００の下側に取り付けられた中間ケーブル９３の一端９３Ａを、フロアパネル１００に予め形成された貫通孔１００Ａに挿通し、この一端９３Ａをフロアパネル１００の上側に引き出す。

　なお、この中間ケーブル取付工程及び中間ケーブル引出工程により、フロアパネル１００の下側に中間ケーブル９３を保持させた後、この中間ケーブル９３の一端９３Ａをフロアパネル１００の上側に引き出す中間ケーブル組付手順とする。

　バッテリ取付工程では、図１３Ｄに示すように、中間ケーブル９３が取り付けられたフロアパネル１００の下方から、このフロアパネル１００の下側にバッテリパックBPを取り付ける。このとき、バッテリパックBPは、貫通孔１００Ａと重複する位置であって、イコライザ９６と干渉しない位置に位置決めされ、サイドメンバ１０９やクロスメンバ１１０に対して８点固定される。

　なお、このバッテリ取付工程が、中間ケーブル９３が保持されたフロアパネル１００の下側であって、貫通孔１００Ａと重複する位置にバッテリパックBPを取り付けるバッテリ取付手順となる。

　ブレーキ操作デバイス組付工程では、図１３Ｅに示すように、支持アーム１２４，１２４を下降してバッテリパックBPが取り付けられたフロアパネル１００を作業面Ｇの近傍まで降ろす。そして、フロアパネル１００の上方から、このフロアパネル１００の上側にブレーキ操作デバイス７を設置する。なお、ブレーキ操作デバイス７には、予めフロントケーブル９１をサブアッセンブリしておく。

　フロント側ケーブル連結工程では、図１３Ｆに示すように、フロアパネル１００に設置されたブレーキ操作デバイス７にサブアッセンブリされたフロントケーブル９１と、フロアパネル１００の上側に引き出された中間ケーブル９３とを連結する。ここで、ケーブルの連結は、フロントケーブル９１の他端９１Ｂに設けられた玉掛け係止部９４の係止開口部９４ｂに、中間ケーブル９３の一端９３Ａに設けられた接続端子９７ａを挿入することで行う。

　なお、このブレーキ操作デバイス組付工程及びフロント側ケーブル連結工程により、フロアパネル１００の上側にブレーキ操作デバイス７を設置すると共に、フロントケーブル９１と中間ケーブル９３を接続するフロント側組立手順とする。

　ブレーキユニット組付工程では、図１３Ｇに示すように、支持アーム１２４，１２４を短縮してブレーキ操作デバイス７が設置されたフロアパネル１００を作業面Ｇの上方に引き上げる。そして、フロアパネル１００の下方から、フロアパネル１００に対してブレーキユニット８を設置する。つまり、ブレーキユニット８が予め取り付けられた後輪１２０をフロアパネル１００に搭載する。なお、ブレーキユニット８には、予めリヤケーブル９２をサブアッセンブリしておく。

　リヤ側ケーブル連結工程では、図１３Ｈに示すように、フロアパネル１００に設置されたブレーキユニット８にサブアッセンブリされたリヤケーブル９２と、フロアパネル１００の下側に保持された中間ケーブル９３とを連結する。ここで、ケーブルの連結は、中間ケーブル９３の他端９３Ｂに設けられたイコライザ９６の係止プレート９６ｃのスリット９６ｐに、リヤケーブル９２の一端９２Ａに設けられた係止ピン９５ａを挿入することで行う。

　なお、このブレーキユニット組付工程及びリヤ側ケーブル連結工程により、後輪１２０にブレーキユニット８を設けると共に、リヤケーブル９２と中間ケーブル９３を接続するリヤ側組立手順とする。

　そして、この実施例１では、フロント側組立手順を行った後、リヤ側組立手順を行うことでブレーキ組立手順とする。

　次に、作用を説明する。
　実施例１の電気自動車（電動車両の一例）のパーキングブレーキ装置における作用を、「ブレーキケーブルの分割作用」、「ブレーキケーブルの配索作用」、「ブレーキケーブル取付方法の作用」に分けて説明する。

　［ブレーキケーブルの分割作用］
　フロアパネルを貫通するようにブレーキケーブルを配索する際、パネル上とパネル下とでブレーキケーブルを分割しなければ組み付けることができない。このとき、分割したブレーキケーブルのケーブル長が長いと、分割ケーブルを互いに接続するまでの間、フロアパネルから脱落したブレーキ端部が作業面に干渉し、ケーブル損傷が発生してしまうという問題がある。そのため、ブレーキケーブルの組付作業中に、分割ケーブルのケーブル端部が作業面に干渉することを防止する必要がある。以下、これを反映するブレーキケーブルの分割作用を説明する。

　実施例１のパーキングブレーキ装置PKBでは、図５に示すように、ブレーキ操作デバイス７とブレーキユニット８を連結するブレーキケーブル９を、フロントケーブル９１と、リヤケーブル９２と、中間ケーブル９３と、に三分割している。

　ここで、フロントケーブル９１は、全長がフロアパネル１００の上側に配索されるケーブルである。そのため、ケーブル取付作業時に、このフロントケーブル９１がフロアパネル１００から下側に脱落することはない。これにより、フロントケーブル９１がケーブル取付作業中に作業面Ｇに干渉することはなくなり、ケーブル損傷を防止できる。

　また、リヤケーブル９２は、全長がパネル下に配索されるケーブルであるが、後輪１２０に設けられたブレーキユニット８とバッテリパックBPの後端部の間に配索されるものである。つまり、このリヤケーブル９２の他端９２Ｂは、ブレーキユニット８に連結され、ケーブル取付作業中に作業面Ｇに干渉することはない。また、このリヤケーブル９２をフロアパネル１００の上側に至るまでケーブル長を延在させる必要がないため、ケーブル長を短縮することができる。これにより、リヤケーブル９２の一端９２Ａをケーブル取付作業中に作業面Ｇに干渉しにくくすることができ、ケーブル損傷を防止できる。

　一方、中間ケーブル９３は、一端９３Ａがパネル上に配索されてフロントケーブル９１と接続されるため、この一端９３Ａがフロアパネル１００から下側に脱落することはない。そのため、この一端９３Ａがケーブル取付作業中に作業面Ｇに干渉することはない。
また、この中間ケーブル９３の他端９３Ｂは、パネル下であってバッテリパックBPの上方領域から外れた位置に保持される。つまり、この他端９３Ｂは、フロアパネル１００の下側に固定される。そのため、この他端９３Ｂがケーブル取付作業時にフロアパネル１００から脱落し、作業面Ｇに干渉することはない。
これにより、中間ケーブル９３がケーブル取付作業中に作業面Ｇに干渉しにくくでき、ケーブル損傷を防止できる。

　このように、ブレーキケーブル９を三分割しても、分割した各ケーブル（フロントケーブル９１、リヤケーブル９２、中間ケーブル９３）は、それぞれケーブル取付作業中に作業面Ｇに干渉しにくくなっている。そのため、ブレーキケーブルの組付作業中に、分割ケーブル（フロントケーブル９１、リヤケーブル９２、中間ケーブル９３）のケーブル端部が作業面Ｇに干渉することを防止することができる。

　［ブレーキケーブルの配索作用］
　走行用モータの電力源であるバッテリパックをフロアパネルの下側に搭載する電動車両においてブレーキケーブルを配索する際、バッテリパックとブレーキケーブルとの干渉を防止しなければならない。このとき、パネル上でブレーキケーブルを延在し、バッテリパックと干渉しない位置でパネル下に引き出す場合では、パネル上に配索されるケーブル長が長くなり、車室等のパネル上の空間に影響を与えることがある。そのため、パネル上の空間に影響を与えることがないようにブレーキケーブルを配索しつつ、バッテリパックとの干渉を防止する必要がある。以下、これを反映するブレーキケーブルの配索作用を説明する。

　実施例１のパーキングブレーキ装置PKBでは、図７に示すように、フロアパネル１００の上側に配索されるブレーキケーブル９は、フロントケーブル９１と中間ケーブル９３の一端９３Ａである。そして、このブレーキケーブル９は、バッテリパックBPの上方領域にてフロアパネル１００を貫通し、パネル下において車両後方に向かって配索される。
そのため、パネル上に配索されるブレーキケーブル９のケーブル長を短縮することができ、パネル上の空間に影響を与えることがないようにブレーキケーブル９を配索することができる。

　また、パネル下に配索されるリヤケーブル９２は、後輪１２０に設けられたブレーキユニット８とバッテリパックBPの後端部の間に配索されるため、バッテリパックBPと干渉することはない。

　また、中間ケーブル９３のうち、パネル下に配索される他端９３Ｂは、バッテリパックBPの上方領域から外れた位置に保持されるので、この他端９３ＢがバッテリパックBPと干渉することはない。
さらに、この中間ケーブル９３のパネル下に配索される中間部９３Ｃの一部を、フロアパネル１００とバッテリパックBPとの間の隙間空間Ｋ１に配索することで、中間ケーブル９３とバッテリパックBPとの干渉を防止することができる。

　これにより、パネル下に配索するブレーキケーブル９と、フロアパネル１００の下側に配置されたバッテリパックBPとの干渉が防止しつつ、パネル下にブレーキケーブル９を配索することができる。

　そして、実施例１では、バッテリパックBPのアッパーカバー１２が凹凸段差面形状を呈すると共に、ロアフレーム１１からの高さ寸法が比較的低いアッパーカバー１２の第１凹部１２Ｂの上方領域に、ブレーキケーブル９がフロアパネル１００を貫通する貫通孔１００Ａを設定している。
これにより、パネル下にブレーキケーブル９を配索するために、ブレーキケーブル９を屈曲させても、バッテリパックBPと干渉することを防止できる。

　すなわち、ブレーキケーブル９は、ブレーキユニット８に操作力を適切に伝達するため、屈曲する場合の曲げＲをできるだけ大きくする必要がある。実施例１では、このブレーキケーブル９は、フロアパネル１００を貫通した後、バッテリパックBPとの間の隙間空間Ｋ１に配索するために屈曲しなければならないが、アッパーカバー１２の第１凹部１２Ｂの上方領域に貫通孔１００Ａを設定することで、ブレーキケーブル９の曲げＲを大きく確保しても、ブレーキケーブル９がバッテリパックBPに干渉しにくくすることができる。

　さらに、実施例１では、ブレーキケーブル９の中間ケーブル９３を、バッテリパックBPのアッパーカバー１２の凸部１２Ａの車幅方向側面に沿わせながら後輪１２０に向けて配索される。
これにより、フロアパネル１００とバッテリパックBPとの間の隙間空間Ｋ１の隙間寸法が比較的少ない領域であっても、バッテリパックBPにブレーキケーブル９が干渉してしまうことを防止しつつ、適切にケーブル配索を行うことができる。

　また、実施例１では、中間ケーブル９３の他端９３Ｂには、フロアパネル１００に保持する前に、予めイコライザ９６を設けている。
これにより、中間ケーブル９３をフロアパネル１００に対して保持すると同時に、イコライザ９６を設置することができるため、ブレーキケーブルの取り付け作業性を向上することができる。

　さらに、このイコライザ９６は、バッテリパックBPの後端部と後輪１２０の間に配置されているため、イコライザ９６とバッテリパックBPとが干渉することはない。これにより、フロアパネル１００とバッテリパックBPとの間の隙間寸法を大きく確保する必要がなくなり、走行面からバッテリパックBPまでの空間寸法の増大を図ることができる。

　［ブレーキケーブル取付方法の作用］
　車両のフロアパネルを含む車体骨格に、バッテリ及びパーキングブレーキ装置を搭載する際、フロアパネルとパネル下に配置されるバッテリパックの間にブレーキケーブルを配索すると共に、ブレーキケーブルの損傷発生を防止しなければならない。以下、これを反映するブレーキケーブル取付方法の作用を説明する。

　実施例１のパーキングブレーキ装置PKBを車両に搭載するには、まず、フロントケーブル９１、リヤケーブル９２、中間ケーブル９３に三分割されたブレーキケーブル９のうち、中間ケーブル９３をフロアパネル１００の下側に取り付け、その後、一端９３Ａをパネル上に配索する。
すなわち、中間ケーブル９３は、一端９３Ａがパネル上に配置され、他端９３Ｂがフロアパネル１００に保持される。そのため、この中間ケーブル９３のケーブル端部がフロアパネル１００から脱落することがなく、中間ケーブル９３の損傷発生を防止することができる。

　続いて、フロアパネル１００の下方から、バッテリパックBPをフロアパネル１００の下側に取り付ける。このとき、すでに中間ケーブル９３はフロアパネル１００に取り付けられているので、バッテリパックBPを取り付けることで、中間ケーブル９３をフロアパネル１００とバッテリパックBPとの間に配設ことができる。
これにより、中間ケーブル９３を、フロアパネル１００とバッテリパックBPとの間の隙間空間Ｋ１に容易に配索させることができる。

　その後、ブレーキ操作デバイス７をフロアパネル１００の上側に設置すると共に、フロントケーブル９１と中間ケーブル９３を接続する。さらにその後、ブレーキユニット８を設けると共に、リヤケーブル９２と中間ケーブル９３を接続する。
そのため、ブレーキケーブル９を適切に配索しつつ、フロントケーブル９１やリヤケーブル９２のケーブル損傷も防止することができる。

　次に、効果を説明する。
　実施例１の電気自動車（電動車両の一例）のパーキングブレーキ装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。

　(1) フロアパネル１００の上側に設置されたブレーキ操作デバイス７と、
　前記フロアパネル１００の下側にある車輪（後輪）１２０に設けられたブレーキユニット８と、
　前記フロアパネル１００を貫通して前記ブレーキ操作デバイス７と前記ブレーキユニット８を連結し、前記ブレーキ操作デバイス８に加えられる操作力を前記ブレーキユニット８に伝達して動作させるブレーキケーブル９と、
　を備えた電動車両のパーキングブレーキ装置PKBにおいて、
　前記ブレーキケーブル９は、
　前記ブレーキ操作デバイス７に一端９１Ａを連結し、前記フロアパネル１００の上側に他端９１Ｂを保持するフロントケーブル９１と、
　前記フロアパネル１００の下側に配置されたバッテリパックBPの上方領域にて前記フロアパネル１００を貫通させ、パネル上で、前記フロントケーブル９１の他端９１Ｂに一端９３Ａを接続し、パネル下で、前記フロアパネル１００と前記バッテリパックBPとの間の隙間空間Ｋ１に少なくとも一部を配索すると共に、前記バッテリパックBPの上方領域から外れた位置に他端９３Ｂを保持する中間ケーブル９３と、
　前記中間ケーブル９３の他端９３Ｂに一端９２Ａを接続し、前記ブレーキユニット８に他端９２Ｂを連結するリヤケーブル９２と、
　を有する構成とした。
　これにより、ブレーキケーブル９をフロアパネル１００とパネル下のバッテリパックBPとの間の隙間空間Ｋ１に配索する際、ブレーキケーブル９の損傷発生を防止することができる。

　(2) 前記バッテリパックBPは、前記フロアパネル１００に対向するアッパーカバー１２が凹凸段差面形状を呈し、
　前記中間ケーブル９３が前記フロアパネル１００を貫通する貫通孔１００Ａを、前記アッパーカバー１２の凹部（第１凹部）１２Ｂの上方領域に設定する構成とした。
　これにより、パネル下にブレーキケーブル９を配索するために、ブレーキケーブル９を屈曲させても、バッテリパックBPと干渉することを防止できる。

　(3) 前記中間ケーブル９３の少なくとも一部を、前記アッパーカバー１２の凸部１２Ａの車幅方向側面に沿わせながら前記車輪（後輪）１２０に向けて配索する構成とした。
　これにより、フロアパネル１００とバッテリパックBPとの間の隙間空間Ｋ１の隙間寸法が比較的少ない領域であっても、バッテリパックBPにブレーキケーブル９が干渉してしまうことを防止しつつ、適切にケーブル配索を行うことができる。

　(4) 前記中間ケーブル９３の他端９３Ｂに、前記ブレーキ操作デバイス７の操作力を分配するイコライザ９６を設けた構成とした。
　これにより、中間ケーブル９３をフロアパネル１００に対して保持すると同時に、イコライザ９６を設置することができ、ブレーキケーブルの取り付け作業性を向上することができる。

　(5) 前記イコライザ９６を、前記バッテリパックBPの車両前後方向端部（後端部）よりも、車両前後方向外側領域に配置する構成とした。
　これにより、イコライザ９６とバッテリパックBPとが干渉することがなくなり、走行面からバッテリパックBPまでの空間寸法の増大を図ることができる。

　(6) フロアパネル１００の下側に配置されたバッテリパックBPを有する電動車両に適用され、
　前記フロアパネル１００の上側に設置されたブレーキ操作デバイス７に加えられた操作力を車輪（後輪）１２０に設けられたブレーキユニット８に伝達し、該ブレーキユニット８を動作させるブレーキケーブル９を備えると共に、
　前記ブレーキケーブル９が、前記ブレーキ操作デバイス７に一端９１Ａが連結され、前記フロアパネル１００の上側に他端９１Ｂが保持されるフロントケーブル９１と、前記バッテリパックBPの上方領域にて前記フロアパネル１００を貫通し、パネル上で、前記フロントケーブル９１の他端９１Ｂに一端９３Ａが接続され、パネル下で、前記フロアパネル１００と前記バッテリパックBPとの間に少なくとも一部が配索されると共に、前記バッテリパックBPの上方領域から外れた位置に他端９３Ｂが保持される中間ケーブル９３と、前記中間ケーブル９３の他端９３Ｂに一端９２Ａが接続され、前記ブレーキユニット８に他端９２Ｂが連結されるリヤケーブル９２と、を有する電動車両のパーキングブレーキ装置PKBの組立方法において、
　前記フロアパネル１００の下側に前記中間ケーブル９３の中間部９３Ｃ及び他端９３Ｂを保持させた後、該中間ケーブル９３の一端９３Ａを前記フロアパネル１００に形成された貫通孔１００Ａを介して前記フロアパネル１００の上側に引き出す中間ケーブル組付手順（中間ケーブル取付工程、中間ケーブル引出工程）と、
　前記中間ケーブル９３が組み付けられたフロアパネル１００の下側であって、前記貫通孔１００Ａと重複する位置にバッテリパックBPを取り付けるバッテリ取付手順（バッテリ取付工程）と、
　前記フロアパネル１００の上側に前記ブレーキ操作デバイス７を設置し、このブレーキ操作デバイス７に一端９１Ａを連結した前記フロントケーブル９１の他端９１Ｂに、前記フロアパネル１００の上側に引き出された中間ケーブル９３の一端９３Ａを接続するフロント側組立手順（ブレーキ操作デバイス組付工程、フロント側ケーブル連結工程）を行った後、前記車輪（後輪）１２０にブレーキユニット８を設け、このブレーキユニット８に他端９２Ｂを連結した前記リヤケーブル９２の一端９２Ａを、前記フロアパネル１００の下側に組み付けられた中間ケーブル９３の他端９３Ｂに接続するリヤ側組立手順（ブレーキユニット組付工程、リヤ側ケーブル連結工程）行うブレーキ組立手順と、
　を備える構成とした。
　これにより、ブレーキケーブル９をフロアパネル１００とパネル下のバッテリパックBPとの間の隙間空間Ｋ１に配索する際、ブレーキケーブル９の損傷発生を防止することができる。

　以上、本発明の電動車両のパーキングブレーキ装置を実施例１に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例１に限られるものではなく、請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。

　実施例１では、中間ケーブル９３の一部を、フロアパネル１００とバッテリパックBPの間の隙間空間Ｋ１に配索し、中間ケーブル９３の別の一部を、バッテリパックBPの車幅方向側面に沿いながら後輪１２０に向けて配索した例を示した。しかしながら、例えば、中間ケーブル９３の中間部９３Ｃの全長にわたって、フロアパネル１００とバッテリパックBPの間の隙間空間Ｋ１に配索してもよい。

　また、実施例１では、フロアパネル１００の下側にバッテリパックBPを取り付けた後、ブレーキ操作デバイス７を設置すると共に、フロントケーブル９１と中間ケーブル９３を接続するフロント側組立手順を行い、その後、ブレーキユニット８を設けると共に、リヤケーブル９２と中間ケーブル９３を接続するリヤ側組立手順を行う例を示した。しかしながら、例えば、フロアパネル１００の下側にバッテリパックBPを取り付けた後、リヤ側組立手順を行ってから、フロント側組立手順を行ってもよい。

　そして、実施例１では、ブレーキ操作デバイス７として、乗員シート１０８の側方に配置され、ドライバーの引き上げ操作によってブレーキユニット８を動作させるいわゆるハンドレバー式の操作デバイスである例を示した。しかし、いわゆる足踏み式の操作デバイスであってもよい。

　さらに、実施例１では、本発明のパーキングブレーキ装置PKBを電気自動車（電動車両の一例）に適用する例を示した。しかし、本発明の電動車両のパーキングブレーキ装置は、プラグイン構造を持たないハイブリッド車両、さらに、ＦＦプラグインハイブリッド車両に対しても適用することができる。要するに、バッテリパックBPをフロアパネル１００の下側に配置した電動車両に適用できる。

Claims

　フロアパネルの上側に設置されたブレーキ操作デバイスと、
　前記フロアパネルの下側にある車輪に設けられたブレーキユニットと、
　前記フロアパネルを貫通して前記ブレーキ操作デバイスと前記ブレーキユニットを連結し、前記ブレーキ操作デバイスに加えられる操作力を前記ブレーキユニットに伝達して動作させるブレーキケーブルと、
　を備えた電動車両のパーキングブレーキ装置において、
　前記ブレーキケーブルは、
　前記ブレーキ操作デバイスに一端を連結し、前記フロアパネルの上側に他端を保持するフロントケーブルと、
　前記フロアパネルの下側に配置されたバッテリパックの上方領域にて前記フロアパネルを貫通させ、パネル上で、前記フロントケーブルの他端に一端を接続し、パネル下で、前記フロアパネルと前記バッテリパックとの間の隙間空間に少なくとも一部を配索すると共に、前記バッテリパックの上方領域から外れた位置に他端を保持する中間ケーブルと、
　前記中間ケーブルの他端に一端を接続し、前記ブレーキユニットに他端を連結するリヤケーブルと、
　を有することを特徴とする電動車両のパーキングブレーキ装置。
　請求項１に記載された電動車両のパーキングブレーキ装置において、
　前記バッテリパックは、前記フロアパネルに対向するアッパーカバーが凹凸段差面形状を呈し、
　前記中間ケーブルが前記フロアパネルを貫通する貫通孔を、前記アッパーカバーの凹部の上方領域に設定する
　ことを特徴とする電動車両のパーキングブレーキ装置。
　請求項２に記載された電動車両のパーキングブレーキ装置において、
　前記中間ケーブルの少なくとも一部を、前記アッパーカバーの凸部の車幅方向側面に沿わせながら前記車輪に向けて配索する
　ことを特徴とする電動車両のパーキングブレーキ装置。
　請求項１から請求項３のいずれか一項に記載された電動車両のパーキングブレーキ装置において、
　前記中間ケーブルの他端に、前記ブレーキ操作デバイスの操作力を分配するイコライザを設けた
　ことを特徴とする電動車両のパーキングブレーキ装置。
　請求項４に記載された電動車両のパーキングブレーキ装置において、
　前記イコライザを、前記バッテリパックの車両前後方向の端部よりも、車両前後方向外側領域に配置する
　ことを特徴とする電動車両のパーキングブレーキ装置。
　フロアパネルの下側に配置されたバッテリパックを有する電動車両に適用され、
　前記フロアパネルの上側に設置されたブレーキ操作デバイスに加えられた操作力を車輪に設けられたブレーキユニットに伝達し、該ブレーキユニットを動作させるブレーキケーブルを備えると共に、
　前記ブレーキケーブルが、前記ブレーキ操作デバイスに一端が連結され、前記フロアパネルの上側に他端が保持されるフロントケーブルと、前記バッテリパックの上方領域にて前記フロアパネルを貫通し、パネル上で、前記フロントケーブルの他端に一端が接続され、パネル下で、前記フロアパネルと前記バッテリパックとの間に少なくとも一部が配索されると共に、前記バッテリパックの上方領域から外れた位置に他端が保持される中間ケーブルと、前記中間ケーブルの他端に一端が接続され、前記ブレーキユニットに他端が連結されるリヤケーブルと、を有する電動車両のパーキングブレーキ装置の組立方法において、
　前記フロアパネルの下側に前記中間ケーブルの中間部及び他端を保持させた後、該中間ケーブルの一端を前記フロアパネルに形成された貫通孔を介して前記フロアパネルの上側に引き出す中間ケーブル組付手順と、
　前記中間ケーブルが組み付けられたフロアパネルの下側であって、前記貫通孔と重複する位置にバッテリパックを取り付けるバッテリ取付手順と、
　前記フロアパネルの上側に前記ブレーキ操作デバイスを設置し、このブレーキ操作デバイスに一端を連結した前記フロントケーブルの他端に、前記フロアパネルの上側に引き出された中間ケーブルの一端を接続するフロント側組立手順か、或いは、前記車輪にブレーキユニットを設け、このブレーキユニットに他端を連結した前記リヤケーブルの一端を、前記フロアパネルの下側に組み付けられた中間ケーブルの他端に接続するリヤ側組立手順のうち、いずれか一方を先に行うブレーキ組立手順と、
　を備えることを特徴とする電動車両のパーキングブレーキ装置の組立方法。